2004年度 - 山口大学留学生センター

山口大学国際センター
紀 要
巻
頭
言
線路は続くよ、どこまでも……
国際センター長
宮
崎
充
保
遠い思い出のようにこの歌詞がよみがえる。そう、終息したのではない。「一本締め」(渡邊
b
b
b
淳一、『紀要』第2号、山口大学留学生センター、2004)はしたが、残響は棒のように貫き、
そのまま「パン!」とう実音になった。山口大学留学生センターは独立行政法人化と共に、国
際企画部門と融合して山口大学国際センターとなり、さらに強い脈を打っている。その強さは
ここに収められた論文、報告書のたぐいが如実に物語っている。業務量はふえたが、センター
教員はますます意気軒昂である。その証を見られよ。
知は継続の営みをよりどころに、知識となり知恵となるであろう。知識の道しるべを得て、
国際企画も日本語教育も受け入れ留学生も海外派遣学生も、知恵の灯火のもとに足元確かに進
むだろう。それはとりもなおさず、動く自己の確認であり、国立大学法人山口大学の自己開放
であり、世に言う国際化であるだろう。いや、地球規模に視野を求めたグローバル化の実践で
ある。それだけではなく、国立大学法人山口大学はそれなりの自己同一性を主張している。そ
れがこの紀要には刻銘されている。山口大学国際センターはどこまでも聡明であり、懐大きく、
心配りが細かい。 知の広場
をモットーとする国立大学法人山口大学には、この存在は決し
て欠かせない。
私は出発のときの掛け声を知らないが、 締め
は出発、終焉、両者あるいは折々の気合い
b
b
であるだろう。この紀要は『紀要創刊号』(山口大学国際センター)と銘打つ。が、実際は持
続する志を持つ
第3号
である。それを読み取ってくださる方がいらしたら、祝着至極と自
賛して、センター内で一献行くことにしよう。残念ながら、狂い水をたのしむ(程度)のは今
井と私だけだが、その精気は空気に溶けて流れて、感謝の気持ちでセンター教員全員は酔う。
あさきゆめみしゑひもせす
と愚痴る教員は一人もいない。たばしるすぐれ者である。
読者賢者よ、これを「三本締め」というのだろう。創刊号=第3号に、パン!ではなく、
Three cheers for their sanguineness! をお頼み申す。
Ⅰ 論文・報告
工学部大学院留学生への日本語指導に何が必要か
重田
美咲
1.はじめに
「工業日本語」は、工学部の学部留学生を対象として開講されている授業であるが、2004年
度後期の「工業日本語」には大学院生や研究生、研究者が多く参加した。これらの学習者の場
合、単位取得を目的として授業に参加する者は極めて少なく、日本語よりも研究室での実験等
を優先するため、この授業に毎回欠かさず参加できる学習者は多くない。しかしながら、今回
参加した学習者のほとんどが大学院からの留学で十分な日本語教育を受けることなく来日し、
学習や研究のために日本語能力を伸ばす必要があると感じており、単位認定に関係ない学習者
であっても、時間が作れる時には積極的にこの授業に参加していた。
2004年度は、「工業日本語」を専門日本語の授業であると位置付け、『留学生・技術研修生の
ための使える日本語』で語彙の増強、中・上級文型の習得、読解能力の向上を目指し、その一
方で、自分の専門に関するスピーチとそれに関する質疑応答を行うことで、話す力と聞く力、
そして自分の専門に関する表現能力を身に付けることを目指した。
そのスピーチを行う中で、複数の学習者に共通する傾向がいくつか現れた。本稿では、それ
を分析し、来日前にも十分な日本語教育の機会を持たず、来日後も研究優先で日本語に時間を
かけにくい工学部の大学院留学生に効果的な日本語指導を行うために、特にどういった点に留
意すべきかを考察してみた。
2.分析の対象と方法
分析したのは、(表1)の6名のスピーチである∏。
表1
スピーチを行った学習者
A
B
C
D
E
母語
韓国
韓国
中国
中国
中国
F
韓国
学
年
D4
D2
D1
M1
M1
研究生
(博士課程入学希望)
日本語レベル
上級
中級
上級
中級
中級
中級
スピーチに関しては、30分以内で行うこと、原稿は読まないこと(メモは見てもよい)、ホ
ワイトボードを使ってもいいということを条件とした。自分が担当する日が決まっているため
練習して来ることも可能であるが、専門の研究が忙しいせいかメモの準備しかして来ない学習
者が多く、準備を全くして来ない学習者もいた。
分析は、録音テープとそれを書き起こした資料をもとに行った。分析項目は庄司ら(1995)を
参考にした。
−1−
3.分析の結果
3−1
語彙
3−1−1
発音の間違い、語彙の覚え間違い
明らかに母語の干渉による発音の間違いだと思われるものが多いが、語彙の覚え間違
いの可能性を否定できないものもあるため、区別せずに以下に挙げた。
A:沈む(ちずむ)/削って(けじゅって)/おおまか(おおわけ)
B:なぜ(なじぇ)/全部(じぇんぶ)/反射(はんさ)/外部(かいぶ)/方向(ほうご
う)/距離(きょうり)/している(しっている)/基礎(きそく)/外来語・アルファ
ベット/<アクセント>信号
C:下水(げえすい)/除去(じょきょう)/処理(しょうり)/図(ずう)/一方(いっ
ぽ)/有機(ゆぎ)/嫌気(けいき)/2つ(ふだつ)/微生物(みせいぶつ)/酵素
(ぼうそう)/アンモニア態窒素(アンモニアがい窒素)/富栄養化(ふく栄養化)
D:革新(こくしん)/妨害(こうがい)/優れている(すんれている)/接続部分(せつ部
分、けちっ部分)/<アクセント>水、菌
E:内積(ねいせき)/内容(ねいよう)/携帯(けだい)/符号化(符号かく)/通信(ち
ゅうしん)/部分(ぶ)/相互(そうこう)/放散(こうさん)/受信(じゅうしん)/
アルファベット
F:振動(ちんどう)/全部(じぇんぶ)/構造(こうじょう)/水(みじゅ)/選手(せん
す)/区別(くべちゅ)/実は(じちゅは)/高速道路(こそくどろ)/重要(じゅ
よ)/普通(ぷどぅ)/材料(ざりょ)/分類(ぶんりゅ)・種類(しゅりゅ)/広い
(しろい)/便利(ぺんり、へんり)/以外(いかい)/ごみ(こーみ)/土質(とし
つ)/部分(ふふん)/花瓶(花ぶん)/面積(めんせつ)/使う(つかる)/意味(い
め)/戦争(ぜんそく)/降る(ふりる)/空港(こうくう)/外来語・アルファベッ
ト
これらの語は語としての認識も不可能なわけではないのが、これらの語が一文に複数表れた
場合や、文脈がしっかりしていない中で正しくない語彙との同音異義語がある場合、意味がわ
かりにくくなる。母語の干渉による発音の間違いが多いので、語彙数がある程度増えた初級終
了以上の専門日本語の段階においても、改めて発音指導が必要であることが指摘できる。その
場合、語彙レベルで直すこともできるが、典型的な母語の干渉の場合は、音を1つ直すことで
随分効果が上がるため、1つずつの音の矯正も軽視できない。また、漢字の読みに関しても長
音、促音、濁音を中心に再度確認しておく必要がある。
3−1−2
日本語がわからなかった時のストラテジーとわからなかった語彙
日本語がわからない語彙や自信のない語彙が現れた際に、意味をなさない語彙や間違った語
彙を言って続ける他に次のような対処が見られた。
①教師に確認。(B,C,D,E,F)
・おそらく正しいと思う語を言う。(「しゅるい」ですか?)
・おそらく正しいと思う語+英語等を言う。(「調節」control!)
・2択で聞く。(おおさ?おおきさ?/さいよう?さいかつよう?)
−2−
②漢字で書いて読み方を聞く。(B,D,E,F)
B:解析
D:通信、方式、無線、信用、技術、接続、妨害、代表、秘匿性、相互、特性、符号
E:基地局、具体的
F:予測、基準、彫刻家、構造工学
③クラスメートや教師に自分の母語で聞く(D,E,F)
D:ひとつ
E:通信、秘密の話
〜やすい
F:響動、防水、埋め立てる
④ジェスチャー(F)練る
⑤絵や図を描く(F)ざる、植木鉢
⑥他の言葉を使ってわからない言葉を引き出す。(F)
「子供の時、野球選手や豚や馬を作った土…」→教師:「粘土」
⑦「〜かな?」を使い、そのまま続行。(C)「こちっそきん(→脱窒素菌)」かな?
⑧英語で代替するπ(B,D,F)
一般用語
good point(長所)
、harbor(港)、airport(空港)
、food(食べ物)、wood(木)
、paper(紙)
、
bridge(橋)、flower(花)
あいまいなもの
bone(骨:人口骨に関する話題で)
、reclaim(干拓)等
専門用語
unit weight(単位重量)
、conduction(伝導)、defrection(偏光)等
これらのストラテジーを用いて、引き出した語彙に注目してみると、スピーチのキーワ
ードとなる言葉、自分の専門を語るのに欠かせない言葉も多く含まれており、自分の専門に関
する言葉が意外に定着していないという印象を受けた。
4人に②が現れたことを考慮すると、その概念も漢字も知っているのに、発話において、日本
語として使えないという状態になっている語が多いことがわかる。また、⑧の場合、英語の発
音が学習者の母語風であるため、聞き取りにくいことがあった。
3−1−3
定着していない語彙と日本語能力試験出題範囲との比較
「3-1-1.発音の間違い、語彙の覚え間違い」で挙げた語彙と「3-1-2.日本語がわからなかった
語彙(①の中で確認した語彙が正しかった場合は除く)」を日本語能力試験の出題基準と比較
してみた。(表2)「発音の間違い、語彙の覚え間違い」に関しては、35の語彙が2級出題基準
内であり、2級語彙+2級語彙の複合的な語彙も1つ存在した∫。「日本語がわからなかった語
彙」に関しても、18の語彙が2級出題基準内であり、2級語彙+2級語彙の複合的な語彙は2
つ存在した。
「発音の間違い、語彙の覚え間違い」においても、
「日本語がわからなかった語彙」
においても、2級出題基準内の語彙が圧倒的に多い。このことから、工学系大学院留学生には
日本語学習時間の確保という問題は存在するが、語彙に関しては、2級の語彙をしっかりと習
得すれば、自分の専門についてほとんど支障なく語ることができると言える。日本語学習者の
−3−
中には1級の資格をとることばかり重視し、2級を軽視する者もいるが、専門の学習において
は2級語彙の習得が軽視できないことがこの比較により明らかになった。
さらに、日本語能力試験出題基準外であった語彙と専門日本語の教科書との比較を行ったª。
語彙の一部分が出題基準等と重なるものもあるがº、日本語能力試験出題基準でも、理工系の
学生を対象とした専門日本語の教科書でもカバーできていない語彙も存在した。また、専門日
本語の教科書でカバーされている語彙のほとんどが『Basic Technical Japanese』でカバーされ
ているもので、他の教科書がカバーしている日本語能力試験出題基準外の語彙は少ない。しか
しながら、『Basic Technical Japanese』の内容や量と「工業日本語」のクラスの時間数や学習者
の背景等を考慮すると、この「工業日本語」のクラスでは、『Basic Technical Japanese』を効果
的に使用することは難しい。これらのことから、スピーチをさせることにより、学習者一人一
人が専門の研究で必要としている語彙の確認を行っていくという語彙指導の方法は「工業日本
語」のクラスでは効率的であると考えられる。
表2
定着していない語彙と日本語能力試験出題範囲との比較
発音の間違い、語彙の
覚え間違い
日本語がわからなかっ
た語彙
1級出題範囲
8
7
2級出題範囲
35+複合1
18+複合2
3、4級出題範囲
9
7
専門日本語の教科書で 5
カバー
(部分的に2級:1)
出題範囲外
3−1−4
6
専門日本語の教科書で (部分的に2級:1)
もカバーされていない (部分的に専門:1)
(部分的に1級:1)
2
11
(部分的に2級:2)
(部分的に専門:1)
(部分的に1級:1)
動詞の数
D、Eのスピーチでは、スピーチを聞いていた他の学習者から内容を確認する質問がなされ
たり、わかりにくさが指摘されたりした。その要因の1つに、単文が多く、動詞の数もバリエ
ーションも少ないことがあると考えられる。スピーチの時間と動詞の数は(表3)に示した。
表3:スピーチに現れた動詞の数
動詞数(漢語+する)
時
間
A
30(4)
9分21秒
B
60(15)
25分20秒
C
68(17)
32分14秒
D
16(3)
30分42秒
E
10(1)
28分32秒
F
51(14)
43分58秒
−4−
一般的に中国語母語話者は語彙数の少なさを漢語で補う傾向があるが、D、Eの場合、「漢
語+する」の動詞の数も少ない。これは漢語の読みの習得が十分ではないためであると考えら
れる。D、Eが中国語母語話者であることと抽象的な内容にはより多くの漢語の使用が必要と
なることを考えると、中国語母語話者の場合特に漢語の読みの習得が専門について話すための
語彙数を増やすのにも効果的であると考えられる。
文法・文型
3−2
3−2−1
助詞
全ての学習者にさまざまな助詞の誤用が現れたが、共通の傾向としては以下のようなものが
あった。
・全ての学習者に「の」の誤用が現れた。
・「…_
に〜_
がある」の文型の助詞の誤用が目立つ。(A、B、D、F)
・自動詞・他動詞に関わる助詞の誤用が目立つ。
3−2−2
自動詞・他動詞
D以外に自動詞・他動詞に関する誤用が現れた。ペアのある自動詞・他動詞の間違いには以
下のようなものがあった。(*は助詞と動詞の組み合わせが正しくないもの/☆は助詞と動詞
の組み合わせに問題はないが、文脈からもう一方を使うべきだと判断できるもの)
・見つかる/見つける(E*、C*)
・変わる/変える(B*、C*)
・流れる/流す(B*)
・戻る/戻す(C*)
・混じる、混ざる/混ぜる(B*)
・建つ/建てる(F*)
・壊れる/壊す(F*)
・起きる/起こす(F*)
・見える/見る(B☆、F☆)
・伸びる/伸ばす(A☆)
・分かれる/分ける(B☆、C☆、A*)
・集まる/集める(F☆)
これらの自動詞・他動詞の誤用の半数以上が動詞と助詞をセットで覚えていれば避けられて
いたものである。「工業日本語」のような中・上級段階での再度の指導も必要ではあるが、初
級のクラスにおいても自動詞・他動詞と助詞をセットで覚えるように指導することが望ましい
と考えられる。
3−2−3
受身、使役
客観的な表現としての受身、使役の使用がD、E以外に見られるが、誤用も多い。(表4)
−5−
表4
受身、使役の誤用
(誤)→(正)
A
混ぜられている
→
混じっている
B
一致された → 一致した
を+吸収される → が+吸収される
を離れる→を離れさせる
発展されて→発展させて
C
〜を…と言われています。 → 〜は…と言われています
分ける → 分けられる(分かれる)
D
が+含む → を+含む、が+含まれる
が+建てる → を+建てる、が+建てられる
が+作る → を作る、が+作られる
区別して → 区別されて
分解しない → 分解されない
Dには受身にすべきところで受身にしていないという誤用が目立ち、B、Cには助詞の間違
いが1箇所ずつ、またBには過剰な受身の使用、使役に関する間違いが現れた。理系では特に
客観的な描写が多くなるため、これらの受身、使役の習得を積極的に行う必要がある。
3−2−4
指示詞等
A、C以外の全ての学習者に誤用が見られた。誤用は以下の通りである。
・これN→このN(D、E)
・これのN→このN、それのN→そのN(E)
・それ→これ(E)
・何の→どんな(B)
・どのN→どんなN(B)
・あの→その(B)
・この以外→これ以下(F)
・これような、これのような→このような(E)
・こうように→このように、どうように→どのように(B)
・どのパーセント→何パーセント(B)
・ここで→そこで(F)
・「あの」の多用のため、フィラーか指示詞か判断しにくいものもあり。(E)
初級前半の学習項目の誤用が多い。中・上級段階での再度の指導とともに、初級前半からの
徹底が望まれる。また、「これ以外」、「このような」といった複合的で決まった言い回しのよ
うな表現も徹底しておく必要がある。
3−2−5
誤用の現れた文法、文型
スピーチの中に現れた文法、文型の誤用を多かった順に以下に挙げる。これが今回のクラス
だけの傾向なのか、全ての工学系留学生に共通する傾向なのか、今後検証を重ねる必要はある
−6−
が、誤用の多い文型の重点的な指導は、限られた日本語学習の時間しか持てない学習者には効
果的であると考えられる。
連体修飾(A、B、E、F)
〜ので(B)
〜という…(B、C、F)
〜として(B)
〜んです(A、C、D)
〜ことができる(B)
〜について(B、C、E)
〜よって(C)
疑問詞〜か(C、E)
〜ように、〜ような(C)
〜がわかる(D、E)
〜で、(C)
〜時(E、F)
〜のに、(C)
条件節(E、F)
あまり〜ない(C)
〜ことです(C、F)
あります・います(F)
もの・こと(A、F)
〜ことになる(A)
〜やすい(E、F)
〜たり…たり(A)
あと(E)
〜なければならない(A)
Nでもいい(C)
4.スピーチの全体を通して見られた傾向
スピーチ全体を通して以下のような傾向が見られた。
①3秒以上の行き詰まりが頻繁に起こる。(D、E、F)
②フィラーが多い。(D、E、F)
③語彙や語彙の一部の繰り返しが頻繁に見られる。(E、F)
④例を挙げるものの、例が例として機能していないことがある。(D、E、F)
⑤一文に内容を盛り込みすぎて、その文の意味がわかりにくくなることがある。(C)
⑥内容が広がりすぎて、話がそれてしまう。(C、D、E、F)
⑦決まった言い回し(「以上で終わります。」等)が正確に言えていない。(A、C、D)
①、②、③に関しては語彙数等との関連もあるため急に変えられるものではないが、④、
⑤、⑥、⑦は練習により改善できる点である。特に⑦は、ゼミでの発表等でも役立つ上、練習
の効果が現れやすいため、日本語の授業でしっかり押さえておくとよいと考えられる。
5.まとめ
以上のことから、初級終了以上の工学系大学院留学生に対して、限られた時間内で効率的な
日本語指導を行うために以下のようなことが提言できる。
・
発音指導を再度しっかり行う必要がある。
・
漢語の読みの習得に力を入れるべきである。
・
日本語能力試験2級の語彙を中心に習得させるべきである。
・
動詞の数を増やす必要がある。(中国語母語話者は「漢語+する」を中心に覚えていく
と効率がよい。)
・
自動詞・他動詞は助詞との組み合わせに特に注意して指導するべきである。
・
客観的描写に用いられる受身、使役をしっかり習得させるべきである。
−7−
・
指示詞は再確認する必要がある。
・
誤用の多い文型を重点的に指導すると効果的である。
・
発表等で用いられる決まった言い回しを指導しておくべきである。
OPIなど会話の試験では専門に関する会話は「おはこ」とみなされがちだが、今回スピーチ
をしてみて、実はできそうでできていないのがこのジャンルなのではないかという印象を持っ
た。専門日本語の授業で日本語担当の教師がどこまでやるか、どこまでやれるかということは
常々問題になりがちである。しかしながら、大学院留学生の場合、専門に関しては基礎以上の
知識を持っているため、学部留学生に対する専門日本語の授業に比べると、純粋に日本語教育
の分野で伸ばせる部分(発音、漢字、文法などといった専門日本語以外でも扱われている部分)
が多いのではないかと考えられる。
また、多岐多様にわたる工学部のジャンルの中で、一人一人が最も必要とする部分に迫り、
それぞれの弱い点を見つけフォローできるという点で、「工業日本語」の授業における自分の
専門に関するスピーチは有効であると考えられる。今後、更に効果的なフィードバックの方法
等を見出していく必要がある。
学部生との比較や他学部の学生との比較、専門に関しての書く能力と話す能力の関係などの
研究を通して検証を重ねていくことを今後の課題としたい。
注
∏当番制にして全ての学習者にスピーチを割り振ったが、単位取得の必要もなく、欠席が多か
った学習者の中には、スピーチをしていない者もいる。
π英語で代替した語彙の中は、発音の影響等のため意味が取れなかった語や「英語(専門用
語)+します」の形がどこまで通用するのか判断しかねて書き出せなかったものもある。
∫「2級語彙+2級語彙」はその語自体は2級語彙ではないが、「高速・道路」のように2つ
の2級語彙で構成された語のことである。
ªここでは、『科学技術日本語案内』、『Basic Technical Japanese』、『理工系のための日本語コミ
ュニケーション』、『科学技術基礎日本語
留学生・技術研修生のための使える日本語』の4
冊を「専門日本語の教科書」とした。
º[表2]で「部分的に〜」と表記しているのは、「微生物(「生物」は2級)」のように、そ
の語自体は出題基準ではないが、語の一部分が出題基準等と重なりを持つものである。
参考資料・参考文献
・石井正彦(1991)「専門用語を抜き出す試み」『専門用語研究』3
・Edward E.Daub・R.Byron Bird・Nobuo Inoue(1991)『Basic Technical Japanese
科学日本語の
基礎』University of Tokyo Press
・金久保紀子・金仁和・本田朋子・松崎寛(1992)「講義の日本語における理科系・文科系の
特徴」『日本語教育』80号
・国際交流基金、財団法人日本国際教育協会(2004)『日本語能力試験出題基準〔改訂版〕』
・小西久也(1983)「学部における理工系留学生の問題点」『日本語教育』51号
・五味政信(1996)「専門日本語教育におけるチームティーチング」『日本語教育』89号
−8−
・小宮千鶴子(1995)「専門日本語教育の専門語」『日本語教育』86号
・柴田武(1989)「日常言語と専門語」『日本語学』vol.18 ,No.4
・庄司惠雄(1994)「研究現場における日本語使用に対する留学生と教官の意識格差」『岡山大
学留学生センター紀要』第1号
・庄司惠雄編(1995)『日本語研修コース標準口頭表現力測定検査法開発のための企画調査』
・庄司惠雄(1996)「日本語研修コースのための口頭能力終了試験」『日本語教育』91号
・中村重穂(1991)「専門教官と日本語教官との協働による社会科学系留学生のための上級日
本語教育」『日本語教育』74号
・仁科喜久子(1983)「東京工業大学留学生の日本語学習の実情」『日本語教育』51号
・仁科喜久子(1991)「理工系大学における外国人留学生の日本語能力に関する調査分析」『日
本語教育』75号
・仁科喜久子(1991)『理工系留学生の日本語学習および能力に関すおる実態調査報告』
・仁科喜久子・武田明子(1992)「理工系留学生の日本語教育能力に関する教官へのアンケー
ト調査分析」『人文論叢』NO.18 東京工業大学
・仁科喜久子・笹川洋子・土井みつる・五味政信・楠本はるみ(1994)「理工系留学生のセミ
ナーでの対話理解過程の分析−理工系学生のシラバス構築に向けて−」『日本語教育』84号
・波多野洋子(1991)「科学技術日本語教育と外来語」『日本語教育』74号
・深尾百合子(1993)「工学系の専門読解教育における日本語教育の役割」『日本語教育』82号
・札野寛子・深澤のぞみ・能波由佳(2000)『科学技術基礎日本語
留学生・技術研修生のた
めの使える日本語−読解編−』金沢工業大学
・牧野成一・鎌田修・山内博之・齋藤眞理子・荻原稚佳子・伊藤とく美・池崎美代子・中島和
子(2001)『ACTFL OPI入門』アルク
・宮地達夫(1981)『専門用語の諸問題』国立国語研究所
・山崎信寿・富田豊・平林義彰・波多野洋子『科学技術日本語案内』(2002)慶應義塾大学出
版会
・山崎信寿編・平林義彰著(1996)『理工系のための日本語コミュニケーション』丸善株式会
社
−9−
L
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iJ
a
p
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s
e
Shingo Imai
Abstract
Logical structures and case marking systems in Japanese are investigated in the framework of Role and
Reference Grammar. Section one summarizes theoretical backgrounds. In section two, transitive,
ditransitive, inversion, possessor-raising, causative, direct passive, and indirect passive constructions are
discussed. Based on the observations of those structures and syntactic behaviors, it is concluded that case
marking systems in Japanese are accounted for by referring to logical structures and the notion of
pragmatic peak . Instead of grammatical relations, the combination of semantic argument status in
logical structures, syntactic argument/adjunct status, and pragmatics are appropriate to describe case
marking systems and syntactic behaviors in Japanese.
Abbreviations
#
pragmatically anomalous
AAJ
argument adjunct
ACC
accusative
ACH
achievement
ACM
accomplishment
ACT
activity
ACT-ACH
active-achievement
ACT-ACM
active-accomplishment
ASP
aspect
AUX-V
auxiliary-verb
CAUS
causative
COMP
complementizer
CONJ
conjunction
DCA
direct core argument
DEC
declarative
DO
direct object
H
honorific
IND
indicative
INF
infinitive
int.
intended
IO
indirect object
L
linker
LOC
locative
−10−
LS
logical structure
MR
macrorole
NEG
negation
NOM
nominative
NP
noun phrase
NPST
nonpast
NUC
nucleus
PASS
passive
PL
plural
PP
pre/postpositional phrase
PRES
present
PSTP
past participle
PURP
purposive
RSLT
resultative
SUBJ
subject
TNS
tense
TOP
topic marker
UND
undergoer
Notes on Transcriptions
Glosses, morpheme-boundaries, and translations in cited examples may be modified for the sake of
consistency.
0. Introduction
Grammatical relations, especially the notion of subject , have been one of the central notions in many
theories in syntax. In the following examples of inversion constructions, it is not easy to determine which
argument is the
subject . The example (1) is from Japanese, the example (2) is from Italian, and the
example (3) is from Korean.
(1)
Japanese
Sensei-ni
furansugo-ga
o-wakari
ni nar-u.
teacher-DAT
French-NOM
H-understand
become-NPST
The teacher understands French.
(2)
Italian
Gli
piacciono le sinfonie
di Beethoven
him.DAT like.3PL the symphonies of Beethoven.
He likes Beethoven's symphonies. (Perlmutter 1984:293)
−11−
(3) Korean
Sensaengninm-eykey
casin-iy
yunyensicel-i
saengkakn-at-ta.
teacher- DAT
self- GEN
childhood -NOM
remember-PAST-IND
The teacher remembered his own childhood days. (Gerdts 1987:194)
Japanese, an accusative language, usually encodes a subject
by a nominative case, however in (1),
instead of the subject, the theme NP furansugo French is encoded by the nominative ga. The so called
logical subject sensei teacher , which is the subject from the semantic point of view, is encoded by the
dative case ni. This case encoding suggests that the theme NP is the syntactic subject. On the other hand,
the dative coded NP triggers o...ni naru honorification. As we will see later in details, it has been pointed
out (Harada 1976, Shibatani 1978) that the NP which triggers o...ni naru honorification is the subject.
The example (1) shows mismatch of the logical subject and the syntactic subject in semantics, case
coding, and syntactic behaviors such as the so-called subject honorification. Examples from other
languages show the same contradiction. In (2), the logical and semantic subject is dative, while the theme
NP is nominative, and the verb agrees with the nominative NP. Perlmutter (1984) provides five syntactic
phenomena indicating indirect object-hood and four phenomena indicating subject-hood of the same
dative NP Gli. In Korean, the controller of a reflexive is either subject or direct object (Kozinsky and
Polinsky 1993:187). The reflexive controller in (3) suggests the dative NP sensaengninm-eykey
teacher-dative is the subject, while the dative case suggests it is not the subject.
It is evident from these examples that a single term subject is not sufficient to refer to a NP whose
subject -hood is not consistent in terms of semantics, morphology, and syntax.
Subject -hood also
varies between constructions as we will see elsewhere in this paper.
The framework I use to tackle these problems is Role and Reference Grammar (henceforth RRG) of
Van Valin and Lapolla 1997 (henceforth VV & LP). RRG claims semantic structures (i.e. logical
structures) but not grammatical relations are primitives. In this theory, the trigger (i.e. controller) of the
honorification in the Japanese example, the controller of the verb agreement in the Italian example, and
the controller of the reflexive in the Korean example are structure-specific. In other words, a controller is
not necessarily the same among different structures within a language, nor does RRG claim that a
nominative case is a subject marker. In this paper, I will discuss how these claims can shed new light
on some case marking patterns in Japanese.
1. Theoretical Background
1.1. Logical structures and macroroles
In RRG, semantic decomposition of predicates and their semantic argument structures are represented as
logical structures (henceforth LS). A similar notion called argument structure or semantic structure
is found in other literature.
−12−
(1)
(a) The mouse died.
BECOME dead (mouse)
[accomplishment]
(b) The cat killed the mouse.
[do (cat, Ø)]CAUSE [BECOME dead (mouse)]
[causative accomplishment]
(c) John made the cat kill the mouse.
[do (John, Ø)] CAUSE[ [do (cat, Ø)]CAUSE [BECOME dead (mouse)]]
[causative accomplishment]
(d) John ran.
do (John, [run (John)])
[activity]
(e) John is at the store.
be-at (store, John)
[state]
(f) John ran to the store.
[do (John, [run (John)])] & [BECOME be-at (store, John)] [active accomplishment]
(g) The window shattered.
INGR shattered (window)
[achievement]
(h) John gave the book to Mary.
[do (John, Ø)] CAUSE [BECOME have (Mary, book)]
[causative accomplishment]
In RRG, there are four basic classes of predicates: states, activities, accomplishments, achievements
(cf. Dowty 1979, Vendler 1957). In addition, accomplishment with activity, i.e. active accomplishments,
is recognized. As we will see later, there are also active achievement predicates in Japanese. The classes
are determined by Aktionsart tests such as whether the predicate may occur with for one hour, in one
hour, and slowly; and whether the predicate occurs in the progressive or not (see VV & LP for details).
The characteristics of the basic four classes are summarized in terms of three features, [static], [punctual]
and [telic]. The last feature [telic] refers to the presence of an inherent temporal terminal point.
(2)
State
[+static] [-telic] [-punctual]
Activity
[-static] [-telic] [-punctual]
Accomplishment
[-static] [+telic] [-punctual]
Achievement
[-static] [+telic] [+punctual]
The notation do denotes an activity predicate as in (1d). The example (1e) without do denotes a stative
predicate. The notation BECOME in example (1a) denotes an accomplishment predicate. The notation
INGR in (1g) denotes an achievement predicate. It is interesting to note that in English, die is an
accomplishment since it can be used in the progressive e.g. he is dying. On the other hand, sinu
in Japanese is an achievement. (cf. VV & LP 106.)
(3) Kare-wa sin-de-i-ru.
he-TOP die-L-RESL-be.
He is in the state of being dead. = He is dead.
INGR dead (he)
−13−
die
The notation Ø in (1b, c, h) denotes unspecified activity. All clauses may have causative counterparts
indicated by the notation CAUSE as in (1b,c,h). The notation & in (1f) denotes temporarily sequenced
state of affairs without causation.
RRG posits two macroroles, actor and undergoer. The actor subsumes agent-like thematic roles (e.g. an
agent, an experiencer) while the undergoer subsumes patient-like thematic roles (e.g. a theme, a patient).
In (4) below, the argument at the left end of the actor-undergoer hierarchy is the most typical actor,
namely an animate agent that acts upon and affects an undergoer argument. The argument at the right
end is the most typical undergoer, namely an inanimate patient that is acted upon and affected by an
actor argument. Moving toward the center of the scale, actor-hood and undergoer-hood become less
typical. An agent is the x argument preceded by the notation DO , for example, as in the verb murder
as represented by DO (x, [do (x, [kill (x, y)]) CAUSE [BECOME be-dead (y)]. Usually, the notation
DO (x is usually omitted in the representation, because agentivity is an implicature for most verbs.
(Holisky 1987, Van Valin and Wilkins 1996; but see Hasegawa (1996: 60) who argues that many
Japanese verbs, unlike English, are lexically agentive.)
(4) Actor-Undergoer Hierarchy
ACTOR
----------------------------------------------------------------->
<-------------------------------------------------------UNDERGOER
arg
1st arg of
of DO
do (x,...
agent
effector
1st arg of pred (x, y)
experiencer locative
source
path
goal
2nd arg of
arg of state
pred (x, y)
pred (x)
theme
patient
recipient
[The arrow indicates the increasing markedness of realizations of argument as actor or undergoer]
When a pred is preceded by do , it denotes an activity predicate; the pred which is not preceded by
do denotes a stative predicate. This diagram is a combination of the one in Van Valin (1993) and the
one in VV & LP. Thematic roles in RRG are primarily determined in terms of the Aktionsart of a
predicate and the position of arguments within a LS. RRG has no commitment to their labels.
Using the hierarchy, John in (1h) repeated below is the actor, while between Mary and book, the lower
ranking argument, book, is chosen as the undergoer. The remaining argument, namely Mary, is called a
non-macrorole core argument .
(1h) John gave the book to Mary.
[do (John, Ø)] CAUSE [BECOME have (Mary, book)]
The term argument is used in two senses. In one sense, it refers to semantic argument(s) that a
predicate requires semantically. Kill, for example, takes two semantic arguments and give takes three
semantic arguments. The other sense of argument refers to syntactic argument(s). We can see these two
senses in the following example:
(5) The mouse was killed by the cat.
−14−
Here, mouse is a semantic argument as well as a syntactic core argument while cat is a semantic
argument but not a syntactic core argument ( core refers to a syntactic but not a semantic property). Cat
is syntactically an adjunct, i.e., peripheral element in RRG terminology. At six in (6), a modifier of the
phrase John got up, is also an adjunct.
(6)
John got up at six.
To the station in (7) and on the desk in (8),
(7)
John ran to the station
(8)
John put the book on the desk
are called a semantic/syntactic argument-adjunct . An argument-adjunct is like an adjunct since neither
of them is completely predictable from their LS. Note that John ran and John put the book down without
an argument-adjunct are complete sentences. On the other hand, if they appear in sentences, they are
construed as semantic/syntactic arguments of predicates rather than adjuncts.
1.2. Case
VV & LP propose case assignment rules for German and Icelandic as follows. I added core in the
definition as they note that these rules apply within the core direct arguments only. (VV & LP:359)
(9)
Case assignment rules for German and Icelandic
a. Assign nominative case to the highest-ranking macrorole core argument.
b. Assign accusative case to the other macrorole core argument.
c. Assign dative case to non-macrorole core argument (default).
The rules are a semantics-based formulation with syntactic constraints incorporated. Interaction between
semantics and syntax is most evident in a passive construction.
(10) He was hit by Mary.
LS: do (Mary [hit (Mary, 3sg.m)])
Mary would be the actor and a syntactic argument if the sentence were active, but in the passive
sentence, Mary is an adjunct syntactically (i.e. actor-adjunct). Consequently, the other macrorole, namely
the undergoer is the highest macrorole argument syntactically and receives nominative case. I will use
the above formulation as a starting point to formulate the case assignment rules of Japanese.
1.3. Nexus and Juncture
In RRG, syntactic structures are represented as layered structures by using two notions, juncture and
nexus. Juncture refers to the three levels of syntactic units, viz. clause, core, and nucleus. Each level is
determined in terms of operators that modify different levels. For example, aspect is a nuclear
operator, which modifies a nuclear level unit. Deontic/root modality is a core operator; tense is a clause
operator. Nexus indicates how these units are combined. There are three kinds of nexus, viz.
subordination, cosubordination, and coordination. If one unit is embedded within another unit, it is
subordination. If one of two units is not embedded under the other, but obligatorily share the same
operator at the level in question, it is cosubordination. If two units are coordinated and each unit may
have its own operator at the level, it is coordination. My main concern in this paper is nuclear junctures.
−15−
The sentence (11) is an example of nuclear cosubordination and the sentence (12) is an example of core
coordination in French from VV & LP (p.443-444).
(11) Je ferai manger les gâteaux à Jean
I will.make eat the cakes to Jean
I will make Jean eat cakes.
(12) Je laisserai Jean manger les gâteaux.
I will.let Jean eat the cakes
I will let Jean eat the cakes.
(11 ) Nuclear cosubordination
(12 ) Core coordination
−16−
Nuclei must be adjacent to each other in linear order in nuclear juncture as in (11), while nuclei may
be separated by an argument in core juncture as in (12). This is a characteristic to distinguish nuclear
juncture from core juncture in French. Hasegawa (1996) argues that, in Japanese, nuclear predicates in
nuclear junctures cannot be separated by an element except by some particles such as a topic marker or
nuclear-level operators. (See Hasegawa 1996: 67-70 for diagnostic tests of nuclear juncture in Japanese.)
(13a) Tegami-ga das-anai-de ar-u. (Hasegawa 1996: 88)
letter-NOM send -NEG-L be-NPST
There is a letter which hasn t been sent out.
(13b) Tegami-ga mada das-anai-de ar-u. (modified from Hasegawa 1996: 88)
letter-NOM still
send -NEG-L be-NPST
There is still a letter which hasn t been sent out.
(13c) *Tegami-ga das-anai-de
mada ar-u.
letter-NOM send -NEG-L still be-NPST
(int.) There is still a letter which hasn t been sent out.
The sentence (13) is an example of nuclear coordination and (14) is an example of nuclear subordination
in Japanese. (Hasegawa 1996: 87-88).
(14) John-ga
soto ni
kuruma-o tome-te ar-u
John-NOM outside LOC car-ACC
stop-L be-NPST
John has parked the car outside.
(13a ) Nuclear coordination
−17−
(14 ) Nuclear subordination
(14) is an example of nuclear subordination because
the valence of the complex nucleus V-te ar- is
identical with that of the TE-predicate (i.e. tome-te) itself...ar- makes no contribution to the argument
structure (Hasegawa 1996: 87). The representation of the layered structure is modified in accordance
with VV & LP. By contrast, nuclear coordination and nuclear cosubordination may change the valence of
the (first) predicate, which is the case in (13a). Das-u send is a transitive verb, but when it is followed
by te-ar- as in das-i-te-ar-, the valence is reduced by one and das-i-te-ar-u as a whole becomes an
intransitive predicate. Ar- in (14) is an aspectual operator, while ar- in (13a) is a nuclear predicate. Note
that ar- in (13a) is not an operator. If it were, das- send would remain as transitive and tegami letter
would be marked by accusative. Thus, (13a) is either nuclear coordination or nuclear cosubordination but
not subordination. In order to determine the nexus between the two possibilities, we look at nuclear
operator sharing. Since the first predicate das- send takes its own nuclear operator in (13a ), it is
coordination.
2. Logical Structures and Case
2.1. Transitive Construction
Typical examples with transitive verbs are (1) in the active voice and (2) in the passive voice.
(1)
Hanako-ga
Taro-o
tatai-ta.
Hanako-NOM Taro-ACC hit-PAST
Hanako hit Taro.
(2)
Taro-ga (Hanako ni) tatak-are-ta.
−18−
Taro-NOM (Hanako by) hit-PASS-PAST
Taro was hit by Hanako.
do (Hanako [hit (Hanako, Taro)])
ACT--->adjunct
UND
Hanako-ni is an actor-adjunct. The presence of the passive morpheme -(r)are- reduces the number of
core arguments, since an argument is demoted to the periphery or may be totally deleted from the
clause. The passive morpheme -(r)are- is within a nucleus, but it is not predicative by itself since it does
not have its own meaning besides reducing the number of arguments in direct passives. It is labeled as an
auxiliary verb since it becomes inflected by tense like verbs. The layered structure, the logical structure,
and their linking for (2) are as follows:
(2 )
VV & LP's case assignment rules for Icelandic and German account for these Japanese examples as well.
The rules are repeated below.
(3) Case assignment rules for German and Icelandic (VV & LP: 359)
(a)
Assign nominative case to the highest-ranking macrorole core argument.
(b)
Assign accusative case to the other macrorole core argument
(c)
Assign dative case to non-macrorole core argument (default)
For example, in (2), the higher macrorole, which is the undergoer since the actor is demoted to an
adjunct, receives nominative case. Strictly speaking, the actor is not demoted as Relational Grammar
−19−
puts it. Non-derivational RRG regards the superficial demotion as an alternative linking between the
LS and syntax. The actor is linked to an adjunct whereas the undergoer is linked to the subject . The
former was called backgrounding, the latter was called foregrounding in Foley and Van Valin (1984).
order to avoid the confusion with terminology referring to pragmatic saliency in cognitive linguistics,
VV & LP :(P.294) refer to them as Privileged Syntactic Argument Modulation and Argument
Modulation
respectively. I simply adopt demotion and promotion without a commitment to the
derivational view of Relational Grammar.
2.2. Ditransitive Construction
An example of ditransitive sentence is:
(4) Taro-ga
Taro-NOM
kodomo-ni
hon-o
atae-ta.
child-DAT
book-ACC
give-PAST
Taro gave a book to the child.
The layered structure of (4) is:
(4 )
The identically represented semantic arguments in the LS (the first and the second Taro; the first and the
second kodomo child in the LS respectively) receive the same syntactic-semantic value.
Case marking of ditransitive sentences in the active voice follows the case assignment rule introduced
above. The actor Taro, the higher macrorole, takes nominative according to the rule (3a). The undergoer
hon book , the other macrorole, takes accusative according to (3b). By the rule (3c), the remaining core
argument, the recipient, takes dative by default.
However, the rules fail to account for case marking of passive sentences with a ditransitive in
Japanese. In Japanese, not only the theme, as in (5), but also the recipient may be passivized as in (6).
Note that the recipient is a non-macrorole core argument and there is no dative shift in Japanese.
−20−
(5) Hon-ga
Kodomo-ni
book-NOM child-DAT
(Taro ni-yotte)
atae-rare-ta
(Taro by
give-PASS-PAST
The book was given to the child (by Taro).
(6) Kodomo-ga
(Taro ni)
hon-o
atae-rare-ta .
child-NOM
(Taro by)
book-ACC
give-PASS-PAST
The child was given the book (by Taro).
The actor-adjunct is coded by ni-yotte rather than ni in (5) in order to avoid the ambiguity of
homophones (i.e. the recipient and actor-adjunct).
For the sake of comparison, let us examine related English constructions. In English, verbs such as
present and give alternate undergoer assignment between the theme and the recipient. (VV & LP: 338360)
(7a) He presented them to Mary
[do (he [present (he, Mary)])] CAUSE [BECOME have (Mary, them)]
ACT
OCA
UND
(7b) They were presented to Mary (by him).
OCA (actor-adjunct)
UND
(8a) He presented her with the books.
[do (he [present (he, her)])]CAUSE [BECOME have (her, the books)]
ACT
UND
(8b) She was presented with the books
UND
OCA
OCA
(by him).
(actor-adjunct)
Case assignment rules introduced above apply to these English examples. In passive sentences (7b) and
(8b), the highest macrorole core argument, receiving nominative case, is the undergoer since the actor is
an adjunct. The remaining syntactic core argument, which is called an oblique core argument , receives
dative case as default in (7b). It is marked by the with preposition in (8b). Alternation of the undergoer
with the verb give is known as a dative shift .
(9a)
John gave them to her.
(9b)
John gave her the books.
(9c) *John gave her them.
In (9a), them is the undergoer, whereas in (9b), her is the undergoer. The case of the books in (9b) is not
overtly marked. Both her and the books in (9b) must be accusative, given that they are not nominative.
(9a) and (9b) can be passivized. Many American English speakers (but not British English speakers) find
passivization of the theme in (9b) ungrammatical. It indicates American English has the constraint that
only an undergoer may be passivized.
(9a ) They were given to her by John.
(9b ) She was given the books by John.
(9b ) *?The books were given her by John.
Acceptability of passivization in the dative shift sentences is controlled by the interaction of
foregrounding versus backgrounding (in the sense of a cognititive operation), topicality, and speaker's
−21−
perspective. (9b) indicates her is relatively foregrounded compared to the books. Topicalization of the
foregrounded her as in (9b ) is pragmatically natural, however topicalization of the book is odd because
the dative shift in (9b) is the operation of backgrounding the books, while topicalization of the books in
(9c) is foregrounding the books. Two operations contradict each other in terms of pragmatics, which
leads to the oddity.
Load/spray verbs also show undergoer assignment alternation.
(10a) John loaded the hay on the wagon.
[do (John [load (John, wagon)]] CAUSE [be-on (wagon, hay)]
ACT
OCA
UND
(10b) John loaded the wagon with the hay.
[do (John [load (John, wagon)]] CAUSE [be-on (wagon, hay)]
ACT
UND
OCA
(11a) They loaded a box onto the truck. (Yasui 1987: 147)
(11b) *They loaded the truck with a box. (Yasui 1987: 147)
(11c) They loaded the truck with a single, enormous box.
(10a) is considered to be the unmarked undergoer assignment, whereas (10b) is considerd to be the
marked undergoer assignment in RRG. Marked assignment of macroroles is motivated by pragmatics
and/or semantics. In (10a), the undergoer the hay receives a holistic interpretation, whereas the wagon
receives a partitive interpretation. This holistic-partitive relation reverses in (10b) in accordance with
undergoer assignment alternation. (11b) is ungrammatical because the holistic interpretation of the truck
is not possible with a single box. However, Van Valin (p.c.) pointed out that (11c) is grammatical since a
holistic interpretation is possible, even with a single box.
Not all verbs taking a goal allow the undergoer shift. Put, for instance, taking a typical goal, does not.
(12a) John put the hay on the wagon.
do (John [put (John, wagon)] CAUSE [be-on (wagon, hay)]
AAJ,
ACT
UND
(12b) *John put the wagon with the hay.
Japanese lacks the undergoer assignment alternation. How then can we account for a sentence like (6)
repeated below, which assigns nominative case to a non-macrorole core argument?
(6) Kodomo-ga
child-NOM
(Taro ni) hon-o
atae-rare-ta .
(Taro by) book-ACC
give-PASS-PAST
The child was given the book (by Taro).
I propose that pragmatic peak is another motivation to assign nominative case in Japanese.
Pragmatic peak refers to the most salient argument in a simple clause. The terminology is adopted
from early RRG. Van Valin and Foley (1980:338-339) say:
Pragmatic salience is established by two interacting factors, discourse prominence (i.e. definiteness,
specificity, and givenness), on the one hand, and what Zubin (1979) calls the speaker's focus of
interest, on the other, that is, that participant which the speaker treats as most salient in the situation
−22−
under consideration. The pragmatically most salient NP in a clause is called PRAGMATIC
PEAK....According to Zubin (1979), the speaker's focus of interest plays the primary role in German in
determining which NP will occur as the pragmatic peak in the nominative case,...These two sets of
pragmatic factors can be characterized as speaker related and hearer related . The speaker-related
factors are those discussed by Zubin and reflect the speaker's judgment about the relative importance
of the participants in a situation.... The hearer-related factors, on the other hand, are those of
definiteness, specificity, and givenness, which are tied up with speaker's assumption about hearer's
ability to identify the referents of NPs and about what has been established in the discourse context.
What I refer to as pragmatic peak is similar to Zubin's focus of interest . Both are speaker-related
factors. Hearer-related factors are usually called topic . The pragmatic peak and discourse topic are
distinct notions, therefore the pragmatic peak may actually be manifested as either a discourse focus
(coded by the nominative ga) as in (13a), a discourse topic (the nominative ga is replaced by a topic
particle wa) as in (13b), or a deleted topic (i.e. zero anaphor) as in (13c). If the pragmatic peak takes a
surface case, it is nominative.
(13a) Ta
ro_
-_
ga
daigaku e it-ta.
__
Taro-NOM college to go-past
Taro went to college.
(13b) Taro-ga
daigaku e it-ta.
Ta
wa
_ro
_-_
_
Taro-NOM college to go-past. Taro-TOP
keizaigaku -o
benkyoo-si-ta.
economics-ACC study-do-past.
Taro went to college. Taro studied economics.
(13c) Taro-ga
daigaku e it-ta.
Sosite, Ø keizaigaku-o
Taro-NOM college to go-past. and
benkyoo-si-ta.
economics-ACC study-do-past.
Taro went to college. And (he) studied economics.
Discourse focus is subsumed under the pragmatic peak, thus exhaustive ga (Kuno 1973) is one
manifestation of a pragmatic peak (cf. see section 2.3 for examples). The pragmatic peak may be best
defined as a sum of various factors. The following are candidates to determine the pragmatic peak. They
are not meant to be exhaustive or hierarchically ordered.
(14) (a)
A figure is more likely to be the pragmatic peak than the ground --- [Figure-ground hierarchy].
(b) Discourse focus is more likely to be the pragmatic peak.
(c)
An animate nominal is more likely to be the pragmatic peak than an inanimate nominal----[Animacy hierarchy].
(d) A higher argument is more likely to be the pragmatic peak than a lower argument in the LS --[Argument hierarchy]. (An argument that appears toward the left in the LS is higher than an
argument that appears toward the right. For instance, in a schematic LS [pred (x, y) CAUSE
pred (y, z)], x is higher than y, in turn, y is higher than z.)
(e1) The actor is more likely to be the pragmatic peak than the undergoer.
(e2) A macrorole is more likely to be the pragmatic peak than a non-macrorole core argument --[Macrorole hierarchy].
(f)
The pragmatic peak must be a core argument.
−23−
The pragmatic peak is manifested as nominative in Japanese (the same is true of German, as stated by
Zubin) but the reverse is not necessarily true. There are nominative NPs which are not pragmatic peaks as
we will see later. A pragmatic peak may interact with syntax but not necessarily determine a controller, a
pivot, or a subject. Case and postposition assignment rules for Japanese, with the notion of pragmatic
peak incorporated, are formulated as follows:
(15) Case/postposition assignment rules (Japanese)
(P) Assign nominative case to the pragmatic peak.
(A) Assign nominative case to the higher-ranking macrorole core argument.
(B) Assign accusative case to the other macrorole core argument.
(C) Assign dative case to the other core argument as default (Direct Core Argument)
(C ) The other core argument may take a postposition (Oblique Core Argument)
(16) Nature of macrorole ranking
A demoted macrorole is respected in terms of macrorole ranking even if it is not assigned case.
The rules apply in the order listed above. The rule (15P) is added to the former rules. In many instances,
addition of (15P) is trivial because the higher-ranking macrorole core argument and the pragmatic peak
are expressed by the same NP. I will discuss the nature of macrorole ranking, shortly.
Let us examine how the new rules handle the ditransitive sentences repeated below.
(17) Taro-ga
Taro-NOM
Kodomo-ni hon-o
atae-ta
child-DAT book-ACC
give-PAST
Taro gave a book to the child.
[do (Taro [give (Taro, child)])]& [have (child, book)]
ACT=peak
(18) Hon-ga
book-NOM
DCA UND
kodomo-ni (Taro ni-yotte) atae-rare-ta
child-DAT (Taro by)
give-PASS-PAST
The book was given to the child (by Taro).
[do (Taro [give (Taro, child)])]& [have (child, book)]
ACT--->adjunct
(19) Kodomo-ga Taro ni
child -NOM Taro by
DCA UND=Peak
hon-o
atae-rare-ta .
book-ACC
give-PASS-PAST
The child was given the book by Taro.
[do (Taro [give (Taro, child)])]& [have (child,
ACT--->adjunct
DCA=peak
book)]
UND
Case marking in (17) is straightforward and requires no explanation. Between (18) and (19), the choice
of the pragmatic peak alternates. In (18), hon book is chosen as the pragmatic peak because the
undergoer outranks a non-macrorole for the choice of pragmatic peak. In (19), on the other hand,
different criteria apply. The animate kodomo child outranks the inanimate hon book , furthermore,
the higher argument kodomo child outranks the lower argument hon book . Note that, in neither
sentence, the actor-adjunct Taro cannot be the pragmatic peak. In (18), hon book takes nominative by
−24−
the rule (15P); kodomo child takes dative by the rule (15C). In (19), kodomo child takes nominative
by (15P). Hon book in (19) would be the highest macrorole receiving nominative if the actor-adjunct
were not counted which would be true in Icelandic and German but not in Japanese. In order to account
for the fact that the undergoer takes accusative but not nominative, I proposed the nature of macrorole
ranking in (16). The actor-adjunct or the implicit actor after ellipsis at syntax level is still counted as the
higher macrorole at semantics. Thus, the undergoer hon book is counted as the lower (i.e. the other)
macrorole. The rule (15A) fails to apply to the actor-adjunct or the implicit actor since they are not
syntactic core arguments. The rule (15B) applies to hon book and assigns it accusative. Thus, both
(18) and (19) are potential passive counterparts of (17). One of the two forms is chosen based on the
context. (18) is used when the context requires hon book to be the focus, while (19) indicates kodomo
child is the focus, such as an answer to wh-question sentences. (18) is used when there is a
presupposition that something was given to the child, whereas (19) is used when there is a
presupposition that somebody was given the book.
An example of an oblique core argument is the goal of the verb okuru to send . Okuru is ambiguous
in the meaning between to send and to present, give . They are homophones but orthography
differentiates them by different characters. Okuru to send in (20) takes a goal nominal, whereas okuru
to present or to give in (21) takes a recipient.
(20) Taro-ga
afurika kara Hanako ni
Taro-NOM Africa
from Hanako to
kozutumi-o
okut-ta.
parcel-ACC
send-PAST
Taro sent a parcel to Hanako from Africa.
do (Taro,[send (Taro, Hanako)])CAUSE[[NOT be-at (Africa, parcel)]&[be-at (Hanako, parcel)]]
ACT
(21) aro-ga
Taro-NOM
AAJ
Hanako-ni
yubiwa-o
Hanako-DAT letter-ACC
OCA
UND
okut-ta.
present-PAST
Taro presented a ring to Hanako.
do (Taro, [present (Taro, Hanako)]) CAUSE [have (Hanako, ring)]
ACT
DCA
UND
Although Hanako is a human in (20), it is construed as a goal, but not a recipient. We can argue for this
view based on the facts that 1) Hanako is paired with the source of geographic location afurika
Africa , 2) Hanako may be replaced by an explicitly localized NP Hanako no tokoro Hanako's place
or Hanako no moto the place where Hanako stays at , 3) Hanako may be replaced by a goal of
geographic location such as Tokyo. None of these three applies to the recipient of (21). The recipient may
be replaced by Tokyo, but only if Tokyo is interpreted as an organization. It is noteworthy that the
passivization of a recipient is perfectly fine while the passivization of a goal is anomalous. The
interpretation I get from (20 ) is an adversative passive reading, where Taro sent a parcel to somebody
else from Africa, and Hanako was affected.
(20 )?? Hanako-ga
Hanako-NOM
afurika kara Taro ni
kozutumi-o okur-are-ta.
Africa from Taro by parcel-ACC send-PASS-PAST
(int.) Hanako was sent a parcel from Africa by Taro.
−25−
(21 )
Hanako-ga
Taro ni
yubiwa-o
Hanako-NOM
Taro by ring-ACC
okur-are-ta.
present-PASS-PAST
Hanako was presented a ring by Taro.
2.3. Inversion construction (Nominative-dative construction)
Inversion is the construction in which the so-called subject is coded by dative and the so-called object is
coded by nominative.
(22) Taro-ni
sono imi-ga
Taro-DAT that
wakat-ta.
meaning-NOM
understand-PAST
Taro understood the meaning.
BECOME know (Taro, meaning)
DCA UND=peak
(23) Taro-ni
Taro-DAT
Hanako-ga
mie-ta.
Hanako-NOM
visible-PAST
Taro saw Hanako. (lit.) Hanako was visible to Taro.
visible (Taro, Hanako)
DCA UND=peak
(23 )
The pragmatic peak Hanako in (23) receives nominative case by the case assignment rule (15P). The
higher macrorole argument is the undergoer because there is no actor. The rule (15A) says to assign
nominative to the higher macrorole, namely Hanako. However it has been already assigned nominative
case by the rule (15P), therefore the rule (15A) does not apply. The remaining non-macrorole core
argument is assigned dative by the rule (15C). In Japanese, a single macrorole is the default for
predicates containing no [+activity] (i.e. state, achievement, and accomplishment without do ...
−26−
predicate). I propose the principle of M(acrorole)-transitivity for Japanese (and other languages with
many inversion verbs) as follows:
(24) M-Transitivity Principle for Japanese
If a predicate has no activity predicate in its LS, the predicate is M-intransitive as default
(i.e. it takes a single macrorole).
Van Valin (1993:47)'s Default Macrorole Assignment Principles state that [f]or verbs which take one
macrorole,...[and if] the verb has no activity predicate in the LS, the macrorole is undergoer. The
principle (24) with the Default Macrorole Assignment Principles predict that a stative predicate has an
undergoer but not an actor.
Other examples of inversion verbs are:
(25) kikoe-ru
to be audible
audible (x, y)
deki-ru
can do
able (x, y)
i-ru/hituyoo-da
to need
need (x, y)
ar-u
to have
have (x, y)
nai
not have
NOT.have (x, y)
kowai
be afraid of
afraid (x, y)
(26) Ningen-ni
human.beings-DAT
wa
50 herutsu ika-no
oto-ga
TOP
50 Hz under-GEN sound-NOM
kikoe-nai.
audible-not
Human beings can not hear the sound under 50 Hz.
Potential verbs derived by adding -(ar)e-r- to a verb stem are productive.
(27) kak-e-ru
can write
write.able (x, y)
cf. kak-u
to write
yom-e-ru
can read
read.able (x, y)
cf. yom-u
to read
tsuka-e-ru
can use
use.able (x, y)
cf. tsuka-u
to use
taber-are-ru
can eat
eat.able (x, y)
cf. taber-u
to eat
kir-are-ru
can wear
wear.able (x, y)
cf. kir-u
to wear
(28) Kumon kaado
Kumon cards
de benkyoo
sure-ba,
3 sai-no
kodomo-ni
mo
by study
do-if,
3 years.old-GEN
child-DAT
also kanji-NOM
yomeru-yoo
ni
naru.
read.able-nominalizer
to
become
kanji-ga
If he/she studies by using Kumon cards, even a three-year-old child becomes to be able to read
kanji (chinese characters).
The majority of inversion verbs have an alternative case marking pattern. Both arguments may be coded
by nominative.
(29a) Taro-ni
Taro-DAT
okane-ga
hituyooda
money-NOM
need
Taro needs money.
need (Taro, money)
DCA UND=peak
−27−
(29b) Taro-ga
Taro-NOM
okane-ga
hituyooda
money-NOM
need
Taro needs money.
need (Taro,
money)
DCA=peak
UND
The two arguments in the inversion construction are equally good candidates for the pragmatic peak. On
the one hand, Taro, a human nominal, is more likely the pragmatic peak than the inanimate okane
money according the animacy hierarchy. In addition, Taro, the higher argument is more likely to be the
pragmatic peak than the lower argument okane
money , according to the argument hierarchy. On the
other hand, a macrorole argument, namely the undergoer okane money , is more likely to be the
pragmatic peak than non-macrorole Taro. In (29b), the case marking rule (15P) assigns the pragmatic
peak Taro nominative. The undergoer is the higher macrorole because there is no actor even in the
periphery. The rule (15A) assigns nominative to the undergoer. The result is a double nominative
construction. When a speaker pays more attention to the non-macrorole direct core argument than the
undergoer, the pragmatic peak shifts to the non-macrorole argument. It is the context that helps choose
one of the two alternatives. In (29 b), Taro is the focus, i.e. pragmatic peak, since Taro is compared with
others. Example (29 b) is more natural than (29 a) since Taro is coded by nominative in (29 ). As the
result, the sentence becomes a double nominative construction. In (29 a), okane money is the focus,
i.e. pragmatic peak, since okane is compared with others. Example (29 a) is more natural than (29 b)
since not Taro but okane is marked by nominative in (29 a).
(29 a) ?Dare-yorimo
Taro-ni
anybody-than Taro-DAT
okane-ga
hituyooda
money-NOM
need
Taro needs money more than anybody else.
(29 b)
Dare-yorimo
Taro-ga
anybody-than Taro-NOM
okane-ga
hituyooda
money-NOM
need
Taro needs money more than anybody else.
(29 a)
Taro-ni
nani-yorimo
okane-ga
hituyooda
Taro-DAT
anything-than
money-NOM
need
Taro needs money more than anything else.
(29 b) ?Taro-ga
Taro-NOM
nani-yorimo
okane-ga
hituyooda
anything-than
money-NOM
need
Taro needs money more than anything else.
Voice morphology affects the number and linking of macroroles as we saw in the transitive and
ditransitive constructions in Japanese. The inversion construction, however, is not coded morphologically
on the verb. Therefore we can safely say that the macrorole value is intact in inversion sentences, which
consequently guarantees the occurrence of double nominatives by following the case assignment rules.
There are a handful of predicates whose x argument as well as y argument must take nominative case.
(30) zyoozu-da
heta-da
be good at
skillful (x, y)
be poor at
bad (x, y)
−28−
hosii
want
want (x, y)
suki-da
like
fond (x, y)
kirai-da
dislike
hateful (x, y)
e.g. Taro-ga/*ni
Hanako-ga
Taro-NOM/*DAT Hanako-NOM
sukida.
like
Taro likes Hanako.
Tentative explanations for the contrast between (30) versus (25),(27) are as follows. Predicates of (25),
(27) but not (30) allow the undergoer to be construed as being the pragmatic peak. Ability, possession,
and necessity in (25),(27) are construed as being located at animate nominals. Locatives are cognitively
the ground, rather than the figure. In perception predicates, such as mieru can see, be visible and
kikoeru
can hear, or be audible , the percept figuratively moves from its origin to the perceiver (cf.
fictive motion in Talmy 1995). The percept is the figure, and the end point or the perceiver, is the ground.
The former is construed as the pragmatic peak. Such interpretation is not available for (30). The animate
nominal x, rather than the locative y, is more likely to become the pragmatic peak according to the
animacy hierarchy.
Wakaru understand may take an adverbial 5-fun-de in five minutes indicating [+telic].
(31) Taro-ni/-ga
Taro-DAT/-NOM
sono
kotae-ga
5-fun de
wakat-ta
that
answer-NOM 5-minutes in understand-PAST
Taro understood the answer in five minutes.
It shows that wakaru understand in this sentence is an accomplishment and the LS for (31) is:
(31 ) BECOME know (Taro, answer)
DCA UND
Wakaru understand in the next sentence is a state as it is evident from simple present. The non-past
form, i.e. -u ending verbs, denotes simple present if the predicate is state. Other verbs in non-past denote
future in Japanese, e.g. taberu to eat or will eat .
(32) Taro-ga/ni
Taro-NOM/DAT
Furansugo-ga
wakar-u.
French-NOM
understand-NPST
Taro understands French.
know (Taro, French)
When wakaru is embedded in a causative phrase, the theme must be coded by accusative.
(33) Boku-wa
I-TOP
Mary-ni
kore-o /*-ga
wakara-se-ru. (Kuno 1973: 139)
Mary-DAT
this-ACC/*-NOM
understand-CAUSE -NPST
I will make Mary understand this.
Kuno argues as follows:
[W]akar to understand is [+stative] and thus takes ga for making its object. When it is followed
by the causative -(s)ase, however, the whole form wakar-(s)ase to make (someone) understand
becomes [-stative] because of the [-stative] feature of -(s)ase. Thus ga cannot be used to mark the
object or this derived form. (1973: 139)
In our account, case marking of (33) falls out naturally from its LS.
−29−
(33 ) [do (I, Ø)]CAUSE [BECOME know (Mary, this)]
ACT
DCA UND
Kore this , the undergoer, takes accusative, whereas Mary, the non-macrorole core argument, takes
dative as default.
Kuno cites another example which does not alter case marking even though the right most element is
[-stative].
(34) John-wa
nihongo-ga
John-TOP Japanese-NOM
wakari
hazime-ta. (ibid.143)
understand
begin-PAST
John began to understand Japanese.
He argues that:
Affixes seem to influence the case marking of the object of the derived forms only when they are
bound forms (such as the causative -(s)ase)....Hazime-ru is an independent verb that means to
begin ...Since hazime-ru in itself implies an action, derived compound verbs are also [-stative].
However, it does not influence the case marking of the object of the verbs to which it is added.
(ibid.142-143)
Kuno stipulates that bound morphemes influence case marking, while free morphemes do not.
Matsumoto (1992) criticizes Kuno's stipulation and proposes that wakara-seru cause to understand is a
single predicate and therefore mono-clausal in f-structure (in LFG), while wakari-hajimeru begin to
understand is bi-clausal in f-structure. In a single predicate clause, the whole predicate namely nonstative wakara-seru, governs the object and assigns accusative. Whereas in a bi-clausal sentence, only
the head, namely the stative wakaru understand but not non-stative hajimeru to begin , governs the
object and assigns nominative case. Contrary to Matsumoto's claim, it has been agreed in the literature
that causative sentences are bi-clausal-like to some extent, while aspectual elements (i.e. a partial verb of
a compound verb or a serial verb which indicates some aspectuality) are not usually considered to
contribute to bi-clausal structures. In our account, the reason that hazimeru to begin does not influence
the case marking falls out naturally by referring to the LS. Hazimeru to begin is not a predicate but an
aspectual verb, thus it does not appear in the LS. The LS of (34) is [BECOME know (John, Japanese)].1)
When nihongo Japanese is chosen as the pragmatic peak, we get dative-nominative, when John is
chosen as the pragmatic peak, we get nominative-nominative.
Potential predicates have three alternatives in case marking. (35c) is a new form gaining popularity
among new generations.
1) Note that BECOME is due to wakaru (to become to) understand in the same vein as in (31) but not due to
hajimeru to begin or to start . It is also worthy to point out that hajimeru to begin is a transitive verb if it is
used as a full verb, whereas it does not affect case marking when it is used as an aspectual operator.
a) Taro-ga
benkyoo-o hajime-ta. (hajimeru as a transitive verb)
Taro-NOM study-ACC begin-PAST
Taro started his study.
b) Akanboo-ga naki-hajime-ta. (hajimeru as an aspectual operator)
baby-NOM cry-begin-PAST
The baby started crying.
−30−
(35a) John-ni
furansugo-ga hanas-e
-ru
John-DAT
French- NOM speak-POTENTIAL
-NPST
DCA
UND=peak
(35b) John-ga
furansugo-ga hanas-e
-ru.
John-NOM
French-NOM speak-POTENTIAL
-NPST
DCA=peak
UND
(35c) John-ga
furansugo-o
hanas-e
-ru.
John-NOM
French-ACC
speak-POTENTIAL
-NPST
ACT=peak
UND
John can speak French.
Potential predicates in (35a) and (35b) are [+static]. However, case marking of (35c) indicates the
predicate is [+activity]. The potential morpheme -e- is affecting the meaning of the whole sentence,
namely making the whole sentence [+static]. Nevertheless, the morpheme does not affect case marking
in (35c). Furthermore, even though the predicate in sentence (35c) must be an activity in terms of case
marking, it is not compatible with a volitional or a progressive form which we expect to be compatible
with activity predicates.
(35c ) *John-ga
furansugo-o
John-NOM French-ACC
ACT=peak
hanas-e
-te-i
speak-POTENTIAL-L -PROG
-ru.
-NPST
UND
*John is being able to speak French.
(35c ) *John-ga
furansugo-o
John-NOM French-ACC
hanas -e
-yoo
speak-POTENTIAL -VOLITIONAL
to
si-ta.
COMP
do-PAST
*John tried to be able to speak French.
It suggests that there is an on-going transition from a stative to an activity.
2.4. Nominative-ni postposition construction
2.4.1. Motion verbs
Some examples of this class are: iku to go , kuru to come , hairu to enter , noru to get on ,
atumaru to congregate , chikazuku to come close , kaeru to return or to go back , modoru to return
or to go back , hiromaru to disperse , utsuru to move to another place (many of these examples are
from Teramura 1982)
(36a) Taro-ga
Taro-NOM
heya ni/e
hait-ta
room to/to
enter-PAST
Taro entered the room.
do (Taro, [move (Taro)]) & [INGR be-in (room, Taro)]
ACT
(37) Taro-ga
Taro-NOM
ACT
OCA
gakkoo ni/e it-ta.
school to/to go-PAST
Taro went to school.
−31−
ACT
do (Taro, [move.away.from.ref.point (Taro)] & [INGR be-at (school, Taro)]
ACT
ACT
OCA
ACT
The highest argument and the lowest argument in the LS are identical, namely Taro, thus, there are two
possibilities to assign a macrorole to this argument, either actor or undergoer. In such a case, the higher
macrorole on the actor-undergoer hierarchy is chosen. Therefore, Taro is an actor and receives
nominative case by the rule (15P) and by the rule (15A). The remaining heya room is the oblique core
argument in the same vein as a goal of ditransitive verbs. It is followed by a directional postposition ni
which should be distinguished from dative ni. The layered structure is:
(36a )
The verbs in this class have an alternative LS, for example, the verb hairu enter , when it is followed
by te-iru form, manifests another LS as in (38a):
(38a) Taro-ga
Taro-NOM
heya ni/e
hait-te i-ru.
room to/to enter-L-RSLT-NPST
Taro has entered the room. or Taro is in the room.
* Taro is entering the room.
INGR be-in (room, Taro)
OCA UND
The morpheme -i-, otherwise glossed as progressive, is glossed as RSLT (resultative) in (38a). It denotes
resulting state of an event but not the continuation of motion. When a verb is used in a sense of
resultative meaning, it lacks internal temporal continuity. They are construed as perfective (i.e.
achievement) and perfect. (cf. definition by Comrie 1976.) Thus (36b) allows the co-occurrence of a
pace adverb but (38b) does not. The grammaticality of (36b) is attributed to an activity LS component.
The sentence is an active-achievement. The ungrammaticality of (38b) is due to the lack of an activity
component
(36b) Taro-ga
Taro-NOM
yukkuri
heya ni/e hait-ta
slowly
room to
enter-PAST
Taro entered the room slowly.
do (Taro, [move (Taro)]) & [INGR be-in (room, Taro)]
(38b) *Taro-ga
Taro-NOM
yukkuri
heya ni
hait -te -i -ru.
slowly
room in
enter -L-RSLT-NPST
* Taro has slowly entered the room.
INGR be-in (room, Taro)
−32−
(38b) becomes acceptable when a speaker is reporting the activity on the spot. The speaker pays more
attention to the internal structure of the event rather than taking the event as a single whole (cf. Comrie
1976). In such an imperfective reading, the LS gains the activity component as in (36). Motion verbs in
this section are traditionally categorized as punctual verbs. (cf. shunkan-dooshi i.e. punctual verb in
Kindaichi 1954). The claim is based on the fact that those verbs in te-iru linker-be form denote the
result state but not progression. This interpretation, however, should not be taken as an indication of
punctuality, perfective or achievement of a verb per se. The interpretation of the result of an event
becomes salient only when the te-iru form is used. In this case, the LS is constituted by a single
achievement component. As long as a verb contains an achievement component, its te-iru form may
denote the resulting state regardless of whether the verb is inherently an achievement (e.g. verbs of
arriving in the next section). The verb may alternate between an achievement and an active-achievement
as in motion verbs. To sum up, co-occurrence with a pace verb observed in (36b) on the one hand, is
attributed to the activity component of the LS. The perfective interpretation of (38b) or indication of
telicity, on the other hand, is attributed to the achievement component of the LS.
2.4.2. Verbs of arriving
Tsuku arrive , tassuru reach , and todoku reach do not denote motion, at least syntactically. Such
verbs are inherently perfective or achievement because they do not allow a durational expression as in
(39b), a pace adverb as in (39c), nor mean progression or continuation of an action in the te-iru linkerbe form as in (39d). -Te-iru form denotes the result state of a telic event.
(39a) Taro-ga
Taro-NOM
mise ni/e
tsui-ta.
store to/to
arrive-PAST
Taro arrived at the store.
INGR be-at (store, Taro)
OCA UND
(39b) *Taro-ga
mise ni
iti-jikan tsui-ta.
one-hour
* Taro arrived at the store for one hour.
(39c) *Taro ga
mise ni yukkuri tsui-ta.
slowly
* Taro arrived at the store slowly.
(39d) Taro ga
mise ni ui -te-i
-ru.
-L-RSLT -NPST
Taro has arrived at the store.
* Taro is arriving at the store (now).
The macrorole NP receives nominative case. The goal is marked by the postposition ni to but not
dative ni, as indicated by the fact that it is interchangeable with a directional postposition e to .
2.5. Possessor raising (double nominative) construction
Possessive is coded by the genitive.
−33−
(40a) Mary-no
Mary-GEN
me-ga
aoi
eye-NOM
blue
Mary's EYES are blue. (Speaker's attention is on eyes as parts of Mary.)
If the possessor is raised , the sentence becomes a double nominative construction.
(40b) Mary-ga
Mary-NOM
me-ga
aoi
eye-NOM
blue
MARY's eyes are blue. (Speaker's attention is on Mary as a whole.)
The adjective aoi (be) blue is a one-place predicate, however, the sentence has two nominative
nominals. This construction was called multi-subject construction by Kuno (1973). The syntactic status
of two subjects has been a challenge to many syntactic theories. Kuno (1973:68-71) and Tateishi
(1994:179-207) from the perspective of Generative Grammar allow multiple subject assignments.
Other theories, such as Lexical Functional Grammar, Relational Grammar and RRG, do not allow
multiple subjects . Relational Grammar has analyzed multiple objects construction in Korean as
follows. Two constructions (i.e. double-subject construction and double-object construction) are
parallel because both involve possessor raising.
(41a) Kay-ka
dog-NOM
haksyang-uy
tali-lul
mwul-ess-ta. (Chun 1986: 72 via O
student-GEN
leg-ACC
bite-PAST-IND
Grady1991: 67)
The dog bit the student's leg.
(41b) Kay-ka
dog-NOM
haksyang-ul
tali-lul
mwul-ess-ta. (O Grady1991: 71)
student-ACC
leg-ACC
bite -PAST-IND
2
chômeur
The dog bit the student on the leg.
In Relational Grammar, the ascended possessor is an argument and the remaining possesee nominal is
a chômeur. (cf. Gerdts 1987, Chun1986, Perlmutter and Postal 1983). This analysis was supported by the
facts that only the raised possessor but not the remaining possessee nominal may undergo hipassivization (Korean has another passive which does not work for this construction), plain
topicalization, and clefting in Korean. This approach, however, does not provide an explanation for the
case marking. The fact that the remaining possessee is still marked by accusative is an open question.
Nakamura (1997) posits that both the raised possessor and the remaining possessee share the same
macrorole value. He extends this notion of sharing to non-macrorole arguments to account for instances
such as case spreading among adjuncts. He argues that the same case is shared by the raised possessor
and the remaining possessee because they share the same semantic value. His claim is based on the
observation that a possessee as well as a possessor may launch QF. He assumes this fact indicates two
nominals are identical in terms of macrorole value. This approach, however, ignores all other syntactic
asymmetries between the raised possessor and the remaining possessee investigated in Relational
Grammar. Another problem seems to be the notion of entailment which he supposes to be true of all the
instances of whole-part relation. For example, in (41), the fact that a dog bit the student's leg entails that
the dog bit the student. In his theory, this entailment guarantees the sharing of the same semantic value.
−34−
However, whole-part relation does not necessarily evoke entailment. In (40), the fact that Mary's eyes
are blue does not entail Mary is blue.
I propose an analysis of possessor raising construction as follows:
(40a )
(40b )
In (40a ), the underlined part of the LS indicates a head. The modifier Mary is linked to NP initial
position in the layered structure and appears in the genitive (cf. VV & LP: 61). The undergoer is assigned
to the lowest core argument in the LS by default, namely me eyes . [Mary no me] Mary's eyes is a
single NP. Nominative case is assigned to [Mary no me]. In (40b ), both Mary and me eyes are NP
arguments as the result of possessor-raising, in spite of the fact that aoi blue is a one-place predicate.
An element, for instance, an adverb modifying the predicate, may be inserted between the two arguments
in (40b), while it is not the case in (40a).
(40a ) *Mary-no
Mary-GEN
totemo
me-ga
aoi
really
eye-NOM
blue
−35−
(40b )
Mary-ga
totemo
me-ga
aoi
Mary-NOM
really
eye-NOM
blue
Mary's eyes are really blue.
The undergoer is assigned to the lowest semantic argument me. Mary is the pragmatic peak. Mary
receives nominative case by the case assignment rule (15P). The undergoer Mary receives nominative
case by the rule (15A). The shift of the pragmatic peak reflects foregrounding of Mary. The speaker s
attention changes from the body part me eyes to Mary as a whole. Figuratively, the sight of the speaker
zooms in on Mary s eyes in (40a), while the sight zooms out and now is on Mary as a whole in (40b). In
the Korean examples, I hypothesize that possessor raising is the foregrounding of the possessor, whereas
the passivization and clefting of the possessed is the foregrounding of the possessed. The two operations
on the same clause are not valid together since they contradict each other.
A constraint called double-o constraint blocks possessor raising from the accusative host in
Japanese. The double-o constraint says that a clause may not have more than one nominal coded by
accusative (Harada 1973). This constraint may be evaded if accusative is replaced by other particles. (cf.
Kuno 1983:218)
(42a) John-ga
John-NOM
Tom-no
kao-o
nagut-ta
Tom-GEN
face-ACC
hit-PAST
Tom-o
kao-o
nagut-ta
Tom-ACC
face-ACC
hit-PAST
Tom-o
atama-mo
kao-mo
nagut-ta. (modified from Kuno:1983: 218)
Tom-ACC
head-too
face-too
hit-PAST
John hit Tom's face.
(42b) *John-ga
John-NOM
John hit Tom on his face.
(43) John-ga
John-NOM
John hit Tom both on the head and on the face.
2.6. Causative Construction
In the rest of this section, I investigate causative and indirect passive constructions, whose LSs are
complex, and the possessor raising passive construction which is often confused with the indirect
passive. I will point out that the construction is actually a kind of direct passive in terms of LSs and case
marking.
The causative suffix -(s)ase- has been called jodoosi auxiliary verb in traditional Japanese grammar.
(44) Hanako-ga
Hanako-NOM
Taro-ni
hon-o
yon-de-simaw -ase -ta
Taro-DAT
book-ACC read-L-complete- CAUS-PAST
Hanako made/let Taro finish reading the book.
[do (Hanako, Ø)] CAUSE [do (Taro[read (Taro, book)])]
ACT
(45a) Hanako-ga
Hanako-NOM
DCA
UND
Taro-o
utaw-ase -ta.
Taro -ACC
sing-CAUS-PAST
Hanako made Taro sing.
−36−
[do (Hanako, Ø)] CAUSE [do (Taro[sing (Taro)])]
ACT
(45b) Hanako-ga
Hanako-NOM
UND
Taro-ni
utaw-ase -ta.
Taro-DAT sing-CAUS-PAST
Hanako let Taro sing.
[do (Hanako, Ø)] CAUSE [do (Taro[sing (Taro)])]
ACT
(46) Hanako-wa
Hanako-TOP
DCA
kodomotachi-ni yoru osoku
made
oki -te- i- sase- ta.
children -DAT
until
stay.up-L- PROG-CAUSE-PAST
night late
Hanako let the children stay up late.
The layered structure of (44) is:
(44 )Nuclear coordination
-(s)ase- is a nucleus which must be cliticized to the stem (with an aspect marker subordinated to it). It
affects the LS of the verb stem by increasing the number of arguments by one. It indicates that the nexus
between the causative morpheme and the verb is either coordination or cosubordination. The example
(44) shows that the stem and -(s)ase- may be separated by an aspectual element simau modifying only
the verb stem independently. Therefore, the nexus is coordination. The level of juncture is nuclear
because no syntactic argument may intervene between the two nuclei. Simau to complete which
follows the te linker is a verb but it does not determine nor affect the number of arguments, therefore the
nexus type between yomu read and simau to complete is subordination. Simau to complete
functions as an operator at the same time, thus it is double duty. (See Hasegawa (1996) for an RRG
analysis of te-simau construction.)
In (44) with a transitive verb, the actor is assigned nominative case by the rule (15A), and also by
(15P) as an actor is the default choice for the pragmatic peak. The undergoer receives accusative by the
rule (15B). The remaining non-macrorole core argument receives dative. In the coercive causative (45a),
Taro is the undergoer receiving accusative by the rule (15B), whereas in the permissive causative (45b),
Taro is the non-macrorole core argument receiving dative by the rule (15C). (45b) shows a marked
−37−
linking between semantics and syntax. The lowest semantic argument is not assigned undergoer. An
undergoer argument is a more patient-like argument than a non-macrorole core argument. Choosing a
non-macrorole argument over an undergoer argument denotes the argument in question as less patientlike. The similar semantic difference is observed in Korean. (Kozinsky and Polinsky (1993:202), Choi
(1983) (cited in Gerdts (1990:221), and Yang(1994).) In Korean, a causee may be coded by either
nominative, dative, or accusative case. It is claimed that the nominative-coded causee has the most
control, a dative-coded causee has less control, and the accusative-coded causee has no control over the
situation. The alternative case assignment in the causative constructions in other languages are
summarized in VV & LP section 9.2.2.
Alternative assignment of undergoer in causative constructions is available only when the verb is
intransitive in Japanese. The double-o constraint blocks accusative coding of the causee in a sentence of
a transitive verb.
(47) Hahaoya-ga
mother-NOM
kodomo-ni/*-o
hon-o
yom-ase-ta.
child-DAT/*-ACC
book-ACC
read-CAUS-PAST
The mother made/had/let the child read the book.
In such a sentence, the semantic difference between coercive causation and permission is neutralized.
2.7. Passive construction
2.7.0. Introduction
Passive constructions are divided into two types, direct passive and indirect passive. The indirect passive
construction, which is rare cross-linguistically, has case making and syntactic properties which require
special considerations.
We have already seen direct passive constructions. The examples are repeated as (48a) and (49a)
below.
(48a) Taro-ga
Taro-NOM
Hanako ni
tatak-are-ta.
Hanako by
hit-PASS-PAST
Taro was hit by Hanako.
(49a) Kodomo-ga
Taro ni
hon-o
atae-rare-ta .
child -NOM
Taro by
book-ACC
give-PASS-PAST
The child was given the book by Taro.
Direct passive sentences have active counterparts. The examples (48b) and (49b) are the active
counterparts of (48a) and (49a) respectively.
(48b) Hanako-ga
Hanako-NOM
Taro-o
tatai-ta.
Taro-ACC
hit-PAST
Hanako hit Taro.
(49b) Taro-ga
Taro-NOM
kodomo-ni
hon-o
atae-ta
child-DAT
book-ACC
give-PAST
Taro gave a book to the child.
Indirect passives may be formed from an intransitive verb as in (50a), from a transitive verb as in (51a),
−38−
or from a ditransitive verb as in (52a). Contrary to direct passives, indirect passives lack active
counterparts.
(50a) Hanako-ga
Hanako-NOM
Taro-ni
sin-are-ta.
Taro-DAT
die-PASS-PAST
(lit.)Hanako was died by Taro. or Taro died on Hanako.
(50b) *Taro-ga
Hanako-o
Taro-NOM Hanako-ACC
(51a) Hanako-ga
Hanako-NOM
sin-da.
die-past
Taro-ni
uta-o
utaw-are-ta.
Taro-DAT
song-ACC
sing-PASS-PAST
Hanako was affected by Taro's singing a song.
(51b) *Taro-ga
Hanako-o
Taro-NOM Hanako-ACC
(52a) Hanako-ga
Hanako-NOM
uta-o
utat-ta.
song-ACC
sing-past
kodomo-ni tomodachi-o takusan paatii-ni/e
child-DAT friends-ACC many
shootai-s-are-ta.
party-to/to invite-do-PASS-PAST
Hanako was affected by her child inviting many of her friends to the party.
(52b) *Kodomo-ga
child -NOM
Hanako-o
tomodachi-o takusan
paatii-ni/e
shootai-si-ta.
Hanako-ACC
friends-ACC many
party-to/to
invite-do-PAST
The indirect passive construction is also called the adversative passive (Howard 1968), the adversity
passive (Kuno 1973), or the affective passive (N. McCawley 1972) because of the semantics. The
sentences denote that the subject is adversely affected. A construction with on, with limited verbs in
English, may express the similar adversity as in the translation of (50a). In such a sentence, the affected
experiencer appears as an argument-adjunct, in an on prepositional phrase.
(53) The horse died on John.
AAJ
Some researchers have argued that some indirect passives do not denote adversity. (Wierzbicka 1979,
Kuno 1983.) However, a closer look reveals that all the examples of non-adversative reading, except one
example, that is (57a), which we will see shortly, are what I call possessor-raising passives. Such
sentences have active counterparts, therefore they are actually direct passives. (54a), (55a), (56a) are
examples of possessor-raising passive and (54b), (55b), and (56b) are their active counterparts.
(54a) Hanako-ga
Hanako-NOM
(Taro ni)
kata -o
dak- are -ta.
(Taro by)
shoulder-ACC
hold -PASS-PAST
Hanako had Taro's arm around her shoulders.
(54b) Taro-ga
Taro-NOM
Hanako-no
kata -o
dai -ta.
Hanako-GEN
shoulder-ACC
hold-PAST
Taro put his arm around Hanako's shoulders.
(55a) Taro-ga
Taro-NOM
(Hanako ni)
asi- o
fum- are-ta.
(Hanako by)
foot-ACC
step.on PASS-PAST
Taro had (his) foot stepped on (by Hanako).
−39−
(55b) Hanako-ga
Hanako-NOM
Taro-no
asi- o
fum- da.
Taro-GEN
foot-ACC
step.on PAST
Hanako stepped on Taro's foot.
(56a) Seito-ga
student-NOM
(sensei ni)
sakubun-o
home -rare-ta.
(teacher by)
composition-ACC
compliment-PASS-PAST
The student was complimented on his composition (by his teacher).
(56b) Sensei-ga
teacher-NOM
seito-no
sakubun-o
home -ta.
student GEN
composition-ACC compliment-PAST
The teacher complimented the student on his composition.
Shibatani (1990) claimed that passive sentences with a body-part like object such as (54a) and (55a) are
not indirect passives against other authors. I agree with him and will argue later that not only passive
sentences with a body-part object, but all possessor raising passive sentences including sentences such as
(56a), are direct passives. He also claims that the only one remaining problematic example with the verb
huku blow as in (57a) is actually a direct passive sentence, even though there is no active counterpart.
(57a) Konoha-ga
tree.leaf -NOM
kaze ni
huk-are -te
tit -ta.
wind by blow-PASS-CONJ
scatter-PAST
Leaves scattered, being blow (away) by the wind.
(57b) *Kaze-ga
wind-NOM
konoha-o
huk-u.
tree.leaf-acc
blow-NPST
(int.) The wind blows (away) a leaf.
The problem of huku blow is due to the accidental lack of an overt transitive counterpart, which
has mislead many to claim that there is an intransitive, and hence, indirect passive that lacks the
adversative reading. ... certain (direct) passives lack corresponding well formed active sentences,
though the positing of the corresponding active forms or of a basic ar
und
ng
_gu
_m
_en
_t_str
_uc
_tu
_re
__
_er
_ly
_i_
_
th_
e_
m_
m_
us_
t_
be_
r_
ec_
og_
ni_
z_
ed. The casef huku is exactly of this kind, and together these cases require us
_
_
to think deeply the nature of ar
nt
str
es
_gu
_m
_e_
__
_uc
_tu
_r_
_ associated with individual verbs. (Shibatani 1990:
332. emphases are added)
Accordingly, passive sentences with neutral (i.e. non-adversative) reading are direct passives. Of course,
it does not deny that direct passives may denote adversity. If a direct passive denotes adversity (e.g.
(55a)), it is because of the semantics of the predicate, whereas adversity is structurally coded in indirect
passives.
2.7.1. Direct passive (revised)
With the revised case assignment rules (15), direct passive sentences of transitive verbs are accounted for
as follows (We have already seen ditransitive passive sentences in terms of rules (15) in section 2.2.):
An example is (2) (repeated as (58) below).
(58) Taro-ga
Taro-NOM
Hanako ni
tatak-are-ta.
Hanako by
hit-PASS-PAST
Taro was hit by Hanako.
−40−
do (Hanako, [hit (Hanako, Taro)])
ACT--->Adjunct
UND=peak
The undergoer Taro must be the pragmatic peak since there is no other core argument in the sentence.
According to the rules (15) with the notion of pragmatic peak, Taro takes nominative by the rule (15P).
The rule (15A) fails to apply to Hanako since it is not a core argument.
2.7.2. Indirect passive
As we saw above, the adversative meaning is inherent in true indirect passive sentences. I indicate it as
feel-affected in the LS. The sign ∧ in the LSs indicates simultaneous states of affairs.
(59a) Hanako-ga
Hanako-NOM
Taro-ni
sin-are-ta.
Taro-DAT
die-PASS-PAST
(lit.) Hanako was died by Taro. or Taro died on Hanako.
[INGR be-dead (Taro)])]∧[feel-affected (Hanako)]
(60a) Hanako-ga
Hanako-NOM
Taro-ni
uta-o
utaw-are-ta.
Taro-DAT
song-ACC
sing-PASS-PAST
Hanako was affected by Taro's singing a song.
[do (Taro, [sing (Taro, song)])]∧[feel-affected (Hanako)]
Both direct passives and indirect passives demote an argument. Shibatani (1990) argues that indirect
passives do not share the universal agent-defocusing property of passivization. Agent-defocusing
refers to the property that passivization demotes the agent to an adjunct or syntactically deletes it from a
clause. It is true that indirect passivization does not demote the agent to an adjunct status, however, it
does demote the subject to the dative coded non-subject (as we see presently). In this broad
sense, the indirect passive construction deserves to be called passive .
Indirect passives differ from direct passives regarding a demoted argument in very important
respects. First, what is demoted is restricted to the actor in direct passive, whereas, the undergoer as well
as the actor may be demoted in indirect passives. Second, in direct passives, the actor is demoted to
an adjunct status, and consequently it can be deleted, whereas, in indirect passives, the demoted highest
macrorole must be kept in a clause (unless it is understood as a pro whose identity is provided
contextually. (Shibatani 1990:325-326)
(61) John-ga
John-NOM
tatak-are-ta.
hit-PASS-PAST
John was hit.
(62) *John-ga
John-NOM
sin-are-ta.
die-PASS-PAST
(Someone) died on John.
Accordingly, the highest macrorole is demoted to a direct core argument status coded by dative but not
to an adjunct status. Thus, it may be stated as follows:
(63) The highest macrorole of the basic sentence is demoted to non-macrorole direct core argument
−41−
status.
The indirect passive construction is parallel to the causative construction in some respects. The causer
is added to the corresponding non-causative sentence. Analogously, the affected experiencer is added to
the corresponding non-passive sentence in indirect passives.
(59b) Taro-ga
Taro-NOM
sin-da.
die-PAST
Taro died.
INGR be-dead (Taro)
UND=peak
(59c) Hanako-ga
Taro-o sin-ase-ta. (Causative)
Taro-ACC-CAUS-PAST
Hanako-NOM
Hanako had Taro died.
do (Hanako, Ø) CAUSE [INGR be-dead (Taro)])
ACT=peak
UND
(59a) Hanako-ga
Hanako-NOM
Taro-ni
sin-are-ta. (Indirect Passive)
Taro-DAT
die-PASS-PAST
(lit.) Hanako was died by Taro. or Taro died on Hanako.
[INGR be-dead (Taro)])]∧[feel-affected (Hanako)]
DCA=peak
DCA
(60b) Taro-ga
Taro-NOM
uta-o
utat-ta.
song-ACC
sing-PAST
Taro sang a song.
[do
(Taro, [sing (Taro, song)])
ACT=peak
(60c) Hanako-ga
Hanako-NOM
UND
Taro-ni
uta-o
Taro-DAT song-ACC
utaw-ase-ta. (Causative)
sing-CAUS-PAST
Hanako had Taro sing a song.
do (Hanako, Ø) CAUSE [do (Taro, [sing (Taro, song)])]
ACT--->DCA
ACT
(60a) Hanako-ga
Hanako-NOM
UND
Taro-ni
uta-o
utaw-are-ta. (Indirect Passive)
Taro-DAT
song-ACC
sing-PASS-PAST
Hanako was affected by Taro's singing a song.
[do (Taro, [sing (Taro, song)])]∧[feel-affected (Hanako)]
ACT--->DCA
DCA=peak
UND
In both causative and indirect constructions, the number of arguments increases by one. The number of
macroroles, on the other hand, is reduced by one in indirect passives. Note that corresponding sentences
for causative and indirect passive sentences are not counterparts which share the same LS as in active
sentences and their direct passive versions. The indirect passive construction is different from the
causative construction in the sense that what is added is assigned a macrorole in causatives but it is a
−42−
non-macrorole direct core argument in indirect passives. The following proposal regarding the added
argument is required in indirect passive constructions.
(64) Non-macrorole status assignment in indirect passives.
The lowest semantic argument in the LS (i.e. the affected participant) is assigned a non- macrorole
direct core argument status.
This has an important consequence for accusative case marking in sentences with a transitive verb such
as in (60a). Taro, the demoted argument can not be the pragmatic peak, since demotion is the
operation used to make an argument pragmatically less salient. Instead, the added experiencer is more
likely to be the pragmatic peak. The animate Hanako is more likely to be the pragmatic peak than
inanimate uta song is. The pragmatic peak Hanako gets nominative case from the rule (15P). (63) says
that Taro is demoted from actor status. Therefore by (16) repeated below, the undergoer uta song is
considered to be the lower macrorole.
(16) Nature of macrorole ranking
A demoted macrorole is respected in terms of macrorole ranking (even if it is not assigned case).
The lower macrorole uta song receives accusative by the rule (15B). The remaining non-macrorole
direct core argument receives dative by the rule (15C). If we did not have (64) and assigned the
undergoer to the lowest argument Hanako, then uta song would be assigned DCA. In that case, we
cannot account for the fact that uta song is marked by accusative rather than dative.
Case assignment for sentences with an intransitive verb is exemplified with (59a) repeated below.
(59a) Hanako-ga
Hanako-NOM
Taro-ni
sin-are-ta.
Taro-DAT die-PASS-PAST
(lit.) Hanako was died by Taro. or Taro died on Hanako.
[INGR be-dead (Taro)])]∧[feel-affected (Hanako)]
UND--->DCA
DCA=peak
The pragmatic peak takes nominative case by the rule (15P). The non-macrorole direct core argument
takes dative by the rule (15C).
Sugioka (1984 via Miyagawa 1989: 186) observes that te-i-, an aspect marker, may intervene between
a verb and a passive morpheme in the indirect passive construction as in (65), whereas it is not the case
in the direct passive construction as in (66a).
(65) Taro-ga
Taro-NOM
Hanako-ni
(yodoosi) oki- te-i -rare -ta.
Hanako -DAT
(all.night) stay.up L-PROG-PASS-PAST
Taro was affected by Hanako's staying up (all night).
(modified from Sugioka 1984 via Miyagawa 1989: 181)
[do (Hanako,[stay-up (Hanako)]∧[feel-affected (Taro)]
ACT--->DCA
(66a) *Taro-ga
Taro-NOM
DCA=peak
Hanako ni
tatai-te-i -rare -ta.
Hanako by
hit-L-PROG-PASS-PAST
(int.) Taro was being beaten by Hanako.
−43−
cf. (66b) Taro-ga
Hanako ni
Taro-NOM
tatak-are-te-i -ta.
Hanako by hit-PASS-L-PROG-PAST
Taro was being beaten by Hanako.
The layered structure of (65) is:
(65 ) Nuclear coordination
Note that the aspect maker -i-, which is a state verb in origin, is subordinated to the verb stem oki stay
up (cf. Hasegawa (1996) s example cited as (14 ) in section one). Since the passive morpheme -(r)arecan be separated from the verb stem by an aspectual element and the aspectual element can modify only
the verb stem, the nexus of the verb stem and -(r)are- is coordination. This is again shared with
causatives but not with direct passives. -(r)are- affects the number of semantic arguments. Therefore, I
consider -(r)are- itself to be an independent nucleus.
2.7.3. Possessor-raising passive
If a possessor is raised from (67a), the sentence would be like (67b) in principle. However, the sentence
is ungrammatical because of the double-o constraint. (It is well known that Korean and some other
languages allow double accusative constructions. One of the Japanese dialects, spoken in the
Hachijoojima island, also has double accusative constructions. (Kaneda 1993.)
(67a) Hanako-ga
Hanako-NOM
Taro-no
asi- o
Taro-GEN foot-ACC
fum- da.
step.on PAST
Hanako stepped on Taro's foot.
(67b) *Hanako-ga
Taro-o
asi- o
Hanako-NOM Taro-ACC foot-ACC
fum- da.
step.on PAST
Hanako stepped on Taro's foot.
The constraint is evaded in the passive version.
(67c) Taro-ga
Taro-NOM
(Hanako ni)
asi- o
fum- are-ta.
(Hanako by)
foot-ACC
step.on PASS-PAST
−44−
Taro had (his) foot stepped on (by Hanako).
The possessor-raising passive construction is one of the direct passive constructions for the following
reasons.
Firstly, the passive morpheme does not affect the number of semantic arguments of the LS, in other
words, the passive morpheme does not increase the number of semantic arguments of the clause.
Secondly, there exists an active counterpart sentence linked to the same LS (which is not the case for
indirect passive). For instance, both active (67a) and its passive counterpart (67c) share the same LS
(67 ), except that asi foot is the head in (67a), while both Taro and asi foot are arguments in (67c).
(67 ) do (Hanako [step-on (Hanako, [have.as.part (Taro, foot)])])
Another example of possessor-raising passives is (68c), which shares its LS with the active counterpart
(68a) and another passive form (68b).
(68a) Sensei-ga
teacher-NOM
Taro-no
ronbun-o
hihan-si-ta.
Taro-GEN
thesis-ACC
criticism-do-PAST
The teacher criticized Taro's thesis.
do (teacher [criticize (teacher, [have (Taro, _
t h_
e_
sis)])])
ACT=peak
(68b) Taro-no
Taro-GEN
UND
ronbun-ga
(sensei ni)
hihan-s-are-ta.
thesis-NOM
(teacher by)
criticism-do-PASS-PAST
Taro's thesis was criticized by the teacher.
do (teacher [criticize (teacher, [have (Taro, _
t h_
e_
sis)])])
ACT--->adjunct
(68c) Taro-ga
Taro-NOM
UND=peak
(sensei ni)
ronbun-o
hihan -s -are -ta.
(teacher by)
thesis-ACC criticism-do-PASS-PAST
Taro was criticized on his thesis (by the teacher).
do (teacher [criticize (teacher [have (Taro,
ACT--->adjunct
thesis)])])
DCA=peak UND
The difference among these sentences lies in the linking of macroroles, syntactic argument status, and
the pragmatic peak. In terms of syntactic arguments, direct passives reduce their number by one as the
actor is demoted to an adjunct status or unspecified. A possessor-raising passive sentence reduces a
syntactic argument through passivization. However, a possessor-raising passive sentence increases its
syntactic argument through possessor-raising, by assigning argument status to both the possessor and
the possessed. Note that as far as semantic arguments are concerned, there is no change among LSs of
(68a), (68b), and (68c). The difference among those is the status of syntactic arguments.
In non-possessor-raising (68b), Taro cannot be the pragmatic peak since it is not a core argument. In
possessor-raising (68c), both Taro and ronbun thesis are arguments, therefore Taro is a core argument.
Taro is most likely to be the pragmatic peak since it is higher than ronbun thesis in terms of argument
hierarchy and in terms of the animacy hierarchy. In (68c), the case assignment rule (15P) assigns
nominative case to the pragmatic peak Taro, the undergoer ronbun thesis receives accusative by the
rule (15B). Note that the undergoer is lower than the actor-adjunct in terms of the macrorole ranking
−45−
since the actor-adjunct is respected by the nature defined in (16).
Thirdly, NP-ni is demoted to an adjunct status (i.e. to the periphery). It does not receive dative case
as it does in the indirect passive construction as seen in the previous section.
Fourthly, Miyagawa (1989: 187) observes that aspectual elements cannot intervene between a verb
stem and a passive morpheme in this construction. (67a,b) are adapted from Miyagawa. (In his analysis,
sensei-ni is dative contrary to the present analysis)
(67a) Taro-ga
Taro-NOM
(67b) *Taro-ga
Taro-NOM
sensei ni
ronbun-o
hihan -s -are -te -i -ru.
teacher by
thesis-ACC criticism-do-PASS-L -PROG-NPST
sensei ni
ronbun-o
teacher by
thesis-ACC criticism-do-L-PROG-PASS-NPST
hihan -si-te -i -rare-ru.
Taro is being criticized on his thesis by the teacher.
Indirect passives allow an aspectual element to intervene between a verb stem and a passive morpheme,
whereas possessor-raising passives do not. The ungrammaticality of (67b) is parallel to that of a typical
direct passive (68b).
(68a) Kodomo-wa
child -TOP
(68b) *Kodomo-wa
Hanako ni
sikar-are
-te-i
Hanako by
scold-PASS
-L-PROG -PAST
Hanako ni
sikat-te-i
-rare
-ta.
-ta.
scold-L-PROG -PASS -PAST
The child was being scolded by Hanako,
The layered structure of (68c) (repeated below) is (68c ).
(68c) Taro-ga
Taro-NOM
sensei ni
ronbun-o
hihan -s -are -ta.
teacher by
thesis-ACC
criticism-do-PASS-PAST
Taro was criticized on his thesis by the teacher.
do (teacher [criticize (teacher [have (Taro,
ACT--->adjunct
DCA=peak
(68c )
−46−
thesis)])])
UND
3. Conclusion
The following rules for case assignment in Japanese were proposed and then applied to several
constructions.
Case/postposition assignment rules (Japanese):
(P)
Assign nominative case to the pragmatic peak.
(A)
Assign nominative case to the higher ranking macrorole core argument.
(B)
Assign accusative case to the other macrorole core argument.
(C)
Assign dative case to the other core argument as default (Direct Core Argument)
(C ) The other core argument may take a postposition (Oblique Core Argument)
Nature of macrorole ranking:
A demoted macrorole is respected in terms of macrorole ranking even if it is not assigned a case.
The rules correctly accounted for all constructions including inversions, dative-postposition, double
nominative, possessor-raising double nominative, causative, direct passive, possessor-raising passive, and
indirect passive constructions.
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This paper is the excerpt from an unpublished manuscript submitted to the Department of Linguistics,
State University of New York at Buffalo.
−50−
地域における外国人児童への日本語教育
赤木
弥生
西村美登里
はじめに
2001年山口大学に留学生センターが設置され、工学部・医学部のある宇部地区にも留学生セ
ンター宇部室(現国際センター宇部室)が置かれた。日本語・日本事情教育を担当する専任教
員1名が配属となり、工学部内での留学生の日本語教育が始まったが、一方、留学生の家族で
ある妻や子供たちへの日本語教育は地域の支援活動で行われているのが現状である。特に、外
国人児童は、年齢がまちまちで人数的にも少なく居住地域も分散していることから、山口県内
の日本語教育支援体制は未整備である。今後、山口県における外国人児童・日本語ネットワー
クの設立を図り、指導者間の情報交換を行い、日本語指導のための指導の研究、教材の開発、
適応指導のためのガイドブックの作成などが急務である。
1
地域における留学生受入れの状況
山口大学工学部に大学院博士課程が設置され、留学生の受入れが始まった1990年代ごろから、
家族を伴って来日する留学生が急増した。宇部市では家族のいる留学生は市営住宅への入居を
許可するとともに、私費留学生への国民健康保険料補助、留学生支援グループへの活動補助金
援助など留学生への支援活動を展開してきた。また、留学生の日本語学習支援活動として、山
口県国際交流協会と宇部市が共催し、日本語教師養成講座、日本語教室を行っている。留学生
および家族の日本語教育を支援するボランティア日本語指導者の層も厚くなり充実しつつある。
一方、留学生の子どもたちも増えつづけ、保育園、幼稚園、小・中学校での外国人児童への
対応も急務となったため、宇部市立恩田小学校教諭西村美登里(元上宇部小学校外国人児童等
適応指導担当)の呼びかけによって、外国人児童の父兄や地域のボランティアが協力し、外国
人児童の日本語支援活動が行われている。
2
小学校における外国人児童等適応教室
2.1
山口県内の実態
山口県日本語指導加配教員設置(外国人児童を担当する教員)の現状は以下のようになって
いる。
小学校
宇部市立K小学校
教員数
中学校
教員数
2名
(常勤・非常勤)
岩国市A小学校
1名(常勤)
岩国市B中学校
1名(非常勤)
和木町C小学校
1名(常勤)
和木町D中学校
1名(非常勤)
秋穂町E中学校
1名(非常勤)
4校
3名
秋穂町
合計3校
4名
−51−
(2004年「第5回移住労働者と連携する全国フォーラム2004・福山」西村美登里発表資料によ
る)
このように加配教員設置の学校は山口県内に散在しており、それぞれの学校には外国人児童
が少人数在籍しているのみである。しかし、これらの各地域においてもボランティアが日本語
指導を行っている。
2.2 宇部市立上宇部小学校の外国人児童等適応教室
宇部市立上宇部小学校は、山口大学工学部教職員及び留学生の居住地が校区内にあるため、
多くの外国人児童が在籍してきた。過去11年間の外国人児童(延べ312名)は、約8割が中国出
身で、マレーシア、バングラデシュ、エジプト、インドネシア、イタリアなどの国々からも来
日してきた。そこで、上宇部小学校には、平成5年、県内でも数少ない外国人児童等適応指導
教室(通称国際教室)が設置され、専任の担当教員が配属された。専任教員は一種類の加配教
員である外国人児童等適応指導担当と呼ばれているが、外国人児童等の適応指導だけではなく、
国際理解教育、英語教育を全校的に進めるという役割も担っている。
2.3 外国人児童等適応教室の日本語指導
上宇部小学校外国人児童等適応教室では、来日直後、外国人児童が国語や社会など教科授業
を理解することが困難な期間、校内に設置されている国際教室に行く。そこで担当教員は、児
童の日本語指導や適応指導(取り出し指導)を行う。
しかし、基本的には日本語指導は学級担任によって普段の授業の中でも進められるものであ
り、国際教室教員だけが担当する特別な指導ではないと位置づけられている。したがって、国
語、社会以外の授業では在籍学級にいて、他の生徒と一緒に授業を受ける。国際教室教員は、
週2,3回学級を訪問し、外国人児童生徒の教科支援を行うTT指導(team teaching・入り込み
指導)を行う。このTT指導が専任教員の主な活動である。
言語教授法のひとつにアメリカの心理学者アッシャー(James Asher)が開発したTPR法
(Total Physical Response)がある。これは初級程度の口頭能力を養成するための教授法であり、
語彙の習得に力を入れている。実際の授業では教師が学習者に様々な命令を出し、学習者はそ
の命令によって動作をする。言葉を聞いて体全体で反応するので解説の必要はない。話すこと
より聞くことを優先するアプローチである。在籍学級での授業は外国人児童生徒にとって、ま
さにこのTPRの学習の世界であると言われている。教師の指示文と周囲の児童の動作の連動の
繰り返しを見て、自然な日本語をかたまりで聞いて理解する訓練ができるのである。従って、
初期指導段階においても、在籍学級での授業が重要であるといえる。
しかしながら、授業に参加できる日本語能力の養成にはかなりの時間がかかり、国際教室で
の日本語指導が不可欠となる。そこで、取り出し指導は、それぞれの児童の実態に応じた計画
的な文型学習と適応指導を組み合わせた個人指導と、児童の力を生かしながら学習できる学年
別や国別ではない一斉指導を並行して行っている。
TT指導は来日直後の初期段階における「くっつき指導」による補助的な役目、中期・後期
段階における日本語学習から国語科への橋渡しとしての役割を果たす。具体的には、授業では、
問題文などを文節ごとに区切って表記したり、漢字にフリガナをふったり、学習用語を「大事
−52−
なことば」としておさえるなどの工夫をしながら指導する。教科学習で必要な単語や表現を身
につけさせるためには、TT指導で学習内容や学習進度をみながら、重要な語句、文型を把握
し、適応指導計画を修正することが必要になる。
こうした「ことばをおさえた指導」は外国人児童生徒だけではなく、一般児童にとっても効
果的だと言われている。従って、学級への適応を目的とする日本語指導の研修には、担当教員
はもちろんのこと学校全体で取り組む必要があり、外国人児童生徒のための教育の充実を目指
し、適応指導教室(国際教室)と在籍学級との連携を深めながら、適応指導や教科指導につい
て実践している。
国際教室のもうひとつの取り組みとして、総合学習の時間の設置に伴い、一般児童の国際理
解教育および英語教育のコーディネートを行っている。一般児童との交流の場を設け、自他文
化を相互理解し尊重する意識や態度を育成することに取り組んでいる。外国人児童は日本の文
化を学ぶだけではなく、自国の文化を学び紹介することによって、児童の個性を発揮させ、日
本語や母語の学習を進めることができる。また、一般児童は主に総合学習の時間に、地域や外
国について調べたり、交流活動をしたりすることを通して、国際理解を深めることができ、外
国人児童が在籍することによって、国際理解教育を効果的に進めることができる。
3
地域における外国人児童への日本語教育支援活動
上宇部小学校の外国人児童が来日したばかりで、日本語能力がまだ十分ではなかったため夏
休みの宿題をするにあたって日本語支援が必要であったことから、2002年土曜教室を工学部内
宇部国際交流会館ラウンジで始めることとなった。山口大学学生ボランティア、地域ボランテ
ィアが読書感想文などの宿題を手伝ったり、暑中見舞い、年賀状を実際に書いたり、折り紙な
どの日本の遊びを学んだりして日本語力を高める学習ゲームなどを一緒に楽しんだりした。
現在では、在日期間の長い児童が多いため、日本語学習に加え、帰国に備えての学習を中心
とした支援活動を行っている。外国人児童保護者による母語指導ボランティア(中国語・イン
ドネシア語)、英語指導ボランティアの協力を得て、帰国後の学習への不安を和らげられるよ
うに、母国の教科書などを教材にして母語や英語の学習を進めている。
4
地域における子ども交流活動との連携
学習の場を地域の子どもたちの英語教室にも広げ、子ども国際交流の機会を作り、地域の子
どもたちとの交流および国際理解への理解を深めている。
宇部市では、文部科学省のプロジェクトから始まった「ハローイングリッシュ」が、小学校
児童のための英語指導者ネットワーク「ハローイングリッシュ」に実を結び、ネットワークの
講師らが各校区のふれあいセンターで英語教室を実施している。山口大学工学部に近い常盤ふ
れあいセンターでも、地域のボランティア団体「わくわく常盤」、常盤小学校PTA、ハローイ
ングリッシュの共催で毎週第1・3土曜日英語教室を行っている。この子ども英語教室に、土
曜教室の外国人児童も参加して英語を学び、児童の文化を紹介する国際子ども交流を行ってい
る。地域の子どもたちに母国のことばや遊び、音楽、踊りなどの文化を紹介することによって、
外国人児童自身が自国文化を学び認識することができるいい機会となっている。また、母語で
堂々と表現することは自分らしさを発揮でき、母語の響きに安らぎを感じ、心の落ち着く時を
−53−
持つことができる。このような母語を尊重する姿勢は、自文化へのアイデンティティの形成に
自信を与え、日本の中で個性を発揮しながら、共に学習し生きていくことに繋がるものである。
「年少者のための日本語教育」で川上郁雄(2002)は、「この教育(外国人児童生徒への日本語
教育)には、日本語指導だけではなく、適応指導、母語維持、言語生活、教科指導、カリキュ
ラム、仲間づくり、学校文化、支援ネットワーク、教育行政、進学問題など、さまざまな関連
分野・要素が含まれており、さらに児童生徒が社会に出るまでの人間教育という側面もありま
す」と述べている。児童にとっては日本社会に適応するためには、確かに日本語指導が最優先
されるべき教育ではあるが、日本語指導にとどまることなく、自己のアイデンティティを尊重
し、帰国後の人間形成に繋がっていく巨視的な展望が日本語指導者には必要であり、その観点
から地域での活動を実践している。
また、このような地域活動に参加していくことは、外国人児童の友達の輪を広げ、保護者の
人間関係、活動の場を広げることにも役立っている。
5.1 日本語教育指導者研究会の開催
上宇部小学校では、「子どもと共に創る総合的な学習」を主題とした校内研修の三本の柱の
一つである「国際理解」において、「外国人児童も楽しく取り組める授業作りを通して共に学
びあえる児童を育成する」という課題を設定し、外国人児童と共に学びあえる学習の支援と評
価のあり方について実践・研究を続けてきた。
全国語学教育学会(JALT)山口支部(代表
赤木弥生)は、山口県における言語教育研究
会を行っているが、2003年11月19日上宇部小学校の日本語教育支援活動として、上宇部小学校
との共催で校内教員研修を実施した。年少者の日本語指導で著名な大蔵守久氏(財団法人波多
野ファミリスクール学務部長)を講師に招き、「小学生のための外国語指導研究会」を上宇部
小学校で、上宇部小学校教員約40名、全国語学教育学会(JALT)山口支部会員、日本語・英
語教育関係者約20名が参加して行われた。
5.2 研究会プログラム報告
研究会では上宇部小学校外国人児童等適応教室西村美登里教員の研究授業および発表、大蔵
守久講師の講演が行われた。研究会後は、参加者と講師との懇談会も開催された。
西村美登里教員による研究授業では、所在の文型の学習をふまえ、国語教科における図書利
用の学習に発展できるようにコンピュータを使った学習活動が紹介された。外国人児童は5名
で、来日間もないインドネシア人児童2名と中国人児童1名、1年間在籍している中国人児童
2名で、新中国人児童のために母語ボランティア1名(中国人児童父兄)がことばのサポート
を行った。
授業では「お正月」に関連する語句に関する図書資料を在籍学級の児童が作成した図書カー
ドを使って検索をし、資料の所在を確認し、伝える活動であった。「外国人児童にとって読書
材は、日本語の学習を意欲づけ、日本語力を高め豊かにする重要な教材である。それは絵、図、
写真、イラスト、漫画等が読みを助け、自然に楽しい世界に誘い込むことができるからである。
その読書を案内する学習は極めて重要である」という発表者の説明があった。
大蔵講師の講演はスピーディーな展開で、自らが作成した指導法を全て網羅し紹介するイン
−54−
フォーマティブな研究会となった。大蔵講師は長年外国人児童に日本語指導を行ってきた経験
を生かし、外国人児童が算数などの教科授業を理解できるように教科に即した日本語指導を研
究し、独自でさまざまな教材や指導法を編み出してきた。児童を授業に誘い込み、五感で体得
できるように工夫された個性的な教材作りや授業の取り組み方について学んだ。
上宇部小学校教職員も、大蔵講師の講演について「われわれ教師自身の国際感覚・人権感覚、
取り組みへの視点を問い直すきっかけとなりました。」と感想を記している。(平成15年度「特
色ある学校づくり助成事業」上宇部小研究集録あとがきより)この研修により、外国人児童へ
の教育に全職員の理解が深まり、TT指導による教科支援など在籍学級と連携した指導をさら
に充実させることができた。
また、研究会に参加した指導者間の連携が広がったことは、地域における外国人児童への日
本語教育支援を行っていく上で大きな成果となった。
おわり
日本社会は少子化時代を迎え、産業人口の不足とともに、技術者などの外国人労働者の需要
が高まりつつある。それと同時、大学入学人口も減少することが予測され、社会のニーズと相
まって、大学院の拡大に伴い留学生の増加が見込まれている。この状況に伴って日本の小・中
学校での外国人児童の受入れが拡大しつつある。しかし、現在、山口県のほとんどの学校では、
外国人児童生徒数が1、2名であるため、専任教員や外国人児童等適応教室が設置されていな
いところがほとんどである。宇部市においても、医学部留学生や研究員の住居は異なる校区に
あり、バングラデッシュ1名、イラン1名、フィリピン2名の合計4名が在籍する小学校があ
るが、そこでは、いわゆる国際教室などは設置されていない。また、近隣の山陽小野田市では、
就労外国人が多く在住しているため、日系ブラジル人家族の児童が小、中学校に在籍していた。
このように国際教室専任教員がいない場合は、研究会など情報の共有が難しく、それぞれの学
校が模索しながら日本語指導を行っているのが現状である。外国人児童の日本語教育ネットワ
ークを広げ、連絡・協議会を開催し、情報交換を行い、外国人児童がスムーズに学校文化、地
域社会に適応できるようにガイドブック等を作成し、外国人児童を温かく受け入れる準備が山
口県では急務である。
参考文献
細川英雄編(2002)ことばと文化をむすぶ日本語教育
凡人社
第6章「年少者のための日本語教育」川上郁雄
pp82
西村美登里(2004)「第5回移住労働者と連携する全国フォーラム2004・福山」
分科会「こどもの教育」における「山口年少者日本語教育ネットワーク化について」報告
−55−
韓国の高校生対象の日本語母語話者教師に関する調査
−第6次教育課程の日本語教育において−
門脇
1
薫
はじめに
海外の中等教育における日本語教育が盛んなのは、韓国とオーストラリアである(注1)。
海外の中等教育では、日本語非母語話者である現地の教師が日本語教育を行なうことが多い。
オーストラリアの中等教育においては、日本語母語話者である日本人のアシスタント教師が現
場でアシスタントとして正規の授業に入ることが多いが、韓国の高校で日本語母語話者がアシ
スタントとして正規の日本語授業に入る例は、現在のところほとんど見られない。筆者は1998
年から2001年までの間、在韓国日本大使館公報文化院に勤務し韓国の高校における日本語教育
支援を行なっていたが、そのときの経験より韓国の高校の日本語授業における日本語母語話者
教師参加の有効性について考察している。2001年に筆者は韓国の複数の高校における日本語の
授業に韓国人教師とともに参加して授業を行った。
本稿では、韓国の高校において日本語母語話者教師参加の可能性を探るために、第6次教育
課程における日本語学習者を対象に行なった日本語母語話者教師に関する調査結果について述
べる。
2
韓国の高校における日本語教育
韓国の高校では第2外国語科目として日本語の授業が行われている。1973年(第3次教育課
程)に初めて日本語が教えられるようになり、現在の第7次教育課程(2002年より施行)では、
第2外国語として日本語の他にフランス語・ドイツ語・スペイン語・ロシア語・中国語・アラ
ビア語の中から選択することになっている。
韓国の高校は大きく一般系高校(人文系)、実業系高校、外国語系高校に分けられる。外国
語系高校は、全体の学校数も少なく特別な学習指導要領及び教科書が定められている。それぞ
れの高校での正規の日本語の授業数は、一般系高校が週2〜4時間、実業系高校が週1〜3時
間、外国語系高校が週6〜8時間である。
筆者が授業に参加した2001年は第6次教育課程(1996年〜2001年)であった。第6次教育課
程では、文法よりも「聞く」「話す」に重点を置いた「コミュニケーション能力」を養成し、
正確さよりも「流暢さ」を重視し、「学習者中心」の指導を行い、日本語学習を通して日本に
ついての理解を促進するということが目標とされている。しかしながら、実際の現場では、1
クラス当たりの人数の多さ・教材不足・時間不足・学習者の学習意欲のなさ等いくつかの問題
点が見られ、必ずしも目標にあるようなコミュニケーションを養成するための授業が行われて
いたわけではないようである(王
他1998)。
次に授業の形態であるが、第6次教育課程においては正規の授業以外にクラブ活動や「特技
適正教育」において日本語教育が行なわれていた。クラブ活動というのは授業の一環で行なわ
れる日本語の授業であり、「特技適正教育」の日本語の授業は、放課後に高校の教師や外部の
講師が希望する生徒達からお金を集めて週に2〜3回行なうものである。コンピューター等の
−56−
語学以外の授業もある。「特技適正教育」においては、現地の日本語学校から派遣された日本
語母語話者教師が日本語授業を担当することがある。しかし、韓国の高校の正規の授業で日本
語母語話者教師が担当する例は、一部の外国語系学校以外はほとんど見られない。(注2)
このような韓国の日本語教育状況の中で、筆者は日本語母語話者教師として韓国の高校の日
本語授業に参加し、より効果的な日本語教育を行なうための1つの例として非母語話者教師
(韓国人教師)との協同授業の可能性を考察している。筆者は複数の高校において韓国人教師
と協同授業を行ったが(注3)、日本語の授業を行う前に学習者を対象に日本語母語話者教師
に関する調査を行った。以下にその調査について述べる。
3
韓国の高校における学習者対象の日本語母語話者教師に関する調査
3.1
調査目的
韓国の高校において第2外国語としての日本語の学習者が、日本語母語話者教師に習うこと
についてどのような考えを持っているかについて意識調査を行い、日本語母語話者教師の授業
参加ついて考察する。
3.2
調査方法
<対象>
ソウル地域における3つの一般系高校における日本語学習者
計157名。
<方法>
韓国語による質問紙を作成し、2001年12月に3つの高校を訪問し調査を行った。実際の調査
は日本語の授業を担当する韓国人教師に依頼し、日本語母語話者である筆者を目の前にして回
答するということがないように配慮した。
以下にその結果をまとめる。なお、自由記述による回答は韓国語でなされ、日本語翻訳は筆
者が行なった。
4
結果と考察
質問(1) 日本語で日本人と話したことがあるか。
この質問について「はい」と答えた学習者はわずか7.4%であり、92.6%が「いいえ」という
回答であった。日本人(日本語母語話者)と話した経験のある人に具体的にどのような場面で
話す機会があったか聞いてみたところ、「中学校での放課後の特別日本語クラス」「日本に滞在
したとき」「日本語学校」「観光地」という回答が得られた。日本語学習に非常に関心のある学
習者の場合は、中学校から放課後の特別クラスに参加したり、高校の長期休みに日本語学校に
通ったりしていることがわかる。中学校での特別クラスというのは、前述の「特技適正教育」
としての日本語クラスと考えられる。また、ロッテワールド等の観光地で出会った日本人と日
本語で話したという回答もあり、やはり韓国においては日本語で話す場面に偶然遭遇すること
があるということがわかる。
質問(2) 日本語母語話者教師に日本語を習ったことがあるか。
次に実際に日本語母語話者に日本語を習った経験の有無を聞いてみたところ、質問(1)同
様「はい」という回答がわずか7.5%、「いいえ」という回答が92.5%であった。
−57−
一般系高校では、正規の日本語の授業に日本語母語話者は参加していないので、どのような
場所で日本語母語話者教師に習ったか更に質問してみた。その結果、上記の質問(1)の回答
同様に「中学校での放課後や夏休みの特別クラス」や「日本語学校」という回答が得られた。
日本語学校には韓国国内の多くの地域で日本語母語話者教師がおり、会話のクラスを担当する
ことが多い。また、前述のように中学校の「特技適正教育」における日本語のクラスには、日
本語母語話者教師が現地の日本語学校から派遣されて日本語授業を担当することがあるため、
そこで日本語母語話者教師に習ったと思われる。
質問(3) 日本についてどう思うか。
「日本人から日本語を習う」ということに関連して、韓国で日本語を学習する高校生たちが
日本についてどのように思っているかを知るためにこのような質問項目を入れた。5つの選択
肢から選んで回答をしてもらったところ次のような結果になった。
表1
選択肢
好き
少し好き
どちらとも
いえない
(%)
11.2
21.3
36.7
あまり好き
好きではない
ではない
13.8
11.2
無回答
5.8
「好き」「少し好き」のように肯定的な回答が全体の32%であった。反対に「あまり好きで
はない」「好きではない」のように否定的な回答が25%であった。日本に対して否定的な考え
を持っている人が高校で日本語を学習しているということになるが、これは学習者の中には、
第2外国語での必修科目であるために希望でないが日本語を学習している人も含まれるからで
ある。韓国の高校の第2外国語の場合、特に第6次教育課程においては学生が希望する外国語
を選択するのではなく、学校ごとに履修する第2外国語が既に決められている。このような状
況も回答結果に関係していると考えられる。
しかしながら、日本語を学習している高校生に実際にインタビューしてみると、過去の歴史
から日本についていいイメージを持っていない人でも、日本の音楽・アニメーション・ファッ
ション等の日本の大衆文化には非常に関心を持っており、それが日本語学習の動機になってい
ることが多い。反日感情、日本の大衆文化、そして日本語学習はそれぞれ別に切り離して考え
ているようであった。これに関しては、本稿では詳細について論じることも一般化することも
できないが、大部分が日本語母語話者と話したことがなく、また日本語母語話者に習ったこと
がないという学習者たちの、日本に対するイメージとして参考になるであろう。
質問(4) 日本語母語話者教師に習う長所は何か。
日本語母語話者教師に習う長所について質問し、計12の項目それぞれについて「そう思う」
「少しそう思う」「あまりそう思わない」「そう思わない」「わからない」の中から選択してもら
った。その結果を表したのが表2である。
−58−
(%)
表2
項
目
あまり
思わない
そう
わからない
思わない
そう思う
少し思う
無回答
a.聞く能力が上がる。
61.0
20.3
4.9
0
3.3
10.5
b.話す能力が上がる。
49.6
30.9
5.7
1.6
4.1
8.1
c.日本語を聞いたり、話したりするのに慣れる。
60.2
23.6
4.1
0.8
4.1
7.2
d.正しい発音を習うことができる。
64.2
20.3
4.1
3.3
0
8.1
e.違ったものを正しく直してくれる。
47.2
20.3
17.1
3.3
3.3
8.8
f.日本についての情報をもらえる。
43.9
22.0
17.1
6.5
3.3
7.2
g.日本人友達を紹介してもらえる。
22.0
22.8
25.2
12.2
7.3
10.5
h.日本について興味を持つことができる。
25.2
26.0
18.7
9.8
8.1
12.2
i.自分の日本語が日本人に通じたらうれしい。
56.1
20.3
7.3
4.1
3.3
8.9
j.楽しく勉強ができる。
31.7
30.1
19.4
4.1
4.9
9.8
k.韓国人教師と日本語で話しにくいが、日本人
教師なら恥ずかしからず話せる。
31.7
30.1
17.9
6.5
4.9
8.9
l.その他(自由記述)
*自信がつく。
*日本語母語話者教師に習うと、もっと幅広く学べる。
長所として一番多かった回答は、多い順から①「d.正しい発音を習うことができる」
②「a. 聞く能力が上がる」③「c.日本語を聞いたり、話したりするのに慣れる」④「b.話す能
力が上がる」であった(網掛け)。これらの項目については「そう思う」「少しそう思う」のよ
うに肯定的な回答をした人(太線枠)は全体の80%以上になっている。やはり、学習者は日本
語母語話者と直接接することにより、日本語を聞いたり話したりする能力の向上を期待してい
ることがわかる。
一方「h.日本について興味を持つことができる」という項目について「そう思う」「少し思
う」と肯定的に答えた人は全体の51.2%であり、予想に反してさほど多くはなかった。これは、
回答をした学習者は日本語母語話者教師に習ったこともなく、またどのような人が想定できな
いため具体的に日本語母語話者教師についてイメージがわかず回答しにくかったのではないか
と考えられる。また、「g.日本人の友達を紹介してもらえる」という回答もさほど多くないこ
とから、日本語母語話者教師に対しては、「日本についての情報提供や日本人の紹介」といっ
たような交流的な側面というより、「発音・聞く・話す」能力の向上のように語学教師として
の側面の長所を多く挙げている。
また、「c.日本語を聞いたり、話したりするのに慣れる」や「l.その他」の意見として出た
「自信がつく」という自由記述回答のように、日本語母語話者教師と実際に話したり、聞いた
りする練習をすることによって日本語使用に慣れ、それが自信などに繋がっていくものと考え
られる。
−59−
質問(5) 日本語母語話者教師に習う短所は何か。
質問(4)と反対に短所と考える点について聞いてみた結果、表3のような回答が得られた。
表3
そう思う
少し思う
あまり
思わない
a.修学能力試験(入学試験)に役に立たない。
11.4
17.9
34.1
14.6
9.8
12.2
b.日本語で説明するので理解できない。
24.4
52.0
10.6
2.4
0.8
9.8
c.日本語で説明するので時間がかかる。
26.8
43.1
17.9
3.3
0.8
8.1
d.日本語だけ使うので意思疎通できるか心配。
43.9
30.9
13.0
4.1
0.8
7.3
e.韓国人が間違いやすい点がわからない。
29.3
26.8
18.7
10.6
4.1
10.5
f.韓国語と比較して教えられない。
33.3
29.3
17.1
6.3
4.1
9.8
g.韓国文化と比較して日本文化を紹介できない。
16.3
22.8
30.1
14.6
4.9
11.4
h.学習方法について相談しにくい。
30.9
35.0
13.8
5.7
3.2
11.4
i.話が通じないので先生と距離を感じる
18.7
28.5
26.8
14.6
1.6
9.8
項
目
そう
わからない
思わない
無回答
j.その他(自由記述)
*日本人の先生としたい話はたくさんあるけれど、うまく話せないのでもどかしく思う」(2名)
短所として「そう思う」という回答が多かった項目は特に多い順に挙げると、①「d.日本語
だけ使うので意思疎通できるか心配」②「f.韓国語と比較して教えられない」③「h.学習方法
について相談しにくい」という結果であった(網掛け)。d については授業以外の場面での教
師とのコミュニケーション方法について、そして f は教授方法について、h は学習方法につい
て日本語母語話者教師の困難点として指摘していることがわかる。母語話者教師の短所は反対
に、非母語話者教師の長所とも言える。特に h は非母語話者教師は学習者と同じ韓国人である
ために韓国語と比較しながら教えることができ、また学習者としての経験もあるので学習方法
についても学習者の相談に応えることができる。相談を受ける際にも韓国語で色々と話ができ
るのが、非母語話者教師の強みである。
以上は「そう思う」の回答の多い項目であったが、「そう思う」と「少し思う」の両者を合
わせた肯定的な回答を多い順に挙げると、①「b.日本語で説明するので理解できない」②「d.
日本語だけ使うので意思疎通できるか心配」③「c.日本語で説明するので時間がかかる」(太
線枠)という項目になり、d を除いては上で多かった項目(網掛け)と異なる。これら3つの
項目を見てみると日本語母語話者教師が「日本語で説明する、日本語で話す」ということに抵
抗を感じているということがわかる。やはり、高校生の第2外国語としての日本語教育では、
学習者の大部分が初級前半のレベルであるため、既習の語彙や文型が限られており「日本語の
み使用」ということがプレッシャーになるのであろう。
反対に、短所として全体的に回答が少なかった項目は、①「a.修学能力試験(入学試験)に
役に立たない」②「g.韓国文化と比較して日本文化を紹介できない」であった。韓国の高校で
は、大学の入学試験のための勉強が非常に大変なので、a の項目を日本語母語話者教師の短所
として選択する人が多いのではないかと予想したのだが、さほど多くはなかった。
「j.その他」のコメントで2名が挙げているように、うまく意志疎通はできないが、日本語
−60−
母語話者教師と話をしたいという積極性が窺える意見が見られた。筆者は韓国滞在中、韓国国
内の様々な高校を訪問し、日本語の授業に何度か見学させてもらったが、休み時間等習った日
本語を使って一生懸命筆者に日本語で話しかけようとする学習者に何度も出会った。学習者に
よって当然個人差があるが、韓国の高校における学習者は日本語母語話者と日本語で話そうと
する積極的なところがあるのではないかと思われる。
質問(6) 日本語母語話者教師に習う場合どのような授業を希望するか。
具体的に日本語母語話者教師が指導にあたる場合、授業でどのようなことをしてほしいかと
いう質問についてそれぞれの項目についてどのように思うか選択してもらった。
表4
項
目
あまり
どちらでも
希望しない
希望しない
ない
強く希望
少し希望
a.文法の説明を韓国語ではなく日本語
で例文を提示する。
10.6
38.2
24.4
4.9
11.0
11.4
b.単語の発音練習
39.9
39.0
7.3
0.8
3.3
9.7
c.会話文の発音とアクセントの練習
51.2
26.8
5.7
1.6
4.1
10.6
d.活用形の口頭練習
30.1
42.3
13.0
2.4
2.4
9.8
e.教科書のテープを聞く。
11.4
18.7
35.0
15.0
8.1
11.4
f.先生が話す日本語を聞く。
41.5
39.8
3.3
0.8
6.5
8.1
g.先生と日本語で話す。
38.2
36.6
11.4
1.6
4.9
7.3
h.自分が話した日本語を直してもらう。
43.1
29.3
8.9
4.1
6.5
8.1
i.自分が書いた日本語を直してもらう。
37.4
29.3
16.3
1.6
5.7
9.8
j.教科書の文法説明、練習問題をする。
9.8
25.2
34.1
14.0
7.3
9.8
k.授業での指示は韓国語でする。
21.1
37.4
13
6.5
12
9.8
l.全部日本語でする。
10.6
26.0
24.4
22.0
8.1
8.9
m.日本の歌を習う。
39.9
31.7
5.7
6.5
6.5
9.7
n.日本の昔話を習う。
39.0
22.9
14.6
4.9
8.9
9.7
o.日本人のユーモアについて習う。
37.4
25.2
9.7
4.9
11.4
11.4
p.日本人のゼスチャーについて習う。
35.0
25.2
16.3
4.9
8.0
10.6
q.日本人との交流の仕方を習う。
30.9
27.7
14.6
5.7
6.5
14.6
r.日本の映画やドラマを見る。
47.2
18.7
8.9
3.2
10.6
11.4
s.日本の雑誌や新聞を読む。
43.1
19.5
11.4
4.1
8.9
13.0
無回答
日本語母語話者に希望する教授項目について「強く思う」という回答が特に多かったのは順
に①「c.会話文の発音とアクセントの練習」②「r.日本の映画やドラマを見る」③「h.自分が話
した日本語を直してもらう」「s.日本の雑誌や映画を読む」④「f.先生が話す日本語を聞く」
(網掛け)である。これらの項目を見ると、日本語母語話者教師から習う場合には r,s のように
日本の映画・ドラマ・雑誌・新聞といったような教科書と離れた内容のものを「強く希望」し
−61−
ているようである。これらの項目は日本語母語話者教師に習いたい授業なのか、単に受けてみ
たい授業として強く希望するものを選んだのかそれについては詳しくはわからないが、「強く
希望」「少し希望」を合わせた回答結果と多少異なる。
「強く希望」「少し希望」を合わせた回答を特に多かった順に挙げると、①「f.先生が話す日
本語を聞く」②「b.単語の発音練習」③「c.会話文の発音とアクセントの練習」④「g. 先生と
日本語で話す」⑤「h.自分が話した日本語を直してもらう」「d. 活用形の口頭練習」(太線枠)
という順であった。
上述の「強く希望」という回答と比較すると、これらの項目は、発音・聞く・話す練習であ
ることがわかる。これは「質問(4)日本語母語話者の長所」として挙げられた点と同様であ
り、学習者は日本語母語話者教師の特性を生かした指導という点でこのように回答している。
反対に、「強く希望」という回答が少なかったのは、①「j 教科書の文法・練習問題をする」
②「a.文法の説明を韓国語ではなく日本語で例文を提示する」「l.全部日本語でする」③「e教
科書のテープを聞く」という項目であった。e, j のように教科書のテープを聞いて、教科書の
文法説明や練習問題をするというのは、普段韓国人の先生が授業で行なっているような教授活
動であるが、日本語母語話者教師にはそのような教授活動は希望していないようである。
また、「a.文法の説明を韓国語ではなく日本語で例文を提示する」「l.全部日本語でする」と
いう項目を希望する学習者は少なかった。先に述べたように、学習者の日本語レベルが初級レ
ベルであるため日本語母語話者教師が日本語だけしか使用しないということについては抵抗が
あるようだ。これについては、実際の授業では学習者にプレッシャーを与えないために、日本
語母語話者が多少韓国語を理解して韓国語も適宜使用するか、または、韓国人教師がフォロー
して韓国語で説明するかどちらかの方法をとることになるであろう。
質問(7) どのような日本語母語話者教師を希望するか。また、日本語母語話者教師にどのよ
うなことをしてほしいか。
質問(6)の項目以外に、日本語母語話者教師が指導にあたる場合に希望することを自由記
述形式で書いてもらった。そこで出た回答を次のように「教師自身について希望すること」
「教授内容や教授方法について希望すること」のように分類した。以下にその結果をまとめる。
<_
教_
師_
自_
身_
に_
つ_
い_
て_
希_
望_
す_
る_
こ_
と_
>
_
*よく教えてくれる人(10名)。
*親切な先生(7名)。
*韓国語がある程度できる(7名)。
*発音を教えてほしい(5名)。
*ハンサムな先生(4名)。若い先生(2名)。
*発音がよくて(3名)、話が通じる人(3名)。
*韓国語と日本語に精通している先生。(2名)
*おもしろい先生(2名)。
*リーダシップがある先生(2名)。
*詳しく忍耐強く教えてくれる先生(2名)。
*韓国のことが好きな先生(2名)。
−62−
*日本人先生と学生の間の距離や偏見がないようにしたい。
*話をたくさんしてくれる人。
*日本についてのよくないイメージを変えてくれる人。日本についていいイメージを持たせ
てほしい。
*誠実な先生、真剣な授業をお願いします。
*方言を話さなくて、ある程度日本の教育課程で勉強した教師。
*女性がよい。きれいな先生
*韓国人のような先生。
*教科書問題等日韓問題についてよくわかっている先生。
*日本の経済についてよく知っている日本人教師。
*たくさん会話をしてくれる先生。
日本語母語話者教師に希望することの中で「熱心に上手に教えてくれる」といった教師とし
ての技量や教師の熱意に関するものが多く見られた。また、韓国語能力や日本語の標準語の発
音ができること等の条件も挙げられた。
また、おもしろくて、リーダーシップがあって、忍耐強いというような性格パーソナリティ
ーに関する点を挙げている回答もあった。
その他、韓国のことをよく理解していて、高校生の反日感情を少しでもなくすべく日本と韓
国の間に入って橋渡しをしてくれるような役割も期待されているようだ。
<
_教
_授
_内
_容
_に
_つ
_い
_て
_希
_望
_す
_る
_こ
_と
_>
_
*会話練習をやってほしい(7名)。
*日本の実生活や旅行に行ったときに役に立つ日本語(5名)。
*日本文化を習いたい(5名)。日本の風習や生活面で起こることなどを比較しながら聞い
てみたい。
*日本について知っていることがほとんどないので、まず基本的なことからやってほしい
(2名)、そして文法説明や書く練習より「話す」「聞く」ことから授業をしてほしい。
*自由で(2名)、楽な授業(4名)。他の科目は受験のための勉強で負担があるが、外国語
は負担なく楽しく勉強したい。
*ゆっくり発音したり、文章を読んだりしてほしい。
*会話がうまくなりたい。
*基礎をよく教えてほしい。
*試験を受けるために習うのではなく、簡単な会話ができるようになりたい。
*高いレベルまではいかなくでも、簡単で楽しく日本語に接することができるように教えて
ほしい。
*私たちに日本について理解させる方向で授業を進めてほしい。
*日本で使う文法や会話などを教えてほしい。
*歌の歌詞の解釈やアニメ活用した授業
*日本の観光地や名所や名物の紹介。
−63−
*やさしい会話や文章などを英語のように習いたい。
*面白い授業で、おもしろくて、その時間だけは日本についていいイメージを持つようにし
たい。そしていい日本語を勉強したいし、ほかの時間よりもっとたくさんのことを学びた
い。
*日本の友達と交流(手紙のやりとりなど)、日本の歌や人気俳優(関心が持てるように)
のドラマやCFなどを見たい。
*「勉強」というよりおもしろくて楽しい授業をしてほしい。
*実用的な日本語を習いたい。例:よく接する日本の音楽や映画などについて話したり、歌
ったりする
*日本人教師が来て教科書を勉強するのもよいが、日本の文化についてより知ることのでき
る実質的な授業がよい。
*私達と少し話が通じて、楽しく日本語を学べるのならよい。
*自由会話練習
*毎日会話だけとか、文法だけというのではなく、違う活動をやってほしい。
*英語とは違ってまだ慣れてないし、難しいのが事実だ。英語はずっと習ってきたから。興
味深くておもしろい授業で日本語についての興味や関心が持てるような授業にしてほし
い。
*日本についていろいろなことを知りたい。
*日本経済の未来、現在、過去、日本経済が韓国経済に与える影響や事実的な差とその理由、
解決案などを聞きたい。
*文法についてやさしく説明してほしい。
教授内容については、質問(6)の回答結果と同様に「話す」「聞く」を中心とした会話練
習を希望する回答が多かった。特に実生活に役に立つような内容で、日本の文化についても学
びたがっていることがわかる。そして、内容はやさしく、楽にできるようなもので、教科書の
内容から離れた色々な活動をして楽しめるような内容がいいということであった。日本語母語
話者教師に学ぶ際には、このような授業のイメージがあるようである。
<
_教
_授
_方
_法
_に
_つ
_い
_て
_希
_望
_す
_る
_こ
_と
_>
_
教授方法についての希望でやはり多かったのは「おもしろい授業」という回答であった。ど
のような授業がおもしろいのかは明確ではないが、上の「教授内容」に挙げられたような内容
ではないかと考えられる。
*おもしろい授業になるようにしてほしい(11名)。
*日本語は初めて接するので、私の日本語がわかりにくくても理解するようにしてほしい。
(2名)
*私たちを楽しませてくれる授業(2名)。
*詳しく、ゆっくり教えてほしい(2名)。
*日本の学生に教えるようにやってほしい。
−64−
*今の普通の授業のようにかたくなくて、自由な授業。
*客観的に評価してくれる評価があったらよい。
*文法は韓国語で、発音練習や教科書を読むときは日本語で教えてほしい。
*韓国人の先生と日本人先生との協同授業。
*かたくないやわらかい雰囲気そしておもしろい雰囲気。
*特にこれと言った強い希望はないが、ただ一緒に笑ったり、話したり、遊んだりしながら
日本人と親しくなれるといいと思う。
<
_そ
_の
_他
_>
_
その他に日本語母語話者教師ではなく、非母語話者である韓国人教師に習うことを希望する
と答えた学習者が3名いた。全体から見ると少数意見(全体の約2%)であるが参考までに挙
げておく。
*日本人先生に習うのもいいけど、韓国人の先生にならうのもいいと思う(2名)。
*そんなに希望はしていない。韓国人先生に習っても難しいのに日本人先生に習ったらさら
に難しくなりそうだから。
上の「その他」の1つ目の意見は、韓国人教師にも習いたいという意見であるが、筆者は決
して韓国人教師による指導を排除するわけではない。韓国人教師と日本語母語話者教師がそれ
ぞれの特性を生かして協同授業を行うことを考えている。2つ目の意見は、日本語母語話者教
師に習うのは難しいという意見である。これについては、いかに学習者の負担を感じさせない
で日本語指導ができるかということが、今後の課題になるであろう。
5
今後の課題
以上の調査結果より、学習者は日本語母語話者教師には母語話者の特性を生かした「聞く・
話す・発音の練習」を期待している。日本語母語話者教師に対しては、言葉の問題があり、韓
国語と比較しながら教えたり、学習方法について相談しにくいという短所があるが、これは反
対に日本語非母語話者である韓国人教師の長所でもある。従って両教師の特性を生かして、教
室内外の様々な活動についてうまく役割分担をする必要がある。今後効果的な役割分担につい
て考察していきたい。
また、日本語母語話者教師が参加する日本語授業について学習者が期待するのは、実際のコ
ミュニケーションの場面で使えるような日本語指導、できる限り聞いたり話したりするような
会話練習、そして日本の文化についても学びながら楽しく勉強したいということであった。具
体的にどのような教室活動が可能なのか、実際に教室活動を設計し、今後実践を行ない検証し
ていかなければならない。
今回の調査は、第6次教育課程における日本語学習者を対象にしたが、2002年に入学した1
年生から第7次教育課程が適用されている。第7次教育課程において高校で第2外国語として
日本語を学習した学習者対象にも同様の調査を行い今後比較検討を試みたい。
−65−
注
(注1)国際交流基金1998年日本語教育機関調査によると、韓国における学習者は948,104人で
そのうち中等教育における学習者数は約73.1万人である。2003年の同調査では、韓国
における学習者は約89.4万人で世界一、オーストラリアの場合は約38.2万人で世界第3
位である。
(注2)全羅南道の教育庁のように独自に日本語母語話者教師数名を採用している地域もある。
(注3)実践についての詳細報告は門脇(2002)を参照。
参考文献
李徳奉(1996)「韓国における日本語教育の現状と課題−学習指導要領・教材開発・教員養成
を中心に−」『日本語教育事情報告編
世界の日本語教育』第4号
国際交流基金日本語
国際センター
王崇梁・長坂水晶・中村雅子・藤長かおる(1998)「韓国の高校日本語教師の教室活動に関す
る意識−大韓民国高等学校日本語教師研修参加者に対するアンケート調査報告−」『日本
語国際センター紀要』第8号
国際交流基金日本語国際センター
門脇薫(2002)「海外における非母語話者教師と母語話者教師の協同授業-韓国の高校での第2
外国語としての日本語授業」『東アジア日本語教育国際シンポジウム論文集』下
天津外
国語学院
教育部(1997)『外国語科教育課程』教育部(韓国)
国際交流基金日本語国際センター(2000)『海外の日本語教育の現状
日本語教育機関調査
1998年』国際交流基金
権俊(2000)「韓国の日本語教育と国語教育の現状」
『第一回アジア教育国際会議』レジュメ
横山紀子(1999)「非母語話者教師の特質を生かした教授法を考える」国際交流基金1999年度
日本語教育巡回セミナー(韓国)配布レジュメ
http://www.jpf.go.jp/j/japan̲j/oversea「国際交流基金 日本語教育機関調査」2005年7月参照
http://www.jpf.go.jp/j/urawa/world/kunibetsu「国際交流基金
年7月参照
−66−
世界の日本語教育国別情報」2005
コンピューターを使った簡易アダプティブテストの開発:
J-C
A
Tプロトタイプ1
今井
新悟
1.開発の背景
国際センターでは、2002年度開設以来、留学生の日本語能力を測るべく、ペーパーによる試
験を、4月と10月の年二回実施してきた。この試験は、毎回、本学の全外国人留学生および研
修生を対象とている。この試験の目的は、以下のとおりである。第一に、日本語・日本事情の
授業を受講する学生のプレースメントテストのため。第二に、留学生の日本語能力を判定し、
留学生指導の基礎資料とすること。これは、例えば、学業不振の原因が、専門知識にあるのか、
日本語能力が低いことが原因なのかを考える場合の資料として使ったり、指導教官から日本語
能力についての問い合わせがあった場合に回答するための資料とすることなどを想定してい
る。第三に、日本語能力の伸長率を、奨学金選考の参考資料とすることである。
以上の目的をもって実施されてきた試験ではあったが、徐々にこの目的を達成するのに障害
となる問題が明らかになってきた。第一に、問題の信頼性が保てないことが最大の問題として
指摘された。毎回の素点が、日本語能力の客観的基準にならないということである。例えば、
点数が前回のテストよりも10点上がったとしよう。果たして、それは、その個人の能力が10点
分伸びたのか、それとも、テストが少し易しくなったのか、判断できない。偏差値を使っても、
そもそも母集団の能力値が一定であるという保証がないのであるから、信頼性の問題は解決し
ない。第二に、時間の制限があり、十分な数の課題を解かせることができない。これは、試験
全体を例えば2時間と設定したとしても、初級者も上級者も同じペーパーテストを受験させる
ため、それぞれの能力に合った設問数が限られてしまうことによる。第三に、第二の問題と関
連するが、上級者にとっては、初級の問題は能力測定には意味がなく、逆に、初級者にとって
は、全く歯が立たない上級問題の山をつきつけられて、相当な心理的な負担を強いられる。第
四に、研修生が、五月雨式に本学に到着する。それに個々に、ペーパーテストを監督しながら
対応することは、実施者にとって負担が多すぎる。
これらの問題をクリアするための方策を探っていたときに出会ったのが、コンピューターを
使ったアダプティブテストという方法であった。
2.CAT開発の基本コンセプト
コンピュータによるアダプティブテストはCAT(Computerized adaptive test)と略されるので、
本稿でもこれに従う。CATは以下のような特徴をもつ。受験者は比較的少ない問題を解くこと
により、能力が判定される。受験者の能力に合った問題が出題される。受験者個々の能力によ
り、出題される問題が異なる。テスト結果が絶対評価として示され、信頼性が保証される。
現在、最も有名なCATはTOEFLのCBTである。これに使われているシステムやアルゴリズム
は米国のETSで開発されたもので、公開されていない。日本ではアダプティブテスティングの
研究は少なく、情報も限られている。
TOEFLのアダプティブテスティングの理論的背景は項目応答理論であるが、最も精度の高い
−67−
3パラメータの場合、これによって信頼できる統計値を得るためには、数千人の受験者のデー
タが必要になる。1パラメータの場合でも百人程度の受験者データが必要になる。TOEFLのよ
うに社会的な信頼度を要求されるテストはhigh-stakeな試験と呼ばれる。大学において日本語
能力を測ろうとするとき、TOEFLほどのhigh-stakeな試験は要求されない。
日本語の能力に関するテストの結果は「日本語能力検定試験」で蓄積されている。さらに、
古典的テスト理論に基づく統計データもある。しかし、古典的テスト理論に基づくデータをそ
のまま、項目応答理論を応用したCATには適用できない。そこで、項目応答理論で得られる項
目困難度および項目識別力の代わりに古典的テスト理論で算出される正答率および項目識別力
を使うことにより、2パラメータを用いてのアダプティブテストを開発することにした。コン
ピュータ上で動く、簡易アダプティブテストである。そしてこれをJ-CAT(Japanese
Computerized Adaptive Test)と命名した。本稿は、そのプロトタイプ1の開発に係る報告・考
察である。
3.期待される効果
期待される効果は多々あるが、主に以下の点が挙げられる。留学生に対する日本語能力の絶
対評価が可能になる。時間・場所の制約なくテストが実施できる。テスト時間の大幅な短縮が
できる。採点をコンピュータが自動で行うので、実施の負担が少ない。結果がテスト終了と同
時に本人に通知されるのでフィードバック効果が高い。結果がデータとして残るので、成績管
理が効率よくできる。
日本語能力テストの4級から1級のレベル、さらにそのなかでのどの程度の位置にあるのか
を知るためには、現在は、年1回行われる日本語能力テストを受験するしかない。さらにその
判定には1ヶ月以上を要する。一方J-CATでは、オンラインテストであるため、時間的、経済
的な制約がなく、受験者の希望するときに、何回でも受験できるシステムとなる。また、級別
4段階をさらに細分化することにより、識別力の高い能力判定を可能とする。
J-CATをプレースメントテストとして利用する場合の価値は以下のようなことである。プレ
ースメントテストは、クラスを出来るだけ能力レベルの合った学生で構成し、各クラスの学習
効率を良くするために行うものである。したがって、クラスの数に相応しい確度で対象となる
学生の能力を識別することが必要である。また、テストによって測定する範囲は、これから教
授しようとする範囲の基礎となっている部分を網羅していなければならない。大学に入学して
くる留学生の日本語能力を測定する最も手軽で確実な方法は日本語能力試験の成績を利用する
ことである。しかし、日本語能力試験の成績は大学入学時点の日本語能力を測定した結果では
ない。 また、日本語能力試験を受験していない学生が存在することを考えれば、入学時点で
一斉にプレースメントテストを行うことが望ましい。プレースメントテストを、オンラインの
J-CATで代用することにより、テスト実施にかかる人的、時間的コストを下げることが可能で
ある。
J-CATをアチーブメントテストとして利用する場合の価値は以下の通りである。各授業のア
チーブメントテストは各担当者にまかされており、シラバスの違い、教科書の違いなどのため、
クラス内相対評価以外に標準化ができないのが現状である。同一テストを開発・利用すること
により、クラスをまたがった受講者全員の相対評価および絶対評価を可能とする。
−68−
さらに、本システムの開発は、コンテンツを取り替えることにより、英語など他言語にも対
応できる。
4.開発の全体計画概略
2004年12月
プロトタイプ1作製
2004年12月
国立国語研究所「コンピュータと新日本語教育2004」で発表
2005年3月
プロトタイプ2作製
2005年4月
山口大学留学生を対象に試行
2005年10月
プロトタイプ3作製
2005年〜2007年
アイテムバンク構築予定
5.プロトタイプ1開発経緯
システム開発研究目的のため、日本語能力試験で過去に使用された問題を借用して使用する。
しかし、日本語能力試験の問題は複合問題や複雑な解答指定方法をとる問題など、オンライン
テストに適さないものもある。その判断の基となる分析を行う。
過去問題の各問題についての統計的データを入手し、CBTテストに適当な問題の抽出を行う。
統計的データは、全受験者数を基とした困難度(つまり正答率)および識別力の数値を利用す
る。(プロトタイプ3以降、項目反応理論によるデータを収集できる方法を考え、その分析結
果が問題の選択に反映されるシステムを開発する。)
再編集された問題をオンラインテストシステムに載せ、システムの稼動具合をテストする。
(実際の受験者に対してテストを試行するのは、プロトタイプ2以降に予定している。)
オンラインテストシステムは、オープンソースソフトウェアのMoodleを使うことで開発コス
トを抑える。Moodleの入力形式に合わせてテスト問題を入力する。
6.プロトタイプ1のシステム仕様
6-1
動作環境
Linux、Apache、MySQL、PHPなどmoodleが稼動する環境で動作する。
6-2
設定項目
J-CATシステムの動作を決める下記のパラメータを任意に設定できる。
・レベル合格に必要な正答数
・レベル合格時および不合格時に移動するレベル数
6-3
出題方式
問題を1問ずつ提示し、その解答の正誤によって出題すべき問題を決定する。また、当該レ
ベルで合格した場合は上のレベルに、不合格の場合は下のレベルに移動した上でそのレベルの
最初の問題を、合否判定ができない場合は同一レベルの残りの未出題の問題を出題する。
−69−
6-4
アルゴリズム
・真ん中のレベルから出題を開始する。レベルが偶数の場合、1レベル上のレベルから開始す
る。
・同一レベルでN問出題し(プロトタイプ1では最大3問)、M問(M=<N)正解したらレ
ベル合格とする。
・一つのレベルで合格したらPレベル(プロトタイプ1では最大2レベル)上のレベルでレベ
ル判定する。
・一つのレベルで不合格になったらQレベル(プロトタイプ1では最大2レベル)下のレベル
でレベル判定する。
・レベル判定を一度でも受けたレベルは2度判定しない。
6-5 判定結果
レベル毎の判定結果をそのまま表示するとともにCSV形式でダウンロードできるようにす
る。
6-6 レベル判定・終了規則(Stopping rule)
合格したレベルと不合格になったレベルの間に合否判定すべきレベルがなくなったとき、レ
ベル判定を終了し、合格した最高のレベルを受験者のレベルとする。
6-7 問題データベース
使用する問題データベースは、古典的テスト理論の項目困難度と項目識別力が既知の問題を
12レベル24題とする。
7.まとめ
2004年12月にプロトタイプ1を作成した。本学サーバーに入れて、動作実験を行ったところ、
予測通りに動作した。今後は、扱えるセクションを増やし、また、解答時間制限などを加え、
受験生に対する実験を行いたい。(本稿脱稿時には、このプロトタイプ2ができ、受験生に対
する試用も行われたが、これについては稿を改めて報告したい。)
8.謝辞
J-CAT開発は、山口大学国際センターのプロジェクトとして、大勢の人の協力を得ながら進
行しているものである。
(2005年4月以降は合資会社eラーニングサービスとの共同研究に移行)
moodleプログラムの改良においてお世話になったeラーニングサービスの秋山實氏に感謝した
い。テスト理論について指導を仰いだ教育測定研究所の林則生氏にも感謝する。そして、山口
大学国際センターのプロジェクトメンバーの名前を記して、その献身的な貢献に対して感謝し
たい。宮崎充保(センター長)、渡辺淳一、杉原道子、赤木彌生、門脇薫(敬称略)
。
−70−
参考文献
∏
大友賢二(1996)『項目応答理論入門』大修館書店
π
大友賢二監修
中村洋一著(2002)『テストで言語能力は測れるかー言語テストデータ分
析入門ー』桐原書店
∫
国際交流基金・日本国際教育協会(1992)『日本語能力試験の概要
1992年版
(1991年
1993年版
(1992年
1994年版
(1993年
1995年版
(1994年
1996年版
(1995年
1997年版
(1996年
1998年版
(1997年
1999年版
(1998年
2000年版
(1999年
2001年版
(2000年
2002年版
(2001年
2003年版
(2002年
度試験結果の分析)』
ª
国際交流基金・日本国際教育協会(1993)『日本語能力試験の概要
度試験結果の分析)』
º
国際交流基金・日本国際教育協会(1994)『日本語能力試験の概要
度試験結果の分析)』
Ω
国際交流基金・日本国際教育協会(1995)『日本語能力試験の概要
度試験結果の分析)』
æ
国際交流基金・日本国際教育協会(1996)『日本語能力試験の概要
度試験結果の分析)』
ø
国際交流基金・日本国際教育協会(1997)『日本語能力試験の概要
度試験結果の分析)』
¿
国際交流基金・日本国際教育協会(1998)『日本語能力試験の概要
度試験結果の分析)』
¡
国際交流基金・日本国際教育協会(1999)『日本語能力試験の概要
度試験結果の分析)』
¬
国際交流基金・日本国際教育協会(2000)『日本語能力試験の概要
度試験結果の分析)』
√
国際交流基金・日本国際教育協会(2001)『日本語能力試験の概要
度試験結果の分析)』
ƒ
国際交流基金・日本国際教育協会(2002)『日本語能力試験の概要
度試験結果の分析)』
≈
国際交流基金・日本国際教育協会(2003)『日本語能力試験の概要
度試験結果の分析)』
−71−
留学生のためのパラグラフ・ライティング
実践研究報告
赤木
弥生
はじめに
留学生は毎日大学で講義を受け、多くの課題が課せられる。そのため、スピーディにレポー
トを書き、提出しなければならない。このような留学生のニーズに即したライティング指導法
が研究され、近年教科書も数多く出版されているが、ここでは、留学生の論理的思考、クリテ
ィカル・シンキングを養うことを目的としたパラグラフ・ライティングの実践および指導法に
ついての研究を報告する。
1
ライティング指導の変遷
英語教育でのライティング指導は、1970年代以降、変遷をたどってきたとNunan(1999)は
解説しているが、それをまとめると以下のようになる。
1970年代、コミュニカティブ・アプローチの初期段階においては、オーディオリンガル・メ
ソッドが中心的であったが、それは、ドリル、繰り返し練習という指導法であった。このオー
ディオリンガル・メソッドでは、ライティング指導は補助的なスキルとしてみなされていたに
すぎない。その後、1970年代半ば、プロセス・ライティングが母語としての英語教育の中で一
般的となった。プロセス・ライティングでは、創作に主眼が置かれ、その結果生み出される所
産には重きが置かれなかった。1980年代半ば、二つのアプローチが同時に注目された。ひとつ
は、学習者のニーズとして専門分野を理解する必要が生じ、アカデミックな内容に主眼を置く
アプローチであった。もうひとつは、内容中心のアプローチ(content-based approaches)の必
要性であった。これらは、いずれもリーディングにおいてその必要性が認識され始め、その後、
ライティング指導にも反映され始めた。
近年、英語教育ではプロセス・ライティング、専門分野のアカデミック・ライティング、ク
リエイティブ・ライティングなどのさまざまなライティング指導法が研究され、学習者のニー
ズに即した多様な教科書が作成されている。
1.1 日本語教育におけるライティング指導
日本語教育におけるライティング指導も英語教育のライティング指導法の影響を受け、
アカデミック・ライティング、パラグラフ・ライティングなどの指導法が紹介され始めている
ものの、やはり国語教育の作文指導、いわゆる、エッセイなどを書く作文(composition)が中
心的なライティング指導法として用いられている。日本語学習過程の初・中級の段階において
ライティング指導をする上で、語彙、表現、文法などの正確さを追求することが求められてい
る。このため、学習者のニーズに即した分野別ライティングの必要性が十分認識されてこなか
った現状がある。
大学の学部や大学院で学んでいる留学生のニーズは、専門分野を理解でき、アカデミックな
分野で役立つ言語スキルの養成である。リスニング、スピーキングのオーラル・スキル、リー
−72−
ディング、ライティング・スキルの四技能が専門分野での学業をこなす上で、十分役立つスキ
ルでなければならない。特に、日本語能力検定試験1級または2級レベルの学部留学生が、日本
人学生と同様に講義を聞き取り、レポート作成をこなし、発表をするための準備として、共通
教育課程での日本語教育では、言語学習過程の最終段階であるクリティカル・シンキングの養
成を目的とした意見の出し方について学ぶディスカッショントレーニングが四技能の養成の課
程で行われる必要があると考える。
1.3
クリティカル・シンキングの養成
現在、地球社会はグローバルな社会となりつつあり、日本人も英語や日本語で多様な民族と
コミュニケーションやディスカッションを図っていかなくてはならない。このような国際的な
場面では、西洋的な観点での論理的思考や説明、意見の出し方が求められている。しかし、西
洋的な観点からトレーニング受けていない日本人は、西洋とは異なる日本独自の表現方法を用
いるため、非論理的で意見がないなどと誤解を招くようなことが起こることがある。このよう
な現状から、国語教育の中でも論理的思考、クリティカル・シンキング、ディスカッションの
必要性が認識され始め、国語教育への導入が試みられ始めている。
同様に日本の大学で学ぶ留学生は、大学では研究論文を書き、卒業後は国際的な職場で働く
ことになることを考慮すると、論理的表現方法について学び、トレーニングを受けておくこと
が重要である。外国で学ぶ留学生は問題意識があり、個々の意見を持っている留学生が多いが、
中国、韓国、マレーシアなどアジアからの留学生は、日本人同様に西欧的な観点からの意見の
出し方は未学習の領域である。したがって、論理的思考とはどのように生み出されるのかとい
うメカニズムについて学び、スピーチ、リーディング、ライティングのあらゆる言語スキルの
中でトレーニングされる必要がある。このような練習を経ることによって留学生はアジア的な
表現方法と西洋的な表現方法の違いを認識していくことができると考える。
2
パラグラフ・ライティング
日本語の段落とパラグラフが同義語と考えるかどうかは論争のあるところだが、段落は、
「起承転結」「序論・本論・結論」から構成するという国語教育の作文指導法が日本語教育でも
用いられていることが多い。パラグラフ自体が西欧から借用されてきた文章の書き方であるこ
とを考えると、元来パラグラフと段落は同義語であるはずである。しかし、日本語の作文指導
において、ひとつひとつのパラグラフ内で、トピックが何行目にどのように述べられるべきか
などについて細かく指導するパラグラフ・ライティングはほとんど導入されていない。このた
め、書き手に任される結果となり、パラグラフ・ライティングの観点からすると、非論理的に
文章が展開されているとみなされることになる。
パラグラフ・ライティングは三段落でまとめこともあるが、通常パラグラフを用いた文章で
は、最低五段落とされている。アメリカの大学のESL(英語集中コース)では五段落を作成し、
与えられたテーマに対して、段落の中で意見を述べ、ディスカッスするライティングが、ESL
の修了テストとして用いられている所もある。それは、アメリカ人一般学生が大学の講義を受
講するためには、必ずディスカッスできる能力が重要だと考えられているからで、パラグラ
フ・ライティングがアメリカ人一般学生の必修科目となっている大学も多い。これは、学生が
−73−
講義を受ける上で、レポート作成やディスカッションがスムーズにできることを目指している
からである。
現在、日本の大学もレポートの課題や授業での発表が多く取り入れられており、留学生から
「数十枚のレポートがあるが、時間がかかる」「発表が不安」などという声が聞かれる。特に学
部留学生は、日本人学生同様にレポートをこなすことが求められている。スピーディにレポー
ト作成をしなければならない留学生にとって、ライティング指導は不可欠であり、討論の方法
を学び、論理的に解説し、意見を述べられるようにトレーニングすることは、留学生が学業を
順調にすすめていくためには必要不可欠なスキルである。
2.1 パラグラフ・ライティング指導法
パラグラフ・ライティングを練習することは、ライテインング力を伸ばすだけではなく、ク
リティカル・シンキングを養成し、ディスカッションの方法についての学習が目的である。留
学生がレポート作成や発表を効率的にこなせる力を養い、学業をスムーズに進められることを
目指している。
したがって、パラグラフ構成を学ぶ過程で、最も重要なことは、パラグラフ内でいかに論理
的なディスカッションを展開できるかである。ディスカッションでは、与えられたテーマにつ
いて、2、3の異なる観点からテーマを分析し、例などをあげながら、個々の意見を具体的か
つ明確に述べる。異なる観点からディスカッションする練習は、ライティング指導の前に、リ
ーディングやスピーチで練習しておかなければならない。ライティングは他のスキルと密接な
関係を持っているが、とりわけリーディングとは密接であり、リーディング練習を十分に行う
必要がある。
ディスカッションの練習方法は、英語教育で行われている方法を応用し、与えられたテーマ
について賛成または反対の観点から意見を述べる方法を用いる。例えば、「お金がなくても幸
せは保証されるか」というテーマについて、賛成、反対の立場のどちらか一方を選び、意見を
出す方法である。
主題および主題をサポートする副題、例文などがパラグラフ内のどこに述べられるべきかな
どについても具体的に示し、また、適切な接続詞を用いて、パラグラフとパラグラフの関連性
を明確にするなど具体的に指導する。
2.2 パラグラフ作成
第一パラグラフは主題について述べる。第二パラグラフでは、選んだ意見(賛成または反対)
について、読み手が理解できるように説明する。主題(main topic)すなわち賛成意見または
反対意見を説明する副題(sub-topic)では、各自の知識、体験、ニュースなどから例をあげて
詳しく説明する。第三パラグラフ、第四パラグラフも第二パラグラフ同様各自の意見について
説明するが、時には反対意見も取り上げ、論を結論へ導いていく。
第五パラグラフは結論であるが、第一パラグラフで述べた主題、賛成意見または反対意見を、
第二パラグラフから第四パラグラフで展開した自己の意見に基づいてまとめる。
Kitao(1990)は、英語でのライティング教科書の中でパラグラフおよび各パラグラフ
(introduction, discussion, conclusion)について次のように説明している。
−74−
Paragraphs are usually made up of three parts; an introduction, a discussion and a conclusion. (中略)
In the introduction, the writer tells the reader what the topic is going to be. (中略)
In the discussion, the writer expands on the statement about the topic made in the introduction.
(中略)
The conclusion completes the discussion. It may summarize what has been said in the paragraph or
express the main idea again or draw some conclusion from the discussion.
Kitaoの示すように英語でのパラグラフは、極めて明確に何を何行目にどのように書くのか
が決まっており、これを逸脱した文章は、パラグラフ・ライティングでは内容が理解される以
前に、非論理的な文章とみなされる。したがって、パラグラフを作成し文章を書く場合は、こ
のような基本原則について学習者の認識を促すことが重要である。
2.3
パラグラフ内
パラグラフ内でどのように意見を展開していくかが、パラグラフ・ライティングでは最も重
要となる。主題または副題(2段落目以降)は、必ず段落の一行目で明確に示されなければな
らない。二段落目以降も同様に、一行目で段落の副題(sub-topic)が明確にされることが重要
である。ただし、一行目に前のパラグラフとの関連性を説明する必要がある場合は、2行目に
書くことがある。すなわち、パラグラフ内もどの行になにが説明されているかということが決
まっている。逆にいえば、一行目ではなく、他の行、すなわち文章の真ん中や終わりに主題ま
たは副題が述べられている場合は、書き手の意図することが理解されにくくなる。この点はラ
イティング・ストラテジーとして学習者に指導することが重要である。特に、中国、韓国など
アジアからの留学生は日本人同様、主題を段落の最後に述べるという特徴がある。タイなどで
は、またパラグラフ内の異なる行で述べると言われているが、いずれにしても欧米のパラグラ
フ作成とは異なっている点では日本などと同じである。したがって、アジアの学生にはこの点
の認識を促す必要がある。
留学生のライティング教科書で、二通信子(2003)は、「段落内の各文の役割」を説明して
いる。それによると、段落内では、「中心文、支持文①、支持文②、まとめ文」の順に書き、
「(中心文は)論の展開をわかりやすくするために、できるだけ段落の始めに中心文を書くよう
にする」と説明している。さらに、支持文①、②は、「中心文を支える文。中心文で述べるこ
とが説得力をもつように、説明を加えたり、根拠を示したりする。話題が広がりすぎたり、別
の話題にずれたりしないように注意する」と述べている。この段落内における各行の文章の展
開は、やはりパラグラフ・ライティングのルールとして、英語教育ではすでにライティング指
導に用いられているものであるが、日本語教育にも応用されている。日本語での作文のように、
副題を段落内の最終行に述べるのではなく、最初の行に述べ、最終行ではまとめる形をとる。
2.4
指導法
ステップ1
第一段階としては、ディスカッションの前段階として、教科書、新聞などからのリーディン
グ教材を使って、さまざまな分野についての文を読み、各分野における語彙や表現を培うとと
もに、留学生が問題意識を持ち、認識をもつように促す。そして、話題に対して留学生自身の
−75−
知識や情報について口頭で話し合いを持ち、段階的に意見の出し方を練習する。
ステップ2
パラグラフの作成(2.2)について学ぶ。寺村秀夫(2002)で示すような接続表現(順接方、
逆接方、添加方、対比方、同列方、転換方、補足方)などを示し、パラグラフの展開、関連性、
意見の展開、発展のさせ方について指導する。
ステップ3
異なるテーマについて、パラグラフを作成し意見を述べる練習をする。書き始める前に、賛
成または反対のどちらの立場をとって意見を述べるかを決める。次に10分間、パラグラフ構成
をする。第一パラグラフで述べる主題とその理由(第二、三、四パラグラフで説明する副題)、
第二、三、四パラグラフで述べる主題を説明する背景や理由および例などについて考える。そ
の後、書き始めるが、最終的には50分間で書けるように練習する。
ステップ4
留学生が書いた文章は、文法、表現、語彙、パラグラフ構成などについてカウンセリングす
る。たとえば、同じ語彙、表現を繰り返し使っている場合は、他の表現を用い、文章に変化を
もたせる。または、意見を述べる場合、同じ観点からだけ述べている場合は、異なる観点から
の意見を出すように促す。
ステップ5
テーマを変えて3、4回練習した後、50分間でのライティング・テスト(資料1)を行う。
与えられた二つのテーマからひとつを選んで、50分間でパラグラフを作成し、意見を述べる。
3
留学生のライティング
学部留学生対象共通教育課程日本語上級クラスでライティング指導を試みた。受講生10名で、
このうち学部留学生1年生9名(中国3名、韓国4名、マレーシア2名)、研究生1名(日系
ブラジル)であった。工学系7名、人文系3名で、日本語能力検定試験1級レベル7名、2級
レベル3名であった。
ステップに従って、ライティング指導を行い、最後に50分間のライティング・テストを行っ
た。辞書は使ってもよい。テーマは「日本の人口増加をはかるために、国が出生率をあげる対
策をとるべきである」「クレジットカードは経済破綻をする人が多いので廃止すべきである」
のどちらかのテーマを選んでディスカッスする。日本語能力にレベル差があったため、テーマ
は比較的やさしいものと難しいものの二つをとりあげた。パラグラフも三つまたは五つを作成
することとした。クレジットカードについては留学生がすでに読み、考えたことがある問題で、
問題認識を持っている。このようにすでに話し合っているテーマについて意見を出すことは容
易であるが、一方のテーマ「出生率」については、話し合ったことのない留学生が多く、意見
は述べにくくなる。
留学生のライティング(資料2)を例に示したが、五つの段落を構成し、意見を述べている。
文法、語彙、表現にも間違いは多いが、パラグラフ作成、異なる観点から意見を述べディスカ
ッスするという重要な点は踏まえられている。このように留学生全員が50分間でパラグラフを
作成した文章を書いた。パラグラフひとつひとつは短く、意見も簡単に述べるだけにとどまっ
た留学生もいたが、かなり詳しく述べた留学生もいた。意見の出し方もある程度接続詞を用い
−76−
て発展、展開させている。現状説明や建前的な説明から脱却できているとはいえないものの、
論を展開するという考え方は学習された。特に、五つのパラグラフを構成する分量のライティ
ングを50分でこなすという目標は達成された。
4
評価
ライティング指導の初期段階では、留学生のほとんどが文章を箇条書きにする。パラグラフ
を作成して文を書くという認識はほとんどない。これはパラグラフ・ライティングの指導を受
けたことがないからである。また、文章の長さによって、パラグラフを変えたりする。これは、
日本語での作文指導の影響で、日本語の段落では、長さによって段落を適当に区切るという方
法を使っている。このため、パラグラフひとつひとつは主題と副題というトピックからなると
いう認識を得るまでには時間がかかる場合が多い。その際、ひとりひとりにライティング・カ
ウンセリングを行い、認識を促すことが重要である。したがって、受講生は10名程度が適切で
ある。
また、意見の出し方も、賛成か反対かどちらか一方の立場を取ることはアジアからの留学生
にとっては容易なことではない。10名のうち、1名が日系ブラジル人留学生だったが、この留
学生は賛成、反対の立場から意見を述べることはすでに母語で学習済みであった。アジアから
の留学生が、西洋的なディスカッションの練習方法に疑問を感じるのは当然のことである。最
初は、どちらでもないとかどちらとも言えるというような中庸の精神を発揮するアジア特有の
立場から意見を述べることがほとんどである。しかし、中庸の立場に立った場合、意見が錯綜
し易く、やはり明快な意見にはなりにくい。また、最初は意見も一般論や建前的な論を展開し、
異なる観点から分析的に考え、例をあげて、説明することは難しい。しかし、このような困難
な点も練習を重ねていくうちに、克服できるようになってくる。カウンセリングを経て、着実
に重要な点を掴んでいく。数行を正確に書く作文指導とは異なり、かなりの分量を書かなけれ
ばならないパラグラフ・ライティングは、ライティング力を伸ばすことに効果的である。
5
課題
学部留学生は学部によって日本語能力検定試験1級と2級合格者の二つのレベルがあるた
め、2級レベルの学生は、非漢字圏の留学生が多いこともあり、50分間での五つのパラグラフ
作成は、要求度の高い課題となる。1級レベルの留学生に比べると、達成度は低く、やや中途
半端な練習で終ってしまいかねない。したがって、中級レベルから段階的に導入しておくこと
が理想的であるが、他の講義との兼ね合いもあるため、同じ学生が授業を段階的に受講すると
は限らず、継続した練習ができないのが課題である。
さらに、学部留学生の日本語授業回数は最大15週間で、パラグラフ・ライティングに何週間
もとることは難しい。しかも、ライティングの前に、リーディングや口頭でのディスカッショ
ンなどのブレーン・ストーミングを平行して導入しておかなければならないので、ライティン
グそのものにかけられる時間は5週間程度となる。しかし、日本語上級レベルを受講する学部
留学生にとっては、工業日本語など専門分野の日本語は別として日本語学習の最終段階におい
て、文法などの正確さを求める作文指導だけではなく、パラグラフ・ライティングで、意見の
出し方、論理的表現方法の指導が必要であると考える。時間調整を行いながら、実施すること
−77−
が重要である。
おわりに
現時点では、共通教育課程の日本語の教材には限りがあり、日本語学校で使ったことがすで
にあるような教材を大学が使っていることがあり、留学生からすでに習ったことを繰り返すだ
けという批判の声が聞かれる。このような状況下では日本語担当教員が留学生のニーズに合っ
た教材開発を行うことが急務である。日本語学校での文法解説、語彙説明の学習を踏まえて、
ディスカッションなどのような留学生が大学で学ぶ上で必要不可欠な学習を導入していかなけ
ればならない。ただ、留学生も多様化しているため、共通教育の日本語といえども学部留学生
だけが履修するわけではなく、またレベルさも生じてくるため、指導目標の設定が難しいのも
事実である。
参考文献
アカデミック・ジャパニーズ研究会
留学生の日本語
寺村英雄ほか(2002)日本語の文章・談話
おうふう
4論文作成編
アルクpp39
pp19
二通信子ほか(2003)留学生のための論理的な文章の書き方
スリーエーネットワーク
pp39
Kitao, Kathleen S.ほか(1990)Understanding English Paragraphs 英潮社 pp2
Kitao, Kathleen S.ほか(1998)Writing English Paragraphs 英潮社 pp3
Nunan, David(1999)Second Language Teaching & Learning
pp9
Heinle & Heinle Publishers pp271
資料1
パラグラフ・ライティング
50分間で、次のテーマについて書いてください。書き始める前に、次のようにパラグラ
フ構成をしてから書き始めます。
パラグラフ構成
10分
書く内容をよく考え、5段落を構成します。
30分
ライティング
10分
書き終わった後、読み直し、修正や訂正を行います。
読み手に分かるように自分の考えをパラグラフに明確に述べます。
以下のAまたはBのテーマの中からひとつ選んで書いてください。
A
宇宙開発計画は、人類の未知への最新の探求です。しかし、資源、生命という観点か
らすると、地球上の問題を解決することが先決ではないかと考えられます。したがって、
宇宙開発計画は中止するべきです。
B
現在、携帯電話は、世界中で使われています。携帯電話は便利な一方で、電車の中で
−78−
使ったりすると、心臓ペースメーカーに障害がでるなどの深刻な問題が起きています。
したがって、携帯電話の使用を禁止するべきです。
この意見に賛成ですか、反対ですか。自分自身の経験、本などから得た知識で自分の意
見を詳しく説明してください。
資料2
学習者のライティング
注:学習者の許可を得て掲載しています。
−79−
外国人児童の日本語教育
楊清玉
学校基本調査によると、現在、日本にいる外国人児童生徒数が七万五百二十四人いる。その
うち、日本語指導が必要な外国人児童生徒は一万九千六百七十八人(文部科学省)で、すでに
日本語指導を受けている者は一万六千五百二十九人である。また、58カ国から来日した生徒の
在籍学校数が五千三百四十六校となっている。その中で、ポルトガル語を母語とするものが最
も多く(生徒の四割)、以下、中国、スペイン語の三言語で七割以上を占める。また、対象と
なる者が五人未満の在籍校が全体の八割を占める一方、三十人以上の在籍数が増加し、引き続
き分散と集中の二極化の状況にある。
全国日本語教師会が全国都道府県を対象に行った外国人児童生徒指導に関するアンケ−ト調
査によると、日本語指導を必要とする外国人児童生徒への対策では、「担当教員の配置」が十
五県、「児童生徒の母語が話せる指導員の派遣」が十二県、「そのほかの指導協力者の派遣」が
五県である。この中で、六県は、児童生徒の母語と日本語が話せる外国人を日本語指導員とし
て派遣している。日本語指導員にとって、最も重要なのは「児童生徒への理解」と「児童生徒
の母語が話せる」ということが分かった。また、日本語指導を必要とする判断基準がさまざま
で、最終的には、外国籍児童生徒を受け入れる学校側と市教委の判断に基準を委ねている。
外国人児童の増加に伴い、かれらへの日本語教育もさまざまな問題を抱いている。まずは生
徒の問題である。
1、言葉の問題
外国人児童は来日して、日本語の基礎がないままでの学校への編入学は中途退学になる人が
増え、その主な理由の一つは日本語能力の不足であること。教材の学習に対して、日本語によ
る理解力が要求される科目ほど苦手だと感じる。特に、敬語の使い方や断り方、謝り方、賛
成・反対の仕方、お礼の言い方、依頼・要求の仕方などが難しく、トラブルを起こしそうな所
が多い。また、逆に彼らの目から見れば、「日本人ははっきり言わない、曖昧で分かりにくい」
という見方が多く、日本人特有な言葉表現に悩まされて、周りの日本人とうまくコミュニケ−
ションが取れないことが多い。
2、学校生活での不適応の行動
「身体面」:睡眠不足、疲労感、食欲がない、風邪を引きやすい、身体の不調、神経性習癖
(爪かみ、指しゃぶりなど)、神経性の下痢や便秘。
「行動面」:欠席、遅刻、早退、授業の欠課、課外活動への不参加、学習意欲が低い(競争
意識の無さ、成績の低下、宿題の提出状況がよくない)。学校生活において、消極的、ほとん
ど手を挙げない。グル−プ作業ができない、注意散漫、忘れがち、いろいろな場面での戸惑い
の多さ、責任感のない行動、落ち着きの無さなどがある。
3、人間関係の壁
外国人児童に対して、人間関係がうまく行かない人が多い。自分の言いたいことを伝えられ
ない、引っ込み思案、他人のことを気にしすぎる、自分の穀に閉じこもりがち、あまり話した
がらない、わがまますぎる。孤立、孤独感、友達ができない、クラスの子に働きかけられても
−80−
応じない、学級に溶け込めない、休み時間や放課後に級友と遊ばない、友達の気持ちをうまく
取ることができない、いじめの対象、協調性に欠けるなど現象が出てくる。また、教師に対し
ても、指示を無視、警戒的な態度、目立たないように行動する。教師を避ける、先生との接触
に緊張、不信、恐れ、戸惑心を持つ、教師に対する訴えが多い、教師になれなれしいなどがあ
る。
4、父母からの援助が少ないこと
外国人児童は新しい環境への適応のために父母から得られる援助も限りがある。父母も日本
という社会をまだ理解していない場合が多い。結局先生からも父母からも理解されず、一人孤
独に大きなギャップと圧力を感じながら毎日学校で過ごさなければならない。
次は、日本の学校での日本語教育の問題点である。
学校での日本語教育の初期的対応は、「日常会話に通じ、学校生活になじませる」ことで初
期的な日本語指導を行う。これは社会生活言語である。しかし、もっと深く行くと、抽象的思
考に必要な言語能力で、教科学習に必要な学習思考言語を教えるのは難しい。日本語ができな
いということで、認知能力の応じた教育を受ける機会が閉ざされる。これによって、認知能力
の発達阻害、自尊心を傷つけ、ひいては学習意欲を失わす。
これからは、日本語指導員の不足も問題である。外国人児童教育に積極的に取り組んでいる
学校もあるが、日本語指導員がいないため、学校の中にバラバラに在籍している多くの生徒が
何の措置も受けられず、ただ毎日不安と孤独を感じながら学校生活を送っていることもある。
また、日本語指導員の教え方と自分自身の能力にも問題がある。教え方によって、生徒に受
け入れやすい方もいるが、逆に理解されずトラブルが起こる場合もある。
さらに、日本語指導員の確保のための財源の確保も問題になっている。ほとんどの学校が、
全校生徒中外国籍の子供は1人程度で、たった1人の子供のために日本語指導専属の人間を置
いてくれるほど学校はヒマと予算がないため、ボランティアや巡回の非常勤講師に頼っている。
これも交通費程度が支給する場合、きちんと時給等で手当てが支給する場合がある。
最後に、テキスト教材が統一されていないのも問題である。最初の生活言語は別だが、学習
言語の習得については教材が整っていないため、生徒の日本語指導が必要かどうかについて比
較と判断する基準が難しい。
これまでいろいろな問題点を見てきたが、その解決策として自分の意見を述べてみよう。
まずは生徒に対しての問題の解決策である。
1、生徒の悩んでいる言葉問題に対応し、日本語教育はコミュニケ−ション行動のルールとし
てもっと教える必要がある。その前に教授者はまず生徒の国の言語と日本語の特徴を明らか
に対照研究を開発していかなければならない。これは外国人生徒の言葉による陥りがちな偏
見、誤った思い込みなどを最低限に減らすのに不可欠なことである。
2、学校での不適応の行動に対して、教師はこれらのことを防ぐために早期発見が重要である。
手遅れのないように普段から生徒のあらゆる言動をよく観察し、彼らが何に悩み、どんなこ
とで苦しんでいるかを断えず思いやるように心がける。
3、外国人生徒の人間関係について、教師は重要な役割を持っている。彼らの立場に立って物
事を考えること、一人一人の尊厳性を大切ながら一刻も早く彼らが抱えている問題が解決さ
れるように最も適切な働きかけの方法を見ようとする姿勢と努力が大切である。彼らと心合
−81−
える人間関係をまず作り上げ、安心して自由に自分たちのことを話せるように仕向けていく
ことも重要である。
4、父母からの援助が少ないことに対して、教師が断えず細かい配慮をしていく必要があり、
どんな些細なことでも見逃さず、気になるようなことがあれば、常に保護者と情報交換をし
て、協力し合って指導していくべきである。
次に、日本の学校での日本語教育の問題に対して、生活言語を教えながら、教科学習に学習
思考言語も教えなければならない。そうすると、生徒は数学などの授業を受けても困らない。
このようにして、生徒の学習意欲がだんだん高くなる。
日本語指導員の不足に対して、計画的な改善が必要である。今後、教員配置の改善を進める
に当たっては、教員一人当たりの児童生徒数を欧米並みの水準に近づけることを目指して改善
を行ってもいいだろう。なお、教員配置の改善に関連して、小−中学校において、ボランティ
アと非常勤講師の活用が一層進んで行ったほうがいい。
日本語指導員の教え方と資質−能力の向上についても注意すべきところがある。外国人生徒
の教育を進んでいくに当たって、特に重要と考えられることは、多様な異文化の生活−習慣−価
値観などについて、「どちらが正しく、どちらが誤っている」ということではなく、「違い」を
「違い」として認識していく態度や相互に共通している点を見つけていく態度、相互の歴史の
伝統−多元的な価値観を尊重し合う態度などを育成していくことが重要である。また、教員に
求められる資質−能力については、学校段階によって異なるが、教員養成や研修を通じて、教
科指導や生徒指導などの実践的指導力の育成を一層重視することが必要である。教員研修につ
いては、多様な研修機会を体系的に整備していく必要がある。
最後に、日本語指導員の確保のための財源の確保について、国、地方、と学校側は4,4,
2の割合で分担してもいいと思う。また、教材についても、今後は児童に見合った教材−資料
の開発によって、だんだん教材を統一するのも重要だろう。
とにかく、これらの課題に対応していくためには、外国人児童生徒が日本での生活習慣や学
校生活に円滑に適応したり、教材の学習を行う上で必要な日本語能力の速やかな習得を図るた
めの教材の開発−実施を進めることや、これらの子供たちの日本語指導等の当たる教員研修等
の充実を図ることも重要である。また、学校をはじめ、地域の関係機関やボランティア等の協
力の下、地域社会一体となった取組みが必要と考える。
<参考文献>
渡辺雅子(2005)
「年少者をとりまく社会を中心に」
『2005年度日本語教育学会春季大会予稿集』
25-26
ミッキー(2002)『入国児童のための日本語教育』
http://www.geocities.jp/kodomo̲tomodachi/faq-a.htm
劉頴(1997)『中国帰国生徒の現状と日本語教育』大阪外国語大学
<参考資料>
大臣官房政策課(1996)
『21世紀を展望した我が国の教育のあり方』
(3部2章
文部省
審議会答申
2005年5月1日の日本語教育新聞の記事
2005年5月1日の全国日本語教師会機関紙の記事
−82−
国際化と教育)
Ⅱ
年
報
(2
0
0
4年度)
日本語・日本事情
(渡辺
淳一)
1.平成16年度の教務関係の一般的状況
平成16年度の日本語・日本事情の授業は平成15年度のガイドラインに沿って開設された。共
通教育科目は前・後期とも13コマ(吉田:9、常盤:4)、補習授業は前期4コマ(吉田:2、
常盤:2)、後期6コマ(吉田:2、常盤:4)、大学院予備教育が前・後期とも15コマ、さら
に後期は日韓理工系学部留学生用10コマ開講した。大学院予備教育と日韓理工系学部留学生予
備教育についてはそれぞれのセクションで詳しくまとめる。このセクションでは吉田・常盤両
キャンパスにおける共通教育と補修の日本語・日本事情の授業についてまとめる。
平成16年度当初教員の人事異動があり、平成15年度宇部室を担当していた赤木講師が吉田キ
ャンパスに戻り、代わって、杉浦講師が宇部室を担当することとなった。その結果、前年度に
確定していた16年度の授業担当の変更を余儀なくされた。シラバスは既に電子シラバスに発表
されていたので、新しく担当になった者が別途シラバスを作成し、最初の授業で履修者に渡す
ことにして対処した。担当が入れ替わった後の杉原、赤木両講師の授業のシラバスは電子シラ
バスには記載されていない。
2.共通教育授業科目
平成16年度に開講した吉田・宇部両キャンパスの授業科目の担当教員、開設曜日・時限、受
講生数は以下の表のとおりである。
開講科目名
キャンパス
担当者
受講者数
前期
後期
21
薫
火/3・4時限
杉原道子
火/5・5時限
吉田
門脇
薫
水/1・2時限
19
17
日本語中級Ⅲ
吉田
赤木彌生
水/3・4時限
12
12
日本語中級Ⅳ
吉田
赤木彌生
木/3・4時限
15
9
日本語中級Ⅴ
常盤
杉原道子
水/3・4時限
19
11
日本語中級Ⅵ
常盤
今井新悟
木/5・6時限
10
10
日本語上級Ⅰ
吉田
門脇
薫
火/1・2時限
7
11
日本語上級Ⅱ
吉田
赤木彌生
水/5・6時限
13
5
日本語上級Ⅲ
吉田
渡辺淳一
木/1・2時限
10
9
日本語上級Ⅳ
常盤
杉原道子
月/7・8時限
20
10
吉田
渡辺淳一
月/5・6時限
24
日本事情中級Ⅰ
日本事情中級Ⅱ
常盤
杉原道子
金/7・8時限
19
吉田
杉原道子
火/5・6時限
11
日本事情上級
赤木彌生
木/3・4時限
日本語中級Ⅰ
吉田
日本語中級Ⅱ
門脇
開講曜日・時限
−85−
16
15
月/3・4時限
9
14
国際センターが開講した補習の授業は以下のとおりである。
開設科目名
キャンパス
担当者
日本語初級Ⅰ
吉田
渡辺淳一
日本語初級Ⅱ
常盤
今井新悟
木/2・4時限
日本語初級・補
常盤
重田美咲
月/5・6時限
日本事情初級
吉田
門脇
薫
医学部・日本語
小串
日本語中級・補
吉田
*
開講曜日・時限
月/1・2時限
受講者数
前期
後期
5
火/1・2時限
3
10
4
水/5・6時限
14
8
杉原道子
水/7・8時限
8
6
市川
金/5・6時限
整
重田、市川両講師には謝金講師として上記の授業を担当していただいた。
3.授業概要
以下は、共通教育科目の電子シラバスから転載したものであるが、杉原講師と赤木講師の担
当した授業については、両講師が別途作成し履修者に配ったシラバスである。
日本語中級Ⅰ・前期(門脇薫)
授業の概要
本授業では、日本語の中級前半レベルの総合的な能力を養う。特に読解練習を中心
に行い、中級前半レベルの語彙・文法事項を習得し、運用できるような様々な練習も
行う。
授業の一般目標
日本語の中級前半レベルの語彙・文法事項を習得し、日常生活・大学生活において
運用できる。様々なテーマの中級レベルの文章を読み、内容や書き言葉について理解
ができる。それぞれのテーマについて考え、自分の考えを日本語で表現できるように
なる。
授業の到達目標
知識・理解の観点:
1 中級前半レベルの表現を身につける。
2 中級レベルの文章を読み、内容について説明できる。
思考・判断の観点:
1 習った日本語表現を適切に使える。
2 テーマの内容について自国と比較しながら考えられる。
関心・意欲の観点:
1 テーマの内容に関して、日本、自国、他国の状況について関心を持つ。
態度の観点:
1 習った表現を教室内外でできるだけ使用する。
2 教師だけでなく、他の受講生からも学ぶ。
技能・表現の観点:
1 習った日本語の表現が適切に使える。
2 テーマについて日本語で意見が述べられる。
授業計画【概要・授業の目標】
テキストの各テーマごとに次のように進める。
*小テスト
*新語・文法事項の確認
−86−
*テーマについての文章を読み、理解する。内容、表現等の確認。
*練習問題
*テーマについてディスカッション
*「書く」練習(主に宿題)
教科書
『テーマ別
中級から学ぶ日本語
改訂版』荒井礼子他
1991
研究社
日本語中級Ⅱ・前期(門脇薫)
授業の概要
本授業では、日本語の中級前半レベルの総合的な能力を養う。特に読解練習を中心
に行い、中級前半レベルの語彙・文法事項を習得し、運用できるような様々な練習も
行う。
授業の一般目標
日本語の中級前半レベルの語彙・文法事項を習得し、日常生活・大学生活において
運用できる。様々なテーマの中級レベルの文章を読み、内容や書き言葉について理解
ができる。それぞれのテーマについて考え、自分の考えを日本語で表現できるように
なる。
授業の到達目標
知識・理解の観点:
1 中級前半レベルの表現を身につける。
2 中級レベルの文章を読み、内容について説明できる。
思考・判断の観点:
1 習った日本語表現を適切に使える。
2 テーマの内容について自国と比較しながら考えられる。
関心・意欲の観点:
1 テーマの内容に関して、日本、自国、他国の状況について関心を持つ。
態度の観点:
1 習った表現を教室内外でできるだけ使用する。
2 教師だけでなく、他の受講生からも学ぶ。
技能・表現の観点:
1 習った日本語の表現が適切に使える。
2 テーマについて日本語で意見が述べられる。
授業計画【概要・授業の目標】
テキストの各テーマごとに次のように進める。
*小テスト
*新語・文法事項の確認
*テーマについての文章を読み、理解する。内容、表現等の確認。
*練習問題
*テーマについてディスカッション
*「書く」練習(主に宿題)
成績評価方法(総合)
小テスト、定期テストで習ったことを習得しているかを評価する。「書く」タスクは
宿題として提出する。4技能に関する様々な練習やタスクを課し、演習として評価す
る。
教科書
『テーマ別
中級から学ぶ日本語
改訂版』荒井礼子他
−87−
研究社
1991
日本語中級Ⅱ・後期(門脇薫)
授業の概要
本授業では、日本語の中級前半レベルの総合的な能力を養う。特に読解練習を中心
に行い、中級前半レベルの語彙・文法事項を習得し、運用できるような様々な練習も
行う。
授業の一般目標
日本語の中級前半レベルの語彙・文法事項を習得し、日常生活・大学生活において
運用できる。様々なテーマの中級レベルの文章を読み、内容や書き言葉について理解
ができる。それぞれのテーマについて考え、自分の考えを日本語で表現できるように
なる。
授業の到達目標
知識・理解の観点:
1 中級前半レベルの表現を身につける。
2 中級レベルの文章を読み、内容について説明できる。
思考・判断の観点:
1 習った日本語表現を適切に使える。
2 テーマの内容について自国と比較しながら考えられる。
関心・意欲の観点:
1 テーマの内容に関して、日本、自国、他国の状況について関心を持つ。
態度の観点:
1 習った表現を教室内外でできるだけ使用する。
2 教師だけでなく、他の受講生からも学ぶ。
技能・表現の観点:
1 習った日本語の表現が適切に使える。
2 テーマについて日本語で意見が述べられる。
授業計画【概要・授業の目標】
テキストの各テーマごとに次のように進める。
*小テスト
*新語・文法事項の確認
*テーマについての文章を読み、理解する。内容、表現等の確認。
*練習問題
*テーマについてディスカッション
*「書く」練習(主に宿題)
成績評価方法(総合)
小テスト、定期テストで習ったことを習得しているかを評価する。「書く」タスクは
宿題として提出する。4技能に関する様々な練習やタスクを課し、演習として評価す
る。
教科書
『日本語中級J301』土岐哲他
スリーエーネットワーク
1995
日本語中級Ⅲ・前期(赤木彌生)
授業の概要
グラフや表のあるレポート、報告文、エッセイ、新聞記事などさまざまな文章スタ
イルにふれ、文化および科学の両分野における幅広いテーマに関する語彙表現や文法
を伸ばし、読解力、理解力を養う。いろいろな状況や場面に対応できる総合的な日本
語能力を培う。
−88−
授業の一般目標
日常生活に必要な基礎的な四技能「聞く・話す・読む・書く」をさらに、さまざま
な状況に対応できるように総合的に伸ばす。日本語による講義、試験、レポートなど
をこなすことができる文法、語彙表現を学び、聴解、口頭表現能力、読解力、作文力
を伸ばす。
授業の到達目標
知識・理解の観点:
科学、文化の両分野におけるテーマごとの語彙表現、文法力をつける。
思考・判断の観点:
科学、文化の両分野におけるテーマの内容を理解し、問題意識を持つ。
関心・意欲の観点:
語彙表現、文法を口頭や作文で応用する。
態度の観点:
活発に意見を述べた李、質問をしたりして授業に積極的に参加する。
技能・表現の観点:
日本語による講義を理解し、答案、レポート作成ができる四技能を身につける。
描写するための表現能力や意見を述べる能力を持つ。
授業計画【概要・授業の目標】
毎回異なるテーマについて話し合い、本文の文法や語彙表現について学ぶ。各テー
マについて問題意識を持ち、意見を述べる練習をする。ライティングを通して、文法、
語彙表現、漢字を応用し、段落を作る作文の書き方を練習する。
成績評価方法(総合)
出席 筆記試験 面接試験
教科書
『日本語中級J501』土岐哲他
課題提出
スリーエーネットワーク
2001
日本語中級Ⅲ・後期(赤木彌生)
授業の概要
幅広いテーマに関する語彙表現や文法を学び、さまざまな状況や場面に対応できる
総合的な日本語能力を培う。
授業の一般目標
日常生活に必要な基礎的な四技能「聞く・話す・読む・書く」をさらに、さまざま
な状況に対応できるように総合的に伸ばす。日本語による講義、試験、レポートなど
をこなすことができる文法、語彙表現を学び、聴解、口頭表現能力、読解力、作文力
を伸ばす。
授業の到達目標
知識・理解の観点:
テーマごとの語彙表現、文法を理解する。
思考・判断の観点:
テーマについての内容を理解し、問題意識を持つ。
関心・意欲の観点:
語彙表現、文法を口頭や作文で応用する。
態度の観点:
授業に積極的に参加する。
技能・表現の観点:
日本語による講義を理解し、答案、レポート作成ができるように四技能を伸ばす。
−89−
授業計画【概要・授業の目標】
毎回各テーマについて話し合い、練習問題を通して、文法、表現について学ぶ。問
題意識を持ち、自分の意見を述べる練習をする。課題の作文を通して、学んだ文法、
語彙表現、漢字を応用し、段落を作る作文の書き方を練習する。
日本語中級Ⅳ・前後期(赤木彌生)
授業の概要
幅広いテーマに関する語彙表現や文法を学び、さまざまな状況や場面に対応できる
総合的な日本語能力を培う。
授業の一般目標
日常生活に必要な基礎的な四技能「聞く・話す・読む・書く」をさらに、さまざま
な状況に対応できるように総合的に伸ばす。日本語による講義、試験、レポートなど
をこなすことができる文法、語彙表現を学び、聴解、口頭表現能力、読解力、作文力
を伸ばす。
授業の到達目標
知識・理解の観点:
テーマごとの語彙表現、文法を理解する。
思考・判断の観点:
テーマについての内容を理解し、問題意識を持つ。
関心・意欲の観点:
語彙表現、文法を口頭や作文で応用する。
態度の観点:
授業に積極的に参加する。
技能・表現の観点:
日本語による講義を理解し、答案、レポート作成ができるように四技能を伸ばす。
授業計画【概要・授業の目標】
毎回各テーマについて話し合い、練習問題を通して、文法、表現について学ぶ。問
題意識を持ち、自分の意見を述べる練習をする。課題の作文を通して、学んだ文法、
語彙表現、感じを応用し、段落を作る作文の書き方を練習する。
教科書
『テーマ別
中級から学ぶ日本語』荒井礼子他
研究社
1991
日本語中級Ⅴ・前後期(杉原道子)
授業の概要
中級の学習者を対象に「読む・書く」を柱に「話す」能力の向上を目指す。論理的な文
章作成能力、また、論理的に相手に正確に伝わるように「話す」能力を課題を通して育
成する。
教科書
『日本語中級J501』土岐哲他
スリーエーネットワーク
日本語中級Ⅵ(今井新悟)
授業の概要
日本語の中級レベルの授業を行う
授業の一般目標
日本語中級レベルの能力を身につける。
−90−
2001
授業の到達目標
知識・理解の観点:
日本語中級レベルの文法・語彙
技能・表現の観点:
日本語中級レベルの運用能力
授業計画【概要・授業の目標】
参加者のニーズに合わせて決定する。
成績評価方法(総合)
出席、宿題、小テスト
教科書
前期:『日本語能力試験3・4級問題集』松本隆他 アルク 1992
後期:『新日本語の中級』AOTS スリーエーネットワーク 2000
日本語上級Ⅰ・前後期(門脇薫)
授業の概要
本授業では、大学で求められる基礎的な書く(レポート、論文を書く)力を養う。
書き言葉や説明的な文章の構成について、読解練習と組み合わせて説明を行う。練習
問題及び「書く」課題を課し、それについてのフィードバックを与える。
授業の一般目標
説明的な文章を読み、内容や文章の構成について考察する。
文章の展開方法を理解し、構成に気をつけて自分の考えが日本語で書ける。
授業の到達目標
知識・理解の観点:
1 書き言葉と話し言葉の違いが区別できる。
思考・判断の観点:
1 文章を読んで内容や文章の構成について分析できる。
関心・意欲の観点:
1 様々な教室活動において積極的に参加する。
態度の観点:
1 日本語の論理的な文章を読んだり、書いたりするのに慣れる。
技能・表現の観点:
1 既習の語彙や文法事項を使用して、自分の考えを論理的に文章で表現できる。
授業計画【概要・授業の目標】
テキストに従って、第1部では基本的な書き言葉の文体・文法・書式等について説
明する。第2部では各課次のように行う。読解→語句・内容解説→各課のポイント
(構成について)→練習問題→課題(宿題)→フィードバック
成績評価方法(総合)
1)課の最後に「書く」課題を課す。
2)授業中に4技能に関する練習及びタスクを行うが、授業での積極的参加度も評
価する。
3)期末試験と最終レポートの内容及び構成について評価する。
教科書
前期:『改訂版 留学生のための論理的な文章の書き方』二通信子他
ネットワーク 2000
後期:『日本語を書くトレーニング』野田尚史他 ひつじ書房
−91−
スリーエー
日本語上級Ⅱ・前期(赤木彌生)
授業の概要
初めにテーマ別にさまざまな問題について話し合い、意見を出し合う。その後、本
文のテープを聞いた後で、読み、内容を理解する。テーマごとの語彙表現や文法につ
いて学ぶ。段落ごとの読解および段落を作って書く練習をする。また、会話表現につ
いて学び、場面や状況に応じた表現方法の違いを知り、日本語での判断能力を養成す
る。
授業の一般目標
基礎的な四技能「聞く・話す・読む・書く」をさらに、講義を理解し、試験、レポ
ート、発表ができるように、聴解、口頭表現能力、読解力、作文力を総合的に伸ばす。
授業の到達目標
知識・理解の観点:
テーマごとの語彙表現、文法を理解する。高度な文法、表現、専門用語が理解で
きる。自分の意見を文章にすることができる。
思考・判断の観点:
テーマについての内容を理解し、問題意識を持ち、自分の意見を話すことができ
る。
関心・意欲の観点:
語彙表現、文法を積極的に応用する。
態度の観点:
授業に積極的に参加する。
技能・表現の観点:
日本語による講義を理解でき、答案やレポートを書くことができ、発表する表現
力を持つ。また、場面に応じた適切な表現を使うことができる判断能力を持つ。
授業計画【概要・授業の目標】
毎回、テーマについて語彙表現を学び、それについて意見を述べる練習をする。同
時に、段落を作成した書き方の練習、場面ごとの会話表現なども扱う。また、作文、
新聞記事を読む読解練習などを行う。
成績評価方法(総合)
出席 筆記試験 面接試験
教科書
『テーマ別
上級で学ぶ日本語』阿部祐子他
研究社
1994
日本語上級Ⅲ・前後期(渡辺淳一)
授業の概要
中級レベルの日本語運用能力を既に備えている受講生を対象に、日本の著名な文筆
家の文章を読みながら、学部・大学院の高度な文献資料を読むための読解力を高めま
す。
授業の一般目標
1.現代の随筆家による随筆文を読みます。
2.和歌、俳句等を読み、鑑賞の仕方を学びます。
3.近代及び現代の作家の短編小説を読みます。
授業の到達目標
知識・理解の観点:
1.和歌や俳句等の日本の文学形式を理解することができる。
2.随筆文等で主張されているポイントを正確に理解できる。
−92−
関心・意欲の観点:
1.授業で取り上げる作品に限らず広く日本の文学作品を読むことができる。
態度の観点:
1.自国の文学表現形式と比較することができる。
技能・表現の観点:
1.随筆文の内容を簡潔に要約することができる。
2.詩歌や文学作品を読んでその感想をまとめ口頭、文章で表現できる。
授業計画【概要・授業の目標】
決められたテキストに基づき、各課の随筆、詩歌、短編小説を読み、鑑賞します。
成績評価方法(総合)
期末試験、予習、出席等を総合的に判断して成績評価をする。
教科書
『上級日本語』東京外国語大学
凡人社
1998
日本語上級Ⅳ・前後期(杉原道子)
授業の概要
専門分野での勉学・研究に不可欠な論理的な思考能力を養う。
教科書
『大学・大学院留学生の日本語③論文読解編』アカデミック・ジャパニーズ
ク 2002
アル
日本事情中級Ⅰ・前後期(渡辺淳一)
授業の概要
現代の日本事情、現代社会の風俗・習慣、日本人の行動様式について、その理解を
深めます。
授業の一般目標
1.現代の日本事情を理解します。
2.現代社会の風俗・習慣、日本人の行動様式を理解します。
3.日本社会の中に積極的に入り、文化・社会体験を深めます。
授業の到達目標
知識・理解の観点:
1.現代の日本事情を理解することができる。
2.現代社会の風俗・習慣、日本人の行動様式を理解することができる。
思考・判断の観点:
1.自国の事情と対比し、その違いや相違点を的確に理解することができる。
関心・意欲の観点:
1.日本の社会・文化の理解を広げることができる。
技能・表現の観点:
1.日本と自国とを比較し、その類似点と相違点を的確に把握し、それを口頭、
文章で表現することができる。
授業計画【概要・授業の目標】
決められたテキストに基づいて、現代の日本事情のうち「女性の生き方」「日本の教
育事情」「現代の若者」「職業意識」「日本の中の外国人」「現代の豊かさ」という点に
的を絞って、日本の社会・日本人の考え方を学びます。受講生はそれぞれのテーマに
ついて、自国の状況を発表し、積極的に話し合いに参加することが求められます。
−93−
成績評価方法(総合)
期末試験、授業での発表、出席を総合して成績評価をします。
教科書
『日本への招待』近藤安月子他
東京大学出版会
2001
日本事情中級Ⅱ・前後期(杉原道子)
授業の概要
日本人の生活習慣・考え方・社会構造などについて講義し、討論し、自国と比較し、
日本への理解を深める。
日本事情上級・前期(杉原道子)
授業の概要
3つのテーマについて現代の日本事情を解説する。新聞をはじめ各種の資料を読み、
内容を色々な角度から考える。
日本事情上級・後期(赤木彌生)
授業の概要
日本の風俗習慣,文化、社会、日本人の行動様式について理解を深める。現代の日本
の社会事情と自国の事情と対照させ、比較検討しながら、文化の背景について考え、
文化理解を図り、日本社会で生活や勉強が自立してできる判断能力を養う。また、地
球社会の多様な文化を相対的に見ることができる能力を培い、グローバルなコミュニ
ケーションが図れる能力を養う。山口県の固有の文化や歴史について学ぶ。授業の一
般目標日本での生活に役立つ基本的な文化生活習慣について学ぶ。また、日本文化や
お互いの文化理解を通して、地球的な視点で日本文化を見る。また、地球社会の多様
な文化を理解するための相対的な文化の見方を見につけ、グローバルなコミュニケー
ション能力を培う。
授業の到達目標
知識・理解の観点:
日本の社会、文化事情や日本人の行動様式に関する語彙表現
思考・判断の観点:
日本文化の背景にある価値観、宗教観について知り、問題意識を持つ。ステレオ
タイプ〔固定観念〕、自民族中心主義、一般化などの文化の偏見的見方を排斥し、
グローバルな視点から、相対的に見なすことができる。
関心・意欲の観点:
日本文化や他の文化に関心を深める。関心のあるテーマについて調査、分析し、
発表する。
態度の観点:
自国の文化や風俗習慣について紹介し、お互いの情報を分かちあい、より深い文
化理解が可能となるように貢献する。
技能・表現の観点:
日本文化や他の文化を理解し、自国の事情や自分の意見を述べることができる。
文化背景を知り、文化理解を図り、文化を相対的に見ることができる。
その他
「戦争の文化から平和の文化へ」という地球社会の転換期を認識し、グローバル
な社会形成について考える。
−94−
授業計画【概要・授業の目標】
毎回テーマごとに日本の文化や社会事情について学び、その背景について考える。
対話文でテーマに関する語彙表現を学び、本文で内容の理解を深める。ビデオ教材の
テーマについて話し合う。
成績評価方法(総合)
出席 授業参加 課題
試験
教科書
『15のテーマで学ぶ日本事情』
参考書
日本の社会と経済を読む
レポート
日本を話そう・自主教材
以下は国際センターが開講した補習授業のうち日本語初級ⅠとⅡ、日本事情初級、それに医
学部日本語のシラバスである。
日本語初級Ⅰ・前後期(渡辺淳一)
授業の概要
日常生活に必要な基礎的な「話す・聞く・読む・書く」の4技能を身につけます。
To develop basic skills of speaking, listening, reading and writing of Japanese.
授業の一般目標
初級前半の基本的な語彙や文法事項を学びます。
Basic Japanese grammar, vocabulary, expressions used on campus and in dailysocial
situations and the Japanese writing system (Hiragana, Katakana andelementary Kanji) are
taught in this course.
授業の到達目標
知識・理解の観点:
初級レベルの基本的な語彙や文法事項が理解できる。
To understand basic grammar and vocabulary
関心・意欲の観点:
既習の語彙や文法事項を積極的に運用する。
To be able to use expressions and vocabulary in the practical situations
態度の観点:
積極的に教室活動に参加する。
To participate in classroom activities
宿題や課題をきちんと提出する。
To submit homework and assignments on time
技能・表現の観点:
ひらがな・カタカナ・漢字100字の読み書きができる。
To be able to read and write Hiragana, Katakana and 100 Kanji's.
日常生活に必要な基礎的な語彙・表現が理解でき、使用できる。
To be able to understand the basic vocabulary and expressions and how to use them.
身近なテーマについて作文ができる。
To be able to write a short essay.
日常の会話を聴き取り理解できる。
To be able to understand the conversation
日常の会話で適切に応答できる。
To be able to respond properly in a conversation
−95−
授業計画【概要・授業の目標】
テキストのそれぞれの課は会話表現、文法事項の解説、語彙の導入、練習問題から
構成されています。「ひらがな・カタカナ」は1〜3週の間に読み書きを終え、漢字は
その後各時間に平均10字導入します。
Each lesson is composed of a short skit, a grammatical explanation, a list ofnew vocabulary
and exercises. Hiragana and Katakana are taught in the firstthree weeks. In the following
classes 10 Kanji's will be taught in each class.
成績評価方法(総合)
期末試験、クイズ、宿題、教室活動、出席状況を総合して成績評価をする。
Students will be graded on their final exam results, Quiz results, homework, assignments,
class participation and attendance.
教科書
Basic Japanese for Students 東京工業大学
スリーエー
2002
日本語初級II(今井新悟)
授業の概要
Basic Japanese
授業の一般目標
Learn basic grammar and vocabulary.
授業の到達目標
知識・理解の観点:
Students are expected to master basic structures of Japanese and learn 300 basic words and
the basic writing system, Hiragana and Katakana.
技能・表現の観点:
Students can carry out simple conversations in Japanese.
授業計画【概要・授業の目標】
I will design the course on the first day of class based on the needs of participants. I will
prepare and distribute handouts for each lesson. Participants are expected to do a considerable
amount of homework every week.
成績評価方法(総合)
Attendance, Homework
教科書
前期:『みんなの日本語
後期:『みんなの日本語
初級Ⅰ』スリーエーネットワーク
初級Ⅱ』スリーエーネットワーク
1998
1998
日本事情初級・前後期(門脇薫)
授業の概要
日本で生活していくうえで必要な日本事情に関する内容や日本独特の文化・習慣に
ついて概説する。自国の文化や他の文化を観察し、比較し、考察する力を養うことを
目指す。
授業の一般目標
日本の文化や習慣について観察できる力を養う。
自国の文化や他の文化を比較し観察できる。
できる限り、既習の日本語を使用して自分の意見が言える。
−96−
授業の到達目標
知識・理解の観点:
文化の違い、共通点について説明できる。
思考・判断の観点:
異文化について考えることができる。
関心・意欲の観点:
日々の生活の中で、異文化について観察できる。
態度の観点:
異文化を知ろうとする。
技能・表現の観点:
習った日本語で自分の意見を表現しようとする。
授業計画【概要・授業の目標】
様々なテーマに関して、解説を行ったり、課題を課したりする。受講生の日本語能
力のレベルによって媒介語の使用も考慮する。
成績評価方法(総合)
1)テーマに関する様々なタスクを課す。
2)授業中のグループ・ワーク、ペアワークでの積極的な参加度も評価する。
3)テーマについて調べて発表する。
教科書
『話そう考えよう 初級日本事情』福岡日本語センター
2000
(他プリント資料)
スリーエーネットワーク
医学部日本語・前後期(杉原道子)
授業の概要
中級の学習者を対象に「読む・書く」を柱に「話す」能力の向上を目指す。論理的な文
章作成能力、また、論理的に相手に正確に伝わるように「話す」能力を、課題を通して
育成する。簡単な問診が出来るように基礎的な医学用語を学ぶ。
教科書
『日本語中級J501』土岐哲他
スリーエーネットワーク
−97−
2001
日本語能力判定テスト
(今井
新悟)
2004年度、日本語能力を測定するテストを4月、10月に実施した。本テストは、当初、奨学
金給付の選考のための基準として、さらには大学院選抜の参考に供することを目指したが、そ
のためには問題作成上様々な困難な問題を解決しなければならず、2004年度のテストはクラス
分けのプレースメントテストとしてのみ利用した。
聴解、文字・語彙、文法の3分野で実施した。3分野とも日本語能力試験の1〜4級程度の
問題を想定してテストを作成した。
日本語・日本事情の授業を受講する者は本テストを受けることを義務づけており、成績に応
じてクラスを分けた。そのクラス分けに従い、日本事情・日本語を受講するのが原則であるが、
時間割りの都合上、当該クラスを受講できない場合、当該レベルのひとつ上、もしくはひとつ
下のクラスの受講も認めた。
本テスト実施において、解決するべき問題点は、当該レベルの上下ひとつの移動を認めたた
め、クラスわけの基準が大変粗いものになってしまっていること、能力判定を、受験者の相対
的な位置によって行ったため、絶対的な能力判定になっていないことが挙げられる。次年度は
これらを解決すべく、絶対評価での判定を行う予定である。(本号
今井論文「コンピュータ
ーを使った簡易アダプティブテストの開発:J-CATプロトタイプ1」参照)
−98−
大学院入学前予備教育報告
(赤木
彌生)
1.受入れ
2004年度4月期・10月期とも大使館推薦国費留学生(大学院入学予定)の配置があり、大学
院予備教育日本語集中コースを前期・後期とも開講した。大学院予備教育日本語集中コースは
留学生センター設置と同時に受入れが始まった。センター設置初年度の2002年10月期に3名の
受け入れがあり、第1期大学院予備教育を開講した。しかし、その後2003年度前期・後期とも
受け入れはなかったため、2004年度が第2期、第3期の受入れとなり、初級レベルのクラスを
開講した。
2.コース日程
4月期
日
付
内
容
平成16年4月1日
受け入れ準備・チューターオリエンテーション
4月2日・6日
出迎え・諸手続き
4月7日
手続き・キャンパス・ツアー
4月8日
歓迎茶話会
4月12日
新留学生オリエンテーション・プレースメントテスト
4月13日
開講式
4月20日
山口市内散策
4月24日25日
新留学生研修会(徳地少年自然の家)
5月1日〜2日
ホームステイ(1泊2日)
5月30日
池坊西京支部華道展参加
5月25日
前半修了茶話会
6月5日
宇部留学生交流会参加(工学部)
6月21日
中間発表「私の国」
7月25日
修了発表・茶話会「私の専門」
8月3日
修了試験
9月22日
修了式・修了茶話会
3.履修生
大学院予備教育では大使館推薦国費留学生は、6ヶ月間、国際センター所属の留学生として、
日本語・日本文化を集中的に15週間毎日学習する。留学生の日本語は基本的には全く日本語を
学習した経験のない未習者である。しかし、時には既習者も含まれていることがあり、この場
合レベル差が生じることになる。4月期予備教育生4名は、初級レベル2名、既習者1名、日
本語能力検定試験3級合格者1名の混合クラスであった。
このようにコース運営においては、レベル差や受講生数などの問題が多い。しかし、2004年
度の留学生6名は学習意欲(motivation)、成熟度(maturity)ともにずば抜けて高く、非常に
−99−
学習能力の高い学生であった。15週間の極めてインテンシブな日本語コースではあるが、カル
チャーショックを起こすこともなく、順調に日本語能力を伸ばし、目標到達度に達した。
3.1 履修生一覧
4月期
名
前
国
籍
性別
受入れ学部
指導教官
課
程
SINIPAR RISMON
インドネシア
HASIHOLAN
男
理工学研究科
三池秀敏
博士後期
THAUNG
ミャンマー
男
理工学研究科
小島直哉
博士前期
UYAR AYSUN
トルコ
女
経済学研究科
吉松秀孝
博士後期
NGUEN THI
HUONG LIEN
ベトナム
女
経済学研究科
仲間瑞樹
博士前期
4.時間割・担当教員一覧
前期・後期とも日本語、総合(スキル養成:リスニング、スピーキング、作文、読解)、日
本事情、コンピューター学習の週15コマ体制で実施した。日本事情は、前期、後期とも、初級
クラス日本事情との合同クラスで、日本語集中コース以外の留学生と学んだ。
4.1 前期時間割
期間:2004年4月13日〜8月7日
月
火
8:40〜10:10
水
木
金
日本語
渡辺
日本語
門脇
日本語
今井
10:20〜11:50
日本語
後藤
日本語
赤木
日本語
渡辺
日本語
門脇
日本語
今井
12:50〜2:20
日本語
後藤
日本語
赤木
日本事情
門脇
総 合
渡辺
総 合
今井
2:30〜4:00
総 合
重田
総 合
赤木
4.2 担当教員一覧
渡辺
淳一
専任
作文
今井
新吾
専任
PC
赤木
弥生
専任
コーディネーター
門脇
薫
専任
日本事情担当
後藤美知子
学外謝金講師
重田
学外謝金講師
美咲
−100−
5.授業
5.1
授業計画
コーディネーターが2週間程度の授業計画表を調整し、メールで担当教員に配信する一方、
各担当教員は毎日の授業状況をメールで報告した。計画にずれが生じた場合や学習者に問題点
が起こった場合も毎日のメールで報告し対応した。また、総合授業の担当者が、テスト、作文、
スピーキングなどを担当し、その都度、進路状況を報告した。定期的にコース・ミーティング
を持ち、担当教員間のコミュニケーションを密にし、学習が効果的に運ぶようにコーディネー
トした。担当教員からは言語学習についての質問などが提起され、それについて議論するなど
全員、熱心に指導に取り組んだ。
学習目標
日本語での4技能養成を図り、日本語能力検定試験3級レベルの日本語
能力養成を目指す。また、日本事情およびホームステイ、文化体験プロ
グラムを通して、日本社会への適応を図り、日本文化への理解を深める。
小テスト
毎週、教科書6課ごとの筆記、聴解試験、スピーキングチェック
修了試験
日本語能力検定試験4級・3級模擬試験
スピーキングチェック
発表
中間発表「わたしの国」作文、パワーポイント
修了発表「わたしの専門」作文、パワーポイント
課外活動
チューターとの日本語学習
歓迎・修了茶話会・山口市内散策
日本文化体験(池坊西京支部主催華道展参加)
ホームステイ(1泊2日)
日本語会話サロン
毎回メールで授業報告を行い、コーディネーターが調整する。
授業の進め方 コース・ミーティングを定期的に実施する。
午前中は教科書を1課ずつ進める。午後はスキル養成、文字学習
5.2
使用テキスト
前期予備教育履修生には既習学習が含まれていたこともあり、教科書を比較的順調にこなす
ことができた。このため、コース後半は中級への橋渡しの教科書を使った。
主教材
「ひとりで学べるかな
かたかな」(AOTS)
「みんなの日本語
本冊
初級Ⅰ・Ⅱ」(スリーエーネットワーク)
「みんなの日本語
翻訳・文法解説
「みんなの日本語
初級Ⅰ
「みんなの日本語
初級で読めるトピック」(同上)
初級Ⅰ・Ⅱ(英語・インドネシア語・ベトナム語」
(同上)
作文」(同上)
「BASIC KANJI BOOK Vol.1/2」(凡人社)
副教材
「みんなの日本語
初級Ⅰ・Ⅱ
書いて覚える文型練習帳」(同上)
「INTERMEDATE KANJI BOOK Vol.1/2」(凡人社)
−101−
「日本語トレーニング」(アルク)
「J Bridge」
(凡人社)
5.3 授業
日本語
前期予備教育履修生は他の留学生同様日本語プレースメントテストを受験した。2名は初中
級レベレであったため、最初の2週間は他の共通教育、教育学部、経済学部での日本語授業を
聴講したが、レベルの問題から最終的には、4名揃って日本語コースを受講した。
午前中2コマの授業は、教科書を1課ずつ進み、午後の総合4コマは、スキル養成(スピー
キング、リスニング、作文、読解、文字学習)とした。毎週月曜日、筆記試験、火曜日、聴解、
スピーキングテストを実施した。
コンピューター利用日本語学習
専任教員が国際センターコンピューター室で、コンピューターの使い方、キーボードのひら
がな、かたかな、漢字の変換のしかたを指導し、実際に各自の名刺を作成するなどのコンピュ
ーター利用日本語学習を行った。また、パワーポイントの使い方を学び、中間・修了発表をパ
ワーポイントで作成し、発表した。
予備教育履修生の中には、コンピューターをあまり使ったことのない留学生もいた。また、
コンピューターが使える学生も日本語表示が分からないため、コンピューターを利用した日本
語学習は、大学院での研究に向けて重要な授業となった。
日本事情
共通教育日本事情初級のクラスで、他の留学生と一緒に授業を受けた。日本文化、山口の生
活、ホームステイの仕方などについて学んだ。日本事情の課外活動として、ホームステイ、日
本文化体験プログラムへの参加(華道)、また、コーディネーターが山口散策などを行った。
さらに、学外講師の先生から、地域文化訪問やホームビジットも経験させてもらった。
課外活動
到着後のキャンパス・ツアーはチューター、チューター・サポーター、先輩留学生(インド
ネシア、ベトナム、トルコ)が協力して行った。中間・修了発表、歓迎・修了茶話会、日本語
会話サロンにもチューターや留学生交流ボランティアも参加した。
研修
国際センター主催オリエンテーション、国際センター主催新留学生研修会、留学生見学旅行、
地域留学生懇談会などの学内の行事に全て参加した。
留学生相談
日本語集中コースコーディネーターが、2004年度指導相談担当であったため、コース期間中、
ほぼ毎日顔を合わせ、生活、学習相談を行った。
−102−
6.コース評価と課題
修了試験(日本語能力試験3級模擬試験)は合格ラインであった。スピーキング、リスニン
グのオーラル・スキルもインタビュー試験により評価したが、いずれの学生も3級レベルに達
していた。予備教育履修生の日本語学習到達度は中間、修了発表、修了式のスピーチでも披露
され、一般学生、他の留学生、指導教官から高い評価を受けた。また、大学院修士課程に入学
する予備教育履修生の場合は、漢字学習を継続し、さらにリーディング、ライティング・スキ
ルを高めていかなくてはならないため、各学部での日本語学習が重要となるが、そのための日
本語の基礎能力は十分養われたと考える。
平成16年度10月期報告
1.受け入れ
平成16年度10月期大使館推薦国費留学生(大学院入学予定)の受け入れは2名であったが、
1名は、日本語コースを短期間のみの受講を希望したため、実質1名の履修生であった。
2.コース日程
10月期
日
付
内
容
平成16年10月
受け入れ準備 チューター募集・オリエンテーション
10月6日
出迎え・諸手続き
10月8日
国際環境協力シンポジウム参加
10月12日
大学院予・日韓理工系予備教育合同開講式・茶話会
10月16日17日
新留学生研修会(1泊2日)徳地自然少年の家
10月20日〜
平成17年1月26日
日本文化体験プログラム(華道)受講
11月20日
山口市恵比寿祭り協賛花展参加
11月25日
地域留学生懇談会出演(4月期・10月期)
12月10日
山口市内散策
12月13日〜14日
留学生見学旅行参加(1泊2日)九州
平成17年
1月3〜4日
1月20日
ホームビジット・ホームステイ
中間発表「私の国」
3月5日
修了発表・茶話会「私の専門」
3月10日
修了試験
3月25日
修了式・修了茶話会
3.履修生
10月期、ゼロ初級2名の配置があったが、実質的には受講生は1名となったため、試行的に
日本語初級レベル受講生3名を入れ、合計5名で実施した。学内受講生も熱心に受講し、予備
−103−
教育履修生にとっても学習仲間ができ、効果的に学習が進められた。
3.1 履修生一覧
10月期
名
前
国
籍
性別
受入れ学部
指導教官
課
程
PABLITO
MIGUEL LINGA
ガボン
男
経済学研究科
城下賢吾
博士前期
FEGA MAGASO
ABAMO
フィリピン
女
理学部
藤島政博
博士後期
性別
受入れ学部
指導教官
課
学内初級レベル履修生
名
前
国
籍
程
PUCHITRASILP
THANMAPOR
タイ
女
農学部
猪熊寿
博士後期
寧紅紅
中国
女
経済学部
長谷川光圀
博士前期
李明娟
中国
女
経済学部
有村貞則
博士前期
4.時間割・担当教員一覧
4.1 後期時間割り
期間:2004年10月12日〜3月6日
月
水
木
日本語
渡辺
日本語
門脇
金
8:40〜10:10
日本語
道広
10:20〜11:50
日本語
道広
日本語
赤木
日本語
渡辺
日本語
門脇
日本語
重田
12:50〜2:20
総 合
道広
日本語
赤木
日本事情
門脇
総 合
門脇
日本語
重田
CAI
赤木・
TA(黒目)
2:30〜4:00
4
火
担当教員一覧
10月期
渡辺
淳一
専任
赤木
弥生
専任
コーディネーター
門脇
薫
専任
日本事情担当
重田
美咲
学外謝金講師
道広有美子
学外謝金講師
テスト担当
黒目
TA
CAI
遥
−104−
CAI
赤木・
TA(黒目)
5.授業
授業、使用テキスト、授業の進め方などすべて前期同様に実施した。
5.1
授業計画
学習目標
日本語での4技能養成を図り、日本語能力検定試験3級レベルの日本語
能力養成を目指す。また、日本事情およびホームステイ、文化体験プロ
グラムを通して、日本社会への適応を図り、日本文化への理解を深める。
小テスト
毎週、教科書6課ごとの筆記、聴解試験、スピーキングチェック
修了試験
日本語能力検定試験4級・3級模擬試験スピーキングチェック
発表
中間発表「わたしの国」作文、パワーポイント修了発表「わたしの専門」
作文、パワーポイント
課外活動
チューターとの日本語学習歓迎・修了茶話会・山口市内散策ホームステ
イ(1泊2日)・日本文化体験プログラム参加(華道)日本語会話サロ
ン
毎回コーディネーターが調整し、メールで授業報告を行う。コース・ミ
授業の進め方 ーティングを定期的に実施する。午前中は教科書を1課ずつ進める。午
後はスキル養成、文字学習
5.2
使用テキスト
後期予備教育履修生は、日本語未習者であったため、文字(ひらがな、かたかな)の導入、
定着までに時間がかかった。また、学習者からの要望もあり、冬期休暇前の2週間は復習期間
に当てた。このため、中級への橋渡しの教科書を授業で導入することができなかった。ただ、
この復習以降は、漢字学習も順調に進んだため、自主学習用として、前期同様の教科書を購入
した。
主教材
「ひとりで学べるかな
かたかな」(AOTS)
「みんなの日本語
本冊
初級Ⅰ・Ⅱ」(スリーエーネットワーク)
「みんなの日本語
翻訳・文法解説
「みんなの日本語
初級Ⅰ
「みんなの日本語
初級で読めるトピック」(同上)
初級Ⅰ・Ⅱ(英語・フランス語・中国語」(同上)
作文」(同上)
「BASIC KANJI BOOK Vol.1/2」(凡人社)
副教材
「みんなの日本語
初級Ⅰ・Ⅱ
書いて覚える文型練習帳」(同上)
「INTERMEDATE KANJI BOOK Vol.1/2」(凡人社)
「日本語トレーニング」(アルク)
「J Bridge」
(凡人社)
−105−
6.コース評価と課題
修了試験(日本語能力試験3級模擬試験)は合格ラインで、いずれの学生も3級レベルに達し
た。特に、正規予備教育履修生のリスニングは毎週の聴解練習によって飛躍的に伸びた。学習
初期段階において、ひらがな、カタカタの文字学習に時間がかかり、宿題にも時間がかかった
が、オーラル・スキルの伸びとともに、文字学習も克服し、漢字は楽しんで自習し、短期間に
効率的に学んだ。
後期は理学部大学院生のTAを導入し、コンピューター利用の学習を実施した。履修生と年
齢の近いTAの導入は、質問など気楽にできたようで、コンピューターを利用したさまざまな
学習(キーボードの練習、コンピューター、パワーポイントの日本語での使い方など)が非常
に効果的に進んだ。TAの活用は単に経費や人材面からも利点があるだけではなく、学習者の
視点からみても評価が高く、今後、さらにTAの活用を検討する必要がある。
おわりに
6ヶ月間、優秀な大使館推薦国費留学生が国際センターに所属し、日本語・日本文化につい
て集中的に学び、その期間、一般学生と共に学び、交流し、共生することは、山口大学の国際
化を進める上において非常に意義深いことであり、山口大学において大学院予備教育を実施で
きることの意義を再認識する必要があるだろう。また、大学院予備教育履修生は山口大学を真
の母校としての認識を培い、一般学生に対しては学生としてのロールモデルの役割も果たし刺
激となっている。第1期生を含めるとすでに10名の修了生が現在山口大学で学んでいるが、国
際交流事業など大学の国際化を進める上で留学生のリーダー的存在として大いに貢献してい
る。キャンパス内にこのような留学生が増えていくことが大学の国際化や活性化の重要な足が
かりとなるだろう。また、巨視的観点から言えば、将来山口大学の卒業生が世界で活躍すると
き、日本語・日本文化を理解しているこのような留学生と一緒に働くことによって、世界に貢
献していくことができるのではないだろうか。
−106−
日韓共同理工系学部留学生予備教育
(今井
新悟)
1.コース設置目的・対象者
本学では本プログラムの学生を2002年に受け入れを開始し、今回は三度目の受け入れである。
今回受け入れた学生は、日韓共同理工系学部留学生プログラムの第五期生にあたり、本学では、
前二回は工学部入学予定者を、今回は初めて理学部入学予定者の二名を受け入れた。この留学
生は、韓国内で六ヶ月の予備教育を受けた後、本学留学生センターでさらに六ヶ月の予備教育
を受けた。本コースは、日本語初級および中級前半の学習を本国で修了している学生に対し、
中級以上の日本語学習と、専門教育に必要となる領域の日本語による入門教育を目的として実
施した。
2.担当者
コースコーディネーター
今井新悟
日本語授業担当
今井新悟、道広有美子(非常勤)
英語補講担当
前田
CAI
石川成子(理学部大学院生)
テーチィングアシスタント
満(共通教育)
専門科目・化学
西口
毅(非常勤)
専門科目・数学
近藤
彰(非常勤)
専門科目・物理
岩田允夫(非常勤)
チューター
石川成子(理学部大学院生)
チューター
瀧澤有美(理学部学部生)
3.コース・スケジュール
開講式2003年10月12日から学年暦に従い、後期試験週間まで上記時間割りに沿って、授業を
行い、その後、3月上旬まで補習を行った。修了式3月24日までは補習を実施した。
4.コース概要
4-1
時間割
月
火
水
木
金
8:40
日本語中級Ⅱ
日本語
日本語
日本語
〜10:10
門脇
道広
今井
道広
10:20
日本事情中級Ⅰ
日本語中級Ⅲ
日本語
日本語
日本語
〜11:50
赤木
道広
今井
渡辺
道広
12:50
日本語
日本語中級Ⅰ
化学
日本語中級Ⅳ 日本語中級・補講
〜14:20
今井
杉原
西口
赤木
市川
14:30
物理
CAI
華道
〜16:00
岩田
石川
16:10
CAI
数学
〜17:40
石川
近藤
(網掛けは共通教育科目および補講科目の聴講)
−107−
4-2 日本語
上記時間割のとおり週六コマの日本語指導を行った。期間前半で『新日本語の中級』(スリ
ーエーネットワーク)を使用し、聞き取り、会話能力の向上に重点を置き、期間後半で、『中
級日本語』(東京外国語大学留学生日本語教育センター)を使用し、読み書き能力の向上に重
点を置いて実施した。開講式2003年10月12日から学年暦に従い、後期試験週間まで上記時間割
りに沿って、授業を行い、その後、3月上旬まで補習を行った。
4-3 共通教育授業および補講授業の聴講
上記時間割り網掛け部分は、本学で開講している共通教育の授業である。本プログラム参加
者のレベル相当の中級の授業に週六コマ参加した。日本事情中級の授業にも参加した。
4-4 CAI
コンピューターを使ったComputer Assisted Instructionの自習時間は週二コマ設けた。この自
習時間には、ティーチング・アシスタントが常駐した。前半は、教材の使い方、日本語の表現
について助言を行った。後半には、教科書に準拠した語彙テストを中心に行った。また、イン
ターネットで素材を集めPower Pointを使って、日本語で韓国の紹介を行う練習をした。
4-5 英語
英語のレベルに合わせて、本学で開講している、TOEIC準備のコースを週一コマ聴講した。
4-6 専門科目基礎
専門科目基礎の指導については、本学を退官された教官を中心に、数学、物理、化学を週一
コマずつ開講した。日本の高校の教科書を用い、教官が説明し、学生が練習問題を解くことで
専門知識を身につけた。
5.まとめ
国際センターでの受け入れが三度目になった。毎回、日本語の授業を増やすことができ、今
回は、週六コマを提供できた。しかし、それでも不十分であるため、ほかは、共通教育科目お
よび補講を聴講させることで補った。二名しかいない学生のために日本語の授業を設けること
は、経営的費用対効率の視点からすれば、大きな問題であるが、教育の効果からすれば、必要
と思われ、ジレンマに陥っている。対象者の年齢が低いこともあり、学業のみならず、生活指
導や学習態度といった指導をこまめに行う必要があった。この点で、コーディネーターの負担
が大きかった。
本プログラムの成果として、以下の数値が参考になろう。本プログラム修了者は、本学学部
新入生となる。本学では、4月と10月に日本語能力を測るテストを実施している。本プログラ
ム終了直後の2005年4月に実施された試験の結果によると、本学理系学部新入生のレベル平均
は13.4であった。(このテストの最高値はレベル20である。)これに対して、本プログラム修了
者の平均は13.0であった。ちょうど平均的な日本語の学力に到達したといえよう。専門基礎科
目は、担当者の感想によると新入生の平均を上回る学力であろうとのことであった。
−108−
最後に、本プログラム参加者には、本学のクラブ活動に参加することを強く勧めた。クラブ
活動を通じて身につけた、生きた日本語の力は小さくなかったことを強調しておきたい。
−109−
新留学生研修会
(門脇
(前期)
薫・杉原
道子)
毎年4月と10月に新入留学生研修会を一泊二日の合宿形式で行なっている。センター教員が
毎回順番に企画・実施を担当している。以下に、筆者が担当した2004年度前期に行なった研修
会について報告する。
1
日
時
4月24日º〜25日∂
2
場
所
国立山口徳地自然の家
3
内
容
24日:国際センタースタッフ紹介、国際センターオリエンテーション、ごみの分
つどいの広間
別、カウンセラーによる友達の輪、ディスクゴルフ、インターナショナル
ナイト
25日:先輩学生によるパネルディスカッション、交通オリエンテーション
重源の郷見学
4
参加者
留学生
47名
一般(日本人)学生
7名
国際センター:宮崎センター長、石橋留学生課課長、宮崎係長、山本主事、
江主事、渡辺教授、今井助教授、杉原講師、赤木講師、門脇
非 常 勤 講 師:市川講師、河野講師、林カウンセラー
オブザーバー:アドミッションセンター
感
計
_6_7名
_
掘江教授(学内外広報)、陶山氏
5
所
(添付資料:P113〜P115「新留学生研修会アンケート結果」)
*
新留学生研修会はセンター設立年度より開始し、今回で4回目である。昨年の前期は5月
に実施されたが、時期が遅かったという反省から、今回はこの時期となった。毎回センタ
ーの担当者によって内容を変えることがあったが、今回は宇部警察による「交通オリエン
テーション」そして、重源の郷見学が初めての試みであった。研修全体に関しては、研修
に参加した留学生のアンケート結果より、研修会の内容について「とてもよかった」「よ
かった」という回答が86%であり、ほとんどが肯定的な回答が得られた。
*
今回は国際センターになって最初の行事であったが、毎回参加の教職員以外にも2名の主
事の先生にも参加していただいた。当センターでは、これだけのスタッフが留学生のサポ
ートをしているということが留学生に理解してもらえたのでよかった。また、大学教育機
構のアドミッションセンターの堀江先生も学内外広報のためにビデオ撮影に来られ、現在
も山口大学のホームページのトップページに当研修会の様子が紹介されている。
*
プログラムの内容もどれも好評であったが、特に好評だったのが、「交通ルールオリエン
テーション」であった。交通ルール、ごみの分別、大学生活についての留学生を対象とし
たガイダンスは、この研修会のような機会しか行えないので、やはり、新入留学生を集め
てこのように早い時期に研修会を行うことは重要なことである。
*
コメントの中で多かったのが、他の国の学生と交流できてよかったという意見である。林
カウンセラーの友達を作ろう!というアクティビティーや、インターナショナルナイト、
−110−
見学のような交流を行うセッションがあり、楽しんでもらえたようである。先輩留学生の
体験談では、日本の人とどのように交流するかについての具体的アドバイスが聞けたので、
今後は様々な機会を通じて日本人学生との積極的な交流を期待したい。
その他、「もっと自由に交流する時間がほしかった」という意見も見られた。プログラムの
内容と時間配分については、次回また見直しが必要であろう。
6
今後の課題
*
対象である新入留学生の出席の徹底
留学生の中には、前の週に学部で徳地の自然の家に行っているので行かなくてもいいと思
って申し込んでいない人がいた。
→今後は、欠席する場合理由書の提出を義務づけるべき。
*
当日キャンセルを防ぐための指導
今回4月12日のオリエンテーションでは、時間不足で研修会について詳しく説明したり、
注意を促したりすることができなかった。
*
話をする際のプレゼンテーションの仕方
コメントの中に「話が長すぎるものがあった」という意見が見られたが、留学生の日本語
のレベルが様々なので、できるだけ発表者は簡潔にまとめたり、視覚的な資料を準備したり
するなどの工夫が必要である。
*
プログラム内容
・前期と後期では、対象となる新入留学生が多少異なるので、対象者に合わせた内容を考慮
する必要がある。
例)前期は学部生が多い。後期は欧米系の特別聴講生(交換留学生)や研究生が多く、日
韓理工系の学生が含まれる等
・コメントの中に、今回聞いた話以外に、サークル活動、就職活動、中国人の留学生活、ア
ルバイトや住居探し等の話が聞きたいという意見が複数見られた。
→このような情報提供の場を検討する必要がある。
例)ホームページ、留学生の会の活動
別添資料
(資料1)スケジュール
P112
(資料2)アンケート集計結果
P113〜P115
−111−
(資料1)
スケジュール(前期)
日時:平成16年4月24日º〜25日∂
Date:April 24th(Sat)/25th(Sun), 2004
場所:国立徳地少年自然の家
Place:National Yamaguchi Tokuji Youth Center
日程
Schedule
4月24日º
April 24(Sat)
9:00
宇部出発 Departure from Ube
9:50
吉田出発 Departure from Yoshida
11:00
徳地到着 Arrival at Tokuji
11:10〜11:30
入所説明 Orientation about the hostel
11:30〜12:00
開講式
Opening speech
宮崎充保
国際センター長
山本国際センター主事
プログラム紹介・交流学生紹介
友だちの輪(自己紹介)
Schedule
Ice break activity
門脇
林カウンセラー
12:00〜13:00
昼食 Lunch
13:00〜14:00
山口大学オリエンテーション Orientation about the university
日本語・日本事情の授業について
apanese courses
入管手続き・資格外活動などについて
ホームページ・メーリングアドレス
国際センター行事
Immigration/others
Homepage
今井
Events 渡辺・門脇
カウンセリング
Counseling
学生指導相談
Advising
センター宇部分室
林カウンセラー
赤木
Ube Campus
工学部の授業・留学生活
杉原
江国際センター主事
経済学部・教育学部日本語授業
河野・市川
14:00〜14:40
ゴミ分別の仕方
14:50〜15:30
友だちの輪 How to relax yourself
林カウンセラー
15:30〜17:00
ディスクゴルフ
グループ
Garbage 山口市環境部保全課
Sports by groups
(雨天の場合:ジムでスポーツ)
17:40〜18:40
夕食 Dinner
19:00〜20:40
International Night
20:40〜21:30
入浴 Bath
22:00
就寝 Bed time
渡辺
赤木・支援学生
−112−
古谷室長
宮崎係長
4月25日∂
April.25(Sun)
7:00
起床 Wake up time
7:30
部屋の清掃 Cleaning the rooms
8:00〜9:00
朝食 Breakfast
宿舎点検・荷物の移動
9:00
(つどいの広間)
先輩学生によるパネルディスカッション
Panel Discussion
〜よりよい留学生生活のために〜
Senior students advice for the better campus life
10:00〜10:50
交通オリエンテーション Orientation about traffic rule
宇部警察署
交通課
刑事課
弘中氏
木原氏
11:00〜11:30
グループ・ディスカッション
11:30〜12:00
終了式 Closing Speech
12:00
昼食
13:00
出発 Departure
Group Discussion
Lunch
重源の郷
見学
Visiting
Chogen no sato
16:00
吉田キャンパス到着 Arrival at Yoshida
17:00
宇部キャンパス到着 Arrival at Ube
(資料2)
前期アンケート
●2004年4月25日実施
回答者合計
集計結果
43名
●自由記述の英語・中国語・韓国語の翻訳は門脇による。
1
研修会について
5
とても
よかった
16名
(37.2%)
4
よかった
3
21名
(48.8%)
どちらとも
いえない
2
あまり
1
よくなかった
5名
(11.6%)
0名
よくなかった
0名
無回答
2
研修会で役に立ったプログラム
*24日
*25日
(複数回答)
大学オリエンテーション
21(人)
友達の輪
22
先輩留学生のアドバイス
19
(コメントまとめ)
*
友達の作り方がわかったのでよかった。
−113−
ごみ分別
24
交通オリエンテーション
31
1名
*
大学について、ごみの話は大切だと思う。
*
一つの場所にこのように国際色のある友達と一緒に過ごすのは初めて。この人たちと挨
拶ができるように親しくなれたことが一番有益だった。
*
様々な情報を知ることができた。このようなプログラムがあってとても楽しい。
*
日本の生活をどのように楽しむかを知ることが一番大切だ。
*
ごみと交通の話は初めて聞いたが、とても役に立った。
*
(先輩学生より)今回、発言するチャンスをいただいていい経験になった。
*
多くの友達ができ、国際感覚も深まった。
*
日本について多くのことを学んだ。
*
心配事があるとき、どのようにリラックスするか学んだ。これから数年間日本の生活に
どのように適応するか学んだ。
*
野外活動が楽しかった。
*
インターナショナルナイトで、他の国の文化を学んだ。
*
本当にためになった話もあったが、長くて意味のない話もあった。
*
学校が始まる前にこのようなオリエンテーションがあったらよい。
3
もっと聞きたかった情報
*
卒業後の進路、日本での就職について
*
日本の文化、習慣(挨拶の仕方等)、日本の歴史
*
国際センターの様々なプログラムや行事日程についての詳しい説明
*
日本語に不慣れな留学生に対しての詳細な勉強方法。(でも、今回の研修で色々な情報
が聞けた)
*
サークルやクラブ活動、大学生活、留学生活
*
自由に友達を作ったり、話したりする時間がもっと長かったらよい。
*
私たちがしてはいけないことについて
*
日本での外国人の生活について
*
ゲームや体を動かす活動がもっとあれなよい。
*
図書館にある中国語の本と雑誌
*
アルバイトや住居探しについて
4
全体的な感想
*
当大学は留学生のサポートがとてもよくなされていて、安心して留学生生活が送れそう。
*
勉強と日本の生活の両方学ぶことが大切です。
*
このプログラムはすばらしかった。他の国の友達もできて日本の文化も学べた。
*
プログラムの準備がよくされていて、おもしろかったです。
*
カウンセラーの友達の作り方、ディスクゴルフがおもしろかった。
*
新入留学生にとってオリエンテーションはとても大切だ。日本についての色々な情報が
得られるので。
*
もっと研修会の時間を長くして、留学生との交流を深めてほしいです。
−114−
*
自分の国でこのような会に参加したことがなかったので、とても新鮮です。
*
日本に留学するならば、日本の生活になれ、日本人の習慣について理解する必要がある。
*
リラックスした雰囲気の中で、各種の交流ができ、日本に来てからの孤独感が消えた。
自信と力がわいてきた。自然があって、とてもきれいなところだった。
*
日本の生活だけでなく、インターナショナルナイトのパフォーマンスを通じて、韓国や
中国の文化や習慣も知った。
*
先輩たちが日本語が上手に話せることを知って驚いた。彼らは、日本語学習が困難では
ないことの証明になる。
*
みんな親切でご飯もおいしかった。が、個人的な時間が少なかったのが残念です。
*
研修会をする前に詳しく説明してください。
*
色々な留学生に会って、ゲームをしたり、説明を聞いたりして楽しかった。が、時々ち
ょっと長かった。
−115−
(後期)
2006年10月16日ºから17日∂まで恒例の新留学生研修会が国立法人山口徳地少年自然の家で
開催された。快晴に恵まれ、山の新鮮な空気をいっぱい吸いながら、参加者は旅の疲れを忘れ、
美しい山口の秋の一日を、共に語り合いながら楽しく過ごしたようである。
参加者は新留学生35名、先輩留学生4名、教職員11名、留学生交流ボランティアの一般学生
13名であった。
オリエンテーションでは学生生活に必要な履修のし方や各種の手続き(外国人登録、在留手
続き等)について説明された。日常生活ではゴミの捨て方やアルバイト等の注意事項が説明さ
れた。
その他、先輩学生の話、グループ・ディスカッション、スポーツ大会、星座観察、インター
ナショナルナイトを楽しんだ。今年はインターナショナルナイトの司会を二ヶ国語(日本語と
英語)で行ったので、来日したばかりの日本語が分らない留学生も大いに楽しんだようである。
また、初めての試みとして星座観察を取り入れた。それぞれ母国語で説明し合いながら、美し
い夜空に新たな夢をふくらませていた。
アンケート結果によると「大変良かった」と「良かった」を合わせると100%の満足度であった。
新たな友との出会いを大切に今後の留学生生活を有意義なものにして欲しい。
プログラムの内容とアンケートの分析結果・感想を下記に紹介する。
1.スケジュール(後期)
目的(Aims)
①国際センターの授業や行事を理解する。
(To understand the Japanese language courses and events which are offered by the international
center.)
②留学生活上必要な手続きについて理解する。
(To understand how to fill in the necessary forms for international student life.)
③社会生活のルールを知る。
(To understand the rules of society in your daily life .)
④大学生活における勉学・研究について先輩の話を聞き、意見交換を行う。
(To exchange opinions about your study or research with more experienced overseas students.)
⑤親睦を深め、友情を育む。
(To foster friendship between the foreign students and Japanese students.)
日程:2004年10月16日º・17日∂
Date:Oct.16th(Sat)/17th(Sun),2004
場所:国立山口徳地少年自然の家
Place:National Yamaguchi Tokuji Youth Center
−116−
日程表(Schedule)
10月16日º
Oct.16(Sat)
9:00
宇部キャンパス出発(Departure from Ube Campus)
10:00
山口キャンパス出発(Departure from Yamaguchi Campus)
11:00
徳地到着(Arrival at Tokuji )
11:10〜11:30
入所説明会(Information about accommodation)
11:30〜12;00
開校式(Opening)宮崎充保
国際センター長
プログラム紹介・交流ボランティア紹介
12:00〜13:00
昼食(Lunch)
13:00〜14:00
山口大学オリエンテーション
杉原
(Learning about YU and finding your way around)
日本語・日本事情の授業について
Japanese courses
ホームページ・メイリングアドレス
入管手続き・資格外活動など
国際センター行事
Events
門脇
Help and advice
センター宇部室
Ube Campus
赤木
杉原
経済学部・教育学部の日本語の授業
河野・市川
林
14:00〜14:30
ゴミ分別のしかた(How to dispose of garbage)
14:30〜15:00
友達の輪(Breaking the ice)
15:00〜17:00
ディスク
山口市
古谷室長
林カウンセラー
ゴルフ(Sport activities)
(雨天の場合
今井
片山
学生指導・相談
カウンセリング Counseling
Homepage
今井
河野
グループ
室内でスポーツ)
17:00〜17:40
International Nightの準備 グループ
17:40〜18:40
夕食(Dinner)
19:00〜21:00
International Night
歌・ゲーム(Singing and games)
今井・市川
星座観察(Observing the stars.)
21:00〜22:00
入浴(Bath)
22:00
就寝(Bedtime)
10月17日∂
7:00
起床(Wake up time )
7:00〜7:45
部屋の掃除・荷造り(Clean your room and pack your belongings)
7:45〜8:45
朝食(Breakfast)
8:45〜9:00
宿舎点検・荷物の移動(Checking your room and your belongings)
8:45〜9:50
先輩学生によるパネルディスカッション
(Panel Discussion by those who have stayed longer in Yamaguchi)
9:50〜10:50
グループディスカッション(Group Discussion)
−117−
杉原
10:50〜11:20
交通安全について(Road safety)
11:20〜11:40
見学地 事前研修 KDDI
11:40〜12:00
終了式(Final session)
12:00〜12:50
昼食(Lunch)
13:00
徳地出発(Let set out on a tour)
13:50〜14:40
仁保KDDI見学(KDDI Satellite Dishes in Niho)
15:10
山口市内観光
16:00
吉田キャンパス着(Arrival at Yoshida Campus)
17:00
宇部キャンパス着(Arrival at Ube Campus)
今井
瑠璃光寺 市川
瑠璃光寺(Five storey pagoda in the ancient part of Yamaguchi)
注意事項(Notice)
①徳地は朝夕寒くなりますから、あたたかいコートなどを持って来てください。
(Please bring a warm coat or sweater because Tokuji is very cold in the early morning and evening)
②運動しやすい服装とシューズで来てください。
(Please wear sports clothes and sports shoes.)
2.アンケート結果
アンケート結果を見る限りにおいて、非常に高い満足度であった。その理由として考えられ
ることは①活動と活動の間に休み時間を出来る限り多く入れたことにより、友情を深めること
が出来た。②スポーツのみでなく、星座観察で自然に触れる機会が多かったこと。③インター
ナショナルナイトの司会を日本語と英語で行ったことにより、誰でも楽しむことができた。④
天候に恵まれたことなどが考えられる。いくつかの留学生の感想を紹介したい。「留学生間で
交流ができた」「新しい友達ができました。質問や相談があるとき、どこで誰に訪ねれば良いか
わかりました」「良い週末を送ることができました。ゴミの分別など、日常生活についての知識
を得ることができました」「いろいろ学びました。先輩のアドバイスは特に良かったです。友達
もできました。」
アンケート結果の詳細は次の通りである。
−118−
後期アンケート
集計結果
1.研修会について
26
9
0
0
0
とてもよかった
よかった
どちらとも言えない
あまりよくなかった
よくなかった
2.研修会で役立ったプログラム(数字での回答は4と5のみカウント)
項
目
友達の輪
大学オリエンテーション
先輩留学生のアドバイス
ゴミ分別
交通安全について
計
30
29
28
24
24
研修会についてのコメント
よかった点
留学生間で交流ができた
日本の生活に関することがわかった
グループ活動がよかった
手品ショーが最高だった
ゴミの分別の仕方がわかった
交通安全について勉強になった
日本語を勉強する必要性を感じた
全ての活動がおもしろかった
留学生向けのガイドブックが大変よかった
先輩留学生の話がよかった
あつい風呂
改
善
点
いくつかの情報は英語でなかったのでわからなかった
(特にゴミ分別、交通安全)
交通安全で自転車についての説明が欲しかった
計
0
7
2
2
1
1
1
1
1
1
計
1
1
3.もっと聞きたかった情報
項
目
大学生活のこと
ほとんど全てのことをもっと聞きたかった
留学生センターでのイベント
日本社会のこと
日本語の効果的な勉強法
日本文化について
先輩留学生との個人的な交流
先輩留学生のアドバイス
外国人登録に関して
−119−
計
6
2
2
2
2
2
1
1
1
ゴミの分別
日本人について。例えば性格とか好き嫌いとか
日本人ともっと話したいが、どうすれば良いか
アルバイトのこと
山口に来る前にも日本での生活についての情報が欲しかった
サークルについて
International nightについて(おもしろいと聞いた)
交通安全について
1
1
1
1
1
1
1
1
4.感想
努力、奮闘、汗。1分の努力、1分の収穫。成功=自身の努力+チャンス。
今回の活動に参加できてとてもうれしかった。たくさん知識を得ることができ、また
たくさんの友達もできました。
今度の活動は留学生の間で相互の理解、及び山口市の歴史や文化などの理解に関して
のとてもいい機会でした。
とても良い経験でした。また、たくさんの友達もできました。
この研修でゴミの分別や交通安全などの日常生活について、そして大学生活について
学ぶことができました。英語や他の言語でもレクチャーしていただければもっと良か
ったと思います。
日本の文化や他の国の文化、ディスクゴルフなどを学びました。最高でした。
たくさん経験できました。オーバーステイに関する相談サービス、旅行プログラム、
問題が起きたときにどうすれば良いかなどなど。
私はこの研修会に参加させていただき、いろいろな内容を伺うことができました。大
変感動しました。
日本文化のことや生活への適応について、特に日本語についても学びました。
日本の文化や生活について学びました。友達もたくさんできました。
いい思い出になると思います。今後もよろしくお願いします。(^^)
みんなで一緒に遊び、とてもおもしろかったです。たくさんの友達を作っています。
日本語の勉強の方法も教えていただきます。よろしくお願いします。
Good
新しい友達ができました。質問や相談があるとき、どこで誰に訪ねれば良いかわかり
ました。
とてもおもしろかったです。他国の文化を知るいい機会になりました。このような集
まりは好きです。
良い週末を送ることができました。ゴミの分別など、日常生活についての知識を得る
ことができました。
楽しかった!
International nightが特におもしろかったです。
大変有意義な時間を過ごすことができました。
いろいろ学びました。先輩のアドバイスは特に良かったです。友達もできました。
1つの部屋に25人分の寝床をどう作るかを学びました。プログラムはたいへんすばら
しく、来年以降の留学生のために続けたらいいと思いました。
友達ができました。
いろいろな国の人と出会えてうれしかったです。
日本語を学びました。友達ができました。このオリエンテーションはとても心に残る
ものでした。
交通安全などの役に立つプログラムで勉強になりました。
いろいろな国の学生と一緒に生活して、各国の生活習慣や言葉も少しですが理解でき
るようになりました。
−120−
礼
とても有意義で楽しかったです。
本当にありがとうございました。
先生方のおかげで、貴重な機会を得ることができ、たいへん勉強になりました。どう
もありがとうございました。
大学の教育や生活スタイル、そして山口についてを知ることができました。英語で説
明されていたらもっと理解できたと思います。
非常に良かった。このような活動をもっとして欲しいと思います。
−121−
留学生指導・相談報告
(赤木
弥生・杉原
道子)
はじめに
国際センター指導・担当教員は、吉田キャンパス、宇部キャンパスの各キャンパスで担当教
員が指導・相談を行った。また、国際センター吉田キャンパスには留学生カウンセラー1名
(非常勤)が毎週金曜日カウンセリングを行った。各キャンパスの担当教員は、留学生カウン
セラー、保健センター、学部留学生専門担当教員、学部留学生係、国際交流会館と連携を図り、
留学生の諸問題に対処した。
吉田地キャンパス
1
学部留学生の抱える諸問題
1.1 住宅問題
2004年度入学学部留学生は14名であったが、このうちマレーシア人留学生(3名)以外の私
費留学生は、国際交流会館に入居することができなかった。従来は、6ヶ月間の入居が可能で
あったが、2004年度協定校からの交換学生が28名と大幅に増えたため、入居できなかった。交
換学生は国際交流会館への入居が条件となっているため、交換学生受入れ増加は、私費留学生
の住宅問題に影響を及ぼしている。
したがって、私費留学生からの住宅相談が多く、私費留学生のほとんどから国際交流会館の
入居条件、民間アパート、生活用品、生活の諸問題などについての相談が相次いだ。
2004年度入学学部留学生14名(うち私費留学生
8名)
*人文学部3名(韓国1名・中国2名)・理学部3名(中国)
*工学部1年生8名
(マレーシア政府派遣プログラム3名・日韓理工系プログラム3名・中国2名)
1.2 日本語学習相談
学部留学生は、日本語能力検定試験1級(人文学部)または2級(理工系)が入学条件であ
る。ただ、マレーシア政府派遣留学生は合格はしていないものの、2級程度とみなされている。
したがって、学部留学生の日本語のレベル差はかなり大きい。特に、2004年度は人文学部に3
名入学していたため、共通教育日本語上級クラスでのレベル差が大きく、留学生自身も日本語
能力を伸ばしたいと日本語学習に関する相談が多かった。近年、山口大学に入学する中国人私
費留学生の多くが、中国国内の高校で日本語を学び、卒業後来日し、大学受験を目指し、入学
しているケースがほとんどである。このため、日本国内の日本語学校で約2年間日本語を学び、
大学受験をしてきた留学生と比べると、在日期間が短いため、入学時点で運用能力の低い学生
が多い。したがって、講義、レポート、アルバイトなどで困ることが多く、なんとか日本語能
力を高めたいと考えている。特に、スピーキング、リスニングなどの会話能力を伸ばしたいと
いう学生が多かったので、授業外で一般学生と日本語で話す日本語会話サロンを毎週実施し参
−122−
加させるなどの工夫を試みた。
1.3
学部留学生の学業・チューターに関する相談
工学部キャンパスは宇部地区にあるが、工学部留学生1年生は吉田キャンパスで、1年間学
ぶ。このため学業面、チューターなどの問題がある場合は国際センター指導・相談担当教員が
対応することとなっている。マレーシア人留学生からは、数学などの学業に関するサポートの
相談があり、工学部留学生担当係に報告し、理学部数学サロンを利用させてもらった。ただ、
予算措置が必要との報告があり、2005年度は工学部学生委員会で利用できるように検討する必
要が出た。
2
学部留学生の指導・サポート
2004年度入学の学部留学生に対し、新留学生研修会等への参加確認や日本語・日本事情履修
のアドバイスなどを行った。資格外活動許可・帰国報告等留学生課手続きなどについても自覚
を促すように配慮した。
3
各担当者、部局間の連携の強化
2004年度協定校からの交換学生が増大し、学内の留学生が多様化している。学部留学生、研
究生以外の留学生は55名に達した。内訳は交換学生27名(韓国16名、中国5名、アメリカ1名、
オーストラリア3名、ドイツ2名)、日本語研修生4名(イギリス、デンマーク、オーストラ
リア、ウクライナ)、県費留学生2名(ブラジル)、JAICAプログラム大学院生11名(バングラ
デッシュ、インドネシア、フィリピン)、特別研究生1名(タイ)、国際センター所属予備教育
履修生7名(インドネシア、ミャンマー、ベトナム、トルコ、ガボン、韓国)である。
したがって、日本語、英語での相談、生活に関する問い合わせ、事故などの相談も多様にな
りつつあるため、留学生担当カウンセラー、経済学部留学生専門担当教員、国際交流会館担当
者、留学生課との連携を強化し、相談、問題を対応していく必要がある。
4
相談内容
主な相談内容は以下の通りである。
1
日本語学習相談
2
国際交流会館入居
3
奨学金
4
学業
5
単位履修問題
6
金銭問題
7
健康
8
転校・転学
9
授業料未納に伴う除籍問題
10
人間関係
11 就職・進路
12
自転車事故
−123−
宇部キャンパス
前期・後期とも月曜日・水曜日・金曜日の11:50から12:50までのお昼休みを指導・相談の
時間として、授業で来られないということがないように配慮した。国際センターのみでは解決
できないものに関しては、保健管理センター、学生支援センターの協力を得て対処した。
相談内容
1.「友達ができない。3ヶ月誰とも話していない。友達を作ることは勉学の邪魔になる。無
性に全てを投げ出して帰国したくなることがある」
何度が話しあった後、保健センターの専門の先生の指導を受けた。また、国際センターの留学
生交流ボランティア活動を勧めた結果「日本語で話そう」の活動に参加して、少しずつ良くなっ
たと思われる。
2.帰国していたため、授業料が滞納して退学になってしまった。
学科の先生方のご配慮で復学できた。
3.単位が足りなくて留年になる可能性がある。
学科に報告し、学習支援をお願いしたが、最終的には留年となった。
4.教官との論文のテーマに関する不一致による不眠障害
5.夫(留学生)のアルバイト先での怪我について相談
6.クラブ活動
クラブ活動における人間関係があまりよくない。
件数として多かったのは人間関係(チューター、指導教官、友人など)、成績不振、経済問
題(アルバイト、授業料滞納など)であった。
おわりに
山口大学も多様な留学生の受け入れが始まっているが、平成16年度はそれに伴って留学生の
生活環境にも影響があった。特に住宅問題は留学生の経済面や生活環境に大きな問題を残し、
それに関する悩みや相談も多くなる。近年、学部留学生の年齢も日本人同様、高校卒業後すぐ
に留学してくる学生が多く、社会経験のない学生がほとんどである。また、日本語も中国国内
で学習してくるケースが増えてきているが、この場合、オーラル・スキルの運用能力が低く、
到着後間もない留学生自身がさまざまな窓口で情報を得ることは難しい。受け入れ条件などが
変更される場合は、留学生が対応しやすいように事前に情報を伝えておく必要がある。それと
同時に、受入れ学部、国際センターも情報を共有し対応できるように学内の情報交換を図り、
留学生が山口の環境に適応でき、安心して学習に取り組めるように受入れ体制を強化する必要
があると考える。
−124−
『留学生指導教育職員の手引き』
『チューターマニュアルQ&A(1
2の質問)』
(杉原
道子)
山口大学では、初めて留学生を受け入れる教員のために、留学生指導上の留意点について
『留学生指導教育職員の手引き』を作成し、指導教官全員に配布している。また、チューター
の仕事内容やチューターが直面する諸問題について分りやすくまとめ、『チューターマニュア
ルQ&A(12の質問)』を作成し、全チューターに「チューター指導計画書」とともに配布して
いる。
留学生指導教育職員の手引き
1.「日本語・日本事情」への受講をご奨励ください。
①留学生の日本語能力を高めるために、日本語クラスの受講を奨励してください。日本語能
力に合わせてクラスは初級から上級まであります。山口大学に籍のある留学生は学生の身
分を問わず全員受講できます。研究者の参加も認められています。
②日本での生活に必要な日常会話ができるように、英語で研究を進めている院生や研究者に
も日本語クラスの受講をお勧めください。
2.学内の指導・相談体制の各種窓口をご活用ください。
・国際センターの指導・相談
(吉田キャンパス)
TEL:083-933-5986(赤木)
Eメール:yayoia@yamaguchi-u.ac.jp
(宇部キャンパス)
TEL:0836-85-9037(杉原)
Eメール:michikos@yamaguchi-u.ac.jp
・留学生課
TEL:083-933-5982・5983
Eメール:GA142@yamaguchi-u.ac.jp
・留学生カウンセリング
TEL:(内線6048)
・学生相談所
TEL:083-933-5042
・学生なんでも相談窓口(学生生活課)
TEL:083-933-5043
・保健管理センター
TEL:083-933-5160
・各学部・研究科の留学生担当係
・イコールパートナーシップ委員会
3.アパートを借りる際の各種制度をご指導ください。
「留学生住宅総合保証制度」(年7,500円、財団法人日本国際教育支援協会)または「火災共
済、学生賠償責任保険」(年3,360円、山大生協)への加入をお勧めください。
−125−
4.各種保険への加入をご指導ください。
①国民健康保険への加入をご指導ください。これにより医療費の7割を国保が負担し、自己
負額額は3割になります。また、国保に加入していれば、「独立行政法人日本学生支援機
構」の外国人留学生医療補助制度が利用でき、さらに負担が軽くなります。(但し、保険
適用外の診療については費用の全額が自己負担となりますのでご注意ください。)
②自動二輪・自家用車を使用している場合、自賠責保険はもちろん任意保険への加入もご指
導ください。自動二輪・自家用車の所有者は指導教育職員と学部長への届け出が義務づけ
られています。
5.運転免許の切り替えをご指導ください。
①日本の運転免許への切り替えを行っているか、ご確認ください。インターネットで取得し
た国際免許は日本では無効となっていますので、ご注意ください。
②運転技能検査なしで、切り替えができる国は限られています。たいていの留学生には、学
科試験、実技試験、適性試験が課せられていますので、ご注意ください。
6.各種奨学金等をご活用ください。
①山口大学では、様々な奨学金の募集がありますので、ご活用ください。
②日本政府奨学金制度(国費外国人留学生)および私費外国人留学生への民間団体等の奨学
金制度があります。但し、多くの民間団体等の奨学金は山口大学に在籍している留学生を
対象にしています。
③奨学金の申し込み窓口は、各学部・研究科の留学生担当係となっています。
(昨今、奨学金の受給、また、入学金・授業料の免除の許可は非常に厳しい状況となってい
ますので、留学生への周知を徹底していただくようお願いいたします。)
7.アルバイトと資格外活動に関してご指導ください。
①留学生は、学習と研究を目的に留学してきています。アルバイトが勉学に支障がないかご
確認ください。
②留学生がアルバイトをする際には、「資格外活動許可」を得ているかどうかをご確認くだ
さい。許可の申請書は各学部・研究科の留学生担当係へ提出してください。
③留学生のアルバイト時間は正規生及び研究生は週28時間、特別聴講学生は週14時間(長期
休暇中は一日8時間)を超えないようにご指導ください。
④留学生が法的に禁止されているアルバイトを行わないように監視・指導をお願いします。
(風俗営業及び風俗関連企業:バー、パチンコ、マージャン屋、ゲーム機設置業など)
8.留学生が一時帰国・国外旅行をする際は届け出るようご指導ください。
①一時帰国あるいは国外旅行は、指導教育職員の許可を得た上で、各学部・研究科の留学生
担当係に届け出るようご指導ください。また、届け出後に内容の変更があるときも同担当
係へ連絡させてください。
②休暇などで、一時的に日本を離れる場合は、出発前に必ず広島入国管理局下関出張所もし
−126−
くは下関出張所宇部港分室で再入国許可を受けなければなりません。また、再入国許可期
限が切れると、新たに入国手続きをしなければならないので、必ず期限内に日本に戻って
こなければなりません。
③特に奨学金をもらっている留学生は、日本を離れた日数によっては、奨学金が支給されな
い場合がありますので、ご注意ください。
9.チューター制度をご利用ください。
①ボランティア精神が豊かで、留学生との相互学習意欲の高い学生をチューターとして選ん
でください。
研究室に適任者が見つからない場合は、広く学部ごとに公募していただくのも良いと思い
ます。
②国際センターまたは学部内で行われるチューターオリエンテーションに参加させ、チュー
ターの役割について認識させてください。
③チューター報告書を毎月チェックしていただき、チューターの役割を遂行しているかを確
かめ、留学生とチューター双方の教育・指導を行ってください。継続が難しい場合は適宜
チューターを交替させてください。
10.留学生の宗教・思想・信条を尊重してください。
①留学生の宗教・思想・信条の自由を尊重し、それらを侵害する発言や行動はとらないよう
にお願いします。例えば、イスラム教徒の学生の食事の制限やお祈りの時間等についてご
理解ください。
②留学生は、日本と異なるさまざまな社会的、政治的、文化的背景をもっていますので、政
治的な発言にもご留意ください。
チューターマニュアル
Q&A(1
2の質問)
Q1.「チューター制度」とはどのような制度ですか。
山口大学に在学する外国人留学生に対し、指導教員の指導のもとに大学が選んだ「チュー
ター」が、個別の課外指導を行い留学生の学習・研究成果の向上を図る制度です。
留学生は、言葉・大学制度・生活習慣の相違から、勉学・研究上多くの困難を抱えていま
す。チューターは、留学生と日常的に接触し、留学生の抱える問題点を出来るだけ早く知り、
留学生の指導教員や国際センターの教員等と相談しながら留学生を援助してください。大き
な問題が起きないよう日常的に援助する点で、チューター制度は大きな意義があります。
Q2.チューターになりたいのですが、何か資格が要りますか。
特別な資格は必要ではありません。留学生の教育指導については、それぞれの指導教員が
責任を持っています。原則として、①留学生の専攻する分野であること②熱意や適性がある
ことが重要です。
−127−
Q3.対象になる留学生はどんな学生ですか。
山口大学に在籍する学部及び大学院留学生が対象です。学部の留学生は最初の2年間、大
学院の留学生は渡日後最初の1年間です。つまり、日本に慣れていない留学生です。日本
語・日本文化研修留学生(日研生)はチューターの対象になりません。
Q4.期間と時間数はどのくらいですか。
チューターとして従事する期間は、基本的には半年か1年です。ただし、学部留学生につ
いては、2年目もそのまま続けられる場合がありますので、指導教員に相談してください。
実施時間は、1回2時間程度とし、年間80時間、半年40時間が標準です。
Q5.チューターオリエンテーションはいつありますか。
4月と10月に開催します。各学部の留学生係から連絡がありますから、必ず参加してくだ
さい。チューターの心得や提出書類などについて説明します。わからないことは何でも遠慮
なく質問してください。
Q6.「実施計画書」と「実施報告書」はどのように書くのですか。
チューターは、担当する留学生が決まったら、出来るだけ早く留学生と連絡を取り、スケ
ジュール等についてきちんと話しあって、「実施計画書」を作成してください。留学生が求め
ていることや援助して欲しいことを具体的に聞いてください。「実施計画書」は各学部の留学
生担当係に提出してください。
「実施報告書」には実施時間数(開始時間と終了時間)を正確に記録し、実施内容も簡潔に
記入してください。チューターと留学生の印またはサインが必要です。1ヶ月分をまとめ、
指導教員の確認印をもらい、翌月初めには前月分の「実施報告書」を各学部の留学生担当係に
提出してください。提出された報告書に基づき、謝金が支払われます。開始時間と終了時間
の記録を忘れないでください。チューター謝金は1時間1,000円程度です。
Q7.チューターの仕事内容はどのようなものですか。
大きく分けて4つの仕事があります。
①日本語支援
留学生が最も期待している支援です。日本語学習の進度にはかなり大きな個人差があり
ます。学習者のレベルに合わせて支援してください。日本語による専門の講義やゼミでの
発表・討論、レポートの作成等に悩んでいる留学生が少なくありません。
②専門分野についての援助
担当留学生の専門の学習・研究がスムーズに進むように援助してください。留学生が大
学院受験を希望している場合は、過去の問題や、どのような学習方法が効果的かなどの助
言をしてください。ただし、入試条件(日本留学試験の受験を課しているかどうか等)は
変更されることがありますから、必ず指導教員から説明してもらうようにしてください。
③事務的な事柄についての援助
大学で勉学を続けるためには、種々の事務的な手続きが必要です。(奨学金の申請、授
−128−
業料減免の申請、宿舎の申込、医療費補助申請など)
日本の大学のシステムがわからずに、掲示を見落したり、手続きに不備があると大変な
不利益を被ります。留学生がこのような手続きを一つ一つきちんとこなしていけるように
援助してください。学内の掲示板の「お知らせ」についても留学生に伝えてください。
④生活上の援助
山口に来たばかりの留学生には、次のような援助が必要です。
*
外国人登録と国民健康保険への加入手続き(市役所)
*
銀行・郵便局・入国管理事務所での必要な手続き
*
アパートを探す場合の援助・・・山口大学生協がアパートの斡旋窓口になっていま
す。留学生が希望する物件を探し、一緒に見に行くなどして、よりよい条件の部屋
が借りられるよう、また契約書の記入方法についても援助してください。
*
国際交流会館・寮・アパートでの生活方法の説明
・電気、ガス、水道、電話等の契約、支払い方法など
・台所や風呂の使い方、ゴミの出し方
・電話(市内、市外、国際)のかけ方
・日常的な買い物をする店や近くの飲食店など
・バス、JRの乗り方、乗り換え方など
Q8.留学生に携帯電話の保証人やアパートの保証人を頼まれた時、断ってもいいで
しょうか。
チューターは学生ですから保証人は引き受けられないので、引き受けないでください。ま
た、お金の貸し借りもしないでください。私費留学生の多くは、常に経済的な問題をかかえ
ています。担当の留学生が、経済的に困っている場合、指導教員や留学生担当係等に連絡し
て、解決の方法を相談してください。
Q9.留学生にアルバイトを紹介して欲しいと頼まれたとき、紹介してもいいでしょ
うか。
留学生は、「資格外活動許可」がないとアルバイトできません。担当の留学生が許可を得
ていない場合は早めに各学部留学生担当係に申し出させてください。
アルバイトの時間数にも制限があります。
①正規生(学部生・大学院生)と研究生は、週28時間以内
②特別聴講学生(日研生等)、日本語研修生、日韓予備教育生は、週14時間以内
ただし、春季・夏季・冬季休暇期間中は①②ともに、1日8時間以内です。
また、風俗営業及び風俗関連事業所(バー、スナック、パチンコ店など)でのアルバイトは
禁止されています。問題を感じたら、指導教員や留学生担当係に相談してください。
Q10.チューターが続けられないとき、どうしたらいいでしょうか。
個人的な理由もしくは留学生との人間関係がうまくいかないなど、チューターを続けるこ
とが困難な場合は辞退することが可能です。その場合は、指導教員または各学部留学生担当
−129−
係や国際センター教員に相談してください。
Q11.留学生から個人的な相談があったときは、どう解決したらよいでしょうか。
留学生が抱える問題は多種多様であり、簡単には解決できないことが往々にしてあります。
留学生の様子がおかしい時、体調が悪そうな時、事故に遭遇した時、アルバイト先でのトラ
ブルなどに関して相談された場合は、速やかに指導教員、各学部留学生担当係、国際センタ
ー教員、保健管理センター、学生相談所、学生何でも相談窓口などに一緒に行き、相談して
ください。
上記以外の所では、留学生の個人情報の秘密保持に充分配慮してください。
Q12.宗教や文化の違いをどう捉えたらいいでしょうか。
「留学生が時間を守ってくれない」「食事に誘っても行かない」など、留学生との人間関係を
うまく築けない場合もあるでしょう。そのような場合は遠慮せずに、お互い話し合うことが
大切です。また、留学生が異性の場合は誤解を避けるため、留学生の居室で会うことは控え
るようにしましょう。
留学生の思想や宗教を尊重する気持ちが大切です。例えば、イスラム教徒の場合は「肉類
を食べてはいけない」「お酒を飲んではいけない」等の制限があります。また、お祈りの時間
も決まっていますので、時間を設定する場合は充分配慮してください。
日本人特有な表現形式(曖昧な言葉や表現)では真意が伝わりませんので、はっきり約束
事を決め、わかりやすい言葉で説明してください。
対応方法がわからない場合は、一人で悩まないで適切な相談窓口を利用してください。
*****チューターの皆さんへ***********************************************************
留学生から相談された内容を一人で解決しようとすると大変ですから、常に指導教員、各
学部の留学生担当係、国際センターの教員に遠慮なく相談してください。留学生の友達の輪
が広がるように留学生の良き友達になってください。何でも遠慮せずに話し合うことが大切
です。
担当留学生の国の文化・生活習慣などを理解し、豊かな国際感覚を身に付け、チューター
活動を通じて有意義な大学生活を送ってください。
問い合わせ先
問い合わせ先
山口大学学務部留学生課
TEL
E-mail
山口大学国際センター
083-933-5982・5983
TEL
ga142@office.cc.yamaguchi-u.ac.jp
−130−
E-mail
杉原道子
083-933-5985
michikos@yamaguchi-u.ac.jp
山口地域留学生交流推進会議・留学生懇談会報告
(赤木弥生・留学生課)
1.山口地域留学生交流推進会議
1−1
全体的な活動
各種団体等の各種事業の促進を図るとともに、留学生が勉学に励むことができ、少なくとも
住居についての不安を持たないように、住宅問題検討の実質的なグループを推進会議の中に設
置し、留学生支援の一層の協力体制をとり活動していくこととなった。
1−2
事務局活動
地方入国管理局等との情報交換会の開催
…
平成16年9月8日
山口地域留学生交流推進会議運営委員会の開催
…
平成16年10月14日
山口地域留学生交流推進会議総会の開催
…
平成16年11月25日
山口地域留学生交流推進会議会報の発行
…
平成17年3月「やまぐち留学生交流№16」
2.山口大学留学生懇談会
2−1
第1部懇談会:午後4時〜5時30分
大学会館
第1部懇談会は山口大学留学生とその家族、教職員、12大学の留学生代表、推進会議出席者
が参加して行われた。プログラムは留学生によるパネルディスカッション、留学生学友会(ユ
ーサー)紹介、留学生の文化紹介を行った。パネルディスカッションのテーマは「留学から学
ぶ国際性、国際人とは」で留学生5名がパネリストとして日本での失敗談、体験談を通して国
際人としての心構えなどについてスピーチを行った。
文化紹介では留学生全員の文化を紹介しようというテーマで、事前に留学生メーリングリス
トや掲示で留学生の文化紹介を呼びかけたところ、13カ国(中国・韓国・フィリピン、タイ、
ベトナム、ミャンマー、インドネシア、バングラデッシュ、タンザニア、ガボン、ドイツ、ウ
クライナ、日本)、40名の留学生がそれぞれの文化の歌や太鼓、アコーディオン、ギター演奏
による音楽を披露した。日本紹介では丸本副学長が空手の演舞を行った。フィナーレでは全員
が舞台に上がり、「We are the World」 を熱唱したが、世界中から勉学に来ている留学生の民族
や文化が山口大学でひとつになる感動的なフィナーレとなった。
第1部留学生懇談会プログラム
総合司会
川村誠輝(カワムラ マサキ, Masaki Kawamura)農学部2年
ベリンダ・マッケンジー(Belinda McKenzie)経済学部修士1年・オーストラリア
①
パネルディスカッション
テーマ 「留学から学ぶ国際感覚・国際人とは」
座長
辻本知寛(ツジモト トモヒロ, Tomohiro Tsuji)工学部4年
パネラー
1)李伯成(リ・ハクセイ, Li Bo Cheng)
工学部1年生・中国
−131−
2)ベリンダ・マッケンジー(Belinda McKenzie)
3)伊藤美加クリスチーナ(Ito Mika Cristina)
4)アリレザ・アラブジャイ(Alireza Arabshahi)
5)王暁霞(オウ・ギョウカ,Wang Xiao Xia)
教育学部研究生・ブラジル
工学部博士2年生・イラン
人文学部修士2年生・中国
②
山口大学留学生学友会(ユーサー)紹介
(YUISA・Yamaguchi University International Student Association)
李海波(リ・カイハ, Li Haibo) ユーサー会長 人文学部3年生・中国
③
各国文化紹介
1)日本〜空手演舞
丸本卓哉(マルモト・タクヤ, Vice President Takuya Marumoto)副学長
空手部部員
2)韓国〜歌と踊り〜アリラン
歌:康順永(カン・スンヨン, Kang Soon Young )
教育学部4年生
林美英(イム・ミーヨン, Lim Mi Young)
人文学部修士2年
趙ハンナ(チョウ・ハンナ, Cho Hanna)
経済学部交換学生
趙熙珍(チョウ・ヒジン, Cho Hee Jin)
経済学部交換学生
3)東南アジア諸国
*ベトナム〜歌
リエン・グエン(Lien Nguyen)
経済学部研究生
ボ・トラン・カム・ハ(Vo Tran Cam Ha)
教育学部修士2年生
トラン・ハン・ティミン(Tran Hang Thi Minh)
農学部博士3年生
*インドネシア〜ギター演奏と歌
ギター演奏*リスモン・シニアパール(Lismon Sianipar)工学部研究生
歌:アグン・ブディヤント(Agung Budiyanto)
農学部博士2年生
*ミャンマー〜タン・ウー(Thaung oo)
工学部研究生
*タイ〜ピチトラシウプ・タンマポーン(Pichitrasilp Thanmaporn)
農・研究生
チェム・カモンチャイ(Cha-Aim Kamonchai)
工学部研究生
*フィリピン〜バンブーダンス フェマ・アバモ(Fema Abamo)
理学部研究生
パルベラ・ジャインナー・マリ・グヤド(Pulvera Gayud)農学研究科
ファ・マルガリト・ラバイダン(Fa Labaydan)
経済学部修士1年生
4)南アジア
*バングラデッシュ〜民族衣装紹介
イクバル・アブドウル・ハルン(Iqbal Abdullah Harun) 経済学部修士2年
留学生と家族
5)オーストラリア〜ギター演奏と歌
ギター演奏:ジョージ・ビショップ(Geroge Bishop)
教育学部研修生
歌:ベリンダ・マッケンジー(Belinda Mckenzie)
経済学部修士1年生
ペイイー・ワン(Pei Yi Wang)
経済学部交換学生
6)アフリカ〜太鼓
*タンザニア〜クラウディウス・ルジガ(Claudius Luziga)連獣・博士1年
*カボン〜ミゲル・リンガ(Miguel Linga)
経済学部研究生
7)ヨーロッパ
*ドイツ
アコーディオン演奏:スザンネ・ベツ(Susanne Betz) 人文学部交換学生
歌:ヨルン・リュッゲベルグ(Jorn Ruggeberg)
人文学部交換学生
*ウクライナ〜ギター演奏と歌「彼女」
イホール・ヤロスラボービチ(Ihor Yaroslavovych)
教育学部日本語研修生
−132−
8)中国〜太極拳 李芬蘭(リ・フェンラン, Lee Fen Lan)
陳静(チン・セイ, Chen Jing)
張瑜(チョウ・ユ,Zhang Yu)
王育虹(オウ・イクコウ,Wang Yue Hong)
ペイイー・ワン(Pei Yi Wang)
9)フィナーレ 〜We Are the World〜 全員参加
歌:フェマ・アバモ(Fema Abamo)
ミゲル・リンガ(Miguel Linga)
2−2
第2部懇談会:午後5時30分〜8時
工学部博士3年
理学部研究生
教育学部研究生
東アジア研究生
経済学部交換学生
理学部研究生
経済学部研究生
第2食堂きらら
第2部懇談会は加藤学長のスピーチに始まり、留学生学友会、ユーサー代表による各国語で
のあいさつの後、地域の参加者、教職員、留学生とその家族らが会食をしながら、楽しく交流
を深めた。会場では振袖姿の教職員ボランティアによる茶道の手前が行われ、留学生は抹茶を
体験することができた。
パーティのアトラクションとして、懇談会に引き続き留学生、留学生の子供や家族、地域か
らの留学生が飛び入りで文化紹介を行った。韓国人留学生2名による冬ソナの主題歌が始まる
と会場の盛り上がりは最高潮となり、マフラーを首に巻いたヨン様スタイルに雪を降らせた二
人に会場から花を手渡す女子留学生も出て、アジアの韓流ブームを山口大学で証明することに
なった。音楽やダンスにも参加者が飛び入りで参加しパーティは大いに盛り上がり、時間をオ
ーバーするほどであった。最後は、一般学生指導による歌「世界にひとつだけの花」と留学
生・一般学生による「Heal the World」を参加者全員で歌って終了した。
第2部アトラクション
アフリカの太鼓とギターのセッション:タンザニア、ガボン、オーストラリア、日本
マレーシア・インドネシアの歌:留学生
中国の踊り:馬新媛(マ・シンエン,Ma Xin Yuen)教育学部研究生
中国朝鮮族の踊り:朱花(シュ・カ,Zhu Hua )工学部博士1年生
冬ソナの主題歌「はじめから」朴晋ソク(パク・ジンソク)日韓予備教育履修生
呉相元(オ・サンウォン)
バングラデッシュの歌:留学生、留学生の子ども
アカペラサークル:一般学生
ブラジルの歌とダンス:伊藤美加クリスチーナ
日本の歌「世界にひとつだけの花」:ギターと歌
一般学生による歌唱指導
フィナーレ「Heal the World」:参加者全員
おわりに
世界中から勉学に来ている留学生の文化をできるだけ紹介しようというテーマで、留学生に
呼びかけたところ、たくさんの留学生が文化紹介に参加した。多くの留学生が音楽や衣装を披
露するに当たっては、一般学生の留学生交流ボランティアが会場で留学生をサポートした。18
名の一般学生が授業後の時間を選んで支援活動に参加した。フィリピンのバンブーダンスのバ
−133−
ンブーをリズムに合わせて動かしたのは一般学生ボランティア2人で、フィリピンの留学生と
事前に何度も練習した。留学生の衣装の着替え、会場への誘導、パワーポイントの操作などボ
ランティア精神を発揮しサポートした。小学校教員で教育学部修士1年生の松本マリ子さんも
ボランティアとして参加し、舞台の演出を一手に引き受けてくれた。松本さんは「山口大学の
学生がこんなに生き生きと活動する姿を見て感心した」と感想を漏らしていた。一般学生と留
学生とがお互いサポートし合う協力関係が大学の国際化を促進し、学内での大きなエネルギー
を生み出す源になることを証明することになった。
課題
懇談会は留学生とその家族が参加して行われており、一般学生の参加はない。しかし、留学
生と交流したい、文化紹介をぜひ見たいなど参加を希望する一般学生が多い。今回は、留学生
サポートとして、懇談会に参加したが、今後は山口大学で世界を感じることができるこのよう
な機会を一般学生が体験できる機会を提供する必要があるだろう。
−134−
留学生交流・ボランティア
(杉原
道子・赤木
彌生)
はじめに
平成16年度は、留学生交流活動および国際交流活動全般に交流ボランティアが参加する機会
を作った。英語、中国語、韓国語、タイ語など学びたい、国際性を養いたい、留学経験や海外
経験で培った英語や外国語や国際性を生かしたい、日本語教育、英語教育に関心があるなど一
般学生の国際交流参加動機は非常に明確である。このようなモーティベーションの高い学生が
多く、活動にも積極的に参加し、熱心に交流を進めた。その結果、活動のひとつひとつが爆発
的なエネルギーを生み出し、国際交流が盛り上がりをみせた。
国際センターでは、国際センターが行う留学生の諸活動に参加を希望する一般学生がメール
で登録する登録制度を試みた。これは、留学生の日本語・生活サポート活動や国際交流活動を
通して、留学生との交流を図り、国際交流の経験を積み、国際性を養うことを目指したもので、
平成16年度登録し、活動に参加した学生数は50名に上った。2004年度の主な活動は、大学院予
備教育大使館推薦国費留学生の日本語・生活サポート、日本語会話サロン、国際センター交流
事業への参加であった。
登録し、活動に参加した学生は、全学部、全学部生、大学院生に渡っている。英語・韓国
語・中国語・日本語などの語学の必要な専攻や国際理解、国際文化専攻など専攻などが多かっ
たが、いずれも言語や国際交流の経験を積みたいという学生だった。また、帰国子女、海外留
学生経験のある学生は、語学力や国際生を生かし、さらに磨きをかけたいと参加した。
【吉田キャンパス】
1.国際交流パーティ
2004年度前期は一般学生の交流ボランティアによる国際交流パーティを試行的に行った。交
流ボランティアと留学生が広報活動を行い、留学生や一般学生に参加を呼びかけたところ、留
学生40名、一般学生60名、教職員20名の計120名が申し込み、当日の参加者も多数あり、150名
以上が参加した。国際交流活動のほとんどは後期に開催されているため、前期到着の新留学生
や半年で帰国する交換学生の交流の機会が少ない。そこで交流ボランティアが交流パーティを
行ったが、国際交流に関心の高い一般学生や留学生多数の参加があり、歌やゲームなどをして
交流を深めた。
−135−
2.留学生交流活動
2.1 日本語サポート
日本語会話サロン
毎週木曜日2時30分〜4時
場所:国際センター
参加留学生
14名
初級:大学院予備教育履修生º
中級:日本語研修生π・交換学生∫
日韓理工系プログラム留学生π
研究生∏
上級:学部1年生∏
留学生交流ボランティア
10名
人文º・教育ª・経済∏
活動内容
日本語:自己紹介・国紹介・ペアワーク・グループワーク
フリートーキング
日本文化:折り紙(折鶴の紹介)・昔話・生け花など
2.2 交流ボランティア学生による交流活動
歓迎茶話会
・2004年6月・10月 2回開催
・後期は大学院予備教育・日韓理工系プログラム留学生到
着にあわせて開催。交換学生、日研生、先輩留学生、交
流ボランティア学生、教職員が多数参加し、交流を深め
た。
予備教育
修了茶話会
・2004年7月・2005年3月開催
・後期は大学院予備教育・日韓理工系プログラム終了にあ
わせて開催。交換学生、日研生、先輩留学生、交流ボラ
ンティア学生、教職員が多数参加し、交流を深めた。
国際交流パーティ
・7月9日午後6時〜8時30分 第2学食堂きらら
・留学生40名・一般学生60名・教職員20名・計120名の申し
込みがあり、当日の参加者も多数あったので、150名以上
が参加した。各協定校からの交換学生のあいさつ、交流
ボランティア学生登録についての説明、歌や音楽の披露
などを行った。
3.国際センター行事
3.1 日本文化体験プログラム
華道教室
・後期10月〜1月、全10回
・毎週木曜日午後2時30分〜4時まで 国際センター
・留学生18名・交流ボランティア6名が参加した。
・ことばのサポート、華道講師サポート、いけばなの稽古
を通して交流を深め深めた。
−136−
新留学生研修会
・4月・10月一泊2日の日程で年2回、徳地少年自然の家で
開催する。前期・後期到着の新留学生ほぼ全員が参加し
て実施するオリエンテーションに交流、生活サポートと
して一般学生が参加する。
・前期5名、後期9名が参加した。
・ことばや生活のサポート、交流会を通して、お互いの交
流を深めた。
・11月25日
地域留学生懇談会
午後4時〜5時20分 懇談会
午後5時30分〜8時 交流パーティ
・交流ボランティア18名が懇談会、交流パーティでの留学
生文化紹介をサポートし、交流を深めた。
3学交流事業
・12月17日ª〜23日∫5日間
・交流ボランティアおよび一般学生20名が参加し、公州大
学、山東大学訪問留学生10名と、大学説明会、交流会、
支援活動を行った。
4.三学交流参加学生
三学交流参加学生募集のポスターを学内掲示し希望者を募った。すでに留学生交流ボラン
ティアとして登録し活動している学生が、参加できる時間帯を選んで、以下の通り参加した。
参加一般学生
山口大学交流学生
23名
学部別
教育学部 9名
(国際理解専攻 4名・国際文化専攻
1名
人文学部 5名
(社会情報専攻 1名・言語文化専攻
2名・日本文化
音楽
1名
家政
1名
1名・英文学
心理
1名)
1名)
経済学部2名・理学部2名・農学部1名・医学部3名・工学部1名
学年別
学部1年生7名・2年生8名・3年生1名・4年生5名・修士課程1年生2名
4.1
プログラム
三学交流プログラムはなおかつ複数のプログラムに学生が参加できるようになっていたが、
学期中であったため、一般学生は時間調整が難しく、それぞれのプログラムに5名前後の参加
学生を集めるのは困難であった。やはり、学期中のプログラムは授業終了後のプログラムを中
心とするほうが一般学生は参加しやすい。
−137−
日程表
日
時
プログラム・参加人数
12月7日(火)
3学交流説明会
12月14日〜16日
事前打ち合わせ〜交流についてのオリエンテーション
交流ガイドを作成し配布した。
12月17日(金)
歓迎会15名
12月18日(土)
大学紹介発表者5名、聴衆8名、日本語授業5名
12月20日(月)
マツダ工場見学3名、茶道クラブ訪問3名
12月21日(火)
日本語授業5名、日本語授業7名、市内散策5名
12月22日(水)
日本語授業4名、交流会15名
昼食・夕食時交(4回) 多数参加
5.課題
課題も多く残された。大学全体が一般学生の留学生交流ボランティア活動を認知し、大学組
織の中で学生が活動できる環境を整える必要がある。教職員の留学生交流に対する理解や意識
の向上、一般学生へのオリエンテーション、交流活動をする上でのボランティアガイドなど課
題は多い。特に、大学内における交流サポートやボランティアに対する真の認識や理解を促す
必要があり、今後、教職員の研修会やボランティア活動が重要であると考える。
【宇部キャンパス】
2004年4月に宇部キャンパスに「留学生ボランティア」が発足した。趣旨に賛同する一般学生、
留学生、教職員も登録し、活発な国際交流が繰り広げられた。主な活動は下記のようなもので
あった。
1.「日本語で話そう」
前期は毎週木曜日、後期は毎週金曜日の16:00〜18:00まで行われた。出席者は毎回15名程
度であり、日本社会の様々な現象について意見交換が行われた。日本企業に就職が決まった留
学生が毎回出席し、日本社会についての理解を深めようと努力していた姿が印象的であった。
2.「世界の料理教室」
「七夕パーティ」
7月8日16:00〜18:00まで「世界の料理教室」が開催された。中国のギョウサ、韓国のチヂ
ミ、日本のちらし寿司・味噌汁などの作り方の講習会があった。参加者はそれぞれノートを取
りながら、熱心に質問していた。
同日18:00から20:00まで「七夕パーティ」が行われた。韓国、中国、マレーシア、イラン、
トルコ、インドネシア、ブラジル、ペルー、ネパールなど9カ国からの留学生、一般学生、教
職員で国際センター宇部室はあふれんばかりとなった。
−138−
料理教室で作ったアツアツのチヂミ、茹でたての餃子、留学生が持ち寄ったマレーシアやイン
ドネシアの各種の料理をほおばりながら、「おいしい」「最高」「生まれて始めて食べました」と初
めて味わう料理に感激していた。参加者全員が短冊に願い事を書き、美しい七夕の笹飾りが出
来上がった。
3.「Welcome
Party」
10月29日17:40から新留学生の歓迎パーティが行われた。参加者がそれぞれ一品料理を持ち
寄って集まった。まだ、日本語がうまく話せない学生も多く、一般学生も助けあいながら英語
でコミュニケーションを図っていた。
4.「世界の大学を知ろう」
10月27日16:20〜7:20までブラジルの学生による大学紹介があった。スライドで大学の卒
業式の様子などが紹介された。いろいろな行事に陽気な国民性が感じられた。活発な質疑応答
が行われた。
5.「送別会」
3月7日17:00から卒業生の送別会が開催された。卒業生の将来の夢や就職先が紹介された。
日本企業に就職した留学生も3名いた。みんなで持ち寄った料理を食べながら、夜遅くまで、
名残を惜しむ話し合いが続いた。卒業生にはみんなで書いた寄せ書きが贈られた。
おわりに
登録留学生交流ボランティアは、国際センターのほぼすべての行事や活動に参加した。交流
活動に日本語や生活のサポートとして参加することによって留学生との接点を持ち、交流を深
め、お互い友人関係を育むことができた学生が多かった。国際センターの活動以降、国際交流
パーティ、ホームステイ、旅行などの個々の交流活動を展開している。三学交流に参加した学
生は、交流以後も中国や韓国の学生とメールで交流を深め、韓国で交流を深めた学生もいた。
学部生が参加できる国際交流活動は学内にはまだ少ない。ひとりでも多くの学生が交流活動に
参加でき、留学生と交流を深め、国際性を培っていく機会を作っていくことが、学内の国際化
への第一歩であると考える。
−139−
地域における留学生交流
(門脇
薫・杉原
道子)
地域の様々な機関・団体・学校より、地域の行事等に参加する留学生派遣の相談及び依頼が
よくある。以下に、2004年度地域における交流について、「Ⅰ
おける地域交流」「Ⅱ
Ⅰ
1
吉田キャンパス(山口市)に
宇部室における地域交流」のように報告する。
吉田キャンパス(山口市)における地域交流
講師としての派遣
(1)中学校「国際交流体験」授業の講師
10月18日
*
長門市仙崎中学校(詳細はP142〜P150参照)
仙崎中学校2年生55名を対象にした「国際交流体験学習」プログラムに留学生6名(中
国・韓国・台湾・ベトナム・トルコ・オーストラリア)が講師として参加し、筆者も引率
した。
仙崎中学校の担当の藤井一憲先生と、国際センターの地域国流担当の筆者と事前に何度
も連絡を取り合い連携を図り、本プログラムを実施した。参加した仙崎中学校の生徒及び
当センターの留学生双方から非常に好評であり、本プログラムは地域の中学校における留
学生講師派遣として成功例として挙げられる。本プログラムの詳細については、後に詳し
く述べる。
(2)市民講座講師
*
11月10日
長寿大学研修講座「国際交流」:山口県社会福祉協議会
「やまぐち長寿大学」では毎月に2回、1年間にわたる研修講座が行なわれており、国
際交流というテーマの講座に講師として留学生3名(中国・オーストラリア・バングラデ
シュ出身)が参加した。国の紹介に加えて、得意なギター演奏を披露した留学生もいた。
*
2005年度6月に防府市と山口大学の連携による「韓国文化講座」
防府市教育委員会との連携で山口大学エクステンションセンターが行なっている「公開
講座」で「韓国文化講座」実施の依頼があり、筆者は、その講座の企画をエクステンショ
ンセンターと連携して行なった。筆者と韓国人留学生が講師となり2005年5〜6月に講座
を実施した。
(3)小学校訪問・小学生との交流
小学校の総合学習における国際理解教育の授業に留学生参加の依頼があり、授業内容につい
ての相談に対する助言、留学生への広報、主催した学校の担当教師との事前打ち合わせ、参加
留学生の手配及び指導を筆者(地域交流担当者
11月27日
*
門脇)が行なった。
山口市鋳銭司留守家庭児童学級:子供会
昨年派遣依頼があり、好評であったため今年も依頼があった。中国、台湾、バングラデ
シュ、オーストラリア出身の留学生計5名が参加した。浴衣を着た子供達に、お抹茶とお
菓子でおもてなしを受け、留学生も小学生との交流を楽しんだ。
−140−
*
2月15日
山口市立大歳小学校
ドイツの協定大学からの交換留学生、中国、韓国出身の留学生計3名が参加した。ドイ
ツの留学生は半年間の留学期間であったが、帰国前日に小学校訪問の経験ができ非常喜ん
でいた。
*
2月17日
徳地町立島地小学校
中国、韓国出身の留学生、計4名が参加。様々な国の留学生に広報したが、時期的に参
加できる学生が限られた。
2
地域における行事参加
(1)山口留学生交流会主催の行事
山口市の国際交流団体に「山口留学生交流会」があり、山口市市役所の国際交流室に事務局
をおき、留学生との交流活動を行っている。具体的には以下の通りである。
*
4月12日
新入留学生生活パック贈呈式(於山口大学)
新入留学生対象に、市民からの寄付によって集まった生活に役に立つ「生活パック」
(タオル、テレホンカード、市指定ごみ袋、ガイドブック等)が贈呈された。
10月23日
*
りんご狩り
バスツアー(於徳佐町)
山口市にある山口県立大学の留学生も参加。本大学からは約40名が参加。毎年恒例であ
るこの行事を楽しみにしている留学生が多い。
(2)地域における行事への参加
10月3日
*
日本舞踊鑑賞:山口舞踊協会
主催者より5名の留学生の招待があり、鑑賞会の途中で実際に日本舞踊を体験するセッ
ションもあったため、参加した留学生からは非常に好評であった。
*
10月2、3日
アートふる山口着物試着体験:全日本和装協会
*
10月17、18日
ホームステイ・稲刈り体験:「田んぼの学校おごおり」
(3)地域における行事実施に関する相談
地域の様々な団体の方々が、本学の留学生との交流を含めた国際交流に関する行事の企画を
行なう段階で、しばしば地域交流担当者(筆者)のところに相談に来られる。
2004年度は「山口県青少年国際キャンプ大会」「山口県健康いきがいづくり協議会」から、
留学生と子供達とのキャンプの企画についての相談があり、筆者は主催者への助言及び広報等
の協力を行なった。
3
地域における留学生交流:今後の課題
*
国際センターの行事と同様に、地域における行事も後期に集中する。前期に国際センター
に在籍する留学生は参加できる行事が限られており、不均衡が生じている。
*
年度によっても地域における行事開催の回数がかなり異なる。
*
2002年度留学生センター(現
国際センター)設立以来、小学校及び中学校の「総合学習」
「国際理解教育」を担当する教師から、留学生派遣の依頼を受けることが非常に多い。し
かし、教師自体にアイデアがないことが多く、当センターの担当者である筆者に企画自体
を依頼する教師もいる。このような国際理解教育を担当する教師達の教師研修は、山口県
−141−
では行なわれているのであろうか?やはり、このようなプログラムを教師が企画・実施す
るためには、教師研修で様々な実践例の報告を聞いたり、情報交換をしたりする機会が必
要である。そのような機会を利用して、山口大学の留学生の状況について説明したり、過
去の事例を紹介したりできればよいと思う。今後教師研修の必要性について関係機関に強
く提案したいと思う。
* 留学生の組織YUISA(Yamaguchi University International Student Association)が、2004年に
設立されたが、地域における国際交流活動に主催者が直接連絡をして留学生が参加するケ
ースも少数であるが見られた。今後は、YUISAとの連携も必要である。
*
数多い地域からの相談や依頼に対して、地域交流担当である筆者が窓口となり、相談に対
する助言、広報、連絡、事前打ち合わせ、留学生参加者の手配、留学生参加者の指導、引
率等全て行なってきた。しかしながら、国際センターの業務も年々増加し、地域交流担当
者の負担も大きくなっており、今後いかにYUISA、学内のエクステンションセンター、山
口県国際交流協会等の関係機関や関係団体と連携をしていくかが課題である。
−142−
Ⅱ
∏
宇部室(宇部市)における地域交流
宇部高校へ留学生を派遣し、留学生による英語での授業が計6回開催された。4人の留学
生が参加し、高校生に大変好評であった。
π
美川町の成人講座にトルコの留学生が参加し、民族衣装を着て、自国について説明した。
∫
宇部市の国際交流協会主催でタイの留学生が講演と料理教室を開催した。(新聞に記載)
ª
NHKの「ゆうゆうワイド」の番組に留学生が参加し、エアロビクスを体験した。各自の将
来の夢なども紹介された。
º
平成16年度の宇部留学生交流会の行事には、毎回大勢の留学生が参加した。国際センター
から留学生に依頼し、留学生による大学紹介、スピーチ、歌や踊りなどが披露され、多く
の地域の方との暖かい交流が行われた。その主な活動と参加人数を下記の通りである
平成16年度
宇部留学生交流会行事
参加人数
4月20日
留学生月例夕食会
56
5月18日
留学生月例夕食会
46
6月5日
ボーリング大会
40
6月5日
留学生交流会
64
9月21日
留学生月例夕食会
34
10月19日
留学生月例夕食会
44
10月23日
芋ほり
29
11月16日
留学生月例夕食会
38
12月4日
ボーリング大会
22
12月4日
忘年会
77
2月15日
留学生月例夕食会
48
−143−
日本文化体験プログラム「華道教室」報告
(赤木
弥生)
はじめに
平成16年度留学生日本文化体験プログラムは、華道教室を後期、実施したが、国際センター
所属大学院、日韓理工系予備教育履修生をはじめ、教育学部日本語研修生、交換留学生など多
くの留学生が受講した。講師の先生方や留学生交流ボランティアの一般学生と日本語で文化に
ついて話し合う機会を持ち、日本文化への理解を深めることができた。
1
実施要項
実施期間:2004年10月〜2005年1月
全10回
毎水曜日午後2時30分〜4時
講
師:池坊華道西京支部長
華道家
ボランティア講師:池坊華道西京支部
竹重しげの支部長
華道家
坂辻初枝・柳美津子講師
実施内容:ペットボトルに生ける自由花・生花・お正月の花・茶道
その他の活動:
12月15日
3学交流いけばな展
12月20日
山口市恵比寿祭り協賛花展参加
3講師特別出展
受講料:毎回お花代500円(実費)必要
2.池坊華道西京支部からの支援活動
平成15年度華道教室を実施するにあたり、池坊西京支部から花器、剣山、花ばさみ各10個が
寄贈された。平成16年度は、後期に華道教室を行ったが、受講希望者が多かったため、同支部
所属華道講師らから古い花器10個の寄贈を受けた。また、家でも活けたいという留学生の希望
もあり、さらに、古い花器5個を留学生に貸与することができた。
西京支部長竹重講師とさらに2名の講師がボランティアで華道教室の準備や指導に当たっ
た。毎回の花代も留学生に負担がかからないようにとの配慮から、花だけを購入し、その他の
花材は、講師の先生方の家の庭木などを切り、華道教室直前に各受講生分を毎回準備していた
だいた。日本文化の振興に尽力されている講師の方々の支援があり、多くの留学生がなるべく
安い材料代で華道を学ぶことができた。
プログラムも伝統的な生花、ペットボトル、オアシスを利用して簡単に生けられる自由花、
季節の生け花などバラエティに富んだ内容となった。コースの最後には、茶道を実施、抹茶の
由来、頂き方、点て方などを体験した。
また、3学交流いけばな展を学内で開催したり、山口市恵比寿祭り協賛花展に留学生が参加
したりするなどの活動を行った。
3.受講生(留学生)
日本文化体験プログラム受講生は、日本語、日本事情受講生への広報、留学生メーリングリ
−144−
ストでの広報、各学部掲示板にポスターを掲示し募集したところ、希望者が多く集まった。講
師と相談し、全員受講させることにした。
後期配属の国際センター所属大学院予備教育履修生、日韓理工系予備教育履修生、教育学部
日本語研修生、交換学生、後期到着の研究生なども参加し、合計18名が受講した。材料費がか
かるため、全回参加できない留学生も受け入れた。
留学生数
(18名)
学部生(1)大学院予備教育(5)日韓理工系予備教育(2)
日研生(2)研究生(3)交換学生(2)研究者(1)
学部別(7学部)
教育(4)・東アジア(2)・経済(5)・人文(1)・
理(2)・工(1)・農(1)
出身国・地域(11カ国)
中国・台湾・韓国・ベトナム・タイ・フィリピン・
オーストラリア・ウクライナ・ブラジル・ガボン・日本
4.留学生交流ボランティア(一般学生)
留学生交流を希望する一般学生6名が華道教室に参加し、留学生と華道を学ぶ一方、留学生
がスムーズに生花を練習できるように留学生のことばのサポートや講師の先生方のサポートを
行った。交流学生が参加し協力したことで、留学生も楽しく交流しながら、生け花を学ぶこと
ができた。また、交流学生もサポート活動を通して、留学生と交流を深め、国際性を培うこと
ができた。
一般学生数6名
学部1年生(1名)2年生(3名)4年生(2名)
学部別(3学部)
人文(2)・教育(3)・経済(1)
5.受講生評価
受講生にアンケート調査を行った結果、受講した留学生(アンケート回収11名)や一般学生
(アンケート回収3名)は高い満足度を示した。特に、一般学生と一緒に華道を学び、ことば
のサポートや華道教室運営をサポートしてくれたことが印象に残ったようだ。今後、茶道、日
本料理、武道などの日本文化を学びたいという希望が多かった。
アンケートの感想
・日本人と接するいい機会となった。(留学生)
・花を大切にすることを学んだ。(留学生)
・一般学生が熱心にサポートしてくれて助かった。(留学生)
・華道を通じて留学生と交流できておもしろかった。(一般学生)
課題
平成16年度は後期のみ日本文化体験プログラムを実施し、華道を10回行った。華道は費用が
かかるため、受講したくてもできない私費留学生も多いので、なるべく費用のかからない文化
プログラムを実施できればと思う。また、前期のみで帰国する交換留学生などもいるため、前
期・後期に分けて実施することが望ましい。
−145−
おわりに
1年間の交換学生や日本語研修生が増えてきていることを背景に、受講した留学生から、も
っとさまざまな文化体験をしたいという希望が多かった。今後、文化体験プログラムを充実さ
せていく必要がある。他の多くの大学では交換学生の受入れのためのプログラムを各学部が協
力して作っており、日本語、英語の授業、文化プログラム、ホームステイが実施されている。
今後、交換学生を継続、拡大していく上で、交換留学生の短期プログラムを学内確立し、さま
ざまな文化プログラムを組み込んでいく必要があると考える。
−146−
ホームステイ・ホームビジット報告
(赤木
1
弥生)
はじめに
16年度国際センターには、大使館推薦国費留学生(前期4名、後期1名)日韓理工系留学生
(前期3名、後期2名)が6ヶ月間在籍し、予備教育日本語集中コースを履修した。この日本
語コースでは、日本語能力を養成すると同時に、日本社会に適応し、日本文化理解を図るため
の日本事情の学習もカリキュラムに組みこまれている。さらに、日本社会、文化への理解を深
め、地域の人たちとふれあい、交流を深める機会としてのホームステイ、ホームビジットおよ
び山口市内散策などを実施した。
また、学部所属留学生で、ホームステイ、ホームビジットを希望する学生には、山口県国際
交流協会と連携を図り実施した。
2
ホームステイ実施プログラム
2.1
大学院予備教育日本語集中コース
履修生へのオリエンテーションは、日本事情の授業で行い、ホームステイ直前にはホストフ
ァミリーとの説明会・茶話会を行った。
①4月期大学院予備教育履修生ホームステイ実施
実施日程:16年5月1日〜2日(1泊2日)
留学生4名
ホストファミリー4家庭
②10月期大学院予備教育履修生ホームステイ実施
実施日程:17年1月3日〜4日(1泊2日)ホームパーティー参加
平成17年7日〜8日(1泊2日)
留学生3名
2.3
ホストファミリー4家庭
学部所属留学生へのホームステイ・ホームビジット
平成16年度交換学生が急増したため、交換学生のホームステイ希望者は17名であったが、登
録ホストファミリーはほとんどなかった。このため、学生、教職員のホストファミリーを募る
一方、山口県国際交流協会ホームステイ制度を活用し、ホームステイ希望者にはなるべくホー
ムステイまたはホームビジットのどちらかを実施した。実施日はホストファミリーの都合に合
わせ行った。
実施期間:平成16年5月、7月、8月
ホームステイ希望留学生
交換学生14名 学部生2名 研究生1名
合計17名
このうち14名がホームステイまたはホームビジットを経験した。
−147−
3
ホストファミリー登録
学内および地域からのホストファミリー登録を国際センターホームページ上で行っている
が、平成16年度は学生1名の登録があったのみであった。ホストファミリーは留学生交流ボラ
ンティア(一般学生)および国際センター教職員の希望者、国際交流協会登録ホストファミリ
ー、宇部地区ホストファミリーを活用した。
ホストファミリー一覧
4
ホストファミリー登録
一般学生
1名
留学生交流ボランティア
一般学生
2名
教職員
4名
国際交流協会登録ホストファミリー
5名
宇部地区ホストファミリー
1名
合計
13名
事前オリエンテーション
今回は、日本事情を受講していない交換学生もホームステイを希望してきたため、ホームス
テイガイド(留学生用・ホストファミリー用)を作成し、留学生がホームステイに行く前にオ
リエンテーションで個別に指導した。
また、ホストファミリーにもホームステイがスムーズに行えるようにホームステイガイドを
渡し説明を行った。ホストファミリーとは、個別にメールで連絡を取り合い、日程調整などを
行った。
直前には、留学生とホストファミリーとの顔合わせの説明会・茶話会を催し、留学生とホス
トファミリー全員が楽しく交流した。
5
事後報告
ホームステイ終了後、留学生はアンケートを提出し、ホームステイの事後報告を国際セン
ター担当教員に提出した。
5.1 アンケート
留学生にとってホームステイは例外なく特別な体験となることが多い。また、地域の日本人
とふれあい交流することによって、留学生の生活圏が拡大する機会にもなる。ホームステイ中、
ホストファミリーと一緒に料理を作ったり、着物を着せてもらったりするなどの文化体験を通
して、ほとんどの留学生が日本人の温かさや日本社会、文化について深い理解を示した。
また、多くの留学生がホストファミリー宅を再び訪れたり、誕生パーティーに招かれたりす
るなど交流を継続している。また、さらに留学生の友だちをホームステイさせるなど交流が拡
大している。
−148−
6
緊急連絡網
ホームステイをする場合は、国際センター留学生課および教職員へメールで留学生氏名およ
びホストファミリー氏名を記載した緊急連絡網を回し、緊急時に備えた。また、ホームステイ
期間中の保険加入についても保険会社などの調査を行い、今後の検討課題とした。
7
課題
平成16年度は協定校からの交換学生の受け入れが急増し、ホームステイ希望者も急激に多く
なったが、ホストファミリーの登録が順調にすすんでいなかったため対応に苦慮した。今後、
全留学生を対象にホームステイを行っていくためには、ホストファミリーの確保が重要課題で
ある。
また、ホームステイ期間中の保険、留学生が加入している保険については検討中であるが、
危機管理上、ホームステイ期間中の留学生の保険加入(自己負担)や交換学生が加入している
保険についても調査が必要である。
おわりに
ホームステイを経験した学生は、ホストファミリーとの交流を継続している学生が多い。ま
た、ホストファミリーも継続して個々に留学生の友人をホームステイさせている。ホストファ
ミリー茶話会後、茶話会で知りあった留学生全員を招いてホームパーティを開くなど交流を継
続しているホストファミリーもある。さらに、留学生交流ボランティア(一般学生)も交流し
ている留学生を個々にホームステイ、ホームビジットさせるなど交流は着実に拡大している。
ホームステイは、留学生にとっては日本人、日本社会、日本文化を真の意味で知る貴重な機
会である。したがって、なるべく多くの留学生にホームステイを経験して欲しいと望んでいる。
そのためには、ホストファミリーの確保が先決であり、今後は、さらに山口県国際交流協会な
ど地域と連携を図るとともに、学内でのホストファミリー登録を増やし、ホームステイが提供
できる基盤造りを行っていく必要がある。
−149−
留学生見学旅行
(留学生課)
国際センターでは、12月11日(土)〜12日(日)、1泊2日の日程で留学生見学旅行(1回
目)を実施した。この旅行は、留学生が日本の文化や歴史を体験から学んでもらうことを目的
に毎年実施している。留学生、チューター及び引率教職員の総勢134名が、3台のバスに分乗
して阿蘇方面に向けて出発した。
初日に訪れた日田市豆田町は、景観に江戸時代の風情が残っているところで、日田地方の豪
商の生活を伝える廣瀬資料館では、特に江戸時代のお雛様に関心が集まっていた。大観峰では、
阿蘇の五岳や九重の山々を見渡す雄大な眺めを楽しんだ。宿泊は阿蘇赤水温泉の旅館で、温泉
に入ったり、浴衣を着たり、畳の上の布団で寝るという旅館ならではの体験をした。
二日目に訪れた草千里は、広がる大草原の向こうに山が見え、友達との写真撮影には絶好の
場所となった。阿蘇山頂では火口から上がる噴煙や、地層がむき出しになった山肌などの景観
に感嘆の声が上がっていた。下山後、透明度と水質の良さで日本名水百選の一つとなっている
白川水源や、阿蘇フォーラムランドなどを訪れた後、帰路についた。
2日間の短い日程であったが、日本の文化や歴史、自然の雄大さに触れ、留学生から「よか
った。また行きたい。」などの感想が寄せられた。また、多くの留学生が他学部や他国出身の
友達と交流ができたことを喜んでいた。
今年度2回目の留学生見学旅行を、2月19日(土)〜20日(日)、1泊2日の日程で実施し
た。留学生、チューター及び引率教職員総勢45名が、バス1台で愛媛県道後温泉、松山方面に
向けて出発した。
フェリーで柳井港から三津浜港へ渡り、松山城を見学したり、道後温泉街を散策したりして
1日目を終えた。2日目は、石手寺、タオル美術館を見学した後、しまなみ海道を通って帰路
についた。
多くの留学生が、時間を忘れてしまうほどの、日本の文化や歴史を体験から学んでもらえた
ことで、大変有意義な見学旅行であった。
−150−
山口大学・韓国 公州大学・中国 山東大学
3大学学生交流プログラム
(門脇
薫)
2004年12月17日(金)〜23日(木)に、協定大学の公州大学から5名の学生(+引率者)と
山東大学から5名の学生(+引率者)の訪問団、計12名が山口に滞在し、山口大学の学生との
交流プログラムに参加した。3か国の大学が共に集まり、このような交流活動を行なうのは日
本国内においてもあまり例がなく、学生にとっても、また国際化をめざす山口大学にとっても
非常に貴重な試みであった。以下に、本プログラムについて報告する。「Ⅰ
3大学交流プロ
グラム全体報告」では、本プログラム担当のコーディネーター門脇より全体的な報告、「Ⅱ
宇部地区における交流報告」では宇部地区担当者による報告を行なう。
Ⅰ
3大学交流プログラム全体報告
<経緯>
公州大学とは、2001年、2002年度に両大学の学生が相互に訪問する短期研修プログラムが、
山口大学の全学プログラムとして行なわれており、筆者も2002年の公州大学の訪問団受け入れ
の際にはコーディネーターとして企画・実施を担当した。2003年度はSARSのために中止にな
った。2004年度には、財団法人山口大学教育研究後援財団各種助成事業の留学生交流助成事業
「山東大学との短期学生交流」企画に対して助成金が7月につけられたため、公州大学と山東
大学と共に3大学交流プログラムが企画された。全く初めて行なわれるプログラムであり、し
かも年度の途中で実施が決まったので、今年度内に実施できるのか不安であったが、何とか成
功させたいと思った。国際センター内にプロジェクトチームが発足し、まずは2大学と連絡し
スクールカレンダーの異なる3か国の大学の予定を調整し実施時期を決定することから始まっ
た。
プロジェクトチームは国際センター主事の山本晴彦教授を長とし、筆者がコーディネーター
としてプログラム全体を担当し、国際センター長宮崎教授、留学生課石橋課長、宮崎係長、留
学生交流ボランティアの組織を担当している赤木講師、宇部キャンパスでの交流担当の杉原講
師が主なメンバーであった。国際センターの渡辺教授、今井助教授、主事の江教授にも実際の
プログラムの授業担当、交流会参加、引率者案内、会場準備等の協力を得ながら、国際センタ
ー教職員全員で本プロジェクトに取り組んだ。
<参加学生>
公州大学及び山東大学の学生の選抜は、各大学に依頼した。当初はプログラムの全日程をホ
ームステイとすることを考えていたので、日本語がある程度できる学生を選抜したようである。
山口大学側の参加学生については、全学から集まった「国際センター
留学生交流ボランテ
ィア」の学生組織があるので、今回はこの学生(以下「交流学生」)達を中心とした。しかし
ながら、学期中で授業があるため1週間を通して本プログラムに参加できる学生がいないため、
新たに3大学交流プログラムに参加する学生も募集し、計23名の学生が参加した。その他に公
州大学及び山東大学から交換留学生として来ている留学生7名、また山東大学出身の留学生2
−151−
名も参加した。留学生には、プログラムの様々な場面で訪問団と日本人の交流学生の間に入っ
てつなぐ役割を果たしてくれた。その他、公州大学及び山東大学に留学して帰ってきた山口大
学の学生も参加した。交流学生担当赤木講師と連携し、参加学生達と何度もミーティングをし、
学生達が積極的に国際交流をするための指導を行い、参加学生と共に準備を進めた。
プログラム実施直前の時期には、毎日昼休み時間国際センターに集合し、3大学交流プログ
ラムのパンフレットや各国・各大学紹介の発表の準備、歓迎会・送別会の交流プログラムの余
興準備などの活動を行なった。また、教室及び会場設営などの支援等、積極的に本プログラム
に関わった。
<プログラム>(参照P163「資料:プログラム概要」)
①
各国・各大学紹介
3大学の学生代表に、「各国・各大学紹介」の発表準備を依頼し、パワーポイントを使用
して発表をしてもらった。発表にあたっては、韓国語及び中国語の通訳もつけた。山口大学
の学生代表とは何度かミーティングを持ち、特に学生生活を中心にした内容にする等、発表
に関する指導を筆者が行なった。山口大学の授業・アパートや寮・アルバイト・海外への語
学研修・就職状況について発表がなされたが、事前に学生にアンケートをとった結果なども
報告され、訪問団だけではなく、聴衆として参加した各山口大学の学生や留学生も非常に興
味深く聞いていた。公州大学の発表では、韓流ブームの話が出て非常に盛り上がった。山東
大学の発表では、中国の歴史、山東省の景勝地、そして山東大学の規模の大きさ等が紹介さ
れ、中国の歴史と伝統と大きさに皆感嘆していた。
質疑応答の時間にも活発に意見交換がなされ、お互いを知ることができ、初日のプログラ
ムとして非常に成功であったと思う。
②
授業
*日本語授業
留学生対象に日本語教育を行なっている国際センター主催の本プログラムにおいて、日
本語授業は、訪問団の学生に対して非常に自信を持って提供できるものである。授業は国
際センターの専任の日本語教員が順番に担当した。
事前調査で訪問団の日本語学習歴に関するデータは得られたが、日本語教育専攻の大学
院生、2ヶ月ぐらい日本語学校で学んだ人など、かなりレベル差があった。また直前に集
中的に勉強してきた人もおり、実際に授業を始めてみるまでは参加者のレベルは確実では
なかった。1か月の集中日本語コースであるならば、プレースメントテストでクラス分け
を行なうが、今回の日本語の授業は4コマに限られた。また、担当する日本語教員も学期
中であり、他の授業をしながら本プログラムの授業も担当するので、マンパワー的なこと
もあり合同クラスとした。そのため今回は体験的な授業になるが、各担当教員の持ち味を
生かし、発音指導・教室内外の人へのインタビュー・映像教材やPCを利用したりして
「日本語を使う」ということに重点を置いた授業を行った。日本語の授業には、日本人の
学生及び留学生も参加し、レベル差に対応できるよう「一緒に日本語を使って交流する」
ことを考慮して授業を行った。
−152−
*共通教育授業参加
山口大学でどのような授業をしているかを訪問団に実際に体験してもらうために、大学
教育センター長渡辺教授にも協力依頼をし「共通教育の授業参加」もプログラムに取り入
れた。言語の理解の問題及び参加する曜日に開講されている科目ということを考慮し、次
の3つの共通教育の語学科目に参加してもらった。
∏英語
(担当:宮崎国際センター長)
πハングル
(担当:人文学部
和田助教授)
∫外国人留学生対象の日本語(担当:国際センター
渡辺教授)
の3つのクラスの中から、事前に訪問団10名に希望を聞き、各授業担当の先生にご協力を
得て実施した。
③
交流
*宇部キャンパスでの交流
工学部の協力を得て、訪問団は宇部キャンパスを訪問した。午前中は地域共同開発セン
ターやベンチャーラボラトリー等の施設見学を行なった。午後は江国際センター長主事・
河村教授・松田教授・宮本教授の研究室を訪問した。研究室では、先生による研究テーマ
についての概要説明の後に学生が実験を行ないながら研究発表を行なった。最先端の工学
系の研究について実際に見学することができ、訪問団には非常に喜ばれた。
また、研究室訪問の後は、留学生が通訳となり宇部キャンパスの学生とのディスカッシ
ョンの時間も設けられ、3つのグループに分かれて大学生活(特に友人関係や寮生活)・
就職・将来の夢等について活発に意見交換を行なった。
*クラブ活動参加
−茶道体験−
韓国や中国の大学では、日本の大学ほどクラブやサークル活動が盛んではないため、訪
問団がクラブ活動に参加できる時間を設けた。当初は、空手・弓道・茶道の中から選択し
てもらう予定であったが、時期が冬の夕方であり非常に寒く、そして訪問団の学生9名が
女性であったため、茶道部のみを訪問することにした。
着物を着た茶道部部員がサークル棟和室にて訪問団を迎えてくれた。茶道部部員の日ご
ろの成果が発揮されたおもてなしに、訪問団は皆非常に興味深く茶道を体験することがで
きた。
*食事のときの交流・マツダ自動車工場見学・市内散策・歓迎会・送別会
山口大学の交流学生と交流するプログラムとして、日本語の授業やクラブ活動参加の他
に、マツダ自動車工場見学・市内散策・歓迎会・送別会など、非常に盛りだくさんの交流
プログラムが組まれていたが、さらに交流を図るため、訪問団の学生が食堂で昼食や夕食
をとる時間にも、山口大学の交流学生が参加するようにした。各自お弁当を持ってくるな
どして、たくさんの学生が食事の時間にも訪問団と話をし、交流することができた。
歓迎会では、山口大学の邦楽部による演奏・有志による居合いのパフォーマンス・交流
学生による歌などで訪問団をお迎えし、非常に喜ばれた。
−153−
送別会では、各大学の学生による余興準備を事前に依頼し、発表してもらった。山口大
学の学生の余興としては、筆者のアイデア(筆者の趣味?)により、マツケンサンバを歌
って踊ることにした。事前に学生たちは、毎日歌と踊りの特訓をしていたが、筆者の予想
どおり当日は大ウケで送別会に参加した皆で盛り上がった。送別会の最後のセレモニーで
は皆で歌を歌い、そして全員で手をつなぎ一つになれたときは非常に感動的であった。
④
ホームステイ
前述のとおり当初は、全期間ホームステイすることを企画していたが、年末の非常に忙し
い時期であり、7泊引き受けてくださるホストファミリーを見つけるのが困難であるという
理由で、宿泊は湯田温泉のスーパーホテルを利用し、週末の2泊をホームステイにすること
にした。訪問団は7家庭にそれぞれ分かれてホームステイを体験した。やはり、訪問団の参
加者にとってこのホームステイは非常に忘れられない貴重な体験になったようである。
<おわりに:コーディネーターとして>
事前準備におけるプログラムの企画・2大学との連絡・教職員との連携・学生のコーディ
ネーション・資料作成から、プログラム実施中は、通訳・ツアーコンダクター・各プログラ
ムのコーディネーター・司会・日本語授業担当として、ほとんど全てにかかわった。学期中
でありこれらの準備及び実施を全て通常の授業をしながら行なったため、かなりハードであ
った。しかしながら、限られた時間であったがプログラム実施中3か国の学生が、イキイキ
として積極的に活動に参加し、親交を深め、どんどん変わっていく姿が見られた。学生だけ
でなく、教職員・ホストファミリーなど参加した皆が、本プログラムに参加して何か熱いも
のを感じた。交流というのは、交流活動を行なった後が大切なのです。これから、参加した
皆さんがどのように考え、行動していくのか?自分自身も含めて非常に楽しみである。
最後に、本プログラム実施のために様々なところでご協力くださいました参加者及び関係
者の方々に、誌面をお借りして厚く御礼申し上げます。皆様のおかげで3大学交流を成功す
ることができました。本当にどうもありがとうございました。
本プログラムの報告書を作成しましたので、詳細はそちらをご覧ください。
報告書についてのお問い合わせは門脇まで、お願いいたします。
kkaoru@yamaguchi-u.ac.jp
TEL:083-933-5987
−154−
<資料:プログラム概要>
12月17日(金)
午後
山口大学到着・オリテンテーション・歓迎会
12月18日(土)
午前
日本語1・各国
午後
ホームステイ
各大学紹介・昼食交流
12月19日(日)
終日
ホームステイ先でホストファミリーと過ごす
12月20日(月)
午前
山口市役所・山口県庁訪問
午後
マツダ防府工場見学・クラブ活動参加
−茶道体験−
12月21日(火)
午前
共通教育の授業参加・日本語2・昼食交流
午後
日本語3・余興練習・市内散策
12月22日(水)
午前
日本語4・宇部キャンパス
工学部での学生交流
午後
工学部研究室訪問・宇部キャンパスの学生とディスカッション
12月23日(木)
午前
空港へ・湯田温泉駅まで学生・教職員見送り
−155−
海外短期語学研修
(渡辺
淳一)
1.2004年度の海外短期語学研修では、下記の表のとおり、夏期に4大学、春期には3大学
に研修生を派遣した。
派遣先大学
2004・夏期
2005・春期
研修期間
参加学生数
引率者
リジャイナ大学
2004/8/5〜9/5
12
宮崎充保
ハワイ大学
2004/8/21〜9/10
24
今井新悟
仁荷大学
2004/8/8〜8/20
9
和田
韓国外国語大学
2004/7/12〜8/13
2
リジャイナ大学
2005/3/1〜3/31
26
宮崎充保
山東大学
2005/2/19〜3/11
8
渡辺淳一
学
2.引率
今年度、安全管理上の配慮から年度初めに予算処置を講じ、韓国外国語大学を除いた全ての
派遣に引率を付けることとなった。
引率者の任務は、
①往路の研修生の安全管理上のケア
②現地到着後、研修生がホストファミリーや研修プログラムにスムーズに入っていくこと
ができるよう必要に応じての相談やサポート
③受け入れ大学の受け入れ状況、プログラム内容の視察・確認
④受け入れ大学担当者との次回研修の打ち合わせ
等があった。
引率者は、国際センター教員がその任に当たることとしたが、仁荷大学については初習外国
語・韓国語担当の人文学部和田学講師にお願いした。引率者は渡航前の説明会・事前研修等に
出席し、プログラムに熟知しておくことが求められた。
引率は往路のみとし、引率者の引率日数は移動日を含めて、リジャイナ大学とハワイ大学の
場合は1週間、山東大学4日、仁荷大学3日であった。
韓国外国語大学については、研修参加学生には韓国を含めた海外への渡航歴があり、渡航の
プラン作成を研修の一部と捉え、渡航プランを派遣担当教員と十分に話し合い、現地到着後の
コンタクトパーソン(韓国外国語大学日本語講師:本学教員の紹介により派遣担当教員がコン
タクトして依頼)を現地にお願いした。その結果、学生自身で渡航することに安全管理上大き
な問題はないと判断して、引率は付けないことにした。
3.奨学金
前年度、大学教育センターはリジャイナ大学派遣に限り4名の参加者に奨学金を贈呈したが、
大学教育センターの奨学金はその年度のみの処置であった。国際センターは、奨学金支給を制
−156−
度として毎年実施できないかを検討し、奨学金の財源として山口大学教育研究後援財団の「学
生の海外派遣等助成事業」に申請することとした。平成16年度の申請が認められ、平成16年度
は対象をリジャイナ大学とハワイ大学に広げ奨学金を贈呈することができた。
∏
奨学金受給者
リジャイナ大学夏期−3名、
リジャイナ大学春期−5名
ハワイ大学−2名
π
奨学金額:一人5万円
∫
選抜の基準:研修の学習伸び率の高いものから選抜(研修機関が実施したプレテスト
とポストテストの結果による)
4.リジャイナ大学・夏期研修の報告
報告者:宮崎
充保
引率期間:2004年8月5日〜12日
4.1
引率期間中の日程
【第1日目】
・空港到着後、出迎えのホストファミリーと滞在先へ。
【第2日目】
・9−10時
山口大学特別プログラムスタッフの紹介と挨拶
引率者挨拶(都留文科大学と合同)
・その後
プログラムオリエンテーションに参加
・夕刻
都留文科大学の学生のホストファミリー訪問
【第3日目】
・バッファローデイ
学生は夕刻からバッファローガーデンへCPの引率で出かける
【第4日目】
・夕刻
Wendy McClean(大橋望)Heather Young(岡本拓也)宅を訪問
【第5日目】
・午前中 ESLレギュラープログラム(030、040、050)授業参観
・午後
本プログラムの会話セッション参観
【第6日目】
・午前中 本プログラムの授業参観(グレード別)
・11.15
4.2
ESLヘッドLiliana Dominguezと懇談、後、会食
本プログラムの特色
・ホームステイを含み、ESL研修と現地の生活に溶け込む(多文化主義)4週間のプログラ
ムである。ホストファミリーは事前に大学が家庭訪問をして審査を受け資格を付与されて
いる。
−157−
・インストラクターは必ずしも英語を母国語とする人材ではない。それは2つの理由による。
①国際英語(International English)として、カナダの多文化主義のなかに組み込まれてい
て、訛りのない英語が正統な英語だとはもはや考えられていない。
②IEをネイティヴ並みに使用することができて、教授法が優れていて効率的・効果的な授
業ができるならば、インストラクターとしての資格が十分にあると見なされる。たとえ
ば、本プログラムの中級を担当しているインストラクターは、中国人である。
・リジャイナ大学生のCP(会話パートナー、2人の参加者に対して1人つく)も、ネイテ
ィヴ並みのコミュニケーション能力があれば採用されている。カナダ人、トルコ人などの
CPが採用されていた。
(このCPには相当の費用を掛けているそうである)
・本プログラムに専念するスタッフの連携は強い。また、このことは、ESLのヘッドの職員
の評価にもつながる。
・プレテストで、リスニングとスピーキングの能力を測定し、両方のスコアの高い順に能力
別クラスに編入される。1クラス12〜14名。その結果は、到着後の月曜日の朝までには発
表があり、それにしたがって参加者はクラスに参加する。今回は、グレードの高いほうか
ら、Special Class(担当者 Simone Hengen 14名、うち山大生3名)、Lovely Class(担当者
Lily Wang 12名、うち山大生3名)、Super Class(担当者 Sandy Johnson 12名、うち山大生
6名)に分けられている。
・以上のプレテストを基にして、本プログラムの評価は、リスニングに関してPost-Preの伸
び率が示される。それに加え、Classwork (30), Presentation (25), Participation (15), Journal
(15), Final Exam (15)の100ポイントで行われる。
・自己表現能力を大切にするプログラムであり、Presentationの評価比率は高く、これは3週
間かけて、CPの協力、ホストファミリーの協力を得て、研修期間の最後の週に20分程度、
カナダに関する自由リサーチのプレゼンテーションが必須の課題となっている。
・勉学上・生活上の担当者の連絡先はすべて参加者には公開される。
・学習に関する一切は、他の情報を含めて全員にバインダーによって配布されていて、逐次
それに綴じこむようになっている。
4.3 山口大学からの今回・今後の学生派遣について
・16人以上の派遣をすると1600カナダドルの奨学金がついて、1人100ドル近くは安くなっ
たかも知れないが、国際センターができて、新しいやり方での応募をしたので、その新し
さにスタッフも学生もうまくなじまなかった。しかし、反省改良点もそのために多く、そ
れをもとに次回からの派遣にはもっと支援できるであろう。
・リジャイナ大学では、できるだけ春のプログラムに多く参加していただきたいという要望
があった。夏は航空運賃の関係で経費がかさむ上に、参加者が多く、ホストファミリーも
不足、CP(特に優れた)も不足がちだと言われている。
・ESLのヘッドとの協議で、実施は山口大学の前期学期試験に重ならないように計画をお願
いした。
・派遣学生は増大させたいが、その方策について、アジア担当のコーディネーターと協議す
るはずであったが、プログラムが始まるとさまざまな校務をコーディネーターは抱えてい
−158−
てその時間がとれなかった。
・センター長のMarilyn Millerとの会見は、彼女が夏期休暇中のために実現しなかった。
4.4
所感
・このプログラムは2001年の春から2002年の春まで個人的に世話をし、また、1997年にはリ
ジャイナ大学ESLのホームステイを含めて1つのプログラムにしているのを目の当たりに
し、また、授業にも参加あるいはインストラクターと共同して授業もしたことがあるので、
まず、危機管理の点からかなり安心できる、目のよく行き届いたプログラムであると評価
している。これには、リジャイナというカナダの田舎にある大学で、そこの住人は人情が
厚く、勉強以外に熱中するものもあまりない。土地柄も他と比較するとずっと安全である。
少なくとも大学関係者を見ると4時半までの勤務時間を終えるとすぐに帰宅して、残りの
時間は家庭生活を愉しむ。
・今回の参加者は現地のコーディネーターの言葉を借りると、積極的に本プログラムに取り
組んでいる印象を持っている。私の印象からも、滞在中は朝の登校時にはできるだけ本学
の学生の登校状況を見た。現地では、すべて英語でやりとりをした。
5.ハワイ大学マノア校・夏期研修の報告
報告者:今井新悟
5.1
はじめに
2004年8月21日から9月10日までの3週間、University of Hawaii at Manoa, Outreach Collegeの
Special English Programに本学学生24名を派遣した。(さらに、本学事務職員1名が海外研修と
して参加した。)午前中は英語のレッスン、午後は各種活動を通して生きた英語の研修を行っ
た。また、全日程ホームステイとし、実際にアメリカの家庭で暮らしながら、コミュニケーシ
ョン能力の向上に努めた。実際の状況に身を置いて、コミュニケーションを図ることによって、
英語に慣れ、異文化を理解し、バランスのとれた国際感覚を身に着けることができると期待し
ている。国際センターがハワイ大学への申し込み、ホームステイのアレンジ、現地への引率な
ど、トータルにサポートした。これにより、参加者は安心して、勉学に励み、滞在を楽しむこ
とができたと思われる。
5.2
Special English Program概要
Special English Programは、グループ用にオーダーメードで実施できる、会話中心のコースで
ある。授業は午前8:30〜12:00に行われる。その他各種アクティビティーが含まれる。各種
アクティビティー、オリエンテーション、卒業式などを除くと、週16時間の授業がある。この
時間数は、短期ビザなし滞在の、最大時間数に相当し、これ以上の時間の授業を受けるために
は、I-20とそれによるF1ビザの取得が必要になる。
オリエンテーションにひき続き、リスニングとオーラル・インタビューによるプレースメン
トテストにより、レベル分けを行う。
授業は、レベルごとに最大15名のクラスに分かれて授業を受ける。授業はコミュニカティ
−159−
ブ・アプローチを機軸とし、ロールプレー、アクティビティーをふんだんに取り入れた、学習
者参加型の授業形態である。言葉のみならず、異文化理解教育も行う。毎日、授業の後半には、
TAが受講者2名に対して1名の割合でつく。これによって、会話練習の機会を格段に増やし
ている。
授業は基本的に午前中で終了する。午後にアクティビティーがある場合は参加できるが、こ
れは任意参加である。授業以外の時間をどのように過ごすかが、短期語学留学の成功・失敗の
カギを握っている。観察していると、日本人同士でグループとなって、ワイキキに買い物や遊
びに繰り出す日本人学生も多い。これでは、英語学習の効果は半減する。
コース修了後にStudent Evaluationが行われる。プレースメントテストとポストテストの伸び
率、クラスで英語だけを使ったか、クラスへの参加度、準備の程度、及び出席率により評価さ
れ、それに基づいてCertificateが授与される。
5.3 引率者の要請・責任・危機管理
Outreach collegeでは「インターナショナル・プログラム参加に関する諸事項」の中に以下の
ような一節を明記し、引率者が同行することを求めている。
「参加者の健康状態や金銭面の管理、細かい生活面での指導が必要とされることを考
慮し(長期間のプログラムの場合は特に)原則として、引率者(先生方等)の常時同行
をお願いしております。また、弊方企画のプログラム以外の時間帯には、当大学では参
加者の行動は管理していません(中略)なお、期間中にけがや病気をなさった場合には、
当大学では個別の対応はできかねますので、引率者に参加者の健康管理をお願いしてお
ります。」
米国は完全な契約社会である。契約にないことには、一切責任を持たない。山口大学として
も危機管理の観点から、けが、病気、損害賠償などの個々のケースに対し、責任の範囲と対応
の仕方を明文化し、留学に関しては、参加者および保護者との間で免責事項について契約書を
交わす必要がある。
5.4 宿舎
短期海外語学留学を成功させるためには、ホームステイをしなくてはいけないと強く主張し
たい。学生寮はキャンパス内にあり、便利で快適であろう。しかし、テレビを見て一人で午
後・夕方を過ごすしかなく、英語研修の目的からすれば不向きである。授業以外の時間の要に
なるのが、ホームステイである。
良質のホームステイ先の確保は、良質のホームステイ業者を選定することから始まる。本学
の学生にとっては、今後海外旅行に行くことはあっても、数週間にわたる海外でのホームステ
イは一生に1回のイベントになる可能性が高い。異文化に対する印象もこのホームステイによ
って決定的な影響を受ける。良質なホストファミリーの選定には慎重が上にも慎重が期される
とともに、業者との信頼関係の構築、そして時には当方の要求を呑ませる交渉力も必要とされ
る。
キャンパスから歩いて通える距離にはホームステイは少ない。あっても1年以上の長期滞在
者に抑えられていることが多い。普通はバスで通学することになる。
−160−
日本人が思い描く、白人の夫婦に子供がいて、広い庭とプール付きの家というのは、現在の
ハワイでは珍しい。白人の人口比は3割程度でしかない。他は、ハワイのネイティブ、中華系、
日系、フィリピン系、他アジア系が多く、もちろん混血も進んでいる。共働きが普通で、また、
とくにホームステイ家庭ではシングルマザーも多い。ホームステイ家族は上記のステレオタイ
プの家族構成とは違う家族構成にこそ多い。離婚、子供の独立などで部屋が余っていることが
ホームステイを受け入れるきっかけになることが多いからだ。それでも、当方の要求項目を挙
げるべきである。その上で、交渉時にどれを妥協し、どれを妥協しないかを明らかにしていく
ことである。
今期は、夏休みに日本・韓国をはじめ多くの語学留学生がハワイにおしかけ、大学の寮に入
れない正規学生も出て、ハワイのニュースで取り上げられる問題となった。その影響で、本学
の学生のホームスティ先の確保にも苦労した。当初の原則としていた、ホームステイ先に日本
語を話せる者がいないこと、という原則を守り通すことができず、他の日本人の学生がいるホ
ームステイ先もあった。このような場合、ホームステイ先では、日本語は禁止という約束をす
ることになるが、不自然な環境といわざるを得ない。また、部屋も、普段であれば、物置とし
てつかっているであろう所を、急遽、部屋に充てて、多くのホームステイ希望者の需要に対応
していると思われる家庭もあった。このような状況であるたえめ、ホームステイの質は先の春
のプログラムと比較して、低下したと言わざるをえない。
5.5
直後アンケート
参加学生に帰国直後に、e-メールでアンケートを実施した。質問項目および回答選択肢は以
下の通りである。
∏
英語の授業のレベルはどうでしたか?
1簡単すぎる
π
2やや不満
5難しすぎる
3どちらとも言えない
4やや満足
5満足
2やや短い
3ちょうどよい
4やや長い
5長すぎる
ホームステイはどうでしたか?
1不満
º
4やや難しい
プログラム(3週間)の長さはどうでしたか?
1短すぎる
ª
3ちょうどよい
英語の授業の内容に満足しましたか?
1不満
∫
2やや簡単
2やや不満
3どちらとも言えない
4やや満足
5満足
このプログラムをほかの学生にも勧めますか?
1勧めない
2
あまり勧めたくない
3どちらとも言えない
4少し勧めたい
5強く勧める
参加者
25名(学生24名および職員1名)中、有効回答数は20であった。ただし、項目(4)
は職員1名がホームスティでなかったため回答数は19である。回答の結果は以下のとおりであ
る。
−161−
回答1
回答2
回答3
回答4
回答5
項目∏
1
10
8
1
0
項目π
0
3
4
8
5
項目∫
4
7
9
0
0
項目ª
0
4
2
1
12
項目º
0
0
1
11
8
単位(人)
この結果から読取れることは以下の通りである。
レベルがやや簡単すぎた。これは、今回のプログラムが本学の参加者のために用意されたも
ので、人数の関係から、レベルを2つに分けたことにより、能力の高い学生には、レベルがあ
っていないということがあったと考えられる。それでも、授業の内容にはほぼ満足しているよ
うである。
3週間の期間は短いと感じているようである。
ホームステイにおおむね満足しているものの、不満を持っていた参加者がいたことがわかる。
ホームステイこそ、プログラムの核となるべきであるが、大変残念である。この原因は先に述
べた通りである。
「このプログラムをほかの学生にも勧めますか」という質問に対し、誰ひとり否定的な回答
をしていないことから、改善すべき点はあるものの、本プログラムは満足度の高いものである
といえよう。
5.6 所感
今回の参加者の一部は、今回の派遣をきっかけとし、今後1年間の留学をも考え始めている。
今回の派遣が芽となり、その後の学生の海外への積極的な雄飛へとつながってくれれば、世話
をした者としては望外の喜びである。
しかしながら、ハワイ大学と本学の大学間協定が今年度で終了した。現在のところ新たな協
定が締結される見込みもない。短期語学研修の派遣先は協定校に限るという学内規定があるた
め、ハワイ大学への派遣は今回が最後となる見込みである。過去2回の実施で、先方との関係
も強化された。問題点も見えてきており、それを改善して、より満足度の高いプログラムにで
きる見通しもついている。また、参加学生が、1回目が4名、2回目が24名と急増している人
気プログラムであることなどを思えば、このプログラムが中止されることはいかにも惜しいこ
とである。
6.仁荷大学
報告者:和田学
引率機関:2004年8月9日〜11日
今回が第1回となる仁荷大学短期語学研修は8月9日から21日にかけて実施された。後掲資
料の表に見るとおり、韓国語の授業を中心に、韓国文化特に伝統的な韓国文化についての講義、
−162−
一方で、放送局(KBS)のスタジオ見学、自動車工場(大宇)の見学、ソウル観光など、現代
の韓国に触れることのできるプログラムも含まれており、多方面に渡って韓国を体験できるプ
ログラムであった。
このプログラムには授業外の学習活動の援助としてConversation Partnerもつき、また、1泊
2日のホームステイもあり、また、宿泊は仁荷大学の寄宿舎であったため、様々な年代、階層
の韓国人と直接触れ合う機会を多く持つことができた。
引率者は、8月11日に帰国したため、全体の感想を書くことはできないが、参加者の意見は
概ね好評であった。以下にいくつかの意見を紹介する。
・大学の研修プログラムで韓国に行けた事に大変感謝している。語学だけでなく、文化
体験、観光、工場見学、放送局訪問、ホームステイなど2週間充実しており、あっと
いう間と感じるほど、楽しかった。今は一人でも韓国へ行けるという自信に満ちてい
る、韓国の独立記念日(日本の敗戦日)を韓国で(ホームステイ先)すごせたことも
貴重な機会であった。
・あらためて自分が日本人であること、また母国についてあまり知識がないこと、日本
で何不自由なく生活していること、日本語が通じる、などたくさん感じることができ
た。短い2週間であったものの、重みのある夏休みであった。
・仁荷大学の方々はとても親切で、プログラム以外も私たちが楽しめるように色々なと
ころに連れて行ってくれて(例えばカラオケ、美容室など)実際の韓国の学生の生活
を短い間に体験できました。
7.韓国外国語大学
本研修は、韓国外国語大学が韓国内外の「韓国学」の研究者を招聘し、韓国学の様々な分野
の講義を1ヶ月に亘って英語により行うInternational Summer Sessionである。受講者も韓国はも
とより世界中の国々から参加している。
すべての講義が英語で実施されるため、参加者には高い英語によるコミュニケーション能力
が求められる。ちなみに、TOEFLスコアでは530(CBT197)以上、TOEICスコアでは675以上
の能力が求められた。
本学には、協定校として特別の招待があり、TOEFLやTOEICのスコアも必ずしも求められる
以上の能力に達していなくても、韓国学研究への関心と熱意があれば参加を認めるとのオファ
ーがあった。さらに、参加者5名までは参加費のUS$1,800を免除するという特典が与えられた。
その結果、本学からの参加者は、US$600(登録料:US$50、アクティビティ費用:US$200、
寮費:US$350)の自己負担で研修に参加することができた。
7.1
プログラム
プログラムの詳細は後掲資料にあるが、月曜から木曜までは毎日午前2コマは韓国学の様々
な分野(韓国史:3講義、韓国芸術・文学:5講義、経済・ビジネス:4講義、政治・社会・
文化:10講義)の講義が開講され、受講生は自分の興味と関心のある分野から選択して受講す
る。午後は韓国語の授業が2コマ開講され、さらにクラスは韓国語のレベルによって初級、中
級、上級に分かれ、受講生は自分の能力に従って受講することになっている。
−163−
金曜日には、韓国文化体験、史跡や文化施設の見学等のプログラムが組まれている。
前述したように、本研修には引率はつかなかったので、引率者の報告に替わって、本学から
参加した2名の学生のうち一人の学生の報告・感想の一部を以下に参考のために掲載する。
7.3 研修参加者の報告・感想
私が特に楽しめたのは午前中の講義で、これはイギリスやドイツなどの国々から来られた韓
国研究の専門家である先生方がそれぞれの分野について英語で講義してくれるものでした。講
義は10人前後の少人数で行われ、日本とは違い、常にディスカッション形式で授業が進んでい
くため大変な衝撃を受けました。
参加者は韓国外国語大学校の学生だけではなく、私のように世界中から集まった学生で構成
されており、互いの国について語り合い、また一緒にショッピングや食事に行く等して国際交
流をすることができました。
私が今回のISSのプログラムに参加して一番の収穫だったのは、世界中の国の友達ができた
ことです。彼らとはプログラムが終わった今でもメールや手紙で自分達の近況について話をし、
また時には最近のニュース等について熱くディスカッションするなど、本当の意味で心から話
ができる友達になっています。(理学部4年江頭満彦君)
8.リジャイナ大学・春期研修の報告
報告者:宮崎充保
引率期間:2005年3月1日〜8日
8.1 引率期間中の日程
【第1日目】
・トロントを経由し4回のランディングを経たため深夜11時を過ぎてリジャイナ着、学生は
そのままホストファミリーの迎えを受けてホームステイ開始。12名の学生の荷物がトロン
ト空港から届かなかった。翌日、全員の荷物はホームステイファミリーに配送されて、事
なきを得た。
【第2日目】
・9:00−開講式、引率者も前に並び挨拶
・その後、学生は4クラス編成のクラス分けのためにリスニングとスピーキングのテスト
(成績、クラスについては別紙)、午後キャンパスツアー引率者は午後、前ESLヘッド(こ
のプログラムの創始者)Penthes Rubrechtへ弔問挨拶
・12:00−ESLヘッドLiliana Dominguezとプログラム参加校の引率者は協議しながら昼食
・14:00−外国語学部の日本語学科と山口大学での日本語集中講座の可能性について協議
(後出)
【第3日目】
・学生はレベル別クラスに分かれて授業開始
・9:30−4クラスの授業参観
・12:00−前Language Institute所長Dr. Andre Lalondeと昼食
−164−
・15:00−山口大学経済学部からの研修中の教員と同席で、ESLスタッフと懇親協議
・18:00−家庭訪問(村岡勇希のホストファミリーTerry & Linda Abadiano宅)
・22:00−ESLインストラクターBob Jarvis宅でESL教育について協議
【第4日目】
・14:30−アジア担当コーディネータ永井栄子氏宅で山口大学経済学部からの研修中の教員
と同席で懇親協議
・17:00−同メンバーと、ESLの夕食懇親会
【第5日目】
・10:00−ESLインストラクターRita Neschke氏とESL教育について協議
・17:30−家庭訪問(五位塚怜美のホストファミリーJason Olson宅)
【第6日目】
・授業参観
8.2
所感
・トロント経由ではリジャイナまでの所要時間がかかりすぎる。とりわけ、トロント空港は
乗り継ぎが慣れない学生には複雑なので、バンクーバーから直接リジャイナ入りを模索す
べきである。コーディネータの永井さんの意見では、カルガリーからの小型便にはグルー
プは分乗しても構わないとのこと。2グループに分けて、引率者は第1グループを送り、
第2グループとリジャイナ入りをすればよいだろう。リジャイナ空港には出迎えが来てい
るので、間違いは起こらないだろう。
・いずれにしても、旅行業者の旅行ルートの斡旋の仕方に注意すべきである。
・できれば休息が1日できるように1日早く送り出し、プログラム開始までの時間をとった
ほうがよいのではないだろうか。
・参加者の中からグループリーダーを2名選出したがよいのではないだろうか。参加者の中
から互選するのがよいだろう。引率者は事前にリーダーと打ち合わせをしておくのがよい
と言える。
9.山東大学・春期研修の報告
報告者:渡辺淳一
・引率期間:平成17年2月18日〜2月22日
9.1
引率期間中の日程
【第1日目】
・済南空港で張主任の出迎えがあり、学院の用意したバスでキャンパスへ
零下の気温で防寒の服装が十分でなかった学生は震えていた
・学院到着後簡単な説明があり、留学生用宿泊施設「留園」にチェックイン
部屋はトイレつきの2人部屋で、暖房施設も完備し学生も喜んでいた
・大学のホテル「山東大学学術交流中心」で夕食
−165−
【第2日目】
・学生の中国語能力判定のテスト(9:00〜9:40)
・テスト後教科書の購入、図書館、コンピューター室等の案内
・費用の支払い手続き
・当初研修期間は3週間ということで学生からはその分を徴収していたが、研修を3.5
週間にしたので、0.5週間分の費用の追加支払いを求められた。張主任を交えて話し
合ったが、最終的に学生も了承して追加支払いを行なった。
・史跡等の見学旅行については、交通費は大学が負担するが、入場料や食事代等は学生
に負担してもらいたいとの依頼が前もってあったが、それについては同意する旨回答
していた。
・学院は泰山と曲阜(孔子の生誕地)への見学旅行を計画していたが、学生の希望で曲
阜への見学旅行だけにすることとなり、その分の費用も支払った。
・山口大学より交換留学をしていた学生2名(人文学部生)を紹介され、研修生は2人の学
生の案内で寮内の洗濯施設・売店等を案内してもらい、学生食堂で昼食
・午後2時から2名の学生も加わって張先生の案内でバスにて東キャンパスを見学、その後、
町に出てスーパーマーケットで買い物。
・午後5時半からキャンパス近くのレストランにて開学式典と歓迎パーティーが行なわれ
た。
学院側出席者:周副院長、張主任、桂副主任、周教授、張副教授
【第3日目】
・午前:2名の交換留学生に案内されて市街見物
・午後2時から日本語による「中国概況と山東大学概況」の講義(張主任)
・引率者:寧学院長への表敬訪問。
夕食会(出席者:黄、姜両副院長、張主任、孫職員)
【第4日目】
・学生:中国語の授業開始
・引率者:張先生の案内により曲阜へ。
夕食会(出席者:劉国際処処長、孫国際処副処長、龍教育処副処長、劉国際処職員、
張主任)
【第5日目】
・午前10時半張主任に送られて済南空港に移動。12時20分済南空港を発つ。
9.2 所感
・総じて受け入れ先の対応は非常に手厚く、短い間の印象でしかないが学生達も非常に満
足し、よく整った学習環境が提供されていた。
・先方に着いて追加費用のことを知らされたが、次回以降の交渉では費用の点を明確にし
ておく必要があろう。
・見学旅行についても経費の負担を明確にしておかなければならない
・出発少し前に経費の負担を求められ承諾したが、どれだけの額になるかは知らされてい
−166−
なかった
・授業料、寮費等は現地で払い込むようにとの指示で、センターで計算し学生から徴収し
て、引率者が現金で持参した。今後は出発前に振込み等で支払う方式を検討してもらう
ことが必要。
・参加学生には前もって防寒用の衣服を十分に準備するように指導したが、2,3人の学
生は不十分で寒さに震えていた。滞在中最低気温が零下11度最高気温が零下3度という
日があった。今後の指導に注意したい。
・今回のプログラムには山東大学の学生との交流が組み込まれていなかったが、カンバセ
ーションパートナーとして中国人の学生をつけることを検討してもらえるよう交渉が望
まれる。
10.アンケート調査結果
夏と春の研修の後、この語のプログラムの改善のために参加学生全員を対象にアンケート調
査を実施している。以下に、16年度の春の研修のアンケートの結果を紹介する。
平成1
6年度夏期海外短期語学研修プログラム
参加者アンケート集計結果
1.あなたが研修に参加した大学はどの大学ですか?
1
2
3
4
研修先大学
リジャイナ大学
ハワイ大学
韓国外国語大学
仁荷大学
回答人数
10
14
1
7
参加人数
12
25
2
9
2.研修の授業について答えてください。
∏研修の授業は自分の能力に合っていましたか?
1
2
3
回
答
難しすぎた
ちょうど良かった
やさしすぎた
リジャイナ
0
9
1
ハワイ
0
12
2
韓国外国語
1
0
0
仁荷
3
3
1
ハワイ
1
9
4
韓国外国語
0
0
1
仁荷
1
5
1
π自分の語学力が上がったと思いますか?
1
2
3
回
答
とてもあがった
まあまああがった
あまりあがらなかった
リジャイナ
1
8
1
−167−
∫授業についてこうして欲しかったという希望がありますか。あったら書いてください。
・リジャイナ大学参加者
・どれも楽しかったです。
・特になし。
・先生の話すスピードはちょうどよかったし、内容もよかったが文法的な学習のとき、
その内容がかんたんすぎた。
・他のクラスの人と授業を一緒にすることが少なかったので、もう少し多くてもいい
と思った。
・ハワイ大学参加者
・エアコンの温度を上げて欲しかった。
・クラスが2つに分かれていたので先生をチェンジした授業がもっとあればよかった
と思う。もう一方のクラスとの合同授業があればよかったと思う。
・特にありません。
・発音の指導をしてほしかった。
・仁荷大学参加者
・ネイティブの先生で話しが分からないときがあった。もう少し日本語の分かる先生
の方が授業はスムーズに進む気がした。
・学年によって語学力に違いがあったので、もう少し人数がいたらレベル別にして欲
しかった。
・キムチを作る等、学校内での体験(文化的なもの)もあれば楽しいと思う。
・今回は人数が少なかったので仕方ないと思いますが、できればクラス分けをして能
力別にしてもらえればよかったです。授業が文法中心だったのでもう少し会話の勉
強がしたかったです。
・様々なレベルの人がいるから仕方ないと思うが、1年生の私にとっては授業が難し
すぎた。もう少し易しい内容にして欲しい。
・ありません。
・韓国外国語大学参加者
・回答なし
ª授業について特に良かったと思うことがあったら書いてください。
・リジャイナ大学参加者
・時に歌を使ったものを楽しみながら、発音練習出来ました。又、大学の日本語を勉
強している学生との交流もとても楽しかったです。
・1クラスの人数が12人と少人数だったのでよかった。
・分からないところがあって質問すると、先生はいつも丁寧に教えて下さいました。
カナダのことについても学べたのがよかった。
・自分に合ったクラスやクラスの先生がとても優しかったこと。
・カナダの先住民の生活
・少人数で授業に参加しやすい環境だった。
・他のESLの人と話せたこと。
・いろんな人と交流ができてよかった。リジャイナ大学のESLのレギュラープログラ
ムの人たちなど。Activityが休日にもっとあったらよかったと思った。
−168−
・ハワイ大学参加者
・ハワイ文化の紹介、講義やフラレッスンなどとても興味深かった。ただの旅行では
出来ない体験だった。
・日本の他大学の学生と一緒にバス旅行ができたので楽しかったです。
・教室内の授業もよかったけど、教室外での活動もあったりして楽しかったです。
・UHの生徒にインタビューして、いろんな考えが聞けたこと。
・課外授業
・他大学のクラスと一緒に授業をしたり、遠足に行ったこと。
・先生がとてもアクティブな方で学校外にも連れて行ってくれてとてもよかったで
す。
・架空のマーケットを開いて、お互い英語で品物を取り引きする授業が楽しかった。
・英語を書く授業じゃなくて、話す授業だったこと。
・クラスの人たちと仲良くなれた。
・現地の学生と話しをする機会を授業で作ってくれたこと。
・担任の先生がとても良かった。生徒のことを第1に考えて下さっているという意欲
が伝わり、こちらのやる気も倍増した。また日本と違い、ほめてやる気を出させる
という方針が新鮮だった。
・英語でハワイ大学の学生にインタビューするのは勉強になった。
・仁荷大学参加者
・ネイティブの先生だったこと。
・教科書で学んだことが、すぐに使えた。韓国文化・料理、音楽を通しての勉強。
・先生が英語を使って説明してくれたりして、分かりやすかった。レベルの高い授業
でしたが、難しくてついていけないということはなかったです。先生達が親切かつ
楽しい授業をしてくれました。
・やはりすべてが韓国語で進められるということで、最後の方は耳が慣れたような気
がします。特に先生の熱意のある大きな声は刺激的でした。テンションが高く、楽
しかったです。
・文法の他に韓国で人気の曲を歌ったり、とても工夫された授業でした。先生がとて
も親切で丁寧に教えてくださったので、とても分かりやすかったです。
・韓国人の先生に授業をしていただいたこと。
・歌を聞いたり、歌ったり、スライドを使った授業は楽しかったです。
・韓国外国語大学参加者
・担当の先生が理解しやすいようにいろいろ気にかけて下さり、時には韓国語も交え
ての会話ができたので、理解の助けになった。
º授業について特に良くなかったと思うことがあったら書いて下さい。
・リジャイナ大学参加者
・特になし
・ハワイ大学参加者
・日本語を話す学生がいた。1人でもいるとクラス全体の雰囲気が変わってしまう。
・休み時間とかにちょっと日本語を話してしまった。
・特になし
・仁荷大学参加者
・特になし
・特にありませんが、教材が少し多いと思った。2冊もあったので。
−169−
・韓国外国語大学参加者
・自分の語学的な問題。
Ωパソコンは自由に使えましたか?
回
1
2
答
はい
いいえ
リジャイナ
9
1
ハワイ
13
1
韓国外国語
1
0
仁荷
6
1
ハワイ
11
2
韓国外国語
1
0
仁荷
2
5
æ日本語でメールを打つことができましたか?
回
1
2
答
はい
いいえ
リジャイナ
10
0
3.その大学の学生パートナーもしくはチューターについて答えてください。
∏パートナーもしくはチューターがつきましたか?
回
1
2
答
はい
いいえ
リジャイナ
10
0
ハワイ
3
11
韓国外国語
1
0
仁荷
4
3
仁荷大では3人に1人。
πパートナーが付いた人は答えてください。あなたのパートナーはどうでしたか?
1
2
3
回
答
とてもよかった
まあまあだった
あまりよくなかった
リジャイナ
9
1
0
ハワイ
2
1
0
韓国外国語
1
0
0
仁荷
4
0
0
∫「よくなかった」と答えた人は答えてください。「よくなかった」のはどうしてですか?
該当なし
4.授業以外のプログラムについて
∏授業以外のアクティビティがプログラムに十分組み込まれていましたか?
1
2
3
回
答
はい、十分だった
まあまあだった
十分とはいえない
リジャイナ
9
1
0
ハワイ
6
5
1
韓国外国語
0
1
0
仁荷
7
0
0
πアクティビティにこんなことを入れて欲しかったということはありますか?
回
1
2
はい
特にない
答
リジャイナ
3
7
−170−
ハワイ
4
10
韓国外国語
1
0
仁荷
4
3
∫上で「はい」と答えた人はどんなことを入れて欲しかったですか?具体的に書いてください。
・リジャイナ大学参加者
・カンバセーションパートナーとの交流はたくさんあったが、普通に大学に通ってい
る人たちとの交流は少なかったので、もう少し交流できる時があったらよかった。
・ナイヤガラの滝に行きたかった。
・カナダの大学生との交流
・ハワイ大学参加者
・ハワイでしかできないスポーツとかやってみたかったです。
・ハワイはバス移動だけでは時間の都合などで行けない場所もあったので、アクティ
ビティで連れていってくれたらよかったなぁと思う。
・マリンスポーツを体験するアクティビティや地域の人たちとの交流会、ハワイの料
理を作ったりするのがあってもよいのでは?と思います。
・もっとフラがやりたかった。現地学生とのインタビューだけでなく、もっと深い交
流がしたかった。
・仁荷大学参加者
・ソウル観光のときにバスのタイムロスがショックでした。プログラム通りに進まな
いことがあった。スケジュールがきちきちに組まれていた。
・チマチョゴリを着たかった。釜山や遠くにも行きたかった。
・今回は期間が短かったということもあったのですが、もう少しいろいろな歴史的な
場所を見てみたかったです。あと、ホームステイの期間を長くしてほしいです。
・韓国外国語大学参加者
・事前の準備を確実にしてもらえれば、さらに充実したものになったと思う。アクテ
ィビティの前日まで参加の変更受付があったので予約できなかったり、キャンセル
になるものも多かった。項目の種類は豊富だった。
5.ホストファミリーについて答えてください。
∏ホストファミリー滞在は良かったですか?
1
2
3
回
答
とてもよかった
まあまあだった
あまりよくなかった
リジャイナ
8
2
0
ハワイ
9
2
3
韓国外国語
仁荷
6
1
0
π特に良かったと思うことがあったら書いてください。
・リジャイナ大学参加者
・本当に性格も生活スタイルも非常に合ったホストファミリーでした。大家族だった
こともとてもよい経験でした。
・カナダ人の生活文化に触れることができたため。
・私のホストファミリーはほんとに優しく、いつも一緒に話したり、ゲームをしたり、
テレビを見たりしていました。出かけるときにはついて行っていたのでホストの友
達とも会うことができてよかったです。
・ごはんがおいしかった。とても聞き取りやすい英語をはなしてくれた。
・日本のアニメを一緒に見たこと。
・大変フレンドリーだった。
・キャンプに連れて行ってくれた。
・フットボールを見に連れてってくれたことがとても楽しかった。料理がおいしかっ
た。宿題やプレゼンにも協力的でとても助かった。
−171−
・ハワイ大学参加者
・食事がきちんと作ってもらえたこと。
・パーティに一緒に連れていってもらって、いろんな人と話せたこと。日本語が通じ
たこと。(よくなかったことでもありますが・・)ストレスがたまらなくてよかっ
た。子供と遊べて楽しかった。
・パーティへ行った。ホストマザーが細かく気を配ってくれた。
・一緒に犬の散歩に行って、会話する機会がたくさんあった。毎日映画を見てヒアリ
ングが少しだけ上達した。
・人柄もとても良く、親切だったこと。
・他に日本人のいない家庭で、英語の勉強になった。
・料理もとてもおいしいし、日本人や韓国人のハウスメイトもいて、一緒にいろいろ
なところにも行けたし、みんな親切だった。あと、学校までとても近かったのは良
かった。
・あかるかった。
・食事をきちんと用意してくれた点。休日を一緒に過ごしてくれた点。自分の意見を
取り入れてくれる点。
・家の人やその隣人に歓迎してもらえたのでよく話せた。
・仁荷大学参加者
・韓国の一般家庭の家の中の様子を知ることができた。家庭料理も食べれた。
・韓国の一般家庭に入り、家族の一員として接してくれたこと。日本のことを知らな
い小さな子供とコミュニケーションがとれたこと。あるおじさんの誕生日パーティ
に参加して、韓国人の慣習にもふれたこと。
・韓国の家庭に触れることができた。伝統的な文化を教えてもらった。同じ年の子が
いてすごく仲良しになれた。
・娘さんが同年代であり、また日本語が話せないのですべて英語で過ごしたのはおも
しろかった。家族の人は親切で、韓国の家庭がのぞけたような気がします。
・韓国の生活が体験できて良かったです。ホストファミリーがとても親切で英語と韓
国語で一生懸命接してくれたのでうれしかったです。
・韓国伝統の家庭料理を食べれたこと。
・寮での生活では感じられることがない、家庭の雰囲気を知ることができました。韓
国の民族衣装であるチマ・チョゴリを実際に着させてもらったことが一番印象に残
っています。
・韓国外国語大学参加者
該当なし
∫「あまりよくなかった」と答えた人は答えてください。「よくなかった」理由はなんでし
ょうか。
複数答えてもかまいません。
・リジャイナ大学参加者
該当なし
・ハワイ大学参加者
・もしかしたら普通なのかもしれません。私の場合、初めてのホームステイでとても
期待していたので期待はずれと言った方がいいかもしれません。干渉されなすぎて
ちょっとさびしかった。すごく慣れてる感じでした。忙しい人みたいでした。親切
ではありました。どっかいろいろ一緒にいったりしたかったです。
・夫婦が日本生まれで、日本の友人や家族の訪問が多かったから、日本語に囲まれた
環境だった。英語力をつけるには適していないと思いました。
−172−
・部屋は個室だったが、あきらかに物置部屋だった。ダブルベットがある別の個室に
は、先住のホストシスターがすでに使用していた。(男子学生)ほとんど1人で出
かけていた。
・あまり歓迎してくれなかったから。親切でなかったから。自分のことをあまり干渉
してくれなかった。ほったらかしというか、、、ある意味、本当の家族のようだった
ような気もするが、せっかくホームステイしているのに、寮に滞在しているようで
寂しかった。
・仁荷大学参加者
該当なし
・韓国外国語大学参加者
該当なし
6.寮に滞在した人にその寮について答えてください。
∏寮に滞在してよかったですか?
1
2
3
回
答
とてもよかった
まあまあだった
あまりよくなかった
リジャイナ
ハワイ
韓国外国語
0
1
0
仁荷
5
2
0
リジャイナ
ハワイ
韓国外国語
0
0
1
仁荷
2
4
1
リジャイナ
ハワイ
韓国外国語
なし
なし
なし
仁荷
0
6
1
リジャイナ
ハワイ
韓国外国語
仁荷
0
6
1
ハワイ
韓国外国語
1
0
仁荷
1
6
π寮の設備はどうでしたか?
1
2
3
回
答
とてもよかった
まあまあだった
あまりよくなかった
∫寮では食事が何度出されましたか?
1
2
3
回
朝食だけ
朝食と夕食
3食
答
ª寮の食事はどうでしたか?
1
2
3
回
答
とてもよかった
まあまあだった
あまりよくなかった
º寝具(シーツや毛布など)は提供されましたか?
回
1
2
答
リジャイナ
はい
いいえ
Ωその他気がついたことを書いてください。
・リジャイナ大学参加者
該当なし
−173−
・ハワイ大学参加者
該当なし
・仁荷大学参加者
・物がなくなった。いろいろ使い勝手が慣れない事があったが、それは国の違いだろ
うが、シャワーと風呂もあると良いなど、、、少しはあった。
・寮に入り他の学生と触れ合い、話し合ったこと。学生がどんなことを考えているの
か少し理解できた。知っている韓国語を使って話したり、発音を教えてくれたり、
勉強のサポートをしてくれた。
・シャワー用スリッパが必要。あとは特になし。
・寮生(韓国人)の方々がとても親切で、寮での生活が最高でした。学校の近くにあ
ることも便利でした。寮の守衛の男性が必要以上に触ってくるのは嫌でした。
・クーラーがなかったです。1年生の5人は韓国人と一緒の部屋でしたが、2年から
4年は2人ずつで日本人だけだったので、せっかくなので韓国人と一緒の部屋でも
良かったかなと思いました。
・韓国では、お風呂にはサンダルをはいて入るので、来年からは前もってサンダルを
準備して持っていったほうがいいと思いました。
・私は韓国人の学生2人と同じ部屋で、始めは言葉が通じず、本当に心細く不安でし
たが、なんとかして自分の意志を伝えようとしたことはとてもよい経験になりまし
た。
・韓国外国語大学参加者
・入居前には準備が整っておらず、入居してから何度も学校側に話をして、扇風機等
が支給される形だった。汚れた水が出るような部屋もあり、全体的に設備が悪かっ
た。最低、自由に使える電話くらいは置いてほしい。
7.滞在先と大学の往復について答えてください。
∏往復の交通手段は何でしたか?
回
1
2
3
4
答
徒歩
バス
自転車
その他
リジャイナ
ハワイ
韓国外国語
0
1
0
9
13
0
1
0
0
車1
車(行き)1
電車
π何分ぐらいかかりましたか?
・リジャイナ大学参加者
バス30〜60分、車10分、自転車15〜20分
・ハワイ大学参加者
バス10〜90分、徒歩10分
・仁荷大学参加者
徒歩1〜3分
・韓国外国語大学参加者
電車30分
−174−
仁荷
7
0
0
0
∫何か問題を感じましたか?
回
1
2
答
はい
いいえ
リジャイナ
2
8
ハワイ
3
11
韓国外国語
1
0
仁荷
0
7
ª問題を感じた人は、どんなところが問題でしたか?複数答えてもかまいません。
回
1
2
3
4
5
答
リジャイナ
遠かった
バスの本数が少なかった
バスが時間通り動いていない
交通渋滞がひどい
途中に危ないところがあった
1
ハワイ
2
2
1
韓国外国語
1
仁荷
6.その他何かあったら書いて下さい。
・リジャイナ大学参加者
・時刻表がうまくよみとれなかった。
・ハワイ大学参加者
・初めてのバス通学で楽しかった。確かに上記のような問題点はあったものの、バス
から見える景色とかバスの中での会話とか楽しめた。バスの運転手さんもとても親
切。1人こわい人に会ったが・・・。(←バスの中で出会ったおじいさんに「ごは
んを食べにうちに来ないか?」と誘われたり、話をしながらひざのあたりを触られ
たこともあったらしい。)
・交通費が高かった。3週間で100ドル近くかかった。
・韓国外国語大学参加者
・交通費が必要だという話を聞いていなかった。
8.引率・旅程について
∏山口と目的地間の旅程について何か問題がありましたか。あったら書いてください。
・リジャイナ大学参加者
・特になし
・乗り継ぎの時間が少なすぎた。
・飛行機の機内食が一番体をこわしました。自分の体調と相談しながら食べればよか
ったです。
・ハワイ大学参加者
・特になし
・台風のため、福岡から宇部に帰ってくる際、宇部線がとまってしまっていたこと。
・仁荷大学参加者
・山口大学から出発しても良いと思う。
・バスの運転が激しく、スリルがあってよかった。
・特になし
・韓国外国語大学参加者
該当なし
−175−
π引率が往路に同行しましたが、引率の同行についてどう思いますか。
1
2
3
回
答
あった方がよい
どちらでもよい
なくてもかまわない
リジャイナ
3
4
2
ハワイ
10
2
2
韓国外国語
仁荷
4
3
0
∫引率は研修先大学に数日しか滞在しませんでしたが、そのことについて答えてください。
1
2
3
回
答
数日でよい
もう少し長くいて欲しい
全期間いて欲しい
リジャイナ
10
0
0
ハワイ
10
2
2
韓国外国語
仁荷
7
0
0
ª帰路には引率が同行しませんでしたが、どう思いますか。
1
2
3
回
答
必要はない
同行したほうが良い
どちらでもよい
リジャイナ
7
0
3
ハワイ
7
3
4
韓国外国語
仁荷
5
0
2
リジャイナ
10
0
ハワイ
14
0
韓国外国語
0
1
仁荷
7
0
リジャイナ
8
2
0
ハワイ
9
5
0
韓国外国語
0
0
1
仁荷
7
0
0
9.受け入れ側の対応について
∏空港での出迎えはありましたか。
回
1
2
答
あった
なかった
π困ったときの対応はどうでしたか。
1
2
3
回
答
とてもよかった
まあまあだった
あまりよくなかった
○ハワイ大学参加者:学生のトラブルは、ホストマザーからコーディネーターに伝えられる。
コーディネーターとホストマザーは日本語が理解できず、学生は英語
でトラブルの内容をうまく伝えられないので、同行の職員(研修生)
が間に立つことになった。もし、そのような職員がいない場合の対処
方法について検討が必要ではないか?
○韓国外国語大学参加者:学校側ではなく、学生が対応することが多い。
∫受け入れ先の担当者は親切だと感じましたか。
1
2
3
回
答
とても親切だった
まあまあだった
あまり親切ではなかった
リジャイナ
7
2
0
ハワイ
10
3
1
韓国外国語
0
0
1
○韓国外国語大学:事務所に事情の把握をきちんとしている人がいなかった。
−176−
仁荷
7
0
0
10.出発前の説明会について
∏出発前の説明会は十分でしたか。
1
2
3
回
答
十分だった
まあまあだった
あまり十分ではなかった
リジャイナ
4
1
5
ハワイ
5
8
1
韓国外国語
0
1
0
仁荷
2
5
0
π「あまり十分ではなかった」と答えた人は答えてください。複数答えてもかまいません。
十分ではない理由は何ですか。
回
答
リジャイナ
説明会の案内は説明会の十
1
分前になされなかったから
聞きたい情報が得られなか
2
1
ったから
説明会に十分時間が取られ
3
ていなかったから
質問の時間が十分になかっ
4
たから
5.他にあったら具体的に書いてください。
ハワイ
韓国外国語
仁荷
1
・リジャイナ大学参加者
・説明会などの日程をもっと早くから教えてほしかった。授業があり出席できなかっ
たり、バイトを休まなければいけなかったり、昼でもぎりぎりまでしないでほしか
った。
・説明会自体がなかった(怒) 工学部学生
・説明会がなかった。 工学部学生
・持参する物についての情報がもっと欲しかった。経験者談を参考にしたかった。
・空港についてからどうなるかの説明がなかった。
・ハワイ大学参加者
・宇部での説明会が本学と同様に行われたらよかった。
・分からなくて、何を質問していいのかすら分からなかった。Hotmailアドレスを作
って行った方がいいとか、国際学生証を作っておいた方がいいとかを出発直前に知
ったので、もっと以前に教えてほしかった。
・仁荷大学参加者
・語学の勉強をもう少ししたかった。
・韓国外国語大学参加者
・私自身も情報収集などをもう少し主体的に積極的にするべきだった。
−177−
11.全体的に
∏語学力がついたこと以外にこの研修で得た収穫にはどんなものがありますか。複数答えて
もかまいません。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
回
答
リジャイナ
9
異文化体験
ホストファミリー、パート
9
ナーを含めた友人
異文化にタイする理解と寛
5
容さ
日本人としてのアイデン
3
ティティ
2
人の前で話すことへの自身
外国語で意思疎通をするこ
6
とへの自身
3
人種の違いを超えた友情
「外人」コンプレックスが
2
なくなったこと
一人で異文化の中でやって
2
いける自身
ハワイ
12
韓国外国語
1
仁荷
7
9
1
7
8
5
7
4
4
3
5
3
2
1
7
3
1
8
2
10.その他あったら書いてください。
・リジャイナ大学参加者
・勉強することに対するモチベーションの高さを留学生から、又多くの生徒やインス
トラクター、ホストファミリーから学びました。
・英語の大切さと難しさと話そうとすることの重要性。。。そしてなんとかなるという
こと! 海外は輝きを増す。
・外国に行って、日本と比べることも多かった。良い意味で日本には外国にも負けな
いすばらしい文化が多いことに気づいた。外国人が彼らの母国を愛するように私も
日本を好きになった。
・人の助けのありがたさや今までどれだけ助けてもらったかということが分かった。
・ハワイ大学参加者
・日本ではできない体験ができた。(サーフィン、ガンクラブ)
・レジャー施設その他訪れる場合が多くあり、大自然、絶景を体験することができ、
またショッピングなど観光地訪問もでき、充実した日々を過ごすことができた。
・仁荷大学参加者
・韓国人学生の勉強の熱心さにはおどろきました。見習いたいと思います。
πあなたは別の機会を作ってまた留学したいですか。
回
1
2
はい
いいえ
答
リジャイナ
9
1
ハワイ
14
0
韓国外国語
1
0
仁荷
7
0
ハワイ
2
12
韓国外国語
0
1
仁荷
3
5
∫次に行くとしたらどこに行きたいですか。
1
2
回 答
リジャイナ
6
同じ大学へ行きたい
4
今度は他の大学へ行ってみたい
−178−
ªどの大学、国に行きたいですか。
1
2
3
4
5
6
7
回
答
リジャイナ大学
ハワイ大学
韓国外国語大学
仁荷大学
山東大学
北京師範大学
エアランゲン大学
リジャイナ
6
1
1
ハワイ
9
2
2
2
1
2
3
韓国外国語
仁荷
2
1
3
1
1
12.今回の研修について上記の質問事項以外に何か参考になることがあったら書いてください。
今後の研修プログラムへの提案・提言でもかまいません。何でもかまいません。
・リジャイナ大学参加者
本当に最高の1ヶ月間でした。多くの人々に囲まれて、たくさんのことを学べたし、
体験できたと思います。特に、他の留学生やホストシスター、CPとは同学年で実際
に勉強している人々の側にいると、その人々の勉強に対するモチベーションの高さを
感じ、様々なことに対して積極的に行動することもできました。ホストファミリーも
とても私に合った人々で、「いつでも帰って来なさい」と言われ、本当にうれしく思
いました。信頼することのできる人々がたくさんリジャイナにも日本にもできたと思
います。
学校に行ったり、ホストと話をしたりと、毎日がとても充実していて1ヶ月はあっと
いう間でした。向こうでプレゼンテーションをしました。プレゼンテーションについ
ては行く前にはほとんど聞いていなかったのでびっくりしましたが、どうにかやりと
げることができました。事前に言われていれば少しは準備もしていったのにと思いま
したが、すべてを向こうでやることによって、自信にはつながりました。英語で発表
することは、めったにあることではないので、とてもよい経験になりました。
・ハワイ大学参加者
事前説明会で、滞在中の友人の作り方、現地で知り合った人とのつきあい方を注意す
べき。海外だと気が大きくなっているので異性と知り合って遊びに行ってしまうこと
もあると思う。自己責任として考えるのもいいが、一応は注意しておくべきと思う。
(同行研修職員)
会話の中で理解していないのに、理解したふりをしてしまうことがしばしばありまし
た。わからないことがあったらわかるまで聞くべきだと思います。また、自分から積
極的に話しかけることの大切さを実感しました。コミュニケーションをとろうという
姿勢が大切だと思いました。
楽しいプログラムでした。
すごく楽しかったです。
研修プログラムの案内のポスターをもっと積極的に色々な所に貼った方がいいと思
う。
困ったこと→体調をくずしました。なぜか2週目から腹の調子が悪くなった。なぜか
朝だけ痛くて、それで目覚めてトイレに行けば、まあおちつき、朝に正露丸飲んだら
その日は大丈夫だったが。3日目くらい続いた時はすごく不安になり、マザーに言っ
たら、ホームステイコーディネーターに連絡してくれて、あきこさん(研修職員)か
ら直接電話があって、ひどい時には行きなさいと、日本人医師のいる病院を紹介して
もらいました。ほんとにその時はおさわがせしました。自分が保険のことをあまり理
解していなかったのと、マザーが「卵じゃない?」と言っていたので、ちょっと様子
−179−
をみることにしました。確かに3日前から卵を食べ始めていたし、でも一緒にハムも
食べ始めていたからどっちが原因か分からずじまい。いや、どっちも原因じゃないか
もしれないけど。おかげでどっちも食べれなくなってしまって、ランチのサンドウィ
ッチの中身に困りました。結局、最後の日だけなんともなくなりました。ストレスだ
ったかもしれません。1週目は、日本人のホストシスターがいて、2週間目に帰って
しまったし。初めての海外だったし、とまどいもあったかも。次は体調をくずさずに
過ごしたい。うめぼしでも持って行こうかとひそかに思っています。
ハワイ大学での研修では、クラス分けのためのテストが得点の差が出にくいテストだ
ったと思います。クラスによって行う授業の内容に差がかなりあったと思うので、テ
ストの点がもっと反映されるようにすべきだと思いました。
初めての海外だったので不安もあったが、3週間毎日が新鮮で変化に富んでいて、と
ても充実したものだった。大学生の今でしかできない体験、今でしか感じることがで
きないものを多くの学生が体験できる機会があることは良いことだと思う。
・仁荷大学参加者
全体としてよかった。韓国の友人が出来、韓国人が親切なものも文化(特に食文化?)
も知れた。しかし、授業の印象がうすい。文法は日本でもできるから、会話や2週間
で使えるであろうフレーズなどが実践的だと思うし、日常が勉強と一環する。授業と
普段が分断していた。また、観光名所を見る前に歴史の事前学習、文化を教えるなど
にあてる方が良いと思う。2週間しかないのに、文法の勉強をするのはイミはあるの
か・・・実生活には生かせなかった。
大学の研修プログラムで韓国に行けたことに大変感謝している。語学だけでなく、文
化体験、観光、工場見学、放送局訪問、ホームステイなど2週間充実しており、あっ
という間と感じるほど、楽しかった。今は1人でも韓国へ行けるという自身に満ちて
いる。韓国の独立記念日(日本の敗戦日)を韓国で(ホームステイ先)過ごせたこと
も貴重な機会であった。そしてあらためて自分が日本人であること、また母国につい
てあまり知識がないこと、日本という何不自由なく生活していること、日本語が通じ
る・・・など、たくさん感じることができた。短い2週間ではあったものの、重みの
ある夏休みであった。
高校の時は韓国がハングルで文字を書くということも知らなかったのに、軽い気持ち
で参加出来たこのプログラムのおかげで、興味が倍増しました。本当にありがとうご
ざいました。やはり韓国へ留学するとしても、一定の英語が必要だということを痛感
しました。キムチが思いの他、辛く、次期参加者は胃腸薬を充分に持って行かれた方
が良いと感じます。
仁荷大学の方々はとても親切で、プログラム以外も私たちが楽しめるように色々な所
に連れて行ってくれて(例えばカラオケ、美容室など)実際の韓国の学生の生活を短
い間に体験できました。パートナーの人たちと接している時は日本語が多かったです
が、実際に使える韓国会話を教えてもらったり、政治や日韓、北朝鮮の問題について
お互いに意見交換しました。2週間という短い期間でしたが、とても内容の濃い時間
を過ごすことができました。本当にありがとうございました。
語学研修プログラムのことを知らない友達もいたので、もっとこのプログラムのこと
を積極的に宣伝したらいいのではないかと思います。
国際センター学務部留学生課
高田明子
平成16年11月10日
−180−
平成1
6年度春期海外短期語学研修プログラム
参加者アンケート集計結果
1.あなたが研修に参加した大学はどの大学ですか?
1
2
研修先大学
リジャイナ大学
山東大学
回答人数
24
6
参加人数
26
8
2.研修の授業について答えてください。
∏研修の授業は自分の能力に合っていましたか?
1
2
3
回
答
難しすぎた
ちょうど良かった
やさしすぎた
リジャイナ
0
23
1
山東
0
6
0
π自分の語学力が上がったと思いますか?
1
2
3
回
答
とてもあがった
まあまああがった
あまりあがらなかった
リジャイナ
7
15
2
山東
3
3
0
∫授業についてこうして欲しかったという希望がありますか。あったら書いてください。
・リジャイナ大学参加者
・カンバセーションパートナーとの活動。
・特になし。
・もっと会話や発音の練習をしたかった。
・もっと会話をする時間がほしかった。CPや先生たちとの会話をもっともっとした
かった。
・もう少し難しい内容をしてほしかった。もっと発音の練習をしてほしかった。
・十分よかったです。
・もっと授業をやってほしかった。
・もっと日本語厳禁を強くしてもよかったと思う。
・山東大学参加者
・なし。
・進度に合わせてのレベル分け、授業内容のレベル上げがもう少し成されていればと
思いました。
ª授業について特に良かったと思うことがあったら書いてください。
・リジャイナ大学参加者
・プレゼンテーション
・カナダの歴史背景など深く知ることができて非常に楽しめました。文法などを勉強
するよりも、よい勉強がこの1ヶ月でできたと思います。
・分かるまで教えてくれるとてもやさしい先生たちばかり。
・先生がいい!英語の発音がよかったし、聞き取りやすかった。あとは、
Conversation Sessionがよかった。
−181−
・カナダについての授業が多かったです。なぜカナダについてばかり勉強するのだろ
う?と思ったけど、自分が留学した国のことについて詳しくなれたので、今となっ
ては良かったなと思っています。
・レギュラーESLの学生との授業。
・1クラス18人の少人数制だったのですぐに全員と仲良くなれて、アットホームな和
やかな雰囲気で授業を行うことができた。
・「Hot seat」という質問コーナーがよかった。
・話す機会が与えてあったこと、楽しかった。
・自分の意見を話す機会がたくさんあった。
・英語でカナダの歴史が学べてすばらしかった。
・先生にホームステイの生活を話すことがおもしろかった。
・先生
・毎日発言する機会があったのが良かった。少人数クラス(20人弱)だったので話し
易かったし仲良くなれたのも良かった。
・特にというより、全般的によかった。Hot seat
・すべて英語の授業だったので、聞き取りの力がついたので良かった。
・先生だけでなく生徒もいっしょに授業を作っていっている感じがしてとても良かっ
た。みんなが積極的に授業に参加できる環境だった。
・カナダの文化やインディアンや農業、都市名などについて学習できたこと。
・先生がとても良かった。親しみやすい先生方だった。
・カナダの事について多く知ることができた。
・山東大学参加者
・全ての中国語で行われたこと。少人数だったこと。
・基礎、会話の2種の授業があったのですが、会話の先生は皆、自然で分かりやすい
中国語を授業外でも話してくれたので自信がつきました。
・中国語しか使われないのですぐに耳が慣れた。街や飲食店でもすぐに使えるような
実践的な構文から教わったので街に出るのが恐くなかった。
・授業が全て中国語で行われるところ。(先生が日本語を話せない中国人であったこ
と)
º授業について特に良くなかったと思うことがあったら書いて下さい。
・リジャイナ大学参加者
・特になし
・visit a schoolのための準備時間が十分すぎて、後半の授業は少しだらけてしまった
のが残念です。
・ひとつひとつの項目に時間をかけすぎていたような気がした。(自分のクラスが)
・時間が正確に決まってなかった。いつになったら休憩なのか分からなかった。
・時々、日本語、韓国語をしゃべる人がいたこと。
・どーしても日本語がつい出てしまうこと。
・山東大学参加者
・基礎の方の授業では、あまりに先生の話し方が遅すぎました。初心者ばかりだった
ので、聞き取りやすい様にとの配慮は分かりましたが、レベルアップにはつながら
ないと感じました。内容的には個人の予習のみでカバーできそうでした。
・途中で研修生みたいな経験の浅そうな先生にかわって、スムーズに授業が進まず、
お互いにイライラして時間がとまってしまうことが何度もあり、その時間がもった
いなかった。
・日本での中国語学習経験(習熟度)の個人差が顕著に表れて、なかなか授業が進ま
ないことに苛立ちを感じることがあった。
−182−
Ωパソコンは自由に使えましたか?
回
1
2
答
はい
いいえ
リジャイナ
23
1
山東
4
2
æ日本語でメールを打つことができましたか?
回
1
2
答
はい
いいえ
リジャイナ
24
0
山東
5
1
3.その大学の学生パートナーもしくはチューターについて答えてください。
∏パートナーもしくはチューターがつきましたか?
回
1
2
答
はい
いいえ
リジャイナ
24
0
山東
1
5
πパートナーが付いた人は答えてください。あなたのパートナーはどうでしたか?
1
2
3
回
答
とてもよかった
まあまあだった
あまりよくなかった
リジャイナ
19
4
1
山東
1
0
0
∫「よくなかった」と答えた人は答えてください。「よくなかった」のはどうしてですか?
・親切ではなかったから。熱意がなかったから。疲れていた。
4.授業以外のプログラムについて
∏授業以外のアクティビティがプログラムに十分組み込まれていましたか?
1
2
3
回
答
はい、十分だった
まあまあだった
十分とはいえない
リジャイナ
20
4
0
山東
4
2
0
πアクティビティにこんなことを入れて欲しかったということはありますか?
回
1
2
はい
特にない
答
リジャイナ
7
17
山東
1
5
∫上で「はい」と答えた人はどんなことを入れて欲しかったですか?具体的に書いてください。
・リジャイナ大学参加者
・ホームステイファミリーと協力してやる運動会的なもの
・バスケとかテニスとかバレーなどのスポーツ系
・スキー
・Class別のアクティビティ(Super & Lucky, Natural & Kind)ばかりだったので、他
のクラスの人たちと触れあえるアクティビティもあればいいなと思いました。
−183−
・クラスの数が多く、クラス間のつながりが薄かったので、普通の暇をつくるよりも
何かを皆でしたほうが良いと思います。
・Pool, ビリヤード
・せっかくカナダに行ったのだから、リジャイナ以外での観光がしたかった。
・山東大学参加者
・北京見学も2泊くらいで入れてほしかった。
5.ホストファミリーについて答えてください。
∏ホストファミリー滞在は良かったですか?
1
2
3
回
答
とてもよかった
まあまあだった
あまりよくなかった
リジャイナ
22
1
1
山東
π特に良かったと思うことがあったら書いてください。
・リジャイナ大学参加者
・私を本当の家族として迎えてくれた。とてもフレンドリーでカインドリー。毎日が
楽しかった。
・話があった。気があった。親切。笑わせてくれた。笑ってくれた。
・規則などもなかったし、自由に生活できた。食べ物や飲み物がたくさんあって幸せ
だった。自分の部屋に机、ベット、テレビ、ステレオ、クローゼットなどが揃って
いた。
・家族と会話が出来ること。
・常にEnglishと接することができる。異文化の生活に直接触れることができる。もう
一つの家族ができた!
・ポトラックパーティ
・ホストファミリーは皆とても親切でフレンドリーだった。本当の家族の一員のよう
に接してくれた。
・おもしろくて、やさしかった。
・料理がおいしかった。やさしくて親切だった。
・毎日忙しい時も話に付き合ってくれました。毎日リビングでホストファザーと話を
することがこのプログラムで一番楽しかったです。
・They gave me many chance to talk with them in English.
・ネイティブのファミリーと過ごすことで生活習慣も知ることができてすごく良かっ
たと思う。Homestayできたことが一番良かったと思う。
・ファミリーのことを気にしすぎたりせずに、のびのびと自分の生活スタイルでやっ
ていける環境をファミリーが作ってくれたこと。
・Homestayが初めてだったから、すべてがいい経験だった。Funny & Kindだった。
・話すことによって、会話の練習になってよかった。
・みんなとても親切だった。
・とても親切で、自由な時間をたくさん持たせてくれたし、色々な所に連れて行って
くれた。料理が上手で毎日の食事がおいしかった。
・とても親切な方で気を使って下さった。
−184−
∫「あまりよくなかった」と答えた人は答えてください。「よくなかった」理由はなんで
しょうか。複数答えてもかまいません。
・リジャイナ大学参加者
・子供が人間離れしたパワフルさで困った。家が遠すぎた。犬がしつけされておらず、
四六時中吠える。
・宗教について話をしたのだが、ある程度興味はあったものの、イエスを信じるとか
信じないとかいう方面まで話しが及び、その辺りの話はあまりしたくなかったのだ
が、長々と話をしたのが辛かった。1,2回程なので、あまり気には留めてはいま
せんが・・・。
6.寮に滞在した人にその寮について答えてください。
∏寮に滞在してよかったですか?
1
2
3
回
答
とてもよかった
まあまあだった
あまりよくなかった
リジャイナ
山東
4
2
0
リジャイナ
山東
2
3
1
リジャイナ
山東
π寮の設備はどうでしたか?
1
2
3
回
答
とてもよかった
まあまあだった
あまりよくなかった
∫寮では食事が何度出されましたか?
回
1
2
3
答
朝食だけ
朝食と夕食
3食
なし
ª寮の食事はどうでしたか?
1
2
3
回
答
とてもよかった
まあまあだった
あまりよくなかった
リジャイナ
山東
º寝具(シーツや毛布など)は提供されましたか?
回
1
2
答
リジャイナ
はい
いいえ
−185−
山東
6
0
Ωその他気がついたことを書いてください。
・リジャイナ大学参加者
・インターネットにつなげると聞いていたので、ノートパソコンを持っていったのに
つなげなかった。
・今回はゲストルームだったので、インターネットが部屋で繋げませんでした。期待
していたよりも更に良いきれいな部屋だったので、意外でした。それに安かったで
す。
7.滞在先と大学の往復について答えてください。
∏往復の交通手段は何でしたか?
回
1
2
3
4
答
リジャイナ
1
21
1
車1
徒歩
バス
自転車
その他
山東
6
0
0
0
π何分ぐらいかかりましたか?
・リジャイナ大学参加者
バス10〜90分、車5〜10分、自転車10分、徒歩15分
・山東大学参加者
徒歩1〜5分
∫何か問題を感じましたか?
回
1
2
答
リジャイナ
5
19
はい
いいえ
山東
0
6
ª問題を感じた人は、どんなところが問題でしたか?複数答えてもかまいません。
回
1
2
3
4
5
答
リジャイナ
3
3
2
0
0
遠かった
バスの本数が少なかった
バスが時間通り動いていない
交通渋滞がひどい
途中に危ないところがあった
6.その他何かあったら書いて下さい。
・リジャイナ大学参加者
・終わりのバスが早い(夜7時)。乗り遅れると歩いて帰らないといけない(風邪を
ひいた)
・休みの日や夕方はバスの本数が少なかった。
・慣れるまで時間がかかった。
・最終バスが他の人よりも2時間以上早くて、自由な行動がとりづらかった。
・日曜日は特に本数が少なかった。
−186−
8.引率・旅程について
∏山口と目的地間の旅程について何か問題がありましたか。あったら書いてください。
・リジャイナ大学参加者
・飛行機の経路地に問題がある。行くときにバンクーバー→トロント→リジャイナと
いくのはかなり意味が分からない。(帰りも同じく)むだな移動が多いように感じ
た。
・わざわざ長距離の経路になった挙句、旅行会社の対応も良いとは言い難いものがあ
った。留学先の友人に尋ねたところ、K旅行会社の対応はとても良かったと思われ
ます。もし、可能であれば旅行会社の変更をお薦めます。
・帰国する際の飛行機の乗り継ぎ場所での時間に余裕がなかった点。
・問題はなかったが、乗り換えなどの接続が悪くてちょっと困りました。
・飛行時間が長く、現地に着いたのも夜11:00だったのが大変だった。
・It was the worst airline way. Too long time to spend time in flight.
・関空→バンクーバー→トロント→リジャイナは長すぎました。J旅行会社をやめた
ほうがいいと思います。
・バンクーバーからトロントまで行って、リジャイナに行ったこと。もっと空港での
時間が欲しかった。
・行きも帰りもよくなかった。いったんトロントまで行くのは時間とお金の無駄だと
思う。あと帰りも福岡空港じゃなくて宇部空港でよかったと思う。
・トロントを経由して行ったのが疲れた。帰りにバンクーバーとかに1泊したかった。
少しでいいから観光もしたい。
・帰路、他大学のように観光したかった。空港での乗り継ぎの時間が短かった。
・飛行ルートの無駄が多かった。J旅行会社のせいだとは思いますが・・・。
・全員無事にはぐれることなくリジャイナまで行けたけれど、バンクーバー〜トロン
ト間の時、移動時間が少なかったこともあり、個人で各自搭乗口まで行く事になっ
たのですが、途中ではぐれかけていた人たちがいたので少し危なかったです。
・山東大学参加者
・費用が高すぎるのではないかということ。
・行きは引率の先生がついて来てくれたので問題はなかったです。帰りは私ともう1
人3年の子が旅行慣れしていたので乗り継ぎ等に問題はなかったです。
π引率が往路に同行しましたが、引率の同行についてどう思いますか。
1
2
3
回
答
あった方がよい
どちらでもよい
なくてもかまわない
リジャイナ
12
10
2
山東
5
1
0
∫引率は研修先大学に数日しか滞在しませんでしたが、そのことについて答えてください。
1
2
3
回
答
数日でよい
もう少し長くいて欲しい
全期間いて欲しい
リジャイナ
22
1
1
山東
6
0
0
ª帰路には引率が同行しませんでしたが、どう思いますか。
1
2
3
回
答
必要はない
同行したほうが良い
どちらでもよい
リジャイナ
13
1
10
−187−
山東
4
0
2
9.受け入れ側の対応について
∏空港での出迎えはありましたか。
回
1
2
答
あった
なかった
リジャイナ
24
0
山東
6
0
リジャイナ
19
5
0
山東
4
2
0
π困ったときの対応はどうでしたか。
1
2
3
回
答
とてもよかった
まあまあだった
あまりよくなかった
∫受け入れ先の担当者は親切だと感じましたか。
1
2
3
回
答
とても親切だった
まあまあだった
あまり親切ではなかった
リジャイナ
20
4
0
山東
6
0
0
リジャイナ
5
9
5
山東
3
2
1
10.出発前の説明会について
∏出発前の説明会は十分でしたか。
1
2
3
回
答
十分だった
まあまあだった
あまり十分ではなかった
π「あまり十分ではなかった」と答えた人は答えてください。複数答えてもかまいません。
充分ではない理由は何ですか。
回
答
リジャイナ
説明会の案内は説明会の充
1
2
分前になされなかったから
聞きたい情報が得られなか
2
2
ったから
説明会に充分時間が取られ
3
3
ていなかったから
質問の時間が充分になかっ
4
1
たから
5.他にあったら具体的に書いてください。
山東
−
−
−
−
・リジャイナ大学参加者
・出発直前だったから、もう少し余裕が欲しい。
・持っていくものをもうちょっと詳しく知りたかった。
・予定表と異なっていたし、情報が手元にいたるまでに時間がかかりすぎているよう
に思われ、こちらで留学の準備をする際に充分な時間がなかった。
・直前まできちんと情報が届いていなかった気がする。飛行機やホストファミリーの
ことなど。
・もっと説明会は回数を増やした方がよいと思う。一緒に行くメンバーの顔と名前く
らいは事前に知っておいた方がいいと思う。
−188−
・山東大学参加者
・情報が不確かだった。
11.全体的に
∏語学力がついたこと以外にこの研修で得た収穫にはどんなものがありますか。複数答えて
もかまいません。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
回
答
リジャイナ
22
異文化体験
ホストファミリー、パート
21
ナーを含めた友人
異文化にタイする理解と寛
14
容さ
日本人としてのアイデン
8
ティティ
11
人の前で話すことへの自身
外国語で意思疎通をするこ
18
とへの自身
17
人種の違いを超えた友情
「外人」コンプレックスが
11
なくなったこと
一人で異文化の中でやって
8
いける自身
ハワイ
6
1
4
1
0
3
3
0
3
10.その他あったら書いてください。
・リジャイナ大学参加者
・レディファースト。美人と写真がとれた。カナディアンジョーク。初体験が多すぎ
た。大学とは勉強をするところだと改めて知らされた。
・こんなひどい事もあるという人生経験。
πあなたは別の機会を作ってまた留学したいですか。
回
1
2
答
はい
いいえ
リジャイナ
23
1
山東
5
1
∫次に行くとしたらどこに行きたいですか。
1
2
回
答
リジャイナ
16
同じ大学へ行きたい
11
今度は他の大学へ行ってみたい
山東
4
2
ªどの大学、国に行きたいですか。
1
2
3
4
5
6
回
答
リジャイナ大学
仁荷大学
韓国外国語大学
山東大学
ニューカッスル大学
エアランゲン大学
リジャイナ
16
1
1
山東
2
4
10
1
−189−
12.今回の研修について上記の質問事項以外に何か参考になることがあったら書いてください。
今後の研修プログラムへの提案・提言でもかまいません。何でもかまいません。
・リジャイナ大学参加者
私が参加したプログラムは最高だったと思う。毎日が充実していた。また行きたいけ
ど、留年しないといけないから、もっと交換留学生の枠を増やして欲しい。
往復の行程が長すぎたのが問題だったと思います。日本人アドバイザーはとても心強
い存在で安心して生活することができた。
このプログラムをもっと宣伝すべきだと思います。多くの学生が知らなすぎる。1ヶ
月で何か考えさせられるものを与えられる気がする。むしろそうだから、多くの人に
Homestayを体験させたほうがいいと思う。
日本人ばかりのグループでアクティビティがあったので、あまり英語での会話が進ま
なかったと思う。もう少し日本人の数を減らしてもいいと思う。いろんな国籍の人と
知り合う機会がすくなかったので、もう少し交流があってもよかったと思う。放課後
や週末のアクティビティが少し多すぎたので、ホストファミリーと過ごす時間が少な
かった。もう少しフリータイムが欲しかった。
この研修プログラムを通して、本当にすばらしい体験をすることができて、大変うれ
しく思う。是非より多くの人にこのすばらしさを知ってもらいたい。ただ1つ不十分
だったのは、事前の説明会だと思う。持っていったけど全く使わなかったものなどあ
ったので、持ち物に関する話をもっと事前に聞きたかった。実際に行った人から聞く
のが一番良いと思う。
今回のプログラムで私は多くの感動を得ることができました。CPの対応もすごく良
く、楽しみました。今後、このプログラムの問題が発生するとすれば、人数の問題だ
と思います。人数が増えれば増えるほど、1ヶ月でできあがる色々な関係が薄くなる
と思います。人数と比較して交流するアクティビティを増やす方が良いと思います。
私が今回の旅の中で一番楽しいと感じたことは人と話すことです。そこでネイティブ
の方と話す機会をプログラムとして作ると面白いと思います。今回は本当に色々とお
世話になり、どうもありがとうございました。引き続き、英語を話せるようになるた
め、がんばりたいと思います。
I had got many experiences from this course. Canada is a good country for not only English
studying but also knowing another culture. I think if there are more chances to go out for
studying , (cheap price →necessary) many students may be able to go out. And if there are
more time to talk with English conversation partner, this course would be better.
リジャイナ大学のShort Programはすごく良かったと思います。学校でもホームステイ
でも、1ヶ月間ずっと英語だけの生活を送る中で、英語のリスニング力もスピーキン
グ力もついたと思うし、何よりこれから英語をもっとしゃべりたい!!という意欲が沸
いた。将来についても真剣に考えたいというきっかけを与えてくれた。
向こうでは携帯電話が使えないので、友達との待ち合わせですれ違いがあったときに
対処できなかった。それと食事があまり合わなかったけど、おいしい日本食レストラ
ンがあったので、なんとか乗り切ることがえきた。それ以外は充実していて本当に忘
れられない思い出になったと思う。
充分すばらしいプログラムだったと思います。とても満足しています。
私がリジャイナに行って思ったことは意外に寒くはないということでした。私はスキ
ーウエアの上しか上着を持って行ってなくて、室内で着るには暑く、脱ぐと邪魔にな
るといった感じで、少しもてあましていました。キャンプに行くときなどはとても寒
いのでウエアのような服がいりますが、他の上着も一緒に持っていくことをおすすめ
します。おしゃれをすることが目的ではありませんが、天気のいい休みの日に買い物
に行った時、現地の人たちは薄着なのに、自分だけ厚着をしていて他の服も持ってき
ておけばよかったと少し後悔しました。あと、スーツケースの他のスポーツバッグの
ようなかばんも持っていくと便利だと思います。おみやげを買うと、どうしても荷物
−190−
が増えるので他のかばんがあると楽にパックできると思います。スポーツバッグをリ
ジャイナで買う人もいたので、もし持っていけば、その費用はおさえられます。荷物
の大きさは個人差がありますが、女子は荷物が大きくなりがちなのでスポーツバッグ
のような予備のかばんを持っていると、それをスーツケースと一緒に空港で預けられ
るので、機内の手荷物が軽くて快適です。あと、1つの荷物につき、重量制限がある
ので2つに分けるとよいと利点もあります。
・山東大学参加者
とても有意義で楽しい研修でした。中国に着いてから、滞在費が増えたり、曲阜など
に行く費用を別にださなくてはいけなくなったりして少し困りました。
研修プログラムに変更が多く、中には期待はずれのものもあった。研修プログラムに
ついて事前にもう少し詳しい情報が欲しかったです。
国際センター学務部留学生課
高田明子
平成17年6月3日
−191−
資料:1.ハワイ大学スケジュール
−192−
−193−
2.リジャイナ大学春期スケジュール
−194−
−195−
−196−
−197−
−198−
−199−
ホ−ムステイ
8月15日
日
8月10日
火
韓国文化3
韓国語6
韓国語5
月見島観光
8月17日
火
8月16日
月
韓国語1
到着
寄宿舎チェックイン
オリエンテーション キャンパスツアー
歓迎会
8月9日
月
放送局見学
ソウル観光
韓国文化4
自動車工場
見学
韓国語7
8月19日
木
江華島観光
韓国文化1
8月18日
水
韓国語3
8月12日
木
韓国語2
8月11日
水
自由時間
韓国語8
8月20日
金
韓国文化2
韓国語4
8月13日
金
帰国
寄宿舎
チェックアウト
8月21日
土
ホームステイ
8月14日
土
3.仁荷大学スケジュール
4.韓国外国語大学スケジュール
−200−
5.山東大学研修スケジュール
−201−
宇部高等高校との「高大連携(試行)」
(江
鐘偉・宮地
政利・今井
新悟)
1.目的
山口大学のエクステンションセンターと国際センターが宇部高等学校と高大連携事業とし
て、宇部高校の1年生を対象に、理系留学生が英語による総合的な学習の時間を使った「留学
生との英語による観察・実験コミュニケーション」授業を実施した。理系科目を英語を媒体と
して教えることにより、科目の内容のみならず、外国語によるコミュニケーションと異文化理
解の向上に貢献する目的で実施した。本年度は将来の本格的な高大連携へ発展させる礎として
の試行的企画であった。
2.日程
2004年9月6日−11月8日6回(6×100分)
3.内容
実施日:9/6∑
講
師:サイード・アブローン(イラン)
所
属:医学部
タイトル:タマネギの細胞分裂の観察
使用器具:酢酸オルセイン、顕微鏡観察セット、かみそり、ピンセット、タマネギを使って
実施日:9/13∑
講
師:タルカン・アクタス(トルコ)
所
属:工学部(研究生)
タイトル:Power Point を使って、バイオサイエンスの紹介
実施日:10/18∑
講
師:サイード・アブローン(イラン)
所
属:工学部(研究生)
タイトル:ヒトの血液の観察(赤血球、白血球など)
使用器具:ギムザ染色液、メタノール、メチレンブルー、顕微鏡観察セット
実施日:10/25∑
講
師:アラブシャヒ・アイード・アリレザ(イラン)
所
属:理工学研究科
タイトル:水性インクのクロマト、光学実験(ピンホールカメラ、光学レンズ)
使用器具:水性マジック(2,3色)、フェルトペン、ペーパークロマトグラフ、シャーレ、
スタンド、厚紙、アルミホイル、穴あけ用針、すかし紙、セロテープ、はさみ、光
−202−
学レンズ、光源、スクリーン
実施日:11/1∑
講
師:アラブシャヒ・アイード・アリレザ(イラン)
所
属:理工学研究科
タイトル:バネ係数、摩擦係数の変化を調べる実験
使用器具:つるまきバネ、おもり、スタンド、牽引用板、バネばかり
実施日:11/8∑
講
師:ワン・シュドン(中国)
所
属:理工学研究科
タイトル:中国と日本の比較文化、ホームページの作成
企画担当:
山口県立宇部高等学校:宮地政利
山口大学国際センター:江
鐘偉(工学部機械工学科兼国際センター主事)・
今井新悟(国際センター)
−203−
留学生授業アンケート
サイード・アブローン(イラン)さんの体細胞分裂の実験
−204−
タルカン・アクタスさんのバイオサイエンスの紹介
大学間学術交流協定
(国際企画課)
2004年度中締結の協定についての経緯
武漢理工大学
本学工学部と旧武漢工業大学との間の研究者交流がきっかけとなり、1993年4月29日、両者
の間に学術交流協定が締結された。2000年に、旧武漢工業大学は、旧武漢交通科技大学、旧武
漢自動車工業大学と合併し、武漢理工大学として総合大学に生まれ変わったため、既存の協定
を大学間交流協定へ発展させ、両大学のさらなる交流の推進を目指している。
国立慶尚大学校
本学理学部と国立慶尚大学校自然科学大学との間の研究者交流がきっかけとなり、1999年11
月26日、両者の間に、学部間の学術交流協定が締結された。2004年11月26日、既存の協定を大
学間学術交流協定に発展させ、両大学のさらなる交流の推進を目指している。
貴州大学
本学からの、国際協力銀行人材育成円借款を利用した、研修員受入、共同研究提案がきっか
けとなり、交流が発展。2005年3月25日に大学間学術交流協定を締結し、研究教育交流の強化
を目指している。
大学間学術協定一覧
大
学
名
山東大学
リジャイナ大学
オクラホマ大学
シェフィールド大学
仁荷大学校
カセサート大学
公州大学校
釜山大学校
ソンクラ王子大学
コンケン大学
チェンマイ大学
シーナカリンウイロット大学
エアランゲン・ニュルンベルク大学
ニューカッスル大学
韓国外国語大学
北京師範大学
武漢理工大学
国立慶尚大学校
貴州大学
国
名
中華人民共和国
カナダ
アメリカ合衆国
連合王国
大韓民国
タイ
大韓民国
大韓民国
タイ
タイ
タイ
タイ
ドイツ
オーストラリア
大韓民国
中華人民共和国
中華人民共和国
大韓民国
中華人民共和国
−205−
2005.3.31現在
締結年月日
1983. 6. 2
1996. 2. 7
1996. 2.19
1997.11.28
1998. 6.25
1998. 7. 3
1999. 3.15
2000. 4. 8
2001.10.29
2001.10.30
2001.10.31
2001.11. 1
2003. 3.17
2003. 8. 8
2003.12. 2
2004. 2. 9
2004. 5.20
2004.11.26
2005. 3.25
2
0
0
4年度
4月9日
4月12日
4月13日
4月24日
4月26日
5月7日
5月10日
5月11日
5月20日
6月10日
6月12日
6月29日
7月12日
7月14日
7月21日
7月23日
8月5日
8月9日
8月21日
8月29日
9月2日
9月8日
9月10日
9月17日
10月2日
10月7日
10月14日
10月16日
10月28日
11月9日
11月25日
12月2日
12月11日
12月17日
2月3日
2月9日
2月15日
2月18日
2月19日
3月1日
3月23日
3月24日
国際センター関連行事
留学生日本語能力テスト(宇部地区)
留学生日本語能力テスト(山口地区)
大学院予備教育開講式
新留学生研修会(〜25日、徳地)
大連大学代表団来訪
国際協力銀行(JBIC)と協力協定締結
短期語学研修プログラム説明会(山口地区)
短期語学研修プログラム説明会(宇部地区)
武漢理工大学代表団来訪(〜21日)
武漢理工大学と学術交流協定締結
中国・四国・九州地区留学生交流研究協議会(〜11日、鳥取)
2004海外留学フェア(日本学生支援機構主催・SCS受信)
全国国立大学留学生センター長及び留学生課長等合同会議(東京工業大学)
韓国外国語大学サマーセッション(〜8月13日、韓国)
日中学術交流奨励会理事会及び総会開催
山東大学学生海外研修訪日団来訪
日韓共同理工系学部留学生事業協議会(東京工業大学)
カナダ・リジャイナ大学夏期英語研修(〜9月5日)
仁荷大学韓国語研修(〜8月21日)
ハワイ大学夏期英語研修(〜9月10日)
外国人学生のための進学説明会(大坂)
外国人留学生企業見学会(中国経済産業局との共催)
地方入国管理局との情報交換会(山口大学)
2004日本留学フェア(〜12日、韓国:釜山、ソウル)
大学院予備教育修了式
日韓プログラム推進フェア(韓国慶熙大学校)
大学教育機構主催 国際環境協力シンポジウム開催(〜9日)
山口地域留学生交流推進会議運営委員会
新外国人留学生研修会(〜17日、徳地)
第5回国際交流委員会
国費(学部進学)留学生への大学進学説明会(〜10日、大阪外国語大学)
山口地域留学生交流推進会議総会
山口大学外国人留学生懇談会
第6回国際交流委員会
第1回外国人留学生見学旅行(〜12日)
山口大学と公州大学校・山東大学短期学生交流(〜23日)
第7回国際交流委員会
国際交流委員会宇部国際交流会館入居選考部会
国際交流委員会山口国際交流会館入居選考部会
山東大学短期中国語研修(〜3月13日)
第2回外国人留学生見学旅行(〜20日)
カナダ・ジジャイナ大学短期英語研修(〜4月1日)
第8回国際交流委員会
国費外国人留学生大学院予備教育・日韓共同理工系学部留学生予備教育修了式
−206−
−207−
計
合
費
私
費
県
遣
派
府
政
費
国
分
院生(博士)
院生(修士)
小計
学部学生
特別聴講学生
研究生
予備教育生
計
院生(博士)
院生(修士)
小計
学部学生
特別聴講学生
研究生
計
院生(博士)
院生(修士)
小計
学部学生
特別聴講学生
研究生
計
院生(博士)
院生(修士)
小計
学部学生
特別聴講学生
研究生
科目等履修生
特別研究学生
計
院生(博士)
院生(修士)
小計
学部学生
特別聴講学生
研究生
科目等履修生
特別研究学生
予備教育生
計
区
人
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0
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2
3
2
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0
0
0
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3
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0
0
0
1
1
1
男
文
教 育
経 済
理
医
工
農
東アジア
山口連獣
鳥取連農
国際センター 計(配置大学) 山連他大学
女 計 男 女 計 男 女 計 男 女 計 男 女 計 男 女 計 男 女 計 男 女 計 男 女 計 男 女 計 男 女 計 男 女 計 男 女 計
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0
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1
5
9
1 10
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1
4
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4 10
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9 35
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3 23
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6 27
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1
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2
2
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2
4
4
5
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0
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1
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0
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9 21 16 37
1
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1
1
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0
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0
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1
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7
2
9 10 13 23
2
3
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8
4 12
0
0
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1
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3
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3
0
0
0
13 21
5 14 19 37 37 74
7
5 12 11 13 24 73 28 101
7
4 11 10 13 23
2
3
5
8
4 12
3
0
3 171 134 305
8
4 12
外国人留学生在籍者数(平成17年3月1日現在)
計(基幹大学)
男 女 計
24
7 31
8
6 14
32 13 45
5
0
5
2
0
2
6
5 11
3
0
3
48 18 66
2
0
2
0
0
0
2
0
2
8
7 15
0
0
0
0
0
0
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7 17
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0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
2
3
1
2
3
37 30 67
36 33 69
73 63 136
24 17 41
10 13 23
5 13 18
0
0
0
0
1
1
112 107 219
63 37 100
44 39 83
107 76 183
37 24 61
12 13 25
12 20 32
0
0
0
0
1
1
3
0
3
171 134 305
「山口大学国際センター紀要」投稿規程
1.資格:投稿者は本学国際センター教官・職員および国際センター長が適格であると認めた
者とする。
2.内容:研究論文、報告、研究ノート。未発表のもの。*研究ノート:研究論文の体裁が整
っていないが、今後研究論文に発展する可能性のあるもの。
3.書式・分量:Microsoft Wordで、A4版に横書き40字×39行とする。余白は、上下左右と
もに、25mmとする。執筆言語は日本語または英語とする。フォントは、和文はMS明朝
10.5ポイント、数字は、1文字の場合は全角、2文字以上は半角とする。英文はTimes
New Roman10〜11ポイントとする。タイトル、執筆者名、本文の順に書く。分量は特に指
定しない。
4.参考文献記述の例:
∏
金水敏(1986)「連体修飾成分の機能」『松村明教授古希記念国語研究論集』明治書院
pp.602-624
π
Brown, Roger(1958) How Shall a Thing Be Called?
Psychological Review. Vol.65,
No.1, 14-21.
5.あて先:山口大学国際センター紀要編集委員会宛。
6.採用された論文等の著作権:山口大学国際センターに帰属する。掲載論文等を他の出版物
に転載したい場合などは、山口大学国際センターの許可を得ること。(原則として、申し
出があれば許可する。)
7.その他:原稿執筆の際には、タイトル行のフォントの大きさ、項目番号のつけ方等は日本
語教育学会『日本語教育』の体裁を参照すること。
以
−208−
上