藤田保健衛生大学病院 統合外科 修練マニュアル 平成 15 年 4 月1日

藤田保健衛生大学病院
統合外科
修練マニュアル
平成 15 年 4 月1日
藤田保健衛生大学病院
統合外科運営委員会
目
次
頁
1. 藤田保健衛生大学病院統合外科修練カリキュラム(概要)
1
2.領域別修練カリキュラム
6
1) 上部消化管領域
6
2) 下部消化管領域
8
3) 肝・脾領域
10
4)胆・膵領域
12
5) 胸部外科領域
14
6) 小児外科領域
16
7) 内分泌・乳腺領域
17
8) 救急部領域
19
3. 専門医修練カリキュラム(案)−前文−(2002 年 1 月)
22
4. 日本外科学会外科専門医修練カリキュラム(2003 年 6 月)
23
5. 参考手術手技一覧 (到達目標 3)
27
6. 外科専門医制度手術経験症例登録規定
30
7. 藤田保健衛生大学病院統合外科規約
31
8. 藤田保健衛生大学病院統合外科委員会および委員(平成 15 年度) 32
藤田保健衛生大学病院統合外科
修練カリキュラム
(統合外科卒後研修委員会)
一般目標:
藤田保健衛生大学病院統合外科における日本外科学会専門医資格取得を目指す修練カリ
キュラムにおいて、初期臨床研修終了後の外科修練医としての修練期間中に、外科各領域
(上部消化管、下部消化管、肝・脾、胆・膵、胸部、小児、内分泌・乳腺)の代表的な疾
患を経験するとともに、当該領域の基本的な外科手技と周術期管理を修得する。また、特
に外科的救急医学を研修し、基本的な救急診療を修得する。
Ⅱ. 修練施設:
藤田保健衛生大学病院およびその関連診療施設を修練施設とする。
Ⅲ. 各領域別修練カリキュラム:
別項に各領域別研修カリキュラムを記す。
Ⅳ. 統合外科修練カリキュラム槻要
1.はじめに
藤田保健衛生大学病院統合外科が 2001 年 4 月にスタートしたことに伴い、統合外科運営
委員会の下部機構としての統合外科卒後研修カリキュラム検討委員会が同年 5 月に発足し、
2002 年 4 月より統合外科卒後研修委員会と改名し、外科修練を平等・円滑に遂行するため
の作業を行ってきた。
本カリキュラムの作製に当たっては、若手外科医師にとって、臨床経験のチャンスが平
等に与えられ、一定期間後には日本外科学会専門医試験の受験資格が得られる内容とする
ことを基本とした。統合外科は誕生して間がなく、現在その体制の整備を鋭意進めている
段階であり、本カリキュラムが統合外科教室において実際に実施可能で、かつ診療体制の
強化改善に寄与できることを願うものである。
2.統合外科修練カリキュラム作製の背景
最近の我国では文部科学省・厚生労働省などが“国民はより良い診療体制の確立と臨床
医の育成を要望している”という唄い文句で、研修医の卒後初期研修の必修化(診療医資
格の二段階化)、医療保険の大幅見直し(包括医療の導入ならびに民営化の方向)、医学教
育システムの大改革(在学中の全国共用試験、診療参加型臨床実習、その他)などの大変
革を急ピッチで進めている。さらに従来は個々の学会に委ねられてきていた専門医制度に
ついても“一医師・一専門領域”を原則とすべきという観点からの改革が開始されている。
これを受けて日本外科学会では、既に、
(1) 新しい外科専門医制度を平成 14 年度から開始し、外科専門医試験を平成 18 年度か
ら施行する。これに伴って従来の認定医制度は廃止する。
(2) 外科学会が定めた専門医修練カリキュラムに基づいて、5年(+α)で専門医資格
を取得した者が「専門医としての外科医」となれる。これを修得しない者は「外科
医ではなく、単なる診療医」とみなされる。
(このことは開業時の標榜科、診療時の
1
保険点数などに大きく影響 し、また診療行為の制限も起こり得よう)
(3) 外科専門医の資格を取得した者でなければ、さらに上級の「消化器外科医」、「心臓
血管外科医」、
「呼吸器外科医」、
「小児外料医」などを取得するための資格が得られ な
い 二階建ての一階部分が外科学会専門医、二階部分がサブスペシャルテイ専門医と
なる。
3.統合外科卒後研修カリキュラムの内容の骨子
(1) 医師免許取得後5年で日本外科学会専門医試験受験資格が得られることを目標とし
たカリキュラムとした。
注:諸事情のため 5 年で満了しなかった者は 6 年(以上)となる。
(2) 本カリキュラムにおける一般目標ならびに到達目標は、日本外科学会の定めた外科
専門医修練カリキュラムにおける一般目標、到達目標と同様とする。
注:日本外科学会 「外科専門医修練カリキュラム」参照 (付録参考資料)のこと。
(3) 上記 5 年間を、① Rl∼R2 の 2 年間、② R3∼R4 の 2 年間、③ R5 の 1 年間、に区
分する。
(4) Rl∼R2 の 2 年間(卒後初期研修、2004 年から必修化)
以下は当大学初期臨床研修医を対象として記す。
・ 外科希望者は統合外科に登録することができる(統合外科登録)。
・ 初期臨床研修義務化に伴い、病院長直属の研修医としてスーパーローテート方式
の履修となる。
・ 初期研修医として広く色々な臨床経験を積むことに主眼を置き、外科専門医取得
のための準備として、①手術経験症例(術者及び助手)の記録保存、②到達目標
に記された諸知識技術(麻酔学を含む)の修得に努める。
注:この期間中の経験症例も外科専門医試験の受験資格に必要な貴重な症例である。
(5) R3∼R4 の2年間(大学院コースについては別記載)
・ 上記 Rl∼R2 の研修と区別するために、外科修練と称する。
・ 身分は「定員外助手」で、統合外科のいずれかの部門(仮親)に登録する。
注; サブスペシャルテイー選択ではない(形式上の仮親である)。
・ 上記登録に拘らず、① 上部消化管、② 下部消化管、③ 肝・脾、④ 胆・膵、⑤ 胸
部、 ⑥ 小児、⑦内分泌・乳腺、⑧ 救急部(GICU)の 8 部門(原則として 1 部
門 3 カ月)へ改めて平等にローテーションする。
・ ローテーション中にできるだけ「術者としての症例」を多数経験する。
注;この「術者」には「下級医の助手」でも可であったり、外来等でも実施可能
な処置的手技、内視鏡的治療、などでも可のものがある。
・ 専門医受験資格取得のための手術経験必要数は、術者十助手の最低数として、消
化管+腹部内臓…50 例、② 乳腺…10 例、③ 呼吸器…10 例、④ 心臓・大血管…
10 例、⑤ 末梢血管…10 例、⑥ 頭頸部・体表・内分泌外科…10 例、⑦ 小児外科
…10 例、⑧各臓器の外傷…10 例、⑨ 鏡視下手術…10 例であり、全領域を合わせ
て術者 120 例以上、術者+助手 350 例以上である。
・ そこで、上記 8 部門のローテーション中の術者経験数の目標として、① 上部消
化管…8 例、② 下部消化管…15 例、③ 肝・脾…8 例、④ 胆・膵…15 例、⑤ 胸
部 …15 例、⑥ 小児…8 例、⑦内分泌乳腺…8 例、合計 77 例を各個人ならびに
各講座の努力目標とする。(助手としての経験数は当然これより上である)
・ 専門医試験受験資格に必要な学会発表、論文発表などの基準を達成する(統合外
2
科卒後研修委員会、統合外科運営委員会で計画、指導する)。
・ 主として外科総論に含まれる知識(外科診療に必要な基礎知織)・‥輪液輸血、
栄養代謝、 外科的感染症・創傷管理、 凝固線溶、周術期管理、臨床免疫学・
腫瘍学など・・・の修得のためにセミナーを開催し、Rl∼R4 の外科研修(修練
医は積極的かつ主体的に参加する。セミナーの立案企画は統合外科卒後研修委
員会が行う。
・合同症例検討会、抄読会、死亡症例検討会などにも積極的かつ主体的に参加する。
(6) R5 の 1 年間
・外科学会が認定している本学の関連施設に学外出張し、疾患領域には拘らずに、
50 例/年間の術者を経験する。また相当数の助手を経験する。
・以上の5年間を合計して、術者 120 例以上、術者+助手 350 例以上を到達する。
注:各人の出張先病院の決定に際しては、本人の希望も考慮するが、R4 までの
診療実績(領域別経験症例数)も重視する。
(7) R6 以降
・上記により R5 終了時に外科学会専門医受験資格を取得した者は、原則として R6
として大学へ戻り、R6 の年度内に行われる専門医試験を受験する。また R6 開始
時に専門領域(入局講座)を宣言し、サブスベシャルティーの修練(消化器外科
専門医、心臓血管外科専門医外科専門医、呼吸器外科専門医、小児外科専門医な
どの資格取得)を目指して良い。
・また専門医資格取得を期に、
(大学の了解下に)大学以外の道へ歩みだすことも有
り得て良い。
・R5 で 1 年間学外修練を行ったにも拘らず、経験症例数が規程に達しなかつた場合
には、例外的処置として、学内或いは学外でさらに受験資格を満たすまでの症例
数の積み上げを図った上で、翌年に受験する。
[外科修練ローテートの骨格]
[年次]
<例>
[修練様式]
[到達目標]
R1
R2
卒後初期研修
ス−パ−ロ−テ−ト
R3
R4
外科修練
外科領域別ロ−テ−ト
領域別必須手術経験数達成
術者経験 77 例(目標)達成
R5
関連病院施設出張
術者経験 120 例 (累積) 達成
R6
以降
外科サブスペシャルテイー
修練
外科専門医資格取得
サブスペシャルテイ−
専門医資格取得
基本的外科診療,救急,麻酔
研修が主体
(8) その他の修練コース
・上記以外の R 3, 4, 5 の 3 年間の修練コース(例;R 3 and/ or R 4 を学外修練)
を選択した場合は、統合外科復帰後にその期間の修練内容(外科専門医制度に基
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づく証明を伴う業績保存は必須)を考慮し、統合外科卒後研修委員会が作製した
修練プログラムに従って修練をする。ただし、本学主体の基本修練コ−スの妨げに
ならないことを原則とする。
4. 大学院進学の場合
・ 大学院入学は R3 以降、随時可能である(講座入局)。
・ R6の時期に医学博士号取得と同時に、専門医資格を取得することは新しい外科専
門医制度の下ではほぼ不可能と推定される。
・ したがって、両者の取得を希望する者は、「まず一方を、次いでもう一方を」と順位
をつけて外科研修または研究活動を行っていただきたい。
・ R3 で大学院へ入学した場合、専門医資格の取得を希望するならば、
「R3∼R4 の 2 年
間は前項記載の全体ローテーションに則つた臨床研修を済ませた上で、R5∼R6 の時
期に学位研究に入り(臨床を離れ)、学位取得後の R7 に学外修練を行って専門医試
験受験資格を得て、R8 で受験する」という考え方が標準となる。
Ⅴ. 統合外科修練の到達目標
医療全体の中における外科診療の意義と特殊性について理解し、それを担当する臨床
医として社会に貢献できるよう、基本的外科診療の体得の上に、外科専門医資格の取
得を主要な目標とした修練をするとともに、さらにその後のサブスペシャルテイ−専
門 医 資 格 の 取 得 と 連 続 性 を 持 っ た 修 練 を す る。
そのために以下の項目を到達目標とする。
1. 外科各領域の疾患について、診療技術および態度を修得する。
各領域別カリキュラム到達目標の項に示す。
2. 学術・研究および教育活動を通じ、生涯学習の方略の基本を修得し実行できる。
(1) カンフアレンス、その他の学術集会で積極的に討論に参加できる。
・上級医の指導の下に資料の準備が的確にできる。
・経験症例の診療の要約を的確に記録することができる。
・臨床症例の問題点を列挙し、説明できる。
(2) 専門の学術出版物や研究発表に接し、批判的吟味をすることができる。
・英論文を抄読し、問題点を説明できる。
(3) 学術集会や学術出版物に、症例報告や臨床研究の結果を発表できる。
・地域(または全国)の学術集会に筆頭者として発表できる。
(4) 学術研究または症例の直面している問題解決のため資料の収集や文献検索を独力
で行うことができる。
(5) 研修医や学生などに外科診療の指導をすることができる。
3. コメディカルスタッフと協調・協力してチーム医療を実践することができる。
Ⅵ. 統合外科修練の評価
到達目標に達すべく、統合外科運営委員会の責任において、適宜形成的評価を実施し、
各修練医の修練内容について調整を行う。
修練中の医師は、修練状況(経験手術数、および臨床研究報告など)を各年度毎に統合
外科卒後研修委員会に報告する。
4
1. 修練状況を知識、技能、態度のそれぞれの領域について指導医全員で評価する。
(1) 基本的には形成的評価とし、各領域別に3段階評価とする。
・ 優れている
・ 基準に到達している
・ 努力を要する
(2) 知識(認知)領域についての評価
・ 診療、カンファランス、学術・研究活動を通じて評価する。
(3) 技能領域についての評価
・ 手術記録(経験数)、検査 (実施件数)、他入院・外来診療を通じて評価する。
(4) 態度についての評価:以下の項目について総合的に評価する。
・ 勤務時間の厳守
・ 服装・患者への対応・医療チ−ムとの協力と協調(他部門からも評価)
・ 臨床実習学生への指導
2.修練医による指導医の評価および修練に対する意見を得る。
Ⅶ. 関連学会
日本外科学会、日本外科系連合学会、日本臨床外科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、
日本内視鏡外科学会、日本超音波学会
[消化器関連] 日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本腹
部救急医学会、日本胃癌学会、日本大腸肛門病学会、日本静脈経腸栄養学会、日本外科
代謝栄養学会、日本胆道学会、日本膵臓学会、日本肝胆膵外科学会、日本肝臓学会、日
本門脈圧亢進症学会、日本移植学会、日本胆道外科研究会、日本膵切研究会、大腸癌研
究会
[胸部関連] 日本胸部外科学会、日本呼吸器外科学会、日本肺癌学会、日本心臓血管外科
学会、日本血管外科学会、日本人工臓器学会、日本冠動脈外科学会、日本呼吸器学会、
日本血管外科学会、日本静脈学会、日本気管支学会、日本胸腺研究会
[小児関連] 日本小児外科学会、日本小児がん学会
[内分泌乳腺関連] 日本乳癌学会、日本内分泌外科学会、甲状腺外科研究会、日本内分泌
学会、日本甲状腺学会、日本乳癌検診学会
[救急関連] 日本救急医学会、日本臨床救急医学会、日本集中治療学会
[地方会] 東海外科学会、愛知臨床外科学会、中部外科学会
ほか
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藤田保健衛生大学病院統合外科
領域部門別卒後研修カリキュラム
[ I ] 上部消化管領域
I.
行動目標:
上部消化管疾患に関する臨床診断、手術治療、手術前後における患者管理、合併症、そ
れに対する対策などについて実地臨床を経験し、現代の最先端の医療に適合した最新の外
科的知識、技能、適正な倫理観、医師患者の良好な人間関係の形成などを習得する。
II.
指導医:
落合正宏(教授)、桜井洋一(助教授)、小森義之(助教授)、宇山一朗(助教授)、
松原俊樹(講師)、今津浩喜(講師)、長谷川 茂(講師)、中村康子(講師)、
庄司光孝(助手)、殿村周平(助手)
III. 研修内容
<到達目標>
1. 上部消化管疾患の外科診療に必要な診断、手術適応決定に必要な基礎的知識および技
術、技能を習得し、実際の臨床診療をすることができる。
a. 病歴上部消化管疾患に関連した症状、病歴、関連疾患について患者から聴取すること
ができる。
b. 診断に必要な理学的所見
1) 視診
・ 腹部膨満、腹水、腹部腫瘤の存在について診断することができる。
・ 栄養不良を示す除脂肪体重の減少、皮下脂肪の減少などの著しい栄養状態不良を
診断できる。
・ 腹壁静脈怒張などを発見することができる。
2) 触診
・ 限局性、びまん性の腹部の圧痛の有無を診断することができる。
・ 筋性防御の有無を診断できる。
・ 腹部実質臓器の腫大、腫瘤の存在の有無について診断することができる。
3) 打診
4) 聴診
・ 消化管ぜん動音の亢進、正常、低下について診断できる。
c. 診断に必要な検査
1) 上部消化管 X 線検査
2) 上部消化管内視鏡検査および病理組織生検
3) 上部消化管内圧測定
4) 上部消化管 PH 測定
5) 腹部超音波検査
6) 腹部 CT 検査
7) 腫瘤穿刺および病理組織生検
8) 腹水穿刺
d. 診断に必要な病歴、理学的所見、検査所見を総合的に評価し、最終診断を決定する
6
ことができる。
e. 胃癌取り扱い規約
胃癌取り扱い規約についてその内容を理解し、臨床に応用することができる。
f. 胃癌治療ガイドラインにそった現在の胃癌に対する治療の標準について十分に理解
している。
g. 食道癌取り扱い規約食道癌取り扱い規約についてその内容を理解し、臨床に応用す
ることができる。
2. 上部消化管疾患の外科診療の手術治療に関連した基礎的知識および技術、技能
a. 診断をもとにして個々の症例における手術術式を決定することができる。
b. 各手術術式の利点、欠点、リスクについて述べることができる。
3. 上部消化管疾患の外科診療の手術前、手術後の管理について
a. 手術前の患者の全身状態を把握し、手術のリスクについて述べることができる。
b. 手術前の患者の状態に応じて必要な術前治療を決定することができる。
c. 必要な術前治療を実際に指示することができる。
d. 手術後の管理をすることができる。
術後消化管造影検査を施行し、診断、治療をすることができる。
痩孔造影を施行することができる。
栄養管理に関する知識をもち、臨床に応用することができる。
4. 上部消化管疾患の外科診療に関連した外科手術以外の化学療法などの補助療法の基礎
的知識および実際の臨床的使用法、適応について習得する。
5. 上部消化管疾患の外科診療における倫理的事項について理解できる。
手術適応決定について倫理的事項について理解できる。
化学療法の適応について倫理的事項について理解できる。
終末期患者に対する緩和医療について倫理的事項について理解できる。
Evidence based medicine の観点から、evidence が存在しない治療に対して RCT
(randomized c1inica1 tria1)の必要性とその倫理性について理解している。
6. 学術、研究および教育活動
a. カンファレンス、その他の学術集会に積極的に参加する。
b. 邦文、外国語文献を検索することができ、またその内容を理解し、問題点を抽出し、
それらについて自分以外の人と議論することができる。
c. 現在の上部消化管疾患の外科的診断、治療法に関するスタンダードについて十分な
知識を有する。
d. 学術集会における臨床的および基礎的研究について筆頭演者として発表の準備する
ことができ、またその発表をすることができる。
IV.週間スケジュール(別紙)
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[2] 下部消化管領域
I. 行動目標:
代表的な小腸・大腸および肛門疾患を理解し、これらについての外来および入院診療を修
得する。
II. 指導医:
丸田守人(教授)、前田耕太郎(助教授)、花井恒一(講師)、佐藤美信(講師)、
升森宏次(講師)、松本昌久(助手)、小出欣和(助手)、松岡 宏(助手)
III. 研修内容:<到達目標>
1. 小腸・大腸および肛門疾患の診療に必要な基礎的知識を習熟し、臨床応用できる。
a. 小腸・大腸および肛門の解剖と機能を理解し、説明できる。
b. 小腸・大腸および肛門の主要な症侯を説明し、適切な診察と診療計画を建てることが
できる。
c. 小腸・大腸および肛門疾患の診療に必要な検査の特徴および適応を理解し、検査結果
を説明できる。
d. 小腸・大腸および肛門疾患の周術期の問題点を理解し、適切に対処できる。
e. 小腸および大腸の良性腫瘍の鑑別診断について理解し、治療法を選択できる。
・小腸および大腸良性腫瘍の分類を理解し、その特徴と治療方針を説明できる。
・大腸ポリポーシスの分類を理解し、その特徴と治療法を説明できる。
f. 小腸および大腸の悪性腫瘍の鑑別診断について理解し、治療法を選択できる。
・小腸および大腸悪性腫瘍の組織分類を理解し,その特徴と治療方針を説明できる。
・大腸癌の形態診断の読影ができる(注腸造影検査、大腸内視鏡検査、EUS,CT,US、
等)。
・大腸癌の進行度分類を理解し、予後との関連を説明できる。
・大腸早期癌の治療方針を説明できる。
・大腸癌に対する手術術式およびリンパ節郭清を理解し説明できる。
・大腸癌の転移、再発病巣に対する症例に応じた治療法を理解し選択ができ る
(手術、化学療法、放射線療法、等)。
・大腸癌手術後の合併症を理解し、適切に対処できる。
・大腸癌術後フォローアップの重要性を理解し、適切に対処できる。
・患者背景を理解し、適切な診療情報の提供ができる。
g. 炎症性腸疾患の鑑別診断について理解し、治療法を選択できる。
・潰瘍性大腸炎の病態および特徴を理解し、その診療および治療計画を建てるこ
とができる。
・クローン病の病態および特徴を理解し、その診療および治療計画を建てることがで
きる。
・虚血性腸炎の病態を理解し治療法を選択できる。
・虫垂炎を診断し治療法を選択できる。
・その他の腸炎を鑑別診断し、治療法の選択ができる。
h. 腸閉塞の鑑別診断について理解し、治療法を選択できる。
・腸閉塞の成因による分類を理解し説明できる。
・腸閉塞の身体所見、画像所見を理解し治療法を選択できる。
8
・イレウスチューブの挿入ができる。
i. その他の腸疾患の鑑別診断を理解し、治療法を選択できる。
・腸の先天性異常を理解し、治療法を説明できる。
・機能性腸疾患の病態を理解し、その診療および治療計画を建てることができる。
j. 人工肛門および腸痩について理解し説明できる。
・人工肛門および腸痩の発生原因、用途に応じた分類を説明できる。
・人工肛門造設術および閉鎖術の適応を判断できる。
k. 肛門疾患の鑑別診断について説明し、治療法を選択できる。
・ 痔核の病因・病態を理解し治療法を選択できる。
・ 肛門周囲膿瘍および痔痩の病因・病態を理解し治療法および術式を選択できる。
・ 裂肛の病因・病態を理解し治療法および術式を選択できる。
l. その他の直腸・肛門疾患の鑑別疾患について説明し、治療法を選択できる。
・ 直腸脱の病因・病態を理解し治療法および術式を選択できる。
・ 直腸瘤の病因・病態を理解し、診断および治療法を説明できる。
2. 外科専門医資格取得のために必要な手術を経験する。
a. 小腸および大腸の手術を経験する。
・ 術者として虫垂切除術ができる。
・ 人工肛門造設および双孔式人工肛門閉鎖術を上級医の指導の下に施行できる。
・ 開腹および腹腔鏡下の小腸および大腸手術の適切な介助ができる。
b. 直腸・肛門の手術を経験する。
・ 術者として肛門周囲膿瘍の切開排膿術、血栓性外痔核の血栓除去術ができる。
・ 直腸・肛門手術の適切な介助ができる。
c. 上記の小腸・大腸および肛門の手術を術者としてできるだけ多く経験する。
・ 目標経験数として下部消化管疾患 15 例以上を経験する。
IV. 週間スケジュール(別紙)
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[3] 肝・脾領域
I. 行動目標:
藤田保健衛生大学病院統合外科において日本外科学会専門医資格を取得するために、
初期臨床研修の 2 年間終了後に、2 年間の外科修練としての代表的な肝、脾疾患を経験し、
検査、診断、治療における基本的な外科的手技と周術期管理を習得する。
(実際の研修は、肝・脾、胆・膵を合同で肝胆膵部門として行い、期間は 6 ヶ月間とする。)
II. 指導医:
蓮見昭武(教授)、杉岡篤(助教授)、守瀬善一(講師)、藤田順子(講師)
III. 研修内容:<到達目標>
1. 肝臓、脾臓疾患における基礎知識を習熟し、診断、治療に応用できる。
a. 手術にさいして必要な局所解剖学、生理学、病理学、発生学につき理解し、述べる
ことができる。
b. 外科病理学の基礎および外科治療の適応となる肝臓、脾臓疾患の基礎的病態(肝硬変
など)を理解している。
c. 腫瘍学(主に肝癌に対して)
1) 発癌、転移再発形式に関して理解し、取扱い規約、TNM 分類などに基づいて腫瘍
の状態を表現し、診断、治療に応用することができる。
2) 手術、局所療法、動注塞栓化学療法などのそれぞれの治療法の特徴を理解し、そ
の適応を述べることができる。
3) 周術期管理などに必要な病態生理を理解し、肝予備能、手術侵襲の大きさ、手術
のリスクを判断でき、それに基づいた管理を計画することができる。
2. 肝臓、脾臓疾患の診断、治療に必要な以下の検査、処置に習熟し、それらを臨床に応
用できる。
a. 以下の手技ができる。
1) 腹部超音波検査、上部消化管内視鏡検査を実施し、また、適切な血液生化学的検
査を行い評価することで、肝臓、脾臓の病態を診断できる。
2) エックス線単純撮影、CT、MRI の適応を決定し、読影することができる。
3) 血管造影、胆道造影(ERCP など)などの適応を決定し、読影することができる。
b. 周術期管理ができる。
1) 周術期の補正輸液、維持輸液、輸血、肝庇護、栄養代謝管理を計画し施行するこ
とができる。
2) 抗菌薬の適切な選択、投与、有害事象に対する対処ができる。
3) 術後の合併症(肝不全、胆汁漏、縫合不全、腹腔内膿瘍、肺炎など)に対して適切な
対処、処置ができる。
4) 肝不全、DIC,ARDS,SIRS,MOF の診断と治療ができる。
5) 中心静脈カテーテル、Swan-Ganz カテーテルを挿入し、循環管理ができる。呼吸管
理、心肺蘇生法を行うことができる。
6) 術後・末期癌患者の疼痛管理を行うことができる。
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3. 肝臓、脾臓疾患の一定レベルの手術を適切に実施できる能力および適切な介助ができる。
下記の手術を術者または助手として経験する(術者として 8 例以上を目標)。
種々の程度の肝切除術(部分切除、区域切除、葉切除)
、開腹肝生検、肝嚢胞切開
または縫縮または内痩術、肝膿瘍ドレナージ、肝縫合術、肝管消化管吻合、食道
胃静脈瘤に対する直達手術または選択的シャント手術、脾臓の摘出または縫合ま
たは部分切除術
IV. 週間スケジュール(別紙)
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[4] 胆、膵領域
Ⅰ行動目標:
藤田保健衛生大学病院統合外科において日本外科学会専門医資格を取得するために、
初期臨床研修の 2 年間終了後に、2 年間の外科修練としての代表的な胆、膵疾患を経験し、
検査、診断、治療における基本的な外科的手技と周術期管理を習得する。
なお実際の研修は肝・脾領域と合同で肝胆膵部門として行い、期間は 6 ヶ月間とする。
Ⅱ指導医:
宮川秀一(教授)、堀口明彦(助教授)、水野謙司(講師)、石原慎(講師)、
岩瀬祐司(講師)、伊東昌弘(助手)、永田英生(助手)、清水朋宏(助手)、
古澤浩一(助手)
Ⅲ 研修内容:<到達目標>
1. 胆道、膵臓疾患における基礎知識を習得し、診断、治療に応用できる。
a. 手術にさいして必要な胆道、膵臓の局所解剖学、生理学、病理学、発生学につき理
解し、述べることができる。
b. 胆道、膵臓の病理学の基礎を理解している。
c. 腫瘍学
1) 胆道癌、膵臓癌の取り扱い規約についてその内容を理解し、 臨床に応用すること
ができる。
2) 手術、化学療法、放射線療法の適応を述べることができる。
3) 化学療法、放射線療法の合併症について理解している。
4) 周術期管理などに必要な病態生理を理解し、手術侵襲の大きさ、手術リスクを判断
でき、それに基づいた管理を計画することができる。
2. 胆道、膵臓疾患に必要な以下の検査、処置に習熟し、それらを臨床に応用できる。
a. 以下の手技ができる。
1) 腹部超音波を実施し、胆道、膵臓の正常、異常な病態を診断できる。
2) エックス線単純撮影、CT、MRI の適応を決定し、読影することができる。
3) 経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD)、経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)、内視鏡
的経鼻的胆道ドレナージ(ENBD)、内視鏡的逆行性胆道ドレナージ(ERBD)の
適応を決定し、読影することができる。
4) 内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)の適応を決定し、読影することができる。
5) 腹部血管造影の適応を決定し、読影することができる。
6) 経皮経肝胆道鏡の適応を決定し、読影することができる。
b. 周術期管理ができる。
1) 周術期の補正輸液、維持輸液、輸血量を決定し、施行することができる。
2) 抗菌薬の適切な決定、投与、有害事象の対処ができる。
3) 術後・末期癌患者の疼痛管理を行うことができる。
4) 心肺蘇生法、中心静脈カテーテル、Swan-Ganz カテーテルを挿入し、循環管理が
できる。
5) DIC、SIRS、MOF の診断と治療ができる。
c. 以下の病態について理解し、管理を行なうことができる。
1) 閉塞性黄疸の病態を理解し、減黄術前後の胆管炎、カテーテルの適切な管理を
12
行なうことができる。
2) 胆嚢炎の病態を理解し、PTGBD の適応、カテーテルの適切な管理を行なうことが
できる。
3. 胆道、膵臓疾患の一定レベルの手術を適切に実施できる能力および適切な介助ができる。
a. 下記の医行為を施行できる。または適切な介助ができる。
1) 胆道造影:経皮経肝胆道造影を行い、各胆管枝の同定、病態の把握を行なう。
2) 経皮経肝胆道鏡:胆道鏡下に胆管結石の破砕回収、胆管の撮影、各胆管枝の同定、
胆管粘膜の生検を行なう。
3) 腹部血管撮影:腹腔動脈撮影、上腸間膜動脈撮影、その他選択的動脈撮影を行な
う。
4) 経皮経肝門脈造影(PTP)
、経皮経肝門脈塞栓術(PTPE)
:区域門脈肢の同定、大量
肝切除の術前処置としての門脈塞栓を行い、その前後の残肝の体積あるいは機能
の増加を判定する。
5) 腹部瘻孔造影:縫合不全、腹腔内膿瘍などを適切に判断し、ドレナージチューブ
を留置する。
b. 下記の手術を術者として経験する(術者として 15 例以上を目標)。
1) 開腹胆嚢摘出:助手を 3 回経験後に術者を行なう。
2) 腹腔鏡下胆嚢摘出術:助手を 3 回経験後に術者を行なう。
c. 下記の手術を助手として経験する。
肝管消化管吻合術、胆嚢摘出術、胆管切開術、胆管切開結石摘出術、胆管切除術、
胆道再建術、胆管形成術、膵頭十二指腸切除術、膵全摘術、膵体尾部切除術、膵
部分切除術、膵腫瘍核出術、膵縫合術、膵管空腸吻合術、膵石症手術、膵嚢胞外
瘻術、急性膵炎手術など
Ⅳ 週間スケジュール(別紙)
13
[5] 胸部外科領域 (呼吸器・心臓・大血管・末梢血管)
I. 行動目標
呼吸器(15)、心臓・大血管(10)、末梢血管(15) 領域の手術、そして胸腔鏡手術におけ
る術者または助手を経験する。(括弧内の数字は最低症例数を示す)
II. 指導医
安藤太三(教授)、入山 正(教授)、服部良信(助教授)、根木浩路(講師)、
須田 隆(講師)、小林靖典(助手)、佐藤雅人(助手)、山下 満(助手)
III. 研修内容:<到達目標>
1.呼吸器
a. 胸壁・胸膜疾患の臨床症状・病態生理を理解し、診断と治療の選択ができる。
1) 胸壁腫瘍
2) 気胸
3) 乳糜胸
4) 膿胸
5) 中皮腫
b. 気管・気管支および肺
1) 肺の解剖および呼吸生理を理解し臨床応用できる。
2) 胸部 X 線・CT・MRI の適応を決定し読影ができる。
3) 呼吸機能検査の適応を決定し結果を解釈できる。
4) 開胸法の機能的適応基準を理解し臨床応用できる。
5) 肺の血管の処理および気管支の処理ができる。
6) 閉胸法およびドレーンの管理ができる。
7) 胸腔鏡の術式と合併症を理解し臨床応用できる。
8) 次の疾患の症状・病態生理を理解し、診断と治療の選択ができる。
・ 肺分画症
・ 肺動静脈療
・ 気管・気管支損傷
・ 肺化膿症
・ 肺過誤腫
・ 肺癌
・ 転移性肺癌
2. 心臓・大血管
a. 心臓・大血管の解剖と病態生理の説明ができる。
b. 心臓カテーテル検査の必要性を判断できる。
c. 人工心肺装置装着方法を理解し臨床応用できる。
d. 以下の疾患の病態生理・臨床症状を理解し、治療法の選択ができる。
1) 動脈管開存症
2) 心房申隔欠損症
3) 心室中隔欠損症
4) バルサルバ洞動脈瘤(破裂)
5) 心タンポナーデ
14
6) 感染性心膜炎
7) 穿通性心臓外傷
8) 僧帽弁疾患
9) 大動脈疾患
10) 虚血性心疾患
11) 心臓腫瘍
12) 胸部大動脈瘤
13) 腹部大動脈瘤
14) 胸腹部大動脈瘤
15) 解離性大動脈瘤
16) 外傷性大動脈瘤
3. 末梢血管
a. 四肢の循環障害の診断と検査法を選択できる。
b. 急性動脈閉塞の診断と治療を選択できる。
c. 血栓症の治療について述べることができる。
d. 血管外傷の診断と治療を選択できる。
e. 慢性動脈閉塞症の診断と治療が選択できる。
1) 閉塞性動脈硬化症
2) Burger 病、閉塞性血栓血管炎
3) Leriche 症侯群
4) 胸郭出口症候群
6. 高安病、大動脈炎症候群および血管 Behcet 病の診断と治療法について説明できる。
7. 動静脈瘻の診断と治療が選択できる。
8. Raynaud 病の診断と治療が選択できる。
9. 以下の疾患の病態生理を理解し治療の選択ができる。
1) 上大静脈症侯群
2) 下大静脈症候群、Budd-Chiari 症候群
10.下肢静脈瘤の診断と治療の選択ができる。
Ⅳ 週間スケジュール(別紙
15
[6] 小児外科領域
I.行動目標:
小児の特殊性(成人との違い)に基づき小児外科疾患を理解し、その代表的疾患につい
て外来および入院診療(手術、周術期管理)を修得する。
II. 指導医:
岸川 輝彰 (教授)
西田 純久 (助手)
原 普二夫 (助教授)
西村 むつみ (助手)
冨重
博一(講師)
西川
宰 (講師)
III. 研修内容:〈到達目標〉
1. 基本的な小児外科疾患診療に必要な基礎知識を習熟し、臨床応用できる。
a. そけいヘルニア、精系水腫、臍ヘルニア
・ 上記疾患の診断と治療法を説明できる。
・ そけいヘルニアの小児と成人の違いを説明できる。
・ 手術の介助および手術ができる。
・ 周術期管理ができる。
b. 急性虫垂炎
・ 上記疾患の診断と治療法を説明できる。
・ 手術の介助および手術ができる。
・ 周術期管理ができる。
c. 代表的新生児外科疾患を列挙できる。
・ 新生児期外科疾患の病態と治療法を説明できる。
・ 手術の介助ができる。
・ 周術期管理ができる。
d. 代表的小児外科疾患を列挙できる。
・ 代表的小児外科疾患の病態と治療法を説明できる。
・ 手術の介助ができる。
・ 周術期管理ができる。
2. 小児外科診療に必要な検査の特徴を理解し安全に施行できる。
a. 腹部超音波検査を実施し、病態を診断できる
b. 上部消化管造影、注腸造影の適応を決定し、読影することができる。
c. CT, MRI の適応を決定し、読影することができる。
d. CT, MRI などの検査に必要な鎮静法を理解し、安全に施行できる。
e. 食道内圧検査、食道pHモニター検査、直腸肛門内圧検査などの消化管機能検査の適
応を決定し、結果を解釈できる。
3. 小児外科疾患の手術を適切に実施できる能力を修得し、その臨床応用ができる。
a. そけいヘルニア、臍ヘルニア、精系水腫、急性虫垂炎などの手術を術者として経験す
る (15 例以上)。
b. その他の小児外科疾患について助手としてできる限り多く手術を経験する。
Ⅳ. 週間スケジュール(別紙)
16
[7] 内分泌・乳腺領域
Ⅰ. 行動目標
内分泌・乳腺疾患を理解し、代表的な疾患について外来および入院診療(外科診療が主
体)を修得する。
Ⅱ. 指導医
岩瀬克己(教授)
小林尚美(助手)
内海俊明(助教授)
山本晴大(助手)
稲垣朝子(講師)
神保 慎(客員講師)
Ⅲ. 研修内容:<到達目標>
1. 外科的内分泌疾患診療に必要な基礎的知識を習熟し、臨床応用できる。
a. 甲状腺疾患の診断と鑑別を理解し、治療の選択ができる。
・ 甲状腺悪性腫瘍の鑑別診断と治療法の特徴を説明できる。
・ 甲状腺機能亢進症の鑑別診断と治療法の適応について説明できる。
・ 甲状腺手術の合併症について説明し、適切に対処できる。
・ 甲状腺手術の周術期管理ができる。
・ 甲状腺腫瘍手術の介助ができる。
・ 頚部の解剖を理解し、甲状腺の部分切除ができる。
b. 副甲状腺疾患の診断と鑑別を理解し、治療の選択ができる。
・ 原発性副甲状腺機能亢進症の病態と診断法を説明できる。
・ 病態に応じた治療法の選択ができる。
・ 副甲状腺機能低下症の症候を説明し、適切に対処できる。
・ 高カルシウム血症を診断し、適切に対処できる。
・ 原発性副甲状腺機能亢進症の周術期管理ができる。
c. 副腎腫瘍の鑑別診断について説明し、治療法を選択できる。
・ 内分泌活性副腎腫瘍の病態を説明し、診断計画を建てることができる。
・ 内分泌学的検査および形態学的検査の所見を説明できる。
・ 内分泌活性副腎腫瘍の周術期の病態変動を理解し、適切に対処できる。
・ 内分泌非活性副腎腫瘍(または副腎偶発腫瘍)の手術適応を説明できる。
・ 内視鏡下副腎手術の適応を理解し説明できる。
・ 副腎腫瘍手術を介助できる。
d. その他の内分泌腫瘍
・ 多発性内分泌腫瘍症の診断と治療計画を建てることができる。
・ 膵内分泌腫瘍の病態を理解し、診断と治療計画を建てることができる。
2.乳腺疾患診療に必要な基礎的知識を習熟し、臨床応用できる。
a. 乳房の構造と内分泌依存性の機能について説明できる。
b. 乳房疾患の症候を説明し、適切に診察できる。
c. 乳房腫瘤の画像診断 (乳房撮影, 超音波検査, CT) の適応を理解し、検査結果
を説明できる。
d. 乳房腫瘤に対する細胞・組織診断法を理解し、その適応を説明できる。
e. 乳房良性疾患の鑑別診断について説明し、治療法を選択できる。
・ 女性化乳房および主要な良性乳腺疾患の特徴と治療を説明できる。
・ 良性乳腺腫瘍の摘出術ができる。
17
f.
・
・
・
・
・
・
・
乳腺悪性腫瘍の鑑別診断について説明し、治療法を選択できる。
乳癌の組織型別の病態の特徴と診断の要点を説明できる。
乳癌の形態診断 (乳房撮影, 超音波検査, CT)を読影し、説明できる。
乳癌の TNM 分類と悪性度の指標を説明し、予後との関連を概説できる。
乳癌の危険因子について説明できる。
乳癌の治療法の特徴を理解し、適切な治療法を選択できる。
乳癌治療の合併症を理解し、適切に対処できる。
EBM に基づく乳癌治療法の選択基準を説明できる(必要な資料をインタ−ネッ
トなどを利用して取得できる)。
g. 乳癌診療におけるインフォームド・コンセントの重要性を理解し、注意点を列
挙できる。
・ 患者背景を理解し、適切な診療情報提供ができる。
・ 癌告知の問題点を理解し、患者の心理状態に配慮できる。
・ 乳癌診療のクリテイカルパスを理解し、円滑な診療を進めることができる。
・ 患者を中心として、他の医療スタッフとの協力・協調した医療ができる。
・ タ−ミナル・ケアを適切に行うことができる。
3. その他の表在疾患鑑別診断について説明し、治療法を選択できる。
a. リンパ節腫大の鑑別診断について説明し、治療法を選択できる。
・ リンパ節腫大の症候を説明し、適切に診察できる。
・ リンパ節腫大の鑑別診断のための検査計画を建てることができる。
・ 局所麻酔によるリンパ節切除が安全にできる。
b. 唾液腺疾患の鑑別診断について説明し、治療法を選択できる。
c. 頸部腫瘤の鑑別診断について説明し、治療法を選択できる。
4. 表在病変に必要な検査の特徴を理解し、安全に施行できる。
a. 超音波検査(頸部、乳房、リンパ節)の施行・診断ができる。
b. 穿刺吸引細胞診・組織診(頸部、乳房、リンパ節)が施行できる。
5. 外科専門医資格取得のために必要な手術の種類と経験数を達成する。
a. 乳腺および皮膚,軟部組織(10 例)手術を経験する。
・ 局所麻酔による摘出術を術者として実施できる。
・ 乳腺切除術の適切な介助ができる。
・ リンパ節郭清を含まない乳腺切除を術者として実施できる。
b. 頭頸部,内分泌外科(10 例)皮膚顔面,唾液腺・甲状腺,上皮小体などの手
術を経験する。
・ 頸部手術の適切な介助ができる。
・ 甲状腺部分切除を術者として実施できる。
・ 腹腔鏡下の副腎手術の適切な介助ができる。
c. 上記内分泌・乳腺領域の手術を術者としてできるかぎり多く経験する。
・目標経験数として,内分泌・乳腺疾患症例 8 例以上実施する。
IV. 週間スケジュール
(別紙)
18
[8] 救急部領域
I. 行動目標:
侵襲学、外傷学、診断学およぴ重症治療学(critical care medicine)などの救急医学の
研修を通じ救急診療を行える外科医となるために、救急医学(医療)を実践し,その技術を
通して生命の尊厳と論理性を理解する。
<研修目標>
1) 救急医学について理解する。primary care と critical care について理解し行える。
2) 心肺脳蘇生を理解し行える。
3) 救急検査手技と救急処置を理解し行える。
4) 救急患者のショック・生体侵襲について理解し、疾患のトリアージ、病態の緊急度と
重症度の鑑別を理解し行える。
5) 重症患者管理(集中治療)について理解し行える。
6) 救急医療としてチーム医療の重要性を理解し修得する。
7) 救急領域の手術を理解し実施できる。
II. 指導医
荒木恒敏(教授)、加納秀記(講師)ほか
III. 研修内容:<到達目標>
1. 救急診療に必要な基礎的知識を習熟し、臨床応用できる。
a. 救急疾患の病態の緊急度と重症度の判断、診断と鑑別およびそれに対処できる。
・ ショック(出血性、心原性、細菌性、アナフィラキシーショックなど)
・ 意識障害(脳血管障害、頭部外傷、急性中毒、代謝性疾患など)
・ 呼吸困難(気道障害、肺障害、循環不全、中枢性疾患など)
・ 不整脈(心室性頻拍、心室細動など)
・ 胸痛(心疾患、肺疾患など)
・ 腹痛、急性腹症
・ 多発外傷、熱傷
b. 救急患者の病態の特殊性を理解し、輪液、栄養およぴ代謝管理を習熟し行うことがで
きる。
1) 水、電解質、酸塩基平衡を考慮し、補正輪液、維持輪液を行える。
・ 体液電解質異常の評価と補正ができる。
・ 酸塩基平衡異常の評価と補正ができる。
2) 経静脈栄養、経腸栄養管理ができる。
c. 局所およぴ全身の外科的感染症について理解し対処できる。
1) 切開、排膿、排液、創洗浄、デブリードマンなどの外科的処置ができる。
2) ガス壌疸、破傷風を診断し対処できる。
3) 臓器や疾病特有の紬菌の知識を持ち、抗菌薬を適切に選択、投与できる。
4) 救急現場における職業感染およびその予防法の知識を持ち、対処できる。
d. 輸血の適応と成分輸血を理解し指示できる。
2. 救急診療に必要な検査・処置手技に習熟し、臨床応用ができる。
a. 次の緊急検査手技ができる。
1) 超音波検査(腹部、心、ほか)の施行・診断ができる。
19
2) X 線単純撮影、CT、MRI の適応を決定し、読影・診断できる。
3) 消化管造影の適応を決定し、読影・診断できる。
4) 血管造影(頭、胸部・心、腹部、四肢・骨盤、ほか)の適応を決定し、読影・診断でき
る。
5) 内視鏡検査(上・下部消化管、気管支、ERCP など)の適応を決定できる。
b. 次の救急処置ができる。
1) 心肺脳蘇生法(BLS,ALS)
・ 気道確保:異物・分泌物除去,エアウエイの挿入,用手的気道確保,気管内挿管(経
口,経鼻)
・ 人工呼吸:口対口、口対鼻、バッグ・マスク法による人工呼吸
・ 心臓マッサージ:胸部圧迫心マッサージ、開胸式マッサージ
・ 直流除細動
・ 蘇生に必要な緊急医薬品の使用法:カテコラミン(エピネフリンなど)、リドカイン、
アトロピン、重炭酸ナトリウム、など
2) 患者管理およぴ治療に必要な処置
・ 中心静脈カテーテルの挿入(穿刺法、静脈露出法)
・ 動脈穿刺および動脈ラインの確保
・ 胸腔穿刺、胸腔ドレナージ
・ 腹腔穿刺、腹腔ドレナージ
・ 腰椎穿刺
・ 心嚢穿刺(ドレナージ)および開窓術
・ 止血・小切開、排膿、縫合、骨折牽引、応急副子固定
・ Sengstaken-B1akemore チューブの挿入
・ デニスチューブの挿入
・ 内視鏡的止血術の補助および技術の修得
3) 重症患者管理の呼吸・循環管理
・ 呼吸器による呼吸管理
・ 気管切開、輪状甲状軟骨切開
・ Swan-Ganz カテーテルの挿入と血行動態の評価
・ ショックの診断と原因別治療
・ 不整脈の管理
・ 循環管理に必要な薬剤の理解と臨床応用
4) 血液凝固・線溶系の管理
・ 血液凝固異常の鑑別と評価
・ DIC,SIRS,CARS,MOF の診断と治療
c. 外傷患者の診断と治療ができる。
1) すぺての領域の外傷のプライマリ・ケアができる。
2) 外傷の重症度の判定とトリアージができる。
3) 多発外傷患者の治療の優先順位決定ができる。
4) 緊急手術の適応を判断し、それに対処することができる。
d. 重症熱傷を理解し、初期治療ができる。
1) 熱傷の重症度判定ができる。
2) 熱傷の初期輪液療法ができる。
3) 熱傷の局所および全身の感染対策ができる。
20
4. 救急領域における一定レベルの手術を適切に実施できる能力を修得し、臨床応用でき
る。
a. 脳外科領域
b. 呼吸器外科領域
1) 自然気胸
2) 外傷(血・気胸、肺破裂、気管損傷、多発肋骨骨折、その他)
3) 気道狭窄
c. 消化器外科領域
1) 特発性食道破裂
2) 胃・十二指腸潰瘍穿孔
3) 消化管出血
4) イレウス
5) 急性虫垂炎
6) ヘルニア
7) 急性胆嚢炎
8) 急性腸管壊死 (腸間膜血管塞栓症,その他)
9) 急性壌死性膵炎
10) 外傷(消化管損傷,腸間膜損傷,肝損傷,脾損傷、腎損傷、膀胱損傷、その他)
d. 心・大血管領城
1) 急性解離性動脈瘤
2) 腹部大動脈瘤
3) 急性心筋梗塞
4) 外傷(心損傷,外傷性仮性動脈瘤、その他)
e. 末梢血管領域
1) 急性動脈閉塞症
2) 外傷
f. 整形外科鎮域
IV. 週間スケジュール
(別紙)
21
専門医修練カリキュラム(案)−前文−
平成 14 年 1 月 30 日
社団法人
日本外科学会 会
専門医修練カリキュラム改正委員会
長
今村
委員長
正之
青木
照明
我が国の医療制度は「国民普保険」制度により,半世紀にわたり世界に冠たる低廉・高水準の医
療を広く国民全体に提供することに成功してきた.しかし,日進月歩の勢いで,急速に進歩する医
学と,飛躍的に増大する情報量を「分担」処理し,幅広い医療の分野を担う「かかりつけ医」や「専
門医」を育成する「卒前・卒後教育システム」は著しく立ち遅れ,もはや国民のニーズに的確にこ
たえ得ない憂うべき状況に陥りつつあることは広く関係者の認めるところである(平成
12 年 1 月)
.
厚生労働省による「卒後初期臨床研修」の必修化(平成 16 年度開始決定・平成 12 年 12 月医療
法改正),学会認定医制協議会による長年にわたる各学会認定医・専門医制度の確立・統一化と公
認・表示への努力など,官・民それぞれの立場と協力により,「21 世紀の医療」の在り方が模索さ
れ,近年に至りようやく厚生労働省関連,文部科学省関連,政府与党など各方面より,医学教育と
医療制度の改革案が提示されている.その中で,特に医師の診療領域分担(機能分担)とそれに伴
う認定医・専門医制度の認定基準の統一化と明確化が求められており,学会認定医制協議会は平成
13 年 4 月 2 日に「専門医認定制協議会」と改組され,積極的に第三者機構としての役割を担うべく
制度整備への動きが活発化している(平成 14 年 2 月)
.
例えば,
(1) 基本的診療領域(内科,外科,小児科,産科・婦人科,皮膚科,整形外科,眼科,耳鼻咽喉
科,泌尿器科,放射線科,病理学科,麻酔科,臨床病理学科,精神・神経科,脳袖経外科)におけ
る「一医師一専門領域」の「認定基準」の統一化
(2)内科関連および外科関連サブスペシャルティ専門医への,
「初期臨床研修」から総合的あるい
は全般(一般)的「内科・外科専門医修練」そして「サブスペシャルティ専門医」への連続的段階
的到達目標の設定と評価・認定−専門医認定制協議会における「評価・審査委員会」の構築(平成
13 年 9 月)
(3)各領域で求められている「情報開示」に対応できる自己評価組織を「第三者的認定機構」と
して構築していくこと
このような社会全体の要請と流れの変化は,特に 3 年前,本カリキュラム改訂案策定を開始した
時期に予測した方向に確実に向かっているものであり,3 年間の各小委員会メンバ−を含め積み上げ
てきた成果が今実現されるものである.
ただし,こうした規則類,申し合わせ事項などは刻々と変化する世界にあって,必ず細かな軌道
修正をしながら,より「生きた」規則として活用されていくべきものであり,運用にあたっては必
要に応じて柔軟な解釈と対応がなされることを協調したい.
なお,今回明確にされているサブスペシャルテイ(4 分野:消化器,心臓血管,呼吸器,小児)
以外のサブスペシャルテイへの専門分化(修練カリキュラム), および,いわゆる「総合外科」あ
るいは「一般外科」への更なる専門分化,あるいは「再統合」については,今後の外科系全体(乳
腺・内分泌外科,救急外科など)の専門性に対する社会のニ−ズを絶えず敏感に反映させながら,
外科系一般の「専門医」卒後カリキュラムの改善が行われていくべきものであることを付言してお
く.
22
外科専門医修練カリキュラム
(平成 15 年 6 月 3 日現在)
I. 基本的事項ならびに関連事項
1. 基本的事項
1)修練医の資格について
日本国医師国家試験合格者で,日本外科学会に「修練開始登録を行った者とする.
2) 修練内容について
(1) 医の倫理を体得し,かつ,高度の外科専門的知識と技術を修得した外科専門医を育成し,もって国民医療の向上に貢献するこ
とを目的とする.
(2)「卒後初期臨床研修」のカリキュラムによるための内科,小児科,産婦人科,救急医学などのローテーションとの調整を図りつ
つ, 各関運外科(サブスペシャルティ)の基礎部分(共通総論)を包含し,「外科専門医」であるべき内容とする.
(3) 卒後初期臨床研修での救急医学より,さらに外科的内容に重点をおいた救命・救急医療を必修とする.
(4) 施設格差をできるだけ是正したカリキュラムとする.
(5) 経験必須症例および経験技術等の到達目標数を明確にする.
3) 修練期間について
(1) 外科専門医受験資格としては, 後述する修練カリキュラムにおける到達目標の達成度を重視する. したがって, 日本外科学
会の指定した外科専門医制度修練施設(以下, 指定施設)における一定以上の修練期間は必要であり, これを卒後初期臨床研
修期間を含んで「通算 5 年以上」とする.
(2) 修練開始後満 4 年以上を経た段階で, 予備試験となる筆記試験を受験することができる.
(3) 修練開始後満 5 年以上を経た予備試験合格者は, 後述の到達目標 3 に示された最低手術症例数を充足した段階で, 認定試験
となる面接試験を受験することができる.
(4) 修練期間は修練開始登録を行った日付より厳密に算定され, 登録以前に経験した手術症例などは一切認められない. ただし,
卒後初期臨床研修期間満了後 6 ヵ月以内に修練開始登録した場合に限り, 卒後初期臨床研修開始時まで遡って登録したとみ
なす.
4)指定施設について
(1) 指定施設およびその関連施設は, 外科系の病床数,常勤している外科専門医および日本外科学会の指導医, 認定医の数など
を含め, 外科の手術症例数, 中央検査室, 中央図書室, 剖検体制の完備状況, 病歴管理状況など多方面からの審査により指
定される. その他, 指定施設では他科との総合カンファレンス, 合併症例や死亡例の合同カンファレンスなどの教育行事が
定期的に開催され, かつ, その記録が整備されていなけれぱならない.
(2) 指定施設ごどに修練実施計画が編成され, これに墓づく修練が可能な修練医の適正数を定め, 修練医の経験症例疾患と数の
全国的な平均化を図りつつ, 修練医の最低必要手術経験数を経験させなければならない. 必要に応じ, 他の指定施設や関連
施設とも連携し, 全国的に均質なレベルの「指定施設群」を構成することになる.
(3) 指定施設群の構成にあたっては,本委員会が実態調査を行った症例数(1995 年∼I997 年)と, 全国 7 地区における修練医数と
を勘案する.
(4) 指定施設および関連施設は年次別の手術症例数その他を, 3 年に 1 度, 報告しなければならない.
(5) 指定施設および関連施設の指定更新は, 3 年に 1 度, 指定施設指定委員会の審査により行われる.
(6) 指定施設および関連施設には指導責任者を置く. 指定施設群には代表指導責任者を置く.
(7) 指定施設は施設内容に従い, A∼D 項のカテゴリーに分けて指定される. 関連施設は E 項として指定される. ただし, 関連施
設の指定には平成 14 年度より 3 年間の猶予期間を置く.
(8) 外科的な救命・救急医療を必修とするため, 日本救急医学会の認定施設を指定施設が形成する指定施設群に加え, 一定期間
(あるいは 3 ヵ月以上)同施設で修練することが望ましい.
5)修練実施計画について
(1) 指導責任者または代表指導責任者はカリキュラムを達成し, 後述の到達目標 3 の最低手術症例数をすべて経験するため, 指
定施設単独, または指定施設群における通算 5 年以上の修練の内容を具体的に明記した修練実施計画を編成しなければなら
ない.
(2) 指導責任者が単独の場合はその指導責任者が, 複数の場合は代表指導責任者を置いて, 年次別修練可能医師数を含めた修練
実施計画を指定施設指定委員会に申請し, 承認を得なければならない.
(3) 修練実施計画を構成する指定施設群は, 日本外科学会の指定施設およびその関連施設とする.
(4) 修練医が指導責任者または代表指導責任者の指示により, 途中で修練実施計画を変更することは妨げない.
6)予備試験申請資格について
修練開始登録後, 満 4 年以上を経過した者は, 外科専門医のための予備試験受験を日本外科学会に申請することができる. ただ
し申請時には日本外科学会会員であることを要しない.
7)認定申請資格について
修練開始登録後, 通算 5 年以上の修練を行い, 修練実施計画を修了し, 最低手術症例数をすべて経験した者で, かつ, 予備試験
に合格した者は, 外科専門医としての認定を日本外科学会に申請することができる. ただし, 申請時には日本外科学会会員であ
ることを要する.
8)修練の評価について
(l) 予備試験:後述の到達目標 1,2 について, MCQ による筆記試験を行う. 試験内容のガイドライン,ブループリント等について
は, カリキュラムにおける到達度 A,B,C を考慮し, かつ, 関連外科専門医の認定試験との整合性を図る.
(2) 認定試験:筆記試験合格者を対象に, 各地区で原則として後述の到達目標 4,5 について試問する面接試験を行う. また, 次
の(3)(4)についても審査する.
(3) 診療経験:厳正な書類審査を行い, 申請者が修練した修練実施計画の適否, 修練期間, 手術経験数, 術技内容などが評価さ
れる. 到達目標 3 に規定する診療経験を証明する病歴抄録の確認審査にあたり, 病歴の不実記載に対しては, 修練を行った
施設の指定取消などを含み, 厳正に対処する.
(4) 業績: 専門医認定委員会の定める学術集会における研究発表, または学術刊行物における論文発表などの業績審査を行う.
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2. 関連事項
1)外科専門医資格の更新制度について
(1) クレジット方式を導入した更新制度とする.
(2) 更新は 5 年ごととし, 外科専門医取得の年の 3 月 1 日を起点とする.
(3) 更新には所定の研修単位 30 単位以上を必要とする. ただし, 目本外科学会定期学術集会への出席 1 回(10 単位)以上を必須
とする.
(4) 修得単位の証明は参加証(写)によって行う. ただし, 天災, その他やむを得ない理由のため証明できない場合は, 被災証明
書, その他説明書をもって, 専門医認定委員会の判定による.
(5) 満 65 歳までの資格更新には所定の研修単位の取得を必要とするが, 満 65 歳以上では申請のみとし, 満 70 歳以上は終身有
効な外科専門医とする.
(6) 1 度資格を失効した場合は, 再受験を必要とする.
(7) 更新申請書に虚偽の記載が認められた場合は, その日から 3 年間, 外科専門医の認定を申請することができず, 本人の指導
責任者または代表指導責任者, 及び所属施設長にその旨を通告する.
2)移行措置・特例措置について
(1) 平成 18 年度に第 1 回の外科専門医予備試験が行われるまでは, 現行の認定医認定試験を行うが, その後の認定医認定試験
は完全に廃止する.
(2) 現在の日本外科学会認定医は, 本人の申請があれば一定の資格審査を経て外科専門医を取得することができる. つまり, 現
在の日本外科学会認定医を外科専門医へと読み替えることはしない.→移行措置.
(3) 各外科関連学会の現行制度下における専門医(認定医)が, それぞれの新制度下における関連外科専門医資格(消化器外科専
門医, 心臓血管外科専門医, 呼吸器外科専門医, 小児外科専門医)を取得した場合は, 申請によって, 1 階部分の外科専門
医資格を取得できる. なお,この者が目本外科学会認定医であれば, 申請手数料を 1O,000 円減額する. →特例措置
(4) 外科専門医資格取得を希望しない日本外科学会認定医は, 日本外科学会会員である限り, 従来どおり日本外科学会認定医と
して扱い, すべて終身有効とする.
(5) 上記(2)の移行措置の手続きをして日本外科学会認定医が外科専門医を申請できるのは, 日本外科学会認定医資格取得 2 年
後とする.
(6) この移行措置及び特例措置可能期間は平成 21 年度までとする.
(7) 上記 (2) の移行措置における「一定の資格審査」とは, 以下の事項を指す.
① 診療経験: 申請時において, 過去 10 年以内に術者 60 例以上, または術者十助手 175 例以上とする. 手術の内容につ
いては問わない.
② 研修実績:申請時において, 過去 10 年以内に所定の学術集会に 4 回以上, うち 2 回は日本外科学会定期学術集会に出
席すること. 出席の証明は参加証(写)によって行う.
③ 筆記試験,面接試験は必要としない.
④ 過去 10 隼以内とは, 申請時から溯って 1O 年前の 3 月 1 日付のものからとする.
II. 外科専門医修練カリキュラム
1. 一般目標
1) 一般目標1 (総論的)
国民の二一ズにこたえるべく, レベルの高い均質な, 包括的で全人的な外科診療を実践できる専門医を養成するため, 以下の 4 項目
を到達目標として, 段階的に進む研修を実施する. 研修期間は修練開始登録を行った後, 卒後初期臨床研修を含み 5 年以上とする.
1) 外科専門医として, 適切な外科の臨床的判断能力と問題解決能力を修得する.
2) 手術を適切に実施できる能力を修得する.
3) 医の倫理に配慮し, 外科診療を行う上での適切な態度と習慣を身に付ける.
4) 外科学の進歩に合わせた生涯学習を行うための方略の基本を修得する.
2) 一般目標 2
(各論的)
卒後初期臨床研修を修了した後, 外科学総論, 基本的手術手技および一般外科診療に必要な外科診療技術修得する. また,外科サブ
スペシャルティの特徴も修得させる.
1)外科総合カリキュラムとして学習する.
2)外科サブスペシャルティに共通する外科の基本的問題解決に必要な基礎的知識, 技能および態度を修得する.
注1 基礎的知識とは外科に必要な局所解剖,病理・腫瘍学,病態生理, 輸液・輸血, 血液凝固と線溶現象, 栄養・代謝学, 感染症,
免疫学, 創傷治癒, 術後疼痛管理を含む周術期管理, 麻酔学, 集中治療, 救命・救急医療(外傷・熱傷)などすべてを包括する.
3)座学としてでぱなく, 実地臨床症例を教師とし, 体験から自己学習を促進する.
2.到達目標
1)到達目標 1: 外科診療に必要な下記の基礎的知識を習熟し, 臨床応用できる.
(1) 局所解剖: 手術をはじめとする外科診療上で必要な局所解剖について述べることができる.
(2) 病理学: 外科病理学の基礎を理解している.
(3) 腫瘍学
① 発癌, 転移形成および TNM 分類について述べることができる.
② 手術, 化学療法および放射線療法の適応を述べることができる.
③ 抗癌剤と放射線療法の合併症について理解している.
(4) 病態生理
① 周術期管理などに必要な病態生理を理解している.
② 手術侵襲の大きさと手術のリスクを判断することができる.
(5) 輸液・輸血:周術期・外傷患者に対する輸液・輸血について述べることができる.
(6) 血液凝固と線溶現象
① 出血傾向を鑑別できる.
② 血栓症の予防, 診断および治療の方法について述べることができる.
(7) 栄養・代謝学
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① 病態や疾患に応じた必要熱量を計算し, 適切な経腸, 経静脈栄養剤の投与, 管理について述べることができる.
② 外傷, 手術などの侵襲に対する生体反応と代謝の変化を理解できる.
(8) 感染症
① 臓器特有, あるいは疾病特有の細菌の知識を持ち, 抗生物質を適切に選択することができる.
② 術後発熱の鑑別診断ができる.
③ 抗生物質による有害事象(合併症)を理解できる.
④ 破傷風トキソイドと破傷風免疫ヒトグロブリンの適応を述べることができる.
(9) 免疫学
① アナフィラキシーショックを理解できる.
② GVHD の予防, 診断および治療方法について述べることができる.
③ 組織適合と拒絶反応について述べることができる.
(10) 創傷治癒: 創傷治癒の基本を述べることができる.
(11) 周術期の管理: 病態別の検査計画, 治療計画を立てることができる.
(12) 麻酔学
① 局所・浸潤麻酔の原理と局所麻酔薬の極量を述べることができる.
② 脊椎麻酔の原理を述べることができる.
③ 気管内挿管による全身麻酔の原理を述べることができる.
④ 硬膜外麻酔の原理を述べることができる.
(13) 集中治療
① 集中治療について述べることができる.
② レスピレータの基本的な管理について述べることができる.
③ DIC と MOF を理解できる.
(14) 救命・救急医療
① 蘇生術について述べることができる.
② ショックを理解できる.
③ 重度外傷を理解できる.
④ 重度熱傷を理解できる.
2)到達目標2: 外科診療に必要な検査・処置・麻酔手技に習熟し, それらの臨床応用ができる.
(1) 下記の検査手技ができる.
① 超音波診断: 自身で実施し, 病態を診断できる.
② エックス線単純撮影, CT, MRI: 適応を決定し, 読影することができる.
③ 上・下部消化管造影, 血管造影等: 適応を決定し, 読影することができる.
④ 内視鏡検査: 上・下部消化管内視鏡検査, 気管支内視鏡検査, 術中胆道鏡検査, ERCP 等の必要性を判断することができる.
⑤ 心臓カテーテルおよびシネアンギオグラフィー: 必要性を判断することができる.
⑥ 食道内圧検査, 食道 24 時間 pH モニター検査, 直腸内圧検査, デフェコグラムなどの消化管機能検査: 適応を決定し, 結果
を解釈できる.
⑦ 呼吸機能検査の適応を決定し, 結果を解釈できる.
(2) 周術期管理ができる.
① 術後疼痛管理の重要性を理解し, これを行うことができる.
② 周術期の補正輸液と維持療法を行うことができる.
③ 輸血量を決定し, 成分輸血を指示できる.
④ 出血傾向に対処できる.
⑤ 血栓症の治療について述べることができる.
⑥ 経腸栄養の投与と管理ができる.
⑦ 抗菌性抗生物質の適正な使用ができる.
⑧ 抗菌性抗生物質の有害事象に対処できる.
⑨ デブリードマン, 切開およびドレナージを適切にできる.
(3) 次の麻酔手技を安全に行うことができる.
① 局所・浸潤麻酔
② 脊椎麻酔
③ 硬膜外麻酔
④ 気管内挿管による全身麻酔
(4) 外傷の診断・治療ができる.
① すべての専門領域の外傷の初期治療ができる.
② 多発外傷における治療め優先度を判断し, トリアージを行うことができる.
③ 緊急手術の適応を判断し, それに対処することができる.
(5) 以下の手技を含む外科的クリティカルケアができる.
① 心肺蘇生法一 ALS(気管内挿管, 直流除細動を含む)
② 動脈穿刺
③ 中心静脈カテーテルおよび Swan-Ganz カテーテルの挿入とそれによる循環管理
④ レスピレータによる呼吸管理
⑤ 熱傷初期輸液療法
⑥ 気管切開, 輪状甲状軟骨切開
⑦ 心嚢穿刺
⑧ 胸腔ドレナージ
⑨ ショックの診断と原因別治療(輸液, 輸血, 成分輸血, 薬物療法を含む)
⑩ DIC, SIRS, CARS,MOF の診断と治療
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⑪ 抗癌剤と放射線療法の有害事象に対処することができる.
(6) 外科系サブスペシャルテイの分野の初期治療ができ, かつ, 専門医への転送の必要性を判断することができる.
3)到達目標3: 一定レベルの手術を適切に実施できる能力を修得し, その臨床応用ができる.
一般外科に包含される下記領域の手術を実施することができる. 括弧内の数字は術者または助手として経験する各領域の手術手
技の最低症例数を示す. これらの手術は, 外保連試案(手術報酬に関する外保連試案〔第 5 版〕, 平成 14 年 12 月, 外科系学会社
会保険委員会連合), 手術技術度 B-3 以上のものであることが望ましい.
① 消化管および腹部内臓(50 例)
② 乳腺(10 例)
③ 呼吸器(iO 例)
④ 心臓・大血管(1O 例)
⑤ 末梢血管(頭蓋内血管を除く)(1O 例)
⑥ 頭頸部・体表・内分泌外科(皮膚, 軟部組織, 顔面, 唾液腺, 甲状腺, 上皮小体, 性腺, 副腎など)(10 例)
⑦ 小児外科(10 例)
⑧ 各臓器の外傷(多発外傷を含む)(1O 例)
⑨ 鏡視下手術(腹腔鏡・胸腔鏡を含む;上記のうち, 各分野における各種手術)(10 例)
注1 術者となるときは, 日本外科学会指導医のもとに執刀する. また, 当該分野の指導医また専門医と共に手術することが
望ましい.
注2 (1) 修練期間中に術者または助手として, 手術手技を 350 例以上を経験する.
(2) 前記の領域別分野の最低症例数を, 術者または助手として経験する.
(3) 前記の領域別分野にかかわらず, 術者としての経験が 120 例以上であること. ただし, 5 年次以降に,研修医師の
執刀に際し, 指導のために助手(teaching assistant)をしたときは, 術者の症例数とみなすことができる.
(4) 上記の具体的疾患名・手術手技名については, 日本外科学会が編纂する「外科的疾患用語集」および「外科手術用
語集」を基に別表に定める.
(5) 当該領域での修練中に経験した症例は, 当該領域の症例としてカウントする.
(6) 一患者に対して複数の術者が複数の手術を行った場合, また一名の術者が複数の手技を行った場合は, 原則として
経験の重複を認める.
(7) 最低症例数に関わらず, 経験した症例はすべて提出する.
(8) ①消化管および腹部内臓は,「消化器外科専門医修練カリキュラム」のカテゴリー1 と同等とする.
4)到達目標4: 外科診療を行う上で, 医の倫理に基づいた適切な態度と習慣を身に付ける.
(1) 指導医とともに on the job training に参加することにより, 協調による外科グループ診療を行うことができる.
(2) コメディカルスタッフと協調・協力してチーム医療を実践することができる.
(3) 外科診療における適切なインフォ一ムド・コンセントを得ることができる.
(4) ターミナルケアを適切に行うことができる.
(5) 研修医や学生などに, 外科診療の指導をすることができる.
(6) 確実な知識と不確実なものを明確に識別し, 知識が不確実なときや判断に迷うときには, 指導医や文献などの教育資源を活用
することができる.
5)到達目標5: 外科学の進歩に合わせた生涯学習を行う方略の基本を習得し実行できる.
(1) カンファレンス, その他の学術集会に出席し, 積極的に討論に参加することができる.
(2) 専門の学術出版物や研究発表に接し, 批判的吟味をすることができる.
(3) 学術集会や学術出版物に, 症例報告や臨床研究の結果を発表することができる.
(4) 学術研究の目的で, または症例の直面している問題解決のため, 資料の収集や文献検索を独力で行うことができる.
III. 修練方略およぴ評価方法・時期
1) 単独の指定施設のみで到達目標 3 の最低症例数達成が困難な場合には, あらかじめ指定施設群を形成し, 修練実施計画編成を行
う (I. 基本的事項ならびに関連事項 1. 基本的事項 4) 指定施設について, および 5)修練実施計画について各項参照).
2) 外科の修練(図における卒後初期臨床研修期間を含めることができる)を開始し, 満 4 年以上経過した時点で予備試験となる筆記
試験を受験することができる. この筆記試験は, 到達目標 1, 2 の知識に関する部分が達成されたか否かを評価するために実施す
る. また, 筆記試験に合格した者は, 日本外科学会会貝である限り, これを終身有効資格として認定し, 仮に到達目標 3 の最低
手術症例数未達成のために面接試験の申請資格不十分, または不合格であった場合でも, 筆記試験を再受験する必要はない.
3) ① 外科の修練(図における卒後初期臨床研修期間を含めることができる)を満 5 年以上経過した時点で, ②予備試験に今格し, か
つ, ③ 到達目標 3 に示された最低手術症例数を充足した者は, 面接試験を受験することができる.この面接試験は, 主に到達目
標 4,5 が達成されたか否かを評価するために行う. また, 各関連外科専門医のための修練を行っている者にも配慮した内容と
する.
IV. その他
1) 修練開始登録, 修練実施計画の登録, 病歴抄録の登録などは, いずれも日本外科学会のオンラインシステムを使用することを原
則とする. ただし, 日本外科学会会員でない場合は, 別途修練開始登録申請料を必要とする.
2) 本カリキュラム策定にあたっては, 下記の小委員会において検討が行われた.
以下省略
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参考手術手技一覧(到達目標 3)
①消化管および腹部内臓
a.食道
開胸・閉胸,食道切除(切除のみ),食道切除再建,食道良性腫瘍摘出,食道裂孔ヘルニァ修復,食道縫合(穿孔・損傷),食道憩室切除,食
道異物除去,食道再建(二次的),食道バイパス,食道痩造設,食道噴門形成(アカラシア手術を含む),食道気管支痩手術,食道周囲膿瘍ド
レナージ(胸部),食道周囲膿瘍ドレナージ(頸部)
b.胃・十二指腸
開腹・閉腹,胃切除術(胃部分切除を含む),胃全摘(噴門側胃切除を含む)一胃切除(郭清を伴うもの:胃部分切除を含む),胃全摘(噴門
側胃切除を含む:郭清を伴うもの),胃痩造設・閉鎖,胃一(十二指腸)穿孔・破裂の修復,胃切開・縫合,胃空腸吻合,幽門形成,胃・十二
指腸ポリープ摘除,胃十二指腸憩室手術,内視鏡的乳頭切開,左上腹部内臓全摘,胃捻転症に対する手術,幹迷走神経切離,選択的迷走神
経切離
C.小腸・虫垂・結腸
腸切開・縫合,小腸部分切除,小腸憩室切除,癒着剥離,腸閉塞手術(腸管切除なし),腸閉塞手術.(腸管切除を伴う)・腸重積整復・小腸
悪性腫瘍手術,小腸痩造設・閉鎖,小腸結腸痩閉鎖(腸管切除を伴う),腸回転異常整復,虫垂切除,結腸ポリープ摘除,結腸腫瘍摘出,結
腸部分切除(S 状結腸を含む),結腸半側切除,結腸全摘除,大腸全摘除回腸(嚢)肛門(管)吻合,巨大結腸症に対する手術,人工肛門造設,
人工肛門閉鎖,人工肛門修復
d.直腸・肛門
直腸高位前方切除・直腸低位前方切除・直腸切断,経肛門的直腸腫瘍摘出,骨盤内臓全摘,直腸周囲膿瘍切開,直腸脱手術(腹会陰式),
直腸脱手術(経肛門的),肛門悪性腫瘍切除(単鈍),肛門悪性腫瘍切除(広汎),肛門括約筋再建(組織置換による),痔核根治術,.痔痩根治
術,肛囲膿瘍切開,肛門ポリープ摘除
e.肝臓・胆道・膵臓
肝外側区域切除,肝切除(外側区域を除く区域以上),肝部分切除,開腹肝生検,肝嚢胞切開・縫縮・.内瘻術,肝嚢胞摘出,肝膿瘍ドレナ
ージ,肝縫合,肝管消化舎吻合,食道胃静脈瘤に対する直達手術,食道胃静脈瘤に対するシャント手術,胆嚢結石摘出,胆嚢摘除(良性),
胆嚢外痩術,胆道一消化管吻合,胆管切開術,胆管切開結石摘出・胆管切除・胆道再建,胆管形成,胆道バイパス,胆管ステント留置,十
二指腸乳頭形成,内胆汁痩閉鎖,外胆汁痩閉鎖術,胆嚢悪性腫瘍手術,胆管悪性腫瘍手術,胆道閉鎖症手術,胆道拡張症手術,膵頭十二指
腸切除・膵全摘,膵体尾部切除,膵部分切除,膵腫瘍核出,膵縫合,膵管空腸吻合,膵管口形成,膵石症に対する手術,膵嚢胞外痩術,
膵嚢胞消化管吻合,急性膵炎手術,膵頭神経叢切降,膵腫瘍摘出,膵痩閉鎖
f.脾臓
脾摘,脾縫合,脾部分切除
g.腹腔・腹膜・後腹膜
鼠形ヘルニア修復,内ヘルニア手術,腹壁ヘルニア修復,限局性腹腔膿瘍手術,試験開腹,急性汎発性腹膜炎手術,横隔膜縫合,後腹膜腫
瘍摘出,腹壁・腸間膜・大網腫瘍切除,横隔膜ヘルニア修復
h.臓器移植
小腸移植ドナー手術,小腸移植レシピエント手術,肝臓移植ドナー手術,肝臓移植レシピエント手術,膵臓移植ドナー手術,膵臓移植レ
シピエント手術,腎臓移植ドナー手術,腎臓移植レシピエント手術
i.その他の消化器および腹部内臓手術
②乳腺
a.乳腺
乳腺膿瘍切開,乳房切除, 乳腺部分切除,乳房全切除,乳房温存手術,腫瘤摘出,腋窩リンパ節郭清,皮下乳腺全摘(筋弁充填),乳頭形成,
乳房再建(筋皮弁充填),乳管腺葉区域切除
b.その他の乳房手術
③呼吸器
a.気管・気管支・肺
開胸・閉胸,肺全摘除,胸膜肺全摘除, 肺葉切除(縦隔リンパ節郭清を伴う),肺葉切除(気管支形成を伴う),肺葉切除,肺切除(浸潤臓
器合併切除を伴う),肺区域切除,肺部分切除,肺嚢胞切除,肺縫縮,気管・気管支形成,気管分岐部再建,気管気管支の部分切除再建,肺
動静脈痩根治術,肺葉内肺分画症分画肺切除,良性腫瘍核出,空洞切開・形成,気管痩造設,気管支擾閉鎖,気管食道痩の手術
b.胸壁・胸膜・横隔膜
胸郭成形,膿胸手術,血胸手術,乳摩胸手術,胸膜腫瘍切除,胸膜肺切除,胸壁腫瘍切除,胸壁再建,漏斗,胸形成・鳩胸形成,胸囲結
核手術,横隔膜ヘルニア修復,横隔膜挙上症手術,横隔膜腫瘍切除
c.縦隔
縦隔腫瘍切除,縦隔腫瘍切除(浸潤臓器合併切除を伴う),胸腺摘除,亜鈴型神経性腫瘍切除,縦隔ドレナージ,縦隔鏡下生検
d.臓器移植
肺移植ドナー手術,肺移植レシピエント手術
e.その他の呼吸器手術
④心臓・大血管
a.すべての心疾患
側方開胸,正中開胸,心嚢切開・縫合,心房・心室縫合,心臓ぺ一スメーカー植え込み
b.先天性心疾患
PDA 手術,ASD 閉鎖,VSD(肺動脈弁下型)閉鎖,肺動脈弁切開,体動脈一肺動脈短絡,肺動脈絞扼,大動脈縮窄症根治術,VSD(膜様部型・筋
性部型) 閉鎖,PAPVD 術,ECD(partia1)修復,バルサルバ洞動脈瘤手術,DCRV (右室二腔症)手術,大動脈弁切開,冠状動脈瘤手術,TOF 手
術,TGA 手術,DORV 手術,TAPyR 手術,ECD(comp1ete)手術,Fontan 手術,Trmcus 手術,Ebstein 手術,単心室手術(心室中隔作成),大動脈
中隔欠損閉鎖,大動脈弁上狭窄手術,大動脈弁下狭窄手術,冠状動脈起始異常症手術・CoA(Comp1ex)手術,末梢肺動脈形成
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c.弁膜症
房室弁輸形成,房室弁交連切開,単弁置換,弁形成,複合弁手術,大動脈弁輪拡大・修復・大動脈基部置換
d.虚血性心疾患
CABG(1-2 枝),CABG(3 枝以上),心筋梗塞合併症に対する手術
e.臓器移植
心臓移植ドナー手術,心臓移植レシピエント手術
f.その他の心疾患
心膜切開・開窓,心臓腫瘍摘出,収縮性心膜炎手術,肺動脈栓塞除去,心室頻泊手術・副伝導路切離・maZe 手術
g.その他の心臓手術
h.大血管
上行大動脈置換,弓部大動脈置換,下行大動脈置換,胸腹部大動脈置換,大動脈解離に対する手術・腎動脈上部腹部大動脈置換,腎動脈
下部腹部大動脈置換,感染性または炎症性腹部大動脈瘤に対する手術,大動脈瘤破裂の手術(腹部・上行・下行胸部大動脈瘤),異型大
動脈縮窄症に対する手術
i 大静脈
大静脈血行再建
j.その他の大血管手術
⑤末梢血管
a.動脈
動脈血栓摘除,頸動脈内膜切除,末梢動脈瘤手術,膝関節以上の血行再建,上肢の血行再建(鎖骨下動脈を含む),腹部内臓動脈血行再建,
腎動脈血行再建,破裂性末梢動脈瘤手術,膝関節以下の血行再建,椎骨動脈血行再建
b.静脈
静脈血栓摘除,末梢静脈血行再建,門脈・上腸間膜静脈血行再建,門脈圧亢進症に対するシャント手術
c.その他の血管系
動静脈シャント手術,血管外傷に対する手術,胸郭出口症侯群に対する手術,リンパ浮踵に対する手術
d.その他の末梢血管手術.
⑥頭頸部・体表・内分泌外科
a.皮膚・軟部組織
切開,腫瘤摘出,体表リンパ節摘除,異物除去,皮膚移植,爪甲除去,陥入爪手術,療疽手術,その他の皮膚・軟部組織手術
b.頸部
正中頸嚢胞切除,側頸嚢胞切除,唾液腺腫瘍摘除,リンパ節摘除,その他の頸部手術
c.甲状腺・上皮小体
甲状腺(部分)切除,甲状腺亜全摘,甲状腺全摘,甲状腺・喉頭全摘,甲状腺腫瘤摘出,上皮小体摘除,上皮小体全摘除・上皮小体自已移植,
その他の甲状腺,上皮小体手術
d・副腎・性腺
副腎摘除,卵巣摘除,精巣摘除,子宮外妊娠手術,精系水腫根治術,停留精巣手術,精管緒紮・切離,包茎手術,その他の副腎・性腺手術
⑦小児外科
a.体表
先天性頸部嚢胞・痩根治術,臍ヘルニァ修復, 臍帯ヘルニァー期的手術, 臍帯ヘルニア多次手循,腹壁破裂一期的手術,腹壁破裂多次
手術,腹壁瘢痕ヘルニァ修復,鼠径ヘルニァ修復(16 歳未満),精系水腫根治術,停留精巣根治術,停留精巣除睾術,包茎根治術,リンパ管
腫嚢胞切除,血管腫腫瘍摘除・血行遮断,皮内・皮下・筋肉内異物除去,皮膚・皮下腫瘍(体表リンパ節を含む)摘除,嵌入爪,ひょう疽
根治術,その他の腫瘍摘除,血腫除去
b.胸部
開胸・閉胸(各種,食道閉鎖症の胸膜外アプローチ含む)
C.胸部(胸腔・胸壁)
膿胸根治術,気胸根治術(ブラ縫縮),胸郭変形に対する胸郭形成(漏斗胸など)
d.胸部(肺・縦隔)
嚢胞性肺疾患に対する肺切除術,肺分画症に対する肺切除(CCAM を含む),縦隔腫瘍摘除
e.横隔膜
横隔膜ヘルニア修復
f.消化器
横切開による開腹・閉腹(各種),縦切開による開腹・閉腹(各種),腹腔洗浄・ドレナージ(各種),
g.消化器(食道)
食道裂孔ヘルニア修復(GER を含む)・気管食導痩閉鎖術・食道閉鎖症食道吻合・食道狭窄症食道郡分切除・嘩合・吻合,食遺アカラ
シアの Heuer 手術食道静脈癌直達手術,食道静脈瘤シャント手術
h.消化器(胃・十二指腸)
胃痩造設,内視鏡的胃痩造設,胃軸捻転根治術,胃破裂破裂部縫合,肥厚性幽門狭窄症 Ramstedt 手術
i.消化器(小腸)
新生児の腸痩造設,腸痩造設(新生児を除く),腸痩閉鎖,小腸閉鎖・狭窄腸切除・吻合・縫合(十二指腸を含む),腸回転異常症 Ladd 手
術, 腸回転異常症腸切除・吻合・縫合,メッケル憩室腸切除・吻合・縫合,腸管重複症腸切除・吻合・縫合,術後イレウス癒着剥離,術
後イレウス腸切除・吻合・縫合,腸重積症観血的整復,腸重積症腸切除・吻合・縫合
j.消化器(虫垂)
虫垂切除
k.消化器(結腸・直腸)
新生児の人工肛門造設,人工肛門造設(新生児を除く),人工肛門閉鎖,結腸閉鎖に対する腸切除・吻合・縫合,ヒルシュスプルング病根
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治術(類縁疾患を含む);鎖肛根治術(開腹を伴う),鎖肛に対する経肛門的鎖肛根治術,
l.消化器(肛門)
肛囲膿瘍切開排膿,痔痩根治術
m.その他の消化管疾患
消化管腫瘤の腸切除・吻合・縫合
n.消化器(肝・胆・膵・脾)
胆道閉鎖症に対する肝門部腸吻合,胆道閉鎖症に対する腸切除・吻合・縫合,胆道拡張症に対する拡張部切除,胆道拡張症胆道再建(胆
管一腸吻合), 胆道拡張症に対する腸切除・吻合・縫合,脾腫脾臓摘除
0.栄養管理
チューブによる胃痩造設,チューブによる膓痩造設,埋め込み式中心静脈栄養カテーテル挿入(ブロビアックカテーテルを含む)
p.腫瘍
肝芽腫腫瘍生検,肝芽腫肝切除,神経芽腫腫瘍生検,神経芽腫腫瘍摘除,腎芽腫腫瘍生検,腎芽腫腎(腫瘍)摘除,卵巣腫瘍腫瘍生検,卵巣
腫瘍卵巣(部分)摘除,腸間膜嚢胞嚢胞摘除,腸間膜嚢胞腸切除・吻合・縫合,大網嚢胞嚢胞摘除,仙尾部奇形腫腫瘍生検,仙尾部奇形腫
腫瘍摘除,その他の腫瘍生検,その他の腫瘍摘除
q.移植
肝移植ドナー手術・肝移植レシピエント手術,腎移植ドナー手術,腎移植レシピエント手術,小腸移植ドナー手術,小腸移植レシピエン
ト手術,膵移植ドナー手術,膵移植レシピエント手術
r.その他の小児外科手術
⑧臓器の外傷
a.消化管および腹部内臓
b.呼吸器
c.心臓・大血管
d.末梢血管(頭蓋内血管を除く)
e.頭頸部・体表・内分泌外科(皮膚,軟部組織,顔面,副腎など)
f.小児外科
g.四肢
i.その他
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外科専門医制度修練カリキュラムにおける手術経験症例登録
外科専門医を目指し外科修練中の医師は,まず修練を開始する前に外科学会に修練計画とともに
修練医登録をする必要があります.その上で修練期間中に経験した手術例を登録しなければなりま
せん.これらの手続き作業は,原則的にインタ−ネットを介して行うことになっています.この登
録の過程では外科学会の事務局の関与(正しく行われているかどうかのチェックなど)はありませ
ん.すなわち,その修練計画も含めて諸手続きおよび登録作業は,修練医およびその指導者の責任
において正しく行われることが要求されています.もちろん,その正否はしかるべき機関によって
定期的に調査されることになっており,不正があった場合には,その当事者のみならず,修練施設
そのものの(例えば統合外科そのもの)認定も取り消されるということにもなりかねません.
したがって,統合外科として症例登録が正しく実施されるルールを定める必要があり,以下の登
録の手順を定めました.これを遵守して円滑に作業を進めて下さい.
1. 修練内容の登録の範囲
1) 1 症例について部分的に術者と助手を行った場合
2) 1 症例について独立した術式として妥当な処置を複数実施した場合
3) 外来手術および他科依頼手術(他診療科入院)に参加した場合
いずれも登録可であるが,記録を残しておくことが重要.
なお,3) は統合外科診療登録されない(デ−タベ−スに含まれない)
2.登録上の約束
1) インタ-ネット登録の基本原則に従う.
2) 任意の入力部分の内,患者年齢とコメント部分に患者 ID を入力する.
3.登録内容承認の手続き
1) 承認申請:インタ-ネット上で申請 指導責任者 蓮見昭武
メ−ルアドレス;geka@fujita-hu.ac.jp
2) 承認手順:当該診療部門責任者に登録症例一覧を呈示し,承認の署名と捺印を得る.
その証明と症例一覧を持って指導責任者(蓮見教授)の最終承認を得る.
登録手続きの時期は原則的に各領域部門終了時とする.
手術経験症例登録の承認申請
藤田保健衛生大学 統合外科
外科修練指導責任者 蓮見昭武
教授
平成
年
修練医
月
日
印
統合外科
部門
において実施した手術経験症例(別紙一覧)の登録の承認をお願いします.
上記修練医の手術経験症例の登録が正しく行われているものと認める.
統合外科
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平成
年
部門指導責任者
月
平成
年
外科修練指導責任者
月
日
印
日
印
藤田保健衛生大学病院統合外科規約
第 1 条(名称)
名称は藤田保健衛生大学病院統合外科(以下統合外科と略す)
とする。
第 2 条(目的)
統合外科の構成員の相互の連絡と、外科学の臨床・研究・の発
展の促進を目的とする。
第 3 条(所在地)
統合外科の事務局は、豊明市沓掛町田楽ケ窪 1-98 に置く。
第 4 条(構成員)
統合外科の構成員は藤田保健衛生大学病院外科の医員とする。
第 5 条(運営委員)
構成員より運営委員を若干名選出する。
第 6 条(役員)
運営委員から下記の役員を選任する。
運営委員長・会計委員・協力病院委員・卒後研修委員・行事委員。
第 7 条(任期)
役員の任期は 2 年とし、再任は妨げない。
第 8 条(運営委員長) 運営委員長は統合外科の運営委員会を代表し、運営する。
第 9 条(運営)
運営委員長は原則として毎月 1 回運営委員会を開催し、重要
事項等につき審議する。議事は出席者の過半数の同意をもっ
て決定する。委員の代理出席は認める。
第 10 条(会費)
統合外科の構成員は、月額
第 11 条(規約改正)
この規約は運営委員の過半数の同意をもって改正することきる。
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円を会費として負担する。
藤田保健衛生大学病院統合外科各委員会
および担当委員(平成 15 年度)
● 運営委員会
運営委員長
委員
教授全員と助教授全員(いずれも定員外を含む)十松原講師
蓮見昭武 (①)
宮川秀一 (②) 落合正宏 (③) 丸田守人 (④) 安藤太三 (胸)
入山 正 (胸) 岸川輝彰 (児) 岩瀬克己 (内) 杉岡 篤(①)
小森義之 (①③) 宇山一朗 (①③) 堀口明彦 (②) 桜井洋一 (③)
松原俊樹 (③) 前田耕太郎 (④) 内海俊明 (④内) 服部良信(胸)
原普二夫 (児)
● 入院患者登録
委員
正 … 原普二夫 (児)
副 … なし
守瀬善一 (①) 水野謙司 (②) 今津浩喜 (③)
佐藤雅人 (胸) 西川 宰 (児) 稲垣朝子 (内)
● 協力病院
委員
正 … 安藤太三 (胸)
副 … 桜井洋一 (③)
藤田順子 (①) 伊東昌広 (②) 升森宏次 (④) 根木浩路(胸)
富重博一 (児) 小林尚美 (内)
● 卒後研修
委員
*勉強会兼任
正 … 岩瀬克己 (内) 副 … 服部良信 (胸) 堀口明彦 (②)
杉岡 篤 (①) 小森義之 (①③) 石原 慎 (②)* 岩瀬祐司 (②)
桜井洋一 (③) 今津浩喜 (③)* 佐藤美信 (④)* 須田 隆 (胸)
山下 満 (胸)* 原普二夫 (児) 稲垣朝子 (内) 荒木恒敏 (救)
● 診療体制再編
委員
正… 蓮見昭武(①) 副…丸田守人(④) 落合正宏(③) 宮川秀一(②)
杉岡 篤 (①) 堀口明彦 (②) 宇山一朗 (①③) 前田耕太郎 (④)
入山 正 (胸) 西部俊哉 (胸) 原普二夫 (児) 岩瀬克己 (内)
● 行事
委員
正 … 前田耕太郎 (④) 副…なし(委員がその都度持ち廻り)
藤田順子 (①) 岩瀬祐司 (②) 長谷川 茂 (③) 佐藤美信 (④)
佐藤雅人 (胸) 富重博一 (児) 山本晴大 (内)
● 会計
正 … 桜井洋一 (③)
(
小出欣和 (④)
副 … 花井恒一 (②④)
);所属講座および診療部門を記載
①,②,③,④ … 消化器外科(①肝・脾,②胆・膵,③上部消化管,④下部消化管)
胸 … 胸部外科(心臓血管,呼吸器) 児 … 小児外科
内 … 内分泌・乳腺外科
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