学校だより 平成26年1月30日(木) No.12 東京都立光明特別支援学校長 田添 敦孝 如月(二月)に新たな出発の準備を 1月20日に大寒を迎え、日本の各地では豪雪となり寒い冬となっていますが、本日で1月も終わります。 そして「節分」を迎え2月となります。2月は「如月(きさらぎ) 」とも言います。如月とは草木の芽が張り 出す月、 「草木張り月(くさきはりづき) 」から来ているとも言われます。草木の芽が出る新しい「出発」の 準備に入る時、本校においても各学部の入学相談等、新しい年度を迎える準備が始まります。また、新たな 門出を祝う卒業式の準備にも取り掛かる時期となります。慌しい中にもそれぞれの新たな出発に心が躍り、 期待を膨らませる月でもあります。寒い日が続きますが、新たな出発に向けて元気に進んで行きましょう。 <世田谷青少年松原地区あいさつ運動について> 昨年度に引き続き今年度も世田谷青少年松原地区の皆様の御協力を頂き、1月20日(月) 、21日(火)の両日 にわたり、 「あいさつ運動」が実施されました。今年度も、各学期に2回実施し、1年間に6回の実施をするこ とができました。本校の児童生徒たちが登校時、スクールバスから降りてきた瞬間に、 「おはようございます。 」 と挨拶され、昨年は戸惑う子供たちが多かったのですが、今年度は子供たちから積極的な挨拶をする等、普段の学 校生活では見られない多くの感動の場面を見ることができました。本当にありがとうございました。 <第3回評価委員会及び学校運営連絡協議会> 今年度の学校経営について、保護者や関係者の皆様から学校評価を通して多くの御意見を頂きました。特 に、松原地区自治会の皆様や国立成育医療研究センターの多大なる御協力を頂き、昨年度と比較して回収数 が大きく向上しました。保護者や病院関係者の皆様には深く感謝申し上げます。そして、今回の学校評価を 受けて、平成26年1月29日(水)第3回学校評価委員会及び学校運営連絡協議会が開催されました。 今年度は肢体不自由特別支援学校におけるHT(学校介護職員)と教員が連携した新たな指導体制(チー ム・アプローチ)等、大きく改革を進めました事業について委員の皆様に御報告し、その後、各委員の皆様 からは多くの御意見や提言を頂きました。特に「児童生徒の人権を配慮した教員一人一人の姿勢や言動」に ついて指摘があり具体的な改善が求められました。私たちは、児童生徒の人権を十分に配慮し、一人一人の 人格を尊重しながら指導をする必要があります。今後、学校における教職員のモラル向上や組織的な指導の 専門性の向上が緊急の課題であると感じました。また山口委員長からは、 「世の中の流れから、教育も大きな 変革を求められている。その中で児童生徒の障害も多様となり、光明の役割も変化している中で、光明の目 指す将来像を教師と保護者がしっかりと共有して進むことが求められている」と、提言を頂きました。 我が国では今年1月に『障害者の権利関する条約』が批准され、インクルーシブ教育の構築に向けて大き く踏み出されました。今後、特別支援学校においても変革を求められています。今年度の学校評価や委員の 皆様の提言を受けて、至急、検討を進め学校経営に活かして参りたいと思います。これで第3回学校運営連 絡協議会を終了しますが、学校評価委員会及び学校運営連絡協議会評価委員長山口幸一郎先生を始めとする 各委員の皆様には、多くの御協力を賜りましたことを感謝申し上げます。 最後になりましたが、平成26年2月20日(木)臨時保護者会を実施致します。内容は平成26年度教 育課程、今後の光明の方向性等について御説明をさせて頂きたいと思います。御多忙中とは思いますが、多 くの保護者の皆様に参加をお願い申し上げます。そして今後とも、保護者、地域や関係機関の皆様には、御 支援と御協力をどうぞよろしくお願い致します。 ★学校介護職員(HT)活躍しています★ 前回は自立活動(特設や課題別学習)の授業でのHTさんの指導場面について掲載しました。個別を 基本とする自立活動では教員とともにHTさんも指導に入っていますが、各グループでお子さんの課題 を教員と共有し、指導方法を確認しあって進めています。一方、中学部高等部合同の体育「ハンドサッ カー」の授業では、2月15日の大会に向けて実践的な練習が始まり、金曜午後の体育の時間には、1 便下校後の小学部HTさんが、相手チームさながらに本気で対戦しています。 HTさんからは「真剣に対戦しました! 車いすの操作は思ったよりも難しく、練習したいと思いま す。」 「ルールを頭ではわかるのですが、車いすの動きと合わなく笑いをとってしまいました。いい練習 相手になったかな? 皆、しっかり動けてびっくりしました。」 「とても楽しかったです。次回は作戦を 練ってやりたいと思います。」等の声が聞かれました。教員にとっても、車いすでのHTさんの動きを 見て「誰でも最初は難しい」と思いがけない発見がありました。生徒への指導に活かせそうです。 (学校介護職員担当主幹教諭 ★訪問部 伊丹真紀) 教材紹介★ 現在、訪問学級は小学部18名、中学部2名、高等部3名が在籍しています。その実態は幅広く、ご家庭や病 院で授業を行っているので、環境などに制限や制約があります。その中で、一人一人の課題にあった教材をそ れぞれ教員で工夫しています。 <小学部訪問学級の教材(国語・算数「だるまさんが」> 絵本「だるまさんが」を題材にし、言葉(擬音)と関連させて製作しました。 ・ 「びよーん」 ゴムをつけ、引っ張る、引っ張られる感覚を感じられるよ うにしました。 ・ 「ぷー」 押すと鳴る笛をつけ、押したり、触れたりすると音がなること に気づくことをねらいとしました。 絵本 ・「ゴツゴツ」(アレンジ)大豆を入れてゴツゴツした触覚を感じとれるよ うにし、また電子レンジで温め、温もりを感じとれるようにしました。 ・「にこーっ」 鏡をつけ、自分の顔を見る(光を感じる)ようにしました。 ・ 「どてっ」 パウダービーズが入った小さなクッションを利用して作成しました。軟らかい感触なの で、手で触れたり、顔等に触れたりしても気持ち良いです。 ・どの教材も、一つの教材でじっくりと関わるようにしています。色も「赤」ということで注目し やすいと考えました。自らの手指の動きや表情を読みとり、感じていることを、言葉にしてかえす などのやりとりを大切にしています。 (小学部訪問学級 栗原美和) 次ページは中・高等部の教材紹介です。→ <中・高等部訪問学級の教材(体育「ボウリング」> ボウリングでは、ボールに気づく、ボールを押し出す、ピンを意識する、勝負を意識する、など色々 な過程や力を引き出せます。個々の生徒の実態に応じて課題を変えています。より分かりやすいように 少し重みのあるボールを使ったり、ボールを追視しやすいように生徒に合わせて傾斜を変えたりしてい ます。持ち運びのしやすいコンパクトで軽量な教材を手作りしています。傾斜台はスチレンボードで折 りたたみ式にしたり、ピンはペットボトルに鈴や飾りをつけたりして作りました。 (中学部訪問学級 中里麻実子 高等部訪問学級 工藤千鶴) 第3回 学校運営連絡協議会 報告 校長挨拶の中にもありましたが、1月29日に第3回学校運営連絡協議会が開催されました。 今年度最後の協議会ですので、学校評価の結果について検討するとともに、次年度に向けてのご 提言をいただきました。以下、概要を報告いたします。 ★今年度の取り組み状況について★ 校長より、今年度の学校の取り組みの成果と課題について報告いたしました。 以下のような内容です。 ・チームアプローチによる新たな指導体制の整備 ・個別指導の推進 ・地域のセンター的機能 ・小、中、高一貫した教育課程の開発 ・病弱教育の検討 最後に今後の光明の方向性として、特別支援教育第3次推進計画に基づき、病弱部門との併 置校になっていくことを示しました。 ★学校評価アンケートについて★ アンケート結果の数値化されたデータや自由意見から、改善してきたことが評価された項 目、課題として浮き彫りになってきた項目などをあげながら、委員の方から様々なご意見をい ただきました。保護者の方からの自由意見で、お子さんの指導に直接関係する内容につきまし ては、個別面談の機会等を利用して、保護者の方に返していきたいと思います。また、結果の 考察及び全体へ返すべき内容につきましては3月の保護者会の際に報告させていただきます。 ★次年度に向けての提言★ 協議委員の皆様から以下のようなご提言がありました。一部ですが紹介します。 ○地域のセンター校として、小・中学校への支援が進んでいることはとてもよい。幼児教室も 意欲的な取り組みなので、ぜひ継続してほしい。 ○保護者としては、いろいろと学校側に投げたことに対しての答えがほしいのだと思う。要望 どおりになるかどうかより、要望に対してきちんと検討し、学校としての考えをきちんと示 せたかが大切ではないか。 ○校内の環境については、トイレなど年度当初に比べ、随分整理整頓が進んできている。更に 改善の努力をしてほしい。 ○地域と学校とのコミュニケーションの強化は地域でも望んでいる。災害対策のこともあり、 さらに強化していきたい。そういう意味でも学校の行事をオープンにし、多くの住民が来校 する機会としてほしい。 ○梅ヶ丘地区(本校向かい側の病院跡地)の福祉センターは平成31年開設予定。総合的な福 祉の拠点となる。光明があったから梅ヶ丘が福祉のまちづくりとなった。区の計画も来年度 から始まる。光明と連携をとりながら進めていければよい。 ○授業参観週間については、事前に授業予定表が配られると、保護者としても参観したいと思 うのではないか。学校介護職員は男性の比率が低いので、少しでも改善されるとよい。 ○学校としてどういうお子さんを受け入れ、どのような学校を目指していくのかを、学校内外 に明確に示せるようにしていく。子供達が特別支援学校を卒業したことを誇りに思えるよう な学校をつくっていってほしい。 (副校長 佐々木 孝之)
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