ON THE SPOT 現場から ●コンディショニング 現場でサポート活動をしている。ト れば務まらないということをわかっ 各大学でのスポーツ 医科学サポート体制 レーナー教育に関して、実践の場と てもらいたい。トレーナw)ー活動 教育がシステマティックにリンクし を通じて人づくり、人格形成に役立 ている国際武道大学での取り組みが、 つのではないかと思っている」と締 去る 3 月12日、第 2 回コンディシ 文部科学省から「特色ある大学教育 めくくった。 ョニング科学カンファレンスが、早 支援プログラム」(特色GP)に選定 稲田大学国際会議場 (東京都新宿区) されたことを紹介した。これに関連 アメリカ留学での経験と、日本に帰 にて開催された。テーマは、「大学 して、トレーナーとは何か、またそ 国してからの活動内容を紹介した。 におけるスポーツ医科学サポート体 のあり方について述べ、大学スポー 日米での文化的な違い、体育会系の 制」である。 鶴池政明氏(大阪体育大学)は、 ツにおけるさまざまな問題点を改め 独特なあり方に戸惑ったことも含め、 最初に、山本利春氏(国際武道大 て取り上げた。「現場では、選手た 年代を追ってトレーニング科学セン 学)から「現場のアスレティックト ちはスポーツ医科学サポートを希望 ター発足、アスレティックトレーニ レーナーやアスレティックトレーナ している。それに対して学生トレー ングコース開設までの経緯を語った。 ー教育に携わっている人たちが集う ナーの教育的側面から考えると現場 新たにオープンしたアスレティック 場がないに等しいという状況がある。 実習が必要。この需要と供給をマッ トレーニングルームの様子も、写真 この会が現場で活動する人たちのた チングさせることによってうまく問 とともにその設計意図を紹介した。 めの事例報告や情報交換ができるよ 題を解決していく。これが大学にお 鶴池氏は、「現場だけでなく、コミ うな場として発展させていきたい」 けるサポート体制の 1 つのシステム ュニケーションが大切だということ と開催の意義を語った。また、体育 ではないか」と話し、国際武道大学 を学んだ」とし、今後どのように発 系大学においては、学内のスポーツ でのトレーナー教育のシステムや、 展させていくか、将来像についてま 選手たちのサポートとして、スーバ 入学時のメディカルチェック体制づ とめた。 ーバイザー(学内の指導的立場のア くりや大会でのサポート活動、リコ スレティックトレーナー)のサポー ンディショニングルームにおける日 「いろいろな先生方が関わっていら トの下、多くの学生トレーナーが現 常的なトレーナー活動を通じて、学 して、僕が育てると言うよりは学生 場で活動していることが、スポーツ 生トレーナー自身が学ぶ場として機 が勝手に育っているなというイメー 医科学体制の鍵となっていることを 能していることなどを紹介した。そ ジを持っていて、野放図にならない 説明。学生をトレーナーとして育成 して「トレーナーは人に携わるうえ ように彼らの行きたいところを整え していき、それを経た学生がともに で、人のために尽くす気持ちがなけ ておく、という気持ちで関わってい 大学でのスポーツ医科学サポート体制がテーマ 6 Training Journal June 2008 中村千秋氏(早稲田大学)は、 多くの学生が耳を傾けた 現場から 実演を行うKerry Mullenix氏 動きと障害について、佐藤晃一氏が語った るというのが特徴でもある」と話し、 を掲げていることを示し、「運営に 価が患者自身によってなされる点が 早稲田大学におけるトレーナー活動 おいてはヒト・モノ・カネがバラン 異なる。そのため、自ら制限や痛み の場がどのようなものであるかが紹 スよく伸びていかないと機能的な役 を克服しようとする」と説明し、ア 介された。体育会各部のほか、サー 割を果たせないと、痛切に感じてい ームレイズ、トランクツイスト、レ クル、個人競技、地域スポーツクラ る」とまとめた。 ッグレイズなど 5 つのエクササイズ ブ、学内のクリニックなどがあるこ と、それらの特徴を示しながら、 こうして、4 つの大学におけるス を紹介。評価フォームを使いながら、 ポーツ医科学サポート体制の事例が 身体的な問題へのneuromuscularア 「そういった活動拠点において学生 紹介された後、パネリストが壇上で プローチの具体的方法を示した。 トレーナーが教育されるという認識 パネルディスカッションを行い、各 次に、佐藤晃一氏が、「動き、機 をもっている。ただし、全く何もし 大学の現状について話し合った。そ 能、傷害と効率の相互関係」と題し ていないわけではなく、大学での教 れぞれの指導方針など、どういった て講演。身体の機能がどのようにし 育のほか、スポーツ医科学クリニッ 取り組みがなされているかよくわか て成り立っているか、また痛みがど クでの活動を通じて学生トレーナー る場となった。 のような原因で起こるかについて述 教育、選手教育の場としている」と べ、最適な動きが必須であること、 し、システム面の紹介を行った。映 ●アスレティックトレーニング 動きに注目したリハビリテーション 画『フォレスト・ガンプ/一期一会』 JATOアスレティックト が必要であり、強度の調節を段階的 での言葉、「人生はチョコレートボ ックスみたいなもの。食べてみない とわからない」を引用し、まとめと レーニングシンポジウム に行うことが大切であることを話し た。各運動を、押す動作か引く動作 第 9 回JATOアスレティックトレ かなどの特徴によっていくつかに単 ーニングシンポジウム2008が、3 純化して分類し、実際にリハビリテ 石山修盟氏(仙台大学)は、大学 月15〜16の両日、東京ビッグサイ ーショントレーニングにおける考え の特色を中心に説明し、学生トレー ト(東京都江東区)にて行われた。 方を紹介した。 ナーが自主的な活動が2000年前後 初日は、まず Kerry Mullenix氏 続いてのワークショップにおいて から始まっていたこと、その後アス (Duke大学)による「トータルモー は、両氏が講演内容に基づき、実技 レティックトレーニングのカリキュ ションリリース」に関する講演が行 ラムが整ってきた様子、さらにアス わ れ た 。 こ れ は 、 Tom Dalonzo- レティックトレーニングルームが稼 Baker によって見出された方法で、 身体機能・障害・運動効率の関係」 動するまで、そして学生たちがどの 身体の姿勢の取り方を、身体がした と題した講演が行われた。動画を使 ような環境で活動しているかを紹介 いようにするということ、さらに健 いながら、よい動きができているか した。教育目標として「多様な状況 側を使うことで患側を治していくこ に対応できるよう人間力を高めるこ とが特徴である。「ストレイン−カ 「悪い動きが出ているとき、こうし と、社会に求められる人材を体育大 ウンターストレイン、あるいはポジ なさいと言ってよい動きができれば 学ならではの環境で育成する」こと ショナルリリースと似ているが、評 よい。それは効率的だし、選手自身 した。 を中心に解説を行った。 2 日目は、佐藤氏による「動き・ どうかを参加者とともに見ていった。 Training Journal June 2008 7 ON THE SPOT が学んでいくために教育にもなる。 いく。ドーピング検査への対応など、 高野庸夫氏(埼玉県立スポーツ研 動きが悪い場合、痛みに由来すると 『知らなかった』で許されない」と 修センター)は、小学生、教員、一 考えるかもしれないが、実際にはそ し、どのような段取りで検査が行わ 般など、さまざまな対象者に運動指 もそも動きの異常があったために痛 れるかについてまとめた。 導を行ってきた事例を紹介した。指 みが出ている可能性が高い。身体の 最後に、佐藤氏による「リハビリ 導数は延べ1127名に上った。 動きをきちんと見ることができれば、 とトレーニングにおける動きの最適 黒岩敏明氏(長野県健康づくり事 痛みや障害を防ぐことができる」と 化」と題した講演と、質疑応答が行 業団)は、長野県における高齢者健 話し、動きと障害、機能との関係性、 われ、シンポジウムは終了した。 康教室の中にバランスアップ健康体 操を取り入れ、ほかにボール運動や コンディショニングの指標などにつ いて解説した。 また、Mullenix氏による「リハビ リのプロトコル:症例に合わせたア プローチ」では、誰にでも当てはま ●バランス 口腔ケアなどと併せて実施している 第 1 回バランスアップ 研修会 ことを示した。 奥山文男氏(蓮田ナーシングホー ム)はデイケアにおける体操実践に 去る 3 月19日、牛込箪笥地域セン ついて、また荒木邦子氏(早稲田エ あり得ないことを指摘し、個人に合 ター(東京都新宿区)にて、第 1 回 ルダリヘルス事業団)は地域介護予 わせてどのようにカスタマイズして バランスアップ研修会が開催された。 防での実践例について報告した。最 るリハビリテーションプロトコルは バランススティックとは、厚さ 後に宮崎尚子氏(日本健康運動指導 「リハビリテーション中の選手の様 2 cm、幅が 4 〜12cmの板状の用具 士会)は、指導の際にどのような点 子を観察すると、器具に寄りかかっ で、平均台をヒントとして生まれた に気をつければよいかについて発表 たり、座りたがる。また、ケガの部 もので、安全にバランス能力改善の した。 分だけをみるのではなく、身体全体 エクササイズを行えるように開発さ 休憩を挟んで、田邊氏の指導によ をみることが大切」と話し、さまざ れたものである。この研修会は、バ るバランスアップ体操の実演が行わ まな機能不全の例、カスタマイズの ランススティックを使った取り組み れた。かける曲はさまざまで、テン 方法を紹介した。最後に、「正しく を発表する場となった。 ポを変えながら、またバランスステ いくかについての手がかりを示した。 考案者である田邊潤氏(早稲田大 ィックの配置を変化させることで難 さない(Do It Right-Do It Once!)。 学本庄高等学院)の挨拶の後、第1 易度を上げながら、参加者全員が体 単にケガの治療だけでなく、その過 部として、研究事例報告が行われた。 験した。時折笑顔がこぼれる楽しい やればリハビリテーションは繰り返 程において選手の全てを向上させる まず中村好男氏(早稲田大学)が、 エクササイズとなった。 チャンス」とまとめた。この後、同 バランススティックの開発にあたっ 研修会の最後に、バランスアップ 氏による「ターフトゥー:さまざま て手触りや硬さ、幅など、さまざま 研究会が発足すること、今後どのよ なPlantar Plate障害」と題した講演 な試行錯誤をしてきたこと、またプ うに展開していくかについての発表 が行われた。 ログラムが筋活動や心拍数に及ぼす が行われた。 平井千貴氏(日本アンチ・ドーピ 影響を調べ、静的・動的バランス能 ング機構テスティングマネージャ 力評価の方法も開発してきたことを ●映像分析 ー)は、「世界のアンチドーピング 紹介。「バランススティックという ムーブメントと日本の現場への影 用具、そしてバランスアップ体操と 響」と題した特別講演を行った。ド いうプログラムが車の両輪のように スポーツコードユー ザカンファレンス ーピングの定義、なぜドーピングが 活用されていくもの」と話した。 禁止されるのかについて、過去の違 反事例を紹介。「ドーピングはスポ 山脇加奈子氏(本庄高等学院)は、 「バランススティックを使用したバ 去る 3 月22日、ADSSデジタルス タジオ(フィットネスアポロ社、東 京都品川区)にて、2008スポーツ ーツの価値を損ね、スポーツ精神に ランス能力の測定」について発表。 コード・ユーザカンファレンスが開 根本的に反するもの。アスレティッ 踵上げテストを用いることで、前後 催された。ラグビーのほか、バスケ クトレーナーは競技者の権利と義務 方向への姿勢制御の簡便な測定とな ットボール、サッカーなどさまざま を理解し、競技者のサポートをして り得ることを示した。 な競技にわたる関係者、47名が集 8 Training Journal June 2008 現場から バランススティック上を移動しながら手を合わせる まった。スポーツコードは、映像分 析に特化したパソコンソフトであり、 このような会合は今回で 4 回目。 古田氏による映像分析に関する講演 いる」と話した。 表と東海大学ラグビー部のサポート 次に、池田亮氏(JISS、日本テニ から」と題して西村一帆氏(東海大 ス協会ナショナルチームテクニカル 学)より発表された。さらに更岡洋 冒頭のキーノートレクチャーでは、 スタッフ)が、テニスの日本代表に 輔氏(慶應義塾大学)がタックルの 橘肇氏(フィットネスアポロ社)が、 対するサポートについて講演。専門 フォームを分析し、「ケガの予防に 2007年におけるスポーツコードが 職としてどのように関わっているか 関する一提案」について述べた。 どのように活用されてきたかをレビ について概説。試合の映像を用いた ラグビーのほかにも、剣道に関し ュー。その後にテクニカルインフォ フィードバックミーティングにおい て齋藤実氏(専修大学)、ハンドボ メーションとして、スポーツコード て、コーチと選手の間で実際にどの ールに関して金保孝周氏(国際武道 およびゲームブレーカー(エントリ ように活用されているかを示した。 大学)、最後にバスケットボールに ーモデル)の新しいバージョンにつ さらに、サービスのパターンなど分 関して窪田邦彦氏(ベストコンディ いての解説も行われた。 析例を 2 つ紹介。池田氏は「課題の ションKJ)からそれぞれ発表が行 われた。 午後からは、スペシャルレポート 共通化が非常に重要であり、映像や として、古田仁志氏(三洋電機、日 数値データを介することで共通認識 本 e コーチング協会)が、ラグビー が出てくる。分析を進める中で感じ ●コンディショニング 日本代表において映像分析をどのよ たことで、多くの日本人コーチの特 うに活用したかについて、「分析の 質として、ボールスピードに気持ち その先に――フィードバックの重要 が行っていて、ボールのやりとりと 実際に現場で行われている コンディショニングとは 性について」と題し、練習や試合で いう駆け引きに対してそれほど関心 去る 3 月23日、千葉県新浦安の の実際の映像を紹介しながら講演し が向かなかったり、素早く的確な判 浦安市民プラザにて、「スポーツコ た。「テクニカルスタッフは中間管 断ができなかったりすることがあり、 ンディショニングカンファレンス」 理職的な立場であるが、実は非常に これによって創造性・想像性に乏し が開催された。シンポジストは村木 恵まれた位置にいる。遂行能力と関 いコーチングになるのではないか。 良博(ケアステーション)、樋口彰美 与の度合いがともに中間であるため、 それが選手のプレーにつながってい (スポーツコンディショニングアー その両者を合計すると最も高くなる。 るのではないか。よりチャレンジン ク)の両氏。参加者には現役のトレ ゲームから抽出できるデータを絞り グなコーチングが重要なのではない ーニングコーチやアスレティックト 込んで情報にしていくが、その情報 かと思う」と話した。 レーナー、またそれを志す学生、医 量を減らすことで質を上げることを このほか、ユーザレポートとして、 療機関関係者ら約20人が集まった。 考えるべき。テクニカルではつい、 ラグビー競技から 3 つの発表があっ はじめに、樋口氏が「トレーニン あら探しをしてしまう。しかし、選 た。まず「ラグビーのキック練習の グや傷害に対する知識・実技などを 手の成長を見つけてやろうという気 フィードバック」について、臼井伸 教える講習会は多い。しかし、実際 持ちで見ることが大切。テクニカル 尚氏 (トヨタ自動車ヴェルブリッツ) に現場で活動しているコーチやトレ としては自分を消すことを心がけて より、そして「ラグビーU23日本代 ーナーの活動を知る機会はあまりな Training Journal June 2008 9 ON THE SPOT 活気のあるディスカッションが行われた 平野氏による講演 い。現場で行われていることは机上 ただひたむきにスポーツを支援する ことができた」と参加者からの声か で勉強してきたことだけでは解決で 姿」と述べた。 らもわかるように、1 時間があっと きないことがたくさんある。そのよ 続いて講演した樋口氏は、「現場 いう間に過ぎてしまうほど次から次 うなことを共に議論し、情報を共有 で行われているコンディショニング へと疑問・質問が出され、活気ある できる場所にできればいい」と述べ 方法といってもさまざまであり、こ ディスカッションとなった。とくに た。 れが絶対に正しいといった方法は存 今回は学生の参加者が多く、普段聞 シンポジウムではまず村木氏が 在しない」とし、ここでは現在指導 くことのできない両氏の話を食い入 「スポーツチームにおけるサポート しているアイシンAW女子バスケッ るように聞く姿が印象的だった。 スタッフのあり方」と題した講演を トボール部、コマツ女子柔道部にお 最後に、村木氏から「新しい形の 行った。組織(チーム)とは何か、 けるトレーニングをケースプレゼン 会。このように現場で活動する者達 という話題から始まり、組織に必要 テーションという形で報告した。は が集まる機会は非常に重要である。 なこと、組織活動の共通点を確認し じめに、樋口氏を中心にアークで考 ぜひ、2 回 3 回と続けていってほし た上で、組織におけるアスレティッ 案し、指導現場で行っているという クトレーナーを始めサポートスタッ トレーニングコンセプトの紹介を行 フの役割というものは、選手を中心 った。一般的な教科書に示されてい に考えた時にさまざまな方面で重複 るトレーニングカテゴリーを受け、 い」と述べ、盛況のうちに閉幕した。 (報告者:松浦正隆・スポーツコン ディショニング アーク) している部分が存在すると述べた。 「果たしてこのトレーニングの分類 ●アスレティックリハビリテーション それゆえにほかのサポートスタッフ は正しいのだろうか? の領域を侵害したり、侵害されたり、 に考えることは出来ないのだろう 対立や争いが起きてしまう場面が か?」といった疑問から考案したと 第 1 回茨城県アスレティック リハビリテーション研究会 多々ある中で、自分はどうすればよ 樋口氏。その後、実際に現場で指導 3 月29日、水戸協同病院にて「第 いのか、との問題に対し「現場での している写真を用いながら、トレー 1 回茨城県アスレティックリハビリ 自分の仕事は何か。たとえ現場での ニングコンセプトを紹介した。最後 テーション研究会」が行われた。こ 地位が認められていなくても、どう に、2 チームの年間のトレーニング れは茨城県内のアスレティックリハ したら認められるのかよく考え、周 プログラムをもとに、試合や合宿な ビリテーションおよびスポーツ傷害 囲のアドバイスを受け、自分自身が どの予定がある中でどのようにスケ 予防の普及を目的としたもので、県 努力し認められるような仕事をし、 ジュールを組み、どのように指導の 内のPT、AT、鍼灸マッサージ師な よく話を聞いてもらえるような環境 内容を変えているのか説明した。 をつくり出す。自分自身の努力が必 もっと簡単 次に「スポーツコンディショニン ど、34名が参加した。まず代表の 小田桂吾(水戸協同病院)が「スポ 要」と村木氏。そして講演の最後に、 グの今とこれからを考える」という ーツに携わりたいPTやATはたくさ スポーツの現場に求められることは 題で両氏をシンポジストとし、ディ んいるがなかなか臨床や現場で活躍 「夢を持ち、知恵をしぼり、汗を流 スカッションが行われた。「少人数 できなかったり、そのチャンスがな のため硬くならずに活発に発言する い。他府県で高校野球などのメディ し、一致協力しあい、情熱を持って、 10 Training Journal June 2008 現場から カルサポートは行なわれているが、 臨床で求めること、スポーツ現場で る基礎知識、技術を学ぶ準備期間と トレーナーの指導が受けられる環境 求めること」をテーマにした講演が 位置づけ、年5回の勉強会と1回の は少なく、茨城県も例外ではない。 行なわれた。前半はヴェルディ時代 症例検討会の開催を予定している。 あらゆるスポーツ選手、愛好家がア の現場での活動状況を紹介し、「メ 今後、地域のスポーツ傷害予防活動 スレティックリハビリテーション、 ディカルスタッフとして、いかに選 や健康運動指導のほか、県内競技会 トレーニングが受けられる環境づく 手とひたむきに向き合って競技復帰 場や国体、インターハイなどのトレ りと、指導者の養成が不可欠であり、 のために仕事をすることができるか ーナー派遣や総合型地域スポーツク 県内でのアスリハ実施機関のネット が重要である」と話した。後半はス ラブでのアスリハ指導を目標に活動 ワークづくりとスポーツ傷害に携わ ポーツ傷害の診断、評価方法、治療 る人々の知識・技術の向上を目標に、 の流れを多くの画像や写真を使って (報告者:小田桂吾・水戸協同病院 今後は茨城県体育協会、医師会とも 紹介した。治療に難渋した疾患例に リハビリテーション科、筑波大学大 連携して県内統一のメディカルチェ 対する自身の経験例やエピソードを 学院人間総合科学研究科在籍) ック、評価チャートなどを作成し傷 交えた内容は出席者にとって大いに 害の傾向ならびに対策に役立てたい。 参考になる講演となった。 究極の目標は傷害発生を未然に防ぐ 「茨城県アスレティックリハビリテ ことである」と挨拶を行なった。 ーション研究会」は、今年度の目標 次に同会顧問で元ヴェルディ川崎 として①医療現場での治療、技術の のチームドクターを務めていた平野 向上、②会員同士の情報交換ならび 篤氏(水戸協同病院院長)の「スポ に現状を認識しながらスポーツ傷害 ーツドクターがPT、トレーナーに に対する臨床とスポーツ現場に対す していきたいと考えている。 on the spot 欄では、学会やセミナー などへ参加していただいた様子を執筆 していただいたり、最近の話題をニュ ース記事としてお届けしています。下 記のメールアドレスへ情報提供をお願 いします。 bhhd@mxd.mesh.ne.jp Training Journal June 2008 11
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