実践編 後期- 3 1 The Rules of Reading マーキング例と意味 読書の規則 解 説 ●文の全体構造から one 次の英文を読んで、あとの問いに答えなさい。 がさすものを判断する。 Reading, like all work, has its rules. A 「…の完全な知識は…の 読書は 表面的な( すべての仕事と同様 もっている 規則を perfect knowledge of a few writers and a 完全な知識は 数人の作家 と few subjects is more valuable than a ? )より貴 重だ」という形に気づけば a perfect knowledge(完 いくつかのテーマの(は) より貴重だ 全な知識)と a superficial superficial knowledge ( 表 面 的 な 知 one of a great many. In one’s ① 表面的なもの(=知識)より 非常に多くの 人の 識)を比べる文とわかる。 reading, great writers of the past must be 読書では 過去の偉大な作家たちは 与えられなけ given the most attention. Of course it is ればならない 最大の注目を もちろん それは~だ both natural and necessary to be familiar 当然でありまた必要 with ~を知ることは those of the present, for it is among ② 現在の作家たちを 私たちが (受け身形)。能動態にす ると、We must give great writers of the past the most attention. となる。 なぜなら それは~だ them that we are likely to find friends who 彼らの間 ●must be given は受動態 見つけそうだ 友達を どんな? have our own anxieties and requirements. もっている 私たち自身の心配事や要求事を But let us not submerge ourselves in a sea ●let us not ~ = let’s not ~ で意味は「~しな いようにしよう」 。 重要でない ●so ~ that … は相関 of insignificant books; masterpieces are 語句で「とても~なので… 本の海の中に だ」の意味。見逃さないよ しかし 沈めないようにしよう 私たち自身を 傑作は ~だ already so numerous that we can never すでにとても多数 なので 私たちは 知ることが know them all. Let us have faith in the できない それらすべてを ~を信用しよう うにしよう。 ●Let us ~(~しよう) choice of past centuries. A man may be と have faith in ~(~を 過去の世紀の選択を 誤るかも 信用する)を「V(動詞) wrong; so may a generation; but humanity の拡張」でひとくくりにし しれない そうかもしれない 世代も てマーキングと意味取り 人は しかし 人間性は does not make mistakes. Homer, Tacitus, 誤りをしない ホーマー タキトゥス ~1~ をする。 Shakespeare, and Molière surely deserve シェークスピア そして モリエールは 確かに値する their fame. We give them some preference 彼らの名声に 私たちは ●them は前文の Homer, Tacitus, Shakespeare, and Molière をさす。 与える 彼らに 好みを over writers who have not undergone the 作家たちよりも どんな? 経験していない ● They は 前 文 の our test of time. authors(私たちの著者) 時の試練を We must choose our literary nourishment 私たちは 選ばなければならない 私たちの文学の滋養物を well. Each mind requires its own particular うまく それぞれの精神は 要求する それ自体の特定の food. Let us learn which authors are our 食べ物を 知ろう authors. ③ 著者 どの著者が ~だ 私たちの They will be very different from 彼らは とても異なっていることだろう をさす。「私たちの著者は 私たちの友達の著者 (those of our friends)と はとても異なっているだ ろう」という意味。 ●be astonished at ~は those of our friends. In literature as in love, 「~にとても驚く」の意味 私たちの友達の著者たちとは で、be very surprised at 文学では 愛におけると同様 we are astonished at what is chosen by 私たちは ひどく驚く ~で言い換えられる。 ことに・どんな? 選ばれる others. Let us cling to what suits us; we are 他人によって 執着しよう ことに・どんな 私たちに合う 私たちは ~だ the best judges of that. 最良の審判 それの Whenever possible our reading should ●It は merely to ~以下 可能なときはいつでも をさす。以下のような行為 ④ 私たちの読書は なされる be done in the atmosphere of composure べきだ 雰囲気の中で 平静と and respect which surrounds a fine concert 敬意の どんな? 囲む 高貴な儀式 とを言っている。 立派なコンサート or a noble ceremony. It is not reading や は読書ではないというこ それは ~でない 読書 ●pick up ~(~を手に取 merely to run through a page, get up to る)と lay down ~(~を 単に 下に置く)は対(つい)を ページを走り読みする 電話に出るため answer the telephone, pick up a book when に起き上がる 本を手に取る ~のとき one’s thoughts are elsewhere, lay it down 人の思考が ある どこかよそに 下に置く なす語句。~の部分が代名 詞の場合は pick it up、lay it down の語順になる。 until the next day. 次の日まで (出典)André Maurois : The Art of Living (出題)中央大、松蔭女子学院大、國學院大、広島女大、神戸市外大、南山大、大阪教育大 ~2~ <設問> (1) 下線部①がさすものを英語(1語)で答えよ。 knowledge (2) 下線部②がさすものを英語(1語)で答えよ。 writers (3) 下線部③がさすものを英語(2語)で答えよ。 our authors (4) 下線部④を日本語にせよ。 ( 可能なときはいつでも、私たちの読書は立派なコンサートや高貴な儀 式を囲む平静と敬意の雰囲気の中でなされるべきです。 ) <全文訳> 読書はすべての仕事と同様、規則をもって います。数人の作家といくつかのテーマにつ した作家たちに、時の試練を経ていない作家 たちよりも高い優先順位を与えます。 いて完全に知っていることは、非常に多くの 私たちは、私たちの文学の滋養物をうまく 作家について表面的にしか知らないことより 選ばなければなりません。それぞれの精神は も貴重です。読書においては、過去の偉大な それ自体の特定の食べ物を要求します。どの 作家たちには最大の注目が与えられなければ 著者が私たちの著者か知りましょう。私たち なりません。もちろん現在の作家たちを知る の著書は私たちの友達の著者とはとても異な ことは当然でありまた必要なことです。なぜ っていることでしょう。愛におけると同様、 なら、現在の作家たちの中に、私たち自身が 文学では、私たちは他人によって選ばれるも 心配することや要求することをもっている友 のにひどく驚きます。私たちに合うことに執 達を見つけやすいからです。しかし、私たち 着しましょう。私たちはそれの最良の審判な 自身を重要でない本の海の中に沈めてしまわ のです。 ないようにしましょう。傑作はすでにとても 可能なときはいつでも、私たちの読書は立 たくさんあるので、私たちはそれらすべてを 派なコンサートや高貴な儀式を囲む平静と敬 知ることができません。過去の何世紀もの選 意の雰囲気の中でなされるべきです。単にペ 択を信用しましょう。人は誤るかもしれませ ージを走り読みしたり、電話に出るために起 ん。世代もそうかもしれません。しかし、人 き上がったり、思考がよそにあるときに本を 間性は誤りを犯しません。ホーマー、タキト 手に取ったり、次の日までそれを下に置いた ゥス、シェークスピア、そしてモリエールは りするような行為は読書ではありません。 確かに彼らの名声に値します。私たちはそう ~3~
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