記事を読む 「実効性あるPSC対策で、検船前・中・後」と船舶をサポート」

ブース No.
リスカジャパン株式会社
1G-23
実効性あるPSC対策で、検船前・中・後と
船舶をサポート
2013 年末時点で、約 3930 隻・1 億 3300 万総トンの船籍登録で世界第 2 位の
リベリア共和国。その登録業務を担うのが LISCR LLC(本部・米国バージニア
州)だ。2007 年からはリスカジャパン(東京)が極東地域のサービス拠点とし
て稼働しており、本部と同等の「Owner Friendly」なきめ細いサービスを提供
している。リスカのサービスでいま注目を集めているのが実効性のある PSC
対策だ。船舶の安全かつ円滑な運航を全面的にサポートする。
対PSCアクションおよびアピール結果
(2011~2013)
年間延べ 17,000 隻以上の船舶からの事前通知
不成功事例
12%
ペンディング
14%
入港前チェックリストを延べ100隻に対して発行
寄港前に船内の問題を発見
Detention項目となりえる不具合に対し、
Dispensation LetterをPSC検査前に発給し、
Detentionを阻止
(早期)
年次/特別安全検査
入港前に実施
旗国検査官がPSC検査に立ち会い、
Detentionを阻止
成功事例
74%
約証書の発給を通じて船舶の安全運
全MoUからホワイトリスト評価
リベリア船籍は
「最高品質旗国」
としての
地位を維持
方、旗国の監督が不十分で条約等の
■検船後のアクション・アピール
成功率は 74%
基準を満たしていない船舶に対す
加えて、PSC 検船後のフォローも
究極とも言えるサポート体制を用意
きる。
る、入港される寄港国の権利として
航を担保する役割がある。その一
The QUALISHIP 21 program資格維持
怠らない。例えば本船に非はなかっ
している」
(リスカジャパン・岡本武・
専用のポータルサイトも用意して
PSC が登場した。
たはずだが条約解釈上の違いなどで
取締役社長)と自信を見せる。
おり、証書は ID 管理されているた
自国登録船籍の安全性や環境対策
欠陥とみなされた場合、事後でも旗
■ “ 予防は治療に勝る ”PSC 対策
て非常にきめ細かく、船側・船主側
について「旗国が責任を持って対処
国として PSC 側に申し入れをする。
PSC(Port State Control:外国船
にとって心強い、実効性の伴った
する」ことがわかれば、PSC 側も理
舶監督)は、旗国ではなく、寄港国
PSC 対策を独自に提供している。
側がその船舶を検査する権利であ
PSC Detention 防止策 2012年の成果
め、その電子証書が本物かどうかを
誰であってもすぐに基データと照合
PSC 検査官が自分の判断を絶対に
■電子証書の発給で、
書類は常に適切に管理
解を示すことがほとんどだ。旗国の
曲げないケースもあるが、間違いを
旗国の発給する証書は、
国籍証書、
なお、
「PSC 等でこの電子証書が
責任として、PSC に対して万全な事
認めて修正することもある。左記の
無線証書、Bunker 証書等があるが、
問題となったケースはほとんどな
前対策を取っている。
PSC 検船中の対応を含め、これまで
これらのうち書き換えが必要なもの
い」
(岡本社長)という。
リスカの対 PSC アクション・アピー
は、本船にハードコピーとして適切
同 社 の モ ッ ト ー は「 O w n e r
ルの成功率は 74%と 8 割に迫る勢い
な時期に確実に届くことは必須で
Friendly」。船側の要請には文字通
だ(上図)
。
ある。
り 24 時間体制で対応する。リスカ
することができる。
条約上一定の基準に達しない「サ
■運航状況は 24 時間モニター、
PSC の可能性を事前に連絡
ブスタンダード船」を見極めること
リスカ本部では、LRIT というシ
で、安全な航海、環境配慮、船員の
ステムを通じ、全世界で運航するリ
■ PSC 検船中でも、
旗国検査官をただちに派遣
労働・居住環境を守るのが目的だ。
ベリア籍船の状況を 24 時間モニタ
リスカは PSC 検船中にも機敏に
またこうした取り組みから、リ
リスカではこうした書類を電子証
ジ ャ パ ン で は 極 東 の 拠 点 と し て、
通常、検船の対象となる船舶は各国
リングしている。
対応する機動力を持つ。
ベリア共和国は旗国として全 MoU
書として発給しており、仮に本証書
PSC のみならず、今後も船舶側のき
の当局側から任意で選ばれる。事前
本部では常にこの情報を把握して
例えば、PSC 側と船員側とのミス
からホワイトリストに評価されて
が手元に届かなかったとしても本
め細かなサービスを提供していく考
通告がないまま検船を受けなければ
おり、指定する PSC 域内(米国、パ
コミュニケーションが原因で不具合
いる。「旗国として PSC に関しては
船でプリントアウトすることがで
えだ。
ならない。
リ MoU、豪州、中国)に入る本船に
箇所が「欠陥」と判断されることが
船舶側が、“ できるなら PSC を避
対して、PSC 検船の可能性を事前に
ある。こうした場合、船主の要請の
けたい ” と欲するのは、運航計画が
調査・通知するサービスを構築して
もと、リスカでは旗国検査員を本船
狂う可能性があるためだ。重大な
いる。なぜこの 4 域内かと言えば、
にすぐに派遣し、PSC の検査官と船
PSC が最も厳しいためだ。
側との橋渡しをする。
り、制度と言える。
「欠陥」
(Deficiency)を指摘されれ
ば、その箇所が是正されるまで船舶
リスカでは本船の船齢や過去の履
こんな事例がある。あるリベリア
は 港 で「 拘 留 」
(Detention)さ れ る
歴などの情報をもとに独自にリスク
籍船が米国五大湖に入ろうとしてい
ことになりかねない。
評 価 を 実 施。 入 港 前 に、PSC 検 船
た。米国でPSCを実施するUSCG
(米
そこでリスカでは、「予防は治療
の可能性を船舶管理会社の責任者
国沿岸警備隊)は、淡水に対する満
に勝る」との考え方から、旗国とし
(DPA)に知らせる。
載喫水を超えている(積載超過)と
必要であれば「入港前チェックリ
判断しそうになった。条約に満足し
スト」を送付し、責任者に不具合の
ていることを船員たちは上手く伝え
箇所を調べるよう促す。船内に何ら
られない。
かの不具合が発見された場合、本船
そこで旗国検査員がただちに本船
からの連絡を受けたのち、旗国とし
に急行し、PSC 検査官に本船の状況
てその対応をまとめ、保護する「レ
を説明したところ、理解を得られて
ター」(Dispensation)を数時間内に
拘留を免れたという。なお、リスカ
発給する。
では世界各地の主要港に350人の旗国
旗国には、旗国としての検査や条
検査員を常にスタンバイさせている。
海事基礎知識
旗国(Flag)と船級(Class)の違いはどこ?
「旗国」と「船級」の違いは混乱しが
可欠だ。
提携を結んでいる。RO として、Class
ちだ。この混乱は、両者の原則論と実
旗国も船級も、船の安全と環境保全
NK はリスカの緊急時の業務を代行で
態論が整理されていないために起こり
を念頭に検査する点は同じだが、その
き、お互いの役割分担を明確にしつつ
やすい。
法規則は原則として異なる。
も、船主にとっては一本化したサービ
航海する船舶は国籍(旗国)を持つ。
しかし、両者の役割は時代とともに
スが提供できる。リスカジャパンで
登録された船舶は旗国の立法や司法に
重なる部分が多くなっている。例え
は、こうした時代の流れに即した旗
従う。つまり「旗国主義」である。旗
ば、船級協会は、旗国との協定締結の
国の在り方を常に追求している。
国はその国の海事法や規則に則って船
もと、その代行機関(RO)として本来
舶を検査・登録し、国籍証書や条約証
旗国がやるべき検査も手掛けることが
書を発給する。
できる。このため、旗国と船級は個々
一方、船級協会は長い歴史を持ち、
に責任を明確にしつつも、船主と一体
独自に制定した船級規則に従って船舶
になって船舶の安全運航と財産保全を
の構造や設備について格付けをして、
図る時代に入っている。
その船舶の品質を保証する。船級付与
リスカジャパンでは 2011 年 10 月か
は保険会社が保険料を設定する際に不
ら日本海事協会(Class NK)と戦略的
LISCR と ClassNK の調印式
リスカジャパン株式会社(リベリア国際船籍・会社登録)
〒105-0014 東京都港区芝3-6-9 芝公園プラザビル4階
Tel : 03-5419-7001 Fax : 03-5419-7002
Email : info@liscr-japan.com HP : www.liscr-j.com
©月刊誌「 KAIUN」2014 年 4 月号