<参考記事-2> 私服保安官の配備拡大へ ∼中国日報紙(2005 年 12 月 15 日)より抄訳∼ マイアミ空港で航空保安官による男性射殺があったばかりのアメリカでは、全国の交通網に保安官を配備する計画が 本格化しています。 アメリカ合衆国航空保安官は今週から試験的にその業務範囲を拡大し、航空機内だけでなく鉄道主要駅はじめ交 通要所でテロ監視を開始するという活字報告がありました。 “すべての交通機関におけるテロ犯罪防止”を目標に、私服航空保安官と制服警察官がチームを組んで全国の鉄道 駅、バスターミナル、フェリーはじめ主要交通機関に一斉に繰り出すことになる、とワシントンポスト紙は火曜日夜(現地 時間)の電子版で連邦運輸保安局(TSA)文書を引用して伝えています。 この背景には、物議をかもしたリゴベルト・アルピザール氏 Rigoberto Alpizar 射殺事件があります。彼は帰化アメリカ 人で、12 月 7 日マイアミ国際空港で離陸待ちのアメリカン航空機内から制止にもかかわらず逃げ出したため、航空保 安官の発砲を受け死亡しました。 連邦保安局の主張によると、アルピザール氏は“爆弾を持っている”といったということですが、爆弾は発見されませんでし た。何人かの乗客は、“爆弾”という言葉を彼は一度も使わなかったといっています。 保安官の配置はアムトラックのノースイースト路線とロサンゼルス路線沿い;ワシントン州のフェリー便;アトランタ、フィラ デルフィア、ボルチモアの主要交通拠点に行われます。またワシントン DC 地下鉄網も監視対象となり、航空保安官 2 名、TSA 爆発物探知犬班 1 班、運輸保安検査官 1-2 名、現地警察官1名、TSA 職員1名で構成されたチーム が任務に当たります。 保安官の一部は乗客の目につくような TSA の名をつけた上着を着用し、一部は私服で不審者の監視に当たります。 (参考記事) 射殺男性の遺族、調査を要求 カリアリ、コスタリカ:マイアミ国際空港で先週航空保安官により射殺された男性の亡き骸は火曜日(現地時間)コスタリ カ人村民の深い悲しみの中、ヤシの木の間に埋葬されました。遺族は事件の調査を要求しています。 12 月 7 日、アメリカ合衆国航空保安官がオーランド行きのアメリカン航空に搭乗したリゴベルト・アルピザール氏 Rigoberto Alpizar(44)に発砲し、射殺しました。リュックに爆発物を携行していたというのが理由です。 その後の取締官の発表では爆発物らしいものは発見されず、コスタリカ生まれの帰化アメリカ市民であるアルピザールの 遺族はアメリカ合衆国政府に説明を要求しています。 同氏の故郷カリアリは、首都サンホセ市の東 113 キロにあるバナナ農園に囲まれた村です。緑と白の小さな教会には 600 人もの参列者がつめかけ、強い日差しがスコールに変わる中、埋葬を見守りました。 式の間中、最前列では夫人で同じくアメリカ市民であるアンさん、父親のカルロスさんをはじめとする遺族のすすり泣き が聞こえました。 アン夫人はマイアミ・デード郡警察当局に対し、アルピザール氏が躁うつ病の診断を受けていたと語りましたが、兄弟ら はこれを否定しています。 “警察の言い分だけでは兄はテロリストだと思われてしまう。”“私たちは公正な調査により事実の解明が行われることを 望んでおり、それにより兄の汚名を晴らしたい。” と 36 歳の弟カルロス・アルピザール氏は語ります。 また航空保安官 が致命傷を与えたことを批判し、警告を発してから引き金を引くまでになにか別の方法があったはずだ、なぜ足を狙わ なかったのか、と抗議しています。 2001 年 9 月 11 日のニューヨークワシントン同時多発テロ事件以降強化されたアメリカ合衆国保安プログラムの下で 航空保安官により乗客が射殺されたのはリゴベルト・アルピザール氏が初めてです。
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