No. 117 愛 知 医 科 大 学 医学部父兄後援会 2016・12・19発 行 C o n t e n t s 神の湯男東浴室 理事長ごあいさつ………………………………… 2 今後の行事予定 学年歴………………………… 3 面談会・学年別懇親会…………………………4−5 講演会……………………………………………6−8 体験実習……………………………………… 9−11 卒業生の協力を得て学外実習……………………12 西日本医科学生総合体育大会結果………………15 医大祭…………………………………………16−17 医学部解剖慰霊祭…………………………………18 新任教授紹介………………………………………19 お知らせ……………………………………………20 道後温泉本館正面 道後温泉本館(どうごおんせんほんかん)は、愛媛県松山市の道後温泉の中心にある温泉共同浴 場。別名・愛称は坊っちゃん湯。 戦前に建築された歴史ある建物(近代和風建築)で、街のシンボル的存在であり、1994年に国の重 要文化財(文化施設)として指定された。共同浴場番付において、東の湯田中温泉大湯と並び西の横 綱に番付けされているほか、2009年3月、ミシュランガイド(観光地)日本編において3つ星に選定さ れた。2009年、経済産業省の「近代化産業遺産」に認定。 愛知医科大学の近況 理事長 三宅 養三 今年1年を顧みてご父兄の皆様に一言ご 挨拶を申し上げます。 今年の1月28日の理事会で3期目の理事 長を拝命し、もう一期頑張ろうと決意して から早くも1年近くが経過いたしました。 思えば平成22年1月に加藤延夫前理事長の 後任として船出してから多くの難関がござ いましたが職員一同の努力により、最高の 形で愛知医科大学は発展してまいりました。 キャンパス再整備事業は新病院建設を最大 の目標として進めてまいり、保育所、医心館、 立体駐車場棟等の新設に続いて新病院建設 という最難関のプロジェクトを無事通過し、 その後もAB病棟解体、バスターミナル建 設等々の再整備は継続され、平成29年12月 の立石池外周道路拡幅工事の竣工を以て完 了し、本学の力量を披露する舞台はいよい よ整うことになります。 今後は今までと変わらない経営面に対す る努力は最も大事なことですが、これから は教育・研究にも今まで以上の配慮をいた し、大学の質の向上に努めたいと思います。 教育面では日本医学教育評価機構 (JACME)による医学教育分野評価審査に 向け、国際基準に踏まえた医学教育プログ ラムの提供をしていく所存です。 本学ではこの度平成29年度医学部入学生 の学納金の減額を発表しました。この減額 2 は建学からの43年間で初めての試みであり ます。本学には医心館という学生の自習室 がありますが6年生が使用いたしておりま した。また、大学本館の7階にある大きな 研究領域を他に移し、ここに主に5年生が 使用できる自習室を整備しました。さらに 4年生の学生にもこの7階に自習室を造る 予定でおります。この整備には父兄後援会 から多額のご寄付をいただきましたことを、 この場から御礼申し上げます。これらはい ずれも少しでも優秀な入学者を集め、その 後学生が順調に育ってほしいという期待か らなされた事業です。 一方で平成29年度は、舞台装置に充てた 借入金の返済がピークを迎えます。さらに 厚生労働省の地域医療包括ケアシステム等 への対応が求められる厳しい財政負担を担 う年でもあります。新しい舞台によい役者 (教官)を迎え、大学の基盤強化を図らなけ ればならないことは当然ですが、ご父兄の 皆様におかれましては、今後ともご寄付な どを通じて本学へのサポートをお願いした いと思います。 今後の行事予定 学年暦など 父兄後援会行事等日程 行 事 等 日時・場所 月 1月 大学の主な医学部学生関係行事・学年歴 ○4年Student Doctor認証式 5日(木) 2月 ○第3回運営委員会 25日(土) 16:30∼ ○大学役職者との懇談会 終了後 マリオットアソシア ○国試直前宿泊(3泊)・送迎 名古屋東急ホテル 3月 (卒業生謝恩会 4日(土)夜) 名古屋東急ホテル (医師国家試験 11日(土)∼ 13日(月)) ○卒業証書・学位記授与式 4日(土) (国試合格者発表 17日(金)) ○進級発表 23日(木) 4月 ○新入生歓迎会 ○入学式 4日(火) ○平成28年度会計監査 ○第4回運営委員会 22日(土)16:30∼ 18:30∼ 懇親会 名古屋国際ホテル ○会報118号発行 ○1年合宿研修 3 指導教員と父兄との個人面談実施 恒例の指導教員と父兄との個人面談が、 9 月 4 日(日)と10月30日(日)に実施されました。10月の面談日は医 大祭の日程と重なっていますが、 この機会に家庭では見られないご子弟の一面を見ることができるのではないかと、 医大祭に合わせて設定されています。 これに先立って、三宅理事長、岡田医学部長、今井医学部長補佐、細川教務部長、中野学生部長、高見学生部次 長、島田法人本部長からそれぞれの立場に立ったお話があり、大変意義があったと好評でした。三宅理事長から近 況報告があり、念願の学習セミナー室(本館 7 階)が整備されたことの報告がありました。 その後昼食を挟んで個人面談が行われました。 父兄出席者数 1 学年次121名 4 学年次72名 2 学年次116名 5 学年次54名 3 学年次102名 6 学年次56名 4 学年別父兄懇親会開催 平成19年度から開催されている学年別の会員父兄懇親会を、 指導教員との個人面談会の前夜 9 月 3 日(土)に( 4 ∼ 6 年生) 、10月29日(土)に( 1 ∼ 3 年生)を両日ともに名古屋国際ホテルで行いました。この会で 1 年ぶりに 会うことができるのを楽しみにしておられるご父兄も多くあり、北は北海道から南は九州まで参加され、学年を越 えた交流もあり和やかに時間を過ごされました。懇親会終了後は、グループに分かれてホテル内で楽しく二次会が 催されていました。 また、当日受付のお手伝いをしてくれた 5 年国対委員の学生さんに、同学年の状況や共用試験や臨床実習のこと など、いろいろ質問をされていました。 出席者数99組130名 1 学年次父兄 20組26名 4 学年次父兄 19組20名 2 学年次父兄 12組14名 5 学年次父兄 17組20名 3 学年次父兄 18組24名 6 学年次父兄 13組26名 役員OB懇親会開催 9 月24日(土) 、恒例の父兄後援会役員OB懇親会 部学生の支援に対し謝辞を述べられました。 が催され、25名の役員OBの方々が一堂に会して名古 その後、渡辺俊也様の乾杯により懇親会が始まり、途 屋国際ホテルで行われました。三宅理事長、 佐藤学長、 中学長、祖父江先生からもいろいろなお話しがありま そして祖父江逸郎先生(元学長)をお招きし、また現 した。 役員である櫻井会長、坂野・久徳両副会長にも出席を 出席された皆様は、 1 年ぶりの出会いに楽しい時間 要請しました。 を過ごされ、会は盛大裡に終了しました。 OB会幹事の土井清孝様(27年度父兄後援会長)の 挨拶の後、三宅理事長から父兄後援会の日頃から医学 5 『卒後教育の現状と卒後臨床研修センター ∼初期研修から専門医まで∼』 卒後臨床研修センター副センター長 / プログラム責任者 北川 好郎 平成12年に医師法・医療法が改正され、平成16年か 日本専門医機構という第三者機関を設立し、学会主体 ら新臨床研修制度が施行されました。これにより臨床 であった専門医認定を機構がイニシアティブを取ると 医療に従事する医師は 2 年以上の臨床研修が必修化と いった方法が予定されました。これが走り出すと医師 なりました。また、その間は臨床研修に専念しなけれ の地域偏在のみならず、専門科の数もコントロールで ばならないとの文言も追加され、研修医のアルバイト きることとなります。しかし、学会の反対も多く、そ は禁止されました。研修修了した後に再度、医籍に登 の他様々な問題もあり今年度の開始は見送られまし 録し修了登録証の交付を受けなければなりません。修 た。 了交付証がないと検診を含めた臨床医療行為が上級医 われわれ卒後臨床研修センターは春日井センター長 と一緒でしかできない状態が続きます。研修修了の基 の下、専任教員である私、専任の看護師および事務 4 準も細かく決められており、研修医は到達目標と呼ば 名で業務を行っております。初期研修に関することは れる項目を満たさなければならず、医師としての適正 もちろん、キャリア支援部門として専門医研修を行う の項目も評価されます。 医師の支援も行っております。当院の初期臨床研修プ このように研修制度の変化に伴い学生が研修病院 ログラムの特徴としては、プライマリケアと二次三次 (就職先)を決定する制度も変更されました。マッチ 救急を幅広く研修できることがあげられます。また、 ング制度と呼ばれ研修希望者と研修病院のプログラム たすき掛けとは異なり研修開始後に研修医と相談しな を一定の規則にしたがってコンピューターで組み合わ がら学外研修コースの選択も可能です。研修医は学生 せを決定するシステムとなっております。参加は任意 から社会人への変化のときですので、いろいろなスト ですが、参加者はマッチング結果に必ず従わなければ レスにさらされます。当院のメンタリング制度は研修 ならないという決まりがあります。これにより国とし 医が自らメンターを指名することで、研修医のストレ ては医師の偏在を解消しようとしました。しかし、京 ス軽減に役立っております。その成果か、初期研修か 都、東京、大阪、福岡、神奈川、愛知といった都市部 ら後期への継続率は平均84%ほどとなっております。 の医療機関に学生の希望が集中し、医師の偏在解消に 今後は医学部教育の国際標準化や新専門医制度など は至りませんでした。また、地方で研修した医師が専 多くの変化が学生、研修医にふりかかります。われわ 門研修で都市部の病院に戻り、地方では研修医を育て れ卒後研修センターはスタッフ一同、研修医がよき医 るのみで最終的な医師が増えないという状態も起こり 師になるように全力でサポートさせていただきます。 ました。そこで、初期研修医ではなく、専門医研修に 今後ともご支援ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げ おいてそのような問題を解消しようと考えたのでしょ ます。 うか、専門医制度が大きく変わることとなりました。 6 研修6ヶ月を終えて 田嶋 与夢(平成28年卒) 病院であることから、非常に稀な疾患を勉 強できる機会があること、最新の医療機器 に触れる機会があること、3年目以降も専修 医として働くことを考えている人にとって はありがたい大学院の社会人入学制度もあ ること、また学生時代から面識がある先生 方とご一緒させてもらうことで、コミュニ ケーションにおける問題はないことと、本 学出身の先生方が多いため研修医に対する 初めまして、1年目臨床研修医の田嶋与夢 理解と愛情が深いことです。 です。国家試験を無事合格し、この春から 研修医の日常は日々勉強ですが、同期と 愛知医科大学病院で初期研修をしておりま 飲みに出かけたり、先生方とも飲みに出か す。9月3日のご父兄に対しての講演会では、 ける機会が多く、日々の業務のストレスか 半年間の研修内容の報告をさせていただき ら解放され、オンオフを分けることができ ました。 ます。皆最初は右も左もわからず、戸惑い 愛知医科大学病院の研修では、各診療科 や気持ちが落ち込むことがあり、大変な時 を数ヶ月単位で行うローテートに併せ、夜 期がありますが、皆同期は切磋琢磨し合い、 間と土日祝日に行う救急外来業務がありま すばらしい医師になれるよう日々精進して す。研修医1年目と2年目計4人と専修医1人 おります。 の体制で対応しております。1回あたり10人 講演後に父兄の方々との懇親会にも参加 ほどの患者さんを診察しますが、日によっ させていただき、激励やご質問をいただき て前後します。研修医が診察、診断、治療 ました。少しでも愛知医科大学病院の研修 すべてに関わり、医師という職業の大変さ に興味をもっていただければ幸いと考え、 やおもしろさを実感できる場であり、様々 自身も母校に残ってよかったと改めて考え な病態、疾患を学べる機会でもあります。 させられたすばらしい機会となりました。 救急外来業務終了後は上級医によるフィー これからも大変な日々が続きますが、少 ドバックの時間もあり、反省点や改善点を しでも成長できるようしっかりと日々励み 指摘していただけて、毎回勉強になってお たいと考えております。 ります。それに加え、朝カンファが行われ ます。各診療科の先生方を講師として約30 分ほど、救急外来での患者の対応、疾患の 知識、治療の仕方など、今後役に立つ知識 を得ることのできる貴重な機会です。 愛知医科大学病院の研修はこのような フィードバック体制がしっかりしており、 私が母校で働く決心を固めた理由の一つで もあります。その他の理由としては、大学 7 初期研修 上森 文裕(平成27年卒) 実際に臨床の場に出てみると、各科の指 導医の先生方に守られていると感じること が度々あります。救急外来で判断に迷った ときはすぐに各科の先生が相談に乗ってく ださいますし、手技等の場面で研修医のみ が責任を負うことのないような安全に配慮 された体制が組まれています。安全に配慮 私は、医学部在学中よりポリクリやクリ クラで実習する中で、初期研修は母校で研 修しようと心に決めていました。というの も、学生時代にお世話になった先輩方の大 学病院での活き活きとした姿を目の当たり にし、自分もそのようになりたい。先輩達 にご指導いただきたいと、学生ながら思っ たことが母校での実習を決めたきっかけ だったように思います。 医師国家試験に合格し愛知医科大学病院 で研修医として過ごし 1 年と 7 ヶ月が経ち ますが、楽しく充実した研修を送ることが できているので、学生時代の自分の選択は 間違っていなかったと思います。 研修生活で印象に残っていることは、不 安でいっぱいだった研修初日に春日井セン ター長より「研修医は病院の宝です。未来 ある研修医が安全で、楽しい研修生活を過 ごせるように全力でサポートします。」と言 葉をかけてくださったことが大変印象に 残っています。 8 された環境の中で多くの実践経験を積める ことも大学病院の強みではないかと思いま す。また、特定機能病院としての大学病院 でありながら長久手市の中核的医療施設の 役割も担う、common diseaseから 3 次救急 までの幅広い疾患に触れる機会のある愛知 医科大学病院の環境は初期研修医にとって 大変恵まれた環境であると考えます。 自分は 1 年と 7 ヶ月の研修医生活のなか で学会発表など多くの経験をさせていただ きました。今後も愛知医科大学病院で研修 できる感謝を忘れずに、医師としてのしっ かりとした基礎を築けるように日々成長し ていきたいと思います。 早期体験実習(臨床科) 1学年次 冨樫 聡子 今回、私は皮膚科で実習させていただき 気によって抱いている不安から解放されに ました。以前は看護師の方についての実習 きているのだなと感じたのです。今回つい で、たくさんのことを学べましたが、やは た先生方はどなたもそういった患者さんの り自分が将来実際になる医師について行う 心情を理解し、まずは患者さんの言葉に丁 今回はとても楽しみにしていました。私は 寧に耳を傾け不安や心配事を取り除くよう 皮膚科になじみがなく、どんな疾患がある に診察を行っていました。いくら過不足な のかもあまり想像できない状態で 3 日間が く正確な説明を行っても、それだけでは患 始まりました。 3 日間のうち初日は病棟を 者を不安から救い出すことはできません。 まわるのに同行させていただき、残り 2 日 患者さんは診察室に入るまで抱えていた自 は外来の診察室で見学するという形でした。 分の話を先生がきちんと聞いてくれた、そ 大学病院ということもあってか、特に入院 れに対して納得できるような説明と適切な されている患者さんは癌などかなり重い病 薬をもらえたということで満足して帰って 気を患っている方が多くいらっしゃいまし 行かれるようでした。そこから医師にとっ た。やはり皮膚科系の疾患は症状が目で見 て患者さんの話をうまく聞くことも治療と てすぐわかるので、正直最初はショックを 同じくらい医師の主要な責務であると考え 受けることも多く様々な感情を抱きました。 るようになりました。それだけ医師は信頼 今回は患者さんに接する医師の方々の姿 され、その言葉には相当な重みがあること 勢から感じたことを記述します。様々な患 を実感しました。そのためにはどんな症状 者さんを拝見し、それぞれのことについて の患者さんがきても動揺しないだけの正確 メモ用紙が真っ黒になるくらい多くのこと で膨大な知識と、初対面の人からでも信用 が印象に残っていますが、全体を通して一 されるような態度と人間性を身に付けない 番心に残ったのは医師の姿勢でした。一日 といけません。 6 年間は長いように思って 中入れ替わり立ち代わり大勢の患者さんと しまいがちですが漫然と受動的にやり過ご 接する医師の姿をずっと見ていると、医師 していては、おそらく今あげたようなこと と患者さんの関係について見えてくるもの は身につかずに終わってしまうのではない がたくさんありました。 かと思います。今回の実習では病院の日常 まず患者さんは医師の言葉に安心を求め を見ることで座学では気付けなかったであ ているということです。多くの患者さんが ろう、医師が身に着けるべき大切なことが 一番は医師からの、心配ない、大丈夫です わかりました。これが無駄にならぬよう忙 よという言葉を欲して診察室に来ているよ しい毎日でも心にとどめ生活し、今回の実 うに見受けられました。医師としては疾患 習で学んだ、病気だけを診ず患者さんの不 や薬についての説明をしたいところだと思 安まで見れるような一流の医師を目指しま いますが、患者さんは医師からの言葉で病 す。 9 学 外 体 験 実 習 国立長寿医療研究センター 千晴 今回の学外体験実習は大府市にある国立 からず不安になってしまいます。状況がわ 長寿研究センターでさせていただきました。 からないままでは治療を拒絶してしまう人 この施設は高齢者の心と体の自立を促進し、 もいると思われます。 健康長寿社会の構築に貢献することを理念 医師になると、やはり治療を行って患者 としており、高齢の方のためにさまざまな さんの病気を治すということばかりを第一 工夫をした医療を間近で見ることができま 優先にしてしまうと思います。治療を行う した。この実習を通してたくさんのことを ために患者さんの体を拘束したり薬を用い 学ぶことができましたが、特に心に残って たりする方法もあります。しかし、その治 いることがあります。それは、認知症の患 療を受ける患者さんは一人の人であり、そ 者さんとお話しさせていただけたことです。 れぞれが異なる性格や感じ方、家族、好き 私はこれまで認知症の方と話したことが なことなどを持っています。こうした患者 ありませんでした。それゆえ同じことを数 さん一人ひとりに合わせて、その立場になっ 分おきにお話ししてくださることにとても て考え、理解し、支えることが大切である 戸惑ってしまうことや、「どうして私ここに と強く感じました。患者さんが暴れるよう いるの?」 「私昨日どうしてたのかしら?」 であれば、なぜその行動をとるのかを考え、 「今夜はどこに行くのかしら?」といった言 その原因を取り除くといったケアが必要と 葉に慌てふためいてしまうことがありまし なってくると思いました。将来、医師になっ た。看護師さんにこのことを話すと、パー たとき患者さんの病気だけに焦点をあて医 ソンセンタードケアやユマニチュードとい 療をするのではなく、その患者さんを一人 う認知症に対するケアについて教えていた の人として尊重し、心も支えていけるよう だき、認知症の患者さんを一人の人として な医師になりたいと思いました。こうした 尊重することが大切であるということを学 より良い医療を実現させるためにも、医学 ぶことができました。同じことを繰り返し 知識や専門技術を身につけるのはもちろん、 話していても、その患者さんの中では初め 患者さんの心に寄り添えるようなコミュニ て話したことであり、その都度そのお話に ケーションの仕方やケア方法を学んでいき 反応することが必要だと思いました。もし たいと思いました。 も、話に反応しないようなことがあれば、 10 3学年次 伊藤 今回の実習では他にもリハビリテーショ 患者さんは無視されたと感じ嫌な気持ちに ンを見学させていただいたり、入浴介助を なってしまいます。また、短期記憶障害が 実際にやらせていただいたり、もの忘れセ ある患者さんではなぜ自分が病院にいるの ンターという認知症専門病棟を見学させて か、今自分がいる所がどこなのかがわから いただいたりと様々な体験をし、高齢の患 なくなってしまうことが多々あるようでし 者さんに合わせたたくさんの工夫を見て、 た。そうした場合には今入院していて、ど 患者さんと実際にふれあうことで近くに感 うして入院することになったのかを毎回説 じることができました。快く見学させてい 明するそうです。もし、面倒に思ってきち ただいた患者さんや、ご指導いただいた看 んと説明しなければ、患者さんは状況がわ 護師の方に感謝しています。 地 域 医 療 実 習 医療法人 秋田病院 今回、私は愛知県知立市にある秋田病院 で実習をさせていただきました。そこで、 実際の医療現場を通して地域社会の中で医 師に求められていることを自分の体験を もって知ることができました。 実習の中で、問診から診察の流れを見学 させてもらいました。問診では、看護師が 患者さんの訴えを聞き医師が必要とする情 報を要領よくカルテにまとめていました。 診察室では、医師が問診で聞いたことを中 心に確認しつつ、さらに診断、治療へとつ なげていっていました。また、なぜその質 問や検査が必要なのか、どういう意味があ るのかをわかりやすく説明していたのが印 象的でした。 患者さんの訴えを聞いてから、治療や今 後の方針を患者さんに伝えていくという一 連の流れの中で、たくさんの人が関わって いること、そしてそれには、患者さんから の訴えを聞き、自分の専門分野にあてはめ、 それをまた一人ひとりの患者さんに合わせ た形で還元していく必要があることに気付 きました。 私も実際に問診をとらせてもらいました が、頭では分かっていても意外とできない ものだということを痛感しました。患者さ んが訴えることを世間話のようには聞けま したが、それを次に診察する医師にどうつ なげていけばいいのか、本当に必要になっ てくる情報は何か、時間をかければできる かもしれないが、後には多くの患者さんが 待っていることを思うとそうもいかない、 と焦るばかりでした。また、伝えるという 点でも、高齢者の患者さんにどう伝えてい けばいいのか、どこまで自分の状態を理解 しているのかが分からず看護師の方に助け てもらわなければ何もできませんでした。 この経験から、普段の学生生活の中、私 たちの周りは医学生や看護学生がほとんど であり、それは特殊な環境であるのだと気 付きました。問診中、患者さんに「上腕(じょ うわん)」という単語を無意識に使ってしま 4学年次 武内 優子 いましたが、それは患者さんに通じません でした。後から考えると、自分もその単語 に出会ったのは、愛知医科大学に入学して から、解剖学の授業だったことを思い出し ました。自分が相手に伝えたいことを伝え る相手に合わせて言葉や表現を選んでいく ということが自分で思っていたよりも、ずっ と難しいことなのだと知りました。 この実習を通して、日頃から自分がどう いう相手に対して医療を行っていくのかを 意識していくことが大切なのではないかと 考えました。患者さん一人ひとりに様々な 背景があり、家族がいて、思っていること 考えていることがあります。自分は医学生 として、医学的知識を身につけるのはもち ろんのこと、それをもって診察、治療を行っ ていくのだということを改めて気付きまし た。 私たち 4 年は来年 1 月から、約 2 年間の 臨床実習を行わせてもらいます。そこでは、 今までのように症例モデルのような患者さ んはおらず、一人の人間として患者さんを 受け止め、接しなくてはなりません。今回 の実習で、自分に足りてないもの、これか ら身につけていかなければならないことが はっきりとしたので、自分の最善の状態で 病院実習を迎えたいと思います。 また、今回お世話になった秋田病院の先 生方は、愛知医科大学の後輩だからという ことで実習先として受け入れていただきま した。実習中では、普段の仕事もある中、 知りたいこと、知らなければいけないこと などを細かく丁寧に教えてもらい、なぜこ こまでしてくれるのだろうと思うくらいに よくしてもらいました。自分たちは、親や 学内で教えていただいている先生方、地域 住民の方だけでなく、同窓生の先生方にも 見守ってもらっているということを知り、 将来私も愛知医科大学の学生を快く受け入 れられるような医師になりたいと思いまし た。 11 卒業生の協力を得て学外実習 今年も多数の本学卒業生の協力を得て、院長又は代表を務める下表の病医院において、 5 学年次の臨床学外実習 が行われました。 施設あいうえお順 院長名又は 代表者名 住 所 あおなみクリニック 長谷川 恒雄 港 区 浅 井 医 院 浅井 富成 守山区 荒 川 医 院 大輪 芳裕 東 区 荒川内科医院 荒川 隆志 中村区 杁ヶ池 KIDS クリニック 片野 直之 長久手市 うちだ内科クリニック 内田 淳夫 守山区 うわとこクリニック 上床 邦彦 北 区 大野医院 大野 鈴弘 中村区 尾張旭クリニック 鈴木 聰 尾張旭市 きくぞの内科在宅クリニック 山田 晴生 昭和区 ぐしけん整形外科クリニック 具志堅 勉 千種区 K こどもクリニック 笠井 啓子 南 区 JA あいち健診センター 山田 晴生 長久手市 志水クリニック 志水 明浩 守山区 滝川いきいきクリニック 池内 克彦 昭和区 恒吉クリニック 恒吉 雅弘 中 区 とみやす整形外科クリニック 富安 聡 守山区 林整形外科 林 浩之 東 区 坂野クリニック 坂野 俊彦 港 区 マリンクリニック 小長谷敏浩 中区 施 設 名 12 第20回へき地・離島救急医療学会in島根 当大学医学部学生発表の報告 救命救急科 青木 瑠里 平成28年10月22日、島根県出雲市において「第20回へき地・離島救急医療学会」が開催されました。今回は、当 大学医学部に地域枠で入学した学生 3 年次松川晃子さん、梶浦美佳さんが『題目:「へき地医療の在り方について 学ぶ ―学生の立場から―」 』を発表する共同演者として当学会に参加させていただきましたので報告いたします。 本学会は、へき地で起こっている医療問題の現状を把握し、その対策を日々検討、年 1 回各地区で出された検討 課題をお互い解決に導く議論を熱く繰り広げようとしているものです。 近年では特に、へき地・地域医療の医師不足問題が取りあげられ、その「地域枠で入学した学生」をどのように 教育し、モチベーションを維持し、へき地の医師不足問題を解決するかということも議論を加えているものであり ます。さらに本年総会において来年以降、全国医学部に地域枠で入学した学生の本学会への参加を呼びかけていこ うと提言されました。 そのような中先陣を切って、愛知医科大学医学部に地域枠で入学した学生が発表するとあって、注目が集まりま した。発表内容は、 3 年間に研修した内容とその研修により各自に現れた「地域医療への思いと変化」でした。発 表後、学会会員医師から「このような感想・報告ができる研修ができたことがすばらしい。研修日時はどれくらい のものなのでしょうか?」「少ない研修日数の中で、ここまでの内容を検討し、報告・発表したことを心から賞賛 したい。」「是非次回も発表して学生の想いを我々に教えてください。 」と賞賛の声をいただきました。 また、発表学生からも、 「熱い想いを持った方々の意見を聞き、交わし、大変刺激を受けました。自分も頑張ろう、 勉強もまた頑張ろうと思うことができた。 」 「スライドの作り方や発表の仕方も勉強になった。 」「地域医療を目指す 私たちにとって、気持ち・認識の向上がはかれた。 」など大変前向きな意見を得ることができました。 このような学会に学生が参加することは、 「経験という学びに勝るものはない」と感じます。今後も積極性のあ る学生のバックアップをさせていだだければと思います。 今回、私も大変有意義な時間を学生の 2 名からいただきましたことを感謝いたします。 左から 青木、3年次松川晃子さん、3年次梶浦美佳さん 13 コンケン大学留学記 5学年次 服部 由季 今年の夏、タイ東北部にあるコンケン大学に 2 週間 や学生達が毎日、美味しいタイ料理を食べに連れて 留学させて頂きました。 5 年生の夏休みと言えば、西 行ってくれました。現地の人イチオシのお店に連れて 医体や病院見学などで忙しく、また今年から夏休み明 行ってくれるため、料理はどれも本当に美味しく、恐 けの臨床実習試験が始まったため、最初は参加を少し れず色々な料理に挑戦することが出来ました。結局日 躊躇しました。しかし以前から、海外の医学生と交流 本から持って行った大量の下痢止めを使うことは無 し、見聞を広めたいという願望がありました。今まで く、教わったタイ語「ビッテアローイ(辛いけど、と は英語への自信の無さや忙しさを理由に見送ってきて ても美味しい) 」は何度使ったかわかりません。また いましたが、タイならば英語を母国語にしない者同士 夕食だけではなく、ムエタイや綺麗な夕陽の見える湖 分かり合えることもあるのではないかというささやか でジョギングをしたり、ENT(耳鼻咽喉科)全員で な期待を胸に、学生時代最後のチャンスと、思い切っ カラオケパーティーなど、日々のアクティビティも盛 て飛び出してみることにしました。 りだくさんでした。タイの研修医は日本の研修医と同 コンケン大学は、タイでは大学ランキングトップ 8 じで激務であり、そんな忙しさの中でも私達に多くの 位の国立総合大学で、首都のバンコクから離れたコー エネルギーを割いてくれました。 ‘微笑みの国タイ‘は ンケン県という場所にあります。コーンケン県はコン 人口の95%が仏教徒といわれており、因果応報や、輪 ケン大学により発展した学生の街と言われており、治 廻、善行を積めばより良い未来が待っているなどの考 安の心配はまったくありませんでした。国際交流の活 え方が根底にあることを知りました。 忙しい毎日の中、 発な大学であり、ラオスやオーストリア、ベルギーな 心からの優しさと暖かさをもって人と接し、人と触れ どからの留学生にも出会いました。 合うことで逆にパワーを得るタイ人の気質は素晴らし コンケン大学では、耳鼻咽喉科、ENT(Ear, Nose いと感じました。その温かさに救われて本当に実りあ and Throat) に て、 7 :30か ら の 朝 の 回 診、 外 来、 る時間を過ごすことが出来たと思います。こうして、 オペなど研修医について周り、実習を行いました。タ 日中は実習に精魂を込め、夜は楽しくタイ料理、タイ イの学生は、タイ語の医学書が無いという背景から医 スイーツ、タイアクティビティを堪能し、実にメリハ 学を英語で学んでいました。そのため、彼らの医学英 リのある日々を過ごすことができ、 2 週間はあっとい 単語力の豊富さは圧倒的であり、自分の語学力では油 う間に過ぎて行きました。 断していると何も学んで帰れないのではという焦りを 帰国し、また日本でのポリクリ実習が始まりました 感じました。しかし、私が出会った全てのタイ人は、 が、タイに行く前と後で実習に向き合う姿勢が自分の 本当に温かく親切で、かつ忍耐強く何度も英語で詳し 中で大きく変わったように感じます。人生の中でどう く説明をし、私と真剣に向き合ってくれました。そん いった体験をし、そこから何を学ぶかは人それぞれだ な研修医達の言葉を少しでも多く理解したいという思 と思いますが、私にとってコンケン大学留学は、医師 いが強くなり、その一心により、米国の捕鯨船に拾わ になる上でまた一人の人として、多くのことを学ぶこ れてから数ヶ月で英語を理解するに至ったジョン万次 とのできる素晴らしいプログラムとなりました。忙し 郎さながらの集中力で実習に臨むようになりました。 い時期であり、不安要素が多い状況ではありますが、 こうして現地で新たに培った語彙力のおかげで、着々 勇気を持って踏み出したおかげで人生の肥やしとなる と理解することができるようになっているのを実感で ような貴重な経験をすることが出来たと思います。 きた時は、本当に嬉しく自信に繋がりました。 また、 コップンカー(ありがとうございました。 ) 日本のポリクリでは見られなかったオペもたくさん見 ました。オペについては教授が図示して説明してくだ さり、初めて学ぶ術式を英語で学ぶことで逆にポイン トを絞って明快に理解することが出来ました。コンケ ン大学病院は、タイ東北部の病院で唯一 、硬性気管 支鏡下でレーザーなどの光線療法のオペを行うことの できる施設であり、周囲から患者さんが集まって来て いました。そのため特にそのレーザーで、狭窄した気 管支や声帯などを焼却するオペなどを多数見る貴重な 経験となりました。 こうして、充実した実習を行うことが出来ましたが、 それだけではありませんでした。実習の後は、研修医 14 コンケン大学医学部研修医や学生と昼食(筆者は右の真中) 第 68 回西日本医科学生総合体育大会結果 開催期間:平成 28 年 8 月 6 日 (土)∼21 日(日) 開催場所:徳島県 代表主管校:徳島大学 ※ 総合順位 38 位 (参考 第 67 回:29 位、 第 66 回:17 位、 第 65 回:33 位、第 64:36 位、 第 63 回:38 位、 第 62 回:35 位) 競技種目 ゴルフ 試 合 結 果 男 団体戦:33校中3位 女 団体戦:22校中4位 男 1回戦敗戦(対鹿児島大36−89) 女 1回戦:勝戦(対金沢医大49−32)、2回戦:勝戦(対島根大76−29)、 準決敗戦(対福岡大28−57) サッカー バスケットボール 1回戦:敗戦(対岡山大2−3) 準硬式野球 ソフトテニス 水 泳 2回戦:敗戦(対山口大8−9) 男 1回戦:敗戦(対富山大2−3) 女 1回戦:勝戦(対大阪市立大3−0)、2回戦:敗戦(愛媛大1−2) 男 団体戦:44校中16位以下、個人戦:200mバタフライ3位加藤高志郎 女 陸上競技 バレーボール 硬式庭球 バドミントン 剣道 団体戦:41校中16位以下、個人戦:50mバタフライ3位上村綾菜 個人戦:50m自由形5位伊藤絹子、100m自由形4位上村綾菜 男 団体戦:40校中16位以下、個人戦:100m 1位高橋周治 女 団体戦:37校中8位以下 男 1回戦:敗戦(対島根大0−2) 女 1回戦:勝戦(対藤田保健大2−0)、2回戦:敗戦(対福井大0−2) 男 1回戦:敗戦(対島根大4−5) 女 1回戦:敗戦(対藤田保健大0−3) 男 1回戦:敗戦(対宮崎大0−4) 女 2回戦:勝戦(対京都府立医大2−0) 、3回戦:勝戦(対福岡大2−0)、 準決敗戦(対三重大0−2) 男 団体戦:予選リーグ敗退(対徳島大:敗戦、対金沢医大:敗戦、対兵庫医大:敗戦) 女 不参加 ラグビーフットボール 1回戦:敗戦(対大阪大0−76) ハンドボール 団体戦:予選リーグ敗退(敗戦:対名古屋市立大15−16、 敗戦:対大阪医大16−19) 弓 道 男 団体戦:36校中35位 女 団体戦:36校中30位 第 31 回全国医科学生アーチェリー全国大会 開催期間:平成 28 年 8 月 7 日 (日) ∼10 日(水) 開催場所:福島県 代表主幹校:福島県立医科大学 男 アーチェリー 女 個人:シングルラウンド短距離賞高橋大地、シングルラウンド5位高橋大地 30mダブルラウンド優勝神谷昴希 団体:3位北川由香、柳川裕希、大石紗代 個人:シングルラウンド5位柳川裕希 7位北川由香、シングルラウンド中距離賞柳川裕希 15 第 43 回医大祭を終えて 実行委員長 4 学年次 武内 優子 16 今年で43回を迎えた医大祭は、10月29日、30日の 2 させていただきます。 日間にわたり開催されました。今年度の医大祭のテー < 1 日目> マは「Be unique ∼医かしたやつら∼」でした。近年、 医大祭の初日、各部活の模擬店、学生イベント、フッ カリキュラムや実習スケジュールが大きく変化してい トサル大会、バスケ大会など学生を中心に盛り上がり く中で、この伝統ある医大祭を私たちなりに全力で受 ました。本館 1 階では献血も行い、たくさんの方に協 け継ぎ、盛り上げていきたいという思いが込められて 力いただきました。天候にも恵まれ、トラブルもなく います。また、将来、 医療現場という人と人とのコミュ 無事 1 日目を終えました。 ニケーションが軸となってくる職につくことになる私 < 2 日目> たちにとって、普段の学生生活、机の上の勉学だけで 1 日目に引き続き、模擬店やソフトボール大会など は得にくい、多くの人とのつながりを持ち成長してい 学生間での盛り上がりを見せつつ、メインイベントで けたらと思い、このテーマに決定しました。医大祭実 あるリサイクルマーケットには多くの人が来場されま 行委員を中心に学年の壁を越えて団結し、準備、運営 した。また、今年度から 2 日目に開催となった、たち して参りました。以下に 2 日間の医大祭の様子を報告 ばなホールでの講演会には、落語家 林家三平氏によ る落語会が行われました。学生イベントでは、大道芸 えがあり、長い準備期間から本番の 2 日間、最後の片 人によるステージやビンゴ大会など学外のお客さんに づけまで大きなトラブルもなく乗り越えられました。 も楽しんでもらえたと思います。 2 日目も熱気あふれ 実行委員をはじめとする多くの仲間に感謝していま る最高の医大祭として締めくくることができました。 す。そして、この仲間たちとともに協力し合って作り 2 日間の医大祭もあっという間に過ぎ去ってしまいま 上げた経験は一生の宝物であり、医大祭によって生ま した。この医大祭を通して、新しい友人や仲間を見つ れた多くの人との出会いや関わりを大切にしていきた け、また、学外の方々、特に日頃見守っていただいて いと思います。 いる地域住民の皆様と関わりを持ち、人間として、将 最後になりましたが、父兄後援会および同窓会の皆 来の医療従事者として、皆で成長できるきっかけに 様には毎年多大なご協力を賜っております。この場を なったと思います。私自身、委員長として医大祭を終 お借りして厚くお礼申し上げます。 えた今、大きく成長することができました。周りの支 17 平成 28 年度医学部解剖慰霊祭 − 3 学年次 山田崇義さん礼辞− − 3 学年次 小出里沙さん学生代表焼香− 平成28年度の医学部解剖慰霊祭が10月28日(金) 、 今を生きる人のために、真摯に命と向き合う使命を背 覚王山日泰寺(名古屋市千種区)において執り行われ 負うことだと自覚させていただくとともに、この解剖 ました。 実習を通して、命と関わる仕事に就く者としての心構 慰霊祭には320名余りのご遺族が参列され、岡田尚 えまでもご教授いただいたように思います。 志郎医学部長及び解剖学の中野隆教授及び内藤宗和教 故人のご意志のもと、ご献体にご理解を賜りました 授、平井宗一教授並びに病理学の池田洋教授ほか関係 ご遺族の方々、不老会の皆様方に対し、深く感謝申し 者約30名、医学部からは 2 学年次の119名が参列しま 上げるとともに、改めて、ご献体くださった御霊のご した。 冥福をお祈り申し上げ、お礼の言葉とさせていただき 祭儀は、岡田医学部長及び北村直哉不老会理事長の ます。 』と礼辞を述べ、御霊に深い感謝と尊崇の念を 慰霊の辞に続いて、学生代表として 3 学年次山田崇義 捧げました。 さんが『日々変わりゆく医学の歴史の上には、明日を この後、読経が響きわたる中、医学部長、中野教授、 変えようと励む医療者の絶え間ない努力と、より良い 池田教授に続き、学生を代表して 3 学年次小出里沙さ 未来のために自らを託した無数の尊い人びとの献身が んがそれぞれ焼香し、献体者のご冥福を祈りました。 積み重なって形作られていることを感じています。医 午後 3 時に慰霊祭は終了、学生が境内の通路に左右 師を志すということは、 未来を託す故人の想いを担い、 に整列し、参列者を見送りました。 平成 28 年度愛知医科大学不老会会員の集い − 3 学年次 羽田野雄揮さん体験報告− 平成28年度の愛知医科大学不老会会員の集いが、11 的な内容を学んでおります。しかし、どの分野や疾患 月 5 日(土)に愛知医科大学「たちばなホ−ル」にお においても、正常な機能や構造の理解なしには身につ いて開催され、愛知医科大学に献体の登録をされてい けられるものではなく、まさに、この解剖学実習で学 る不老会の会員及び役員並びに各地区代表の方々 82 んだことが、私たちの基礎となっております。 名が参列されました。大学関係者は岡田尚志郎医学部 不老会会員の皆様方、また、ご家族の方々のご理解 長及び解剖学講座の中野隆教授、内藤宗和教授そして とご厚意に深く感謝し、私たち一同、心からお礼申し 医学部学生25名の参加がありました。 上げます。 」と感謝を込め、 体験発表が述べられました。 学生代表として 3 学年次羽田野雄揮さんが「解剖学 実習では、机上で学んできた解剖学の知識を、自身の 手と目で学ぶことにより、立体的な構造として認識す その後、大学本館 1 階レストラン「オレンジ」に移動 ることができました。それにより、自身の理解を深め し、出席者と医学生及び教職員との昼食・懇談が行わ ていくだけでなく、一回の実習のたびに、新たな疑問 れ、献体登録者との懇談は、学生にとって貴重な時間 や課題がわかり、解剖学の理解をより一層深める事が になったようです。 出来ました。現在、私たちは 3 年生となり、臨床医学 18 会員の集い終了後、脳神経外科学大須賀浩二教授が 「脳の健康のため」と題し、講演が行われました。 新 任 教 授 紹 介 【採用】 衛生学講座・教授 病院病理部・教授 鈴木 孝太(すずき こうた) 都築 豊徳(つずき とよのり) 平成28年5月16日就任 平成28年6月1日就任 〈略歴〉 平成12年3月 山梨医科大学医学部卒業 平成17年3月 博士(医学) (山梨医科大学) 平成24年4月 山梨大学大学院医学工学総合研究部准 教授 〈略歴〉 平成元年3月 名古屋大学医学部卒業 平成6年3月 博士(医学) (名古屋大学) 平成13年4月 名古屋第二赤十字病院病理部部長 解剖学講座・教授 先端レーザー医学寄附講座・教授 平井 宗一(ひらい しゅういち) 黒田 寛人(くろだ ひろと) 平成28年9月1日就任 平成28年10月1日就任 〈略歴〉 平成14年3月 香川大学医学部卒業 平成21年12月 博士(医学) (香川大学) 平成27年12月 東京医科大学人体構造学分野准教授 〈略歴〉 昭和44年3月 東京大学大学院工学研究科卒業 昭和49年3月 博士(工学) (東京大学) 平成21年4月 埼玉医科大学医学部眼科学講座先端 レーザー研究センター 寄附研究部門教授 【昇任】 救命救急科・教授 津田 雅庸(つだ まさのぶ) 平成28年10月1日就任 〈略歴〉 平成11年3月 関西医科大学医学部卒業 平成19年11月 博士(医学) (関西医科大学) 平成27年5月 本学救命救急科准教授 医学部長、高橋周治君、学長 西医体等の優勝者表彰 8 月 6 日(土)から21日(日)まで、徳島大学を主 ム10秒49) 幹校として第68回西日本医科学生総合体育大会が開催 この決勝では日本のトップクラスの選手( 1 位ケン されました。陸上競技男子100mで 3 学年次高橋周治 ブリッジ飛鳥、 2 位山縣亮太、 3 位桐生祥秀共に五輪 君が10秒67で優勝しました。11月15日(火)に、陸上 代表: 4 ×100mで銀メダル)と肩を並べて走り抜け 部の高橋周治君に対し、他の学生の模範となったとし て佐藤学長から表彰状等の授与が行われました。 髙橋周治君は、 6 月25日パロマ瑞穂スタジアムにお いて開催された第100回日本陸上競技選手権大会男子 7 位と健闘しました。また、10月 1 日(土)から11日 (火)まで、岩手県で開催された第71回国民体育大会 の陸上競技成年少年男子共通 4 ×100mリレーで愛知 県代表として第 2 走で出場し、見事優勝しました。 100m決勝において、 7 位入賞を果たしました。(タイ 19 ☆ お 知 ら せ と お 願 い ☆ ◇ 卒業証書・学位記授与式と謝恩会 ◇ 卒業証書・学位記授与式は、 3 月 4 日(土)に本学で挙行されます。 当日夜は、名古屋市内の東急ホテルで卒業生による謝恩会が行われます。 1 月に入って父兄後援会から案内状 をお送りしますので、万障お繰り合わせの上ご出席ください。 ◇ 平成29年度入学式 ◇ 4 月 4 日(火)午前10時から本学で挙行されます。 ◇ 医師国家試験 ◇ いよいよ医師国家試験が 2 月11日(土)から13日(月)にかけて行われます。 3 日間の集中は大変厳しいで すが、体調に気をつけて頑張ってほしいです。合格発表は 3 月17日(金)です。朗報を期待しています。 ◇ 進 級 発 表 ◇ 3 月23日(木)進級発表されます。 ◇ 住所変更等の連絡についてお願い ◇ ご父兄あるいは保証人について、次のような場合は、速やかに医学部父兄後援会までご連絡くださいますよ うお願いします。 ○ 保証人を変更するとき。 ○ 住所又は連絡先を変更したとき。 (住居表示が変更されたとき) ○ ご不幸があったとき。 編 集 後 記 するまでお願いしたいです。他大学・医学部は、この期間トッ ☆ 6学年次の総合試験(卒業試験)は終わりました。この会 プギアに入れて絶えず勉強しているのだということを忘れず 報が手元に届いた頃には合否の結果が出ているはずです。医 にいてください。さらには3日間の長い試験を乗り切るため 心館を拠点にして国試対策委員を中心にがんばってきた成果 の体調管理をくれぐれも気をつけて成果につなげて頂きたい が出て、嬉しい新年が迎えられるといいですね。そしていよ と願います。 いよ医師国家試験に挑みますが、本学の総合試験問題と国家 試験問題の整合性を本学医学教育センターでは年々整合性が 増加していることが明確化しているとのことです。また、総 合試験と予備校模試との相関については、4回受けますが、 回を重ねるごとにその相関関係も上昇し、高い正相関を認め られるとのことです。これまでの予備校模試結果の傾向をみ ると3回目までは全国平均に追いつくか、数点越えていたも のが、4回目には数点下回る傾向を呈しているとのこと。こ れは、おそらく年末から1月中旬にかけて気の緩みではない かと考えられます。したがって卒業試験に合格した嬉しいか らと決して安心せず弛まぬ努力の継続を医師国家試験が終了 愛知医科大学医学部父兄後援会会報 第117号 発 行 平成 28 年 12 月 19 日 発 行 人 櫻井 敏 編集委員 森 厚 栁澤 行徳 天野 晃治 林 浩之 清水 卓也 杉田信太郎 連 絡 先 愛知医科大学医学部父兄後援会 電話( 0 5 6 1 )6 2 − 3 3 1 1 内線 1 1 3 9 0・1 1 3 9 1 E-mail: fukeikai@aichi-med-u.ac.jp 20
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