サウジアラムコ季刊誌 サウジアラムコ季刊誌 アラムコ・リサーチセンター デトロイト 2016 2014年秋号 年春号 2 明日へのエネルギー サルマン国王と中国の習近平国家主席はこ の程、ヤンブー・アラムコ・シノペック・リファ イニング・カンパニー(Yanbu’ Aramco Sinopec Refining Company:YASREF) メガプロジェクト発足を宣言しました。 Center:KAPSARC)の完成式典が行われ ました。その後、続けてキング・アブダッラー 石油調査・研究センター( King Abdullah Petroleum Studies and Research Center: KAPSARC)の完成式典が行われました。 8 拡がるグローバル リサーチ アラムコの最新 R&D センター(アラムコ・ リサーチ センター - デトロイト)が 最近完成しました。本センターの開設により、 米国内のアラムコの リサーチ センターは 3 拠点となりました。 サ ウ ジ・ ア ラ ビ ア ン・ オ イ ル・ カ ン パ ニ ー(Saudi Arabian Oil Company:通称サウジアラムコ)は 1988 年 11 月 に、 そ れ まで 油 田 開 発 を 行って い た 米 国 企 業 アラムコ(Aramco) の 操 業 権と資 産 を 引 き継ぐ 形で 勅令により設立されました。アラムコが利権を取得したのは 1933 年でした。 サ ウジ アラムコ の 取 締 役 会 は、 同 社 の 旧 社 長 兼 CEO で あるカ ーリッド A. アルファレ (Khalid A. Al-Falih)保健省大臣が会長を務めています。政府の利益の管理人として、取締役会は、 サウジアラムコのビジネスの指揮を執り、会社の任務や長期的な戦略決定における経営陣への 指針の提供、上級経営陣の継承計画の監督、内部統制の確立、機会やリスク、リスク軽減戦略 の評価を行います。取締役会には、サウジアラビア政府の上級官僚や、サウジアラビアの主な 学術研究機関の代表者、国際的な石油、ガス、金融業界の上級役員、サウジアラムコ経営陣 の上級メンバーが含まれています。 サウジアラムコの Dimensions International は、 サ ウ ジ・ アラ ビ アン・ オ イ ル・ カ ン パ ニ ー (サウジアラムコ)が関連企業、お客様、社員向 けに定期的に発行しています。 アミン・ナサール(Amin Nasser) 社長兼 CEO ナサール A. アルナフィーシ(Nasser A. Al-Nafisee) コーポレート・アフェアーズ バイスプレジデント アブドラ I. アルイサ(Abdulla I. Al-Isa) 広報部長代行 編集者: ウィリアム E. ブラッドショー(William E. Bradshaw) Email: william.bradshaw.1@aramco.com.sa 14 ラスタヌラ EMSR: 安全と テクノロジー 分野をリード エグゼクティブ・マネジメント・ セーフティ・レビュー (Executive Management Safety Review: EMSR)のメンバーが サウジアラビアのラスタヌラ 製油所を訪れました。 マケドニア: 東洋と西洋が 交わる地 20 ダーラン地球科学協会(Dhahran Geoscience Society:DGS)は山、湖、古代ローマへと続く 古い街々に囲まれた国、マケドニア共和国を 探訪しました。 特別欄 abbrev. 26 worldview Back Cover 寄稿者: ナギー・アワッド、ヘザー・オコーナー、 スコット・バルドーフ、スベトン・シナディノフスキー、 ジェフェリー・A・マコーシェン デザイン: Graphic Engine Design (米国テキサス州オースティン) 印刷: Sarawat Designers and Printers (サウジアラビア、ジェッダ) 編集に関するお問い合わせは、 以下までご連絡ください。 編集者、 Saudi Aramco Dimensions International Public Relations Department, Saudi Aramco Box 5000 Dhahran 31311 Saudi Arabia 表紙: アラムコの最新 R&D 施設にて自動車への 斬新な燃料技術の応用を評価する二人の エンジニア-アラムコ・リサーチ・センター デトロイト ISSN 1319-0520 Copyright © 2016 Aramco Services Company 2016 年春号 再生紙を使用しています www.saudiaramco.com Dimensions International 1 明日への エネルギー サルマン国王、習近平中国 国家主席が YASREF を発足、 KAPSARC の完成式典に 出席 文:ナギー・アワッド 20 日、サウジアラビアはサルマン国王および 習近平中国国家主席立ち会いのもと、ヤンブー のアラムコ・シノペック・リファイニング・カンパニー (Yanbu’ Aramco Sinopec Refining Company:YASREF) メガプロジェクト発足という歴史的瞬間を迎えました。 まさに、シルクロード全盛期に遡る両国の深い絆を象徴す る出来事と言えます。 式典はキング・アブダッラー石油調査・研究センター (King Abdullah Petroleum Studies and Research Center:KAPSARC)の大会 YASREF: 画期的なコラボレーション 議場で行われました。この式典から程な アルファレ保健相兼サウジアラムコ取締役会会長は、両国の関 係が急速に拡大していることに触れながら式典の開会を宣言。 この 20 年間、中国がサウジアラビアの最大のパートナーとなり、 両国の関係が新たな次元に達したことを強調しました。また、 サウジアラビアが中国の主要石油供給国であることに誇りを 感じると述べました。 「サウジアラビアと中国はエネルギー産業および石油精製部 門において、強固な関係を築くためのユニークな機会を手に 入れました。同時にサウジアラムコでは中国福建省の精製プロ ジェクトへ投資するイニシアチブを推進することとなりました。 このプロジェクトはあらゆる意味で文字通り「理想的」なプロ ジェクトであると言えます」と、アルファレ保健相兼アラムコ会 長は述べています。「今回のヤンブーにおける YASREF 精製 プロジェクトは、サウジアラビアにとってさらなる大きな一歩と なりました。このプロジェクトにおいて我々は、定評ある専門 く、同センターの完成式典も行われまし た。この式典にはサルマン副皇太子兼 国防大臣、アリ I. アルナイミ石油鉱物資 源大臣、カーリッド A. アルファレ保健相 兼 サ ウ ジ ア ラ ム コ 取 締 役 会 会 長、 Sinopec、王玉普会長が出席しました。 2 dimensions INTERNATIONAL 上:King Abdullah Petroleum Studies and Research Center (KAPSARC)の内部。 右:YASREF で行われ たライブ・ブロードキャ ストの中で謝意を表す るハイサム・カッタン (Haitham Qattan)と リー・ケン・ユアン (Lee Ken Yuen)。 センターの完成を祝 い、多くの同僚たちが 見守る中、しっかりと 握手を交わす二人。 写真:ライアン・アル ガムディ( Rayan Al Ghamdi) /MPD 所属 dimensions INTERNATIONAL 3 アリ I. アル・ナイミ (H.E. Ali I. Al-Naimi) 石油鉱物資源大臣 知識と将来性のある Sinopec とともに、最高のパートナーとし ての関係を構築していきます。本プロジェクトは直接・間接的 に 6,000 名もの雇用を創出し、国内外の投資ポートフォリオを 拡大し、多様化させるというサウジアラムコの優れた戦略を 際立たせるものとなりました。 アルファレ保健相兼アラム コ会長は、国王、そして中国 国家主席をこの式典に迎える ことができたことに対し感謝 の意を表明し、 「私たちサウジ アラム コ の 社 員 は す べ て、 見識のある革新的なサウジの 根 幹 を 成 す、 活 気 に 満 ち、 多様な国内経済を構築すると いう、皆さんの壮大な夢と志 を実現するための努力を惜し みません。そして、世界的に 評価されるパートナーシップ と同 様 に 素 晴らしい パ ート ナーシップを構築することによ り、世界の先進的な投資ハブ としてサウジアラビアを位置 づけるために尽力します」と 語りました。 YASREF のエンジニアたちに公開された後、ライブ・ブロー ドキャストが 放 映され、 ハイサム・カッタンとリー・ケン・ ユアンは、製油所の開所に対する感謝の意を首脳たちに伝え ました。カッタンは中国語で、ユアンはアラビア語でそれぞれ、 この貴重な機会に立ち会うことができたことへの喜びを表し、 左:夜間にライトアップ されているキング・アブダッラー 石油調査・研究センター (King Abdullah Petroleum Studies and Research Center:KAPSARC)。 下:KAPSARC のユニークな デザイン。 4 dimensions INTERNATIONAL KAPSARC はさまざまなタイプのエネルギー、 および関連する経済的側面、政策、 技 術 等 の 研 究 を 専 門とする 非営利の独立研究機関です。 その使命は地域的、世界的社会の恩恵と繁栄 に貢献する価値の創造にあります。KAPSARC で は国際基準をもとに、独立し透明性の高い研究 に取り組んでいます。こうした研究はエネルギー 産業、経済的側面、こうした分野において世界 が直面する課題に関する現在、そして未来の 機会をより良く理解するのに役立ちます。それら すべてが、基礎となる研究活動によってもたらさ れる社会的恩恵へと結実します。 本プロジェクトの発足のために招かれた 2 か国の首脳を紹介し ました。 その後、国王と中国国家主席は公式に YASREF プロジェク トの発足を宣言しました。 式典の終わりに、アルファレ保健相兼アラムコ会長は会社 を代表し、国王に 300 年間伝承されてきた聖典コーランの 写本を贈呈し、中国国家主席に中国人でイスラーム教徒の 冒険家、鄭和の船団の模型を贈呈しました。鄭和はこの船団 を率 いて何 度も海を渡り、 中 国の通 商の礎を築きました。 メッカは彼の目的地のひとつでもありました。 KAPSARC の 最 初 の 種 は、 故 アブダッラー 国王の時代に蒔かれました。アブダッラー国王 はサウジアラムコに、センターの開設とインフラ の構築を命じました。 センターは著しい発展を遂げ、 エネルギー 研究分野における統合された秀逸なグローバル 研 究 機 関 へと成 長しつ つ あります。 同 時 に、 同センターには統合されたシステムやリサーチ プ ロジェクトを 行う豊 富 な ポ ートフォリオと ともに、 才 能 溢 れる研 究 者 や 専 門 家 たち が 揃っています。こうした設備、人材のすべては 評議会ならびに国際諮問会議の支援を受けてい ます。 の効果的、かつ、効率的な利用につながるソリューションを 確立するために、エネルギーの経済的側面や政策を最大限に 活用することで、サウジアラビアの経済、そして社会的発展を 推進します。 KAPSARC 評議会のアルナイミ会長はセンター開設式典に 臨み、サウジアラビアにおける科学、知識、研究・学術の 象徴的ハブとして加わる当センターの開設について、国王に 感謝の意を表しました。 KAPSARC: グローバル ソリューションの誕生の地 サルマン国王はまた、サウジアラビアに新 しく、 ユ ニ ー ク な も の を 作りまし た。 KAPSARC です。当センターはエネルギー サルマン国王と習近平中国国家主席が、 サウジアラムコと Sinopec(中国石油化 工集団)との合弁事業である YASREF プロジェクトの発足を宣言しました。 ヤンブー・インダストリアル・シティーに ある世界レベルのフルコンバージョン 製油所は地元の需要を満たすために マニファ油田からの日量 40 万バレルの アラビアン・ヘビーを処理する能力を 持ち、高価値の石油製品の輸出も 可能です。また、産業向けの原材料を 供給し、資材コントラクターやサービス プロバイダー向けの仕事やさまざまな 機会を生み出します。 写真:ハティム・オウェイダ ( Hatim Oweida) / MPD 所属 dimensions INTERNATIONAL 5 左:カーリッド A. アルファレ 保健相兼サウジアラムコ取締役 会会長。写真:ムスレ・カターミ ( Musleh Khathami) / MPD 所属 上:夜間にライトアップされた ヤンブーのアラムコ・シノペック・ リファイニング・カンパニー (YASREF)。 「KAPSARC は開設からわず かの間に、輝かしい結果を上げ、 世界中の関心を集めています。 また、今後長期にわたり、地域 的、そして国際的にも素晴らし い成果をもたらしてくれると確信 しています」と、アルナイミ会 長は述べました。 6 dimensions INTERNATIONAL YASREF は統合エネルギーおよびケミカ ル企業 2 社の合弁事業です。サウジ アラムコ(62.5% 出資) 、Sinopec(37.5% 出資)。 YASREF はこれら 2 つ の 企 業と、 サウジアラビアと中国という 2 つの 偉大な国家の間に築かれた固い絆 の象徴と言えます。 日 量 40 万 バレ ル の 精 製 能 力 を 持つ YASREF は高品質でクリーンな 輸送用燃料の生産に注力します。 2012 年 1 月に締結された合弁企業 の公式署名から 3 年後の 2015 年 1 月 に、YASREF から初の 30 万バレルの クリーンディーゼル燃料が予定どおり 無事に出荷されました。 この 3 年間という期間には設備の 設計、建築、業務開始、製品の出 荷など、一連の工程が含まれ、その 範囲や設備および化学精製処理の 複雑性などを考慮すると、傑出した 功績であったと言えます。 「このセンターは財務面と管理面の両方で独立 し、異なる研究を行っていますが、サービス の主要な提供先はサウジアラビア王国、そ の学術・政府機関などで、特に民間部門 を含むエネルギー部門の関連企業が取 引先となります。また同センターではサ ウジアラビア経済の多極化や拡大に貢 献するための手立ても探ります。これ は国王、皇太子および副皇太子の意 に沿うものであります」と述べました。 「KAPSARC は 石 油 や 太 陽 エ ネ ル ギー、風力エネルギーなどのあらゆる種 類のエネルギーに関係する国内外の研究 を発展させるための中心的な役割を担いま す。同センターはサウジ国内外の大学、研究 機関などと協力することによりこれを実現します。 テクノロジー、エンジニアリング、 堅実な計画を絶妙にミックスすること で完成した YASREF は、サウジアラ ムコのヤンブー製油所の近くにあり、 520 万㎡の広さを誇ります。サウジア ラビア東部沿岸にあるマニファ油田 からパイプラインを経由して重油の 供給を受けています。 当製油所での製品には日量 9 万 1000 バレルのガソリン、26 万 3000 バレルの超低硫黄ディーゼル、そし て、日量 6,200 メトリックトンの石油 コークス、日量 1,200 メトリックトンの ペレット状硫黄、日量 3,000 バレル のベンゼンが含まれます。 サウジアラビア最新の精製施設と して YASREF は世界最高の技術をひ とつの処理施設に集約し、重質原油 を高品質の最終製品へ分離・解質す る処理プラントとなっています。この 大型の世界レベルの製油所は、最新 の設備と外部システムを使用すること で各種オペレーションをサポートし、 さらに、原材料、触媒、製品の貯蔵 エリアなども備えています。 サウジアラビアをエネルギー研究の分野における 卓越したハブとし、この地域での重要性を示 すことがそのねらいです」 ナイミ会長はさらに次のように強調して います。KAPSARC におけるエネルギー 関連の研究の先駆的な努力は、代替 エネルギー源、さらには、エネルギー 市場を取り巻く不安定な環境、エネル ギーフローの研 究、 市 場 への影 響、 そして、エネルギーに関する経済政策 の効果の必要性なども踏まえて、まさに 不可欠であると言えます」 サルマン国王はその後公式にセンター の開所を宣言し、ナイミ会長が KAPSARC と、 セ ンタ ー の 敷 地 内 に 建 設 され た King Abdullah モスクの模型を贈呈しました。 サウジアラビアと 中国の両国にとって 歴史的な日。 dimensions INTERNATIONAL 7 広がる グローバルリサーチ 燃料リサーチ・プログラムが米国に拡大、 アラムコはデトロイト地区に R&D センターを開設 文:ヘザー・オコーナー ラムコの最新の R&D(研究開 発)センターが正式に開設され ました。これはアラムコが燃料 リサーチに独自の視点を導入す るものです。米国の自動車産業 の中心地に位置するアラムコ・リサーチセン ター - デトロイトが、エンジン効率を改善し、 排 出 量 を 削 減 するた め に 研 究 を 重 ね る グローバルなリサーチセンター・ネットワーク のひとつとして仲間入りを果たしました。 「燃料テクノロジーはサウジアラムコの 重要な研究分野のひとつであり、ここで我々 は統合された石油・ガス生産および精製に お ける 先 進 的 な ポ ジ ション を 活 用して、 燃料効率を大きく改善し、排出量を抑える デトロイトに R&D センターを開設するということ で、燃料テクノロジーに対する当社の真摯な取 り組みが明確になりました」とセンター長のデイ ビッド・クリアリー(David Cleary)は述べています。 8 dimensions INTERNATIONAL アラムコがデトロイト郊外に建設した最新の R&D センターの開所 式典中でテープカットするアミン・ナサール社長兼 CEO(前、中央) とノビ市のボブ・ガット(Bob Gatt)市長。 “well-to-wheel”(「油井から車輪まで」 )の革新的なソリュー ションへの投資を目指しています」と、同センターを開設した サウジアラムコ社長兼 CEO アミン・ナサールは述べています。 「デトロイトにリサーチセンターを開設することは、当社の 有意義なコミットメントを示すことであり、米国の自動車産業 の中心における、偉大なるコラボレーション・パートナーと ともにアラムコの研究者の才能を集結するためのプラット フォームとして、自動車の街は最適な環境であると確信してい ます」 自動車業界、国立の研究所、大学、政府から総勢 100 名 を超えるゲストがアラムコの新しいセンターの開設式典に 臨み、式典、ガイド付きツアー、昼食会に参加しました。 燃料リサーチネットワーク 新センターは、サウジアラビア、ダーランの R&D センターを 拠点とするアラムコの世界規模の燃料リサーチネットワークに加 わります。それは、ツワルにあるキング・アブダッラー科学技 「デトロイトにリサーチセンターを開設す ることは、当社の有意義なコミットメント を示すことであり、米国の自動車産業の 中 心における、 偉 大 なるコラボレ ー ション・パートナーとともにアラムコの 研究者の才能を集結するためのプラット フォームとして、自動車の街は最適な 環境であると確信しています」 — サウジアラムコ社長兼 CEO アミン・ナサール 術 大 学(King Abdullah University of Science and Technology:KAUST) やフランスのアラムコ燃 料 リサ ー チ セ ン タ ー(Aramco Fuel Research Center:IFPEN) ならびにフランスの石油研究機関 IFPEN とのパートナーシップ を通じての燃料技術開発を可能にします。 アラムコのグローバルな燃料プログラムの一環として、デト ロイト・センターでは、テクノロジー開発の包括的視点を掲げ ています。 dimensions INTERNATIONAL 9 輸送の課題に注目 燃料 / エンジンの適応: アラムコの研究者は精製事業者の観点から、 燃料とエンジンの研究・開発に取り組み、 現在普及していない先進的なエンジンテク ノロジーを実現するために、燃料を製造する 方法について研究を重ねています。 エンジン / 車両の統合: アラムコでは斬新な新燃料 / エンジンシステ ムを自動車に統合し、暑さや寒さといった 気象条件も加味したうえで燃料の効率性、 10 dimensions INTERNATIONAL 排 出 量 などに つ いてその 性 能を検 証して います。 戦略的輸送分析: 未来の燃料とエンジンテクノロジーを開発し、 アラムコの見解を共有しています。この中に は、こうしたテクノロジーが排出量のニーズ を満たすために将来的にどのように機能する か、また、性能、市場、液体燃料の輸送方 法に対する需要との関連付けなどについての 評価も含まれます。 商用輸送エンジンは、よりクリーンで燃料効率に優れた 燃料を発見するべく検証が行われています。 する上で、リーダー的地位をアラムコが確保するひとつの チャンスといえます。それは原油の井戸元から製油所、 さらには輸送手段に至るまで、当社の事業のあらゆる面に おいて環境パフォーマンスの改善を目指す戦略にも合致す るのです」 とサウジアラムコのアハマッド O. アルコウェイター (Ahmad O. Al Khowaiter) 最 高 技 術 責 任 者 は 述 べ て います。 アラムコの行っている研究で予想される結果のひとつ に、斬新な燃料 / エンジンシステムを発見し、試作や検証 のためにこれらを車両に組み込むというものがあります。 デトロイトセンターでは、現在、デルファイ(Delphi) 社とのパートナーシップを含め、式典中に紹介された 3 つ の車両テクノロジーがこのステージへと移行中です。自動 車と商用車市場のグローバルテクノロジー企業であるデル ファイ社はアラムコとパートナーシップを結び、ガソリンの 圧縮イグニションテクノロジーを採用することで、高効率 「この地におけるアラムコの存在は、 私たちの暮らすこのコミュニティの 急速な発展と、自動車産業を支援 する活気に満ちた精神に貢献して います。この地デトロイトの郊外にあ るノビ市は、リサーチ、テクノロジー、 サービスなどのプロバイダーにとって 魅力的な地となりました」 — ノビ市ボブ・ガット市長 センターに所 属するチームのひとつは 当社の開発中のテクノロジーが現在、そして 将来にわたり消費者や自動車メーカーのニーズに合うよう 戦略的分析を行っています。また別のチームは新燃料と エンジンの組み合わせを試し、性能から排出の妥当性に 至るまで、さまざまな要因における最適な組み合わせを 導 き 出 す 研 究 に 取り組 んで います。 燃 料 / エン ジン テクノロジーが実現可能と判明すると、そのテクノロジー が実環境の路上でも想定された性能を発揮できるか検証 するために自動車に組み込まれます。 「燃料の研究は、気候変動や、より高いエネルギー効率 へのニーズといった課題に対応するテクノロジーを創出 5 万平方フィートのデトロイトセンターに集まった役員。同施 設には 4 つの燃料およびエンジンの動力計研究ラボが設置さ れ、2016 年には環境ラボを併設した新しい車両ラボの開所 が予定されています。センターは設計段階から順応性を考慮 し、12 本の独立した燃料ラインがラボとラボを繋いでおり、 連続的な先進燃料試験とブレンドが可能です。 アラムコ・リサーチ・センター - デトロイトにおいて、軽量燃料の 研究ラボは、研究者が未来のより良い燃料とより良いエンジンを 模索する最新分野のひとつに過ぎません。 の燃料と低排出を実現する先進的エンジンテクノロジーのため の新しい燃料を模索しています。 「デトロイトセンターは才能と能力の結晶です。同センター は米国における重要なテクノロジーをもった企業としての当社 の役割を拡大・強化するものです」と、アラムコ・サービシズ・ カンパニー(Aramco Services Company:ASC)社長バジル・ アブルハマエル(Basil Abul-Hamayel)は述べています。 dimensions INTERNATIONAL 11 「この新センターの人材とコラボレーショ ンへのコミットメントを、私たちは心か ら誇りに感じています。我々には、燃料 リサーチに大いに貢献するための人材と 設備の適切な組み合わせを兼ね備えて います」 — デイビッド・クリアリーセンター長 長距離トラックエンジンのピストンを交換するデトロイト商用 車燃料研究チームのラボ技術者。燃料 / エンジンシステム の全体的な効率を改善するのに役立つ新しい燃焼概念。 「デトロイトに R&D センターを開設するということで、 燃料テクノロジーに対するアラムコの真摯な取り組みが一 段と明確になりました」と、センター長のデイビッド・ クリアリー(David Cleary) は 述 べています。「この 新 センターの人材とコラボレーションへのコミットメントに 対し、私たちは心から誇りに感じています。当社は、燃料 リサーチに大いに貢献するための人材と設備の適切な 組み合わせを兼ね備えています」 連合型産業コラボレーション センターの能力 この研究分野を発展させるには、コラボレーションと合弁型の 産業パートナーシップが不可欠です。「アラムコはそのグローバ ルな精製技術によって自動車業界に、燃料科学のさらに深い理 解に加え、将来のテクノロジーを見据えた業界の展望に見合っ たエンジン向けに将来の燃料を開発する方法も提供します」と、 Aramco のアメル(Amer A. Amer)燃料技術主任は語りました こうした目標を達成する一環として、デトロイトセンターで はオリジナル機器のメーカー、一次サプライヤー、国内研究所、 大学などと主要なパートナーシップの締結に乗り出しました。 5 万平方フィートのデトロイトセンターでは 4 つの燃料研究 ラボとエンジン動力計研究ラボを有するほか、2016 年に は環境面での研究を行える車両ラボを開設する予定です。 これにより、完全なオンサイトの統合と環境要因並びに排 出量の試験を実施できます。このラボでは、新テクノロジー が寒さ(華氏 20 度)や暑さ(華氏 120 度)といったさま ざまな気象条件でも、想定された車両性能や排出量の仕 様に見合った値を確保できるようにすることも、研究対象 としています。 12 dimensions INTERNATIONAL ラボはその性能面においても燃料の設計、燃料の確 保、特殊な燃料の分配といったさまざまな性質上、実用 的な順応性を取り入れるよう配慮されています。たとえ ば、ラボへの独立した燃料ラインを 12 本確保することに より、連続的な先進燃料試験とブレンドを可能にします。 この施設では、極めて小さいシングルシリンダーの 研究用エンジンから、1,000 馬力の高負荷にも耐える 道路用および固定型エンジンに至るまで、さまざまな 研究が可能です。 アラムコはさらに、米国で 2 か所のリサーチセンター を運営しています。ダーランの R&D センターの作業を 支援し、強化するために作られたアラムコ・リサーチセン ター - ボストンはアップストリームとダウンストリームの研 究に携わり、先進的な素材、ナノテクノロジー、触媒など、 多くの分野で新しい可能性を求めて研究に取り組んでい ます。アラムコ・リサーチセンター - ヒューストンはアップ ストリームのエネルギー R&D に重点を置き、この研究 所の研究者たちはまったく新しい液体、型にはまらない 資源の管理方法のための新メソッド、新世代掘削ツール の開発、他のテクノロジーなどを研究しています。 「当社の新しいラボと研究チームが大きな一歩を踏み 出す今、米国の研究開発は新たな可能性に満ちていま す 」 アラムコ・ サ ービシズ・ カン パ ニ ー(Aramco Services Company:ASC)R&D 部門アシュラフ・タヒー ニ(Ashraf Tahini)ディレクターはこのように述べてい ます。 「アラムコファミリーに加わった最新研究所と共に、 当社の燃料リサーチプログラムが引き続き発展していく ことを楽しみにしています」 新しいアラムコ・リサーチセンター - デトロイト 下:ノビ市のボブ・ガット市長(左)がサウジアラムコ社 長兼 CEO アミン・ナサールにプラークを贈呈。 dimensions INTERNATIONAL 13 ラスタヌラの EMSR 文:スコット・バルダウフ (Scott Baldauf) 安全とテクノロジー分野をリード イナブ・アルモフセン(Zainab Al-Mohsen) は、 サウジ アラビアのラスタヌラ製 油 所 (RTR)に隣接するサウジアラムコのラスタ ヌラ研究所に勤務する大勢の研究員のひと りです。しかし、彼女と彼女のチームメンバー は RTR によって製造された製品の品質を試 験するだけでなく、サウジアラビアとその市 14 dimensions INTERNATIONAL 民がサウジアラビアの炭化水素資源から最大の経済的恩恵 を受けることができるようにするための大きな影響力のある 仕事に携わっていることを認識しています。 最近のエグゼクティブ・マネジメント・セーフティー・レ ビ ュ ー(Executive Management Safety Review: EMSR) の期間中、アルモフセンと製品管理支援機能チームの他の 研究員たちは、サウジアラビアの周囲で燃料の密輸が疑わ 左: 左:ゼイナブ・アルモフセンが管理者たちに、彼女とラスタヌラ 研究所の他の研究員たちが、サウジアラビアから粗悪な品や不正な 製品を輸出できないようにするために、いかにして燃料の「フィンガー プリント」を特定するかを説明しています。ラスタヌラはサウジアラムコ 最 大 の 産 業 組 織 のひとつです。 写 真:ムスレ・カターミ( Musleh Khathami) / MPD 所属 安全面での改善 オマール S. バズヘール(Omar S. Bazuhair)精製・NGL 分別担当エグゼクティブディレクターは、ラスタヌラの達成 した 2015 年の安全面での実績について説明しました。バズ ヘールによれば、全般的にラスタヌラは 2014 年の安全記 録をすべて塗り替えました。優れた施設運営に関する原則 に従って、ラスタヌラの地区管理チームは安全啓蒙キャン れる事例のテストに使用できる技術の実演を行いました。 ペーン、新規の安全面の改善、他の製造面での尽力を組み アルモフセンと他の研究員たちはサウジアラムコの精製した 合わせることで業績はさらに改善されると推測しています。 燃料の全データベースを使用し、燃料の「フィンガープリン ラスタヌラの報告によれば、2015 年のニアミス件数は ト」を特定できるようにすることで、サウジアラビアから粗 1,487 件で 2014 年から 12% 減。また、1,068 件の安全面 悪な製品や不正な製品が密輸されるのを防ぐことができる での改善のうち 783 件がすでに反映済みであり、2014 年 ようにしました。 と比較すると 7% 増となっています。2015 年は勤務中の アルモフセンは幹部たちとの会合で、「RT ラボで製品管 死亡事故はありませんでした。 理支援機能を国家的な関心に利用できることを誇りに思い ラスタヌラで は 損 失 時 間 傷 害 が 2014 年 の 6 件 から ます」と述べました。「これはサウジアラビアとそこに暮らす 2015 年には 5 件へと減少、職場外の負傷(OJI)が同時 人々にとって重要なことです」 期の 58 件から 54 件へと 6% 減少しました。自動車事故 ツアーは印象的な静けさの中から始まります。ガイド役 (MVA) が 職 場 外 の 事 故 の 43% を 占 めました。 一 方、 を務めるモハメッド・アルドサリは、危険な運転習慣につい ラスタヌラ内の MVA の件数は、2015 年には 13 件と 23% て話し合うことの重要性について語ります。アルドサリは自 減少しました。バズへールによれば、2016 年にラスタヌラ 分が凄惨な交通事故から生還したことで安全に注意を払う ではより多くの運転・交通安全啓蒙プログラムを実施し、 ようになったと告白し、ドライバーに速度を落とし、ベルト を装着して、ウィンカーを適切に使用するよう求めました。 悲しいことに彼の友人の運転姿勢は変わることなく、その 送風機の寿命に直接的な影響を及ぼす、軸受け設置の実践的な改善方 友人はそれを悔やむこともできなくなったのです。サウジア 法について管理者に説明するラスタヌラ製油所のアブドゥルアジーズ・ アルオタイビ (Abdulaziz Al-Otaibi) 。新型のテイーパード・センタリング・ ラビアでは交通事故で年間 6,000 人もの市民の命が失われ リングを使用することで軸受けローラが伸び、完全に設置されます。 ています。 こうすることで、送風機の故障間隔が 3 か月から 20 か月以上に改善さ れました。写真:ムスレ・カターミ( Musleh Khathami) / MPD 所属 dimensions INTERNATIONAL 15 ラスタヌラのウェストピアを背景に、海洋品質管理エンジニアの アブドゥラ・アルシャテーブ(Abdullah Al-Shateb)から海洋メンテ ナンス部門の提供したメンテナンス活動について説明を受ける管理 者たち。後方では係留中の Berri-3 号が、5 年ごとの再検査を受け ている。写真:ライアン・アルガムディ( Rayan Al Ghamdi) /MPD 所属 危険なドライバーについては懲戒措置を行うことで、 さらなる改善を目指しています。 また、昨年はラスタヌラの環境面での業績において も大きな改善が見られました。2014 年と比較してフレア の 7% 減、 海 洋 へ の 炭 化 水 素 物 質 放 出 の 98% 減、 二酸化硫黄ガスの排出 33% 減などを達成しました。 安全対策 これらの安全対策に加えて、ラスタヌラの管理者は新しい メトリックスと処理の安全性の指標について強調しました。 これらのメトリックスや指標は世界中の加工産業で急速に 取り入れられるようになっています。米国石油協会(API) 、 国際石油・天然ガス生産者協会(OGP) 、米国化学工学 会(AIChE)といった、影響力の強い業界団体のリード により、これらの新しいメトリックスは処理の安全性に関す る事がらの記録、報告、調査、追跡のために使用されます。 2013 年以降、RTR ではプロセスの安全性について、 2 つのタイプの追跡を行いました。一次的対応時のロス、 リリーフ装置や緊急シャットダウンシステムなどの作動、 また、RTR では操業中のプラントのために、プラントの 整合性基準から外れた逸脱を追跡します。これらの同一 のメトリックスは現在、シフト監督者レポートとして毎日 報告されます。 サウジアラムコの他の部門や精製 / NGL 分 溜 管 理 エ リ ア と 並 行 し て、 RTR が先進的な役割を担っています。 2015 年 に、 損 失 防 止 部 門(LPD) が 企 業 レ ベ ル で 2 つ の 類 似 し た KPI (主要業績指標)を導入するよう推奨し ました。LPD は企業全体の処理安全性 KPI を当社に導入するための計画を立て ました。 4 つの異なる安全性ツアーでは次の 場所を訪問しました。 •RTR およびラスタヌラ研究所 • ジュアイマ(Ju’aymah)石油貯蔵地区 およびジュアイマプラットフォーム • ジュアイマ NGL 分留および RT 製造 • RT ターミナルおよび海洋部門 自動車危険防止プログラムの中で、モハメッド・ アラーディ(Mohammed Alaadi) は従 業員の 運転時の行動を改善するためのドライビング・ シミュレーターの使用方法を実演しました。若い 従業員を対象に、このイニシアチブは企業安全 イニシアチブ の 付 属として設 計されました。 写真:ムスレ・カターミ( Musleh Khathami) / MPD 所属 16 dimensions INTERNATIONAL 左: アブドゥラ・アレネッツィ(Abdulelah Alenezi) は RT マシンショップにおいて、 軸 受けの設 置を改 善するための 革新的な備品の使用を実演しました。写真:ムスレ・カターミ ( Musleh Khathami) / MPD 所属 交通安全の努力 RTR ツアーはモハメッド・アル・アディ(Mohammed Al Adi)の操作する施設のドライビングシミュレー ターの実演を見学したあと、RTR のオンボードプロ グラムへと出発しました。職務経験が 6 年未満の作 業員、50% を対象として制作されたドライビングシ ミュレーターでは、ビデオゲームのような機能を駆使 して 6 種類の異なるシナリオを実体験できるというも ので、若い従業員たちの運転時の行動をテストしま す。電気技師のアミン・アル・ガームディ(Amin Al Ghamdi) は、 その年の RTR の従 業 員に関する、 正式な交通上の警告や違反に関する統計情報を提 示しました。製油所の安全コンプライアンスグループ のオペレーターであるアブドゥルアジズ N.アルワイジ (Abdulaziz N. Alhwaiji) は、運用上の危険行動シミュ レーターを実演しました。このシミュレーターには、 モデルコントロール・ルームやモデル運用施設地区 などが含まれます。 複数の若い従業員が、長年にわたりラスタヌラで開発され、使用されてきた多数の安全設備やイノベーションの管理方法を実践しました。上左か ら、ジュアイマ石油貯蔵地区で新型サブステーションの安全対策について説明するファハド・アルバドウィ(Fahad Al Badwi)。スチーム・リフォー マーの安全性と信頼性を改善するために RTR で開発された新テクノロジーについて解説するアブドゥルアジズ・アルシャマーリ(Abdulkareem Al-Shammari)。設置用の安全装置、アラーム、警報灯や安全装置などの RT ショップにおける安全面での改善や、さまざまな機会の個別の 安全性を改善する新型プログラムの導入について説明するアブドゥルカリーム・アルシャマーリ(Abdulkareem Al-Shammari)。RTR の車両事故 防止プログラムと適切な運転時の行為を推進し、路上での死亡事故を防止するための取り組みについて説明するモハメッド・アラーディ (Mohammed Alaadi)。写真:モハメッド・アルシェイク( Mohammed Al-Shaikh)およびムスレ・カターミ( Musleh Khathami) / MPD 所属 マシンショップの安全性 しました。ラシャード・ファリャタ(Rashad Fallata)は将来 的な保守コストの削減に役立つ回転機器を保管するための RT マシンショップにおいて、スレイマン・アルトゥライフィ 新メソッドについて紹介しました。また、 アブドゥルアジーズ・ (Sulaiman Al-Turaifi) が RACE(Reliability Accelerated アルオタイビ(Abdulaziz Al-Otaibi)は、軸受けの設置改 Culture Enhancement)プログラムの概 要に触 れました。 善を目指した革新的な機器についてプレゼンを行いました。 同プログラムは 2014 年に開始された資産の信頼性を改善 ディーゼル・ハイドロトリーター・ユニットについて、 するためのエマーソンリライアビリティ・プログラム・オブ・ オペレーティング・エンジニアのユーシフ・アルドサリ (Yousif ザ・イヤーを受 賞。アブドゥルアジズ・アルシャマーリ Al-Dossary)が新型オンライン 3D ストレス分析機器による (Abdulkareem Al-Shammari)はマシンショップにおける安 コスト削減や利便性について披露しました。ハーマッド・バ 全性の改善について強調しました。その中には、安全弁の ルハレース(Hamad Balhareth)は製油所のツイン「テキ テストスタンドに設置されたライトや、液圧プレスに設置さ サスタワー」を洗浄する新たな方法を紹介。この方法によっ れた新型の金属製安全装置などがありました。ジャベール・ て熱交換器の燃料をより効率良く活用できるようにするとと アルカターニ(Jaber Al Qahtani)は RT のマシンショップ もに、排出量を削減、信頼性を向上することができました。 が社内で初めて溶接およびマシンショップに対し ISO 認証 その後、幹部メンバーはさらに多くの改善がもたらされ を取得したこと、また、マハムド・コージャンディ(Mahmoud た Pipeway 8 のプレゼンテーションを聞きました。運用エ Khojandi)が回転機器の保守に関し、RT マシンショップが ンジニアであるサナッド・アルベアイジ(Sanad Al Beaiji)は、 提供する新コースについてのプレゼンを実施したことを発表 RTR が効果的なビジネス連続性プランを用いた処理を通じ 18 dimensions INTERNATIONAL ターミナルオペレーション部門にてパイロットアシスタントとして勤務す るアリ・アティーン(Ali Ateen)は、ラスタヌラの港湾ビジネス継続性 センターの管理について、詳細にわたり説明しました。写真:ライアン・ アルガムディ( Rayan Al Ghamdi) /MPD 所属 成功と未来のディリジェンス アミン・ナサール(Amin Nasser)社長兼 CEO はラスタヌ ラの従業員に対し、安全性への尽力、交通安全、業界安全、 サイバーセキュリティなどの各種分野における会社の業績 を改善するためのトレーニングプログラム・啓蒙プログラム の継続を可能にする RT の積極的な管理について謝意を 述べました。ナサール社長兼 CEO は現在のグローバルな 経済環境について触れ、あらゆる取り組みについて全社員 がコスト意識を持つよう促しました。 デブリーフィングセッションの間には、ダウンストリーム て精製した製品の流れをどのように維持したかについて発 部門のシニア・バイス・プレジデント、アブドッラーマン・F・ 表しました。また、 アブドゥルアジズ・アルジュアイド アルウヘイブ(Abdulrahman F. Al-Wuhaib)がラスタヌラ (Abdulaziz Al Juaid)とハッサン・アルアシーリ(Hassan の従業員に対し、2015 年のラスタヌラの安全面での業績 Al Asiri)はパイプラインの監視、リスクの特定、潜在的な 改善を実現するために彼らが弛まなく取り組んだその努力 問題を回避するために完了した修復作業と新しいテクノロ を讃えるとともに、会社の施設内と社外の両方における安 全面での懸念事項について引き続き意識を引き締めていく ジーソリューションについて細かく説明しました。 ア ブ ド ゥ ル ア ジ ズ・ ア ル シ ャ マ ー リ(Abdulaziz よう促しました。 運用およびビジネスサービス部門のシニア・バイス・プ Al-Shammary) は、 ガ ス を 混 ぜ ることで 最 適 化 を 図り、 排出量を減らすことにより、エネルギー効率をアップさせる レ ジ デ ント、 ム ハメド M. アル サ ガ フ(Muhammad Al 評判の高い新型スチームリフォーマーについて説明しました。 Saggaf)が、ジュアイマ・プラットフォームで目の当たりに した彼らひとり一人の取り組みと若い従業員のエネルギー ターミナルメンテナンス部門のエンジニアとして勤務するアリ・ラディ(Ali に感服したと述べ、また、若い同僚たちに自分の知識を 提供するため多くの時間を割いた熟練した社員たちについ Radi)はラスタヌラのノース・ピアに開発されたボート荷揚げ用安全装 置を披露しました。写真:ライアン・アルガムディ( Rayan Al Ghamdi) ても讃えました。 /MPD 所属 dimensions INTERNATIONAL 19 東洋と 西洋が 交わる地 湧き水が注ぎ込む鏡のように澄んだこれらの湖は、美しいマケドニアの 田舎に無数に存在する風光明媚な土地のひとつに過ぎません。 20 dimensions INTERNATIONAL 文: スベトン・ シナディノフスキー マケドニア共和国はダーラン地球科学協会 (DHAHRAN GEOSCIENCE SOCIETY:DGS)が最近訪 れた国です。この地では 21 世紀の科学や テクノロジーと、地理的・歴史的に興味深 い土地を、同時に楽しむことができます。 この魅惑的な国は何世紀にも わたり、東洋文化と西洋文化 が交差する地としてその名を 刻んできました。 旅 は マ ケドニ アの 首 都、 スコピエから始まります。この 地に人々が暮らすようになっ たのは遙か紀元前 4000 年に まで遡ります。近代的な街並 みを臨む旧ケイル要塞の内部 では新石器時代の名残りが発 見されました。 DGS グループはこの地や 他の考古学的な遺跡を訪れ、 ローマ人の侵略から東ローマ 帝国時代、スラブ系民族の支 配、そして、500 年以上にわ たるオスマン帝国による支配 に至るまで、この街の多彩な 過去の片鱗を目の当たりにし ました。当時、この街は東洋 建築と多くのモスクで有名で した。その後、20 世紀の初 めにバルカン戦争が終結する と、新たに建国されたユーゴ スラビアの一部となりました。 dimensions INTERNATIONAL 21 第 2 次世界大戦を経て、街の規模は急激に拡大しました が、1963 年に巨大地震に見舞われ 1,000 名もの犠牲者が 出ると、街の発展は中断します。今日、その人口はおよそ 67 万人を数えます。 地球が震えた場所 DGS の代表団はスコピエで高い評価 を誇る地震工学センター(Institute of Earthquake Engineering and Engineering Seismology:IZIIS) を 訪れました。同センターは 1963 年 で街の大部分が破壊された巨大地震 のあと、マケドニア政府とユネスコ (UNESCO)の勧告をもとに 1965 年 に創設されました。同センターはヨー ロッパ、アフリカ、アジアなど幅広い 範囲で無数の開発研究プロジェクト を実施してきました。 同センターのスタッフがダイナミッ ク・ テスティング・ラボ(Dynamic Testing Laboratory)を案内しました。 このラボ には 最 新 式 の 2 つ のコン ポーネントでプログラムされた地震震 動テーブルが設置され、巨大な被害 22 dimensions INTERNATIONAL 上: マ ケド ニ ア の 地 を 訪 れ た ダ ー ラ ン 地 球 科 学 協 会(Dhahran Geoscience Society)の面々。スコピエの風光明媚な景色を臨むことが できるボドノ山中腹へと続きます。 下: 高い評価を受けているスコピエの地震工学センター(Institute of Earthquake Engineering and Engineering Seismology:IZIIS)を訪 れた DGS グループのメンバー。このセンターは 1965 年に開設されました。 をもたらす可能性のある地震が発生したことを想定し建造 物モデルを試験できるようにデザインされています。 DGS の一団はオフリド湖 上: 歴史的・文化的遺産が多数存在 を訪れたときにマケドニアを するこの地でサウジアラムコの代表団 さらに深く知ることとなりま は 観 光 客 に 人 気 の 高 い オ フリド した。この湖は紀元前 2 世 (Ofrid)の街を訪れ、復元された数 千年前の Bay of Bones の集落や遺 バルカンの真珠 紀にローマ人によって建設 物などを見学しました。 2 日 目 は マ ケド ニ ア の 西 部と 国 内 最 大 の マ ボ ロ ボ さ れ た「 エ グ ナ テ ィ ア 下: マトカ峡谷の湖。 (Mavrovo)国立公園を訪れました。1949 年に設立され、 (Egnatia)街道」にあります。 自然の美しさと人工湖と大規模な水力発電システムでも この重要な道は、アドリア海 と東ローマ帝国(現在のイスタンブール)を結ぶ要路で、さら 有名です。 にはアジアのシルクロードへとつながりました。 dimensions INTERNATIONAL 23 オフリドはおそらくマケドニア随一の観光 地であり、数世紀にわたる豊かな歴史的お よび文化的遺産に恵まれています。かつてこ の街には 365 軒の教会があったと伝えられ ています。即ち、365 日、1 年分ということ になります。聖キリルと聖メトディウスの兄弟 は、9 世紀にこの地でキリル文字を生み出し ました。キリル文字はオフリドの修道院 でその弟子たちにより教えられ、スラブ 系の国々へと広まっていきました。キリ ル文字はオフリドの修道院でその弟子た ちにより教えられ、スラブ系の国々へと 広まっていきました。 当協会の目的は、そのメンバーのために地質学、 オフリド湖の街々では毎年、芸術と音 楽をテーマとしたサマーフェスティバル 地球物理学、それに関連する科学、特に、アラビア が開催され、世界中から何千名もの観光 半島の石油や鉱物資源の探索、開発において、技術 客やアーティストが訪れます。この地域 的かつ専門的な情報を提供することです 。 には 伝 統 工 芸 が 数 多く残っています。 織物、製本用の紙の作製、特に、土地 当協会の活動には、定期的な月例会合、サウジア に固有な真珠から作られる宝石でも有名 ラビア国内外への視察旅行、技術セミナー、特別プ です。 オフリド湖はヨーロッパ最古、また最深の湖のひとつと言わ れています。 その歴史はおよそ 400 万年前まで遡ると推測され、世界の ほかの場所では見られない動植物の固有種が 200 種も生息し ています。「バルカンの真珠」としても知られるオフリドの街は、 1979 年、その固有な自然と建築様式によって世界遺産に登録、 オフリド湖は 1980 年に登録されました。 ダーラン地球科学協会(DGS) ロジェクト、出版などがあります メンバーシップには 四半期ごとに刊行される地球科学誌 Geo Arabia の 購読が含まれます。当協会では地域の「GEO」 カンファ レンスの協賛も行っています。 地球科学協会は米国石油地質学者協会(American Association of Petroleum Geologists: AAPG)、 ヨーロッパ地球物理学者・技術者協会(European Association of Geoscientists: EAGE)、 米 国 物 理 探査学会(Society of Exploration Geophysicists: SEG)と提携関係にあります。 道を越え、峡谷をわたり、 そして地下へ DGS グループはスコピエへ戻り、歴史あるエグナティア街 道を進みビトラ(ヘラクレア:Heraclea) 、ストビといった 街も訪れました。これらの古い町には 27 世紀にわたる過 去の出土品が多く残されており、その中には世界を支配し ていた多くの帝国の遺物も含まれます。 スコピエでは一部のメンバーがケーブルカーに乗ってボ ドノ山の頂に登り、街を見渡すパノラマビューを満喫しまし た。他のメンバーは街の中心部でフォークロアユースフェ スティバルを見学しました。 15 世紀に建立された石橋。 24 dimensions INTERNATIONAL オフリド湖から見えたオフリドの街「バルカンの 真珠」。丘の上には Tsar Samuil 要塞。 マトカ峡谷までの短いバスの旅にも参加しました。この注目 すべき地層には、植物や蝶の希少種や固有種の生息地となっ ています。グループは峡谷へ徒歩で降り、その後はボートに乗っ て岩がそそり立つ狭い岩壁を縫うようにして進む川下りに参加 しました。 ボートを降りた後も冒険は続きます。洞窟内へと進み、石筍、 鍾乳石、鉱床によって形作られた美しい自然の造形美など、自 然が生み出す驚異の世界を堪能しました。自然の創り出す美 しい形状や色について語ったグループのメンバーによれば、洞 窟の壁に下がるおびただしいコウモリの数にも驚かされたそう です。 この平和で静寂な世界をあと にすると活気溢れる街まではわ ずか 30 分ほど。DGS の一団は 再びマケドニアの伝統料理に舌 鼓を打ちました。この街を去る 前の最後のチャンスに現地の旅 行社の担当者とガイドに謝意を 述べました。 このツアーへの参加者全員が この旅行は成功したと感じ、出 会った人々や訪れた場所から、 素 晴らしい 印 象を受 けました。 参加者はこのような素晴らしい 旅にまたぜひ参加したいと述べ ました。近い将来に、このような 素晴らしい旅を再び体験できる ことを望んでいます。 ヨーロッパで最大級の水中洞窟、 ヴレロ洞窟の底部に到達した DGS メンバー。 dimensions INTERNATIONAL 25 abbrev. 米国の学会でスーパー コンピューティングに 関する知識を披露する ドグル研究員 サウジアラムコ・ニュース 米国テキサス州オースチン— 高性能コン ピュー ティング(HPC) 、 科 学 的 用 途、 世界中の産業における先進的な革新に関 心を向けるため、EXPEC アドバンスト・ リサーチ・センターに所属する、サウジ アラムコのアリ・ドグル研究員はテキサ ス 州 オ ー ス チ ン で 開 催 さ れ た Super Computer 15 International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage and Analysis(SC15) にて講演者として選出されました。 米国政府の研究ラボ、計算機業界、 世界中の学術機関などから集まった人々 が、ドグル研究員のプレゼンテーション 「Trends and Challenges in Computational Modeling of Giant Hydrocarbon Reservoirs (巨大炭化水素レザボア の計算モデリング サウジアラムコ、 PEMEX がテクノロジー、 持続可能性、エネルギー 効率、さらに多くの 内容で協業を推進する という覚書に署名。 サウジアラビア、ダーラン— サウジアラ ムコと PEMEX は、2 社間の協業フレー ムワークを構築するという覚書(MoU) に署名しました。 サウジアラムコのアミン・ナサール (Amin Nasser) 社 長 兼 CEO と PEMEX アミン・ナサール社長兼 CEO(右)とエミリオ・ ロソーヤ CEO。サウジアラムコと PEMEX (メキシコ石油公社)との間で交わされた、 2 社間の協業フレームワーク創設に関する 相互の理解をまとめた覚書に署名。 関 連 サ ポートサービスにお けるベスト・ プラクティスに関する情報交換なども含ま れます。覚書の中ではさらに、運用技術、 持 続 可 能 性、 エ ネ ル ギ ー 効 率、 革 新、 技術開発などの各分野におけるベストプラ クティスの情報交換に基づいた協業体制の 確立についても規定しています。 「PEMEX との覚書調印によって、当社が もっとも関心をもっている事に対し相互的 な恩恵を受ける関係を結ぶことができまし た」とナサール社長兼 CEO は述べています。 「サウジアラムコと PEMEX の両社は、スキ ル、ベスト・プラクティス、相互的な協業関 係を通じた経験から恩恵を受けることができ の エミリオ・ ロソー ヤ(Emilio Lozoya) CEO は、サウジアラムコのダーラン本社 ます。この覚書により、協業するための機会 で行われた式典において、両社間の覚 コアビジネス運用や分野のベスト・プラクティ 書に署名しました。 覚書の条件に従い、両社は複数の分 野において協業と知識の共有を開始しま における傾向と課題) 」に耳を傾けました。 を特定し、サポートサービスなど、当社の スを共有できるようになります。 アリ・ドグル(Ali Dogru)はテキサス州 オースチンで開催された Super Computer 15 International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage and Analysis にて、講演者として 選出されました。 最大の規模を誇るスーパーコンピュー ティングの国際会議にサウジアラムコが 講演のために招待されたのは、今回が初 のことでした。 「サウジアラムコにとって、HPC は油分 回収率の向上を意味し、EXPEC ARC のコン ピュテーショナル・モデリング技術を支える す。その一例としては、アップストリーム 推進力となります」とドグル研究員は述べ とダウンストリームのそれぞれの運用、 ています。「 業 界 最 先 端 の GigaPOWERS 26 dimensions INTERNATIONAL (ギガスケールのパラレル石油、ガス、水 「これこそが、まさにウィン のエンハンスト・シミュレーター)の達成 ウィン シ ナリオと 言 えま す 」 とその関連機能には、20 年におよぶスー 「社員たちは自分のキャリアを パーコンピューティングのアルゴリズムと 高 めるた め に 学 位 を 取 得し、 コード開発を要します。それにより、もっと 会 社 は 将 来 の 開 発 ニ ーズ に も詳細なグリッドと巨大炭化水素レザボア 合致したやる気のある人材を のもっとも正確なモデリングが可能になり、 開発することができるのです」 学生たちは次の 3 つの科目 レザボアの管理が最適化されます」 キング・アブダッラー科学技術大学 (King Abdullah University of Science and Technology:KAUST) の ス ー パ ー コ ン ピューティングラボのブースも、SC15 で 大きく取り上げられました。KAUST のスー パーコンピューター Shaheen II は中東地 域で最高のスーパーコンピューティング のランクを獲得し、2015 年 7 月にドイツ のフランクフルトでの国際スーパーコン ピューター会議開催中にスーパーコン ピューターの世界のトップ 10 中、7 位に ランクインされたと紹介されました。 アラムコ・ホスト大学 プログラムの卒業者たち サウジアラビア、ダーラン— アラムコ・ ホスト大学プログラムの 76 名の卒業者が、 ダーランで行われた式典に参列しました。 会社初となった式典は、教育パートナー シップ部門の大学担当がとりまとめました。 オペレーションおよびビジネスサービ ス部門のシニア・バイス・プレジデント、 ムハメド M. アルサガフ(Muhammad M. Al Saggaf)は卒業者に祝辞を述べ、フ ルタイムでの業務をこなす一方で苛酷な 学業を最後までやり遂げた彼らのコミッ トメントと勤勉さを讃えました。 で卒業しました。 • 香 港 科 技 大 学 (Hong Kong University of Science and Technology) の MBA • ジ ョ ー ジ ア 工 科 大 学 (Georgia Institute of Technology) の持続可能電 気エネルギーの専門 M.S. • バーレーンのアイルランド王立外科医学 院 (Royal College of Surgeons in Ireland) の看護分野の B.S. フレンドシップと エンゲージメントのツアー 中国の代表団が サウジアラムコを訪問 サウジアラビア、ダーラン— サウジアラムコ サウジアラムコ施設とサウジアラビアの 6 日間の見学 ツアーの最終見学地のひとつ、ヤンブーのアラムコ・ シノペック・リファイニング・カンパニー(YASREF)の コントロールルームでプレゼンに耳を傾ける中国の代表団。 ラン本社に所属する会社の幹部たちによ り歓迎を受けました。 ダ ー ラ ン の ツ ア ー で は Oil Supply Planning and Scheduling セ ン タ ー、 Exploration and Petroleum Engineering セン タ ー、Upstream Professional Development センターなどへも訪問しました。 その後、代表団はラスタヌラ製油所お よびターミナル、スルタン・ビン・アブドゥ ルアジズ科学技術センター、キング・ファ ハド石油鉱物資源大学、ダーランテクノ バレーなども訪れました。 ツアーの最終見学地のひとつとして、 は主要なステークホルダー、専門家、プロ フェッショナルなどで構成される 19 名の中国 ヤンブーへも立ち寄り、代表団はヤンブー 代表団を迎え、会社の運用状況を見学でき る 6 日間のツアーを開催しました。ツアーで ク・リファイニング・カンパニー、 (YASREF) - アジア最大の精製会社ー、シノペックと はさらに、サウジアラビアの豊かな文化につ いても紹介されました。 代表団はサウジアラムコのアミン・ナサー ル社長兼 CEO、その他、サウジアラビアのダー 教育パートナーシップ部門によって開催された会社初となる式典のあと、管理のメンバーとプログラムの 運営担当者がサウジアラムコ主催大学プログラムの卒業生とともに写真撮影。写真:ヤラ・ジヤド ( Yara Ziyad) /MPD 所属 施設も見学しました。アラムコ・シノペッ の合弁企業。 1 週間におよぶ見学ツアーの最後に、 一行はジェッダのキング・アブダッラー・ スポーツシティを訪れ、ジェッダの歴史 地区を見学する機会も持つことができま した。 dimensions INTERNATIONAL 27 PERTAMINA 製油所開発主要計画(RDMP) の一環として、インドネシアの中央ジャワ にあるチラチャップ製油所の共同所有、 運営、増強に関する主要事業原則を策定 するための覚書(HoA)に署名しました。 この署名式は新たに開設されたチラ チャップ 製 油 所 の RFCC(Residual Fluid Catalytic Cracking:残留液の接触分解) 施設の開設式典と、ブルースカイプロジェ クトの発足式典の間に行われました。い ずれもより高品質のガソリンを精製する ために設計されています。 また、インドネシア内閣の閣僚、ムス タ フ ァ・ ア ル ム バ ラ ク(Mustafa Al Mubarak)駐インドネシア サウジアラビ 左から生産技術部門のナベール・アルハビブ(Nabeel Al-Habib)主任技術者。アイマン・アルナーキル (Ayman Al-Nahkil)プロジェクトリーダー。ワリード A. アルムルヒム(Waleed A. Al-Mulhim)EXPEC ARC マネージャー。アルベルト・マルサラ(Alberto Marsala)プロジェクトリーダー、油層工学技術アリ・ アルメシャリ(Ali Al-Meshari)主任技術者。写真:アブドゥルアジズ・アル・モアイウィード( Abdulaziz Al Moaiweed) / MPD 所属 EXPEC ARC、2 つの ワールドオイルアワード を受賞 米国テキサス州ヒューストン— サウジア ラムコは 2015 年のワールドオイルアワー ド の 式 典 に お い て、EXPEC ARC (Advanced Research Center)の卓越した アップストリーム技術について、2 つの 国際的な業界アワードを獲得するという 栄誉に恵まれました。 The Best Exploration Technology 賞で、 EXPEC ARC の油層エンジニアリング技術 チームと先進的産業パートナーとのコラ ボレ ー ション によって 達 成し た「3-D 提案されたチラチャップ製油所の増強 により、同製油所はより多くのサワー原油 を処理できるようになり、高品質生産基準 Electromagnetic (EM) in Horizontal Wells (Euro IV)を満たすことになり、その結果、 (横型坑井におけるクロスウェル電磁気(EM: 基本的な石油化学製品や潤滑油のベース Crosswell Electromagnetic) からの 3D 油 層 のオイルを精製できるようになります。 飽和率マッピング)という分野の確立が評価 この拡張により容量が日量 37 万バレルに されました。 増大し、インドネシアで増大する精製製 The Best Production Chemicals 賞 で、 「Chemically Induced Pulse Fracturing for 品、潤滑油のベースオイル、石油化学製 品などの需要を満たすのに役立ちます。 Unconventional Reservoirs(従来の枠組みに 今回の同意には、アラビアン・クルード・ 囚われない油層の化学的に起こしたパルス オイルをチラチャップ製油所に送る長期 フラクチャリング)」が評価されました。これ 的な供給協定も含まれます。 は、EXPEC ARC の製造技術チームが単独で 開発したもので、シェールとタイトガスの組 成で、採掘井の周囲にある想定回収量を増 やし、それによって生産量を増加させること ファーディリ・ガス・ プラントの前進 を目的としています。 その用途は、業界初となる複数のフラク 化学反応を引き起こし、従来の業界で普及し ていた方法では失敗した場所で、従来とは 異なる組成の高応力岩板に対しフラクチャリ ングを開始するというものです。 サウジアラムコは インドネシアと世界経済に おける役割を拡大 28 dimensions INTERNATIONAL イ・スウチプト(Dwi Soetjipto)プレジ デントディレクター兼 CEO が参列しました。 Reservoir Saturation Mapping from Crosswell チャリング( 破 砕 ) を 発 生させることで、 インドネシアの中央ジャワ、チラチャップの製油所を 増強するプロジェクトの初期合意に署名後、握手を 交わすアミン・ナサール(Amin Nasser)とドゥイ・ スウチプト(Dwi Soetjipto)PERTAMINA CEO。 ア大使、サウジアラムコのアミン・ナサー ル社長兼 CEO、および PERTAMINA のドゥ サウジアラビア、ダーラン—サウジアラム コは原油などの液体燃料への依存を減ら すためのエネルギーニーズに対応するた め に、 クリー ン な 天 然 ガ ス を サ ウ ジ アラビアに供給するという目標に向かう 過程において、大きな節目に達すること ができました。サウジアラムコは先だっ て、ジュべイルの北にあるファーディリ・ ガス・プラントを建設するために、2 つ のエンジニアリング、調達、建設企業と 契約を交わしました。 このプロジェクトが完成した暁には、 このプラントはサウジアラビアのマスター インドネシア、チラチャップ— サウジアラムコ ガスプログラムの主要コンポーネントと と イ ン ド ネ シ ア 国 立 PERTAMINA は、 な り、2015 年 の 産 業 用 ガ ス 日 量 ざまな分野において、HHI の専門知識を 活用できるようになります。 JHAH が最新の 外科技術を導入 サウジアラビア、ダーラン—ジョンズ・ホ プキンス・アラムコ・ヘルスケア(JHAH) の手術室において、才能と技術は常に最強 ファハド E. アルヒラール(Fahad E. Al-Helal、 左から 3 番目)が今回の式典に参加。ジュベイ ルの北にあるファーディリ・ガス・プラントの建 造が一歩現実に近づくプロジェクトが含まれてい ます。写真:アブドゥルアジズ・アル・モアイウィー ド( Abdulaziz Al Moaiweed) / MPD 所属 93 億スタンダード・キュービック・フィート (Bscfd) から、2021 年 には日量 122 億 スタンダード・キュービック・フィート (Bscfd) へ 増 大 すると予 測される国 内 エネルギー需要を満たすことができます。 計画上、2019 年の操業開始までにこ のプラントは産業用ガスを日量 15 億スタ ンダード・キュービック・フィート(Bscfd)、 硫黄を日量 4,000 メトリックトン、ガスを 4 億 7000 万スタンダード・キュービック・ フィート精 製し、 近 隣 のコジェネレ ー ション・プラントに燃料を供給する予定 で、それにより、プラントの電力および スチーム要件を満たし、1,100 メガワット の電力を輸出できるようになります。 のコンビとして互いに欠かせない存在でし た。今回、JHAH において、ダヴィンチ Xi 手術システムを導入したことにより、このコ サウジアラムコと現代が 覚書に署名 サウジアラビア、ダーラン—サウジアラムコは、 サウジアラビアでの事業開発を協力して行うと いう覚書を取り交わし、現代重工業(HHI)グ ループとの関係を強化しました。この覚書はサ ウジアラムコと韓国企業との繋がりを強化し、 韓国における原油供給と精製を大幅に拡張、 さらに、サウジアラビアの東部に位置するラス・ アルカイルの海洋関連・インフラ開発プロジェ クトを可能にする道を切り開くこととなります。 世界レベルの海洋開発に加え、この覚書は サウジアラビアにおけるマリーン・ディーゼル エンジンの製造を推進するものでもあります。 HHI との戦略的パートナーシップは、外国 からの投資を呼び込み、サウジの製造業と輸 出セクターを振興することも期待できます。 HHI とパートナー関係を結ぶことにより、 双方に利益をもたされるようになり、エンジ ニアリング、調達、建築(EPC)、 ダウンストリー ム、鋳造・鍛造施設の開発といった、さま サウジアラムコと現代重 工業との間で覚書を取り 交わす署名式典におい て、キソン・チャン(Kisun Chung)氏と文書を交 換するアミン・ナサール 社長兼 CEO。 このプロジェ クトはラス・アルカイル における海洋関連および インフラ開発プロジェクト を可能にする道を開きま す。写真:アーマッド・ エルイタニ ( Ahmad El-Itani) / MPD 所属 ンビネーションが患者に新しいレベルの安 全性と外科手術の安全性をもたらします。 この最新技術は外科医の視界、手先 の動き、全体的な流れを強化する一方で、 手術創を小さくすることができるようにな ります。 JHAH はジョンソン・ホプキンス・メディ スンの支援と指導を受け、JHAH の泌尿 器科グループの外科副専門医、タレック M. アルター ティル(Tareq M. Al-Tartir) 博士の指示のもと、ダビンチシステム導 入の準備を進めています。アルターティ ル博士はニューヨーク州バッファローのロ ズウェル・パーク・キャンサー・インスティ テュート(Roswell Park Cancer Institute) において 2 年間にわたるダビンチシステ ム の 特 別 研 究 員トレ ー ニング を 終え、 この程 JHAH に帰院しました。 ダビンチシステムを使用することで、 医師がより小さな手術創で手術を実施で きるようにします。手術創が小さくなると いうことはすなわち、 患者側の痛みが 軽減され、感染症のリスクが抑えられ、 回復時間の短縮化にもつながります。 ダヴィンチ Xi 手術システムを使用する外科医。このシステムは手術創を 小さくする一方で、並行して外科医の視界、手の動き、手術の全体的 な流れを強化します。 dimensions INTERNATIONAL 29 サウジアラムコ Public Relations Department C-11B, Room AN-1080 North Admin Building #175 Dhahran 31311, Saudi Arabia worldview 早朝の日の出 2016 年 1 月のイタリア旅行中、アラー A. オスマン(Ala’a A. Othman)が日の出の頃、このカラフルな写真を撮影しました。 マナローラはリオマッジョーレ基礎自治体の小さな村で、北イタリアの西海岸に位置します。景勝地として有名なチンクエ・ テッレの 2 番目に小さな集落です。 オスマンは長時間の露出にも高品質の写真を撮影できるように Nikon D750 カメラと LEE フィルターを使用しました。オスマ ンは家族とともにサウジアラビアのダンマンに暮らし、国内合弁企業管理の投資分析部門の責任者としてダーランのオフィスに 勤務。オスマンはサウジアラムコには 20 年勤続しています。
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