TMフィールドバスの基礎 - Fieldbus Foundation

FOUNDATIONTMフィールドバスの基礎
招聘研究員 森岡義嗣
早稲田大学理工学術院総合研究所(理工研)
産業用オープンネットワーク・ラボラトリー
〒162-0044 新宿区喜久井町17
TEL:03-3203-4437 FAX:03-3203-3231
E-mail : ff@power.mech.waseda.ac.jp
フィールドバスユーザセミナin TOKYO
日本フィールドバス協会 2014年3月12日
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© 2014 Fieldbus Foundation
本日の内容
 プロセス制御の特性
 DCSによるプラント運転の定式化
 フィールドバスの歴史
 フィールドバスとは
 フィールドバスの動作
 フィールドバスを支える技術
 フィールドバスのメリット
 まとめ
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日本フィールドバス協会 2014年3月12日
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プロセス制御の特性
プロセス制御の特性
 アナログ量主体
 温度、圧力、レベル、流量
 連続運転
 防爆
 静止機器主体:タンク、配管、炉など
 屋外
 長期間使用
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プロセス制御の特性
対象プロセスの例
- 中部電力フィールドトライアル -
流動床ボイラー
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プロセス制御の特性
機能ブロックの組み合わせによる
制御論理の表現
分散制御装置では
制御機能を機能ブロックの
組み合わせで表現し
そのまま実現する
PID
PID
センサー
調節弁
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プラント運転の定式化
分散制御装置(DCS)による
プラント運転の定式化
 ソフトウエアによる定値制御の実現
 定周期(通常1秒)での演算実行:サンプリング制御
 アラームによる操業
 オペレータは例外発生(アラーム)に対応
 プラントのスタートアップ、シャットダウンは特別作業
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プラント運転の定式化
サンプリング制御
 サンプリング→演算→出力 の繰り返し
設定値
測定値
プロセス値
出力値
バルブ開度
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プラント運転の定式化
アラームによる操業
1.全体状況を見渡せる画面で監視
2.アラームが出ると状況を確認し
3.必要ならば操作を行う
監視画面
操作画面:フェースプレート
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フィールドバスの歴史
プロセス工業用フィールド信号の標準化
 空気圧
 0-100%を3-15PSIの空気圧で表現
• メートル法では0.2-1kgf/cm2
• SI単位系では20-100kPa
 電流信号
 0-100%を4-20mAの直流電流値で表現
 フィールドバス ←フィールド機器のディジタル化
 工業単位付きの数値データ + データ品質情報
• レンジ(0-100%)の概念は
運転用の表現(フェースプレート)
および操作出力に残っている
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フィールドバスの歴史
フィールドバスへの要求仕様
 統一電流信号の標準化を完成したISA (Instrumentation Society
of America)の技術委員会 SP50委員会は1984年に次の課題
としてディジタル通信でのプロセス値伝達を取り上げた
 電流信号の経験に基づき、2線式配線(電源供給)と
本質安全防爆サポートが必須要件とされた
 更に、工場現場のノイズ環境で使用できる
電気信号として通信速度・電気信号・
ケーブル長の仕様設計が行われた
 使い慣れた対撚線の使用も要件とされた
 当時、実用化が始まったDCSによるディジタル制御の経験を
ベースに工業単位付きの数値表現と機能ブロックの搭載が
提案された
 安全な操業を実現するためにプロセスデータにはデータ
ステータスが付加され、プロセス値伝送の定周期性の確保が
要件とされた
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フィールドバスとは
フィールドバスとは
情報を統合するオープンなトータルアーキテクチャであり、
フィールド機器、 制御監視システムを相互接続する
全ディジタル、シリアル、双方向通信システムである
フィールドバス
ホスト
プロセス
P
制御監視システム
L
F
フィールド機器
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フィールドバスとは
配線の特徴
 信号線と電源供給線を兼ねる一対の線に複数
の機器を接続する(マルチドロップ配線)
 配線の削減・軽量化
 ケーブルダクトの軽量化
 中継端子盤が不要となる
 4~20mA計装と同様な本質安全防爆構築が可能で
ある
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フィールドバスとは
通信の特徴
 まず、定周期性確保が必要な制御用プロセス値を
一定周期で確実にデータ転送する
 その上で、その合間を縫ってリモートからのプラントお
よび機器の監視・調整・設定のような非周期的な通信
データを送ることが出来る
 一つのプロセス値だけでなく多くの情報
(マルチバリアブル)を伝達できることが特徴
 多くの情報を利用して機器調整・設定はもちろん、高度な機
器診断やデータの統計処理による傾向監視などを
実現・活用し、予知保全の実現が期待されている
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フィールドバスの動作
FOUNDATIONフィールドバスの動作
ユーザ層
ユーザ層
フィールドバスメッセージ仕様
アプリケーション層
7
フィールドバスアクセス副層
プレゼンテーション層
6
セッション層
5
トランスポート層
4
ネットワーク層
3
データリンク層
2
データリンク層
物理層
1
物理層
通信スタック
物理層
FOUNDATIONフィールドバス
OSI参照モデル
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フィールドバスの動作
FOUNDATIONフィールドバスの動作
データはこの間を移動
センサ
ユーザ層
センサ、制御器、ホストなど
制御、トレンド、アラームなどの
データ(通信オブジェクト)
はここにある
通信スタック
物理層
フィールドバスデバイス
通信スタックは確実な
通信を保証します
通信スタック
ここは通信線で結びます
配線媒体
ユーザ層
物理層
フィールドバスデバイス
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フィールドバスの動作
センサ
センサ
 プロセス値を計測
ユーザ層
通信スタック
物理層
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フィールドバスの動作
ユーザ層
センサ
ユーザ層
 プロセスと制御システム間の相互作用
のためのインタフェースを提供
 ブロック構造
 トレンドおよびアラーム送信が可能
 FOUNDATIONフィールドバス
通信スタック
差別化のキー技術
物理層
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フィールドバスの動作
ユーザ層のブロック構造
 資源ブロック – デバイスの特性を記述
センサ
 変換器ブロック – 物理的な入出力との
ユーザ層
資源
ブロック
変換器
ブロック
ローカルな接続を表現
 機能ブロック – デバイスの制御や
入出力の振る舞いを提供
機能
ブロック
通信スタック
物理層
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フィールドバスの動作
機能ブロックの構造
入力
出力
アルゴリズム
例: PID
標準のブロック
パラメータ
• モード
•ステータス
ブロック特有の
パラメータ
• ゲイン等
 規格に沿ったブロック指向の
考え方
 通信される情報と分散配置
される機能の一貫した定義
 異なる製造者からのフィールド
デバイスを組み合わせて
統合されたシームレスな
機能の分散と実行が可能
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フィールドバスの動作
基本機能ブロック*
 Analog Input
AI
アナログ入力
 Analog Output
AO
アナログ出力
 Bias Gain
BG
バイアス/ゲイン設定器
 Control Selector
CS
コントロールセレクタ
 Discrete Input
DI
ディスクリート入力
 Discrete Output
DO
ディスクリート出力
 Manual Loader
ML
マニュアルローダ
 PID Control
PID
PID制御
 PD Control
PD
PD 制御
 Ratio Control
RA
比率制御
*これ以外にも多くの機能ブロックが定義されています
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フィールドバスの動作
機能ブロックの接続
場所に依存しない分散制御
HMI
H1フィールドバス
SP
FT
OUT
FC
PID
プロセス
IN
OUT
AI-110
BKCAL_IN
OUT
IN
PID-110
SP
CAS_IN
OUT
AO-110
BKCAL_OUT
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フィールドバスの動作
通信スタック
 ユーザ層と物理層間での通信の符号化と
センサ
ユーザ層
通信スタック
物理層
復号化
 定周期制御を支える通信機能
 スケジュールされた制御用データの
定期通信を保証
 時刻同期
 3つのデータ送信方法を提供して
多様な通信を可能とする
 効率的で確実なメッセージ送信を維持
 データの最新性通知のしくみを持つ
 データは巡回冗長検査(cyclical
redundancy checking: CRC)によりデ
バイスが確実に正常なデータのみを
使用できるようチェックされる
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フィールドバスの動作
スケジューリング
 機能ブロックの実行と通信はスケジューリングされる
 機能ブロックの実行は各機器でスケジューリング
 通信はLAS*でスケジューリング
 協調を取るための時刻同期機能
 制御は真に“電線上に”分散される
 FOUNDATION フィールドバスの特徴
– 単なるバスではなく、システム
 FOUNDATION フィールドバスは
バックアップスケジューラの提供も可能
*LAS: Link Active Scheduler
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フィールドバスの動作
機能ブロック実行のスケジューリング
センサー内
AI
ポジショナに配置
PID
ポジショナ内
AO
ループの実行周期(マクロサイクル)
機能ブロックの実行時間
周期通信の時間
周期通信
非周期通信
制御用プロセスデータ
AI
PID
AO
非周期通信ができる時間
アラーム/イベント
保守/診断情報
プログラムの呼び出し
許可/インターロック
表示情報
トレンド情報
コンフィギュレーション情報
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フィールドバスの動作
H1
センサ
 31.25 Kbits/sで通信
 IEC標準 61158-2を実装
 電線、光ファイバ、無線が利用可
ユーザ層
通信スタック
 従来アナログ計装用ツイストペアケー
ブルと互換性有り
 バス給電デバイスをサポート
 本質安全防爆をサポート
物理層
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フィールドバスの動作
フィールドバス配線
終端器(ターミネータ)
終端器(ターミネータ)
フィールドバスケーブル
DC電源
パワー
コンディ
ショナ
通常
24v
フィールドバスケーブル
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フィールドバスの動作
フィールドバスの信号波形
フィールドバス信号
電圧
0.75 to 1.0 V p-p
電源電圧
9 to 32 Volts
時間
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フィールドバスの動作
デバイスの配線 (セグメント)
端子箱
HMI
トランク(幹線)
T
T
スパー
(支線)
配線の長さは総延長だけでなく
トランクとスパーも考慮する.
最大1900m(タイプAケーブル)
*電源は図に示していません
*
T
は ターミネータ
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フィールドバスを支える技術
相互運用性
相互運用性(Interoperability)
ある製造業者のフィールドデバイスと、別の製造業者の
フィールドデバイスやシステムとを、機能を損なうことなしに
組み合わせて使用できる能力のこと
相互運用性により
 アプリケーションに適切なデバイスを自由に選択できる
 新しい有用な特徴を製造業者が追加することができる
 独自のプロトコル、カスタムソフトウェア・ドライバを排除する→
よって煩わしい更新作業から解放される
互換性(Interchangeability)
通信から見て、同一分類の機器(例:流量測定用差圧伝送器)は
同一の機能・性能を備え,メーカが異なっても入れ替えが可能であ
ること
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フィールドバスを支える技術
相互運用性の確保
 通信プロトコル(物理層と通信スタック)を標準化
 機器の機能を実現する基本方式を統一(ユーザ層)
 メーカ独自の機能を追加できることを保証するため
独自パラメタの属性を記述,解釈する方法を統一
(デバイス記述)
 相互運用性検証試験・登録システムを提供
 適合性試験
 相互運用性試験
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フィールドバスを支える技術
適合性試験
センサ
 通信スタックの適合性試験では、
ユーザ層
 適合性試験は、ドイツの独立試験
通信スタック
協会プロトコル仕様を遵守している
ことを確認
機関であるフラウンフォーファ研究
所でのみ実施
 物理層適合性試験
物理層
自己確認試験・・・協会は試験方法
と判定法を定義
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フィールドバスを支える技術
相互運用性試験
センサ
 異なる製造業者のデバイスが機能
を損なうことなしに交信できることを
保証する
ユーザ層
 テキサス州オースティン市の
フィールドバス協会にて実施
通信スタック
 デバイス動作がフィールドバス協会
仕様を遵守しているかを試験
物理層
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フィールドバスを支える技術
試験と登録のメリット
 全てのデバイスは、協会に登録する
ために相互運用性試験に合格する
必要がある
 異なる製造業者のデバイスも、共通に
一式の試験を受けていることをユーザ
に保証する
 相互運用性を保証
 フィールド機器だけでなくホストや補器
類も試験・登録する制度がある
登録デバイスには、フィールドバにもス協会による登録のマークが表示さ
れる
フィールドバス協会は、 www.fieldbus.org 上の製品ページに登録デバ
イスのリストを掲載している
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フィールドバスを支える技術
ホストベンダーによるHIST
(Host Interoperability Support Test)
 ホストと各機器の相互運用性を補強するために制定されていた制度
 ホストベンダーは協会のHIST手順仕様書に準拠してホストシステ
ムに合った試験手順を作成
 協会の担当者がそのホストでのHISTの実施を確認
 試験手順が協会の仕様に合致していること認められたホストシス
テムには協会から確認書が発行される
 HIST への参加は任意
 ホストベンダーは協会で確認された試験手順を用いて各社の機器と相
互運用性確認の試験を行う
HISTを実施しているホストベンダーでは
ホームページにHIST試験済みの各社機器の名前を掲載している
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フィールドバスを支える技術
デバイスカプラ(端子箱)
 ねじ、プラグ、 または圧接端子
での接続
 フィールドバス用の物は同極端
子同士の並列配線を内蔵して
いる
 オプション
 終端器内蔵
 バスパワー確認用LED装備
 短絡保護機能
ホスト(ターミネータ)へ
ターミネータへ
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フィールドバスを支える技術
設置場所の分類・防爆(1)
防爆対応のための供給エネルギー制限による接続機器数減少
を避けるように新技術が開発されている
 耐圧防爆:
 従来と同様。防爆仕様による接続台数制限はなし
 本質安全防爆:
 エンティティモデル:
ケーブルの容量とインダクタンスを集中定数として点火限界を決める(アナログ
計装の本安の考え方と同じ)
 FISCOモデル (Fieldbus Intrinsically Safe COncept) *1:
ケーブルの等価回路を分布容量・分布インダクタンスとして考えることで爆発
限界の最大電圧、電流、電力の範囲を拡大→接続台数の増加
 ハイパワートランク計装:
支線の出力ごとにエネルギー制限を行う多点の現場設置形バリア(デバイスカ
プラで絶縁する)を使用→電源の制限に制約されることなく、セグメント長と機
器能力を最大限に活用でき、一般的に、FISCO、エンティティより経済的
Power i:
回路アーク電流発生初期段階で数μ秒単位で検出し、電力回路を遮断し爆発
雰囲気点火エネルギーを生じない方式
 *1: TIIS(日本)では05年11月よりFISCO申請受付を開始
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フィールドバスを支える技術
設置場所の分類・防爆(2)
 非点火防爆 (Type N) *2 :
Zone 2*3(正常時に爆発性雰囲気が存在しない)エリアに限定
 FNICOモデル (Fieldbus Non-Incendive COncept) *4:
FISCOと同様のコンセプトで、同じ利点を持ち、ノンインセンディブ回路
に限定されているため設計要件がFISCOより緩和されている
 ハイパワートランク計装:
電流制限機能付端子台(nA)(デバイスカプラで電流制限をする)とエネ
ルギー制限されたデバイス(nL)の組み合わせ→ 電源の制限に制約さ
れることなく、セグメント長と機器能力を最大限に活用でき、一般的に、
FNICOより経済的
 *2: 08年4月に労働安全衛生規則の改訂版が公布(施行日10月1日)
危険箇所に応じた使用可能な防爆構造が規定されるとともに非点火防爆構造の定
義も追加された
 *3: 日本では ZONE0, 1 & 2は特別危険箇所、第一類危険箇所および第二類危
険箇所と呼称される
 *4: IEC60079-27:2008からFNICO は ic FISCOに名称を改定された
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フィールドバスを支える技術
物理層診断
 フィールドバスケーブルを電気的に観測する
 実装形式
 電源コンディショナパネルに組み込む
 独立した計測装置(ハンドヘルド)
 測定項目
 電圧
物理層診断モジュール
 電流
 信号レベル
 ノイズレベル
 ジッタ
 など
 オシロスコープ機能を
搭載したものもある
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フィールドバスを支える技術
FOUNDATIONフィールドバスの
プレゼンテーション技術
フィールドバス機器の持つ情報をどのように表現するか
 デバイス記述(DD技術)
 パラメタの基本情報と取扱い方法を専用言語で記述
 解釈ルーチンの一元化
 DTMによる表現(FDT技術)
 機器メーカ提供の専用ソフトウエア
 システムとのインターフェース仕様を統一
 FDI技術の開発(他の通信団体と共同開発中)
 DDとFDTの良い点を統合
 更に追加の機器情報を含めたDevice Fileを定義
 解釈ルーチンの一元化
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フィールドバスを支える技術
EDDL (Electronic Device Description Language)
 デバイス記述とは機器データの説明書
ホストが解釈できる構造化言語で書かれている
 機器メーカーは機器内情報の性質をEDDLという言
語で記述し、アプリケーションはこれを解釈して機器
内情報にアクセスし利用する
 EDDLでは、アプリケーションは機器内情報をどのよ
うに取り扱うべきかに関して、当該パラメータの属性
だけでなく設定手順、他のパラメータとの関係、表示
方法なども記述できる
 機器の通信機能情報など相互運用に必要な情報の
一部はEDDLでは記述されず、 CF (Capabilities
File)というキャラクタベースのファイルに記述される
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フィールドバスを支える技術
デバイス記述は宣言形式
ホストはフィールド機器から送られてきた
バイナリデータをデバイス記述を参照して
適切に変換・表示する
フィールド機器
ホスト
0x41CC000080
fieldbus
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フィールドバスを支える技術
FDT (Field Device Tool)
 アプリケーションは各機器メーカーが作成し、こ
れらを集めて実行できる環境 (Frame
Application)を提供する
 アプリケーションはDTM (Device Type
Manager)と呼ばれる
 各種の通信方式に対応できる仕組み
(Communication DTM) を提供している
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フィールドバスを支える技術
DTM による表示の例
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フィールドバスのメリット
プロセスの状態監視
 プロセス値の監視に加えてプラント設備・計装機
器の状態監視情報を利用する方向へ
 これまではプロセス値の変化から設備・機器の状態を
推測していた
 フィールドバスの利用でフィールド機器から直接機器
の状態情報が得られるようになった
 機器アラームなど機器からの情報を
プラント運転に利用
 機器からの情報を保守に利用:状態基準保守
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フィールドバスのメリット
ライフサイクルコストの比較
ーこのようなメリットが得られますー
より安全な操業
最小限の費用で
連続生産が可能
定期点検間隔の
延長
Cash Flow
早期の黒字化
スタートアップ
時間の短縮
Time
FEEDに注力
する
定期点検時間
の削減
予期せぬ停止の減少
実装時の
リスク・費用削減
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アナログ
フィールドバス
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まとめ
実現する技術
 FOUNDATIONフィールドバスはこれらを実現します
 小型化I/O装置
 配線や設置コストの低減
 制御のフィールドへの移行
 計器のアドバンスト機能
 オペレータへの視野の拡大
 エンジニアリング、保守、サポート情報の増加
 デバイスの相互運用性
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まとめ
フィールドバス技術の進展
 FOUNDATIONフィールドバスは進展を続けています
 適用分野の拡大
 標準ファンクションブロックの追加(ハイブリッド制御)
 安全システム向け仕様
 リモートオペレーション機能(FROM)
 使い易さの追求
 相互運用性試験の充実
 プレゼンテーション技術の高度化
 機器パラメータの標準化
 防爆技術の進展(接続台数の増加)
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FOUNDATIONフィールドバスをもっと詳しく知るには
NPO法人日本フィールドバス協会主催 フィールドバス技術セミナー
「サポートスペシャリストコース」
(Fieldbus Foundation FCTP公認プログラム)
年4回 実施(今後の予定)
2014年
6月2–3日
9月1–2日,
12月1–2日,
3月2–3日
場所:早稲田大学 喜久井町キャンパス
詳しくはNPO法人日本フィールドバス協会のホームページをご覧ください
http://www.fieldbus.jp/ → 行事
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