IA_cloud - 製造科学技術センター(MSTC)

産業オートメーションにおける
クラウドサービスの可能性
IA_cloudプロジェクト発足について
2014年6月25日 IAFフォーラム
IAF運営委員会幹事
@bridge consulting
橋向 博昭
プロジェクトの背景と目的
 背景
 オフィス業務や個人コミュニケーション分野で、クラウドサービス(Saas)が多く
提供されるようになった。
 企業の情報システムをオンプレミス (on-premises) ではなく、クラウドサービス
で提供されたプラットフォームやコンピューティング環境を利用する事例が急
増している。(Paas,Iaas)
 IA分野においては、クラウド利用の動向がほとんど見られず、エンドユーザの
潜在的ニーズが満たされていない。
 目的
 産業オートメーション(IA)分野において、様々なIA関連の設備・機器・システ
ムが保持する情報を、クラウドサービスで利用できる共通的な仕組みを構築
する。
 IA分野におけるクラウドサービスを実現する、基本プロトコルとデータオブジェ
クトフォーマットを規定する規格を作成する
 既存のオープンで標準的な技術・規格を利用し、必要な拡張と特化を行う。
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IAネットワークからの
クラウドサービス利用
 PCやタブレット端末上のWebブラウザやWebアプリからは、ファイア
ーウォールを介して、インターネット上のWebサーバやクラウドサー
ビスにアクセス可能である。
 一般に、WebブラウザやWebアプリで利用されるHTTPクライアント通
信は、ブラックリストにない限りファイアーウォールを通過できる。
(Firewall Friendly)
 業務系の情報システムのプラットフォームやインフラ自体をクラウド
サービス化するものから、個人向けサービスやSNSまで、様々なクラ
ウドサービスが既に供給されている。
しかし、
 IA Systemに関連したものとしては、IA SystemのH/WやS/Wベンダの
Webサイトにアクセスし、資料をダウンロードしたり、サポートを受け
たりするものはあるが、IA関連情報のクラウドサービスやSystem間
の情報連携サービスなどは、まだほとんど存在しない。
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クラウドサービスの分類
 Saas:
クラウド上のアプリケーションサーバに接続し、ブラウザや
タブレット端末のHttpクライアントからその機能を利用する。
今日はこっちの話です。
 SaleForce (CRM), SAPクラウド(ERP) ・・・ (ビジネスアプリケーション)
 Amazon Marketplace (EC)
既存のIA関連機器・システムとの情
 Google Apps(Gmail カレンダーなど), iCloud ・・・ (Office Suit)
報連携をクラウドで行うための技術
 Facebook,
Pinterest ・・・ (SNS)
基盤を提供する。
 Dropbox, Evernote ・・・ (personal Assitance)
 Paas/Iaas:
クラウド上のアプリケーション実行環境(OS)や
Databaseを、サービスとして利用する。
 Amazon: EC2, S3, DynamoDB
 Google: Compute Engine, App Engine, Cloud SQL, Cloud Strage
 IBM: Cloud Management service,
 Oracle: Compute, Strage
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動的でインタラクティブな
Webページの仕組み
ちょっとした情報(Tips)
WEB1.0の静的なWebページ
Google Server
<ユーザがリンクをクリック>


Http リクエスト
レスポンス
Get/Post www.host.com/dir/file?abc=1234&def=5678
file.html ファイル

JavaとJavascriptは違います。
Httpはステートレス、セッション
管理には工夫が必要
これからはhtml5が標準?
<ブラウザが html ファイルを解釈し画面表示>
この技術で可能になったこと。
<ユーザがリンクをクリック>
・
・
・
インターネット
WEB2.0以降のリッチなWebページ(Ajax)
<ユーザがリンクをクリック>
 リッチで双方向のユーザ体験(UX)がWebアプリでも
one way
リクエスト
Get www.host.com/dir/file?abc=1234&def=5678
提供できるようになった。Httpレスポンス
file.html ファイル
<ブラウザが html ファイルを解釈し画面表示>
<Javascript を実行>
Httpリクエスト
Get/Postメソッド url + パラメータ
Httpレスポンス
XMLファイル
<Javascriptが画面表示>
・
・
 サーバとWebクライアント間で、XMLなどのデータ交換が
可能となった。
WEBクライアント
 この二つが、Saasを実現するために必要だった。
<ユーザがリンクをクリック>
・
・
Google Map
IA分野でのWebサービスの応用
 DCSやSCADAがWebサービスサーバ機能を搭載する?
現在、DCS/SACDAはWebサーバ機能はサポート済み
標準I/FとしてWebサービスI/Fをサポートする価値は?
 リッチ監視端末もすべてWebブラウザに出来る。
でも、クラウド上にDCS/SCADAを置くわけじゃないし・・・
 DCS/SCADAや産業用操作表示器、コントローラや現場
機器を取りまとめるフィールドサーバに、Webサービス
のクライアント機能を搭載すると
 製造現場の様々なデータを収集・解析・保管するSaasが
提供できる。
Saasを実現するWebサービス技術
 Webサービスとは、Web上で提供される情報サービ
スのことではない。
 W3Cにおいては、Webサービスとは、さまざまなプラ
ットフォーム上で動作する異なるソフトウェア同士が
相互運用するための標準的な手段を提供するものと
説明されている。
 技術的には
Http(s) プロトコルを利用し、
Soap、XML、JSONなどの構造化されたドキュメントを交換する
ことで、
ネットワーク上でのサービスを提供するための一連の手段。
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提案するIA_cloudの概念図
基幹系システム
B社クラウド
サービス
F/Wフレンドリー
インターネット
IA_cloud
I/F
矢印の向は、
IA_cloud
センターサーバ
HTTPリクエストの向き
イントラネット
B社DCS
IA_cloud
I/F
制御用LAN
A社SCADA
IA_cloud
I/F
IA_cloud
I/F
IA_cloud
I/F
IA_cloud
I/F
IA_cloud
I/F
PC
PLC用LAN
表示器
制御用LAN
フィールドバス
PLC用LAN
工作機械
モニタSW
制御用LAN
IA_cloudの技術的基盤
一般的なWebページの閲覧で使用さ
れているAjaxと同じ仕組みを利用。
ECサイト、Googleマップなど、ほとん
どのインタラクティブなWebサイトで使
っている技術。具体的には、フィール
ドサーバがWebクライアントを搭載し、
http(s) POSTあるいはPUTメソッドを
使用し、収集データをsoap-Xmlや
JSONで、クラウドセンタサーバへファ
イアーウォールを通して送信する
IA_cloud
フィールドサーバ
IA_cloud
I/F
PLC用LAN
クラウド
サービス
F/Wフレンドリー
インターネット
IA_cloud
I/F
IA_cloud
センターサーバ
イントラネット
プロトコル詳細のガ
イドラインを作る。
// OPC-UA の場合
POST /store-data HTTP/1.1
Host: centerserver.host.com/
Content-Type: application/soap+xml; charset= “utf-8”
Content-Length: nnnn
<soap-xmlデータ>
// REST-JSON の場合
POST /store-data HTTP/1.1
Host: centerserver.host.com/
Content-Type: application/json; charset= “utf-8”
Content-Length: nnnn
<JSONデータ>
このオブジェクト
形式のベースを
作る。
IA_cloudデータ連携のまとめ
 Webサービスのサーバ機能ではなく、クライアント機
能を搭載したフィールドサーバやDSC/SCADA
 と、それに対応したクラウド上のデータ収集/蓄積サ
ーバ
 プロトコルは、OPC-UA(SOAP-XML)と、REST-JSON
 基本I/FのAPIと、主要データオブジェクトの構造
を定義
PLCのリニアメモリイメージ(wordデータ配列)
タグ、ポイント、履歴データ、イベントログ
設備稼働状況、消費エネルギー・・・
ISA-95モデルに基づく上位オブジェクト・KPI
IA_cloud
JSONデータオブジェクトの例

{
例えば、2点の温度と警報2点の監視オブジェクトをJSONで記述すると
“objectID” : “IDstrings”,
“timestamp” : “20140625134500.000000+0800” ,
"dataObject" : {
“timestamp” : “” ,
“ゾーン1温度” : 83.6 ,
“ゾーン2温度” : 76.4 ,
“アラームスレータス” : {
“timestamp” : “” ,
"アラーム1" : false,
“アラーム2” : false
}
},
“comments” : “このオブジェクトに関する説明“
// IDの付け方にルール?
//ISO8601のテキスト記述
// Object毎に、””は親と同じ
// 数値の型はNumberのみ
// で大丈夫か
// Objectは入れ子にできる
// データ型は、TEXT, Number,
// Boolean しかない。
}
注:上記の「//」ような、評価対象とならないコメント行はJSONでは許されていない。理解
しやすいように挿入したもの。
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OPC-UAデータオブジェクトの例
{<?xml version='1.0' ?>
<env:Envelope xmlns:env="http://www.w3.org/2003/05/soap-envelope" >
<env:Header>
<t:transaction
xmlns:t="http://thirdparty.example.org/transaction"
env:encodingStyle="http://example.com/encoding"
env:mustUnderstand="true" >5</t:transaction>
</env:Header>
<env:Body>
OPC-UAの定義のxml 表記データをそのまま利用
</env:Body>
</env:Envelope>
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プロジェクトのゴール
 Industrial Automation分野におけるクラウドサービスの標準的なプロトコ
ルを定義する
 OPC-UAをそのまま採用する。必要に応じて、Httpメソッド、URLやURLパラメータの使
用法、レスポンスなどUA-XML(Soap)のHttpバインディングの詳細について定義す
る。
 REST-JASONをベースとし、Httpメソッド、URLやURLパラメータの使用法、レスポンス
などの詳細について定義する。
 Industrial Automation分野におけるクラウドサービスの標準的なデータオ
ブジェクトの構造を定義する
 データオブジェクトの基本構造(ベースクラス)を定義する
 IA分野の基本情報のデータオブジェクト構造を定義する。(タグ、ポイント、A&E、履
歴データなど)
 ユーザ視点でのいくつかのユースケースを想定し、それぞれのケースで必要なデ
ータオブジェクトを定義する。
 IAS-95、ISO-22400(KPI)を参照し、より抽象化されたオブジェクトの記述に挑戦する。
 IA_cloud 仕様を実装する、レファレンス実装を行い、オープンソースとし
て提供する。
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プロジェクトの参照規格
 プロトコル
OPC-UA
 Soap, WSDL, WS-addressing, WS-security
・・・・
REST-JSON
 ECMA-404, RFC-4627
・・・
 データオブジェクト構造
ISA-95
ISO-22400
OPC-UA
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プロジェクトの運営と構成
TBD
 年内に基本仕様の作成を終え、2015年の秋に実証
デモ展示を目指しリファレンス実装を行う。
 早急にプロジェクトキックオフを行い、詳細を決定。
 必要に応じて分科会などを設置し、並列的に作業を
開始したい。
 ユーザニーズを取込むために、ユーザの参画とヒア
リングなどを実施
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プロジェクトメンバを募集

エンドユーザ
 PA,FAのエンドユーザ
 中小企業関連団体
参加に興味のある方は、いずれかへメールください。

クラウドサービスのプロバイダー
IA-cloudプロジェクト: consulting@hashimukai.com
 独自のクラウドサービスや類似のサービスの事業展開を実施しているベ
ンダ
IAF事務局: machida@mstc.or.jp
 今後の事業展開を検討中のベンダ

IA分野のSIer 、S/Wベンダ、H/W ベンダ
 DCS/SCADAのベンダ
原則として、IAFの正会員ないしは、
 PLC、温度調節器、表示器ベンダ
IA_cloudプロジェクト参加条件:
ユーザの情報会員であること。(暫定)

IA 情報端末ベンダー
 IA機器のフィールドサーバやゲートウエイの開発・供給ベンダ
 iOS, Android 端末用のPLCモニタアプリやSCADAアプリの開発・供給ベンダ
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