うしくNEWS「ワインが結んだご縁 グレーヴェ・イン・キアンティ市と牛久市

ワインが結んだご縁♪
皆さん、イタリア・トスカーナ州の「グレーヴェ・イン・キアンティ市」をご存知ですか?
人気のイタリアワイン「キアンティクラシコ」の生産地であり、
スローシティ運動発祥の地としても知られています。
縁あって3年前から交流を続けていた牛久市とグレーヴェ・イン・キアンティ市が、
このたび友好都市提携しました。ワインとスローシティ、2つの共通点で結びつきます!
2014.2.1
2013
12 1発行
発行
グレーヴェ・イン・キアンティ市
牛久市
Greve in Chianti, Italy
人々がゆったり人間らしく暮らす、
スローシティ発祥の地。
Ushiku, Japan
自然と食のつながりを大切にし、
人間サイズのまちづくりをめざす。
♪
♫
グレーヴェ・
イン・キアンティ
♬
♪
★牛久市
♪
♫
♪
●位置 北緯43度35分 東経11度19分0秒
※日本の北緯43℃は北海道札幌市付近
イタリア中部トスカーナ州に属し、フィ
レンツェから南に約30キロに位置する。
●人口 14,054人 (2013年11月30日現在)
●面積 169.04k㎡
♪
♬
私たちは世界の人々を知ることが好き!
アジアについてももっと知る必要がある
特に若い世代が!
●つくば
♪
♫
♬
●東京
●位置 北緯35度58分 東経140度8分
茨城県南部に位置し、東京から約50キロ
の距離に位置する。アクセスの良さか
ら、首都圏のベッドタウンとして発展。
●人口 83,990人 (2014年1月1日現在)
●面積 58.88 k ㎡
「スローシティ」の実践例や理念を
本場から直接学ぶことは
今後のまちづくりに必ず役立つ!
池辺勝幸市長
アルベルト・ベンチスタ市長
おそらくたくさんの方が、どういう経緯で牛久という都市と友好関係が生じ
日本のワイン発祥の地である牛久市と、キアンティクラシコの生産
たのかという疑問を持たれるかと思います。すべて池辺市長のおかげでござい
地であるグレーヴェ・イン・キアンティ市は、「ワイン」という共通
ます。2010 年にグレーヴェ・イン・キアンティを訪問してくださいました。
点を持ち、また、まちづくりの考え方にも共通点があります。
我が町は世界のたくさんの都市と友好関係を築いてまいりました。皆さんご
牛久市は現在スローシティを基本理念としたまちづくりを進めて
存知のように 1524 年に、このグレーヴェの町の出身のジョヴァンニ・ダ・ヴ
います。「自然と食のつながりを大切にし、大地の恵みを感じられる
ェラッツァーノが、今となっては北アメリカであり、ニューヨーク市がある場所を発見したとい
人間サイズのまちづくり」「人と人とが支え合い、ゆったりと安心して生活できるまち
う歴史がございます。そういう経緯から私たちは旅をすることが好きであり、世界の人々を知る
づくり」です。スローシティの発祥の地であり本場であるグレーヴェ・イン・キアンテ
ということもとても好きです。ルネッサンスの時期にそういう冒険家がいたわけですから、当然
ィ市からスローシティの実践例や理念を直接学ぶことは、今後のまちづくりに大きく役
今日の我々も世界のいろいろな方々と交流したいと思っています。
立つと確信しています!
我々はアメリカやヨーロッパのことはよく知っておりますが、アジアは、まだまだ私たちの未
知の世界でございます。日本をはじめ、韓国や中国というアジアの国々は、今日におきましては
東京のベッドタウンとして発展してきた牛久市ですが、ベッ
ドタウンから脱却して、まちの個性と魅力をアップさせるためにも、今回の友好都市提
携は大変有意義なことです。
経済的な発展が非常にみられる場所でございます。観光業ももちろんそうでございます。それぞ
牛久市はこれまでも 1985 年にカナダ・ホワイトホース市、1990 年にオーストラリ
れの文化についてももっと知る必要があるのではないかと思っています。特に、若い世代によく
ア・オレンジ市と姉妹都市になり、活発な国際交流を行っております。今回、ヨーロッ
知ってほしいのです。学校の子どもたちに、調印式に是非参加するように申し上げましたのはそ
パの都市と友好都市になったことで、さらに世界が広がりました。市民の皆さんにおか
のためです。
れましては、この友好都市提携をきっかけにして、ぜひグレーヴェ・イン・キアンティ
二つの都市が友好都市提携をかわすことは、イタリアと日本の友好にとっても、よいことであ
ります。両市の市民、特に若者の交流を通し、我々の友情が広がるように祈っています!
市やイタリアへの関心を深めていただき、観光、留学等の交流にもつなげていただけれ
ばと願っています。
グレーヴェ・イン・キアンティ市と牛久市が
晴れて 2013 年 12 月 16 日
友好都市になりました
★裏面で、グレーヴェ・イン・キアンティ市について詳しく紹介します。友好都市提携書の内容や調印式の様子については、「広報うしく」1月1日号に掲載されています。
質のいいワイン。豊かな自然と調和した街並み。
人間らしい暮らしのリズムが残る「チッタ・スロー」(=スローシティ)
グレーヴェ・イン・キアンティにようこそ!
調印式でのひとこま。
アルベルト・ベンチスタ
市長が、かっぱ祭りの手
ぬぐいを巻いてニッコニ
コ。それを見て池辺市長
もうれしそう!
2013 年 12 月、友好都市提携の調印式出席のために、池辺市長と山越議長、随行の市職員、総勢5名が、
グレーヴェ・イン・キアンティ市を訪れました。到着直後から多くの市民の方々に歓迎していただき、滞
在中ずっと居心地良く過ごすことができました。まちの美しさ、自然の豊かさ、食べ物のおいしさ、人々
の温かさ。このまちの魅力が牛久市の皆さんに伝わるように、写真をたくさん撮ってきました。
このまちは、かつて「何もない」田舎でした。娯楽もなく、
便利な施設もなく、高速道路が通ることもない。そんな農村
から、若者たちはローマやフィレンツェなどの都会に出て行
こうして、移住者や観光客が増えていく中、グレーヴェ・
きました。まちは人口が減り、過疎化にあえぐことになりま
イン・キアンテイ市は、まちを大きく変えようとはしませ
した。1950 年代~70 年代にかけてのことです。
んでした。大型ホテルを誘致することはせず、プチホテル
やがて、このまちの良さに気付いたのは、都市部の人たち
や、地元の農家に宿泊する「アグリツーリズモ」を奨励し
でした。何もない田舎には、実はたくさんの豊かなものがあ
ました。また、大型ショッピングセンターも呼ばず、地元
る!
の個人店を守りました。景観も、厳しい景観条例により、
素晴らしい自然がある。美しい風景がある。おいしい
農作物がある。おいしいワインがある。
豊かな自然と調和した街並みを保ってきました。
80 年代、都会の生活に疲れた人々は、この地に魅了され、
グレーヴェ・イン・キアンテイ市は 99 年に「スローシテ
たびたび訪れたり移り住んだりするようになりました。まち
ィ宣言」をしました(
「スローシティ」はイタリア語で「チ
に投資する人も増え、そのおかげで、より良質のワインやオ
ッタ・スロー」)。大切なことは「人間サイズの人間らしい
リーブオイルが生産されるようになりました。
暮らしのリズムが残る小さなまちづくり」。人と人との交
流、農家の知恵、職人の技、食文化、信仰といった、目に
見えないものをなによりも大切にする。それがグレーヴ
ェ・イン・キアンテイのスローシティのありかたです。
クリスマスマーケット。いつも人々が集まる広場が、
この時期はさらに賑やかで華やかになっているのだとか。
昼間も素敵な雰囲気でしたが、ライトアップされた
夜の広場は本当にロマンチックでした。
牛久市にとって見習うべきところがたくさんあります。
スローシティの
原点はスローフード
歴史ある古い建物は
今も現役。
ここで人々が日々の
生活を営んでいます。
食の均一化が、まちの姿や
暮らしまでも均一化してい
く現代。
「ファーストフード
fast food」に対抗する概念と
して「スローフード slow
food」という概念がイタリア
で生まれました。スローフ
ード=その地ならではの食
文化を大切にし、地産地消
を基本にすること。スロー
フードの延長線上にスロー
ライフがあり、スローシテ
ィがあります。まちのアイ
デンティティを守る原点は
スローフードなのです。
郊外の風景。あちこちに丘があり、ワイナリーがあり、
そこでワインが作られています。
黒い雄鶏のシンボルでおなじみの「キアンティクラシコ」は、伝統的にキアンティワインを作り
続けてきた、指定地域のワインにだけ与えられる名前です。D.O.C.G(保証つき統制原産地呼称)
認定を受けており、イタリアワインの中で最上位に位置づけられます。日本でもかなり人気のワ
インです。今後、牛久市でキアンティクラシコを入手しやすくなりそうです。お楽しみに。
レンガ作りも主力産業の
ひとつ。キアンティ地方産
のレンガが、牛久駅東口の
改修の際に使われること
になりました。右下の写真
のレンガが実際に使われ
るレンガと同じものです。
お問い合わせ
牛久市 市民部 市民活動課
E-mail:shimin@city.ushiku.ibaraki.jp
チャオ! 写真を撮らせてもら
ってもいいですか?
「こんなおばあちゃんだけどい
いのかしら?」と言いながら笑
顔を向けてくれた老婦人たち。
手をつないで歩くお母さんと坊
やは、買い物帰りのようでした。
話す言葉は違っても、人の暮ら
しや気持ちは同じだと感じる、
うれしい触れ合いでした。
〒300-1292 牛久市中央3丁目15番地1
電話:029-873-2111(代) FAX:029-873-2512
牛久市国際交流協会ホームページ:URL
http://www.ushiku-shimin.jp/ucgtxq/index.htm