実際の SEM の分解能 図 37 に、実際の SEM の加速電圧と分解能の 関係を示します。ここには汎用形 SEM、汎用形 10 SEM の分解能が示してあります。いずれの SEM でも、加速電圧が高くなると解像力は上が り、加速電圧が数 kV 以下になると急激に解像力 が低下します。低加速電圧での解像力の低下は 主に色収差の影響によるものです。なお、ショ 汎用形SEM 解像力(nm) FESEM、超高分解能 FESEM という 3 種類の 汎用形FESEM 1 超高分解能FESEM ットキー電子銃を搭載した SEM は、汎用形 FESEM とほぼ同じカーブになります。 1 汎用形 SEM :熱電子銃+汎用形対物レンズ 10 汎用形 FESEM :FE電子銃+ 加速電圧(kV) 汎用形対物レンズ 図 37 超高分解能 FESEM :FE 電子銃+高分解能用 加速電圧と分解能の関係 対物レンズ 図 38 には加速電圧 20kV におけるプローブ 電流とプローブ径の関係を示します。プローブ 1µm 電流を大きくすると、熱電子銃の場合は比較的 20kV 一様なカーブでプローブ径が増加しますが、FE 的一定しており、1nA 程度で急激にプローブ径 が大きくなります。また、それ以上のプローブ 電流は得られません。ショットキー電子銃の場 プローブ径 電子銃の場合、ある範囲ではプローブ径は比較 合、もっと大きなプローブ電流が得られ、プロ 100nm 熱電子銃 10nm FE電子銃 ーブ径の増加もそれほど急激ではありません。 ショートキー 電子銃 これが、ショットキー電子銃が分析に向いてい 1nm る理由の一つです。 1pA 1nA プローブ電流 図 38 20 プローブ電流とプローブ径の関係 1µA
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