当日の配布資料(PDF - 建設トップランナー倶楽部

建設業と農林水産業の連携シンポジウム
挨拶
趣旨説明
目次
農林水産事務次官
建設トップランナー倶楽部 代表幹事
皆川芳嗣
1
米田雅子
2
1.建設業の農業参入事例
①あぐりから地域総合産業へ
愛亀
西山 周
愛媛県
3
②無農薬ハーブで農商工連携
舟山組
舟山秀太郎
北海道
4
③高品質アスパラガス栽培と販路開拓
幌村建設
幌村佑規
北海道
5
④オランダ型トマト菜園と木質バイオ利用 未来菜園
深松 努
宮城県
6
⑤次世代型植物工場 いちごカンパニー
小野貴史
新潟県
7
和仁松男
岐阜県
8
佐久間源一郎 福島県
9
②木材リサイクルから足柄茶、荒廃地再生 冨士建設
文字正和
神奈川県
10
③漁協と連携、佐渡島フードで地域おこし 廣瀬組
廣瀬俊三
新潟県
11
④隠岐牛と定置網で島おこし
飯古建設
田仲寿夫
島根県
12
⑤柱状礁による漁場の再生、繁殖牛の飼育 金田建設
宮川則男
島根県
13
⑥木材再利用、さくらんぼ観光農園の開催 竹内組
竹内忠義
青森県
14
小野組
⑥地域ブランドで自立農業、感動を届ける 和仁農園
2.複業による地域創生の事例(農業・林業・水産業・観光等)
①森林・農業・地域再生
佐久間建設工業
3. 林建協働の事例
①林建協働による森林路網整備の推進を
たかやま林建
長瀬雅彦
岐阜県
15
②岐阜県の林建協働の紹介
下呂林建共同企業体
森本繁司
岐阜県
16
③林建協働による苗木生産事業の創出
郡上森づくり協同組合 小森胤樹
岐阜県
17
④異種の道ネットワーク実現をめざして
杉山建設
杉山文康
岐阜県
18
⑤下山バークパークとブルーベリー農園
鈴鍵
梅村正裕
愛知県
19
①オホーツク振興 農業参入から苗木まで 管野組
管野浩太郎
北海道
20
②紀州の間伐材で地域を元気に
川口建設
川口明久
和歌山県
21
③間伐材活用の軟弱地盤補強工法
日本建設技術
原 裕
佐賀県
22
④青森ひばの香りで五感を潤す環境を提供 大見海事工業
大見義紀
青森県
23
⑤林産と畜産の堆肥製造と広域流通
内山建設
内山雅仁
宮崎県
24
⑥大谷崩れの森林再生、地域教育
白鳥建設
白鳥勝平
静岡県
25
4.森林再生・地域創生・森林資源の活用事例
建設トップランナー倶楽部 幹事企業の取り組み一覧
26
巻頭あいさつ
農林水産事務次官
皆川
芳嗣
「建設業と農林水産業の連携シンポジウム」の開催に当たり、一言御
挨拶申し上げます。
皆様方におかれましては、日頃、我が国の農林水産業の発展に御理解
と御協力をいただいておりますことに対し、厚く御礼申し上げます。
また、シンポジウムにおいて、農林水産業への参入事例をお話いただ
く建設業の皆様方におかれましては、建設業を中核にしながらも、農林
水産業をはじめとした複業化や新しい地域建設業の構築に取り組まれて
いることに対し、敬意を表する次第です。
現在、農林水産省では、強い農林水産業を実現し、地域に活力を取り
戻 し て い く た め 、「 農 林 水 産 業 ・ 地 域 の 活 力 創 造 プ ラ ン 」 の 実 行 を 旨 と し
て農林水産施策を推進しております。このため、農林水産省内に西川農
林水産大臣を本部長とする「攻めの農林水産業実行本部」を設置し、本
省と地方部局が一丸となって、農林漁業者の所得を向上させ、地域のに
ぎわいを取り戻していくとの決意のもと、それぞれの施策に取り組んで
いるところです。
農林水産業は、農林地や食文化、人や水、太陽など地域の資源を活用
し、内発的に付加価値を生み出すことができる産業です。地域に根ざし
た建設業の方々が地域の農林水産業に参入することは、農業やその周辺
産業が若者をはじめとする地域の雇用の受け皿となることにつながり、
地域の元気の核として地方創生の重要な柱となる取組であると考えてい
ます。
シンポジウムで御紹介頂く事例においても、木質バイオマスなどの地
域資源の活用や地域の農林水産物を活かしたブランドの確立など、我々
の目指す地域農業の方向性に合致する事例が多く見られるところであり、
大いに勇気づけられるところです。
一方で、今日のシンポジウムのサブタイトルが「建設帰農・林建協働
の十年の歩み」とあるように、それぞれの事例が今に至るには、多くの
課題や御苦労があったと推察いたします。これらの事例から得られる現
場の知恵や御意見を糧として、今後、我々も更なる方策の検討に活かし
ていきたいと考えています。
最後になりましたが、シンポジウムに御出席の皆様方の益々の御発展
を祈念いたしまして、巻頭の挨拶とさせていただきます。
-1-
趣旨説明
建設トップランナー倶楽部
代表幹事 米田雅子
建設帰農、林建協働、農商工連携など、地域の建設会社が農林水産業への参入・連携に本格的に
取り組み始めて十年がたちました。本シンポジウムでは、今後の建設業と農林水産業の一層の連携
にむけて、農林水産業に参入した建設会社のその後の歩みを報告します。
建設トップランナー倶楽部は、公共事業が減少するなか、夢をもって新事業に挑戦してきた建設
経営者の集まりです。平成 18 年に始めた建設トップランナーフォーラムは、今年の 6 月 30 日に
10 回目を迎えます。全国 55 社の幹事、600 社の参加企業が、地方建設新聞 30 紙、JC 建設部会、
23 道県の建設新事業施策研究会と共に、地域の雇用と社会基盤を守るため、業種の壁をこえて地
域産業をおこそうと建設業の複業化を推進してきました。
複業化は複数の本業をもつことです。複数の本業を組み合わせて相乗効果を生み出します。過疎
の進む地域では市場規模が小さく専業での自立は難しいため、複業は地方創生の有効な手段となり
ます。例えば、建設業と農業では、機械を両方で有効活用できるだけでなく、繁忙期のずれを利用
して年間の仕事の平準化がはかれます。建設業と林業では、作業道の整備や機械化を建設業が進め
ることで木材搬出量を増やすと共に、建設業が木材の利用拡大をはかれます。また、地域に住む方々
が、業種をこえて協力することは、地域ブランドや地域振興につながります。
建設業の農林水産業参入は、当初は業習慣や法制度の違いで苦労が多かったのですが、地元密着
の建設業が農林水産業の方々と協力して実績を積むにつれて、逆風は順風に変わりました。今では、
官民連携による地域おこしを支える企業が増えています。
本シンポジウムでは、多くの課題をのりこえながら、着実に成長した企業の姿を示すと共に、農
林水産業と建設業の連携による地方創生の今後の可能性について議論したいと思います。
-2-
1−① あぐりから地域総合産業へ (建設からの農業参入そしてインフラの町医者へ)
(株)愛亀(あいき) 代表取締役 西山 周
愛亀企業グループ(建設インフラ関連企業、農業法人等10社)
㈱愛亀 本社 〒790-0062 愛媛県松山市南江戸二丁目660番地1
電話 089-921-3030
http://www.ikee.jp/
・建設技能力の温存と農業参入(建設会社の特徴を生かす)
強みは技術社員・技能社員の質と量
地域内の雇用を守る使命感と貢献
将来的にも強みを残して本業で儲ける
★平成12年に農業法人あぐりを設立(個人所有の圃場)
★松山市近郊の圃場を借り受け、無農薬・無化学肥料による稲作
(H26 現在 圃場数約400枚 約51h
点在のメリットも有)
★工事の閑期に建設技能社員をほ場にシフト(30人程度)
★建設会社の特徴(工程管理、雇用管理、品質管理、マニュアル化)
★精密農業・有機リサイクルによる営農、
・圃場別データ管理の精密農業と有機リサイクル
・ブランディング、マーケティング、大学との連携
・地域との連携
・複業化と多能工化
・グループ企業10社による農商工連携(サッカー型経営)
・インフラの町医者
圃場別データ管理の精密農業と有機リサイクル、食味値の高平均化
リサイクル
北川原
環境
大間
東古泉
鶴吉
大学
大学
栽培
-3-
1−② 無農薬ハーブで農商工連携
(株)舟山組 代表取締役 舟山秀太郎
〒090-0065 北海道北見市寿町 6-3-4 電話 0157-23-5070
農業生産法人(有)香遊生活 代表取締役 舟山秀太郎
〒099-0877 北海道北見市柏木 14-3 電話 0157-66-1201
(株)舟山組は公共工事(土木・建築・造園)部門と補償コンサルタント部門を事業の骨格としてい
る。造園部の樹木の育成苗圃地の有効活用を図るために、 農業栽培事業を検討し、1991 年、舟山組
ハーブ事業部を開設し、新規事業として農業進出を決める。無農薬・無化学肥料農法を実現するため、
オーガニックハーブの栽培・加工・販売を目指す。北見地域はかつてハッカ生産が世界一であり、気
象条件等が栽培適地であるとの予想からハーブ生産を決意する。
農地の確保などのために、農業生産法人を取得する必要に迫られ、1997 年 1 月に認定取得する。
農業生産法人(有)香遊生活を設立し、舟山組と分離する。 国内産オーガニックハーブの事業事例が皆
無のため、栽培・加工・商品化・販売を独自の工夫によるほかなく苦戦の連続であったが、1997 年 4
月産学官連携 の産業クラスター研究会オホーツクの設立もあり、地元の北見工業大学・北海学園北見
大学・北見工業技術センター・北海道立北見食品加工技術センターなどの協力を戴き、新商品開発や
ネーミングからマーケティングなど広範囲にわたり連携を図る。それらの多年の活動により 2008 年
7 月に北海道科学技術振興財団と連名で「農商工連携88選」の認定を受ける。
創業 20 年目の 2010 年、「札幌大通りビッセ」に直営店「ファーマーズハーブ」をオープンした。
嗜好品で消費人口が少ないハーブビジネスにあっては、直営店販 売が最も望ましいと考えていたの
で最良の出店であった。
香遊生活ショップ・カフェ・事務所
カモミールの収穫風景
LL 事業の成果、フィンランド製ログハウス
札幌大通りビッセの直営店「ファーマーズハーブ」
-4-
1−③ 高品質アスパラガス栽培と販路開拓
幌村建設(株) 代表取締役副社長 幌 村 佑 規
幌村建設グループ(不動産・リース業:蓬莱商事(株)、施設園芸:(株)ファームホロ)
幌村建設本社 〒059-3104 北海道日高郡新ひだか町三石蓬栄126番地
電話 0146-33-2031 http://www.horo.co.jp/
平成17年に「営農集団ファームホロ(平成21年に農業生産法人株式会社ファームホロに組織変更)」
を設立し、異業種・新分野である農業に新規参入しました。
当初はビニールハウス(100坪)3棟で花卉栽培に着手、翌年アスパラガスの栽培を開始、現在は80棟
のビニールハウスを有しアスパラガスを主力に花卉、高糖度トマトの生産を行っています。
農業分野進出にあたり、十分なノウハウを持たず熟練した技能者もいない中、事業を確実に遂行できる
社員を育成することが急務でした。
当時、フィールドでの栽培試験を考え、パートナーを求めていた北海道大学や専門機関等の研究・指導機
関との結びつきが社員のスキルを急速にアップさせる事が出来ました。
また、経営効率を上げるため販売系統を見直し、独自の販路の開拓を目指す事としましたが、この業界
に何らネットワークを持たない弊社にとっては乗り越えられない障壁とも思われましが、平成20年に
「農商工等連携事業計画認定(通巻番号 1/20/001)/経済産業大臣・農林水産大臣」を受けた事、また平成
23年には北海道知事から「新分野進出優良企業表彰」を戴き、更には「建設企業のための経営戦略アド
バイザリー事業(出口支援)/国土交通省」の認定を受けた事により、多くの見本市・マッチングフェア等
に参加させて戴き、販路拡大を図る事が出来ました。
多くの方々との商談を通じて市場が求めているものを理解し、それらを農場へフィードバックして品種
の選定や栽培方法に活かす事を繰り返し、期待に応えていく事が取引の拡大に結びついていきました。
高品質を追求するが故に、若干生産量を落としは致しましたが逆に販売額は上昇し、更に新しい野菜の
栽培を求める多くのニーズを聞かせて戴くようになっております。
規模の面からもスケールメリットを活かして大量生産を行う業態ではありませんが、差別化された市場
の中で安定的に安全な高品質野菜を提供していける農産企業で在りたいと願っております。
-5-
1−④ オランダ型温室水耕トマト栽培と木質バイオ利用
(株)深松組 代表取締役 深松 努
深松組グループ(栽培:㈱未来彩園)
深松組本社 〒981-0931 宮城県仙台市青葉区北山1丁目2−1
電話 022-271-9211 http://www.fukamatsugumi.co.jp/
株式会社未来彩園は、先端技術を所持する1ヘクタール規模の大型園芸施設として、平成17年に設立し、10
年目を迎えることができました。しかし、燃料費の高騰による暖房費の増大や東日本大震災などを経験し、その歩
みは決して緩やかなものではありませんでした。
① 建設業から農業へ 経験ゼロからのスタート
世界でも最先端の園芸施設及び栽培技術を誇るオランダ型トマト温室と全自動型の環境制御装置を用いて、高収
量・高品質のトマトの生産を目指してスタートしました。管理者側はもとより、作業をするパート従業員もほとん
どが農業経験ゼロということもあり、栽培技術の習得にだいぶ時間がかかりました。平成19年には、宮城県で初
のJGAP(農業生産工程管理手法)認証農場となり、安全で品質のよい農作物を安定して生産することに努めてきま
した。
現在では、宮城県でもトップクラスの農場に成長し、被災地の新しい復興農場などの研修者受入れやコンサルテ
ィングを行っています。
温室内部の様子
未来彩園を支える従業員のみなさん
② 東日本大震災による被害
宮城県内には当時、未来彩園と同規模の農園が5つありましたが、沿岸部の1つの農園が半壊し、廃業、
1つの農園が半年間操業停止に追い込まれました。当農園は内陸部に位置するため比較的軽微な損傷で収
まりましたが、それでもインフラが回復するまでの2週間の影響で約20%の売上減の被害を受けました。
③ 燃料費の高騰による暖房費の高騰 木質バイオマスボイラーの導入
計画当初は、A重油の価格は、1リットル33円を予定しておりましたが、リーマンショックや円安によ
り、現在は、1リットル80~90円の高値で安定しており、経営を圧迫していましたが、4年前より、
地元森林組合と連携し、燃油高騰対策として木質チップバイオマスボイラーを導入いたしました。良質で
安定したチップの供給には苦労しましたが、年間で約45%のA重油使用量の削減を実現しました。
未来彩園 施設全景
木質バイオマスボイラー全景
-6-
1-⑤ 次世代型植物工場いちごカンパニー
㈱小野組 代表取締役社長 小野貴史
いちご栽培ユニット開発・販売、いちご栽培・販売、農業コンサルティング
いちごカンパニー株式会社 〒959-2826 新潟県胎内市鼓岡 818-1
mail:info@15company.co.jp
【幾つもの世界初を重ねる】
(1) LED を使った閉鎖型植物工場で、イチゴの通年栽培システムを確立
(2) 病害虫の発生のコントロールに成功
(3) 閉鎖型植物工場で、蜂を使った受粉システムを確立
(4) LED を使った小苗の栽培供給システムを確立 ⇒ 通年で3~4回/年の苗供給が可能
(5) 大きさ・糖度のコントロールに成功し、最高糖度17度を超える(通常は9~11度)
【苗の安定的な栽培環境を構築】
夏秋期(6~11月)の一季なりイチゴが栽培できなかった期間の栽培を可能にし、大きな市場を作る。
【農業未経験者でもコントロールできる栽培システム】
サーバーを経由したデータ共有化システムを通し、未経験者でも栽培
コントロールできるように構築。
また従来の栽培方法と比べ、単位面積当たりの収量を14倍以上とし
将来的には30倍を目標とする。
ロー・コスト、ハイ・バリューアデッドを実現するため、既存の葉物植物
工場の1株あたりの投資額及び電気料の半分以下を実現し、最終的
には3分の1以下を実現します。
農業でもない、工業でもない、新しい産業の創造
-7-
1-⑥ 地域ブランドを確立して自立農業を目指す 届けよう!『感 動』
(株)和仁農園 代表取締役 和仁松男
〒506-1306 岐阜県高山市上宝町見座200
電話 0578-86-2333 http://www.wani-nouen.com/
資本金:1,200万円 従業員:15名(正社員8名 非正規社員7名)
設立:平成21年2月 認定農業者:平成22年4月
平成26年度実績 : 作付合計27ha(地権者120名 水田235枚)
水稲の受託業務 7.0ha(依頼者38名 水田48枚)
農業参入を目指した動機
1・通年雇用を伴った雇用の創出
工程管理による農作業の平準化 農閑期の作業受託
2・具体的な農作物の検討 農業生産と生活の場が一体(自給自足環境)
水稲に限定・おいしいお米の収穫と手法
正収量・適正作付時期・有機低農薬栽培の研究
食用米と飼料用稲(WCS)とのマッチング
3・企業経営による自立農業
田舎の主幹産業としての農業
建設業の技術力・資機材・管理手法の活用
堆肥化施設の有効活用と事業連携
農業者としての具体的な取組
1・販売戦略
適正な原価管理と適正な販売価格の把握
美味しさによる販売戦略
具体的な宣伝、周知の戦略
2・若手の育成(後継者の育成)
目指す農業の目標設定(田舎の再生が日本を救う)
若手従業員のやる気の高揚(従業員の独立)
不良農地対策 飼料用稲とのマッチング
3・耕作放棄地・後継者不足農地対策
再生及び改修の方法の検討及び提言(補助制度の検証)
具体的な戦略
1.管理手法の厳格化・電子化
① 工程管理:作業の平準化(年間継続雇用)
② 原価管理:経費の削減(適正価格の把握)
③ 品質管理:日本一のおいしさ(検査方法の検証)
④ 安全管理:労働災害ゼロ
2.美味しさが最優先の農業
① 適性収量の厳守(食味最優先・慣行農法は収量重視)
② 有機低農薬栽培の励行
③ 適正な作付時期(自社育苗の開始)
-8-
2-①
森林・農業・地域再生
佐久間建設工業株式会社 代表取締役 佐久間 源一郎
〒969-7406
福島県大沼郡三島町大字早戸字湯ノ平 687
TEL:0241-52-3111
URL:http://www.sakuma-ci.com/
会津の森林資源を活用し、農業との連携を模索しながら「地域と共に生きる」
私達が生活する奥会津は、日本でも有数の豪雪地帯であり、地域全体が山の中に位置しております。
過疎・高齢化に於いても日本で最も進行してしまった、日常生活を営む上で、条件的に非常に厳しい地
域です。当地域に於いては、人々の日常生活を支える担い手として、建設業に携わる者の役割には大き
いものがあります。当社では「地域と共に生きる」をミッションとして、新たな建設業と地域の在り方
を模索しつつ、身のまわりの地域資源を見直し、柔軟な発想で活かすための試みを、複合的な視点で取
組んで参りました。
生活基盤を支える総合建設業としての信頼を活かし、地域の森林資源を活性化
会津地域の森林資源を活かすために、森林保全、素材生産、
製材、乾燥・加工、建築等に携わる企業や個人と連携し「一般
社団法人IORI倶楽部」を設立。中核企業として「地域を再
生する仕組みづくり」に取り組んでおります。
森林資源を複合的に活用した事業を通して、持続可能で循環
型の新しいライフスタイルを模索・提案しています。実際に森
林に手を加える場面においては、総合建設業としてのノウハウ
や、地域での信頼がプラスになっております。
冷涼な気候を活かし、悲願の通年雇用を目指して、施設園芸農業に活路を見出す
冬期間の雇用を確保し、老若男女を問わず、活躍できる場を創出
することは、雪深い当地域での悲願でもあります。H19 年に農業
生産法人「株式会社奥会津彩の里」を設立し、国内では未だ開拓さ
れていない「夏秋イチゴ」のハウス栽培に乗り出しました。
海抜 630m という高原の冷涼な気候が有利に働く立地を生か
し、市場での付加価値が高い、端境期のイチゴによって特産品化を
目指し、試行錯誤を重ねておりますが、特殊な栽培法ですので、よ
うやくノウハウが蓄積されて参りました。
森林資源・農業生産物を、木に囲まれた趣のある食の空間に昇華させ、地域再生を模索
森林資源にしても、農業生産物にしても、当地域においては、産
業基盤の集積がありませんので、労働集約的にならざるを得ませ
ん。むしろ多くの雇用を創出するためには、労働集約的である方が
価値を持つ地域柄でもあります。このような地域事情に於いて、如
何にして生産性を高めるかは、価値の最大化への発想力に懸かって
おります。伝統の技を活かした木組みの建築、古民家活用のノウハ
ウ、温泉資源、安全な農業生産物、クリエイティブな食の専門家、
発想力豊かなアーティスト、IT技術者等、地域力を総動員し、有
機的かつ複合的に地域の再生を模索しています。
-9-
2−② 木材のリサイクルから足柄茶の生産、そして荒廃農地再生へ・・・
(株)冨士建設 代表取締役 文字 正和
本社 〒259-0151 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口2444番地の1
電話 0465-81-0070
fujikensetsu@mbn.nifty.com
㈱冨士建設では従来の土木工事業とともに、
次に紹介する新しい資源循環のカタチを実践した事業を進めております。
平成18年7月、木材の中間処理施設「大井木材リサイクルセンター」を開設いたしました。
神奈川県県西部を中心に発生する伐採や剪定した木材をこのリサイクルセンターで破砕し、チップ化
した後、農業用の堆肥や敷材、バイオマスボイラーの燃料などに再利用します。
当施設では、産業廃棄物、一般廃棄物を問わず生木であればチップ化することができますので、幅広く
木くずを取り扱うことが可能です。
さらに周辺環境へ配慮し、破砕処理施設を建屋の中に建設することにより、騒音や振動、そして木くず
の破砕による粉塵を抑えた設計を行っております。
県内の建設工事で発生する伐採木や、道路の街路樹より発生する剪定枝などを中心に、日量約30t
の木くずを処理し木質チップを生産しています。チップは、敷料や堆肥、燃料向けに出荷しております。
耕作放棄地や採石場の跡地を利用し、土地の区画、造成を行い、足柄茶の栽培を行っております。
現在約3ha の面積で実施し、最終的に10ha の農地での栽培を計画しております。
土地改良区等の造成事業で培った農地の基盤整備や、優良な土壌の醸成、そして木材リサイクル
事業で生産した竹の敷材チップの利活用により、良質な足柄茶の栽培を実践しております。
通常の木質チップでは、土壌がアルカリ化する可能性がありますが、竹チップを敷料に利用し、土壌
を中性化し、茶葉の育成が最適になります。茶を摘めるまでに通常5年ほどかかりますが、3、4年で
収穫できるサイズになっています。
現在は生産した茶葉を県に卸し、地元の名産「足柄茶」として販売されていますが、今後は農業法人
の設立や独自の流通ルートの開拓も検討しております。
荒廃した里山(山林、畑、水田)を再生し、農業経営が可能な農地に改良し、農業振興と併せて生活
環境の改善を図ることを目的に、土地改良事業を神奈川県県西部の大井町山田石河ら山地区にて
行っております。
事業の主な概要は、面積3.18ha、土砂受入数量 約19万 m3
1.公共建設発生土の活用
公共工事で発生する土砂を利活用することにより、国、県等の補助金を利用することなく農地整備
を施工できることが当事業の最大の特徴であります。
2.環境に配慮した事業計画
整備が行き届かなかった山林や河川の整備も併せて行うことにより周辺環境の向上、生態系の
保全も図ることが可能となります。周辺の山林、河川へのアクセスも改善され、荒廃しつつある山林
の整備が容易になり、台風等による自然災害の低減にもつながります。
土と木とともに…
- 10 -
2-③ 漁協と連携、佐渡島フードで地域おこし
(株)廣瀬組 代表取締役社長 廣瀬俊三
廣瀬組グループ(水産加工販売:株式会社シンワシーデリカ)
廣瀬組本社 〒952-0021 新潟県佐渡市秋津 101 番地1
電話 0259-23-2001
1.
http://hirose-gr.co.jp/company/
事業着手のきっかけ
佐渡島の水産物は少量多品種で漁獲量が不安定で、離島がゆえに鮮魚のままでは島外への流通に乗りにくい。ブリ・
マグロなどの高級魚は鮮魚で築地方面に送られるが、それ以外のアジ・タラ・カレイなどのごく普通の魚を加工し、
商品価値を高めて島外に売り出す。佐渡の安全安心な水産資源を、今まで以上に有効に活用するために、新しい切り
口で商品開発する。また、この事業により佐渡島ならではのシーフード料理やお土産などを、ホテルや旅館などで年
間を通じて佐渡島に来て頂く観光客に提供する。今までは雑魚として扱われた魚もその価値を最大限に引き出せるよ
うブランド商品化し、漁業者や漁協さんと連携し水産業での六次産業化を目指す。
付加価値をつけてブランド商品化
2.
JRエキュート品川「佐渡マルシェ」出店
事業実施の経緯
この事業の出発点は、平成21年に佐渡市や県の支援を受け、水津漁業協同組合と連携して新潟県建設業協会佐渡
支部が取組んだ国土交通省の「建設業と地域の元気回復事業」である。水津漁協にとっては平成20年2月の風浪災
害からの復興プロジェクトであり、この事業に多大な協力を頂いている。
平成23年4月からは、民間企業として弊社が引き継ぎ、国土交通省のフロンティア事業の助成を受け事業を進め、
同年7月に新会社シンワシーデリカを設立、10月には新しく加工所が漁協に隣接して建設され、そこを借り受けて
本格的に生産をスタートした。その後、販路開拓のために東京都心の有名百貨店等への営業を展開し、食品展示会や
商談会にも積極的に参加し、徐々に販路を拡げてきた。
3.
事業成果と今後の展開
弊社の商品は、人工添加物を使用しないで、漁師さんや生産者の顔が見える、安全安心な食品づくりを目指して
いる。佐渡島には魚介類だけでなく、豊富な農産品もあるので、それらを使用して商品開発しブランドを創ってい
く。一方、佐渡島内では平成23年から小中学校の学校給食にプレクック商品を提供し、佐渡市が推進している食
育、地産池消に貢献している。また、観光ホテルやドライブインとの提携で、お土産用の加工品の開発、料理用の
ラーメンスープ、シーフードカレーなどの納入もスタートした。今後は佐渡島内と新潟市内において、アンテナシ
ョップとしての自社直営レストランの運営を計画している。
- 11 -
2-④ 隠岐牛と定置網で島おこし
飯古建設㈲ 代表取締役 田仲寿夫
〒684-0404 島根県隠岐郡海士町大字福井 387 番地 2
電話 08514-2-0232 http://www.hanko-kensetsu.com
㈲隠岐潮風ファーム
電話 08514-2-1677 http://www.oki-shiokaze.co.jp
小さな島国日本の 小さな離島にある 小さな会社ですが、
この島を日本一輝く島に!!
という大きな目標があります。
この島の未来を考えることは、日本の未来を考えることにつながっていると信じて、日々頑張っています。
今あるものだけで満足するのではなく、
地元の新しい産業も作らなくてはならな
い。
まったくの素人から畜産業を始めて10
年以上経ちました。
20年前、経営不振で漁協が手放した
定置網を買い取る。
漁業あっての建設業という恩返しの
気持ちを持って地元の伝統的な漁法
である定置網を今でも守っています。
- 12 -
2-⑤ 柱状礁による漁場の再生、繁殖牛の飼育
(株)金田建設 代表取締役 宮川則男
金田建設グループ(魚礁製作・海中調査:㈱海中景観研究所/
畜産事業:㈱だんだん牧場/その他)
金田建設本社〒685-0015 島根県隠岐郡隠岐の島町港町大津ノ二・13 番地 4
電話 08512-2-1421 http://www.gr-kaneda.co.jp/
①
柱状の漁礁を沈設して海藻を繁茂させる「海中林」の研究開発に取り組み、海中調査や製作
沈設する事業を通して豊かな漁場環境作りのお手伝いをしています。
〈㈱海中景観研究所〉
※平成26年2月柱状礁は「しまね・ハツ・建設ブランド」に登録されました。
http://www.aqua-scape.co.jp/
〈主な実績〉
1. 平成 16~20 年度 大久地区漁港漁場機能高度化事業(水産庁モデル事業)
(水産庁)
2. 平成 22~26 年度 木材利用を促進する増殖技術開発事業のうち地域で産出される木材を
活用した増殖礁の実証事業(水産庁)
3. 平成 19~26 年度 離島漁業再生支援交付金事業(水産庁)
4. 平成 26 年度 長崎北地区水産環境整備事業(磯焼け対策緊急整備事業)
平戸南部地区藻場造成工事(平戸西 1 工区その 1 及びその 2)(長崎県水産部漁港漁場課)
② 畜産事業では平成23年より和牛の繁殖と飼育を行っています。公共牧野を利用して冬季も
給餌しながら通年放牧をし、可能な限り地元産飼料で、優良子牛を肥育事業者に提供してい
きます。
*
平成26年11月現在
〈㈱だんだん牧場〉
親牛(母牛)
186頭
- 13 -
子牛76頭
2-⑥ 木材再利用、さくらんぼ観光農園の開催(地域に密着した複業化)
(株)竹内組 代表取締役 竹内忠義
竹内組本社 〒037-0316 青森県北津軽郡中泊町大字芦野字福泊23番地
電話 0173-57-2705
http://www.takeuchigumi.com
1 木材再利用(木質ペレット製造販売、堆肥の製造販売)
当社では、平成 19 年に農水省の地域バイオマス総合利活用補助事業として、津軽では初のペレット製造
工場を建設しました。
ペレットストーブの普及促進と公道等の融雪燃料としての販路拡大を目指し、一般家庭のみならず、現
在、
公共機関の病院等の大型施設での暖房燃料や青森空港有料道路の融雪燃料として利活用されています。
また、細かく破砕したチップは、飼育している輓馬の敷き藁代わりに使用し肥料製造の原材料としても
利活用しています。
当社では、年2回東北・北海道馬力大会を開催し、地域住民のみならず、県内外から馬力愛好者が一堂
に集い、歌謡・舞踏ショウや抽選会を開催し、ペレットストーブの展示会や出店も出す等地域住民の交流
の場を提供しています。
2 さくらんぼ観光農園の開催
当社では、つがる市稲垣町の8,000㎡の土地にさくらんぼ樹木100本を育成し、毎年6月中旬から7月下
旬にかけて、さくらんぼ観光農園を開催しています。
年間の来場者は、1,300~1,500人に上り、平成24年に県の新分野ビジネス基盤強化事業として、さら
に平成25年には県の建設産業新分野進出ブラッシュアップ事業として、県の助成金指定事業の採用を受
け、更に基盤強化と販路拡大に努めています。
竹内組が運営するさくらんぼ農園は、津軽平野を潤す岩木川沿いに広がる本州最北端の観光農園です。他の農園
に比べて収穫時期が遅く、一般的な旬を過ぎてもみずみずしい味わいのさくらんぼを楽しむことができます。
特に昼夜の寒暖差が大きい気候は、糖度の高いさくらんぼを育てるのに最適です。その恵まれた環境を生かし、
土づくりにこだわりながら愛情込めて育てています。
- 14 -
3-① 林建協働による森林路網整備の推進を
たかやま林業・建設業協同組合 専務理事
株式会社 長瀬土建 代表取締役 長瀬 雅彦
〒509-3205 岐阜県高山市久々野町久々野1559番地
TEL 0577-52-2233
http://www.nagase-const.com/
多機能森林業(保護機能、生産機能、保養機能)を達成する為には恒続的で多様な道が必要となり、それを
実戦することで日本の林業を変えることを目指す
取り組みのねらい
・森林組合との協働作業による地域全体の計画的な森林整備及び木材生産体制の確立
・広域にわたる路網計画と安定した作業道構築による森林整備の中長期的なコスト削減の実践
たかやま林業・建設業協同組合
発足後5年間の事業実績
取り組みの実績
500,000
450,000
400,000
H22事業繰越分を含む
350,000
300,000
事
業
費
(
250,000
千
円
)
・岐阜県主催ドイツフォレスター研修会、検討会の共催
・岐阜県森林技術開発・普及コンソーシアムの参加協力
・林業先進国ドイツ、スイス、オーストリア林業視察
・欧州型作業道(作業道における工法)の実践
・将来木施業(間伐における選木方法)の実践
・植樹、外来種駆除等ボランティア活動
・地元高校生現場見学会協力や指導、人材の育成 他
200,000
150,000
100,000
今後の取り組み
50,000
・欧州型林業のモデル林構築と普及活動による
多様な森林への移行
・森林環境に配慮した作業道開設及び持続的な間伐実施
・建設業者の雇用の確保と森林施業プランナーなどの人材育成
0
H22
H23
H24
H25
H26見込
総事業費(千円)
63,322
362,592
231,168
243,252
180,000
作業道事業費(千円)
51,891
250,005
124,573
212,069
121,488
森林整備事業費(千円)
7,928
27,634
27,259
22,222
23,933
作業道開設延長(m)
7,734
15,225
11,337
23,276
総事業費(千円)
作業道事業費(千円)
11,722
森林整備事業費(千円)
林業における課題
森林づくりに対する基本的な考え方の見直しが必要であり、
将来にわたるビジョンが重要
<ドイツフォレスターからの指摘
「日本の林業は欧州から 50 年遅れている」と
①道の重要性を認識すべき
・広域にわたる路網計画と将来にわたり安定した路体の作業道構築
・人工林間伐区域に限定せず森林の多面的機能を有効活用できる路網計画
・地形や地理条件に合わせた柔軟な規格による作業道の開設
・作業道が森林整備の附帯事業との認識を改めインフラとして整備
②持続可能な資源として認識すべき
・定性間伐による画一的な形態を改め集団安定性と個体安定性を連携させた森林づくり
・天然更新を誘発させた手法による長期循環型の森林づくり
・天然広葉樹林の適正な保全による有用樹林化を目指す
- 15 -
作業道開設延長(m)
3−② 岐阜県の林建協働の紹介
下呂林建共同企業体
馬瀬建設(株) 代表取締役 森本繁司
馬瀬建設(株) 〒509-2612 岐阜県下呂市馬瀬名丸28番地3
電話 0676-47-2231 http://www.mazeken.jp/gaiyou.html
岐阜県の林建協働の取組
平成20年度から、全国に先駆け、林業に参入を希望する「建設業」と森林組合などの「林
業者」の協力による地域林業再生の取組「林建協働」を推進
取組の成果
◯建設従事者に路網開設、伐採等の林業に必要な基礎知識・技術の習得
◯建設業者約80社が林建協働に向けた取組を行っている
◯森林組合と建設業が連携した組織づくり
(6つの林建協働団体が活動…法人組織4、任意団体2)
【路網整備講習会】
~岐阜県内の林建協働組織の設立状況~
(平成 26 年 12 月現在)
◎たかやま林業・建設業協同
組合(高山市)
◎ひだ森林整備協同組合
(飛騨市)
建設会社17社、森林組合
建設会社10社、森林組合
◎郡上森づくり協同組合
(郡上市)
建設会社7社
○下呂林建共同企業体
(下呂市)
建設会社4社、素材生産業1社
○中濃森林施業協議会(美濃市・関市)
◎いび森林資源活用センター協同
組合(揖斐川町)
建設会社11社、森林組合
- 16 -
建設業者8社、林業事業者1社
3-③㻌 林建協働による苗木生産事業の創出㻌
郡上森づくり協同組合㻌
小森胤樹(有限会社㻌 大原林産㻌 代表取締役)㻌
〒㻡㻜㻝㻙㻠㻞㻞㻟㻌㻌㻌㻌㻌岐阜県郡上市八幡町稲成㻡㻞㻡㻙㻤㻌
㻌 TEL㻌 㻞㻡㻣㻡㻙㻢㻣㻙㻥㻞㻣㻜㻌 㻌
取り組みの経緯
郡上地域(岐阜県)の林業を取り巻く状況確認
中国木材の進出、バイオマス発電所の建設
木材需要の増大
伐期を迎えた山も多く、間伐による長伐期だけでは木材需要を賄えない現実。
㻌 現状:皆伐再造林放棄地の増加が目立つ。
1.県下の苗木生産能力の低下=安定供給できていない。多くが他県からの購入。
2.苗木生産のビジネス化=大規模化(大量生産)が必要。
小規模皆伐低コスト造林システムの開発が必要
課題に対する取り組み
1.地域で先行して苗木生産を行っている民間事業体との提携及び岐阜県精英樹をもちいてのセラミック苗、コンテ㻌
㻌 㻌 ナ苗の試験製造の開始。
2.すでに大規模生産技術を持っている大手林業会社との技術提携と種苗法上の配布区域の2区と3区が存在す㻌
㻌 㻌 る岐阜県内での苗木の安定供給への事業提携の検討
地温とハウス温度変化
地温
ハウス温度
今後の事業構想
・㻌 日本の森林資源の現状、持続的な森林資源造成に向けた苗木生産体制の再構築という国家的な課題を解決
㻌 㻌 していることが求められているため、岐阜県、種苗組合と政策的連携、また大手企業と技術連携して、民間事
㻌 㻌 業者として苗木生産ビジネスを立ち上げて、貢献していきたいと考えている。
・㻌 現場からの苗木の需要に応えるためには、年間百万本~2百万本単位を生産できる苗木設備と母樹園の整備
㻌 㻌 が求められ、それが課題になることが想定される。安定的かつ計画的な苗木生産を行うためには、土地が必要
㻌 㻌 となるため、行政と連携して地方で課題となっている耕作放棄地(農地法)の転用等を行うなど、地方創生と林
㻌 㻌 業の推進を図りたい。
- 17 -
3−④ 異種の道ネットワーク実現をめざして
杉山建設(株) 代表取締役 杉山文康
杉山建設(株)本社 〒501-0476 岐阜県本巣市海老430番地
(問合せは、建設トップランナー倶楽部まで)
「異種の道」とは?
・公道(国道、県道、市町村道、農道、林道、…)
・民道(電力・通信管理道、民有林道、…)
の管理者が異なる道を共用すること
「異種の道ネットワーク」の意義
管理者が異なる道を接続・ネットワーク化し、相互
利用可能な状態にすることで、災害時の避難路、救
助・復旧路としての利用のみならず、山間地域の抱
える様々な課題の解決に役立つ
異種の道ネットワーク実現に向けた取り組みの実績
・岐阜県高山市においてパイロット調査を実施(平成 24 年度・国土交通省「先導的官民連携支援事業」
)
・岐阜県下呂市においてパイロット調査を実施(平成 25 年度・国土交通省「先導的官民連携支援事業」
)
【高山市・下呂市における調査・検討項目】
①道路の現状調査、GIS(地理情報システム)による可視化と情報共有
②ネットワーク化に関する技術的・制度的課題の整理
③モデル地区における施工・改修費用の試算
④官民連携による施工・管理スキームの検討
※平成 26 年度は、岐阜県郡上市において水源林保全のための道路ネットワークに関する調査検討を実施中
(岐阜県「清流の国ぎふ森林・環境基金を活用した市町村提案事業」
)
【GIS による可視化】
【下呂市のモデル地区(下呂小坂線)における検討例】
異種の道ネットワーク実現に向けた課題
・道路 3 便益(走行時間短縮便益、走行経費節減便益、交通
事故減少便益)だけでなく、防災・災害対策や国土保全、
森林再生・環境保全などを加味した総合的な事業性評価
・国・都道府県・市町村の連携、土木・農務・林務の連携、
国土強靭化や地方創生と絡めた予算の柔軟な運用
・低価格で崩れにくい道の新技術開発
- 18 -
3−⑤ 環境情報発信基地 下山バークパークとブルーベリー農園
㈱鈴鍵 代表取締役 梅村正裕
〒470-0312 愛知県豊田市中金町塚ノ本111番地3
電話 0565-41-2003 http://www.szken.co.jp
㈲下山ブルーベリーの里 代表取締役 鈴木元弘
(㈱鈴鍵代表取締役副社長)
株式会社鈴鍵は、元々は林業・材木屋を営んでいました。昭和55年、造成工事等で行われる伐採工事を事
業主体に造園業、土木工事業等の建設業許可を取得しました。伐採した樹木は全て有効活用するため、パルプ
チップや堆肥(土壌改良材)の製造、畜産関係へチップの提供をしています。また、最近ではバイオマス発電
施設へ燃料チップの供給等も行っています。現在、年間3万t程度を受入、再利用しています。
2002年、環境情報発信基地として「下山バークパーク」を開園しました。ここは、主に木くずを破砕・
堆肥化して土壌改良材を製造する施設です。実は、この施設を造成する前、ここで豚舎を経営していた会社が
ありました。しかし、業績の悪化によって倒産、豚の死骸や糞尿が処理されず放置されたままになっていまし
た。その為、悪臭が発生し、汚泥が下流にあるダム湖にまで流れたり、様々な問題を引き起こしていました。
地元から相談を受け、弊社が私費を投じ、造成・地盤改良し、当施設を作る事となりました。
当施設には、一部農地がありました。「それなら、せっかく堆肥を作っているのだから、その堆肥を使った
実践農場を作ろう。」「健康に良いと話題になっているブルーベリー農園を作ろう。」「それもお客さんがや
ってくる観光摘み取り農園にしよう。」という事になりました。そうすると今度は、「堆肥工場等の施設も自
由に見学できるようにしよう。」「また建設業の様々な環境技術を展示できる場にしよう。」と構想はどんど
ん広がり、環境情報発信基地としての位置づけと、遊びと学びのテーマパーク「下山バークパーク」を開園し
ました。
ここでは、ブルーベリー農園、堆肥づくり工場の見学の他、造園業として力を入れていたビオトープ公園を
場内に整備、地域の生態系を保全するとともに環境学習の場所として毎月都市部の子供たちを招いています。
また弊社の提言する樹木廃棄物100%有効活用システム「ウッドチップリサイクルシステム」の展示・実演
も行っています。結果、毎年たくさんの行政、業界関係者、地域の企業や学校、そしてブルーベリーを摘みに
家族連れや一般の方達が訪れるようになりました。ただ当時、建設業が農地の取得もしくは借地を行うには、
農業生産法人の形態が必要でしたので、有限会社下山ブルーベリーの里という会社を作って行っています。
ブルーベリーは他の一般的な野菜よりも重量当たりの単価が高く、また健康食品ブームで注目されていたこ
と、そして当時はまだ珍しかったということもありブルーベリーを選びました。またウッドチップを敷くと酸性
土壌になる為、ブルーベリーは弊社が行うには打ってつけの作物でした。ここでは完全無農薬を実施し、肥料も
出来るだけ少なくし、安全・安心なブルーベリーづくりを心がけています。
現在、ブルーベリー農園を始めた他の建設会社もでき、地域社会に広がりを見せています。
この下山バークパークは、樹木廃棄物が有効活用され林業も農業も建設業も元気になれる、沢山の人が訪れる
ことによって地域が活性化出来る、子供たちが生き物を観察したり勉強することで将来を担う人材が育成できる
事等、持続可能な社会を構築するための一端を担う事が出来る、そんな施設を目指しています。
下山バークパークイメージキャラクター
「どんぐり小坊主」
- 19 -
4-① オホーツク振興 「農業参入から苗木生産まで」
株式会社 管野組 代表取締役社長 管野伸一
<意匠登録されたパッケージ製品>
管野組グループ 「苗木生産:佐々木産業(有)、林業施業:(株)SF・管野」
管野組本社 〒099-0205 北海道紋別郡遠軽町丸瀬布東町98番地
創業 昭和6年3月 ・資本金5,000万円
~佐々木産業(有)~
〔住所〕北海道紋別郡遠軽町福路2丁目5番地25
〔電話番号〕0158-42-5261 〔URL〕http://sasakisangyou.co.jp
〔資本金〕1,680万円 〔従業員数〕62名 〔直近の売上高〕367百万(24年度)
~(株)SF・管野~
〔資本金〕5,800万円 〔従業員数〕17名 〔直近の売上高〕75百万(24年度)
※住所・電話番号は佐々木産業(有)に同じ。
1.きっかけと経緯
建設業の使命として町づくりや地域経済の活性化・雇用の創出は必須であり、また魅力ある「故郷づくり」の思いから、
一村一品活動に取り組む。そこで自社の採石跡地と建設業の特性を有効活用、地元の気候も生かし、平成3年4月、
「じゅんさい」の栽培に着手した。平成4年8月植栽、平成6年8月から生産・販売を開始し、苦節20年、無農薬栽培や
水質管理・加工技術など苦労の末、年間約2,000kg近くの生産量を維持、今では「オホーツク産じゅんさい」は名実とも
に北海道の特産品になっていると自負しています。
当社の「じゅんさい」栽培の中で一番苦労した事が「水質管理」である。「じゅんさい」は良質な水でしか育たないため、
水質浄化に有害物質の吸着に抜群の効力を発揮する「木炭」を利用した。この「木炭」は地域で発生した流木を活用した
事で建設業の使命の一部にも役立っている。また「木炭」では作用効果がない分解・無害化は「光触媒」の効力を利用、
良質で高品質な栽培が可能になっている。
「光触媒炭」は土壌改良にも有効な効力を発揮できると試験研究を進めた結果、大いに活用できると実証され、また
トマトの栄養は「体と心の健康」に注目されている事から、平成16年7月、「フルーツトマト」の栽培にも着手し、ハウス内
にも光触媒炭を配置した。こうして健康食品ブームの時代を背景に「じゅんさい」と「フルーツトマト」を栽培する事で地域
が活気づき雇用も確保され、今や地域になくてはならない存在となっている。
農業関連事業の経営の中、近年の著しい気象変化による自然災害などが発生し、復旧活動や生活環境の整備には
建設業が必要不可欠であり、またエコ環境に突入した今、「山づくり」はこれからの産業の重要な位置と認識されている。
平成13年7月には「森林・林業基本法」が施行され、森林は「緑の社会資本」となり長期的に森づくりを推進する国の
政策を一早く取り入れるため、さらには国際情勢の変化から原木調達が国産材へ移行し需要が拡大する動きが強まり、
種苗産業の更なる活性化が予想される中、平成24年9月、造林用苗木の生産販売や種子採種事業を営む「佐々木産業
有限会社」と造林地の整備や緑化事業・公園管理を営む「佐々木産業株式会社」を買収し、「森づくり」を積極的に展開
している。
2.展開と課題
現在、佐々木産業(有)は遠軽町及び隣接する湧別町に跨り約90haもの日本最大を誇る広大な苗畑を有しており、
「豊富な樹種」と年間約250万本余りの山行苗木を出荷しており、道内50社余りの種苗業者の中で全道シェア15%と業
界トップを維持、また種苗産業の先進国であるヨーロッパの施設・設備を導入し、本場の技術研修にも力を入れている。
しかし、供給がピークを迎え造林業界は徐々に衰退の一途を辿る。こうした状況下においても当社は長年に渡る経験
と知識から「必要とされる企業」で在り続けるため、厳選なる樹種の選定や厳しい環境に耐えうる生育方法などを確立し、
高品質な苗木を安定的に供給する企業へと成長した。それによりに日中国交正常化を記念した式典には桜の苗木、
各地で行われる様々な記念行事においても各種苗木を供給する事ができた。
種苗業界も新たな展開を見せ始め、育苗コスト・植栽コストの低減を目的に「コンテナ苗」生産が活発化してきている。
この「コンテナ苗」は根の形成から活着率が良く植栽時期を選ばないなど利点が多く、これからの北海道の造林事業に
期待できるとされ、その先駆けになるべく、当社もこの「コンテナ苗」の生産・販売に取り組んでいるところである。
しかし「コンテナ苗」生産にも多くの課題を抱えており、大量の本数を生産するための
施設や設備の建設、生産流通の機械化、出荷技術の確立などが急務となっている。
また平成25年4月には山林経営を一手に行う「(株)SF・管野」を設立し、その後造林
事業を運営する「佐々木産業株式会社」を吸収合併し、山林の整備や植栽事業など
「切ったら植える」という「緑のサイクル」を保持している。また公園・道路の維持管理や
造園業なども行い、地域の緑豊かな自然環境づくりに貢献している。
1つの試みはその応えが返ってくるまでに数年・数十年の長い年月がかかり、先人達
の引き継がれた技を守り、自然の掟とリズムに合わせ、じっくりと苗木に向かい合う事
で「丈夫で強い苗木を作り、山へ返す」という想いのもと、次の世代へと受け継いでいく。
<トドマツのコンテナ苗>
それこそが『STAFF OF FOREST(森づくりの担い手)』の責務だと考えます。
- 20 -
4−② 紀州の間伐材で地域を元気に
川口建設㈱ 代表取締役 川口明久
フォレスト・ウッド協同組合 代表理事
〒645-0303 和歌山県田辺市龍神村小家1013-3
電話 0739-77-0224 http://www.aikis.or.jp/~kawa422k
森をよみがえらせ災害に強い山林にするためには、積極的な間伐材の利用が必要ですが現在
はあまり多く使われていないのが現状です。
弊社は構造材としての使用には限界があると考え山から切り出した間伐材を粉砕機にかけた後
新たな製品として販売していこうとしています。
間伐材を粉砕
オガ粉
ひのきの猫砂(森のねこトイレ)
燃料用ペレット(杉)
油の吸着材(木ライト)
上記のようにオガ粉から形を変えた製品を作っています。
- 21 -
造粒機
4−③ 間伐材を活用した軟弱地盤補強工法(ラフト&パイル工法)
日本建設技術株式会社 代表取締役 原 裕
本社 〒847-1201 佐賀県唐津市北波多徳須恵1417番地1
電話 0955-64-2525 http://www.nkg-net.co.jp/
佐賀県は人工林率が67%と全国一であり、伐採され
た間伐材も多く発生しその有効利用が望まれます。弊
盛土
社では、間伐材を活用した軟弱地盤補強工法(ラフト
筏(ラフト)
地下水
&パイル工法)を開発しました(図-1)
。
ラフト&パイル工法は、軟弱地盤域における海岸護
岸や河川堤防の嵩上げ・補強および防災道路などの盛
杭(パイル)
土基礎として、間伐材を用いた筏と列杭で地盤を補強
軟弱地盤
する工法です。
軟弱地盤対策工として、現在は石灰やセメントを用
図-1 ラフト&パイル工法の概要
いた混合固化による地盤改良が主流ですが、その歴史
は浅く、耐久性等に重大な問題が生じています。一方、平城の石垣基礎や甲突川等の石橋基礎には、「梯子胴木」 、
「井桁・杭地業」および「筏基礎」等の木材を活用した技術が多く見られます。木材は、地下水位以下で用いるこ
とで、現在に至っても健全な状態で機能しており(写-1)、過去の事例からも、数百年~千数百年の耐久性を持つ
ことが実証された材料となります。これまでの施工事例から、木材の
保存状態は地下水面下にあった木材では100%健全な状態と判断されて
います。
ラフト&パイル工法においても、地下水面下にラフトおよびパイル
を設置することで長期安定が見込めます。また、ラフト&パイル工法
における間伐材の利用拡大により、CO 2 の地中ストックや新たな植林に
よるCO 2 の吸収量増加で、地球温暖化の緩和策につながります。
図-2 に示す筏(ラフト)は、縦および横断方向の主桁と間詰め材で
構成し、盛土材料や施工機材による荷重を分散し、不同沈下やトラフ
ィカビリティーを改善します。
写-1 芦刈海岸昭和搦干拓堤防の基礎木杭
(昭和 34 年台風による被災状況)
図-3 に示す列杭(パイル)は、縦断方向の外縁縦列杭と横断方向の
隔壁横列杭の構成となります。杭による支持力を得られるほか、盛土
荷重による軟弱地盤の側方流動を抑え、ヒービングによる周辺環境へ
の障害を抑制します。施工時には、外縁縦列杭の外側に一定の間隔で
側端杭を打ち、両側に設置した側端杭頭部をタイロッドで固定するこ
とで外縁縦列杭の側方移動を防止します。この時、タイロッドによる
拘束圧が均等に伝わるよう、側端杭と外縁縦列杭の間に側溝を設け縦
桁を設置します。また、横断方向の幅員が大きい場合には、外縁縦列
杭のほかに中縦列杭を設置します。
図-2 筏(ラフト)構成
写-2 間伐材による筏(ラフト)の施工状況
- 22 -
図-3 列杭(パイル)構成
4-④ 青森ヒバの香りで五感を潤す環境を提供する ―青森ヒバの端材を利用した商品の製造販売―
大見海事工業(株) 代表取締役 大見義紀
大見海事工業グループ(化粧品製造:ヒバ開発(株)、生コン:海峡生コン㈱ 等)
大見海事工業(株)本社 〒039-4601 青森県下北郡大間町大間76-2
電話 0175-37-2224 http://www.omi-mc.co.jp/
ヒバ開発株式会社は、1988年(昭和63年)6月に設立。きっかけは、当時、漁業以外の産業はほと
んどなく、建設業が雇用の受け皿だった。そこで、地元に新しい産業を興したいという想いと、地元に生育
する耐朽性に優れ、香りも良い「青森ヒバ」の製材時に廃棄されていた端材をどうにか有効利用できないか
という想いから、ヒバの枕「健康安眠枕 ひば眠」の製造・販売を始めました。その後、ヒバのおが粉から
「ヒバ油・ヒバ水」の抽出を始めました。
・健康安眠枕「ひば眠」
・原料の円柱状の木粒
・おが粉から抽出したヒバ油とヒバ水(左)
☆化粧品工場の設立
ヒバの木工品は県内で加工を全て行うが、シャンプーなどの化粧品類は薬事法があるため、県外メー
カーに製造委託されており、加工に関わる付加価値が県外に流出していた。ならば化粧品も青森県内で
製造したいという想いから、青森県初となる化粧品製造工場を設立した。
・原料を調合する調液室
・調合した液体を詰める充填室
抽出したヒバ油・ヒバ水を原料としてシャンプーなどの化粧品類や台所用洗剤や芳香スプレーなどの雑
貨品を製造し、今では約30種類の化粧品・雑貨品と約20種類の木工品を製造・販売している。
薬事法で謳える効果・効能が限られているためヒバの特長をアピールしきれない部分もあるが、積極的に
物産展等に出展し販売活動や販路開拓に努めている。
☆今後の展開
今まではヒバの抗菌効果の成分であるヒノキチオールを売りにしていたが、今後は癒しの「香り」を売り
に、5感でヒバの素晴らしさを実感して頂ける取り組みを進めていき、多くの皆様がリラックスできる環境
を提供することが我々の使命だと確信しています。
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4−⑤ 林産と畜産の堆肥製造と広域流通
(株)内山建設 代表取締役 内山雅仁
(株)内山建設(関連会社 (有)エコロ:バーク堆肥、有機肥料、樹苗生産資材)
〒889-1121 宮崎県日向市東郷町山陰甲12-16
電話 0982-56-3850 http://www.uchiyama-const.com/
宮崎県
スギの生産日本1位
・畜ふん量が多過ぎ、県内では使いきれない
・堆肥に価格がつかず、堆肥製造コストが
捻出できないために堆肥の質が低下し、
農家が堆肥使用を嫌がるという悪循環に!
・貯木場で剥がれ落ちた、高含水で異物が大量
に混入した土場バークが大量に発生
・畜産資材・バイオマス燃料に適さないため、
林業者は多額の処理費用を負担!
1.土場バークの、
大量消費先の開拓
牛・豚・鶏の生産日本2位
1.広域流通による販売強化
2.良質堆肥の製造支援
内山建設
取組み紹介
取組み紹介
①園芸用資材
「ひむ華堆肥生産流通組合」の立ち上げ
プランター用培養土として販売(九州全域)
・農・官・産で連携した取組み
②土木資材
・県内大規模農家の堆肥を堆肥が不足している県
法面資材、グラウンド用土壌改良材(宮崎県内)
③農業用資材
外に流通させることで、県内の堆肥量を減少さ
せ、県内の堆肥価格を適正に戻し、中小農家の
土壌改良、マルチング資材(宮崎県北部)
堆肥の再生産を可能にする取組み
③コンテナ苗用培地
当社は、広域流通支援を担当している
宮崎県が開発した「Mスターコンテナ」向け
(日本国内)
組合では、九州地区・関西地区・中国地区・
沖縄県まで、宮崎県産堆肥を流通している。
Mスターコンテナ
さざん華(鶏ふん)
園芸用培養土
今後の課題
なの華(牛ふん)
今後の課題
発酵しにくい樹皮は製造に時間がかかり、一般的な
小売店での堆肥価格も最低まで落ちている。
堆肥に比べ高コスト。コストダウンには、原料運搬
広域流通には、袋詰め能力と大規模配送能力が必要
車両や破砕設備の大型化が必要である。
(自動袋詰め設備・大型配送車など)
・個別の林業者・農家への堆肥関連のハード支援は小型車両
等が中心で、堆肥の足りない地域への広域流通は難しい!
・6次産業化支援等の助成金制度は農業者向けに限定され、
連携する農外業者へのハード支援等ができない状況!
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・林産・畜産堆肥の適正処理・有効活用には、
広域流通させる事が必須である!
・各種助成金制度において、連携する農外業者
へのハード支援等についても柔軟な対応を!
4-⑥ 大谷崩れの森林再生、地域教育
(株)白鳥建設 代表取締役
白鳥勝平
〒421-2301 静岡県静岡市葵区梅ヶ島 692-1
電話 054-246-7767
政令都市静岡市を南北に流れ駿河湾に注ぐ安倍川の源流部にある大規模崩壊地の大谷崩れは、1707
年の宝永地震によってできたとされ、1858 年に富山県でおきた鳶山崩れ、1911 年に長野県でおきた
稗田山崩れとともに日本三大崩れのひとつとされています。
崩壊の規模は、標高約 2000mの大谷嶺からいっきに 800m崩れ、その土砂量は 1 億 2 千万立方メート
ル(東京ドーム 100 杯分)に達するといわれています。
大規模崩壊によって作られた平坦地は、宅地や農地のほか様々なかたちで活用されていますが、現在
でも小規模な崩壊は継続していますので落石等には充分な警戒が必要です。
今でも絶え間なく進んでいる崩壊浸食の防止対策のために長期にわたって砂防事業が行われています。
又、崩れを防ぐ対策として植林作業を進めなければなりませんが、泥質岩の地質であることや、冬期の
凍結融解などの影響もあり山地の緑が回復しにくいのが現状です。
そんな中で、私の所属する静岡西ロータリークラブでは、年間恒例事業のひとつとして会員や大学生・
高校生のボランティアの協力、又、小学生の親子を中心に植林事業を 20 年以上継続して行っています。
2011 年に発生した東日本大震災によって、私たちは自然と共存しながら生きていかなければならない
という厳しい現実をつきつけられました。
記憶に新しい 2014 年 8 月には、1 時間に 100 ミリを超える豪雨による広島での土砂災害では、74 名の
尊い命と財産が失われました。この重大災害は、人事とは思えないつらいものがありました。
大谷崩れでの植林事業の目的は、山地の復元もさることながら、傷ついた自然をそのままに放置するの
ではなく、適切な方法で修復しながら守っていく努力を怠ると大きなしっぺがえしがくることを学びとっ
てもらいたいと思っています。
これからを託する子供達に、実際の崩れの現状を見て植林作業を体験してもらうことで、環境を守る大
切さを学習してもらうという意味も込めてこれからも継続していきたいと思っています。
又、この植林事業に関しては、いち個人でできることではありません。行政や地域の協力はもとより、
最も大切なことは、大谷崩れの位置する梅ケ島に会社の拠点をおく私としては、崩れとともに生きる地域
の方々とぶれない価値観を共有しながら、地道な作業を長きにわたって継続してやっていかなければ自然
は守れないことを、そして災害を防ぐことはできないことを伝えていく事が大切だと思っています。
そして、ひいては人命や財産を守ることにつながる重要なことであると考えています。
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建設トップランナー倶楽部 幹事企業の取り組み
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建設業と農林水産業の連携シンポジウム - 建設帰農・林建協働の十年の歩み 共 催 農林水産省、建設トップランナー倶楽部 日 時 平成 27 年 2 月 6 日
農林水産省担当 農林水産省大臣官房政策課
TEL 03-3502-8448
建設トップランナー倶楽部 事務局
〒113-0023 東京都文京区向丘 1-5-4 ワイヒルズ 2 階 米田事務所内
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