2011年9月21日 ジャカルタ ジャパン クラブ 会 員 各 位 ジャカルタ

JJ
2011年9月21日
ジャカルタ ジャパン クラブ
会
員
各
位
ジャカルタ ジャパン クラブ
邦人安全対策連絡協議会
本協議会から、最近の治安状況等についてお知らせいたします。会員各位ならびにご家族、また関係のご出張者に
おかれましては治安状況等に十分ご留意いただき、掲載の事件・事故と同様の被害に遭われないようご注意、ご周
知ください。
*JJC邦人安全対策連絡協議会
TEL:315-0418(担当:事務局長 清水 力)
FAX:3192-5902
*在ジャカルタ総領事館
TEL:3192-4308
1. 最近の政治・治安情勢
・9/11から10周年を巡るテロ情勢
アメリカで同時多発テロが起きた2001年9月11日から10年が経ち、ニューヨークやワシントンなどで追悼
式が開催された。今年に入り米軍がオサマ・ビンラディンを殺害したこともあり、テロを敢行するアルカイダの能
力は大きく減じられたと報道される一方、これに対する報復テロや10周年ということで、テロ敢行の可能性が指
摘されてきた。アメリカにおいてはニューヨークあるいはワシントンでアメリカ国籍の人間を含む工作員が潜入し、
車両を使用したテロが敢行される情報に基づき厳重な警戒が敷かれてきたが、実際にテロは起こらなかった。イン
ドネシアでは、9/11から1周年の2002年にバリ島爆弾テロ事件が起きたが、アルカイダに関連したジュマ
イスラミアのメンバーが敢行したこともあり、この10周年に彼らの動向が注目されたが、結果として特異な事案
はなかった。その背景には、ここ10年の間、とりわけここ数年の間に主なテロリストが摘発あるいは殺害され、
国際的テロリストとの繋がりが薄くなってきたことと、国内指向のテロの傾向が見られるようになったことが大き
な流れとしてある。今年1月にパキスタンで逮捕され、8月にインドネシアへ移送されたウマル・パテック(バリ
島爆弾テロ事件で爆発物を調達した)は、逮捕後もアルカイダとの関連を引き続き模索していたと言われており、
インドネシアのテロリストが国際テロ組織との関係が無くなったと断言することはできない。今のところ把握しき
れない部分が多いことも事実であり、且つ10年が過ぎた、9月11日が過ぎたからといって10周年のテロはな
いと安心してよいわけでもなく、国際テロ組織との関連性も引き続きフォローしていかなければならないと考える。
・アンボンにおける暴動
9月11日(土)
、警察の発表によるとアンボンのバイクタクシー運転手が事故で亡くなったことに端を発し、この
事故死に不満を持つ住民が住居に火をつけたり投石するなど、暴動が発生した。さらに、これに反対する群衆によ
る住民抗争に発展し、今のところ3名が死亡、負傷者多数で瞬間的に被害が広がった。マルク州アンボンはキリス
ト教徒が多く住む地域であるがイスラム教徒もおり、宗教的な対立が長く続いてきた地域である。スハルト政権が
終了した99年以降にも「アンボン暴動」と呼ばれるものがずっとあり、2002年には地元の宗教関係者を交え
てマリノ協定が一旦合意されたが、その和平合意後も散発的に宗教暴動、あるいは宗教以外の住民対立が続いてい
る。今後の動向については、警察・治安当局が介入して事態は沈静化の方向にあるが、引き続き注視が必要である。
アンボン以外でもアチェやパプア等で州知事選が予定されており、アチェについては11月の予定だが、州議会、
政府間において色々な軋轢が生じていると伝えられている。パプア、西パプアについても州知事選、県知事選を巡
って対立が見られる。それ以外にも伝統的な自由、独立パプア運動といわれているような動きも散発的に引き続き
あるため、過去に大きな紛争があった地域において火種になりうる事案が見られる場合は、とりわけ注意し動向を
フォローしていかねばならない。
2.邦人に関わる最近の事件・事故報告
JJ
先月のラマダン、レバラン期間中に邦人に関わる事件・事故の報告はなかった。皆様方のご指導、ご協力に感謝申
しあげる。一方で日本からの旅行者が、ジャクサ通りやブロックM周辺でスリの被害に遭う事案が発生している。
大きな被害はなかったが、引き続きご指導をお願いしたい。
3.一般治安情勢
「安全に関する参考情報(8月)」を参照いただきたい。海外で働いている労働者が当地に帰国した際、スカルノハ
ッタ国際空港で睡眠薬強盗の被害に遭ったことが新聞で報道されていた。被害に遭ったほとんどが出稼ぎ労働者の
インドネシア人ではあったが、国際空港は出張者も日頃利用されるので留意いただきたい。具体的な手口としては、
出口付近で声をかけ、一緒にタクシーに乗り、そこで睡眠薬入りの飲み物を提供し、気付いた時には高速道路の路
肩で寝ており貴金属等すべて盗られていたとのこと。いずれも共通している点であり、参考にしていただきたい。
4.質疑応答、各社(団体)からの報告等
(JJC)
先月からビザや空港関係のトラブルが続いて出ていたが、今月は特に報告されておらず、事態は落ち着いていると
見ているところである。
(報告)
我々が把握している範囲でも、空港、入管で特段のトラブルは発生してない。ちなみに、8月は入管における混雑
状況は緩和されていたが、先週から時間滞によって、以前のような混雑が見受けられているようになっている。
(報告)
9月12日(月)午後5時頃、JAL便で戻ってきた駐在員がスカルノ・ハッタ空港の駐車場で引ったくり未遂に
遭った。よくよく話を聞くと、これまでの引ったくりとは少し勝手が違ったようだ。ポーターを装った3人組が、
勝手に荷物を運ぼうとしたのを追い払おうとしたところ、荷物を強奪して逃げようとした。駐在員が追いかけて捕
まえたところ、この3人組から蹴りを入れられたとのこと。駐車場内であったので、駐在員は最終的には自分の車
へ逃げ込み、荷物も盗られずに難を逃れた。暴力沙汰になりかけたが、考え方としては変に争うことなく身の安全
を第一に考え、事件に巻き込まれそうになったら逃げるしかないように思う。これまでも、空港の駐車場でポータ
ーの振りをして勝手に荷物運びを手伝い、小遣いを稼ぐ光景はよく見てきたが、今回の事案は凶悪であると思い、
報告させていただいた。
(質問)
運転手はどうしていたのか。
(回答)
運転手は別の荷物を持って先に歩いていき、荷物を車に乗せて運転席にいたとのこと。本人だけの状態の、その一
瞬の隙をつかれたようだ。なるべく運転手と一緒に移動するべきと思う。
(大使館)
こういったケースでは身の安全が第一であり、空港に注意喚起しておきたい。
(報告)
レバラン休暇前に携帯電話のスリ(あるいは紛失)が続けて2件あった。1件はブロックMにおいて
スーパーの前で駐在員の奥様が買い物を終え、買い物袋を抱えて出てきたところに男性が急にしゃがみ込み、靴ひ
もを結ぶような恰好で通行を妨げたとのこと。邪魔と思った瞬間に恐らく誰かが横にいて、鞄の中にあった携帯電
話を盗まれたとのこと。もう1件は、タマンミニでのことだが園内で記念撮影しようと寄ってきた着ぐるみの者に
盗られたのではないかという事案もあった。本人が落とした可能性もあり限定できないが、ご報告させていただく。
JJ
(報告)
弊社グループ会社でもスリの被害報告が2件あった。同じくブロックMにあるスーパーの前で、手口は買い物を終
えて外に出たところ、後ろから若い男性がぶつかってきた。持っていたバックのファスナーが掛かっていなかった
ことから、1件は携帯電話、もう1件はKITASを盗られたとのこと。
(大使館)
スーパーには我々からも、警備員に入口だけでなく周囲も警戒いただけるよう連絡したいと思う。
次回の海外邦人安全対策連絡協議会は10月11日(火)午前11時から。
以
上
安全に関する参考情報(2011年8月)
1.一般犯罪等
4 東ジャカルタの住宅地で、5ヶ月の赤ちゃんがベビーシッターに連れ出され行方不明。
4 タンジョン・プリオク港湾警察は、1300 万ルピア相当の偽造紙幣を作成し、10 万ルピア札1枚につき偽造 10 万ルピア札3
枚と交換していた集団を逮捕。
5 プリ・カサブランカ・アパートメントで、住人を訪ねてきたインドネシア人が、何者かにより拷問を受け、所持品を盗まれた
上、重傷を負った姿でソファーで倒れているのが発見。
8 ポンティアナックから戻ってきた 30 歳の男性が、スカルノハッタ国際空港から乗車した乗り合いタクシーで睡眠薬入り飲
料を飲ませられた。気がついたときは、高速道路の路肩で所持品全てを失っていた。
9 ブカシにて、モール内のマンディリ銀行で引き落とした3億ルピアを所持していたブカシ市庁舎職員が 4 人組に射殺され、
現金を奪われた。
12 サウジ・アラビアから戻った労働者2名が、スカルノハッタ国際空港で話しかけられた7人組とコーヒーを飲んでいるうち
に、睡眠薬強盗の被害にあり、気づいたときには所持品を奪われ、高速道路の路肩に降ろされていた。このほかにも、
レバラン休暇のために海外から戻ってきた労働者が多数睡眠薬強盗の被害に遭っている。
15 東ジャカルタのモールで、友人を待っていると語る青年が、拳銃を持ってうろついているのを警察官が発見。
16 クラパ・ガディンにて、レバラン・ボーナスをBCA銀行から引き落とした社員が、会社前で車から降りたところを後からつ
けてきたバイクの 2 人組に襲われた。
21 マンガ・ドゥア・スクエア内のレストランで、偽造 5 万ルピア札を 2 百万ルピア相当使用しようとしたグループを逮捕。この
グループは1枚につき偽造紙幣2枚と交換し、すでに 1000 万ルピア相当を販売したとのこと。
23 家族の一員が事故にあったので早急に手術費用の支払いを督促するSMSを送付し、ATMから送金させる詐欺により
5 年間で5億ルピア稼いでいた集団を逮捕。
2.麻薬関係
5 アフリカ、トーゴからスカルノハッタ国際空港に到着した小包から13.5億ルピア相当の覚醒剤が発見。送付先が不定の
ため捜査中。
16 アメリカ人カップルが、メンテンのアパートで覚醒剤をインドネシア人から購入しているところを逮捕。アメリカ人カップル
は、たびたび商用目的でインドネシアを訪問していた。
18 スントゥールの高級住宅地で、2012 年の新年祝賀会のために香港、中国から入手した 820 億ルピア相当のエクスタシー
(合成麻薬)を所持していたインドネシア人が逮捕。
24 マレーシア人が2.1kgの覚醒剤と 59 グラムのコカインを持ち込もうとしてスカルノハッタ国際空港で逮捕。
JJ
3.保健・衛生関係
12 バンドンでブカ・プアサの食事をした 80 名が食中毒で病院に搬送。
*本年の感染者数は,7例確認,うち5例死亡。なお,インドネシアで最初に感染が確認された2005年以降の累計は,17
8例確認,うち146例死亡。(出典:インドネシア保健省)[先月と変更なし]
4.報告されている犯罪件数
2011 年8月
2011 年7月
25
23
誘拐
3
2
中央ジャカルタ1,南ジャカルタ3,
殺人
17
21
北ジャカルタ3,東ジャカルタ2,
7
8
ブカシ3、バンテン1,デポック3,
偽紙幣発行
4
2
ボゴール5,バンドン1、南スマト
密輸
3
11
ラ1、東カリマンタン1,ランプン
麻薬
11
5
強盗
自殺
(注:主要紙に掲載された件数)
*報告されている強盗事件の発生場所:
1