マルチワイヤ放電スライシング法における グループ給電方式の開発

マルチワイヤ放電スライシング法における
グループ給電方式の開発
岡山大学大学院自然科学研究科(工)
岡本康寛,岡田 晃,鈴木彰隼,大谷拓也
各種スライシング法とその特徴
Stainless steel blade
Roller
Wafer
Reel
Wire
Motor
Diamond
abrasives
EDM
power
supply
unit
Roller
Roller
Ingot
Wire electrode
Machin
ing
Reel
fluid
Workpiece
Reel
Table
Ingot
IDブレード
ワイヤ放電加工
マルチワイヤソー
発展
・カーフロスが大きい
・大きなクラックの発生
・大口径化への対応が困難
問題点
・大口径化に対応
・マルチ化が可能
・カーフロスが小さい
改善法
・クラックの生成が避けられない
・スラリーの管理が問題
両者の利点を活用する
マルチワイヤ放電スライシング法
切り代の低減と基板の薄片化
マルチワイヤ放電スライシング法における課題
低加工
反力
Kerf
100m
Kerf
100μm
細線化
(b) 厚さ100µm 以下のウェハ
(a) 100 µm の切り代
・非接触で加工力が小さい
・加工液に純水を使用
実用化を視野に装置開発
Wire guide
加工効率の向上
Wire
electrode
加工に用いる
ワイヤ電極本数の増大
Discharge
current
給電子セット数の増加
加工に用いるワイヤ電極本数
= 給電子セット数
Wire reel
マルチワイヤ放電スライシング装置の構成
装置構成の複雑化
 高額な初期費用
 セットアップの難度大
 メンテナンスの難度大
ワイヤ電極10本への給電状態
1つのブロックから多くの板を
取れる方が安い
ブロックの値段は同じ
マルチワイヤ放電スライシング法は基板の薄片化と切り代の低減を可能とし、
1つのインゴットから多くのウェハを作製する高能率スライシングの可能性を有する.
給電システムの改善によるシンプルな装置構成
各種給電方式における電流値制御
各種給電方式における特徴
Conductivity
piece
Conductivity
piece
Ingot
Ingot
Wire electrode
(a) Normal
Wire electrode
(b) Single
(c) Multi-unit
(a)~(c)は
放電電源内部の制限抵抗により電流値を制御
通常・シングルおいてエネル 加工ワイヤ本数によら
ギーは1つのワイヤへ集中 ずエネルギー量は一定
(d) Group
(d)はワイヤ電極で
電流値を制御
加工ワイヤ本数で
エネルギー量が変化
Number of wire
1
n
n
n
Cutting speed
(mm/min)
S
S/n
S
S
Total removal rate
(mm2/min)
R
R
nR
nR
Supplying energy
E
E
nE
nE
Normal
Individual
Low efficiency
(a) Normal
(b) Single
Feature
エネルギー増大は
ワイヤの破断へ
各加工箇所ごとに
給電の必要性
連絡先: 〒700-8530
岡山市北区津島中3-1-1
岡山大学大学院自然科学研究科特殊加工学研究室
TEL(086)251-8038, 8039, FAX (086)251-8266
E-mail:ntm@ntmlab.mech.okayama-u.ac.jp
HP:http://ntmlab.mech.okayama-u.ac.jp/
各加工箇所への
エネルギー分散
n points simultaneous n points simultaneous
High efficiency
High efficiency
Complicated system
Simple system
(c) Multi-unit
(d) Group
マルチワイヤ放電スライシング法におけるグループ給電方式の開発
マルチユニット給電法とグループ給電方式の構成
Multi-unit power supplying
Group power supplying
放電電源内部の
制限抵抗で電流を調整
給電子と加工点間の
ワイヤ電極長さを最小化
給電子と加工点間の
ワイヤ電極長さを増大
シ
ン
プ
ル
化
ワイヤ電極が制限抵抗
の役割を担う
放電電流ピーク値を制御
放電電流ピーク値を制御
マルチワイヤ放電スライシング法におけるグループ給電方式の検討
加工ワイヤ本数と放電電流ピーク値
グループ給電方式における放電電流値の制御性
各放電電源における電流値制御
Multi-unit power supplying
Group power supplying
各加工ワイヤ本数における加工溝
Wire electrode
Conductivity
piece
Machining
point
A
700
B
給電点から
加工位置までの
ワイヤ電極長さ
を変化
100 100
給電子設置位置が放電電流ピーク値へ及ぼす影響
Conductivity
piece
Wire
electrode
L
= 775±25 nΩ・m
A
R:抵抗値()
:体積抵抗率(・m)
L:長さ(m)
A:断面積(m2)
Ref. Steel = 600-800 nΩ・m
R=
鉄の比抵抗値と同等
ワイヤ電極長さにより
放電電流値を制御可能
各放電電源方式におけるまとめ
SiCに対するグループ給電方式の適応
Multi-unit power supplying
Group power supplying
同等以上の
加工速度
Multi-unit: SiC
Group: SiC
安定した
放電状態
Waveforms of electrical discharge
pulse with group power supplying
method (100 times overwriting)
Displacement of workpiece
入力エネルギー= 3E
放電集中 to 1本のワイヤ電極
入力エネルギー= 3E
放電分散 to 各ワイヤ電極
入力エネルギーの増大
Multi-unit
Power supply
Multiunit
Average kerf width
[µm]
135
133
Removal rate
[mm2/min]
9.6
11.5
Group
Kerf shape and width
連絡先: 〒700-8530
岡山市北区津島中3-1-1
岡山大学大学院自然科学研究科特殊加工学研究室
TEL(086)251-8038, 8039, FAX (086)251-8266
E-mail:ntm@ntmlab.mech.okayama-u.ac.jp
HP:http://ntmlab.mech.okayama-u.ac.jp/
Group
SiCへグループ給電方式
を適応した場合においても
•
•
•
•
放電エネルギー分散
加工速度維持
安定したマルチ加工
良好な加工溝幅
・ワイヤの破断
・放電ギャップ(切り代)の増大
入力エネルギーの増大
・安定したマルチワイヤ放電現象
・一定の放電ギャップ(切り代)
特殊加工学研究室
Nontraditional Machining Lab.