フェロニッケルスラグ - JMIA 日本鉱業協会

エコ・イノベーションメッセ 2014 inひろしま
2014年 11月 21日
日本鉱業協会 スラグ委員会
◆ 本説明の内容 ◆
1. 日本鉱業協会の概要
2. 非鉄スラグとは
3. 非鉄スラグの建設用途の開発の経緯
4. 非鉄スラグの特長を生かした用途
4.1 舗装工
4.2 地盤工
4.3 ケーソン中詰工
4.4 コンクリート工
4.5 埋立工
4.6 環境復元工
2
1. 日本鉱業協会の概要
1.1 会員会社名と非鉄金属の生産量
非鉄製錬所の会社名
金属名
会
社
大平洋金属㈱
フェロ
日本冶金工業㈱
ニッケル
㈱日向製錬所
住友金属鉱山㈱
パンパシフィック・カッパー㈱
銅
日比共同製錬(株)
三菱マテリアル㈱
小名浜製錬㈱
住友金属鉱山㈱
亜鉛
八戸製錬㈱
三池製錬㈱
非鉄金属生産量
名
金属名
平成23年度
生産量 (万トン)
フェロニッケル
30
銅
150
亜
鉛
60
金属名
平成23年度
生産量 (万トン)
鉛
20
銀
1750トン
金
101トン
3
1.2 非鉄製錬所の所在地
フェロニッケルスラグ製造所 3ケ 所
銅スラグ製造所
5ケ 所
亜鉛スラグ製造所
3ケ 所
八戸製錬㈱
大平洋金属㈱
日本冶金工業㈱
大江山製造所
小名浜製錬㈱
日比共同製錬㈱
玉野製錬所
三池製錬㈱
住友金属鉱山㈱
播磨事業所
住友金属鉱山㈱
東予工場
三菱マテリアル㈱
直島製錬所
パンパシフィック・カッパー ㈱
佐賀関製錬所
㈱日向製錬所
4
2. 非鉄スラグとは
2.1 非鉄スラグの外観
■ 細骨材(水砕・水冷)
〈フェロニッケルスラグ〉
〈銅スラグ〉
〈亜鉛スラグ〉
◆ 粗骨材(徐冷・焼成)
〈フェロニッケルスラグ〉
〈NS-20〉
〈NS-40〉
5
2.2 非鉄スラグの生産量
(2002
to
2011)
(千トン/年)
地
域
北海道
フェロニッケル
スラグ
銅スラグ
亜鉛スラグ
0
0
0
東
北
1350
450
80
関
東
0
0
0
北
陸
0
0
0
中
部
0
0
0
近
畿
450
0
55
中
国
0
400
0
四
国
0
1150
0
九
州
750
700
65
小
計
2550
2700
200
合 計
545 万トン/年
6
2.3 非鉄スラグの供給可能地域
フェロニッケルスラグ製造所 3ケ 所
銅スラグ製造所
5ケ 所
亜鉛スラグ製造所
3ケ 所
フェロニッケルスラグ
(現場渡し)
フェロニッケルスラグ
(海上輸送岸壁渡し)
銅スラグ
(海上輸送岸壁渡し)
八戸製錬㈱
亜鉛スラグ
(海上輸送岸壁渡し)
大平洋金属㈱
日本冶金工業㈱
大江山製造所
小名浜製錬㈱
日比共同製錬㈱
玉野製錬所
三池製錬㈱
住友金属鉱山㈱
播磨事業所
住友金属鉱山㈱
東予工場
三菱マテリアル㈱
直島製錬所
パンパシフィック・カッパー ㈱
佐賀関製錬所
㈱日向製錬所
図-1
非鉄金属(銅,フェロニッケル,亜鉛)の製錬所(非鉄スラグの製造所)配置図、
及び、非鉄スラグを天然砂・砕砂と同等価格以下の単価で供給できる地域図
7
2.4 非鉄スラグの販売実績
(2002
to
2011)
(千トン/年)
用
建設資材:
45%
途
≧99%
銅スラグ
亜鉛スラグ
コンクリート用骨材
200
200
0
道路用材料
800
0
0
土工用材料
950
350
55
ブラスト材
50
650
0
0
1500
100
造滓材
400
0
0
その他
150
0
0
0
0
45
2550
2700
200
セメント原料
リサイクル率
フェロニッケル
スラグ
最終処分
計
8
2.5 非鉄スラグの特徴
天然砂
フェロニッケル
スラグ
銅スラグ
亜鉛スラグ
Al2O3・SiO2
MgO・SiO2・
FeO
FeO・SiO2
FeO・Al2O3・
SiO2
2.5~2.6
3.0
(少し重い)
3.6
(重 い)
3.6
(重 い)
単位飽和体積重量
(KN/m3)
20
23.5
23.5
23.5
環境安全性
評価基準
なし
土壌基準
クリアー
港湾基準
クリアー
港湾基準
クリアー
種
類
化学成分
(鉱物組成)
土粒子密度
(g/cm3)
(弱アルカリpH8) (弱アルカリpH8) (弱アルカリpH8)
9
3. 非鉄スラグの建設用途の開発の経緯 (その1)
3.1 コンクリート用骨材
■公的認知の取得
●1992年 コンクリート用フェロニッケルスラグ骨材JIS 取得
●1997年 コンクリート用銅スラグ骨材JIS 取得
◆1998~2000年
建設省、運輸省、文部省、防衛庁の共通仕様書に取込み
★グリーン調達品に登録品
*2014年 フェロニッケル、銅スラグJIS改正の予定
*2013~2016年 コンクリート用非鉄スラグ骨材施工指針改定の予定
土木学会(宇治委員長:首都大学東京)
10
3. 建設用途の開発の経緯(その2)
3.2 港湾空港工事
●2004年
港湾局リサイクル技術指針制定
【コンクリート用骨材、SCP用銅スラグ、ケーソン中詰材】
●港湾空港用非鉄スラグ利用技術マニュアル策定(沿岸センター)
●2012.3
● 2013.4
港湾空港用リサイクル技術指針改定
【SCP用フェロニッケルスラグ、アスコン用FNS骨材、
路盤材、ケーソン中詰め用亜鉛スラグ】
製品便覧改定 (リサイクルポート評議会)
● 2013.12 港湾空港用非鉄スラグ利用技術マニュアル 発行予定
● 2015.3
● 2015.3
グリーン調達品認定の見込み(11品目)
港湾局リサイクル技術改定の見込
◆コンクリート用フェロニッケルスラグ粗骨材、埋立材、
裏込め材、路床材等追加の見込み
11
3. 建設用途の開発の経緯(その3)
3.3 道路用非鉄スラグJIS
●2004年
道路用非鉄スラグ委員会スタート
● 2006年
非鉄スラグ製品リスク解析小委員会
● 2011年
コンクリート用骨材又は道路用のスラグ類化学物質
評価方法導入指針制定
● 2015年
道路用非鉄スラグJIS2015年度制定予定
12
4. 非鉄スラグの特長を生かした用途
4.1 舗装工 (その1) ・・・ アスコン用骨材(一般道路)
◆ フェロニッケルスラグ骨材を使用すると
寿命を30% 延長できる!
工区
表
層
基
層
工区延長
1
再生密粒度As舗装 (20)
フェロニッケルスラグ10%配合
再生粗粒 As (20)
24.0 m
2
再生密粒度As舗装 (20)
再生粗粒 As (20)
24.0 m
わだち掘れ量(mm)
25
1工区
2工区
20
15
わだちボレ量
10
荷載試験風景(土木研究所)
30% 少ない
5
0
輪
輪
輪
輪
輪
輪
輪
輪
輪
輪
輪
輪
輪
0 万 1 0万 20 万 30万 4 0万 50 万 60万 70万 8 0万 90 万 0 0万 10 万 20万
1
1
1
工
区
49kN換算輪数
対象面積 (m2) ひび割れ面積(m2) ひび割れ率(%)
フェロニッケルスラグ工区
280万輪
66.5
2.30
3.46
比 較 工 区
280万輪
66.5
2.90
4.36
低 減 率 (%)
21
ひび割れ発生率が
21%低い
13
4.1舗装工(その-2) ・・・・・ アスコン用骨材
(重荷重下:空港舗装・鉄道ヤード)
■ホイールトラッキング試験結果
●材料配合
砂種類
(港湾技術研究所)
配合量
1
7号天然砂
11%
2
スラグA(球形)
10%
3
スラグB(角形)
10%
15
変形量(mm)
配合№
10
天然骨材
5
スラグA(丸形)
◆試験方法
重荷重が作用する環境を想定し、接
地圧を1.38MPa(積載荷重2283N)
と設定した。
その他の条件は、舗装調査・試験法
便覧B003「ホイ-ルトラッキング試
法方法」に準拠
スラグB(角形)
0
0
200
400
600
走行回数(往復)
800
1000
★角形のフェロニッケルスラグ骨
材を使用すると天然砂に比較し
て変形量が1/5に低減できる。
14
4. 非鉄スラグの特長を生かした用途
4.1 舗装工(その3)・・・路盤材、路床材
◆フェロニッケルスラグ路盤材、路床材は、
環境安全性が高く、膨張も皆無
項 目
路盤材
路床材
(製品名)
(製品名)
(製品名)
最大水浸膨張比 (%)
0.000
0.022
-
最大乾燥密度 (g/cm3)
2.361
2.359
2.387
最適含水比 (%)
5.04
5.20
7.23
修正CBR値 (%)
97.6
90.2
71.0
-
-
合格
CS-40
凍上試験
CS-20
0-5
フェロニッケルスラグ路床材施工状況
転圧が簡単で高い
強度が得られる
15
4.2 地盤工
① 北上川復旧工事での地盤改良工事
(フェロニッケルスラグを使用したサンドコンパクション)
施工条件
SCP杭径
Φ700mm
ピッチ
1.5m
改良率
17%
目標液状化安全率(F1)
≧1.1
環境影響が小さい
(中性、溶出なし)
北上川河口付近
※ 貴重なトンボが生息
実施
工区
1
2
深 さ(m)
液状化安全率(FL )
(目標値:1.1以上)
改良前
改良後
8.3~13.4
0.795
4.049
14.3~18.3
0.576
1.271
19.3
1.012
1.197
6.3~12.3
0.848
1.595
13.3~16.3
0.446
1.173
17.3~18.3
3.875
3.897
判定
合格
合格
16
4.3 ケーソン中詰工
① 非鉄スラグの飽和単位体積重量
スラグ種
飽和単位体積重量
フェロニッケルスラグ(徐冷品)
23.5
銅スラグ(水砕品)
23.5
銅スラグ(加工品)
24.8
銅スラグ
26.0
(加工品・締固め)
亜鉛スラグ(水砕品)
(kN/m3)
23.5
17
■ケーソン式防波堤への適用検討
【検討-1】天然砂を用いた標準設計断面
湾外
19m
湾内
18
★ まとめ
中詰材の種類
飽和単位重量
ケーソン幅
通常砂
20kN/m3
19m(一例)
非鉄スラグ
26kN/m3
15m(理論上)
ケーソン中詰材に非鉄スラグ
を使用すると飽和単位重量が
30%大きいため
出来る
19
4.4 コンクリート工
①フェロニッケルスラグ骨材を30%混合使用
②銅スラグ骨材を30%混合使用
骨材の物性値
骨材の物性値
絶乾密度
吸水率
単位容積質量
実績率
絶乾密度
吸水率
単位容積質量
実績率
3.0~3.1
0.5~0.6
1.7~1.8
57~58
3.5
0.3~0.7
2.2~2.3
64~66
(g/cm3)
(%)
(kg/l)
(%)
(g/cm3)
(%)
(kg/l)
(%)
フェロニッケルスラグ細骨材の施工性
銅スラグ細骨材使用のメリット
●ブリーディング量は、海砂と同等かやや小さい
●流動性は、海砂よりも向上し、施工性が良好
●単位水量の低減(銅スラグ3割配合で約5kg/m3の低)
●乾燥収縮量の低減
20
流動性2倍アップ
乾 燥 期 間 (週 )
0
15
長さ 変化率
間隙通過速度mm/s
25
10
5
0
4
100
-100
-300
-500
8
12 16 20 24
銅ス ラ グ0 %
銅ス ラ グ3 0 %
乾燥収縮を
30%低減
-700
-900
海砂 100%
海砂 70%
FNS-1.2 50%
建築物、橋梁等
に一般的に使用
建築物、二次製品や
土木用コンクート構
造物などへご利用
20
4.4 コンクリート工
③銅スラグを使用した消波ブロック
◆非鉄スラグを使用した重量コンクリート
を使用すると 20% 重たく出来る。
④銅スラグを100%使用した上部工
(小名浜港防波堤復旧工事)
【使用例】
▶ 施工場所:千葉県銚子漁港
▶ 使用した重量コンクリート:
①突堤工事で堤頭部の断面縮小のため重量コンクリートを使用
②使用したスラグ:銅スラグCUS5-0.3
③銅スラグ使用量:80%置換、 837kg/m3
④コンクリートの単位容積質量:24.9kN/m3
21
4.5 埋立材
① 海水環境での長期安定性
■平成元年施工の天橋立埋立地
② 海水環境での環境安全性
◆溶出試験
●海水への影響
★ボーリング試験結果
・外観:バージン材と同様の粒子状・硬化なし
・三軸圧縮試験結果
種
類
Φ
バージン材
ボーリング材
36.9°
46.4°
22
4.6 環境復元工
① 横浜技調の人工渚での環境復元性試験
区
画
フェロニッケル
スラグ区
底生生物室重量
(g/0.0625m2)
底生生物試料の状況
144
(あさりなど増殖)
天然砂区
75
対 照
(在来地盤)区
6
23
② 延岡湾での着生試験
Ⅰ. 岸壁への試験プレート設置状況
Ⅱ. 貝類の付着状況
天然骨材
FNS
30%
FNS
100%
3ケ月後
4ケ月後
3ケ月後
24
Ⅲ. コンクリートプレート上に付着/観察された生物種
A
C
B
コケムシsp.
シロスジフジツボ
イワフジツボ
D
E
天然砂、FNS30%、FNS100%
いずれのコンクリートプレートにも
同様な種類の生物が着床
ヤッコカンザシ
タテジマフジツボ
1ヶ月 目
N o .1
イワフジツボ
タテジマフジツボ
シロスジフジツボ
コケム シ
ヤッコカンザ シ
ホヤ類
2ヶ月 目
N o .2
N o .3
○
○
N o .1
N o .2
3ヶ月 目
4ヶ月 目
5ヶ月 目
N o .3
N o .1
N o .2
N o .3
N o .1
N o .2
N o .3
N o .1
N o .2
N o .3
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
25
③ 八戸港北防波堤の耐久性・環境復元性試験
■フェロニッケルスラグ骨材を使用した
コンクリートの長期耐久性試験中 (20年間)
海藻増殖
26
ご清聴頂きありがとうございました
《連絡先》日本鉱業協会 スラグ委員会
委員長 栗栖 一之
℡: 090-7998-6933
E-mail:chris@kke.biglobe. ne.jp
27