「骨検査のご案内」パンフレット

- 骨、軟骨、歯などの硬組織評価 -
骨検査のご案内
http://www.kureha-bunseki.co.jp
受託サービスのご案内
クレハ分析センター の骨検査は、多彩な検査項目を揃え、
骨・歯をはじめとする硬組織に関わる研究の総合的なサポートが可能です。
また長年の経験から、研究・開発の目的に応じて最適な検査方法を御提案いたします。
どうぞ私たちにお気軽にご相談ください。
○ 骨構造解析/μCT
○ 骨構造解析/軟X線写真撮影・CMR
一 般 検 査
○ 骨密度・骨塩量測定/DXA・pQCT
○ 骨灰分分析/ICP発光分光分析
○ 骨強度試験
○ 分光分析/FT-IR・顕微ラマン
○ 非脱灰薄切標本
○ 非脱灰研磨標本
標 本 作 製
○ 脱灰パラフィン標本
○ 免疫組織化学染色標本
○ 凍結標本
○ 骨格標本
骨形態計測
1
○ 骨形態計測
お手続きの流れ
2
骨構造解析
マイクロフォーカスX線CT (μCT)
摘出骨内部の微細構造を非破壊的に観察・計測できます。
多重断層画像からの3次元画像構築の例
骨梁構造の観察:ラット脛骨横断
骨梁構造の観察:
3次元切断ムービーの例
マウス下顎骨臼歯
ラット脛骨近位端
■ μCT ■
A
・骨の透視画像
・二次元断層画像
・三次元回転ムービー画像
・三次元切断ムービー画像
・断層画像における海綿骨構造の定量解析
(Node-strut法)
・多重断面画像からの三次元画像構築
B
海綿骨の部分抽出
軟X線写真撮影 ・ CMR
骨の形態学的(マクロ)構造の観察に適しています。
■ 軟X線撮影 ■
極めて単純な解析ですが情報量は大きく、ファースト
スクリーニングとして大変有用です。
・骨の形態学的(マクロ)構造の観察
・小動物(マウス・ラット)の全身写真撮影
・埋植された金属・インプラント類の確認
・骨折位置・状況の観察
■ CMR ■ (contact micro-radiography)
試料(骨・歯の場合研磨試料)をフィルムに密着させて
X線を照射することにより撮影します。
・骨の石灰化度の観察
マウス全身軟X線
3
C
骨密度・骨塩量測定
DXA ・ pQCT
小動物摘出骨の骨密度、骨塩量をX線で非破壊的かつ迅速に測定します。
■ DXA ■ (Dual Energy X-ray Absorptiometry)
DXA測定結果例
骨密度(mg/cm2)
60.0
骨塩量・骨密度の測定
50.0
40.0
sham
30.0
ovx
20.0
← 遠位
はじめに骨全体を測定して骨塩量(mg)・骨密度
(mg/cm²)を算出し、次に分割して骨端部、骨幹部
等の部位別の解析をすることも可能です。
マウス大腿骨
近位 →
OVXまたはsham手術を施したマウス大腿骨の骨密度を
測定し、長軸方向に全長を20分割した値をプロットした。
この方法は、短時間で多数の検体を測定出来るため
ファーストスクリーニングとしても用いられます。
遠位端および近位端の海綿骨が豊富な部分(骨幹端部)
で、OVXによる骨密度の明らかな低下が認められた。
■ pQCT ■ (peripheral Quantitative Computed Tomography)
立体的な断層測定が可能で、そのためDXA法では算出できない皮質骨、海綿骨それぞれの体積
あたりの骨密度が測定できます。
骨灰分分析
ICP発光分光分析
(誘導結合プラズマ分光分析)
骨灰分中のCa、P、Mgのほか、骨中に含まれる微量元素を10ppbレベルまで定量します。
■ 骨灰分量測定 ■
骨を灰化し、骨中に含まれる無機質成分を測定し
ます。骨中の複数の無機微量元素を同時に高感度
で定量することができます。
ICP分析は、骨だけでなく他の動植物の生物試料に対しても
微量元素の定量を承っております。
4
強度試験
骨強度試験
強度試験、分光分析(FT-IR)
体の支持器官としての骨の物理的強度を検討します。
3点曲げ試験、圧縮試験、動的粘弾性試験を用意しております。
■ 長管骨3点曲げ試験 ■
長管骨を用いた、3点曲げ試験(破断試験)で、
主に皮質骨の強度についての情報が得られます。
マウス大腿骨3点曲げ試験(破断)試験例
ラット大腿骨3点曲げ試験のイメージ
変位 [mm]
荷重 [N]
破断点
得られる骨力学パラメータ例
最大荷重 [N]
破断変位 [mm]
剛性(Stiffness) [N/mm]
時間 [sec.]
破断エネルギー [N・mm]
分光分析
FT-IR イメージング
FT-IR、ラマン
骨を非脱灰で樹脂包埋し、切り出した切片表面を解析します。
赤外吸収スペクトルのみならず、骨薄片上の分子の分布がイメージ画像として得られます。
■ FT-IR 吸収イメージング ■
■ FT-IR スペクトル ■
FT-IR Absorbance Imaging
FT-IR Spectrum
リン酸基など、骨(切片)表面の分子種をIRスペクトルの
特定吸収波長の強度に注目して、二次元のイメージ画像
に再構築します。
正常
マウス脛骨
MMA包埋切片
リン酸基の
IR吸収イメージング画像
PO43-
AmideⅠ
CO32-
PO43-
A
骨軟化症
PO43-
5
連続V.Goldner 染色標本
未染切片
1800
1600
1400
1200
1000
800
cm-1
分光分析
顕微ラマン分光分析
ラマン
樹脂包埋や薄切片にする必要はなく、骨の表面を直接分析します。
比較的小さい領域の官能基や分子構造など組成に関する情報が得られます。
959 PO43-
【 Wave length : 780 nm 】
Raman Intensity (cps)
腹側
■ ラマン スペクトル ■
Raman Spectrum
骨では、ハイドロキシアパタイト由来の
リン酸(PO43-)、炭酸(CO32-)、タンパク質
(主にⅠ型コラーゲン)由来のアミドⅠ(C=O)
1070 CO32-
1665
AmideⅠ
1665
AmideⅠ
1243-13201070 CO32- 921 Proline
AmideⅢ
1450 CH2 1243, 1320
876 Hydroxyproline
AmideⅢ
などの振動に起因する光が検出されます。
Raman shift (cm-1)
■ ラマン イメージング ■
腹側
5/6腎摘ラット
大腿骨横断面
Raman Imaging
ラマン分光はFT-IRに比べ高い測定の空間分解能(数μm径)を
示します。狭い領域に注目した測定では、FT-IRでは検出でき
ない骨質の変化を捉えることができます。
ラマンイメージングによる骨質解析例
背側
皮質骨中に認められた骨孔
骨孔辺縁を拡大
骨孔
腎不全ラットの皮質骨中に発生した骨孔の辺縁を解析。分子種によるラマン散乱光の強
度比を画像として再構成した。皮質骨内のごく限られた面積内でも、骨孔に近い部分と
離れた部分で分布が異なり、骨質の組成が一様でないことがわかる。
石灰化度
結晶化度
骨孔
コラーゲン成熟度
骨孔
骨孔
0.038
皮質骨
5.0
4.0
30 μm
18 μm
0.037
2.0
0.036
3.0
0.035
2.0
0.034
1.5
1.0
【 リン酸/アミドⅠ 】
【 リン酸ピーク半値幅の逆数 】
組織の石灰化度
アパタイト結晶の成熟度
【 成熟架橋(1660cm-1)
/未成熟架橋(1690cm-1) 】
コラーゲン架橋の成熟度
6
非脱灰標本作製
骨や歯などの硬組織を脱灰せずに、硬度のある樹脂に包埋して作製します。
インプラントなどの医療材料も一緒に包埋できます。薄切標本と研磨標本があります。
非脱灰薄切標本
硬組織の石灰化状態と細胞を観察するのに有用です。
骨形態計測により、骨代謝回転の評価が可能です。
■ MMA樹脂包埋薄切標本 ■
MMA(Methylmethacrylate)樹脂は包埋に時間がかかりますが、硬度が骨に
近く硬組織用のミクロトームで薄切します。骨形態計測をはじめ、骨の中の
細胞観察を主目的にする場合に最も適しています。
Villanueva's Bone 染色
ラット大腿骨 海綿骨
カルセイン標識蛍光観察
(暗視野)
Villanueva's Goldner 染色
サル腸骨 海綿骨
緑色:石灰化骨、赤色:類骨
(明視野)無色~薄桃色:石灰化骨
濃赤紫色:類骨
■ GMA樹脂包埋薄切標本 ■
GMA(Glycolmethacrylate) 樹脂はMMA樹脂に比べ、やや硬度が劣
カルセイン標識蛍光観察
(暗視野)
りますが、染色のバラエティが広がります。重合熱の発生が比較的少
なく、MMA樹脂ではできない酵素染色なども可能です。
(明視野)
薄青色:類骨
青色:軟骨基質
トルイジンブルー 染色
サル腸骨 海綿骨
von Kossa 染色 サル脛骨 近位端
黒~黒褐色:石灰化骨
7
非脱灰標本作製
非脱灰研磨標本
非脱灰研磨標本は、本来の形状を保持したまま観察できる手段です。
30~50 μm程度の厚みの標本を作製します。
歯、顎骨や皮質骨などの緻密構造組織の観察に有用です。
内部に金属や人工物を含む検体からも、標本を作製することができます。
Villanueva‘s Bone 染色 研磨標本 蛍光観察
ラット大腿骨 骨幹部 横断面
(左)正常モデル (右)副甲状腺機能亢進症モデル
皮質骨のカルセイン骨標識が観察できる.
Villanueva‘s Goldner 染色 研磨標本
イヌ下顎骨+インプラント
緑色:石灰化骨、赤色:類骨
Villanueva‘s Bone 染色 研磨標本
イヌ大腿骨 骨幹部
無色~薄桃色:石灰化骨
濃赤紫色:類骨
Villanueva‘s Bone 染色 研磨標本
ラット下顎骨
Villanueva‘s Bone 染色 研磨標本
ラット脛骨+インプラント
8
脱灰標本作製
パラフィン標本
硬組織をEDTAや酸を用いて脱灰し、パラフィンに包埋します。
一般染色、酵素染色や免疫組織化学染色に対応でき、細胞の詳細な観察に適しています。
硬組織以外のパラフィン標本もお引き受けいたします。
TRAP 染色:酵素染色
マウス脛骨 海綿骨
赤色:破骨細胞の細胞質
HE 染色
ラット脛骨近位端
トルイジンブルー染色
ラット腰椎 成長版軟骨
濃青色:軟骨基質
アルシアンブルー染色
ラット脛骨 近位端 成長版軟骨
青色:軟骨基質
9
ボディアン染色
ラット脛骨 皮質骨
骨細管が黒~黒褐色に染め出される.
サフラニンO 染色
イヌ脛骨 膝関節
赤色:関節軟骨の軟骨基質
免疫組織化学染色標本作製
免疫組織化学染色標本
硬組織の脱灰パラフィン切片、非脱灰凍結切片、脱灰凍結切片の
免疫組織化学染色標本を作製します。
市販抗体の他、お客様お持込みの抗体による検討も承ります。
オステオカルシン
ラット脛骨
陽性部位:骨芽細胞
SOST
ラット脛骨 皮質骨
陽性部位:骨小腔、骨細管
Ⅱ型コラーゲン
マウス脛骨 近位端
陽性部位:軟骨基質
von Willebrand Factor (Factor Ⅷ)
イヌ下顎骨
陽性部位:血管内皮細胞
免疫組織化学の実施例
Ⅰ型コラーゲン、 Ⅱ型コラーゲン、
Ⅹ型コラーゲン、オステオカルシン、
オステオポンチン、カテプシンK、
RANKL、CD3、CD4、CD34、
von Willebrand Factor (Factor Ⅷ)、
カテプシンK
ラット脛骨 海綿骨
陽性部位:破骨細胞
SOST、PCNA、その他
10
凍結標本作製
凍結標本
短時間での標本の作製が可能で、酵素染色や免疫組織化学染色にも適した標本作製法です。
フィルム法による硬組織の非脱灰凍結切片も作製できます。
骨膜
トルイジンブルー染色
(非脱灰凍結切片)
ラット脛骨
皮質骨
骨芽細胞
骨髄側
免疫染色:オステオカルシン
(非脱灰凍結切片)
ラット皮質骨
トルイジンブルー染色
(非脱灰凍結切片)
ラット下顎骨
骨格標本作製
骨格標本
小動物の全身の骨格をそのまま観察することができます。
目安としてラット程度の大きさまでの骨格標本作製を承ります。
動物種、作製日数はご相談ください。
マウス新生仔2日齢
アリザリンレッド・アルシアンブルー 重染色標本
赤色:石灰化骨、 青色:軟骨
11
硬組織標本作製
硬組織標本の種類と染色
よく用いられる硬組織標本の包埋方法と染色法の特徴を簡単にまとめました。
脱灰
脱灰
非脱灰
MMA
(薄切)
MMA
(研磨)
GMA
(薄切)
凍結
(薄切)
パラフィン
(薄切)
6
30~50
3
5~10
3
8週間
12週間
8週間
1週間
3週間
Villanueva's Bone
・石灰化骨と類骨の判別が可能
・骨形態計測に向く、蛍光観察可能
○
○
―
―
―
Villanueva's Goldner
・石灰化骨と類骨の判別が可能
・骨形態計測に向く、蛍光観察不可
○
○
○※2
―
―
HE
・最も一般的な染色
・組織の全体像をつかむのに有効
○
○
○
○
○
トルイジンブルー
・骨形態計測に用いる
・軟骨の染色に向く
○
○
○
○
○
von Kossa
・石灰化骨を黒く染める
○
○
○
○
○
アルシアンブルー
・軟骨基質を青く染める
―
―
○
○
○
サフラニンO
・軟骨基質を赤く染める
―
―
○
○
○
マッソン・トリクローム
・膠原線維を染める
―
―
―
○
○
ボディアン
・骨細管を染める
―
―
―
―
○
TRAP
・破骨細胞で陽性
―
―
○
○
○
ALP
・骨芽細胞で陽性
―
―
△
○
―
―
―
―
○
○
切片の厚さ(μm)
標本作製にかかる時間(目安※1)
一般染色
酵素染色
免疫染色
HE :
Hematoxylin Eosin
TRAP : Tartrate Resistant Acid Phosphatase
ALP : Alkaline Phosphatase
※1:検体数、ご依頼状況に応じて変動いたします。
※2:One-Step Goldner 染色を適用します。(通常のV. Goldner 染色に比べ、若干色合いが変わります。)
この表にない染色でも、ご相談を承ります。お気軽にお問合せください。
12
骨形態計測
骨形態計測
骨形態計測は、骨の代謝機能を評価する最も確実な手段です。
骨組織標本を顕微鏡下で観察し、その組織構造や代謝・動態に関わる情報を骨形態計測システムに
より定量化することができます。複雑な骨代謝異常を示す病態モデルや、薬剤の骨に対する影響を
評価するために大変有用です。骨標本に限らず、他の病理標本や画像からの数値化も可能です。
採骨前の動物にあらかじめ蛍光カルシウムキレート剤を投与しておくことによって、石灰化
速度、骨形成速度など骨の代謝動態の情報が得られます。
骨芽細胞
破骨細胞
ラット脛骨 近位端 海綿骨骨梁
MMA樹脂包埋 非脱灰薄切標本
Villanueva's Bone 染色
ラット大腿骨 遠位端 海綿骨
MMA樹脂包埋 非脱灰薄切標本
Villanueva's Goldner 染色
カルセイン標識
1回目
7days
左と同じ視野を蛍光顕微鏡下観察
カルセインを7日間あけて2回皮下投与。
この2本の石灰化前線の間隔の平均値を7日間で除
し石灰化速度とする。
サル大腿骨 遠位端 海綿骨
MMA樹脂包埋 非脱灰薄切標本
Villanueva's Bone 染色
「OsteoMeasure(OsteoMetrics, Inc.)」(左)と「Histometry RT CAMERA(システムサプライ社)」(右)、
2つの骨形態計測システムにより対応いたします。
13
骨形態計測
代表的な海綿骨形態計測の2次パラメーター
ASBMR*の命名法に基づいた以下のような2次パラメーターを算出します。
繁用される海綿骨形態計測の2次パラメーター
用語(英語)
(日本語)
略語
単位
骨構造パラメーター
Bone volume
/Tissue volume
骨量
BV/TV
%
Trabecular thickness
骨梁幅
Tb.Th
μm
Trabecular number
骨梁数
Tb.N
/mm
Trabecular separation
骨梁間隙
Tb.Sp
μm
骨形成パラメーター
Osteoid volume
/Bone volume
類骨量
OV/BV
%
Osteoid surface
/Bone surface
類骨面
OS/BS
%
Osteoblast surface
/Bone surface
骨芽細胞面
Ob.S/BS
%
Osteoid thickness
類骨幅
O.Th
μm
Mineralizing surface
/Bone surface
骨石灰化面(骨表面)
MS/BS
%
Mineral apposition rate
石灰化速度
MAR
μm/d
Bone formation rate
/Bone surface
骨形成速度(骨表面)
BFR/BS
μm3/μm2/d
ES/BS
%
骨吸収パラメーター
Eroded surface
/Bone surface
吸収面
Osteoclast surface
/Bone surface
破骨細胞面
Oc.S/BS
%
Osteoclast number
/Bone surface
破骨細胞数
N.Oc/BS
(個) /100mm
*: American Society for Bone and Mineral Research
14
東京都健康安全
研究センター
クレハ分析センター
東京事業所
東京事業所
国立科学博物館
分館
(㈱クレハ 本社別館内)
淀橋
市場前
社会保険
中央総合病院
サンパーク
ホテル
公務員住宅
コンビニ
テ
コニ
ース
ト
カ
フカ
ェフ
ェ
区間
車の通行困難
徒歩のみ
た
ば
こ
屋
ド
ラ
ッ
グ
ス
ト
ア
裏表紙
コ
ン
ビ
ニ
大久保通り
北新宿
一丁目
↓新宿
↓新宿
お問い合わせ・検体発送先
株式会社クレハ分析センター 東京事業所
医薬本部 医薬部 骨検査室
〒169-8503 東京都新宿区百人町3-26-2
TEL: 03-3362-7408
FAX: 03-3362-7433
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