山城大督展『VIDERE DECK/ イデア・デッキ』

Asahi Art Square Grow up!! Artist Project 2013
東京映像芸術実験室 presents
プレスリリース
山城大督展『VIDERE DECK/ イデア・デッキ』
このたび、アサヒ・アートスクエアでは、一年間にわたる「東京映像芸術実験室」を通して独自の映像表現を探求してき
た山城大督による個展『VIDERE DECK / イデア・デッキ』を開催します。
山城は、幼少期より映画やビデオカメラに親しみ、映像が可能とする時間や空間、世界認識の在り方に対して強い関心を
抱いてきました。「 ある時間と時間、ある場所と場所を結びつける映像の力に魅了されている」と語る山城は、『移動/同期
/習合』をテーマに映像の時間概念を多様なアートフォームに展開する作品を発表してきました。ある住宅街を舞台に 50
人 の 少 年 少 女 が 同 時 間 帯 に 自 宅 の ピ ア ノ を 演 奏 す る ツ ア ー 型 コ ン サ ー ト《Time flows to everyone at the same time.》
(2010)や、観客が隅田川をクルージングしながら、一つの旅のような体験をする《Time flow in the stereo river》(2010)、
偶然並走する電車の乗客を捉えた映像作品《TOKYO TELEPATHY》(2011)からは、そういった独特な映像的感性を色濃
くみることができます。
また山城は、近年活躍の目覚ましいアーティストユニット「ナデガタ・インスタント・パーティー」のメンバーでもあり、
多くの人々を巻き込み出来事そのものを作品として発表しています。その手法は、インスタレーションや、映像ドキュメント、
演劇といった多様なメディアが使われ、近作の東京都現代美術館でのグループ展『MOT アニュアル 2012』、『あいちトリエ
ンナーレ 2013』での大規模なプロジェクト作品では、複数の映像を使った回廊型インスタレーションを発表し、独自の映
像表現を取り込んだ新しい現代美術の潮流をつくるアーティストグループとして注目されています。
本展では、高さ 6 m 、総面積約 260m² のアサヒ・アートスクエアの空間を舞台に、マルチ・チャンネルの大型ビデオ・
インスタレーション《The Mirror Stage》を主とした新作を発表します。本作は、作曲家の安野太郎、近年アートのフィール
ドでの活動が著しいミュージシャンの蓮沼執太を コラボレーターに迎え、映像作品だけではなく、音や照明、視覚効果、オ
ブジェクトを使い、目の前に現われる様々な現象を体感する新しいタイプのビデオ・インスタレーションを目指します。また、
会期中には毎日ゲストを招いたトークイベントを開催し、「東京映像芸術実験室」から続く「映像への対話」シリーズとして
本展を多角的に分析していきます。
タイトルにある「VIDERE」とは、VIDEO(ビデオ)の語源とされ、「見る」を意味するラテン語です。アサヒ・アートス
クエアの空間に広がる「見るためのデッキ」は、あなた自身を見る装置となり、「ここ」と「どこか」をシンクロさせる、想
像力の再生装置となるでしょう。今この瞬間、同時に存在するこの世界の広がりを体感する展覧会『VIDERE DECK / イデア・
デッキ』をじっくりとお楽しみください。
1
本展のみどころ
1、一年間に及ぶプロセス経て制作された展覧会
アサヒ・アートスクエアが行うアーティスト支援事業「Grow up!! Artist Project[グローアップ・
アーティスト・プロジェクト]」に選出された山城は、一年間にわたり映像表現について再考
する『東京映像芸術実験室』を展開しました。本展『VIDERE DECK / イデア・デッキ』は、
そのプロセスの中で発案されました。
2、ジャック・ラカンによる「鏡像段階論」を引用
本展の中心作品となる新作《The Mirror Stage》は、哲学者ジャック・ラカンによる人間形成
の一時期を指す「鏡像段階論」から着想を得、音と照明と映像、オブジェクトで構成された「現
象」が次々と起こっていく新しいタイプのビデオ・インスタレーションへと昇華させます。
3、多数のコラボレーターとの共同作業
本展は様々な人々とのコラボレーションによって成立しています。会場のデザインには、空
間デザイナーの小野田裕士を迎え、山城の作品構想へ呼応するように会場の設計から素材選
びまでを行いました。また、新作の《The Mirror Stage》には、作曲家の安野太郎、ミュージシャ
ンの蓮沼執太を招き、彼らとの強力タッグにより新境地に挑みます。
4、連日繰り広げられるトークイベント
期間中、連日にわたり関連イベントとして、トークイベントを開催します。山城と同世代のアー
ティストやキュレーター、研究者を招き、本展における「映像表現」について議論を深めます。
展覧会概要
Asahi Art Square Grow up!! Artist Project 2013
プロフィール
東京映像芸術実験室 presents
山城大督展『VIDERE DECK/ イデア・デッキ』
日 時|2013 年 12 月 19 日 [ 木 ]― 12 月 23 日 [ 月・祝 ] 11:00-21:30
入場料|500 円
主 催|アサヒ・アートスクエア / 東京映像芸術実験室実行委員会
協 賛|アサヒビール株式会社
助 成|アーツカウンシル東京 ( 公益財団法人東京都歴史文化財団)
◉関連イベント ( イベント開催中も展示はご覧いただけます。)
12.19[ 木 ] 19:30 - 20:30
オープニングトーク「山城大督の時間について」
野村政之 ( こまばアゴラ劇場・劇団青年団 / アサヒ・アートスクエア運営委員 )、山城大督
* 終了後、オープニング・パーティー「お・も・て・な・し !」を開催します。
12.20[ 金 ] 19:30 - 21:00
映像への対話 vol.5「運動と革命と映像と僕たち」
丹羽良徳 ( アーティスト )、山城大督
12.21[ 土 ] 19:30-21:00
映像への対話 vol.6「今日の映像表現 / 山城は何をしたいのか ?」
島貫泰介 ( 美術ライター / アサヒ・アートスクエア運営委員 )、山城大督
12.22[ 日 ] 19:30-21:00
映像への対話 vol.7「ナデガタの中の映像について」
中 崎 透 ( 美 術 家 /Nadegata Instant Party)、野 田 智 子 ( ア ー ト・マ ネ ー ジ メ ン ト /Nadegata
Instant Party)、山城大督
12.23[ 月・祝 ] 19:30-21:00
映像への対話 vol.8「『VIDERE DECK』を考察する」
服部浩之 ( 国際芸術センター青森学芸員 )、齋藤理恵 ( 早稲田大学大学院文学研究科博士課程 )、
山城大督
お問合せ
アサヒ・アートスクエア(担当:坂田・岡田)
Tel. 090-9118-5171 / E-mail aas@arts-npo.org / http://videredeck.asahiartsquare.org
山城大督 / Daisuke Yamashiro
美術家・映像ディレクター。1983 年大阪
生まれ。映像の時間概念を空間やプロジェ
クトへ展開し、その場でしか体験できな
い《時間》を作品として展開する。2007
年 よ り ア ー テ ィ ス ト・コ レ ク テ ィ ブ
「Nadegata Instant Party ( 中崎透 + 山城大
督 + 野田 智子 )」を結成し、他者を介入さ
せ出来事そのものを作品とするプロジェ
クトを全国各地で発表している。
http://www.yamashirostudio.jp/
「東京映像芸術実験室」とは
アーティストが自らの表現ともう一度向
き合い、多角的な視点 からじっくりと「考
え る」機 会 を 提 供 す る Grow up!! Artist
Project。2013 年は美術家・映像ディレク
ターの山城大督が一 年間にわたり、様々
なゲストとの対話や実験を通して、これ
まで 表現手法としてきた映像表現につい
て再考する『東京映像芸 術実験室』をア
サヒ・アートスクエアを拠点に展開して
います。 http://p-lab.asahiartsquare.org/
2