四国地域エネルギーフォーラム2015 平成27年1月21日(水) 小水力発電について ~中山間地域におけるマイクロ水力発電の実証試験~ 地方独立行政法人 鳥取県産業技術センター 機械素材研究所 HPアドレス http://www.tiit.or.jp/ ビデオ 背景 ・大規模な水力発電はすでに実用化されている ・個人やグループレベルで導入可能な数kW程度の マイクロ水力の導入は進んでいない ・水利権などの法的手続きが必要 ・採算性が期待できない ・人々が生活を行う身近な環境において水力発電を 実施した事例が皆無に近い ・どのような地点でどのくらい発電するのか? ・どの程度の設備を必要とするのか? 目的 ・中山間地域の農業用水などを発電対象とした 1kW級のマイクロ水力発電システムの開発 ・開発したマイクロ水力発電システムの実証試験 ・県内の中小企業への技術移転 ・県内の行政機関や団体,県民などへの情報提供 水力発電の分類 呼び名 出力規模 大水力 10万kW以上 中水力 1万kW~10万kW 小水力 1000kW~1万kW ミニ水力 100kW~1000kW マイクロ水力 100kW以下 大規模なダムなどが必要 NEDO:マイクロ水力発電導入ガイドブック マイクロ水力:ダムなどをつくらず既存施設を利用 マイクロ水力発電で賄える電力 ●100kWの発電設備の例 24時間×365日=8,760時間 100kW×8,760時間= 876,000kWh 876,000kWh÷ 5,000kWh=175.2世帯 (家庭の消費電力量を5,000kWh/年間、発電設備の設備利用率を100%とした場合) マイクロという名からは想像できない大規模なもの。 ●当センターが開発したマイクロ水力発電装置 1kW ⇒ 1.7世帯の電力を賄うことができる 対象とする地点および想定出力 ● 中山間地域の農業用水等を利用 流量と有効落差から求めた出力曲線 (エネルギー変換効率50%) 落差:1~5m 流量:30~60L/s3 (0.03~0.06m /s) ● 150W~1.5kWの発電が可能 試作1号機の開発(H20年) ●マイクロ水力発電装置の低価格化を目指す ●製作が容易な簡易構造の装置を設計・試作 装置寸法 質 量 1000×1000×1000mm 約100kg 水車形式 クロスフロー 発電機定格出力 1.5 kW 水車およびノズルの外観 ●発電効率の最適化については追求せず ●規格鋼材を用い製作が容易な形状・構造 クロスフロー型水車 直径:270mm 幅 :150mm ブレード枚数: 30枚 導水ノズル 試作1号機の研究所での性能試験 タンク 600L 導水管 2.5m 発電装置 研究所内における実験結果 最大電力 300W DC電力(W) 300 200 100 DC電流(A) 0 15 10 5 2.5 2.0 1.5 DC電圧(V) 0 100 3 80 有効落差:2.2m 流 量 :0.027m /s 60 水パワー:605W 40 20 0 0 100 200 300 水車回転数(rpm) 400 500 工業用水設備における実験 実験施設 B 実験施設 A 実験施設 A B 総 落 差(m) 1.3 2.5 損失落差(m) 0.3 0.4 有効落差(m) 1.0 2.1 0.028 0.040 流 量(m3/s) 鳥取県企業局西部事務所 工業用水設備における実験風景 施設A: 155W 実験施設 有効落差(m) 流 量(m3/s) 施設B: 355W A 1.0 0.028 B 2.1 0.040 試作2号機および3号機の開発(H21年) マイクロ水力発電装置の実用化を目指し,1号機に比べ耐久性・耐食性等を改良した 2号機 3号機 試作2号機および3号機の外観 試作2号機 (はめ込み式) 試作3号機 (導水式) ●動力伝達方式 タイミングベルト → カップリングによる直結方式 ●水車および筐体の材質 軟鋼 → ステンレス鋼(SUS304) ●低速回転において100~200Vの高電圧を出力する多極発電機を採用 2号機:300W,3号機:2kW 試作3号機の概要 取水口 排水口 ■ ■ ■ ■ ■ ■ 使用流量:0.03~0.06m3/s 使用落差:1~5m 外 形 :530×750×660mm 重 量 :100kg 取水口径:150A 材 質 :ステンレス鋼(SUS304) 2号機および3号機の実証試験(H21年~) ・イワナ ・ニジマス ・ヤマメ ・ギンザケ 小泉川養魚場 (鳥取県倉吉市関金町) 養殖池の排水路 養魚場周辺の様子 豊富な水を利用した産業が 発展している 養魚場 放流 清流遊YOU村 自然の河川を 利用した釣り堀 ワサビ栽培 養魚場での実証試験 2号機 取水口 養魚場の 取水口 3号機-1 3号機-2 養魚場の取水状況 養魚場 水路 取水口 小泉川 養魚場の取水状況 水路 養魚場における除塵(砂・小石)の状況 排水口 養魚場における除塵(木葉)の状況 養魚場における除塵(木葉)の状況 木葉など のゴミ 発電装置の設置作業の様子 導水管の設置作業の様子 塩ビパイプ φ200 取水枡 電柱の設置作業の様子 鋼管柱 送電線の設置作業の様子 送電線の設置作業は 電気工事業者に委託 発電装置の設置状況 2号機 (養殖池排水路) 総落差:約0.8m 発電電力:約150W 3号機(養殖池から約100mの距離) 総落差:約5m 発電電力:約1kW 導水式2台の発電状況 系統連系を行わない 自立運転の状況 電力(W) 1600 電力 1200 800 400 3号機−1 3号機−2 0 250 電圧 3号機-2 200 12 150 8 電流 100 4 50 13日間の測定結果 0 0 40 80 0 120 160 200 240 280 320 時間(h) 電流(A) 電圧(V) 3号機-1 電力会社との系統連系運転(H25~) 売電契約を行わない 系統連系 太陽光発電用 パワーコンディショナ 系統連系用 制御盤 系統連系運転の状況 平成25年8月(1ヶ月間) 買電メータ 売電メータ ○発電電力量: 約1,200 kWh / 月 【内訳】 ・管理棟での 消費電力量: 約 475 kWh / 月 ・余剰電力量: 約 725 kWh / 月 マイクロ水力発電の技術移転 当センターが得たマイクロ水力発電に関する 技術およびノウハウを県内企業に技術移転 【住 所】 鳥取県米子市高島28-1 【連絡先】 TEL:0859-27-1887 FAX:0859-37-2410 E-mail:j-micro@jpms.co.jp ご清聴ありがとうございました。 地方独立行政法人鳥取県産業技術センター ホームページアドレス http://www.tiit.or.jp/
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