平 成 26 年 度

平
成 26 年
青森県教育庁
度
三八教育事務所
〠039-1101 青森県八戸市大字尻内町字鴨田7
電 話
0178(27)4521
FAX
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E-SANPACHI@pref.aomori.lg.jp
あ
目
次
新しい教育振興基本計画を受けて‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 三八教育事務所長 ‥‥
Ⅰ 青森県教育施策の方針 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
Ⅱ 青 森 県 教 育 員 会 の 「 施 策 の 柱 」〔 平 成 26年 度 〕 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
Ⅲ 平 成 26年 度 学 校 教 育 指 導 の 方 針 と 重 点 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
Ⅳ 平 成 26年 度 社 会 教 育 行 政 の 方 針 と 重 点 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
Ⅴ 平 成 26年 度 保 健 体 育 行 政 の 方 針 と 重 点 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
Ⅵ 平 成 26年 度 文 化 財 保 護 行 政 の 方 針 と 重 点 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
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【 学 校 教 育 】
Ⅰ 平 成 26年 度 学 校 教 育 の 年 頭 提 言 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
Ⅱ 平 成 26年 度 学 校 教 育 の 指 導 の 方 針 と 重 点 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
〔1〕指導の方針 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
〔2〕指導の重点 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
1 授業の充実 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
2 道徳教育の充実 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
3 特別活動の充実 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
4 体育、 健康教育の充実 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
5 生徒指導の充実 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
6 キャリア教育の推進 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
7 特別支援教育の充実 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
8 環境教育の推進 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
9 国際化に対応する教育の推進 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
10 情 報 化 に 対 応 す る 教 育 の 推 進 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
11 研 修 の 充 実 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
12 複 式 教 育 の 充 実 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
13 幼 稚 園 教 育 の 充 実 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
Ⅲ 指導の体制
〔1〕指導の形態・組織 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
〔2〕指導の実施要項 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
学校訪問における話合いの具体的項目 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
要請訪問Ⅰ、Ⅱ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
〔3〕研修計画書、研修実施報告書の提出 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
〔4〕自主発表会 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
〔5〕三戸郡教育振興会委託研修関係‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
Ⅳ 教育指導参考資料
〔 1 〕「 学 力 」 の と ら え 方 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
〔 2 〕「 豊 か な 心 」 の と ら え 方 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
〔 3 〕「 健 や か な 体 」 の と ら え 方 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
〔4〕学習指導案の作成について ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
〔5〕複式指導における「わたり」と「ずらし」‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
〔6〕キャリア教育で培いたい資質、能力、態度 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
Ⅴ 各種手続等
〔 1 〕「 児 童 生 徒 の 指 導 状 況 報 告 書 」「 生 徒 指 導 推 進 状 況 報 告 書 」 に つ い て ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
〔2〕特別非常勤講師の制度と活用について ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
〔3〕特別支援学級等指導員・巡回相談員制度について ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
〔4〕欠席届について ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
〔 5 〕 平 成 26年 度 研 究 委 託 校 (指 定 ) ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
〔 6 〕 平 成 26年 度 三 八 管 内 研 究 大 会 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
Ⅵ 平 成 26年 度 学 校 教 育 主 要 事 業 一 覧 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
Ⅶ 三 八 教 育 事 務 所 関 係 提 出 書 類 ・ 報 告 事 項 等 一 覧 (学 校 教 育 関 係 ) ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
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【 社 会 教 育 】
Ⅰ 平 成 26年 度 社 会 教 育 の 年 頭 提 言 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
Ⅱ 平 成 26年 度 社 会 教 育 の 方 針 と 実 践 の 重 点
〔1〕方針 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
〔2〕実践の重点
1 学校・家庭・地域の協働による未来を担う人財の育成 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
2 活力ある地域コミュニティの形成に向けた人財の育成 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
3 一人一人の主体的な学習と社会参加の推進 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
4 社会教育推進のための基盤整備 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
5 スポーツの振興 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
6 文化財の保存と活用 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
Ⅲ 平 成 26年 度 社 会 教 育 主 要 事 業 一 覧 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
【 資 料 】 平 成 26年 度 社 会 教 育 の 年 頭 提 言 と 方 針 の 関 連 図 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
【 総
学務関係
務
課
関
料
73
74
76
77
78
79
80
81
83
係 】
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
【 資
72
86
編 】
【三八管内小中学校・市町村教育委員会等一覧】 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
【三八教育事務所機構図・事務分掌】 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
94
100
新しい教育振興基本計画を受けて
三八教育事務所長
現在、当管内の各学校では、「三八の教育」を活用し、学習指導要領の基本的なねらいの実現のため
に、学校運営に創意工夫をこらし、個を生かし、「生きる力」を育むために積極的な取組が行われてい
ます。また、社会教育でも、地域の教育力向上のため、学校支援ボランティア等の社会参加活動に積
極的な取組も見られます。このように、各学校並びに関係機関の皆様方には、それぞれの教育目標の
達成に向けて取り組んでいることに対し、厚く御礼申し上げます。
さて、青森県教育委員会では、策定から約9年が経過した現行の教育施策の方針を、国の動向や社
会情勢に対応する必要があること、新たな県の基本計画、教育振興基本計画の策定を機に当該計画に
即した内容にする必要があることから、教育施策の方針の見直しを行い、平成26年度から新たな指導
の方針と重点で取り組むことになりました。
新しい青森県教育振興基本計画では、2030年における青森県のめざす姿を設定し、そのための政策・
施策体系として
・ ・
1「あおもりの未来をつくる人財の育成」として、
(1) 青森を理解し青森を発信できる人づくり
(2) 一人一人が輝く「知・徳・体」の調和のとれた人づくり
(3) 一人一人の教育的ニーズに応じた特別支援教育の推進
(4) 安全・安心で子どもの多様な個性と能力を伸ばす教育環境の整備
(5) 夢や志を持ち、創造力豊かなたくましい人づくり
(6) 学校・家庭・地域が連携し社会全体で取り組む「生きる力」の育成
・ ・
2「あおもりの今をつくる人財の育成」として
(1) 活力ある地域づくりのための人づくり
(2) 豊かな学びと社会参加活動の拡大
3「あおもりの今と未来をつくる文化・スポーツの振興」
(1) 歴史・文化の継承と発信
(2) 豊かなスポーツライフの実現
・ ・
を設定し、特に平成26年度は、『①キャリア教育の推進による人財育成、②多様なコミュニケーション
教育の充実、③人づくりを通じたコミュニティの活性化』を教育施策の柱として、各事業等を進める
ところです。
21世紀を生き抜くための力を育成するために、これからの学校は、基礎的・基本的な知識・技能の
習得に加え、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等の育成や学習
意欲の向上、多様な人間関係を結んでいく力や習慣の形成等を重視する必要があります。これらは、
様々な言語活動や協働的な学習活動を通じて効果的に育まれるとともに、地域社会の様々な機関等と
の連携の強化が不可欠です。
各学校においては、県の「教育施策」に対する全職員の共通理解を進めるとともに、地域や学校の
実態に即した教育目標を設定し、指導計画を立案し、適切な指導を行い、評価を通じて指導の改善・
充実を図るという、指導に関するPDCAのサイクルを進め、学習指導要領の趣旨の実現に努められ
るようお願いします。
三八教育事務所といたしましても、平成26年度からの新しい県の教育振興基本計画の下、
「施策の柱」、
「学校教育指導の方針と重点」、
「社会教育行政の方針と重点」、
「保健体育行政の方針と重点」及び「文
化財保護行政の方針と重点」を踏まえ、学校教育では「夢や志の実現に向け、子どもたちの学ぶ意欲
や向上心を含む確かな学力・豊かな心・健やかな体の育成に努める」とともに、社会教育では「一人
一人が生きがいとつながりを感じる豊かで住みよい地域社会づくり」のために取り組んでいく所存です。
管内教育委員会並びに関係諸機関、教育界の先達の方々には、三八の教育の推進に当たって、これ
までと同様に御支援・御協力くださいますようお願い申し上げます。
- 2 -
Ⅰ
青森県教育施策の方針
青森県教育委員会は、郷土に誇りを持ち、多様性を
尊重し、創造力豊かで、新しい時代を主体的に切り拓
く人づくりを目指します。このため、
夢や志の実現に向け、知、徳、体を育む学校教育
学びを生かし、つながりをつくり出す社会教育
次代へ伝える、かけがえのない文化財の保存・活用
活力、健康、感動を生み出すスポーツ
を、市町村教育委員会、家庭や地域社会との連携を図
りながら推進します。
平成26年1月8日決定
Ⅱ
1
青森県教育委員会の「施策の柱」〔平成26年度〕
キャリア教育の推進による人財育成
~「生きる・働く・学ぶをつなぐ」取組の推進~
2
多様なコミュニケーション教育の充実
~「子どもたちのコミュニケーション能力を
高める」取組の推進~
3
人づくりを通じた地域コミュニティの活性化
~「地域のつながりを深める」取組の推進~
- 3 -
Ⅲ
平成26年度
学校教育指導の方針と重点
青森県教育委員会
1
方
針
郷土に誇りを持ち、多様性を尊重し、創造力豊かで、新しい時代を主体的に切り拓く
幼児児童生徒を育成するため、教育は人づくりという視点に立って、学校運営に創意工
夫をこらし、夢や志の実現に向け、知・徳・体を育む学校教育の推進に努める。
2
重
点
(1)授業の充実
一人一人の子どもが、各教科及び総合的な学習の時間等に主体的に取り組み、確か
な学力を身に付けることができるよう、言語活動の充実を図りながら、一人一人の能
力・適性に応じた指導と学習習慣の育成に努める。
ア 基礎的・基本的内容に即した教材の工夫と教材研究の深化
イ 個に応じた学習過程と評価を重視した指導の工夫
ウ 自ら課題を見つけ、よりよく問題を解決する力を身に付ける指導の工夫
エ 主体的・体験的な学習のための環境づくりの充実
(2)道徳教育の充実
一人一人の子どもが、人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を具体的な生活の中
に生かし得るよう、道徳性の育成に努める。
ア 道徳的実践力を高める指導の工夫
イ 豊かな心を育む体験活動の推進
ウ 郷土に関する資料の開発と活用
(3)特別活動の充実
一人一人の子どもが、望ましい集団や豊かな体験の中で互いの個性を認め合い、協
力してよりよい生活や人間関係を築いていくことができるよう、自主的、実践的な態
度の育成に努める。
ア 自主的な態度を育てる学級活動・ホームルーム活動の工夫
イ 自治的な意識を高める児童会活動・生徒会活動の工夫
ウ 児童の個性の伸長と触れ合いを深めるクラブ活動の工夫
エ 感動や連帯感を高める学校行事の工夫
(4)体育、健康教育の充実
一人一人の子どもが、生涯にわたって自ら進んで運動に親しみ、健康・安全で活力
のある生活を送ることができるよう、家庭や地域社会との連携を図りながら、心と体
を一体としてとらえ、健やかな体を育む教育の推進に努める。
ア 運動に親しむ資質や能力の育成及び体力の向上を図る指導の充実
イ 健康に関する知識を身に付け、自ら健康な生活を実践できる指導の充実
ウ 食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることができる指導の充実
エ 安全に関する情報を正しく判断し、安全を確保することができる指導の充実
(5)生徒指導の充実
一人一人の子どもが、豊かな生活を送ることができるよう、家庭や地域社会及び関
係機関等との連携を図りながら、心の結びつきを基調とした指導を行うとともに、問
題行動等の未然防止、早期発見・早期対応に努める。
ア 基本的な生活習慣や自己指導能力を育成する協同指導体制の充実
イ 生徒指導の機能を生かした学年・学級・ホームルーム経営の充実
ウ 児童理解・生徒理解に基づいた教育相談の充実
- 4 -
(6)キャリア教育の推進
一人一人の子どもが、自らの生き方を考え、社会的・職業的自立ができるよう、必
要な基盤となる資質、能力、態度の育成に努める。
ア キャリア教育指導体制の整備・充実
イ 現在及び将来の生き方を考える指導・進路指導の充実
ウ 児童生徒の発達の段階に応じた勤労観・職業観の育成
(7)特別支援教育の充実
発達障害を含む障害のある子どもが、障害による学習上又は生活上の困難を主体的
に改善・克服するとともに、そのもてる力を最大限に発揮して自立や社会参加ができ
るよう、一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な指導及び必要な支援に努める。
ア 校内支援体制の充実
イ 個別の指導計画の作成と活用による指導の充実
ウ 個別の教育支援計画の作成と活用による関係機関と連携した支援の充実
エ 交流及び共同学習の推進
(8)環境教育の推進
一人一人の子どもが、環境と人間とのかかわりについて関心と理解を深め、環境に
対する豊かな感受性を養うことができるよう、環境保全に主体的に取り組む態度の育
成に努める。
ア 教科等間の連携を踏まえた指導の工夫
イ 地域の環境の実態に即した指導の工夫
ウ 環境にかかわる体験学習の推進
(9)国際化に対応する教育の推進
一人一人の子どもが、我が国や諸外国の文化と伝統について関心と理解を深めると
ともに、国際社会に貢献できるよう、国際理解教育の推進に努める。
ア 郷土に対する愛着と誇りを涵養する教育の推進
イ 外国語指導助手等の活用や言語活動の工夫・充実による、外国語を通じたコミュ
ニケーション能力の育成
ウ 異なった文化や習慣をもつ人々との交流の推進
(10)情報化に対応する教育の推進
一人一人の子どもが、情報活用能力を身に付けることができるよう、情報モラルに
かかわる指導の充実を図り、系統的・体系的な情報教育の推進に努める。
ア 情報教育を推進する指導体制の整備・充実
イ 学習指導におけるICTの適切な活用の推進
ウ 情報通信ネットワーク等を適切に活用した教育の推進
(11)研修の充実
教職の専門性を高め、教育活動の充実を図るため、計画的・積極的な研修の推進に
努める。
ア 校内研修体制の整備・充実
イ 学校の教育課題解決のための実践的研究の充実
ウ 家庭や地域社会と連携した特色ある教育活動の研究・推進
エ 教育要領・学習指導要領に基づく実践的研究の充実
- 5 -
Ⅳ
平成26年度
社会教育行政の方針と重点
青森県教育委員会
1
方
針
県民が、自己の向上を目指して生きがいのある充実した生活を送るとともに、豊かで
住みよい住みよい地域社会を形成することができるよう、学びを生かしつながりをつく
り出す社会教育の推進に努める。
2
重
点
(1) 学校・家庭・地域の協働による未来を担う人財の育成
ア
青少年の体験活動の充実
イ
地域が支えるキャリア教育の充実
ウ
子どもの読書活動の充実
エ
地域全体で子どもを育む活動の充実
オ
家庭教育支援の充実
(2) 活力ある地域コミュニティの形成に向けた人財の育成
ア
地域活動の実践者の育成
イ
地域活動の指導者、コーディネーターの養成
ウ
地域活動に関わる人財のネットワーク形成の支援
(3) 一人一人の主体的な学習と社会参加の推進
ア
関係機関との連携による多様な学習活動の支援
イ
学習成果を生かした社会参加活動の支援
(4) 社会教育推進のための基盤整備
ア
社会教育推進体制の充実
イ
社会教育施設の機能の充実と活用の促進
ウ
社会教育関係職員の養成と資質の向上
エ
社会教育関係団体等の活動の支援
※人は青森県にとって「財(たから)
」であるという基本的な考え方から、
ここでは「人材」を「人財」と表しています。
- 6 -
Ⅴ
平 成 26年度
保健 体育 行政 の方 針と 重点
青森県 教育委員 会
1
方
針
県民 一人一人が 、生涯 にわたり健 やかで活力 に満ちた生活を送ることがで
き るよ う、学校に おける体育・スポーツ及び 健康教育の充実並びにスポーツ
の 振興 に努める。
2
重
点
( 1 )学 校体 育・ス ポーツの充実
児 童生徒が、 自ら進 んで運動に親しむ資質や能力を身に付け、健康の 保
持増 進と体力の 向上を 図ることが できるよう 、学校体育・スポーツの充実
に努 める。
ア 教科体育( 保健体 育)におけ る学習指導 の充実
イ 体力の向上 を図る 指導の充実
ウ 体育(保健 体育) 担当教員等 の研修の充 実
エ 運動部活動 の指導 の充実
オ 学校体育施 設等の 有効活用の 促進
( 2 )健 康教 育の充 実
児 童生徒が、 心身と もに健康で安全な生活について理解し実践できる よ
う、 学校、家庭 、地域 社会の連携 を図り、学 校保健、学校における食育及
び学 校安全を総 合的に 推進し、健 康教育の充 実に努める。
ア 学校保健の 充実
イ 学校におけ る食育 の充実
ウ 学校安全の 充実
エ 健康教育担 当教員 等の研修の 充実
( 3 )ス ポー ツの振 興
県 民が生涯に わたり 豊かなスポーツライフを実現できるよう、スポー ツ
に親 しむ環境づ くりと 競技力を向 上させる環 境づくりを推進し、スポーツ
の振 興に努める 。
ア 地域スポー ツの推 進
イ 競技スポー ツの推 進
ウ スポーツ活 動を支 える人材の 育成・活用
エ スポーツ活 動推進 のための環 境整備
- 7 -
Ⅵ
平成26年度
文化財保護行政の方針と重点
青森県教育委員会
1
方
針
郷土への愛着と誇りを培い、うるおいと活力のある県民生活を実現するため、次代へ
伝える、かけがえのない文化財の保存・活用に努める。
2
重
点
(1) 文化財の保護・保存
かけがえのない文化財を次代に伝えるため、適切に管理し、保護・保存に努める。
ア
文化財を大切にし、守り伝えようとする意識の啓発
イ
文化財の調査や記録作成の実施
ウ
国や県の文化財指定の推進
エ
指定文化財の保存・修理等の支援
オ
「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録に向けた取組を推進
(2) 文化財の整備・活用
県民が文化財に興味・関心を持ち、親しめるよう、公開・活用と情報発信に努める。
ア
文化財の公開・活用の促進と情報発信
イ
史跡等の公有化や整備の支援
ウ
特別史跡三内丸山遺跡の調査研究活動と多様な活用を推進
(3)伝統芸能・技術の継承
地域で育まれ、保存・伝承されてきた伝統芸能や技術の継承に努める。
ア
伝統芸能・技術の後継者の育成支援と発表機会の充実
イ
こどもの伝統芸能伝承活動の推進
(4)博物館等施設の整備充実
県民が文化財に触れ、体験・体感できる機会の充実と情報発信に努める。
ア
県立郷土館の展示・教育普及・調査研究活動の充実と情報発信
イ
埋蔵文化財調査センターの発掘調査・研究活動と収蔵機能の充実及び情報発信
- 8 -
【 学 校 教 育 】
【学
Ⅰ
校
教
育】
平成26年度学校教育の年頭提言
【 夢や志の実現に向けて、
「確かな学力、豊かな心、健やかな体」を育む学校教育の推進 】
学習指導要領の趣旨と県教育施策の方針及び学校教育指導の方針と重点を踏まえ、平成26年度の年頭提言を
夢や志の実現に向けて、「確かな学力、豊かな心、健やかな体」を育む学校教育の推進に努める学校づくりと
しました。
学習指導要領は、子どもたちの現状を踏まえ、知・徳・体の調和のとれた力である「生きる力」をより一層
育むことを目指しています。
三八教育事務所では、文部科学省からの通知や新しい県の教育施策を踏まえ、子どもを取り巻く社会環境の
変化や生徒指導の状況などから、夢や志の実現に向けて、確かな学力、豊かな心、健やかな体を育み、知・徳・
体の調和のとれた人間性豊かな子どもを育成する学校教育の推進が欠かせないと考え、この提言としました。
次の4点について御配慮をお願いします。
1 学習指導要領の趣旨の確認とそのねらいの実現
学習指導要領では、「確かな学力」として、基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ、これらを活
用して課題を解決させるために必要な思考力、判断力、表現力等を育むとともに、主体的に学習に取り組む態
度を養うことを重視しています。各学校においては、このことを改めて確認するとともに、学習指導要領の趣
旨を十分に踏まえた教育活動を進める必要があります。
そのためには、習得した知識・技能を活用した探究活動の質的な充実を図ること、各教科等において道徳の
時間との関連を考慮すること、運動の習慣化と体力の向上を図ること、などについての共通理解が必要です。
2 地域とともにある学校づくりと実効性の高い学校評価の推進
各学校は、自校の教育活動や学校運営についての責任を一層明確にし、「信頼される学校づくり」を進める
必要があります。そのためには、教育活動や学校運営について自己評価及び学校関係者評価を行い、その結果
を公表し改善するよう努めることが大切です。学校評価の実施や学校からの情報提供を学校と地域の人々との
関係づくりととらえて積極的に進め、その結果をもとに課題解決に向けた学校の取組を示し、組織的・継続的
な改善を行い、「開かれた学校」として、学校・家庭・地域の連携協力による学校づくりを進めることが重要
です。
3 安全・安心な学校、学級づくり
学校は、居心地のよい、安全な所でなければいけません。校内における事故をはじめ、交通事故、不審者対
応、台風や地震などの自然災害等、校内・校外にわたるあらゆる事故への対応について、日頃から教職員共通
理解の下に、地域の実情に応じた学校安全計画や危機管理マニュアルの見直しを図るなど具体的な指導をお願
いします。
また、子どもたちが安心して学校生活を送るためには、一人一人がよさや可能性をもつ人間として、互いに
尊重し合い、励まし合うような学級づくりが大切です。そのような学級において、子どもは自分らしさを発揮
し、個性を伸長させ、充実した学校生活を送ることができます。そのためにはよりよい人間関係を形成してい
くなどのコミュニケーション教育が必要です。
今後とも教職員や友達とささいなことでも相談できる好ましい人間関係を築けるよう、日頃から児童生徒の
見守りや信頼関係の構築等に努めることが大切です。また、児童生徒が示す変化や危険信号を見逃さないよう
アンテナを高く保ちながら、組織的で速やかな対応をお願いします。
なお、これらについては、家庭、地域社会、関係機関との連携を強化して進めていくことが望まれます。
4 社会の要請にこたえる教員の資質の向上
今、学校教育に求められていることは、確かな学力、豊かな心、健やかな体を身に付けた子どもの育成です。
このような子どもの全人的な人間形成を目指すために、教員には専門性と子どもと心の触れ合いのできる豊か
な人間性が求められています。「中教審答申」(平成24年8月)では、これからの教員に求められる資質能力と
して「教職に対する責任感、探究力、教職生活全体を通じて自主的に学び続ける力」「専門職としての高度な
知識・技能」「総合的な人間力」をあげています。そして、これらはそれぞれ独立して存在するのではなく、
省察する中で相互に関連し合いながら形成される必要があり、「学び続ける教員像の確立」が不可欠です。
各学校においては、組織的な指導体制の確立を図り、児童生徒理解に基づく適切な指導ができるよう指導力
を高める研修を計画的に進め、その成果を日常の教育活動に生かすことが必要です。また、学校教育の直接の
担い手である一人一人が、教員としての自覚を深め、課題意識をもって自己を磨き、社会の要請にこたえる資
質の向上に努めることが望まれます。教員の養成や研修は、関係機関や地域社会と一体となって進めることも
大切です。
- 10 -
Ⅱ
平成26年度学校教育の指導の方針と重点
〔1〕 指 導 の 方 針
本県の教育課題は、学ぶ意欲や向上心を含む確かな学力、豊かな心、健やかな体を育むことであり、知・徳・体の
調和のとれた人間性豊かな人材の育成が重要です。これらの実現に向けて、教育は人づくりという視点に立って学校運
営に創意工夫をこらした取組を着実に進めていくことが求められています。
三八教育事務所では、青森県教育委員会の学校教育の指針、平成26年度学校教育指導の方針と重点並びに三八教育
事務所学校教育の年頭提言を踏まえ、本年度も、学校の教育活動の推進に当たって、次の4点を指導の方針としました
ので、十分な御配慮をお願いします。
1
個に応じたきめ細かな指導の工夫
「確かな学力」の向上のためには、学習指導要領のねらいを踏まえ、「わかる授業」を展開することが大切
です。そのためには、一斉指導に加えて、個に応じた指導を一層充実する必要があります。
各教師にあっては、教えるべき内容・考えさせるべき内容を明確にし、学習課題の設定や発問の工夫を図る
ことが大切です。その上で、子どもたちが学習内容を確実に身に付けることができるよう、子どもや学校の実
態などに応じて、個別指導やグループ別指導、繰り返し指導、学習内容の習熟の程度に応じた指導、子どもの
興味・関心等に応じた課題学習、補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り入れた指導、教師間の協
同による指導など、指導方法や指導体制を工夫改善し、指導の充実を図る必要があります。
その場合、国や県の学習状況調査や日常の評価結果などを分析して子ども一人一人の学習状況を的確に把握
し、つまずきに対する具体的な対策を講ずる必要があります。また、知識と生活との結び付きに配慮したり、
体験的な学習や基礎的・基本的な知識及び技能を活用した問題解決的な学習を取り入れたりして、一人一人の
子どもに学ぶ意欲を喚起することや学習習慣を身に付けさせることも望まれます。
2
人間としての在り方や生き方の自覚を促す指導
自他の生命を大切にし、道徳的実践力を育成する視点に立って、社会生活上の規範意識や基本的な倫理観を
育てるとともに、他人を共感的に理解し、人間関係を深め、自ら生きる目標を求め、その実現に努める態度を
育てることが学校教育に求められています。したがって、子ども自らが道徳的価値に基づいた人間としての生
き方についての自覚を深め、夢や希望を持ち、人間としてよりよく生きていくことを指導の基本にすることが
大切です。
各学校では、道徳の時間の授業公開を行うなど家庭・地域社会との共通理解・相互連携を図りながら、道徳の
時間を要として、各教科等の特質に応じ、あらゆる教育活動を通じた適切な指導を行うことが大切です。
各教師にあっては、ボランティア活動や自然体験活動などの豊かな体験を通して、子どもの内面に根ざした
道徳性や社会性の育成を図る必要があります。
3
言語活動と各教科等の目標を関連付けた効果的な指導
学習指導要領においては、国語をはじめ各教科等において、言語活動の充実を図るよう定めていますが、こ
のことは、言語活動が、論理や思考などの知的活動やコミュニケーション、感性・情緒の基盤となるものであ
り、子どもたちの思考力・判断力・表現力等をはぐくむために有効な手段であることを示したものです。
このことを踏まえ、言語活動そのものを目的化するなど本来の趣旨にそぐわないことのないよう留意しつつ、
各教科等の目標に即して、基礎的・基本的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解
決するために必要な思考力、判断力、表現力等などの育成を行うための手立てとして、言語活動の充実に取り
組むことが大切です。
各教師にあっては、これまでの言語活動を通じた指導について十分検証しつつ、各教科等の目標と指導事項
との関連及び子どもの発達の段階や言語能力を踏まえて、言語活動を適切に位置付け、授業の構成や指導の在
り方を工夫・改善していくことが望まれます。
4
子どもと教師の変容を目指した校内研修の推進
校内研修を進めるにあたっては、全教職員の共通理解の下に、学校の教育目標を達成するために解決すべき
学校課題を明確にし、授業実践を行うなど、同僚性の発揮された校内体制の整備を進める必要があります。ま
た、協同実践で得られた研究成果を日常の授業に生かすとともに、子どもの変容が具体的な姿で評価できるよ
う、指導法や評価を工夫することが大切です。
各教師にあっては、子どもが身に付けるべき知識・能力・態度等を十分検討し、子どもたちが成就感や達成
感を味わうことができる「わかる授業」を行う必要があります。
また、校種間連携をはじめ、キャリア教育、防災教育、心の教育、特別支援教育、情報教育、環境教育など
今日的教育課題にも柔軟に対応できるよう、日々研究と修養に励み、指導力の向上や豊かな人間性を身に付け
ることなどに努めることが望まれます。
- 11 -
〔2〕指 導 の 重 点
1
授業の充実
一人一人の子どもが、各教科及び総合的な学習の時間等に主体的に取り組み、確かな学力を身に付け
ることができるよう、言語活動の充実を図りながら、一人一人の能力・適性に応じた指導と学習習慣の
育成に努める。
指導項目(1)
基礎的・基本的内容に即した教材の工夫と教材研究の深化
【現状と課題】
基礎的・基本的内容を踏まえて年間指導計画を作成し、重点的に指導する単元を設定したり、指
導後に子どもの様子や課題などを記入したりする取組がみられる。また、子どもが主体的に学習を
進めることができるよう、工夫された授業の展開もみられる。
今後は、学習指導要領の目標と指導内容の関連を構造的にとらえるよう教材研究を深め、地域や
子どもの実態を考慮して、指導内容の重点化に努め、適切な課題設定や発問の工夫を図る必要があ
る。また、言語活動を充実することの趣旨を確認し、各教科等の目標と関連付けた効果的な指導を
行う必要がある。
観
①
点
年間指導計画の
作成と活用
着
点
・
・
各教科の目標と内容を確認し、評価を考慮した年間指導計画を作成する。
子どもの実態から重点的に指導する単元を設定したり、指導後の反省等を
記入したりするなど、年間指導計画を活用し、授業改善に努める。
②
教材の工夫
・
③
教材研究の深化
・
指導項目(2)
眼
各教科の目標及び内容を踏まえ、子どもが自ら課題を見付け、自ら考え、
主体的に判断したり表現したりする学習活動ができるよう、子どもや地域の
実態を考慮して指導内容の重点化に努める。
各教科の指導内容の系統性や他の単元、教科等との関連を明らかにするな
ど、目標と内容の関連を構造的にとらえる。
・ 単元を通して身に付けさせたい資質や能力を明らかにし、単位時間ごとに
重点化した指導内容・評価規準を設定する。
・ 単元の目標に即してねらいを明確にし、学習課題の設定、発問の工夫、言
語活動の適切な位置付けを図る。
・ 指導内容に関する事前調査等で、子どもの先行経験、興味・関心などの実
態把握に努め、学習活動を具体化する。
・ 本時の「めあて」と、「学習内容・活動」
、「まとめ」の整合性を図る。
個に応じた学習過程と評価を重視した指導の工夫
【現状と課題】
多くの学校で、ティーム・ティーチングや少人数指導、習熟度別指導など個に応じた指導の工夫
に努めている。また、評価項目を学習過程に位置付けたり、基礎学力の定着を図るため、朝自習等
で補充的な指導に取り組んだりしている。
今後は、ねらいを明確にした学習活動を工夫するとともに、評価規準に即して子どもの学習の実
現状況を確実に評価し、具体的な手立てを講じて個に応じたきめ細かな指導を行い、指導と評価の
一体化を図る必要がある。
観
点
着
眼
点
①
学習のねらいに
応じた学習形態の
工夫
・
各教科の特質や学習のねらい、子どもの実態に応じて、一人一人の学習活
動が充実するよう、効果的な指導方法や学習形態を取り入れる。
・ グループ別指導、ティーム・ティーチング、少人数指導及び習熟度別指導
等を取り入れる際には、目的や教師の役割を明確にする。
②
評価規準の設定、
評価の場及び方法
の工夫
・ 学習内容の定着と授業改善のために、評価規準を具体的に設定して、単元
ごと単位時間ごとに学習の実現状況を評価するなど、評価の場面や時期、方
法を工夫する。
・ よさや可能性を伸ばすよう、子どもの考えや思いを受け止め、共感的な理解
に立った評価に努める。
・ 子どもが学習の成果を自覚し、成就感をもてるよう、自己評価や相互評価
などを工夫し、評価能力の育成を図る。
- 12 -
指導項目(3)
自ら課題を見付け、よりよく問題を解決する力を身に付ける指導の工夫
【現状と課題】
指導過程において、、体験、調査などを通して興味・関心をもたせるなどの手立ての工夫がみら
れる。また、家庭と協力して学習習慣を身に付けさせる取組がみられる。
今後は、課題意識をもたせるための導入を工夫し、体験的な学習や基礎的・基本的な知識及び技
能を活用した問題解決的な学習などを充実させ、知的好奇心や探究心をもたせることにより、主体
的な学習方法や学習習慣を身に付けさせることが大切である。
観
点
着
①
学ぶ意欲を高め
主体的な学習を促
す指導の工夫
・
②
学習方法や学習
習慣が身に付く指
導の工夫
・
③
体験的な学習活
動の推進
・
指導項目(4)
眼
点
学習課題設定のため、子どもの興味・関心を生かしたり、必要感をもたせ
たりするよう、導入を工夫する。
・ 子どもが主体的に学ぶ学習を重視し、自ら調べたり、体験したりする活動
を授業の中に積極的に取り入れる。
・ 一人一人の発想や取組を指導に生かすことにより、学習の喜びや成就感を
味わわせるよう努める。
・ 発展的な学習等を効果的に取り入れ、理解をさらに広げたり深めたりする
よう努める。
学習課題解決の手順や方法を身に付けさせるために、多様で弾力的な学習
活動に配慮し、問題解決的な学習を積極的に取り入れる。
・ 学習習慣を身に付けさせるために、授業との関連を図った学習課題を適切
に課し、学校と家庭が協力して、家庭学習の必要性を実感させるよう努める。
活動の目的を理解させ、ねらいに沿った行動が取れるよう支援したり、振
り返らせたりし、活動のための活動とならないよう配慮する。
・ 観察・実験、見学や調査、スピーチや討論・ディベート、自然体験や社会
体験、ものづくりや生産活動などの体験的な学習活動を授業へ取り入れる工
夫をする。
学校図書館等の積極的な活用
【現状と課題】
読書や読み聞かせの時間を設定し、情操を育むための取組が多く行われている。また、主体的な
学習のため、学校図書ネットワークシステムの整備、図書ボランティア、各地域の図書館や移動図
書館の活用などの取組がみられる。
今後は、学校図書館等の計画的な整備に努め、授業等において積極的に活用し、個々の興味・関
心に応じた学習活動を支援していく必要がある。
観
①
点
学校図書館の整
備
②
学校図書館やコ
ンピュータ室の積
極的活用
着
眼
点
・
学校図書館を豊かな心を育む読書センターとして位置付け、子どもが感動
する本や読書資料を可能な限り用意する。
・ ゆったりとしたスペースや、特設コーナーの設置など、自発的で自由な読
書の場になるような配架を工夫する。
・
学校図書館やコンピュータ室を主体的な学習活動を支える学習情報センタ
ーとして位置付け、積極的に授業等で活用する。
・ 全体構想や年間指導計画などを作成し、学校図書館やコンピュータ室の活
発な利用を促進する。
- 13 -
指導項目(5)
総合的な学習の時間の充実
【現状と課題】
学校における他の教育活動との関連を図った全体計画が作成されている。また、体験や調査、地
域の人々とのかかわりなどを通した活動が行われている。
今後は、総合的な学習の時間の意義とねらいを共通理解し、育てたい力を明確にした上で、目標
や内容を設定し、指導や評価の在り方などを見直す必要がある。また、探究的な学習や協同的な学
習の充実を図る必要もある。
観
①
点
全体計画及び年
間指導計画の工夫
・改善
・
指導と評価の工
・
・
・
②
夫
③
着
指導体制の整備
・充実
眼
点
学校としての具体的な目標や内容、評価の観点を明確にし、各教科等との
関連や学年間・学校段階間との連携、授業時数などを考慮しながら、全体計
画及び年間指導計画の見直しを図るとともに工夫・改善を行う。
子どもの興味・関心を基に学びへの動機付けを図る。
各教科等で得た知識・技能と生活との結び付きを大切にした指導に努める。
子ども自らが課題を設定し情報収集して整理分析しながらまとめる学習
(探究的な学習)や他者と適切にかかわり合う学習(協同的な学習)の過程
を学習活動に位置付ける。
・ 評価の観点や評価規準を確認し、子どものよい点、学習に対する意欲や態
度、進歩の状況などを踏まえた適切な評価に努める。
・
校内推進体制を充実し、系統的な学習活動や時間割の弾力的な運用など、
学校全体として組織的な指導に努める。
・ 学校内外の教育資源の活用を図るために、人材バンク等の整備に努める。
・ 総合的な学習の時間の取組について、保護者や地域への情報発信に努める。
〈参考資料〉
・今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開(小学校編)平成22年11月 文部科学省
・今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開(中学校編)平成22年11月 文部科学省
・評価方法等の工夫改善のための参考資料(小学校)
平成23年 3月 国立教育政策研究所教育課程研究センター
・評価規準の作成、評価方法等の工夫改善のための参考資料(中学校 各教科)
平成23年 7月 国立教育政策研究所教育課程研究センター
- 14 -
2
道徳教育の充実
一人一人の子どもが、人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を具体的な生活の中に生かし得るよう、
道徳性の育成に努める。
指導項目(1)
道徳的実践力を高める指導の工夫
【現状と課題】
多くの学校で、学習指導要領の趣旨を踏まえた全体計画や年間指導計画が整備されている。また、
道徳的実践力を高めるために、アンケートの結果や多様な資料の活用、ワークシートや役割演技を
取り入れた学習活動、家庭や地域社会との連携による指導などの工夫がみられる。
今後は、道徳教育推進教師を中心とした指導体制を整備し、全体計画や年間指導計画を日常的に
活用しながら、各教科等との密接な関連を図りながら指導する必要がある。また、学習への興味の
喚起や動機付け、子どもの思考を深め多様な考えを引き出す発問の工夫、目的に応じた話合いなど、
内面的な深まりを目指した指導に努める必要がある。
観
点
着
①
道徳教育推進教
師を中心とした協
力体制の整備
・
②
指導計画の作成
と改善
・
③
内面的な深まり
を目指した指導の
改善
・
指導項目(2)
眼
点
学習指導要領の趣旨を踏まえて、全教師が学校の道徳教育の重点や推進す
べき方向について共通理解を図る。
・ 道徳教育推進教師の役割を明確にし、各教科、生徒指導や保健指導などの
各担当者と関連を図った機能的な協力体制の整備に努める。
全体計画においては、子ども、学校及び地域の実態に応じて、重点目標を
設定するとともに、道徳教育にかかわる指導の内容及び時期を整理した別葉
を作成するなど、各教科等との関連を図る。
・ 年間指導計画においては、子どもの実態に即して指導内容の重点化を図り、
計画的、発展的な指導ができるよう工夫する。
・ 学級における指導計画においては、教師や子ども、保護者の思いや願いを
生かした道徳教育を展開するよう努める。
子どもの実態を道徳の時間に生かし、子どもとの心の触れ合いや意見交流
を大切にしながら共感的な人間関係に立った指導に努める。
・ 適切なねらいを設定し、資料の精選と分析を行い、資料の特徴を生かした
指導の手順や学習過程の工夫に努める。
・ 導入、発問及び話合いなどを工夫することを通して、道徳的価値の内面的
な自覚を深める指導に努める。
・ 「私(わたし)たちの道徳」や「小(中)学校道徳 読み物資料集」など
を有効に活用する。
豊かな心を育む体験活動の推進
【現状と課題】
動植物の飼育や栽培、乳幼児との触れ合いなど、自他の生命尊重にかかわる体験活動が増えてい
る。また、多くの学校で身近な地域での清掃活動や農業体験、福祉施設での介護体験など、様々な
道徳的価値が含まれる体験活動が行われている。
今後は、体験を単なる体験に終わらせず、道徳の時間で「補充・深化・統合」を図る指導及び家
庭や地域社会との連携に基づいた継続的な実践に努める必要がある。
観
①
点
体験活動の推進
着
・
眼
点
様々な場や機会を通して、かけがえのない自他の生命を尊重しようとする
意識や態度を育むよう努める。
・ 体験活動を実施する際、目的、指導内容や指導方法などについて共通理解
を図る。
・ 道徳の時間は、体験活動を踏まえて、子どもが様々な道徳的価値に気付き、
考えや自覚を深める要の時間としての役割を果たすよう努める。
・ 道徳の授業を公開するなどして、家庭や地域社会の理解と協力を得ながら
指導に当たる。
- 15 -
指導項目(3)
郷土に関する資料の開発と活用
【現状と課題】
地域の人を招いて協力しながら学習を進めたり、郷土の先人や伝統芸能などの素材を活用したり
している学校がみられる。
今後は、郷土に関する資料の収集、計画的な保存活用や、教科、総合的な学習の時間や特別活動
などにおける学習との関連を図った資料の開発に努める必要がある。
観
点
着
眼
点
①
郷土に関する資
料の積極的活用
・
・
郷土に関する資料を年間指導計画に適切に位置付け、保存活用を図る。
県教育委員会が作成した実践事例集等を有効に活用する。
②
郷土や地域の素
材に着目した教材
開発・収集
・
ボランティア活動や自然体験活動などの体験活動による資料、地域の文化
や出来事を取材した資料、先人の伝記や逸話などの資料の開発や収集に努め
る。
〈参考資料〉
・小学校道徳 読み物資料集
平成23年3月
・中学校道徳 読み物資料集
平成24年3月
・平成24年度指導資料 道徳教育郷土資料にかかわる実践事例集(小学校編)
平成25年3月
・平成24年度指導資料 道徳教育郷土資料にかかわる実践事例集(中学校編)
平成25年3月
- 16 -
文部科学省
文部科学省
青森県教育委員会
青森県教育委員会
3
特別活動の充実
一人一人の子どもが、望ましい集団や豊かな体験の中で互いに個性を認め合い、協力してよりよい生
活や人間関係を築いていくことができるよう、自主的、実践的な態度の育成に努める。
指導項目(1)
自主的な態度を育てる学級活動の工夫
(小・中学校)
【現状と課題】
小学校では、楽しく豊かな学級づくりを目指した取組、中学校では、進路にかかわる取組、共感
的な人間関係や温かい学級づくりを目指した取組がみられる。
今後は、全体計画を基に系統性を踏まえ、協力して活動できる人間関係づくりに努めるとともに、
子どもが自主的に内容を決めて話し合うなど、主体的な活動を助長するための指導法を工夫する必
要がある。
観
点
着
①
年間指導計画の
作成
・
②
協力して活動で
きる人間関係づく
り
・
③
主体的な活動を
促す指導の工夫
・
指導項目(2)
眼
点
全体計画を基に系統性を踏まえ、他の活動との関連及び学級の子どもの実
態や発達の段階を考慮した年間指導計画を作成する。
・ 計画的・組織的な取組によってガイダンスの機能を充実させるよう努め
る。
教師と子ども、子ども相互の共感的な人間関係づくりに努め、子どもの発
想や創意を尊重しながら、協力してよりよい生活を築こうとする態度を育て
る。
教師の適切な指導の下で、学級や学校生活の充実と向上に関する身近な問
題について自ら話し合い、解決させるなど主体的な活動ができるよう工夫す
る。
自治的な意識を高める児童会活動・生徒会活動の工夫
(小・中学校)
【現状と課題】
ねらいを明確にし、全校的な視野で活動計画を立て運営をさせるなど、学校の実態に応じた特色
ある取組が増えている。
今後は、全教師が指導の場面や方法を共通理解し、子どもの発想や計画を生かした自発的、自治
的な活動の指導、支援に努める必要がある。
観
点
着
①
年間指導計画の
作成と指導体制の
確立
・
・
②
ねらいを明確に
した活動内容の設
定
・
③
子どもの発想や
活動計画を生かす
指導
・
眼
点
子どもや学校の実態に即し、年間指導計画を作成する。
全教師が自分の特性を生かして、役割と責任を分担し、協力し合える指導
体制を確立する。
地域や学校の実態、子どもの特性を踏まえ、各教科等との関連を図りなが
ら、指導のねらいを明確にして活動内容を設定する。
・ 子どもの発意・発想に委ねる活動と委ねることのできない活動を明らかに
した上で、指導の場面や方法を教師が共通理解して、適切に指導に生かすよ
う努める。
子どもの願いや希望が生かされるよう、話合いの機会や場の確保に努め、
活動の過程を見守る。
- 17 -
指導項目(3)
児童の個性の伸長と触れ合いを深めるクラブ活動の工夫
(小学校)
【現状と課題】
児童の興味・関心を大切にした取組や、地域の人材や施設、伝統芸能など地域の教育力・特性を
生かした取組が行われている。
今後は、児童自らの手で具体的な活動計画を作成し運営できるよう、適切な指導、支援に努める
必要がある。
観
点
着
①
年間指導計画の
作成
・
・
②
クラブ活動の教
育的意義を踏まえ
た指導及び運営の
工夫
・
・
指導項目(4)
眼
点
他の活動との関連を考慮し、ねらいを明確にした年間指導計画を作成する。
年間を見通した適切な授業時数を充てる。
異年齢の交流を生かし、望ましい人間関係を築く態度の形成に努める。
自主性と社会性を養うために、話合いを通して児童自身が具体的な活動計
画を立て、運営できるよう工夫する。
・ 一人一人の活動状況や役割の遂行などについて評価し、適切に指導に生か
すよう努める。
感動や連帯感を高める学校行事の工夫
(小・中学校)
【現状と課題】
行事への積極的な参加のために、子どもに役割や責任をもたせ、事前に目標やスローガンを作ら
せたり、事後に振り返りをさせたりしている。
今後は、それぞれの学校行事の特質やねらいを踏まえ、自主的、実践的な態度を育てる活動に取
り組ませるとともに、全教師で適切に評価し、指導に生かすよう努める必要がある。
観
点
着
①
調和のとれた指
導計画の作成
・
②
子どもが積極的
に参加できる指導
と運営の工夫
・
③
充実と改善を図
るための適切な評
価
・
眼
点
各教科等との関連を踏まえ、それぞれの行事の教育的価値を検討し、適切
な時数を配当し、調和のとれた年間指導計画を作成する。
・ それぞれの行事の指導計画、学年に応じた具体的な実施計画を作成して指
導する。
一人一人に行事の意義やねらいを理解させ、具体的な目標や役割をもって、
主体的に取り組むよう支援する。
・ 学級活動や児童会・生徒会活動との関連を十分に図りながら、協同指導体
制で運営に当たる。
一人一人の活動状況について情報交換を密にし、適切な評価を行い、指導
に生かすよう努める。
・ 行事のねらいに即して評価の観点や方法を工夫し、その評価結果を行事の
改善と子どもの日常の生活や学習に生かせるように努める。
<参考資料>
・「中学生熟議」のすすめ
子どもたちの話合いと実践で創り出すよりよい学級・学校生活【中学生版】
~特別活動で育む「生きる力」~
平成23年12月 文部科学省
・楽しく豊かな学級・学校生活をつくる特別活動 小学校編
平成25年 7月 国立教育政策研究所
- 18 -
4
体育、健康教育の充実
一人一人の子どもが、生涯にわたって自ら進んで運動に親しみ、健康・安全で活力のある生活を送る
ことができるよう、家庭や地域社会との連携を図りながら、心と体を一体としてとらえ、健やかな体を
育む教育の推進に努める。
指導項目(1)
運動に親しむ資質や能力の育成及び体力の向上を図る指導の充実
【現状と課題】
主体的に運動に親しませるために、個に応じた学習の場の設定や学習カードの活用などの工夫が
行われている。また、体力の向上を図るため、「体つくり運動」や体力づくりを行ったり、新体力
テストの結果を活用したりする取組がみられる。
今後は、指導内容の明確化を図り、仲間とのかかわり合いや課題解決的な学習の実践などを通し
て、運動の楽しさや喜びを味わわせる指導に努める必要がある。また、子どもの実態に応じた体力
の向上にも取り組む必要がある。
観
点
着
眼
点
①
調和のとれた具
体的な指導計画の
作成
・
運動の取り上げ方の弾力化を図り、各種運動種目の単元構成や年間配当、
時間配当を工夫した年間指導計画の作成に努める。
・ 進んで運動の楽しさに触れたり技能を身に付けたりできるような指導計画
の作成に努める。
②
基礎的な運動の
技能や知識を習得
させる指導の工夫
・
それぞれの運動のもつ特性や魅力に応じて、運動の楽しさや喜びを味わわ
せることを学習の中心に据え、体力や技術の向上を図る授業実践に努める。
・ 基礎的な運動の技能や知識を確実に身に付けさせるために、学年間の系統
性を意識した指導に努める。
③
知識や技能を活
用する学習活動の
工夫
・
④
体力の向上を図
る指導の充実
・
⑤
運動の習慣化を
図る効果的な指導
の工夫
・
学校教育活動全体を通じて、計画的・継続的に多様な運動ができる場や時
間を設定する。
・ 家庭への啓発活動や地域社会と連携して環境整備を進め、運動の習慣化を
図る。
⑥
体育的活動の実
施に当たっての安
全への配慮
・
ペアやグループでの学習を通して、習得した知識や技能を用いて自ら考え
たり工夫したりするなど、思考・判断をはたらかせる授業を展開する。
新体力テストなどを基に体力の実態を的確に把握し、発達の段階に応じて
体力の向上に努める。
教職員の共通理解のもと、安全にかかわる指導、子どもの健康状況の把握、
事前の調査及び器具設備等の安全点検を適切に実施する。
・ 万一の事故に備えて、救急体制を整える。
- 19 -
指導項目(2)
健康に関する知識を身に付け、自ら健康な生活を実践できる指導の充実
【現状と課題】
子どもの心身の健康状態についての計画的な調査や情報交換を行い、健康管理に努めている。ま
た、特別活動等において養護教諭と連携したり外部講師を活用したりするなど、工夫した保健指導
の取組がみられる。
今後は、集団や個人の健康課題を明確にし、学校医、スクールカウンセラーなどの専門的な立場
からの指導・助言を得ながら、日常的に健康な生活を送れるよう指導に努める必要がある。
観
点
着
①
学校保健計画の
作成と活用
・
②
養護教諭や学校
医・スクールカウ
ンセラーなどとの
連携
・
指導項目(3)
眼
点
計画の作成に当たっては、学校行事、保健学習や学級活動などとの関連を
図り、子どもや家庭・地域の実態に即して指導する内容を吟味し、指導時間
を適切に確保するよう努める。
・ 計画の立案から実施にいたるまでの経過、方法、内容や活動の成果などに
ついて総合的に評価を行うよう努める。
定期健康診断の結果はもとより、生活習慣の状況やストレス、不安・悩み
などの心の健康についても把握し、集団や個人の健康課題を明確にする。
・ 健康の諸問題等を解決していくために、養護教諭や学校医、地域保健関係者、
スクールカウンセラー、相談員などを交えた学校保健委員会等において話し
合いを行い、子どもの指導に生かすよう努める。
・ 学校保健計画や学校での取組状況等について、「学校だより」や「保健だ
より」などを通して、家庭や地域社会への周知に努める。
食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることができる指導の充実
【現状と課題】
各教科等との関連を図った食に関する指導の全体計画が作成されている。また、栄養教諭や学校
栄養職員と連携したバイキング給食、食に関する出前授業の活用など、子どもの食に関する意識を
高めようとする取組が増えている。
今後は、子どもの食生活の実態把握を基に、家庭との連携を進め、学校給食と各教科等との指導
を関連付けて、計画的・継続的な指導を行う必要がある。
観
点
着
眼
点
①
子どもの実態に
即した指導の工夫
・
食に関する指導の諸計画は、子どもの食生活の実態、家庭・地域の状況把
握を基に活動状況、指導の成果などについて評価を行い、全教職員の共通理
解の下に改善に役立てる。
・ 学校が主体的に栄養教諭や学校栄養職員、関係機関と連携を図り、特別非
常勤講師の制度を利用するなどし、その専門性を生かした計画的な指導の充
実に努める。
・ 学校給食と各教科等の指導を関連付けて、食に関する正しい知識を身に付
け、判断力を養うよう計画的・継続的な指導に努める。
・ 食事前の手洗い等、日常生活に生かすことのできる望ましい衛生知識の周
知と実践的態度の育成に努める。
②
望ましい食習慣
の形成を図るため
の家庭との連携
・ 保護者と接する機会や広報活動を通して、望ましい食習慣の在り方を啓発
し、日常生活に生かすよう連携に努める。
- 20 -
指導項目(4)
安全に関する情報を正しく判断し、安全を確保することができる指導の充実
【現状と課題】
学校安全計画に基づき、危機管理マニュアルの見直し、避難訓練、防犯教室や交通安全教室など
の安全管理と安全教育を進めている学校が多い。また、定期的な校内外での安全点検や保護者の協
力を得た巡回指導等が行われている。
今後は、子どもが危険を予測し、回避できるよう実践的指導を様々な機会をとらえて行うととも
に、学校、家庭、地域社会及び関係機関が一体となって、安全指導の充実を図る必要がある。
観
点
着
①
学校安全計画の
作成、組織体制の
充実
・
②
地域や学校の実
態に即した安全管
理の徹底
・
・
③
実践力を育てる
安全教育の工夫
・
④ 安全指導の徹底
と家庭、地域社会
及び関係機関との
連携
・
眼
点
安全管理、安全教育や組織活動などを明示した学校安全計画を作成し、実
施するとともに、総合的な評価・改善に努める。
・ 事件、事故や災害などが発生した場合には適切な安全措置がとれるよう、
役割を明確にした組織体制を整える。
・ 危険発生時に教職員がとるべき具体的内容と手順を定めた「危機管理マニ
ュアル(危険等発生時対処要領)」の見直しを行う。
学校の施設設備及び通学路や学区内の危険箇所の発見と改善に努める。
PTA、関係機関や地域の諸団体を交えた学校安全委員会等を組織し、地
域全体の安全活動の推進に努める。
子どもや学校、地域の実態把握に努め、全教職員の共通理解の下に教育活
動全体を通し、様々な機会をとらえて指導する。
・ 日常生活全般において安全な行動選択や行動実践ができるよう、具体的・
実践的指導を行うとともに、子どもの内面に働きかける工夫に努める。
・ 防災避難訓練の実施方法や避難場所などの見直しを行い、自ら危険を回避
できる子どもの育成に努める。
交通安全にかかわる実態を的確に把握し、交通事故防止の指導の徹底を図
る。
・ 子どもを犯罪被害から守るために、学校や地域の実態に応じた危機管理意
識の向上を図るとともに、地域ぐるみで防犯活動が推進されるよう、地域の
諸団体や関係機関との行動連携を強化する。
- 21 -
5
生徒指導の充実
一人一人の子どもが、豊かな生活を送ることができるよう、家庭や地域社会及び関係機関等との連携
を図りながら、心の結びつきを基調とした指導を行うとともに、問題行動等の未然防止、早期発見・早
期対応に努める。
指導項目(1)
基本的な生活習慣や自己指導能力を育成する協同指導体制の充実
【現状と課題】
望ましい生活習慣を育成するために、生活アンケートによる自己評価や小・中学校で共通項目を
掲げた取組が多く行われている。また、問題行動の未然防止、早期発見・早期対応のために、日常
の観察や情報収集などの工夫した取組が行われている。
今後は、協同指導体制を充実させ、組織的・計画的・継続的な指導や実践状況の確認と改善に努
めるとともに、幼保・小・中・高等学校間で情報交換を密にし、相互理解を図りながら行動連携に
取り組む必要がある。
観
①
②
点
協同指導体制の
充実
指導の充実
指導項目(2)
着
眼
点
・
全体計画に基づき、全教師の共通理解の下、実践状況を定期的に確認し、
反省や指導の評価を生かした指導計画の改善に努める。
・ 校内研修等で情報交換や事例研究の機会を設け、子どもの人権に関する理
解や生徒指導上の基本的な知識・技能の習得に努める。
・ 一人一人の教師の立場や役割を明確にし、機能的な運営を行い、全教師が
一貫した姿勢で協同実践に努める。
・
日頃から小・中学校間で情報交換を行い、実践項目を設定するなど行動連
携に努める。
・ 定期的に幼稚園・保育所及び高等学校との連絡会を行い、情報交換に努め
る。
・ 子どもの行動を日常的に観察し、情報の集約・共有を図ることで、問題行
動の早期発見に心がける。
・ 問題が生じたときは、組織として具体的で素早い対応をとり、反復・継続
した指導に努める。
家庭や地域社会及び関係機関等との連携の充実
【現状と課題】
広報活動、保護者会、家庭訪問などで、学校の方針や子どもの様子について情報を提供し、信頼関係
づくりに努めている。また、子どもの健全育成にかかわる様々な活動が行われている。
今後は、家庭、地域社会、関係機関などと、計画的・継続的に情報を交換し、共有することにより、
相互の協力関係を密にしていく必要がある。
観
点
着
①
保護者と教職員
との信頼関係の確
立
・
②
家庭、地域社会
や関係機関などと
一体となった指導
の推進
・
眼
点
保護者との触れ合いや意見交流ができるよう集会や面談などを工夫し、子
どもの情報を共有するよう努める。
・ それぞれの立場を相互理解し、役割を明確にしながら、協同して健全育成
に努める。
PTAの校外指導委員会等の組織を生かし、地域社会の教育力を活用しな
がら、子どもの非行防止に努める。
・ 家庭、地域社会、関係機関や団体などとの連携を計画的・継続的に行い、
情報モラルに関する問題に取り組むなど、行動連携に努める。
- 22 -
指導項目(3)
生徒指導の機能を生かした学年・学級経営の充実
【現状と課題】
子ども一人一人の実態について情報を交換し合い対策を講ずるとともに、望ましい人間関係の育成を目指
した活動や、自己存在感を得ることのできる場の設定に取り組んでいる。
今後は、発達の段階に応じた諸課題に対する認識を深め、指導に当たっては、子どもの自己決定の場を意
図的に設定するなど、具体的方策をもって生徒指導の機能を生かした経営に努める必要がある。
観
点
着
眼
点
①
同一歩調体制の
学年・学級経営
・ 学級での個及び集団の課題を明確にし、解決に向けた具体的な方策を立てる。
・ 学年所属の教員が同一歩調をとり、他学年、生徒指導部との連携を密にし、課題
解決に向けて一貫性のある指導をする。
②
積極的な生徒指
導の推進
・ 生徒指導の機能(自己存在感、共感的人間関係、自己決定の場など)を生かした
学年・学級経営を工夫することで、自己指導能力の育成や集団の自浄力の向上を図
る。
・ 学級生活にかかわる諸検査や調査などの活用により、学級における個及び集団を
客観的・多面的に把握し指導に生かす。
・ グループエンカウンター等を活用し、教師と子ども、子ども相互の信頼関係づく
りに努める。
指導項目(4)
児童理解・生徒理解に基づいた教育相談の充実
【現状と課題】
信頼関係の構築や子どもの内面理解のために、日頃から受容的・共感的態度で子どもに接したり、アンケ
ートを基にした教育相談を計画的に実施したりしている。また、スクールカウンセラー等を活用した相談活
動や研修が行われている。
今後は、保護者、養護教諭、スクールカウンセラーや相談員などとの連携を図り、教育相談体制を整え、
子どもの悩みや不安を的確に把握し、解消するために指導の手立てを明確にして取り組む必要がある。
観
点
着
眼
点
①
教育相談体制の
整備
・ 計画的に教育相談の機会を設けるとともに、子どもが日常的に相談できる環境を
整える。
・ 生徒指導担当教員を中心として、保護者、養護教諭、スクールカウンセラーや相
談員などとの連携を図り相談体制の整備に努める。
・ 教育相談についての研修を積極的に推進する。
②
教育相談の積極
的な推進
・ 子どもとの共感的な触れ合い、チャンス相談や呼び出し相談などを通して、子ど
もの内面を理解し、指導・支援に努める。
・ 問題行動に対する指導においては、自ら解決を図ろうとする気持ちを引き出すよ
う努める。
・ スクールカウンセラーや相談員などの効果的な活用を図る。
〈参考資料〉
・生徒指導必携(改訂版)理論編
平成19年3月
青森県教育委員会
・生徒指導必携(改訂版)実践編
平成20年3月
青森県教育委員会
・生徒指導支援資料「いじめを理解する」
平成21年6月
国立教育政策研究所生徒指導研究センター
・生徒指導提要
平成22年3月
文部科学省
・生徒指導の役割連携の推進に向けて中学校編
平成22年3月
国立教育政策研究所生徒指導研究センター
・生徒指導支援資料2「いじめを予防する」
平成22年6月
国立教育政策研究所生徒指導研究センター
・生徒指導の役割連携の推進に向けて小学校編
平成23年3月
国立教育政策研究所生徒指導研究センター
・生徒指導資料第4集 学校と関係機関等との連携~学校を支える日々の連携~
平成23年3月
国立教育政策研究所生徒指導研究センター
・生徒指導支援資料3「いじめを減らす」
平成23年6月
国立教育政策研究所生徒指導研究センター
・
「生徒指導リーフ」シリーズ(Leaf1~12,増刊号)
平成24年2月~ 国立教育政策研究所生徒指導研究センター
- 23 -
6
キャリア教育の推進
一人一人の子どもが、自らの生き方を考え、社会的・職業的自立ができるよう、必要な基盤となる資質、
能力、態度の育成に努める。
指導項目(1)
キャリア教育指導体制の整備・充実
【現状と課題】
小・中学校ともに、全体計画が作成されている。また、校内研修でキャリア教育を取り上げてい
る学校もみられる。
今後は、キャリア教育に関する研修等を計画的に行い、その必要性、意義や役割について共通理
解を図るとともに、キャリア教育担当者や進路指導主事を中心とした校内の指導体制を整備したり、
家庭や地域社会と連携したりしながら計画的、組織的、継続的な指導に努める必要がある。
観
点
着
眼
点
①
校内指導体制の
整備
・
②
共通理解に立っ
たキャリア教育
・
③
キャリア教育の
指導の工夫
・ 学年間や校種間及び家庭や地域社会との連携を図りながら、体系的・系統
的にキャリア教育を展開し、学習状況の振り返りと教育活動の評価、改善を
図る。
指導項目(2)
キャリア教育担当者を校務分掌に位置付け、担当者を中心に、他の校内組
織との連絡・調整を図り、キャリア教育指導体制の整備に努める。
キャリア教育の必要性、意義や役割に基づいて、子どもたちの実態を把握
し、自校のキャリア教育の進め方について共通理解を図る。
現在及び将来の生き方を考える指導・進路指導の充実
【現状と課題】
小・中学校ともに、地域の人々との触れ合いや異校種間における交流などの体験的な学習活動が
数多くみられる。中学校では、多くの学校で、定期的な進路相談、職業や上級学校などに関する情
報提供が行われている。
今後は、教育活動全体をキャリア教育の視点でとらえ直し、子どもの発達の段階を考慮し、現在
及び将来の生き方を考える指導を計画的、継続的に行う必要がある。また、中学校では、自らの意
思と責任で自己の生き方、進路を選択できるよう適切な指導・援助を行う必要がある。
観
①
点
着
全体計画・指導
計画の作成
・
適切な指導・援
・
②
助
眼
点
「キャリア教育の手引き」や「青森県教育員会キャリア教育の指針<総論
編>・<実践編>」などを活用して、教育活動全体をキャリア教育の視点で
とらえ直し、全体計画・指導計画を作成する。
自らの意思と責任で進路を選択できるよう、各教科等の学習や進路の選択、
将来の生き方を考える学習などの関連を図る。
・ 適切な進路選択ができるよう、体験入学の機会や卒業生の経験の活用など、
ガイダンス機能の充実を図る。
・ 小学校では、課題や問題に対して問題対処の力や態度を発達させ、自立的
に生きていけるように、中学校では、自己や現実の理解を深め、将来の生き
方や進路に関する主体的な選択能力を高め、自ら積極的に進路を選択できる
ように、計画的・継続的にキャリアカウンセリング等を行うよう努める。
- 24 -
指導項目(3)
児童生徒の発達の段階に応じた勤労観・職業観の育成
【現状と課題】
係活動や当番活動など様々な活動を通して勤労観を育む指導がみられる。また、勤労や奉仕にか
かわる体験活動や職場見学などを、家庭や地域社会と連携して進めている。
今後は、日常の教育活動において、子どもがそれぞれの発達の段階に応じ、学ぶことと働くこと
の意義を結びつけて将来の生き方を考えられるよう、意図的、継続的なキャリア教育の推進に努める
必要がある。
観
点
着
①
体験活動におけ
る事前・事後指導
の充実
・
②
勤労観・職業観
を育成する指導の
工夫
・
③
学校と保護者等
との連携
・
眼
点
勤労観・職業観の育成の視点から、体験活動のねらいを明確にし、他の教
育活動と関連付け、事前・事後指導を工夫する。
各教科等での学習が、日常生活や将来の生き方と関連していることに気付
かせる機会を設け、学ぶ意欲につなげる指導に努める。
・ 係活動やボランティア活動、職業調べや職場体験などを通じて、働くこと
の楽しさや厳しさを知り、勤労や職業についての関心・意欲を高めることが
できるよう指導に努める。
保護者と接する機会や広報活動などを通して、キャリア教育のねらいや内
容、進め方について、保護者との情報共有や共通理解に努める。
・ 関係機関や地域社会などとの連携を図り、キャリア教育の指導や体験活動
の充実を図るように工夫する。
<参考資料>
・小学校キャリア教育の手引き
平成22年 1月
・小学生のためのキャリア教育
平成22年 3月
・中学校キャリア教育の手引き
平成23年 3月
・キャリア教育を創る
平成23年11月
・生きる・働く・学ぶをつなぐ
青森県教育委員会キャリア教育の指針<総論編>
平成24年 3月
・※1 あおもりっ子キャリアノート「明日へのかけ橋」
平成25年 3月
・生きる・働く・学ぶをつなぐ
青森県教育委員会キャリア教育の指針<実践編>
平成26年 3月
文部科学省
青森県教育委員会
文部科学省
国立教育政策研究所生徒指導研究センター
青森県教育委員会
青森県教育委員会
青森県教育委員会
※1「http://www.pref.aomori.lg.jp/bunka/education/kyariakyouiku.html」を参照
- 25 -
7
特別支援教育の充実
発達障害を含む障害のある子どもが、障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善、克服する
とともに、そのもてる力を最大限に発揮して自立や社会参加ができるよう、一人一人の教育的ニーズを
把握し、適切な指導及び必要な支援に努める。
指導項目(1)
校内支援体制の充実
【現状と課題】
特別支援教育コーディネーターを複数指名するなど、支援体制の整備が進められている。校内委
員会は、学校規模に応じ、工夫して行われている。また、特別支援教育に関する研修が行われたり、
巡回相談員等が積極的に活用されたりしている。
今後は、特別支援教育コーディネーターを中心に、全教職員が協力し合い、教育上特別な支援を
必要とする子どもの実態把握を行うとともに、かかわり方についての共通理解を深め、一人一人に
応じた適切な指導や必要な支援が行われるようにする必要がある。
観
点
着
①
校内委員会の
充実
・
②
特別支援教育
コーディネータ
ーの役割の明確
化
・
指導項目(2)
眼
点
校内委員会を計画的に開催して、通常の学級を含めて教育上特別な支援を
必要とする子どもへの指導とその保護者との連携について、共通理解を深め
る。
・ 全教職員で教育上特別な支援を必要とする子どもを早期に発見し、学級担
任の指導への支援方策を具体化する。
子どもたちへの支援を推進するために、特別支援教育コーディネーターが
学校内や関係機関との連絡・調整をしたり、保護者からの相談窓口となった
りするなど、組織的に機能するように努める。
・ 特別支援教育コーディネーターを中心に、教育上特別な支援を必要とする
子どもへの指導とその保護者との連携などに関する研修を行い、全教職員の
共通理解を図る。
個別の指導計画の作成と活用による指導の充実
【現状と課題】
特別支援学級のある学校では、個別の指導計画の作成と活用が図られ、個別の教育支援計画の作
成もみられる。また、特別支援学級のない学校でも個別の指導計画の作成がみられる。
今後は、通常の学級に在籍する教育上特別な支援を必要とする子どもについて、個別の指導計画
を作成し、指導した結果について、校内委員会等を通して話し合い、指導の工夫、改善を進める必
要がある。
観
点
着
①
個別の指導計
画の作成
・
②
個別の指導計
画の活用と見直
し
・
③
個別の教育支
援計画の策定
・
眼
点
学級担任が観察した様子や保護者及び関係者の情報、個別に蓄積されたファ
イルなどから、必要な配慮や支援を明確にするよう努める。
・ 一人一人の教育的ニーズに応じて、目標や手立て、実施の方法、実施期間
を具体的に明記するよう努める。
個別の指導計画に基づいた指導の結果について単元、学期、学年ごとに校
内委員会等で話し合い、必要に応じて目標の設定や課題の内容、具体的な手
立てを見直すなど、授業の改善に努める。
・ 就学や進学などに際して一貫した指導を行うため、一連の取組の経過や結
果を個別の指導計画に記録し、引き継ぎの話合い等での活用に努める。
必要に応じて個別の教育支援計画を策定する場合には、家庭や関係機関と
の連携の下、一人一人の教育的ニーズや支援内容を明確にするよう努める。
- 26 -
指導項目(3)
交流及び共同学習の推進
【現状と課題】
子どもたちの自立に向けた集団参加を図るため、音楽、体育、総合的な学習の時間や学校行事な
どを中心に交流及び共同学習が行われている。また、特別支援学校と継続的に交流及び共同学習を
行っている学校もみられる。
今後は、子どもたちの社会参加を促進するため、子どもの状況や地域の実情に応じて、相互理解
を深める交流内容や方法について、工夫に努める必要がある。
観
①
点
交流及び共同
学習の実施
着
眼
点
・
通常の学級と特別支援学級との交流及び共同学習においては、双方の子ど
もたちの教育的ニーズを十分把握した上で、教師間の連携を密にし、授業や
様々な活動を効果的に行うよう努める。
・ 特別支援学校との交流及び共同学習においては、十分に連絡を取り合い、
内容や方法を事前に検討し、学校や子どもの実態に応じた配慮を行うなどし
て、組織的、計画的、継続的に実施するよう努める。
※「交流及び共同学習」について
障害のある子どもと障害のない子どもが一緒に参加する活動は、相互の触れ合いを通じて豊かな人間
性をはぐくむことを目的とする交流の側面と、教科等のねらいの達成を目的とする共同学習の側面があ
るものと考えられる。「交流及び共同学習」とは、このように両方の側面が一体としてあることをより
明確に表したものである。したがって、この二つの側面を分かちがたいものとしてとらえ、推進してい
く必要がある。
(特別支援学校学習指導要領解説 総則等編 P185より抜粋)
- 27 -
8
環境教育の推進
一人一人の子どもが、環境と人間とのかかわりについて関心と理解を深め、環境に対する豊かな感受
性を養うことができるよう、環境保全に主体的に取り組む態度の育成に努める。
指導項目(1)
各教科等間の連携を踏まえた指導の工夫
【現状と課題】
総合的な学習の時間を中心に、環境にかかわる内容を取り上げ、各教科等との関連を図った全体
計画を作成している学校が増えている。
今後は、全教師が環境教育に対する重要性や必要性の認識を深めるとともに、環境教育を通して
育成する資質や能力を明確にし、環境教育の目標と学校教育目標を関連付けた指導計画を作成する
必要がある。
観
①
点
着
環境教育に対す ・
る共通理解
②
眼
点
校内の分掌等を明確にし、全教師が環境教育の意義やねらい(※1)の共
通理解を図る。
各教科等との関 ・
学校教育目標や各教科等との関連を図った環境教育の指導計画を作成する。
連を図った指導計
画の作成
指導項目(2)
地域の環境の実態に即した指導の工夫
【現状と課題】
地域や学校のおかれている環境の把握や、地域にある施設・人材の活用など、地域の特性・教育
力を生かした活動を行っている。
今後は、子どもが環境の改善や保全に主体的にかかわろうとする態度を育成するために、環境教
育の視点から地域の実態に即した指導を工夫する必要がある。
観
①
点
子どもの実態に
着
・
即した指導の工夫
②
地域性を生かし
た指導の工夫
③
多彩な学習活動
の展開
眼
点
子どもの実態を多面的に把握し、実態にふさわしい教材を選択するなど、
問題解決的な学習に努める。
・
身近にある環境を多くの視点から把握し、教材化を図り、活用に努める。
・
身近な環境問題が地球規模の問題につながっていることを意識させる。
・
地域にある施設や人材を積極的に活用した指導に努める。
・
多面的に環境問題を考えさせるために、コンピュータやマスメディア(テ
レビやビデオ等の映像、新聞・雑誌の記事など)を活用し、双方向性をもっ
た授業を工夫する。
- 28 -
指導項目(3)
環境にかかわる体験学習の推進
【現状と課題】
多くの学校で、地域の環境にかかわる体験活動、家庭や地域社会との連携を図ったリサイクル活
動や清掃奉仕活動などが行われている。
今後は、子どもが身の回りの事象に触れることによって、問題を発見することを大切にし、学ん
だことを家庭や地域社会の生活の中で生かそうとする態度を育成する必要がある。
観
①
点
着
眼
点
直接的・具体的
・
観察、実験、調査、見学、実習など、体験的な学習を積極的に取り入れる。
な体験活動の重視
・
意識化、行動化につなげるために、体験活動の事前・事後指導を充実させる。
家庭や地域社会
・
②
との連携
学校で学んだことを家庭や地域社会の生活の中で生かすことを通して、環
境問題の解決に向けた行動力を身に付けさせるよう努める。
・
学校と家庭、地域社会が協力し合って活動を推進するために、PTAの奉
仕活動や地域で行われる体験活動などに、子どもたちが参加するよう働きか
ける。
〈参考資料〉
※1 環境教育の意義やねらい
環境教育は身近な環境に関心を持つことから始まり、その目的は、
① 環境を保全しようとする意欲や環境への関心を高め、
② 知識の習得を促し、
③ 自ら考え行動する人材を育成すること。
環境教育が進まない課題の背景には、学校現場において、環境教育が「環境問題への取組や校外で
の体験活動」として狭義にとらえられている。そこで、まずは、環境教育が「身近な環境に関心を持
つ機会そのもの」という認識の共有が必要である。
(青森県環境教育・学習基本方針 平成18年3月 青森県 より抜粋)
※2
発達の段階への配慮(要約)
①
小学校低学年:環境への接し方を身に付け、自然の観察や動植物の飼育・栽培などの活動によ
り、感受性や興味・関心を高め、自然のすばらしさや命の大切さを感得する。
② 小学校中学年:身近な自然や社会の環境に触れ、資源やゴミなどについて問題を見いだし、追求
することが大切である。また、自分たちの生活が地域と関わって成り立っていることを意識でき
るよう、自然とのかかわりや体験学習を重視する。
③ 小学校高学年:種々の体験や学習を通して、より多面的な思考が可能になり、環境問題の素地
となる物の連鎖や循環という考え方を身に付け、より主体的に自然とかかわり、環境を大切にす
ることができるような指導を重視する。
④ 中学校:小学校と同様の学習にならないように、循環や有限性についてより論理的、体系的に
整理してとらえ直し、小学校で育成した能力を生かし、より主体的、総合的に発揮できるように
学習を工夫する。
(環境教育指導資料(小学校編)平成19年3月 国立教育政策研究所教育課程研修センターより抜
粋)
・環境副読本
まもろうみんなの地球
(小学校5年生に配布)
青森県教育委員会・秋田県教育委員会・岩手県教育委員会
- 29 -
9
国際化に対応する教育の推進
一人一人の子どもが、我が国や諸外国の文化と伝統について関心と理解を深めるとともに、国際社会
に貢献できるよう、国際理解教育の推進に努める。
指導項目(1)
郷土に対する愛着と誇りを涵養する教育の推進
【現状と課題】
総合的な学習の時間等において、郷土の自然環境、歴史、伝統、産物などを取り上げ、郷土につ
いて理解させるような取組が行われている。
今後は、郷土についての学習を各教科等の特質や発達の段階に応じて計画的に進め、日本や諸外
国とのかかわりまで発展させていく指導に努める必要がある。
観
点
着
眼
点
①
郷土についての
教育の計画的な推
進
・ 国際理解教育における郷土についての教育の意義・必要性を共通理解し、
各教科等との関連を図りながら計画的な指導に努める。
・ 郷土の自然、歴史、文化などを、子どもの興味・関心や発達の段階に応じ、
教材として取り上げるとともに、地域の人材や施設などの活用により、効果
的な学習を展開する。
②
我が国と諸外国
の文化や風土など
の特質に気付かせ
る指導
・ 我が国と諸外国の文化や風土などの類似点・相違点を理解させるよう努め、
それぞれのよさに気付かせ尊重する態度を育てる。
・ 家庭や地域社会との連携を図りながら、郷土の伝統芸能等に関心をもたせ、
継承・保存しようとする態度を育てる。
指導項目(2)
外国語指導助手等の活用や言語活動の工夫・充実による、外国語を通じたコミュニケー
ション能力の育成
【現状と課題】
小学校では、外国語活動の時間に学級担任等が、ICT機器や外国語指導助手等を活用した体験
的なコミュニケーション活動がみられる。また、中学校では、外国語指導助手を活用し、コミュニ
ケーション能力の育成を目指した授業もみられる。
今後は、小学校では、外国語活動の趣旨を理解し、児童の実態や発達の段階を踏まえた適切な指
導計画及び指導内容を設定し、体験を通した指導を心がける必要がある。中学校では、小学校にお
ける指導を踏まえて各学年に応じた目標を立て、指導方法や外国語指導助手等の活用の工夫に努め
る必要がある。
観
点
着
①
指導計画の作成
②
外国語指導助手
等の活用
・
③
言語活動の工夫
・充実
・
眼
点
・ 小学校では、児童の実態に応じて目標、指導内容や評価規準などを設定し
た年間指導計画を作成する。
・ 中学校では、小学校との円滑な接続が図られるよう、小学校での学習内容
や活動を生かすなど、指導計画の見直しを行う。
各教科や特別活動など様々な教育活動において、外国語指導助手や地域の
人材を活用し、コミュニケーションの機会を多く設定する。
小学校の外国語活動においては、コミュニケーション活動を通してその楽
しさを体験できるよう努める。
・ 中学校では、自分の考えを適切に表現し、積極的に外国語によるコミュニケ
ーションを図ろうとする態度を育成する。
・ 中学校では、4技能(「聞く」「話す」「読む」「書く」)のバランス及
び実際の言語の使用場面や働きに十分配慮した様々な言語活動を繰り返し体
験させ、基本的な知識・技能の定着に努める。
- 30 -
指導項目(3)
異なった文化や習慣をもつ人々との交流の推進
【現状と課題】
地域に住む外国人、海外生活経験者や国際交流員の活用、海外交流への参加など、その国の生活
や文化について体験的に理解する機会を設定している学校がみられる。
今後は、地域の関係機関や団体と連携を図りながら交流計画を立て、計画に基づいた継続的な取
組に努める必要がある。
観
点
着
眼
点
①
地域に住む外国
人等との交流の推
進
・ 地域に住む外国人や海外生活経験者などを活用し、異なった文化に触れた
り、気付いたりする機会を設け、交流活動に努める。
・ 交流の際は、ねらいを明確にした上で事前・事後の学習を適切に行い、さ
らに学習が深まるよう努める。
②
諸外国の姉妹・
友好提携校等との
交流の推進
・
・
諸外国との交流活動の目的を明確にし、計画的・継続的に進める。
インターネット等を活用した交流を工夫する。
- 31 -
10
情報化に対応する教育の推進
一人一人の子どもが、情報活用能力を身に付けることができるよう、情報モラルにかかわる指導の充
実を図り、系統的・体系的な情報教育の推進に努める。
指導項目(1)
情報教育を推進する指導体制の整備・充実
【現状と課題】
多くの学校で、情報教育に関する分掌が校内に位置付けられている。また、様々な教育活動との
関連を図った全体計画を作成している学校が増えている。
今後は、授業にICTを活用して指導する能力や子どものICT活用を指導する能力などを高め
る研修を推進し、情報教育についての共通の認識をもち、教育実践に努める必要がある。
観
点
着
①
系統的な情報教
育の充実
・
②
研修体制の整備
・充実
・
指導項目(2)
眼
点
「教育の情報化に関する手引き」を活用して、各教科等との関連を図ると
ともに、発達の段階に応じた情報活用能力(情報活用の実践力、情報の科学
的な理解、情報社会に参画する態度)を明確にした指導計画を作成する。
情報化推進委員会等の校内組織において、情報化担当教員、教務主任や研
修主任などの連携による組織としての研修を進める。
・ 教員のICTチェックリストの活用や研修ロードマップの作成などによ
る、ねらいを明確にした計画的な研修を行い、情報モラルを含めた教員のI
CT活用指導力の向上に努める。
学習指導におけるICTの適切な活用の推進
【現状と課題】
ICT機器の整備が進み、「わかる授業」や「魅力ある授業」の実現に向けて、実物投影機やプ
ロジェクタによる資料提示、カメラ録画による学習活動の確認など、様々な場面での活用が増えて
いる。
今後は、いつでも使えるICT環境の整備・充実に努め、これらを日常の教育活動の中で積極的
に活用し、教育の質的な改善と充実を図っていくことが必要である。
観
点
着
①
ICTの活用に
対する共通理解
・
②
ICTの特性を
生かした適切な活
用
・
眼
点
ICT機器は多様な活用が可能であり、教師の指導や子どもの学習活動を
効果的に進めることができる有効な機器であることの共通理解を図る。
・ ICTを必要に応じて使えるように、設置や調整の仕方、短時間でデジタ
ルコンテンツ等を提示する方法などの理解を進める。
・ 「学校情報セキュリティポリシー」を整備し、著作権や個人情報などの保
護に努める。
ICTの仕組みや機能及び特性を生かし、各教科等の特質、指導の目標や
内容、子どもの実態などに応じて、学習過程に活用場面を適切に位置付ける。
・ 学習課題への関心を高めたり、学習内容をわかりやすく説明したりする指
導方法の一つとして、ICTの活用に努める。
・ 情報を収集・選択したり、文章や図・表にまとめたり、表現したりする手
立てとして、子どもがICTを活用できるよう指導に努める。
- 32 -
指導項目(3)
情報通信ネットワーク等を適切に活用した教育の推進
【現状と課題】
各教科や総合的な学習の時間の調べ学習、コンテンツ配信型の学習などでインターネットを用い
た取組がみられる。また、ホームページを開設し、積極的な情報発信に努めている。
今後は、様々な学校や地域社会との情報の共有・交流を生かした効果的な授業や学校運営の効率
化に向けた実践的研究を進めていく必要がある。
観
①
点
情報通信ネット
ワーク等の活用の
工夫
指導項目(4)
着
眼
点
・
情報通信ネットワーク等の有効性を共通理解し、社会教育施設等の情報を
収集したり、学習の成果を発信したりするなど、効果的な活用法について研
修を進める。
・ 情報通信ネットワーク等による事務の効率化や情報の共有化などについ
て、その特徴をよく理解し、校務の情報化を進める。
情報モラル教育の推進
【現状と課題】
情報モラルについて、校内研修で取り上げたり、教育講演会等で子どもや保護者への啓発を図っ
たりする取組がみられる。
今後は、情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度を育てるため、子どもの発達
の段階に応じて、情報手段を適切かつ主体的・積極的に活用できるよう、学校全体で体系的な情報
モラル教育を推進する必要がある。
観
①
点
情報モラルの育
成
②
家庭との連携
着
眼
点
・
道徳の時間においては、道徳の内容との関連を踏まえて、情報モラルを取
り扱う。
・ インターネット上での誹謗中傷やいじめ、犯罪や違法・有害情報の問題を
踏まえ、発達の段階に応じて計画的・継続的に指導する。
・
コンピュータや携帯電話などの利用に関しては、子どもの利用状況を把握
し、情報セキュリティの確保、フィルタリング機能の措置、家庭内でのルー
ルづくりなど、家庭との連携を図りつつ適切に指導・助言する。
※ICT:information and communication technology
※学校情報セキュリティポリシー:学校において、セキュリティに関する方針や決まりごとをまとめたもの
<参考資料>
・
「ちょっと待って、ケータイ」リーフレット 平成20年 1月
・ネット上のいじめの対応~情報モラル教育の充実をとおして~
平成21年 4月
・教育の情報化に関する手引
平成22年10月
- 33 -
文部科学省
青森県教育委員会
文部科学省
11
研修の充実
教 職の 専 門 性を 高 め 、教 育 活 動の 充 実を 図 る た め、 計 画的 ・ 積 極 的な 研 修の 推 進 に努 め る 。
指導項目(1)
校内研修体制の整備・充実
【現状と課題】
小学校では低中高学年部会を、中学校では教科部会を中心に校内研究が進められている。また、
外部講師を活用した研修の実施や校外研修への参加など、学校内外の様々な研修を組み入れた研修
計画が作成されている。
今後は、教員の資質能力の向上を目指し、今日的課題も含め、幅広く調和のとれた研修が組織的、
計画的、発展的に進められるよう研修計画を必要に応じて見直すことが大切である。また、積極的
に基本的な指導技術などの自己研修に努めるとともに、教員相互が研修成果を共有し、日常の授業
実践に生かすことが必要である。
観
点
着
眼
点
①
専門職としての
調和のとれた研修
計画の作成
・ 「課題研究」「一般研修」「初任者研修」「10年経験者研修」などの関連
を考慮して研修の構想を立てる。
・ 自校の実態に即して、教育計画との関連を考慮し、年間の見通しの下に研
修計画を作成する。
・ 研修の成果が日常の教育活動に活用されるよう、必要に応じて研修計画の
見直しを図る。
②
今日的課題につ
いての研修
・
③
校内研修と結び
付く自己研修の推
進と活用
・
・
指導項目(2)
外部講師の活用や事例研究を通して、校種間連携、キャリア教育、防災教
育、心の教育、特別支援教育、情報教育、環境教育、生徒指導など今日的課
題についての研修を進める。
研修成果を日常の授業実践に生かし、指導力の向上に努める。
校外での研修を共有するため、報告会等を設ける。
学校課題解決のための実践的研究の充実
【現状と課題】
学習状況調査や意識調査などを分析し、子どもの実態把握に努めている学校が増えている。また、
教員一人一人の指導力の向上を目指し、日常の教育活動に活用できるよう、研修の機会を多く設け
ている。
今後は、学校課題解決に向けて共通理解を図り、焦点化された研究主題・研究仮説を設定して、
協同指導体制の下に子どもの変容を目指した研究、授業に取り組む必要がある。
観
点
着
①
学校課題解決に
向けた研究計画の
作成
・
②
子どもの変容を
目指した実践的研
究の推進
・
眼
点
学校教育目標の達成のため、学校課題を明確にし、全教師の共通理解の下
に研究主題を設定する。
・ 子どもの実態を踏まえ、検証可能な仮説を設定し、研究内容や研究方法を
具体化する。
仮説を検証するための観点を明確にし、子どもの変容が具体的な姿で評価
できるよう工夫する。
・ 研究の成果と課題を確認して累積し、日常の授業に活用したり、研究の深
化・発展に生かしたりする。
- 34 -
指導項目(3)
家庭や地域社会と連携した特色ある教育活動の研究・推進
【現状と課題】
総合的な学習の時間、学校行事などにおいて、地域素材の教材化や地域人材及び公共施設の活用
など、地域社会や学校の実態に応じた教育活動が推進されている。
今後は、学校の教育方針や子どもの状況を家庭や地域社会に説明したり、家庭や地域社会の思い
や願いを把握したりして、相互の意思疎通を図り、協力を得られるよう努める必要がある。また、
幼保・小・中・高等学校の連携を図りながら、特色ある教育活動の推進に努める必要がある。
観
点
着
眼
点
①
地域や子どもの
実態を踏まえた特
色ある教育活動
・
・
地域の自然や人材などについて調査・研究をし、更新・蓄積に努める。
幼保・小・中・高等学校の連携を図りながら、ねらいや方法を明確にした
教育活動に努める。
②
地域社会の教育
力の活用
・
・
地域人材等を活用した授業改善を積極的に行う。
学校からの情報提供を行うとともに、保護者や地域の人々の学校に寄せる
思いや願いを把握し、家庭や地域社会との連携に努める。
指導項目(4)
学習指導要領に基づく実践的研究の充実
【現状と課題】
「確かな学力」を育むために、言語活動の充実に関する研究、個に応じた指導の充実に関する研
究などに取り組んでいる。
今後は、各教科等において、学習指導要領の目標や内容について理解を深め、習得した知識・技
能を活用した探究活動など、ねらいを明確にした学習活動を工夫し、授業の改善、指導力の向上に
努める必要がある。
観
点
着
①
学習指導要領の
理解
・
②
個に応じたきめ
細かな指導の充実
・
眼
点
学習指導要領の目標や内容について、各教科等の「解説」を基に全教師が
理解を深め、指導方法の改善、教育活動への具現化などを図る。
学習の進度に応じた個別指導や補充学習、教材・教具の工夫、ICT機器
の活用やティーム・ティーチングなど、子どもの能力・適性を考慮した指導
の充実に努める。
・ 授業を通して、学習活動に即した評価規準や指導の手立てについて検証し、
指導力の向上に努める。
- 35 -
12
複式教育の充実
少人数の特性を生かし、一人一人の個性・能力の伸長を図るとともに、社会性の育成に努める。
指導項目(1)
学校運営・学級経営の創意工夫
【現状と課題】
各学校の特性を生かし、地域に根ざした創意ある学校運営がなされている。また、校内における
合同学習や他校との交流学習など、教育課程に位置付けた取組や学び合う力を身に付けさせる指導
が行われている。
今後は、一人一人の変容を十分にとらえ、よさや可能性を生かしたり、たくましさを身に付けさ
せたりする学級経営の工夫に努める必要がある。
観
点
着
①
運営計画の創意
工夫
・
・
②
学習と生活を高
め合う学級経営
・
指導項目(2)
眼
点
小規模校の特性を生かし、地域に根ざした運営計画を工夫・改善する。
全校協力体制の下、合同学習、集合学習や交流学習などを積極的に推進する。
学び合う力を高めるよう、一人一人の日々の小さな変化を見逃さず、よさ
や可能性を生かした学級経営に努める。
・ たくましさを身に付けさせるよう、豊かな体験を通して子どもの視野を広
げ、誇りと自信をもたせる学級経営に努める。
複式指導の充実
【現状と課題】
国語・算数を中心として、指導形態や指導方法を工夫しながら複式の授業に取り組んでいる。間
接指導においては、学習の手順や方法を身に付けさせるために、ガイド役を活用した学習が行われ
ている。
今後は、自学自習の力が高まるよう、「へき地・複式ハンドブック」の活用を図ったり、先進校
の指導方法を参考にしたりするなど、教員一人一人が複式指導についての理解を深め、指導力の向
上に努める必要がある。
観
点
着
①
指導計画の工夫
と活用
・
・
②
複式指導の工夫
・
・
③
研修の充実
・
眼
点
学校の実態や各教科等の特質を踏まえた年間指導計画を作成し、活用する。
指導内容の重点化を図った単元指導計画を作成し、活用する。
子どもの学習状況を的確に把握し、個に応じた適切な指導に努める。
「わたり」や「ずらし」などの複式指導の基本型を踏まえ、学習のねらい
の明確化や自力解決の時間の確保などに努める。
・ 指導の効果を高めるため、ガイド学習等を通してリーダーの育成に努める。
・ 学習の手順や方法を身に付けさせ、「ひとり学び」の充実を図る。
・ コンピュータや実物投影機などのICT機器を積極的に活用する。
「へき地・複式ハンドブック」や先進校の研究成果などの資料を活用した
り、近隣の学校の授業を参観したりするなど複式指導に関する研修に努める。
※合同学習:校内において合同で行う学習
集合学習:2校以上の児童が学習集団を構成して行う学習
交流学習:学校規模や生活環境の異なる学校が互いに交流して行う学習
<参考資料>
・
「三八の教育」P56~P57
複式指導における「わたり」と「ずらし」
- 36 -
13
幼稚園教育の充実
一人一人の「自立の態度」を育成するために、心身の発達の実情をよく理解し、自発的な活動を促す
指導の充実に努める。
指導項目(1)
調和と統一のある教育課程の編成
【現状と課題】
「自分の気持ちを調整する力」の育成を園内研修の主題に取り上げ、共通理解を図りながら、実
践に取り組んでいる。
今後は、教育要領の趣旨と内容を踏まえ、幼児が発達の各時期にふさわしい生活ができるよう、
各領域のねらいと内容、各園の指導の方針や重点目標を考慮し、調和のとれた教育課程を創意工夫
する必要がある。
観
点
着
①
教育要領の共通
理解
・
②
教育課程の創意
工夫
・
・
指導項目(2)
眼
点
園内研修等の充実を図り、教育要領の趣旨と内容について共通理解を深め
る。
各園が目指す幼児像について共通理解を図る。
園・地域の実態、幼児の心身の発達に即し、各領域のねらいと内容、各園
の指導の方針や重点目標を踏まえた教育課程を編成する。
・ 園・学級経営の学校評価を計画的に実施し、その結果を次年度の改善に役
立てる。
実態に即した指導計画の整備
【現状と課題】
幼児の生活の流れやリズムに配慮し、必要な体験が得られるよう、長期・短期の指導計画が作成さ
れ、適切に評価が行われている。また、幼稚園から小学校への移行を円滑にするために、小学校と
の交流活動も実施している。
今後は、幼児の実態、幼児を取り巻く状況の変化を考慮し、日常の生活する姿を的確にとらえた上
で、活動が連続するよう工夫する必要がある。
観
①
点
幼児期にふさわ
しい生活ができる
指導計画の作成と
改善
着
・
眼
点
長期と短期の指導計画の関連を吟味し、幼児の生活のリズムに配慮した指
導計画を作成する。
・ 幼児の経験の有無等を把握し、必要な体験が得られるよう、ねらいと内容
を明確にする。
・ 幼児の意欲を喚起したり、興味が持続したりするような活動を指導計画に
位置付ける。
・ 保育記録を基に、全教師で指導の過程について反省や評価を適切に行い、
指導計画や指導方法の改善に努める。
・ 幼稚園教育と小学校教育の独自性と連続性を考慮しながら、指導計画の見
直しに努める。
- 37 -
指導項目(3)
「自立と協同の態度」を育成する指導の工夫
【現状と課題】
教師も環境の一部を担いながら、幼児が主体的に活動できる環境を構成し、興味・関心を生かし
た遊びを通して直接的な体験が得られるよう取り組んでいる。また、少人数を生かして異年齢の活
動を積極的に取り入れ、協同の態度の育成に努めている。
今後は、幼児との信頼関係づくりに努めるとともに、一人一人の特性に応じ、発達の課題に即し
た適切な指導を行い、自立心を育てていく必要がある。
観
点
着
①
活動を促す環境
の構成
・
②
指導形態と援助
の工夫
・
③
家庭や地域社会
との連携
・
眼
点
幼児の心の動きや発想を大切にし、活動の変化に対応できる適切な環境の
構成に努める。
・ 環境の構成や援助についての指導記録を累積し、指導の改善に努める。
幼児の活動に深まりや広がりをもたせるため、一人一人の特性を理解し、
経験や活動に応じた指導形態と援助の仕方を工夫する。
・ 集団になじみにくい幼児や障害のある幼児については、その程度と個々の
能力や特性を把握し、家庭及び専門機関との連携を密にしながら、適切な指
導に努める。
・ 道徳性が必要に応じて身に付くよう、善悪を直接的に示したり、気付かせ
たりするような働きかけを工夫する。
登園・降園の仕方、危険な遊び方や場所、遊具などについてその場に即し
て気付かせ、状況に応じて安全な行動がとれるよう、家庭、地域社会、関係
機関などと連携して計画的・日常的に指導する。
・ 保育参観等の内容を見直し、充実を図るとともに、家庭における子育てを
支援するよう努める。
・ 地域の自然、人材、行事や公共施設などを積極的に活用し、幼児が地域の
文化や伝統などに触れて、豊かな生活経験を得られるよう工夫する。
- 38 -