Global Tax Update ベトナム 税理士法人トーマツ 2014 年 11 月 ※本ニュースレターは、英文ニュースレターの翻訳版です。 日本語訳と原文(英文)に差異が生じた場合には、原文が優先されます。 税務管理手続きの簡素化について規定する新 Circular 財務省は 2014 年 8 月 25 日付で、業務不振にあえ れる。その場合、租税条約上の二重課税回避措置 ぐ企業の支援および政府による事業開発奨励を目 を取るために公証手続を行う必要はない。 的とする税制優遇措置を提案する Resolution No. 63/NQ-CP(Resolution 63)を発表したが、それと同 時に、Resolution 63 に基づき、一定の税務管理手 続を簡素化する修正およびガイダンスを規定する Circular No. 119/2014/TT-BTC(Circular 119)も発 (2) インボイス 1) 物品・サービスの輸出 物品・サービスを海外に輸出する場合のインボ イス使用に関するガイダンスを廃止 表している。Circular 119 には、Circular No.156/2013/TT-BTC、Circular 物品・サービスの輸出に、従来のインボイスに No.111/2013/TT-BTC、Circular 代えて、商業インボイスを導入する。商業インボ No.219/2013/TT-BTC、Circular イ スは 付加 価 値税( Value Added Tax: 以 下 No.39/2014/TT-BTC、Circular 「VAT」)仕入税額控除・還付の要件となる。また、 No.78/2014/TT-BTC、Circular 輸出収益は通関申告書類上に認証されている No.08/2013/TT-BTC および Circular 通関手続終了日に計上する。ただし、商業イン No.85/2011/TT-BTC の修正ならびに補足がまとめ ボイスへの必須記載事項に関するガイダンス、 られている。主な内容および改正点は以下のとおり また、商業インボイスの発行に必要な登録およ である。 び通知に関する規定のいずれも、税務当局から 発表されていない (1) 個人所得税 2) 1) ベトナムの税務居住者の課税所得算定に関 する修正 賃貸中の物品・資産 賃貸もしくは賃借している物品または賃借を終 えて返却する物品に関するインボイス発行要件 (i)ベトナムと租税条約を締結している国または地域 を廃止する。これに伴い、賃貸もしくは賃借して の市民で、かつ、(ii)ベトナムの税務上の居住者であ いる、または賃借を終えて返却する機械装置、 る個人の課税所得は、当該個人がベトナムに到着 在庫および物品について契約書および関連書 した月(ベトナムに初めて来る場合)から、当該個人 類があり、それらにより取引の性質が確認でき の労働契約が終了し、ベトナムから出国した月(1 月 る場合、企業はインボイスを発行し、売上 VAT に満たない場合は切上げ)の期間について算定さ を算定・納税する必要はない。 1 (3) 付加価値税(VAT) (4) 法人税 1) VAT の申告・算定・納付が不要な場合に関す 1) 社内で消費される物品 る修正および補足 社内で消費される物品に関する課税所得算定 規定を廃止する。 輸出後、海外から返品されたために再輸入した 物品について、企業は、再輸入時に VAT を支払 2) う必要はない。売上 VAT は、当該企業が、返品 改正法人税法(Law on amendments of and された物品を規定に従い、国内顧客に販売した supplementation to Law on Corporate Income Tax)および Decree No. 時点で申告・納付する ベトナム国内で移動された物品(ベトナム国内 2) 優遇税率適用のための要件緩和 218/2013/ND-CP との整合を図るため、 の倉庫間で移動した物品、生産工程で引き続き Circular No. 78/2014/TT-BTC に規定されてい 使用される原材料・半製品、または企業がベト る新規生産投資プロジェクトを実施する企業の ナム国内で使用する原材料・半製品)について 課税所得への優遇税率適用要件を緩和する。 VAT を算定・納付する必要はない これに伴い、出資額が 6 兆ベトナムドンを超える プロジェクトに関しては、新規登録後も、優遇税 新 設 企 業 の VAT 控 除 法 ( VAT deduction 率が適用される。 method)適用に関する要件緩和 購入インボイス上に記載されている総額が 10 億ベトナムドンを超える投資、固定資産・機械設 備の購入に対する要件の廃止 (5) VAT、個人所得税、法人税ならびに報酬および 費 用 の 申 告 ・ 支 払 に 関 し て 、 Circular No. 登録の際に提出する書類の簡素化。これに伴 156/2013/TT-BTC に規定されている様式・申告 い、「認可を受けた投資計画、および、最初の 12 カ月以内に総額 10 億ベトナムドンを超える投 資、固定資産・機械設備の購入を行うことを記 書を一部廃止・修正する 個人所得税の源泉徴収額算定の際の元データ の範囲拡大:所得を支払う企業が業務を中止し、 載した契約書」を税務当局に提出する代わりに、 所得税源泉徴収証明書を発行できなくなった場 企業は、税務当局から要請があった際には以 合、税務当局は、個人所得税確定申告の際、自 下の書類を提出できるよう保管するものとする: 身のデータベース上の記録に基づいて処理を 認可を受けた投資計画、投資・購入に関するイ 行う ンボイス、出資に関する書類、事業所の賃貸契 約書 2014 年 1 月 1 日以降に設立された新設企業で、 税務管理その他 Circular 119 は 2014 年 9 月 1 日から適用されてい る。 財務省が 2013 年 12 月 31 日付けで発表した Circular No. 219/2013/TT-BTC に基づく VAT 控除法の登録要件は満たさないが、Circular 119 上の要件を満たす企業は、Circular 119 に 基づき登録を申請することができる 3) 税務当局への銀行口座登録 税務当局への登録が必要な銀行口座の数を削 減する。これに伴い、購入者は、業者に支払い を行うために金融機関に保有する口座について は税務当局に登録・通知する必要はない。 2 過去のニュースレター 過去に発行されたニュースレターは、下記のウェブサイトをご覧ください。 www.deloitte.com/jp/tax/nl/ao 問い合わせ Deloitte Vietnam ハノイ事務所 シニアマネジャー 越後 和孝 kechigo@deloitte.com ホーチミン事務所 ディレクター 高石 元 gtakaishi@deloitte.com シニアマネジャー 樋口 純平 juhiguchi@deloitte.com マネジャー 今井 慎平 shiimai@deloitte.com 本部・東京事務所 〒100-8305 東京都千代田区丸の内三丁目 3 番 1 号新東京ビル 5 階 T E L : 03-6213-3800(代) email: tax.cs@tohmatsu.co.jp U R L : www.deloitte.com/jp/tax-co 本資料に記載されている内容の著作権はすべてデロイト トゥシュ トーマツ リミテッド、そのメンバーファームまたはこれらの関連会社(税理 士法人トーマツを含むがこれに限らない、以下「デロイトネットワーク」と総称します)に帰属します。著作権法により、デロイトネットワークに無 断で転載、複製等をすることはできません。 本資料は、関連税法およびその他の有効な典拠に従い、例示の事例についての現時点における一般的な解釈について述べたものです。デ ロイトネットワークは、本資料により専門的アドバイスまたはサービスを提供するものではありません。貴社の財務または事業に影響を及ぼす 可能性のある一切の決定または行為を行う前に、必ず資格のある専門家のアドバイスを受ける必要があります。また本資料中における意見 にわたる部分は筆者の私見であり、デロイトネットワークの公式見解ではありません。デロイトネットワークの各法人は、本資料に依拠するこ とにより利用者が被った損失について一切責任を負わないものとします。 トーマツグループは日本におけるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(英国の法令に基づく保証有限責任会社)のメンバーファームおよびそ れらの関係会社(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ コンサルティング株式会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザ リー株式会社および税理士法人トーマツを含む)の総称です。トーマツグループは日本で最大級のビジネスプロフェッショナルグループのひと つであり、各社がそれぞれの適用法令に従い、監査、税務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー等を提供しています。また、国 内約 40 都市に約 7,800 名の専門家(公認会計士、税理士、コンサルタントなど)を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしてい ます。詳細はトーマツグループ Web サイト(www.deloitte.com/jp)をご覧ください。 Deloitte(デロイト)は、監査、税務、コンサルティングおよびファイナンシャル アドバイザリーサービスを、さまざまな業種にわたる上場・非上 場のクライアントに提供しています。全世界 150 を超える国・地域のメンバーファームのネットワークを通じ、デロイトは、高度に複合化された ビジネスに取り組むクライアントに向けて、深い洞察に基づき、世界最高水準の陣容をもって高品質なサービスを提供しています。デロイトの 約 200,000 名を超える人材は、“standard of excellence”となることを目指しています。 Deloitte(デロイト)とは、英国の法令に基づく保証有限責任会社であるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)ならびにそのネット ワーク組織を構成するメンバーファームおよびその関係会社のひとつまたは複数を指します。DTTL および各メンバーファームはそれぞれ法 的に独立した別個の組織体です。DTTL(または“Deloitte Global”)はクライアントへのサービス提供を行いません。DTTL およびそのメン バーファームについての詳細は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください。 © 2014. For information, contact Deloitte Tohmatsu Tax Co. Member of Deloitte Touche Tohmatsu Limited 3
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