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アジア有数の規模
コルカタ・インド博物館から、
インド仏教美術の至宝が急遽来日!
21世紀に入りますますダイナミックに変貌するインド。この展覧会は、インドと日本の文化交流を促進することをめざして2014年秋
から1年間にわたり開催されている「日本に於けるインド祭2014-15」
(Festival of India in Japan 2014-15)の主要イベントのひとつ
として開催いたします。
コルカタ(旧カルカッタ)のインド博物館は、1814年に創立されたアジア初の総合博物館です。なかでも仏教美術のコレクションは
秀逸で、古代初期のインド仏教美術を代表するバールフット遺跡(紀元前2世紀頃)を再現したギャラリーや、初めて仏像が作られ
るようになったクシャーン朝時代(1 ∼ 3世紀)のガンダーラ及びマトゥラーの仏像彫刻、インド文化の黄金時代とよばれるグプタ朝
(4 ∼6世紀)の美術、密教が隆盛したパーラ朝時代(8 ∼12世紀)の名品など、インドの仏教美術を代表する優品が多数収蔵されて
います。
本展は、その貴重なコレクションの中から選りすぐりの仏教美術作品を紹介するアジア国際巡回展です(上海博物館:2014年12月3
ほんじょうわ
日∼ 2015年2月2日の後、巡回)。釈
の前世の物語である本生話を題材にしたバールフットの浮彫彫刻、ギリシャ・ローマの影響を
色濃く映し出す流麗なガンダーラの仏像、インド独自の造形感覚をもとに発展した肉感的なマトゥラーの仏像、釈
が初めて説法を
かん のん ぼ さつ
した地サールナートで出土したグプタ朝時代の仏伝四相図のほか、密教の隆盛した東インドのパーラ朝の典雅な観音菩
立像や
ばいようきょう
シュロの葉に書かれた貝葉経などの経典類まで、各時代の特徴を示す名品約80件を紹介します。仏教生誕の地インドで千年を超え
て展開した仏教美術の本流をたどるこの展覧会にどうぞご期待ください。
開 催 概 要
コルカタ・インド博物館所蔵
インドの仏
仏教美術の源流
Indian Buddhist Art from Indian Museum,
Kolkata
会 期:2015年3月17日(火)∼ 5月17日(日)
会 場:東京国立博物館 表慶館(〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9)
開館時間:午前9時30分∼午後5時
みろくぼさつ
左:弥勒菩
坐像 ロリアン・タンガイ出土 クシャーン朝(2世紀頃)
右:仏坐像 アヒチャトラー出土 クシャーン朝(1世紀頃)
■金曜日は午後8時まで、4月4日以降の土・日・祝休日は午後6時まで ■入館は閉館の30分前まで
コルカタ・インド博物館について
休 館 日 :月曜日
■ただし、3月23日(月)、3月30日(月)、5月4日(月・祝)は開館、5月7日(木)は休館
インド東 部 の 大 都 市コルカタ(旧カルカッタ)に英 国 統 治 時 代 の
1814年創立。アジア最古の総合博物館で、収蔵品は人文科学、自
主 催:東京国立博物館、インド政府文化省、コルカタ・インド博物館、
然科学の多様な領域に及ぶ。古代インド美術のコレクションは世
インド大使館、日本経済新聞社、BSジャパン
界的にも有名で、バールフット・ストゥーパの「欄楯(垣)」を復元
協 賛:野崎印刷紙業、三井物産
したギャラリー(写真右)は圧巻。コロニアル風の重厚な建築も見
ほか
らんじゅん
(2014年10月24日現在)
どころ。
観覧料:
当日券/一般1,400円、大学生1,000円、高校生800円
前売券/一般1,200円、大学生800円、高校生600円
団体券/一般1,100円、大学生700円、高校生500円
■中学生以下無料 ■団体は20名以上
■障がい者とその介護者1名は無料です。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。
■前売券は、2015年1月17日(土)から3月16日(月)まで発売。
東京国立博物館・表慶館について
東京国立博物館 正門チケット売場(窓口、開館日のみ、閉館の30分前まで)、
明 治33年(1900)、皇 太 子(後 の 大 正 天 皇)のご 成 婚を記 念して
ほか主要プレイガイド、コンビニエンスストアで販売します。
計画され、明治42年(1909)に開館した日本で初めての本格的な
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お問い合わせ
美 術 館。設 計 は、J .コンド ル の 弟 子 で、東 宮 御 所(現 在 の 迎 賓
03-5777-8600(ハローダイヤル)
館)なども手がけた宮廷建築家の片山東熊。中央と左右に美しい
http://www.tnm.jp/
ドーム屋根をいただき、上層部の外壁面には製図用具、工具、楽
黒田記念館
表慶館
(東京国立博物館ウェブサイト)
器などをモチーフにしたレリーフがある。明治末期の洋風建築を
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交通機関
JR:上野駅公園口、
鶯谷駅南口下車徒歩10分
東京メトロ:銀座線・日比谷線上野駅、
千代田線根津駅下車徒歩15分
京成電鉄:京成上野駅下車徒歩15分
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〒110 -8712 東京都台東区上野公園13 -9 代表する建物として昭和53年(1978)、重要文化財に指定された。
みどころ
アジア最古の総合博物館(1814年創立)であるコルカタ・インド博物館から、
珠玉の仏教美術作品約80件が来日します。
仏教の生まれた地インドを代表する博物館の名品で、インド仏教美術の歴史をたどります。
コルカタ・インド博物館で最も有名なコレクションであるバールフット・ストゥーパ出土品から、
ほんじょう わ
釈
の前世(本生話)や仏の礼拝を表わした紀元前2世紀の貴重な浮彫彫刻を紹介します。
ブッダ
仏像が作られる以前の時代に、仏教徒は仏陀をどのように礼拝していたのか、
古代の信仰のあり方を示すきわめて貴重な作例です。
1世紀に北インドから中央アジアを支配したクシャーン朝の時代に、
インドの仏教美術は仏像の誕生という一大変革期を迎えます。
ガンダーラとマトゥラーで仏像が盛んに制作されました。本展では、
ギリシャ・ローマの影響を色濃く示す流麗なガンダーラ仏、
インド独自の造形感覚でみずみずしい肉体を表わしたマトゥラー仏の名品を展示します。
ブッダ
また、ガンダーラで発達した仏伝(仏陀の生涯の物語)浮彫も多数ご紹介します。
インド文化の黄金時代と称されるグプタ朝(4 ∼ 6世紀)に制作された仏伝浮彫の優品、
ぼ さつ
東インドを支配した仏教王朝のパーラ朝(8 ∼12世紀)の下で隆盛した密教美術の仏菩
像、
ばい ようきょう
仏教の教えをシュロの葉に記した貝葉経と呼ばれる経典類なども展示します。
インド仏教美術の源流から千年を超える興隆を俯瞰できるまたとない機会です。
本展覧会は、インド政府文化省が主体となって開催するアジア国際巡回展で、
上海博物館(会期:2014年12月3日∼ 2015年2月2日)から東京国立博物館に巡回します。
本年9月に来日したインドのモディ首相と安倍総理大臣との首脳会談でも、
「日本に於けるインド祭2014 -15」の主要な文化交流イベントのひとつとして紹介されました。
サールナートのダメーク・ストゥーパ(部分)
展 覧 会 内 容
1
第 章 仏像誕生以前 古 代 初 期 の 仏 教 寺 院 はストゥー パ(仏 塔)を 中 心 に つくられました。ス
らんじゅん
トゥーパを取り囲む欄
と呼ばれる囲いを、釈
の生涯、その前世の物語
ブッダ
であるジャータカ(本生)、神像、蓮華文様などで装飾しました。当時、仏陀
は人間の姿では表されず、法輪や聖樹、足跡などによって存在を暗示す
るのが習わしでした。中インドのバールフットは古代初期を代表する仏教
遺 跡です。高さ3mに及 ぶ 巨 大 な 欄
に施され た 浮 彫 彫 刻 の 造 形 は、古
拙ながら力強さがみなぎっており、見る者を圧倒します。
カ
ナ
カ
ム
ニ
菩提樹(拘那含牟尼仏)の礼拝 釈
よりも前に世にあって悟りを開いたとされる過去七仏の一人、カナカムニ仏を礼拝する場面。画面
の中央、人々の合掌、散華する先には、空の台座と花綱で飾られた樹木があるのみで、仏はこれらに
バールフット出土 シュンガ朝(紀元前2世紀頃)
よって象徴的に表されています。古代初期にはこのように仏陀不表現のルールが守られていました。
2
第 章 釈迦の生涯 インドで最初に仏像が作られたのは、ガンダーラと北インドのマトゥラー
で、紀元後1世紀頃のことと考えられています。この時代に北インドから中
央アジアを支配したのはクシャーン朝で、仏教美術も大いに隆盛しました。
特にガンダーラでは、釈
た。釈
の生涯をたどる仏伝説話の美術が発達しまし
の偉大さを示すために、説話には超自然的な出来事も数多く含
まれています。ここでは、時代を超えて愛好された仏伝美術の作品の数々
を紹介します。
しゅっ け ゆ じょう
仏伝「出家踰城」 王子として育ったシッダールタ太子(のちの仏陀)が、出家をするためにカピラヴァストゥの城を出て
いく場面です。馬の蹄の音で周りに気付かれないために、ヤクシャ神が蹄をもち、太子には傘が差しか
けられ、太子の周りでは神々が太子の出家を讃嘆しています。
ロリアン・タンガイ出土 クシャーン朝(2世紀頃)
展 覧 会 内 容
3
第 章 仏の姿 仏像の誕生以後、礼拝像としてさまざまな仏が作り出されました。仏像
の誕生から間もない頃の仏陀像の多くは、釈
の姿を表わしたと思われ
ますが、ガンダーラ美術独特の説法図にみられる仏は、阿弥陀仏など大
乗仏教の仏ではないかとする説もあります。また、出家して悟りを開い
た仏は、本来装飾を身につけませんが、宝冠や首飾などで飾
られた仏も作られるようになります。
仏坐像 アヒチャトラー出土 クシャーン朝(1世紀頃)
ガンダーラと並んで仏像が最初に作られたマトゥラーでは、みずみずしい肉体をもった青年のように
仏が表されました。頭髪は頭頂部に渦巻型に髪を巻いた形で、薄い衣を右肩をあらわにして身につけ
るのが初期のマトゥラー仏の特徴です。仏の座には一対の獅子がいます。これは仏が釈
族の獅子と
呼ばれたことを造形化したものです。
4
ぼ
さつ
第 章 さまざまな菩 と神 悟りを開いた仏に対して、修行を経て未来に仏になるものを菩
と呼び
ます。大乗仏教の興隆とともに、人々を救済するものもこう呼ばれるよう
になり、その種類も増えていきます。インドの王族の姿を原型とする菩
は、冠 や 首 飾 などの 装 飾 を つ けています。菩
に は 各々に 特 徴 が あり、
髪 型 や 宝 冠、そして持 物 の 種 類 によって区 別 することができます。また、
仏教はインド古来あるいは外来の神々を取り入れ、それらは守護神など
様々な役割を担いました。
み ろく ぼ さつ
弥勒菩
坐像 と そつてん
にゅうめつ
ロリアン・タンガイ出土 弥勒は現在、兜率天という天の世界にいて、釈
クシャーン朝(2世紀頃)
て釈
の入滅から数えて56億7千万年後にこの世に生まれ
と同じように悟りを開いて仏となり、人々を救うとされます。ガンダーラでは弥勒の信仰も盛ん
すいびょう
に行なわれました。弥勒菩
つけるのは、釈
は、髪を束ね、手に水瓶を持つ姿で表わされます。豪華な装飾品を身に
が出家をする前のシッダールタ太子の姿が元になっています。
5
第 章 ストゥーパと仏 しゃ り
古 代 初 期 の インドで は、仏 教 徒 の 信 仰 の 対 象 は 仏 の 舎 利 を 納 め たス
トゥーパ(仏塔)でした。仏像の誕生後も、ストゥーパの信仰はさまざま
に形を変えながらも継続していきます。ストゥーパの中には、仏の舎利
を意味するさまざまなものが納入されました。また、仏のみならず亡く
なった僧のためにもストゥーパは造営されました。
奉献塔 アシュラフブール出土 パーラ朝(8世紀頃)
6
第 章 密教の世界 仏教の教えが次第に複雑になり、インドでは 5 ∼ 6世紀頃に密教が生まれ
たと考えられます。インドで次第に隆盛してきたヒンドゥー教の影響を受
た めん た
ひ
け、多面多臂の密教像が作り出されたり、仏、菩
、護法尊、天のそれぞ
れに多様な尊格が生まれ、仏たちの世界を形作っています。東インドの
ベンガル地方では7世紀頃から密教が盛んになります。8世紀に東インド
で興ったパーラ朝は、王たちが仏教を手厚く保護し、大寺院を各地に建
立しました。
よ がんいん
中央の観音は、右手は与願印を結び、左手で蓮華の茎を持っています。観音の右に、ターラーとスダ
ほうしょう
ナクマ ーラ、左 に ハ ヤグリーヴァ、ブリクティの 合 計 四 尊 が 従 い、頭 上 に は 仏 の 右 脇 から大日、宝 生、
あ しゅく
ふ くう じょうじゅ
阿弥陀、阿 、不空成就の五仏を配しています。このような組み合わせの像をカサルパナ観音あるい
くう ぎょう せ
じ ざい
カサルパナ観音立像 は空行世自在と呼びます。カサルパナとは「空中を遊行するもの」の意味で、密教において多様化し
チョウラパーラ出土 た観音のひとつです。緻密な玄武岩を彫り出した姿は、研ぎ澄まされた美しさを備えています。
パーラ朝(11∼12世紀頃)
7
第 章 経典の世界 仏教の教えは、もともと口伝でしたが、次第に文字で残されるようになり
ます。紙 の な い 時 代 のインドで は、樹 皮 や ヤ シ の 葉 などに経 文を記し、
それを綴じて保管していました。紙が用いられるようになっても、その形
式は存続しました。
はっせん じゅ はん にゃ は ら
み
た きょう
八千頌般若波羅蜜多経
バレンドラ・ブーミー派
パーラ朝(12世紀頃)
ばいようきょう
ヤシの葉に経を記したいわゆる貝葉経で、インドで古くから
はっせん じゅ はん にゃ は
ら
み
た きょう
用いられました。八千頌般若波羅蜜多経は、大乗仏教の中で
最も重要な経典のひとつで、その成立は紀元前後頃までさか
のぼると考えられています。同経が長い間流布していたことは、
東インドやネパールで数多くの写本が見つかっていることか
らもわかります。この作品では中央の区画に、青い体で3つの
ふん ぬ
目を持ち、歯を剥いた忿怒の形相の女尊ナイラトナ(無我女)
を描いています。右手にカルトリという曲刀、左手に髑髏の杯
を持つのは、他の多くの忿怒像にもみられます。左脇には髑
髏伺を抱えています。
作品はすべてコルカタ・インド博物館蔵
Photographs ©Indian Museum, Kolkata
みうらじゅんさん、いとうせいこうさん、
インド仏像大使に就任!
仏像好きとして知られる、イラストレーターのみうらじゅんさん、作家・
クリエーターのいとうせいこうさんが、インド仏像大使に就任します。
展覧会オリジナルグッズのプロデュースのほか、本展覧会を応援してい
ただきます。
オリジナルグッズ
インド仏像大使みうらじゅんさん、いとうせいこうさんが開発するオリジ
ナルグッズのほか、
「インドの仏」カレーなど、さまざまなグッズを販売
予定ですので、どうぞお楽しみに。
写真はイメージです
関連イベント
「インドの仏−古代初期から密教まで」
記念講演会
講師:東京国立博物館学芸企画部企画課長 小泉惠英
日時:2015年4月11日(土)午後1時30分∼ 午後3時(午後1時開場)
会場:東京国立博物館 平成館大講堂
■定員380名、事前申込制、応募多数の場合抽選。
このほか、ヨガやインド式計算親子体験講座などの開催を予定しています。
記念講演会およびその他の関連イベントは、
今後、東京国立博物館ウェブサイト(http://www.tnm.jp/)でご案内します。
報道関係お問い合わせ
〒150-8551 東京都渋谷区渋谷1-3-9 東海堂渋谷ビル3F
「インドの仏」広報事務局(ユース・プラニングセンター内)
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