1 平成 26 年 12 月 29 日 一般財団法人 新日本検定協会 安全環境室

ご申請者各位
平成 26 年 12 月 29 日
一般財団法人
新日本検定協会
安全環境室
危険物船舶運送及び貯蔵規則および関連法令の一部改正の概要について
平成 26 年 12 月 12 日に危険物船舶運送及び貯蔵規則(危規則)及び海洋汚染等及び海上災害の防止に関
する法律施行規則(海防法施行規則)並びに平成 26 年 12 月 22 日に船舶による危険物の運送基準等を定め
る告示(危告示)の一部改正が公布され、いずれも平成 27 年 1 月 1 日から施行されることとなりましたの
で、海上コンテナによる危険物輸送に関係する箇所の概要をお知らせします。
1.表示関係
下記(1)から(5)の様式等の変更には、平成 28 年 12 月 31 日までの移行期間が設けられています。
移行期間中はこれまでどおりの様式等がご使用いただけます。
(1) 標札・標識(危告示
第 1 号様式)
危険物およびコンテナに貼付する第 1 号様式の規定に「3 ふちの内側の線の太さは 2 ミリメートル以
上とする。」と追記され、標準とする様式が一部変更されました。
第 1 号様式
変更の一例
旧 (平成 28 年 12 月 31 日まで)
新 (平成 27 年 1 月 1 日から)
等級 1.1
等級 1.1
等級 2.2
等級 2.2
1
旧(平成 28 年 12 月 31 日まで)
新(平成 27 年 1 月 1 日から)
等級 2.3
(2) 少量危険物表示(危告示
等級 2.3
等級 3
等級 3
等級 6.1
等級 6.1
第 4 号様式)
既に規定されていたふちの線の太さ 2 ミリメートル以上に対し、
「ただし、危険物を収納する容器が小
さい場合にあっては、1 ミリメートル以上として差し支えない。」と追記されました。容器が小さい場合
に認められていた表示本体の大きさ縮小(5 センチメートル以上)に、ふちの線の太さも整合がとられま
した。
(3) オーバーパック表示への高さ要件追加
オーバーパックに包装され、容器の表示が容易に確認できない場合に使用するオーバーパック表示の
表示方法に「高さ十二ミリメートル以上の大きさで」と追記されました。
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(4) その他くん蒸注意用表示(危告示
第 5 号様式)、冷却注意用表示(危告示
変更、大型容器の積み重ねに関する表示(危告示
第 5 号の 2 様式)等に
第 6 号の 2 様式、第 6 号の 3 様式)の追加がありま
した。
大型容器の積み重ねに関する表示
(5) 海洋汚染物質表示(海防法施行規則
第 4 号の 2 様式)
海洋汚染物質およびコンテナに貼付する海洋汚染物質表示に「ふちの線の太さは 2 ミリメートル以上
とする。」が追記されました。
また容器への海洋汚染物質表示を必要としない量(組合せ容器の内装容器または単一容器への収納量
が液体 5 リットル、固体 5 キログラム以内)の場合、規定の適用が拡大されコンテナへの表示や危険物
明細書への記載も不要となりました。
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2.危険物リスト関係(危告示
別表第 1)
(1) 積載方法(備考 7)と隔離(備考 8)の要件の記号表記が変更になりました。
積載(Stowage)方法を示す記号は「SW」
、取扱い(Handling)方法を示す記号は「H」、隔離
(Segregation)を示す記号は「SG」と、それぞれ数字との組合せた表記になり置き換えられました。
また各記号の意義も大幅に変更されていますので、個別にご確認が必要です。
危告示
(2)
新規危険物の追加等
別表第 1
(危告示別表第1関係)
今回の改正で 19 種の危険物が新規に追加されました。そのうち、UN3510 から UN3526 の吸着ガス
は収納検査の対象となります。一方 IMDG コードとの整合の為、国連番号 3316 化学検査キット又は救
急キット(容器等級 I、II、III)の容器等級 I については削除されました。
(3) 品名の変更
4
(3) 下記の品名が変更されました。(このほかにも軽微な変更があった品名があります。)
容器やコンテナ等に表示する品名および危険物明細書に記載する品名は、平成 27 年 12 月 31 日まで
の移行期間が設けられています。
旧
国連
番号
0222
0503
3268
2212
2590
新
日本語名
英語名
硝酸アンモニウム
(可燃性の物質(炭素として
計算される有機物を含む。
)の
含有率が 0.2%を超え、他の
添加物を含まないものに限
る。
)
エアバッグインフレーター、
エアバッグモジュール又はシ
ートベルトプレテンショナー
(自動車又は自動車の完成部
品に組み込まれたエアバッグ
及びシートベルトを除く。
)
エアバッグインフレーター、
エアバッグモジュール又はシ
ートベルトプレテンショナー
(火薬類に該当するもの及び
乗物又は乗物の完成部品に組
み込まれたエアバッグ及びシ
ートベルトを除く。
)
ブルーアスベスト
(備考の欄の規定により危険
物に該当しないものを除く。
)
[クロシドライト、ブラウン
アスベスト]
日本語名
英語名
硝酸アンモニウム
AMMONIUM NITRATE
安全装置
(火工品を含むもの)
SAFETY DEVICES,
PYROTECHNIC
AIR BAG INFLATORS or
AIR BAG MODULES or
SEAT-BELT
PRETENSIONERS
安全装置
(火薬類に該当するものを除
く。
)
SAFETY DEVICES,
electrically initiated
BLUE ASBESTOS
(crocidolite) or BROWN
ASBESTOS (amosite,
mysorite)
アスベスト、角閃石系(アモ
サイト、トレモライト、アク
チノライト、アンソフィライ
ト、クロシドライト)
(備考の欄の規定により危険
物に該当しないものを除く。
)
アスベスト、クリソタイル
(備考の欄の規定により危険
物に該当しないものを除く。
)
ASBESTOS, AMPHIBOLE
(amosite, tremolite,
actinolite, anthophyllite,
crocidolite)
AMMONIUM NITRATE
with more than 0.2%
combustible substances,
including any organic
substance calculated as
carbon, to the exclusion of
any other added substance
AIR BAG INFLATORS or
AIR BAG MODULES or
SEAT-BELT
PRETENSIONERS
WHITE ASBESTOS
ホワイトアスベスト
(備考の欄の規定により危険 (chrysotile, actinolite,
物に該当しないものを除く。
) anthophyllite, tremolite)
[クリソタイル、アンソフィ
ライト、アモサイ
ト]
ASBESTOS, CHRYSOTILE
(4) 海洋汚染物質の追加
海洋汚染物質を示す肩文字「P」が 35 の日本語名に追加されました。
国連番号
日本語名
国連番号
1005
液体アンモニア P
1098
1206
ヘプタン*P
1208
1262
オクタンP
[イソオクタンP]
[ノルマルオクタンP]
[2,2,4-トリメチルペンタンP]
[2-メチルヘプタン P]
テレビン P
1272
アニリンP
[アミノベンゼンP]
[アニリン油P]
[フェニルアミン P]
1600
1299
1547
1334
5
日本語名
アリルアルコールP
[プロペニルアルコール P]
ヘキサン*
[ネオヘキサン]
[ノルマルヘキサンP]
[2-メチルペンタンP]
[3-メチルペンタン]
パイン油P
[松油 P]
ナフタレンP
(固体)
ジニトロトルエンP
(溶融状のもの)
[メチルジニトロベンゼン P]
1708
トルイジンP
(液体)
1748
1791
次亜塩素酸塩
(水溶液)
[さらし液、次亜塩素酸ナトリウムP、次亜塩素
酸カリウム等]
ノナン*P
1840
2073
液体アンモニアP
(15℃で比重が0.880未満でアンモニアの含有率
が 35 質量%を超え 50 質量%以下の水溶液)
2208
2218
アクリル酸P
(安定剤入りのもの)
[プロペン酸 P]
ナフタレンP
(溶融状のもの)
塩化亜鉛P
(無水物)
二硫化ジメチル*P
[メチルジチオメタン P]
2241
ブチルベンゼン*P
[フェニルブタン P]
次亜塩素酸カルシウムP又は次亜塩素酸カルシウ
ム混合物P
(水和物で水の含有率が5.5質量%以上16質量%
以下のものに限る。)
トルイジンP
(固体)
2850
次亜塩素酸カルシウム又は次亜塩素酸カルシウム
混合物P
(腐食性のもの)
(乾性のもので有効塩素の含有率が39質量%を超
えるもの(有効酸素の含有量が8.8質量%のもの
に限る。))
次亜塩素酸カルシウムP又は次亜塩素酸カルシウ
ム混合物P
(腐食性のもの)
(水和物で水の含有率が5.5質量%以上16質量%
以下のものに限る。)
3486
1920
2304
2331
2381
2709
2880
3451
3485
3487
2038
2325
2368
2672
3318
3454
次亜塩素酸カルシウムP又は次亜塩素酸カルシウ
ム混合物P
(乾性のもので有効塩素の含有率が39質量%を超
えるもの(有効酸素の含有量が8.8質量%のもの
に限る。))
塩化亜鉛P
(水溶液)
ジニトロトルエンP
(液体)
[メチルジニトロベンゼン P]
次亜塩素酸カルシウム混合物P
(乾性のもので有効塩素の含有率が10質量%を超
え39質量%以下のものに限る。)
[普通さらし粉 P]
シクロヘプタン*P
1,3,5-トリメチルベンゼン*P
[メシチレン P]
アルファピネン*P
アンモニアP
(水溶液)
(15℃で比重が0.880以上0.957以下であって、ア
ンモニアの含有率が10%を超え35%以下のものに
限る。)
プロピレン四量体*P
[テトラプロピレン P 又はドデセン P]
アンモニア水溶液P
(15℃で比重が0.880未満でアンモニアの含有率
が 50 質量%を超える水溶液)
ジニトロトルエンP
(固体)
[メチルジニトロベンゼン P]
次亜塩素酸カルシウム混合物P
(腐食性のもの)
(乾性のもので有効塩素の含有率が10質量%を超
え 39 質量%以下のものに限る。)
(5) 塗料等の品名の表記方法
国連番号 1263、3066、3469、3470 塗料及び塗料関連物質および国連番号 1210 の印刷用インク又は印
刷用インク関連物質の品名の表記方法(備考 10 SP367)が以下のように改正されました。
SP367
第7条の3の規定により表示する品名及び危険物明細書(コンテナ危険物明細書及び自動車等危険物明細書を含む。)に
記載する品名は、次に掲げるものを使用することができる。
(1) 塗料及び塗料関連物質が同一の容器に収納されている場合 「塗料関連物質」
(2) 塗料(引火性かつ腐食性のもの)及び塗料関連物質(引火性かつ腐食性のもの)が同一の容器に収納されている場合
「塗料関連物質(引火性かつ腐食性のもの)」
(3) 塗料(腐食性かつ引火性のもの)及び塗料関連物質(腐食性かつ引火性のもの)が同一の容器に収納されている場合
「塗料関連物質(腐食性かつ引火性のもの)」
(4) 印刷用インク及び印刷用インク関連物質が同一の容器に収納されている場合 「印刷用インク関連物質」
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3.隔離関係(危告示
危告示
別表第 14)
別表第 14 の水反応可燃性物質に関する隔離要件に見直しがありました。
別表第十四 高圧ガス(等級が2・1のもの又は副次危険性等級が2・1のもの)の項
水反応可燃性物質又は副次危険性等級が 4.3 の危険物の欄中「×」を「2」に改める。
別表第十四引火性液体類又は副次危険性等級が3の危険物の項水反応可燃性物質又は
副次危険性等級が 4.3 の危険物の欄中「1」を「2」に改める。
別表第十四水反応可燃性物質又は副次危険性等級が4・3の危険物の項高圧ガス
(等級が 2.1 のもの又は副次危険性等級が 2.1 のもの)の欄中「×」を「2」に改める。
別表第十四水反応可燃性物質又は副次危険性等級が4・3の危険物の項引火性液体類又は
副次危険性等級が3の危険物の欄中「1」を「2」に改める。
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4. その他
(1)
海文堂書店の危規則 17 訂版は、平成 27 年 3 月に出版される予定です。
それまでの期間の輸送要件等のご確認は、危規則 16 訂版と、改訂された部分について平成 25 年
12 月 12 日付官報(号外第 278 号)及び平成 25 年 12 月 22 日付官報(号外第 288 号)を併用して、
ご確認ください。
官報は国立印刷局の運営する「官報」ホームページ
http://kanpou.npb.go.jp または全国の
官報販売所にてご入手いただけます。
(2)
収納検査オンライン申請システムは、平成 27 年 1 月 1 日から新リストを適用します。
以上
ご不明な点は当室又は最寄りの検査事業所までお問合せください。
一般財団法人
新日本検定協会
安全環境室
〒108-0074
東京都港区高輪 3-25-23 京急第 2 ビル
TEL:03-3449-2818
FAX:03-3449-0355
eMail:ankan-he@shinken.or.jp
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