第三回 プラチナビジネス塾 「三井物産のエネルギー戦略と私」 - 商社のエネルギー戦略と遂行者の人間力に学ぶ - June 24, 2009 環境―地球温暖化対策 ― 6 月 10 麻生首相 日本の CO2 排出量削減 中期目標(2020 年) 2005 年比 15%削減 ― 京都議定書(~2012 年):先進国のみの削減数値目標(排出量で世界の 30%をカバーしてい るのみ) ・EU ▲8%(対 1990 年比) ・日本 ▲6% ― 長期目標 条約の次期枠組 2007 年 ハイリゲンダム・サミット: 2050 年 温室効果ガス排出量半減を真剣に検 討 2008年 「北海道洞爺湖サミット首脳宣言」 2050 年迄に排出量の少なくとも 50%削減達成というビジョンをすべての国が 共有することを求める。 (原子力は温室効果ガス減少に不可欠) 2007 年 バリ・ロードマップ:2009 年末迄に 2013 年以降の国際枠組を合意 2009 年 12 月 7 日~18 日:COP15 ― CO2 排出量 世界 日本 1990 年 2007 年 2010 年 12.61 13.74 13.74 215 億トン 270 億トン 302 億トン (日本は 2007 年で 1990 年比プラス 9%の上昇)CO ― 中期目標議論: 発展途上国 15-30% 先進国全体 25-40% 削減(1990 年 or 2005 年対比) ― CO2 排出量 世界 日本 1990 年 215 億トン 12.61 2010 年 302 億トン 13.74 (日本は 2007 年で 1990 年比プラス 9%の上昇)CO ― 地球温暖化ガス削減の為の方策(IEA)2007 年 270 億トン → 2050 年 620 億トン これを 140 億トンにする方策 原子力 発電効率向上と燃料転換 産業部門転換部門の CCS 6% 7% 9% - 1 - 発電部門の炭素隔離貯蔵(CCS) 最終消費の燃料転換 最終消費の電力効率向上 再生可能エネルギー 最終消費の燃料効率向上 10% 11% 12% 21% 24% CO2 と CCS(Carbon Capture and Storage)の定量イメージ(情報ソース:機構変動に関する政 府間パネル報告書(2005/2006 年)、 (財)地球環境産業技術研究機構(RITE)報告書(2006) ・世界の人為起源温室効果ガス排出量 約 490 億 t-CO2(CO2 換算) ・うち、CO2 排出量 約 380 億 t-CO2 ・一年に海洋が吸収する CO2 量 約 ・うち、化石燃料由来 CO2 排出量 ・一年に森林が吸収する CO2 量 ・従い一年に大気中に残留する CO2 量は、 約 280 億 t-CO2 59 億 t-CO2 約 110 億 t-CO2 約 211 億 t-CO2 (現在の大気の CO2 累積濃度は、約 379ppm。産業革命前の同濃度は約 280ppm) ・世界全体の CO2 貯留可能容量 従い世界の CO2 貯留容量は 約 2 兆 t-CO2(海洋を含めず) 約 71 年分 ・日本の CO2 貯留可能容量 約 1,500 億 t-CO2 ・従い、日本の CO2 貯留容量は、 約 ・日本の CO2 排出量 13 億 t-CO2 約 115 年分 - 2 - 原子燃料 ― 原子燃料サイクル:ウラン鉱石の採掘から燃料加工、発電、再処理、放射性廃棄物 処理処分までの一連の流れ ― ― プルサーマルと MOX 燃料:再処理により回収されたプルトニウムとウランを混ぜた MOX 燃料(混合酸化物燃料)に加工し、軽水炉で利用することをプルサーマルという。 世界の原子力発電(世界原子力協会(WNA)2009 年 5 月データ) 運転中 430 基 367GW(発電・電力量の 16% ‘07 年) 建設・計画中 161 基 168GW ・ 原発保有国 30 ヵ国 101.1 基数 104 建設・計画 46.2 59 53 2 15 発電容量(GW) 米国 仏 日本 中国 露 韓国 印度 63.5 12 8.6 11 45 17.7 20 12 21.7 31 3.8 17 16 16 各種電源の発電量当たりの CO2 排出量 (電力中央研究所、ライフサイクル CO2 排出量(g-CO2/kwh) ) 及び発電単価(円/kwh:総合資源エネルギー電気事業分科会 2004 年) CO2 排出量 石炭 石油 天然ガス 975 742 608 (天然ガス複合) (519) 原子力 水力 地熱 太陽光 風力 22~25 発電単価(円/kwh) 5~6.5 10~17.3 5.8~7.1 4.8~6.2 11 8.2~13.3 53 - 15 29 - 10~14 - 3 - 石 炭 ― 他の化石燃料に比べ埋蔵量が豊富 ― 可採埋蔵量 約一兆トン(亜瀝青炭、褐炭を含む)160-200 年分 ― カロリー当りの単価が安い:石炭・ガス・石油 1:2:3 ― ― ― 地産地消 2007 年世界生産量約 54 億トン 国際貿易量約 8 億トン(約 15%) 2015 年生産・消費とも 16 億トン増加 70 億トン規模 生産量・消費量とも中国・米国・インドで約 3/4 2007年 2015 年 供給/消費 供給/消費 2,527/2,506 3,321/3,247 インド 410/466 622/837 豪州 319/72 中国 米国 1,048/1,040 1,048/1,058 215 の輸入必要 508/107 インドネシア 214/38 日本 (百万トン) 310/100 -/180 -/181 日本の石炭火力:高効率(41.6%)3,700 万 KW 規模は中国の 1/10、米国の 1/8、印度の ― 1/2、独と略同じ ― 当社の石炭権益:J/V 年間生産量 権益見合分(百万トン/年) 一般炭 原料炭 計 14 21 35 2.4 6.7 9.1 - 4 - 石油・天然ガス 全世界生産量(石油換算) :日量 132 百万バーレル 内 原油 85 百万 バーレル 天然ガス 2,940bcm(10 億立方メートル) 埋蔵量 原油(10 億バーレル) 天然ガス(兆立方フィート) 中東 ロシア圏 アジア・オセアニア 北米 中南米 アフリカ 上流業界規模(兆円) 石油・ガス 石炭 ウラン 鉄鋼石 銅 755 2,585 41 511 144 2,098 69 288 111 273 118 515 175 30 0.3 10 6 生産シェア 国営石油会社(OPEC 加盟) 28% (ARAMCO,NIOC,KPC,ADNOC,QP etc) 石油・メジャー 13% (EM, BP, Chevron, Shell etc) 国営石油会社(非 OPEC 加盟) 27% (GAZPROM,PETROBRAS,PETROCHINA etc) その他 32% Platt’s Top250 (2008 年 12 年)(総資産、売上高、利益 ROI) 1.Exxon Mobil 2.Royal Dutch Shell 3.Total 4.Chevron 5.BP 6.Rosneft 7.ENI 8. Statoil 9.PetroChina 10.Gazprom ---------------84. Inpex(国際石油開発) - 5 - ― 本邦企業の原油・ガス生産量/埋蔵量 生産量(千バーレル/日) 埋蔵量(百万バーレル) Inpex 405 4,774 新日本石油開発 126 669 当社 156 1,360 当社の権益:豪州、NZ、タイ、ベトナム、カンボジア、オマーン、米国、等 - 6 - LNG ― 世界の一次エネルギーに占める天然ガスの割合は、24% (BP 統計) ― 2007 年世界一次エネルギー消費は石油換算で 11,099 百万トン(81,023 百万バーレル) ― 石油 35%, 天然ガス 24%, 石炭 29%, 原子力 6%, 水力 6% 天然ガス消費 石油換算 2,637 百万トン、LNG 換算 2,133 百万トン 地域別消費 北米 27%, 中南米 5%, 欧州・ユーラシア 40%, 中東 10%, アフリカ 3%, アジア・大洋州 15% ― 天然ガス消費量 LNG 換算 2,133 百万トンのうち LNG は 165 百万トン(8%)で残り はパイプラインガス。 地域別 LNG 消費 北米 11%, 韓国 15%,台湾 5% 特徴 長期引取契約 但し 欧州 24%, 中国 2%, インド 4%, 日本 39%, 2007 年のスポット取引は 20% 需要見通し:165 百万トン(2007 年) ---------384 百万トン(2020 年) 約 2 億トンの増加 (アジア、英国、仏、独、伊、等) ― 当社の関与する LNG プロジェクト アブダビ(550 万トン/15%)、西豪州(1,600 万トン/8.3%)、カタールガス1(960 万トン /7.5%) オマーン(1,030/2.8%)、赤道ギニア(340 万トン/8.5%)、サハリン II(960 万トン/12.5%) カタールガス 3、タングー - 7 - サハリン II プロジェクト 1986年 1991 年 6月 当社・マクダーモット社共同作業開始 同 9月 Shell 参画 1992 年 3月 同 12 月 同 1994 年 1996 年 1997 年 同 1999 年 2000 年 2003 年 S-II PA, L 鉱区両鉱区の入札発表 S-II FS 契約調印(当社・マクダーモット・マラソン連合) 4月 三菱商事参画 6月 5月 生産分与契約(PSA)調印 4月 12 月 マクダーモット社撤退 7月 12 月 原油生産開始 5月 Sakhalin Energy Investment 社設立 PSA に基づく開発ライセンス取得 PA 開発宣言 マラソン社撤退―Shell 社への株譲渡 PA, L 開発宣言 LNG引取り契約(東電・東ガス・九電・東邦ガス・韓国ガス・広島ガス 2007 年 2008 年 2009 年 4月 12 月 3月 東北電力・西部ガス・中部電力・大阪ガス)33 ガスプロム正式参画 原油通年出荷開始 LNG 第一船出荷 - 8 -
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