「 Linux OS の次世代標準」を目指す Ubuntu 〜デスクトップからサーバ

「 Linux OS の次世代標準」を目指す Ubuntu
〜デスクトップからサーバ、組み込みまで〜
小林 準
Ubuntu Japanese Team
jkbys@ubuntu.com
自己紹介
●
大阪府八尾市からきました
ひとりで会社をやっています
­ システムの構築・運用・プログラム開発、それに伴うコンサルティング
­ Ubuntu 関連では、これから少しは売上になるかも・・・といった程度
­ お客さんのところに入れるサーバは Ubuntu ばかりになった
●
会社の名前は・・・「合同会社コバヤシステム」
­ 正直言って、この名前をつけたことは少し後悔している
●
「独習 Linux 」という本を書いています
­ Linux サーバの運用ができるようになるまでの知識
をゼロから解説
­ Ubuntu もしくは CentOS を使って独習する内容
●
私と Ubuntu との関わり
●
大阪の「株式会社グッデイ」という会社で働いていました
仕事はまぁ普通にこなしていたが、とくに将来のことは考えてなかった
●
●
腰痛になって整体に通っているうちに、やる気が出てきた
●
同僚が Ubuntu をインストールしているのを見て「一目惚れ」
その日のうちに Ubutu の Web サイトを読み込んで、「 30 代はこれにかけ
てみよう」と思った
●
●
フリー、 Debian ベース、優れたデザイン(見た目・システム・コミュニティ)
10 年後には、デスクトップで Windows のシェアを奪うぐらいになっている
かもしれない
●
この体制ならサーバ OS としても普及させられるだろう
●
●
誰もやっていないならチャンスかもしれない
●
他の国にも私みたいな人間がいて、今の Ubuntu の成功につながっている
他の社員と協力して、日本語入力にも対応していなかった Ubuntu に、日
本語対応を追加したインストール CD を作成、配布開始
●
Ubuntu Japanese Team として活動
●
Ubuntu Japanese Team
●
任意団体 ボランティアとして活動
日本語 Remix CD のリリースをきっかけに、 Web サイト・メーリングリスト・
Web フォーラムを開始
●
●
オープンソース関係のイベントに参加
●
いろんな人が参加するように
●
貢献度の高い人を「メンバー」として承認、現在 8 名
今年から「オフラインミーティング」を秋葉原で開催
­ 広瀬電工様に会場を提供して頂いています
­ 第 1 回( 1 月) 40 名あまり 第 2 回( 4 月) 60 名あまり
●
今日のまとめ
●
まだ終わりではありませんが…
Ubuntu は Linux カーネルで起こったことをディストリビューションレベルで起
こそうとしています
­ Linux カーネルは、世界中に普及している標準的なフリーカーネル
­ Linux ディストリビューションは用途によりバラバラ
­ 標準的なフリー OS 、「世界で一番使われる OS 」を目指す
●
Ubuntu はサーバからモバイルまで、あらゆる種類のハードウェアに標準
OS として普及することを目指しています
­ しかもフリー(改変自由かつ無償)
●
Ubuntu は信頼できるプロジェクトです
­ Canonical 社という企業が支援しており、継続性に問題はありません
­ 必要であれば、 Canonical 社もしくは世界中のベンダからサポートを
受けることができます
­ コミュニティは順調に成長しており、分裂による開発の停滞の心配は
ありません
●
ここから本編
Ubuntu とは
デスクトップ / ラップトップ
モバイル
Ubuntu は、デスクトップ、ラッ
プトップ、サーバ、モバイルそし
てネットブック用の OS として、
世界中でもっとも広く使われる
ことを目標として開発されてい
ます。
サーバ
ネットブック
Ubuntu の広がり
Ubuntu の広がり
Ubuntu の広がり
日本だと…
Dell が Ubuntu プリインストール PC を販売
●
ATOK が Ubuntu に対応
●
週刊アスキーなど、 Linux を取り扱ってこなかった雑誌でも取り上げら
れるようになった
●
Vista が今ひとつ、という話題の中で Ubuntu に言及されていることが
多い
●
などなど
Ubuntu 登場の背景 (1/3)
Ubuntu が登場するまでは…
フリー Linux ディストリビューション
­ ボランティアによる開発 or 商用ディストリビューションのテスト用
­ 無料だが自己責任
­ 開発主体によるサポートがない
­ リリース時期が不安定
­ 開発が継続するか不安が大きい(コミュニティの分裂などで)
●
商用 Linux ディストリビューション
­ 有償
­ 開発主体によるサポートがあるが、それなりに高額
­ デスクトップとして大きく普及させることはできていない
●
Ubuntu 登場の背景 (2/3)
サーバでは…
Linux ディストリビューションはフリーソフトウェアの集合体なのに、多くの企
業が有償の Linux ディストリビューションを購入してきた。
●
デスクトップでは…
Desktop OS としては Windows が市場を席巻しており、一般の PC ユーザ
にはフリーソフトウェアが浸透してこなかった。
●
サーバ OS の「部品」としてフリーソフトウェアは普及してきたが、 OS とし
てはフリーなものの普及が進まず、その結果としてフリーソフトウェアを使
う人はごくわずか、という状況が生まれている。
Ubuntu 登場の背景 (3/3)
フリーソフトウェアである Linux カーネルはすでに広く普及している
携帯電話・デジカメ・液晶テレビ・ハードディスクレコーダー…
にもかかわらず、デスクトップ OS やサーバ OS としてはフリー Linux ディスト
リビューションは普及してこなかった…
Windows が圧倒的なシェアを誇る市場に食い込むハードルが高い
● 製品をフリーとすると、エンタープライズ品質の OS を提供しつづけるため
の資金を調達するのが難しい
● リスクが高く、普通の企業には取り組むのが難しい
●
これらの問題を乗り越えれば、 Linux カーネルと同じようにフリー Linux OS
も普及させることができるのではないか? 普及させることができれば、ビジ
ネスチャンスとなるし、フリーソフトウェアのさらなる普及につながるのではな
いか?
Mark Shuttleworth
●
南アフリカ出身
●
フリーソフトウェアに傾倒
●
長期間に渡って Debian
デベロッパとして活動
1995 年に Thawte を設立し、
1999 年に Verisign に売却
5.75 億ドルを得る
●
2002 年、ロシアのソユーズロケットで宇宙へ
●
2004 年、 Ubuntu プロジェクトを開始
●
バグ番号 1 番
Microsoft は市場の大部分を占有している。
非フリーのソフトウェアは IT 産業の改革を尻込みさせ、
世界のごく限られた人しか IT を利用できない状況を生み、
ソフトウェア開発者の能力を制限して
その潜在的な力が世界中に及ぶことを邪魔している。
このバグは、 PC 業界では歴然たる事実として広く知られている。
再現手順 :
1. 地元の PC ショップを訪れる。
現象 :
1. 売られている大多数の PC に非フリーのソフトウェアがプリインストールされていることに注目せよ。
2. Ubuntu やその他のフリーソフトウェアがプリインストールされている PC はごくわずかであることに注
目せよ。
本来あるべき姿 :
1. 販売されている大半の PC には Ubuntu のようなフリーソフトウェアだけを搭載すること。
2. Ubuntu のすばらしい機能やメリットをすべての人々にはっきりわかるような方法で販売されること。
3. システムは時間の経過と共にますますユーザーフレンドリーとならなければならない。
Ubuntu の特徴 (1/2)
●
コミュニティ主導で開発されている Linux ディストリビューション
── ただし、 Canonical Ltd. に雇用されている開発者も多い
Debian Unstable ベース
●
6 ヶ月ごとに新しいバージョンをリリース
●
●
通常のリリースで 18 ヶ月間に渡りサポート
長期サポートリリースはデスクトップが 3 年、サーバが 5 年サポート
国際化とアクセシビリティを重視し、世界中のあらゆる人が利用できる
OS を目標に開発されている
●
Ubuntu の特徴 (2/2)
●
●
●
将来に渡って無償で提供される
フリーソフトウェアの理念に則って開発されており、
自由に共有・修正できる
有償サポートが Canonical Ltd. や他のサポートプロバイダから
提供されている
Gnome を標準とする Ubuntu の他に、 KDE を標準とする Kubuntu や Xfce を標準とする Xubuntu がある
●
Linux ディストリビューションとしての成功だけではなく、
最も広範囲に使われる OS となるのが目標
●
定期リリース・定期サポート
http://www.ubuntu.com/products/ubuntu/release­cycle より抜粋
アップグレード・パス
フリーソフトウェアを広める
Debian プロジェクトでは、膨大な数のフリーソフトウェアをパッケージ化して
いる
●
Ubuntu プロジェクトの目標の一つは、 Debian の成果をベースに、フリーソ
フトウェアを普通の PC ユーザや一般企業に普及させること
●
それにより、 Debian やそれを構成するフリーソフトウェアのユーザが増え、
貢献者も増えるはず
●
●
貢献者が増えれば、フリーソフトウェアの品質は高まるはず
コンポーネント
Ubuntu では、サポート範囲を明確にするため、パッケージを選別し、「コン
ポーネント」に分類している
●
Main コンポーネント ­ Canonical により保証されているフリーソフトウェア
●
Restricted コンポーネント – Canonical より保証されているが、完全にフ
リーではないソフトウェア
●
Universe コンポーネント ­ Canonical による保証はないが、コミュニティに
よってメンテナンスされているソフトウェア
●
Multiverse コンポーネント ­ Canonical による保証がなく、フリーではないラ
イセンスのソフトウェア
●
Ubuntu の信頼性
大きな理念が裏付けとなっている
­ 利益が出ないから急に手を引くといった可能性は極めて低い
●
Ubuntu Foundation
­ 何かあったときのための 1000 万ドル
●
フリー
­ 買収により急に方針が変わるといったことがない
●
透明性
­ バックドアなどをしかけることは困難
●
Canonical 社の存在
●
●
定期的なリリースと明確なサポート期間
Canonical 社とは
概要
Ubuntu プロジェクトを主導
● 2004 年に設立、 23 ヶ国から 220 人以上を雇用
● オフィスはロンドン・台湾・ボストン・モントリオールにあり
●
業務内容
Ubuntu を世界一のフリーソフトウェア・プラットフォームにするための
活動
● ユーザーサポート
● 技術サポート
● トレーニング
●
Canonical 社の役割
世の中の需要と、 Ubuntu コミュニティ+ Canonical 社で実現できるこ
とをマッチングさせるための戦略的な判断
●
他企業への協力の要請
­ ハードウェアベンダ
­ ソフトウェアベンダ
●
ボランティアではまかないきれない作業を担う
­ 必要だけれども面白くない作業
­ 担当者が忙しくなるなどして、放置されている作業
●
Ubuntu をトレードマークとして保持
●
Ubuntu に関連した商用サービスの提供
●
Canonical 社のサポート
●
英語によるサポート
各地のユーザサポートは、それぞれの地域のサポートベンダと
連携して行うスタンス
●
Ubuntu を組み込んだ製品を販売するメーカへの技術サポートを
積極的に行おうとしている
●
Ubuntu のサポートで得た収益を、さらに Ubuntu の維持と発展
に使っていく
●
当初は Mark Shuttleworth が提供した資金によって支えられて
いたが、ようやくサポート収益で運営ができるようになってきた
●
Ubuntu コミュニティ
Ubuntu の信頼性の大きな裏付けとなっているのが、充実したコミュニ
ティの存在
●
Ubuntu は「 Canonical 社の OS 」ではなく「コミュニティの OS 」
●
Ubuntu を普及させるために必要と思われる、あらゆる事柄についてコ
ミュニティで議論されている
●
Ubuntu を使う上で必要な情報は、ほとんどがコミュニティで見つけること
ができる → 検索して探し出すことが必須
●
●
コミュニティの分裂を避けるために、ルールが定められている
Ubuntu 行動規範
●
他者を思いやれ
●
他者を尊重せよ
●
協力せよ
●
意見が合わないときは相談せよ
●
自信がないときは助けを求めよ
●
退任するときは慎重に
Ubuntu の各バージョンの紹介
Ubuntu デスクトップ (1/2)
●
厳選したアプリケーションを 1 枚の CD に収録
Desktop CD はライブ CD として起動
●
●
デスクトップ上のインストールアイコンから簡単にインストール
Ubuntu デスクトップ (2/2)
デスクトップ OS の機能はどの OS も似たようなもの
­ それでも Ubuntu が注目されているのは?
●
DELL がプリインストール PC を欧米で2007年から販売中
­ ユーザからの声を反映
●
IBM が Lotus Notes などの動作環境として Ubuntu をサポート
●
日本では・・・
­ サポート企業はこれから出てくるかもしれない
­ 大規模導入の事例はまだ少ない
­ ATOK が Ubuntu に対応
●
Ubuntu サーバ (1/2)
デスクトップが注目されていますが、
Ubuntu はサーバー OS としても優れています
Debian 由来の、優れたパッケージシステム管理システムと堅牢な構成
●
●
計画的なリリースとサポート期間
●
有償サポート
インストールすればすぐに使えるサーバ OS を目指して開発されてい
ます。
Ubuntu サーバ (2/2)
大手サーバベンダーによるサポート
­ Sun: x86 サーバの動作 OS として公式に認定
­ IBM: x86 サーバで動作するよう Canonical 社と協力
DB2 の動作プラットフォームとして Ubuntu を認定
­ HP ・ DELL: x86 サーバで動作するよう Canonical 社と協力
●
●
課題 ­ プリインストール
日本における課題
­ サポート企業はこれから増えてくるかもしれない
­ 大規模導入の事例はまだ少ない
­ Ubuntu に慣れた技術者が少ない
●
モバイル・組み込み
Ubuntu Netbook Remix
低解像度の Netbook でも使いやすいよう配慮されている。
●
Ubuntu Mobile Internet Device(MID) Edition
より小さな画面の MID に適したエディション。
●
ARM 対応
9.04 より ARM に対応。より低消費電力のモバイル・デバイス、および家
電などの組み込み OS としても普及が期待できるようになった。
●
Ubuntu の ARM 対応により、各メーカーが Ubuntu に注目しているはず
これまでも Linux を各種機器に使ってきたが、ベースとしていたのは有償
の組み込み用ディストリビューションだったりした
●
Ubuntu の ARM 組み込み対応が進めば、そのあたりを共通化できてコス
トダウンにつなげることができるかもしれない
●
しかも、デスクトップ版やサーバ版があるので、全社的にノウハウをつみ
あげれば、将来的に大幅なコスト削減につなげることができるかもしれない
●
ベースはひとつ
デスクトップ版・サーバ版・ Ubuntu Netbook Remix ・ Ubuntu MID は、
かなりのコードを共有している
●
サーバからモバイルまで普及を目指す OS 、しかもフリーというのは他に
例がない
●
フリーだからこそコミュニティが育ち、単一の企業では持ち得ない力を発揮
できている
●
利用する企業からすれば、フリーな OS があらゆる機器でスタンダードと
なるのはありがたいはず
●
Ubuntu の技術的特徴や機能をピックアップして紹介します
Ubuntu のインストール
Desktop CD
CD 起動でデスクトップ環境を利用可能
●
Alternate CD
●
Server Install CD
●
●
モバイル用には USB イメージ
Wubi
Windows パーティションにインストール
●
●
ネットワーク・ブートによるインストール
●
仮想マシンへのインストール
セキュリティ
AppArmor
アプリケーションのアクセスできるリソースをポリシーにより制御し、未知の脅
威からシステムを守る。
●
Uncomplicated FireWall(UFW)
iptables の設定は複雑で、しばしば設定ミスをひきおこす。 UFW を使えば、簡
単で確実にファイアウォールの設定を行うことができる。
●
サーバの自動セットアップ
●
●
時間節約=コスト削減
サーバ OS として普及させるためには欠かすことができない機能
ネットワーク経由での自動セットアップのサポート
CD 起動での自動セットアップのサポート
●
●
インストール後のカスタム設定スクリプトの実行サポート
Kickstart を用いた自動インストールのサポート
●
https://help.ubuntu.com/8.04/installation­guide/i386/automatic­install.html
集中管理
Landscape ­ Canonical 社が提供している Ubuntu の集中管理システム
●
●
有償
Web インタフェースで複数の Ubuntu マシンの管理とモニタリングが可能
●
●
マシンをグルーピングしてグループごとに操作が可能
http://www.canonical.com/projects/landscape
Active Directory ドメインへの参加
Active Directory ドメインに、 Ubuntu クライアントを参加させることが可能
LTSP によるシンクライアント環境
Ubutnu を使えば LTSP ( Linux Terminal Server Project )によるシンク
ライアント環境の構築が簡単にできる
●
中央のサーバにターミナルサーバをセットアップし、ディスクレスのシンク
ライアントからの接続
●
●
調査によると LTSP により約 50% の電力を節約できる
●
クライアントの故障率が低くなり、故障した場合もデータは失われない
https://help.ubuntu.com/community/UbuntuLTSP
仮想化アーキテクチャへの対応
Ubuntu はさまざまな仮想化アーキテクチャに対応している
●
サーバの仮想化 (1/2)
KVM
­ Ubuntu の正式サポート対象
­ 最有力のオープンソース仮想化技術
­ 特別なカーネルは必要なし
­ AMD­V もしくは Intel VT に対応したハードウェアが必要
­ GUI の VertManager による管理が可能
●
Xen
­ Ubuntu ではコミュニティによるメンテナンス(サポート対象外)
­ 特別なカーネルが必要
●
サーバの仮想化 (2/2)
OpenVZ
­ Ubuntu ではコミュニティによるメンテナンス(サポート対象外)
­ 特別なカーネルが必要
­ カーネルを共用する形で Linux OS をゲストとして動作させる
­ オーバヘッドが非常に小さく、多くのゲスト OS を動作させたいときに適している
●
Vserver
­ Ubuntu ではコミュニティによるメンテナンス(サポート対象外)
­ 特別なカーネルが必要
­ オーバヘッドが非常に小さく、多くのゲスト OS を動作させたいときに適している
●
デスクトップの仮想化
VirtualBox
­ Innotek により開発され、 Sun により買収された
( Oracle の Sun 買収後は・・・?)
­ オープンソース版とクローズソース版がある
(オープンソース版には USB サポートなど一部の機能が含まれていない)
­ 特別なカーネルは必要なし(カーネルモジュールのみ必要)
­ オープンソース版はコミュニティによるメンテナンス(サポート無し)
­ クローズソース版はベンダによるサポート、個人で使う場合は無償
●
VMware Player
­ VMware によりメンテナンス
­ クローズソース
­ ベンダによるサポート、個人で使う場合は無償
●
ゲスト OS として Ubuntu を使う
Ubuntu Server Edition JeOS
ゲスト OS として効率的に動作するように構成されている
●
https://help.ubuntu.com/community/JeOS
Ubuntu­VM­Builder
コマンドひとつで Ubuntu のゲスト OS イメージをセットアップすることができ
る
●
他のディストリビューションとの違い
ディレクトリ構成
­ Debian に慣れていない人はとまどうかもしれないが、調べればすぐ分かる
レベル
●
ランレベル
­ RedHat 系だとランレベルで X を起動するかどうかを指定したりしますが、
Ubuntu では普通行いません(そのように設定することはもちろん可能)
●
使わないデーモンは入れないのが Debian/Ubuntu 流
­ デーモンごとに起動する・起動しないを設定することもできますが、起動し
ないならば消してしまうのが普通(余計なものは極力システムに残さない)
●
国内企業の取り組み事例
株式会社エムズソリューション
­ シンクライアント・ソリューション
­ Wnn8 for Ubuntu 販売
­ Ubuntu 用フォント 販売
●
広瀬電工株式会社
­ シンクライアント・ソリューション UBiL
USB メモリに Ubuntu を導入し、シンクライアント端末の OS と
して利用
●
海外での採用事例
Wikipedia のサーバ
●
●
フランス議会
●
フランス国家憲兵隊
IBM による Ubuntu 仮想デスクトップソリューション
●
Dell によるプリインストールマシンの供給
●
Ubuntu に関する情報源
英語
http://www.ubuntu.com ●
https://help.ubuntu.com ­ 公式ドキュメント・コミュニティドキュメント
●
https://wiki.ubuntu.com ­ Ubuntu コミュニティ Wiki
●
https://ubuntuforums.org ­ Ubuntu フォーラム
●
https://launchpad.net ­ バグ管理・翻訳・仕様・コード・ QA
●
https://lists.ubuntu.com ­ メーリングリスト一覧
●
Ubuntu に関する情報源
日本語
https://www.ubuntulinux.jp ­ Ubuntu Japanese Team
●
https://wiki.ubuntulinux.jp ­ Ubuntu Japanese Team Wiki
●
https://forums.ubuntulinux.jp ­ Ubuntu 日本語フォーラム
●
http://gihyo.jp/admin/serial/01/ubuntu­recipe ­ Ubuntu Weekly Recipe
●
http://gihyo.jp/admin/clip/01/ubuntu­topics ­ Ubuntu Weekly Topics
●
Ubuntu に関する技術を身につけるには
自分で情報を探して解決する能力を磨く
­ 商用ディストリビューションよりも、さらに必要
●
コミュニティに参加・貢献する
­ さまざまな情報を得ることができる
­ 転職にも有利
­ コミュニケーション能力を磨くこともできる
●
LPIC を受ける
­ 早く確実に知識を身につけたい場合は、利用する価値はある
­ LPI 101, LPI 102 → Ubuntu Certified Professional ( LPI199 )
●
今後の計画・アイデア
ユーザ管理の高機能化
­ OpenLDAP を使って複数のサーバの認証を統合する
­ より簡単に導入・管理できるように
­ ActiveDirectory の代わりができるレベルを目指す
●
より進んだ仮想化対応
­ Xen のサポート
­ KVM のさらなる最適化
●
設定バックエンドの追加
­ 現状、 ebox や webmin を使うと設定ファイルが直接上書きされてしまう
­ これはトラブルの元になる
­ バックエンドを通して設定できるようにする
­ 現在、各プログラムの対応が進められている
●
さらなる起動速度の改善
­ 9.04 で大幅に速くなったが、さらに高速起動を目指す
●
Windows 上でインストール用 USB を作成するプログラム
●
Android の開発環境として使えるように
●
●
シャットダウン時に更新プログラムをインストールする機能
Main コンポーネントだけで Web メールサーバを実現
●
Ubuntu Enterprise Cloud
­ Eucalyptus
­ 9.04 ではプレビュー版
●
今日のまとめ(再掲)
Ubuntu は Linux カーネルで起こったことをディストリビューションレベルで起
こそうとしています
­ Linux カーネルは、世界中に普及している標準的なフリーカーネル
­ Linux ディストリビューションは用途によりバラバラ
­ 標準的なフリー OS 、「世界で一番使われる OS 」を目指す
●
Ubuntu はサーバからモバイルまで、あらゆる種類のハードウェアに標準
OS として普及することを目指しています
­ しかもフリー(改変自由かつ無償)
●
Ubuntu は信頼できるプロジェクトです
­ Canonical 社という企業が支援しており、継続性に問題はありません
­ 必要であれば、 Canonical 社もしくは世界中のベンダからサポートを
受けることができます
­ コミュニティは順調に成長しており、分裂による開発の停滞の心配は
ありません
●
Ubuntu は「次世代標準 OS 」を目指しているように思われます
­ フリーであるからこそ、サーバからモバイルまで可能な限り共通のコードを
使うことができる
­ 一企業だけで、このような OS を作ることは難しい
­ 共通のフリー OS を実現することにより、あらゆる人がコンピュータを使う
ことができるようになる
­ 技術者として、今のうちに Ubuntu のスキルを身につけておくことには
メリットがある
●
ありがとうございました