Nagios XIバックアップとリストア

Nagios XI – バックアップとリストア
目的
この資料では、Nagios XI インストレーションをバックアップする方法と既存のバックアップから
Nagios XI インストレーションをリストア(復元)する方法について説明します。バックアップは管理お
よび運用の面から重要です。バックアップがあれば仮想サーバと物理サーバ間の Nagios XI の移
行や、Nagios XI のフェイルオーバーまたは障害回復の設計が簡単になります。
対象読者
この資料は、Nagios XI システムの管理の一環としてバックアップ方法を知りたい Nagios XI 管理者
を対象としています。
対象バージョン
Nagios XI 2009R1.2C 以降のバージョンを対象としています。これ以前のバージョンの Nagios XI に
はこの資料で説明するバックアップおよびリストア用のスクリプトは含まれておりません。
バックアップ
バックアップスクリプトは以下の Nagios XI コンポーネントのコピーを保存します:
•
Nagios Core ファイル (/usr/local/nagios)
•
Nagios XI ファイル (/usr/local/nagiosxi)
•
NagiosQL ファイル (/var/www/html/nagiosql と /etc/nagiosql)
•
MRTG ファイル(/var/lib/mrtg/ と /etc/mrtg/)
•
NRDP ファイル(/usr/local/nrdp/)
•
Nagvis ファイル(/usr/local/nagvis/)
•
CRON ファイル(/var/spool/scron/apache 内)
•
Apache 設定ファイルの一部 (/etc/httpd/conf.d 内)
•
logrotate 設定ファイルの一部 (/etc/logrotate.d 内)
•
MySQL データベースの一部 (nagios と nagiosql)
•
PostgresQL データベースの一部 (nagiosxi)
※ Nagios XI 5 をクリーンインストールした場合 nagiosxi データベースは MySQL に作
成されます。Nagios XI 5 より前のバージョンからアップデートした場合は引き続き
PostgresQL が使用されます。
バックアップファイルは/store/backups/nagiosxi/ディレクトリに保存されます。
バックアップファイル名はバックアップを作成した時間の Unix タイムスタンプとなります(例:
1479858002.tar.gz)。
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Nagios XI – バックアップとリストア
バックアップスクリプトは以下を行います:
1. 上記すべてのファイルを/store/backups/nagiosxi/ディレクトリにあつめます。
2. 全てのデータを収集しおわったら、.tar.gz ファイルを作成します。
3. .tar.gz ファイルが正常に作成されたら、収集作業であつめたすべてのファイルを削除
します。
•
/store/backups/nagiosxi/に十分な空き容量があることが重要です。十分
な空き容量がない場合、バックアップ処理は失敗します(また、ディスク容量が足り
なくなり、Nagios XI に他の問題が発生する可能性があります)。
4. .tar.gz ファイルが正常に作成されたら、(後述の)スケジュールバックアップで定義され
た場所に.tar.gz ファイルのコピーを作成し、/store/backups/nagiosxi/からフ
ァイルを削除します。
注記:
•
バックアップスクリプトはバックアップの開始時に nagios サービスを再起動し、
retention.dat ファイルが最新であることを確認します。再起動が発生すると監視プ
ロセスにわずかな中断が発生します。
•
MySQL root パスワードを変更した場合(パスワードがデフォルトの nagiosxi ではな
い場合)、バックアップスクリプト(backup_xi.sh)の mysqlpass= 定義を現在のパス
ワードで変更する必要があります。
リモートロケーションへのバックアップ保存
バックアップのコピーは別のサーバまたはバックアップメディアに保存していただくことをお勧めし
ます。バックアップをローカルのみに保存している場合、ローカルディスクがクラッシュしてしまうと
このバックアップを使用して復旧することができません。
Nagios XI 2014 以降のバージョンでは、FTP または SSH を使用して、スケジュールバックアップをリ
モートロケーションに保存することができます。スケジュールバックアップページ(「管理 -> システ
ムバックアップ -> スケジュールバックアップ」)で設定することができます。
このページには、「FTP」、「SSH」、「ローカル」タブがあります。
ファイルシステムのディレクトリにマウントされているリモートロケーションへバックアップしたい場
合は、「ローカル」タブページで設定してください。
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バックアップ方法
Nagios XI システムは以下の方法でバックアップすることができます:
•
手動バックアップ(コマンドライン)
•
手動バックアップ(Web UI)
•
スケジュールバックアップ
•
自動バックアップ
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手動バックアップ(コマンドライン)
コマンドラインから Nagios XI システムのバックアップを作成する手順は以下のとおりです:
Step 1.
ターミナルまたは SSH セッションを開き、root ユーザーで Nagios XI サーバにログイン
します。
Step 2.
以下のスクリプトを実行し、Nagios XI インストレーションのバックアップを作成します。
/usr/local/nagiosxi/scripts/backup_xi.sh
注記: MySQL の root パスワードを初期設定の“nagiosxi”以外に変更した場合は、
backup_xi.sh スクリプトの mysqlpass= 定義を正しいパスワードで変更してくだ
さい。
バックアップに成功すると以下のメッセージが表示されます:
===============
BACKUP COMPLETE
===============
Backup stored in /store/backups/nagiosxi/1479858443.tar.gz
コマンドラインから作成したバックアップファイルも「管理 -> システムバックアップ -> ローカルバ
ックアップアーカイブ」ページに表示されます。
手動バックアップ(Web UI)
Nagios XI 2014 以降のバージョンの場合、「管理 -> システムバックアップ -> ローカルバックアッ
プアーカイブ」からバックアップを作成することができます。
Step 1.
「バックアップを作成する」を選択します。
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Step 2.
メッセージを確認し、「OK」をクリックします。
Step 3.
バックアップの作成が完了するまでしばらく待ちます。
メモ: バックアップの作成が完了しても画面が自動で更新されません。画面左の「ローカルバック
アップアーカイブ」メニューをクリックしてページを再読み込みさせてください。
バックアップが完了すると、作成されたバックアップが一覧に表示されます。
バックアップファイルは/store/backups/nagiosxi/に保存されます。ファイル名はバックア
ップが作成された時間の Unix タイムスタンプです。
アクション欄の「ダウンロード」 アイコンをクリックすると、バックアップファイルをダウンロードでき
ます。不要になったバックアップは「削除」 アイコンをクリックするとサーバから削除できます。
「名前変更」 アイコンをクリックすると、このバックアップファイル名にプレフィックスを追加するこ
とができます。
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スケジュールバックアップ
スケジュールバックアップでは、FTP バックアップ、SSH バックアップ、ローカルバックアップの3つ
の方法を選択できます。
•
FTP バックアップ:
FTP でリモートサーバにシステムバックアップを送信します。Nagios XI サーバのローカル
にバックアップファイルを作成したあとリモートサーバに転送します。ローカルバックアッ
プファイルは転送後に削除されます。
•
SSH バックアップ:
SSH & SCP でリモートサーバにシステムバックアップを送信します。Nagios XI サーバのロ
ーカルにバックアップファイルを作成したあとリモートサーバに転送します。ローカルバッ
クアップファイルは転送後に削除されます。
•
ローカルバックアップ:
Nagios XI サーバのローカル上にシステムバックアップを保存します。
スケジュールバックアップは、「管理 -> システムバックアップ -> スケジュールバックアップ」から
設定します。
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3つのタブがあります。使用したい方式のタブを選択し、必要な情報を指定します。
有効にするバックアップのチェックボックスにチェックをつけます。
スケジュールは、「毎日」、「毎週」、「毎月」のいずれかを選択できます。「毎日」を選択した場合は、
実行時刻を指定します。「毎週」または「毎月」を選択した場合は、曜日と時刻を指定します。
メモ: 「毎月」を選択した場合、月の最初の日(1 日)にスケジュールが実行されます。
「バックアップの上限」でバックアップの保持日数を指定します。指定した日数を超過すると最も古
いバックアップが削除されます。0 を指定するとバックアップは無制限に保持されます。
設定が完了したら、「設定を更新」をクリックします。
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有効なバックアップには
アイコンが表示されます。
自動バックアップ
Nagios XI Web インターフェース上から Nagios XI をアップグレードすると、最初にバックアップが作
成されます。「管理 -> システムバックアップ -> ローカルバックアップアーカイブ」からアクセスで
きます。
このバックアップファイルは/store/backups/nagiosxi/に保存され、ファイル名の先頭に
autoupgrade_backup がつきます。
リストア(復元)
Nagios XI のリストアスクリプトは以下のような場合に使用:
•
故障した Nagios XI サーバを(同一サーバまたは別のサーバで)復旧する
•
Nagios XI を移行する
•
•
サーバを移行する
•
物理サーバから物理サーバへ
•
物理サーバから仮想サーバへ
•
仮想サーバから仮想サーバへ
•
仮想サーバから物理サーバへ
異なるサーババージョンやアーキテクチャへ移行する
•
CentOS 5.x x86 から CentOS 7.x x_86_64
•
CentOS 6.x x86_64 から RHEL 7.x x86_64
バックアップからリストアを行う前に、リストアするマシンに Nagios XI をインストールしてください。
必要なユーザー、グループ、パッケージがセットアップされ、ターゲットシステムにインストールされ
ます。
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注記:
•
リストア先の Nagios XI バージョンはバックアップを取得した Nagios XI バージョンと同じで
なければなりません。
例: Nagios XI 5.2.2 でバックアップを作成した場合は、Nagios XI 5.2.2 がインストールされ
たサーバにリストアする必要があります。
Nagios XI のインストーラは以下からダウンロードできます:
https://assets.nagios.com/downloads/nagiosxi/versions.php
最新バージョンを使用したい場合は、リストアを完了させた後で最新バージョンへアップデ
ートしてください。
•
リストアスクリプトは「バックアップ」で紹介したコンポーネントを復元します。コンポーネン
トが存在する場合は、削除し(または)上書きします。
•
リストアスクリプトはリストア先サーバの既存設定およびデータを破棄します。
•
MySQL の root パスワードを初期設定“nagiosxi から変更した場合は、リストアスクリプ
ト(restore_xi.sh)の mysqlpass= 定義を実際のパスワードに変更する必要があ
ります。
•
リストアスクリプトを実行するサーバに十分なディスク空き容量があることを確認してくだ
さい。
リストアスクリプトは以下を行います:
•
/store/backups/nagiosxi/に.tar.gz ファイルを解凍します。
•
抽出されたファイルを正しい場所にコピーします。
•
リストアが完了したら.tar.gz フォルダを削除します。
リストア方法
Nagios XI システムのバックアップを復元するには、コマンドラインからリストアスクリプトを実行しま
す。
注記: 新しいシステムでリストアを実行する場合は、/store/backups/nagiosxi/ディレクト
リに.tar.gz ファイルをコピーする必要があります。
Nagios XI インストレーションをバックアップから復元する手順は以下のとおりです:
Step 1.
ターミナルまたは SSH セッションを開き、root ユーザーで Nagios XI を復元するマシン
にログインします。
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Step 2.
以下のスクリプトを実行します。
/usr/local/nagiosxi/scripts/restore_xi.sh </full/path/to/backupfile.tar.gz>
例:
/usr/local/nagiosxi/scripts/restore_xi.sh /store/backups/nagiosxi.1456984804.tar.gz
処理が完了するまで待ちます。
リストアが完了すると、以下のメッセージが表示されます:
===============
RESTORE COMPLETE
===============
リストア後の作業
バックアップを作成したのと同じサーバ上でリストアを行った場合は、Nagios XI にログインして正
常に機能していることを確認するだけで構いません。異なるサーバに Nagios XI をリストアした場合
は、追加で以下の作業を行ってください:
IP アドレスが変更された場合
Nagios XI サーバの IP アドレスを変更した場合は、以下を確認し必要に応じて修正してください:
•
「管理 -> システム設定 -> システム設定」を選択し、「プログラム URL」と「外部 URL」
の設定が正しいこと
•
「管理 -> システム設定 -> ライセンス情報」を選択し、サーバがライセンスされている
こと
•
NRPE や NSClient++のようなエージェント/クライアントで新しい IP アドレスの接続が許可
されていること
オペレーティングシステムのバージョンまたはアーキテクチャが変更された場合
異なる OS バージョンまたはアーキテクチャからバックアップをリストアした場合は、バックアップが
コンパイル済みバイナリを上書きするため問題が生じる可能性があります。この問題を修正する
ため、以下の作業を行ってください:
/tmp/nagiosxi インストールディレクトリが存在する場合は、以下を実行します。
cd /tmp/nagiosxi
rm -f installed.subcomponents
./A-subcomponents
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/tmp/nagiosxi インストールディレクトリが存在しない場合は、以下を実行します。
cd /tmp
wget http://assets.nagios.com/downloads/nagiosxi/xi-latest.tar.gz
tar xzf xi-latest.tar.gz
cd /tmp/nagiosxi
touch installed.mrtg
./A-subcomponents
メモ: Nagios XI インストーラはこちらからダウンロードできます。
なお、32bit から 64bit マシンへ移行した場合、パフォーマンスデータを XML に変換し、それを RRD
にインポートする必要があります。以下のナレッジベースをご参照ください:
https://support.nagios.com/kb/article.php?id=166
Nagios XI バックアップとリストア
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日本語マニュアル発行日 2017 年 02 月 06 日
本マニュアル原文 Nagios XI – Backing Up And Restoring Your Nagios XI System
Revision 1.1 – November, 2016
(内容を一部変更しています)
参考情報:https://support.nagios.com/kb/article.php?id=482
ジュピターテクノロジー株式会社
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