通貨換算システム

我が国企業における
グローバル・キャッシュ・マネジメントの取組み
-企業財務の現状と課題-
平成28年5月11日
経済産業省経済産業政策局
産業資金課 植木貴之
目次
1.グローバル・キャッシュ・マネジメント(GCM)
の意義
2.我が国企業における取組みの現状
-平成26・27年度アンケート調査結果より
3.財務・資金管理の高度化に向けて
1.グローバル・キャッシュ・マネジメント
(GCM)の意義
グローバルキャッシュマネジメント(GCM)とは
 グローバル キャッシュ マネジメント(GCM)とは、企業が戦略を実行し、事業を持続的
に遂行するための基盤となる取り組み
GCMの具体的な内容
資金効率の最大化
財務リスクの最小化
グループ内の資金を最大限に有効
活用し、資金の偏在から生ずる不要な外
部調達を低減することにより、資金効率
を最大化する
市場リスク(為替・金利等)および信用
リスクを視える化し、潜在的なリスクを含
めて把握することで、財務リスクを最小化
する
グループキャッシュマネジメントの
構築・活用による外部借入の削減、及
びグループ内再投資の推進
進出先国の外為規制、源泉税、
各種手数料等を考慮した、
資金ストラクチャーの設計・構築等
GCMの
目的
リスク発生箇所を特定し、集中管理を
可能にするための商流の見直しやプロセ
スの標準・集約化
為替、金利をはじめとするエクスポー
ジャーの管理、ヘッジ策の実行等
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
3
なぜ、GCMに取組むのか①
 グローバル財務戦略研究会(2005年)にて、財務戦略における環境変化と課題を整理
 諸課題に対する対応の一つとして、GCM高度化の必要性を指摘。
 その後、環境変化は加速し、複雑化。更なる対応が求められているのではないか。
<環境変化>
1.連結会計・納税
1.連結会計・納税
制度の導入
制度の導入
財務戦略を取り巻く環境変化のイメージ
グループ経営の重
グループ経営の重
要性の増大
要性の増大
グループ内資金・資
グループ内資金・資
産の有効活用
産の有効活用
連結配当性向の高
連結配当性向の高
まり
まり
親会社への資金集
親会社への資金集
中の要請
中の要請
拠点規模の増大
拠点規模の増大
現地資金量の増大
現地資金量の増大
非日系企業との取
非日系企業との取
引の増大
引の増大
為替リスクの増大
為替リスクの増大
他国通貨資産の保
他国通貨資産の保
有量の増大
有量の増大
信用リスクの増大
信用リスクの増大
2.輸出から内販へ
2.輸出から内販へ
(例:中国)
(例:中国)
3.多拠点展開
3.多拠点展開
<求められる金融サービス>
グローバル・キャッ
グローバル・キャッ
シュ・マネジメント
シュ・マネジメント
現地資本市場の整
現地資本市場の整
備(アジア債券)
備(アジア債券)
リスクマネジメント
リスクマネジメント
手法の多様化
手法の多様化
債権流動化、ファク
債権流動化、ファク
タリング等の導入
タリング等の導入
4.東アジア諸国
4.東アジア諸国
の経済成長
の経済成長
地場企業等との競
地場企業等との競
合
合
コスト削減の要請
コスト削減の要請
(出所)経済産業省グローバル財務戦略研究会報告書「グローバル財務戦略の高度化に向けて」(2005年8月)
4
なぜ、GCMに取組むのか②
 会計制度・ビジネスのグローバル展開・国内会社法制といった観点からも、海外子会社
を含んだ企業グループの資金効率向上・財務ガバナンス強化が求められるように。
平成26年改正会社法
・多重代表訴訟制度
グローバル化
(海外M&A) ・内部統制システムの法律事項化
• 為替管理
連結決算制度
• 税制対応
本格導入
• カントリーリスク
(2000年)
為替レートの変動が海外子会社の
B/Sに影響を与え、連結決算
全体に影響
5
GCMの役割① 平時-企業価値向上への攻防両面のインフラ
 持続的な企業価値向上には、財務面での戦略とオペレーションの高度化が必要
 GCMは、平時には、企業価値の向上に向けた戦略立案・実行への攻防両面での基盤
整備に繋がる
攻め
資金予測の
高度化
・資金情報の活用
資金管理に関する機能
(プーリング・ネッティング等)
GCM
資金の見える化
グループ全体の
流動性・為替・金利
のエクスポージャーを
明らかに
GCMの基本的な機
能として認識されている
もの
守り
海外子会社への
ガバナンス強化
資金の現状、全体
像を踏まえた判断が
可能に
・債権債務の処理
有利子負債圧縮
投資判断の意思
決定高度化
投資判断原資の
最大化
支払金利削減
財務リスクの
把握・制御
・資金管理権限・責任
の明確化
・入手金や規制対応に
ついての監督
不正リスクの
予防
6
GCMの役割② 有事-影響の把握と最小化へのツール
 グループ内で有事が発生した際にも、 GCM体制を活用することで、影響を把握・予測し
ながら適切な対応を検討することが可能
1.Liquidity
(流動性)
クレジット
クランチ
5.Internal Control
(内部統制)
GCM
体制
2.Market
(市場)
不正による
損失
4.RegulatoryCompliance
(規制対応)
規制違反
為替の急変
3.Credit
(信用)
回収不能
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
7
企業財務におけるGCM -”トレジャリー“としての財務
 資金管理・金融機関対応だけでなく、規制対応、リスクマネジメントなども視野に。
 近時の環境変化に伴い、企業財務部門のトレジャリーとしての役割はより重要に。
規制
対応
資金管理
リスク
管理
トレジャリー
税務
金融機関
対応
8
会計、トレジャリー、コーポレートファイナンス
 会計、トレジャリー、コーポレートファイナンスは、対象、目的・手法等が異なる。
会計
トレジャリー
コーポレートファ
イナンス
対象時期
担当部門
目的・手法
過去
経理部門
発生主義
ルール(会社法、金商法等)に従った記録
半年~1年
財務部門
(経理と混在?)
現金主義
リスク・時間的価値を踏まえた経営的判断
資金の現状把握・今後予測とシナリオ策定
CFOスタッフ部門
総合企画部等
リスク・時間的価値を踏まえた経営的判断
資本コスト、投資効率とリターンに重点
(日次・月次)
2年~10年
現金主義 企業の実際の活動に関係なく、キャッシュの動きに基づいて収益や費用を集計する考え方
発生主義 企業の実際の活動に基づいて、キャッシュの動きにこだわらずに売上や費用を集計する考え方

参考1 キャッシュフロー計算書
–

過年度の一定期間の現金と預貯金の流れを記録したもの
参考2 経理と財務
–
経理 業務で発生した金銭の記録を行う
–
財務 資金の有効利用とリスク管理という戦略的な意思決定を行う
9
(参考)GCMの仕組みについて
 キャッシュマネジメント:グループ内資金を可能な限り有効活用する企業財務活動。
 CMS(Cash Management System):キャッシュマネジメントに関する財務活動をIT
技術等を駆使してシステム的に構築。
基本機能は①プーリング ②ネッティング ③支払集中管理 ④集中的な資金運用・調達。
 GCMS(Global CMS):国境を越えた資金移動を対象とするCMS。
GCMの仕組み(イメージ図)
• 低コスト資金調達
• 為替リスク低減
日本
国内子会社
資金供給
市場(社債・CP)
• 有利負債圧縮
• 金利負担軽減
資金吸収
本社
銀行
欧州
アジア
北米
ロンドン等
シンガポール等
ニューヨーク等
資金吸収
資金供給
現地子会社
資金吸収
資金供給
現地子会社
資金吸収
資金供給
現地子会社
10
(参考)キャッシュマネジメントの内容①
プーリング
•連結企業の資金管理を一元化させ、余剰資金のある企業から、資金不足の企業へ融通
•連結全体での有利子負債の圧縮
•総資産圧縮による資金調達・運用の効率化
ネッティング
•一定期間の連結会社間の債権債務を相殺して差額決済
•銀行へ支払う手数料削減
•対銀行に対する量的な拡大で手数料の支払金額を下げる交渉
•事務手続の集中化による業務効率化
支払代行
•グループ会社の本社又はそれに変わる金融子会社(インハウスバンク)がグループ各社に代わって、グループ各社の
取引先へ代金支払や従業員の給与支払を代行
•グループ企業の事務の合理化
•対金融機関の交渉力強化
 現状の資金ステータスの把握、有利子負債の圧縮等が中心
11
(参考)キャッシュマネジメントの内容②
半年先、1年先の資金予測(資金需要等の意思決定支援)
• グループ会社各社の売上計画
• 運転資本管理
• キャッシュフロー等の予測
資金に関係するリスクマネジメント
• 流動性リスク
• 為替リスク
• 金利リスク etc
グループ企業経営者による資金情報の共有と活用
• 情報共有の仕組み
• 経営レベル(CFO等)による活用
12
2.我が国企業における取組みの現状
-平成26・27年度アンケート調査結果より
GCMに関するアンケートの概要(平成26年度)
名称
 GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等(経産省委託事業)
実施対象
 東証1部・2部の中から選定した対象企業約2,200社(金融機関を除く)
実施期間
 2014年10月14日~11月14日
回答数
企業内部
調査項目
 442社(回答率:19.6%)
区分
ビジネスの状況
アンケート項目
• 業種、売上規模、海外売上比率、子会社数 等
GCMのスキーム
• GCMのスキーム(プーリング・ネッティング等)状況 等
組織体制
ルール・ポリシー
• 財務人員数、機能軸レポートラインの有無 等
• GCMポリシーの有無、グループへの展開状況 等
プロセス・システム
• モニタリング頻度・対象、システム利用状況 等
銀行取引
• 銀行取引の管理方針、銀行へのスタンス 等
外部環境
人材
• 教育制度、採用 等
金融機関
• 利用状況、利用上の課題 等
ITベンダー
• 利用状況、利用上の課題 等
規制・政策
• 規制の把握状況、規制・政策に関する課題 等
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
14
(参考)回答企業のプロファイル(平成26年度)
 売上高・業種とも幅広い層から回答。
140
売上高
(全回答社数442社のうち有効回答社数432社)
50
130
業種
(全回答社数442社のうち有効回答社数437社)
47
45
120
42
42
40
80
61
60
64
42
25
30
25
売上高
10兆円超
10兆円以下
6 7 7
5兆円以下
3
4兆円以下
2兆円以下
1兆円以下
5 7 3
2
3兆円以下
9
25
24
21
5
19
18
20
10
9,000億円以下
6,000億円以下
4,000億円以下
3,000億円以下
2,000億円以下
1,000億円以下
500億円以下
5,000億円以下
14 13
20
30
15
27
8,000億円以下
32
7,000億円以下
40
0
33
35
回答企業数
回答企業数
100
9
4
6
8
5
11
10
10
7
12
10
8
5
6
0
業種
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
*売上高や業種が全回答社数より少ないのは、企業名未回答企業や、今年度上場のために過去売上高未公表の企業が存在するため
15
財務戦略に関するアンケートの概要(平成27年度)
名称
 グローバル財務戦略に関する実態調査(経産省委託事業)
実施対象
 東洋経済「海外進出企業総覧」約4,700社より選定した企業約2,500社
実施期間
 2015年9月1日~10月31日
回答数
 656社(回答率:26.2%)
アンケートの実施目的
調査目的・項目
日本企業が適切にリスクテイクしな
がら、イノベーティブな活動していくこ
とを促進し、
持続的な収益力確保を果たしてい
くために、企業財務のあり方はどのよ
うに変化すべきか
グローバル展開する日本企業が、グ
ループの為替・金利・流動性リスクを
適切に管理していくためには、どのよ
うな体制・方法が望ましいか
調査項目
調査内容
①事業戦略上の課
題について
 企業における経営指標に係る考え方
②資本構成の最適
化
 企業における資本効率に係る考え方
 リスクマネジメント(リスク選好)と資本バッファの考え方・課
題
 リスクファイナンス
③(資本効率目標
実現のための)財
務予測・管理のあり
方
 資本効率目標を現場に落としこむための財務管理
 財務予測に係る取組状況と課題
 ビッグデータによる上記取組の可能性
④グローバル財務・
資金管理の強化
 グローバルレベルでの財務リスク(流動性・為替・金利)保
有状況とリスク認識に係る企業の取組実態と課題
 リスク管理方針の策定状況・ヘッジに係るグローバル体制の
実態と課題
(出所)NTTデータ経営研究所『平成27年度総合調査研究「グローバル財務戦略に関する調査研究」報告書』(経済産業省委託事業)
16
(参考)平成27年度アンケート(速報版)回答者プロファイル
 平成27年度総合調査研究(グローバル財務戦略に関する調査研究)
【受託者 NTTデータ経営研究所】
 有効回答656社(製造業390社、非製造業245社、金融業19社、無回答2社)
–
製造業・・・電気機器・機械・化学・輸送用機器が約6割
Ÿ
–
非製造業・・・卸売が圧倒的に多い他、サービス・情報通信・建設が多く、全体の7割強
回答企業の売上規模
4.~1兆円
未満
7%
海外売上高比率
5. 70%以上
9%
5.1兆円以
上
11%
3.~5,000億
円未満
25%
無回答
3%
売上地域別割合(連結)
その他地域
2%
欧州
4%
1.~300 億
円未満
31%
2.~1,000億
円未満
26%
中国
7%
4. 50%以上
70%未満
13%
1. 10%未満
36%
3. 30%以上
50%未満
20%
米州
7%
アジア
11%
2. 10%以上
30%未満
19%
(出所)NTTデータ経営研究所『平成27年度総合調査研究「グローバル財務戦略に関する調査研究」報告書』(経済産業省委託事業)
日本
69%
17
(1)GCMの導入・活用状況
CMSの導入状況
 CMSを導入している企業は約半数。
 有効回答数の約4分の1(CMS導入企業の半分)は国内のみCMSを導入。
 地域毎・地域間を含め、海外でCMSを利用している企業は有効回答数の約4分の1
(CMS導入企業の半分)。
25社, 6%
13社, 3%
回答社数,%
単一回答、n=438
1:グループで統一的なCMSを導入
63社, 14%
2:地域間にまたがるCMSを導入
3:地域毎にCMSを導入
236社, 54%
101社, 23%
4:日本国内のみでCMSを導入
5:CMSを導入していない
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
19
CMSの導入状況の分布
海外子会社数(n=418)
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
 海外売上高比率20~30%程度を境にCMS導
入率が50%を超える
CMS導入率
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
海外売上高比率
海外子会社数
海外展開地域数(n=438)
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
 売上高が2,000億円を超えるとCMS導入率が
50%を超える
100%
80%
60%
40%
展開地域数
10兆円超
10兆円以下
5兆円以下
4兆円以下
3兆円以下
2兆円以下
1兆円以下
9,000億円以下
5地域
8,000億円以下
4地域
7,000億円以下
3地域
5,000億円以下
2地域
4,000億円以下
1地域
3,000億円以下
0地域
2,000億円以下
0%
1,000億円以下
20%
500億円以下
CMS導入率
CMS導入率
 海外展開地域が3地域を超えるとCMS導入率が
50%を超える
売上高(n=432)
6,000億円以下
CMS導入率
 海外子会社数が21~40社を超えるとCMS導入
率が50%を超える
海外売上高比率(n=423)
売上高
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
20
導入時期別で見たCMSの導入状況
 2000年代初期において、邦銀が国内CMSサービスを大々的に開始したのに伴い、日
本国内での導入が飛躍的に伸びた。
 2010年代に入り、日本企業の進出拡大に伴い、規制が多いアジアや中国においても
管理ニーズが高まり、CMSの導入が進んだ。また、同時に、グローバル全体の管理を構
想する企業により、CMSを一元管理のツールとしての利用する動きが出始めている。
CMSを導入した時期(単一回答:CMS導入企業198社のうち190社が回答)
160
グローバル/地域間
日本
120
欧州
80
60
40
19
0 1 0 0 2 2
1990年以前
3
6
1 0 3
1990年代
11
16
14
米州
(社数)
2000年代に
国内CMSの
普及が進む
100
0
中国
135
140
20
アジア
2000年以降
海外CMSの
普及は徐々に
30
2000年代
22
20 20 19 23
13 12
2010年代
1990年
以前
1990年代 2000年代 2010年代
グローバル/地
域間
0%
10%
35%
55%
日本
1%
12%
76%
12%
アジア
0%
3%
42%
55%
中国
0%
0%
43%
57%
欧州
5%
7%
59%
30%
米州
5%
15%
54%
26%
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
21
CMSの提供元(地域別)
 日本では、邦銀CMSの利用が圧倒的多数。
 中国及び他のアジアにおいても邦銀のサービス提供割合が多数を占める。
 米州・欧州においては、邦銀・外銀のCMS利用は半々である。
CMSの提供元(複数回答可:CMS導入企業198社のうち194社が回答)
(社数)
構成比率比較
米州・欧州においては、外銀のCMSを利用し
ている割合が相応に多い。
日本では、邦銀CMSの利用が多数。
中国・アジアでも邦銀のサービス提供は進んで
いる。
米州
26
23
欧州
ベンダーを利用している
割合は少数にとどまる。
29
33
中国
邦銀CMS
外銀CMS
5
38
日系ベンダーCMS
アジア
外資ベンダーCMS
8
35
ERPのモジュール
日本
2
178
グローバル/地域間
14
25
0%
20%
自社開発
40%
60%
80%
100%
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
22
(参考)CMSの提供元(非日系企業)
 非日系グローバル企業のCMS提供元は、システムベンダー大手8社の割合が最多。
 銀行CMSの利用は「その他」に含まれ、その割合は2~5割程度。
100%
90%
80%
非日系グローバル企業約100社のCMS提供元
11%
14%
23%
70%
34%
10%
31%
3%
17%
9%
その他
34%
38%
60%
大手8社
50%
50%




自社開発


40%
30%
66%
63%
45%
41%
その他
20%
59%
コモディティリスク
52%


Treasury
Sun Gard
Quantum
Wall Street
Systems
Wall Street
Systems Suite
Oracle/Peoplesoft
Treasury
Kyriba
Reval
10%
銀行管理
投資、負債管理
為替リスク管理
キャッシュマネジメント
0%
出典:Deloitte Development LLC.が2014年11月にグローバル企業約100社(9割以上が売上高1兆円以上の企業であり、日本企業は含まれていない)
に対して実施したアンケート結果を基にデロイト トーマツ コンサルティングが作成
23
CMSの提供元(地域/売上区分/提供者別)
CMSの選択(提供者別)
地域
グローバ
ル
日本
アジア
中国
欧州
米州
売上区分
邦銀
外銀
1,000億未満
10
0
5,000億未満
4
0
5,000億以上
11
1,000億未満
日系
ベンダー
0
外資
ベンダー
ERP
(社数)
自社
開発
0
0
0
0
0
0
0
14
0
1
0
1
37
0
0
0
0
1
5,000億未満
59
0
1
0
0
0
5,000億以上
79
2
1
1
1
4
1,000億未満
8
0
0
0
0
0
5,000億未満
8
0
0
0
0
0
5,000億以上
19
8
0
2
0
0
1,000億未満
5
0
0
0
0
0
5,000億未満
8
0
0
0
0
0
5,000億以上
25
5
0
2
0
0
1,000億未満
1
0
0
0
0
0
5,000億未満
11
2
0
0
0
0
5,000億以上
21
27
0
2
1
0
1,000億未満
2
0
0
0
0
0
5,000億未満
9
1
0
0
0
0
5,000億以上
12
25
0
1
1
0
 各地域において多くの企業が邦銀の
CMSを利用(一部の地域では外銀の
利用も見られる)
• なお、分科会等では、邦銀は日本語での対
応等人的フォローでは優れているものの、シ
ステムの機能面は外銀の方が優位であると
いう意見が多かった
 外銀CMSを利用している企業は概ね売
上高5,000億円以上の企業
 システムベンダーのCMSを利用して
いる企業は非常に少数
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
24
SWIFT加盟事業法人数の推移
 SWIFT加盟事業法人数はグローバルで増加傾向
 グローバルでは、SWIFT加盟事業法人の売上高は幅広く分布。
1600
加盟事業法人数の推移
加盟事業法人の
売上高別構成比
日本企業
2014年・・・ 4社
2015年・・・10社
2016年・・ ・ 5社
1400
1200
1000
(4月末現在)
800
600
400
200
0
1999 2000 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
米州
アジア太平洋
欧州・アフリカ・中東
(出所)スイフト・ジャパン株式会社(加盟事業法人数の推移のグラフのうち2015年は10月末時点の数値)
25
CMSの導入目的・背景
 CMS導入の目的・効果は、一義的には「コストの低減」(1)、「業務効率の改善」(2)
 グローバル経営下においては、「グループガバナンス」(4)や「リスク管理」(5)も重要な目
的・効果となり得るが、まだ主たるものにはなっていない
 また、「銀行とのリレーション強化」(7)を目的・効果と考えている企業も一定数存在している
 CMSの導入目的・効果(複数回答可)(CMS導入企業198社のうち197社が回答)
180
166
(社数)
167
162
154
93
69
80
-20
64
85
24 37
913
1
2
CMS導入の効果
<選択肢>
130
30
CMS導入の目的
3
02
4
5
6
7
12
33
8
9
1資金に関するコストの低減
2資金管理に関する業務効率の改善
3経営向けレポートの充実・迅速化
4財務リスクに対する管理の高度化
5グループガバナンスの強化
6業界内の水準へのキャッチアップ
7銀行とのリレーション強化
8先進的なイメージの獲得
9その他
「経営向けレポートの充実・迅速化」
を挙げる割合は約5%
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
26
CMS選定時に重視した点
 CMS選定時に重視した点としては、銀行とのリレーション(39%)が最多。
 次いで運用のしやすさ(35%)、機能の充実度(27%)、導入・運用コストの低さ
(26%)が続く。
CMS選定時に重視した点
76
80
70
60
回答社数
(複数回答可、n=194)
68
53
50
50
40
29
30
23
12
20
2
10
0
その他
8:
銀行・ベンダー担当者への信頼
7:
銀行とのリレーション
6:
導入後のフォロー
5:CMS
運用のしやすさ
4:
導入の容易さ
3:
導入・運用コストの低さ
2:
機能の充実度
1:
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
27
CMS導入検討時の課題
 CMS導入検討時の課題としては、子会社との合意形成(63%)が最多。
 次いで、効果の明確化(39%)、初期導入コスト(36%)、会計システムとの連携(35%)が続く。
 ヒアリング等では、「経営層から取組に対するコミットメント・関心を得ることが課題」との意見も相当数あった。
 導入時の課題も、子会社との合意形成(47%)が最多。システムの設定(46%)等が続く。
 ヒアリング等では、各地域への適用や子会社への展開に関する課題、意見が挙げられた。
CMS導入実行時に直面した課題
CMS導入検討時に直面した課題
140
122
100
80
70
77
30
22
5
(複数回答可、n=195)
63
33
40
7
16
20
0
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
その他
5:
導入を担える人員の確保
4:
子会社との合意形成
3:
銀行との手続き
2:
システムの設定
1:
その他
9:
主要取引銀行のサービ
8:
ス水準
銀行支店との交渉
7:
子会社との合意形成
6:
経営陣の導入への理解
5:
会計システムとの連携
4:
効果の明確化
2:
初期導入コストの低減
1:
銀行データ取得方法の
3:
決定( SWIFT
加盟など)
0
90
87
60
31
40
100
80
69
60
20
(複数回答可、n=195)
回答社数
回答社数
120
28
CMS導入企業グループ内における不参加会社の理由
 CMSを導入している企業グループ内において、CMS不参加の会社が存在する理由とし
ては、連結子会社でない(40%)との回答が最多。
 次いで、コストメリットがない(30%)、参加が任意(26%)との回答が多い。
CMS不参加会社の理由
56
60
(複数回答可、n=140)
回答社数
50
42
40
30
37
29
25
25
20
7
10
0
その他
7:
買収先が独自に CMS
を構築
6:
している
参加が任意
5:
連結子会社でない
4:
業法上の制限
3:
コストメリットがない
2:
で管理している通貨を
1:CMS
使用していない
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
29
CMS導入後の課題
 CMS運用段階での課題としては、CMS使用への習熟(40%)・利用機能の拡充
(39%)が最多。
 次いで、導入後のサポートの強化(22%)、運用コスト(19%)が続いた。
導入したCMSを運用する段階で直面している課題
(複数回答可、n=189)
100
74
80
回答社数
77
60
40
42
35
26
19
20
0
その他
6:
導入後のサポートの強化
5:
使用への習熟
4:CMS
利用機能の拡充
3:
システムメンテナンス負
2:
荷の低減
運用コストの低減
1:CMS
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
30
CMS未導入の理由
 CMS未導入企業の大多数が、導入を検討したことがない(30%)、又は必要が生
じた段階で、検討しようと考えている(46%)と回答。
 CMS導入を断念した企業が全体の約2割。理由としては、初期導入コストが高く断念
(13%) 、手続きが煩雑で断念(5%) 、経営陣の理解が得られなかった
(2%)等と回答。
120
106
100
回答社数
80
CMS未導入の理由
(複数回答可、n=231)
多数は未検討
70
約2割は断念
60
31
40
12
20
0
27
4
その他
6:
導入を検討したが、経営陣
5:
の理解が得られなかった
導入を検討したが、手続き
4:
が煩雑で断念した
導入を検討したが、初期導
3:
入コストが高く断念した
必要が生じた段階で、検討
2:
しようと考えている
導入を検討したことがない
1:
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
31
金融機関、システムベンダーへの要望
 金融機関への要望は、カスタマー・ニーズに合わせた提案(53%)、導入・運用コス
トの低減(53%)が最多。法制度などに関する情報提供(40%)が続く。
 システムベンダーへの要望についても、カスタマー・ニーズに合わせた提案(46%)、導
入・運用コストの低減(45%)と回答した企業が最多。
CMSの利用に関する金融機関への要望
250
224
(複数回答可、n=425)
224
150
121
168
85
100
64
74
50
200
192
150
191
115
113
128
100
50
0
特段の要望はない
5:
導入後のフォロー
4:CMS
導入・運用コストの低減
3:
システム機能の拡充
2:
カスタマー・ニーズに合
1:
わせた提案
特段の要望はない
8:
展開地域の拡大
7:
キャッシュ・マネジメン
6:
トに精通した人材の拡充
法制度などに関する情報
5:
提供
導入後のフォロー
4:CMS
導入・運用コストの低減
3:
わせた提案
システム機能やサービス
2
の拡充
カスタマー・ニーズに合
1:
0
(複数回答可、n=421)
250
回答社数
回答社数
200
140
CMSの利用に関するシステムベンダーへの要望
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
32
(2)財務管理・リスク管理(流動性・金利・為替)
財務機能としての業務内容
 資金流動性管理(88%)、入出金出納管理(67%)、金融機関対応(77%)が多い。
 一方で、取引先与信管理(26%)、トレジャリーシステムの選定・管理(16%)、自社信用
格付け管理(24%)、税務(24%)については低い。
450 回答社数
企業グループ内において財務機能として実施している業務
381
400
331
350
(複数回答可、n=432)
290
300
250
236
250
200
172
150
184
146
111
103
102
100
71
50
1
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
その他
13:
税務
12:
経理・会計機能の
11:
補完
自社信用格付け管
10:
理
資本構成・配当政
9:
策
財務ポリシー策定
8:
トレジャリーシス
7:
テムの選定・管理
金融機関対応
6:
取引先与信管理
5:
外部資金運用・調
4:
達
入出金出納管理
3:
為替・デリバティ
2:
ブ管理
資金流動性管理
1:
※資金残高、資金予想、
キャッシュ・プール管理など
0
34
財務機能組織の関係性・連携
 財務機能組織の関係性については、本社とグループ会社の間では、指揮命令系統はなく適宜
連携との回答が7割超。一方で、本社と地域統括、地域統括とグループ会社の間では、指揮命
令系統の有無がほぼ同程度。
 連携方法については、上位組織へ適宜相談・定期的な情報共有が大半(75%)。一方で、
定期的な情報共有のみ・要請があった場合のみ情報共有との企業も25%程度。
350
300
250
本社・地域統括・グループ会社における
財務機能組織の関係性
回答社数
302
250
200
地域統括とグループ各社
150
本社とグループ各社
150
いる
行っている
指揮命令系統はな
3:
く、連携もほとんど
ない
指揮命令系統はな
2:
いが適宜連携してい
る
る
財務機能組織間で
1:
の指揮命令系統があ
0
23
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
上位組織へ適宜相談は行って
3:
おらず、上位組織からの要請が
16
9
あった場合のみ情報を共有して
43
0
67
65
47
32
上位組織へ適宜相談は行って
2:
おらず、定期的な情報共有のみ
50
100
50
98
55
(単一回答、n=316)
上位組織へ適宜相談を行い、
1:
定期的な情報共有も行っている
100
財務機能組織間の連携
回答社数
本社と地域統括
(単一回答、n=429)
200
237
35
財務ポリシーの整備状況【整備の有無・内容・範囲(規定対象)】
 財務ポリシーの整備状況については、大半の企業がグループ共通(40%)又は、地域単位・各
社単位(39%)で財務ポリシーを整備済み
 財務ポリシーの内容については、いずれの項目についても、約半数が整備。
 財務ポリシーの規定対象としては、方針・指針のみとの回答が最多(42%)。実務的な業務指
針やこれに沿うシステム整備など、ポリシーの具体化は途上又は未着手の企業が多い。
180
171
財務ポリシーの有無
(単一回答、n=429)
154
160
140
120
140
財務ポリシーの内容
120
91
100
(複数回答可、n=179)
122
114
89
100
80
50
76
40
60
30
60
40
20
20
16
10
方
4:針・指針に加えて、実務
的な業務指針も規定してお
り、それに沿ったシステムな
ども整備している
方
3:針・指針に加えて、実務
的な業務指針も規定している
そ
6:の他
銀
5:行取引方針
為
4:替・デリバティブ
資
3:金調達・運用
グ
2:ループファイナンス
財
4:務ポリシーは存在しない
各社単位では財務ポリシー
3:
が存在する
地
2:域単位では共通した財務
ポリシーがある
方
1:針・指針のみを規定して
いる
0
方
2:針・指針に加えて、一部
の業務については実務的な業
務指針も規定している
3
グループ財務の戦略・方針・
1:
目的
0
グ
1:ループ共通となる財務ポ
リシーがある
0
20
13
20
67
70
80
40
財務ポリシーの範囲
60
81
80
76
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
36
資金情報の管理対象
 資金情報の管理対象としては、多数が資金残高(90%)及び資金予想(66%)と回答。
 外部資金調達結果(44%)、キャッシュプールの状況(37%)、取引金融機関数等(30%)が次点
 為替エクスポージャー(17%)、ヘッジ実施結果(16%)まで管理している企業は比較的少数。
グループ全体での資金管理に関する情報の管理事項
(複数回答可、n=425)
450
400
382
350
282
300
250
189
157
200
127
150
74
100
70
50
50
24
30
3
0
その他
11:
報告事項はない
10:
取引金融機関数・口座数
9:
取引先与信状況
8:
外部資金調達結果
7:
外部資金運用結果
6:
ヘッジ実施結果
5:
為替エクスポージャー
4:
キャッシュプールの状況
3:
資金予想
2:
資金残高
1:
回答社数
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
37
グループ全体での資金情報の収集・管理・報告
 資金情報の取得・管理方法として、資金残高については、約半数が何らかのシステムを使用して
いる一方、資金予想や為替エクスポージャーについては、マニュアル管理が多い。
 資金情報の取得頻度については、月1回が最多。なお、資金残高は、毎日との企業が次点。
 資金情報の報告先は、財務担当役員が最多。
資金情報の取得・管理方法
300
250
(複数回答可、n=414)
260271
資金残高
200
126
150
為替エクスポージャー
150
123
100
48
50
32
5
16 9 19
50
97
69
34 19
13 17
7
197
200
81
100
4145 28
15
8 2
5 7
18 12
0
146 144
50
82
121
86
81
54
30
24
23
21 18
上
5:長への報告はない
(出所)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 『経済産業省平成26年度総合調査研究「GCM及びABLの現状と普及促進に向けた課題の調査等」報告書』
管
4:理職
部
3:長・局長
財
2:務担当役員
0
107
86
社
1:長
年
7:に一度(決算時のみ)
半
6:年に一度
四
5:半期に一度
月
4:に一度
週間に一度
3:2
週
2:に一度
0
185
(単一回答、n=415)
250
150
毎
1:日
そ
4:の他
を利用
2:CMS
などによるマニュアル
1:Excel
管理
回答社数
12
会
3:計システムにデータを連携
0
208
資金予想
資金情報の報告先
(単一回答、n=415)
250
200
74
100
資金情報の取得頻度
38
リスクの認識・計量化/財務面での対応について
 リスク計量化に取り組む企業は約35%
 リスクへの対応としては、貸出枠・保険等により対応している企業が多い。
 他方、特に対応を考えていないとの回答も約3割。
リスク計量化の実施状況
リスクに対する財務面での対応状況
0
1%
50
1.リスクが発現した場合に、自社が想定する「適性な自己資本
額」を確保できる様、自己資本にリスク額相当分を積み増す
5%
15%
100
65%
4%
250
300
135
3.リスクが発現した場合に、必要となる資金を確保する為、貸
出枠(コミットメントライン等)を設定する
253
4.リスクファイナンス(保険等)によって、リスクを自社から切り
離す。リスク発現自の企業財務への影響は無い。
時
5.その他
1.VaRに基づき、リスク計量している
2.EaRに基づき、リスク計量している
3.シナリオ分析により計量している
4.過去の損失発現率等を取引量に乗じて計量している
5.その他の方法で計量している
6.計量していない
200
49
2.リスクが発現した場合に自己資本額の範囲内で吸収できる
様、リスク・自己資本額を調整する
10%
150
174
22
6.特に対応を考えていない
(出所)NTTデータ経営研究所『平成27年度総合調査研究「グローバル財務戦略に関する調査研究」報告書』(経済産業省委託事業)
190
39
流動性比率の適正水準/現在の流動性比率
 適正水準/実際水準とも「わからない」が約半数
 Ÿ
流動性の適正水準/実際水準とも「2.0倍以上2.5倍未満」が最多
120
80
60
30
20
10
19
11
5.0倍以上
22
17
9
8
(出所)NTTデータ経営研究所『平成27年度総合調査研究「グローバル財務戦略に関する調査研究」報告書』(経済産業省委託事業)
5.0倍以上
4.0倍以上5.0倍未満
3.0倍以上4.0倍未満
2.5倍以上3.0倍未満
2.0倍以上2.5倍未満
1.8倍以上2.0倍未満
0
1.5倍以上1.8倍未満
2.その他
4%
43
34
1.2倍以上1.5倍未満
3.わからな
い
51%
1.流動性原
資の額は、
流動性必要
額に対して
__倍程度と
なっている
45%
0~1倍未満
 「1.0倍以上1.8倍未満」 も相当
数あり。
38
40
 「2.0倍以上2.5倍未満」が最多。
8
52
50
1倍以上1.2倍未満
実際の流動性比率の水準
4
4.0倍以上5.0倍未満
2.その他
6%
0
2.5倍以上3.0倍未満
1
7
2.0倍以上2.5倍未満
0
22
12
1.8倍以上2.0倍未満
20
36
28
1.5倍以上1.8倍未満
40
3.0倍以上4.0倍未満
60
1.2倍以上1.5倍未満
3.わからな
い
56%
101
100
1倍以上1.2倍未満
 「2.0倍以上2.5倍未満」が最多。
1.流動性原
資の額は、
流動性必要
額に対して
__倍程度が
望ましい
38%
0~1倍未満
流動性比率の適正水準
40
流動性リスクへの対応方法
 Ÿ
流動性リスクへの対応策としては、融資枠の確保を挙げる企業が多かった。
流動性リスクへの対応方法
50%
 流動性リスクへの対応策としては、融
資枠の確保を挙げる企業が多い。
30%
42.0%
34.5%
30.6%
24.1%
20%
12.0%
10%
9.5%
1.4%
 手持ち現預金削減や借入金コスト削
減などの資金効率を目的とする企業は
いずれも1割弱にとどまる。
8.対応していない
7.その他
6.プーリング・ネッティングに
よるグループ資金の効率化
(キャッシュマネジメント)
5.流動性資金・(短期)資金
化可能資産の確保
4.資金調達の長期・短期比
率に係るルール設定
3.CP発行に係る限度額の設
定
2.その他融資枠
資金調達枠の設定目的
 多くは手持ち現預金維持を前提とした
現預金の補完策(約4割)。
19.4%
0%
1.コミットメントライン契約
 キャッシュマネジメントの活用により対応
する企業も約3割。
40%
0.5%
7.1%
40.2%
17.6%
7.8%
23.9%
1.手持ちの現預金を削減するため
2.手持ち現預金は維持したまま、現預金の補完策として流動性資金必要額に対応するため
3.期初の段階で想定していなかった資金需要に柔軟に対応する為(買収資金等)
4.社債償還資金の調達を、金利情勢に応じて、社債発行と借入を柔軟に選択可能とするため
5.借入金額を都度変動させることで、借入金コストの削減を図るため
6.その他
(出所)NTTデータ経営研究所『平成27年度総合調査研究「グローバル財務戦略に関する調査研究」報告書』(経済産業省委託事業)
41
金利リスクの管理状況・管理手法
 金利リスクの管理状況は、企業によりスタンスが異なる。
金利リスク管理の実施状況、今後の予定
 金利固定化による社内方針の策定につ
いては、取組が比較的進む。
 その他の項目(エクスポージャー・業績
への影響の把握、ヘッジ方法・調達の
高度化)は、取組の実績・取組方針と
も大きく分かれる。
0
 活用状況に偏りがみられる傾向。
200
146
海外拠点を含む「全社の金利エクスポージャー」の把握
300
71
23
226
227
19
248
24
301
257
700
24
203
156
600
339
207
各国の金利動向を踏まえた調達通貨・金利種別の選択の高度化
500
306
202
金利リスク管理(金利固定化)に係る社内方針の策定
金利リスクヘッジ方法等の選択肢の充実
400
180
90
リアルタイムで金利リスクや金利変動による業績への影響の把握
26
1.既に実施している
2.実施していないが、今後強化していく必要性若しくは予定がある
3.実施していない。今後強化の必要性や予定は無い
無回答
金利リスク管理手法(過去3年)
 固定化金利スワップ・固定金利による
借入が圧倒的多数。
100
0
50
1.金利スワップ(変動化金利スワップ)
100
150
200
350
400
250
19
4.固定金利による金融機関借入
371
5.社債発行
6.その他
300
54
2.金利スワップ(固定化金利スワップ)
3.金利キャップ
250
128
65
(出所)NTTデータ経営研究所『平成27年度総合調査研究「グローバル財務戦略に関する調査研究」報告書』(経済産業省委託事業)
42
為替リスクの把握主体/ヘッジ主体
 グ
Ÿループ各社のキャッシュフローに係る為替リスクの把握ついては、「本社」で把握してい
る企業と「各グループ企業」で把握している企業が、それぞれ6割弱
 ヘッジの実施組織については、本社・統括会社とグループ各社がそれぞれ同割合
77.4%
71.0%
69.6%
70%
58.2%
60%
80%
56.9%
60%
50%
40%
1.各グループ会社
63.0%
56.5%
2.地域財務統括組織
3.本社
9.6%
7.4%
1.7%
9.4%
20%
2.6%
0%
4.ヘッジしていない若しくは
把握していない
9.3%
1.9%
3.その他
5.3%
連結の通貨換算リスク
7.6%
連結のキャッシュフローリスク
2.3%
本社のキャッシュフローリスク
5.1%
1.1%
グループ各社のキャッシュフローリスク
20%
0%
60.7%
40%
30%
10%
100%
2.各グループ会社が、当該
組織における為替リスクヘッ
ジを実施
80%
1.本社若しくは地域財務統
括組織が各グループ会社の
為替リスクヘッジを実施
90%
4.リスクを把握していない
(出所)NTTデータ経営研究所『平成27年度総合調査研究「グローバル財務戦略に関する調査研究」報告書』(経済産業省委託事業)
43
為替リスクヘッジの方針・具体的なヘッジ方法
 約1/4の会社がグループ共通のヘッジ方針を策定
 為替ヘッジの方法としては、為替フォワードが多く採用。
 エクスポージャー自体の縮小を志向する企業も約3割。
14.1%
(出所)NTTデータ経営研究所『平成27年度総合調査研究「グローバル財務戦略に関する調査研究」報告書』(経済産業省委託事業)
8.その他
2.9%
2.3%
10.1%
9.為替ヘッジは実施してい
ない
11.6%
7.通貨オプション
7.1%
6.長期為替予約(フラット
フォワード)
18.3%
5.為替スワップ
1.グループ共通の「ヘッジ方針」を定めている
2.本社若しくは財務統括組織における「ヘッジ方針」を定めている
3.「ヘッジ方針」は定めていない
4.その他
31.3%
4.為替フォワード(先物為
替予約)
47%
70.2%
3.資産・負債の両建てによ
る為替エクスポージャーの
縮小
28%
20%
80.0%
70.0%
60.0%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
2.本社/財務統括組織にお
けるリインボイス
5%
採用されている為替リスクのヘッジ方法
1.本社/財務統括組織にお
ける支払代行
為替リスクのヘッジ方針
44
3.財務・資金管理の高度化に向けて
財務戦略の高度化による「稼ぐ力」の向上
 稼ぐ力(資本効率)向上実現に向け、グローバルな財務戦略の高度化が求められる。
「グローバル財務戦略に関する調査研究」(平成27年度経済産業省委託調査)の全体像
経営指標の
設定
経営指標
リスク管理
リスク計量
リスクバッファの考慮
• 適切なリスク把握とリス
ク計量、リスク選好
• リスクバッファを踏まえた
• 自己資本水準
体制構築
グローバル
財務体制構築
と効率経営
資本構成検討
資本コスト算出
経営指標
(ROEの向上)
• 適切な開示、投資家の信頼獲得
による資本コストの低下
• 自社資本コストの設定
資本構成
適正なROE向上・リス
ク管理に関わる開示
グローバルでのリスク状況・為替
リスク認識の基準、資金調達
グローバル財務体制の構築 国・通貨、資金集約の要否、
各国の規制等踏まえ体制構築
GCM
• リスクの計量
• リスク管理方法の選定
財務リスク管理
資金効率向上
為替リスク把握・定量化
財務予測
株主
目標管理
目標の現場への
落とし込み
財務管理手法
財務管理
金利リスク把握・定量化
各種規制やコスト等
を考慮した対応
考慮すべき外
部環境
流動性リスク把握・定量化
国内・海外・国際規制
先端技術の
活用検討
• 資本コスト意識の浸透
(事業部別資本コスト)
• 事業部門・担当の目標設定
ビッグデータ
(出所)NTTデータ経営研究所『平成27年度総合調査研究「グローバル財務戦略に関する調査研究」報告書』(経済産業省委託事業)
46
キャッシュマネジメント高度化に向けた環境整備の推進(金融庁)
(出所)産業競争力会議 第40回実行実現点検会合(平成28年3月31日) 金融庁提出資料
47
(出所)産業競争力会議 第40回実行実現点検会合(平成28年3月31日) 金融庁提出資料
48
(参考)国内送金フォーマットのXML電文化について
 「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」報告において、2020年までに企
業間送金のフォーマットをXML電文化することを提言
スキームイメージ図
(出所)金融審議会決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ(第6回)資料
49
経済産業省:産業・金融・IT融合に関する研究会(FinTech研究会)
 産業・金融・ITの融合(FinTech)は何をもたらすのか、世界の動向を把握しなが
ら議論し、政策上の課題や対応の方向性を検討。
 研究会での議論を通じて、検討すべき論点や仮説、課題を探っていくため、各回のテー
マは各回での議論を踏まえて柔軟に設定。
 現状を多角的に捉え、多様な視点から議論するため、各回のテーマに応じてメンバー
を設定(オムニバス形式)
【論点イメージ】
50
産業・金融・IT融合に関する研究会(FinTech研究会)発言集概要①:現状・方向性
FinTechとは
 技術を活用した顧客視点の利便性向上の動き。
 金融サービスへのニーズ・インフラは国ごとに異なる。日本のコンテクスト、ニーズ・課題を踏まえる必要。
注目
技術
 AI・ビッグデータ・IoT
 非接触決済
 ブロックチェーン
背景
 IT技術による参入コスト低下
 欧米での銀行不信
BtoC
領域
 日本では、家計の投資商品の保有比率が低く、保有者も高齢者に偏重。
 ロボアドバイザーや家計資産管理等のFinTechは、投資の敷居を下げ、投資教育にも有用。
 FinTechの活用に加え、NISAやDC等の普及促進や、口座開設等の事務手続きの簡素化も重要。
 FinTechの普及には、消費者からの信頼獲得がカギ。制度整備に加え、理解の促進が課題。
BtoB
領域
 中小企業の財務・経理や受発注事務は未だに紙ベース。IT化が進んでいない。
 事務を効率化するクラウド会計サービスが台頭。取得データを経営判断等に活用する動きも。
 決済データやECサイトでの取引履歴による融資等、データを活用した与信も出現。
 FinTechは、企業の生産性向上、経営判断の高度化、資金調達の円滑化につながる可能性。
保険
領域
 多様なデータが取得可能になり、リスク低減や保険ビジネスの変革につながる可能性。
 データ取得・活用環境の整備や保険料へのデータ反映の是非については課題も。
 スマホやインターネットの活用により保険の販売・募集の方法にも変化の可能性。
 AIの活用、IoTの進展等による新たなリスクに対する保険商品の開発にも期待。
51
産業・金融・IT融合に関する研究会(FinTech研究会)発言集概要②:今後の課題
既存金融機関との協調
 信頼や規制対応の知見を持つ既存金融機関と、サー
ビスや技術に強いFinTech企業の連携が重要。
 APIの活用や、データの共有・活用がしやすい仕組み作
りも重要。
情報の活用と課題
 金融と商流の情報を一体的に扱う決済インフラ等、多
様なデータの連携がサービスの質の向上につながる。
 技術の進化も踏まえつつ、利便性と情報セキュリティ・
個人情報保護を両立することが重要。
イノベーション環境・人材
 既存銀行は100%の安全が求められ、スピード感を
持った対応が難しい。
 新たなサービスを生み出すためには、技術面・ビジネス
面の試行的な取組が重要。そのためには、失敗のコス
トを下げる必要がある。
 金融・ITの両面に精通した人材が必要。人材の流動
性が求められる。
 日本における資金調達のしやすさについては、様々な
見方がある。
ITシステムの課題
 既存金融機関のITシステムは信頼性は高いが、大規
模・複雑で高コスト。
 信頼性、利便性、コストのバランスを再考する必要あり。
ITベンダーの変革も求められる。
ブロックチェーン
 低コストで信頼性の高い分散型のデータベース。イン
ターネットの登場に匹敵するインパクト。
 活用には、コストとのバランスやプライバシー等の課題の
検証も必要。
環境整備の論点
 民間企業による過度な自主規制を招かない観点から
も、事業の育成と規制のバランスが重要。
 紙での手続が前提となるなど、規制と技術にギャップが
あり、コスト面等で課題。
 欧米では、規制のアービトラージを如何に防ぐかが論点。
決済関連など近接分野の規制・制度の整合性が重要。
 新規参入者への規制当局や専門家によるサポート等
の体制構築も求められる。
 イノベーションと消費者保護のバランスが重要。
52
FinTechに関する情報提供(パブリックコンサルテーション)について
 国内外から更に幅広い知見を集めるため、これまでの研究会での議論を踏まえた論点整
理を示した上で、FinTechに関する情報提供を実施中(~5/23)。
53
産業・金融・IT融合(FinTech)の課題とあり方
プロジェクトの進め方(イメージ)
国内外有識者・金融機関・スタートアップ・当局等
発信
フィード
バック
フィード
バック
フィード
バック
フィード
バック
フィード
バック
発信
フィード
バック
フィード
バック
発信
プロジェクトのアウトライン
2016/10/06
第1回
産業・金融・IT融
合に関する研究会
(FinTech研究会)
開催
10/16
第2回
11/19
第3回
12/04
第6回
11/27
第4回
12/16
第7回
11/30
第5回
01/20
第8回
02/8
第9回
02/22
第10回
4月21日~5月23日
パブリックコンサルテー
ション
※発言集・論点整理
意見・情報等募集
04/27
第11回
初夏
最終報告
有識者等による
検討会合(予定)
54
<関連情報掲載URL>
 産業金融政策(含:企業財務・トレジャリー・リスクマネジメント・産業金融人材育成等)
http://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/index.html
 産業・金融・IT融合に関する研究会(FinTech研究会)
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/economy.html#fintech
 FinTechに関する情報提供(パブリックコンサルテーション)について
http://www.meti.go.jp/press/2016/04/20160421004/20160421004.html
<お問い合わせ>
経済産業政策局 産業資金課
担当:植木 ueki-takayuki@meti.go.jp