クライアント/サーバー アーキテクチャのビジネス および

DATABASE
クライアント/サーバー アーキテクチャのビジネス
および技術上の利点の概要
Pervasive Software ホワイト ペーパー
2006 年 2 月
目次
はじめに . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3
アーキテクチャの比較 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3
ピアツーピア . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3
クライアント/サーバーネットワーク . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4
管理 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6
バックアップとリカバリ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6
セキュリティ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6
リモート アクセスの保守、ウィルスの検出・修復 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7
パフォーマンス特性 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8
ピアツーピア . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8
クライアント/サーバーネットワーク . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8
データの保全性 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9
要約と結論 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9
付録: PERVASIVE 製品の要約 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10
連絡先 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11
クライアント/サーバー アーキテクチャのビジネスおよび技術上の利点の概要
はじめに
本書は、データベース アプリケーションをピア ツー ピア ネットワークからクライアント/サー
バーに移行することを検討している業務を対象としています。Pervasive には双方のネットワー
クに適した製品、つまり、小規模のピア ツー ピア向けの Workgroup とクライアント/サーバー
向けの Server とがあります。どちらのデータベース エンジンでも、基礎となる同じテクノロ
ジが採用されているので、既存のアプリケーションを Workgroup から Server に移行する場合
にコードを変更する必要はありません。本書の目的は、この2 つのアーキテクチャを比較し、
Pervasive 製品に最適なものを見つけ出し、クライアント/サーバーへの移行を検討する際の重要
となる技術上およびビジネス上の課題を明らかにすることです。
ピア ツー ピアおよびクライアント/サーバー アーキテクチャを、以下の課題に関して検討しま
す。
1. アーキテクチャ
2. 管理
3. パフォーマンス特性
4. データ保全性
アーキテクチャの比較
ピア ツー ピア
ネットワーキングの最も単純な形態はピア ツー ピアであり、図 1 のようにデスクトップ同士が接続さ
れ、ネットワーク上のファイル、
プリンタ、インターネット アクセスなどのリソースを共有することがで
きます。ピア ツー ピアは、その名前が示すとおりの形態です。つまり、ネットワーク上の各コンピュー
タはピア (対等の存在) で、
自身のローカル リソースを管理します。
このネットワークは、デスクトップ
OS を使用する PC で構成されています (本書の後半で説明するように、デスクトップ OS にはサーバ
ー OS との重要な相違点がいくつかあります)。
図 1. エントリ レベルの 5 ユーザーによるピア ツー ピア ネットワーク
会計
倉庫
社長室
セールス
クライアント/サーバー アーキテクチャのビジネスおよび技術上の利点の概要
マーケティング
PC によって管理されるリソースは、
ジョブのキューイング (プリンター出力の場合) でも、読み取り/書
き込みアクセスのロック (データベース アプリケーションの場合) でも、
リソースを要求した最初のユ
ーザーに先着順で割り当てられます。
この割り当て方式は、キューイングが問題とならない場合には
良好に機能します。ただし、
アプリケーションの使用が多少なりともネットワーク集中型であるかディ
スク集中型であるかによって、共有アプリケーションに対する許容範囲は異なります。
これらのコンピュータ間には専用のサーバー/階層がないため、ネットワーク上のすべてのコンピュ
ータが自らのセキュリティおよび管理を処理します。
ファイル アクセス、バックアップその他の管理機
能に関する決定は、各コンピュータにおいてローカルかつ固有なものです。
小規模なユーザー グループの場合、ピア ツー ピアは適切なアプローチとなります。
これは、セットア
ップと運用が容易で、
コストも低く抑えることができるからです。共有の度合、更新の競合、
または転送
データ量が少ない場合には、ピア ツー ピア ネットワークは良好に機能します。共有されているアプリ
ケーションがこのような条件を満たしていない場合は、
クライアント/サーバーを選択したほうがよい
でしょう。意思決定のプロセスには、
システム管理特性も含める必要があります。管理が一元化されて
いないと、信頼できるパフォーマンス、セキュリティ、および管理機能 (バックアップ、
リカバリ、
ウィルス
検出・除去など) の観点からピア ツー ピア ネットワークを制御するのが非常に困難になります。
さら
に、ネットワーク上の PC の数が増加するにつれて、管理上の問題は顕著になります。
Pervasive PSQL Workgroup は、小規模なピア ツー ピア ネットワークで使用するのに最適です (共
有の度合、更新の競合、
または転送データ量が少ないという上記の表現がアプリケーションを的確
に表している場合)。ネットワーク上の各コンピュータにインストールされた Workgroup は、そのコ
ンピュータ上のアプリケーションのデータ アクセスを管理することができます。
また、データが保管さ
れているシステムとは別のコンピュータに Workgroup をインストールして、
リモート データベース
管理を行うこともできます。Pervasive PSQL Workgroup 製品の詳細については、ホワイトペーパー『
Pervasive PSQL Workgroup のリリースについて』を参照してください。
クライアント/サーバー ネットワーク
クライアント/サーバー ネットワークは、ピア ツー ピア ネットワークでの信頼性、セキュリティ、および
管理上の制約を克服するために設計されたものです。
クライアント/サーバー アプローチでは、ネッ
トワーク接続された多数のクライアントのデータ アクセスおよびシステム管理を中央のサーバーで
管理するという考え方が取り入れられました。サーバーは、図 2 のような専用コンピュータにすること
も、図 3 のようなパーソナル コンピュータとしても機能する非専用サーバー (マーケティングの PC が
サーバーとしても機能) にすることもできます。非専用サーバーの場合、新たにコンピュータを購入す
る必要がないので、ピア ツー ピアからクライアント/サーバーに移行するための、
より経済的な方法
となります。
クライアント/サーバーは、小規模なユーザー グループにとってはより複雑であり、通常、セットアップ
により多くのコストがかかります。
しかし、小規模なグループ内でも同時ユーザー数が増加するに応じ
て、一貫したネットワーク パフォーマンスとシステム管理機能の一元管理がコスト増加との相殺を上
回る利点をもたらすようになります。
Pervasive PSQL v9 Server は、非常に小規模なユーザー グループと大規模なユーザー グループの
どちらもサポートすることができます。Pervasive PSQL v9 サーバーの 6 ユーザー バージョンは、
Workgroup ピア ツー ピアからクライアント/サーバー ネットワークに移行するための最適な第
一歩となります。セキュリティ システム管理の一元化と、膨大なユーザーに対応できる拡張性は、
Pervasive PSQL Server への移行によって得られる主な利点です。
クライアント/サーバー アーキテクチャのビジネスおよび技術上の利点の概要
図 2 専用クライアント/サーバー ネットワーク
会計
社長室
倉庫
サーバー
セールス
マーケティング
図 3 非専用クライアント/サーバー ネットワーク
社長室
会計
セールス
倉庫
マーケティング/サーバー
クライアント/サーバー アーキテクチャのビジネスおよび技術上の利点の概要
管理
ピア ツー ピア ネットワークとクライアント/サーバー ネットワークのシステム データベース管理に関
する根本的な違いは何でしょうか。それは、
クライアントのネットワーク全体にまたがるタスクは、サー
バーからは単独のアクションで処理できるのに対し、ピア ツー ピア ネットワークでは PC ごとに毎回
1 つずつ処理しなければならないという点です。バックアップ リカバリ、セキュリティ、
ソフトウェア配
布、
ウィルス検出・除去のほか、ほとんどすべてのシステム管理機能についても同じことが言えます。
バックアップとリカバリ
小規模なビジネス ネットワークの多くでは、
スケジュール化されたバックアップは行われていません。
エントリレベルのピア ツー ピア ネットワークの大半では、ネットワーク化されたデスクトップにデー
タ ファイルが分散しているため、バックアップ作業に時間がかかります。すべてのデスクトップが稼動
していなければならず、バックアップ対象のデータ ファイルをすべて閉じるか、continuous オペレー
ションを使用して下さい。一般的に、バックアップの決定は、個々の PC ユーザーに一任されています。
最適なバックアップ計画とは、データの完全バックアップと増分バックアップの両方をスケジュール化
して行うことです。
また、オンライン ストレージをより効率的に利用するため、適切な帯域幅および記
憶容量を取り入れるようにネットワークを設計する必要があります。
クライアント/サーバー アーキテ
クチャでは、サーバーに対するデータベース ファイルの一元化、バックアップ手順の簡素化が図られ、
Pervasive のデータベースがcontinuous オペレーションをサポートしているため、データへのユーザ
ー アクセスを制限せずにバックアップが実行されます (continuous オペレーションにより、
クライアン
トは、バックアップ操作が完了するまでデータにアクセスすることができ、実行された変更はデータベ
ースによってバッファに格納されます)。
Pervasive PSQL Server のバックアップ リカバリ機能を拡張するために、Backup AgentTM および
DataExchangeTM という 2 つの製品があります。
Backup Agent は、バックアップ時でもアプリケーションが引き続き稼動できるようにすることによっ
て、運用中のデータベースのバックアップを支援します。
また、テープ、ディスクなどの媒体への安全な
バックアップのために、データ ファイルがクリーンで、一貫性を持つことをインテリジェントに保証し
ます。Backup Agent は、サードパーティのバックアップ パッケージを補完するものであり、ARCserve®
や Backup Exec などの製品を使用して、既存のバックアップ プロセスに組み込むことができます。
Backup Agent は、Pervasive PSQL Server でのみ使用できます。
DataExchange は、Pervasive PSQL データベース間でのデータ複製をリアルタイムに行い、複数の複
製ネットワークトポロジをサポートします。DataExchange は、
ウォーム バックアップの保守、
レポート
サーバーのロード、オフィス間のデータ共有、およびリモート ユーザーの接続を行うアプリケーション
との併用が可能です。
セキュリティ
セキュリティは、ビジネス上の主要な問題の 1 つとなっています。データが成功の鍵を握る環境にお
いては、悪意のある部外者、不満を抱く従業員、および一般的な事故からの保護をもれなく検討しなけ
ればなりません。ピア ツー ピア ネットワークには、以下のような 2 つの特性があるため、セキュリティ
対策が特に難しくなっています。
1. データにアクセスする必要があるすべてのPC およびユーザーに対して OS レベルのファイルアク セスが許可されている。
クライアント/サーバー アーキテクチャのビジネスおよび技術上の利点の概要
2. ユーザー認証およびアクセス権の管理が分散ロジックに依存している。
ピア ツー ピアでは、
アプリケーションのセキュリティ管理機能に完全な信頼をおいて、ネットワーク上
のすべてのユーザーに OS レベルのファイル アクセス権を付与しています。
このような事柄によって以
下のようなセキュリティ上の問題が発生する可能性があります。
• データ ファイルの盗難 - アプリケーションにアクセスできるユーザーであれば誰でも、完全なデー
タ ファイルを窃取できます。
• データ ファイルの削除 - ユーザーが、あらゆるサイズのデータ セット全体を誤って削除してしまう可
能性があります。
• データ ファイルの改変 - ユーザーは、任意のアプリケーション (データが格納されているアプリケー
ションとは無関係なアプリケーションを含む) を使用してデータ ファイルにアクセス、オープン、保存
することができます。
• 信頼できるアプリケーションと悪意のあるアプリケーションを区別できない - 誰でもデータ アクセス
プログラムを作成し、重要なデータ ファイルを読み取ることができます。
ピア ツー ピアのセキュリティは、PC 単位で定義されています。ログインに関連付けられた同じ権限を
各ユーザーが持っている限りにおいて、ネットワーク上でセキュリティの一貫性が確保されます。小規
模ユーザー グループ用に設計されている Pervasive PSQL Workgroup 製品は、OS レベルのファイル
セキュリティを実施していません。Workgroup が最も一般的である小規模なオフィスでは、データに
簡単にアクセスできることがセキュリティよりも重要となっています。
データのセキュリティが優先される場合は、
クライアント/サーバー ネットワークおよび Pervasive
Server 製品が明確な選択となります。
クライアント/サーバーでは、許可およびユーザー権限を管理す
るためのシングル ポイントが提供されます。データ セキュリティ規則の単一セットを複数のアプリケ
ーションに適用することができます。
したがって、同じ ID および権限のセットを複数のアプリケーショ
ンで再利用できるため、
アプリケーション固有データおよびアクセス権限のメンテナンスを行う必要
性が少なくなります。
クライアント/サーバーでは以下が可能です。
• ユーザー許可および権限の一元化
• アプリケーションにまたがるユーザー制御の簡素化
• セキュリティ ロジックの一元化
• セキュリティ アクセス メカニズムの背後にデータを隠蔽
Pervasive PSQL Server を使用すると、データベース アドミニストレータは、データベースへのログイ
ンを許可されているユーザーおよびグループを識別することができます (それぞれのユーザーおよび
ユーザー グループに対してデータベースおよびテーブルの許可を設定することも含みます)。
トランザ
クショナル/リレーショナル インターフェイスのどちらを使用するかによって、Pervasive PSQL Server
は、オペレーティング システム認証サービスからの名前およびパスワードを使用することも、OS に依
存しないデータベース認証・許可を使用することもできます。
リモート アクセスの保守、
ウィルスの検出・修復
ピア ツー ピア環境では、ルーチンの保守やネットワーク内の各 PC の検査 (ネットワーク全体のウィル
ス検出・修復を含む) に時間がかかります。
クライアント/サーバー環境では、
自動リモート アクセス ツ
ールを介して保守機能が実行可能になっており、
これらのツールにより、サーバーがネットワーク内の
他のシステムにおけるセッションを開き、
プログラムを実行・診断し、
ファイルを検査・変更することが
できます。ネットワーク ウィルス検出プログラムでは、IT サポート スタッフがオン デマンドまたはスケ
ジュールに基づきウィルス スキャンを実行し、
自動修復またはシステム隔離を開始することができま
す。
クライアント/サーバー アーキテクチャのビジネスおよび技術上の利点の概要
パフォーマンス特性
ピア ツー ピア
ピア ツー ピア ネットワークは、少数のパーソナル コンピュータを接続するために設計されています。
別のコンピュータへのアクセスを要求する各コンピュータは、印刷のためかファイル共有のためかを
問わず、ホスト コンピュータ上のシステム リソースを占有します。パーソナル コンピュータという名前
が示すとおり、PC は多数のユーザーをサポートするように設計されていませんでした。ピア ツー ピア
ネットワークが拡張し、各 PC が複数ユーザーと同等の対象を管理するために使用される状態に達す
ると、ネットワーク全体のパフォーマンスは大幅に低下します。パフォーマンス特性は、組織によって異
なることは言うまでもなく、ネットワーク リソースに対する競合の度合、転送・更新ファイルの量、ネット
ワーク上で移動されるファイルのサイズ、ネットワーク内での各 PC のパフォーマンス特性に完全に依
存しています (注: ネットワークのパフォーマンスは、ハードウェアよりもオペレーティング システム ソ
フトウェアに関係しています。ハイエンド PC で使用可能なメモリ、ディスク、およびプロセッサは、ロー
エンド サーバーの場合とほぼ同じです)。PC とサーバーのオペレーティング システムの重要な違いに
ついては、以下で説明しています)。
ピア ツー ピア ネットワークのパフォーマンスに関係する主要な問題の 1 つは、パフォーマンスがそ
の時点でのユーザーのアクティビティに大きく依存しているため、予測できないという点です。その結
果、一定のレベルのパフォーマンスが得られるようにピア ツー ピア ネットワークを管理するのが非
常に難しくなります。たとえば、
ファイル/リソース共有をユーザーがめったに必要としない場合、ピア
ツー ピア ネットワークは相当数の PC をサポートできます。
しかし、オーダー エントリ アプリケーショ
ンやプリンタへのアクセスがすべてのユーザーにとって必要になると、それらのリソースをホストする
PC に過負荷が生じ、ネットワークのパフォーマンスは容認できなくなります。共有リソースへのアクセ
スをスケジュールするのは妥当でないため、
この問題を解決するには、ピーク時の負荷要件を処理で
きる程度までネットワーク内の各 PC をアップグレードするしかありません (これには、膨大なコストを
要します)。
クライアント/サーバー
クライアント/サーバー ネットワークは、小規模グループから数千ユーザーに至るまで、
どのような規
模でもサポートするように設計されています。サーバーのオペレーティング システムは、
スタンドアロ
ン型 PC のオペレーティング システムよりも高いパフォーマンスのハードウェアをサポートします。64
プロセッサまでのSMP、
クラスタリング、ハードディスクのストライピング、ネットワーク サービス、高速
ネットワーク スイッチ、RAID サポートは、サーバー OS 環境では一般的となっており、負荷の下でも最
高のネットワーク アプリケーション パフォーマンスと優れたアクセシビリティが得られます。
サーバー上のアプリケーション要件を追跡すると、一定数のクライアントに対して予測可能なパフォー
マンスを提供するのに十分な RAM またはディスク (あるいはその両方) を備えたサーバーを構成する
のが極めて容易になります。
アプリケーション需要またはユーザー数の増加 (または減少) に応じて、
サーバーの構成を調整することができます。明確な利点は、
これが PC のネットワークではなく、単一
のサーバー (またはサーバーのグループ) よってすべて管理できることです。ユーザー数の増加に応じ
て、
メモリ、ディスク、
またはプロセッサの増設にかかるユーザー別コストは低下するので、大規模なグ
ループにとってサーバーは極めて経済的なものとなります。
クライアント/サーバー アーキテクチャのビジネスおよび技術上の利点の概要
データの保全性
適切に管理することで、Pervasive PSQL Workgroup はデータの保全性を確保するうえで優れた機能
を発揮します。
このことは、データ アクセスの行われるマシンごとに PSQL Workgroup がインストー
ルされている環境で特にあてはまります。Pervasive Workgroup は、データが格納されているコンピ
ュータとは別のマシンにインストールすることもできます。
この構成は、
リモート ゲートウェイと呼ば
れ、データベース構成において最大の柔軟性を実現します。ただし、
リモート ゲートウェイは、ユーザ
ー エラーに対して脆弱なため、データ保全性に関する潜在的な問題の原因になります。ユーザーが
十分な訓練を受けている場合でも、
ファイルがオープンしている間かトランザクションの処理中に、
PC の電源がオフになったり、ネットワークから物理的に切り離されることもあります。破損ファイルを
次に開くユーザーには、
トランザクションが失敗した場所と時期を識別する方法がありません。
このよ
うな脆弱性は、データ アクセスの簡素化 (Workgroup を目標とする小規模なオフィス環境にとって主
要な課題) と、データ保全性の確保 (大規模なビジネス顧客にとってより重要な課題) のトレードオフ
を意識した設計によるものです。
これらのビジネス顧客については、一貫性したバックアップの可能
性が低いことと併せてユーザー エラー シナリオが検討される場合、ピア ツー ピア環境にとってデー
タの保全性が重大な関心事となります。
サーバーに常駐する単一のデータベース エンジンによってデータベースの処理が管理されている
クライアント/サーバー環境では、データ保全性はより厳重に管理され、
より簡単に保証されます。
Workgroup 製品および Server 製品では、ユーザー アクセスをレコード レベル (レコード ロック) で
管理しており、すべてのレコード (他のユーザーによってオープン/ロックされているレコードを含む)
の継続的な読み取りをユーザーに許可しています。データ保全性を確保するための基準は、ピア ツ
ー ピア アプリケーションの場合でもクライアント/サーバー アプリケーションの場合でも、Pervasive
データベースにとっては同じです。ただし、ピア ツー ピア環境および臨時のリモート ゲートウェイ ワ
ークグループで稼動するデータベース エンジンの数が増えることは、単にデータ保全性の維持が難し
くなることを意味します。
要約と結論
印刷やディスク スペースなどの共有リソースに対する同時処理の要求が少ない小規模な環境にお
いて、ピア ツー ピアは妥当なパフォーマンスを維持します。データ アプリケーションの共有を必要と
する小規模な会社/ワークグループにとって、特にシステムの増大、一貫性のあるパフォーマンス、管
理のしやすさ、およびデータのセキュリティよりもシステムのコストが重視される環境では、ピア ツ
ー ピアが多くの場合に最初のステップとなります。
このような環境にとって、Pervasive Software の
Workgroup データベースは最適です。Workgroup 製品は、インストールしやすく、
自己保全型であ
り、Pervasive Server と同じベースとなるデータベース エンジンを備えているので、
クライアント/サー
バー環境に移行するための完全な出発点となります。Pervasive PSQL データベース製品を使用して
ピア ツー ピアからクライアント/サーバーに移行する場合、
アプリケーションに対するコード変更は
必要とされません。
ピア ツー ピア ネットワークでパフォーマンスの限界に達しているか、一元化された管理を業務で必
要とする会社/ワークグループにとって、Pervasive PSQL Server によるクライアント/サーバー環境は
より良いソリューションを提供します。拡張可能性、強力なセキュリティ、簡単なバックアップ リカバ
リ、信頼できるレベルのシステム パフォーマンスなど、
クライアント/サーバーによってもたらされる他
の利点は、実装にかかるコストを補って余りあるものです。
さらに、ユーザー数の増加に応じて、
クライ
アント/サーバー ネットワークの経済性が高まる傾向もあります。
Pervasive PSQL Workgroup はピア ツー ピア ネットワークに最適であり、Pervasive PSQL Server は
クライアント/サーバー向けの製品です。以下の表では、各製品間の相違を明らかにしています。
クライアント/サーバー アーキテクチャのビジネスおよび技術上の利点の概要
機能 Server Workgroup
a
Windows 98、 Me、 XP サポート
a
Windows 2000、 Server 2003 サポート
a a
Linux サポート
a
小規模グループのためのマルチユーザー
a 6 ~数千ユーザーの規模
a
データベース エンジンがインストールされていないファイル サーバー上のデータにアクセス可能。
1 ~ 5 までの同時ユーザー数のサポート
a
a
インストール時に Windows サービスとして登録
a
OS レベルのセキュリティを確保
a
非同期 I/O
a
Backup Agent ™
a
DataExchange ™
a Btrieve、 ODBC、 OLE-DB、 JDBC、 PDAC、 ActiveX サポート
a a
リレーショナル サポート ( オンライン バックアップ、 セキュリティ、 参照整合性、 管理ツールなど )
a a
全てのプラットフォームおよびエンジン バージョンにまたがるバイナリ互換データファイル
a a
a a
オンライン ドキュメントの付属
a a
簡便なプラグ アンド プレイによるアップグレード。 アプリケーションの変更は不要
クライアント/サーバー アーキテクチャのビジネスおよび技術上の利点の概要
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付録: PERVASIVE 製品の要約
Pervasive PSQL Workgroup
単一ユーザーおよび小規模マルチユーザー環境に配備されるアプリケーションにとっても、
また
はPervasive PSQL データベース エンジンをサポートできないネットワークにとっても、Pervasive
PSQL™ Workgroup エンジンは理想的なソリューションです。PSQL Server エンジンと共通のアーキ
テクチャを共有することにより、WGE は完全な機能を備えたエンジンとなり、すべての PSQL アプリケ
ーションと完全な互換性を持ちます。
これには、既存の Btrieve™ 6.15 アプリケーションすべてのサポ
ートも含まれます。Pervasive PSQL WorkgroupはWindows上で機能し、5つまでユーザーを同時にサ
ポートします。
Pervasive PSQL Server
Pervasive PSQL Server は、ISVが中小企業向けのミッション クリティカルなアプリケーションを構築・
保守するための組み込み型データベース ソリューションです。Pervasive PSQL Server と Workgroup
にはバイナリ互換性がありますが、Pervasive PSQL Server は、Workgroup にはないセキュリティ機
能とパフォーマンス機能を提供し、小規模グループから数千ユーザーまで対応した拡張が可能である
ほか、Windows、Linux のサポートにより配備の柔軟性を実現しています。
Backup Agent
Pervasive Backup Agent は、バックアップ処理中に Pervasive PSQL データベース エンジンをイン
テリジェントに管理して、信頼できるバックアップを確保します。
また、バックアップの実行中に変更さ
れる Pervasive PSQL データベース ファイルがデータの保全性に影響しないようにします。Pervasive
Backup Agent では、バックアップ セッション中にオープンされたファイルが自動的にContinuous オ
ペレーションの対象になるため、バックアップするファイルのリストをユーザー/アドミニストレータが
管理する必要はありません。
DataExchange
Pervasive DataExchange™ は、
リアルタイム バックアップやデータの同期化など、データの移動・同
期に関する問題に対応したソリューションを提供します。
Pervasive DataExchange Real-Time Backup Edition は、本稼動サーバーからバックアップ サーバー
にデータを複製します。
システム障害が発生した場合、
クライアントを最新のバックアップにリダイレ
クトすることができます。DataExchange を使用すると、
システム クラッシュによるデータ損失・ダウン
タイム、ハードウェア障害、
またはサイトの災害が解消されます。
Pervasive DataExchange Data Synchronization Edition は、Pervasive PSQL データベース間でデー
タを複製します。
また、2 次サーバーへのデータ送出 (オフライン レポート用)、倉庫間でのデータ共
有、モバイル ユーザーの本部への接続といった問題を解決します。DataExchange を使用すると、ユ
ーザーは一貫性のある最新データを常に参照することができます。
各製品の詳細については、以下の URL にアクセスしてください。
http://www.agtech.co.jp/products/pervasive/psql/v9/index.html
クライアント/サーバー アーキテクチャのビジネスおよび技術上の利点の概要
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連絡先
株式会社 エージーテック
〒 101-0054
東京都千代田区神田錦町 1-21-1
昭栄神田橋ビル 3F
info@agtech.co.jp
http://www.agtech.co.jp
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