ビジネスLIVE BUSINESS LIVE 41 中小企業基盤人材確保助成金を活用しよう 企業の事業拡大手法の一つとして、新分野への進出があげられるが、新分野で成功するために は、その分野の専門的な人材の確保も重要となってくる。ただ、専門的な人材を確保するとなる と人件費は企業にとって大きなコスト。そのための助成金が中小企業基盤人材確保助成金だ。 ●1人あたり140万円を助成 中小企業基盤人材確保助成金は、創業や異業 種進出に伴って、 経営基盤を強化する目的として「新 分野進出等基盤人材」 を新たに雇い入れた場合、 こ れら基盤人材の賃金相当額として一定額を助成す る制度。 1企業あたり5人までを限度として、一人あたり140 万円の助成を受けることができる。 基盤人材の条件は、事務的・技術的な業務の企 画・立案、指導を行うことができる専門的な知識や技 能を有する者で、 部下を指導・監督する業務に従事す る係長相当職以上のものでなければならない。 また、 事業主は基本的に年収350万円以上の賃金で雇用 しなければならない。 その上、 助成を受けるためには、 「中小企業におけ る労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のた めの雇用管理の改善の促進に関する法律」に基づ き、県知事から新分野進出等に係る改善計画の認 定を受ける必要もある。 ただ、 2011年度からは手続きが若干簡素化される ものの、対象分野が、新成長戦略で重点強化の対 象となっている健康や環境分野等に限定される予定 となっている。制度の詳細や変更予定の点などにつ いては、 独立行政法人雇用・能力開発機構沖縄セン ター那覇事務所(電話:098-862-3214) に問い合わせ をされたい。 (海邦総研経営企画部研究員/島田尚徳) (参考)新分野進出等に係る中小企業基盤人材確保助成金に係る手続きの流れ 沖 縄 県 4 VOL. 雇用・能力開発機構沖縄センター (那覇事務所) 決定 申請 認定 申請 認定 申請 助成金支給 支給申請 新分野進出等 基盤人材確保実施 計画の作成・提出 改善計画の作成・提出 中 小 企 業 者 ・基盤人材労働者雇入れ (5 人が上限) 実施計画期間(最大 1 年間) 6 ヶ月 ×2 回 雇用管理改善計画の認定期間(最大 5 年間) 海邦総研では、中小企業の人材育成等に関する最新情報を収集しています。ご相談はお気軽に! E-mail:research@kaiho-ri.jp 10 ベーカリー・ペストリーシェフ 伊東章氏 伝統を残すためにもずっと食べ続けてほしい。 その思いから新しい食べ方が生まれた。 連携パターン 商主導型 参入のきっかけ 田芋の地産地消の拡大の為 田芋パフェの原料となる田芋は、 ホテル 地元の宜野湾市大山産を使用。 県内外でもっと食べていただきたいし、伝統は残してい 宜野湾市のラグナガーデンホテルの田芋パフェをご かなくてはと考えました。ですから、新しい食べ方を提 存じだろうか。 1日20個限定で完売することも多い人気 案するこの田芋パフェが地産地消に少しでも役立てれ のスイーツだ。地元大山の特産物である田芋を使い、 ば更に嬉しいですね」 独自の工夫がうけて、観光客のみならず地元客にも需 伊東氏は常日頃から本土にはない沖縄の果物や食 要が高い。 材に関心を持ち、 それをどう調理しようか胸を踊らせて 田芋パフェはスポンジ、生クリーム、 田芋のペーストな いるという。田芋パフェも普段から素材に敬意を払って どを重ねた5層構造になっており、間にシリアルを挟むこ いる伊東氏ならではのアレンジが的を得たと言える。原 とで変化をつけた。ペーストはあえて淡白に仕上げ、田 料となる田芋はそれまではJAから仕入れていたが、田 芋の上品な甘さを活かすこと 芋スイーツの販売をきっかけに で素材の良さを引き出した。 地元農家と契約を結び、直接 様々な食感が楽しめ、 ボリュー 仕入れるようになった。 ムの割にあっさり食べきってし 「うちの田芋パフェが美味しい まう。 なるほど、幅広い年齢に のは素材が良いから。質の高 好評を博すわけだ。 い田芋を常時必要なだけ卸し 開発のきっかけは、宜野湾 てもらっています」 市商工会が市の特産品を作っ ラグナガーデンでは、今後 ていく試みとして開催した「田 の展開として那覇空港での販 左から田芋シュークリーム、田芋パフェ、 芋を使ったスイーツ・料理コンテンスト」 田 芋ロールケーキ。ホテルでしか手に 売を考えているそうだ。伊東氏は、 入らない人気商品だ。 だった。伊東氏が何度も試作品を作り 「今まで品質管理の問題で限られ ながら完成させ、出品し、見事グランプリを受賞した。期 た数しか販売できませんでしたが、専門の業者を入れ 間限定でホテルでも販売を始めたところ好評で、 レギュ て、お土産用の商品として改良を進めているところで ラー商品として定着した。 また、県内のスーパー主催の す。田芋は沖縄土産としても充分魅力がありますの 「オキナワスイーツプロジェクト」でも人気No1に輝いた。 で、 これを機にもっといろんな人に食べてもらえたら」 と ホテルには取り寄せを要望する声も届いているようだ。 顔をほころばせる。 ■1日限定20個、売り切れ必至の人気スイーツ 同ホテルのマーケティングを担当している宮里康伴 氏も口を添えた。 「田芋パフェを美味しいと言ってもらえると嬉しいです。 「今はまだ調整中で、時期も明確にはできませんが、 ホ 今、県内では田芋の消費量が減ってきており、私自身 テル監修として販売する予定です。 これまでも県内の ホテルの目の前の田芋畑が年々減っていくことが気に コンビニエンスストアと提携して商品を開発・販売した なっていましたし、 それを危惧した市長からもお話があ 実績がありますから、良い物を提供できると思います。 りました。田芋の食べ方が飽きられているということはあ 楽しみにしていて下さい」 るでしょうね。 でも田芋は沖縄独特の農作物ですから、 噂の田芋スイーツがいよいよ県外へ飛び出していく。 ■田芋パフェで地産地消に貢献したい 沖縄県『Smile 雇用支援制度のご案内』 より ※2011年度からは変更になる可能性があります。 《株式会社海邦総研》TEL:098-859-8700 FAX:098-859-7800 全日空ホテルズ ラグナガーデンホテル 〒900-0015 沖縄県那覇市久茂地 3-29-62-3F 11
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