1月号 - こんぶくろ池自然博物公園

2 0 1 6
年
1
月
(
第
2 1
号
)
NPO 法人こんぶくろ池自然の森
こんぶくろ池通信
Tel & Fax: 04-7132-8800
Email: info@konbukuroike.com
URL: http://www.konbukuroike.com
12 月 23 日(祝)の臨時総会の後、こんぶくろ池公園の
物置ガレージの中で忘年会を行いました。これまでは居酒
屋を予約していましたが、趣向を変え普段活動している場
所でお酒とつまみを買い込み、昼間から気楽にやるのもな
かなかいい忘年会となりました。
暖冬の影響もあり、炭火で暖を取るだけでも快適だった
のは幸いでした。
昨年 1 年本当にお疲れ様でした。
1 月の活動予定日
里山活動日
合同活動日
1 月 9 日(土)
1 月 17 日(日)
9:00∼12:00
里山班 9:00∼12:00
鳥の調査日
1 月 19 日(火)
調査班 9:00∼15:00
9:00∼12:00
里山活動日
1 月 23 日(土)
9:00∼12:00
今後の主な予定
2016 年 1 月
12 月の活動報告
こんぶくろ池のかいぼり
12月からの浄化施設工事に伴い、用水路からの取水を行
っていないため、比較的雨の少ない冬の時期にこんぶくろ
池のかいぼりを行っています。
かいぼりとは従来、農地等のため池で農閑期に水を抜
き、魚を捕獲したり、護岸の補修や点検等を行って、ため
池の機能を維持するのに欠かせない管理作業ですが、こん
ぶくろ池に関してはかいぼりをした記録もなく、おそらく
数十年は放置されていたものと思われます。そのため、落
ち葉はヘドロとなって池を陸地化し、枯れ枝は水の中では腐らないため幾重にも重なってお
り、池の面積がだいぶん小さくなっていました。
近年では、都市部の公園池などで、自然の浄化能力を活
用した水質改善や、外来魚を駆除することによる生態系の
回復を目指したかいぼりが行われる例も増えてきており、
井の頭公園でも平成25年度から2年毎にかいぼり作業を
行ってます。
今回のかいぼり作業で一番の発見は、こんぶくろ池の湧
水が肉眼で確認できたことです。岸からすぐ近くの護岸か
ら流れ出しているのと、池の底からまさに湧き出していました。写真だと湧き出している様子
をうまく伝えられませんが、フェイスブック(ホームページ)には動画を掲載していますので
是非確認してみてください。
今回の作業を通して、こんぶくろ池が自然の湧水池であり、現存する手賀沼の源泉であるこ
とをあらためて認識し、益々この湧水を大切に守っていかなくてはならないという気持ちにな
りました。今後もこの池を枯らすことのないよう、先人達が行っていたであろう、かいぼりと
いう日本の伝統的な池の管理を定期的に行っていく必要があると言えます。
護岸から湧き出る水
池底から湧き出る水
2016 年 1 月
身近な自然の素晴らしさを知ってもらいたい
松本 重誠
こんぶくろ池の活動を始めたのはもう8年程も前のことです。慣れないサラリーマン生活に
疲れ、気を紛らわす何かを探していたら、ここの活動を見つけました。8年のうちの約半分は
海外で過ごし、あまり活動に貢献しているとは言えませんが、日本に戻った際の楽しみのひと
つとして細々と参加させて頂いています。
「市民で育てる100年の森」という壮大なプロジェクトであることや、子供の頃、慣れ親
しんだ自然の姿を残す数少ない場所であること、そして色んなバックグラウンドの人たちと一
緒に汗を流せる場所であることなど、活動を続けている理由は様々あります。その中でも日本
では本当に珍しい住宅街のすぐ側にある、自然を利用した公園造りに関わっているという誇り
があります。
海外にはそのような場所が結構あります。ニューヨークのセントラルパークを始め、アメリ
カにも川や森の側には高級住宅街がいたるところにあります。日本にはアメリカに負けるどこ
ろか、それを上回る豊かな自然があるのにその価値を分かっていない人が多い気がします。こ
れからもこんぶくろ池での活動を通じて、色んな人に自然の素晴らしさを知ってもらえるよう
に頑張ります。
会員紹介
しげなり
松本 重誠さん(マッチャン)
人のため、地域のために何かをしたいと思っていた時に
NPO の活動を知りました。こんな駅の近くで自然が残って
いるのは素晴らしいことだし、残していきたいと思い活動に
参加しました。少しでも貢献できたらと思います。
趣味:ランニング、ゴルフ、読書
編集者註:皆さんご存知の通り、松本さんは大リーグのボ
ストン・レッドソックスに所属し、上原浩治投手、田澤純
一投手の通訳として活躍されています。松本さんがレッド
ソックスに入団した 2013 年には両日本人投手の活躍もあ
り、6 年ぶりのワールドチャンピオンにもなりました。
2016 年シーズンのキャンプ入りと同時に間もなくアメ
リカに戻られますが、今年の活躍に期待したいですね!上
原選手、田澤選手とともに頑張ってください。
ホワイトハウスでオバマ大統領と握手する松本さん
2016 年 1 月
冬刈り
調査班の皆さんにより、弁天池に至る園路周辺の冬刈りを行っていただいたおかげで見通し
が良くなり、歩きやすくなりました。
この区域の目標植生は草地タイプとなっており、繁茂
したアズマネザサを抑制し、過去の牧草地の植生を再生
することを目指しています。
ササや樹林に被われた暗い環境では土の中に埋もれて
眠っている埋土種子が、切り開かれて明るい環境になる
と発芽してくることが、過去の千葉大学との調査から確
認できたため、2007 年以降毎年冬刈りを行うとともに、
暑い夏は区域を3つに分けてローテーションで 3 年毎に
夏刈りを行っていくことを目指しています。
その結果、ササが密生した状態ではほとんど出てこない、オトギリソウ、ミツバツチグリ、
ノジトラノオ、ヒキヨモギ、コシオガマ、ヒヨドリバナ、オトコエシ、オトコヨモギ、ススキ
など草原性の種の他、スミレ類、ジュウニヒトエ、フタリシズカ、ノアザミ、アキカラマツ、
タカアザミ、クララ、ギンランなどが出現するようになりました。これはかつてこの辺りに
あった牧の環境に近いと考えられます。春からこれらの草花が咲くのが楽しみです。
編集後記
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
さて、今年は 2 月には浄化槽の工事が終わり、用水路から取水した水が地中に浸透し、こん
ぶくろ池に安定して水が染み出してくる環境が整うことでしょう。一方で、我々は3月頃を目
処に現在行っているこんぶくろ池のかいぼり作業を続け、池の泥を掻き出して池の面積を広げ
るとともに、もう少し深さも確保していきたいと思います。
また、昨年末より始まった一号近隣公園の工事も本格化し、二番街向かいのエントランスか
らふじ池(通称)周辺園路などが春には完成する見込みです。公園の表玄関がきれいになる
と、多くの方が足を運んでくださるようになるのではないかと期待が膨らみます。
公園が広くなるとそれだけ作業も増えていきますので、今年も忙しくなりそうですが、また
怪我のないよう楽しんでいきたいと思います。よろしくお願いします。(萩原秀夫)