平成二十三年度 米国三大学獣医学部夏季研修レポート 北里大学獣医

平成二十三年度 米国三大学獣医学部夏季研修レポート 北里大学獣医学部獣医学科
平成23年度
北里大学 獣医学部 獣医学科
はじめに
米国三大学との国際交流は、東日本大震災また東京電力福島第一原発事故の影響で
実施出来るか心配されたが、今年度の交流活動は例年通り実施されている。獣医学科 5
年生の今年の夏季研修については後述するが、その前に、今年度の交流活動について記
述しておきたいことがある。それは Purdue 大学の学生 1 名が 7 月 20 日から 3 週間、
動物病院研修で来日し、さらに Tennessee 大学の学生 2 名も 10 月 9 日から 2 週間、研
修目的で来日することである。学生相互の交流が活発化することは、これまで積み上げ
て来た国際交流の一つの成果であるが、Purdue 大学の研修学生は北里の学生に完全に
溶け込み、仲良く動物病院実習に参加したし、課外活動も一緒に楽しんでいた。まさに
大学における学生レベルの異文化交流である。大学の国際化が強く叫ばれている今日、
日本人学生が臆する事無く、米国人学生と接する機会を得ることは極めて意義あること
と考えられる。また、この Purdue 大学研修生は、Purdue 大学有志からの東日本大震
災義捐金、さらに激励の寄せ書きを来日時に持参した。Purdue 大学有志の皆様に衷心
より御礼したい。幸い獣医学部の震災被害は軽微であったので、義捐金は北里大学全体
の義捐金受付口座に入金された。米国三大学交流委員会は Purdue 大学有志に対し感謝
状を作成し、Purdue 大学から講義・講演のために平成 23 年 9 月 25 日~同 30 日まで
十和田キャンパスに滞在した Dr. Lelievre に手渡した。さて、今年も獣医学科の 5 年
生 23 名は米国三大学の獣医学部附属動物病院で獣医臨床実習を行い、全員無事帰国し
た。出発する前は、体調の問題、治安の問題、細かい実習時の服装の問題など色々心配
事があったが、これまでの 16 年間の夏季研修で一度も事故は発生していないことを取
りあげ、それらの不安を払拭した。しかし、終ってしまえば楽しかった思い出ばかりが
頭をよぎるに違いない。Purdue 大学には垰田講師(平成 23 年 8 月 6 日~ 8 月 20 日)
、
、Georgia 大学へは田
Tennessee 大学には高野講師(平成 22 年 8 月 20 日~ 9 月 4 日)
邊准教授(平成 22 年 8 月 20 日~ 9 月 4 日)がそれぞれ同行した。米国入国時のチェ
ックはテロ問題で厳しさを増し、時間が掛かる。動物病院で実習が始まると、学生は実
習希望項目の変更を申し出たり、あるいは苦情を言って来たり、それなりに手間取る。
米国人教員宅に接待されれば、いろいろと気配りも必要になる。さらに出発前には狂犬
病予防注射の実施、旅行保険への加入、英会話講師との交渉、約 1 年間、この研修の
ための活動があった。無事、飛行機が成田空港に着陸した時は、まさにホッとされたこ
とだろうと考えられる。この米国三大学での夏季研修、参加学生に計り知れない興奮と
希望を与えたものと確信している。それは毎年、研修終了後の報告会で見て取れる。研
修終了後、自分が一回り大きくなったと感じている人もいると考えられる。
この研修に参加出来たことを誇りに感じ、さらに大きく成長されることを切に望みま
す。
2011 年 10 月 5 日 国際交流委員会(米国)委員長 大浪洋二 これまでの米国 3 大学からの招聘教員および交換留学生
Purdue University
招聘年・月
氏名 Name
職位 Status
専門 Specialty
1996.6
Dr. Ralph Richardson
Professor
Veterinary Internal Medicine
1997.6
Dr. John Van Vleet
Associate Dean and Professor
Veterinary Pathology
1998.6
Dr. James P. Toombs
Professor
Small Animal Orthopedics and Neurosurgery
1999.9
Dr. Alan H. Rebar
Dean
Veterinary Clinical Pathology
2000.6
Dr. Paul Robinson
Professor
Immunopharmacology and Biomedical Engineering
2001.10
Dr. David J. Waters
Professor
Oncology
Professor
Oncology
(Cancelled due to 9.11 terror)
2002.11
Dr. David J. Waters
2003.11
Dr. Allan BeckProfessor
2004.6
Dr. Harm Hogen Esch
Professor
Head of Department of Veterinary Pathobiology
2005.11
Dr. Sophie A. Lelévre
Associate Professor
Basic Medical Sciences
2007.10
Dr. Henry W. Green
Associate Professor
Cardiology
2008.11
Dr. Adbelfattah Nour
Professor
Basic Medical Sciences
Animal Ecology
Director of International Program
2009.5
Dr. Willie Reed
Dean and Professor
Veterinary Pathology
2009.10
Dr. Steve Thompson
Associate Professor
Pet Primary Care
2010.7
Dr. Brenda Austin
Assistant Professor
Small Animal Surgery
2011.9
Dr. Sophie A. Lelévre
Associate Professor
Basic Medical Sciences
The University of Tennessee
招聘年・月
氏名 Name
職位 Status
専門 Specialty
1995.9
Dr. Michael Shires
Dean and Professor
Veterinary Surgery
1996.11
Dr. Robert Toal
Associate Professor
Veterinary Radiology
1997.11
Dr. Robert C. DeNovo
Associate Professor
Veterinary Internal Medicine
1998.6
Dr. Dan Ward
Associate Professor
Veterinary Ophthalmology
1999.6
Dr. Michael Shires
Dean and Professor
Veterinary Surgery
2000.6
Dr. James Brace
Associate Dean and Professor
Veterinary Internal Medicine
2001.6
Dr. Karen Tobias
Associate Professor
Veterinary Surgery
2003.1
Dr. Frank Andrews
Professor
Large Animal Medicine
2003.4
Dr. Michael J. Blackwell
Dean
Public Health and Epidemiology
(Cancelled due to Iraq war)
2003.4
Dr. Michael J. Blackwell
Dean
Public Health and Epidemiology
2009.7
Dr. Michael M. Fry
Associate Professor
Clinical Pathology
2011.10
Dr. Edward C. Ramsay
Professor
Avian and Zoological Medicine
The University of Georgia
招聘年・月
氏名 Name
職位 Status
専門 Specialty
1996.6
Dr. Charles Martin
Professor
Veterinary Ophthalmology
1997.5
Dr. Jean Sander
Associate Professor
Poultry Disease
1999.1
Dr. Corrie Brown
Professor
Head of Department of Pathology
2000.11
Dr. Margarethe Hoeing
Professor
Physiology and Pharmacology
2001.12
Dr. Raghubir Shama
Professor
Physiology and Pharmacology
2003.1
Dr. Duncan Ferguson
Professor
Physiology/Pharmacology and Small Animal Medicine
2004.1
Dr. Thomas F. Murray
Distinguished Professor
Head of Physiology and Pharmacology
2005.1
Dr. Mary Ann Radlinsky
Assistant Professor
General Surgery
2006.6
Dr. Patrick Hensel
Assistant Professor
Dermatology
2006.6
Dr. Ursula Dietrich
Associate Professor
Small Animal Medicine and Surgery
2007.9
Dr. Suzan White
Professor
Large Animal Medicine
2008.9
Dr. Amie Koening
Associate Professor
General Internal Medicine +CE
2008.11
Dr. Patrick Hensel
Assistant Professor
Dermatology
2009.10
Dr. Simon Platt
Associate Professor
Neurology +CE
2010.2
Mrs. Malorie D. Franks
Student
Class of 2011
+CE: Continuing Education (卒後教育セミナー含む)
米国三大学研修参加者および同行教員
Purdue
年度
Students
男M
女F
1995
2
3
1996
0
1997
Tenessee
Faculty
Students
男M
女F
I. Hashimoto
5
5
6
T. Ogasawara
3
1
4
To. Oyamada
1998
2
4
1999
2
2000
Georgia
Faculty
Students
Faculty
男M
女F
K. Watanabe
3
0
K. Temma
11
Y. Hikasa
0
5
K. Takehara
0
7
Y. Ohnami
3
2
H. Madarame
S. Ueno
2
6
Nobu. Itoh
2
4
S. Okano
5
H. Itoh
1
7
S. Kawamura
3
4
S. Kurusu
1
8
Y. Hara
3
5
M. Uechi
3
4
N. Maehara
2001
7
5
F. Hoshi
4
4
N. Susa
2
5
K. Mutoh
2002
2
8
I. Sakonju
2
2
S. Takai
2
5
K. Orino
2003
3
6
N. Hoshi
2
5
S. Higuchi
1
4
M. Kawaminami
2004
3
5
U. Fukushima
3
4
M. Natsuhori
2
5
H. Ikadai
2005
6
3
K. Taniguchi
4
5
T. Sano
2
5
O. Hashimoto
2006
6
3
K. Watanabe
1
6
C. Baku
3
5
T. Andoh
2007
3
4
M. Oikawa
0
8
T. Kakuda
0
8
M. Okamura
2008
3
4
Nao. Itoh
2
4
Y. Hara
3
3
K. Takehara
2009
4
3
T. Yonezawa
5
3
To. Oyamada
3
5
Y. Ohnami
2010
2
4
Y. Yoshikawa
4
3
T. Kashimoto
0
8
T. Kakizaki
2011
3
4
T. Taoda
3
5
T. Takano
4
4
T. Tanabe
主に腫瘍科は外部の動物病院の紹介できて
岡田 華恵
いるそうだ。腫瘍科は化学療法を主体として
私 が 希 望 し た Clinical Rotation は
いるようで、体に大きなマスをつけている犬
Oncology 4 日 間、Small Animal Surgery 2
や、抗がん剤の副作用で容貌が痛々しい犬が
日間、Ophthalmology 4 日間であった。診
たくさんいた。
来院疾患で多いのはリンパ腫、
察があまりないときには別の科に行ってみた
肥満細胞腫、そして移行上皮癌などの膀胱の
り、自分の興味があるオペなどがある日はそ
腫瘍と言っていた。日本と異なり避妊去勢が
ちらに見学に行った。各診療科やイベントご
進んでいるので、乳腺腫瘍はほとんどないよ
とに記載する。
うだった。
手術にはものすごく費用がかかるために、
< Oncology >
アメリカではオーナーは手術ではなく化学療
腫瘍科の一日はミーティングから始まり、
法を選択したり安楽死を選択したりする人が
入院患者の様子について担当者が状態の説明
多いと聞いた。安楽死についてだが、私は今
報告をし、次に来院予定の症例にそれぞれ割
まで倫理の授業や大学の動物行動学の授業な
り当てられた生徒がその患者の基本情報につ
どで何度か考える機会はあったものの、その
いて説明する。そして、診察の時間になった
度に答えといえる正確なものが見いだせず、
ら、順番に生徒が一人で飼い主にペットの問
オーナーの意見を尊重するのがいいのか、動
診をしに行く。状況把握ができたら次にドク
物をできるだけ苦しませない方がいいのか、
ターに説明をしに戻り、ドクターと共にオー
人の手で死に至らせていいのか、とわからず
ナーのところに行き、状態の説明と今後の治
にいた。初日にオーナーが安楽死を選択する
療方針について説明する。その後ペットを預
現場に遭遇した。犬はリンパ腫のゴールデン
かり、採血をしたり、治療薬を決めたり、抗
かラブラドールで、オーナーに挟まれて大人
がん剤の効果を判定したり、抗がん剤の投与
しくじっとしていた。あらゆる抗がん剤が効
をしたりしていた。基本的に動物に触れるこ
かなくなり治療の術がなくドクターに安楽死
とができないので、問診に行く生徒に付いて
を勧められていた。話し合いが行われた診療
回っていた。そのためここでは、
問診で使う、
室は他の診療室と異なり、暖色系の明かりの
動 物 の 活 動 性 Activity、 食 欲 Appetite、 嘔
部屋で、数人が並んで座れるほどのソファー
吐 Vomiting、 下 痢 Diarrhea な ど 基 本 的 な
があり、壁には家族に囲まれたペットの写真
単語や、基本的な英語でのやり取りの勉強に
がいくつもあった。この犬のオーナーは、涙
なり、アメリカ研修初日として入りやすかっ
を流しておりそして何度も犬に抱きついてい
た。ただし、オーナーとドクターの会話は、
るのに、意外に数分で安楽死を受け入れてい
日常会話のようなもので、速くて聞き取れな
た。そしてすぐに、今日行うか数日家族と過
いのも多数あって大変ではあった。また、私
ごしてからにするかなど予定の日についての
が飼い主とのはじめの軽いあいさつに慣れて
話し合いに移った。私は Purdue に来て早々
きて自分からできるようになると、オーナー
安楽死の現場に遭遇するとはもちろん思って
は私が英語を話せると思い、ものすごい速さ
もいなかった。初めての安楽死の現場という
で話しかけてくれる方もいて戸惑ってしまう
戸惑いや驚き、
この犬が死んでしまう悲しさ、
ことがあった。
腫瘍科に通院しているこのほかのペットたち
― 1 ―
にも安楽死という選択肢が待っていることな
ていたようであった。ただ、日本と異なるの
ど様々なことを考えていると、涙が止まらな
は、講義はドクターとの会話方式で進行して
くなってしまった。この犬に関してはこれま
おり、腫瘍名とその特徴、好発犬種、有効な
での事情とか何も知らないのに、ただこの瞬
治療薬など生徒はちゃんと答えることができ
間にいただけなのに、自分の感情で泣いてし
ており、私は圧倒させられたと同時に、この
まいオーナーに申し訳ないと思った。テクニ
ような少人数の積極的な講義がうらやましく
シャンの方に、
「安楽死について疑問に思う
思った。この病院での習う、実践、習得形式
ことをメモに書いてきなさい。明日説明して
のスタイルが北里大学でも長期間できたらい
あげるから。」と声をかけてもらった。そし
いのにと思った。
て次の日は、安楽死についての資料をいただ
いた。この資料はおそらくアメリカ人の安楽
< Small Animal Community Practice >
死についての物事の見方を反映した資料に
腫瘍科では昼からは治療がメインになり、
なっており、価値観の違いを知ることができ
治療は抗がん剤の投与がほとんどで、静脈
る資料であった。飼い主は早い決断をしてい
から長時間かけて投与したりするのもある
たが、すでに心に決心していたのかもしれな
が、基本的に投与して終わりのようで、空い
いし、様子からは簡単な決断には見えなかっ
た午後の時間に Small Animal Community
た。だから私は、今回の現場から安楽死はそ
Practice に参加させてもらった。この科は、
の時の状況に応じて判断すべきで良い悪いは
ワクチン接種、子犬・子猫の初回検査、そし
ないのでないかと思った。ただ、獣医師とし
て日頃の健康管理といった日本でいう地域に
てオーナーの気持ちは理解すべきで、ペット
密着した動物病院のようであった。ただし
の気持ちも理解すべきでだが、感情移入しす
フェレット、
ウサギ、
モルモット、
ハムスター、
ぎず、そして安楽死になれないようにするこ
アレチネズミ、デグー、フクロモモンガ、ハ
とのバランスを保つことが獣医師にとって大
リネズミ、トカゲ、ヘビ、鳥、魚といったさ
切なのではないかと思った。
すがアメリカというように各種エキゾチック
腫瘍科は基本的に午前中が診察で午後は治
アニマルも診察しているそうだ。私は子犬と
療がメインとなる。腫瘍科の朝のミーティン
子猫のワクチン接種を見学した。ここでは何
グ後にある講義に何度か参加した。1 回目は
度か驚くことがあり、ある症例で、その人は
良性腫瘍と悪性腫瘍の特徴についての講義で
子犬を飼い始めたばかりらしく、ドクター
あった。それぞれの話の流れでそうなってい
は “Congratulations!!” と言いながら診察室
るとは思うが、good guys と bad gays とい
に大箱のパピー用 Hills ドッグフードを持っ
う単語で表していて、
英語の面白さと感じた。
て行き、飼い主さんにこれから楽しい毎日を
講義の内容はほとんど知らない単語と言って
過ごしてくださいと声をかけていた。次に驚
も過言ではないと思うが、前後からなんとな
いたのは、ネコ白血病のワクチン接種は No
く予想できたり、わからない単語はメモを取
Needle であったことだ。もしかしたら日本
ると同時に急いで電子辞書で調べたり、とい
でも使われているかもしれないが、私は初め
う作業が繰り返し、大忙しであったが、病理
て見て驚いた。Vetjet という商品で、急激に
で習った内容と 5 年前期の授業で受けた腫
圧力をかけて一気に皮下に注入するというよ
瘍に関する内容とほぼ同様のことを講義され
うなことを言っていたがあまり原理はわから
― 2 ―
なかった。痛みがないのはいいが、打つ時の
れずに曲がってしまったらしく、ピンの交換
銃のように大きな音に驚いてしまった。
のため、すなわち再手術にやってきていたそ
うだ。この日は別の犬も再手術で来院してい
< Small Animal Surgery >
て、理由は骨盤骨折の治療で骨折線が合って
私は第1週目の金曜日は、小動物外科を希
おらず再手術を行うそうだ。1 日に 2 件も再
望していたが、その日は手術の予定はほぼ
手術に遭遇したのに驚いた。
なく、整形外科の学生に付いて回った。そ
整形外科のドクターは私たちにしょっちゅ
の日はロットワイラーが 3 匹ほど来ていた
う模型を持ってきてその症例および治療法を
が、すべて股関節に問題を抱えているようで
詳細に説明してくださった。また生徒にも一
あった。よく見たら3匹とも肩周りの筋肉が
生懸命指導しており、画像検査のために麻酔
がっしりしていて、うさぎ跳びのような歩行
をかけた犬に手での脱臼の確かめ方を教えて
をしていた。担当の生徒が、まず外貌検査か
いたときは、生徒が理解に苦戦していたが、
ら行い、触診、四肢の筋肉の屈曲・伸展テス
理解した瞬間、ハイタッチをして共に喜び
ト、腱反射など、各種テスト、歩行検査を行
合っていた。とても指導熱心な方でいい先生
い、ある程度まで病変部位を特定する。X 線
だと思った。
は Penn HIP 法 や Norberg Angle で 評 価 を
行い、このうち2匹は股関節形成不全であっ
< Large Animal >
た。うち1匹はかなり進行しており、股関節
大動物に参加している人から馬の喉頭片麻
全置換術を行うようだ。この手術はライセン
痺のオペがあると聞いて、見学に行った。牛
スが必要で、北里大学では行われていないよ
よりも馬の方が患畜として多い Purdue では
うなので、できれば見学したかった。もう1
あまり珍しくないオペのようだが、日本では
匹はまだ軽度のようで、TPO:3点骨切り
滅多に見られないと思い楽しみにしていっ
術を行うか話し合いがされていたようだが、
た。実際オペの時は、術創は左側の輪状軟骨
この犬は確か 12 ヶ月例以上だったような気
付近の一部なので、術者からは見えにくかっ
がするが、果たしてこの術式が適応されたの
た。しかし、馬の麻酔のかけ方は迫力があり
かどうか気になる。
これを見ることができてよかった。鎮静剤を
このほかの日で、大型犬マスティフの前
入れ、馬の全身の力が抜けてきたら巨大マッ
肢の側弯症のオペを途中見学した日があっ
トで挟み込み、下手な体制で倒れないように
た。この犬のオペは朝から麻酔などが始まっ
する。馬の細い足首にチェーンを取り付けて
たが、私たちが帰る時間になってもオペは終
空中に一度ぶら下げ、下にオペ台を滑り込ま
わっていなかった。このオペだけではなくす
せる。私は馬が宙にぶら下がっているのに目
べてのオペに関して、Teaching Hospital だ
が釘付けになり、またあの細い足首だけが
からものすごい時間をかけてやっているのだ
チェーンにつながっているので、足が負傷し
と感心する点もあれば、要領が悪くて時間が
ないか取れてしまわないか冷や冷やしながら
かかっているのではないかと思う点も多々
見ていた。横臥位にした後数人がバリカンを
あった。ちなみに、この大型犬は数日後に再
持ち、数人で消毒を行い、横には巨大なベン
び来院していた。来院は経過観察ではなく、
チレーターがあり、機材などの設備と人手の
体重に対して一部のピンが細く体重を支えき
準備は十分であった。私たち見学者は興奮し
― 3 ―
切り出しをしておくと、あとは HE 染色ま
て写真をたくさん撮った。
で専門の人がやってくださり、免疫染色など
< Pathology >
もお願いすると標本が届けられるそうだ。私
私と同じ北里大学の病理学研究室出身の下
たちは標本作成から診断まですべてを行うの
ノ原先生という方がレジデントとしていらっ
で非常に大変ではあるが、頂いた標本と自分
しゃると聞いて尋ねてみた。下ノ原先生はと
で作成した標本を見比べると、自分の標本の
ても気さくな方で、当時の病理学研究室のこ
方がきれいなものもあり嬉しくなった。
とを話してくださり、とても話が盛り上がっ
私が見学をした日だけが忙しいのではな
た。また私が眼に興味があるというと、眼に
く、とりあえず毎日解剖は行われるそうだ。
関する病理資料を用意してくださり、その他
そして鳥や魚などを専門にする病理学者もい
余分に取っておいた日本にはない疾病などの
るそうだ。とにかくすべてにおいて日本と規
病理標本もくださった。そして別の日には、
模の違いに驚いた。
病理解剖を見学させてもらった。Purdue の
下 ノ 原 先 生 に は そ の 後 も、 一 緒 に
病理は日本でいう家畜保健所のような施設と
Dr.Scotto-Moncrieff の ホ ー ム パ ー テ ィ ー
しての役割もあり、私が見学したその日は法
に 行 き、 私 た ち の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン や
律に関連した解剖が入っており写真撮影の許
Farewell Party には顔を出してくださった。
可をもらえなかったが、解剖の仕方や施設の
下ノ原先生に出会えてよかったと思う。帰国
立派さに圧倒させられた。特にドクターのパ
した後下ノ原先生の名前シールが解剖棟に
ワフルさには驚いた。解剖は結構お年を召さ
残っており、今までその人の存在を気にした
れたドクター1人とレジデントと生徒がそれ
ことがなかったが何か不思議で、つながって
ぞれ2人、しかも全員女性で馬3頭、ヒツジ
いるような感じがした。
2頭、ヤギ1頭、流産子牛1頭の病理解剖が
行われた。馬 1 頭は競走馬で脛骨骨折部が目
< Emergency >
に見えてわかるのに、病理解剖による証明が
夕方から始まる救急を一度見学しに行っ
必要なのだそうだ。もう 1 頭の馬は膀胱に
た。救急ができてから忙しさが増したとは聞
乳頭状の腺癌らしきものが形成されていた。
いていたが、救急は思ったよりも患者が来て
もう 1 頭は原因不明の突然死だったが解剖
おり忙しく動いていた。講義室のような教室
で著変は認められなかったようだ。解剖はも
も診察に使われていた。夜の診察ではあるが
のすごくシステム化されており、ものすごい
生徒も動き回っていた。足をけがしたジャッ
速さで行われた。ただ、材料に傷がついてし
クラッセルテリアが来ていたが、かなりの凶
まっていないか心配になるほど丁寧には見え
暴で鎮静するまで時間がかかっていた。触れ
なかった。解剖棟は体育館のように広く研究
ようとすると警戒し始め犬歯をき出しにし
室と建物はつながっており、写真室があり、
て噛みつこうとし、患部から血を流しながら
必要な機材もすべてそろえてあり、常に掃除
も抵抗して、ほんの数針縫うだけのオペだが
を専門に行う人が同時進行で片付けまで始め
とても危険な処置であった。
て、ドクターたちは解剖をすることだけに集
私が眼に興味があることを知っていたドク
中できるシステムになっていた。また、自分
ター(Dr. Tomo の奥さん)が、眼の急患が
たちで標本を作る必要もなく、採材をして、
来ていることを教えてくださった。11 歳の
― 4 ―
ボクサー ♂、数週間前から歩行異常に気付き、
ガースパニエル、歩行異常で来院し眼底検査
なぜか急患として来院。いつもの検査を一通
の結果 Moon Blindness による失明とわかっ
り行った結果右の角膜反射が消失しているこ
た飼い馬、外反症のオペに来たラブラドール
とから三叉神経異常を疑った。そして次に神
レトリーバー、目脂が主訴で来院したチワワ
経学的検査を行うことになった。神経学的検
などなど多くの症例を見ることができた。オ
査の結果角膜反射だけではなく右側は筋肉の
ペは外反症のオペのみ見学できた。ドクター
動きも反射も正常ではなかったようで、精密
は若い女性の方で、一人で何でもこなさなけ
検査が行われることになった。神経科の先生
ればならずいつも忙しそうであった。日本で
は私に犬の保定や歩行のリードなど多くのこ
の眼科専門治療を見たことがなく、ただ興味
とをやらせて下さった。救急に来て神経科の
で眼科を見学したが Clinical rotation の中
勉強もできて私は運が良かった。
では最も楽しかった。
< Ophthalmology >
< Lunch Seminar >
眼科にはドクター1人とテクニシャン1人
ランチセミナーとはお昼ご飯を食べながら
しかおらず、とても見学しやすかった。ドク
受けることができる講義のようなものだが、
ターは過去の症例の写真を見せてくださった
食べながら講義を受けるのは慣れておらず、
が、さすがアメリカと思わせるように馬やア
私たちはたいていお昼を済ませてから受けて
ルパカの写真も多く、犬は大型の純血種が多
いた。①犬のウォブラー症候群 ②救急 ③
かった。私が見学した中で多いと思った疾病
犬と猫の癌に対する化学療法 について合計
は 1 番が白内障で次に緑内障であった。緑
3 回のランチセミナーを私たち北里生のため
内障の犬で左の眼圧が 80 ㎜Hg 近く示した
だけに開いてくださった。先生と同じコの字
犬がおり、かなり眼が突出していた。この犬
の長テーブルに座り、パワーポイントを見な
ははじめ薬で抑えていたが、上昇が止まらず
がら、そしてドクターと高頻度で目を合わせ
レーザー処置を行ったがそれでも抑えきれ
ながら話を聞いた。スライドとして文字が映
ず、眼球摘出と義眼を入れるオペがなされた。
されるため、すべての英単語を聞き取れない
このオペを見たかったのだが、Purdue 大学
私にとっては理解しやすかった。パワーポイ
が企画して下さった他のイベントと重なり見
ントには細かいところまで工夫された図もあ
ることができなくて残念であった。その他、
りわかりやすかった。ウォブラー症候群は今
歩行異常で来院し白内障を疑ったが白内障は
まで馬でしか聞いたことがなかった。この疾
なく正常硝子体症のみ見られたテリア、飼い
病は大型で首の長い犬種に好発するそうだ。
主によると 14 歳なのに動くものすべてを捕
大型犬の多いアメリカだから注目度が高い病
まえたくなり木や塀も駆け上ってしまい、あ
気なのだと思った。
る日けがをしてどこに眼球があるか見えない
くらい目脂や膿に覆われた角膜潰瘍で来院し
< Routine >
たジャックラッセルテリア、視覚障害があっ
朝は 6 時半ごろに起床して各自朝食をと
たが皮膚のブラストミセス症の治療をしてい
り、7 時半にホテルのフロントに集合して
たらメナンステスト(-)になるほど急に視
15 分ほど歩いて病院に向かった。大学内の
力がなくなってしまったウェルシュスプリン
ホテルで近くに飲食店や Purdue Shop があ
― 5 ―
り、After school も何不自由なく過ごすこと
< Presentation >
ができた。
私たちは北里大学の地理、気候、病院の設
備、そして各自研究室の紹介、最後に今年 3
< Events >
月 11 日に起きた地震に対して Purdue 大学
私たちの Clinical Rotation は毎日とても
から義援金をいただいているので、そのお礼
充実していた。同様に土日のプランも多くの
を兼ねて地震についても発表した。私たちは
イベントを考えてくださっており毎日が充実
皆研究室も忙しく、試験勉強もあり、発表前
していた。日本では考えられないほど多くの
日まで制作に時間を費やし大変であったが、
先生方が手厚い持て成しをしてくださり、私
英語を話すよい機会になった。
たちがお礼として準備した日本からのお土産
は恥ずかしいものばかりで量も十分ではない
<感想および総括>
ような気がした。
Purdue 大学は事前から私たちの希望の診
アメリカにわたって初の日曜日は
療科の日程を組んでくださっていたが、自分
Welcome Party と し て 夕 食(American
に空き時間があったりその他の自分の希望が
Beefsteak) に 招 待 し て く だ さ り、Dr.
あったりすると、その要望を言うとかなり柔
Thompson と Dr. Scott-Moncrieff も 自 宅
軟に対応して下さった。私は幅広く見学する
で 夕 食 会 を 開 い て く だ さ っ た。 そ の 他、
ことができた。行き交う人は挨拶やスマイル
Boilermaker(学校内を列車風バスに乗って
を交わし、病院内には動物のポスターが飾っ
周 遊 )、Wolf-Park、Tippecanoe Shopping
てあり、人も環境も明るく病院全体が楽しい
Mall、State Fair、Indianapolis Zoo、Fair
雰囲気であった。
Oaks Farm(希望者)に連れて行ってくだ
私はアメリカ研修に参加すると決めてか
さった。
ら、平日は授業で出てきた専門英語を一つで
Indianapolis Zoo には早朝から訪れ獣医師
も覚えようと決めて過ごしていた。その時覚
や飼育員の仕事内容や、各動物で使用する特
えた専門英語は決して無駄にはなっておら
殊器具(中には手作りのものもあり)を説明
ず、むしろ役に立った。また、研究室の専門
して下さった。私が以前実習に行った動物園
英語の授業では眼に関する論文を読んでいた
はよほどのことがない限り、麻酔をかけての
ために、眼科では他の科に比べて理解できる
治療をせず、えさの中に薬を混ぜて飲ませる
割合が高かったため、一番充実していたので
といった程度の処置しかしていなかったが、
はないかと思う。ただ、正しい発音で覚えて
この動物園はあらゆる動物の治療を率先して
いなかったため本物の発音を聞いてもわから
行い、生物保護に大々的に取り組んでいる
ず、ノートにスペルを書いてもらうと、この
ようだった。タツノオトシゴやペンギンの X
単語のことかと理解することがあった。ほと
線写真、爬虫類の血液塗抹などはじめて見る
んど英語の話せない私にとって、彼らの日常
ものが多かった。動物の飼育形態も日本と異
会話すらついていけないことは何度もあっ
なり、何種類かを同じエリアで飼育したり、
た。でも、先生方は本当に優しく、かなり気
飼育スペースも広々と草原のような場所が
を使ってものすごくゆっくり文節ごとに区
あったり、魅力あふれる動物園であった。
切りながら話してくださったり、時々筆談
形式になったりしながら丁寧に教えてくだ
― 6 ―
さった。アメリカに行く前に受けていた英
は、今後も専門英語を覚えることは続け、ア
会話レッスンで、もしわからなくなったら
メリカの学生のように勉強する熱意を常に
“Please speak more slowly” と言いなさいと
持ってこれからの日々を過ごし、立派な獣医
おっしゃっており、私は何度も使っていた。
師になりたいと思った。
ゆっくり話してもらってもわからない、さら
2 週間はあっという間で毎日楽しく充実し
にノートに書いてもらってもわからない、聞
ており、もっと長く滞在しいと思った。この
き取れない場合も多々あったが、
その場合は、
文章ではうまく表現できないことや書ききれ
私の語彙力がついていけてないため理解でき
ないことがたくさんあるので、Purdue 大学
ないことが多かったのだ。私の意見を伝える
で知りたいことがあったら口で伝えたいと思
ときは、まったくと言っていいほど文法を考
う。
えずに単語を並べただけなのに相手は理解し
海外研修が有意義なものになったのも引率
てくれるし、自分が単語さえ並べきれないと
して下さった峠田先生をはじめ、研修の各種
き、つまり語彙力がないときは全く相手に理
手配をしてくださった先生方、そして一緒に
解されず、またいつでも聞いていいよという
行った仲間のおかげだと思います。本当にあ
感じであった。2 週間の間に語彙力のなさで
りがとうございました。
悔しい思いを何度もした。聞けても自分の意
見を伝えるのに言葉が出なくて歯がゆい思い
<謝辞>
を何度もした。聞くにしろ話すにしろ大切な
I was looking forward to visiting to
のは語彙力だと思った。私たちの中に英語を
Purdue University very much, and it
日常会話として話せる人がいたので、自分と
has passed immediately for two weeks.
比較することができ、英語が話せないこと、
I enjoyed every day. Not only clinical
語彙力がないことがどれだけ損しているか感
rotation but also the events of the holiday
じることができた。せめてもう少し準備をし
were substantial every day. It could not
てからこのアメリカ研修に行きたかった。次
have been done without your help. I would
に研修に行く機会があればその時は絶対に語
like to give a deep appreciation to people of
彙力と知識を備えてから行きたいと思った。
Purdue.
この研修を通してアメリカと日本ではやっ
Because I am very poor in English,
ていることはそう変わらないと思うことも
sometime I hesitated to ask questions,
あったが、明らかにアメリカの生徒と先生は
sometime I did not know what I say.
勉強に対する姿勢がすごい。各学生は担当の
So I often remained silent at that time.
患者を持つので責任感が生まれ勉強熱心に見
But then everyone said me “Should you
えるのかもしれない。先生が話した後は必ず
have more questions, do not hesitate to
質問が飛んでくるし、先生は生徒が質問した
ask.” I could learn a lot of things not only
り回答したりするたびに「いい質問だ」とか
veterinary medicine but also an American
「いい考えだ」と言って生徒をほめて、自分
education system, culture, the difference in
の考えを述べたりしていた。私はどちらかと
the view of America and Japan. I thought
いうと質問せずに自分で調べる方なので、こ
that the education system of the form
の受け身の姿勢は改善すべきだと思った。私
studied in a hospital was very enviable. I
― 7 ―
thought that I want to do same thing in
トゲン写真をパソコンに映し出し確認しなが
Japan. I am happy because I could study
らオペを進めていた。
and experience in Purdue. I shall never
大動物外科では、内視鏡やレントゲン、
forget what I learn in Purdue. When I visit
CT や MRI など設備が充実していた。また、
to Purdue next time, I would like to visit
レーザーによる処置も行われていた。レー
with a large English vocabulary.
ザーはとても細いもので、軟口蓋背方変位の
Finally, I greatly appreciate all staffs
処置に用いられていた。
of Purdue University for your grate
急患で多かったのは疝痛であり、実習中は
hospitality during our stay in Purdue.
深夜から早朝にかけてオペが行われていた。
Thank you very much.
しかし、あまりにも朝早すぎてオペを見る事
Hanae Okada
が出来なかったのが残念だった。オペ時には
麻酔科のメンバーが駆け付け、術前術後の麻
酔管理をしていた。外回りは、テクニシャン
川島 秀平
が担当していたので外科のメンバーはオペに
集中する事ができていた。また、骨折のオペ
私 は、Purdue 大 学 で 8 月 8 日 か ら 8 月
の時には、レントゲン写真を撮りに放射線科
12 日の 5 日間は大動物外科(LAS)で学び、
のメンバーがポータブルのレントゲン装置を
8 月 15 日から 8 月 19 日の 5 日間は大動物
持ってきてエックス線撮影をしていた。
内科(LAM)で学んだ。また、そのうち 2
テクニシャンの人は、オペの外回り、内視
日間は牛の往診に同行した。それぞれの科
鏡やレーザー装置、電気メスの準備など様々
では学生について行動し、Purdue 大学の学
な場面で活躍していた。テクニシャンは、大
生がどのように獣医学を学んでいるのかを見
動物外科だけでなく他の科にもそれぞれい
た。毎日の Clinical rotation は基本的には
て、ドクターが働きやすいように的確に動い
朝 8 時から夕方 5 時までであったが、5 時以
ていた。
降に特に予定がない日は少しだけ長く大学に
患畜が来院したら、まず学生がオーナーと
残った。
話し、問診を行っていた。そして、体重測定
を行なっていた。
ウマの場合は、
ウインドルー
< Large Animal Surgery:大動物外科>
ムというとても広く長い廊下を歩かせて跛行
日本とちがって牛の診療は少なく、ほとん
が見られないか検査していた。ウインドルー
どが馬の診療であった。
ムを含めて大動物病院のほとんど全ての床が
オペ室には dirty room と clean room があ
少し軟らかくできていて、ウマの足に負担が
り、dirty room では疝痛、潜在精巣などの
かからないように作られていた。必要がある
オペが行われていた。clean room では、左
時は、外にあるパドックを走られて何か異常
反回神経麻痺のタイバックや関節鏡を用いた
がないか検査していた。問診で得られた結果
骨折のオペなどが行われていた。全ての処置
と自分が必要であると考える処置や検査をド
室とオペ室にはパソコンが完備されていて、
クターに話し、どのような処置をするかを話
どこからでもカルテを見る事ができ、また書
し合っていた。
き込む事が出来た。骨折のオペ時には、レン
患畜はとても広く清潔な部屋に入れられ入
― 8 ―
院していた。掃除は、掃除担当の人がしてく
の仕事がきっちり分かれていたので、学生は
れるので学生は敷きワラを敷いておくだけで
勉強に打ち込めるとても良い環境であると
新しい患畜を迎える事ができる。普段のオペ
思った。
室や処置室の掃除をする人、スクラブの洗濯
を行う人がそれぞれいるのでドクターと学生
< Large Animal Medicine: 大動物内科>
の負担が少ないと思った。
馬、牛、ラマ、アルパカなど様々な動物を
朝にはラウンドやゼミが行われ、学生たち
診療していた。大動物内科でも大動物外科と
は積極的に症例について話していた。水曜日
同様に、まず学生がオーナーに問診をしてい
の朝にはそれぞれの症例についてのラウンド
た。そして、処置をドクターと話し合ってか
があり、木曜日には血液検査についてのラウ
ら、実際に処置をしていた。
ンド、金曜日には全て学生が受けなければな
大学内には隔離病棟があり、伝染性の高い
らないセミナーとレントゲンに関するラウン
疾病に罹患している可能性がある患畜が管理
ドがあった。ラウンドでは、学生が積極的に
飼育されていた。隔離病棟に入るためには
自分の考察を話し、討論していた。また、学
カードと暗証番号が必要であり、厳重に管理
生による臍ヘルニアについての発表をゼミで
されていた。そこには下痢の牛とポトマック
行っていた日もあった。
発表を聴いた学生は、
熱の馬が入院していた。隔離病棟内では、廊
積極的に質問していて、発表した学生もこれ
下から各病室に移動するためには専用の衣
に対して的確に返答していたので一人一人の
服、シューズカバー、手袋をつけなければな
学生がとても勉強していると感じた。
らない。
Clinical techniques log book と い う テ キ
内科を見学している時に眼の疾患を持つ症
ストを全ての学生が持っていて、そこに記載
例を何度か見たが、その際は小動物の眼科の
されている技術を身につけないとアメリカで
ドクターが診療に来ていた。ウマの眼科診療
は大学を卒業できない。そのためドクターあ
があるなんて面白いと思った。
るいはテクニシャンの人に教えてもらいなが
大動物内科ではよく提供馬を用いて手技の
ら提供牛や提供馬を用いて必要な技術を練習
練習をしていた。提供動物は馬だけでなく、
していた。
他にも牛、ラマ、アルパカがいた。実習期間
学生は自分の担当している患畜の所見を 8
には胃カテーテルや尿道カテーテル、心電図
時と 18 時にとっていた。それ以外の時間は
の練習をしていて一緒に手技の練習をした。
2 時間ごとにテクニシャンが様子を見に行っ
たりしていた。所見を書き込むカルテは各患
<往診>
畜の入院室前にかけてあり、そこには担当学
2日間だけ往診に連れて行ってもらった。
生と担当ドクターの電話番号と確認時に連絡
Purdue 大学についてからすぐに牛の往診に
してほしい症状が書いてあった。そのため担
行きたいか馬の往診に行きたいかを聞かれた
当学生とドクターは、患畜の急変を心配せず
ので牛の往診に行く事にした。往診には往診
安心して帰宅していた。また、学生は夜中に
車に乗って行ったのだが、往診車にも牛用の
行わなければならない処置(薬物の注射も)
往診車と馬用の往診車があった。往診車はと
を夜残っているテクニシャンにやってもらっ
ても大きく多くの薬や道具だけでなく足を洗
ていた。このように Purdue では人それぞれ
うためのホースも付いていた。ホースで往診
― 9 ―
車に積まれている水を用いて足を洗う事がで
大動物病院の廊下で Dr.Hilton に出会う
きたので、とても便利だと思った。牛の往
と、ほぼ必ずこれから往診行くけど一緒に行
診は Dr.Hilton とその下についている学生2
かないかと誘っていただいた。しかし、ちょ
人と行った。この学生は、大動物外科や大動
うど都合が悪く結局二日間しか行かなかっ
物内科のどちらにも所属していない学生だっ
た。もし、都合が合えばもっと往診に行きた
た。Dr.Hilton はとても気さくに話しかけて
かった。
くれ、また質問をするととても丁寧に答えて
くれた。1日目は自由に牛を放牧している農
<ランチセミナー>
場を訪れてアメリカの農家がどのような感じ
ランチセミナーは、12 時から 13 時まで行
かを学んだ。牛は、とても広い草原に放牧さ
われ、毎回異なる科の先生が講義をしてくれ
れていた。その放牧地は3つに電線により区
た。昼食を取りながら講義を受けるのはとて
切られていて、そのうちに 1 区画に牛を放
も新鮮だった。
牧していた。他の放牧地は、牧草を育てるた
8月9日に行われたセミナーは、ウォブ
めに土地を休ませていた。そうして、常に質
ラー症候群についてのものだった。話してい
の良い牧草を牛が食べられるようになってい
る内容の全てを理解する事はできなかった
た。アメリカの土地の広さを利用した良い飼
が、スライドがとても分かりやすかったため
育方法だと思った。また、牛は広い土地での
内容を理解する事が出来た。
びのびと生活していたのであまりストレスを
8月 10 日には Dr.Taoda のクッシング病
感じているようには見られなかった。この牧
に関するセミナーを受けた。
場では、牧草地に生えていたアルファルファ
8月 16 日には救急に関するセミナーを受
やチモシーなどの牧草についても学んだ。ま
けた。
今回のセミナーでは、
演者がとてもゆっ
た、Dr.Hilton は、オーナーが持っている年
くりと話してくれたのでとても聴きやすく、
代物のトラクターについて熱く語っていた。
分かりやすかった。
2日目の往診では直腸検査による妊娠鑑定
8月 18 日に受けたセミナーは、腫瘍に対
と耳標付け等を行った。直腸検査は 30 頭以
するケモセラピーについてのものだった。日
上行われ、そのうち何頭かは直腸検査をさせ
本の授業で学んだ内容だったのでとてもよく
てもらった。初めて妊娠している子宮に触れ
わかった。
た。また、処置を行った牛の全てに寄生虫防
止の薬品を散布した。
<休日の過ごし方>
往診先で処置できなかった牛は、大動物病
土曜日(8月6日)
院まで来てもらい処置していた。馬とは異
長い旅路を終え、インディアナポリス空
なった入口から牛を入れ、牛専用の処置室で
港に到着した。そこで、Dr.Scott-Moncrieff
処置を行った。その牛は蹄病で牛を倒す必要
と Dr.Tomo と合流して Purdue Union Club
があった。日本ならば人力で牛を倒すところ
Hotel まで連れて行ってもらった。ホテルに
だが、Purdue 大学には牛を倒す機械があり、
到着したところでサンドイッチを Dr.Tomo
それに牛をくくりつけて固定し保定台ごと倒
から受け取りホテルのロビーで食べた。そし
していた。安全で効率的だと思った。別の牛
て、アメリカでの初日が終わった。
では、ワクチン投与をやらせてもらった。
― 10 ―
日曜日(8月7日)
のか、どのような設備でどのように診察して
昼 は 大 学 内 を ぶ ら つ き、 夜 は 学 部 長 や
いるか分かりとてもいい経験になった。
Dr.Tomo 達とステーキ屋で食事をした。
<総括・感想>
土曜日(8月13日)
私が Purdue 大学に行って一番感じたのは
午前中は汽車型の車に引っ張られながら大
設備、ヒトが整っていることです。設備の面
学内を移動した。大学はとても広く車で移動
では、まず病院自体がとても広く、診察室
しないととても移動しきれないと思った。大
もオペ室も複数あった。また、大動物専用
学内にはたくさんの校舎だけでなくスタジア
の CT、MRI が病院内にあるので動物をその
ムや空港がありとても驚いた。
近くで導入でき、すぐに検査する事が出来
午後には、インディアナポリスの State
た。
ヒトの面では特にテクニシャンに驚いた。
Fair に 行 っ た。State Fair に は、Dr.scott-
Purdue 大学には、獣医学科とテクニシャン
moncreif と往診にいつも連れて行ってくだ
科の両方があるため獣医師とテクニシャンが
さ る Dr.Hilton に 連 れ て 行 っ て も ら っ た。
ともに学べる環境が整っていた。そのため、
State Fair では、沢山の露店や遊園地、動物
獣医師とテクニシャンによるチーム医療がと
のコンテストからトラクターの展示場などが
ても発達していると実習を通して感じた。ま
あり、とにかく広い会場だった。露店では、
た、大動物病院には掃除を専門に行うスタッ
インディアナポーク、ビーフ、ミルクシェイ
フがいるため常に病院内は清潔に保たれてい
クなどを食べた。あと、食べ物をなんでもあ
た。獣医師、テクニシャン、掃除やスクラブ
げている店でフライドバターを食べた。動物
のクリーニングを行う人がそれぞれ何人かい
もたくさんいてウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、
るため仕事が効率よくこなされていた。その
ブタがたくさんいた。そこでは、動物コンテ
ため処置やオペ、入院準備などがとても素早
ストが行われていた。トラクターの展示場
く行われていた。また、獣医科は外科と内科
では、Dr.Hilton がトラクターについて熱く
だけでなく眼科、神経科、腫瘍科、救急科な
語っていた。
どに細かく専門分野が分かれていた。
そして、
各々の専門知識を用いてあらゆる患者に対し
日曜日(8月14日)
て協力しながら治療していた。
この日は、インディアナ動物園を訪れた。
Purdue 大学で他に感じた事は、学生が積
まず、最初に関係者以外立ち入り禁止の領域
極的に活動しているところであった。アメリ
に入り、この動物園の獣医師の話を聞きに
カでは学生が主体となり診療し、自分なりに
行った。そこで、動物園内の医療施設を見せ
どのような検査、治療が必要か考えなければ
てもらい説明を受けた。施設内には、レント
ならない事が日本の学校より多いと思った。
ゲン室や検査室などがあった。そこで、タツ
また、ゼミでは学生が全員積極的に意見交換
ノオトシゴのレントゲン写真を見せてもらっ
をしていてすごく勉強になるゼミだと思っ
た。また、普段使っている麻酔銃やイルカ用
た。患畜が少ない日も、自分が担当している
のネブライザーも見せてもらった。そのあと
患畜について勉強したりしていた。学生は、
は、園内を歩き動物を見て回った。アメリカ
毎日大変そうにしていたがみんなモチベー
の動物園獣医師がどのような仕事をしている
ションがとても高いのでいつも楽しそうに学
― 11 ―
んでいた。そんな人たちと一緒に2週間過ご
今野 邦広
したので私も勉強に対するモチベーションが
かなり上がった。
① 各診療科の特徴
Purdue 大学の人々はとても親切で、質問
〈麻酔科:Anesthesia〉
すれば必ず分かるまで丁寧に答えてくれまし
日本にはない科ということで、麻酔科には
た。また、私の聞き取りにくい英語にも耳を
以前から興味があり、今回一週目と、二週目
傾けてくれたため分からない事もとことん理
最終日の clinical rotation に組み込んだ。麻
解するまで聴けました。私は大動物病院に二
酔科の特徴は、学生が実際の手術の麻酔プロ
週間いたので、病院内のドクター、学生、テ
トコルをすべて決め、また、管理していると
クニシャンなど多くの人にお世話になりまし
いうことである。前日のうちに次の日の手術
た。特に、大動物外科にいる時間がとても長
の担当者を決め、各自がその手術で用いる麻
かったので大動物外科のメンバーにはお世話
酔薬、その容量や投与方法を考え、また、手
になりました。また、身の回りの世話をして
術中の麻酔管理も行う。もちろん手術の前に
下 さ っ た Dr.Tomo や Dr.Scott-Moncrieff に
先生が一度プロトコルを確かめ修正したり、
は大変感謝しています。
手術中に様子を見に来たりもするが、基本的
今回の実習はとても勉強になりました。
には、学生が主体となって進めていた。さら
Purdue 大学に行って本当に良かったです!
に、術前の麻酔導入や準備もほぼ麻酔科の学
生や VT で担当しており、手術に関してなく
<謝辞>
てはならない存在だった。麻酔科は小動物・
Everyone who took care of us, thank you
大動物どちらの手術も担当するので、この科
for your kindness. I had a great time with
では幅広い内容の手術を見ることができた。
you.
授業で習った症例も多く、割と手術の内容は
Before I left Japan, I worried about my
理解することができた。また、Dr.Tomo が
English. My English was not good but
たまにやってきて手術の内容やわからない英
everyone in Purdue tried to understand
語の略称について教えてくれたので、大変助
my questions and what I want to say. So I
かった。
この科には一人日本人の学生がおり、
Could study a lot.
彼女にもいろいろとわからないことを教えて
I stayed Large animal surgery and Large
もらった。
animal medicine for two weeks. In Japan
その日一日の手術が終わると、たまに学生
patients are mainly cow. But in Purdue,
と先生やレジデントが集まって、ミーティン
almost all patients were horse. So everyday
グやディスカッションを行う。基本的に自分
in Purdue, I could study cases and surgery
は黙って座って聞いているだけなのだが、一
that I couldn`t see in Japan and had great
度、一つ麻酔薬を挙げ、それについて知って
experiences.
いることを一人一つ出していく、というゲー
These two weeks changed my life. This
ムに参加させられ、ほとんど英語を話せず、
memory will live with me forever.
また聞き取れず泣きそうな目に遭った。
Shuhei Kawashima
― 12 ―
〈 小 動 物 内 科:Small Animal Medicine
た。このプレゼンは出発の約ひと月前に突然
SAM〉
知らされたもので、皆大慌てで準備すること
二 週 目 は SAM: 小 動 物 内 科 を 見 た。 こ
になった。テストなどもあり、当然事前に完
の科では、まず朝 8 時半ごろに学生全員で
成することもなく、アメリカに行ってから、
Round を行う。これは勉強会のようなもの
時間を見つけて準備を進めていた。しかし、
で、輸血や人獣共通感染症などについて学ん
結局プレゼン前日の真夜中まで掛かってしま
だ。Round が終わるとその日の診療などが
い、プレゼン前後の数日間は死ぬほど疲れて
始まる。この科では、学生は先生の診察を手
いた覚えがある。来年はもっと余裕を持って
伝ったり、患畜の診療を行っていた。主に身
準備できるようにしてほしいと切に願うばか
体検査や血液検査、超音波検査、レントゲン
りである…。プレゼンの内容は垰田先生など
検査を行っていたが、特に超音波検査は一週
に添削をお願いしたりしたおかげで、なかな
間を通して行うことが多かった。入院患畜も
か好評だった。やはり向こうの人は日本の大
多くその世話も学生が行っていた。また、内
学についてあまり知らず、今回知る機会が出
科では内視鏡や鼻腔鏡手術などの簡単な手術
来てよかったと話していた。
も行うことがあり、
運よく見ることができた。
特にこの科の Dr.Adam にはよく気にかけて
② 休日の過ごし方
もらい、処置があるとよく連れて行っても
8/6(土)
、到着初日は着いたのが夕方とい
らった。内科で驚いたことは、全ての患畜の
うこともあり、ホテルで Dr.Tomo が用意し
情報や処置内容についてがデータとして PC
てくれていたサンドイッチを食べた後、皆
に入力されており、
いつでも見ることができ、
で軽くホテルの周りを散策し、近くの Food
また、学生がその日に行った処置や今後の処
Mart で買い物をして帰った。
置についてを打ち込んでいたことである。
8/7(日)
、二日目は朝に Dr.Tomo と二週
〈ランチセミナー〉
間の予定について打ち合わせをした後、大
ランチセミナーは一週目の火曜日と水曜
学のキャンパス内や Downtown を皆で散策
日、木曜日、二週目の木曜日にあった。毎回
した。この日は昼過ぎに突然激しいスコー
色々な科の人に発表してもらったが、どの人
ルになったがその後はよく晴れてとても暑
もスライドの画像が多く、また、知識として
く、飲み物を持っていなかったので脱水で死
既に知っていることも多かったので、英語が
にそうになった。夕方になると Dr.Tomo と
聞き取れなくてもわかりやすかった。ちなみ
Dr.Scott-Moncrieff とともに車で Logan's と
に一週目水曜日のセミナーは引率教諭である
いうステーキ屋に行った。ここでは学部長と
垰田先生の担当であった。頑張って作ったと
も顔合わせをした。このあたりぐらいからア
いう甲斐もあり、わかりやすく面白い内容
メリカの食生活の恐ろしさというものを感じ
だった。
始めていた。アメリカの食事というものは本
当に桁外れの量が出てくるので、アメリカ生
〈プレゼン〉
活最初のほうは食事だけでかなりの労力を費
二週目の月曜日は朝一番に、自分たちの北
やすことになった…。
里大学についてのプレゼンテーションがあっ
― 13 ―
8/13( 土 )、 朝 早 く か ら Boiler Maker
この次の日が自分たちのプレゼンの日だっ
Tour ということで汽車型の大きな観光バス
たのでホテルに帰ってきてからは打って変
に乗って、大学キャンパス内を巡った。バス
わって一心不乱にその準備をした。終わった
は屋根がなく、走りながら汽笛や鐘を鳴らす
ころには真夜中だった…。
のでとても目立って恥ずかしかった。キャン
パス内にアメフト場や空港があることにはと
〈休日以外のイベント〉
ても驚いた。
Dr.Thompson と Dr.Scott-Moncrieff に
Tour が終わると Indiana State Fair に向
は自宅へ招いて頂き夕食を御馳走になった。
かった。これは州の農業祭のようなもので、
ゲームなどもして子供たちとも仲良くなっ
ここでは牛や馬、豚、羊や山羊の品評会を
た。
行っており、たくさんの家畜がいた。また、
屋台もたくさん出ており、品評会などをやっ
一 週 目 の 金 曜 日 夜 は Wolf Park へ 行 き、
ているすぐ隣で牛肉や豚肉のステーキが売
オオカミを見た。イヌよりももっと大きかっ
られていて思わず苦笑してしまった。ほか
たが、意外にもかなり飼いならされていて、
にも Fair に行ったら絶対食べるようにと言
飼育員の人にじゃれついて遊んでいた。
われていたコーンや揚げバター、新鮮な牛乳
を使ったアイスクリームなどたくさん食べ
買 い 物 と し て、Walmart と Tippecanoe
た。今思うと本気でカロリーが気になるメ
Shopping Mall に 行 っ た。Walmart は い わ
ニューばかりである。ほかにも農業機械やさ
ゆるスーパーで、食料品やお菓子などが売っ
まざまな農産物・工芸品の展示もやっていた。
ていたが、どれも日本では見ないようなサイ
Dr.Hilton が思いの外これらに関して乗り気
ズとカラフルな色で売られており、どう見て
で、炎天下の中、延々と農業機械に関して説
も体には悪そうだなと思いながらお土産に
明をしてくれ、正直勘弁してくれと心の中で
買った。Tippecanoe Shopping Mall はとて
思っていた。
も大きなモールで衣料品などが主に売られて
いた。
8/14(日)
、この日は Indianapolis Zoo へ
行った。開演前の裏側を見せてくれるという
二 週 目 水 曜 日 午 後 に 行 っ た Fair Oaks
ことで朝早くから向かい、チーターやサイ、
Farm は観光用の牧場といったような場所
ゾウを見た。ゾウの芸も特別に自分たちのた
で、バスで何千頭という牛がいる牛舎の中に
めだけに見せてもらった。また、付属の動物
入って行ったり、機械で管理された大規模な
病院内も見せてもらった。大型の動物を見る
搾乳の様子を見た。また、牛の分娩を目の前
だけあってとても大きい造りをしていた。見
で見ることができ、まさに生まれる瞬間を見
学の後は実際に園内に入って、動物を見た。
ることが出来た。他にもチーズやアイスと
従業員専用口から園内に出入りするのは少し
いった乳製品も売られておりとてもおいし
気分がよかった。キリンのエサやりや、イル
かった。
カのショーを見たが、このころになると皆疲
労がピークに達してきており、途中でたびた
③ 感想および総括
び眠っていたりした。
まず最初に、ほかの人や歴代の先輩方も
― 14 ―
言っていることだが、英語力というものは本
向こうの方々が企画してくださったイベント
当に大事なものである。自分は今回の留学が
はどれも楽しく、またよりアメリカの生活に
初海外ということもあり、人一倍不安を持っ
ついて知ることができたので決して嫌だとは
ていたのだが、やはり言葉の壁は厚いと身を
思わなかった。この 2 週間でなるたけアメ
以て実感した。一応事前の英会話レッスンは
リカについて多くのことを知ってほしいとい
受けていたが、アメリカに来てすぐは本当に
う心遣いにはとても感謝したいと思う。
周りの人が何を話しているのかがさっぱりわ
最後に改めて今回の留学に際して色々と尽
からなかった。一週間目を過ぎたころからな
力してくださった先生方、特に同行していた
んとか相手の話していることが半分ほど聞
だいた垰田先生や向こうで大変お世話になっ
き取れるようにはなったが、話せるという段
た Dr.Tomo、Dr.Scott-moncrieff 及び多くの
階には程遠く会話に苦労し続けた。自分の言
先生や学生の皆様には深い感謝を述べたいと
いたいことが言えないということは本当に苦
思う。
痛で、相手にも申し訳なかったと思う。それ
でも、向こうの学生や先生の方はこちらに辛
④ 謝辞
抱強く教えてくれ、また、こちらの言いたい
I thank all members I met in Purdue
ことを汲んでくれたのでとても有り難かった
University so much for two weeks. I really
し、感謝している。
had great time through your help.
Before I went to America, I felt much
今回自分がこの米国三大学留学に参加した
anxiety about my poor English. And in fact,
のは、主に日本とは異なるアメリカの獣医学
I couldn't understand well what you say
の教育制度を実際に見てみたかったからであ
and tell about what I want to say. But, you
るが、その目的は大いに果たされたといえる。
tried to tell me patiently and understand
アメリカの大学では、学生はより実戦に近い
what I want to say. So, I spent valuable
形での獣医療に触れることが出来、経験も積
time in Purdue University.
める環境にあるということがわかった。無
In these two weeks, I also experienced
論、日本の教育制度が悪いということではな
American life.
く、どちらにもそれぞれの利点があると思う。
I could know the difference between
大事なことは、異なる環境を知ることで、こ
Japan and America in various things. And
れからの生活を変えていけるということであ
I became to love America!
る。この留学を経て自分は確実に変わったと
Finally, I appreciate Dr.Tomo, Dr.Scott-
いえる。この貴重な経験は必ず今後の人生に
M o n c r i e f f , D r. H i l t o n , D r. F a u b e r,
影響すると思う。
Dr.Thompson, and all Dr. and student I
今回の留学スケジュールははっきり言え
met in University. I will never forget these
ば、少し過密であったと思う。朝早くから病
two weeks I spent in America!
院へ行き、夜はほぼ毎日何かしらのイベント
があり、寝るのはいつも 24 時を回っていた。
皆最後のほうはへとへとにくたびれており、
自分も割と病院で寝たりしていた。しかし、
― 15 ―
Kunihiro Konno
が6部屋ぐらいあった。手術は2人の Dr と
坂本 江美
その患畜担当の学生が行う。だが、オペに興
①各診療科の特徴
味がある学生は自由にオペ室に入ることがで
< small animal surgery >
きる。また、Dr は最近 Lapro 下での手術に
第1週目は小動物外科に行った。
力を入れているらしく Lapro の手術も多かっ
こ の 科 は、Soft tissue と Orthopedics に
た。オペ自体は北里と同じ感じだが、北里に
分 か れ て い た が、 私 は Soft tissue に 興 味
比べオペ件数はあまり多くなく、1件にかけ
が あ っ た の で Dr.Tomo に お 願 い し Soft
る時間が長かった気がする。
tissue だ け を 見 る こ と に し た。Soft tissue
Soft tissue の オ ペ が な い と き は
では主に避妊・去勢、腫瘍、腹腔鏡での膀胱
Orthopedics のオペをみせてくれた。整形で
切開・膀胱結石除去などを行なっている。
は前十字断裂のオペをみせてくれた。
毎日まず外科の予定表を見に行くとよいだ
どこの科もそうだが、オペを見せてと頼め
ろう。そこで今日の予定と担当学生の名前が
ば快く見せてもらえ、手術のやり方を教えて
書いてある。あと、1人でもよいので、学生
くれた。また、私は身長が低いのでもっと前
と仲良くなるとよいだろう。今日はこっちの
でみていいよといわれたり、台を持ってきて
オペ・診察を見た方がよいとか、Ward に連
いただいたりとてもやさしくして頂いた。な
れっててくれて一緒にお世話や保定をやらせ
ので、みたいオペがあるときは積極的にみせ
てもらえる。
てもらうとよいと思う。
毎日ではないが週に2~3日は朝、ラウン
ドがあり学生が興味のあることを調べ発表し
< Anesthesia >
たり、Dr があるお題をだしそれについてみ
最初は麻酔科に行く予定がなかったが、外
んなで討論する。学生はとても多くの質問を
科の近くにあったのと、麻酔科にいる学生の
していて驚いた。
Tamakito ととても仲良くなったため、暇に
月曜日は学生がオペをする日である。Dr
なるとよく麻酔科にお世話になっていた。
やレジデントが一緒について去勢・避妊の手
麻酔科は他の科 ( 例えば小動物外科 ) が麻
術を行う。
酔をかけるとなったとき、麻酔導入から覚醒
火曜日は診察日である。まず学生が飼い主
まで行う。学生は麻酔プロトコルをたて、そ
と問診し、患畜の全身状態を確認し、Dr か
れを Dr.Tomo にチェックしてもらう。OK
レジデントに相談しにいく。もし、そこで
がでたらその通りに麻酔の導入・維持を行う。
Dr らが気になることがあれば Dr らが直接
5分おきに麻酔記録を書く。麻酔の維持は基
飼い主さんと話し合い、オペなどのやり方な
本学生が行なっているが近くにレジデントが
ど詳しい説明をする。
ついている。Dr.Tomo はオペ中たまに様子
水~金曜日はオペをする日である。北里と
をみにくる程度であった。
違いオペの準備・麻酔導入は麻酔科の人が行
先ほど述べたように麻酔科は他の科と一緒
なってくれるので、外科の人たちは基本患畜
に行動することが多いので、いろんな科を見
が麻酔導入された後から集まってくる。
もし、
れて楽しかった。初めて馬に全身麻酔をする
麻酔からみたい場合は、麻酔科の予定表もみ
ところがみれたし、そのままオペをみること
るとよいらしい。オペ室は北里よりも小さい
ができてよかった。また、放射線治療のとき
― 16 ―
の麻酔を見に行ったときは、学生1人とレジ
ても化学療法しかできない飼い主もいるらし
デント1人だったのと、オペのように慌ただ
い。化学療法は主に午後に行う。学生がまず
しくなかったので、質問がいっぱいできてよ
留置をとり、とれたら学生と保定者は専用の
かったし、放射線治療の人もとても優しくど
服とマスク、
帽子を着用する。
抗がん剤をさっ
こに腫瘍があって、どうやって放射線をあて
きとった留置からゆっくり入れる。治療は全
るか、また腫瘍の画像をみせてくれた。
部で 30 分ぐらいだが、これを1日3件ぐら
い行う。
< Oncology >
腫瘍科のレジデントの方はとても優しく、
腫瘍科は毎朝みんな集まって、今日くる子
ゆっくりしゃべってくれたり、聞き取れな
の病歴やくる目的を診察する学生またはレジ
かった単語はノートに書いてくれた。質問に
デントの人が話す。午前中は主に診察をす
対してもとてもわかりやすい英語で教えてく
る。腫瘍科にはちょうど学生が1人しかいな
れた。また腫瘍科では毎日明日くる患畜の
く、レジデントが最初から診察に入ることも
データをもらっていた。患畜のこれまでの病
あった。診察の仕方はほとんど小動物外科と
歴や処置、投薬した薬の名前・量・副作用な
同じだったが、腫瘍科では、外科的に腫瘍を
どが書かれているので毎日データを印刷して
とるか化学療法で腫瘍を小さくするかを説明
もらいホテルに帰ってから予習をした。なの
するため、Dr かレジデントが一緒に入るこ
で、診察に入る時もどのような経緯できてい
とも多かった。もし外科的処置の場合は、小
るかがわかったのでスムーズに理解ができて
動物外科に回し、腫瘍科では主に化学療法を
よかった。
行なっていた。北里を含め日本では、乳腺腫
瘍が一番多いが、アメリカでは避妊・去勢手
<ランチセミナー>
術を行なっている犬・猫がほとんどなので、
私たち北里大学生だけのためにお昼ごはん
乳腺腫瘍を診ることはほぼないと聞いて驚い
を食べながらのセミナーを開いてくれた。セ
た。アメリカでは、大型犬を飼う人が多く、
ミナーの内容はウォブラー症候群、
救急医療、
R・レトリバーや G・レトリバーに多い血管
腫瘍についてだった。日本でも授業をうけた
肉腫、骨肉腫で来院する件数が多かった。他
内容であったのと、とてもわかりやすいスラ
には、移行上皮癌、肥満細胞腫が多かった。
イドだったため、
内容をある程度理解できた。
日本とアメリカでこんなにも発生する腫瘍が
しかし、ごはんを食べながらだと聞き逃した
違うのかと思った。また、もう一つ驚いたこ
り、メモを取れないと感じたため、私は少し
とは金額である。飼い主さんのほとんどが金
早めに昼食をとった。どの先生もわかりやす
額を聞いていたので、レジデントの方に診察
く説明してくださったので、ランチセミナー
でどのくらいの金額がかかるかと聞いたらだ
はとても勉強になった。質問した時もとても
いたい診察、X 線、薬処方などで 400 ドル
わかりやすい英語で、ホワイトボードにも書
ぐらいかかる。北里で同じような診察をした
いてもらえたのでよかった。また、Dr.Tomo
場合の約4倍かかるのでビックリしました。
のご好意でスライドを印刷してもらえた。
また、外科手術の金額は聞いてないがとても
高いので、比較的安い化学療法を選ぶ飼い主
②休日の過ごし方
さんが多いそうだ。なので、外科手術したく
8 /6 Sat インディアナ空港に着いたの
― 17 ―
が夕方だったので、Dr.Tomo 達が用意して
回ることができなかった。夜は Tamaki も一
くれたサンドウィッチを食べ、ホテル周辺を
緒にホテルの周辺にあるタコスのお店に行っ
ウロウロした。
た。タコスを食べ終わりそうになったとき、
1 人の店員さんが近づいてきたのでなんだろ
8 /7 Sun Dr.Tomo とホテルの地下で
うと思ったら、Birthday cake をもってきて
2週間の大まかスケジュールを教えていただ
くれ、みんながお祝いしてくれた。最初何が
いた。Dr.Tomo と別れたあと、みんなでキャ
なんだかわからなくキョトンとしてしまった
ンパス内にあるお店にいって買い物したり、
が、とてもうれしかった。まさか誕生日のお
昼食にピザを食べた。雨が降りそうになった
祝いをしてもらえるなんて思ってもみなかっ
ので、急いでホテルに戻ったら、ホテルに着
たし、サプライズすぎてとても驚いた。とて
いたすぐ後に雨が降り始めた。2 ~ 3 時間後
もよい誕生日になった。Cake を用意してく
雨がやんだのでみんなでダウンタウンまで
れた Purdue 大学の方、そしてお祝いしてく
行った。しかし、日曜日はお店がほとんど開
れたみんなには今でも感謝している。
いてなく、夕方なのに日中のような日差し
みんなで Cake を食べているとき、雨と雷
だったため、とても疲れた。でも、町並みは
がすごく外がまったく見えない状態だった。
外国の映画に出てくるような感じでとても楽
しばらくすると雨がやんだので、ホテルに
しかった。夜は Dr.Tomo、学科長さん達と
もどりニュースで今日いった State Fair で
夕食会があった。ステーキはおいしかったが
ステージが先ほどの豪雨で倒れる事故のこと
とても大きかったため食べきれなかった。
をやっていた。今日行っていたとこでの事故
だったし、多くの死者・負傷者がでていたの
8 / 13 Sat 朝は、Purdue のシンボルで
で信じられなかった。
あるボイラーメーカーに乗った。オープン
カーのようなものだったので最初すごく寒
8/14 Sun インディアナ動物園に行っ
かったが、徐々に日が出てきて気持ちよかっ
た。動物園の裏側を見せて頂いた。園内にあ
た。キャンパス内はとても広く、飛行場も
る病院では気管チューブ、X 線や入院してい
あってとても大きい大学だと改めて感じた。
る動物を見せてもらった。またそのあと動物
その後、インディアナ州の大きなお祭りであ
を近くで見せてもらった。象の赤ちゃんが水
る State Fair に連れてってもらった。この
遊びをずっとしていて可愛かった。
そのあと、
日は Tamaki も学校がなかったので一緒に行
動物園内の動物を見たり、イルカのショーを
くことになった。インディアナ州は畜産が盛
みた。
んなため、動物の品評かのようなものがあり、
牛などの家畜は信じられないほどきれいに手
③感想
入れされていた。出店がいっぱいあり、イン
今年は 3 月の大震災の影響で新幹線のダ
ディアナの特産品のコーンを食べた。とても
イヤが微妙で当日朝に十和田をでてそのまま
甘くおいしかった。スニッカーズやバターな
飛行機に乗るということができず、前日にみ
どなんでも揚げてしまうお店があったが、食
んなで夜行バスに乗って東京に行くことに
べる勇気がなかった。Purdue 大学のブース
なった。直前までテストがあり、そのあとテ
があったがお祭りが大きすぎてじっくりみて
スト後は研究室が忙しく、準備が完璧に出来
― 18 ―
ているとはいえない状態で出発の日になって
が日本に比べて多かった。また、討論する機
しまった。また、テストと研究室により疲労
会があるときは、必ずみんなが質問をしてそ
がたまったのか十和田を出発する日に急性胃
れに対しても学生が答えていたのでとても感
腸炎になってしまった。しかも英語の勉強も
心したとともに、自分はもっと勉強しなきゃ
あまりできておらず、不安でいっぱいのまま
なあと感じた。
出発した。
最初英語がとても早くほとんど聞き取れな
④謝辞
かった。しかし、2~3日ほどすると耳が慣
Thank you so much for your kindness
れてきてある程度は聞き取れるようになっ
with all members who I met in Purdue
た。だが、なかなか自分からすぐしゃべるこ
University,especially Dr.Scott-Moncrief and
とができなかった。しゃべれても自分の言い
Dr.Tomo. I had great time and had special
たいことの半分ぐらいしかしゃべれず悔し
experiences in the US. I was affected with
かった。しかし、Purdue の人たちがゆっく
all in the us. I'll never forget there 2 weeks.
りしゃべってくれたり、質問にも丁寧に答え
Before I went to the Purdue University,
てくれたおかげで 2 週間とても楽しく過ご
I was worried about my English. But
すことが出来た。
you were very kind. So you tried to
生活面はホテルが大学とレストランに近い
speak slowly and to understand what I
こともあり、不自由なことは全くなかった。
was talking about. I could ask questions
平日にも Purdue の先生がたと食事する機会
without fear. Thank you very much.
や Walmart や TippecanoeMall での買い物、
I could fell the difference between Purdue
WolfPark や FairOaksFarm に連れていって
University and Kitasato University. I felt
いただいた。また自分たちで近くのバーやア
that student in the US ask a lot of question
イス屋、コンビニ ? のようなお店などに行っ
and Drs. are very kind and teach a lot.
た。日が 10 時くらいに沈むので 5 時に大学
I had special time in this summer and
から戻ってきてから色んなところを回ること
could reach my 24th birthday! Thank you so
ができた。
much.
今回、私が海外研修に行きたいと思った理
I appreciate Dr Tomo , Dr Scott-Moncrief
由は日米で獣医医療に違いがあるかを自分の
,and a lot of teachers and students in the
目で確かめることであった。アメリカでの獣
Purdue University. I hope to see you again!
医医療は日本より進んでいると思っていたが
Emi Sakamoto
自分でみた限りそこまでの差は感じなかっ
た。施設やオペに関してはほぼ日本と同じレ
ベルに感じた。ただ、学生の意識の高さはす
鈴木 実可子
ごかった。獣医大学に入る場合は一回大学を
でた人なので専門知識がある程度あるのか
大動物外科(LAS;Large Animal Surgery)
もしれないし、診察や注射などの医療処置、
と 大 動 物 内 科(LAM;Large Animal
Cast や Spay などの簡単なオペが学生でも
Medicine)で研修予定であったが、患畜の
できるからかもしれないが、Dr への質問量
多くは外科疾患であったため、大動物外科で
― 19 ―
多くを過ごした。往診は行くときに誘っても
にはパソコンがあり、行った処置を事細かく
らう予定だった。大動物の診察が終わってし
記録していた。
まい暇になった時には小動物外科や神経科も
Hoof Palace という部屋があり、ここには
見る事が出来た。
牛を横臥させて削蹄や蹄の治療をするための
保定器や、牛を立位で処置するための保定器
<研修した科について>
があった。
● 大動物(LAS、LAM)
たいていの患畜はペットとしての馬であっ
毎朝ラウンドという患畜についての話し合
た。
いやゼミがある。曜日毎に話し合う内容が決
オペでは Dr. が指導し、レジデント(研修
められていた。Dr. が中心で学生に質問する
医)や学生がそれに習う感じであった。オペ
といった感じだった。ラウンドの前後の時間
中の麻酔は麻酔科の学生が担当していた。 に学生は入院患畜の所見をとったり処置をし
パデュー大学には日本の北里大学のように
たりしていた。ラウンドが終了すると学生は
高学年になると所属するような「研究室」と
各自散らばってしまう。
いうものがない。学生は 3 週間ごとにいろい
外来患畜は大動物病院の受付に掲示され
ろな科をまわり卒業単位を取るために実習を
る。書かれている事は、来院時間、動物種、
しているらしい。牛の削蹄や胃カテーテル挿
稟告、担当 Dr.、担当学生。患畜が来たら学
入、心電図のとり方をやった後などに Dr. に
生が問診、聴診、体重測定をする。そして
単位を認めてもらうサインをノートにもらっ
Dr. が混ざり、さらに問診や検査、処置を行
ていた。大動物外科、大動物内科にいた学生
い、その後 Dr. が学生に指導し、検査や処置
はたまたまこの 3 週間のローテーション実
をさせていた。
習で大動物にあたっている学生ということ。
病院内の大動物のスペースに入ると、まず
縦に長く伸びた広い道があり、ここでは馬の
● 往診(Ambulatory)
跛行診断のために歩かせたりする。その両脇
往診に行く日に繁殖学の Dr. Hilton に誘っ
に処置室やオペ室、入院棟があった。床は少
てもらう事になっていた。彼はとても気さく
しクッション性があり、蹄にやさしく作られ
で明るい方で、病院内で出会えばすぐに往診
ているそうだ。異臭は全くせず、とても綺麗
に誘ってくれ、たびたび往診に同行させても
だった。
らった。牛の来院患畜も Dr. Hilton が診て
処置室は2つあり、馬の枠場が置かれてい
いた。
る。また、普通のオペ室のほかに、空調完備
牛の消毒や感染などについて日本と比較し
されたクリーンなオペ室があった。
て甘かったように思う。これについてはアメ
入院棟(Ward)は①牛・アルパカ、②手
リカでは日本より多くの牛を飼育しているた
術前後の動物、③具合がそれほど悪くない動
め、1 頭 1 頭丁寧に管理をする余裕や必要性
物、④農家から提供された動物、というふう
がないからではないかと思った。
に4つに区分されており、それぞれ 8 頭ほど
日本と同様に往診車の後ろには薬品などが
が入院できるようになっていた。入院患畜は
詰め込まれていた。農家に着くと牛を枠場に
2時間ごとに学生またはテクニシャン(VT)
いれて診察した。主に妊娠鑑定や去勢、駆虫
が所見をとっていた。全ての処置室、オペ室
を行った。
― 20 ―
アメリカの農場は想像通りとても広大。往
もらった。
診の道中では大豆、トウモロコシの畑が続い
ていた。また、往診は牛に興味がある人を
8 月 10 日(水)
連れて行っているらしく、一緒に行ったパ
8 時半から入院患畜の病態についての話し
デューの学生はその時大動物内科と繁殖学の
合いがあった。その後学生が分散し、ウロウ
実習を受けている学生だった。
ロしていたらテクニシャンの Patrick に会っ
て、喉頭片麻痺について本を使って説明して
<研修内容について>
くれた。他にも Patrick は去年パデュー大学
8 月 8 日(月)
に来た先輩方の写真を見せてくれた。
馬の MRI 検査をした。投薬をして壁に押
潜在精巣の馬が来院していた。
し付けながら倒馬し、足をロープでつないで
ブタの去勢と歯の治療があったが、お昼に
吊り下げて台の上に乗せ、MRI の部屋に運
写真撮影があり、麻酔までしか見られなかっ
んだ。大きな馬を倒馬する光景は新鮮だった。
た。豚はとても大きく、たしか体重が 500
診断結果は蹄葉炎だった。次に学生に牛の保
ポンドあった。
定器具や入院患畜(馬、豚、アルパカ)を見
13 時 か ら は Dr. Hilton に 誘 わ れ、Hoof
せてもらった。その後、MRI を行った馬の
Palace にて牛の去勢、ワクチン接種をした。
担当学生が飼い主に病態の説明をしていた。
片方の睾丸が腫れている牛がいて、キシラジ
右後肢に電気をかけている馬がおり、これ
ンで鎮静し、
結紮せずに大胆に去勢していた。
は Shock wave therapy というらしい。
腫脹した睾丸からは膿が出てきた。ワクチン
その後、尿がでないという稟告の山羊が来
接種では針の使い回しをしていた。去勢にお
院し、エコー検査と輸液をした。原因不明。
いて鎮静と結紮をしなかったことに本当に驚
変わった留置の取り方をしていた。
いた。また、消毒もしていなかった。痛そう
だったが、牛はあまり暴れていなかったよう
8 月 9 日(火)
に思う。
朝、直腸検査についてのラウンドがあった。
喉頭片麻痺の馬が来院し、内視鏡検査をし
直腸検査で触ることができるものを Dr. が学
てから円形パドックで走らせた。とても息苦
生に質問していた。
しそうに激しく呼吸をしており、体表面の血
その後、陰茎の腫瘍をとるために、陰茎を
管が怒張していた。喉頭片麻痺の馬を見る事
摘出するオペがあった。馬の陰部の毛刈りを
が出来て感動した。17 時過ぎから馬の疝痛
させてもらった。
のオペがあるとのことだったが、予定があっ
午後は繁殖学の Dr. Hilton と牛の往診に
て残念ながら見ることができなかった。
行った。アメリカならではの広い放牧場に連
れて行ってもらい、牧草やトラクターの説明
8 月 11 日(木)
を受けた。放牧場は果てしなく広く、アンガ
大動物内科の Dr. による血液学のラウンド
ス種の牛が沢山いた。
トラクターについては、
があった。血液検査の結果を見て、考えられ
John Deer というメーカーが有名で、年代
ることを話し合っていた。
によってエンジンの音が違って聞き分けられ
馬の気管支肺胞洗浄 (BAL) があった。
る、といったマニアックなところまで教えて
右後肢の関節に骨片骨折がある馬がオペ室
― 21 ―
にいて、関節鏡でそれらを取り除いていた。
生が発表をしていた。
Dr. とその馬の担当学生が行っていた。ポー
暇になったので神経科で犬の MRI 検査を
タブルの X 線装置で治療後の肢を撮影して
みた。第 5 頸椎から第 2 胸椎に圧迫が見ら
いた。
れた。小動物外科では前十字靱帯断裂と大腿
午後は、ロバの右後肢の脱臼整復のオペが
骨骨折のオペをしていた。Dr. がダイナミッ
あった。途中から見たのだが、最後に足先に
クコンプレッションプレートの説明をしてく
石膏のようなものをつけていた。
れた。
潜在精巣の馬のオペがあった。オペが終了
午後はまた往診に行き、まず妊娠鑑定をし
して、覚醒室に馬を運ぶのを見ていたら、そ
た。また、結膜炎の牛がおり、局所麻酔をし
こで急に学生に話しかけられ、聞き取れた単
て瞼を縫合し閉じていた。他には去勢をした
語が「犬、腫瘍」で「大動物を見ているのに
が、鎮静・結紮をせずに手で引きちぎって精
なぜ犬?」と混乱していると「じゃあ行きま
巣を摘出していた。最後の 1 頭の去勢をさ
しょう」という展開になり小動物外科に連れ
せてもらった。耳にホルモン剤のプラントを
て行かれた。そこで、安楽死した犬の脳を病
した。
理学的に検査するために摘出するのをみた。
この犬はグリオーマが原因で安楽死したよう
8 月 17 日(水)
だった。小動物を見るのは新鮮だった。
ラウンドでは各自担当している症例の病態
や今後の処置を話し合った。
8 月 12 日(金)
その後、跛行のある馬を外に出して跛行診
朝から大動物外科の学生と Dr. を見失い、
断をした。各関節を 45 秒間屈折させて維持
X 線の部屋にいるのを見つけたが入りづら
し、常足や速歩の様子をみて診断していた。
かったので小動物外科に行ってみた。関節鏡
肢の全ての関節を屈曲させ、原因部位を探し
と、肥満細胞腫のオペをしていた。
た。私の目ではどの関節を屈曲させても同じ
午後は馬の喉頭片麻痺のオペ(Tie-back)
ように歩いているようにしか見えなかった
があった。しかし位置的に見えにくく、手技
が、違いが分かったら面白そうだと思った。
は全く分からなかった。
午 後 は Fair Oaks と い う 農 場 に 連 れ て
行ってもらった。
8 月 15 日(月)
眼科の Dr. による、馬の眼検査があった。
8 月 18 日(木)
潰瘍がみられた。5 年前期の実習で習った眼
Hoof palace で牛の蹄底潰瘍の削蹄をした。
底検査やフルオレセイン染色、眼圧測定など
その牛は腹部に大きなかさぶたのようなもの
を一通りしていた。
があり、ステファノフィラリア症だと言って
午後は往診に行き、牛を枠場に入れて駆虫
いた。鎮静せずに台に縛り、
牛を倒したため、
や直腸検査をして受胎を確認した。趾皮膚炎
牛がたまに暴れて少し危険だった。また、尾
の牛がいた。
を縛っていなかったので糞が飛び散ってい
た。他に、雄牛の精子鑑定をした。直腸に機
8 月 16 日(火)
械を入れて電気を流して精液を採取してい
臍ヘルニアについてのラウンドがあり、学
た。電気を流すたびに牛は痙攣していたので
― 22 ―
牛のことが心配になった。牛はロープでつな
る人が手を振ってくれたりして面白かった。
がれていないままトラックから降ろされ来院
大学の飛行場や競技場があってとりあえず広
するので、牛が Hoof palace 内で逃げてしま
かった。
うことがあった。牛をロープでつなぐことを
その後、Indiana State Fair に連れて行っ
見なかったのでロープワークは日本特有?な
てもらった。State Fair は州ごとにあるお祭
のかと思った。牛は馬と違って汚れていた。
りで特産品の屋台や移動遊園地があり、家畜
大動物内科の学生たちが馬の心電図のとり
の品評会が行われていた。牛や羊が綺麗に洗
方や胃瘻チューブを入れる練習をしていた。
われていて毛刈りされており、何百頭も並ん
でいて全ては見きれないほどだった。牛はホ
8 月 19 日(金)
ルスタイン、ジャージー、ブラウンスイスな
午前 3 時に疝痛の急患が来たらしく、朝
どがいて、
特にブラウンスイスが可愛かった。
病院に行くと覚醒室に馬がいた。また疝痛が
Dr. Hilton と Dr. Inoue がおすすめしていた
見られず残念だった。
コーンと豚肉 (Indiana pork) がとてもおい
8 時半から膝蓋骨脱臼した馬の X 線画像に
しかった。このようなお祭りから畜産が盛ん
ついてのラウンドがあった。その後その馬の
である事がうかがえる。年代もののトラク
オペがあった。後肢が大きく腫脹しており、
ターがずらりと並んでいるところもあり、こ
針を刺すと関節液と膿が大量にでてきてい
こでも Dr. Hilton はトラクターの説明をし
た。
ていた。
<休日のイベント>
8 月 14 日(日)
8 月 6 日(土)
Indiana Zoo に連れて行ってもらった。動
飛行機を乗り継いでインディアナポリスに
物園の動物病院を見学した後、園内を一通り
到着した。その後ホテルに行き、チェックイ
見学した。一週間の疲れが結構溜まってきて
ンしようとしたが私の持っていたクレジット
いる頃だった。
カードが使えず残念な思いをした…。
<休日以外の主なイベント>
8 月 7 日(日)
プレゼンテーション
8 月 15 日(月)
Dr. Inoue と日程を確認した。その後、み
北里大学(設備やカリキュラムなど)や青
んなで近くのお店などを見て回った後、暑い
森県(十和田湖や奥入瀬、ねぶたなど)
、研
中遠くまでひたすら歩いて散策した。ホテル
究室などについて英語でプレゼンテーション
の周りには飲食店や Purdue Shop がたくさ
をした。2 日前に峠田先生にダメ出しをされ
んあった。夜は学科長と食事をした。
1から作り直し、パデュー大学の動物病院で
研修していた日本人に英文をみてもらうなど
8 月 13 日(土)
してかなり苦労した。意外と多くの人が見に
朝、Boiler maker tour があった。これは
来ていて緊張した。
パデュー大学のシンボルになっている汽車の
形をしたトラックの荷台に乗って大学敷地内
Fair Oaks
8 月 17 日(木)
を見学するもの。結構寒かったが、歩いてい
午 後 か ら Dr. Scott-Moncrieff に Fair
― 23 ―
Oaks という農場に希望者のみ連れて行って
た。 もらった。ここは酪農について学ぶ事が出来
渡米前は授業や研究室、試験などと余裕が
るミュージアムもあり、何千頭?ものホルス
なく、英語の勉強もほとんどできませんでし
タインがいた。特に感動したのは、搾乳する
た。これは本当に苦労しました。それでも英
ためにパーラーに 72 頭の牛が綺麗に並んで
語で分からない事があったらメモ帳に書き込
乗っており、搾乳が終わると牛が自ら降りて
んでもらい、辞書で調べたりすることでどう
行き、新たな牛が自分でパーラーにのってい
にかしました。英語についての不安はもちろ
る光景。搾乳を待っている牛がすごい数でひ
ん、他にもアメリカ研修に行くよりは日本で
しめき合っていた。また、ガラス越しに牛の
実習にいったほうがいいのでは、という不安
お産を見せていて、これも面白いと思った。
もあったし、研究室で決められていた 2 週
日本だったらガラス越しに何人もの人にお産
間の休みをこの研修に全て使うのは少し気が
を見せることは牛にとってストレスになる、
引けました。しかし、結果としてアメリカ研
ということでできないと思うが、これは何頭
修を選び、充実した 2 週間を送れて非常に
もの牛を飼育しているアメリカの農場だから
よかったです。2週間は長いと思っていたけ
できることなのだと思う。Fair Oaks は大
れど、あっという間でした。日本では決して
動物に興味がなくても楽しめると思う。
経験できないし、本当に貴重な時間だったと
思います。せっかくの機会なので参加するべ
<感想・総括>
きだと思います。
日本との大きな違いは大動物診療において
病 院 実 習 の 他 に も、Dr. Thompson、Dr.
患畜に馬が非常に多いことだと思います。馬
Scott-Moncrieff の お 家 に 招 い て い た だ い
がペットという習慣の違いを目の当たりにし
たり、スーパーマーケット、モール、Wolf
ました。我々の大学の大動物病院での患畜は
Park、Fair Oaks、State Fair、Indiana
牛が大半であるため、アメリカで見るまで馬
Zoo などに連れていってくださったり、楽し
の診療やオペは見た事がありませんでした。
い時間を過ごす事が出来ました。
従って、授業で馬の病気が出てきても現実味
最後に、始終いろいろな面で特にお世話
がなかったのですが、研修中に喉頭片麻痺や
に な っ た Dr. Scott-Moncrieff、Dr. Tomo
疝痛など習ったことのある病気の馬が来院し
Inoue、この研修に同行してくださった垰田
ており、これらの病気が多いということを実
先生をはじめ、関わってくださった方々に感
際に見ることができ、感動しました。
謝しています。本当にありがとうございまし
また、学生のモチベーションがとても高い
た。
と感じました。暇があれば自分が担当してい
る患畜の病気について調べ、論文を読んでい
<謝辞>
ました。
I thank everyone who took care of us,
私がアメリカ研修に参加したのは、将来個
especially Dr. Tomo Inoue and Dr. Scotto-
人的に留学する事はないだろうと思ったから
Moncrieff. These two weeks were very
です。他にもいろいろな人の助言があり、時
interesting for me. I was amazed by equine
間のある学生のうちにこのような経験をした
surgery because I've never seen that. And I
ほうがいいということで参加する事にしまし
was so impressed by large-scale dairy farm
― 24 ―
at Fair Oaks. We had a really wonderful
ていくシステムで行われる。それぞれの科に
time in Purdue University. I'll never forget
は専門医、レジデント、専属のテクニシャン
this experience, and want to study in
がいて、心臓科なら3週間、毎日ひたすら心
Purdue University again. Thanks again!
臓病の症例を扱い続ける。
学生は始め(学生によって最終学年を始め
Mikako Suzuki
る時期が違う)にピンク色の小さい、厚さ2
センチほどのリングノートをわたされ、それ
ぞれの科でのローテーション中に達成しなけ
瀬尾 和馬
ればならない項目を一つずつクリアしていく
今回の研修で感じた日本の獣医学科とアメ
ことで卒業単位を与えられる。例えば「心臓
リカの獣医学科の最も大きな違いは、教育
科で心電図を測定する」
、
「小動物の整形外科
だった。以前アメリカへ留学されていた先生
で膝蓋骨脱臼の診断をする」などと細かい項
にお話を伺ったときも、アメリカの教育シス
目をクリアするごとに担当の獣医師にサイン
テムはとてもすばらしい、という話を聞いて
をもらう必要がある。もちろん自分のロー
いたがそれを目の当たりにした2週間だっ
テーション中に項目にある症例が来院しな
た。
ければサインをもらうことはできないため、
そんなアメリカの教育システムの日本との
ローテーション後も科の獣医師に連絡先と診
決定的な差は、大学4年間の課程が臨床獣医
たい症例を伝え、症例が来院したら連絡をも
師を育てるのに特化したカリキュラムである
らって項目をクリアしなければならない。こ
ということである。1~3年次は座学・実習
のようなシステムを取っているため、卒業生
と日本とさほど変わらない内容であるが、最
は必ずある一定の水準以上のレベルの臨床経
終学年である4年次は丸1年かけて病院実習
験を得ることができる。
ここで僕が渡米中にお世話になった心臓科
(クリニカルローテーション)を行う。
この病院実習も、1~3年次の間 Purdue
でのローテーションの流れを紹介する。心臓
に在学した学生は、小動物・大動物・Mixed
科には専門医の Dr.Hogan、Dr.Green、レジ
の3つのコースから選ぶことができ、自分の
デントの Dr.Magee、Dr.I-Ping、テクニシャ
希望する進路に重点をおいた実習を受ける
ンの Kim、そのときローテーション中だっ
ことが可能である。
(Purdue ではカリブ海
た学生の Vivek、Fritz、Marcin がいた。診
に あ る St.Matthews や Ross な ど の 病 院 実
察日は月・水・木で、手術日は火・金だっ
習を行う施設が充実していない大学の獣医学
た。診察日の前日に予約のあった患者のリス
生を最終学年のみ受け入れる制度を取ってい
トが部屋に張り出され、ローテーション中の
て、これらの大学からの編入生たちは自動的
学生はそれぞれの担当を振り分ける。再診の
に Mixed、つまり小動物と大動物の両方の
場合は前回と同じ学生、初診や前のローテー
コースを受ける必要がある。学年の 1/4 ほど
ション中からの再診の場合は、それぞれで話
はこのような学生たちである。
)
し合い達成していない項目がありそうな患者
病院実習は、麻酔科、歯科、外科、皮膚科、
を選ぶ。学生はそれらの患者のデータを病院
腫瘍科、心臓科、救命救急科など約 20 の科
のデータベースから取り出し、予約時の主訴
をそれぞれ2~3週間ずつローテーションし
と照らし合わせ事前に診断の流れを考えてお
― 25 ―
く。いざ患者が来院すると、受付から学生の
そんなことはないということも今回の2週間
ポケベルに連絡が入り、学生が待合室まで患
で感じた。確かに動物とオーナーを相手に一
者とオーナーを迎えにいく。そのまま学生が
人で問診したりすることは日本の獣医学科で
単独で問診・身体検査を行う。心臓科の場合、
はまずできないことだが、
ラウンドの内容や、
多くの場合はその後裏でエコーや X 線など
やっていること自体は北里で習ったこととあ
の検査を行う必要があるため、動物を一時的
まり変わらなかった。実際、心臓科の症例の
に預かりオーナーにはお昼ご飯を食べに行っ
ほとんどは5年前期に堀先生から学んだこと
てもらい、また後で連絡しますと告げる。裏
ばかりだったし、整形外科の症例も左近充先
では学生が担当医に主訴・問診や身体検査の
生の授業でみたものばかりだった。アメリカ
結果・自分の考える診断や検査の流れを説明
人にあって僕らに足りないものは座学で学ん
し、アドバイスを受ける。そして担当医の監
だことのアウトプットなんだと思った。
督の下でエコー、心電図などの検査を行う。
X 線の撮影や血液検査などは書類を提出しそ
My short stay at Purdue University
れぞれの担当の科にやってもらう。検査結果
this summer was surely one of the most
などをもとに診断結果が得られたら、学生が
exciting and enlightening 2 weeks that I've
オーナーに提出する書類をパソコンで作成
had as a vet student.
し、担当医のチェックを受けた後オーナーへ
I was especially amazed at how the
の説明を担当医と一緒に行う。このように、
students were taking history and doing
診察、検査、処置、オーナーとのコミュニケー
examinations on their own, for I rarely;
ションの全ての段階を学生が中心となって進
or never, get the chance to touch animals
めるシステムとなっている。
other than the ones owned by the
僕の滞在した2週間ではあいにく心臓科で
University. I also noticed how euthanasia
手術をする症例がいなかったため、手術を見
was much more common in the States
学することができなかったが PDA やペース
than in Japan. This, I think was due
メーカーの設置などの手術を主に行うとのこ
to the cultural differences between our
とだった。
countries. Discussing thoughts about these
また、朝はラウンドと言ってレジデントの
kinds of topics with people from different
ドクターが「先天性心疾患」
、
「心不全の内科
backgrounds is always so interesting, and I
的治療法」などといったテーマに沿った授業
was able to open my mind to a lot of things
を行う。授業と言っても学生とコミュニケー
that I wouldn't have been able to in Japan.
ションしながらのスタイルで、喫茶店で行っ
I really think that a veterinarian is a very
たり、ドクターの誕生日パーティをしながら
rewarding career, and all that you have
行ったりととても楽しい雰囲気の中、心臓病
given me during my visit has become a
について語り合うという感じだった。
great inspiration for my own.
I owe this to everyone at Purdue, especially
このような教育を受けているアメリカの獣
Dr. Inoue and Dr.Scott-Moncrieff who
医学生には日本の獣医学生なんて到底かなわ
took care of us in and out of the hospital,
ないだろう、と思うかもしれないが、決して
members of Team Cardio who made me
― 26 ―
laugh all the time and taught me so much,
近いのにそういうようには思えなかった。ホ
Vivek, Marcin, Fritz, Tamaki, Paul, Jason,
テルへ着いたらホテルのロビーでサンドイッ
Steve, everyone who let me feel like home.
チが出てきてハムチーズサンドを食べた。そ
I can't thank you enough, and I really hope
の日はホテルの部屋に戻って、荷物の整理を
that our paths cross again someday!
してからすぐに就寝。
Kazuma Seo
Sunday,August 7,2011
朝から、朝食を買いに近くのお店へ行っ
山崎 加奈
た。そのお店はベーグルで有名らしかった
が、ベーグルは見当たらず、代わりにブルー
Saturday, August 6, 2011
ベリーのスコーンとマフィンを買った。朝ご
夜行バスで東京駅に到着。スーツケースを
飯を買った後部屋に戻って朝食を食べて、日
運びながら、成田空港まで電車で移動。電車
本から持ってきたお味噌汁を一杯のんで、ト
は非常に混んでいて、移動するのが大変だっ
モさんのオリエンテーションに参加。大学構
たが運んで空港まで到着した。到着してすぐ
内の案内と、設備の説明、それに緊急時の対
に、空港のお風呂へ行って、シャワーでとり
応などの説明を受けた。
あえずさっぱりしてから空港を物色。すでに
一連の説明が済むと、昼食を食べるために
お土産を買ってしまい飛行機のゲートですで
ダウンタウンへ8人で向かった。周囲のお店
に荷物を持って待つことになった。飛行機の
を見て回るためにしばらく歩いたけど、日本
席は、皆とは別の席に離れていたので、乗り
の気候とは少し違って炎天下かつコンクリー
込んだ瞬間に熟睡、楽しみの機内食はもらえ
トの照り返しで汗がすごかった。とにかく歩
ず。飛行機では、皆は3度の食事があったよ
いて、途中あったレストランにより、トイ
うで、一回目と三回目は重い食事だったよう
レだけ済ませてまた歩いてホテルまで戻っ
で、中間は軽食でおやつのような内容だった。
た。夕方4時近くにホテルについて、1時間
味は濃かったけど、
ジュースはおいしかった。
ほど休憩してから、ホテルのロビーに集合し
アメリカのデトロイトでは、4時間ほど待機
てレストランの Logan へ向かった。トモ先
で、スターバックスでエスプレッソのコー
生、スコットモンクリフ先生、学部長のリー
ヒーを頼んで飲んだ。デトロイトからイン
ド先生らと一緒にステーキを食べた。当たり
ディアナポリスまでは一時間ほどで行けた。
前のようにピーナッツの殻を床に捨てていた
荷物受け渡しのレーンの場所で、スコットモ
ので、衛生どうなんだろうと心配になったが
ンクリフ先生と、トモ先生が迎えに来てくれ
食事はおいしかった。全部は食べきれなかっ
ていて、車にスーツケースを積み込んで大学
たので、
残った分はホテルまで持って帰った。
まで移動し始めた。車の中でスコットモンク
ホテルに戻ってからは、明日の準備をして、
リフ先生がインディアナポリスの特色を教え
お風呂に入って就寝。
てくださって、大学まで行く途中の道筋で野
生の鹿が走っているのが、車から見えた。あ
Monday, August 8, 2011
まり近くでは見えなかったけど現物を見れて
朝から5時頃に起きて、日記を書いた、時
感動した。7時近いのに、明るいままで夜に
差の関係か非常に眠い。一時間ほどで、何と
― 27 ―
か書き上げて、昨日 Logan から持って帰っ
ので、傘を持っていたのが偶々私だけだった
てきたステーキを食べた。やっぱり日本から
ので皆で走ってホテルまで帰った。アメリカ
持って帰ってきた松茸のお吸い物を一杯飲ん
の気候はスコールのようにすぐに変化しやす
で、大学へ出かける準備。今日は大学へ行く
いよう。
初日だったので、
カッターシャツを着て、
スー
ツの上着なしの状態でホテルのロビーへ集合
Tuesday, August 9, 2011
した。若干緊張した。8時に集合して、皆が
朝の5時に起床。日記を書いた。朝は夜と
集まったところで大学へ出発した。その後、
は違って、さすがに早朝だと暗くてあまり明
まずは学部長とスコットモンクリフ先生から
るくない。逆に夕方以降は、非常に明るい。
大学の事について、二週間のローテーショ
朝食には、昨日のマックで食べきれなかった
ン に つ い て と、 白 衣 lab. Coat や、 つ な ぎ
分を朝食に食べた。また、ホテルのフロント
cover all の借り方についての説明を受けた。
にあったリンゴを持って帰ってきていたの
私は希望していた一週目には Neurology、二
で、それも食べた。
週目には Large Animal Surgery となった。
7時半にホテルのロビーへ集合、大学へ向
白衣と名札を受け渡され、それに着替えて次
かった。着いたところで自分のその週に廻ら
は構内の説明をしてもらった。広くて地図が
せてもらう科を訪ねて、簡単な自己紹介をし
ないと迷子になりそうだった。地図自体はト
た。私はこの週は神経科で、主に Resident
モさんから先に地図を渡されていたので、そ
3rd year の Dr. Reese につく (?) ことになった。
れを見ながら移動していた始めのうちは分か
Café でコーヒーをおごってもらって美味し
らず大変だった。ただ、後半になって徐々に
か っ た。 他 に も、 神 経 科 に は Dr. Packer、
地図の見方が分かってきたので、移動がしや
Dr. Sangsters、Dr. Maul、Dr. Paul (I don't
すくなりスムースに行くようになったが始め
know there correct family name..!!) といっ
の頃は非常に大変だった。最終的に、移動が
た親切な先生が多くいた。始めの症例は、頸
できるようになりよかった。
椎の変形により頸随が圧迫を受け、歩行困難
お昼ご飯には、Cafe Continuum でサンド
やあるいは、プロプリオセプションなどの反
イッチを食べた。そこのカフェは大学の購買
射や他の反応の欠如を示しており、それらを
のような所で、そこのカフェでは果物もある
まず身体的に検査して、原発の病状個所を特
しジュースもありで、種類は多かった。基本
定して、ベントラルスロットを行うとの事
的にアメリカでは、
一部のスナックと果物は、
だった。ラミネクトミやヘミラミネクトミを
サンドイッチなどを買った時に勝手に持って
行う場合もあるとの事。
行っていいようになっているらしく、一部の
午後からは、Dr. Reese の Lunch Seminar
リンゴやスナックを勝手に持って行っていい
があり、Neurology,Topic:Wobbler Syndrome
ことになっている。この日は、夕方になって
としてプレゼンを行ってくれた。一般に、大
からホテルへ戻って各自で準備をして、マッ
動物における頸随圧迫による中枢性神経障害
クへご飯を食べに行った。マックは、サイズ
が主体だと思っていたら、小動物でも、大型
がアメリカサイズなのかと思っていたが、日
犬にはよく見られ得る疾患だとの指摘があっ
本のバーガーとあまり変わらなかった。その
た。奥が深い。セミナー終了後は Clinical
日は、ホテルへ戻る時に突然雨が降り出した
rotation に戻り、夕方4時半ごろに垰田先生
― 28 ―
の部屋に集まり、ウォルマート [Wal-Mart]
とのダンスが本当に上手でうらやましいと
へ行った。私はその日お財布を忘れたので買
持った。笑 三兄弟の上二人は男子で長男の
い物ができなかったが、その日は買う物もな
ピアノの腕前はプロでした。
かったのでそのまま部屋に戻った。この日は
その日はホテルへ戻り、就寝。
次の日に疲れを残さないように、
早めに就寝。
Friday, August 11, 2011
Wednesday, August 10, 2011
この日は、夕方から Shopping Mall へ行
5時に起床。朝からホテルからもらったリ
く予定だったが、皆が疲れているようだっ
ンゴを食べて、お味噌汁を飲んで朝食を済ま
たので、早めにホテルに戻った。よるご飯
した。部屋を広く使えるようにはなったけ
は、ホテルの地下にあるレストランでサラダ
ど、片付け物をして散らかさないようにしな
とチーズサンドを買って食べた。初めに頼ん
がら、準備を終えて遅刻しないようロビーに
だメニューを店員さんが聞き間違えてしま
集合。さすがに皆眠そう。
い「これじゃないです」と言ったら、あたら
この日は午前中の rotation 時に、大動物
しく作ってくれた上に代金をおまけしてくれ
の先生が診察に誘ってくれて、ワクチン接種
た。おいしく頂きました。
と去勢手術を見る事ができた。
大動物の場合、
設備としては機械がとにかく大きく、正直な
Friday, August 12, 2011
ところ、頑丈ではあるが動物にはあまり優し
朝はいつも通り、5時に起床。
くないように見えた。笑 子牛を金枠にはめ
今日は、朝から大動物の方から Tie-Back
て、固定したところを頸部左方に3種、右方
のオペがあると聞いて、神経科を抜けて大動
に一種と注射した。頸部皮下注射をさせても
物の方へ行ってみた。喉頭片麻痺の外科手術
らった。
である Tie-Back は、日本ではそうお目にか
Neurology に戻ると、痙攣を起こしている
かれないので、デジカメを用意して写真と動
子が来ており、プロプリオセプションなどの
画を撮りまくった。
検査をしていた。また、手術があるとのこと
今日はセミナーがなく、午後も Tie-Back
だったが、Lunch Seminar があったためそ
を見ていたので時間がすぐにすぎてしまい、
れを見る事はできず残念だった。
5時に先生の部屋に集まった。
Lunch Seminar は 垰 田 先 生 の プ レ ゼ ン
夕食はレストラン HEISEI というところ
で、Transsphenoidal Surgery in Dogs with
で、ここもまた日本食のところだった。わた
Cushing's Disease で、昼食にはピザと、フ
しはざるそばを頼んだけれど、他にも唐揚げ
レイバーコーヒーをもらって食べた。内容は
やカレーライスなど、何でもあるようなお店
難しかった。
だった。久しぶりにそばを食べて美味しかっ
Lunch Seminar 終了後、Clinical term に
た。この日は、
Dr.Tomo の奥さんが来ていて、
戻ったが、特に症例がなかったのでその日は
しかも双子の子供さんまで来ていた。奥さん
5時に垰田先生の部屋に集まり、夕食をよば
がまた、美人 !!!!!! 子供、かわいぃ!! Kai
れ に、Dr. Steven and Karen Thompson の
くんと Nami ちゃんは、Kai くんがお兄ちゃ
お宅へ行った。Dr. Thompson が送迎をして
んだそうで、Dr.Tomo に目がそっくりだっ
くださり、しかも家で見せてもらった娘さん
た。
― 29 ―
夕食を食べてしばらくしたら、7時頃から
かなとも思ったけど、始終そんな感じはしな
Wolf Park へ行くことになり車で移動し始め
かった。今日も、
Dr.Tomo の家族が来ており、
た。Wolf Park は公園になっていて、自然状
奥さんも、双子ちゃんも来ていた。
態では全くないけれど、皆元気そうでとりわ
動物園の裏側は、検疫の箇所を見せてもら
け窮屈な思いもしていないようだったし、な
えたのが嬉しかった。私はもともと検疫に興
により管理してくれている人によく懐いてい
味があるので、動物をどのくらいどの場所で
たので良い環境なのだと思った。実際には、
留置しておくのかといったはなしは非常に興
もっと自然な状態でそこへ我々が邪魔すると
味深かったし、動物を鎮静するための麻酔の
いうのがベストだがそうもいかないし、国立
注射を見せてもらえたのもたのしかった。裏
公園にせよ管理と維持にはこれが最大限のこ
側だけでなく実際に動物園内を探索すること
となのだろうと感じた。でも、どんなすがた
ができたので、それに便乗してまわれるだけ
でもやっぱり狼はかわいかったし美しかった
廻ってたのしんだ。
とくにイルカのショウは、
し、実際に逢えたことで益々好きになった。
スケールのでかさが日本とは全く違ってすご
かえりにお土産グッズ屋さんで寄付をして狼
かった。動物園ではたくさんお土産を買い込
の絵を描いてある皿を買った。
行動学の本も。
んだ。
夜はホテルに戻って、各自就寝。
動物園から帰ってきてからは、明日のプレ
ゼンのための打ち合わせのためにロビーに集
Saturday, August 13, 2011
まってスライドを作った。ご飯を食べたとこ
この日は朝から、なぜか Purdue 大学の
ろだったので打ち合わせ中、四六時中お腹が
構内を、Purdue の汽車式自動車に乗ってツ
なってしまった .. 笑。
アーを巡った。早朝だから寒い !! しかも汽
車が汽笛を鳴らすから近所迷惑で恥ずかし
Monday, August 15, 2011
い ! の二重攻撃だった。でも、構内の広さと、
この日は、朝からプレゼンだったので、そ
Aviation に記念館、スタジアム、石碑や図
の用意をして G167 室に集合した。初めの
書館の外観など様々な建物が見れて非常に楽
うちは緊張していたが、徐々になじんでき
しかった。
てしっかりお腹から声が出せるようになり、
そ の 後、 9 時 半 か ら、Dr.Hilton と
オーディエンスもリスポンスを返してくれる
Dr.Scott-Montcrif 先生が迎えに来てくれて、
ようになってうれしかった。棒読みにはなら
インディアナポリスの State Fair へ行った。
ないようにと注意していたので、少し、目標
が達成されて良かったと思う。お昼まではか
Sunday, August 14, 2011
からない予定だったけど、10 時頃になった
こ の 日 は 朝 早 く に 起 き て、Indianapolis
のでとにかくベーグルを持って先生の部屋ま
の動物園へ行った。動物園の裏側まで見せて
で引き上げて、お昼ご飯用にベーグルを残し
もらい、しかも生まれたての子象を見せても
ておいて rotation へ向かった。
らった。本当にかわいかった。象はあれだけ
この日は大動物で往診があり、Dr.Hilton
大きいのに、非常に訓練されていて、おとな
が私たちをつれて往診の説明をしてくれた。
しく、調教師の言う事を注意深く聞いていた。
炎天下の中、
全頭の尾静脈採決とワクチン、
ただ、おなかが減っているとやはり危ないの
それに妊娠鑑定をして終了。帽子がなかった
― 30 ―
から暑かった! Dr.Hilton はとにかくいつも
済ました。
しゃべる先生なので、こちらも何とか何かを
今日は朝から忙しい一日で、牛の削蹄 ●
答えようとして英語を話すので、勉強になっ
ワクチン、小動物神経科のベントラルスロッ
た。
トのオペの見学、整形のオペ ( 肘関節形成不
全 ) の見学、
etc.etc.. 盛りだくさんの一日だっ
Tuesday, August 16, 2011
た。
この日は6時半頃に起床。今日は、全体
アメリカでは、日本のように自然な格好の
的 に 病 院 が 忙 し い よ う で、 午 後 の Lunch
まま削蹄することはなく、機械で動けないよ
Seminar も休みになった。週末というより、
うに固めてしまう。削蹄に使用する器具はだ
来週から学生のすべての rotation が変わる
いたい同じ器具だったが、電動のこぎりなど
ので、それに対して事務仕事の重要な内容や、
も使用していた。前肢は内側の爪に負荷がか
他の仕事もあるためらしい。院内がかなりぴ
かりやすく、後肢は外側の爪に負荷がかかる
りぴりしていた。午前中は、大動物の診療所
ため、疾患の多さもそれらに比例するとのこ
に行き、あまりやる事もなかったのでしばら
と。
く時間を持て余していたけど、Dr.Hilton が
大動物分野が終わったら、すぐに小動物神
往診に誘ってくれた。ただ、この日は、小動
経かに移動して、
ベントラルスロットの見学。
物の神経科で MRI やベントラルスロットが
5時頃、私はホテルへ戻ったが皆は Fair
あったのでそちらに行って MRI 画像などを
Oaks へ行っていたので、自分でホテルの地
見せてもらっていた。
下にあるレストランで食べ物を買って帰り、
午後は各自でお昼ご飯を食べた。
この日は、
部屋で食べた。今日は救急へ行かせてもらい
ヨーグルトに果物がたくさん入っているフ
たかったが人数が多くなると行けないとのこ
ルーツヨーグルトを購買で頼んだ。300 円と
とで、救急へは明日行く事にした。
少し高めだけど、味はおいしくてしかもヘル
明日の準備をして、就寝。
シーだったので買って帰りたかったけど、無
理だったので、しっかり食べて帰った。ベー
Thursday, August 18, 2011
グルも購買で売っていれば良かったのだけど
朝は6時に起床。時間が間に合わなかった
売っていなかったので、結局インディアナポ
ので朝ご飯は食べずに集合場所へ。
リス特有のベーグルは昨日のベーグルで最後
朝から大動物の削蹄、それに V の実習生
になってしまった。
が授業の一環できていたのでそれを一緒に見
今日はどこも忙しいようで、あまりやる事
せてもらった。
もなく、先生の部屋に戻って部屋の横にある
この日は、Dr.Scott-Moncrieff の家へ招待
ロビーで今日までのことをまとめていた。
されていて、夕食を頂きにいった。
特にやる事もなく、夕食には、アメリカ特
家は、ものすごく大きいという訳ではな
有のレストランへ行き夕食を済ませた。ホテ
かったけれど、とにかく秩序だっていて典型
ルに戻って就寝。
的なアメリカの由緒正しいお家という感じ
だった。すばらしいお家だった。
Wednesday, August 17, 2011
Dr.ascott-Moncreiff はサーモンのムニ エ
6時に起床、朝ご飯はスタバのコーヒーで
ルや、野菜の炒め物などをごちそうしてくだ
― 31 ―
さり、ピーターは自慢のチョコレートロール
きたことがちゃんと認められた気がして嬉し
ケーキを振る舞ってくれた。アイスクリーム
かった。
まで出してくれていたけど、皆の分がなかっ
たので私は頂かなかった。
Saturday, August 20, 2011
食後に、ピーターがチェロを、Dr.Scott-
今日は出立の日で、Dr.Scott-Moncrieff と
Moncreiff がピアノを演奏してくれて、すご
Dr.Tomo がむかえに来てくれた。6時頃か
い演奏で感動した。すばらしかった。
ら起きていたので、7時半頃には自分でホテ
夕食後、ホテルへ戻って、明日の準備をし
ルの地下のレストランに朝食を食べに行き、
て就寝。
サンドイッチ、サラダとオレンジジュースを
飲んで、最後のアメリカ食を満喫。
Friday, August 19, 2011
皆で集まって空港へ行き、デトロイトでは
6時に起床。
途中間に合うか微妙な所を走って何とか乗り
今日は大動物で、朝から膝蓋骨脱臼の子馬
込んで、無事日本に到着。
の手術を行うことになっていた。実際には、
日本に着いたら、そこから新幹線で東京駅
子馬の場合、膝蓋骨脱臼では安楽死が一般的
から名古屋駅へ向かい、名古屋から実家へ到
だそうで治療はやらないことの方が多いのだ
着して一段落の旅でした。
そうだが、今回は、オーナーの希望もあって
米国で暮らしたい !!
何とか助けられるかやってみる、とのこと
だった。脱臼だけでなく、後肢が浮腫のせい
Dear Everyone in Purdue University
でひどく腫脹していて、実際に切開してみる
Thank you for your welcoming us hearty
とドレーンでは吸引でききれないぐらいの液
for these 2 weeks. In this period, I had
がどばっとでてきて、最終的にはドレーンな
experienced a lot of things, and they gave
しで、外部から腕で圧迫して水を外へ出すと
me many meanings in my life. In the
いうような状態で排水した。
future, I would like to work in abroad and
かなり長期間になって、最後まで見たかっ
I had thought I had tried to study English
た け れ ど お 昼 に な り、 そ の 後 す ぐ に Fare
hard, but it wasn't enough..! As for me, to
Well Party の準備になったのでこのオペは
catch up with the conversations they had
片方の足の膝蓋骨脱臼を整復する部分までし
were really difficult because of their fast
か見れなかったので、もう少し見たかったが
speaking, and I was taught lots of things
残念だった。
from students and Dr.s.
T h e p o i n t s w h i ch su rp ri se d m e i n
お昼に行った後で大動物の方に再度戻って
みたら、オペはもう終了していた。
America, everything is huge and has
Fare Well Party のため、
皆に日本から持っ
big scale! And, contents they speak are
てきたお土産をここぞとばかりに渡して、お
ueriable, they speak consistently and they
味噌汁や、扇子やキティーちゃんの袋やら
devote themselves to the Business. That
時々妙なものも混じっていたけどすべて渡し
was great.
て Fare Well Pary に出席した。
In these 2 weeks, not in the academic
Party は緊張したけど、この二週間やって
field, the veterinary medicine, but in the
― 32 ―
cultural fields, we experienced a lot of
は多少異なりますが、学生時代にオハイオ州
things. As well as American foods, we
立大学とコーネル大学にて実習し、感銘を受
enjoyed American conversations, friendly
けたことを今でも覚えています。現在の日本
greeting, and once I start to ciet examples,
の獣医臨床は、すべての面で米国のそれに劣
it never ends.
るものではなくなりましたが、それでもやは
These memories will keep in my mind
りスケールと教育環境の面では多くの違いが
in my future, and concerning the point I
あると感じました。これから日本の獣医学教
couldn't this time in America, after this I'm
育も大きな改革を迎えていきますが、今回の
eager to devote myself to my studies.
経験がその一助となればと思います。
Thank you very much.
本実習の形態が大学病院での参加型実習で
Kana Yamasaki
あり、その面では、普段大学の附属動物病院
にて臨床に携わる自分が同行できたことは、
非常に有意義に感じました。学生が各々の科
Purdue 大学研修報告
で受けた実習については、各学生の感想に譲
小動物第2外科学研究室
るとして、私が同行教員として実習中どのよ
垰田 高広
うなことをしたのか、感想を交えながら記載
したいと思います。
はじめに、今回の Purdue 大学研修を全員
が無事に終えて帰国できたことを大浪先生は
事前準備
じめとする国際交流委員の先生方に深く感謝
米国での臨床実習を行うために、臨床の知
いたします。とくに Purdue 大学との連絡を
識以前に最も必要となるものとしては、言う
担当してくださった折野先生、航空券の手
までもなく、英会話の技量になります。かく
配をしてくださった久留主先生には、大変
いう私自身も決して英会話能力に自信があっ
お世話になりました。また今年、Geogia 大
た訳ではなく、学生とともに英会話レッスン
学に同行された田邊先生、Tennessee 大学に
を受けるつもりでいました。ところが実際に
同行された高野先生には、米国三大学実習
は通常業務が忙しく、1回もレッスンに参加
の準備をしていく中で大変助けて頂きまし
できないまま実習を迎えることになってしま
た。まことにありがとうございました。さ
いました。この英会話レッスンは学生の希望
ら に Purdue 大 学 の Dr.Scott-Moncrieff と
で形式も自由にリクエストできるもので、よ
Dr.Tomo には終始お世話になり、誠に感謝
り自分たちに必要だと思われる内容を講師に
しています。
伝えて実施できるものでした。しかし、学生
は皆かなり受け身で、あまり有効な内容にで
世界の獣医臨床をリードする米国の獣医大
きていなかったように感じていました。たま
学の教育および臨床を学生時代に体験できる
には参加して、その内容をうまくコントロー
このような実習は、百聞は一見にしかずで、
ルできれば良かったのかとも思いましたが、
参加した学生に大きな影響を与えたものと思
学生が自ら自主性を持って望まなければ、必
います。僕自身も今回の実習のような形態と
要な知識が手に入らないことは、実際の臨床
― 33 ―
実習でも同様なため、アドバイスだけしてお
良かったように感じました。早速組み立てた
きました。米国での学生の様子では、ヒアリ
先生がいましたが、1 時間以上もかかったら
ングに関しては僕よりもずっとうまく聞き
しく、それなりに楽しんでもらえたようでし
取っているようで、このレッスンにはかなり
た。
効果があったのではないかと思いました。
Purdue での研修科については、事前に希
2. 研修中
望する科についての日程表が送られて来てお
● 出国および機内 り、学生同士で話し合って、希望があまり重
成田空港に 12 時集合予定でしたが、学生
複しないように決めていました。日程表には
は先日の夜行バスで早朝に東京に到着し、午
なるべく長く同じ科にいて欲しいことや、決
前9時には成田空港についてシャワーを浴び
定した科からの変更は認めないとの注意書き
るなどしていたとのこと。12 時前に全員の
があり、学生は慎重に選んでいるようでした
集合を確認できた。E チケットによるチケッ
が、実際に参加してみると、その日の症例が
トの発行および預け入れて荷物の預け入れを
少ないなど、あまり経験するものがないよう
行う。15 分ほど並んで処理。スーツケース
であれば、割と自由に他科を見に行くことが
重量も全員クリア。搭乗検査での混雑を考慮
できましたし、Purdue の国際交流委員長の
しても1時間ほど時間の余裕があったため、
Dr. Scott-Moncrieff もそれを奨励していまし
当面最後の日本食として、空港内の和食レス
た。来年の診療科の希望表からは“科を変更
トランで昼食。少し待たされたが時間は問題
できない”との文章は削除するとおっしゃっ
なし。最終搭乗時刻の1時間半前に搭乗検査
ていたので、来年度の参加を希望する学生は
を受ける。ペットボトルを事前に廃棄したく
参考にして頂ければと思います。ちなみに今
らいで全員問題なくクリア。早めの時間のた
回のこちらの実習希望はすべて通っており、
め比較的空いており、時間にはかなりの余裕
全員予定通りの科に参加できました。また往
を持って搭乗を待つことができた。
診を希望した学生にはその機会も多くあった
飛行機内の座席には個別のテレビや DVD
ようでした。
はついておらず、少し遠くにある大きなモニ
準備の中で最も悩んだのが、米国でお世
ターでぼやけた DVD が見えるだけだった。
話になる先生方へのお土産についてでした。
シートの形状や固さが体にあっていたのか、
15 年も続く本研修で、毎年何らかのお土産
備え付けの枕を腰の後ろに当てておくだけ
が渡されており、何が喜ばれるのか、全く思
で、長時間のフライトも体の痛みなどは感じ
いつかかず、昨年 Purdue に行った吉川先生
ずに過ごすことができた。ただし、足下はか
や一昨年の米澤先生のお土産まで調査してい
なりのむくみを感じるため、すわったままふ
ました。結局は実習に旅立つ前日に東京に向
くらはぎの筋肉を動かす運動を頻繁に行う必
かい、東京タワーの土産物屋(たくさんの店
要があった。乗り継ぎのデトロイトには定刻
が並んでいる)で、東京タワーと雷門のナノ
通りに到着したため、次の飛行機の出発まで
ブロック(世界最小のブロックで自分で作る
4時間弱と余裕を持って入国審査および税関
模型)を買って行きました。軽く、かさばら
の審査を受けることができた。入国審査時、
ない上に壊れ物でも無いので運ぶのも楽で、
学生の一人が審査官からの「何か食品を持っ
あちらの先生にもただ飾るものよりは受けが
ているのか」との質問に味噌汁を持っている
― 34 ―
と答えて、別室に連れて行かれたがすぐにク
● 研修中
リアして合流した。すぐに国内線の搭乗審査
ま ず 初 日 の 朝 は 応 接 室 に て、 学 部 長 の
があったが、出国時よりも検査が厳しく、透
Dr.Constable、 学 科 長 の Willie Reed お よ
視検査を全員が受ける。学生の一人が歯磨き
び Dr,Scot-Moncrieff と Dr.Tomo、 そ し て
粉を没収(100 グラム以上あったため)され
Moncrieff の秘書で、今回の実習に関する連
た。国内便は1時間ちょっとのフライトで
絡してくれていた Miss Audrey を紹介され
あったが、飲み物等のサービスは一切なく、
る。今回の実習にあたっての制限や許され
飲料の購入をしておけばよかったと後悔し
ていることが記されている契約書にサイン
た。
して、何か事故が起きたときのための保険
イ ン デ ィ ア ナ ポ リ ス 空 港 に 到 着。 迎 え
にも各自 13 ドル払って契約する。その後、
に き て く だ さ っ た Dr.Scott-Moncrieff と
Dr.Scott-Moncrieff のオフィスにて MRI に
Dr.Tomo と合流、一緒にバゲージクレーム
関する注意が説明されているビデオを見た
にて荷物を受け取り、彼らの乗ってきたパ
後、MRI に関する取り扱いに関する契約書
デ ュ ー 大 の 車 で Purdue Union club Hotel
に記入する。とりあえず、MRI に関しては
まで送ってもらう。チェックインを済ませた
操作室までしか入室しないことになる。
後、翌日のミーティングの時間を約束して
その後、1時間かけて Dr.Tomo に病院内
Dr 達とは解散。荷物を部屋に入れた後です
を案内してもらう。小動物と大動物は隣接し
ぐにロビーに集合し、用意してくれていたミ
ており、一つ一つの診察室や手術室などはそ
ネラルウォーターとサンドイッチを食べた。
れほど広い方ではないが、たくさんあって迷
ボリュームがあり、それだけでお腹いっぱい
路のような構造。
になった。
それからは早速、各自希望した科に分かれ
ての Clinical rotation が開始される。最初
● 周辺環境
なので、各自各科に案内されて担当の学生を
こちらは日が長く(夜 8 時半頃が日没)
、
紹介される。Dr.Tomo は麻酔科担当でその
到着日の夕方もまだ明るかったので飲み物を
日の午前中に馬の前肢端の MRI を撮るとの
買うついでに周辺を散策。24 時間営業の店
ことだったので、
麻酔から見学させてもらう。
や飲み屋が目立つ。小さなスーパーがあり、
個人的に馬の麻酔は見たことがなかったので
日本のペットボトルのお茶なども販売してい
大変興味深かった。思ったよりもスピーディ
るが、どれも日本での値段の2倍以上してい
に進む。そこにいた学生に何のために MRI
た。ちなみにホテルの自動販売機では炭酸飲
を撮るのか聞いたところ、良く分からない
料くらいしか売っていない。ホテルは大学の
が、とにかくオーナーが希望しているとのこ
敷地内にあり、獣医学部棟にも歩いて 15 分
と(後で他の Dr に聞いたところでは、脚に
ほどで行けるし、飲食店や大学グッズ店も近
腫れがあるが、X 線で原因が分からなかった
所に様々あり、非常に便利。来年度の実習の
ためとのこと)
。日本も米国も学生は目の前
予定としては、このホテル以外にも周辺の下
のことに追われて、意味が分かっていない者
宿をルームシェアする案もあるとのこと。自
もいる様子。
炊できる利点もあるので、来年度の学生は検
学生が実習している間に同行教員は何をし
討してみて欲しい。
たいかメールで聞かれていたので、病院の診
― 35 ―
察の見学とオフィスワークの両方を行いたい
の Emergency 疾患があったことが予測され
旨伝えておいたが、オフィスを用意してくれ
る。山崎さんの話では、突如具合の悪くなっ
ていた。鍵もかけることができたので、学生
た G. レトリーバーが来たとのこと。最後ま
の貴重品を預かるとともに、ちょっとした控
で診断ができていない様子だが、話からする
え室のように使えて便利であった。Purdue
と胃捻転などの疾患かと思われる。
大では、学生には北里大学のプレゼンを、同
校教員には研究等のプレゼンをして欲しい
● セミナー
旨の連絡を受けていたが、自分は本実習で 2
2 週間のうちに 3 回ほど、昼休みに私達の
週間も北里大学を留守にするため、実習前は
ためのランチセミナー(昼食は各自、カフェ
附属動物病院の患者の処理に忙しく、全くプ
で購入)を開いてくれた。最初の講師は神経
レゼンの準備ができていなかった。
そのため、
科のレジデントである Mike Reese。みんな
まる 2 日ほどはオフィスにて、プレゼン作
すでに授業で習っている Wobbler Syndrome
成にあてることになった。
に関する内容で、英語での講義であったが
ランチは学部内にある小さなカフェテリア
分かりやすかった。英語で質問するのにま
でとる。サンドイッチやラップサンドといっ
だ苦手意識があるようで質問が少ないのが
た軽いもので済ますか、自宅から持ってきて
残念だった。2 回目は、救急科の Dr.Paula
食べている。近くには他には販売機でお菓子
Johnson で、救急患者に対する初期対応や
を買えるくらいのものしかない。
トリアージに関する基本を説明してくれた。
軟部外科で腹腔鏡を使用した肝臓のバイ
学生にも分かりやすい内容で少し質問が増え
オプシーがある日には、見学に行った際に、
た。3 回目は、
腫瘍科の Dr.Mike Childress で、
Dr.Freeman に滅菌に入って参加しないかと
内容は基本的な抗がん剤療法についてであっ
誘われたため、助手に入らせてもらう。腹腔
たが、セミナー後の質問の際に、アメリカで
鏡用のたくさんの器具があり、
興味深かった。
は免疫療法やメトロノピック抗癌剤治療に関
午後の rotation は5時までであるが、救
して、どのように考えているのか聞くことが
急科は5時以降に患者が来るとのことで、救
できて有意義だった。
急も見たい学生はそれ以降も残っていいとの
ランチセミナーにて自分の発表がある日に
こと。こちらは日が長く、午後 8 時半くらい
は、観客集めのために大学側がピザを用意し
までは明るいので、それくらいまでなら残っ
てくれていたが、僕が発表の準備を終えた頃
ても良いことにするが、夕方も色々とイベン
にはもうなくなっていた。セミナー参加者
トを予定してくれているため、なかなか参加
は 30 人ちょっと。犬のクッシング症候群の
できる日が少ない。瀬尾君と岡田さんが参加
治療としての下垂体切除術についての発表し
した日では、人手が足りないため診察に参加
たが、ほぼ1時間ジャストで終わり、質問も
しやすく楽しかったとのこと。話を聞いてい
簡単なものだけで終わった。後から感想を聞
ると、本当の緊急患者というよりは時間外診
くと、時間もちょうど良く、時間がなくてま
察という印象。後日は山崎さんが1人で救急
とめきれなかったスライドの文章が、逆に理
科に参加のため、暗くなった9時頃大学に迎
解しやすくて良かったとのこと。Dr.Scott-
えに行く。待っている間に、病院の待合室で
Moncrieff は内科医で内分泌疾患も専門であ
泣き崩れる飼い主さんに会い、本当の意味で
るため、僕の発表に興味を持ってくれたよ
― 36 ―
うであった。また、後に神経科の Dr.Packer
いる国立公園の一部らしい。狐の餌やりを見
と Dr.Fauber とミーティングを行う。二人
た後、Howl Night という狼のショーを見た。
とも今回発表した下垂体切除について興味が
解説の男性の非常に長い前説に眠くなるのを
あるようでたくさん質問をしてくれる。実践
耐えていると、非常に良くトレーニングされ
も考えているようなので、今週時間が取れる
た狼が5頭登場。
犬と比べると一回り大きい。
時に犬の死体(頭だけになっている)を使っ
彼らの動きや飼育員とのコミュニケーション
てデモを行うことに。結局、次の週に神経科
を見た後、皆で遠吠えをまねると、それに反
の先生方が死体のビーグルを用意してくれ
応して遠吠えを返してくれる。その声に反応
て、下垂体切除のデモをお見せすることに
してかなり遠くの対岸にいた狼からも遠吠え
なった。道具が少し整わないところがあった
が帰ってきた。
が、十分に理解してもらえたと思う。これを
研 修 の 中 日 と な る 土 曜 日 に は、 朝 か ら
きっかけにアメリカでもクッシング症候群に
Boilermaker Tour という機関車のような外
対する下垂体切除術が広まればと思う。
装のバスに乗って、キャンパスを巡る1時間
ほどのツアーに参加。キャンパス内の空港、
● 観光およびレジャー
フットボール場、スタジアム、ゴルフコース
最初に Wal-Mart に連れて行ってもらう。
やたくさんの校舎を見て回る。このバスは、
日本でいうコストコのような店。ホームセン
側道に人がいると汽笛をならして注目を引
ターとスーパーが一緒になった感じ。色んな
き、クラクションで挨拶してきた車にも汽笛
ものが安く売っているので、お土産を買うに
で返事をする。このバスを見た学生は、笑っ
は良いかも。瀬尾君は以前の海外生活を懐か
て手を振ってくれる。この Tour が滑稽だか
しんで、お菓子を大量に購入していた。
らなのか、そういう反応をするように言われ
後 日 は、Dr.Thompson 宅 へ 招 か れ た。
ているのか分からないが非常にアメリカ的。
Dr.Thonpson は一昨年に北里に来ていたの
Boilermaker Tour の後は、インディアナ
で、2年ぶりの再会。快く家族(息子2人と
ステートフェア(州のお祭りで、収穫祭の
娘2人)で迎えてくれた。夕飯ができるまで
ような感覚か)に参加するため、車で1時
子供たちと遊ぶ。Thompson はかなり子煩悩
間ちょっとかけてインディアナポリス郊外
で、自宅内の地下に広い子供たちの遊び場
(ダ
へ。今日は Dr.Scott-Moncrieff とその息子の
ンススタジオや卓球台、サッカーゲーム台、
Peter、Dr.Hilton が同行してくれた。Dr. ヒ
ピアノなどを設置)を作っている他、70 イ
ルトンは以前に開業していたが現在は大学で
ンチくらいありそうなテレビでテレビゲーム
獣医の経営学を教えているらしい。大動物関
をさせていた。また、息子にサッカーをさせ
連に顔が広く、ステートフェアを案内してく
たり、ピアノを習わせたり、娘にダンスを習
れるとともに、ここでは何を食べるべきかの
わせたりと色んな経験をさせている様子。娘
細かいアドバイスが続く。
結局、
ポークチョッ
のダンス発表会で娘と一緒にダンスする先生
プ、スウィートコーン、リブアイステーキサ
をビデオで見せてもらったが、家族を非常に
ンド、アイスクリームなどを食べることに。
大事にしている様子が分かった。
ステートフェアでは、畜産関係のコンテスト
ま た 別 の 日 に は、Wolf Park へ。Wolf
もやっており、牛、豚、羊などがそれぞれの
Park は寄付によってオオカミの保護をして
建物で所狭しとケージに入っていた。中でも
― 37 ―
世界一大きな豚や子だくさんの豚は印象に
様子で集合時間ピッタリに全員揃う。
残った。残念ながら、馬のコンテストはすで
最終日前日の夜は、Dr.Scott-Moncrieff 宅
に終わっていたようで見ることはできなかっ
での食事会に参加。家は町から離れた林の中
た。その他にも、近隣住民がつくった手芸品
にあり、これぞアメリカの家と言えるような
(カーペットやマットを織ったもの、絵画な
作りであった。うまく自然を楽しみつつ(野
ど)を評価して陳列している建物やパデュー
外で食事できるようなテーブルがあったり、
大が出店している小動物関係のブース、古い
近くのカエデからメープルシロップを取った
トラクターや農耕機具などの展示や実演もあ
り)
、ピアノやバイオリンといった非常に文
り、非常に広い。小動物ブースでは、公開避
化的な暮らしを融合させていた。
妊手術を行う場もあり、興味深かった。夕方
には会場を後にしたが、その数時間後に会場
● 学生によるプレゼン
は嵐に見舞われ、
テントがなぎ倒された結果、
学生による北里大学のプレゼンテーション
5人死亡、40 人怪我という惨事になったら
は診察時間にかからないように、朝から行っ
しい。数時間前までいた場所なので他人事と
た。
パデューの学生やスタッフを集めるため、
は思えなかった。 たくさんのベーグルとコーヒーを朝食用に用
日曜日は、インディアナポリス動物園へ行
意してくれていた。学生もプレゼンの準備を
く。Dr.Tomo と Dr.Fauber が同行してくれ
しながら朝食用にベーグルを頂く。前々日に
る。朝早くからバックヤードと付属の動物病
スライドをチェックし、厳しいダメ出しをし
院を見せてくれるとのことで朝早く集合し、
たため、学生はこの2日間スライドの手直し
1時間半ほどかけて動物園へ。昨日のステー
に大変だったようだが、最終的になかなかの
トフェアの事件で、多くの観光客が動物園に
発表ができて、日本の大学に興味を持っても
流れて、いつもより混むことが予想されると
らえたことと思う。同行教員によるプレゼン
のこと。まず動物病院内を案内してもらう。
もそうだが、学生によるプレゼンの機会を与
非常に大型の動物用の器具から、小さな動物
えてくれたことは、お互いを理解していくの
用の器具(麻酔器具など)
、様々なタイプの
に非常に有効な手段だと思えた。学生の準備
ケージ(檻)
、各種吹き矢などを見る。一通
は大変かもしれないが、是非ずっと続けてい
りの道具が揃っていて、爬虫類の血液塗抹標
きたい企画だと思った。
本なども作られていた。また、検疫中のチー
ターや、治療中のサイやオランウータンなど
●Farewell Party
を見学。
最終日には、学生全員が病院に慣れて、見
その後、一般客と一緒に動物園内を散策。
たい症例を探して色んな科に顔を出したり、
水族館も併設されているが、インディアナポ
お礼の挨拶に回ったりしていた。午後には、
リスという都市に近く、また海のない州であ
Farewell Party で修了証まで頂く。同行教
ることもあり、動物園全体でもそれほど大き
員の自分までもらってしまい、
気恥ずかしい。
くない。最後にドルフィンショーを見て、終
僕と瀬尾君で最後に英語にて感謝のスピーチ
了。
を行う。実習期間中、
常に気にかけてくれて、
翌週には、ショッピングモールに行って買
色々な世話をしてくださった皆さんには、感
い物。皆、それほど見るべきものはなかった
謝をしてもしきれない気持ちでいっぱいで
― 38 ―
あった。土日や時間外にも我々のケアに時間
these two weeks really happily. Especially,
を割いてくださった Dr. Scott-Moncrieff と
I wish to express my deep gratitude to
Dr. Tomo、そして Miss Audrey には重ねて
Dr. Scott-Moncrieff, Dr. Inoue, and Miss
お礼を述べたい。Party には、実習中に学生
Joseph. I will never forget two weeks with
がお世話になった Purdue の学生やレジデン
you. And, if neither the Dr. Constable nor
トまで参加してくれて非常に盛り上がって終
Dr. Reed considered it, this practice was
わることができた。
not gotten. I appreciate your kindness.
And, I'm most grateful to Dr. Mimi and Dr.
3. 最後に
Fauber. Dr. Mimi came to the Japanese
全体的に、本研修は Purdue のスタッフの
restaurant Heisei, and Dr. Fauber took
善意に支えられた非常に素晴らしい実習だと
us to the Indianapolis zoo. And, I wish to
感じた。土日やアフターファイブも返上して
express my appreciation to Dr. Thompson
各地へ案内してくれる先生方や、暖かく学生
and Dr. Hilton and a lot of teachers and
を迎え入れてくれる各診療科のスタッフ、と
staff for your kindness. Dr. Thompson
くに Dr. Scott-Moncrieff や Dr.Tomo には感
invited us to dinner, and Dr. Hilton led
謝しきれないほど良くして頂いた。また、先
us on Indiana State fair. And all the staff
生方はすでに来年度の実習についても視野に
warmly accepted my students and me.
入れており、今回の実習を経験しての改善点
In Purdue Veterinary Teaching Hospital,
やプログラム日程の調整などを相談する時間
I learned a lot about not only the high
を設けていた。こうした少しでも研修を良く
level of your diagnosis and treatment but
していこうとしてくれる気持ちがこのような
also the education method to the student.
素晴らしい実習を作っているのだと思うし、
Purdue students were learning the medical
こうした先生方が支えているからこそ、米国
examination skill in practice. I notice that
の獣医学が世界のトップであり続けているの
I have to think how to train the student as
だろうと思えた。この経験は学生にとっても
a teacher through this experience.
Moreover, I thank the neurology staff
貴重なものであったと思うし、自分の今後の
教育のあり方にも一石を投じるものであり、
interested in my seminar. I feel blessed
非常に感銘を受けた。
for the opportunity to demonstrate the
最後に、本実習をともにした岡田華恵さん、
hypophysectomy. I wish to express my
川島秀平君、今野邦広君、坂本江美さん、鈴
gratitude to Dr. Packer and Dr. Fauber
木実可子さん、瀬尾和馬君、山崎加奈さん、
deeply about this. Please disseminate the
本研修が皆さんの今後に有意義なものとなる
hypophysectomy widely in the United
ことを期待しています。みんなのおかげで、
States. And on this point, I am lucky to
私も楽しい 2 週間を過ごすことができまし
meet Dr. Scott-Moncrieff internal medicine
た。ありがとう。
specialist as director of International
Programs. I want to keep up a relationship
with you.
4.Farewell Party でのスピーチ
My students and we were able to spend
― 39 ―
We experience a lot of fun besides the
hospital practice. Shopping in Wal-Mart
and Tippecanoe Mall, Wolf Park, Dinner
party in Dr. Thompson house, Indiana
State Fair, Indianapolis zoos, and fair
Oaks. All were large, and excited us.
We will go back to Japan tomorrow. We
are full of feeling not to return yet. But,
my client in Japan is waiting for me. And
my wife and lovely twins are waiting for
me, though my wife is angry at my not
taking care of my children for two weeks.
I want to come back to study abroad with
my family for about one year, if there is
a chance. Such a system is in Kitasato
University. Be nice if such a day comes.
Finally, please contact me when you get
the chance coming to Japan. Any hope is
realized. I wish to express my gratitude to
you really. Thank you.
Takahiro Taoda, D.V.M., Ph.D.
Small Animal Surgery 2nd
― 40 ―
― 41 ―
― 42 ―
― 43 ―
― 44 ―
― 45 ―
― 46 ―
あり、バスも通っていた。小動物の診察室は
入来 萌
15 部屋もあり、そのうち奥の方の部屋には
8月 20 日
カメラが設置されており、生徒が診察するの
前日から成田空港付近のホテルに泊まり、
を別の部屋で先生が監視できるようになって
今日から人生初のアメリカへ!成田空港の集
いた。解剖の部屋では、
キリンの骨など、
様々
合時間は、8 時半だったが、携帯の充電器を
な 標 本 が お い て あ り、Physical Therapy/
買うためにみんなより早めに空港入りした。
Rehabilitation の部屋では、バランスボール
朝ごはんに最後の日本食を食べ、準備万端。
やトレッドミル、プール、動物用の様々な大
集合場所に徐々に人が集まり、
(リーダーの
きさの浮き具がおいてあった。大動物の部屋
桃君は遅れた)搭乗手続きを済ませ、
機内へ。
に案内されたが、とても清潔に保たれていた
機内では、みんな席がバラバラだったが、運
のが印象的だった。大動物の部屋に、覚醒室
よく私は、真以ちゃん、桃君と一緒だった。
という部屋があり、麻酔から覚めた動物がけ
シカゴに到着したが、天気は大荒れ。雷も
がをしないように部屋中が柔らかいクッショ
鳴っていた。ノックスビル行きの飛行機は
ンで覆われていて、動物への配慮もきちんと
13 時 10 分発が、14 時 45 分発へと変更され、
しているなぁと感心した。他にもいろいろ案
搭乗ゲートもころころ変更された。天気も悪
内されたが、日本と比べ全てが大規模だっ
いし、無事ノックスビルに行けるのか若干不
た。学校案内後、ジムが大きなスーパーに連
安だった。
れてってくれて、そこで食料や、シャンプー
ノックスビル空港に到着すると、ブレイス
などを買った。
夫妻が迎えに来てくれた。夫妻は私たちが 2
夜はジムの家でホームパーティーがあり、
週間滞在するホテルまで送ってくれた。ホテ
中国人のシュウさん夫妻も招かれていた。
ルは、モールの中にあり、周囲にはいろんな
シュウさんは日本語も喋れ、ちょっとほっと
店があった。私たちの部屋はキングサイズの
した。ジムの奥さんのコニーが手料理をふる
ベッド、クイーンサイズのベッド、バスルー
まってくれ、とてもおいしくて何度もお代わ
ムが二つもあり、キッチンもついていた!夕
りしてしまった。ジムから今週の予定を渡さ
食を食べに、みんなでメキシコ料理屋に行っ
れ、明日から実習スタート!ジムの家で和み
た。注文の仕方もよくわからないまま、とり
すぎたせいか、鞄を置き忘れてしまい、車で
あえずタコスを頼んだ。
(頼んだはずのない
家まで引き返してもらった。申し訳ない。
ポテトまで付いていたが)夕食後、みんなで
飲み物や食べ物を買いに行き、その後ホテル
8月 22 日 Oncology(腫瘍学)
に戻り、1 日目は終了。
今日も 4 時に一回目が覚めた。二度寝し
て6時起床。朝食は桃君お手製スープ。7
8月 21 日
時 15 分にジムが迎えに来て、大学へ。今週
時差ボケのせいか、朝の 4 時に目が覚め
は小動物を回ることになり、みんなそれぞれ
た。朝食は、昨日買ったコーンフレークのよ
違う科に配属されていた。私は、今日明日は
うなものを食べた。10 時にブレイス先生(ジ
Oncology に行くことになった。ジムが一人
ム)が迎えにきて、大学案内をしてくれた。
ずつ各部屋に連れていき、最後に Oncology
テネシー大学はとても広く、大学内に信号が
へ。部屋には三人の女の人がいて、ジムが軽
― 47 ―
く私の紹介をし、一人での実習がスタート。
たプードルを一緒に見せてもらった。この犬
三人のうち一人は部屋を出て行き、二人はひ
は、鼻に腫瘍があり放射線治療をしたが、頭
たすらパソコンを打っていて、完全放置!何
の骨にも転移してしまったそうだ。今後は化
をしていいかわからず、焦った。一時間くら
学療法で治療していくらしい。他に、アニア
いこの状態が続き、正直辛かった。9時にな
が担当していた犬が退院することになったの
ると、患者が来はじめ、教室内が慌ただしく
で、オーナーさんへ返すところに同行させて
なった。Oncology では生徒と先生がペアに
もらった。退院する際に、Oncology のスタッ
なって、患者を診ていた。主に生徒が診察や
フ全員からのメッセージカードと、ちょっと
採血などを行っていたので驚いた。この日印
したおもちゃも一緒に渡していたのが印象的
象に残ったのは骨肉腫のグレードデンだ。す
だった。
ごく大きな犬で、左撓骨に腫瘍ができてうま
その後、
腫瘍と薬についての講義を聞いて
(ほ
く歩けないそうだ。骨の生検をしているとこ
とんど何を言っているか分からなかったが)
ろを見せてもらった。後で聞いたが、この犬
今日の実習は終わった。
は断脚したらしい。他に顎に腫瘍ができた
今日の晩御飯は先生特性の水炊き!ポン酢
ゴールデンが来院していて、私も実際触診さ
もライムとオレンジを使った自家製で、すご
せてもらった。この日は特に忙しい日だった
くおいしかった!
らしく、後で4年生のアニアにあんまりか
まってあげられなくてごめんと謝られた。
8月 24 日 Avian/Exotics(鳥類、
エキゾチッ
5時過ぎに実習が終わり、みんなと合流。
クアニマル)
みんなとても疲れていた。それぞれ行った科
今日、明日は念願のエキゾの日!昨日まで
の情報を交換し合った。晩御飯は桃君特性パ
エキゾだった、あややからいろいろ情報を聞
スタ。おいしかった!
き、臨むことに。教室に行くと、VT のジャ
ネットから今日は動物園に行くと告げられ
8月 23 日 Oncology
た。出発までに時間があったので、4 年生の
6 時起床。よっぽど疲れていたのか、朝ま
レイシーの担当している子ウサギと小鳥と
で熟睡。女子の部屋で朝食を取ることになっ
リスのえさやりを手伝った。レイシーは 180
ていたが、時間になっても高野先生が来な
センチくらいの長身の美人さんでバービー人
い!先生の部屋に電話をすると、その電話で
形みたいだった。また、教室に箱とメッセー
起きたらしい。すぐに先生が女子の部屋に来
ジがおいてあり、箱の中をみると生まれたて
たけど、何事もなかったかのように落ち着い
のモモンガの赤ちゃんが 5 ~ 6 匹いた。時
ていておもしろかった ( 笑 )
間になり、レイシーの車でノックスビル動物
ジ ム が 迎 え に 来 て 大 学 へ。 今 日 も
園に向かった。動物園に着き、入場ゲートと
Oncology。昨日ほど忙しくはなかったが、
は違う入り口から入り、
爬虫類のコーナーへ。
大体の流れは昨日と同じだった。今日は、
そこに、かなり大きいカメがいて先生がエ
VT さんの一人が娘さんを連れてきており、
コー検査を行い始めた。画面には丸いものが
娘さんも犬に触ったり、お母さんの行くとこ
映っており、4 年生のリッチーがあの丸いの
ろに自由についていくことができ、日本と全
は卵だよっと教えてくれた。リッチーは英語
然違うなと思った。今日は、アニアの担当し
が苦手な私にゆっくり話してくれる、とても
― 48 ―
優しい人だった。その後、カメ専用の部屋へ
削ったりして、
整復していた。
さっきのオポッ
行き、先生が一匹ずつマイクロチップを埋め
サムは、安楽死されていた。何で安楽死した
込んでいた。カメの作業を終えると、その後
のか尋ねると、このオポッサムは目が見えて
は園内を見学した。シューマック先生が説明
なかったみたいなので、野生に返しても生き
してくれたが、この先生はすごく早口で、私
ていけないからと教えてくれた。エキゾの実
の英語力のなさも原因だと思うが、びっくり
習は今日で終わり。本当に楽しい二日間だっ
するぐらい何を言っているのか分からなかっ
た!
た。動物園の後は、エキゾのみんなで昼ご飯
夜は、前もって予約しておいたオリーブ
を食べに行った。午後は特にすることがな
ガーデンというイタリアンレストランに行っ
かったので、ペルー出身のドクターのクリス
た。おいしかった!!
ティーナと一緒に図書館に行った。
8 月 26 日 Ophthalmology(眼科)
8月 25 日 Avian/Exotics
日に日に英語が分からなくなっている気が
エキゾ二日目。今日はリッチーの担当し
する ( 笑 )。今日は眼科の日。眼科は北里の
ている Sora( カオグロクイナ ) と Mourning
5 年前期で勉強したので、タイムリーな内容
Dove( ナゲキバト ) のえさやりを手伝った。
だ。シュナウザーの親子が来院していて、私
Sora は 足 が 長 く て 大 き く、 水 辺 の 鳥 で、
も眼底検査をさせてもらった。先生が眼底検
Mourning Dove は空を飛ぶ鳥だとリッチー
査をするときに、先生はカメラ付きのかぶり
が教えてくれた。その後、ギニアピッグ、ウ
物を頭にかぶって、眼底検査を行っていた。
サギ、オポッサムが運ばれてきた。ギニア
すると、先生の視野が、モニターに映し出さ
ピッグは疥癬で、テープ法やスクラッチ法が
れ、患者さんや学生もそのモニターを通して
行われていた。ウサギは食欲不振で来院して
眼底の様子が見ることができ、
画期的だった。
いて、身体検査をし、先生が口の中を見ると
左目に腫瘍ができた猫が来ていて、その猫
Oh my god! と言っていた。話を聞くと、臼
の保定を頼まれた。猫の保定は初めてやった
歯が異常に伸びすぎて、これが原因で食べら
が、くねくね動いて難しかった。VT のジェ
れなかったらしい。オポッサムは目に異常が
イミーが、分からないことがあったら言って
あるみたいだった。
生まれて初めてみた。
触っ
ねと言ってくれた。ジェイミーは、私のノー
てみてもいいよと言われたので手袋をしてオ
トにスペルを書いてくれたり、とても親切な
ポッサムを触った。昼にランチに行かないか
人だった。テネシー大学に来て思ったのは、
と誘われ、エキゾのみんなでランチに行った。
VT さんの意識の高さだ。獣医師以上に知識
その時にリッチーとレイシーのプレゼンを聞
を持っているんじゃないかと思った。昼は学
いたが、よくわからなかった。私はパスタを
長のトンプソンさんに会い、みんなで写真を
頼んだのだが、どう考えても日本の二人前は
撮った。
トンプソンさんから、
テネシーのコッ
あった。
プなどテネシーグッズを頂いた。昼食は学内
午後は大学に戻り、臼歯に異常のあるウサ
にあるカフェでハンバーガーを食べた。
ギの CT 検査に同行した。放射線の研究室の
午後は、fungal keratitis の馬を見た。目
人が丁寧に説明してくれた。その後、エキゾ
が白く濁っていた。他に、網膜剥離を起こし
の教室に戻り、先生が口腔鏡を使って歯を
て、視力がかなり低下した猫が来ていた。先
― 49 ―
生に聞くと、失明した訳ではないらしい。そ
8月 28 日
の後、マンニトールについての講義を聞き、
朝、目覚ましと間違えて隣で寝ていたあや
小動物の実習は終了。
やを叩きそうになった ( 笑 )。今日は 10 時
晩御飯は水炊きの残りのスープで桃君が
ごろからホテル周辺を散策。かわいい雑貨屋
ラーメンと肉団子にアレンジ!本当に女子
やペットショップに行った。12 時にジムが
力高い。その後、みんなで夜の散策をした。
迎 え に 来 て、WEST TOWN MALL へ! 秋
Target というスーパーでマスカラを購入。
に北里へ来る予定のサラと合流して、お昼を
かなり安かった。
食べた。私はニューヨークロールを食べた。
そ し て、 念 願 の Bath & Body Works で 買
8月 27 日 ラフティング
い物!その後、真以ちゃんと VICTORIA'S
久々のオフ!いつもより遅めの 8 時半起
SECRET に行き、下着を買う ( 笑 )。
床。10 時 15 分にジムが迎えに来てくれて、
集合の時間になり、サラの友人のナンシー
2 時間くらい車を走らせラフティングの会場
(彼女も秋に北里に来る)
、クリスティーナと
へ。ジムがお昼ご飯をわざわざ持ってきてく
合流し、ダウンタウンへ。雑貨屋に行きお土
れた。本当にいい人。お昼御飯の中にはコ
産を物色。真以ちゃんが見つけたソックモン
ニーの手作りクッキーが!しっとりしていて
キ ― というキャラクターにあややとどっぷ
すごくおいしかった!オートミールを使って
りハマってしまった ( 笑 )
いるらしい。昼食後、ラフティングの説明を
お土産を何個か買い、その後、コールドス
聞き、バスでスタート地点へ。私たちのガイ
トーン風のアイスクリーム屋でアイスを食べ
ドは元気なお姉さんのアン。漕ぎ方の指示を
た。Sサイズでもかなり大きかった。ダウン
受け、いざラフティング!最初に大きな急流
タウンの後、アジアの食材が売っている店に
があると説明され、そこにさしかかると結構
行き、そこですき焼きの材料を買った。夜ご
揺れ、かなり水を浴び、それと同時に桃君の
はんに何が食べたいか聞かれ、サラダと答え
「あっ落ちる」の声。桃君を見ると、買った
たくせにガッツリ、ステーキを食べてしまっ
ばかりのサングラスをかけたまま、水に沈ん
た。
でいった!!みんなで桃君!!と叫んだが、
なかなか起き上がってこない。ボートはどん
8月 29 日 Farm Animal Medicine And
どん進んでいき、後ろの方に桃君がいると思
Surgery
いきや、ボートよりかなり前の方で、桃君が
今日から二週目がスタート。今週は大動
サングラスをかけたまま浮かんできた。アン
物。今日明日は山さんとファームアニマル。
が桃君を無事救出し一安心。その後流れが穏
テネシー大では、小動物と大動物をローテー
やかなところに着くと、アンがいきなり川へ
ションでまわるシステムがあり、この日が丁
飛び込んだ!みんなも泳ごうよ!とアンに言
度新しいローテーションの初日だった。その
われ、みんなで川に飛び込んだ。ラフティン
ため、テネシー大の学生と一緒に説明を聞い
グはあっという間に終わったけど、すごく楽
てまわった。牛用の保定の機械の説明をさ
しかった!!その後、ジムとみんなでご飯を
れ、一人ずつ動かすことになったが、機械を
食べに行き、ホテルに戻って夜の散策をした。
動かす取っ手などが結構高い位置にあり、背
の高い私でも手がやっと届くくらいだった。
― 50 ―
テネシーの学生もこの日が初めてのローテー
マの体を上から吊って歩く練習をさせてい
ションなのに、てきぱきと仕事をこなし、す
た。その後、ウォータートレッドミルを使っ
ごいと思った。ファームアニマルの学生も先
て歩くリハビリをしていた。リハビリの直後
生もみんな優しい人ばかりで、特に 4 年生
は、若干歩き方はおかしかったが、歩けるよ
のケイトは私たちにとても親切にしてくれ
うになっていた。また、妊娠している牛が入
た。今日は蹄底潰瘍の牛が多く、これもタイ
院していて、出産に立ち会うことができた。
ムリーな内容だった。蹄を削った後、サンダ
自分で産むことができなかったので、産科
ルを履かせていた。ホワイトボードの症状
チェーンを使って先生が子供を引っ張り出し
のところに ADR と書かれた牛がいて、ケイ
ていた。子牛はすごくかわいかった。他にも、
トに ADR って何?と尋ねると、Ain't Doing
破傷風に罹った可能性のある羊が来院してき
Right の略だと教えてくれた。これは俗語で、
た。この羊は安楽死された。理由は破傷風の
専門用語ではないらしい。この牛の心音を聞
治る可能性は 50%以下だかららしい。
くと雑音が聞こえ、
また、
頚静脈に拍動があっ
今日はせっかくアメリカに来たので、ス
た。X 線検査を行うことになったが、帰る時
テーキを食べようということになり、みんな
間が迫ったため、明日結果を聞くことになっ
でステーキを食べに行った。
た。
ホテルに戻り体調を崩してしまい、ひたす
8月 31 日 動物園、Equine Medicine
ら寝続けた。寝たらだいぶ良くなり、日本か
今日明日は馬内科を見ることに。馬内科で
ら持ってきた味噌汁を飲んだ。味噌汁を飲ん
はエキゾで一緒だったレイシーとリッチーが
だら胃がすっきりして奈緒美ちゃんが持って
いた。疝痛の馬のエコー検査を見た後、午前
きたマグヌードルも食べた ( 笑 ) みんなの食
中は動物園実習だったので、みんなで動物園
欲も凄まじく、(特に真以ちゃん ( 笑 ))アイ
へ行った。アルビノのワニや、ホワイトタイ
スやらポップコーンやらひたすら食べ続けて
ガー、チンパンジーなど、先生が一つ一つ解
いた。
説をしながら、見て回った。エキゾで動物園
にいったときよりも、多くの動物を見ること
8月 30 日 Farm Animal Medicine And
ができた。解説もシューマック先生よりも聞
Surgery
き取りやすかった ( 笑 )
今日の朝方、あややが英語の寝言を言って
チンパンジーが特におもしろくて、先生が
いた ( 笑 )
やる仕草を真似てかわいかった。動物園から
ファームアニマル二日目。昨日の ADR の
大学へ戻った後、みんなで大学内にあるお店
牛は、X 線検査の結果、胃にワイヤーと釘 2
でお土産を買った。テネシーグッズも豊富に
本を飲みこんでいたことが判明。胃が収縮す
揃えてあった。ソックモンキーのテネシー
るたびに心臓が傷ついていたそうだ。この牛
バージョンも売っていた!あややが買ってい
の処置は、マグネット付きの棒を飲み込ませ
た ( 笑 ) その後、馬内科に戻り、眼科でいた
ていた。また、この日は立てないラマが入院
fungal keratitis の馬を見た。以前より病態
していて、ラマが立って歩けるよう外で立つ
が悪化していて、眼球の表面を削って塗抹標
練習が行われていた。それでも立てなかった
本を作っていた。
ので、Special Procedure という部屋で、ラ
実 習 後、 ホ テ ル に 戻 っ て、 ス タ バ や
― 51 ―
Bith&Body Works で買い物をした。ホテル
レゼントを用意していて、一人ずつにプレゼ
で、去年テネシーに行った柏本先生おすすめ
ントを手渡ししてくれた。感動して泣きそう
のビールと晩御飯を食べた。奈緒美ちゃん特
になった。パーティーの後、みんなでプール
性のベーコントマトチーズがめちゃくちゃお
で遊んでこの日は終了!
いしかった!しかもビールに合う!
ご飯を食べた後、ホテルに付いているプー
9月2日 Equine Surgery
ルでみんなで遊んだ。
最終日。今日は山さんと馬外科。午前中は
ロバの去勢手術を見た。馬外科の先生はなぜ
9月1日 Equine Medicine
か山さんのことを、ずっとドンキーボーイと
あっという間に9月が来た。今日はノック
呼んでいた。また、日本語の“ロバ”という
スビルの市長に会いに行き、賞状と記念品を
言葉を気にいったみたいで手術中何度も“ロ
貰った。その後、馬内科に戻ったが誰もいな
バ”と言っていた ( 笑 )
い!馬外科の手術があったので、手術を見学
手術はまず先生が片側を行い、もう片方は
することにした。他の馬に蹴られて、肩の骨
生徒が行っていた。昼はブレイス先生とみん
が壊死した馬の手術だった。馬の手術は初め
なでご飯を食べた。
昼食時に修了証をもらい、
て見た。術後、馬内科に行くと、人がちゃん
これで最後なんだと思うと寂しくなった。午
と戻ってきていた。リッチーの担当の馬を見
後は、蹄のない馬に他の馬の皮膚を移植して
せてもらうことに。神経的な異常があり、頭
いるところを見せてもらった。
が常に垂れていて歩き方もふらふらしてい
夜はフライ先生の家でホームパーティーが
た。脳に水が溜まっていて、その水を抜いて
あった。先生の息子さんのジョン君がイケメ
いた。リッチーが言うには、原虫に感染して
ンだった!ごはんもおいしくて何度もお代わ
いるか、ウエストナイル熱、心的外傷、狂犬
りした。みんなでマリオカートをしたり、卓
病が疑われるそうだ。検査結果は見ることが
球をしたりして楽しかった。高野先生が一番
できなかったが、あとで人に聞いた話では原
楽しそうだった ( 笑 )。その後ホテルに戻り、
虫に感染していたようだ。
荷造り開始。なんとか入ったけど重量オー
今日は、お世話になったジムとコニーに恩
バーじゃないかちょっと心配。
返しをするために、ホテルですき焼きパー
ティーをすることになっていた。
実習終了後、
9月3日 ホテルに戻り急いで準備をした。桃君が関西
二時間睡眠をとり、朝の 5 時にジムとコ
風と関東風の2種類の味付けをしてくれて、
ニーが迎えに来てくれた。空港に付き、二人
すき焼きが完成!ジムとコニーがホテルまで
とハグをし、お別れをした。悲しくてみんな
来てくれて、パーティー開始!ジムは新撰組
で泣いた。本当に楽しい二週間だったし、ジ
の法被を着ていた ( 笑 )。ジムもコニーもす
ムとコニーに会えてよかった!
き焼きを気に入ってくれていた。みんなで食
みんなで飛行機に乗って無事帰国・・・の
べた後、ジムとコニーに準備していたメッ
はずが!青森行きの新幹線は、最終便しかな
セージカードと写真を渡した。二人も喜んで
く、しかも立ち席だった。時差ボケ、大量の
くれて、パーティーは大成功!と思ったら、
荷物、激しいメイク崩れという三重苦を抱え
ジムとコニーも私たち一人ずつにわざわざプ
つつ、無事十和田に戻りテネシー大学夏季研
― 52 ―
で案内してくれて、最後にホテルの近くの大
修は終了!
きなスーパーの target に連れて行ってくれ
た。みんなすごく料理できそうな感じでいろ
いろ食材を選んでくれていて、心強かった。
約 1 週間分の食材を買い込んでホテルに帰
河合 綾子
宅して、一旦ジムとお別れ。みんなで five
8月 20 日 ( 土 )
guys という美味しいと聞いたハンバーガー
昨日十和田から実家に移動し、一泊した。
屋さんでランチ。英語で注文することに緊張
早朝 6:30 に家を出発。お父さんとお姉ちゃ
したしたじたじだった。また wal mart で買
んが車で成田空港まで送ってくれて、本当に
い物したあと、みんなでホテルでゆっくりし
助かった。いつもなら、海外旅行直前はすご
て、夜からはブレイス夫妻の家でホームパー
く緊張するけど、今回はすごく楽しみで仕方
ティー。すごく広くて素敵な家と、美味しい
なかった。みんなと合流。桃くんだけ大きな
ご飯に感動した。シューさん夫妻もいらっ
テニスバックを持って遅刻してきて面白かっ
しゃって、日本語も少し交えながら、英語は
た。シカゴまでの 13 時間はみんなと席がバ
あんまりしゃべれないけど楽しい時間を過ご
ラバラだったけど、順調に来られた。シカゴ
した。ジムから明日からのローテーションの
空港に着くと、すごい大雨で、案の定飛行機
予定表をもらって、行きたい科ばかりで楽し
は遅延。それでも何とかノックスビル空港に
みになった。最後にプレゼントを渡して、み
みんなで無事に着いて、ブレイス夫妻が迎え
んなで写真をとって、ホテルまでまた送って
に来てくれた。本当に優しそうな方たちで、
もらった。明日から実習だぁ。
始めから大好きになった。ホテルまで送って
もらって、みんなで近くのメキシコ料理のお
8月 22 日 ( 月 ) Exotic animal & Avian 店でご飯を食べて、更に近くのスーパーの
1日目
wal mart でいろいろ買出しして、ホテルで
一番楽しみにしていた Exotic が初日だっ
やっと一息ついた。ホテルは本当に綺麗なと
た。主に学生の Lacy と Ricchie にお世話に
ころで、キッチンもついていて、これからの
なった。
生活が楽しみになった。みんな疲れ果てて、
まず入院していたリスとウサギ、Mocking
この日はおやすみなさい。
bird、Humming bird、Gold finch への餌や
り、排尿の補助、輸液などを各々行った。左
8月 21 日 ( 日 )
羽の骨折した中型インコのバンテージと X
時差ぼけのせいなのか、あんなに疲れて
線撮影を行った。Labo の全員で各々担当の
いたのに浅くしか眠れなかった。今日は朝
入院患者のケージを周り、患者の状態や治療
からジム ( ブレイス先生の愛称 ) が UT の中
方針などを報告し、それに対して他の生徒
を案内してくれた。広くて綺麗で、設備も日
や Dr が意見をいう、ということをやった。
本とは比べ物にならなかった。みんなで、水
生徒について行って、実際の診察におりた。
中トレッドミルとローリングの機械に感動し
BWN(Beak,wind,nail) の大型インコの下羽、
た。あまりに広くて明日から迷子になりそう
くちばし、爪を切る、削る作業を行った。カ
だった。その後も大学内と down town を車
メが外来で来たが、健康体だった。入院して
― 53 ―
いるウサギの MRI 写真を全員で見ながら Dr
においしかった。先生ありがとうございます
が手術方針を説明。その後に冷蔵庫に保存さ
☆
れていた子ウサギの死体で、実際にデモンス
トレーションをしながら説明していた。すご
8月 24 日 ( 水 ) Physical therapy, Rehabi-
くいいやり方だなと思った。また、子リスの
litation 1日目
死体を使った大腿骨へのピンディングの練習
今日からリハビリ。日本では見たことの
もさせてくれた。一日の最後に、Dr が用意
ないことばかりだったし、本当に多くの患
したクイズ大会。私には難しすぎて全然分か
者がいた。グレート・デーン:以前頚部に
らなかったけど、生徒はみんな答えられてい
ventral slot を行い、手術は上手くいったが、
てすごくハイレベルなクイズだった。
その後のトレッドミルの訓練中に頚をぶつけ
今日は初日でみんな帰り道ぐったりだっ
てしまい、骨が折れてしまった症例。今日は
た。夜は桃君がスパゲッティーを作ってくれ
それ以降初めての歩く訓練だった。飼い主
た。すごく美味しかった!食べながらみんな
がいる時にストレッチ ( 横に寝かせて歩くと
で何があったかミーティングもした。
きの足の動きをする= PROM) の方法を説明
し、その後にバランスボールに体を乗せな
8月 23 日 ( 火 ) Exotic animal & Avian がら立つ姿勢をとる練習をした。パグ:Fat
2日目
camp(2 週間かけて脂肪を落とすこと ) のた
朝から、首元を噛まれていて重症だった
め入院している。
Hamming Bird に朝、最後のご飯を食べさ
基本的に院内の散歩と水中トレッドミル
せてから、安楽殺し、死体は Necropsy に回
(UWT) を実施。水中トレッドミルの 15 分は
された。最後の聴診をさせてくれた。前回乳
陸でのトレッドミルの 45 分に相当するらし
腺腫瘍で来ていたウサギの抜糸。ダニによ
い。また、後肢麻痺の症例では、UWT の前
り、首と耳の後ろを引っかいていたマウスの
に徒手的に排便、排尿が必要だということを
皮膚検査。以前に右の唇横に膿瘍があり外科
教えてもらった。その他にも、FCE( 線維軟
手術を行っていて、それの Recheck のため
骨塞栓症 ) により、左後肢が使えていないボ
に来ていたウサギ。しかしまた新しく出来て
クサー、TPLO による左脚麻痺の雑種、左
しまっていて、手術しなおした。
後肢を着かなくなったミニチュア・シュナウ
感想:初日は本当に緊張して、きっとうま
ザー、以前ヘミネミを施したが、後肢の反り
く話せてなかった正直期待していたような野
返りと depain が治らないマルチーズ、外科
生動物も、それらしい治療や処置も見られな
手術の失敗により両後肢が麻痺しているダル
くて残念だったけど、本当に雰囲気が良くて
メシアン、などなど。主に水中トレッドミル
いい人ばかりで楽しい 2 日間だった。また、
が多かったが、他にも斜めの板を使ったバラ
生徒の意識の高さと、先生と生徒の距離の近
ンスの訓練、ストレッチ、ホットパッド、車
さに驚いた。もっと英語が分かれば治療の内
いすを使っての court walk など様々なリハ
容も深く理解できたはずなのに、そこが残念
ビリを見学、お手伝いできた。外来患者への
だった。 皮膚つまみテストや、飼い主への家でのリハ
今日の夜は、高野先生が水炊きを作ってく
ビリ方法の丁寧な説明も印象的だった。
また、
れた!ちょっと久しぶりに日本の味で、本当
リンパ腫を疑われている患者への FNA も手
― 54 ―
伝わせてくれた。
てよかった。
今日の夜はみんなでホテルのロビーで夜ご
夜は、みんなでオリーブガーデンっていう
飯にした。その後あたしはちょっと疲れてい
イタリアレストランに行った!とっても美味
てホテルにいたけど、みんなは外に散策に
しいし雰囲気よくて、本当に楽しい時間を過
行っていた。男の子達が先に帰ってきて、
おっ
ごした!
きなアイスをみんなで食べた☆アイスボック
スから直接スプーンで食べて、なんか楽し
8月 26 日 ( 金 ) Anesthesia,Pathology
かった!
今日は pathology の予定だったけど、朝
急にジムに、解剖は午後からだから午前中は
8月 25 日 ( 木 ) Physical therapy, Rehabi-
好きなところを選んで行っていいよって言わ
litation 2日目
れて、すごく悩んでみんなが楽しかったって
入院患者については昨日と同様。今日は
言っていた anesthesia に行った。 多くの外来患者が来ていた。左後肢の shock
Anesthesia: こ こ で は ず っ と 猫 の 去 勢 担
wave により来院したミニチュア・プードル
当の aricia という学生について見て回った。
へ の High-Energy shock wave treatment
まず、血液から、PCB、BUN、総蛋白を測定。
という機械での治療、術後の症例への水泳、
麻酔の容量を全て計算し、導入、沈静を行っ
歩行・ランニング検査の手伝いなど。また、
て、麻酔室でオペをした。術後、麻酔が覚め
他の Dr. の研究を見せてもらっ
Dr. の紹介で、
た直後に暴れたが、沈静薬を追加で投与し無
た。
事に終了。その後 CT の麻酔も見せてもらっ
跛行を示す犬の、頭と後肢 4-5 箇所にマー
た。
クを付け、暗闇で赤いライトだけがついてい
感想:やったことは多くなかったけど、つ
る状態で、まっすぐに左右 4-5 回歩くと、犬
いた学生さんが本当にいい人で、今までで一
の脚の動きがコンピューター解析されて、脚
番多く会話することができ、すごく有意義
の動きを正確に知ることができる、という研
だった。麻酔のための留置や投与など、生徒
究。もう実際に診断の分野で利用されている
が全部挑戦し、いくら失敗しても先生に変わ
らしい。もうひとつ、立った状態で四肢をそ
ることなく根気強く待って教えてもらってい
れぞれ別のパッドに乗せ、コンピューター解
て、すごくいいなぁと思った。
析によってどの脚に体重がどのような割合で
Pathology:13 時 か ら、 約 1 時 間 Dr. も 合
かかっているかを知る、という研究も見せて
わせて全員でミーティング。以前解剖した検
もらった。
体の検討、今日解剖予定の症例の全体の把握
感想:2 日間リハビリ科にいることで、北
をした。今日解剖したのはピグレット、犬、
里大学では経験できないことを見たりさせて
ヤギ、ラマ。私は、日本で解剖を見たことの
いただいたりして、本当にいい経験が出来
ないラマについた。このラマは、全身に点状
た。見ている限り、毎日同じことの繰り返し
出血、充血が生じ、脳や心臓も侵されていた。
で、かなり地味な作業が多いが、自分の行い
また、多くの臓器の周囲への癒着もひどかっ
で徐々に動物が回復していく様子が見て取れ
た。
る、すごくやりがいのある仕事だと思った。
感想:最初のミーティングで、先生ばかり
多くの症例を見たり、実際に手伝ったりでき
が話すのではなく、生徒も常に自分の意見を
― 55 ―
言って、しっかりディスカッションしている
ぶさいくな寝顔もいっぱい撮られてて、やっ
ことに感動した。解剖棟の施設は北里のもの
ちゃったぁ・・今日はとっても楽しかった!
とは比べ物にならなくて、本当に大きなもの
だった。解剖自体を全て生徒がやっているこ
8月 28 日 ( 日 )
とには本当におどろいた。自分はもう 1 年
今日はお買い物 day !朝からみんなで近
近く病理学研究室にいるのに、自分で全部や
くの散策しながらお土産買ったりして、お昼
れと言われても出来ない。でもここの生徒は
からはジムが大きなショッピングモールに連
3 週間しかいないのに出来ていて、本当に勉
れて行ってくれた。そこで初めてサラにあっ
強量や経験が違うな、と正直愕然とした。で
た。サラは今年北里に来るみたいで、しかも
もすごくいい刺激になったし、初めて見るラ
日本語が本当に上手!ショッピングモールで
マの解剖は、すごく勉強になった。
みんなそれぞれ沢山買い物して、
その後サラ、
今日の夜は桃くん特製のスープヌードルと
ナンシー、クリスティーナと合流。ジムはわ
肉団子スープ、それにお菓子とアイスにビー
ざわざみんなの荷物を車に積んでおいてくれ
ルで、みんなで 1 週間お疲れーってすごく
るために来てくれて、もう本当にどこまでも
楽しく過ごした!そのあと夜の散策に出て、
優しくて感動した。それからは 3 人と down
結構いっぱいお店があって、今度買い物にく
town に買い物へ!いろんなお店に入って沢
るのが楽しみになった☆
山買い物したけど、印象的だったのは何と
言っても sock monkey !アメリカでは有名
8月 27 日 ( 土 )
らしくて、見つけるたびに嬉しくなっても
今日は学校お休み!朝ジムがホテルまで迎
えちゃんとはしゃいでた ( 笑 ) アイスクリー
えに来てくれて、みんなでラフティングに出
ム屋さんにも行って、3 人がご馳走してくれ
発! 2 時間くらいで場所に着いて、ジムと
た。S サイズだったのに本当に大きかった。
コニーが作ってくれていたランチをみんなで
Down town の後は、今度ジムやみんなに日
食べた。本当に美味しかった☆いよいよラフ
本料理をご馳走しよう!ってことで、アジア
ティング!注意事項の説明があんまり聞き取
ンスーパーに連れて行ってもらって、すき
れなくて不安だったけど、乗ってみればなす
焼きの買出しをした。その後みんなで apple
がままで、周りは大自然だし、
本当に最高だっ
bar というお店で夜ご飯をたべた。ジムがま
た!ラフティングの途中みんなで川に落ち
た迎えに来てくれて、ホテルまで送ってくれ
て、ぷかぷか浮かんで泳いだのが特に思い出
た。ジムも 3 人も本当にありがとう!買い
に残ってる。桃くんはバッチリボートから落
物を満喫できた 1 日だった。
ちたらしい ( 笑 ) ラフティングを満喫した後、
帰り道の途中でジムがカントリー風なお店に
8月 29 日 ( 月 ) Equine surgery 1日目
連れて行ってくれた。ここでのご飯は今まで
今日は equine surgery が急患の日で、そ
で一番美味しかった☆先生はお店にかばんを
んなに仕事がないとのことで、結局ほとんど
忘れてた ( 笑 ) ホテルに着いたのは 10 時く
の時間を equine medicine で過した。今日は
らいで、それからみんなでお酒を買いにいっ
生徒の多くも新しいローテーションに入った
て、男子の部屋でわいわいやった。でもせっ
日だったので、最初に large animal 全体の
かくなのにあたしはほとんど寝ちゃってて、
説明を受けることが。真菌感染を起こしてい
― 56 ―
て、胎盤停滞の経膣エコー検査や、腹水貯留、
で、すごく有意義な時間を過ごした。
右口唇上に大きなできものができていた馬の
今日はみんなで近くのステーキ屋さんに
症例など見た。一番印象に残っているのは、
行った。日本じゃ食べられないようなちょっ
疝痛を主訴に来た重種で、あまりの大きさに
と高いお肉を安く食べられた☆本当に美味し
本当に驚いた。最後に equine surgery に患
かったけど、本当にお腹いっぱい!
者が来ていたので見学した。犬に全身を傷つ
けられたロバの症例。このロバは 3 ヶ月前に
8 月 31 日 ( 水 ) farm animal 1日目
も同じ犬による同じ理由で来院。本当に全身
朝行くと、既に作業が始まっていた。白線
に肉が見えるほどの傷が沢山あり、生きてい
病の牛の症例で、ローリングする機械を用い
たことがすごく幸運だと Dr. も言っていた。
て横に寝せ、脚の治療を行っていた。他に、
フルニキシメグルミンを投与。3-4 箇所の大
左後肢に奇形をもつ子牛への処置や、おそら
きな傷だけ縫合し、あとはそのままにしてい
く髄膜に虫が寄生しているラマにおける頚静
た。
脈への抗生物質の投与などを見た。
今日はジムが会議でいなかったので、フラ
今日は午前中からみんなでノックスビルの
イ先生に送ってもらった。
初めてあったけど、
動物園に連れて行ってもらった。小さい動物
フライ先生も本当にいい人だった。ホテルで
園と聞いていたけど、結構大きな動物園で、
ちゃちゃっと夜ご飯をすませて、みんなで買
沢山の動物を見ることができた。印象的だっ
い物にくりだした。ホテルに帰ってきてから
たのは、ゾウ、チンパンジー、アルビノのワ
なんだかすごいお腹が空いて、お味噌汁とア
ニ。ゾウは、
ゾウのための敷地がすごく広く、
イスとポップコーンを女子のみんなで暴食し
いろいろな遊び道具や餌をあげる工夫がなさ
た ( 笑 ) もえちゃんが具合悪くなっちゃって
れていて、日本で見るゾウよりも、すごく活
て心配。
発に活動しているのが印象的だった。チンパ
ンジーは、お母さんチンパンジーが、引率し
8月 30 日 ( 火 ) Equine surgery 2日目
てくれていた Dr. の真似をしていて、獣医と
今日は 1 日 equine surgery の学生につい
動物の心の繋がりのようなものを感じて、す
て回った。まず繋靭帯を痛めている症例のオ
ごく感動した。
ペを滅菌に入って見学することが出来た。こ
動物園から帰ってきてからみんなで学校の
こでも生徒がやらせてもらっていて驚いた。
購買でいろいろなものを買った。
また、処置自体よりも、麻酔をかけてからオ
そ し て、 ま た farm animal に 合 流 し た。
ペ室に入るまでの設備のよさと、みんなの動
ワクチネーションと除角のみの目的で 17 頭
きの早さに感動した。
の牛が来ていて、延々と処置し続けた。皮下
他には、研究用の馬での胸骨からの骨髄生
へのワクチン投与と、尾椎への鎮静薬の投与
検、馬蹄をはかせる作業なども見学した。更
をやらせてくれた。
に今日は初めて針治療を見学した。やってい
今日の夜はお土産を帰る最後のチャンス
ることは地味だけど、治療後馬はすごく調子
だったので、いっぱい歩き回った。ご飯は、
が良さそうだった。
なおみちゃん、まいちゃん、桃くんがいろい
感想:暇な時間も結構あったけど、初めて
ろ作ってくれて、豪華だったし、本当におい
経験したことは多くて、それにみんないい人
しかった!ご飯の後は初めてホテルのプール
― 57 ―
車の後部座席の前にもモニターがついてい
に入った!楽しかったぁ☆
て、Dr. が作った勉強用のパワーポイントで
9月1日 ( 木 ) farm animal 2日目
問題を解きながら移動していた。腸ヘルニア
朝、大動物系の科の生徒全員が集まって、
を起こしていた羊、妊娠していると考えられ
1 人の生徒のプレゼンテーションを聞いた。
ている羊、orf( 羊鵞口瘡 ) の羊への処置、何
今日は農場から 20 頭の肉用牛が削蹄のため
の症例だか分からなかったけど羊の肛門周囲
に来ていて、今日 10 頭、明日 10 頭で削蹄
を巾着縫合などを見た。また、びっこを引い
する予定。中には、腐敗症の症例の関節液の
て歩いていた牛の症例では、蹄に亀裂が入っ
吸引生検、蹄葉炎や白線病へのサンダルの装
ており、削蹄してからサンダルを履かせてい
着、たこのできた症例などがいた。
た。このとき時、メロキシカムの経口投与を
感想:farm animal の活動としては、あ
させてくれた。
まり多くを観察することが出来ず残念だっ
感想:初めての往診体験で、すごく勉強に
た。動物園は純粋に楽しんだし、獣医さんが
なった。往診は飼い主さんとのコミュニケー
ついて回ってくれるのは勉強になった。授
ションがすごく大事だと改めて感じた。道中
業でローリングを勉強したばかりだったの
の車での勉強は本当に驚いた。生徒が勉強熱
で、ローリングのための機械を見たことにす
心なのもあるけど、勉強材料を造る Dr. にも
ごく感動した。2 日目は、正直一日中削蹄は
すごく熱心さを感じた。
本当に苦痛だった。今日の削蹄においても、
今日の夜は、フライ先生の家でのホーム
Dr. は積極的に生徒にやらせてあげていて、
パーティーにお呼ばれされた!またまた本当
羨ましく感じた。入院していたアルパカと遊
に素敵なお店で、料理も本当においしかった
ぶが、実習中の楽しみだった。あと、細身の
☆地下に遊ぶスペースがあって、先生も含め
女性の Dr. がすごく出来る人で、かなり憧れ
て男子陣の卓球対決が面白かった ( 笑 ) みん
た。
な wii とかもして、本当に楽しい時間を過ご
今日の夜はジムとコニーを自分達のホテル
すことが出来た。
帰ったのは夜中だったけど、
に誘ってすきやきパーティーをした!準備は
それからみんなで荷づくりを必死で頑張っ
大急ぎだったけど、2 人も美味しそうに食べ
た。
てくれて本当によかった!最後にみんなから
メッセージカードを渡した。そしたらコニー
9月3日 ( 土 )
が泣きそうになりながら、ジムが毎日あたし
ついに帰る日。早朝、ジムとコニーが最後
達のことを話してるって教えてくれて、泣き
の迎えに来て、空港まで送ってくれた。本当
そうになった。更に 2 人からプレゼント貰っ
に来てからずーっとジムとコニー、特にジム
てしまって、もう本当に感激だった。今日も
には沢山お世話になって、本当に親切にして
プールにみんなで入った!今日は幸せな気持
もらって、もう何か家族みたいな気持ちに
ちでいっぱいになった。
なっていたから、バイバイする時は自然と涙
がでてしまった。本当に感謝の気持ちでいっ
9月2日 ( 金 ) farm animal field service
ぱいだった。それに日本に帰りたくないって
9 時まで待って、学生の車で大学の農場ま
思うなんて自分でもびっくりした。
その後は、
でいき、往診用の車に薬をつめて、
出発。
道中、
みんな無事に日本に帰宅。本当に 2 週間は
― 58 ―
8月21日(日)
あっという間だった。
ブレイス先生に迎えに来てもらい、大学見
全体の感想
学に連れて行ってもらった。病院の診察室を
実習全体を通して、各症例に対しての細か
見てまわり、そのあと各研究室の紹介をして
いことまでは理解できなかったけど、本当に
もらった。診察室は 15 個ととても多く、手
多くのことを見たり体験したりできて、すご
前の診察室では犬、奥では猫を見ることで、
くいい経験をしたと思う。テネシーの学生を
犬と猫の接触を防ぐ工夫がされていた。また
見てすごく刺激を受け、自分ももっともっと
各診察室にはカメラが付いており、学生が診
自分から行動して、勉強しなければいけない
察している様子を先生が実際に見ることで
と感じた。何よりも、何も分かっていない私
き、とても実践的な実習が行われていたこと
に、本当に親切に接してくれた多くの人に、
に大変驚いた。また解剖研究室では骨格標本
日々感謝の気持ちでいっぱいだった。特にジ
やプラスチネーションの標本を見た。大学見
ムには、本当に本当に感謝。テネシーで一番
学が一通り終わった後は、WALLMART へ
学んだのは、勉強よりも、人の親切さだった
買い物に連れて行ってもらい食料を買い込ん
気する。
だ。 夜はブレイス先生宅でホームパーティ。日
本の大学で昔研究をしていたシュウさん夫妻
も来ていただき、シュウさんの奥さんお手製
高瀬 真以
の餃子をいただいた。英語にまだ耳がなれて
8月20日 出発
おらず、あまり言っていることがわからな
成田空港に9時集合。待ち合わせの9時に
かったがお酒の力も借り、みんなで楽しい時
なってもリーダー(桃崎君)が来なくてドキ
間をすごした。
ドキしたが、リーダー焦りながらも遅れて到
着。リーダーは最後に登場するものらしい。
8月22日(月)OPHTHALMOLOGY(眼科)
飛行機の席がバラバラになってしまった
小動物実習1日目。ブレイス先生が一人ず
が、私は運よく席を交換してもらい、入来さ
つ各研修場所まで送ってくれた。初日で緊張
んと桃崎君の間になれたのでよかった。映画
していたが、最初に挨拶した学生と若い先生
を見たり機内食を食べたり、入来さんが横で
(Dr. クーン)がとても親切で眼科の診察室
ひたすらゲームをしているのを見ているうち
や診察で使う機械などの説明をしてくれた。
にシカゴに到着した。機内食でモスがでて
五年生の前期の実習でやったことなどが盛り
ちょっと嬉しかった。シカゴで雨の為、飛行
だくさんでシルマー涙試験からフルオレセイ
機の出発が2時間近く遅れたがアナウンスが
ン染色について、また眼底検査で使う機械の
聞き取れなかったため、みんなであたふたし
説明してくれました。特にモニターに眼底検
てしまった。シカゴからノックスビルまでは
査の結果を映し出すことのできるカメラ付き
1時間ほどで空港に到着し、Dr. ブレイス夫
のヘッドセットは眼底検査を用いる際にはと
妻に迎えに来ていただきホテルまで送っても
ても画期的だなと思いました。全く眼科学の
らった。みんな疲れていたため、メキシコ料
知識がない状態では理解できなかったと思う
理で夕飯を食べ帰宅し、早めに就寝した。
ので、5年生の前期の内科学を勉強した後に
― 59 ―
きてよかったと思いました。
ありました。まず一つ目は手術中、麻酔管理
またその日予約されている患者の名前、種
はすべて麻酔科が担当しており、眼科の先生
類、診断などが一覧になって印刷された紙が
は手術だけを行っていた事です。日本では麻
診察室の前に貼ってあり今日の予約は 15 件
酔管理から手術まですべてを術者が管理する
ほどありとても忙しい一日だと言っていた。
ので、それに比べると手術のみの方が手術に
眼科では小動物だけでなく大動物の患者も受
専念できるのでいいと思いました。また手術
け持っていた。眼科には先生が二人おり、原
中オペ室には音楽がかかっており、ミラー
則として患者がくるとそれを学生が診察し各
ボールが回った状態で手術が行われていまし
自の診断をまず一人の先生に伝える所から始
た。この時はあまりにもびっくりしすぎて周
まります。そこで先生からなぜそういう診断
りを見渡して学生の反応をうかがってしまい
にいったたかについて様々な質問がされ、飼
ました。しかし誰も特に反応はしておらず、
い主に聞いていないことがあれば学生は再び
アメリカでは自由な雰囲気で手術を行うのが
診察室に戻り所見を取り直します。その後学
普通なんだなと思い、さすがアメリカだなと
生はもう一人の先生にも先ほどと同様に自分
思ってしまいました。また手術中、前方に映
の診断について話し意見を求め、最終的に学
し出される手術の映像を見ながら先生が説明
生と先生三人で話し合い診断を下し、先生か
をしてくれ、こういうケースの場合どういう
ら飼い主に話しをするというような流れで診
ことに気をつけるべきなのかも同時に教えて
察は行われていました。この日は午前に真菌
くれるので、とても勉強になりました。日本
で眼に潰瘍ができた馬、白内障の犬二匹、緑
で白内障の手術を見たことはないのでどれ位
内障の疑いがある犬の診察に立ち会い、午後
の早さが一般的かはわかりませんが、両眼で
は以前に緑内障で片眼を摘出した犬の再診、
一時間半ほどで終了しました。夕方からはま
角膜ジストロフィーの犬の診察に立ち会うこ
たミーティングでこの日は緑内障について話
とができた。また四時頃からミーティングが
し合いが行われこの日は終了。
行われ、そこではその日きた症例について話
夜ご飯は高野先生お手製の水炊き。久しぶ
しあうだけでなくいろいろなテーマについて
りの優しい味のご飯にいやされました。
ディスカッションが行われました。この日の
テーマは白内障で先生から白内障はどういう
8月24日(水)Orthopedic Surgery(外科)
病気でどういう種類があるか、また疑われる
小動物実習3日目。私が配属された整形外
他の病気についてなど様々な事が議題にあ
科は朝8時からとても慌ただしくいそがしそ
がっていました。当日の症例についてすぐ話
うで、邪魔できない雰囲気だったので隣の軟
し合いが行われるので、疑問点がすぐ解決で
部組織の科の人について血管肉腫の犬の診察
き、より実践的でためになるなと思いました。
を見学した。10 時頃からすこし落ち着いた
この日はこれで終了。
ようだったので、再び整形外科のほうに戻っ
た。この日は内側鈎状突起断裂のシェットラ
8月23日(火)OPHTHALMOLOGY(眼科)
ンドシープドックと高いところから落ちて足
小動物実習2日目。火、木は手術の日とい
が外側にむいてしまったマルチーズ、数日前
うことでこの日は白内障の手術一件を見学し
TPLO をしたドーベルマンの再診を見学し
た。手術を見学した際、驚くことがいくつか
た。これもまた眼科の時と同様に5年前期で
― 60 ―
ならった内容が満載で、整形で出てくる解剖
た犬の TPLO で、手術に入りたいと言った
学的な名称や病名を思い出すとともに英語に
ら実際にスクラブをして手術に立ち会わせて
直して理解しなければいけなかったのがとて
くれました。とても近くでみることができ、
も大変でした。Dr. は三人いましたが学生は
また授業で習ったプレーティングなどを実際
二人しかおらず、常に患者を3,4頭抱えて
に見ることができてとても感動しました。手
いるような状況でとても大変そうでした。し
術中わからないことはすぐ質問でき、デプス
かしみんなとても親切だったので質問すると
ケージはなぜ使うのか聞かれ、スクリューの
とても丁寧に答えてくれました。この日一番
長さを決定するために用いるものだと答えた
印象に残っているのは二件目のマルチーズの
所、よく勉強していると先生が褒めてくれた
診察です。このマルチーズは抱きかかえてい
のが異様に嬉しかったのを今でも覚えていま
るところから落下した際に左後肢の膝関節が
す。向こうの質問に対して英語で答えたくて
外側に向いてしまったために来院しました。
もなかなか自分の話したいことを話せなかっ
飼い主は自分の不注意であり、さらに見た目
たのでアメリカに来て六日目にしてやっと英
がとても痛々しそうだったこともあり、とて
語に慣れてきたのかなと思いました。この日
も動転しており学生の話には耳も傾けない状
はこれで終了。
況でした。しかし担当になった Dr. ミリスは
夜は予約していたオリーブガーデンで夕
とても落ち着いており、飼い主から話を聞く
食。頼んだ魚介のスープがとてもおいしかっ
とともに飼い主が落ち着くのを待った後、考
けど、量がすごくてみんな苦しそうだった。
えられる治療法とそれぞれの治療法の利点欠
店員さんがとてもフレンドリーないい人で、
点について説明をしていました。Dr. ミリス
日本とアメリカでは接客も全然違うんだなと
の態度や犬のことを一番に考えている姿勢が
おもいました。
伝わったのか飼い主は Dr. をすっかり信頼し
たようで、最後は安心した様子で帰って行き
8月26日(金)Avian/Exotics(エキゾチッ
ました。獣医師はペットを治療する仕事であ
ク)
りながら飼い主とのコミュニケーション能
小動物実習5日目。日本であまり見ること
力、信頼関係がとても重要な仕事である事を
ができない動物を見たかったのでエキゾチッ
再確認しました。
クアニマルの研修をとても楽しみにしていま
この日はこれで終了。
夜はホテルで食べて、
した。この日は金曜日で特にフィールドにも
Wall Mart や文房具店で買い物。みんな疲れ
行かないようだったので、一日診療に付き添
ていたため早めに就寝した。
うことになりました。この日は犬に襲われた
リス、ソラという種類の鳥、膿瘍のできたモ
8月25日(木)Orthopedic Surgery
ルモット、去勢するラット、下痢と嘔吐を繰
小動物実習4日目。手術を二件見学した。
り返しているフェレット、Cokatoo という
一件目は関節鏡を用いた FCP(内側鈎状突
お腹に傷ができている鳥、歯が伸びすぎたウ
起断裂)の手術で、関節鏡を用いた手術を見
サギなどが来ました。期待していたトラなど
るのは初めてでした。また近くにいた Dr. ト
は見れなかったものの、初めて犬、猫以外の
ビアスが細かく説明してくれたのでとても勉
動物の診療を見ることができてとてもいい経
強になりました。二件目は前十字靱帯断裂し
験になりました。患者がいない時間には先生
― 61 ―
や学生に積極的に質問するように心がけまし
てもらった。買い物したりアイスを食べたり
た。そのなかで一つ知ったことはテネシー州
した後は、日本食のスーパーに連れて行って
ではペットとして飼われている動物以外、保
もらい、今度ブレイス夫妻を招待するときに
護した動物などは原則として治癒したあと
作るためのすき焼きの材料を買いました。そ
ペットとして飼うことはできず、州が認定し
の後夕飯をみんなで食べ、サラが日本の漫画
ているリハビリテーターのもとへ返さなけれ
の大ファンである事が判明し、漫画の話でか
ばいけないことです。そこで野性に戻れるま
なり盛り上がりました。私たちが日本語教え
で回復したあと、野性に戻されます。これら
るかわりにサラにはアメリカの独特のアクセ
の費用はすべて寄付によってまかなわれてい
ントがある言葉などを教えてくれました。共
ると言っていました。夕方からはミーティン
通の話題などがあるととても話しやすく一気
グで先生から動物に関するクイズが出されま
に仲良くなれた気がしてとても楽しい一日で
した。しかしエキゾチックに配属されている
した。
学生の知識がすごく、出されるクイズにも
しっかりと答えていてすごいなと思いまし
8月29日(月)EQUINE MEDICINE(馬
た。この日はこれで終了。
内科)
大動物実習一日目。UT の学生も研究室を
8月27日(土)ラフティング
ローテーションで回っているようで、今日が
OCOEE 川へラフティングへ出かけた。み
研究室の変わる日だったので、朝のミーティ
んなでお昼は外でピクニックをした。特にコ
ングの時に施設の説明、馬の保定の仕方か
ニーお手製のクッキーは絶品で今まで食べた
ら輸液のやり方まで様々な説明がされまし
チョコチップクッキーの中で一番おいしかっ
た。また馬の扱い方については獣医師からで
た。2組に分かれ私たちのグループのガイド
はなくテクニシャンの人から説明されること
はアンという男の人よりも男らしいパワフル
が多く、アメリカでは日本と違いテクニシャ
な女性でした。とてもノリがよくて明るい人
ンが任されている仕事がとても多いんだなと
で、日本語で「前へ」っていうの覚えてくれ
実感しました。まず初めにこの日は胎盤停滞
て、響きが気に入ったのか何回も叫んでいた
後、持続的に発熱していた馬を診察しまし
のが面白かった。またラフティングは初体験
た。この馬は9回目の出産で年齢も 23 歳と
でしたが、本当に大自然を満喫できていい思
高齢であることから子宮自体が伸びて戻りに
い出になりました。途中ハプニングもあって
くかったことが原因ではないかと言っていま
ドキドキしたけど、それもまた楽しい思い出
した。また他には子宮内膜炎を併発している
の一つになりました。
可能性があるとも言っていました。大動物の
授業でも習いましたが馬は胎盤停滞が少ない
8月28日(日)
がとても危険であるという説明を Dr. サマー
昼過ぎにジムに迎えに来てもらってモール
ドールがしてくれました。この馬は子宮洗浄
で買い物をした。その後今年の 10 月から日
を液が綺麗になるまで行い、予後は良好との
本に来るナンシーとサラという学生と以前外
ことでした。この日は他に口元に潰瘍性肉芽
科でお世話になったクリスティーナの三人と
腫ができた馬や疝痛の馬、腹水のたまった馬
合流してダウンタウンに買い物に連れて行っ
が来ました。特に疝痛の馬は 900 キロぐら
― 62 ―
いあるショー用のとても大きな馬で女性のド
ました。私もその紙をもらい、議論に参加で
クターが検査をするのがとても大変そうでし
きるように努力しましたが、ついていくのに
た。初めてあんな大きな馬を見てアメリカは
精いっぱいで時々出される質問に対して片言
なんでもビッグだけど馬まで大きいんだなと
の英語で答えることしかできませんでした。
感心し、記念に写真撮影をしました。この日
やっぱり聞くことはできても自分の思ってい
は内科にこれ以上患者が来ないとのことだっ
ることを相手に伝えるのは大変な事だと改め
たので途中から馬外科の方も見学し、ここで
て思いました。
はペットの犬に噛まれたというロバがきて傷
夜ご飯は豪華にステーキハウスに行き、ア
口の縫合手術が行われていました。ロバは全
メリカのステーキを堪能した。ホテルに戻っ
身噛みちぎられ骨が露出しているとこもあ
てプールに入り、疲れたためすぐにお風呂に
り、瀕死の状態でした。しかも3カ月前にも
入って就寝した。
同じことがあったばかりだというのでとても
驚きました。次の日ロバはだいぶ歩けるよう
8月31日
(水)EQUINE FIELD SERVICES
になっていたので安心しました。この他に臍
大動物実習3日目。この日は動物園に行っ
ヘルニアの手術も見学してこの日は終了。夜
た。ノックスビル動物園はそこまで大きいわ
ご飯はホテルで食べて寝る直前にポップコー
けではなかったがアルビノのワニやウォー
ンを作ったり、アイスを食べたりしてアメリ
ターバックなど初めてみる動物もいてとても
カの食生活に慣れたところでこの日は就寝し
楽しかった。
先生のガイドの元園内を一周し、
た。
一通り見た後、午後は各自研究室に戻った。
私はこの日配属された研究室がフィールドに
8月30日(火)EQUINE MEDICINE(馬
でていってしまっていなかったので、山口君
内科)
と学校の散策をした。みんなとても自由な感
大動物実習2日目。この日は患畜が全く来
じで映画で見るようなキャンパスライフを目
なかった。あとで先生に聞いたとこによると、
の当たりにして山口君とただただ、こんな大
近年不況のため馬をペットとして飼う人が激
学生活いいねーと言っていました。本屋で色
減したため、病院に来る馬の数も減っている
違いのテネシーファイルを買ったり、学校の
らしい。患畜が来るまで FARM ANIMAL の
プールや競技場を見学したりと満喫し学校に
方を見学させてもらった。ちょうど Under
戻りました。この日はこれで終了。
water トレッドミルを行っているリャマを見
夜は明日のすき焼きのための買い出しに行
学することができた。このような大動物用の
き、ホテルでご飯を作って食べた後またプー
トレッドミルはなかなか日本では見ることが
ルに行った。ご飯を作ってくれた桃崎君、森
できないのでとてもよかった。この他にも牛
本さんありがとう!
の出産などを見学しました。馬の内科に戻る
と勉強会が行われており、この日は疝痛につ
いて話されていました。説明を受けた後は疝
9月1日(木)EQUINE FIELD SERVICES
(フィールドサービス)
痛について様々なケースが書いてある紙が配
大 動 物 実 習 4 日 目。 こ の 日 は Powder
られました。ケースリーディングのようなも
Mountain というショーを見ながら食事でき
ので各自 30 分ほど考えたあと討論が行われ
るお店に行きそこの馬の診察を行いました。
― 63 ―
そこでナビキュラー症候群の馬の診察を行い
た。また腐敗臭がかなり強くてきつかったの
ました。この馬は以前に処置したが経過がよ
にも関わらず学生が手際よく治療を行ってい
くないとのことで、ほとんど歩けていません
くのがすごいなと思った。
でした。結局手術することになりましたが、
この日はこれで終了。夜はフライ先生宅で
立った状態では無理だったので倒馬させて、
パーティーを開いてもらった。食事はどれも
両脚の処置を行っていました。倒馬させる様
おいしくて私は特にソーセージが気に入りま
子は初めて見たので、あんな一瞬で倒れると
した。息子のジョン君ともすっかり打ち解け
思っていなかったのでとてもびっくりしまし
て楽しい時間をすごしました。次の日も早い
た。手術後は採血にもう後二件行ってこの日
ので 10 時半頃解散し、ホテルに戻った。そ
は終了。帰ってきたのが六時半ぐらいになっ
の後各自荷作りをして就寝した。
てしまい、ブレイス先生やみんなに迷惑をか
けてしまい申しわけなかったです。夜はブレ
9月3日
(土)
~9月4日
(日)帰国
イス夫妻を招いてすき焼きパーティーをし
5 時にブレイス夫妻にホテルまで迎えに来
た。すき焼き喜んでくれてとても嬉しかった。
てもらい、空港へ向かった。ブレイス夫妻と
こちらがもてなすつもりがお菓子とキーホル
の別れは本当に寂しくて、こんなに親切にし
ダーまでもらってしまい、本当にこの二人に
てもらったことを絶対に忘れてはいけないな
はお世話になりっぱなしだった。楽しいパー
と思いました。涙の別れの後は飛行機でシカ
ティーを終えた後は恒例のプールに入り、み
ゴへ向かい、その後は順調に日本につきまし
んなではしゃいだ後疲れて就寝した。
た。ただ最終の新幹線に間に合ったのは良
かったけど、切符が取れなかったため立って
9月2日(金)FARM ANIMAL MEDICINE
帰ったのがきつかったです。
AND SURGERY
大動物実習5日目。午前中は 15 頭の牛の
感想および総括
削蹄、犬に噛まれて怪我したアルパカ、関節
私が今回アメリカ研修に参加した理由は主
が腐敗しひずめを切断した牛、貧血のヤギ、
に二つあります。一つ目はアメリカの獣医療
発熱が持続している牛の診察を見学しまし
を実際に自分の目で見て日本の獣医療との違
た。この日は朝からとても忙しい日になると
いを見たかったこと。二つ目は二週間のアメ
ドクターが言っており、学生も削蹄用の牛を
リカでの生活を通して、アメリカの生活や文
捕まえて保定してはすぐ削蹄しそれを繰り返
化に触れ普段日本では経験できないことをし
していました。削蹄は電動の刃で行っていま
たかったからです。アメリカに行く前に専門
したが、あまり力をかけなくても削れてしま
英語の単語の勉強はしていましたが、自分の
う分、思ったようにまっすぐ削れず苦労しま
英語力に不安があり、また今年から寮生活で
した。
はなくなってしまったことにより、生活面で
この日はお昼に抜けて Dr. ブレイスと会食
の不安もありました。しかし実際に行ってみ
会があり、研修修了書をいただきました。午
ると、心配することは何もなくとても充実し
後は残りの牛の削蹄と、豚の去勢、蹄底潰瘍
た二週間を過ごすことができました。テネ
の牛治療を見学しました。蹄底潰瘍の治療で
シー大学の先生や学生はみんな本当に親切な
は専用の枠場に入った牛がひどく暴れてい
人ばかりで、自分の質問に対して分かりやす
― 64 ―
い英語で丁寧に教えてくれました。聞いてく
ングには台所とソファとテレビがあり、5人
れようとする姿勢がとても嬉しかったし、自
で一つの部屋だったが、とても広かった。夜
分の伝えたかった事が伝わるとそれがまた自
は近くのお店でタコスを食べた。
信になり、自分から積極的に話しかけること
ができるようになりました。
8月21日
また自分がやりたいと言ったことはだいた
朝は8時半前に電話で起こされた。今日は
いやらせてもらえるので、実際の手術に参加
ブレイス先生にテネシー大学を見学させても
して助手をしたりと、とても貴重な経験がで
らい、夜はブレイス先生が私たちの歓迎パー
きました。また私自身まだ進路に悩んでいる
ティを開いてくれて、昔日本に住んでいたと
ということもあり、二週間のローテーション
いう中国人のシュウ夫妻も来てくれた。ブレ
で大動物と小動物の両方を見ることができた
イス家はとても素敵で、料理がどれも美味し
こともとてもいい経験になりました。この経
かった。猫のグレイシーがとても可愛い。
験が自分の将来にどうつながるかはまだわか
りませんが、今回アメリカに行って漠然と自
8月22日(小動物実習1日目)皮膚科
分がやりたいことが見えてきた気がします。
8時頃大学に着き、ブレイス先生に連れら
最後になりましたが、今回お世話になった
れて、一人ずつ今日の科に入っていく。
テネシー大学の先生方や学生、高野先生、同
皆一人かと思ったら、皮膚科は神経科と一
行した皆、本当にありがとうございました。
緒の教室で、山さんもいて心強かった。どう
特にブレイス先生には私たちの身の回りの世
やら皮膚科は 10 時かららしく、暫く神経科
話をして頂き大変感謝しています。多くの人
の治療を見ていた。その間に後駆不全のオー
の支えがあり、貴重な経験がたくさんできて
ストラリア・シェパードがきて、一通りの反
とても充実した二週間を過ごす事ができまし
射チェックをしていた。外科の授業で習った
た。ありがとうございました。
ことそのままだったので、とても興味深かっ
た。
一人で立っていたら、日本に興味がある獣
医学生サラが話し掛けてくれ、とても親切に
中口 麻美子
してくれた。また、お昼はサラとブラジルか
8月20日
ら来た実習生(美人!!)と共に三階の学食
実家から、成田空港到着。無事皆検問を通
へ。午後から診察予約があったはずだが、結
り、飛行機へ乗り込むと席はほとんど皆ばら
局来ず早目に終りになった。
ばらだった。シドニー空港では、雨が降って
夜はももくん特製スパゲッティ。
いて時々雷がなっていたために飛行機がかな
り遅れて、出発ゲートも移動されていた。テ
8月23日(小動物実習2日目)皮膚科
ネシーへの飛行機はかなり小さかった。テネ
別室で数十本の動物シャンプーの説明を先
シーでは、ブレイス夫妻が迎えに来てくれて
生が学生にしていた。
抗バクテリアや毛包虫、
いて、ブレイス先生の握手の力強さに驚いた。
ダニに効くものなど色々あった。学生の犬が
ホテルの部屋は、中に部屋が二つあり、それ
きて、所々脱毛、発赤、丘疹がみられ、アレ
ぞれにトイレ・バスが付いていて、またリビ
ルギーらしいので、抗ヒスタミン薬とカンガ
― 65 ―
ルー用の Food を処方されていた。あとは、
夕 飯 は、 予 約 し て あ っ た イ タ リ ア ン の
パンチ生検や大動物の方にいるラマの直接押
Olive Garden へ。
捺塗抹や毛の採取をし、顕微鏡で見たらショ
食べ過ぎたので、まいちゃんと一緒にホテ
クヒヒゼンダニがうようよいた。
ルのジムで走った。
夜は高野先生が作ってくれた水炊き。胃が
8月26日(小動物実習5日目)救命救急科
癒されました。
誰も行ったことがなかった科なので不安
8月24日(小動物実習3日目)眼科
だったが、ウェルカムな雰囲気だったので良
朝食はホテルのバイキング。眼科の情報は
かった。ICU には、今朝来たらしいマスチ
まいちゃんから聞いていたので少しは安心。
ブ犬がいて、甲状腺が肥大して、熱があり、
行ったら誰もいなかったが、皆ぞろぞろ来始
衰弱し、潜在的な吐き気もあるので、それを
めると私を見つけて挨拶をしてくれて、眼科
抑える薬を与えていた。
で使う器械の説明をしてくれた。最初に今日
お昼に学長との写真撮影があったため、昼
来たらしいプードルの検査をしていて、点眼
食は皆と少し遠目のカフェテリアでランチ。
(局所麻酔)して眼圧を測り、体温、シルマー
下痢で来た犬がいたが、血液検査や症状か
テスト、フルオルセインを点眼して表面検査、
らリンパ球の癌が疑われていたので、腫瘍科
反射検査、眼底検査などを行っていて、基本
に今後の処置の相談をしに行った。救命救急
的な検査は日本と同じ。一緒に診察室に入れ
は意外と暇だったが、皆とても親切だった。
てもらい、たまに保定を手伝った。緑内障、
結膜炎、パンヌス、白内障といった様々な症
8月27日 ラフティング
例がきた。あと、
大動物の馬の眼も見に行き、
車で2時間位の所でブレイス先生が持っ
メスの刃で角膜を少し採り、角膜上皮にバク
てきてくれたお昼を外で食べた。奥さんが
テリアがいるのかどうかを調べていた。
作ってくれたクッキーがすごく美味しい!
今日はホテル近くの文房具屋さんとスー
昼食後、着替えてラフティングの説明を受
パーへ。
け、20 分位バスに乗り、ラフティングの場
所へ。マックスがガイドで一緒にボートに乗
8月25日(小動物実習4日目)眼科
り、ocoee 川を渡った。ボートに水がいっぱ
今日は手術の日。かなり大きめなスクラブ
い入ってきて、ずぶ濡れになりながらマック
に着替えて手術室へ。ミニチュワシュナウ
スの指示で忙しくオールを動かした。景色が
ザーの白内障とシーズーの睫毛重せいの手術
とても綺麗で癒され、また水に入っても良い
を見た。手術室には音楽が流れ、とても開放
よと言われたので入ってみると、深かった
的だった。お昼は講義室のような所で、皆で
が、ぷかぷか浮けて気持ちが良かった。空が
持ち寄ったお菓子やご飯を食べ、ゼミ論発表
きれいで、山もあって最高だった。またやり
をしていた。チーズケーキを頂いたが、さす
たい!!
がアメリカ。すごい甘さだったけど、美味し
帰り道の途中のレストランで、夕飯を食べ
かった。その後、エキゾチックの部屋から来
た。
たオポッサムの眼をエコーでみた。かなり肥
厚していたらしい。
― 66 ―
8月28日 ショッピング
8月30日(大動物実習2日目)
今日は West Town Mall で買い物。なんと
ファームアニマルフィールドサービス
West Town Mall で、皮膚科で一緒だったブ
今日は遠くに行くので、朝6時 50 分に先生
ラジルから来た実習生に会った。これから映
が直接ホテルに車で迎えに来てくれた。90
画を見るらしい。一緒にどう?と誘ってくれ
分位かけて山道を通り、農場へ。
たのだが、買い物の猶予はもう一時間しかな
子牛を4頭位徐角し、個体識別をするため
かったので、泣く泣く断念(涙)その後、サ
に耳にスタンプをし、穴をあけて黄色いタグ
ラとナンシーとクリスティーナと共に中心街
を付けた。その後、何件か移動して、再び妊
へ。ビックサイズだったが、とても美味しい
娠検査。昼食は業務員の食堂みたいな所で、
ジェラードを奢ってもらった。その後、少し
組み立て式のハンバーガーを食べた。どうや
日本のものがあるアジア系のスーパーへ行
ら今日行った所は刑務所内部だったらしいの
き、白飯などを買った。クリスティーナが、
だが、他の農場と変わらなかった。農場に行
かっぱえびせんにそっくりなお菓子を買って
くたびにチョコレート牛乳を貰えたが、皆の
いて、貰ったが少し味が違いスパイシーだっ
飲むスピードがすごく早く、ついていけな
た。夕ご飯は、
途中にあったスポーツ観戦バー
かった。日本人との違いを実感。
みたいな雰囲気のお店で食べた。サラが、す
夜はステーキ&シーフードのお店で、ス
ごく日本の漫画に詳しくて驚いた。
テーキを食べた。かなりボリューミー。
8月29日(大動物実習1日目)
8月31日(大動物実習3日目)馬の外科
ファームアニマルフィールドサービス
朝、挨拶をして朝の処置だけみて、今日は
初の大動物で緊張したが、救命救急科にいた
午前中に動物園に行った。その後テネシー
獣医学生アシュリーが一緒と分かり安心し
グッズを買うために、
大学内を皆で探索した。
た。アシュリーの車で近くの UT 農場(テネ
それから戻り、明日手術をする馬の説明をし
シー大学が実習などで使ってる)へ行き、そ
てもらった。夜は買い物へ行き、帰ったらも
れから大学の車で農場へ行った。
長靴を履き、
もくんのパスタ、まいちゃんのマカロニサラ
着いたらつなぎを着て、40 頭位ひたすら直
ダ、なおみちゃんのおつまみが出来上がって
腸検査で牛の妊娠診断していた。臍ヘルニア
いた。
(ありがとう!)その後、
ホテルのプー
で手術した子牛の縫った部分から白い膿が出
ルで遊んだ。
ていたので、イソジンで洗浄。9頭の子牛の
徐角もした。お昼は途中にあったマックで食
9月1日(大動物実習4日目)馬の外科
べた。アメリカンサイズかと思ったが、ハン
行ったら、
二階の講義室でゼミが始まった。
バーガーは日本と同じサイズで、飲み物のサ
今日は、市長から名誉市民賞?を受賞するた
イズは異常に大きかった。糞だらけになった
め、ゼミを途中で抜け、車で市役所へ。市長
が、直腸検査や注射、徐角などやらせてもら
とは一瞬しか会えなかったが、市役所から見
えたので楽しかった。
えた景色は壮観だった。その後大学へ戻り、
今日は、ターゲットとウォールマートへ行
他の馬に肩を蹴られ予後不良だった馬の手術
き買い物をした。
を見た。今回は肩の壊死片を取り出し、中を
洗浄していた。手術後、全四肢をクレーンで
― 67 ―
吊って、覚醒の部屋へ移動。大掛かりな作業
ス先生の奥さんに明日から会えなくなると思
だった。
うと無償に寂しかった。飛行機では爆睡し、
あとは、昨日入院した馬の内視鏡を使った
シドニー空港で日本人を見掛ける度、帰るこ
子宮固定術の手術や両肢が靭帯炎の馬にエ
とを実感した。日本に着くと、到着ロビーで
コーを当てながら、幹細胞注射をしているの
解散。
を見た。
今日はブレイス夫妻をホテルに招いて、す
まとめ
き焼きとパックのご飯を温め、ご飯会。いつ
ブレイス夫妻をはじめ、テネシーの人達は
ものお礼のはずが、可愛いテネシーのプレゼ
皆親切で、人の温かさを感じた。積極的に伝
ントをもらってしまった。
その後、
ラストプー
えようとすれば、皆ちゃんと聞いてくれて、
ルへ。
また私は英語力がなかったので、専門英語が
入っている電子辞書が本当に役に立った。日
9月2日(大動物実習5日目)エキゾチック
本と違い、学生の実習環境がすごく整ってい
楽しみにしていたエキゾチック。先生がす
るのが良いなあと感じた。本当に貴重な経験
ごく良い人だった。ウサギの新生仔、足を怪
ができた2週間だった。
我したアヒル、白インコ、コバト、骨折した
ブレイス夫妻、高野先生、テネシーメン
オウムなど色々な動物が入院していた。車に
バー、お世話になった方々へ本当にありがと
轢かれ甲羅が割れたカメがきて、首に鎮痛剤
うございました。
を打たせてくれたが、結局死んでしまった。
オウムは吸入麻酔をかけてからレントゲンを
撮って、骨折の整復をしていた。鷹がきて、
成田 美輝
足の付け根から点滴をし、肩甲骨あたりの羽
根が傷ついていることが分かった。
8月 20 日(土)
お昼にブレイス先生から修了書をもらい、
朝9時に成田空港集合、
まさかのリーダー・
お弁当を皆で一緒に食べた。
桃﨑、パスポートを忘れて 15 分遅刻。男2
夜はフライ先生の家でパーティ。皆でテ
人の携帯電話が海外で使えないことが判明し
キーラを飲んで、ライムを齧った。サラや小
たり、荷物を預ける時に少しゴタゴタしたり
動物の Dr も来てくれて、卓球や Wii のマリ
するも、その後は順調に出国。飛行機の席は
カーで熱中して遊んだ。明日は、朝が早いの
みんなと離れ離れ。2人席で隣は日本人の
で、程々にお開き。最後に皆で写真を撮った。
女性、少し広かったのでゆったりと座れて、
ほとんど熟睡していた。11 時間のフライト、
9月3日4日
シカゴ空港に到着。
入国審査を無事終え、
ノッ
テネシー空港で、まさかの荷物重量オー
クスビル空港行きの飛行機が出発するまでの
バー。ブレイス先生にも心配されながら、な
4時間を空港内でつぶしていたら、豪雨と雷
んとか検問も通った。英語が苦手でブレイス
で飛行機の出発時間が1時間以上も遅れた。
先生とはあまり会話ができなかったが、毎朝
1時間半ほどでノックスビル空港に到着、ブ
迎えに来てくれて、いつも私達のこと考えて
レイス夫妻が大型のバンとトラックで出迎え
行動してくれたブレイス先生と優しいブレイ
てくれた。とっても気さくな夫婦で、ホテル
― 68 ―
まで送ってくれた。夕食は近くのメキシコ料
Dr.Strokes、小柄の女性で、とても活発な人
理店で、値段の見方も注文の仕方も曖昧のま
だった。内科では Maranda という4年生
(ア
ま購入。味はよかった。アメリカではペット
メリカの獣医学科は4年制)の学生に付くこ
ボトル以外の飲み物を買うとき、紙コップを
とになり、診察に同行させてもらった。最初
買って、それに自分で入れる形式だった。し
の診察は学生が1人で問診を行う。症例は他
かも、おかわり自由。ホテルに帰って、みん
院で膀胱結石と診断されたゴールデン・レト
な疲労困憊で、時差ぼけの修正も兼ねて早め
リーバーで、他院で撮影した腹部X線写真で
に就寝。ちなみに男子部屋はベッドが2つ、
は膀胱内に直径1~3cm の不透過性の球体
1人はソファーベッドで我慢。時差ぼけのせ
が 10 個ほどあった。問診が終わると、いっ
いか、みんな何度か目が覚めた。
たん診察室から退室し、研修医・教授と問診
の内容を確認し、検査方針を決定した。今度
8月 21 日(日)
は学生と研修医が診察室に行き、研修医から
10 時にブレイス先生が車で迎えに来てく
検査の内容と必要性を説明し、検査の了承を
れた。ホテルから 20 分くらいでテネシー大
得て、患畜を預かった。この症例では膀胱結
学に到着。獣医学部のキャンパスを案内して
石の他に、膀胱内の腫瘍も鑑別するため、C
くれた。とにかく広い。大学内にはたくさん
BC・凝固系検査・腹部X線撮影・腹部超音
の建物があり、まるで1つの街のようであっ
波検査などを行った。結果、不透過性の球体
た。昼ごはんにハンバーガーを食べたが、日
は全て膀胱結石と診断された。後日オペを行
本とは違ってしっかりとした作りだった。さ
うことになった。他にも腹腔マスの再診やヒ
らに、店の中には落花生が山のように積まれ
ストプラズマ症の犬が来院していた。
ていて、自由に食べることが出来た。ハン
バーガーも十分おいしいが、この落花生がか
8月 23 日(火)
なりおいしかった。その後、ホテル近くの
今日は “Internal medicine” 2日目。昨日
walmart に行き、当分の食料と必要なもの
同様、診察に同行させてもらった。1件目は
を購入。ここもありえないほど広く、さまざ
かかりつけの病院でクッシング病が疑われて
まな物が売られていた。部屋に帰ってから、
紹介来院したトイプードル。腹部X線写真で
リーダーが野菜とベーコンのスープを朝食用
は腹水が見られた。研修医と学生の話し合い
に作ってくれた。この日の夕食はブレイス先
で鑑別診断として蛋白漏出性胃腸症があがっ
生の自宅に招待された。ブレイス先生は外で
た。検査のため、
患畜を預かることになった。
大きな肉の塊を焼いてふるまってくれた。
クッシング病の鑑別検査を行うかどうかは検
査結果が出てから飼い主と相談して決めるこ
8月 22 日(月)
とにした。2件目は開業病院で尿石による部
今日からいよいよ研修期間、第1週目は
分尿道閉塞が診断されていたブービエ。飼い
小動物診療、今日はその中でも“Internal
主はレーザー破砕術を希望して来院した。検
“内科”である。ブレイス先生
medicine”、
査を行った後、レーザー治療以外にも、尿道
がホテルから大学まで送ってくれて、その後
内の尿石をカテーテルなどで膀胱内に戻し
1人ずつ研究室まで案内してくれた。内科
て、膀胱切開で取り出す治療法も提示してい
の研究室で最初に紹介されたのは准教授の
た。
― 69 ―
夕食は高野先生が水炊きを作ってくれた。
院したペキニーズ。飼い主の話では別段変わ
アメリカに来て4日目、早くもさっぱりとし
りはないとのことだったので、2週間に1回
た味が懐かしく感じていた。
の通院を1~2ヶ月に1回に減らすことにし
た。2件目はジャックラッセルテリア、
頻脈・
8月 24 日(水)
頻呼吸が主訴で、1ヶ月前に開業病院で心内
今日は “Cardiology”、
“心臓科”である。
膜炎が疑われると言われた。聴診では呼吸音
教授は Dr.Gompf、ぽっちゃりとしていて、
しか聞こえず、心音を聴取することは出来な
一見怖そうな先生だが、話してみるととても
かった。ECGはいたって正常で、心エコー
親切な人で、教育熱心な先生だった。朝から
では心内膜炎は発見されなかった。
心エコー検査が入っていた。患畜はシーズー
診察後、
また勉強会。
今日はスライドを使っ
で、収縮期雑音、左右グレードⅤ/Ⅵ。心エ
て慢性弁疾患の病態から治療まで講義した。
コー検査の結果、僧帽弁閉鎖不全症と診断さ
話していたことは聞き取れないことが多かっ
れた。
たが、今日はスライドだったので昨日よりは
その後、勉強会、この日は拡張型心筋症
講義の内容が分かってよかった。
の治療に関する内容だった。ホワイトボー
今日の夕食はホテルの近くにある “Olive
ドを用いて、いろいろ話していたが、ほと
Garden” というイタリアンレストランに行っ
んど聞き取ることは出来なかった。その後、
た。実はここは数日前に来たのだが、満席で
Joseph さんの診察に同行した。1件目は2
入れなかった店だ。今日はホテルの人に頼ん
週間前からふるえ・多飲多尿が見られ、2日
で予約をしてもらっていたから大丈夫。と思
前に嘔吐したジャックラッセル。2件目は心
いきや、店に行くと予約は入っていませんと
室性期外収縮・上室性頻拍・心房細動・乳び
言われてビックリ。後からちゃんと予約され
胸があるアメリカンドメスティックヘア。診
ていたことが分かって一安心。店はなかなか
察後、また勉強会。今度はあらかじめ先生が
いい雰囲気で、なにより担当してくれたウェ
出していた宿題の答え合わせをするとのこと
イターの人が面白かった。料理の前にパンと
だった。宿題の内容は症状とECGから考え
サラダが出て、それだけでお腹いっぱいにな
られる疾患と治療法などを答えるものだっ
るくらいで、料理もおいしかった。最終的に
た。はっきり言って難しかった。会話の中身
パンはお持ち帰り。
もいまいち分からず、ECGも所見を述べる
ので精一杯でなぜそうなるのかは答えられな
8月 26 日(金)
かった。
今 日 は 待 ち に 待 っ た “Orthopedic
ホテルへ帰って、スーパーに買い物に出か
“整形外科”である。しかし、教
surgery”、
けて、山さんがバケツアイスを購入。4ℓ以
授に今日は1日ミーティングだと言われた。
上あって、ホテルへ戻って4人で食べ進めて
それはさすがに嫌だなと思っていると、先生
も2割くらいしか減らなかった。
が気を利かせて、隣の軟部外科が手術をする
から見てくるといいよ、と言ってくれた。早
8月 25 日(木)
速軟部外科に行き、訳を話して、手術室に入
“Cardiology” 2日目。今日も診察に同行
れるようにしてもらった。1件目はラブラ
させてもらった。1件目は高血圧の再診で来
ドールレトリーバーの右前肢に血管肉腫があ
― 70 ―
り、断脚するとのことだった。北里の大学病
一番先頭だった。ガイドのマークさんの指示
院とは剃毛・消毒・手洗いの方法などさまざ
に従いながらラフティングを堪能した。め
まな点で違いが見られた。手術内容は北里と
ちゃくちゃ楽しかった。楽しめるポイントが
ほとんど変わらなかった。2件目は左前葉に
いくつもあり、そのたびに頭から水をかぶっ
マスができた雑種犬で、肺葉切除を行った。
た。途中流れが穏やかな所で泳ぐことも出来
授業で教わったとおりの方法で進んでいった
た。
降りてから聞いた話だが、
もう1つのボー
のでとても進行が分かりやすかった。どちら
トに乗っていたリーダーが序盤でボートから
の手術でも共通していたのが、患畜の周りに
落ちたらしい。
術者・研修医だけでなくさらに学生がいたこ
帰りの車はみんな疲れていたけど、若干ハ
とだ。どちらの手術でも術者の先生が研修医
イテンション。途中でブレイス先生おすすめ
や学生に色々教えながら手術を進めていた。
のレストランで夕食にした。帰ろうとしたら
教わる側としてはとてもいい機会だと思っ
ウエートレスの人があわてて走ってきた。手
た。
に持っていたのは高野先生のカバンだった。
夜はリーダーが腕によりをかけて料理を
イスの下に置いたままだったらしい。危ない
作ってくれて、明日が休みだということも
危ない。夜は部屋でみんなとおしゃべり。河
あって、ビールを飲んでいる人が多かった。
合さん、まさかの爆睡。みんなで寝顔を撮影
夕食の後はみんなでホテルの周りをお散歩、
していたら慌てて起きたけど、すでに遅し。
軽くショッピングも楽しんだ。
8月 28 日(日)
8月 27 日(土)
朝の空いた時間で walmart 近くの雑貨屋・
今日は待ちに待った休日、待ちに待ったラ
ペットショップ・文房具店でショッピング。
フティングだ。10 時にブレイス先生が迎え
12 時にブレイス先生が迎えに来てくれて、
に来てくれて、そこから1時間半くらいドラ
west town mall へ。そこで今年日本に来る
イブをして目的地に到着。ラフティングの案
ことになっているサラさんと合流。マーケッ
内所みたいな所でブレイス夫人お手製の昼食
トには電子機器店・アイスクリーム屋・服屋・
を食べた。から揚げ・チョコクッキー・フ
音楽ショップ・チョコ専門店などさまざまな
ルーツ・お菓子でかなりお腹いっぱい、これ
店があった。昼食はフードコートでみんな思
からラフティングだけど大丈夫かなぁ。靴の
い思いのものを買って食べた。ちなみに自分
貸し出しがあると聞いていたが、貸し出しで
は udon があったのでそれを注文。久しぶり
はなく販売だった。しかたがなくラフティン
に日本らしいご飯にありつけたが、よく考え
グ用?の靴を購入。
外にテレビ画面があって、
ると全然足りず、中口さんからチキンサラダ
先にラフティングをやっていた人たちの写真
を分けてもらった。ちなみにチキンサラダは
がスライドショーで流れていた。中にはボー
バカみたいにデカかった。
トごと転覆した人たちもいて、ちょっと緊張
途中でサラさんの同級生のナンシー・クリ
してきた。注意事項を聞いて(もちろん英語
スティーナと合流し、ダウンタウンへ向かっ
の)
、ライフジャケット・ヘルメット・オー
た。ここでもショッピング。いくつも雑貨屋
ルを持ってバスに乗って上流へ。5人ずつに
を回って、みんなお土産をたくさん買ってい
分かれて、いざ出発。自分は山さんと一緒に
た。
品揃えの多さと安さにただただビックリ。
― 71 ―
しかし、リーダーが求めるジッポはいくら探
してもらっていた。何も学ばない飼い主もい
しても見つからなかった。途中でアイスク
たものだと研修医の先生が言っていた。とて
リーム屋によった。アイスはとってもおいし
も痛々しい感じだった。フルニキシンメグル
かったが、店のにおいがあまりよくなかった。
ミンで鎮痛し、傷の周りを毛刈りし、洗浄し
3人おススメの店をあらかた回ったので、少
た後、傷の深いものはデブリードし、傷を縫
し離れた所にあるアジアスーパーに行き、食
合した。
料を購入。日本のものも売っていた。
昼食は自分と河合さんと高瀬さんの3人で
夕食は近くのレストランで。サラさんがカ
カフェテリアに行って、サンドイッチを注文
バンから「関西弁の話し方」みたいな本を出
した。
間に挟むものを自分で選ぶことができ、
してきてビックリ。今度、日本に来るから日
欲張っていたらかなり大きなサンドイッチに
本語を勉強しているらしい。勉強する言葉を
なってしまった。でもおいしいから全部食べ
間違えているような気もしたが、みんなで地
てしまった。ホテルへ帰って夕食を食べた
元の言葉を教えた。ちなみに自分は津軽弁を
ら、みんなで walmart や雑貨屋にくり出し
少々。
てまたショッピング。帰りに水を追加で買っ
ていった。
8月 29 日(月)
今 週 は 大 動 物。 今 日 明 日 は “Equine
8月 30 日(火)
surgery”、“馬の外科”である。今日は診察
今日は “Equine surgery” 2日目。1件目
も手術もないので、馬の内科の処置を見学す
は実験用馬の胸骨穿刺。他の研究室の先生に
ることにした。1件目は胎盤停滞で入院中の
依頼されたらしい。2件目は蹄葉炎で入院中
メスの子宮内にカテーテルを入れて洗浄。2
の馬の鍼療法を見せてもらった。背中から後
件目は右頬に肉芽腫性潰瘍がある馬の再診
肢にかけて細い針を数箇所刺して、そこに電
で、1週間前よりも小さくなった。今日は3
線をつないで電気を流して、筋肉を強制的に
回目のワクチン接種。3件目はクライズデー
動かしていた。先生は鍼療法を中国で習得し
ル種という種類の重種馬で、体重が 900kg
たらしい。
もある大きな馬だった。ショー用に移動中に
お昼に時間ができたので、河合さんとお散
疝痛症状を示したので来院、輸液のために数
歩に出かけた。大きな橋を渡ってみたが、ま
日入院することになった。馬の留置針設置を
だ端の方が見えなかった。大学の敷地には各
始めて見た。犬では前足にアルコール消毒だ
種スポーツの専門競技場があり、他にもホー
けで入れてしまうが、馬ではまず頚部皮下に
ルや立体駐車場などさまざまな建物があっ
リドカインを投与し、その後イソジン・アル
た。広すぎる。そして緑が多くて、普通にリ
コールで消毒してから頚静脈に留置針を入れ
スがいた。人に慣れているのか、結構近づい
ていた。犬とは違い留置針は太く長かった。
ても逃げなかった。
その後、外科の学生に呼ばれて外科の処
午後はサラブレッドの両側繫靭帯炎の手術
置室に行くと傷だらけのロバ (65kg) がいた。
を見学した。手術が終わると、麻酔導入した
ペットのジャーマンシェパードに体中を噛ま
部屋まで馬を戻し、部屋を暗くして、みんな
れたらしい。実はこのロバは3ヶ月前にも同
退室した。覚醒時は馬が暴れることがあるか
じことがあり、その時もテネシー大学で治療
ら、危険なので馬だけにしておくらしい。
― 72 ―
夕食はフライ先生おススメのステーキハウ
中、牛が逃げ出したり、足を保定台にはさめ
スに行った。ここでもステーキの前にパンや
てしまったりといろいろゴタゴタしていた。
サラダがあって、それだけでお腹いっぱいに
15 ~ 20 頭くらいは除角した。
なりそうで危ない。ステーキはとてもおいし
ホテルに帰るとみんなでプールに入った。
かった。つけ合わせを選べたのだが、どれも
日中は暑かったが、夜はそこそこ寒かった。
かなりの量があった。値段はだいたい 30 ド
でも他の人の肩に乗ってジャンプしたりし
ルくらいで、アメリカでのご飯にしては少々
て、とても楽しかった。
お高めだが、日本で同じ質のステーキを食べ
9月1日(木)
るためのお金を考えれば安いものだ。
今 日 は “Farm animal medicine and
8月 31 日(水)
surgery” 2日目。研究室に行くと、今日は
今 日 は “Farm animal medicine and
朝に学生の症例発表があるからと言われ、み
“家畜の内科・外科”の予定だっ
surgery”、
んなと一緒にミーティング室に行った。症例
たけど、Dr. スーサに連れられて近くのノッ
発表の内容は「鼻瘻を伴う馬」についてだっ
クスビル動物園へ行った。獣医師と一緒だか
た。最初のうちは患畜の説明だったので、聞
ら、動物園の裏側(治療など)を見られるか
き取ることも出来たが、専門的な話になって
なと思っていたが、完全なる観光だった。動
くるとだんだん分からなくなってきた。
物園に行ったのは 10 年ぶりで、山羊やロバ
発表後、研究室に戻り、今日の予定を聞く
などの家畜、亀や鰐などの爬虫類、サイや象
と、今日は牛が 20 頭来て、削蹄を行う予定
などの大型動物など、さまざまな動物を見ら
になっていた。牛が搬入されて、いざ始めた
れてちょっと興奮した。Dr. スーサはそれぞ
らビックリ。
日本では枠場に牛を固定したら、
れの動物の前でいろいろ説明してくれたり、
削蹄する足を手で持ち上げたりして、鎌形蹄
質問に答えてくれた。園内を一周したら、大
刀などを用いて削っていくが、テネシー大学
学に戻り、大学内で雑貨を売っている店まで
では、枠場に牛を固定すると、枠場が回転し
送ってもらった。大学も広ければ、やっぱり
て牛が横臥位の状態になり、電動やすりのよ
店もでかい。いろいろなテネシー大学グッズ
うなもので削蹄していた。中には蹄の裏に潰
が売ってあった。昼食を食べたフードコート
瘍のようなものがあり、その治療も行った。
も広かったが、それ以上に驚いたのが学生の
半分以上になんらかの病変があり、その多さ
数だ。今まで動物病院の中しか見ていなかっ
に少々驚いた。
たが、かなりの人がご飯を食べに来ていた。
夕食はブレイス夫妻をホテルの部屋に招待
その後、大学内を走る無料バスに乗って動物
して、すき焼きをご馳走した。作ったのはも
病院まで戻り、
診療を見た。白線病の消毒や、
ちろん我らがシェフ、リーダーだ。ブレイス
髄膜虫のラマに投薬などを行っていた。その
先生は新撰組のはっぴを着てきた。何年か前
後、子牛の除角が始まった。子牛を台に保定
の北里大生があげたものらしい。食事にはと
し、鎮静・洗浄・消毒したら、角に向かう神
ても喜んでくれたみたいだ。ブレイス先生に
経をリドカインで局所麻酔した。ワクチンを
お礼を書いたカードあげたら、ブレイス先生
頸静脈から投与したら、除角器で切断し、太
からはお菓子などをもらった。ブレイス先生
い血管を探し出して引き抜き、焼絡した。途
が帰宅後、みんなでプールへ直行した。途中
― 73 ―
から入来さんの水泳教室が始まった。種目は
宅で夕食会を開いてくれた。外で焼いてきて
浮遊。足や手を使わずに水面に体を浮かべる、
くれたソーセージがとてもおいしかった。夕
これが意外と難しくてみんな足が沈んでしま
食後はフライ先生の息子のジョン君と卓球を
う(中には完全に沈んでしまう人もいたが)
。
したり、みんなでテレビゲームをしたりして
入来さんは完全に脱力して、上手に浮いてい
楽しんだ。
みんな最後の夜というのもあって、
た。最後はプールに突き落としたり、突き落
ものすごくはしゃいでいた。
とされたり。
9月3日(土)
9月2日(金)
朝の4時に起きて荷造り、5時にブレイス
ついに米国研修最終日、今日は “Equine
夫妻が車とトラックで迎えに来てくれた。荷
“馬の内科”。研究室に着くとす
Medicine”、
物を荷台に載せて出発。ノックスビル空港に
でに入院患畜の世話をしていた。1件目は自
到着して、荷物を預けたら、中口さんのトラ
力で立つことはできるが、
ふらふらする馬で、
ンクが重量オーバー、2kg くらいを手荷物
斜頸が見られた。倒れて体を柵にぶつけると
に移してなんとかなった。みんなが手荷物検
危険なため、ロープとクレーンで立位の状
査をしている間、ブレイス夫妻は離れてずっ
態で保っていた。検査の結果、Sarcosystis
と見ていてくれた。最後はみんなで手を振っ
neurona に よ る 馬 原 虫 性 脊 髄 脳 炎 だ っ た。
てお別れ。シカゴ空港行きの飛行機は一番前
治療の甲斐なく、その日の午後に死亡した。
の席で隙間風がかなり冷たかったが、それで
2件目、小腸の疝痛症状を示した馬で、昨日
も爆睡だった。シカゴ時間で7時半に到着、
腸閉塞疑いで開腹を行ったが、閉塞部位は確
成田空港行きの飛行機まで5時間以上あった
認されなかった。手術後は輸液・鎮痛剤・リ
ので、空港内をぶらぶら。搭乗ゲートに行っ
ドカインを投与して経過観察していた。その
てみると、他のメンバーが何人かいたが、ほ
後、広い部屋にみんなが集まっているのを見
とんど熟睡していた。成田空港行きの飛行機
て、中に入ってみると馬が1匹手綱でつなが
は約 13 時間、行きの飛行機とは違って、み
れていた。学生に話を聞くと、今から安楽殺
んなで固まって座ることができた。それでも
を行うとのことだった。その原因はその馬の
半分以上寝ていた。残りの半分で映画を見た
攻撃性だった。他の馬を攻撃し、飼い主の言
り、ゲームをしたり時間を過ごした。入国審
う事も聞かなくなってきているらしい。手綱
査・検疫はあっさりと通り、外で最後に締め
をもつ研修医の先生もなんとかハンドリング
をして解散。長いようで短い2週間の米国研
している状態だった。Xylazine を筋肉注射
修が終わった。
し、鎮静をかけてから、Pentobarbital を静
脈内に急速に投与すると、馬はグラっとゆら
アメリカ研修は学ぶこと・驚くことがたく
いで倒れた。教授が心音を確認し、死亡を飼
さんあり、参加して本当によかったと思う。
い主に伝えた。
英語を話せないことが心配だったが、向こう
この日の昼食はブレイス先生とみんなで集
の人たちはこちらが何を言いたいのかをなん
まって食べた。その後、ブレイス先生から一
とか理解しようとしてくれた。日本よりも人
人一人、研修修了書を手渡された。ついに終
と人との距離が近く、気さくに物を話せてよ
わるんだなと実感した。夜はフライ先生が自
かった。日本とは違う風習がアメリカには
― 74 ―
あったが、中には日本でもやってみようかな
通されました。その後も外へ出るとお約束の
と思うことがたくさんあった。今回の研修は
大雨&雷・・・どんだけアメリカに嫌われて
実り多き研修だった。
んだよ。
次の飛行機までの待ち時間に初めて英語で
Dear the UT folks,
買い物。たくさんメニューはあるもののどれ
I appreciate very much that you were very
がなんだか全く分からず迷った挙句自信満々
kind to us during our stay in Tennessee,
に「Please this one」と写真を指差す自分。。。
especially Dr. Brace &Mrs. Brace. Thanks
情けな…もう一度スタバでリベンジ。おば
to you, we had a good time at every section,
ちゃんはニコニコしながら優しく対応してく
especially small animal. I never forget
れてうまく会話できた!おばちゃん… I love
this trip. I want to make the most of this
you
experience. Thank you.
その後も雷雨の影響で飛行機が遅れるとい
うアクシデントもあったが Dr ブレイス夫妻
Yoshiki Narita
(ジムとコニー)に出迎えてもらい滞在先の
ホテルに到着。これからの2週間は楽しみだ
がとりあえずは長旅の疲れを癒すためみんな
早めに床に就いた。
桃﨑 昂
P.S. 来年の皆さんへ 前日は成田空港のソ
ファーで寝ることをお勧めします。
1 日目
初日から完全にやらかしました。8 時半に
は成田に着く電車に乗る予定がまさかの忘れ
2 日目
物。
今日はジムが迎えに来てくれて大学を見学
更になんとか走って間に合ったのに焦りす
に。当然アメリカの大学だからでかいとは
ぎて違う電車にのるという・・・更に、最後
思っていたが完全に予想を上回っていた。そ
の降りる駅が「成田空港」なのかそれとも「第
れに日本よりも研究室がかなり細分化されて
2ターミナル」なのか。自分が行きたいのは
いて驚かされた。病院内見学しながらジムに
「成田空港第2ターミナル」
なのに !! どっち !?
仕組みを説明してもらう。こっちの大学病院
めっちゃ取り乱して人に聞きまくりなんとか
では診察から治療、飼い主への説明まですべ
「第2ターミナル」で飛び降りみんなのもと
てに担当した学生が主体となって携わる。飼
へ。なんとか間に合ったからいいものの、高
い主側もそれを理解したうえで来ており、そ
野先生をはじめテネシー組の皆様、多大な心
の分値段も比較的安いらしい。確かにこれな
配とご迷惑をおかけしたことをここに深くお
ら卒業後にすぐに使い物になるのもわかる。
詫び申し上げます。
かなり大変そうではあったがいろいろと教え
何はともあれ快適な空の旅を経てシカゴに
てもらいながら診察したり治療ができるとい
到着。早速入国審査が始まりみんな何事もな
うのはうらやましい限りであった。
く通過していくのできっとわかりやすくて親
切な尋問なんだろうなと思いきや全く聞き取
3 日目
れず・・・若干キレ気味にいろいろ言われ渋々
実習第一日目。学校へ向かう車の中みんな
― 75 ―
完全に不安でナーバスに。学校に着くころに
たが情けなく、
申し訳なく思い謝ると彼は
「気
は全員軽い鬱状態だった。全員ジムに連れら
にすることはない。英語を話そうとトライし
れ一人ずつ研究室に置いて行かれる。実習終
てるだけでも偉い。わからないことがあった
了後の集合場所も決める前にジムにいきな
らいくらでも聞き返してくれ」と言ってくれ
り「Akira!」と呼ばれでっかいお兄さんの前
た。なんだかすごく救われた気がしてその後
に突き出される自分。
「だめだ…もう終わっ
は前よりも自分から話しかけられるように
た。せめて優しくしてください…」
なんて思っ
なった。
てる間にもお兄さんはぺらぺらとしゃべりだ
す。第6感までフルに活用してなんとかその
4日目
場を切り抜け最初の実習先 Anesthesia での
今日からは Neurology での研修スタート。
研修が始まった。最初はヒラリーという学生
今日は診察の日で朝から大忙し。診察の内容
について回っていくつか手術の麻酔を見学し
は授業でやったばかりの神経学的な検査だっ
て回ったが何を話しているのかネイティブの
たが日本とは少し手法や項目が異なってお
会話は聞き取れず悪戦苦闘していたが徐々に
り、カルテに記載された内容と自分の自分の
自分から質問することで概要は理解できてき
知識を一致させるのに時間を要した。明日は
た。しかし、その後のそれぞれの学生が作成
ヘミラミネクトミーの手術を見学できるとい
した麻酔のプロトコールを発表しあうカン
うことで非常に楽しみだ。
ファレンスでは完全に撃沈した。質問に対し
てはみんなわかりやすく説明してくれること
5日目
は分かったので、明日は受け身でなくもっと
今日は午前から大変な一日だった。患者は
もっと自分から積極的にいって獣医の研修ら
ダックスフントで昨日の夜中に突然痛みを訴
しくなるようにしたい。
え始め立てなくなった。飼い主に手術をして
も治らない可能性も高いことを伝えるとあま
4日目
りの突然さに飼い主は事態がのみ込めず泣き
少しずつ時差ボケも治って今日こそはと気
出してしまった。先生は選択肢の一つとして
合を入れて大学へ。今日は抜歯の麻酔管理か
安楽死も提案したようだったがそこで誤解が
ら始まった。初めて実際に間近で見る口腔内
生じたようで飼い主と口論になってしまっ
の治療はたくさんの器材を駆使していて実に
た。正直英語の口論は全然聞き取れずただ立
興味深いものだった。いろいろ治療について
ちすくむだけだった。その後ソーシャルワー
の質問をしたり、日本との麻酔管理の仕方の
カーがカウンセリングに入り、最終的には安
違いなどを質問して大変充実した午前中を過
楽死をすることになったが気持ちは晴れな
ごした。
かった。
お昼休みに食堂でホットドック ( 店員の
言ったことがよくわからずパンにソーセージ
6日目
のみ ) を食べていると同じ科のアレンに会っ
今日は Physical Therapy での研修だった。
た。彼は最初ばぁーっと早口で質問してきた
大学見学の時に見た充実した設備を実際にど
が自分が聞き取れていないのを悟り、ゆっく
のように使うのか興味があった。そこの科は
り丁寧に話しなおしてくれた。ありがたかっ
人が少なくその日は忙しかったこともあって
― 76 ―
いろいろと手伝わせてもらえた。ほとんどの
の往診をする科だった。
患畜は脊椎に何らかの問題があり、それの治
往診用のトラックに乗り換え学校を出発。
療後に残った麻痺のためのリファビリだった
20 分ほど走って農場へ。患者はミニチュア
が、中には関節の手術後のリファビリやダイ
ホースで身体検査後車から様々な機材が運び
エットのために来ているものもいた。今まで
出されて検査がすすめられた。内視鏡検査や
研修してきたところとの大きな違いはほとん
X線検査の結果餌と一緒に食べたワイヤーが
どの治療が動物を意識下でうまくコントロー
咽頭壁に突き刺さり、それが組織に包まれて
ルしながら行わなければならないことだっ
気道を圧迫しているとのことだった。
た。そのためどうしたら動物の不安を軽減し
次に行った農場では馬の臍ヘルニアを見る
てあげられるか、どうしたら効果的な治療に
ことができた。痛みのせいで少し馬の気性は
なるのかを常に考えながら行わなければなら
荒かったがゆっくりと体に触れながら近づき
ないので違った意味で大変な実習だった。
ヘルニア部を触らせてもらえた。
その後大学に戻り保存してあった馬の肢を
休日 (7 日目、8 日目 )
用いて手術の練習を行った。少人数で直接
今日は久々の休日。ジムとともにラフティ
Dr から指導を受けられるのでかなり勉強に
ングに行くことに。日本の川下りすらしたこ
なっていた。
とないのに初体験がアメリカなんておれもず
いぶんグローバル化したもんだ。なんて浮か
10 日目
れていたら説明のビデオでラフティングが案
Equine field service 2日目。今日は血液
外ハードなものだと知り、絶叫系が苦手な自
検査所見に異常があり跛行を示している馬の
分は内心めっちゃどきどき。焦りすぎてジム
往診から始まった。グロブリンと桿状核好中
に「What do you feel?」って聞かれて「Yes,I
球の数値が高いため何かしらの感染が疑われ
do.」なんて答える始末…情けない…
たが、蹄鉗子の検査では明らかな反応は見ら
バスで上流に移動しガイドさんと合流。い
れずもっと詳しい検査が必要ということに
よいよラフティング開始。思っていたよりも
なった。
船はゆっくりで
「案外余裕じゃん」
なんて思っ
その後はいったん学校に戻り削蹄と蹄鉄の
た瞬間!ただ一人船から転落。サングラスを
装着を見学。道具ややり方は日本で見たもの
かけたまま情けなく水面を漂いガイドさんに
とは違う部分もあったがスピーディーかつリ
引き上げてもらう羽目に…まさか開始 10 分
ズミカルで見ていて面白かった。
で転落なんて誰が予想したでしょう?・・・
その後はもう一件往診。30 分ほどかけて
完全に期待どおりでした。
到着したがオーナーが現れず 30 分程待つこ
その後は誰一人転落することなくゴールに
とになったが、先生たちはいたって普通な様
到達。サングラスしてるのに日差しが妙にま
子。こういったことはよくあるみたいで多少
ぶしい夏の夕暮れだった。
のルーズさはアメリカでは普通みたいだっ
た。やっと飼い主が現れ診察開始。眼に異常
9 日目
があるという主訴だったが体温もかなり高く
今日からは大動物の研修が始まった。最初
感染も疑われた。フルオルセイン染色の結果
の実習先は Equine field service, いわゆる馬
やはり傷があり水泡が形成されていることが
― 77 ―
わかった。飼い主への投薬の指導をしてこの
た。
日は終了。アメリカでの研修も残すところ 3
先生いわく、フェレットは副腎のトラブル
日。最後まで気を引き締めていこう。
が多く今回もその可能性が高いようだ。
11 日目、12 日目
13 日目
今 日 か ら は ま た 科 が 変 わ り Avian &
研修最終日。今日は Equine surgery での
Exotic での研修、だがその前に動物園の見
研修だった。この日最初に見た症例はひどい
学に行った。正直動物園なんて 10 年近くいっ
神経症状をもつ馬で狂犬病も疑われていたが
てなかったし対して興味もなかったのだが、
ザルコシスティスという寄生虫が脳神経系に
初めて見る動物が多くて年甲斐もなく興奮し
寄生していることがわかった。ここまでの症
てしまった。日本で見られる動物も展示の仕
例になるともう助けることは難しく安楽死を
方がいろいろ工夫されていて動物を間近で見
するしかなかった。
ることができたり、動物の自然な姿が見られ
次に見たのは狼歯の抜歯だった。抜歯自体
るようになっていて大人が見ても面白い作り
はそれほど特別なものではなかったが麻酔の
になっていた。
使用法に違いがあったり、大胆な器具の使い
午後は大学に戻り実習再開。まず見たのが
方にドキドキしながら見ていた。
ガチョウだった。そのガチョウは BB 弾で肢
お昼休憩をはさみ馬舎に戻ると何やら緊迫
を撃たれており、X線検査の結果関節内骨折
した空気が…恐る恐る学生に聞いてみると気
をおこしていることが分かった。治療しても
性が荒すぎて周りの馬を攻撃してしまう馬を
野生で生き残っていくのは厳しいということ
飼い主の依頼で安楽死するのだという。日本
で安楽死することになった。野生動物の場合
でもそういった話を聞いたことがなかったわ
こういう例は少なくないという。悲しいこと
けではなかったが、人に飼われているからこ
だが人はだめでも動物なら何をしてもいいと
そのこの問題で一つの命を奪うということに
思っている人がいるようだ。
正当性があるのかどうか自分の中で答えを出
もう一件の症例はウサギの腸ヘルニアだっ
すことはできなかった。
た。驚いたことにその手術の術者は学生だっ
た。先生はただ口出しをするだけで全部学生
14 日目
が行っていた。気軽にやっていいものではな
帰国の朝。前の日のフライ先生のうちでの
いと思うが自分も学校でこんな機会があった
飲み会が楽しすぎてその余韻とアメリカでの
らなぁとうらやましく思った。また犬や猫よ
2週間を思い返していたら結局ほとんど眠れ
りも小さな動物の麻酔や手術の手法は変わっ
ずに空港へ。自分は迎えに来てくれたコニー
ていて興味深かった。
の車に乗り最後の会話を楽しんだ。最初は不
次の日は皮膚症状を持つフェレットが連れ
安だらけでどうなるかと思っていた研修生活
てこられた。一通り身体検査をしてからX線、
もたくさんの人の親切さに助けられ、あっと
超音波検査をすることになった。どうやら内
いう間に過ぎてしまった。特にジムとコニー
分泌系の異常からくる皮膚症状のようだった
には2週間お世話になりっぱなしで言葉では
が、残念ながらこの日には検査結果がすべて
言い表せないほどの感謝の気持ちでいっぱい
そろわず確定診断をすることはできなかっ
だった。空港のゲートで別れの挨拶をしてい
― 78 ―
たら自然と涙が出てしまって止まらなくなっ
あって町に出たのかと思ったけどまだそこは
た。たった2週間ではあったが本当に濃縮さ
大学内で ...。緑もいっぱいあってこんな所
れた時間で別れを辛いものにするには十分な
で大学生活送れたら幸せやなぁとしみじみ。
時間だった。本当にお世話になりました。
動物病院はキャンパスの少し外れたところ
にあって大・小動物ともに一か所にまとめら
れていました。小動物の方では診察室が 15
個もあったり、各科ごとに ward が用意され
Dear everyone in UT
At first our heart were filled with
ていたりとすべてが大きく、またリハビリ
anxiety,but thanks to everyone we could
テーションの部屋にはウォータートレッドミ
succeed with this course. People we met in
ルや酸素室などもあり機械などがとても充実
UT were very gentle and friendly. I never
していました。大動物には馬専用の入院室が
forget a lot of experiences and the meeting
あって、しかもとてもきれいに管理されてい
with everyone.If I have a chance to visit
るのに驚きました。また馬の入れるような酸
US I want to go to UT again.
素室もあってこれも普通に使用されているみ
たい。
その横に大きな機械があったんだけど、
Akira Momosaki
ローリング用の機械で保定にも使ったりする
らしいけどローリングって大勢の人がロープ
とかで転がしているイメージしかなかったの
で驚いた。
森本 奈緒美
夜はブレイス先生のお家でパーティーを開
8 月 20 日
いてくださりました。ジムのお家にはテラス
今日は出発日。そしてあたしは生まれて初
的な所もあって、ここで飲むビールは最高で
めての海外旅行です…。すこし緊張してい
した☆インテリアがかわいくて素敵。そこに
ます。9 時に成田に集合して 11 時発のシカ
は先生夫妻も来てくださっていて自家製の餃
ゴ行に搭乗 !! すでに成田の集合時間に遅れ
子は本当においしかったです★コニーの手
た人もいたけど…。シカゴに朝 7 時に到着
料理もどれもおいしくて本当に楽しいパー
してみると嵐で結局テネシー行の飛行機も 1
ティーでした。日本からのお土産も喜んでく
時間以上遅れたりしてようやくノックスビル
れたみたいでよかった☆
空港に到着。もうすでにブレイス先生と奥さ
んのコニーが迎えに来ていて車でホテルま
8 月 22 日・小動物 1 日目
で送ってくださいました。明日は welcome
初日と 2 日目は整形外科に参加しました。
party を開いてくれるそうでとても楽しみで
今日は診察日。ここではどこの科でも学生が
す。
まず最初に診察していました。年齢も学年も
違うけれども自分が最終学年になった時にこ
8 月 21 日
んなにうまく診察できるかどうかと思うと学
午前中ブレイス先生と大学見学へ――。テ
生のレベルに驚き…。この日 CCL とパテラ
ネシー大は本当に広い !! 最初車で大学内を
が多く、診断を見せてもらってる時にドロ
見て回ってたけど道路とか信号とかも普通に
ワーサインだったりコンプレッション試験
― 79 ―
だったりをやらせてもらっていい経験になり
ンニングで大腿骨頭の骨折のピンニングを行
ました。それにしてもパテラが外れる瞬間が
う時にピンが股関節に影響しないようにする
ものすごく気持ち悪かった…。それにレント
ために何度も出し入れして慎重に行っていま
ゲン撮影をする時に必ず鎮静をかけるので、
した。ここはオペ室自体は小さいけど中に入
撮影後、鎮静から覚めない犬が床にゴロゴロ
る人も少なくて器具出しもいらない。音楽も
常に 2-3 頭ぐらいたまっていて不思議な光景
流れてるし、すごいいい雰囲気で手術が行わ
でした。また整形外科は他の科に比べて忙し
れていたのが印象的でした。今日の手術のな
い割に学生が 2 人しかいなので私なんかに
かで関節鏡を使った FCP の手術があったけ
構ってる時間もなく部屋に放置状態のことも
ど時間的に見れなかったのが少し残念でし
しばしば…。だから一生懸命学生について
た。整形ってやっぱり忙しいんだなってのが
行っていっぱい話しかけてってやらないと本
感想。うちの研究室も忙しいけどどこも忙し
当にひとりぼっちでした。そして今日はお昼
いみたい。
食べれなくって本当に疲れました。それにし
今朝は高野先生が寝坊しました。なので、
てもアメリカは大型犬しかいない。チワワで
晩御飯に水炊き作ってくれました☆アメリカ
すら大きかった。
にもポン酢ってあるんだね。もう本当におい
夜みんなで桃くん特製パスタを食べてから
しかったです。日本の味って素敵です。
今日の実習についての復習会をしました。う
ちら真面目やなってこの時は思っていたけ
8 月 24 日・小動物 3 日目
ど、この復習会は今日が最初で最後でした。
今日から麻酔科です。北里にはない科だっ
たから実は整形より楽しみでした。最初麻酔
8 月 23 日・小動物 2 日目
科に行くと学生はカンファレンス中で、レジ
この日、ホテルの朝ごはんがフリーなこと
デントの先生のお手伝い。一番最初に麻酔か
に気づく。朝用のベーグルとかいっぱい買っ
ける子の前投与薬を打ちに行くそうでついて
たのに…。
行ったんだけど、薬打っていいよと言われた
今日の整形外科は一日中手術日です。全部
ので挑戦。日本では投薬とか出来ないから
で 4 件。朝からずっと手術でした。1 件目は
すごく緊張したけど投薬後に褒めてもらえ
シェパードの肘突起癒合不全の子の手術でし
て嬉しかった。アメリカって excellent とか
た。術式は私がいつも見ているものと変わら
perfect!! とかすぐに言ってくれるから勘違い
なかったのですが、分離した肘突起を除去し
してしまいそうです。
て終わりだと思ったら、そのまま術野を脛骨
今日は前投与から見ていたこの手術の麻酔
の方まで広げて、腓骨の骨切りが始まりまし
を見させてもらうことになりました。術中の
た。こんなの日本で見たことないし正直わざ
麻酔管理は全て学生に任されていてベンチ
わざ侵襲増やすのもよくわからなかったけれ
レーターの調節とか術中に必要な薬とかも判
ど、骨切りを行うことで今後肘関節にかかる
断しなきゃいけないみたいでたまにレジデン
負担が減るみたいです。だから術後すぐの痛
トやドクターが確認するくらいです。そして
みは骨切りをしない時に比べて大きいけど、
この手術の麻酔の担当だった Rachael がす
今後の事を考えると骨切りを行ったほうがい
ごく優しくてすごくかわいい☆手術が終わっ
いみたい。もう 1 件は交通事故の骨折のピ
てからは ICU に移動し、抜管してからある
― 80 ―
程度覚醒するまでを麻酔科がみます。その後
ボードに welcome to Naomi Morimoto from
正常に戻るまでは ICU にいるテクニシャン
Japan!! の文字が !! 感激です。麻酔科本当に
や学生に任せて次の仕事に移ります。
いい人だらけ。
手術が終わってからレイチェルにランチ
最初に留置を取るところや挿管から手術室
に連れて行ってもらいました。そこは ranys
に入るまでのバギングをお手伝いさせてもら
というサンドイッチ屋でレイチェルお気に入
いました。バギングのやり方や機械の使い方
りのお店だったのですが、今までのファスト
が、日本のものと違って少し戸惑ったけど、
フードとは違って久々に野菜たっぷりでとて
何とか無事に手伝えました。
もおいしかったです。しかもおごってもらっ
白内障の手術はそれほど痛みがなく、手術
たりして…。車内やレストラン内で発音が下
時間も短いので普段から麻酔中に問題が起こ
手だったり単語の意味が分からなくて会話に
ることは少ないみたいです。また手術室をあ
ならなかったりもしたけど一生懸命聞き取っ
る程度暗くして行うのですが、眼科のドク
てくれたレイチェルに感謝です。
ターがミラーボール回しちゃうので何だか
大学に戻ってからは明日担当の手術のプロ
ディスコみたいな所で手術していました。
トコールを立てます。明日は白内障の手術を
次に、私の研究室でよく整形の手術をやっ
行う予定で、今までの record や血液検査結
ていると話すと、ドクターが TPLO の麻酔
果を見ながらプロトコールを立てていきま
入りつつ見学してきていいよと言ってくれた
す。この犬は ALP が非常に高かったのです
ので早速 TPLO へ。整形にいる時に見れな
が、ステロイド性の上昇だったため明日予定
かったのでよかったです。またその後、内視
通りに手術を行うそうです。ただ、肝臓や腎
鏡も見せてもらえたりして、麻酔科は担当と
臓の数値が悪い場合でもひどくなければ手術
なる手術についても見学できるのでとてもお
を行うことも多いらしく、ここは日本との違
得だと思いました。
いだなと思いました。
麻酔科のドクターも学生もみんないい人で
最後に麻酔科全員が集まってカンファレン
とても楽しい 2 日間を過ごせました。そし
スを行います。ここでは翌日のプロトコール
てずっと一緒にいてくれたレイチェルに感謝
について発表しみんなで議論します。ドク
です。
ターが時々使う薬の機序などを質問していた
夜ご飯に、ずっと気になっていたけど満席
のが怖かったです。でもこの環境ならば絶対
ばかりで行けなかったイタリアンレストラン
に勉強しなきゃいけなくて逆にいいかもしれ
へ。予約して行ったのに取れてないとかって
ないと思いました。
いうアクシデントもありつつも何とか店内
夜、ホテルのご飯がフリーだと気付く。な
へ。パスタ食べたけれどおいしかったなぁ。
ので、初めてホテルでディナー。しかもここ、
テーブルについてくれたウェイターもイケメ
ビールまでフリーなんです。素敵です。明日
ンお兄さんでお酒ものみつつ楽しい時間でし
からの楽しみが一つ増えました。
た。
8 月 25 日・小動物 4 日目
8 月 26 日・小動物 5 日目
今日もレイチェルについて見させてもらう
今日は小動物最終日です。最後は循環器科
ことに。本当に嬉しいです。そしてホワイト
にお世話になりました。今日は診察が午前中
― 81 ―
に 1 件入っていました。診察に来た犬はグ
す。
レートデーン。本当に大きいです。学生の
ちょうど 12 時ごろに着いたのでランチタ
joe に naomi の方が小さいんじゃない?って
イム♪これもジムがチキンやチップスなど
言われるくらい。実際そうだけど。そしてこ
色々準備してきてくれていました。その中に
の一週間グレートデーンをいっぱい見まし
コニー特製のチョコチップクッキーがあっ
た。グレートデーンは心臓が悪い子も多いし、
たのですがそれがおいしすぎて !!! わざわざ
断脚する子も多いらしいです。今日の子も土
作ってくれたコニーに感謝です。
曜日に急に立てなくなって救急に来た後、循
いざラフティングへ !! ガイドの Ann がす
環器科で詳しく見てもらいに来ていました。
ごくテンションが高くてスタートから楽しい
土曜日よりは状態は良くなっているそうです
予感。何度か流れの速いスポットがあったけ
が実際に心音を聞いてみるとひどい心雑音で
ど、そこで桃君が落ちる。さすがリーダーだ
した。他の学生やドクターもあんまり表情が
ね !! 途中ボートをスピンさせてみたり、流
よくなかったです。
またエコーを見てみると、
れの緩やかなスポットで川に入って浮いてみ
心腔が拡張していて拍動もとても速くなって
たり。日本で一度経験したものよりはるかに
いました。結局この子は拡張型心筋症であま
楽しかったです !! 国立公園ってこともあっ
り長くは生きられないそうです。私はいつも
て景色もすごく大きくてきれいで感動しまし
生きるか死ぬかの状況になる事が少ないので
た。Ann も色々と盛り上げてくれて楽しい
診断後の診察に立ち会う時、少しつらかった
時間を過ごせました。だけど、一番楽しんで
です。
いたのは高野先生だった。
午後は全てレクチャーでした。最初に心電
夜、ホテルに戻ってから最後の週末ってこ
図の問題集みたいなものの答え合わせを行
とでみんなで夜更かし。山口君の持ってきた
い、次に動脈管開存症の講義・フィラリア症
サバ缶がたまらなくおいしかった。
の治療についての講義でした。最初の心電図
の問題は難しすぎて何もわからなかったで
8 月 28 日・休日
す。
午前中はこの間見つけたモール内の雑貨屋
今日も桃君が晩御飯を作ってくれました。
さんなどへ。ペットショップでリードとかが
いつもありがとう。
とてもおいしかったです。
ものすごくかわいいのに安くていっぱい買
その後、夜の散歩へ。モール内を少し遠くま
う。アメリカは中型犬サイズの服も品揃えが
で散歩してみましたが実はシアターがあった
よくて素敵です。
り、スタバもあったり、かわいい雑貨屋さん
午後からは 10 月に北里に来るサラと合流
を見つけたり。でもほとんどのお店が閉店後
して大きなモールへ。ここには服屋さんやら
でどこにも行けなかったので明日にお見送
化粧品やら何でもあるような大きなモール。
り。
化粧品本当に安かった。モールでの時間は少
なかったけど念願の bath & body shop にも
8 月 27 日・休日
行けて大満足です。
今日はジムと一緒にラフティングへ !! ホ
モールの後はサラと一緒に日本に来るナン
テルから大体 2 時間くらいにあるスモーキー
シーと、サラの友達のクリスティーナも合流
マウンテンという国立公園でできるそうで
してノックスビルのダウンタウンへ。ダウン
― 82 ―
タウンにあるカフェやレストランにはオープ
食べました。
ンテラスがあってここでのんびり休日過ごせ
たらいいなと思いました。何件かショップに
8 月 30 日・大動物 2 日目
連れて行ってもらってここでもお土産をいっ
エキゾ最終日。午前中は診察が何件か来た
ぱい買う。今日はお金がたくさん無くなりま
だけだったのですが、午後には近くの自然セ
した。あややともえちゃんは色んな所でソッ
ンターからカミツキガメとフクロウが来まし
クモンキーを見つけては買っていました。サ
た。午前中に大きなカメが来るよと聞いてい
ラは大学で日本語の授業をとっていたらしく
たのでリクガメのような優しいカメを想像し
とても日本語が上手でした☆私が大阪出身だ
ていたのですがカミツキガメは狂暴すぎて近
ということを話すと英語を日本語と大阪弁に
寄れなかったです。尾静脈から採血をしてい
訳した本を見せてくれました。大阪弁のロー
たのですが皮膚がとてもかたくて苦労してい
マ字表記は非常に違和感があって、大阪弁を
ました。
サラに教えてあげるととても喜んでくれまし
フクロウの方は食欲不振で来ていて、レン
た。サラとナンシーが日本に来るのがとても
トゲン撮影や眼の検査をしていました。レン
楽しみです。
トゲンの際イソフルランで眠らせてからテー
プで処置台に固定。これには正直驚いたけど
8 月 29 日・大動物 1 日目
確かに保定ひもも邪魔になるので一番きれい
今週は大動物です。だけどあたしはエキゾ
に撮れる方法なのかも知れない。
に参加させてもらえる事になりました。初日
エキゾはもっと爬虫類がメインでくるのか
から野生のアライグマの剖検とかしていて驚
と思っていたけれど大半は鳥類やげっ歯類
いたけれど、たまたまテネシーの学生たち
で、他にも生まれたばかりの野生のリスやウ
もローテーション1日目だったこともあっ
サギが来ていました。野生動物の中には安楽
て、鳥の死体を使って保定の仕方や注射・留
死させる動物もたくさんいて、理由はもう野
置の練習をしていた所を見学できてよかった
生では生きられないからという理由がメイン
です。またこの日はチーターが来院 !! 近く
だったけれど自分の中で少ししっくりこない
にあるノックスビル動物園から前肢の出血で
なと感じていました。
レントゲンを撮りに来ていました。危ないの
昼に学部長さんと会い、テネシーのマグ
であまり近くには行けなかったけどそれでも
カップやステッカーなどをいただきました。
チーターをあんなに近くで見たことは初めて
忙しい中、本当にありがとうございます。
でした。
今日の晩御飯はホテルの隣にあるステーキ
入院していたオウムがものすごくかわいく
屋へ。実は高野先生、アメリカのレストラン
て youtube の映像に合わせて踊っていたの
でステーキしか頼んでなかったらしい。でも
がおもしろかったです。
アメリカの料理ってメインは少なくてもサイ
夜はホテルで軽く食べてお店が閉まらない
ドメニューがすごく大量にあっていつも食べ
うちに買い物へ。なぜだか知らないけどみん
きれなかった。そんな時になんでも食べてく
なホテルに戻って来てから色々暴食し始め
れる山口君には本当に感謝です。
ちゃう。ポップコーン作ってみたりラーメン
ご飯の後、アメリカで初スタバ。日本には
作ってみたりもう食べ過ぎってくらい夜中に
ないメニューがたくさんあってシナモンドル
― 83 ―
チェラテに挑戦。予想はしていたけどすごく
そして今日もプールへ。スーパー行ってみ
甘かった。
たけど浮き輪がなかったので今日も溺れかけ
ホテルに帰ってからまいちゃんとホテルの
ました。
プールへ !! アメリカに来てから確実に出た
お腹は気になる所だけど本当に泳ぐのが気持
9 月 1 日・大動物 4 日目
ちよかった。でもプールが深すぎて浮き輪が
朝、ノックスビルの副市長と会うために市
ほしいと思った。
庁舎へ。ちょうどテネシー川の真正面にあっ
て、庁舎から見える景色がとてもきれいでし
8 月 31 日・大動物 3 日目
た。ここで、名誉市民の証書と記念品をいた
今日からは馬の外科にまみちゃんと参加。
だきました。会う人みんな優しくて本当に感
ただ今日の午前中はノックスビル動物園につ
謝です。
れていってもらいました。動物園はまだ開園
大学に戻ってみるとちょうど肩のデブライ
前だったので展示スペースに出ていない動物
ドの手術をしている最中でした。馬の手術
たちもいたけれどホワイトアリゲーターなど
を見るのは初めてだったのですがまず気管
の珍しい動物を見れました。動物たちは全て
チューブの太さに驚きました。またベンチ
行動展示の形式で展示されていて、スペース
レータなどの器具も大きくその現場に圧倒さ
もどこも広くて素敵な動物園だと思いまし
れました。手術が終わって覚醒に入る時に覚
た。動物園には、テネシー大にいる動物園動
醒室に移動させるのですが手術台がそのまま
物専門のドクターに連れて行ってもらったの
覚醒室の床の空いている部分にはめることが
ですがチンパンジーの場所でドクターが近づ
でき、とても便利だと思いました。また馬用
くとチンパンジーの方も寄ってきて一緒に遊
に覚醒室がある事にも驚きましたが人と馬の
んでいる姿が印象的でした。その後テネシー
両方に安全な覚醒を行うには必要なスペース
グッズの売っているセンターに下ろしても
だと感じました。
らって T シャツなどのお買いもの。センター
この後に靭帯炎の馬に幹細胞注射を行うと
のある周辺は学部生がとても多かったのです
いうのでみせてもらいに行きました。幹細胞
が、みんなテネシー大の服を着ていて love
注射は重い靭帯炎に対して行われる再生医療
tennessie って感じで素敵でした。
で一度犬の椎間板ヘルニアに行われているの
動物病院に戻ると、ちょうど馬の電気療法
を見たことがありましたが、馬でも行われて
とバンテージ交換をみることが出来ました。
いるのに感動しました。
電気療法は手術後や比較的軽度な靭帯炎の馬
日本ではあまり馬と触れ合う時間は少ない
に適応されるそうで、やっていることは人と
のですが、本当にかわいくて犬や猫以上に
同じだそうです。痛みはほとんどないのです
オーナーの愛情が強いと感じました。
が電気が流れるたびに出る音が大きくて馬が
今日は、毎日ホテルから大学までの送り迎
少し怖がっていました。
えをしてくれているジムと奥さんのコニーを
今夜は今まで買った食材を処分するために
ホテルに招待してパーティーをしました。す
自炊。私も 1 品だけ作ったけど、何とか好
き焼きを作ったのですが気に入ってもらえて
評でよかったです。相変わらず桃君の料理は
本当に良かったです。ジムとコニーには感謝
おいしい。
しきれないほどお世話になっていて、お礼に
― 84 ―
カードを渡したのですが、逆に私達にもお土
ご飯もいっぱい用意してくださって本当に楽
産をいただいて何だか申し訳なかったです。
しくて素敵なホームパーティーでした。
明日のホームパーティーでまた話す機会はあ
るけれどテネシーを離れるのが少し寂しく
9 月 3 日・テネシー最終日
なってきました。そして今日もプールへ。3
今日はノックスビル空港 7 時発の飛行機
日間連続はさすがにきつかった…。
に乗らなければならないので早起きして空港
へ。今まで私たちのわがままに付き合ってく
9 月 2 日・大動物 5 日目
れていたジムやコニーと離れるのがすごくつ
今日がテネシー大で過ごす最後の日。最
らかった。思わず涙 ...。何を頼んでも笑顔
終日は馬のフィールドサービスに参加しま
でいてくれて送り迎えだって毎日来てくれ
した。普段 2-3 件の家を回るそうですが、今
て、休日も私たちに時間を割いてくださって
日は最初に行った場所の患者の様態が重く早
本当に何度感謝しても足りないくらい。ジム
く検査して原因を確定した方がいいとのこと
やコニーもそうだけどほとんど英語の話せな
で、大学に戻ってきました。この馬は膝関節
い私たちに常に親切にしてくれたドクターや
の炎症による痛みから来る跛行と疑われてい
学生たちにも感謝です。
てその後レントゲン検査や関節液の細胞診を
アメリカから成田空港に到着してそのまま
行い、診断していきました。診断の最中に膝
十和田へ…。しかも新幹線の指定席が取れな
に局所神経ブロックを行って跛行が消えるか
いアクシデント。一気に現実世界へ。
どうかを見ていました。馬ではこの診断はよ
ただアメリカに行ったことは自分にとって
く行われるそうです。せっかくのフィールド
プラスのことしか得てないし、今回の米国研
サービスだったのですが 1 件しか回れなく
修に参加できて本当に良かったと思う。また
て残念でした。
働き出してからもチャンスがあればぜひアメ
今日は大学に来る最後の日だったのであや
リカで勉強してみたいと思いました。
やと一緒に一番仲良くしてくれたレイチェル
最後にこの研修を楽しいものにしてくれた
を探しに !!ICU で発見してずっと待ち伏せし
メンバーたち、高野先生、テネシーでお世話
て私不審者みたいだったけど、
最後に話せて、
になった人たち、大学の関係者の皆様に感謝
写真も撮れて本当に幸せでした。あややもア
感謝です !! 素敵な思い出と貴重な経験をど
リシアとあえて二人で満足。ほんの少しの時
うもありがとうございました。
間しか過ごしてないけどやっぱりもう会えな
くなるのは寂しい。
夜はフライ先生のお家でパーティーを開い
山口 真生
てくれました。ジムもコニーも来てくれて本
当に楽しかった。フライ先生の息子のジョン
【小動物臨床】
がまだ中学生だったけどものすごくイケメン
○研修 1 日目
で将来有望だと確信した。ここにサラも来て
Dr. ブレースに連れられて各研究室に一人
くれて一緒にマリカーして遊んでたんだけ
ずつ紹介されていき、私は今日、明日と二日
ど、サラが強すぎて私達では相手にならな
間神経科(Neurology)だった。神経科に来
かった ...。いっぱいお酒も飲んでおいしい
る患者は、主に跛行や後駆麻痺などの臨床症
― 85 ―
状が観察され、それらの患者に対して眼瞼反
○研修 3 日目
射や威嚇反射など顔の反射テストから始ま
今日からは研究室が変わり放射線
り、皮筋反射のテストや二頭筋反射、膝蓋腱
(Radiology)の研究室となった。教室へ行
反射のテスト、プロプリオセプションなど
き挨拶をすませ、まず 4 年生の生徒の朝のラ
様々な神経学的検査を行い、さらには脱臼か
ウンジを見学させてもらった。各生徒に一題
ら来る跛行の可能性も考えドローワーサイン
ずつ課題(X 線写真と臨床症状が書かれた解
の確認やコンプレッションテストなども実施
答用紙)が配られ、それから可能性のある疾
していた。基本的には、一人の学生が一頭の
患を推測し、鑑別診断するための方法や治療
患者を担当しており、学生が診察してから
方法について発表するというものであった。
Dr. が再度反射テストなどを確認し、学生の
ラウンジが終わると次にパソコンが数台あ
診断を検討するというものだった。
るの部屋へ案内され、そこのパソコンに撮
られた X 線写真や CT 画像が送られて来て、
○研修 2 日目
そこで放射線の生徒と Dr. がその症例に対し
火曜日は大学病院全体としてオペの日と
て検討するということだった。この日は一日
なっているらしい。神経科の研究室に行くと
中ここで送られてきた画像を見て、Dr. の説
今日オペをする M・ダックスの神経学的テ
明を聞いていた。昨日オペした Neurology
ストを行っていた。その患者の X 線画像を
の M・ダックスの X 線写真と CT 画像も見
見せてもらい、環椎と軸椎の間が狭くなって
せてもらった。一回目のオペではスクリュー
いたが、今はギプス固定で若干改善されたこ
の位置が髄腔を圧迫してしまっていたため、
と、腹側からのアプローチのため神経や組織
オペをやり直したとのことだった。
など多くあるためリスクがあることなど丁寧
に説明してくれた。オペは 10:30 開始で、そ
○研修 4 日目
の前に麻酔科(Anesthesia)の生徒が患者
今日は朝からテストがあるらしく放射線の
を麻酔導入する部屋へと運び、麻酔科の生徒
学生が忙しそうにしていたため、朝からパ
が麻酔導入まで処置していた。オペ自体は
ソコンに送られてくる X 線画像を見ていた。
11:00 ~ 14:30 程までかかった。正直オペの
木曜日は、これまでに送られてきた画像を見
レベルなどに関してはどれほど高度なもので
返す日で、Dr. ハンスが放射線に送られてき
あったか自分にはわからなかったが、術中の
た画像を検討しており、
その話を聞いていた。
麻酔管理もすべて学生が行っていることに驚
検討が終わると次に実際の撮影現場を見学さ
いた。オペ後、麻酔を維持したまま X 線撮
せてもらった。X 線撮影は主に学生とテクニ
影と CT 撮影を行った。今回のオペでは、環
シャンの方が行っており、Dr. は撮影した画
椎と軸椎を固定するためのスクリューの位置
像を見て撮影終了なのか再度撮り直しなのか
に問題があったらしく、再手術となってし
を判断していた。鎮静剤の投与などは学生が
まった。再手術をすぐに(16:00 くらいから)
行って、難しいときにはテクニシャンが行っ
開始したが、残念なことに私は 17:30 に帰宅
ていた。また、この日は、超音波撮影を見せ
時間となってしまったためオペを最後まで見
てもらった。上腕骨外側に見られる病変にエ
ることができなかった。
コーガイドを使いながら針を刺し、細胞や貯
留水を採取し塗抹を作成していた。
― 86 ―
○研修 5 日目
にブロックを装着するなどの処置を行ってい
小動物臨床最終日は、
麻酔科(Anesthesia)
た。
だった。まず、Anesthesia の流れを簡単に
説明してくれた。担当の患者のカルテを記入
○研修 2 日目
しながら、麻酔前投与薬や麻酔導入薬、吸入
Farm animal には、ウシの他にヒツジや
麻酔薬、術後の鎮痛薬などの決定を行い、ア
アルパカ、リャマなどが連れてこられる。朝
メリカではさらに ASA レベルの決定などを
にリャマのトレットミル(水中歩行)の様子
行っておることを教えてくれた。基本的には
を見せてもらった。このリャマは道路脇に座
学生がプロトコールを作成し、Dr. に確認し
り込んでいるところを警察に保護されたらし
てもらっていた。午前は MRI 撮影に同行さ
く、なぜ立ち上がらないのか原因がわからな
せてもらった。MRI 撮影室は、麻酔室から
いのだという。しかし、ロープで吊ると立ち
少し離れたところにあるため、通常の麻酔と
上がり、トレットミルをすると歩行を示し
は異なり撮影室に行って麻酔導入を行ってい
たため、機能的障害はないのではないかと
た。MRI 撮影中は Dr. とインターンが中心
言っていた。午後には、ウシの出産に立ち会
となり撮影を行っており、学生はモニター
うことができた。Dr. と学生が協力して産科
の記録を行っており、MRI は強力な磁力が
チェーンを使って仔ウシをひっぱり出してい
働いているためパルスの波形は乱れること、
た。その後、母ウシからミルカ ― を使って
MRI には Scanning 項目があり項目ごとに
初乳を搾乳し、仔ウシに与えていた。
撮影され、ひとつひとつ Dr. がチェックして
Farm animal の処置現場は、学生それぞ
いくことなどを教えてくれた。
れに担当の患畜が決められていましたが、大
動物を扱うため研究室のメンバー総出で処置
を行うことが多く、みんなで協力して処置を
【大動物臨床】
行う現場がとても印象的でした。
○研修 1 日目
大動物初日は、Farm animal の研究室を
見学させてもらった。今週からテネシー大
○研修 3 日目
学の学生もローテーションで新しい研究室
午前中は、ノックスビルの動物園に連れて
へ 配 属 さ れ た ら し く、 ま ず 初 め に Equine
行ってもらった。Avian and Exotics の研究
surgery や Equine medicine の 研 究 室 と 共
室には Zoo animal という班があり、動物園
に設備や場所について VT さんに説明をうけ
を訪問し野生動物の診察・処置を行っている
た。保定台の説明をうけ、実際に操作させて
そうだ。この日は、動物園内を回りながら
もらったことが印象的であった。
Dr. が各動物について説明してくれた。コウ
Farm animal の研究室に戻るとまず、今
モリやアライグマ、スカンクは狂犬病を媒介
大学に入院している動物たちの現在の状態に
する動物であることやシロサイの角はヒトで
ついて Dr. から説明があり、それぞれの患畜
いう爪のようなものであること、Dr. が処置
の検査や処置が始まった。大動物の臨床現場
したゴリラについての説明などをしてもらっ
を初めて見せてもらったが、ウシの症例は半
た。
数以上が蹄底潰瘍や蹄葉炎のような蹄の疾
この日の午後は、大学へ戻り今日はみん
患であり、保定台にウシを誘導し、削蹄や蹄
なでランチを食べた後、今日は本来 Field
― 87 ―
services に行く予定だったが、もう午前中の
た。
うちに出発してしまっていたため午後は獣医
他にウマの歯磨きやキャスティングなどの
学部以外の大学構内を散策した。構内には陸
症例を見学させてもらった。最後にみた症例
上競技場やフットボールのスタジアム、プー
は、左後肢の蹄が削り取られておりギプスを
ルなど多くの施設があり、UT グッズが売ら
履いていた。この症例に対して、実験的に死
れている店などを見て回った。
んだウマの皮膚を移植していた。実際の症例
に対してこのような新しい治療法を試験的に
○研修 4 日目
実施することができるのもアメリカならでわ
今日は Farm animal field services にお世
なのだと感じた。
話になった。農場から連絡が入ると自分と学
生 2 人、Dr. の計 4 人で車に乗り込み農場へ
最後に
と向かった。今回お往診した 1 つ目の牧場は、
今 回 の 研 修 で は、 テ ネ シ ー 大 学 の
20 頭ほどのウマを飼育しており、4 ~ 5 頭
Teaching hospital を見学させてもらい、学
の診察を行った。基本的には TPR の測定や
生がメインとなって診察や処置をする光景は
肺音や消化管運動音の聴診など簡単な身体検
日本では見ることがなく、とても羨ましかっ
査を行い、そこに必要ならば処置を加えると
た。また、Neurology や Field services など
いうものであった。1 頭の馬には、予防接種
日本ではあまり勉強できないことをいくつも
を実施しており、東部・西部ナイル馬脳炎ワ
体験でき、とてもいい経験となった。今回の
クチンとインフルエンザ、馬鼻肺炎の混合ワ
研修を指導してくれたテネシー大学の方々、
クチンの 2 種類が頸部に筋肉内投与されて
アメリカでの生活を常にサポートしてくれた
いた。
Dr. ブレイス、そして彼らと連絡を取り合い、
2 件目の往診は、一般的な民家で、ヤギの
計画を立て、今回の研修を充実したものにし
前肢骨折の経過観察を持ち運びできる簡易の
てくださった高野先生に本当に感謝したい。
X 線撮影装置を使って X 線画像を撮影して
いた。
Field services は日本の大学で見たことが
なく、実際に牧場へ往診に同行させてもらい、
2011 年度 テネシー大夏季研修に同行して感
外の限られた設備や道具を使った、大学構内
じたこと
とは異なった処置を見学できて勉強になっ
獣医伝染病学研究室
た。
高野 友美
○研修 5 日目
2011 年 8 月 20 日 か ら 同 9 月 3 日 ま で、
研修最終日は Equine surgery の研究室を
5V 生の夏季獣医学研修の同行教員として、
見学した。最初に診た患者はロバで、去勢手
テネシー大学を訪問した。今年は、例年使わ
術を行った。Dr. が助手として隣に付き、学
せていただいた学生寮の使用が不可能とな
生が術者となりほとんどの処置を学生が行っ
り、ホテルに滞在することになった。従っ
ていた。また、術中の麻酔管理も学生がメ
て、例年と異なる部分を中心に記載し、残り
インで Dr. がときどき質問しにくる程度だっ
は様々な出来事を思いつくままに書こうと思
― 88 ―
う。ホテルについては、来年度も一緒かどう
2. 移動
か不明であるが、一応、記載する。その他、
ホテルから学校までの移動は、毎日、ブレ
日常の出来事については、学生の報告を参照
イス先生が送り迎えをしてくれた。一日のス
のこと。
ケジュールとしては、まず、7:15 までにホ
テルのロビーに集合し、ブレイス先生に迎え
1. 日常生活
に来ていただいた後に、学校へ向かう。その
今回、滞在したホテルは大学から 20 分ほ
後、各科に学生を割り振り、8:00( スタート
ど西にあるターキークリークという地区にあ
時間は科によって異なる ) ~ 17:30 まで研修
り、ショッピングモールやレストラン、映画
を行う。科によっては 17:30 までに終わらな
館など商業施設が多彩な場所であった。基本
いこともあるが、その時はブレイス先生が各
的には、周囲の店で何でも手に入るが、歩行
科に迎えに行って、全員集合してからホテル
者信号のない道路を横断しなければならない
に戻った。19:00 前にはホテルに戻れたと思
ので、注意が必要である。周囲の店は飲食店
う。大動物実習の field service では、大動物
を除き、20:00 ~ 21:00 に閉店していた。日
の教員が学生を送り迎えすることもあった。
曜日の午前中は、ホテル周囲の店がほとんど
ホテル滞在時の移動手段は徒歩のみ。しか
開いていないので注意。街灯が多く、治安も
し、前述の通り、周囲に店が多いので、遠出
よさそうだが、やはり、少人数での夜の外出
をする必要はない。土曜日・日曜日は何かし
は慎むべきであろう。
らイベントがあり、その都度、ブレイス先生
ホテルは朝・夕食がついており(朝食は日
が送迎して下さったので、全く不便を感じる
曜、夕食は金~日が無し)、プール、ジムが
ことはなかった。
あり、各部屋にキッチンが備え付けてあった。
キッチン用品については、これまでテネシー
3. 構内での行動
大で研修した人達が置いていったものがあ
学生は、研修中は各所属教室で一日を過ご
り ( 三箱分 )、一通りそろっている(来年度
す。大動物研修時に少し早めに終わること
も、初日にブレイス先生が持ってきてくれる
もあったようであるが、基本的には 17 時 30
と思う)。料理をする際の注意点は以下の通
分までは、学生達は一人 ( もしくは二人 ) で
り:あちらの包丁は、のこぎりのように使う
一日を過ごすことになる。
ので、肉や魚のスライスは無理。煙が出る調
自分は、何もない限りは図書館に滞在して
理 ( 焼き肉とか ) をすると、すぐに煙探知機
いた。今年は、ブレイス先生から図書館の司
が作動する。ガスコンロではなく電熱コンロ
書さんに手筈を整えて頂いたので、何か困っ
なので、焼き物・炒め物・煮物は時間がかか
たときは司書さんに聞いて対処することが出
る (…そんな状況でも、リーダーの桃﨑君を
来た。大学内の無線 LAN も、自分ではなか
中心に、お世辞抜きでおいしい料理を作るの
なか接続できなかったが、図書館の方に聞く
だから、学生達には感服いたしました )。も
と、明解な説明をいただけるので、簡単に接
ちろん、周囲には様々なレストラン、ファス
続することができる。
トフード店があるので、自炊と外食を併用す
大学構内での移動は、徒歩に加え、学内
ると良い。
を循環するバスが使用可能 ( 研修初日に貰う
ID カードが必要 )。バスを使えば、UT セン
― 89 ―
ターに行くことが出来る ( 徒歩では 20 ~ 25
さんには、学生のみならず自分も買い物に連
分 )。UT センターにはテネシー大学関係の
れて行ってもらい、おかげで休日を満喫する
グッズや文房具の店、さらには各種ファスト
ことが出来ました。ブレイス先生の秘書を担
フード店があるので、時間を持て余したとき
当されているキムさん、図書館の司書さん達
は行くことをお勧めする。また、テネシー大
には日々、声をかけて頂き、滞在中の不安を
学構内には、歴史的な建造物やモニュメント
消して頂きました。さらに、トンプソン学部
も幾つかあるので、気分転換に大学構内を散
長からは、お忙しい時間の中、テネシー大学
歩するのも良いと思う。
のグッズとともに、修了証書を頂き、ノック
スビル市からは名誉市民号を頂き、
重ね重ね、
3. 最後に
感謝いたします。
最初、今回の研修に同行することが決まっ
また、2011 年度夏季研修の他大学 ( ジョー
たときは、英語が喋れないのはもちろんのこ
ジア大、パデュー大 ) の同行教員であった田
と、いろいろと不安はありました。しかし、
邊先生と垰田先生には、1 年間、お世話にな
実際に参加してみて、得ることは多いと思い
りました。大浪先生を始め、国際交流委員会
ます。僕みたいに海外経験がほとんどない人
の方々には様々な面でお世話になりました
は、研修に参加もしくは同行することをお勧
が、特に、テネシー大担当の角田先生および
めします。
昨年度テネシー大同行教員の柏本先生からは
獣医学部副学部長であり、我々の案内役を
様々なアドバイスを頂くことができて、研修
していただいたブレイス先生には、学生のレ
をスムーズに遂行できました。久留主先生に
ポートにも書いてある通り、非常に親身に接
は航空機チケットの予約でお世話になりまし
していただき、海外旅行の経験が 1 回のみ
た。皆さま、ありがとうございました。
の自分に対しても、学生同様、非常にやさし
最後に、今年のテネシー大の研修に参加し
く接して頂きました。もちろん、ブレイス先
たリーダーの桃﨑君、入来さん、河合さん、
生の奥さんにも、ウェルカムパーティーの準
高瀬さん、中口さん、成田君、森本さん、山
備、日曜日のハイキング用の弁当の準備、そ
口君。英語のつたない僕と一緒で、道中は不
して我々の送り迎えなど、様々な手助けをし
安にさせたことも多々あったと思います。し
てもらいました。ジム、コニー、心からのお
かし、皆さんの協力で無事、全日程を終える
もてなし、本当にありがとうございました。
ことが出来ました。今回の研修は、僕にとっ
また、フライ先生、シュー先生を始め、他の
て忘れられない素晴らしい経験となりまし
先生方、また、UT の学生にも、様々な場面
た。本当にありがとう。
で親身に接して頂きました。フライ先生には
フェアウェルパーティーを開催して頂き、あ
Dear Jim,
りがとうございました。猫のウイルス学が専
門であるケネディー先生には、僕自身の研究
I appreciate your kind hospitality during
( 猫伝染性腹膜炎 ) についてディスカッショ
my stay in Knoxville, Tennessee. Thank
ンの時間を割いてもらいました。今後の研究
you very much for taking us to and from
に生かしたいと思います。獣医学科 4 年生
the college of veterinary medicine in
のサラさん、ナンシーさん、クリスティーナ
UT. Everything was going smoothly. We
― 90 ―
enjoyed American life.
Veterinary practice in UT was really
helpful for our students. Please pass on my
best regards to UT staff and your secretary.
And, our students joins me in sending your
wife all the best. Thank you again for your
kindness.
Sincerely,
Dear Mike,
I appreciate your kind hospitality during
our stay in Knoxville, Tennessee. We would
like thank you for inviting us to the party
at your home. We enjoyed the meeting you,
and playing Ping-Pong. Our students joins
me in sending your family all the best.
Sincerely,
Tomomi Takano
Kitasato University
― 91 ―
― 92 ―
― 93 ―
― 94 ―
― 95 ―
― 96 ―
― 97 ―
肉美味しい~。たらふく食べてお腹いっぱ
大釜 彩子
いになったところで ... マリオカート勝負!
8 月 20 日(土)
Malorie さん強すぎる ... 1度も勝てなかっ
ジョージアへ出発の日。前日から友達の家
た。今度リベンジしよ。
に泊まってミーナと一緒に成田へ向かう。成
田で鹿児島大学の人と合流…のはずが、面識
8 月 22 日(月)
がなくて分からず…。まぁ、目的が一緒だか
今日はキャンパスバスツアーの日。みんな
ら大丈夫だろうということで、
そのまま搭乗。
でバスに乗って UGA の学生にガイドしても
機内では映画見たり音楽聴いたり、寝たり、
らいながらキャンパス内を観光…けど話が速
寝たりしていたらアトランタ上空にいまし
すぎてほとんどわからない…。とりあえず、
た。なんか、両脇の二人の顔が青かったのは
フットボールの試合が近いのでテンションが
気のせいかな?到着後、鹿児島大学っぽい人
高いことは分かった。アメリカでは大学対抗
に適当に声をかけたらあたった!!その後し
の試合はかなり盛り上がるんだね…ライバル
ばらくみんなで迷子になっていたら、ジョー
を殺したいとか言ってるし…熱いね!!
ジア大学のお兄さんが爽やかに走ってきて救
ツアーの後は副学長とランチ。パンとお肉
出してくれた。
そのまま、
ジョージアセンター
の割合がおかしいバーガー -…おいしい!食
に連れて行ってもらって一息。夜ごはんはダ
後はスーパーに連れて行ってもらって当面の
ウンタウンで人気のバーガーショップでター
朝食を調達。何でなんでもかんでもあんなに
キーバーガー!!おいし~。ID 忘れて行っ
でかいんだろう…田邊先生…コーラとドーナ
てビールが飲めなかったのが残念…。食後は
ツ買いすぎです。
ダウンタウンをちょっとブラブラしてからホ
ホテルに戻ってしばらく休んだら welcome
テルに戻って即効就寝……
party。ここでもバーガーとホットドック…。
おいしく頂きました♪デザートには超特大
8 月 21 日(日)
ケーキ!!!しかもめっちゃアメリカって感
朝 10 時くらいまで気持ちよく寝ていたら、
じの味。喜んで食べていたら男性陣が青い顔
いきなりハルに叩き起こされた…不機嫌…。
をしながらケーキくれた。いや、おいしいけ
今日は午後 6 時までは自由時間なのでアウ
どそんなにはいらんかな~ ... って思いつつ、
トレットモールに行こうとのこと。めっちゃ
おいしく完食。
行きたいです!ご機嫌♪即効準備して、タク
さすがに食べすぎたので田邊先生と一緒に
シーでアウトレットモールへ。
結構遠かった。
徒歩でキャンパス内の本屋へ。途中フット
何故かモール内にレストランとかが無かった
ボールスタジアムに入りたかったけど立ち入
ので、みんな空腹のまま買い物。
でもテンショ
り禁止だった…残念。本屋に着いたら、
「あ
ン高かったから平気~。円高最高!
と 5 分で閉まるよ」って言われてあんま見
買いすぎたかなー…と思って集合場所に
れなかった。また来よ。帰りは迷子になりつ
行ってみたら、みんなもっと買いまくってい
つ(田邊先生は黙って笑ってた…)
、無事に
た…円高最高!!!
ホテルに到着。
ホテルに戻ってしばらくしたら
今日はもうすることないから早めに寝よ
Dr.Malorie さんの家へご飯に呼ばれた。お
う。明日からローテーション開始!!!…絶
― 99 ―
たー」って叫んでたけど、みんなそのうち出
対迷子になる気がする…。
てくるだろうって感じで飲んでた。出てくる
8 月 23 日(火)
といいね。
ローテーション最初の日…はミーナの爆笑
明日も大動物だー。
する声で起床。どんな夢見たらあんな寝言
言うねん。朝食は昨日買った krispy kreme
8 月 24 日(水)
doughnuts。幸せ♪
大動物 2 日目。今日は 8 時半に集合。朝
初日は大動物。ちょっと緊張しながら、浜
早くから寄生虫の授業。和気あいあいとした
中君と一緒に Lab へ。行ったらみんなが談
授業で楽しい。みんな好き勝手に喋るし。そ
笑していたので、しばらく一緒にお話し。し
の後は昨日と同じ様に患畜の報告会。今日は
ばらくしたら Dr.Hart が来たので挨拶した
ブラジルからの留学生のリカルドが担当して
ら「心待ちにしてたんだよ」
と言われてちょっ
いる馬の検査を見せてもらった。歩様異常ら
と安心。みんなすごくフレンドリーだ。…
しいけど、原因は分からず…。
と思ったらいきなり Dr.Hart が笑顔でプリ
検査の後は本当に何もすることがなくなっ
ント渡された。何だろうと思ったら…case
たので世間話をしながらブラブラ。お昼は獣
study…「じゃ、がんばって~」とか言って
医学部の BBQ があるとのことなので、リガ
どっか行っちゃうし。みんな話し合いながら
ルド、獣医師のジョシュアとカナダから来た
始めたけど…ヤギの正常値とか覚えてません
エリンでにぎやかなランチ。4 人とも国が違
…。…まぁ、わかる範囲で適当に答えとこう。
うから感覚が違って面白い。しばらくしたら
しばらくして Dr.Hart が戻ってきたので答
リガルドが後ろを指しながら「彼、友達だよ
え合わせ。適当でも意外に当たる…わけはな
ね?」って言ってきた。見たら浜名君だし。
かったね…。
何でこの近距離で一人で食べてるの??
それが終わったら各学生が受け持っている
食後はジョシュアが病理解剖等に馬を運ぶ
患畜の状態の報告会。自分の治療方針を言っ
のを見学。中では馬が宙づりにされた状態で
て、教授からアドバイスをもらって治療を進
切断されてた…豪快。リガルドが「日本人は
めていくらしい。今日は胃の中で食べ物が詰
馬を食べるんだよね?食べていいよ。
」って
まって腐っちゃった馬の診療を見せてもらっ
言ってきた。あんまりおいしくなさそうだっ
た。カテーテル突っ込んで思いっきり内容物
たので、
遠慮しておいた。その後はまた授業。
吸いこんでる…まずそう。それが終わったら
馬の内分泌異常の話。かなりリラックスして
ちょうどお昼だったのでカフェテリアに。…
て、授業って感じがしなくて楽しかった。
全員集合してるし。みんな苦労してるね。
その後すぐにホテルに戻って買い物に連れ
午後は暇だったので馬と遊びながら学生と
て行ってもらった。晩御飯用にってことで、
世間話して終了。
ミーナと肉を買いまくる。完全に居酒屋メ
夜は Dr.Brown の家でパーティ。色々な国
ニューやね。…そして、食べ過ぎた。…苦し
から留学生が来ていた。California からきて
いから就寝。
いた Gavin と何故か方言の話で盛り上がっ
た。
8 月 25 日(木)
ホ テ ル に 戻 っ た ら ハ ル が「 携 帯 な く し
今 日 は タ ケ シ と 一 緒 に 小 動 物。Lab に
― 100 ―
入ったら教授が「今日初めてだよね?よろし
念にもらえた!!
く!」って言ったままどっか行っちゃった…。
その後、CNN に行ってお昼ご飯。何故か
学生も一気に散って行きそうになったから、
和食のファストフードを食べた。テリヤキチ
あわてて 1 人つかまえて「どこに行ったらい
キンおいしかった~。ホテルに帰ったら少し
いかわからない」って泣きついたらめっちゃ
時間があったので、ダウンタウンに。ダウン
丁寧に案内してくれた。いい人だ。今日は3
タウンはゴミゴミしていてかなり好きな雰囲
つほどオペがあるらしい。
オペ室に入ったら、
気。また行こー。
めっちゃ音楽かかっててノリノリでオペして
夜は UGA の学生がカラオケに連れて行っ
るし…。でも、病変部位が見えたらその都度
てくれた。お寿司とか食べながら歌って ... と
学生を近くまで呼んでくれて、丁寧に説明し
いうか、ほぼ食べてた。カラオケの後はハン
てくれた。質問にもすごく時間割いて答えて
ナに誘われて 80's party へ!学生がみんな
くれて…本当にいい人たちだ。
80 年代の格好して踊りまくってる、かなり
晩 御 飯 は Dr.Hensel と Dr.Okunaka の 家
テンションの上がる空間だった。1 ドルで飲
で BBQ。Dr.Okunaka は 奈 良 の 人 ら し く、
み放題だし。…て思って飲みまくっていたら
めっちゃ関西弁で地元トークしてた。その
ハルがフラフラになっていたので、帰宅。
party に来ていた人の中に合気道をしていた
今日は 1 日中遊び続けてさすがに疲れ
人がいたので、その話題で盛り上がってた
たー。
ら「やってみせて」って言ってきた。芝生痛
いし受け身取りたくないなー…って思ってた
8 月 27 日(土)
ら、ミーナが快く受け取ってくれた。
流石ミー
今 日 は Georgia mall に 連 れ て 行 っ て も
ナ。ありがとう。アメリカで合気道について
らった。広すぎて全部は見られなかったけど
あんなに熱く語られるとは思わなかった…。
意味のわからないものがいっぱいあって面白
いつの間にか孫子の兵法の話にまで広がって
い。
た…。どれだけ詳しいんだ…。その後たらふ
一度ホテルに戻って、午後は再びダウンタ
くお肉を食べて帰宅。
ウンへ。ダウンタウンはちっちゃいのですぐ
明日は早朝から学長に会うらしいので早め
見終わった。けど、みんなフレンドリーでい
に就寝。
い街だ。酔っ払いにも絡まれたし…。途中で
ハルとタケシとはぐれたけど、大丈夫だろ
8 月 26 日(金)
うってことで放置して帰宅。…めっちゃ探し
今日はローテーションお休み。でも朝一で
てくれてたんだね…ごめん。
学部長と写真撮影なので早起き。集合写真
夜ごはんは ZAXBY'S に行ってバッファ
を撮った後は一路コカコーラミュージアム
ローチキン。Georgia 発祥のファストフード
へ!!ミュージアムでは3D 映画や世界中の
らしい。おいしー!!!また行きたいな。ホ
ポスターとかが見られて面白かった…けど、
テルに戻ったら田邊先生がランニングマシー
ひたすら「試飲~試飲~」って言ってる人も
ンで歩いてので激写!!
いたね。そして、宣言通りに試飲場ではめっ
その後は酒盛りして就寝。
ちゃ飲んでましたね…。健康診断引っかかり
ますよ。出口では、瓶詰めされたコーラを記
― 101 ―
8 月 28 日(日)
ごくヘルシーだって思っていたら、デザート
今 日 は Dr.Joshua の 招 待 で 朝 早 く か ら
にレモンケーキとピーチクリスプがめっちゃ
Clark Lake に行った。着くなりみんなで泳
美味しくて食べまくっていたら、何かみんな
いでたけど、アメリカの日差しは痛い…。し
がデザート譲ってくれた!ごちそうさまでし
ばらくしたら Dr.Joshua がクルーザーに乗
た!!帰りにピーチクリスプのレシピを教え
せてくれた。ボディボードをクルーザーで
てもらった。日本に帰ったら作ろう。
引っ張って湖中引っぱりまわしてもらった!
腕が筋肉痛…。岸に戻ったらお昼ご飯。ハン
8 月 30 日(火)
バーガーと Dr.Joshua のお母さん手作りの
Exotic 2 日目。今日はインコの手術とフェ
パウンドケーキ。ケーキ美味しい!!!
レットの採血を終えたらひたすらカメ、
カメ、
食後、泳ぎに行こうとしたら田邊先生が釣
カメ…内視鏡検査と血液検査を 6 匹全部に
竿持って苦笑い。釣りをしているところを見
行った。カメって小さくても意外と力が強
つかって warning ticket を貰ったらしい。
「2
い!めっちゃ引っかかれるし…しかも何かカ
回目だから平気 ―。
」と言いながら ticket に
メのくせに速いし…。50 キロのカメは麻酔
嘘の住所を書いてるし。先生が引率で安心
に 5 人がかり…。結局朝から夕方までかかっ
だー。
て全部検査終了。ガラパゴスゾウガメなんて
結局 5 時間くらい泳いでヘトヘト…。
めったと見られないから楽しかった。
晩御飯はお勧めのメキシコ料理!辛かった
夜は UGA の学生に連れられてスケート
けどめっちゃおいしかった!!
へ!スケートって何するんだろう?って思っ
ていてら、一昔前のディスコみたいなところ
8 月 29 日(月)
に行ってローラースケート…映画の世界だわ
今 日 か ら ロ ー テ ー シ ョ ン 再 ス タ ー ト!
…しかも結構人がいてビックリ!これ、かな
exotic のラボへ。意気込んで行ったら誰もい
りしんどい…明日は全身筋肉痛ですね…。
ない…。仕方ないので入院中のフェレット
ホテルに戻るなり、みんなでバーへ。そし
と遊んでいたら、女の人が入ってきたので、
て何故かカクテルをストローで飲みだす…み
Dr.Divers のところまで連れて行ってもらっ
んな強くなったよね。
た。今日はとりあえず 3 時にでっかいカメ
が来るらしいけど、それまで暇みたい。何を
8 月 31 日(水)
しようか考えていたら Dr.Divers が「彩子は
今 日 は Neurology の ラ ボ へ。 噂 で は
明日も来るの?」って聞いてきたので「来る
Neurology は暇らしい…。部屋に入ってしば
よ。」って答えたらカメの内視鏡検査につい
らくすると講義が始まった。こっちの講義は
ての論文を2つ渡された…。おかげで 3 時
とりあえず板書が汚くてよく分からない…頑
にはクタクタでした。3 時になってカメが到
張って判読しながら講義を終えると、
「1 時
着。ガラパゴスゾウガメ 6 匹。置いておく
間フリーだよ。
」って言われた。本当に暇だ。
場所がなかったので大動物のところに連れて
1 時間後に患畜が 2 匹来て神経系の検査を学
行って、今日は終了。
生だけでやってた。学生に色々教えてもらい
夜 は Dr.Koening の 家 で party。 鶏 肉 の
ながら検査終了。2 匹とも帰って行って…
「今
BBQ おいしかった~。今日のメニューはす
日はもうやることないよー」って言われた。
― 102 ―
本当に暇だ。なので午後からは別の科へ。し
たり、飲んだり。帰り際には、この間撮った
ばらくオペとかを見てから早めの帰宅。その
集合写真入りの写真立てのプレゼント!宝物
途中でバスケのスタジアムのドアが開いてい
にします!
たので侵入。でも、中の方は立ち入り禁止で
お別れを済ませてホテルに戻ったら、荷物
見えない…とりあえず、歩いてきたおじさん
整理…。絶対入りそうにない量をがんばって
に「見たい」っていってみたら、あっさり見
押し込み…就寝。
せてもらった。ラッキー。…めっちゃおっき
かった!!!その後しばらく迷子になってい
9 月 2 日(金)
たら、新体操の練習場を発見!やっぱり規模
今日は朝早くからアトランタへ向けて出
が違う…。スタジアムを出てキャンパス内を
発。最終日はアトランタ水族館でバックヤー
散策。…してたら、案の定迷子に。1 時間く
ドツアー。水族館のオペ室が意外にも普通で
らいかけて帰宅。しばらくして、ミーナが変
ビックリ。でも、手術台はかなりの重さまで
な顔して帰宅。明日放射線のラボで試験を受
耐えられるらしい。アトランタ水族館は色々
けるらしい。がんばって。
ショーとかがあるらしいのだけど、時間がな
夜は Dr.Gogal の家でディナー。家にプー
くてあまり見られなかった。でも、頭上を泳
ルがあった!!みんな童心に戻りすぎだし…
いでいくジンベイザメは大迫力!!
夜ごはんのラザニアとティラミスは絶品!で
アクアリウムを出ると空港近くのホテル
もワイン飲みすぎてしんどいー。
へ。ここで一泊して明日飛行機で帰国…なの
で、ゆっくりしよう~って思ってたのに…。
9 月 1 日(木)
プール発見!!みんな泳ぎに行った…。元気
ローテーション最後の日。Neurology 2 日
だわ。
目。今日は 11 時に患畜が来るとのことなの
夜ごはんは近くのステーキハウスでお
でそれまでぶらぶら。11 時に患畜が来て検
肉。アメリカのお肉食い納め…たらふく食べ
査。診察室の方も見てみたいと言うと、オー
たー。
ナーさんへの説明の時に連れて行ってもらえ
ホテルに帰ったら意外と疲れていたみたい
た。検査室では専門用語ばっかりで難しいの
で…すぐに就寝。
に、オーナーさんへの説明はすごく分かりや
すい。
9 月 3 日(土)
お昼をカフェで食べた後ラボに戻ると、午
帰国の日。ホテルで朝ごはんを食べて空港
後からヘルニアのオペがあるらしいので見
へ。空港でお土産を買う分を考えて早めの出
学。ここでもノリノリでオペしていた。けど、
発。持ち物検査して、免税店に行こう♪って
学生に丁寧に教えながら見させてくれて分か
急いでたいら、何故か浜中君が止められてる
りやすい。オペが終わるころにはいい時間に
…。何事かと思ったら、コカコーラミュージ
なったので帰宅。今日は Dr.Caemichael の
アムで貰ったコーラを手荷物に入れていたみ
家で Farewell party。UGA 最後の夜。家に
たい…。
“捨てる”か“飲む”かって言われて、
行くと今まで会った先生方がいっぱいいた。
「飲む」って言ったらしく…思いがけず手荷
挨拶もそこそこにまずはごはん。お腹いっぱ
物検査場でコーラの一気飲みを拝めた。
いになったら、いろいろな先生にお礼を言っ
なんとか検査をパスして、みんなで最後の
― 103 ―
Exotics
買い物。最後までアメリカ満喫して帰国。
第一日目、二日目のクリニカルローテー
さいごに…
ションはエキゾチックアニマルであった。こ
今回このような機会を与えてくださった大
こでは、二人の先生と一人の AHT が働いて
学関係者の方々、一緒に頑張った皆、本当に
おり、ドイツとシンガポールからそれぞれ留
ありがとうございました。
学生が来ていた。Dr. ダイバースはシニカル
違う言語、文化、考え方の中で新しく知っ
ながらユーモアあふれる人物で、もう一人
たこと、改めて考えたさせられたことが多く
の先生である Dr. メイヤーは独特の雰囲気を
ありました。そのような経験をしっかりとこ
持っており、初めのうちはなかなか話しかけ
れからの自分の糧にしていきたいと思いま
づらかったが、打ち解けるにしたがっていろ
す。
いろと手伝わせてくれ、貴重な経験をさせて
最後に、今回このような経験をさせてくれ
もらった。ドイツからの留学生(といっても
た両親に感謝します。
ドクターであるが)はホテルも同じというこ
ともあり、いつも話し相手になってくれて患
Dear everyone in UGA
畜がいない時間などでも楽しく過ごすことが
I would like to thank you for everything
出来た。シンガポールからの留学生はいつも
you did for us to make our stay pleasant.
気を使ってくれて、患畜に関するデータや参
We got a valuable experience and precious
考文献等を見せてくれたりと、とても助かっ
memories at your place. If you have
た。AHT のアシュリーは笑顔の素敵な女性
opportunity to come to Japan, please do
で、彼女がいなければここの診療所は機能し
not hesitate to get in touch with us. I look
ないと思われるほどに設備や薬剤等細かなこ
forward to seeing you again in the future.
とまで把握し、
準備し、
いつも忙しく動き回っ
ていた。これらの先生、スタッフの方々のお
Saiko Ogama
かげで、貴重な体験をさせて頂き非常に感謝
している。
初日はウサギの去勢と鼠径輪ヘルニアのオ
ペから始まった。現場で見せてもらったテキ
ストによるとウサギの鼠径輪は基本的に開い
奥田 賢仁
たままらしい。簡単なオペであるが、ウサギ
はじめに、
のオペを見るのは初めてであったので興味深
大学に入学してこのアメリカ研修制度につ
かった。次に傷ついて保護されたカモが運び
いて知ってから、是非参加したいと思い続け
込まれた。X 線検査の結果、翼の骨が折れて
ていたので、今回このジョージア大学での研
いることが分かり、治療費を払う人が誰もい
修に参加することが出来、非常に感謝してい
なかったのでそのまま安楽死という処置を
る。今回の研修はとても充実したものとなり、
とった。その際、気管チューブ挿管の練習を
関係者の方々、一緒に行った仲間たち、先生
周りの学生と共にやらせてもらった。また、
にはこの場を借りて感謝を述べたいと思う。
鳥の X 線検査における保定は、検査台にテー
プで張り付けるというもので、そのシンプル
― 104 ―
かつ斬新さに驚いた。
口の中にカテーテルを入れ、水をポンプで送
二日目の最初の患畜もウサギであった。こ
る。これによりオペ中でも鰓で酸素交換が行
のウサギは多飲多尿を訴えてやって来た。血
える。腫瘍の切除自体は簡単で、腫瘍をメス
液検査の結果、T4 の値が高かった。また、
で焼き切り、止血し、軟膏を塗って終了。そ
X 線検査の結果、肢に異常がみられ、実際肉
の後、拮抗薬を打ち、水槽に戻し、覚醒を待っ
眼でも擦れたような傷があり、骨まで見えて
た。オペは無事に終わり、金魚も元気そうで
しまっているような状態であった。当日は輸
あった。
液と患部への軟膏という処置をした。次はオ
8月 30 日の夕方、内視鏡による検査のた
カメインコで、過剰な卵温め行動を訴えてき
めに数頭のゾウガメが診療所に訪れた。その
た。触診や視診等、一般的な検査を行った。
中でも最大のものは体重が 50kg にも及ぶ。
またこの日は脱毛の症状のためにオウムが診
デカい。とにかくデカい。きっと自分よりも
察 に 来 た。 触 診、CBC、skin biopsy、X 線
年上だと思われる。デカいです。次の日、そ
検査を行った。割り振られたクリニカルロー
のゾウガメ達を内視鏡で次々と検査してい
テーションとしてはこの二日間であったが、
く。まず初めにゾウガメを診察台の上に乗せ
エキゾチックアニマルにすっかり興味を持っ
る。一番デカいやつは二人がかりで持ち上げ
てしまったので、教授にお願いして今後も時
る。そして、前と後ろでがっしりと保定した
間を見つけて顔を出してもよいという許可を
ら、頭をつかんで思いっきり引っ張り、頸静
いただいた。そのおかげで、この後も様々な
脈に麻酔薬を打つ。この時の首を引っ込めよ
動物の診察や治療を見ることが出来た。その
うとする力は非常に強く、大の大人が本気で
なかでも、特に興味深かったのが、スカンク、
首を引っ張ってちょうど釣り合うぐらいの
金魚のオペ、ゾウガメの内視鏡検査であった。
力。頸静脈を見つけられない個体は、眉間の
スカンクと聞くと近づいてはいけないような
あたりに血管を探してみる。その針はためら
恐ろしげなイメージがあるが、実際は結構か
いもなく結構深く刺していた。麻酔が効いて
わいい顔をしている。そして、スカンクのカ
きたら、今度は後ろ肢に IC チップを注射で
ラーといえば白黒であったが、今回のスカン
皮下に埋め込む。最後は接着剤で皮膚を塞い
クは白茶であった。スカンクはここでも珍し
だ。その後、検査室に運び込み、いよいよ内
いのか、いろいろな人がこのスカンクを見物
視鏡検査を行う。後ろ肢の付け根をメスで切
しに来ては顔をしかめていた。血中カルシウ
開し、そこから内視鏡を入れていく。亀の解
ム濃度が異常に低く、運ばれてきた当初は
剖学を頭にきっちりと詰め込んでこの日に挑
ぐったりしていたが輸液療法と Ca 剤の投与
んでいるわけもなく、先生の説明を頼りにモ
で回復し、数日後には無事退院出来た。金魚
ニターに映し出された臓器を確認していく。
のオペは、左目の上に出来た腫瘍の切除を目
最後はアスピレーターで体内を陰圧にしてか
的するものであった。麻酔薬として MS222
ら、切開部を閉じた。このように Exotics で
を用いた。方法としては、MS222 を溶かし
は普段の日本の実習では経験できない貴重な
た水槽に金魚を入れ、蓋をする。蓋をするの
体験をたくさんさせて頂き、とても充実し、
は跳ねて飛び出すのを防ぐため。水中でバラ
有意義な時間を過ごすことが出来た。
ンスを崩し始め、麻酔が効いてきたのを確認
したら、湿らせたガーゼの上に金魚を置き、
― 105 ―
Emergency
終的には外科的な処置は行わずに数日後に退
Emergency は、まず朝に大学内のカフェ
院できた。この日のローテーションももうす
で現在治療している患畜についてのミーティ
ぐ終わるという頃、Neurology から痙攣を起
ングを行うことから始まった。Dr.Koening
こしたビーグル運び込まれてきた。一気に診
にあいさつし、自己紹介を済ますと、さっそ
療所内が緊迫した空気に包まれ、そこにいた
くコーヒーをご馳走してもらった。そのコー
スタッフが慌ただしく準備に取り掛かった。
ヒーをすすりながら、学生達とともに朝の
邪魔にならないように、少し離れたところか
ミーティングを始めた。会話の中で専門用語
ら見ているとこれは非常に良い例だからと
が出てくると、Dr.Koening はその都度こち
Dr.Koening から声がかかり、保定に入らせ
らを向いて自分が理解しているかどうか注意
てくれた。そして、処置をしながら状況を詳
を向けてくれ、いまいちな表情を返すと、紙
しく説明してくれた。その説明によると、脳
に書いて説明してくれた。それが終わると、
梗塞を起こし右半身が痙攣しているとのこと
Dr.Koening が Emergency で 現 在 診 て い る
であった。そして、とても強いパルスがある
患畜について、それぞれ丁寧に説明してくれ
からと言われ、股動脈を触ってみると血管を
た。その中には、この大学のマスコットであ
弾くような非常に強い脈を感じた。そして、
るブルドッグもいた。このブルドッグは呼吸
眼の drop down が認められるといって、自
困難でグレードⅡの心雑音があり、心房細動
分に見えるようにテストを行ってくれた。頭
の疑いがあるとのことであった。実際に生徒
部を背側方向に倒していくと、正常な側の目
達と共に心音を聞いてみると確かに心雑音が
は頭部の動きに応じて動いていくが、梗塞を
聴取された。その後、このブルドッグを心臓
起こしている側の眼は最初の位置のまま動か
科に連れて行き、
エコーによる検査を行った。
ず、やがてまぶたの裏に隠れていってしまっ
午後には、大きなゲージに入れられてゴール
た。この最後の症例は非常に Emergency で
デンレトリーバーが運ばれてきた。ゲージに
あった。
は黄色と赤色で警告文が張られていた。その
内容を見てみると、多剤耐性の E.coli に感
Radiology
染しているため、
近づくなとのことであった。
Radiology の一日はケーススタディをもっ
近くにいたドクターにこの犬が飼い主の元に
て 始 ま る。Radiology の 初 日 の ケ ー ス ス タ
戻れる可能性があるのかと尋ねたところ、ど
ディは教授が不在で、同じようにクリニカル
う思う?と聞き返された。まず難しいと思う
ローテーションで訪れていたアメリカ人の獣
と答えたら、彼女もそう思うと言っていた。
医師三人と学生達でケーススタディを行っ
今のところ元気そうに見えたため複雑な心境
た。
例のごとくコーヒーをすすりながら、
次々
となった。また、
黒色の嘔吐物をしたコッカー
と出てくるケースと discussion をボケーと
スパニエルも運ばれてきた。オーナーさんの
眺めていた。が、眠い。朝一発目というのも
話を聞くと、この犬はイブプロフェンのボト
あるが、この部屋の暗さが何しろマズイ。こ
ルで遊んでいたところ、誤ってその中身を全
のケーススタディはクイズ形式になってお
て飲み込んでしまったとのこと。膀胱にガス
り、出てくる症例は、4 年の放射線の授業で
が溜まり、場合によっては開腹しなければな
やったのとほとんど同じようなもので、特別
らないかもしれないとのことであったが、最
難しいものはない。ただ特徴として、全てが
― 106 ―
異常なケースではなく、中には正常なものも
物に移動するのが正解となる。Dermatology
混じっているのが特徴で、これは実践的な
では、まず脂漏症のシーズーを見た。それか
トレーニングとしてはとても良いと思った。
ら、重度の外耳炎のバセットハウンドの耳
ケーススタディを終えると検査室で撮影の仕
掃 除 を KARL STORZ ENDO SCOPE と い
事が始まる。まだ担当の先生に挨拶が済んで
う耳用の内視鏡を用いて麻酔科で行った。ま
いなかったので、挨拶すべき先生を探したが
た重度の毛包虫症に感染したヨーキーも来院
教授っぽい人はみな ID を付けていないので、
し、治療としてイベルメクチンを処方した。
誰に挨拶すべきか全く分からない。結局、生
イベルメクチンと言えばフィラリア予防であ
徒の一人に頼み、一番偉い人に紹介してくれ
るが、日本では蚊の発生する前の春過ぎ頃か
るようにお願いした。Radiology の一日の予
ら夏にかけて与える。アメリカではどうなの
定は、随時、壁にかかっている大きなホワイ
か尋ねてみると、年中暖かいジョージアだけ
トボードに更新されていく。そして、その予
でなく、寒い地方でも一年中処方する方針ら
定に従い次々と撮影をこなしていく。言って
しい。シーズー等でみられる珍しい疾患であ
しまえば作業ゲー。というのも、個々の患畜
る hepatocutaneous syndrome と う い う の
の詳しい経歴についてはここに居ては分から
も見ることがことが出来た。これは肝臓の疾
ない。面白そうなケースについては、作業を
患であるが、皮膚にも症状が現れるため皮膚
手伝いながらその担当の科のスタッフに聞い
科で発見されることが多いらしい。予後は非
てみる。そうして、しばらく過ごしていくう
常に悪く、数カ月から1年程とのこと。全体
ちにあることに気付いた。Radiology の最大
として、定番な疾患と珍しい疾患の両方を見
の特徴は、この大学内においてここが最も寒
ることが出来、また Dr. Okunaka のご厚意
いということである。べらぼーに寒い。ちな
により、オーナーさんとのやりとりにも参加
みに外の気温は毎日 35、6℃。アメリカの冷
させて頂くことが出来たので、とてもよい経
房の強さにはいつも驚かされるが、自分もそ
験になった。
れなりに学んできた。ここで慌てず、少し得
意げにバッグの中から白衣を出して着てみ
た。それにしても、彼らは一体寒くないのだ
最後に
ろうか?おもむろに見渡してみる。皆さん
今回の研修の目的は、アメリカの獣医医療
がっつりフリース着込んでる。さすがです。
の現場を実際に体験し、日本の獣医療との違
いを経験することであった。今研修を終えて
Dermatology
その目的は十分に果たせたと思う。そして同
いよいよ最後のクリニカルローテーショ
時に、ジョージア大学の先生方、生徒のみな
ン で あ る Dermatology。Dermatology は
さん、スタッフのみなさん達との学校外での
他の診療所とは離れた場所に位置し、CPC
交流を通してもまた非常に多くのことを経験
と 同 じ 建 物 に 一 緒 に 入 っ て い る。 よ っ て
させて頂き、学ぶことが出来た。日米の大学
Dermatology が暇になると CPC を覗いてみ
における獣医医療の教育システムの間には
るというパターンが形成される。さらに両者
様々な違いがある。それは、その教育システ
ともに暇になると退屈を持て余すパターンと
ムが目的とするところの違いから生じ、そし
なり、その場合は他の診療所が入っている建
てそこには文化的背景の違いというものが根
― 107 ―
本にあるように思われる。今回のアメリカで
こうの時間で 16 時ごろで、そこから2時間
の研修を通じて感じたのは、アメリカの教育
弱ほどでジョージアセンターのホテルに到着
システムは多様性を重んじているということ
した。そこからご飯を食べにハンバーガー
である。それは、アメリカの獣医学生が各研
ショップに行き、帰りに朝食や水などを買っ
究室をクリニカルローテーションとして経験
て一日目は終了となった。移動だけだが、考
していくことに表れている。一方日本では、
えた以上に 12 時間の座りっぱなしはしんど
一つの研究室に配属され、研究を通じ卒業論
くて睡眠不足もあって寝入りはよかったが時
文を書き上げる。選んだ研究室によっては大
差ぼけもあるのか二、三度途中で目を覚ます
学における臨床経験は授業の中の実習だけに
ことがあった。
限られてしまうが、自分が選んだ研究テーマ
に関しては深く追及する機会が得られるよう
8月21日(日曜日)
に思う。このように、アメリカ研修を通じて
2日目は、18 時まで時間に余裕があった
日本の教育システムや文化(特にお米のあり
ためアウトレットに行った。アウトレットで
がたさ)について再認識出来たこともまた大
は円高などのためかいろいろなものが安く感
きな収穫であったと思う。
じた。アウトレットには 10 時半ごろタクシー
で出発したが、朝ごはんを食べていなかった
のでアウトレットで食事をしようとしたが
モール内には食べるところがなかったため夕
ジョージア大学研修
食の1食のみで我慢した。17 時ごろにホテ
西井 理志
ルに戻ってきて、18 時に今日のイベントで
あるゲームナイトにマロリィーさんの家に向
2011年8月20日(土曜日)
かった。ゲームナイトではまず食事を外の庭
13 時に成田空港に集合大きな荷物を預け
で食べた。スペアリブやとうもろこし、
いも、
た。その後、時間に余裕があったためしばら
えびやチップスなどさまざまなものを食べさ
く味わえないので日本食を食べようという
せてくれてとてもおいしかった。ビールやお
ことになり、さっぱりと出汁茶漬けを食べ
手製のサングリアなども用意されていて、サ
た。おいしかった、これからのアメリカの食
ングリアはジュースみたいでおいしかった。
べ物もおいしいことを期待している。飛行機
今日までで自分の英語力のなさに失望しこれ
は 15 時 50 分の離陸だったので少し時間が
からの研究室ローテーションがとても不安に
余った状態だった。飛行機に乗ると機内食を
なった。やはり誰かと一緒にいると誰かに頼
出され、日本時間で 19 時ごろから電気が暗
りたくなるのは事実だけど、自分ひとりに
くなり睡眠をとるように配慮されたが眠気が
なったら何もできないんじゃないかととても
あまりなく映画を見てすごしていたが日本時
不安で明後日からが憂鬱である。睡眠はとっ
間で0時を過ぎてやっと眠くなり睡眠をとっ
たものの2日目にして疲労感があり生活自体
たがすぐにライトがついたりして辺りが明る
に疲れているのかもしれない。
くなりあまりよく眠ることはできなかった。
一日過ごしてこのときに眠っておいたほうが
8月22日(月曜日)
懸命だと思った。アトランタ空港に着くと向
3日目はジョージア大学全体を説明つきで
― 108 ―
回った。ジョージア大学の歴史などを話して
8月24日(水曜日)
くれたようだが自分の英語力では理解できな
5日目は2日目のクリニカルローテーショ
かった。一通り説明を受けて昼食をとった。
ンでオンコロジーの2日目だった。前日行っ
昼食はさまざまな種類があり、自分はロース
たこともあり、生徒とも少し話したり超音波
トビーフをパンではさんだものでほかの人た
のところに連れて行ってもらったり前日以上
ちと交換しながらツナやターキーなどを食べ
に充実した研修になったと思う。今日ははじ
た。昼食を食べてショッピングモールに連れ
めてオーナーさんとの問診も見させてもらい
て行ってもらい、
飲み物や朝食を買った。
日々
最初の段階から診察治療するということの全
の生活のためのスーパーにいくとアメリカ人
貌が見えた気がした。研修の後にはウォール
はひとつひとつのものが大きくまとめて買い
マートに連れて行ってもらい朝食やちょっ
込む文化である様に感じた。買い物のあとは
としたお土産を買った。その後は今日はフ
大学のロビーで夕食をご馳走になった。ハン
リーナイトということでみんなでピザを食べ
バーガーやホットドッグなどアメリカらしい
に行った。ピザはおいしくてもう少し食べた
食べ物を食べたが、早くも胃がやられ始めた
いくらいだった。明日はまた違う研究室にク
のかあまり食欲を感じていないでの食事で時
リニカルローテーションすることになるので
間が早かったのもあるかもしれないがこの先
不安な気持ちが大きい。ほかの人たちの話を
が思いやられる。
聞くともう少し積極的に話を聞きにいく必要
があるようで、自分の英語力無さを言い訳に
8月23日(火曜日)
せずにできるだけ積極的に話しかけていきた
4日目は初めてのクリニカルローテーショ
い。
ンの日で前日付け焼刃で谷口先生著書のパー
フェクト獣医英語を自分が見て回るオンコロ
8月25日(木曜日)
ジーの分野のところを見たがいくつか説明受
6日目、クリニカルローテーション3日
けた中で出たので役には立ったがもっとしっ
目で新しい研究室ソフトティシューに行っ
かりと英語全体の勉強すべきであったととて
た。ソフトティシューはオーソぺディックと
も後悔した。いくつか自分からわからないこ
合同というか二つでサージェリーという研究
とを聞くこともしたが、聞き方もあまりうま
室のようでオーソぺディックの人と一緒に研
くないしリスニング力も低くてあまり理解で
修することになった。一緒だった人が英語が
きないような状態だった。向こうの生徒たち
堪能だったためどうしても英語力の無い自分
や先生に囲まれた状態であまり理解できない
は頼ってしまったが最後の方では自分で聞い
速さでの英語の応酬は精神的にかなり追い詰
てみてといわれて自分で聞くことになりがん
められた。しかしいくらかのことは理解でき
ばったが相手に伝わらなかった。しかし、し
たし、とても丁寧で優しく教えてくれたので
ばらく粘っているとほかの人が仲介してくれ
意外と楽しく一日目を過ごすことができた。
て何とか自分の力で聞きたいことを聞くこと
もしもっと自分が英語ができたらもっと楽し
ができた。研修の後はドクターオクナカの家
い研修になるのにと何回思ったか数え切れな
に行って食事をご馳走になった。食事以上に
い。
日本語を話してくれる先生の存在がとてもう
れしかった。月曜日からの CPC の研修では
― 109 ―
オクナカ先生が同じ場所で皮膚科をやってい
帰ってきて時間があったのでダウンタウンに
るということでとても心強く感じた。今日で
行った。ダウンタウンでは昨日見て回れな
ほぼ半分のクリニカルローテーションが終
かった店を見てお土産を買った。途中で何人
わったということでとても早かったな思う。
かに分かれてしまい、その後集合することが
また3日間の休日を過ごして後半の研修もが
できずそれぞれで帰った。こういうときに携
んばりたいと思う。
帯が使えないことの不便さをとても感じた。
何とかみんなホテルに帰り、ご飯をタクシー
8月26日(金曜日)
に乗ってザクビーというジョージア発祥のフ
7日目、今日は朝からバスで移動してコカ
ライドチキンチェーン店に行った。なんだか
コーラミュージアムに行った。16 ドルもと
んだ量も一人食べられるほどで味もおいしく
られて結構高いなと思ったが中では4D の
よかった。夕ご飯の後、数人でお酒を買って
ムービーがあったりお土産も買えたのでよ
きたらしく部屋でみんなでいろいろな味の
かったと思う。しかし全体的いえることだが
ビールを飲んだ。ライム味がさっぱりしてい
お土産を買う時間が少なく急いで見て回る必
ておいしかった。みんなで飲むと楽しい。
要がありもう少し時間をとってくれたほうが
よかったかなと思う。次はオリンピック公園
8月28日(日曜日)
を通って CNN に行った。ここはほとんど食
9日目、今週の休日も最終日今日は湖に行
事をしただけだった。食事を済ませてホテル
き泳ぐ予定だったが、自分は湖に浮くフロー
に帰り、ダウンタウンに行った。ダウンタウ
トでよってしまって泳ぐどころか遊ぶどころ
ンではネイティブアメリカの店やフローズン
ではなくなって、ショック状態だったのか腕
ヨーグルトを食べたりした。ダウンタウンか
がしびれてしまってとても怖かった。そんな
ら帰って今度はカラオケナイトに行った。少
感じでほとんど遊ぶことができずに寝てすご
し日本語をはなせる人がいたりしたがほとん
しただけだったのは本当にもったいないと
どが日本語をわからないので邦楽を歌うと少
思った。体調をもっと整えておけばこんなこ
し空気が重かったが仕方が無い。自分を含め
とにはならなかったかもしれない。酔い止め
て結構な人が歌いたくなかったのでそれが相
を飲んで少し回復した気がして湖から帰って
手に伝わってしまってないか心配。カラオケ
からの食事はみんなと一緒にメキシカン料理
の後 80's パーティーに行った。ここでは1
を食べに行った。先生が頼んでくれたチキン
ドルでビールが飲み放題で生バンドの人たち
はとても辛いソースに浸っていて舌やのどが
が歌っていて雰囲気もよくすごくみんなもノ
焼けるようだったがとてもおいしかった。体
リがよくとても盛り上がった。とても忙しい
調は完全ではなかったが最後の日曜日という
1日でとても疲れたがとても楽しい1日だっ
ことでみんなでトランプをするというのに参
た。
加した。大富豪は大人数でやるとまた違った
面白さがあった。明日はまたクリニカルロー
8月27日(土曜日)
テーションがあるので英語をがんばりたいと
8日目、今日はマーケットに朝から買い物
思う。
に行き、見て回ったが気に入るものが無く何
も買わなかった。昼をマーケットで食べて、
― 110 ―
8月29日(月曜日)~9月1日(木曜日)
サージェリー(ソフトティシューとオーソペ
後半のクリニカルローテーションでは
ディック)
CPC とオーソペディックに行った。CPC は
基本的に診療日と手術日があり、診療日に
基本的に一次診療のみを行っていてワクチン
どのような症状があり放射線検査結果などか
の投与がほとんどだった。オーソペディック
らどういう手術を行うかを決め、手術日に決
では最初の日は TTA などの手術を見せても
まった手術を行うという形のようだった。
らい、二日目クリニカルローテーション最終
日はソフトティシューの手術日だったのでそ
CPC
ちらの手術を見せてもらった。この4日間の
日本でいう1次診療を行うところのよう
間も夜にはパーティーがあり毎晩楽しく食事
で、ワクチン接種などを行っていた。
をした。
基本的にアメリカで見る患畜はおとなしく
9月2日(金曜日)
よくしつけられている印象が強い。また各研
帰国前日にホテルのチェックアウトをして
究室の横のつながりというのか専門分野にそ
ジョージア水族館を見学させてもらった。管
れぞれがしっかり分かれていて、すぐに専門
理している側から見せてもらい餌や治療など
家の意見を聞いて治療方針を決めるという形
の施設を見たりし、華やかなところを維持す
が出来上がっていてより質の良い治療を受け
るために地味なところをしっかりやることが
ているという印象を受けた。
大切だと思いました。
日本でこの治療スタイルをとるには専門医
を育てることから始めなくてはいけないので
9月3日(土曜日)
現実的ではないように思えた。しつけに関し
帰国当日、早めに空港に行き免税店などで
ては日本でもパピークラスなど徐々に増え始
買い物をし、日本へ帰国しました。往きと違
めて認知され始めていると思うのでこのまま
い疲れていたのか、酔い止めが効いたのか睡
発展していくと動物と人間のより良い関係を
魔に襲われ半分近く寝ながらの帰国となっ
築けるのではないかと思う。
た。帰国後空港で写真を撮り解散、ジョージ
ア研修終了となった。その後日本でも時差ぼ
けに悩まされた。飛行機で寝てしまったのが
ジョージアでの2週間
いけなかったのか。
濱中 龍太
オンコロジー
基本的に身体検査やボディーマップの制作
8月20日 を行い FNA をして、腫瘍の性質を検査し必
しょっぱなから集合時間をミスった。1 時
要に応じて超音波や放射線検査を行ってい
集合なのに、11 時に成田空港に来てしまっ
た。何の腫瘍かを診断したら化学療法や放射
た。ぶらぶらしててもお金を使っちゃいそう
線療法など腫瘍に合わせた治療を行う。倒れ
なので、展望台のベンチに座って飛行機を眺
るなど異常が見られたときには神経科や心臓
めて過ごした。機内では隣にハルタが座って
科など他の研究室と連携して診断していた。
いたのだが、無駄にラブラブした映画を観て
― 111 ―
いて気分を害した。
水が飲みたくなったので、
をやったのだけど、マロウィが圧倒的に強く
客室乗務員に「ウォーター プリーズ!」と
て歯が立たなかった。
言ったのに、コーラを渡され、絶望した。お
れは water の発音も出来ないのかと。さら
8月22日
ば日本!さらばウォーター!アメリカに到着
今日の午前中はジョージア大学を案内して
し、入国審査を受けた際に、僕だけ通訳が付
もらいました。大学内に推定 5 万人以上収
けられてしまった。そりゃそうだ。water も
容できるであろうアメリカンフットボールス
cola と間違えられるのだから。迎えに来て
タジアムがあったり、大学が広大過ぎて何が
くれたジョージア大学の学生はすごく暖かく
あったかわすれました。ジョージア大学の
迎えてくれてこれからの研修が楽しみになっ
サージをプレゼントしてもらってテンション
た。ホテルに着いてみんなでハンバーガーを
が上がりました。その後、ショッピングモー
食べに行ったのだが、ハンバーガーよりもサ
ルに行きトマトと髭剃りを買いました。最近
イドに付いているポテトの方が明らかに量が
高カロリーな物ばかり食べてるのでトマトは
多くて驚いた。回りを見渡すとずんぐりむっ
必要だったのです。夕飯は大学の生徒が立食
くりしているアメリカ人がたくさんいて、完
パーティを開いてくれました。生徒がダメ四
食してしまった僕も二週間後には、はちきれ
人衆(濱中、ハルタ、たけし、みな)に話し
んばかりのバディを振り回しているのだろう
掛けてくれたのだけど、何を話しているのか
と想像した。疲れていたけど、酒を買いに
分からず、お互い申し訳ない空気になってし
三十分ぐらい歩いて初日は終わった。
まい彼は去って行きました。明日からの病院
研修が不安でたまらなくなりました。
8月21日
今日はアウトレットに行きました。靴を買
8月23日
おうと思っていたのだけど、ビビッてくる靴
今日から研修スタートです。大動物科に行
が見つからなくて、タクシー代 10 ドル× 2
きました。すごく緊張していたのだけど、み
を払っただけで終わる事になりそうなので、
んなとても優しく迎えてくれました。一人だ
気温は 30 度以上だがセーターを買った。若
け僕が必死に挨拶をしているのを笑いながら
干血迷った。みんなと合流してみてびっく
聞いていて何かが胸に刺さりました。挨拶が
り、両手にたくさんの買い物袋。その後は、
終わったら症例検討や預かっている患畜の状
マイケルとマロウィ夫婦のおうちでパーティ
態を報告するディスカッションが二時間ぐら
をしました。家の中は日本のアニメがびっし
いあり、専門英語が飛びかっていてばれずに
り。ジブリ、るろうに剣心、ガンツなどな
あくびをするのに必死でした。ジョージア大
ど、知らないアニメもたくさんありました。
学の大動物は馬を専門としていて、胃に食物
ボーダーコリーのサヤとルミがいて、サヤは
が詰まってバクテリアが繁殖してしまった馬
すごく活発で人が大好きなんだけど、ルミは
の治療は経鼻チューブを装着し自分の口で胃
すぐに逃げちゃってなかなか慣れてくれませ
の腐った食物を吸い上げていてびっくりしま
んでした。マイケルと一対一で話せてよかっ
した。その他は飛節内の腫瘍?(質問したの
た。僕のへたくそな英語も頑張って聞いてく
だけど分からなかった)やプレートによる骨
れて嬉しかったです。みんなでマリオカート
折治療後の消毒を見たりしました。今日はと
― 112 ―
ても暇だったらしく、
ジャシュファー先生
(大
なかったのでオクナカ先生という奈良生まれ
動物の先生)は外で優雅にギターを弾いてい
の先生が関西弁と英語を交えながらアレル
て一緒に弾いたりしました。五時からコリー
ギーについて教えてくれました。皮膚科と
先生のお家でご飯を食べました。今日は疲れ
CPC は同じ部屋なので皮膚科が暇なときは
ていて、ワイン一杯でいい気分になりました。
CPC に行ったりしてました。今日見学して
お酒に酔った状態の方が英語力がアップする
いて、初めて見たのは猫の爪を二度とはえな
ことに気付いた。
いように根元から取り除くオペを見ました。
8月24日
8月26日
大動物二日目です。
昨日の夜は全く眠れず、
コカ・コーラセンターと CNN に行きまし
今日の朝の二時間におよぶディスカッショ
た。色々な国のコカ・コーラ製品を飲んだん
ンは自分の手をつねりながら堪え忍びまし
だけど、アフリカのは独特すぎてダメでし
た。教授の隣に座っていたのでつねる手に力
た。やっぱり日本最高です。おみあげを買う
が入りました。僕の推測では、馬に感染、寄
時間が少なすぎて先輩へのおみあげを選んで
生した細菌、ウイルス、寄生虫の検出の方法
たら、時間になってしまい自分へは買えませ
を議論していたと思います。そして、昼は大
んでした。その後、この研修期間最大の試練
学が月一で開催するバーベキューに行ってハ
であるカラオケに行きました。心を削られま
ンバーガー、ホットドックを食いました。午
した。
後は暇だったらしく、ご飯を食べながらジョ
シュアー先生、リカルド(ブラジル人)、エ
8月27日
リンと大釜さんとご飯を食べながら色々話し
今日の予定は WallMart で買い物のみで
ました。僕がリカルドに話すと全く伝わらず
す。エロスの塊みたいなお店があったり刺激
(ブラジルは独特の英語)
、ジョシュアーやエ
的でした。暇だったのでダウンタウンに行っ
リン、大釜さんが頑張って伝えてくれまし
ておみあげを買いました。その後にみんなで
た。世界に独りぼっちになった気分です。ア
酒飲んで笑い開かしました。めぐみちゃんの
メリカに来る前に英会話カフェに行って自信
餡蜜姫、気孔師の話は忘れられません。
をつけて来たのにいとも簡単に砕け散りまし
た。午後は三時まで暇だったのでたくさん話
8月28日
した。三時からは勉強会のスタートです。馬
最 高 の 日 曜 日 を 過 ご し ま し た。 今 日 は
の三大肥満の原因である、クッシングとメタ
ジョージア大学の卒業生が持ってる別荘に
ボリックシンドローム、甲状腺機能低下症の
行きました。その別荘が湖の側にあるんで
原因、診断、治療を勉強しました。星先生の
す。カヤックもあるしモーターボートもある
プリントの内容とほぼ一致していて聞きやす
しセレブな気分になりました。モーターボー
かったです。大動物は今日で終わりです。明
トで引っ張るウェットスキーなどをやりまし
日から皮膚科頑張ります。
た。かなりエキサイティングです。卓球台が
あったので鹿児島大の叶内先生と試合をしま
8月25日
した。先生は大学六年間卓球をやっていた強
今日は皮膚科です。皮膚科は予約が入って
者です。僕は高校時代に市民館に通っておば
― 113 ―
あちゃん、おじいちゃん達にしごかれてまし
トです。調子に乗って骨折しないか心配でし
た。二ゲーム試合をしました。一ゲーム目は
た。ジョンとシェイミと仲良くなることがで
デュースが続く接戦で負けました。二ゲーム
きて楽しかったです。
目は圧倒して若さの偉大さを老身に叩き込み
ました。
8月31日
今日から CPC です。CPC は一般診療なの
8月29日
で結構ヒマです。でも CPC の生徒はすごく
久しぶりの研修です。今日は神経科。この
優しくてなんでも答えてくれます。英語の勉
研究室は鹿児島大のみなちゃんとハルタが
強だと思って、勉強以外の事も積極的に話し
行っていて、二人ともホテルに帰ってきた時、
ました。今日は去勢と抜歯ぐらいで後はワク
げっそりしてて不安でした。ほとんど放置さ
チンなどでした。今日のパーティを開いてく
れるらしいのです。それを聞いていたので積
れるおうちにはプールがあるらしく、ハルタ
極的に話しました。僕的にはすごく楽しかっ
はこの日のためにアメリカに着てから毎日筋
たです。サコンジュ先生の授業でやった脊髄
トレをしていました。まぁー、たいした体は
反射のテストをやっていて、飲み込みやす
していませんでした。童心に還って水鉄砲で
かったから。午後は予約が入ってなくて、暇
はしゃぎました。ロイとアディっていうこの
だって聞いていたので、行きたくてしょーが
前の湖にも来ていた小さな子がいて、水鉄砲
ないエキゾチックアニマルに行かせてもらっ
でバトリました。ロイに水をかけると、ロイ
たのだが、残念ながら暇らしく早々にホテル
のお母さんに水をかけられました。親子の絆
に帰りました。でも、ゾウガメが来院して明
を感じました。イタリア料理がおいしかった
日検査するらしいです。絶対見に行きます。
です。
8月30日
9月1日
神経科二日目です。今日は CT のある施設
CPC 二日目です。遂に最後の研修です。
を見学させてもらいました。これは北里のも
今日は行動学の先生が来るということなので
のと大差ないと思いました。その後、交通事
見せてもらいました。問題行動の相談は以前
故にあったピンシェルが来ました。皮下出血
から飼っていた猫が新しく飼った猫を受け入
が腹部広範囲に見られたが、後肢は刺激に対
れず、けんかばかりするというものでした。
しての反応が見られ神経には異常はなく寛骨
先生は飼い主に家の部屋の図を書かせ、猫の
の骨折のみでした。その他にも脳に腫瘍がで
普段の居場所、行動範囲などを細かく診察
きてしまって歩き方が異常な子もいました。
していました。2時間近くかかっていまし
合間にエキゾチックを覗いて、ゾウガメの内
た。途中睡魔に襲われ、ボールペンで腕をつ
視鏡検査を見学させてもらいました。後肢の
ついたりして抵抗しました。先生はいくつか
付け根に小さな穴を開けて内視鏡を挿入して
の提案をしました。まず、その家には猫がス
いました。画面にゾウガメの臓器が映しだせ
トレスを解消する物がないので、cathouse、
れ、肝臓や胃、腸などを見ることができまし
toyfood の紹介をしました。また、二匹の猫
た。日本ではめったに見られないので見るこ
の生活環境を完全に分離しその後徐々に慣れ
とができてよかったです。この後は、スケー
させる方法、がありました。最終日に行動学
― 114 ―
を見ることができて良かったです。今日はサ
~ 2011 ジョージア~
ヨナラパーティを開いてくれました。30 人
治田 悟
近い人が来てくれて盛大に行ってくれまし
た。最後にはサプライズプレゼントがありま
8月20日
した。フォトフレーム付きの2日目に撮った
15 時、田辺先生、ガマさん、ミーナ、ナ
集合写真です。感動しました。その後、マイ
ベさん、カオリン、長浜、たけし、おっくん
ケルの大きな車の上で集合写真を撮りまし
と共に成田空港出発。向こうの 15 時ジョー
た。悲しいことに僕の顔が切れていました。
ジア着。鹿児島大学の人達、
叶内先生、
エゴッ
チ、ママと合流。アトランタ空港にジョージ
9月2日
ア大学の事務の人、在学生、卒業生数名が空
水族館に行きました。実習で行く扱いだっ
港まで迎えに来てくれた。晩飯は皆でアメリ
たのでタダで入れて、裏も見せてもらいまし
カンハンバーガー食べに行った。マジでかく
た。ジンベエザメの水槽の大きさに驚きまし
てテンション上がったが、英語が聞き取れ
た。お客さんに見せる窓は 20×10㎡ぐらい
ず、バーガー内の野菜全無しに。パンと肉だ
なのに、裏には約 100m 近いプールがあっ
け。悲しい。英語もっとできたかった。初日
たからです。空港に近いホテルへ移動し飛行
だから仕方ない。叶内先生はめっちゃお酒が
機がガンガン飛んでいくのが見えるプールで
好きで、この時もビールを飲みたがっていた
遊んで、ステーキを食べて、今日が最後の宿
が ID を忘れて断られていた。アメリカはお
泊なので朝4時までみんなとしゃべってまし
酒飲むときに ID が重要なようだ。
た。
8月21日
9月3~4日
今朝は早く起きたので、ホテルに備え付け
やっと日本に到着しました。機内では赤ワ
のジムで筋トレをした。プールナイトまでに
インを飲んだら一瞬で眠れたので、14 時間
腹筋を割りたい。その後、今日は夜まで自由
のフライトもあっという間でした。隣のおば
時間なので、11 時くらいから皆でアウトレッ
ちゃんのいびきにイライラしましたが…。ア
トに行った。かなり長い道程だったが、タク
メリカ研修高いって思っていたけど絶対お得
シーは8人乗りで楽しかった。円高だしとて
だと思います。夕飯はほぼ毎日パーティを開
も安くて、色々購入した。18 時からはゲー
いてくれるのでタダだし、移動もジョージア
ムナイト。ドクター・マロリー&旦那夫婦が
大学の車を出してもらえるし、旅行で行くよ
招いてくれた。
マロリーはアニメ好きだった。
りも圧倒的に英語に触れる機会があるからで
晩御飯でいただいたアイスもコーンも海老も
す。経済的にどうしようもない場合を除いて、
スイカも皆美味しかった。皆でゲーム ( マリ
迷ったら絶対に行くべきです。ジョージア大
オカート ) を楽しんだ。マロリーは持ち主と
学、田邊先生、叶内先生、迷惑をかけてしまっ
いうこともありめっちゃ速かった。犬2匹
たみんな、ありがとうございました。
飼っていて、一匹はシャイでもう一匹は活発
な子でとても可愛かった。
― 115 ―
8月22日
エキゾチックアニマルもやってきてX線撮影
今日の朝も筋トレから始まった。今日は大
をしていた。
馬はよくX線撮影にくるらしく、
学案内。英語が早く、全然聞き取れなかった
この日も4頭の馬が来た。牛はあまり来ない
がなんとか雰囲気とジェスチャーで伝わった
と言っていた。5時 30 分今日はドクターコ
気がした。途中首席の人にあった。めっちゃ
リーと晩御飯を御一緒した。本当に愉快な人
面白い人で、金曜日のカラオケナイトに参加
で楽しく晩御飯を過ごせた。マッシュドポテ
してくれるらしい。そのあと大きなスーパー
トがとても美味しかった。この日の移動中に
で買い物もした。
日本のスーパーと全然違い、
携帯電話をなくしてしまい。本当に焦った。
すでにアメリカ文化を肌で感じ始めている。
プルーンとナッツ買い、ホテルで食べた。や
8月24日
はり安かったし美味しかった。その後、5時
朝筋トレし、8時から読影に参加した。午
に歓迎会開始。ジョンが話し掛けに来てくれ
後X線見学をしていると、おっ君、なべさん、
たけど、こちら側が英語あまりわからずあま
プレートおばさんがX線をとりに来た。他の
り会話出来なかった。しかし、ジョンとは数
研究室の人もよく出入りしているようだ。今
日後仲良くなることに。マリー夫妻が今日も
日は鴨や山羊、ウサギがX線を撮りに来た。
いて、またお世話になりました。今日はエリ
鴨は野性の鴨だったみたいで、交通事故に
ザベスにも沢山お世話になりました。
よって嘴を骨折しており処置することができ
ず、安楽死させることになった。5時ウォー
8月23日
ルマート ( アメリカのスーパー ) で買い物を
今日朝筋トレをして、8時 45 分に大学ロ
楽しんだ。スーパーに行く前にリキシアさん
ビー集合。今日は放射線学研究室に行くこと
が昨日なくした携帯電話を見付けといてくれ
になっている。一人ずつ研究室へ連れられる
た。どうもありがとうございます。その夜は
ともう読影が始まっていた。この読影は去年
フリーだったので、
皆でピザを食べに行った。
北里の実習で学んだことと同じようなことだ
なんと具を自分でチョイスできる形式で楽し
が、もっと学生中心にディスカッションして
かった。でもまた英語がわからず、今度は肉
いく形式で進められていた。ある程度の少人
を頼むことができずヘルシー?なピザになっ
数制でこのような形式はとても勉強に集中で
てしまった。更に夜、カノウチ先生の部屋で
き、いいやり方だと思いました。読影後研究
飲んだ。鹿児島の人は面白い人ばっかりだっ
室内では、皆がX線撮ってるの眺めてた。こ
た。カノウチ先生は認知症の研究してます。
こでも学生が主にX線撮影をしており、先生
はわからないところを指導する程度だった。
8月25日
英語はやはりわからないが、この研究室の教
今日は朝筋トレし、新しい研究室、神経学
授やテクニシャン、学生はちょこちょこ話し
研究室にいった。ここでも神経の検査、
診察、
掛けてくれて雰囲気もよかった。お昼休みは
お客さんとの応対まで学生がこなしていた。
日本の皆と再会できてもほっとした。午後も
神経学の教授はドクタープラットで体格が良
午前中と同じ感じで、皆が撮影しているのを
く少し顔が恐かったが、話し掛けるととても
見学していた。今まで犬や猫のX線撮影しか
笑顔で優しく対応してくれた。北里にも2、
見たことがなかったが、この研究室には馬や
3回来たことがあるらしい。お昼は獣医学部
― 116 ―
全体でバーベキューがあり、またハンバー
しか買わなかった。めっちゃかわいいスポン
ガーを食べた。午後は患者さんとの応対に同
ジボブのイヤフォン発見したので購入。スポ
行させてもらい、
雰囲気を学ぶことが出来た。
ンジボブ、カクカクしててめっちゃ耳痛い。
ジョージアのマスコットキャラがブルドック
長時間使用不可です。アバクロでTシャツ ×
であることからか、こっちの人の飼っている
3も購入。ランチはそこの Mall でチキン食
犬種の割合としてブルドックが多いように思
べました。その後今日はフリータイムだった
えた。5時 30 分ドクターヘンゼルと晩御飯
ので、皆でダウンタウンにくりだしちゃいま
を御一緒した。楽しい時間をありがとうござ
した。ジョージア暑いしなんか3人で皆とは
います。
ぐれるし大変でした。その旅の途中、なんと
めっちゃデカイレッドブル発見。なんと 20
8月26日
オンス。こんなの全部飲んだらエネルギー振
朝筋トレし、
8時 30 分に学長と写真を撮っ
り切れます。でもお土産用に購入。3人で普
た。9時にコカコーラワールドへ。コカコー
通のサイズを購入しエネルギー補給。なんと
ラセンターでまさかの4Dの映画を観賞。世
かバスに乗ってホテルまで帰ったらもう皆
界各地のコカコーラを試飲することも出来、
帰っていた。その夜は皆でジョージア発祥の
楽しかった。地域によって飲み物の味が全然
チキン屋さんにチキンを食べに行った。とて
違った。ここではお土産を沢山購入した。1
もジューシーだった。
時に CNN( テレビ局 ) て皆でランチをとっ
た。なかなか大きな建物だった。ここに来る
8月28日
途中、オリンピック記念公園を通った。歴代
28 日。今日は待ちに待った湖の日。朝筋
の選手の手形があってテンションがあがっ
トレしたけどまだ腹筋そんなに割れてない
た。
や。仕方ない。ゆったりと車に揺られ2時間
8時ヴォイスクラブでカラオケ。個人的に
後湖到着。ででかい。こんな所に別荘を持っ
カラオケは大の苦手で他の人に頑張って歌っ
ているなんてなんてすごいんだ。天気もいい
てもらった。カラオケの後、80 ズ・パーティー
し最高だ。一番乗りで湖にダイブ。気持ちい
がありそれに参加。学校の敷地内で行われて
いー。タケシは浮輪で浮いていたら酔ってし
いたのだが、参加料1$でビール飲み放題。
まいこの日一日リタイアしてしまった。お昼
凄い。バンドグループが演奏していて、それ
はもちろんハンバーガー。ウォータースポー
に合わせて皆猛烈に頭を振っていた。体もゆ
ツも沢山楽しませてもらい大満足で帰りの車
れていた。皆 80 年代のコスプレやなんか他
にのった。日焼け止めを塗っていたが、日焼
のコスプレをしていて、めちゃめちゃ楽し
けしすぎて皮がめっちゃむけてしまった。帰
かった。毎週このような感じで、
毎回違うパー
りの車で美味しい料理屋さんの場所を聞き、
ティーをしているみたいだ。
ホテルについて皆でそこに食べに行った。そ
こはメキシコ料理屋で、辛いのが苦手なので
8月27日
二口目から味が全くわからなくなってしまっ
今 日 は 朝 筋 ト レ し て 10 時 か ら Mall of
た。
Georgia に出発。ここで今日はお買い物。今
までいっぱい買っちゃったからこの日は少し
― 117 ―
8月29日
ラットは右足の付け根に大きな腫瘍があっ
今日から腫瘍学研究室にお世話になった。
た。午後はミーティングルームでアトランタ
この研究室でも学生が診療を行っていて参加
水族館と衛星通信で症例報告会を行った。水
させてもらえた。触診や細胞診、X線などを
族館はカブトガニや珍しい金魚の症例を報告
主に行っていて、こういったところは日本と
し大学側はゾウガメを報告していた。夜ドク
それほど変わらないと思った。午後は 13 時
ター・ボブと晩御飯をご一緒させてもらった。
30 分から 16 時まで講義だった。英語に慣れ
ドクター・ボブの家にはプールが着いており、
てきたが、さすがに講義は早いし専門的なの
皆ではしゃぎまくった。このお家ではなんと
でほとんどわからなかった。晩御飯はドク
イタリアをご馳走になった。プールではビー
ターエイミーの家に招いてもらった。夜は叶
チボール、水鉄砲で遊びまくった。
内先生とホテルの下に付いているバーへ行っ
た。カクテルとかはあまり飲んだことがな
9月1日
かったので、どうかなと思ったけどすごく美
今日は研究室訪問の最終日。二日目のエキ
味しかった。マリブコークなかなかです。
ゾチックアニマルは予約があまりなく、少し
暇をしていた。野性の鳩が運ばれてきたが、
8月30日
処置できず安楽死することになった。昨日入
腫瘍学研究室2日目。今日も8時集合で一
院したウサギが今日の朝になって亡くなって
日中診療。カルテも見せてもらい、一匹ずつ
しまった。飼い主さんがこの子を忘れないよ
詳しく説明してもらった。ジャックという犬
うに、ウサギの足型をとり飼い主さんに渡し
はオステオサーコーマで転移しており、外科
ていた。今日エキゾチックアニマルは早く終
手術により右足を切断されていた。今日の治
わったので、他の研究室、外科や放射線研究
療は CXR 胸部X線とカーボレイションだっ
室を見学した。夜はジョージアで出会った人
た。晩御飯は学内でピザをご馳走してもらっ
達が沢山集まり、お別れパーティーを開いて
た。食べ過ぎてしまったが、
今日の夜はスケー
くれた。楽しかったが、もうアメリカ研修が
トナイトでめっちゃ汗をかいた。初めてロー
終わってしまうことが少し寂しかった。副学
ラースケートをやって、難しかったけどすぐ
長やリキシアさんが皆に集合写真と写真立て
に慣れてすごく楽しかった。なんかちょっと
をプレゼントしてくれた。
前の時代に行った感じがした。
9月2日
8月31日
アトランタ水族館で実習をし、そのまま水
今日からはエキゾチックアニマル研究室。
族館を見学させてもらった。白イルカやペン
朝から作業が始まっていた。動物園に入る前
ギンを間近で見ることが出来た。水族館の巨
のゾウガメ数頭の検査入院である。ゾウガメ
大スクリーンは圧巻だった。3時にアトラン
に麻酔をかけ、頚部から検音機で脈の音を
タのホテルに到着した。
拾っていた。すぐにゾウガメは退院していっ
て、その後他の研究室と同じように飼い主さ
9月3日
んの問診に同行させてもらった。今日はウ
いよいよアメリカを発つときがきた。寂し
サギ2匹にラット1匹の予約が入っていた。
いが日本もそろそろ恋しくなってきた。あり
― 118 ―
8/22
がとうアメリカ。
今日はジョージア大学のキャンパスツアー
9月4日
と動物病院の見学をした。ツアーで建物の説
日本着。
明をしてくれるお兄さんがいたが、早口す
ぎて何を言っているのかさっぱり聞き取れ
なかった。明日からの Clinical Rotation が
ちょっと不安になった。その後、スーパーに
アメリカ研修
連れて行ってもらい、朝ご飯など食料を買っ
宮本 かおり
た。
8/20
8/23
13 時に成田集合。早く着いたので渡邉さ
Clinical Rotations 1日目。今日から 2 日
んと回転寿司を食べた。これから 2 週間米は
間 Small Animal Soft Tissue の予定だった
なかなか食べれないと思い味わって食べた。
が、今日は予定がないと言われ、となりの
みんなそろいいよいよ出発!出発ゲートの前
Small Animal Orthopedic へ。 そ こ で は 朝
で鹿児島大学から来た 3 人を探したがそれら
8:30 か ら Bandage labo. が 行 わ れ て い た。
しき人は見つけられずそのまま飛行機に乗っ
学生たちが実際に鎮静をかけられた犬を用い
た。飛行機には予定通り乗れた。デルタ航空
て包帯の巻き方を教わっていた。私も実際に
は映画がたくさんあり、4 本くらい観た。機
やらせてもらった。今日は Orthopedic の診
内食はまずまずだった。11 時間くらいで無
察日らしく、朝から次々に患畜がやってき
事アトランタ空港に着いた。飛行機を降りた
た。担当の学生が診察室から Orthopedic の
ところでやっと鹿児島の 3 人らしき人を見
部屋に患畜を連れてきて TPR や全身状態を
つけ、合流することができた。ジョージア大
チェックし、ドロワーサインやコンプレッ
学の学生、レキシアたちが車で迎えに来てく
ション試験を行いカルテに書き込み、実際に
れていてそのまま Georgia Center へ。みん
診断し、最後に先生に報告し指示を仰いでい
なでダウンタウンへ夕食を食べに行った。ふ
た。日本では学生は先生が診断しているのを
つうのハンバーガープレートの肉のサイズと
見ているだけなので日本との違いに驚いた。
ポテトの量に驚いた。
学生が自分で所見をとり考えて診断するので
実際に臨床の場に出たときにとてもためにな
8/21
ると思った。患畜は前十字靭帯断裂がほとん
今日は夕方まで予定がなかったのでみんな
どだった。診察が終わり、夕方から大腿骨頭
でタンガーアウトレットに行った。夜はマロ
骨折のオペを見学した。
リー夫妻の家で Game night !マロリーがジ
ブリ好きなのでジブリの DVD やトトロのぬ
8/24
いぐるみがいっぱい置いてあった。庭でご飯
Clinical Rotation 2 日 目。 今 日 は
を食べた後みんなで Wii でマリオカートを
Orthopedic が一日中オペの日だった。前十
した。とても楽しかった。
字靭帯断裂の TPLO と TTA のオペが 1 件ず
つと、肘関節の脱臼整復のオペを見学した。
― 119 ―
TPLO や TTA は前期の授業で勉強したばか
は Penn-Hip 法を習っていたが見たことはな
りだったので実際にオペを見れてよかった。
かったので勉強になった。
しかし専門英語を忘れてしまっていて話して
いることを完全に理解できなかったのが残念
8/26
だった。最後の肘関節脱臼整復は C アーム
今日は朝、学長と副学長と全員で記念撮影
で透視しながらのオペだった。脱臼してから
し、その後車でアトランタの World of Coke
経過が長かったせいか元の位置に戻すのが難
に行った。世界中のコカコーラの飲み物 60
しそうだった。時間がきてしまい、途中でオ
種類を試飲してお腹パンパンになったが、
ペを抜けて帰ってきた。
4D シアターやコーラの瓶詰め工程などいろ
いろ見れて楽しかった。お昼は近くにある
8/25
CNN Center でメキシコ料理を食べた。夜
Clinical Rotation 3 日 目。 今 日 は
はみんなでカラオケ night !久しぶりに寿司
Radiology に行った。朝 8:00 から 2 時間く
を食べてお米のおいしさを実感した。マイケ
らい読影ゼミがあった。学生が一人ひとりレ
ルジャクソンが好きなのでマイケルの曲をリ
ントゲンフィルムを見て所見と考えられる病
クエストしたら Beat It を歌ってくれて感激
気を答え、先生が解説していた。英語が早口
した。カラオケの後、学校で 80's Party を
で専門用語が多く理解できなかったので、自
やっているらしいのでみんなで行ってみた。
分なりに所見などをメモして一人で読影して
1$ でビール飲み放題だった。80 年代の曲を
いた。Radiology にはいろんな科から動物が
バンドが演奏していてみんなも 80 年代スタ
やってきた。大動物棟ともつながっていて大
イルに仮装してきたりしていてノリノリだっ
動物棟から X 線撮影室までスムーズに入っ
た。もちろんマイケルの曲も何曲か流れてテ
てこれるようになっていた。撮影については
ンションが上がった。マイケルに仮装してい
放射線研究室に所属していることもあり日
る黒人さんがいて、一緒に写真を撮ったり、
本との違いに驚いた。日本では鎮静はかけ
みんなで踊ったりとても楽しかった。
ず 2,3 人で保定をして撮影しているが、ここ
では撮影するときは大体鎮静をかけて動物を
8/27
動かなくさせていた。どちらが動物にとって
Mall of Georgia に行った。とても広くて
いい方法なのかは難しいと思った。午前中は
2 時間半ではとても見きれなかった。
どんどん撮影が入り忙しそうだった。午後に
は尿道狭窄の G. レトリバーの尿道ステント
8/28
設置を行っていた。C アームで透視しながら
今日は Clark Lake へ。湖の横に先生の別
尿道にバルーンカテーテルを挿入し、バルー
荘があり、湖で泳いだりカヤックをしたり、
ンを膨らまして狭窄した尿道を広げてからス
ボートで浮き輪を引っ張ってもらったり、卓
テントを設置していた。それが終わると股関
球をしたりとても楽しかった。マロリーの手
節形成不全疑いの犬の Penn-Hip での撮影が
作りアイスクリームが本当においしかった。
あった。膝を伸ばした状態と曲げた状態、2
とても楽しくて一週間ぐらいここにいたいと
本の棒を股に挟み押さえてからで膝を曲げ
思った。休日にこんなに大きな湖に遊びに来
た状態の 3 パターンを撮っていた。授業で
れるなんて最高だなぁと思った。夕食はみん
― 120 ―
なで近くのメキシコ料理屋に食べに行った。
いる中の一人について診察を見た。まず、移
行上皮癌のミニチュアシュナウザーが来て、
8/29
TPR、血液検査、直腸検査をした。2 件目に
今日から再び Orthopedic。午前中は 8 週
は肛門嚢腺癌のオペ予定の雑種の犬が来て血
間前に骨折のオペをしたスタンダードプード
液検査や一般状態の確認をしていた。3 件目
ルの創外固定の処置と前十字靭帯断裂のオペ
はリンパ腫の犬の経過観察で、エコー検査で
(TPLO) があった。麻酔導入にも立ち会わせ
転移がないか検査していた。ほとんどの患畜
てもらった。吸入麻酔の後、
硬膜外麻酔を行っ
が手術後の経過観察で来院していた。一通り
ていた。腰椎に針を刺し、針に生食を満たし
診察が終わるとミーティングが行われた。学
た状態で針を進めていき、陰圧がかかり生食
生が自分が担当した患畜の状態を Dr. Saba
が入っていくのを確認してから麻酔薬を注入
に報告していた。お昼を食べ、時間があった
していた。心電図は心電パットを使わずに体
ので Exotic のリクガメを見に行った。ちょ
に直接はさんでいたことと、血圧を測るため
うど麻酔をかけて内視鏡をしているところ
に心音計をつけて心臓の音を聞いていたとこ
だった。カメの内視鏡を見るのは初めてだっ
ろが日本と少し違うなぁと思った。また、麻
たのでとても興味深かった。
酔器にはイソフルランとセボフルランの両方
がついており、セボフルランも小さい動物や
9/1
ハイリスクの動物のときに時々使うと言って
Clinical Rotation 最 終 日。Oncology 2 日
いた。
目。8 時からゼミがあった。朝は涼しいので
外が気持ちいいということで外のテーブルで
8/30
ゼミをした。話していることは速すぎて全
Orthopedic 最終日。今日は診察日なので
然聴き取れなかったので、後で調べようと
朝から患畜がいっぱい来ていた。骨折でバ
思ってかろうじて聞き取れた単語をメモし
ンデージの交換に来た猫や、2 年前に TPLO
た。PDT( 光 線 力 学 療 法 ) や ALA、TTC に
をしたマルチーズの経過観察、明日 TTA の
ついて話していた。昨日と同じように患畜が
予定の秋田犬の術前検査などがあった。研究
部屋に連れてこられ、血液検査など健康状態
室の学生と一緒にコンプレッション試験やド
をチェックしていた。お昼までに今日の予定
ロワーサインを見たり、レントゲンをとりに
がすべて終わり、Dr.Saba に他の研究室を見
Radiology に行った。午後は予約がなかった
て回るなり外に行くなり好きにしていいよと
ので病院を回っていたら Exotic にカメが来
言われたのでお礼を言って他の研究室を見に
ているらしく見に行ってみた。大動物のとこ
行った。研究室を回っていると治田君も予定
ろにリクガメが 6 匹くらいいた。とてもか
がなくてフリーだったので 2 人でスタジアム
わいかった。
近くのブックストアに行った。思ったより大
きなお店でジョージアグッズがたくさん置い
8/31
てあった。そのあとホテルに帰ろうと思って
今日から 2 日間は Oncology。診察の予定
バスに乗ったらホテルとは違う方向に!気づ
を書くホワイトボードには今日来る予定の患
いたら大学にある美術館に着いてしまってい
畜が 10 件以上書かれていた。何人か学生が
た。せっかく着いたので入ってみたら、想像
― 121 ―
以上に広く、絵画だけでなく昔の版画や食器
ロリー夫妻とお別れした。私たちがお土産で
も展示されていて意外と楽しめた。帰りのバ
あげたトトロのストラップをかばんにつけて
スも途中で out of service になってしまい途
くれていてうれしかった。その後アトランタ
中下車させられたりいろいろトラブルがあっ
空港近くのホテルに行った。チェックインし
たが無事ホテルに着くことができた。夜は副
て夕食まで時間があったのでホテルのプール
学長の家で Farwell Dinner だった。他の先
で遊ぶことになったが、眠すぎて部屋で昼寝
生たちも集まってくれていてたくさん話せて
をした。夕食はホテル近くのお店にステーキ
よかった。最後に集合写真入りの写真立てを
を食べに行った。夜はアメリカ last night と
もらった。みんな本当にやさしくていい人ば
いうことでオールナイトすることになった。
かりだったのでお別れかと思うととてもさみ
修学旅行みたいやねーと言いながらみんなで
しかった。ホテルに帰って荷物をまとめた後、
話したり夜のプールへ行ってみたり部屋でグ
みんなで集まって飲み会。トランプしたりい
ダグダしていたが朝の 4 時くらいにみんな
ろいろ語り合ったりしてジョージアでの最後
限界になり解散した。
の夜を楽しんだ。
9/3
9/2
ついにアメリカ最終日。飛行機は 13:45 発
今日は朝 8:30 に 2 週間お世話になったホ
だったが少し早くホテルを出発して空港の免
テルを出発してアトランタにある Georgia
税店などで買い物したり、最後のお土産を
Aquarium に 行 っ た。Orthopedic の Dr.
買った。手荷物検査のときに濵中君がまさか
Rose が絶対お勧めと言っていたので前から
の瓶のコーラで引っかかり、栓抜きを借りて
楽しみにしていた。裏口みたいなところから
コーラを飲み干してゲートをくぐってくると
入り水族館の裏側の見学をした。餌を作る部
いうハプニングもあったがみんな無事出国で
屋や検査室、手術室などを見て回った。自然
きた。帰りの飛行機はほぼ爆睡だった。日本
に近づけるために人工の波を発生させる機械
に台風が来ていると聞いていたので心配だっ
をみた。何分間かに 1 回たまった水を水槽の
たが無事成田に到着した。最後に全員で記念
上からひっくり返していた。また自然の太陽
撮影をして解散した。
光を再現するために何十個もの大きいライト
が水槽の上に吊るされていた。実際に下から
最後に、今回の研修で日本とアメリカの獣
見ると本当に太陽の光のように見え、波も自
医療の違いに驚いた。アメリカでは学生は 3
然そのもので感動した。また、ジンベエザメ
週間ずつすべての研究室を回っていた。いろ
の餌やりも見ることができた。巨大な水槽の
いろな経験ができてとてもいい環境だなぁと
上に何本かロープが張ってあり、餌を持った
思った。また、普段から学生と先生でディス
人がゴムボートに乗ってそのロープを使って
カッションをし、意見を交換しているので学
進み、ジンベエザメを誘導して餌をあげてい
生が自分で考える習慣がついていいと思っ
た。水族館の裏側を見たのは初めてだったの
た。また、アメリカの生活や英語でのコミュ
で面白かった。裏側の見学の後、自由時間に
ニケーションなどとてもいい経験ができた。
なりご飯を食べたりイルカを見たりお土産を
研究室の先生方も質問をすれば親切にゆっく
買ったりしてとても楽しかった。水族館でマ
り説明してくれてとてもうれしかった。今回
― 122 ―
の研修で経験したことを今後の勉強に生かし
プー、ii: 抗ヒスタミン薬、iii: 必須アミノ酸、
ていきたい。
iv:真皮試験 → ワクチンで治療、v:血液試
験 → ワクチンで治療、vi:免疫抑制剤、であっ
た。3食べ物と環境アレルギーの両方
ROUND 抗生物質について
ジョージア大学獣医学部夏季研修報告書
初 期 病 変 は、 丘 疹 papules 、 膿
若井美菜子
包 pustules、 二 次 病 変 は、 た い せ ん
lichenification、
epidermal collarette である。
○実習1日目(Dermatology 皮膚科)
細胞診へ用いるのに最適な病変は、膿包、
症例 痂皮の下である。
8か月齢、B.W. 25.1kg、T102.2、雑種
上皮と真皮の膿皮症の違いは、病変では上
犬雄、二次診療で診察に来た。主訴は、全身
皮では丘疹、脱毛、貧毛症、真皮ではたいせ
の痒みで、フィラリア予防済みであった。前
ん、流出物が見られ、診断方法は上皮はスワ
の病院にてアレルギーの疑いによりアレル
ブで、真皮はパンチバイオプシーで行い、治
ギー予防食(サーモン、ポテト)・抗炎症剤
癒は、上皮は1週間で消散、真皮は2~3週
(プレドニゾロン、抗ヒスタミン剤)処方さ
間で消散する。
れていた。痒みのレベルは 10 段階中(10 が
皮 膚 科 で は 96~98% の 原 因 菌 が 球 菌
一番ひどい状態)3~4くらいで、皮膚病変
staphylococcus であることから、細菌培養
(膿包、丘疹、紅斑)が見られた。検査(塗
や感受性試験は通常行わない。通常セファロ
沫試験、テープ試験、耳介検査、くし検査)
スポリンが効き、耐性菌も現れにくい。
をしたところ、球菌+、好中球+、真菌-、
Q1子犬の腹部に膿瘍、丘疹があり掻痒、
虫卵-、ダニ-、毛包虫-、ノミ-であっ
紅斑を示している。シャンプーで治療してい
た。若齢動物であることから、主な痒みの原
たが、ひどくなったので少量の安い抗生物質
因は、外部寄生虫または食べ物であると推測
で治療してほしいという。A1セファレキシ
された。外部寄生虫が検出されなかったこと
ン(第一世代のセフェム系抗生物質)は安価
から、痒みの原因として以下の3つの可能性
で、浸透力がよい。
を考え、治療法を提示した。1食べ物:治療
Q2セファレキシンを投与したところ、吐
法は食物制限であり、治療法には3つの選択
き気をもよおした。A2食べ物と一緒に投薬
肢があり、i: novel protein…カンガルーなど
せよ。
動物が触れたことのない蛋白食を与える、ii:
Q3猫に Simplicef(第三世代のセフェム
hydrolyzed diet…鶏などの蛋白をちいさく
系抗生物質)の投薬をうまくできない。A3
したものを与える、iii: home cooked diet…
Convenia(セファロスポリンの注射投薬は
カンガルー、ウサギ、サツマイモなどを調理
2週間効く)
したものを与える、であった。また、味付き
Q4以下のような薬剤耐性菌が現れ
のおもちゃを与えない、近所の猫の餌を食べ
た。 感 受 性: ペ ニ シ リ ン、 セ フ ァ ロ シ ン、
ないよう注意させた。2環境アレルギー:治
Cefotaxime、クロラムエニコール、ST合剤。
療法以下の6つであり、i: 症状に基づく治療:
耐性:Enrofloxacin(キノロン系)
、テトラ
ステロイド、抗生物質、抗真菌薬、シャン
サイクリン、ゲンタマイシン、アモキシリン、
― 123 ―
オキサシリン、エリスロマイシン、クリンダ
が診察に来た。主訴は、: 前の病院で毛包虫
マイシン。A4オキサシリン耐性は、ペニシ
の治療中(イベルメクチン、セファレキシン
リン系すべてへの耐性を示す。したがってク
が 30 日目)
であるが、
良くならないとのこと。
ロラムフェニコール、
ST合剤のみ使用可能。
犬糸状虫陽性で飼い主に痒みはない。色素沈
Q5肢端舐皮膚炎…エリザベスカーラーを
着、皮膚の肥厚、脱毛。痒みのレベル8~9
つける。難治性。
、耳垢が多くて鼓膜が見えない。
/10(重度)
Q6エンロフロキサシン(キノロン系)を
深部皮膚掻爬試験で毛包虫なし(治療の効果
Ciprofloxacin に置き換えられるか?A6置
か)テープ試験、スタンプ塗沫試験、耳垢の
き換えられない。
塗沫試験、毛髪試験で、球菌 20 ~ 30、桿菌
10 ~ 20、 真菌、 好中球多数がみられた。 イ
○実習2日目(Dermatology 皮膚科学)
ベルメクチンによって毛包虫、疥癬等寄生虫
症例 は抑えられていると考えた。
したがって細菌、
10 歳、B.W.6.6kg T103.5 、 雑 種 犬 雌
真菌、アレルギーが原因と疑われる。細菌培
が診察に来た。(華氏体温平均 犬:99.5 ~
養して薬剤感受性試験をして、効く抗生物質
102.2、 猫:100.4 ~ 102.2) 主 訴 は、5 月
に変える
(結果は 5 日後にでる)
マラセブシャ
15 日~食物制限したものの、良くならなかっ
ンプー(マラセチア真菌を抑える)
、代替の
た。(穀物、イモ、カンガルーを処方)
。そ
抗生物質に変えるまでセファレキシンを持続
の後普通食に戻しても悪化しなかったこと
投与する。
から、食物アレルギーはない。シャンプー 1
皮膚科の感想
回 /1 週、耳掃除、をしており、ステロイド
検査によって寄生虫等が必ずしも検出され
6 週間中断している。全身に mild erythma
ると限らず、患畜によって症状の程度も異な
紅斑があり、痒みのレベル1~4/10、耳に
るので、診断は難しいと感じた。また、シャ
たいせんがある。Skin test を行い、環境ア
ンプーや抗生剤の種類についての知識不足を
レルギーについて調べた。以下はその方法で
感じた。来年以降皮膚科を見に行く人は、皮
ある。1鎮静(部屋を暗くし、あまり音をた
膚科病変の英単語知識をつけていくと有意義
てないようにする)2目に点眼(傷がつかな
な実習になると思います。
いようにする)3左腹部を剃毛、63 スポッ
トをペンで書く。4皮下にアレルゲンをそれ
○ 実 習 3 日 目(Large Animal Medicine 馬
ぞれ注入、15 ~ 30 分後に結果を見る。5陽
内科)
性対照は、12mm あり、熱感があった。そ
ROUND 馬の角膜潰瘍の症例検討
の他に、陽性反応はなかった。6鎮静に対す
所見 : 沈鬱、眼振なし、左右の非対称性な
る拮抗薬を投与し、覚醒させる。※アレルゲ
し。まぶた正常。瞳孔反応、縮瞳反応正常。
ンは、牧草、雑草、木、カビ・真菌、皮膚・羽、
治療 :NSAIDs(炎症を抑える)
、アトロピン
ダニ、虫であった。また、テープ試験、スタ
(痛みを抑える)
、
抗生物質、
抗真菌薬。※もっ
ンプ塗沫試験、耳の micro scope 試験を行っ
と詳しかったが途中参加のせいもあり、あま
た。
り理解できなかった。※処置中の症例 8 件
症例
も説明していたが、板書もなく、経過からの
1.5 歳のチャウチャウ mix 雌、B.W.17kg
説明のものも多く、よく理解できなかった。
― 124 ―
症例 ○ 実 習 5 日 目(Large Animal Medicine 馬
7 歳の雌馬。名前は Gunslinger。主訴は
内科)
疝痛、吐き気が見られたので、胃内容物を排
ROUND 症例検討
出、胃にミネラルオイルを投薬したつもり
13 日前に救助された 10 歳 去勢馬の症
だったが、誤嚥してしまった可能性がある。
例。救助後、アイオワからジョージアに移動
(肺炎)補液、胃に排液チューブをつないだ。
した。熱、関、鼻水を示しており、5 頭いた
口に袋をかぶせて肺音聴診、超音波で水の貯
他の馬も同じ症状を示した。その後他の個体
留の確認、量の推定をおこなった。経気管洗
は治った。食べ物は、干し草とペレット。10
浄 : 剃毛、スクラブで洗浄、切開部位付近の
日後他に 10 頭同じ症状を示したがその後他
皮下に局所麻酔、メスで切皮、留置針を気管
の個体は治った。初診の TPR は、T99.4
へ挿入、シリンジで蒸留水を注入し、吸い出
P52 R28 であった。 BCS は 5/9 であった。
し、細胞診する。結果肺炎であったので、抗
疝痛を示し、心拍↑、エンドトキセミア、循
生物質(クロラムフェニコール)処置し、8
環器病、貧血、呼吸数↑、paO2 ↓、疼痛・
月 30 日に退院。直腸検査ではキシラジンで
ストレス、肺病変感染による膿瘍から、細菌・
鎮静、直腸から手が押し出されないように、
肺炎(クレブシエラ・E. coli・ストレプトコッ
直腸内に局所麻酔していた。主に結腸が正し
カス・スタフィロコッカス・アクチノバチル
い位置にあるか、他の臓器も触れるところま
ス)
、
寄生虫・ウイルス・真菌・
(腫瘍)
を疑った。
で触っていた。
Re breading Exam を行ったところ、CBC・
○ 実 習 4 日 目(Large Animal Medicine 馬
FIB800、WBC18000、SEG ↑、BAND ↑
内科)
であった。生化学検査により、ALB が正常
症例
値であったことから、肝臓は正常であると考
主訴は呼吸困難(苦しそう)
。アレルギー
えた。Staphylococcus aureus 耐性であるこ
様の症状であったので、頚部気管聴診(通常
とから、
抗生物質(クロラムフェニコール)3.5
肺音より大きい音。肺音の方が大きい場合は
カ月を投与して治療した。
肺に病変がある)と肺音聴診(wistle noise
症例 1
ヒューヒューは肺の病変を示唆する。
)をし
主訴は、疝痛、吐き気(馬は吐けないので、
た。また、頚部気管触診し、凹まないかみる。
チューブで出す)であり、直腸検査、腹水検
気管支洗浄で気管~肺の細胞診、経鼻肺洗
査をしていた。
浄で肺の局所的な細胞診
(鼻捻子をし、
チュー
症例 2
ブを挿入、ステロイドを注入吸引)をした。
主訴は疝痛であり、直腸検査によりマス発
超音波検査により、肺野における白いシャ
見したので、手袋なしで直腸検査を行い大き
ドーは膿瘍を示していた。
さなどを確認していた。開口検査、胃にミネ
症例 ラルオイルを投与をしていた。
雄白馬 24 歳で、眼の既往歴あり、クッシ
症例 3
ング症もちの馬であった。疝痛から腸捻転、
レントゲンで食堂に食塊がつまっているこ
爆発、手術の既往歴あったので、腹部視診・
とを確認。内視鏡を鼻腔から入れて、ほじく
触診(痛み、腹水がないか)したが正常であっ
り、水で流し出した。その後、胃まで潰瘍が
た。: 気管支洗浄をおこなった。
ないかどうか確認した。内視鏡がない場合は
― 125 ―
チューブで水を押し込むことで治療する。原
have a chance, we are expecting you to
因は噛まなかったり速く食べることである。
come over Japan and meet one day again.
また、レントゲンと超音波で肺病変が確認さ
So, see you later! And I wish you all the
れた。
happiness.
感想
Sincerely, Minako Wakai
馬の治療における超音波の多様とその他
様々な機器の利用を見ることができた。
○実習 6 日目・7 日目(Radiology 放射線学)
My happy days in UGA!!!!!!!!
8 時~ 2 時間程度症例検討を行い、勉強し
渡邉 彩
た。そのあとは撮影、読影をしていた。9 月
1 日はテストだったため、読影の忘れている
8 月 20 日 ( 出発日 )
ことを教えてもらった。9月1日に一緒に2
ついに今日は Georgia への出発日!!な
時間で 11 症例を診断するテストを受けたが、
んだかこれからアメリカに行くことが実感で
骨病変、肺病変の知識の足りなさが明らかに
きないまま成田空港で Georgia メンバーと
なった。いい経験を出来たように思う。
合流しました。機内では 11 時間くらい終始
寝て、気付いたらアトランタに着いていまし
○全体の感想
た!!映画をたくさん観たかったのに寝てし
どの科でも症例数は多くなく、ひとつずつ
まってショックでした。アトランタ空港に着
丁寧に検討、勉強していた。ROUND でも
いてからは鹿児島大の人と合流して、大学の
難しいことを勉強しているわけではなかった
人たちが迎えに来てくれて、ホテルまで連れ
が、数をこなすことで、
確実に学生の身になっ
てってくれました。とてもテンションの高い
ているように思われた。日本ではシステムが
明るい人たちでこれからがとても楽しみにな
異なっているので、自ら勉強することの必要
りました。
ホテルにチェックインしたあとは、
性を感じた。
鹿児島大の人も一緒にホテルのフロントの人
おすすめのダウンタウンにあるハンバーガー
○ Thank you letter
屋さんへ。店内はいかにもアメリカ!!って
We are very lucky to receive your warm
雰囲気で、飲み物の大きさとあまりのポテト
heart and really impressed by it. We
の多さに途中でギブアップしましたが、アメ
really appreciate your hospitality. We
リカの大きさを感じられた初めての夕食でし
also enjoyed what we learnt in Clinical
た。
Rotation and your culture as well. So many
ホテルに戻ってからは瓶ビールを片手に
delicious foods and exciting activities there
パーティーナイトでした。アメリカにいるこ
were. I am very proud of being part of your
とを実感しながらこれからの生活がとても楽
University Family and never forget these
しみになりました!!これで初日は終了~
wonderful memories. Thank you so much
from my heart. Now, instead of saying
8 月 21 日 (2 日目 )
goodbye, I want to say see you later. If you
今日は 1 日フリーデー!ということで、
― 126 ―
Georgia メンバーの 8 人で大学から少し離れ
した。毎週かわるからしっかり見ておかな
たアウトレットへ! Tanger Outlet という所
きゃ大変だって話してくれました。
でこのアウトレットは個人の所有物だそう。
そのあとは Grocery store に連れてっても
すごーい!!ホテルからタクシーをチャー
らいました。いろんなものがビッグザイズで
ターしていざお買い物の旅へ!タクシーのお
アメリカを感じました!!
じちゃんはなまりが強くてほとんど何を言っ
いったんホテルに戻って、洗濯などをし
ているかわからず、ほぼ会話できませんでし
てから、再び CVM へ!!学生と一緒にディ
た。アウトレットだからとーても安くて、
さっ
ナータイムでした。ハンバーガーはこれで何
そくお土産をゲットして大満足でした。
個目だろ?!でも美味しかったです!!すこ
夜は今年の春に大学を卒業したマロリーの
しずつ会話はできたけど、もっと積極的に話
お家に招待され、ゲーム大会で大盛り上がり
しに行かなきゃ~って、感じた一日でした。
でした。マロリーさんの作ってくれたアメリ
明日からはついに Clinical Rotation がはじ
カの家庭料理とサングリアがとってもおいし
まりまーす。ウキウキ半分、緊張半分。がん
かったー!!
ばるぞー
明日はついに大学内へ入ると思うと、ドキ
8 月 23 日 (4 日目 )
ドキ!わくわく!です。楽しみ!!!
今日はついに初めての Clinical Rotation
8 月 22 日 (3 日目 )
でした!今日は Orthopedic に行きました。
今 日 は つ い に CVM の 中 に 入 り ま し
最初はどきどきでどうしていいかわからな
たー!!
かったけど、質問すると丁寧に教えてくれた
まず、UGA の校内を案内してもらいまし
し、とても親切な人ばかりで安心しました。
た。いろいろな建物の歴史とか由来を話して
神経学的検査のときの保定をしたり、実際に
くれたけど、残念ながらよくわかりませんで
検査をやらせてもらったり、ちょうど授業で
した。歴史のある建物が多くて、
立派でした。
やったばかりのことだったから、何をやって
その後は副学長とランチ!自己紹介を 1 人
いるのかよくわかりました。小型犬は全くこ
ずつして、日本とアメリカの獣医学校の違い
なくて、ほぼ大型犬ばかりでした。みんな前
を聞かれたけど、自分の思ってたことを英語
十字靭帯断裂でこの疾患がとても多いといっ
で言えなくて悔しかったです。
ていました。途中でみんなどこかへ行ってし
それから学生に CVM を案内してもらいま
まってひまになってしまった。病院内を回っ
した。臨床の研究室を回ったが、日本と比べ
ていたら、麻酔科に Dr や生徒がいるのを発
て研究室の数が多くてかなり専門的な分野に
見!!オペをみたい!と言ったらスクラブを
わかれていました。研究室に配属になるん
貸してくれてオペ室に入れてくれました。オ
じゃなくて、ローテーションで回るからたく
ペ室は全部で 6 部屋もあって、それぞれに
さんの研究室を経験できてうらやましく感じ
麻酔係がついていました。整形のオペをみる
ました。お昼ご飯を食べながらもパソコンに
のは初めてだったので、とても興味深かった
向かっている学生がいたので、何をしている
です。たぶん大腿骨頭の骨折の整復のオペ
のか聞いてみたら、自分の授業の時間割や研
だったと思います。途中、病変があるのは右
究室のローテーションの予定をメモしていま
足なのに左足を毛剃りしていることに気付い
― 127 ―
てオペはいったん中止されて思わずわらって
の手術では肘関節を正常な位置に戻すのが大
しまった!最後までオペを見ることは出来な
変そうで、C アームで何度も撮影しながらの
かったけど、おもしろかった。明日は TPLO
作業でした。結局最後までオペを見ることは
のオペがあるのでまた見せてもらいたいと思
出来なかったけど、次の日に聞いてみたら上
います。最初はほんとに不安だったけど、と
手くいかなくて再オペになったようでした。
ても楽しかった。明日はもっと積極的に質問
今日のお昼ご飯は大学内で Bar-B-Q があっ
したり、話したりしたいと思った。
てまた!ハンバーガーを食べました。かなり
Clinical Rotation の あ と は Dr.Corrie
大きな規模でびっくりしました。途中で日本
Brown のお家でディナーでした。とてもファ
人の奥中先生と Dermatology の Dr.Hensel
ンキーな先生で楽しかった!アメリカンスタ
が話しかけてくれて一緒にランチをして楽し
イルのディナーを用意してくれていて、ミー
かったです。
ハンバーガーにポテトチップス、
トローフやマッシュポテトがとっても美味し
あま~~いケーキ、
、
、こんなのばっかり食べ
かったです!多くの人が歓迎してくれていて
てたらそりゃあ体は成長するな!と思ってし
とてもありがたく感じた。
まいました。
明日も Orthopedic がんばるぞーー
Orthopedic は今日で最後だったけど、オ
ペは見ていてとてもおもしろかったし、充実
8 月 24 日 (5 日目 )
した 2 日間だったと思います。アメリカの
今日は Orthopedic 2 日目!!最初に研究
外科の現場をみて思ったのは、日本と違って
室に行ったらもう誰もいなくて、探してみた
麻酔科があることで、先生たちはオペに専念
らオペ室にいました。今日はオペが 4 件も
できる環境があるように感じました。麻酔係
あってこんなに多いことはなかなかないみ
の AT さんにも説明してもらったが、麻酔の
たいでした!最初は前十字靭帯断裂のオペ
記録の項目もとても多くて麻酔だけを見る人
で TPLO をやっていました。名前はわかる
がついているから、麻酔管理が徹底的されて
けど、こないだのテストで覚えたはずなのに
いる気がしました。麻酔科が導入をして、整
術式が全然思い出せなくて…なにをやってい
形がオペをしたら、麻酔科が引き継いで、放
るかよくわからなかった。左近允先生のプリ
射線が撮影を行って、麻酔科が覚醒をして、
ントがほしくなった笑。次も前十字靭帯断裂
エマージェンシーで術後管理を行うという、
のオペでした。今度は TTA をやっていまし
一連の流れが確立されているんだなと感じ
たが、TPLO と同じようによくわからなかっ
た。今日で外科は最後だったけど、明日は
た。関節鏡をやっていて、みたことがなかっ
Exotic で頑張ろうと思います!
たからみたかったけど、みれなくて残念でし
終わったあとはウォールマートでショッピ
た。そして次は肘関節の脱臼のオペでした。
ングをして、またお土産を買いあさりまし
オペの前にどのようにするかドクターに聞い
た!それから YOUR PIE というピザ屋さん
てオペをイメージしながらみれたのでおもし
に行きました。ここのピザ屋さんは自分で好
ろかったです。肘関節を正常な位置に戻して
きな生地やソースやチーズや具を選べるシス
から、骨に穴を開けて糸で固定すると言って
テムでとてもおいしかったです!学校の構内
いました。あまり行わない手術のようで、あ
にもあるのでかなりおすすめです。ホテルに
とは願うしかない!と言っていました。実際
戻ってからはジムでランニングをして、お部
― 128 ―
屋でナイトフィーバーでした!毎日とっても
記録をしていました。SEFOTAXIME を局
楽しい!! I'm so very happy now!!!!!
注して、それから、モノポーラの電気メスで
眼瞼のマスを切除しました。キレイに切除
8 月 25 日 (6 日目 )
したあとに、SHaNa クリームを切除部位に
今日は EXOTIC !魚のオペの予定だった
塗って、麻酔の含まれていない水槽に戻した
ので、pH を合わせたり、酸素濃度を測った
らすぐに麻酔から覚めていました。術後の金
りまずは水槽の準備から始まりました。そ
魚の体重は 53.2g でした。無事にマスの切除
の後、昨日きたスカンクの経過や、治療に
のオペが終わりました。その後は交通事故に
ついての Discussion や、金魚のオペの麻酔
あった野生のウサギの安楽死を行いました。
量やオペの手順の確認のミーティングをし
それから、
緊急のフェレットが運び込まれて、
ました。そして ICU にいるスカンクの治療
尿カテを入れたり、血液検査、X 線撮影、エ
として、Ca の投与をしていました。本来は
コーをして、カルシノーマと診断されていま
1.2-1.4mmol/l なきゃいけない血中 Ca 濃度
した。X 線でフェレットにも陰茎骨があるこ
が 0.6 しかないからだと言っていました。エ
とを知りました!これで今日のローテーショ
サとして、ドッグフード、にんじん、ブルー
ンは終わりました。Exotic はみたことない
ベリー、ラズベリー、トマトをあげていまし
動物ばかりだし、手技もはじめてみることば
た。これらの Ca 量も計算して、食事中にど
かりでとても面白かったです。英語にも少し
れだけ Ca を投与しているかも把握して、と
ずつ慣れてきて、今日はずいぶん質問をして
Dr が言っていました。狂犬病の注射を打っ
会話が出来た気がします!フリーな時があっ
ていない人はさわっちゃだめ!!!と書いて
たらまた来ていいか聞いたらいいよ!と言っ
あって、狂犬病の注射を受けてよかった!っ
てくれたのでまた行きたいと思います。
て、思いました。そしてついに金魚のオペ!
Rotation 後は昨日お昼に話しかけてくれ
金魚のオペなんて初めてだからドキドキでし
た Dr.Hensel のお家でパーティでした。広
た。まず、水槽の pH や麻酔濃度や酸素濃度
いお庭でおいしいお料理を頂きながら、ビー
を入念に確認してオペが始まりました。酸
ルを飲んで最高でした!北里にも来たことの
素 濃 度 は Oxygen Monitor で 5mg/l oxygen
ある先生でいろいろとお話をして楽しかった
に保っていました。pH は 6 に保って、麻酔
です。明日は学校はお休み~!休日を満喫す
は MS222 をつかっていました。まず麻酔の
るぞ~!!!
入った水槽に入れてしっかりと麻酔がかかっ
たのを確認しました。このとき麻酔の入った
8 月 26 日 (7 日目 )
水に金魚を入れるとジャンプするから蓋をす
今日はホリデー!朝から学校に行って、学
る、と言っていました。それからまた別の蓋
長先生と副学長先生と写真撮影をしました。
つきの水槽の蓋の上に金魚を置いて、水槽の
その後、アトランタにあるコカコーラミュー
中の麻酔の入った水をポンプで汲み上げて
ジアムへ!コーラが作られる過程を見たり、
チューブを金魚の口にいれて、鰓を通して麻
3D 映画を見たり、世界のコーラを試飲した
酔の入った水が金魚の体内を循環するように
りかなり満喫しました。世界のコーラはアフ
していました。酸素濃度、水温、pH、心音、
リカのが激まずでした。その後は放送局の
ETCO2、SpO2 を 5 分毎に確認して麻酔の
CNN センターでランチタイムでした。メキ
― 129 ―
シカンを食べて美味しかったです!
あるメキシカンのレストランに行きました。
アセンズに戻ってからは、カラオケパー
揚げバナナやタコスやチキンを食べて大満足
ティでした。お寿司のレストランでカラオケ
でした!毎日毎日美味しいごはんで幸せで
クラブの学生と一緒にカラオケでかなりノリ
すー!!!
ノリで楽しかったです。その後 80's PARTY
に誘ってくれてパーティーに行きました。み
8 月 29 日 (10 日目 )
んな 80 年代の格好に仮装していて飲みなが
久しぶりの学校でした。今日は CPC でし
ら、生の演奏にあわせて踊ってほんとーに楽
た。CPC は行動学のようなのを想像してい
しかったです!ホテルに戻ってからは爆睡で
ましたが実際は一次診療のような感じでし
した。
た。
一日で一番多かったのはワクチンでした。
日本では見たことなかったのですが、供血犬
8 月 27 日 (8 日目 )
になるための血液検査も多かったです。まず
今日はモールオブジョージアという巨大な
猫のデンタルを見ました。麻酔はケタミンと
ショッピングモールに行きました。お昼も食
イソを使って、血圧、脈拍音、呼吸、心電を
べ忘れるくらい必死でショッピングしまし
5分毎に記録していました。局所麻酔にリド
た。かなり広いショッピングモールで楽し
カインとブピバカインを用いて、X 線撮影を
かったです。
行いながら歯を抜いていました。残りの歯の
ホテルに戻った後は、何人かでダウンタ
スケーリングとポリッシングをして処置は終
ウンに行きました。Georgia のグッズのお店
わりました。その日にお返しをすると言って
に行ったり、ヨーグリーというアイス屋さ
いました。次にワクチンを打った後にショッ
んに行ったり、ダウンタウンを満喫しまし
クが起こってしまったコーギーを見ました。
た。帰りは大学内を無料で走っているバスに
貧血を起こしていたので酸素化をしながら、
乗って、無事にホテルに戻りました。かなり
リンゲル液を点滴していました。しばらくし
Georgia の土地に慣れてきた感じ!!晩ご飯
たら、回復していてよかったです。
は、Georgia 発祥というザクビーズでチキン
夜 は Dr.Koening の お 家 で デ ィ ナ ー で し
を食べました。美味しかった~肉ばっかり食
た。アメリカの家庭料理を用意してくださっ
べて日本食が少し恋しくなって来ましたー!
ていて、マカロニチーズやマッシュポテトや
チキンが美味しかったです!本当に毎日いろ
8 月 28 日 (9 日目 )
いろなお家に招待してもらってとても嬉しく
今日は朝から Clark Lake に行きました。
感じました!
かなりお天気で泳ぐのには絶好の日でした。
ホテルに戻ってからは、バーで飲みまし
浮き輪で泳いだり、カヤックでかなり遠くま
た!ハイテンションのバーテンダーさんのお
で旅にでたり、湖をエンジョイしました。大
すすめマルゲリータを飲んで美味しかったで
きい浮き輪に乗ってモーターボートで引っ張
す。ほろよいで楽しかった~
るやつをやってこれが 1 番楽しかったです。
泳ぎ終わったときにはみんな真っ黒になって
8 月 30 日 (11 日目 )
ました。
今日も CPC でした。まずは避妊の抜糸を
ホテルに戻ってからは、みんなで大学内に
見ました。手術は生徒がやったと聞いてビッ
― 130 ―
クリしました。術後2週間で抜糸すると言っ
で泳ぎました!プールサイドでお酒を飲ん
ていました。次に下痢のブルドックを見まし
で、おいしいお料理を食べて、かなりリッチ
た。まず身体検査をしたあとに糞便検査をし
な気分で幸せでした~ホテルに帰ってから、
ていました。糞便検査の方法を丁寧に教えて
今日もバーで飲みました!!!
くれた学生の人がいて嬉しかったです。その
後はやっぱり今日もワクチンばっかりでし
9 月 1 日 (13 日目 )
た。隣が皮膚科だったのでアレルギーについ
今 日 も Large animal で し た。 最 初 は
て教えてもらったりして、CPC は終わりま
meeting でした。今日の馬の様子とこれから
した。少し早く終わったので Exotic を見に
の治療法を先生と確認していました。そのあ
行ったらカメの検査をしていました。麻酔を
とは Q&A をしていて、みんなで考えながら
して腹腔鏡を入れて臓器を見ていました。カ
やっていて楽しそうだった!一つもわからな
メの体重によって使う麻酔を変えているよう
かったけど、
、
、そのあとは Grass party !胃
でした。こんなに近くでカメをみたのは初め
が悪くて Grass しか食べれない Tossca に草
てだったので驚きでした!
むしりをした。ICU に行って Tossca に草を
ディナーは学校で副学長先生とピザを食べ
あげて注射の準備をしました。Tossca は日
ました。かなりおっきいピザですぐに満腹で
曜日にきて今日で 5 日目で Salmonella によ
した~
る下痢で感染防止のために ICU にいて、輸
その後は学生と一緒にスケートナイト!!
液をしていました。POLO のポニーだと言っ
ローラースケートをしました。かなり久しぶ
ていました。次はポニーの傷口の消毒をみま
りだったけどスイスイ滑れて、子供に負け
した。膿瘍を取り除いたあとの術後管理だと
ないくらいはしゃいじゃいました! John や
言っていました。今日はブラジルからの留学
Jamie と仲良くなって楽しかったです。
生のリカルドがランチに誘ってくれて、前に
夜はまたバーで飲みました!
も行ったメキシカンに行った。お互いの学校
の様子を話したり話が弾んで楽しかったで
8 月 31 日 (12 日目 )
す。
今日からは Large Animal でした。まずは
今日は Athens 最後の夜でした。副学長先
ゼミのような講義を受けました。ロタウィル
生のお家でさよならパーティを開いてもらい
スやコロナウィルス、サルモネラ、クリスト
ました。今までにお世話になった先生や学生
リジウム、コクシジウムなどについて勉強し
が大勢来ていて、とても楽しい時間でした。
ていました。生徒の人たちは先生の質問にほ
本当に楽しくて日本に帰りたくない~!って
とんど答えていてすごかったです!
ずっと思ってました。多くの人に歓迎しても
まずは胃潰瘍の治療を見ました。鼻カテで
らって Georgia に来て本当によかったなと
胃に水を入れて何度もフラッシュしていまし
思って幸せでした。最後に学校で撮った写真
た。胃の動きをよくするためだと言っていま
の入った写真たてをプレゼントしてもらって
した。あとはほとんど疝痛の患者でした。エ
うれしかったです。
コーや X 線撮影をやっていました。
学校が終わってからは Swimming Party
9 月 2 日 (14 日目 )
でした。Dr.Bob のお家のお庭にあるプール
今日はついに Athens を離れる日です。朝
― 131 ―
2週間滞在したホテルを出て、Atlanta に向
of things in America that couldn't learn in
かいました。世界一大きい水族館に行って、
Japan. I will never forget these things and
水族館の裏側を見せてもらいました。規模が
I want to make use of these my experience
かなりダイナミックで驚きました!ジンベイ
from now. I think I want to go to Georgia
ザメが5匹くらいいる水槽があって、ジンベ
once again. Thank you very much!!!!!!!!!
イザメの大きさに感動しました。職員の方達
がボートに乗って餌をあげている光景は面白
かったです。
ホテルに行ってからはみんなでプールで泳
ジョージア大学夏季研修に同行して
いだり、ディナーを食べに行って最後に巨大
獣医微生物学研究室
なステーキを食べたり、最後の最後までアメ
田邊 太志
リカを満喫しました。
この研修を無事に終了することができ、国
9 月 3 日 (15 日目 )
際交流委員会およびジョージア大学の関係の
今日はついにアメリカ最後の日。本当に帰
先生ならびに事務の方々に対して深く感謝致
りたくない気持ちでいっぱいでした。空港に
します。そして今までの同行教員の先生方、
向かって、最後に免税店でお買い物をして、
いろいろご助言ありがとうございました。
飛行機に乗りました。時差ぼけのせいかほぼ
研修の詳しいことなどは、今回一緒に行っ
寝れずに、、、ずっと映画を観ていました。そ
た学生の報告を読んでもらうとして、ここで
して成田に到着!!!帰ってきてしまった~
は私が今回の研修の準備から研修終了までに
という気持ちでいっぱいでした。
気づいた点、知っていたら少しは役立つかな
今回 Georgia に行って日本ではできない
と思われる点を思いついたままに書いてみよ
経験をたくさんすることが出来たと思いま
うと思います。失礼なこと間違ったことが書
す。アメリカの獣医大学に行って向こうの学
いてあるかもしれませんが、あくまでも個人
生のやる気のある姿をみてなにより自分のモ
の意見と思って読み流してください。
チベーションが上がりました。日々の研究室
の業務を頑張ろうと思いました。また言語の
事前準備
違う国に行ってコミュニケーションをとるこ
今回この米国三大学夏季研修の同行教員を
とは難しかったけれど、それがとても楽し
引き受けて欲しいとの連絡を受け、引き受け
かったです。友達も出来て日本に帰ってきて
はしたものの、何をどうしてよいのかサッパ
からもメールをしたりしているのでこれから
リわからず、今までの同行教員の方が残して
も繋がっていければいいなと思います。また
くれていた資料と昨年の同行教員の方々のご
いつか Georgia に行きたいです。
助言をもとに何とか進めることができた。で
きれば大まかでよいので研修までの進め方の
Thank you very much for everything. I
マニュアルか説明があったらもう少し楽だっ
felt your welcome wherever, and it made
たのではないかと思う。それならお前が作れ
me so very happy. This summer was very
と言われると、それは………。まあこうして
interesting for me. I think I learned a lot
毎年繰り返されているのであろう。というわ
― 132 ―
けで、来年度の同行教員の方は遠慮なく私を
には、人に頼らず自分で意思の疎通をするよ
含め今年度の同行教員に聞いてください。
うにはっぱをかけた。その甲斐があったのか
また実際に引き受けては見たものの、8 月
どうかは定かではないが、研修が進むにつれ
中の 2 週間というのは、夏休みの半分近く
全員が相手の言っていることをある程度理解
を占め、また卒論の追い込み時期と後期実習
し、自分の意思も伝えられていたようで、学
準備などが重なる。できるだけ前倒しでこれ
生たちの日々の進歩にはびっくりさせられ
らの準備を進めていたつもりではあるが、ギ
た。やはり、若いうちは頭が柔らかいのか、
リギリでないと準備できないものもあり、や
何でも吸収してしまうようであり、羨ましい
はりかなり研究室に負担をかけてしまった。
限りである。
また、今年度のジョージア大学の日程(テネ
シー大学も同日程であった)では、帰国次の
空港
日から授業があり、学生もかなりしんどい思
ジョージア大学へは、成田空港からアトラ
いをしたと思う。どうしても夏休みが少ない
ンタまで直通便で行った。
空港での注意点は、
ため致し方無いとは思うが、この辺は夏休み
やはりセキュリティーチェックが思いのほど
を長くするなど、何らかの改善があると助か
かかるので、時間には常に注意が必要です。
るのですが、今年は臨床の先生に便宜を計っ
機内持ち込み禁止のもの、特に液体は、容量
て頂きました。ありがとうございました。
から入れ物まで細かに規定されています。再
度確認しておいたほうが無難です。
英会話
入国審査では、アトランタ空港の入国審査
この研修では当然コミュニケーションはす
官は結構フレンドリーです。まずパスポー
べて英語ということになる。今回参加した学
トなどを渡すときに、“Hi” または “How are
生たちは、海外旅行の経験も多数あり、英会
you?” とこちらから声をかけると、無視され
話を少しできる人からかなり出来る人まで幅
ることなく返事をしてくれ、和やかな雰囲気
広かったが、それでもネイティブと同じとい
で質問が始まった。質問内容は、人それぞれ
うレベルではない。希望する学生には、三沢
ですが、多くは、目的は、滞在先、滞在期間、
からアメリカ人の先生を斡旋し、半年ぐらい
いつ帰るのかなどであった。次に指紋と顔写
前から、毎週 1 回英会話の講習を受け準備
真をとって終了だった。
アドバイスとしては、
していた。日常の英会話は英語に触れること
まずは余計なことを言わずに聞かれたことだ
が上達の近道であること、アメリカ人に対し
けに答えること、アトランタの場合、もし英
て、物怖じせずにどんどん相手の懐に飛び込
語でのコミュニケーションがとれないと審査
んでコミュニケーションをとることが一番の
官が判断した場合は、日本語の分かる人が呼
ようである。最初はこちらの言っていること
ばれ間に入ってくれるので、慌てる必要はあ
が通じず、また相手の言っている意味がわか
りません。
らず不安になるため、ついつい他の人に頼り
がちになる。今回私はできるだけ、英会話の
携帯電話・インターネット
補佐をせず(といっても、私も補佐をできる
アメリカに渡ってから、携帯電話によっ
ようなレベルではないので、単に面倒を見な
ては海外で使えるものもあるので、その設
かったと言われるとそれまでだが…)
、学生
定、使い方や料金などは、各々の携帯電話会
― 133 ―
社に、どのようにしたらよいか事前に確認し
給料がわりだったそうで、今は給料をきちん
ておいたほうがよいでしょう。しかし、通話
ともらっているので、チップを払う必要はな
料や通信代が国内での使用に比べると高いた
いという意見も聞いた。結局、気持ちの問題
め、日本にいる時と同じようには使えないか
なのかもしれない。ちなみに私は、初日、7
もしれない。そのため今回は、学生と連絡を
日目、最終日にチップを渡した。
取る方法として、現地でプリベイトの携帯電
話を 2 台購入して、学生に 1 台持ってもらっ
狂犬病
た。プリベイト用の電話は $19、プリベイト
むこうの大学の要求もあり、狂犬病の予防
カードは $25 分のものを Wal-Mart で購入
注射を事前に受けておく必要がある。アメリ
した。料金設定はいろいろありますが、今回
カには狂犬病が常在しており、研修中には動
は 1 日 $2 でアメリカ国内使い放題を選択し
物に触れる機会もあるので仕方ないことであ
た。使わない日はチャージされないので、自
る。
大学構内などを歩いていると野生動物
(リ
分の携帯電話を使って、アメリカ国内での連
スなど)
をみることができるが、
狂犬病に罹っ
絡に使うよりは、断然安いし、成田空港で事
ている可能性もあるので、くれぐれも触らな
前に携帯電話をレンタルすることもできます
いように
(普通は、
逃げるので触れませんが)。
が、これもかなり高額になるので、この方法
が一番安いのではないかと思う。プリベイト
ジョージア大学
式の場合購入後、携帯電話をアクチベートし
アメリカの大学をそんなに多く知っている
なれければならず、説明書にそって(説明書
わけではないが、思ったより治安のいい大学
は英語ですが)
、携帯電話からできるのです
という印象を受けた(さすがに暗い夜道は危
が、コンピューターがネットにつながってい
ないのでひとり歩きはやめたほうが無難であ
るのであれば、Web サイトから行ったほう
る)
。大学内の移動には、構内を走っている
が簡単であった。
無料のバスを利用することも可能です。アメ
インターネットは、最初にホテルのロビー
リカンフットボールのスタジアム、体育館、
でユーザー ID とパスワードをもらってログ
Book Store、美術館など、様々な施設があ
インすれば無料で簡単に接続できた。
り時間があるときにこれらをまわってみるの
も良いと思う。
チップ
ジョージア大の学生や教職員の人達は、ア
日本ではない習慣であるが、食事に行った
メリカの南部気質なのかもしれませんが、知
り、タクシーに乗ったりしたら、支払い時に
らない人でも目が合うと Hi !と挨拶したり、
チップを払う。その支払額は料金に対して
ニコッとしたりしてくれる。みんな明るいし
10 ~ 15%のようである。いつも困るのは、
フレンドリーであった。獣医学部ではアメリ
ホテルのルームサービスには、どのようにし
カ人以外の学生も多数研修していた。そう
たらよいのかということ。人によっては、毎
いった人達は、我々と同じように、会話など
日 $1 ずつ払う人、最初と最後だけに払う人、
のコミュニケーションでは苦労をしているよ
全く払わない人など様々である。
残念ながら、
うなので、話しをしてみると、いろいろ共感
アメリカ人に聞いても回答は千差万別でこれ
できるところが多々あった。
といった答えはなかった。以前は、チップが
― 134 ―
臨床研修
たりするのは、しんどいだろうからというこ
臨床研修の詳しい内容などは、学生にお任
とで開いてくれているのだと感じた。楽しい
せするとして、おそらくどの科に配属になる
し、お腹も膨らむし、お財布にも優しいので、
のかというのが一番気になるところかもし
気楽に行ったらいいと思う。
れない。どの科に配属されるかは、前もっ
て提出する Personal Record に書く Special
体調管理
interest に沿ってジョージア大学の方で割り
食事ですが、アメリカの食べ物は、大味で
振ってくれます。100%希望通りとはいかな
脂っこくボリューム満点なものが多い。2 週
いが、何事も経験です。受ける気持ち・姿勢
間も似たような食事が続くので、お腹の調子
によっては、例えそれが希望したものでなく
と相談しながら腹 8 分目にしておいたほう
ても有意義なものになると思うし、せっかく
が無難であろう。レストランなどで食べきれ
の機会なので、貪欲にいろんなことを吸収し
なかった場合は、言えば持ち帰り用の箱をく
て欲しい。
れるか、詰めてくれる。それでも食べ過ぎた
り胃もたれしたりするかもしれないので、胃
交通ルール
薬は忘れずに。
お薦めは、
お肉、
ハンバーガー、
交通ルールとして、車は右側通行なので、
果物、コーラー、毒々しい色のケーキ、ベビー
横断歩道を渡るときは、左をまず確認するこ
キャロットやマッシュルームなどの野菜、日
と。ジョージア州では、車は、右折するとき
本にはないものもいろいろあるのでぜひ試し
は、例え信号が赤でも左から車が来ないこと
てみたらいいと思う。
が確認できれば、曲がることができる。横断
気 温 は 日 中 30 ℃ を 超 え る。 で も 室 内 は
歩道で道路を渡るときは、右折する車には巻
20℃ぐらいに設定されている。ホテルの部
き込まれないように注意が必要である。
屋なら自分で温度設定を変えることができる
が、大学内や公共の場所ではそうはいかず、
余暇
この温度差などでクーラー病などになりがち
普段の研修があるときはなかなか自由な時
であった。また研修最初では時差ボケも重
間が持てないかもしれない。その分、週末に
なって、体調を崩しやすいかと思う。睡眠を
おもいっきり羽を伸ばせるように、ジョージ
しっかりとり、せっかくの研修を不意にしな
ア大学が、ショッピング、湖、カラオケなど
いためにも、体調管理はしっかりと。
いろいろ計画してくれている。これらの詳し
最後に、
い内容は、学生の報告にお任せする。
アメリカに渡ってからは、ジョージア大
パーティー
学の副学部長の Dr. Carmichael を中心に彼
2 週間のうち、ほとんど毎晩どこかの先生
女の秘書の方々、特に Ms. Lakecia Pettway
の家のパーティーに呼ばれる。ホームパー
が何から何まで準備してくれた。本当に頭の
ティーがこう毎日あると気が重く癒鬱になる
下がる思いであった。
もし我々が逆の立場で、
かもしれない。しかし実は、
時間的にも短く、
同じ事をするとなるとどれだけ大変か、その
案外あっさりしており、おそらくむこうの先
ことを忘れずに、感謝したいと思う。来年度
生方が気をきかせて、毎日夕飯を食べに行っ
研修に行く学生達にも、ぜひ楽しんできて欲
― 135 ―
しいとともに、このことだけは忘れずに研修
を受けてください。
今回ジョージア大学に研修に行った 8 人
のみなさん、お疲れ様でした。みんなのおか
げで非常に楽しかったです。研修中は何事も
無く、自分達でほとんどのことをやってくれ
たおかげで、本当に楽をさせてもらいました。
おそらく外国に長期滞在し勉強したりするこ
とに関しては、ある程度イメージが湧いたこ
とと思います。ぜひこれを機会に将来は海外
に行くことも視野に入れて見たらどうでしょ
う。今回の経験は必ずあなた方の将来に良い
影響を与えると思います。この 2 週間アメ
リカで生活し研修を無事終えることができた
ことに、自信をもって次のステップへ進んで
ください。
Dear UGA folks,
On behalf of our UGA participants, I
appreciate your hospitality and kindness
during our stay in UGA. We spent a
worthwhile time in Athens. Our students
learned a lot of things which is not only
veterinary education, but also culture
difference, difference in ways of thinking,
etc. I believe that these experiences are
likely to affect students' future definitely.
I hope that our relationship will ever
last. We are looking forward to visiting you
in our university.
Thank you again!
With Best Regards,
Taishi Tanabe, DVM, Ph.D
― 136 ―
― 137 ―
― 138 ―
― 139 ―
― 140 ―
― 141 ―
― 142 ―
Schedule 1 Purdue University
http://www.vet.purdue.edu/
研修先の担当の先生:Dr. J. Catharine Scott-Moncrieff
Purdue University School of Veterinary Medicine,
West Lafayette, IN 47907-1240, USA
Tel : +1-765-494-1107
Fax : +1-765-496-1108
研修期間の宿泊先:Purdue's Union Club Hotel
101 N Grant St West Lafayette IN 47906, USA
Tel : +1-765-494-8900
Fax : +1-765-494-8924
http://www.union.purdue.edu/HTML/UnionClubHotel/
出国:8/6 (土) 成田 15:05 発 DL 276
帰国:8/20(土) 成田 17:40 着 DL 275
参 加 者 名 簿 ( 7名 )
学生番号
氏 名
Name
所属研究室
07021
岡田 華恵
HANAE OKADA
病理学
07036
川島 秀平
SYUHEI KAWASHIMA
大動物外科学
07049
今野 邦広
KUNIHIRO KONNO
小動物第 2 内科学
07056
坂本 江美
EMI SAKAMOTO
小動物第 2 外科学
07066
鈴木 実可子
MIKAKO SUZUKI
大動物内科学
07069
瀬尾 和馬
KAZUMA SEO
薬理学
07134
山崎 加奈
KANA YAMASAKI
生理学
同行教員:垰田
高広
TAKAHIRO TAODA
Flight information
Date
8/6 (土)
8/20(土)
Flight
Flight No
成田 15:05 → デトロイト 13:50
DL 276
デトロイト 17:30 → インディアナポリス 18:40
DL 858
インディアナポリス 13:25 → デトロイト 14:39
DL 841
デトロイト 15:40 → 成田 17:40 <8/21(日)着>
DL 275
出国時の集合日時と場所:
8/6(土)12:00
成田空港第1ターミナル/北ウイング 4F デルタ航空チェックインカウンターA 付近
http://www.narita-airport.jp/jp/guide/t_info/c_list_t1_north.html
(Tel : 0570-07-7733/0476-90-6000
http://www.delta.com/)
2 ―
― 143
Schedule 2 The University of Tennessee
http://www.vet.utk.edu
研修先の担当の先生:Dr. James J. Brace,
University of Tennessee College of Veterinary Medicine, PO Box 1071,
Knoxville, TN 37901-1071, USA
Tel : +1-423-974-7263
Fax : +1-423-974-4773
Cell phone: 865-603-256
E-mail: jbrace@utk.edu
研修期間の宿泊先:Homewood Suites by Hilton Knoxville West at Turkey Creek
10935 Turkey Drive, Knoxville, TN 37922, USA
Tel : +1-865-777-0375
Fax : +1-865-777-0381
http://homewoodsuites1.hilton.com/en_US/
出国:8/20(土)成田 11:00 発 JL010
帰国:9/4(日)成田 16:15 着 JL7009
参 加 者 名 簿 (8名 )
学生番号
氏
名
Name
所属研究室
07015
入来 萌
MOE IRIKI
獣医公衆衛生学
07034
河合 綾子
AYAKO KAWAI
獣医病理学
07071
高瀬 真以
MAI TAKASE
獣医公衆衛生学
07083
中口 麻美子
MAMIKO NAKAGUCHI
獣医伝染病学
07090
成田 美輝
YOSHIKI NARITA
小動物第一外科学
07127
桃﨑 昴
AKIRA MOMOSAKI
獣医解剖学
07128
森本 奈緒美
NAOMI MORIMOTO
小動物第一外科学
07132
山口 真生
MASAKI YAMAGUCHI
小動物第一内科学
同行教員:
高野
友美
TOMOMI TAKANO
Flight information
Date
Flight
Flight No
成田 11:00 → シカゴ 8:55
JL 010
シカゴ 13:10 → ノックスビル 15:40
JL 7440
ノックスビル 07:00 → シカゴ 07:40
JL 7441
シカゴ 13:10 → 成田 16:15 <9/4(日)着>
JL 7009
8/20(土)
9/3(土)
出国時の集合日時と場所:
8/20(土)8:30
成田空港第 2 旅客ターミナルビル/3F JAL チェックインカウンターJ と K の間
http://www.narita-airport.jp/jp/guide/t_info/c_list_t2.html
(Tel : 0120-747-002/0570-025-002
http://www.jal.co.jp/inter/)
受託手荷物 JAL:2 個まで。重量:23kg(50 ポンド)/個を超えないこと。それぞれの手荷物の 3
辺(縦・横・高さ)の和が 157cm(62 インチ)を超えないこと。
3 ―
― 144
Schedule 3 The University of Georgia
http://www.vet.uga.edu
研修先の担当の先生:Dr. Paige Carmichael (Associate Dean for Academic Affairs)
The University of Georgia
College of Veterinary Medicine, Athens, GA 30602, USA
Tel:+1-706-542-5728 Fax:+1-706-542-3014 E-mail: kpc@vet.uga.edu
研修期間の宿泊先:The University of Georgia Center for Continuing Education (Georgia Center)
1197 South Lumpkin Street, Athens, GA 30602-3603
Tel:+1-706-542-2654 Fax: +1-706-542-2635
最終日 9/3(金)-4(土):Holiday Inn Express Atlanta College Park
4601 BEST ROAD
COLLEGE PARK, GA 30337 USA
Hotel Front Desk: 1-404-761-6500 | Hotel Fax: 1-404-763-3267
http://www.hiexpress.com/hotels/us/en/college-park/atlbr/hoteldetail
出国:8/20(土)成田 15:50 発 DL 280
帰国:9/4(日)成田 16:50 着 DL 281
参 加 者 名 簿 ( 8名 )
学生番号
氏 名
Name
所属研究室
07018
大釜 彩子
Saiko Ogama
獣医公衆衛生学
07025
奥田 賢仁
Kento Okuda
獣医生化学
07094
西井 理志
Takayuki Nishii
獣医薬理学
07104
濱中 龍太
Ryuta Hamanaka
人獣共通感染症学
07107
治田 悟
Satoru Haruta
獣医生理学
07124
宮本 かおり
Kaori Miyamoto
獣医放射線学
07142
若井 美菜子
Minako Wakai
獣医生理学
07143
渡邉 彩
Aya Watanabe
獣医放射線学
同行教員:
田邊
太志
TAISHI TANABE
Flight information
Date
Flight
Flight No
8/20(土)
成田 15:50 → アトランタ 15:30
DL 280
9/3 (土)
アトランタ 13:45 → 成田 16:50 <9/4(日)着>
DL 281
出国時の集合日時と場所:
8/20(土)12:30
成田空港第 1 ターミナル/北ウイング 4F デルタ航空チェックインカウンターC 付近
http://www.narita-airport.jp/jp/guide/t_info/c_list_t1_north.html
(デルタ航空 Tel : 0120-333-742/03-3593-6666 http://www.delta.com/)
受託手荷物:重量:23kg(50 ポンド)/個を超えないこと。それぞれの手荷物の 3 辺(縦・横・高さ)の和
が 158cm(62 インチ)を超えないこと。1 個は無料、2 個目は$75。
4 ―
― 145
アメリカ合衆国地図:赤色の囲みが各大学のある州
― 146 ―
5
注意事項
研修期間中、アメリカは日本と違うことを認識し、責任をもった行動をとり、自ら犯罪・
事故から身を守ること。
成田空港まで
1)
成田空港ホームページ http://www.narita-airport.or.jp/airport/
JR、京成電鉄およびリムジンバスが成田空港に乗り入れています。
何れも本数が限られていますので、余裕をもって乗車しましょう。
目安の所要時間
JR:総武線と成田線の快速で東京駅から 80 分
成田エクスプレス(座席指定が必要)も各地(東京、横浜等)からあります。
京成電鉄:京成上野駅からスカイライナー(座席指定が必要)で約 60 分。
特急約 75 分、料金 1000 円は最も経済的。その他の快速や急行などでは、
乗り換えがあり、時間がかなりかかります。
第2ターミナル利用 → 空港第2ビル駅下車
第1ターミナル利用 → 成田空港駅(終点)下車
リムジンバス:各地(東京、大宮等)からありますが、道路事情で所要時間が大き
く左右されますので利用は控えた方がよいでしょう。
2) 飛行機へのチェックイン
成田空港の各航空会社のカウンターで行います。
旅行代理店から渡された搭乗券(boarding pass)とパスポートを航空会社のカウ
ンターに提示して、チェックインします。このとき、大きなスーツケースを預けま
す。これはアメリカ入国まで戻ってきません。貴重品や成田空港内、機内で必要な
ものは別に 1 個の手荷物にして持っていきましょう。
これから海外旅行を繰り返す可能性のある人は、マイレージサービスなどの手続き
をするのも良いでしょう。
3) 荷物チェックリスト
手荷物
パスポート(紛失・盗難に備えてコピーと写真2枚も準備しておくと安心です)
航空券
現金/トラベラーズチェック
海外旅行傷害保険証および関連資料(米国での医療費は大変高額です)
ノートパソコン、デジカメなど(あるいはカメラとフィルム)
筆記用具
スリッパ(機内と宿舎内で便利)
― 147 ―
クレジットカード(パスワードがあれば覚えておく)
その他(安眠枕、耳栓、アイマスク、ガム、ウェットティッシュ、コンタクトなど)
一泊分の衣服(スーツケースが一緒に到着しなかった場合に重宝)
スーツケースなど
常備薬(解熱薬、虫さされ、防虫スプレー、胃腸薬等)
洗面用具(ボディーソープ、シャンプー・リンス、ひげ剃り、ブラシ、洗顔石鹸、
歯磨きセット、タオル、ハンカチ、ティッシュペーパー、爪切り)
洗濯用具(洗剤、洗濯バサミ、洗濯ロープなど)
デイパックなど(ちょっと出かける際に便利)
衣類(圧縮袋を使うと便利)
ビニール袋(いろいろ便利)
ガムテープ(スーツケース修理など、いざというときに重宝)
目覚まし時計(遅刻しないように)
*眼鏡を使用している人は、予備の眼鏡を持って行くのが望ましい
注意!!
● アメリカへ行く際、スーツケースに鍵をかけると、中身のチェックのために鍵を壊さ
れます。無用なトラブルを避けるには、鍵をかけないか、あるいは TSA ロックと呼
ばれる鍵の付いたスーツケースやバンドを使用した方がよいでしょう。
● テロ関連で機内持ち込みが制限されているもの(飲料水や化粧品、コンタクトレンズ
洗浄液など)は、手荷物ではなくスーツケースに入れましょう。詳しくはホームペー
ジ等で確認ください。http://www.narita-airport.jp/jp/whats_new/070209.html
● 無料で預けられる荷物のサイズを航空会社ホームページで確認しましょう。
● 盗難や破損を防ぐため、カメラ・ビデオ・ノートパソコンは預けてしまうスーツケー
スに入れないで、機内に手荷物で持ち込みましょう。
● 渡航前に歯の治療を済ませておきましょう。米国での歯科治療費は保険でカバーでき
ません。 4)
報告書
学外実習のレポート以外に、研修の報告書を作成してもらいます。原稿用紙 5 枚
程度の体験記をまとめ、コンピューターで作成した文章のデータをフラッシュメモ
リーまたは CD で提出してもらいます。実習中に日々の研修活動やレクリエーショ
ンについて、こまめに記録をしておきましょう。お世話になった現地の先生方へも
報告書を送るので、英語でまとめの文章を必ず書いてください。(報告書提出締切
9 月 20(火)、同行教員まで)
5) 海外旅行保険
アメリカでは病気や怪我の治療には、保険がないため大変高額な医療費を要求され
ます。そこで、皆さんには予め海外旅行用の損害保険に加入してもらいました。保
険証書といっしょに、推奨の医療機関や日本語の通じる医者などのリストが渡され
― 148 ―
たはずですので、この資料を各自が忘れずに携帯してください。
6) 国内連絡先
北里大学獣医学部
青森県十和田市東 23 番町 35-1 獣医臨床繁殖学研究室
0176-23-4371 ( 内線 454)
担当者:大浪 洋二 教授、 e-mail:ohnami@vmas.kitasato-u.ac.jp
Kitasato University,
School of Veterinary Medicine,
Higashi 23-35-1, Towada, Aomori 034-8628, JAPAN
Tel : +81-176-23-4371 Fax : +81-176-23-8703
Prof. Youji Ohnami, e-mail:ohnami@vmas.kitasato-u.ac.jp
7) その他
パスポートと出国・入国手続き
● 出国カードは早めに書いておきましょう。出国審査官の前では混雑のため書けません。
● 機内で渡されるアメリカ入国審査用の用紙にはすぐに記入しましょう。
その際にはパスポートの置忘れに注意!貴重品はいつも同じ場所にしまいましょう。
● アメリカ入国の際、審査官が乗って来た航空機の便名、訪問理由、訪問先、滞在期間
などを聞きます。予め英語で答えられるようにしておきましょう。
● アメリカ入国審査官が出国時に必要なカードをパスポートにホッチキスで止めてくれ
ます。これがないと帰国できなくなるので、紛失注意。
● テロ対策で指紋を取られることがあります。その際、少しでも犯罪者のものと似てい
ると、取り調べが行われます。何を調べられても良いように、荷物や持ち物はきちん
と整理して入れておきましょう。
● アメリカから植物や果物は持ち込めません。また、牛肉製品(ジャーキーなど)は成
田空港で没収される可能性が高いので注意してください。
関連情報 http://www.narita-airport.jp/jp/travel/kinsi/index.html
お金など
● クレジットカードは自分の信用証明にも役立ちます。JCB と American Express よ
りは VISA と MasterCard の方が対応する店舗が多く、使いやすいかもしれません。
ただし、いずれにしても、最近は使用する際に4桁のパスワードを求められる場合が
多いので、各自確認しておきましょう。
● 最初に入る国の現金 100 ドル程度を小銭 1-5 ドル札と 20 ドル札に分けて持っておけ
ば何かと小用の買い物に便利です(土日は銀行が休みだったり、朝早く、また夜遅く
に飛行機が着いて両替できないことがあります)
。100 ドル札(特に未使用札)の使
用は嫌がられることもあります。
― 149 ―
● 免税店は最後に搭乗する空港でだけ利用できます。チェックイン後、搭乗までが買い
物時間。
● チップについては、レストランでは 15%、タクシーでは 10%、ホテルではピローチッ
プを毎朝 1 ドルぐらい、重いバッグを持ってもらっても 1 ドルで十分です。
● 帰国後、ドル札は日本円に換金できますが、コインは換金できません。帰国直前まで
に(空港等で)コインを最優先で使い切るようにすればムダがありません。
● 大学内でも不用意に財布を置かないように!カバンと一緒でも置き忘れると盗難に遭
う可能性は高いので、注意しましょう。
その他
● アメリカはサマータイム中のため、実際の時差より 1 時間早いことに注意しましょう。
● 室内は禁煙が原則です。ホテルの部屋でも禁煙の所も多いので、喫煙可能な場所を確
かめましょう。
● 飛行機のリコンファーム(予約再確認)は不要です。
● 電気製品は電圧の違いで使えないことがあります。
● 水着を持って行っておくと、キャンパスにあるプールに入れるかも。
● 電話:海外から日本へ通話するには、オペレーターを通すよりもクレジットカードが
あれば安くて簡単です。かけ方は概ね次のとおり:受話器を取り、カードを通して、
0081(日本の国番号)を押し、その後にかけたい相手先の電話番号から最初の 0 をとっ
たものを押します。また、いざというときのために、出国前に自分の携帯電話をアメ
リカでも使用できる物に交換できるサービスを利用するのも良いでしょう。もちろん
料金は割高です。
― 150 ―