事 業 概 要 - 青森県の食肉検査所

平 成 23 年 度
事 業 概 要
平成24年7月
十和田食肉衛生検査所
〒034-0001 青森県十和田市大字三本木字野崎1-13
TEL 0176-22-1716
FAX 0176-22-5021
E-mail:TO-KENSA@pref.aomori.lg.jp
十和田食肉衛生検査所三戸支所
〒039-0134 青森県三戸郡三戸町大字同心町字同心町平54-7
TEL 0179-22-1145
FAX 0179-22-3908
E-mail:SA-KENSA@pref.aomori.lg.jp 田舎館食肉衛生検査所
〒038-1141 青森県南津軽郡田舎館村大字川部字富岡84-1
TEL 0172-58-4456
FAX 0172-58-4209
E-mail:INA-KENSA@pref.aomori.lg.jp
青森県の食肉衛生検査所ホームページ http://www.syokuniku.jp/
は
じ
め
に
昨年は、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故による食
品の放射性物質汚染や、飲食店チェーン店における生食用食肉による食中毒事
件等の発生により、消費者の食品の安全に対する関心が一段と高まり、これら
に対する対策、規制強化の取組みが行われるなど、食品安全行政の歴史に残る
大きな動きのあった年となりました。
一方、牛海綿状脳症(BSE)対策については、平成13年10月の対策開
始から十年が経過したこと等から、現在、国では最新の科学的知見に基づき、
国内検査体制、輸入条件といった対策全般について再評価を実施しており、我
国のBSE対策が一つの節目を向かえようとしています。
このような状況の中、食肉衛生検査所では、「青森県食品衛生監視指導計画」
に基づき、厳正なと畜検査による疾病の確実な排除はもとより、と畜場及び食
鳥処理場に対する監視指導、HACCP方式による衛生管理の推進、動物用医
薬品等の有害物質残留防止対策の実施等により安全で衛生的な食肉及び食鳥肉
の流通のために鋭意努力しています。また、TSE検査をはじめとする検査設
備の充実、業務管理の徹底による試験検査の信頼性の確保、調査研究事業の積
極的な推進による職員の知識、技術の研鑽、ホームページ等を活用した消費者
に対する食肉衛生に関する正確な情報発信、生産者に対すると畜検査成績還元
による生産段階における衛生対策の支援にも努めています。
今後も関係機関との連携強化を図り、より一層食肉の安全性確保に取り組み、
安全で安心できる青森県産食肉及び食鳥肉を提供していきたいと考えておりま
すので、関係各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。
ここに、平成23年度の事業概要を取りまとめましたので、御活用いただけ
れば幸いに存じます。
平成24年7月
十和田食肉衛生検査所
所長
木村 将人
田舎館食肉衛生検査所
所長
佐々木 肇
目
Ⅰ
次
総説
1
沿革・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2
所在地(案内図)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
3
組織及び職員の配置状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
4
食肉衛生検査所の設置及び行政組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
5
青森県事務委任規則・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
6
青森県事務専決代決規程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
7
各種手数料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
8
と畜場及び食鳥処理場の位置図・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
9
と畜場の概況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
10
食鳥処理場の概況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
Ⅱ
と畜検査関係
1
と畜検査業務の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
2
と畜場別開場日数(H21-H23年度)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
3
と畜検査頭数
(1) 検査頭数の推移(H14-H23年度)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
ア 全公所
イ 公所別
(2) 月別検査頭数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
ア 全公所
イ 公所別
(3) 産地別検査頭数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
4
と畜検査結果に基づく措置状況
(1) とさつ・解体禁止又は廃棄の疾病別頭数・・・・・・・・・・・・・・・19
(2) 疾病別一部廃棄件数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
5
精密検査実施状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
(1) 精密検査実施頭数及び検査結果に基づく全部廃棄頭数
(2) 残留抗菌性物質検査実施頭数
6
Ⅲ
1
伝達性海綿状脳症(TSE)検査実施状況・・・・・・・・・・・・・・・・・24
食鳥検査関係
大規模食鳥処理場・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
(1) 所管公所別検査羽数
(2) 指定検査機関による検査結果状況(参考)
2
認定小規模食鳥処理場・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
(1) 所管公所別確認羽数
(2) 確認結果状況
Ⅳ
衛生指導
1
立入調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
2
拭き取り検査等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
(1) 枝肉拭き取り検査
(2) 牛枝肉のGFAP残留量調査
(3) 食鳥肉に係る微生物汚染実態調査
(4) 大動物(馬)に係る微生物汚染実態調査
(5) 大動物カンピロバクター汚染実態調査
(6) 青森県食品衛生監視指導計画に基づく食肉衛生月間実施結果
3
平成23年度畜水産食品の残留有害物質モニタリング検査・・・・・・・・・30
4
衛生講習会実施状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30
Ⅴ
研修及び調査事業
1
平成23年度青森県食肉衛生技術研修会・・・・・・・・・・・・・・・・・31
2
調査研究事業
(1) 事業内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
ア
病理組織診断データベースの作成
イ
エキノコックス感染を疑う肝臓の調査について
ウ
牛白血病ウイルス(BLV)の感染状況及び遺伝子型別調査
エ
全身性に腫瘤を認めた馬の症例について
オ
一般畜(豚大貫、牛)の残留抗菌性物質に係るモニタリング調査
カ
鶏大腸菌症(皮膚型)に関する細菌学的及び病理組織学的検査
(2) 調査研究発表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
Ⅵ
ア
演題一覧
イ
抄録
と畜検査データ等の情報提供 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
Ⅰ
1
沿
総説
革
昭和57年3月25日
青森県行政機関設置条例の一部改正により、青森県食肉衛生検査所の設置が
定められた。
昭和57年4月1日
青森県行政機関設置条例及び青森県行政組織規則の一部改正により、県内を
所管する青森県食肉衛生検査所が設置され分掌事務が定められた。
内部組織は、総務課及び検査課の2課制が設けられ、また支所として田舎館
支所が置かれた。
昭和58年12月2日
青森県食肉衛生検査所庁舎竣工
(鉄筋コンクリート2階建、延床面積 430.76 ㎡)。
昭和60年4月1日
青森県行政機関設置条例の一部改正により、青森県食肉衛生検査所を廃止。
十和田食肉衛生検査所及び田舎館食肉衛生検査所が設置され、内部組織は、
総務課及び検査課の2課制となった。
昭和61年3月6日
田舎館食肉衛生検査所庁舎竣工(鉄筋コンクリート2階建、延床面積358.52
㎡)。
平成4年3月28日
十和田食肉衛生検査所新管理棟竣工(鉄筋コンクリート2階建、延床面積
1,027.32 ㎡)。十和田食肉衛生検査所旧庁舎を検査棟に全面改築。
平成4年4月1日
青森県行政組織規則の一部改正により、分掌事務の一部が改正され、また、
十和田食肉衛生検査所の内部組織は、総務課、と畜検査第一課、と畜検査第二
課並びに食鳥検査の開始に伴い食鳥検査課が増設され4課制となった。
十和田食肉衛生検査所管轄のむつ市及び三戸町に駐在職員が配置された。
平成5年4月1日
青森県行政組織規則の一部改正により、次長職が設置され、十和田食肉衛生
検査所の内部組織は、総務課、と畜検査第一課、と畜検査第二課、と畜検査第
三課、と畜検査第四課、食鳥検査課の6課制となった。
平成10年4月1日
青森県行政組織規則の一部改正により、十和田食肉衛生検査所三戸支所が設
置された。これに伴いと畜検査第四課と三戸町駐在制が廃止され、十和田食肉
衛生検査所の内部組織は、総務課、と畜検査第一課、と畜検査第二課、と畜検
査第三課、食鳥検査課の5課・1支所制となった。
三戸保健所旧庁舎を十和田食肉衛生検査所三戸支所庁舎に全面改築。
平成15年4月1日
食鳥検査業務の全部が(社)青森県獣医師会に委任された。これに伴い青森県
行政組織規則の一部改正がなされ、食鳥検査課、むつ市駐在制が廃止となり疾
病鑑定課が設置された。このことにより十和田食肉衛生検査所の内部組織は、
総務課、検査第一課、検査第二課、検査第三課、疾病鑑定課の5課・1支所制
となった。
平成17年4月1日
平成19年4月1日
副課長職が発令された。
青森県行政組織規則の一部改正により、田舎館食肉衛生検査所の内部組
織が廃止された。
-1-
2
所在地(案内図)
十和田食肉衛生検査所
青森県十和田市大字三本木字野崎1-13
Tel:0176-22-1716 Fax:0176-22-5021
(アクセス)
○東北新幹線
・七戸十和田駅下車
バスで 50 分(三本木営業所で乗換え)
バスで 5 分 (イオンスーパーセンター十和田店下車)
徒歩で 7 分
・八戸駅下車
バスで 60 分(青果市場前下車)
徒歩で 9 分
○青い森鉄道
・三沢駅下車
バスで25分(十和田市駅で乗換え)
バスで15分(青果市場前バス停下車)
十和田食肉衛生検査所三戸支所
青森県三戸郡三戸町大字同心町字同心町平54-7
Tel:0179-22-1145 Fax:0179-22-3908
(アクセス)
○青い森鉄道
・三戸駅下車
バスで 8 分(上同心町バス停下車)
田舎館食肉衛生検査所
青森県南津軽郡田舎館村大字川部字富岡84-1
Tel:0172-58-4456 Fax:0172-58-4209
(アクセス)
○JR奥羽本線
・川部駅下車 徒歩で 20 分
-2-
3
組織及び職員の配置状況
(1)
組織
青森県健康福祉部
保健衛生課
十和田食肉衛生検査所
総 務 課
検 査 第 一 課
検 査 第 二 課
検 査 第 三 課
疾 病 鑑 定 課
三 戸 支 所
田舎館食肉衛生検査所
(2)
職員の配置状況
技術職
職
所属
獣医師
所長
次長
検査第一課
検査第二課
検査第三課
疾病鑑定課
計
三戸支所
計
総括主幹
2
課長
1
主幹
10
主査
10
※3
1
主任専門員
技師
10
1
専門員※3
総括主幹
1 主査
主幹
2 技師
40
1
次長※2
主幹
3
主査
3
※3
1
主任専門員
技師
3
11
51
所長
主幹
主査
主任専門員※3
技師
田衛
舎生
館検
食査
肉所
1 主幹
3
1
1
1
7
と畜検査員 事務員 労務員 (所属別)
1
1
課長
主査
専門員※3
合計
正職員数
1
1
総務課
十
和
田
食
肉
衛
生
検
査
所
事務職
獣医師以外(※1)
(平成24年4月1日現在)
非常勤職員
職員総数
1
1
1
3
35
1
4
5
1
1
1
7
8
50
2
10
10
66
11
2
13
11
2
13
8
3
5
3
1 主査
1
4
48
7
1
59
7
1
12
79
9
2
1
1
13
1
1
9
2
1
1
13
6
4
68
9
2
13
92
H23年度
58
6
4
68
9
2
※1 化学、農芸化学、臨床検査技師
※2 支所長事務取扱
※3 再任用:主幹専門員(班長級)、主任専門員(主査級)、専門員(主事・技師級)
13
92
合計
職員総数
(職種別)
58
-3-
4
食肉衛生検査所の設置及び行政組織
(抜すい)
青森県地域県民局及び行政機関設置条例 (昭和三十六年一月五日青森県条例第十三号)
(趣旨)
第一条 この条例は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十五条第一項及び第二
項並びに第百五十六条第一項及び第二項の規定に基づき、地域県民局及び知事の事務部局に
属する同条第一項の行政機関の設置、名称、位置及び所管区域等について定めるものとする。
(食肉衛生検査所)
第五条 食用に供するために行う獣畜の処理及び食鳥の処理に係る検査その他の食肉衛生に関
する事務を分掌させるため、食肉衛生検査所を設置する。
2 食肉衛生検査所の名称、位置及び所管区域は、次のとおりとする。
名称
位置
所管区域
十和田食肉衛生検査所
十和田市
八戸市、十和田市、三沢市、むつ市、
上北郡、下北郡、三戸郡
弘前市、黒石市、五所川原市、つがる市、
田舎館食肉衛生検査所
南津軽郡田舎館村
平川市、東津軽郡、 西津軽郡、中津軽郡、
南津軽郡、北津軽郡
(1)
(2) 青森県行政組織規則 (昭和三十六年二月一日青森県規則第十八号)(抜すい)
第三章、第二節、第三款 健康福祉部の出先機関の名称及び所掌事務等
第三目 食肉衛生検査所(第五十八条―第六十条)
(所掌事務)
第五十八条 食肉衛生検査所は、食用に供するために行う獣畜の処理及び食鳥の処理に係る検
査その他の食肉衛生に関する事務を所掌する。
(名称、位置及び所管区域)
第五十九条 食肉衛生検査所の名称、位置及び所管区域は、行政機関条例の定めるところによ
り、次のとおりである。
名称
位置
所管区域
十和田食肉衛生検査所
十和田市
八戸市、十和田市、三沢市、むつ市、
上北郡、下北郡、三戸郡
弘前市、黒石市、五所川原市、つがる市、
田舎館食肉衛生検査所
南津軽郡田舎館村
平川市、東津軽郡、 西津軽郡、中津軽郡、
南津軽郡、北津軽郡
(支所)
第六十条 十和田食肉衛生検査所に支所を置き、その名称、位置及び担当区域は、次のとおり
とする。
名称
位置
担当区域
十和田食肉衛生検査所
三戸郡三戸町
三戸町、田子町
三戸支所
2
支所の分掌事務は、次のとおりとする。
一 食用に供するために行う獣畜のとさつ及び解体の検査に関すること。
二 食鳥検査に関すること。
三 食肉に係る精密検査に関すること。
四 その他食肉衛生の確保に関すること。
-4-
5
青森県事務委任規則
(昭和三十六年九月一日青森県規則第八十一号)(抜すい)
(食肉衛生検査所長への委任)
第六条 食肉衛生検査所の長に、次に掲げる事務を処理する権限を委任する。
一 と畜場法(昭和二十八年法律第百十四号)の施行に関する次のこと。
イ 第十三条第一項第一号の規定による自家用とさつの届出の受理及び同条第三項の規定に
よる取扱方法又は処理方法の指示に関すること。
ロ 第十四条の規定による獣畜のとさつ又は解体の検査に関すること。
ハ 第十六条の規定によるとさつ又は解体の禁止等の措置に関すること。
ニ イからハまで及びホ並びに第二号に係る第十七条第一項の規定による報告の徴収に関す
ること。
ホ 第十八条第一項の規定によると畜場の施設の使用の制限又は停止の命令及び同条第二項
の規定によるとさつ若しくは解体の業務の停止の命令又はとさつ若しくは解体の禁止に関
すること。
二 と畜場法施行令(昭和二十八年政令第二百十六号)の施行に関する次のこと。
イ 第四条第二号の規定によると畜場以外の場所において行う獣畜のとさつの許可に関する
こと。
ロ 第五条第一項第一号から第三号までの規定による持出しの許可に関すること。
三 食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律(平成二年法律第七十号)の施行に関する
次のこと。
イ 第十五条第一項の規定による食鳥の生体検査に関すること。
ロ 第十五条第二項及び第五項の規定による脱羽後検査に関すること。
ハ 第十五条第三項の規定による内臓摘出後検査に関すること。
ニ 第十五条第七項の規定による脱羽後検査及び内臓摘出後検査の方法の簡略化に関するこ
と。
ホ 第十七条第一項第四号の規定による届出の受理に関すること。
ヘ 第二十条の規定によるとさつ、羽毛の除去又は内臓の摘出の禁止の措置に関すること。
ト イからヘまでに係る第三十七条第一項の規定による報告の徴収に関すること。
四 食品衛生法の施行に関する次のこと(と畜場及び食鳥処理場における同法の施行に関する
ものに限る。)。
イ 第二十八条第一項の規定による営業者等からの報告の徴収に関すること。
ロ 第二十八条第四項の規定による収去した食品等の試験に関する事務の委託に関するこ
と。
ハ 第五十四条の規定による必要な処置命令に関すること。
6
青森県事務専決代決規程
(昭和三十六年九月一日青森県訓令甲第二十八号)(抜すい)
(出先機関の長等の専決事項)
第五条
5 別表第五の職の欄に掲げる職にある職員は、事務委任規則の規定により出先機関の長に委任
された事務のうち、同表の専決事項の欄に掲げる事務をそれぞれ専決する。(別表第五抜すい)
職
専決事項
十和田食肉衛生検査所三戸支所
一 事務委任規則第六条第一号に掲げる事務
の支所長
(同号ホ及び同ホに係る同号ニに掲げるものを除く。)
二 事務委任規則第六条第二号に掲げる事務
三 事務委任規則第六条第三号に掲げる事務
四 事務委任規則第六条第四号に掲げる事務
-5-
7
各種手数料
(1)
と畜検査手数料
(一頭につき)
獣畜の種類
金
額
牛
1,200円
生後1年未満
馬
400円
1,200円
生後1年未満
めん羊
や ぎ
300円
豚
400円
600円
青森県と畜場設置許可申請手数料等徴収条例
(平成十二年三月二十四日
(2)
青森県条例第十号)
食鳥検査手数料
一羽につき 3円
青森県食鳥処理事業許可申請手数料等の徴収等に関する条例
(平成十二年三月二十四日
(3)
証明事務手数料
交付を受けようとする証明書一部につき
青森県条例第十一号)
750円
青森県証明事務手数料徴収条例
(昭和三十六年一月五日
-6-
青森県条例第十一号)
-7-
大鰐シャモロックファーム
田舎館食肉衛生検査所
(有)アイトク販売東北
十和田食肉衛生検査所三戸支所
(有)石澤産業
青森シャモロック食鳥処理場
日本フードパッカー(株)青森工場
農事組合法人銀の鴨
(株)三戸食肉センター
(株)阿部繁孝商店五戸工場
十和田食肉センター
(株)ヤマショウフーズ東北事業部
(株)阿部繁孝商店田子工場
(株)青森畜産公社
津軽食肉センター
三沢市食肉処理センター
プライフーズ(株)第一ブロイラーカンパニー細谷工場
十和田食肉衛生検査所
日本ホワイトファーム(株)東北食品工場
各公所所管施設
認定小規模食鳥処理場
大規模食鳥処理場
と畜場
8 と畜場及び食鳥処理場の位置図
-8-
処理方法
所管公所からの距離
汚水処理
施設
小動物
処理能力
(m3/日)
最高処理頭数/日
30km
活性汚泥法
1,380
1,300
平成8年10月1日
設置許可年月日
大動物
財団法人三沢畜産公社
管理者
設置者
三沢市
0km
活性汚泥法
1,500
21km
活性汚泥法
2,250
1,500
50
100
1,200
平成8年4月1日
日本フードパッカー(株)
日本フードパッカー(株)
〒039-2206
上北郡おいらせ町松原二丁目132-1
TEL:0178-52-3181
FAX:0178-52-6855
日本フードパッカー(株)
青森工場
19
昭和39年9月20日
十和田地区食肉処理事務組合
十和田地区食肉処理事務組合
〒034-0001
十和田市大字三本木字野崎1
TEL:0176-23-7321
FAX:0176-23-7324
〒033-0022
三沢市大字三沢字淋代平116-3101
TEL:0176-59-3567
FAX:0176-59-2865
所在地
電話番号
ファックス番号
十和田食肉センター
三沢市食肉処理センター
と畜場の名称
18
10
本所
と畜場番号
所管公所名
十和田食肉衛生検査所
4km(本所から42km)
活性汚泥法
915
650
66
平成6年3月17日
(株)三戸食肉センター
(株)三戸食肉センター
〒039-0122
三戸郡三戸町大字斗内
字中堤6-2, 23-1
TEL:0179-25-2211
FAX:0179-25-2213
(株)三戸食肉センター
16
三戸支所
0km
活性汚泥法
700
520
20
昭和52年11月14日
(株)青森畜産公社
(株)青森畜産公社
〒038-1141
南津軽郡田舎館村大字川部
字富岡84-1
TEL:0172-58-4652
FAX:0172-58-4664
(株)青森畜産公社
津軽食肉センター
6
田舎館食肉
衛生検査所
9 と畜場の概況
〒039-1527
三戸郡五戸町大字扇田
字家の向17-1
TEL:0178-67-2201
FAX:0176-67-2203
〒039-4101
上北郡横浜町
字林尻102-100
TEL:0175-78-3934
FAX:0175-78-3960
日本ホワイトファーム(株)
平成6年6月15日
鶏(ブロイラー)
73km
所在地
電話番号
ファックス番号
食鳥処理業者
許可年月日
-9-
処理する
食鳥の種類
所管公所から
の距離
23km
鶏(ブロイラー)
平成4年3月27日
(株)阿部繁孝商店
(株)阿部繁孝商店
五戸工場
02-03
日本ホワイトファーム(株)
東北食品工場
02-01
処理場の名称
処理場番号
所管公所名
30km
鶏(ブロイラー)
平成4年3月27日
プライフーズ(株)第一ブロイラーカンパニー
〒033-0022
三沢市大字三沢字淋代平116
TEL:0176-59-2050
FAX:0176-59-2018
プライフーズ(株)第一ブロイラーカンパニー
細谷工場
02-05
本所
02-07
45km
鶏(成鶏)
平成5年3月26日
(有)石澤産業
〒039-1201
三戸郡階上町大字道仏
字笹畑53
TEL:0178-88-4048
FAX:0178-88-4048
(有)石澤産業
十和田食肉衛生検査所
0.3km
鶏(成鶏)
平成17年3月8日
(株)ヤマショウフーズ
〒034-0001
十和田市大字三本木
字野崎1
TEL:0176-22-1921
FAX:0176-22-1942
(株)ヤマショウフーズ
東北事業部
02-08
8km(本所から46km)
鶏(ブロイラー)
平成4年3月27日
(株)阿部繁孝商店
〒039-0201
三戸郡田子町大字田子
字舞手10
TEL:0179-32-3151
FAX:0179-32-3153
(株)阿部繁孝商店
田子工場
02-02
三戸支所
10 食鳥処理場の概況
(1) 大規模食鳥処理場
平成4年4月9日
平成4年4月9日
鶏、あひる(合鴨)
36km
処理する
食鳥の種類
所管公所から
の距離
(有)アイトク販売東北
食鳥処理業者
許可年月日
認定年月日
〒039-2202
上北郡おいらせ町字向平1-216
TEL:0178-53-2404
FAX:0176-53-2455
〒039-0105
三戸郡南部町大字沖田面字下小路19
TEL:0179-34-2773
FAX:0179-34-2775
所在地
電話番号
ファックス番号
-1022km
あひる(フランス鴨)
平成5年3月11日
平成5年3月11日
農事組合法人銀の鴨
農事組合法人銀の鴨
02-005
(有)アイトク販売東北
02-002
十和田食肉衛生検査所
処理場の名称
処理場番号
所管公所名
15km
鶏
平成17年12月5日
平成17年12月5日
27km
鶏
平成17年10月3日
平成17年10月3日
(有)大鰐振興
〒038-0222
南津軽郡大鰐町大字早瀬野
字小金沢204-1
TEL:0172-47-9520
FAX:0172-47-9520
〒039-1512
三戸郡五戸町字西の沢6-1
TEL:0178-61-1511
FAX:0178-61-1512
(有)青森県農産物生産組合
大鰐シャモロックファーム
02-010
青森シャモロック食鳥処理場
02-011
田舎館食肉
衛生検査所
(2) 認定小規模食鳥処理場
Ⅱ
1
と畜検査関係
と畜検査業務の概要
(1)
と畜検査頭数
平成23年度のと畜検査頭数は、計1,055,861頭で前年度に比べ58,110頭増加(対前年比1
05.8%)した。
畜種別では、牛29,716頭(対前年度194頭増)、とく144頭(対前年度70頭減)、馬1,229
頭(対前年度42頭減)、豚1,024,717頭(対前年度58,048頭増)、めん羊47頭(対前年度13
頭減)、山羊8頭(対前年度7頭減)であった。
(2)
と畜検査の結果に基づく措置
ア
全部廃棄
全部廃棄頭数は、計992頭(牛209頭、とく7頭、馬4頭、豚772頭)で、主な疾病は、
敗血症、豚丹毒、膿毒症、炎症又は炎性産物による汚染等であった。
イ
一部廃棄
一部廃棄実頭数は、計432,384頭(牛12,826頭、とく105頭、馬343頭、豚419,104頭)
であり、疾病としては、すべての畜種に共通して、炎症又は炎性産物による汚染が最も
多かった。
(3)
精密検査
計1,015頭(微生物学的検査(368頭)、理化学的検査(56頭)、病理学的検査(56頭)、
残留抗菌性物質検査(535頭))について検査を実施し、検査の結果、286頭を全部廃棄処
分とした。
検査項目の内訳は、牛では、残留抗菌性物質が最も多く、次いで尿毒症、白血病、豚で
は、豚丹毒が最も多く、次いで敗血症、残留抗菌性物質であった。
(4)
伝達性海綿状脳症(TSE)検査
平成13年9月の牛海綿状脳症(BSE)の国内発生を受け、同年10月18日以降、県内と畜場
に搬入されるすべての牛(とくを含む)、さらに、平成17年10月1日からは生後12ヶ月齢
以上のめん羊・山羊を対象とし、ELISA法によるスクリーニング検査を実施している。
平成23年度の検査頭数は、計29,915頭(牛29,716頭、とく144頭、めん羊及び山羊55頭)
であり、結果は、すべて陰性であった。
(5)
各種証明書発行
申請者の要望に応じて、検査に関する各種証明書を発行している。
(6)
研究材料等の採材協力
研究機関等から材料採取の依頼があった際には随時協力している。
-11-
2 と畜場別開場日数(H21-H23年度)
と畜場名
十和田食肉センター
日本フードパッカー(株)青森工場
三沢市食肉処理センター
(株)三戸食肉センター
(株)青森畜産公社
津軽食肉センター
247
土曜
1
臨時開場日数
日曜
0
祝祭日
4
22
244
0
0
3
0
21
244
0
0
3
1
23
256
9
1
7
0
22
243
10
0
2
0
21
249
6
0
5
0
23
249
4
0
7
0
22
245
4
0
3
0
21
246
1
0
5
0
23
244
3
0
4
0
22
244
4
0
2
0
21
246
1
0
5
0
23
242
0
0
1
0
22
241
0
0
0
0
21
243
0
0
2
0
馬
豚
めん羊
山羊
年度
年間開場日数
23
時間外
開場日数
0
3 と畜検査頭数
(1) 検査頭数の推移(H14-H23年度)
ア 全公所
畜種
年度
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
牛
19,038
21,463
24,044
25,191
25,835
27,591
28,463
29,888
29,522
29,716
とく
37
73
106
155
178
180
187
275
214
144
1,424
1,441
1,395
1,446
1,429
1,268
1,266
1,252
1,271
1,229
[2]
[1]
[1]
[1]
[2]
[2]
[1]
※ [ ]内は、1歳未満の馬のと畜検査頭数再掲
※ とく:1歳未満の牛
-12-
874,799
916,933
934,229
921,842
919,087
927,922
945,215
962,990
966,669
1,024,717
30
41
48
34
26
26
37
42
60
47
合 計
5
4
6
6
5
3
8
15
15
8
895,333
939,955
959,828
948,674
946,560
956,990
975,176
994,462
997,751
1,055,861
[2]
[1]
[1]
[1]
[2]
[2]
[1]
【年度別検査頭数の推移】
(全畜種)
1,100
1,050
検査頭数
(×1,000)
1,000
950
900
850
800
750
700
650
600
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
年度
19
20
21
22
23
年度
19
20
21
22
23
(牛)
35,000
30,000
検査頭数
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
14
15
16
17
18
(豚)
1,050,000
1,000,000
950,000
検査頭数
900,000
850,000
800,000
750,000
700,000
650,000
600,000
14
15
16
17
18
-13-
年度
イ 公所別
(ア) 十和田食肉衛生検査所
畜種
牛
とく
馬
豚
めん羊
山羊
合 計
年度
14
12,843
20
749 [2]
706,175
12
2
719,801 [2]
15
14,878
57
750
732,603
11
3
748,302
16
16,061
53
666
752,628
18
6
769,432
17
16,413
71
662
745,508
15
6
762,675
18
17,298
93
591
740,169
11
4
758,166
19
17,851
71
516 [1]
752,390
24
2
770,854 [1]
20
18,685
111
507
771,668
34
7
791,012
21
19,466
259
491 [2]
781,427
39
13
801,695 [2]
22
18,944
193
510 [1]
785,258
55
15
804,975 [1]
23
19,799
132
478 [1]
838,850
42
8
859,309 [1]
(イ) 十和田食肉衛生検査所三戸支所
畜種
牛
とく
馬
豚
めん羊
山羊
合 計
年度
14
5,067
1
0
130,069
0
0
135,137
15
6,290
3
0
147,252
0
0
153,545
16
7,855
8
0
146,705
0
0
154,568
17
8,638
58
0
142,942
0
0
151,638
18
8,420
81
0
145,261
0
0
153,762
19
9,660
104
0
141,494
0
0
151,258
20
9,710
66
0
138,462
0
0
148,238
21
10,339
10
0
146,922
0
0
157,271
22
10,497
10
0
148,605
0
0
159,112
23
9,848
8
0
149,041
0
0
158,897
(ウ) 田舎館食肉衛生検査所
畜種
牛
とく
馬
豚
めん羊
山羊
合 計
年度
14
1,128
16
675
38,555
18
3
40,395
15
295
13
691 [1]
37,078
30
1
38,108 [1]
16
128
45
729 [1]
34,896
30
0
35,828 [1]
17
140
26
784
33,392
19
0
34,361
18
117
4
838
33,657
15
1
34,632
19
80
5
752
34,038
2
1
34,878
20
68
10
759
35,085
3
1
35,926
21
83
6
761
34,641
3
2
35,496
22
81
11
761 [1]
32,806
5
0
33,664 [1]
23
69
4
751
36,826
5
0
37,655
-14-
【畜種別各公所の検査頭数割合】
全畜種
81.4
牛
15.0
66.8
33.0
38.9
馬
3.6
0.2
61.1
豚
81.9
14.5
89.4
めん羊
山羊
3.6
10.6
100
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
※「牛」は「とく」を含む。
十和田食肉衛生検査所
十和田食肉衛生検査所
三戸支所
田舎館食肉衛生検査所
(2) 月別と畜検査頭数
ア 全公所
畜種
月
牛
とく
馬
豚
めん羊
山羊
合 計
4
2,703
12
111
87,054
0
0
89,880
5
2,576
22
73
79,831
2
1
82,505
6
2,626
13
76
84,399
0
0
87,114
7
2,387
12
81
82,492
4
1
84,977
8
2,164
8
141
82,803
2
1
85,119
9
2,435
5
83
86,117
1
0
88,641
10
2,512
13
102
87,612
2
0
90,241
11
2,534
19
103 [1]
90,016
5
0
92,677 [1]
12
2,424
10
187
92,097
12
2
94,732
1
2,413
9
80
84,915
11
1
87,429
2
2,410
8
94
82,508
4
0
85,024
3
2,532
13
98
84,873
4
2
87,522
合計
29,716
144
1,229 [1] 1,024,717
47
8
1,055,861 [1]
-15-
イ 公所別
(ア) 十和田食肉衛生検査所
畜種
牛
とく
月
4
1,824
12
5
1,669
21
6
1,793
12
7
1,588
10
8
1,511
6
9
1,667
5
10
1,695
13
11
1,678
19
12
1,571
7
1
1,563
8
2
1,573
7
3
1,667
12
合計
19,799
132
馬
46
33
30
30
47
32
40
45 [1]
66
32
39
38
478 [1]
(イ) 十和田食肉衛生検査所三戸支所
畜種
牛
とく
馬
月
4
871
0
0
5
902
1
0
6
831
1
0
7
794
2
0
8
650
2
0
9
765
0
0
10
805
0
0
11
852
0
0
12
844
0
0
1
848
1
0
2
832
1
0
3
854
0
0
合計
9,848
8
0
(ウ) 田舎館食肉衛生検査所
畜種
牛
とく
月
4
8
5
5
6
2
7
5
8
3
9
3
10
12
11
4
12
9
1
2
2
5
3
11
合計
69
馬
0
0
0
0
0
0
0
0
3
0
0
1
4
65
40
46
51
94
51
62
58
121
48
55
60
751
豚
71,610
65,292
69,518
68,069
67,856
70,283
71,503
73,841
75,765
69,172
66,628
69,313
838,850
豚
12,546
11,626
11,963
11,682
11,930
12,655
12,718
12,774
13,370
12,479
12,727
12,571
149,041
豚
2,898
2,913
2,918
2,741
3,017
3,179
3,391
3,401
2,962
3,264
3,153
2,989
36,826
-16-
めん羊
山羊
0
2
0
4
2
1
2
5
10
10
4
2
42
めん羊
0
1
0
1
1
0
0
0
2
1
0
2
8
山羊
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
めん羊
0
0
0
0
0
0
0
0
2
1
0
2
5
合 計
73,492
67,018
71,353
69,702
69,423
71,988
73,253
75,588 [1]
77,421
70,786
68,251
71,034
859,309 [1]
合 計
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
山羊
13,417
12,529
12,795
12,478
12,582
13,420
13,523
13,626
14,214
13,328
13,560
13,425
158,897
合 計
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2,971
2,958
2,966
2,797
3,114
3,233
3,465
3,463
3,097
3,315
3,213
3,063
37,655
-17-
合計
県外産合計
北海道
岩手県
秋田県
宮城県
山形県
福島県
茨城県
栃木県
石川県
宮崎県
鹿児島県
県内産合計
青森市
弘前市
八戸市
黒石市
五所川原市
十和田市
三沢市
むつ市
つがる市
平川市
平内町
今別町
外ヶ浜町
鰺ヶ沢町
深浦町
藤崎町
大鰐町
鶴田町
中泊町
野辺地町
七戸町
六戸町
横浜町
東北町
おいらせ町
六ヶ所村
大間町
東通村
佐井村
三戸町
五戸町
田子町
南部町
階上町
新郷村
産地名
公所名
畜種名
1,055,861
336,175
18,766
260,172
55,030
1,109
196
400
169
324
1
6
2
719,686
1,831
14,762
70,172
2
481
160,520
126,021
6,064
33,966
459
47
37
439
956
34
1,452
37
10,434
5
2,841
7,281
74,935
115,050
13,459
15,806
4,279
13
120
1
35,481
1,461
2,062
3,440
14,738
1,000
合計
(各産地別)
全畜種
29,860
6,996
1,881
3,391
219
407
196
400
169
324
1
6
2
22,864
5
29
4,064
344
355
2,014
1,416
1,307
13
116
1
410
480
71
671
253
980
201
6
651
2
37
5,127
361
195
3,222
421
47
14
3
14
34
合計
(各産地別)
19,931
2,217
1
1
1
49
156
727
1,247
33
2
17,714
199
298
11
537
8
413
22
3,062
336
271
1,676
1,063
1,148
2
87
1
28
6
4,483
60
103
3,114
400
47
4
193
2
140
十和田食肉
衛生検査所
9,856
4,774
5
1
1,150
2,144
185
405
196
351
13
324
5,082
3
7
1,001
8
84
338
353
159
11
28
1
211
182
60
134
245
567
2
6
2
6
1
511
1
23
644
301
85
101
7
十和田食肉
衛生検査所
三戸支所
牛
(とくを含む)
73
5
1
4
68
1
1
2
4
1
13
4
7
7
14
1
8
2
3
田舎館食肉
衛生検査所
1,229
550
510
34
6
478
131
92
34
5
347
4
4
679
15
32
3
7
3
60
13
93
3
2
77
16
6
2
15
32
4
7
3
60
13
93
3
2
317
78
16
6
2
751
419
1
418
332
1
317
1
1
11
12
田舎館食肉
衛生検査所
12
十和田食肉
衛生検査所
12
合計
(各産地別)
馬
(生後1歳未満を含む)
1,024,717
328,628
16,375
256,747
54,804
702
696,089
35,056
949
1,991
2,769
14,458
16
2,805
3,212
74,529
114,682
11,352
14,386
2,967
1,452
37
10,434
23
436
942
127
155,303
125,644
5,863
30,738
38
1,618
14,755
69,507
合計
(各産地別)
838,850
174,116
16,375
110,662
47,077
2
664,734
2,566
11,612
35,056
2,805
3,212
74,523
114,682
11,352
14,386
2,967
3,677
933
152,564
125,644
5,824
30,710
2,937
69,284
十和田食肉
衛生検査所
豚
149,041
140,074
136,039
3,335
700
8,967
949
1,991
203
2,846
16
2,739
223
十和田食肉
衛生検査所
三戸支所
36,826
14,438
10,046
4,392
22,388
6
1,452
37
6,757
23
436
9
39
28
38
127
1,618
11,818
田舎館食肉
衛生検査所
47
0
47
27
3
2
4
8
1
2
合計
(各産地別)
42
0
42
27
3
2
8
2
十和田食肉
衛生検査所
めん羊
5
0
5
4
1
田舎館食肉
衛生検査所
8
1
1
8
1
1
7
1
1
7
2
4
十和田食肉
衛生検査所
2
4
合計
(各産地別)
山羊
0
0
0
田舎館食肉
衛生検査所
(3) 産地別検査頭数
-18-
全畜種
68.2
31.8
産地名
十和田食肉
衛生検査所
三戸支所
・・・他県産
岩手県(6.3%)
東北町(6.7%)
六戸町(7.1%)
七戸町(15.4%)
東北町(8.4%)
岩手県(11.4%)
横浜町(10.9%) つがる市(10.8%)
三沢市(11.9%)
十和田市(15.2%)
新郷村(5.8%)
馬
72.6
27.4
五所川原市(11.0%)
鰺ヶ沢町(17.8%)
平川市(19.2%)
つがる市(9.6%)
六戸町(4.9%)
十和田市(6.3%)
東北町(7.6%)
豚
79.2
20.8
馬
八戸市 十和田市
青森市(1.6%)
五所川原市(42.2%)
岩手県(7.1%)
秋田県(0.1%)
六戸町(12.6%) 東通村 (0.1%)
十和田市(16.1%)
北海道(19.2%)
田舎館食肉
衛生検査所
三戸支所
豚
全公所
牛
93.2
6.8
十和田食肉
衛生検査所
豚
豚
60.8
39.2
十和田食肉
衛生検査所
三戸支所
田舎館食肉衛生検査所
馬
44.2
55.8
田舎館食肉
衛生検査所
六戸町(7.3%)
横浜町(11.2%)
三沢市(12.3%)
十和田市(15.2%)
六戸町(8.9%)
田子町(1.3%)
岩手県(13.2%) 十和田市(1.8%)
横浜町(13.7%) 階上町(1.9%)
三沢市(15.0%) 秋田県(2.2%)
青森市(4.4%)
秋田県(11.9%)
鶴田町(18.3%)
岩手県(27.3%)
岩手県(25.1%) 十和田市(18.2%) 岩手県(91.3%) 弘前市(32.1%)
6.0
94.0
北海道(55.7%)
牛
51.6
48.4
東北町(19.5%)
十和田食肉
衛生検査所
県外産
五所川原市(25.8%)
北海道(41.5%)
全公所
県内産
十和田食肉衛生検査所
田舎館食肉
衛生検査所
牛
88.9
11.1
十和田市(6.5%) むつ市(9.6%)
七戸町(10.2%)
北海道(11.7%)
十和田食肉
衛生検査所
七戸町(13.6%) つがる市(15.6%)
全公所
岩手県(21.8%)
全公所
公所名
牛(とくを含む)
豚
67.9
32.1
岩手県(24.6%) 十和田市(17.2%) 十和田市(22.5%)
全畜種
畜種名
全公所
馬
55.2
44.8
※「牛」は「とく」を含む。
牛
76.6
23.4
【上位産地名(牛・馬・豚)】
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
【公所別県内産及び県外産検査頭数割合】
分
種
-19-
772
0
禁止
一部廃棄 432,384
992
1
一部廃棄
計 全部廃棄
0
0
5
0
0
山
全部廃棄
羊
禁止
禁止
め
ん 全部廃棄
羊 一部廃棄
一部廃棄 419,104
豚 全部廃棄
0
343
一部廃棄
禁止
4
馬 全部廃棄
0
105
一部廃棄
禁止
7
と
全部廃棄
く
0
12,826
一部廃棄
禁止
209
0
牛 全部廃棄
禁止
区
畜
計
(
処
分
実
頭
数
)
そ
炭
85
85
毒
丹
豚
細
病
ラ
ネ
モ
ル
サ
病
核
結
菌
病
ラ
セ
ル
ブ
風
傷
破
4
4
病
菌
線
放
病
1
1
他
の
そ
ラ
レ
コ
豚
他
の
そ
ウイルス・
リケッチア病
ト
キ
ソ
プ
ラ
ズ
マ
病
他
の
そ
原虫病
病
虫
う
の
10
51,971
130
他
の
そ
13 52,111
13
病
マ
ト
ス
ジ
寄 生 虫 病
17
症
血
敗
143 483
140 466
3
症
毒
膿
そ
22
1
2
19
症
毒
尿
26
腫
水
他
2
3
1
28
17 696
68
15 581
58
2
2 111
8
疸
黄
の
疾 病 別 頭 数
5
6
3
3
2
2
1
瘍
腫
症
諸
毒
中
の
209
467,043
400,831 10,908 2,458
0
1
5
992
1
40
116
1
4
453,038
386
4
112
7
13,501
計
(
延
べ
頭
数
)
388,301 10,297 1,870
2
4
1
582
28
他
の
そ
772
9
4
597
変
性
ま
た
は
萎
縮
病
11
6
242
2
103
2
12,180
106
炎産
症物
まに
たよ
はる
炎汚
症染
疾
4 と畜検査結果に基づく措置状況
(1) とさつ・解体禁止又は廃棄の疾病別頭数
(2) 疾病別一部廃棄件数
器官区分
疾病名
関節炎
筋炎
筋肉水腫
筋肉膿瘍
筋肉変性
運動器系
骨折
骨膿瘍
頭部筋炎
頭部膿瘍
放線菌病
運動器系廃棄合計
肺炎
胸膜炎
胸膜肺炎
呼吸器系
肺膿瘍
横隔膜炎
横隔膜膿瘍
間質性肺気腫
呼吸器系廃棄合計
心外膜炎
心筋炎
循環器系
心筋変性
脾炎
循環器系廃棄合計
のう虫病
舌炎
胃炎(単胃)
第1~4胃炎
第1胃炎
第2胃炎
第3胃炎
第4胃炎
馬蝿幼虫症
小腸炎
大腸炎
大・小腸炎
腹膜炎
出血性大腸炎
PIA症候群
腸気泡症
非定型抗酸菌症
鞭虫症
腸寄生虫
消化器系
脂肪壊死(胃)
脂肪壊死(1胃)
牛
とく
44
1,133
206
98
27
37
9
3
1
4
1,562
983
2,086
3
13
3
3
1
1
畜種名
馬
1
59
3
1
1
2
廃棄総数
(疾病別)
豚
2,430
6,952
603
9,926
998
462
1,346
103
328
めん羊
山羊
23,148
101,743
110,011
18,406
8,159
0
0
1
1
2
25
25
22
70
67
6
105
1,024
584
347
5,129
976
120
73
9
1,178
5
19
5
4
6
76
24
7
2
83
4
13
4
2
23
238,319
74,946
3,039
0
0
77,985
0
0
24
1
1
29
272
83,885
1,685
41
590
287
944
81
592
139
2,387
481
33
2
1
68
16
9
124
4
19
18
32
31
4
1
-20-
15
3
62,865
66,818
462
16,361
284
6,339
7
2,478
8,157
815
10,028
1,027
502
1,355
108
331
4
24,805
102,818
112,125
18,406
8,273
1,049
589
347
243,607
75,950
3,179
79
11
79,219
0
298
83,914
1,766
41
590
289
945
19
625
174
65,351
67,319
462
16,361
284
6,339
7
10
124
4
消化器系
器官区分
疾病名
脂肪壊死(2胃)
脂肪壊死(3胃)
脂肪壊死(4胃)
脂肪壊死(腸)
脂肪壊死(小腸)
脂肪壊死(大腸)
肝炎
間質性肝炎
肝硬変
肝膿瘍
肝変性
肝包膜炎
肝非定型抗酸菌症
富脈斑
鋸屑肝
肝砂粒症
肝蛭
胆管炎
消化器系廃棄合計
子宮炎
腎炎
腎奇形
泌尿器結石(腎臓)
泌尿・生殖器系
泌尿器結石(尿道)
泌尿器結石(膀胱)
膀胱炎
脂肪壊死(腎)
泌尿・生殖器系廃棄合計
その他の寄生虫病
その他の原虫病
その他疾病
その他の疾病
腫瘍
その他疾病廃棄合計
廃棄総数
(畜種別)
牛
畜種名
馬
豚
とく
4
5
31
222
3
48
2,545
21
43
8
2,918
208
942
1
14
2
17
4
5
8
廃棄総数
めん羊
(疾病別)
山羊
18
7
1
4,503
1
2
15
15
31
1
1
1
2
5
3
8
0
0
4
5
31
222
3
48
70,055
52,007
464
3,056
9,106
69,423
18
540
433
112
13
367
450,829
397
2,887
1,451
8
2
3
38
107
4,893
2
0
22
18
42
23,851
379
496
778,663
5
1
803,395
540
432
13
362
15,588
21
174
18
8
2
2
32
106
363
1
67,446
52,007
455
116
8,891
68,456
18
3
1
3
1
1
112
2
226
3
311
17
1
6
1
-21-
434,700
376
2,689
1,432
1
1
5
0
【畜種別廃棄等の処分率】
全畜種 0.1
58.9
41.0
牛 0.7
43.0
馬 0.3
56.3
71.8
27.9
豚 0.1
59.0
40.9
めん羊
10.6
山羊
12.5
0%
89.4
87.5
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
※「牛」は「とく」を含む。
全部廃棄
一部廃棄
廃棄なし
【一部廃棄上位疾病名(牛・馬・豚)】
牛(とくを含む)
肝膿瘍(12.1%)
肝炎(10.6%)
大・小腸炎(10.1%)
胸膜炎(8.6%)
第1~4胃炎(7.3%)
畜種名
疾病名
馬
肝砂粒症(22.6%)
肺炎(13.5%)
筋炎(11.9%)
肝炎(8.7%)
大腸炎(6.4%)
豚
胸膜炎(14.1%)
肺炎(13.1%)
胃炎(10.8%)
心外膜炎(9.6%)
肝包膜炎(8.8%)
【器官別一部廃棄の割合】
全畜種 3.1
6.5
牛
馬
21.5
14.1
豚 3.0
0%
9.9
30.3
5.0
16.7
10%
20%
1.6
0.1
1.4
62.7
10.0
30%
0.005
65.3
4.6
30.6
0.6
56.1
40%
0.4
0.6
55.8
50%
60%
70%
0.001
80%
90%
※「牛」は「とく」を含む。
運動器系
呼吸器系
循環器系
消化器系
-22-
泌尿・生殖器系
その他
100%
5 精密検査実施状況
(1) 精密検査実施頭数及び検査結果に基づく全部廃棄頭数
牛
畜種
とく
馬
合 計
(疾病別)
豚
頭
数
検査項目
検査頭数 全部廃棄 検査頭数 全部廃棄 検査頭数 全部廃棄 検査頭数 全部廃棄 検査頭数 全部廃棄
敗血症
21
17
0
0
2
0
164
107
187
124
膿毒症
3
3
0
0
0
0
2
2
5
5
176
85
176
85
豚丹毒
尿毒症
34
16
2
2
0
0
2
1
38
19
黄 疸
11
6
2
2
0
0
5
3
18
11
白血病
30
28
1
1
0
0
15
11
46
39
腫 瘍
7
1
0
0
1
1
2
1
10
3
106
71
5
5
3
1
366
210
480
286
合 計
(畜種別)
(2)
残留抗菌性物質検査実施頭数
畜
種
検査頭数
陽性頭数
(※)
部位別残留頭数
腎臓
基準値を超えた
抗菌性物質の名称
筋肉
牛
307
0
0
0
とく
133
0
0
0
馬
14
0
0
0
豚
81
0
0
0
山羊・羊
0
0
0
0
535
0
0
0
合
計
※ 基準値を超えた頭数
-23-
6 伝達性海綿状脳症(TSE)検査実施状況
(1) TSEスクリーニング検査結果
検査頭数
畜種
陰性
牛
と
十和田食肉 十和田食肉衛生 田舎館食肉
衛生検査所 検査所三戸支所 衛生検査所
陽性
29,716
0
19,799
9,848
69
144
0
132
8
4
49
0
44
0
5
29,909
0
19,975
9,856
78
く
めん羊・山羊
合 計
公所別検査頭数内訳
(2) TSEスクリーニング検査実施頭数の推移
35,000
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
15
16
17
18
19
20
21
22
23
年度
TSE検査頭数 21,536 24,150 25,370 26,044 27,800 28,680 30,202 29,787 29,909
(3) 月齢別牛海綿状脳症(BSE)スクリーニング検査実施状況
月齢
20ヶ月齢以下
30ヶ月齢以上
15.8%
【4,723頭】
20ヶ月齢以下
検査頭数
29,860頭
26.8%
57.4%
【17,137頭】
21ヶ月齢以上30ヶ月齢未満
30ヶ月齢以上
【8,000頭】
-24-
Ⅲ 食鳥検査関係
1 大規模食鳥処理場
食鳥検査については、平成15年4月1日から指定検査機関である(社)青森県獣医師会に検査業務を委任し
ている。
(社)青森県獣医師会
所在地:青森県青森市松原二丁目8番2号 TEL:017-722-5989 FAX:017-722-6010
(社)青森県獣医師会食鳥検査センター
所在地:青森県八戸市根城六丁目22番22号 TEL:0178-24-3762 FAX:0178-24-3772
(1) 所管公所別検査羽数
所
管
公
所
名
ブロイラー
成 鶏
合 計
十 和 田 食 肉 衛 生 検 査 所
32,095,113
5,090,227
37,185,340
十和田食肉衛生検査所三戸支所
10,673,851
0
10,673,851
田 舎 館 食 肉 衛 生 検 査 所
0
0
0
平
成
23
年
度
合
計
42,768,964
5,090,227
47,859,191
平
成
22
年
度
合
計
42,621,891
5,788,651
48,410,542
平
成
21
年
度
合
計
42,211,558
5,576,870
47,788,428
【年度別食鳥検査羽数の推移】
50,000
検査羽数
(×1,000)
40,000
30,000
20,000
10,000
0
H14
H15
H16
H17
合計
H18
H19
H20
ブロイラー
H21
H22
H23
成鶏
(2) 指定検査機関による検査結果状況(参考)
(社)青森県獣医師会食鳥検査センター平成23年度食鳥検査年報より
項目
食
鳥
処
処
理
禁
の
種
検査機関
羽
止
類
数
ブロイラー
42,768,964
477,971
成鶏
5,090,227
13,079
分
内
訳
全
一
部
部
廃
廃
棄
棄
902,439 1,851,055
(社)青森県獣医師会
食鳥検査センター
-25-
68,358
33,208
年度
2 認定小規模食鳥処理場
(1) 所管公所別確認羽数
公所名
年度
十和田食肉
衛生検査所
田舎館食肉
衛生検査所
合
計
23
年
度
180,650
15,033
195,683
22
年
度
235,055
15,264
250,319
21
年
度
259,305
11,516
270,821
(2) 確認結果状況
項目
法19条に基づく措置状況
食
処
鳥
理
の
羽
基
準
適
合
食
鳥
基
準
不
適
合
食
鳥
羽 数
羽 数
食鳥とたいの体表の状況または食鳥中抜き
生体の状況
とたい(内臓、体壁、内側面)の状況による
による措置
措置
種
所管公所名
類
田舎館食肉
衛生検査所
とさつ禁
止・廃棄等
とたいの異 一つの臓器
内臓全部
全部廃棄等 常部分廃棄 のみの廃棄
廃棄等
等
等
157,618
156,886
732
0
732
0
0
0
あひる
3,530
3,530
0
0
0
0
0
0
鶏(シャモロック)
19,502
17,941
1,561
268
862
431
0
0
鶏(シャモロック)
15,033
14,411
622
0
97
518
5
2
鶏(成鶏)
十和田食肉
衛生検査所
数
-26-
Ⅳ
衛生指導
衛生的で安全な食肉・食鳥肉を供給するためには、と畜場等の衛生管理が重要であること
から、これらの施設に対して監視指導、拭き取り検査を実施し、衛生対策を推進している。
1
立入調査
平 成 23年 度 青 森 県 食 品 衛 生 監 視 指 導 計 画 に 基 づ き 、 と 畜 場 及 び 食 鳥 処 理 場 に 対 す る 立
入調査を行った。
【立入調査回数】
公所名
と畜場
食鳥処理場
十和田食肉衛生検査所
16
27
十和田食肉衛生検査所三戸支所
8
4
田舎館食肉衛生検査所
5
合
2
認定小規模食鳥処理場
計
11
5
29
31
16
拭き取り検査等
と畜場又は食鳥処理場における自主衛生管理状況の検証及び衛生管理の向上を図るた
め、各種拭き取り検査等を実施し、その結果及び評価を事業者に還元するとともに衛生
講習会等で活用した。
な お 、以 下 に お け る 検 体 数 と は 、検 査 実 頭 数 で は な く 各 検 査 に 供 し た 検 体 の 数 で あ る 。
(1)
枝肉拭き取り検査(厚生労働省報告)
拭き取り箇所
検査項目及び検体数
畜種
枝肉
(胸部・臀部)
公所名
一般細菌数
豚
施設・器具等
合
計
大腸菌数
160
160
160
480
十和田食肉衛生検査所三戸支所
80
80
80
240
田舎館食肉衛生検査所
14
14
14
42
十和田食肉衛生検査所
273
273
273
819
十和田食肉衛生検査所三戸支所
80
80
80
240
田舎館食肉衛生検査所
40
40
40
120
十和田食肉衛生検査所
62
62
62
186
709
709
709
2,127
十和田食肉衛生検査所
牛
大腸菌群数
合
計
-27-
(2)
牛枝肉のGFAP残留量調査(厚生労働省報告)
公所名
検体数
十和田食肉衛生検査所
十和田食肉衛生検査所三戸支所
80
田舎館食肉衛生検査所
32
合
(3)
160
計
272
食鳥肉に係る微生物汚染実態調査
検査項目及び検体数
拭き取り
公所名
箇所
一般細菌数 大腸菌群数
大腸菌数
サルモネラ属菌
カンピロバクター
合
計
属菌
と体
施設・器具等
(4)
十和田食肉衛生検査所
60
60
60
60
60
300
十和田食肉衛生検査所三戸支所
20
20
20
20
20
100
田舎館食肉衛生検査所
5
5
5
十和田食肉衛生検査所
10
10
10
10
10
50
合
95
95
95
90
90
465
計
15
大動物(馬)に係る微生物汚染実態調査(田舎館食肉衛生検査所)
検査頭数
拭き取り箇所 検査項目
16
3
検体数×
検査項目数
3
144
※拭き取り箇所:胸部、臀部、前肢
※検査項目:一般細菌数、大腸菌群数、大腸菌数
(5)
大動物カンピロバクター汚染実態調査(田舎館食肉衛生検査所)
拭き取り箇所
畜種
胸部
臀部
採取又は切り取り箇所
肝臓
盲腸
胆汁
合計
肝臓
牛
2
2
2
2
2
0
10
馬
3
3
3
4
0
1
14
合計
5
5
5
6
2
1
24
*検査項目:カンピロバクター属菌
-28-
(6)
平 成 23年 度 青 森 県 食 品 衛 生 監 視 指 導 計 画 に 基 づ く 食 肉 衛 生 月 間 実 施 結 果
ア と畜場
拭き取り
箇所
検査項目及び検体数
公所名
畜種
一般細菌数
大腸菌
大腸菌数
群数
枝肉※
牛
豚
設備・器具等
カンピロバクター
合
計
属菌
十和田食肉衛生検査所
20
20
20
10
70
十和田食肉衛生検査所三戸支所
10
10
10
5
35
田舎館食肉衛生検査所
2
2
2
十和田食肉衛生検査所
94
94
94
15
297
十和田食肉衛生検査所三戸支所
10
10
10
5
35
田舎館食肉衛生検査所
20
20
20
60
十和田食肉衛生検査所
52
52
52
156
208
208
208
合
計
6
35
659
※ 一 般 細 菌 数 、 大 腸 菌 群 数 、 大 腸 菌 数 は 臀 部 及 び 胸 部 、 カンピロバクター属 菌 は 腹 腔 内 壁
イ 食鳥処理場
検査項目及び検体数
拭き取り箇所
公所名
一般細菌数
大腸菌
大腸菌数
群数
と体 及 び 食 鳥 肉
30
5
5
5
十和田食肉衛生検査所
合
計
5
-29-
5
合 計
属菌
十和田食肉衛生検査所
田舎館食肉衛生検査所
設備・器具等
カンピロバクター
5
30
15
31
31
61
76
3
平 成 23年 度 畜 水 産 食 品 の 残 留 有 害 物 質 モ ニ タ リ ン グ 検 査
厚生労働省による畜水産食品の残留有害物質対策の一環として、健康畜(県内産)に
ついて抗菌性物質検査を実施したが、結果はすべて陰性であった。
検査項目
牛頭数
豚頭数
鶏羽数
検 査 総 数 (頭 数 (羽 数 )×
検査項目数×検査部位)
抗 生 物 質 ※1
26
35
29
270
合 成 抗 菌 剤 ※2
26
35
29
2,050
合 計( 実 頭 数 )
26
35
29
2,320
※1
簡易検査法により実施
※2
検 査 項 目 : スルファメラジン( 牛 ,豚 )、 トリメトプリム、 スルファジミジン、 オルメトプリム( 豚 ,鶏 )、
チアンフェニコール( 鶏 )、 スルファモノメトキシン、 ピリメタミン( 豚 ,鶏 )、
スルファジメトキシン、 スルファキノキサリン( 牛 ,鶏 )、 オキソリン酸
4
※3
検査部位:抗生物質及び合成抗菌剤とも筋肉、腎臓、肝臓
※4
畜種により検査部位及び検査項目は異なる。
衛生講習会実施状況
と畜場又は食鳥処理場における自主衛生管理の推進及び衛生意識の向上を図るため、
事業者及び従事者に対し、衛生講習会を実施した。
実施回数及び受講者数
公所名
と畜場
食鳥処理場
十和田食肉衛生検査所
5回
( 94名 )
3回
( 17名 )
十和田食肉衛生検査所三戸支所
2回
( 56名 )
1回
( 18名 )
田舎館食肉衛生検査所
2回
( 34名 )
1回
(
9回
(184名 )
5回
( 40名 )
合
計
-30-
5名 )
Ⅴ
研修及び調査研究事業
と畜検査員及び精密検査担当職員の資質の向上を図るため、本県食肉衛生検査所主催に
よる研修会の開催や各種学会及び研修への職員の積極的参加、派遣に努めている。
また、検査及び衛生指導業務に係る新たな知見の習得、検査技術等の向上に資するため、
積極的に調査研究に取り組み、学会や各種研修会で発表を行っている。
1
平成 23 年度青森県食肉衛生技術研修会
:平成 23 年 11 月 23 日
(1)
開催日
(2)
開催場所:十和田食肉衛生検査所
(3)
研修内容
ア
会議室
食の安全とリスク管理
講師:北里大学獣医学部獣医学科
人獣共通感染症学研究室
イ
教授
吉川
泰弘
氏
馬肉生食習慣がもたらした新たな寄生虫性食中毒
講師:埼玉県食肉衛生検査センター
精密検査担当部長
2
斉藤
守弘
氏
調査研究事業
(1)
事業内容
ア
病理組織診断データベースの作成(平成 23 年度実績)
牛
(とくを含む)
(頭数)
全部廃棄
(検 体 数 )
部分廃棄
*(
馬
豚
めん羊・山羊
合計
29
0
12
0
41
腫瘍
1
1
1
0
3
その他
3
0
0
0
3
循環器系
1
3
2
0
6
消化器系
5
1(1)
13(9)
1(1)
20(11)
呼吸器系
1
0
0
0
1
泌尿器系
0
0
1
0
1
運動器系
0
0
2
0
2
その他
7
0
5
0
12
白血病
)内は、エキノコックスを疑う肝臓の検体数
-31-
イ
エキノコックス感染を疑う肝臓の調査について
当所では、平成 17 年度~平成 20 年度までの 4 年間、管内と畜場に搬入された豚
の肝臓病変を指標としたエキノコックスの浸淫調査を実施し、その代表的な症例を
病理カラーアトラスとして取りまとめた。
今年度、エキノコックスを疑った肝臓 11 検体(豚 9 検体、馬 1 検体、山羊 1 検
体)について調査した結果、馬 1 検体で陽性(PCR陽性、クチクラ層は確認でき
ず)であった。
ウ
牛白血病ウイルス(BLV)の感染状況及び遺伝子型別調査
と畜場に搬入される牛の BLV 感染状況を調査するために、平成 22 年 5 月から 6
月 に 当 所 管 内 と 畜 場 に 搬 入 さ れ た 牛 416 頭 に つ い て 血 液 か ら 遺 伝 子 を 抽 出 し 、
Nested PCR による BLV 感染状況を調査した。また、感染状況調査で PCR 陽性であ
った血液に加えて、平成 21 年 4 月から平成 23 年 6 月にと畜場に搬入されて地方病
性牛白血病と診断され、PCR 陽性であった牛の血液及び腫瘍組織 60 頭分を検体と
し、制限酵素 Bcl Ⅰ、Hae Ⅲ、Pvu Ⅱを使用し、PCR ‐制限酵素断片長多型(RFLP)
解析を行い遺伝子型 1 ~ 6 型に分類した。検査した 416 頭中、BLV 感染牛は 52 頭
(12.5%)であり、18 ヶ月齢から感染が確認された。BLV 遺伝子型別調査では、112
頭中 3 型が 67 頭(59.8%)と最も多かった。県内では、1 型と 3 型が報告されてい
たが今回新たに 2 型と 5 型が確認された。
エ
全身性に腫瘤を認めた馬の症例について
平成 22 年 12 月 24 日、当所管内と畜場に搬入された馬(軽種、雌、144 ヶ月齢、
病歴及び投薬歴なし)に認めた頸部、腎門部及び骨盤腔の黒色腫瘤並びに左肺の乳
白色腫瘤について 10%中性緩衝ホルマリンで固定後、ヘマトキシリン・エオジン染
色を行った。前者については、フォンタナ・マッソン染色、過マンガン酸カリウム
・シュウ酸漂白法も行い、悪性黒色腫と診断した。後者については PAS、LFB(Luxol
Fast Blue)染色、一次抗体として抗 S-100・ウサギポリクローナル抗体を用いた免
疫組織化学染色を行い顆粒細胞腫と診断した。
平成 18 年~ 22 年度の馬のと畜検査頭数 2,615 頭のうち悪性黒色腫と診断された
のは 10 頭(0.38%)であり、平成 16 年~ 22 年度の馬のと畜検査頭数 3,943 頭のう
ち顆 粒細胞腫と 診断された のは 3 頭(0.08%)であった 。本症例は、 非常に稀な 症
例であった。
オ
一般畜(豚大貫、牛)の残留抗菌性物質に係るモニタリング調査
一般畜(豚大貫、牛)における残留抗菌性物質の残留状況を把握するため、管
内と畜場に搬入された一般畜 1,013 頭を対象に腎臓を検体として簡易検査法(直接
法)によるモニタリング調査を実施した。調査の結果、3 検体が陽性となったこと
から、分別推定法等を実施したところ、ペニシリン系薬剤が検出され、1 検体の腎
臓において基準値を超過したが、その他については基準値以下であった。
-32-
カ
鶏大腸菌症(皮膚型)に関する細菌学的及び病理組織学的検査
鶏における大腸菌症(皮膚型)について、原因である大腸菌の感染範囲、炎症の
広がり及びこれの詳細な病理組織所見を確認するため、44検体(羽)について微
生物学的検査を、また、47検体(羽)について病理学的検査を実施した。
その結果、微生物学的検査によって大腸菌の感染範囲は病変部に限局しているこ
とが、また、病理学的検査によって病変部が組織内にびまん性に浸潤している蜂窩
織炎と、病変部が結合組織により分隔された被包化膿瘍の双方の病態が確認された。
この結果から、食鳥検査においては皮下病変の組織浸潤の状態について、切開等
による詳細な確認を行った上で判定する必要があるとの見解が得られた。
(2)
調査研究発表
ア
演題一覧
No
1
2
3
4
演題名
発表学会等名称
牛 白 血 病 ウ イル ス ( BLV) の 感 染状
平成 23 年度全国食肉衛生検査所協議会
況及び遺伝子型調査
第 21 回北海道・東北ブロック大会
全身性に腫瘤を認めた馬の症例につ
平成 23 年度全国食肉衛生検査所協議会
いて
第 21 回北海道・東北ブロック大会
飼料性テトラサイクリン系抗生物質
平成 23 年度全国食肉衛生検査所協議会
の残留を疑う獣畜の検査について
第 21 回北海道・東北ブロック大会
カンピロバクター汚染調査に基づい
平成 23 年度全国食肉衛生検査所協議会
た FARM TO TABLE における食肉衛
第 21 回北海道・東北ブロック大会
生検査所の役割における一考察
5
2011 年度青森県保健医療福祉研究発表会
と畜検査における豚丹毒診断のため
の PCR 導入について
*発表公所は、全て十和田食肉衛生検査所
イ
抄録
別紙参照
-33-
牛 白 血 病 ウ イ ル ス ( BLV) の 感 染 状 況 お よ び 遺 伝 子 型 別 調 査
青森県十和田食肉衛生検査所
○佐藤郷子、仲佐友身、東海林彰
村田伸、山崎由紀、平戸祐司
田中成子、小山田博也、木村将人
はじめに
牛 白 血 病 は BLV 感 染 に 起 因 す る 地 方 病 性 牛 白 血 病 ( EBL) と 、 散 発 型 牛 白 血 病 に 分
類 さ れ 、家 畜 伝 染 病 予 防 法 に 基 づ く 届 出 伝 染 病 に 指 定 さ れ て い る 。発 生 の 大 部 分 は EBL
で あ り 、 BLV 感 染 後 多 く は 無 症 状 キ ャ リ ア ー ( 健 康 感 染 牛 ) と な り 、 持 続 性 リ ン パ 球
増 多 症 ( PL) を 引 き 起 こ す も の 、 突 然 発 症 す る も の 、 PL 後 発 症 す る も の が あ る 。
EBL の 発 生 は 全 国 的 に も 、 ま た 、 本 県 の と 畜 検 査 に お い て も 増 加 し て お り 、 牛 白 血
病と認めた場合はと畜場法に基づき全部廃棄処分となるため生産者の経済的 損失も大
きい。
今 回 と 畜 場 に 搬 入 さ れ た 牛 を 対 象 に 、 BLV の 感 染 状 況 を 把 握 す る た め 血 液 か ら 遺 伝
子 を 抽 出 し 、 PCR に よ り BLV 感 染 状 況 を 調 査 す る と と も に 、 PCR 陽 性 牛 及 び 当 所 で
過 去 に EBL と 診 断 さ れ た 牛 の 遺 伝 子 型 を 調 査 し 、 若 干 の 知 見 を 得 た の で 報 告 す る 。
材料及び方法
1
BLV 感 染 状 況 調 査
平 成 22 年 5 月 か ら 6 月 に 当 所 管 内 と 畜 場 に 搬 入 さ れ た 牛 416 頭 に つ い て 血 液 を 採 取
し 、DNeasy Blood& Tissue Kit(QIAGEN) を 用 い て 全 血 か ら DNA の 抽 出 を 行 っ た 。抽
出 し た DNA は env 遺 伝 子 gp51 領 域 を 標 的 と し た プ ラ イ マ ー を 用 い 、 Nested PCR に
よ り BLV 遺 伝 子 の 検 出 を 行 っ た 。
2
BLV 遺 伝 子 型 別 調 査
BLV 感 染 状 況 調 査 で PCR 陽 性 で あ っ た 牛 の 血 液 を 未 発 症 牛 検 体 と し た 。さ ら に 平 成
21 年 4 月 か ら 平 成 23 年 6 月 に と 畜 場 に 搬 入 さ れ て EBL と 診 断 さ れ 、PCR 陽 性 で あ っ
た 牛 の 血 液 及 び 腫 瘍 組 織 60 頭 分 を 発 症 牛 検 体 と し た 。 こ れ ら に つ い て Licursi ら の 方
法 [1]を も と に 制 限 酵 素 Bcl Ⅰ 、 Hae Ⅲ 、 Pvu Ⅱ を 使 用 し 、 PCR-制 限 酵 素 断 片 長 多 型
( RFLP) 解 析 を 行 い 遺 伝 子 型 1 型 か ら 6 型 に 分 類 し た 。
-34-
成
績
表1 BLV感染状況調査結果
H
10~24 ~36
ヶ月 ヶ月
~48
ヶ月
~60
ヶ月
~72
ヶ月
18/222 0/5
1/11
0/4
1/10
B
0/0
16/64
0/0
0/0
0/0
F1
2/9
3/49
0/0
0/0
0/0
その他
1/5
3/13
0/2
0/0
0/0
21/236 22/131 1/13
8.9% 16.8% 7.7%
0/4
0%
合計
BLV 感 染 状 況 調 査 で は 検 査 し た
~84 84ヶ月
合計
ヶ月
<
24/267
3/6
1/9
9.0%
19/70
0/0
3/6
27.1%
5/58
0/0
0/0
8.6%
4/21
0/0
0/1
19.0%
1/10 3/6 4/16 52/416
10.0% 50.0% 33.3% 12.5%
H : ホルスタイン種、B : 黒毛和種、F1 : 交雑種
416 頭 中 、 BLV 感 染 牛 は 52 頭 (
12.5%)で あ り 、18 ヶ 月 齡 か ら 感 染
が確認された。品種別では黒毛和
種 が 19/70(27.1%)と 高 い 割 合 で あ
っ た 。 (表 1)
BLV 遺 伝 子 型 別 調 査 で は 、 検 査
し た 112 頭 中 3 型 が 67 頭 (59.8%)
と最も多かった。また、その中で
は特に黒毛和種が多い傾向にあり、
同じく 1 型ではホルスタイン種が
多い傾向にあった。これまで県内
表2 BLV遺伝子型別調査結果
遺伝子型
H
未 B
発
F1
症
牛 その他
小計
H
発 B
症 F1
牛 その他
小計
合計
1型
17
3
4
1
25
12
3
2
2型
0
0
112
用牛の飼養地域は重複しており、
H : ホルスタイン種、B : 黒毛和種、F1 : 交雑種
また遺伝子型 1 型と 3 型の分布も
1
4
26
5
35
4型
0
5型
1
6型
で 報 告 さ れ て い た BLV 遺 伝 子 型 は
合計
24/52 46.2%
19/52 36.5%
4/52
7.7%
5/52
9.6.%
52/112 46.4%
17/60 28.3%
39/60 65.0%
3/60
5.0%
1/60
1.7%
60/112 53.6%
0
3型
6
16
1
0
1
1
17
1
41
42/112 1/112 67/112
37.5% 0.9% 59.8%
0
0
1
2/112
1.8%
1 型 と 3 型 で あ っ た が 、今 回 新 た に
2 型 と 5 型 が 確 認 さ れ た 。な お 、同
一個体で 2 つ以上の遺伝子型を持
つ も の は 確 認 さ れ な か っ た 。(表 2)
県内の乳用牛、肉用牛の飼養状
況と遺伝子型 1 型と 3 型の分布状
況を比較したところ、乳用牛と肉
重複していた。
BLV 遺 伝 子 型 別 調 査 を 実 施 し た 112 頭 87 農 場 の う ち 、同 一 農 家 で 異 な る 遺 伝 子 型 が
確認されたのは 3 農場で、1 型と 3 型が 2 農場、1 型と 2 型が 1 農場であった。
発 症 牛 60 頭 に お け る 品 種 別 の 比 較 で は 黒 毛 和 種 が 39/60 (65%)と 高 い 割 合 を 占 め 、
遺伝子型 3 型が多い傾向にあった。
考
察
牛 白 血 病 は 、平 成 10 年 に 届 出 伝 染 病 に 指 定 さ れ て 以 降 、全 国 で 届 出 数 は 増 加 し て お
り 当 所 に お い て も 同 様 の 傾 向 に あ る 。EBL の 好 発 年 齢 は 4-8 歳 で あ る と い わ れ て お り 、
今 回 の 調 査 で 検 体 と し た 発 症 牛 の 平 均 も 88 ヶ 月 齡 (7 歳 4 ヶ 月 齢 )で あ っ た が 、 中 に は
-35-
17 ヶ 月 齡 で 発 症 し て い る 牛 も 見 ら れ た 。 感 染 状 況 調 査 の 結 果 、 最 も 早 い も の で 18 ヶ
月齡で感染が確認され、若齡からの感染拡大がうかがわれた。農場では若齡感染した
健康牛であっても感染源となりうるため、注意が必要と思われる。
ま た 、今 回 の BLV 感 染 状 況 調 査 で の 感 染 率 は 12.5%で あ っ た が 、 調 査 対 象 の 8 割 以
上 が 36 ヶ 月 齡 以 下 で あ っ た た め 、今 後 高 齢 牛 に つ い て も 調 査 を 進 め れ ば 感 染 率 は よ り
高いものとなることが推察される。
BLV の 遺 伝 子 型 に つ い て 、2005 年 の Asfaw ら の 報 告 [2]で は 青 森 県 内 の BLV 遺 伝 子
型 は 25 検 体 全 て が 3 型 で あ り 、2009 年 岡 本 ら の 報 告 [3]で は 41 検 体 中 40 検 体 が 3 型
で 1 検 体 が 1 型 で あ っ た 。 今 回 の 調 査 で は 112 検 体 中 42 検 体 が 1 型 、 1 検 体 が 2 型 、
67 検 体 が 3 型 、 2 検 体 が 5 型 で あ り 、 国 内 で は 1 型 、 3 型 、 5 型 が 多 い と い う 報 告 [2]
と一致していたものの、同一農家で異なる遺伝子型が認められた事は、由来の異なる
BLV 遺 伝 子 が 浸 潤 し て い る こ と を 意 味 し て お り 、 県 内 に お い て 様 々 な 遺 伝 子 型 に よ る
BLV 感 染 が 年 々 多 岐 に わ た っ て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 こ れ は 牛 が 出 生 後 移 動 を 繰
り返すことや遺伝子型 1 型が多いホルスタイン種と遺伝子型 3 型が多い黒毛和種の飼
養地域が重複していることが一因ではないかと思われる。
今回の調査において、感染牛の遺伝子型ごとの発症状況を比較すると遺伝子型 3 型
では 6 割程が発症しており遺伝子型 1 型に比べて発症割合が多い傾向が見られた。遺
伝 子 型 3 型 に 感 染 し て い た も の は 黒 毛 和 種 が 多 く 、 EBL は ホ ル ス タ イ ン 種 に 比 べ 黒 毛
和種で発症しやすいことが推察される。
今後さらに今回の遺伝子型分布をもとに農場間の調査を行い関連を調べ、それぞれ
の 地 域 の 特 徴 に 即 し た BLV 感 染 対 策 を 確 立 す る た め 、 家 畜 保 健 衛 生 所 と 情 報 共 有 、 連
携を密にしていきたい。
引用文献
〔 1〕 Licursi M, Inoshima Y, Wu D: Genetic heterogeneity among bovine leukemia
virus genotypes and its relation to humoral responses in hosts, Virus
Research, 86, 101-110 (2002)
〔 2〕 Asfaw Y, Tsuduku S, Konishi M: Distribution and superinfection of bovine
leukemia virus genotypes in Japan, Archives of Viology, 150, 493 -505 (2005)
〔 3〕 岡 本 清 虎 、角 田 裕 美:黒 毛 和 種 若 齡 牛 で 発 生 し た 地 方 病 性 牛 白 血 病 と 県 内 の BLV
遺 伝 子 型 別 調 査 , 平 成 21 年 度 青 森 県 家 畜 保 健 衛 生 所 業 績 発 表 会 本 文 原 稿 ,
55-59 (2009)
-36-
全身性に腫瘤を認めた馬の症例について
青森県十和田食肉衛生検査所
○平戸祐司、村田伸、仲佐友身、
東海林彰、小山田博也、木村将人
はじめに
悪性黒色腫はメラニン色素を産生するメラノサイト由来の腫瘍で、犬で最も高頻度に発
生 し 、馬 、牛 及 び 豚 に も 比 較 的 よ く 見 ら れ る 腫 瘍 で あ る [1]。馬 で は 芦 毛 の 老 齢 馬 の 会 陰 部 、
生 殖 器 部 、 四 肢 遠 位 の 皮 膚 に 好 発 す る [2]。
馬の顆粒細胞腫は肺原発性腫瘍であり、肉眼所見では片側の肺気管支に沿って様々な大
き さ の 乳 白 色 腫 瘤 が 形 成 さ れ る が 、 他 の 臓 器 に は 転 移 を 認 め な い 特 徴 を 持 つ [3]。
今 回 、悪 性 黒 色 腫 と 顆 粒 細 胞 腫 を 併 発 し た 馬 の 1 症 例 に つ い て 組 織 所 見 等 を 得 た の で 報
告する。
材料および方法
当 所 管 内 の と 畜 場 に 平 成 22 年 12 月 24 日 、一 般 畜 と し て 搬 入 さ れ た 馬( 軽 種 、雌 、144
ヶ 月 齢 、病 歴 及 び 投 薬 歴 な し )の 黒 色 腫 瘤( 頚 部 、腎 門 部 、骨 盤 腔 )、左 肺 乳 白 色 腫 瘤 、心
臓 及 び 肝 臓 を 切 り 出 し 部 位 と し て 10% 中 性 緩 衝 ホ ル マ リ ン で 固 定 後 、パ ラ フ ィ ン 包 埋 、薄
切 し 、ヘ マ ト キ シ リ ン・エ オ ジ ン( HE)染 色 を 施 し 鏡 検 し た 。一 部 の 切 片 に つ い て は フ ォ
ン タ ナ・マ ッ ソ ン 染 色 、過 マ ン ガ ン 酸 カ リ ウ ム・シ ュ ウ 酸 漂 白 法 、PAS、LFB( Luxol Fast
Blue)染 色 を 実 施 し た 。ま た 、免 疫 組 織 化 学 染 色 で は DAB+ 基 質 キ ッ ト( DAKO)を 使 用
し 、 一 次 抗 体 と し て 抗 S100・ ウ サ ギ ポ リ ク ロ ー ナ ル 抗 体 ( DAKO) を 用 い た 。
成
績
(1)生体検査所見
著変は認めなかった。
(2)解体後検査所見
-37-
頚部に大豆大~鶏卵大で硬結感のある黒色腫瘤を多数認めた。腫瘤は周囲との境界が比
較的明瞭で、割面は充実性で黒色を呈し、触れると墨汁様の色素の付着を認めた。また胸
腔、腹腔及び骨盤腔内にも大豆大~さくらんぼ大 の黒色腫瘤が散在し、横隔膜にも同様の
腫瘤を認めた。
また、左肺後葉に不規則に膨隆する部位を認め、触診で硬結感を認めたことから切開し
たところ、硝子軟骨に沿って存在する ピンポン玉大で硬結感があり周囲との境界が明瞭な
乳白色腫瘤を1個認めた。割面は充実性で均質な乳白色であった。
心臓、肝臓などその他臓器等において は、肉眼的に著変を認めなかった。
(3)病理組織所見
頚部黒色腫瘤では、腫瘍細胞がび慢性に増殖しており、シート状、渦状に配列している
部位も見られた。また、僅かながら正常組織が島状に残存していた。腫瘍細胞は 、円形~
紡錘形と変化に富んでおり、細胞質内は顆粒状の茶褐色色素で満たされ核の確認は容易で
はなかった。腎門部及び骨盤腔内腫瘤の腫瘍細胞の形態や配列は、頚部黒色腫瘤と同様で
あったが、心臓及び肝臓では腫瘍細胞を認めなかった。フォンタナ・マッソン染色で腫瘍
細胞の細胞質内顆粒は黒色を呈し、過マンガン酸カリウム・シュウ酸漂白法 により漂白さ
れたことから、茶褐色色素はメラニン色素であることが確認された。以上の結果から全身
に散在する黒色腫瘤を悪性黒色腫と診断した。
左肺後葉の乳白色腫瘤では細胞質内に好酸性顆粒を有する円形~多 形の腫瘍細胞が充実
性に増殖しており、若干の線維性基質や血管の発達を認めた。腫瘍細胞の核は小型卵円形
~ヘマトキシリンに濃染した多形と様々で、一部で扁平状など不整を認めたが異型性は低
く 核 分 裂 像 は 認 め な か っ た 。腫 瘍 細 胞 の 細 胞 質 内 顆 粒 は PAS( ジ ア ス タ ー ゼ 消 化 試 験 で 抵
抗 性 ) 及 び LFB 染 色 で 陽 性 を 示 し た 。 ま た 、 免 疫 組 織 化 学 染 色 で 抗 S100・ ウ サ ギ ポ リ ク
ローナル抗体に陽性を示した。以上の結果から左肺後葉の乳白色腫瘤を顆粒細胞腫と診断
した。
(4)行政処分
全部廃棄(全身性の腫瘍)と措置した。
考
察
当 所 に お け る 過 去 5 年 間 ( 平 成 18~ 22 年 度 ) の 馬 の と 畜 検 査 頭 数 2,615 頭 の う ち 、 悪
性 黒 色 腫 と 診 断 さ れ 全 身 性 の 腫 瘍 に よ り 全 部 廃 棄 と 措 置 さ れ た の は 10 頭 ( 0.38% ) で 、
平 均 月 齢 は 115 ヶ 月 齢 、す べ て 性 別 は 雌 、毛 色 は 芦 毛 で あ っ た 。芦 毛 の 馬 に 悪 性 黒 色 腫 の
発 症 率 が 高 い こ と は 経 験 的 に 知 ら れ て い た が 、 Gerli ら が 統 計 遺 伝 学 的 手 法 と 分 子 遺 伝 学
-38-
的 な 手 法 に よ り 、 芦 毛 と 黒 色 腫 の 発 症 は 遺 伝 的 に 連 鎖 関 係 に あ る こ と を 明 ら か に し た [4]。
と畜検査において腫瘍が全身に転移しているか確認するために良性と悪性 を鑑別するこ
とは非常に重要である。良性黒色腫は表皮及び内臓の包膜などに黒色斑として多く認めら
れ、組織所見では円形または多角形の腫瘍細胞はメラニン色素含量が多いものの周囲への
浸潤像を示さない。一方、悪性黒色腫の組織所見では、メラニン色素を含む大小不同の腫
瘍細胞が円形、楕円形、多角形と様々で、配列も不規則に組織間に浸潤するなど多様であ
る [1]。ま た 、メ ラ ニ ン 含 量 も 様 々 で 、悪 性 黒 色 腫 で あ り な が ら ほ と ん ど メ ラ ニ ン を 含 ま な
い 無 メ ラ ニ ン 色 素 性 黒 色 腫 で は メ ラ ニ ン の 前 駆 物 質 を 利 用 し た DOPA 反 応 が 陽 性 と な る
[1,5,6]。
馬 の 顆 粒 細 胞 腫 は 、 平 成 16~ 22 年 度 の 当 所 管 内 と 畜 検 査 頭 数 3,943 頭 の う ち 、 本 症 例
を 含 め 3 頭 ( 0.08% ) で あ り 非 常 に 稀 な 腫 瘍 で あ る 。 顆 粒 細 胞 腫 は 、 人 、 馬 、 犬 、 猫 及 び
ラットなどで報告があり、人では舌などに、犬では口腔に、猫では扁桃、舌などに、ラッ
トでは頭蓋内の発生が報告されているのに対し、馬では肺原発性腫瘍であり症例の大半は
雌 で 平 均 年 齢 は 13 歳 と 報 告 さ れ て い る 。 肉 眼 所 見 は 、 一 方 の 肺 の 気 管 支 に 沿 っ て 乳 白 色
腫瘤を形成するが付属リンパ節を含め他の臓器へ転移を認めない。組織所見では腫瘍細胞
が シ ー ト 状 に 配 列 し 細 胞 質 に き め の 粗 い PAS( ジ ア ス タ ー ゼ 抵 抗 性 ) 及 び LFB 染 色 陽 性
顆 粒 を 含 む と さ れ る 。 ま た 、 神 経 系 の マ ー カ ー で あ る S-100、 GFAP、 Leu7 、 PGP9.5、
NSE 陽 性 か ら シ ュ ワ ン 細 胞 由 来 で あ る 可 能 性 が 示 唆 さ れ て い る [3]。
本症例は、悪性黒色腫と顆粒細胞腫を併発した非常に稀な症例である。 本症例における
悪性黒色腫の原発部位は不明であるが、主要臓器に転移を認めず本来リンパ節がある箇所
に腫瘍を認めたことから、主にリンパ行性に転移が進んだと推定された。 今後も様々な腫
瘍に関する知識を深め、適切にと畜検査を行い、安全な食肉の供給に寄与したい。
引用文献
〔 1 〕板 倉 智 敏 ,後 藤 直 彰 編:獣 医 病 理 組 織 カ ラ ー ア ト ラ ス ,201(1990),文 永 堂 出 版 ,東 京
〔2〕日本獣医病理学会
編 : 動 物 病 理 学 各 論 第 2 版 ,458-460(2010),文 永 堂 出 版 ,東 京
〔 3 〕 村 田 伸 ,他 : 獣 医 畜 産 新 報 59,573-576(2006)
〔 4 〕 Gerli R. Pielberg et al., Nature Genet., 40(8), 1004 -1009, 2008
〔5〕日本獣医病理学会
編 : 動 物 病 理 学 総 論 第 2 版 ,216(2001),文 永 堂 出 版 ,東 京
〔6〕日本獣医病理学会
編 : 動 物 病 理 カ ラ ー ア ト ラ ス ,255(2007),文 永 堂 出 版 ,東 京
-39-
飼料性テトラサイクリン系抗生物質の残留を疑う獣畜の検査について
青森県十和田食肉衛生検査所
○中谷康次郎、奈良和久、山本郁子
盛田明子、白田忠亮、大野譲治
木村将人
はじめに
テトラサイクリン系抗生物質(TCs)は、動物用医薬品や飼料添加物として広く用い
られており、当所管内でも残留事例が多く認められている。特に、飼料添加物由来の残留
事例では精密検査の検体数が多くなる傾向があるため、検査方法の簡便さや検査時間の短
縮等が求められる。平成 22 年度に当所管内のと畜場で、背割後の豚の脊柱等が黄色を呈す
る飼料性TCsの残留を疑う獣畜の多発事例(A農場 9 月 2 日、3 日、7 日、9 日に合計 62
頭、B農場:9 月 17 日に 57 頭、C農場:9 月 22 日、24 日に合計 262 頭、3 農場の合計 381
頭)があり、その検査の過程で若干の知見を得たので報告する。
事例及び結果
1
当所の検査手順
当所の検査手順書に基づく残留抗菌性物質検査
は、まず 3 種類の培地(Micrococcus luteus(NBRC
12708)
、Bacillus subtilis(NBRC 3134)以下BS、
Bacillus cereus(NBRC 3836)以下BC)を用い
た直接法によりスクリーニング検査を行い、阻止
帯を認めた場合に陽性と判定、分別推定法で系統
を推定し、その後、個別試験法で定量を行うこと
としている(図1)。
なお、この方法による一連の検査では、スクリ
ーニング検査においてBC培地はTCsに対し高
感度に反応することが知られている。
2
A農場事例と結果
9 月 2 日に搬入、処理された 20 頭のうち 1 頭の脊柱等に黄変を認めたため、TCsの
残留を疑い、直接法による検査を実施したところ、BC培地で陽性を示した。そのため、
-40-
この豚の腎臓及び筋肉 3 ヶ所と、同一ロットの豚からランダムに選んだ 1 検体の筋肉を
用いて分別推定法及び個別試験法を実施した。その結果、残留濃度は腎臓において 0.1ppm
であったが、筋肉では全て定量下限値未満であった。
9 月 3 日、前日同様 20 頭が搬入されたが脊柱等の黄変は見られなかった。しかし、聴
き取り調査の結果、前日の脊柱等が黄変していた豚と同じ飼養形態で飼育された豚であ
ることが判明したことから、全頭について腎臓によるスクリーニング検査を行った。そ
の結果、1 検体でBC培地が陽性を示したことから、筋肉での定量試験を行ったところ定
量下限値未満であった。
9 月 7 日に同農場から搬入された豚も同様に全頭を対象に腎臓を用いて抽出ディスク法
によるスクリーニング検査を行ったところ、5 検体でBC培地に陽性を示したため、筋肉
で定量試験を行ったが、いずれも定量下限値未満であった。
9 月 9 日に同農場から搬入された豚についても全頭を対象に腎臓を用いて抽出ディスク
法を行い、全ての検体で陰性を確認した。
また、今後同様の事例で阻止円直径によりスクリーニングを行い、定量試験の検体数
を減らすことを目的として、あらかじめ薬剤が残留していないことを確認した豚の腎臓
に試験的にオキシテトラサイクリン(OTC)
、クロルテトラサイクリン(CTC)及び
テトラサイクリン(TC)をそれぞれが残留基準値を下回る 1.0ppm となるように、添加
して抽出を行い、阻止円直径を確認した。その結果、BC培地の阻止円直径は全ての薬
剤で 16mm 以上であることを確認した。
3
B農場事例と結果
9 月 17 日にと殺・解体された豚の脊柱等に黄変を認めたためTCsの残留を疑い、腎
臓 57 検体を用いて抽出ディスク法を行った。その結果、全ての検体でBC培地に陽性を
示したが、A農場の事例の後に行った試験結果から、BC培地で阻止円直径が 16mm 以上
だった豚 26 頭の筋肉を対象に改めて抽出ディスク法を行い、全ての検体で陰性を確認し
た。これと並行して、腎臓の抽出ディスク法でBC培地の阻止円直径が 17mm 以上だった
豚 9 頭を対象にして筋肉を用いて定量試験を行ったが、全て定量下限値未満であった。
4
C農場事例と結果
9 月 22 日にと殺・解体された豚の脊柱等に黄変を認めたためTCsの残留を疑い、腎
臓 51 検体を用いて抽出ディスク法を行った。その結果、ほぼ全ての検体でBC培地に阻
止円を認めた。そこで、B農場における 9 頭の定量結果から、BC培地で阻止円の直径
が 17mm 以上だった豚 25 頭の筋肉を対象に抽出ディスク法を行ったところ、全ての検体
で陰性を確認した。これと並行してBS培地で阻止円を形成した豚 7 頭の筋肉を対象に
定量試験を行い、いずれも残留基準値以下であった。さらに 9 月 24 日にとさつ、解体さ
れた豚 211 頭の一部に脊柱等の黄変を認めたことから、全ての豚の腎臓を対象に抽出デ
ィスク法を行った。その結果、BC培地には最大で 18.3mm の阻止円が認められたがBS
培地には阻止円が認められなかった。これについてはC農場の結果から、BC培地で阻
-41-
止円直径が 17mm 以上を形成し、かつBS培地で阻止円を形成したもの以外は、残留基準
値を超過しないと判断し、全頭合格とした。
5
確認検査
今回の飼料性のTCsの残留を疑う事例を踏まえて、検査の簡略化を図り、迅速に結
果を反映する方法を検討した。A農場の事例の後に試験的に実施した検査について、さ
らに詳しく検討するために、OTC、CTC及びTCの 3 薬剤について 0.1、0.25、0.5、
0.75、1.0、1.2ppm の既知の試料について抽出ディスク法を行い(n=3)、濃度と阻止
円直径との関係を調べた。この関係と今回の事例の結果から、腎臓を用いた抽出ディス
ク法でBC培地の阻止円直径がOTCで 18mm、CTCで 24mm、TCで 20mm 未満の場合
には、腎臓及び筋肉で確実に基準値を超過しないことがわかった。
考察
今回、多数の検体を同時に処理する事例が連続し、
その対応に苦慮したことから、抽出ディスク法及び個
別試験法の結果を基にスクリーニングする基準につ
いて調べたところ、腎臓における抽出ディスク法でB
C培地の阻止円直径がOTCで 18mm、CTCで 24mm、
TCで 20mm 未満ならば残留基準値を超過しないこと
がわかったことから手順書の改正を行った(図2)
。
これにより、それ以降、同様の事例については大幅な
精密検査時間の短縮が可能となった。また、今回の事
例を受けて、家畜保健衛生所に調査指導を依頼すると
ともに、抗菌性物質残留のパンフレットを配布し、動物用医薬品の使用状況をもれなく申
告するよう管内と畜場と荷受業者に対して依頼、指導した。
-42-
カ ン ピ ロ バ ク タ ー 汚 染 調 査 結 果 に 基 づ い た FARM TO TABLE に お け る
食肉衛生検査所の役割に関する一考察
青森県十和田食肉衛生検査所
○渡辺測子、林健太郎、白田忠亮、
八鍬朋枝、山口克志、山上剛志、
奈良和久、濱谷和也、木村将人
はじめに
畜産は本県の主要産業であり、県でも振興策に取り組んでいる。一方、食肉に由来する
カンピロバクターや腸管出血性大腸菌による食中毒事件が多発しており、食肉の安全性に
対する消費者の信頼が揺らいでいる。このような中、消費者に対し安全な食肉を提供する
ためには、あらゆる角度から食肉衛生対策を進める必要があるとの認識から、食肉衛生検
査所としての新たな対策を模索する中で、食品衛生責任者講習会に参加する機会を得た。
その際、当所が実施したブロイラーの内臓におけるカンピロバクター汚染 実態調査結果の
説明と食品衛生責任者の食肉に対する意識についてアンケート調査を実施したので報告す
る。
材料及び方法
1
県内産ブロイラーの内臓におけるカンピロバクター汚染調査
(1)調査期間
平 成 23 年 4 月 ~ 5 月
(2)採材場所
管内大規模食鳥処理場(2 ヶ所)
(3)材料
1 羽 4 検 体( 肝 臓 表 面 拭 き 取 り 、肝 臓 内 部 、 胆 汁 、盲 腸 便 )、1 ロ ッ ト 10 羽 、17 ロ ッ ト
の 計 170 羽 、 680 検 体 と し た 。 内 臓 は 、 各 部 位 損 傷 の な い も の を 採 材 し 、 肝 臓 は 、 胆 嚢 付
近 を 滅 菌 器 具 を 使 用 し て ト リ ミ ン グ し た 後 、75p p m の 次 亜 塩 素 酸 水 に 5 分 間 浸 漬 し て 表
面消毒を行い、さらに表面乾燥を1時間行ったものを検体とした。
(4)検査方法
プ レ ス ト ン 培 地( Oxoid)、C C D A 培 地( Oxoid)、ミ ュ ー ラ ー ヒ ン ト ン 培 地( 栄 研 )を
使用し、常法により行った。
2
アンケート調査
平 成 23 年 7 月 に 本 県 の 保 健 所 及 び 食 品 衛 生 協 会 の 協 力 を 得 て 、 食 品 衛 生 責 任 者 講 習 会
-43-
の 受 講 者 45 名 に 対 し て 、 カ ン ピ ロ バ ク タ ー 汚 染 調 査 結 果 を 基 に 食 肉 衛 生 に 関 す る 講 習 を
行い、アンケート調査を実施した。
成
1
績
ブロイラーの内臓におけるカンピロバクター汚染調査 結果
検 査 し た 1 7 ロ ッ ト 中 2 ロ ッ ト か ら カ ン ピ ロ バ ク タ ー が 分 離 さ れ た( 11.7% )。ま た 、羽
数 単 位 で は 170 羽 中 19 羽 か ら 同 様 に カ ン ピ ロ バ ク タ ー が 分 離 さ れ た( 11.2% )。こ れ ら は
全 て Campylobacter jejuni で あ っ た 。
臓 器 別 で は 、 肝 臓 表 面 で 170 検 体 中 5 検 体 か ら ( 2.9% )、 肝 臓 内 部 で 170 検 体 中 10 検
体 か ら ( 5.6% )、 胆 汁 で 170 検 体 中 2 検 体 か ら ( 1.2% )、 盲 腸 便 で 170 検 体 中 17 検 体 か
ら ( 10% ) か ら カ ン ピ ロ バ ク タ ー が 分 離 さ れ た 。 ま た 、 肝 臓 表 面 か ら は カ ン ピ ロ バ ク タ ー
は 分 離 さ れ な か っ た が 肝 臓 内 部 か ら 分 離 さ れ た も の は 9 検 体 あ っ た ( 5.3%)。 さ ら に 陽 性
ロ ッ ト に 限 っ て は 、 20 羽 中 10 羽 の 肝 臓 内 部 か ら カ ン ピ ロ バ ク タ ー が 分 離 さ れ た ( 50% )。
2 アンケート調査結果
全 回 答 者 45 名 中 、 と 畜 検 査 や 食 鳥 検 査 の 制 度 を 認 知 し て い た の は 28 名 で ( 62% )、 4
割近くが知らないと回答した。と畜検査や食鳥検査に合格した食肉であっても無菌ではな
く 、食 中 毒 原 因 菌 が 付 着 し て い る 恐 れ が あ る と 認 知 し て い た の は 、23 名( 51% )で あ っ た 。
また、生食の可否については、取り扱いや、提供方法が異なることを意識した回答はほと
ん ど な か っ た 。さ ら に 、2 名( 4.4% )が 講 習 後 も 顧 客 の 要 望 に よ っ て は 生 食 用 に 食 肉 を 提
供するとの回答があった。
一 方 で 、 自 分 が 消 費 者 の 立 場 で 食 肉 を 生 食 す る 理 由 と し て は 、「 お い し い か ら 」「 栄 養 豊
富だから」
「 人 の 勧 め で 断 れ な い か ら 」な ど が 挙 げ ら れ た 。ま た 、飲 食 店 で 提 供 さ れ る 食 品
は 必 ず し も 安 全 と は 思 わ な い と の 回 答 が 66.7% と 多 か っ た 。 そ の 他 、「 食 中 毒 原 因 菌 が 付
着している恐れのある食肉が、安全な食肉として流通していることが不思議である」とい
った感想や、
「 正 し い 知 識 の 啓 発 は 結 構 で あ る が 、食 肉 の 危 険 性 に 対 す る 消 費 者 の 過 剰 な 反
応を刺激しないで欲しい」との意見もあった。
考
察
今回のブロイラー肝臓のカンピロバクター汚染調査では、厚生労働省の研究事業〔1〕
で 報 告 さ れ て い る 市 販 鶏 肝 臓 で の 陽 性 率 66.1 % に 比 べ 大 き く 下 回 っ て お り 、 こ の こ と は 、
食鳥検査以降の過程で汚染が拡大している可能性が示唆され、食鳥処理~流通~販売 の各
-44-
過程における微生物コントロールの重要性を再認識した。
また、肝臓内部から菌が検出されたことから、鶏肝臓の表面をあぶった程度の加熱調理
では食中毒防止に不十分であることを講習会の中で強調したところ、受講者は真剣に耳を
傾け十分な加熱調理の必要性について再 認識している様子が覗えた。
今回のアンケート調査では、全体的に食肉そのものに対する知識や動物種、臓器の特異
性を正確に理解していない実態が浮き彫りとなった。食肉の安全確保については、行政側
から直接あるいは各種媒体を通じて情報 発信しているものの、食品営業関係者さらには消
費者の思い描く食肉の安全確保とは未だに大きな差があるものと感じた。このことから、
各分野の行政担当者、生産者、食品関係事業者、食品衛生責任者さらに消費者を含めた情
報や意見の交換(リスクコミュニケーション)の必要性を再認識した。
食品安全委員会による鶏肉中のカンピロバクターのリスク評価では、 カンピロバクター
食 中 毒 低 減 に 向 け た 対 策 と し て 「 農 場 汚 染 率 の 低 減 」、「 食 鳥 の 区 分 処 理 」、「 塩 素 濃 度 管 理
の 徹 底 」、「 生 食 割 合 の 低 減 」 等 が 挙 げ ら れ 、 一 分 野 だ け の 対 策 で は 不 十 分 で あ る こ と を 明
確 に し て い る 。 こ の こ と か ら も 、 Farm to table の ほ ぼ 中 央 に 位 置 す る 食 肉 衛 生 検 査 所 と し
ても、と畜場や食鳥処理場の衛生対策はもちろんのこと、行政内の枞組みを超え、関係機
関との連携をさらに強化した総合的な対策の必要性を改めて認識した。
引用文献
〔 1 〕 品 川 邦 汎 ( 主 任 研 究 者 ): 厚 生 科 学 研 究 費 補 助 金
生活安全総合研究事業 「食品製
造 の 高 度 衛 生 管 理 に 関 す る 研 究 」( 平 成 1 3 年 度 総 括 研 究 報 告 書 )、 2002 年 7 月
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と畜検査における豚丹毒診断のためのPCR導入について
方波見佐知子、奈良和久、濱谷和也、木村将人
十和田食肉衛生検査所
Key word
①豚丹毒 ②PCR ③迅速診断
Ⅰ.はじめに
豚丹毒は Erysipelothrix.rhusiopathiae (E.r)を起因菌とした人獣共通感染症であ
り、家畜伝染病予防法により届出伝染病に指定されている。 Erysipelothrix 属菌には
病原性がある E.r 以外に非病原性の 3 菌種が存在し、菌の生化学的性状試験の確認だ
けでは正確な菌種の同定は困難である。また、同定 までに 4 日間以上要することから
迅速化が望まれている。そこで、と畜検査での豚丹毒菌診断において、 PCR が迅速化に
有効な手段になり得ると考え、PCR を導入するための検討を行ったので報告する。
Ⅱ.研究方法
1.検体
平成 23 年 4~7 月に、管内と畜場で、関節炎型豚丹毒を疑った豚 46 頭の膝関節液、
内側腸骨リンパ節及び膝関節滑膜絨毛の合計 100 検体を用いた。
2.微生物学的検査と PCR 法による検査の比較検討
1)微生物学的検査
WOOD 増菌培地(以下「W 培地」という。)により増菌培養(35℃ 18~24 時間)し
た後、GAM 血液寒天培地(以下「 G 培地」という。)による一次分離培養(35℃ 24
~ 48 時 間 ) 及 び ア ザ イ ド 培 地 ( 以 下 「 AZ 培 地 」 と い う 。 ) に よ る 二 次 分 離 培 養
(35℃ 24±2 時間)を行った。これにより分離された菌のグラム染色および生化学
的性状試験を行った。
2) PCR 法による検査
G 培地で一次分離された単コロニー1個を用いて PCR を実施した。さらに、増菌し
た W 培地から直接 AZ 培地に塗抹培養(35℃ 24~48 時間)し、分離された単コロニ
ー数個を用いて PCR を実施した。
InstaGene TM Matrix(BIO-RAD)を用いて DNA を抽出し、 Erysipelothrix 属菌の検
出には、Makino ら [1] の設計したプライマー MO101、MO102 を用いて、さらに、E.r の
検出には、Takeshi ら [2] の設計したプライマーER1F、ER1R を用いて PCR を実施した。
3.PCR 反応時間の検討
PCR の反応時間は、全国食肉衛生検査所協議会微生物部会検査実施標準作業書 [3] を
参考にした標準法と当所で検討し反応時間を短縮した改良法( Erysipelothrix 属菌
の検出:95℃3 分、95℃10 秒・54℃20 秒・72℃27 秒 35 回サイクル、72℃ 5 分、E.r
の検出:95℃3 分、95℃10 秒・58℃20 秒・72℃20 秒 35 回サイクル、72℃ 5 分)で
実施し、結果を比較した。
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Ⅲ.結果
1.微生物学的検査及び PCR 法による検査結果
微生物学的検査を実施した 46 頭中、分離された菌株が生化学的性状試験の結果 、豚
丹毒菌と診断されたのは 30 頭であった。PCR は、G 培地に発育した 30 株(1 頭 1 株)、
AZ 培地に発育した 30 株(1 頭 1 株)について実施した。結果は全て陽性となり 、使用
した培地の違いによる影響は認められなかった。
2.検査日数
検査日数は、微生物学的検査では平均 5 日、PCR
法による検査では平均 3 日であった(表 1)。
3 .PCR 反応時間の違いによる検査結果
微 生 物 学 的 検 査 で 豚 丹 毒 菌 が 検 出 さ れ た 30 頭
(55 検体)を使用して Erysipelothrix 属菌、E.r
の検出 につい て標 準 法 と改良 法で PCR を行 っ た。
Erysipelothrix 属菌 の 検 出 につ い て は 、標 準 法 の
約 3 時間 15 分に対し、改良法では
表1
微生物学的検査と PCR 法に
よる検査に要した日数の比較
微生物学的
PCR 法
検査に要
検査
した日数
頭数(%) 頭数(%)
3日
0
25(83)
4日
14(47)
5(17)
5日
11(37)
6日
5(16)
平均日数
5日
3日
表 2 PCR 反応時間の違いによる検査結果
ては、標準法の約 2 時間 30 分に対
陽性検体数/
所要時間
検査検体数
Erysipelothrix 属菌検出 標準法
55/55
3h15m
し、改良法では約 1 時間 15 分と、
Erysipelothrix 属菌検出 迅速法
55/55
1h20m
双方において標準法より 1 時間以上
E.r の検出 標準法
55/55
2h30m
E.r の検出 迅速法
55/55
1h15m
約 1 時間 20 分、E.r の検出につい
PCR の方法
の 短 縮 が 可 能 で あ っ た 。 ま た 、 55
検体全てが PCR 陽性となり微生物学的検査の結果と一致した(表 2)。
Ⅳ.考察
微生物学的検査と PCR 法による検査結果を比較したところ、100%の一致率を示した。
豚丹毒罹患豚の 1%程度から E.r 以外の Erysipelothrix 属菌が分離されたという報告 [4] が
あるが、今回の調査で分離された菌は全て E.r であった。検査日数の比較では PCR 法は微
生物学的検査に比べ、検査に要する日数を 1 日以上短縮できた。PCR 反応時間において、
改良法は標準法の PCR と同様の結果が得られ、 改良法の PCR を実施することで、検査時間
を 1 時間以上短縮できた。
微生 物学 的検 査に おい て ゼ ラチ ン培 地で の ブ ラ シ状 発育 や糖 分解 能等 の生 化学 的性状
試験に日数を要することが原因 で 5 日以上を要したものが 16 頭あり、全体の 53%を占め
たが、PCR 導入により、微生物学的検査よりも精度の高い確実な判定結果が得られ、最短
で保留当日から 3 日目の午前中に措置を行うことができ、より迅速な対応が期待できる。
Ⅴ.文献
[1] Makino,S.et al.:J.Clin.Microbiol.,32,1526-1531(1994)
[2] Takeshi,K.et al.:J.Clin.Microbiol.,37,4093-4098(1999)
[3] 平成 22 年度全国食肉衛生検査所協議会微生物部会編集 検査実施標準作業書,40-47
[4] 宮尾陽子ら:日獣会誌,59,409‐415(2006)
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Ⅵ
1
と畜検査データ等の情報提供
と畜検査データの情報還元
平成 15 年 4 月 1 日から導入している安全食肉生産支援システムにより、養豚業者は、インターネ
ットを利用し、リアルタイムで各自農場のと畜検査データを知ることができる。
2
消費者への情報提供
本県食肉衛生検査所のホームページを通じ、と畜検査に係る情報、最近のトピックス等食肉の安全
性に係る啓発、情報提供を行っている。
3
家畜保健衛生所との連携
食肉、食鳥肉の安全を確保するため、と畜場及び食鳥処理場に搬入される獣畜及び家きんの病歴や
投与歴(動物用医薬品等)等の情報共有及び情報交換会議の開催等を通じ、連携を図っている。
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