平成27年度大会プログラム

静岡実験動物研究会
平成 27 年度大会プログラム
< 第 45 回総会 >
< 第 43 回研究発表会 >
平成 27 年 10 月 10 日(土)
シンポジウム「代替法」
第 45 回総会
特別講演
第 43 回研究発表会
10:15
13:30
14:10
15:25
~12:00
~
~
~
会場 : グ ラ ン シ ッ プ
(静 岡 県 コンベンションアーツセンター)
〒422-8005 静岡県静岡市駿河区池田79-4
電話 054-203-5710
大会担当幹事 : 旭 化 成 フ ァ ー マ 株 式 会 社
【会
場】
グランシップ(静岡県コンベンションアーツセンター)
〒422-8005 静岡県静岡市駿河区池田 79-4
【受
TEL
054-203-5710
URL
http://www.granship.or.jp/
付】
 受付は 10 月 9 日(金)9:00 よりグランシップ 1 階大ホール海にて行います。
 本年の大会は、日本実験動物技術者協会総会と合同で開催します。静岡実験動物研究会会
員であることがわかるよう、色の違うネームカードをお渡ししますので、静岡実験動物研
究会会員用の受付をご利用下さい。
 会場内では、必ずネームカードをご着用下さい。ネームカードを確認できない場合は、入
場をお断りすることがあります。
 役員・幹事会のみに出席する役員および幹事の受付は、役員・幹事会会場である大ホール
2F 控室 2 および 3 にて事務局が対応致します。
1
【大会参加費】
10 月 9 日(金)、10 日(土)の 2 日間
6,000 円
10 月 9 日(金)、10 日(土)の 2 日間 (招待券利用) 4,000 円
10 月 10 日(土)の 9:00 以降
3,000 円
10 月 10 日(土)の 9:00 以降(招待券利用)
1,000 円
10 月 10 日(土)の 13:00 以降
2,000 円
10 月 10 日(土)の 13:00 以降(招待券利用)
無料
※ご注意
 本年度の大会は、日本実験動物技術者協会総会と合同で開催します。会期は、10 月 9 日(金)
~10 月 10 日(土)の 2 日間です。
 静岡実験動物研究会の催事としては、10 月 10 日(土)の 10:15 から「代替法」のシンポジ
ウムを、13:30 からは、総会、特別講演および研究発表会を開催します。
 日本実験動物技術者協会の HP に全てのプログラムが掲載されていますので、こちらの HP
もご確認下さい(http://www.jaeat-tokai.org/shizuoka2015/ )。
 静岡実験動物研究会会員用の受付にて 2 日間の大会参加費をお支払い頂いた静岡実験動物
研究会会員は、日本実験動物技術者協会および静岡実験動物研究会が主催する全ての催し
物に参加することができます。
 静岡実験動物研究会会員が日本実験動物技術者協会側で参加登録(事前登録・当日登録含
む)した場合も日本実験動物技術者協会および静岡実験動物研究会が主催する全ての催し
物に参加することができます。ただし、配布されるネームカードの色は静岡実験動物研究
会側で参加登録した場合とは異なります。10 月 10 日 13:30 開催の静岡実験動物研究会総会
は静岡実験動物研究会会員に限定するため、会場への入場可否の判断はネームカードの色
で行いたいと考えています。総会に参加される場合は、静岡実験動物研究会会員用の受付
にお立ち寄り下さい。受付にて静岡実験動物研究会会員であることを示すシール等を貼付
致します。
 10 月 10 日 9:00 以降の大会参加費をお支払いただいた方は、日本実験動物技術者協会が主
催するランチョンセミナーの聴講が可能(昼食がついております)になりますが、13:00 以
降の大会参加費をお支払いただいた方はランチョンセミナーの参加はできませんのであら
かじめご了承下さい。なお、各参加研の配布は、先着順にて定員となり次第、終了させて
頂きます。
 賛助会員につきましては、2,000 円の招待券を 1 機関ごとに 2 枚配布いたします。10 月 10
日 13:00 以降に参加される場合は、大会参加費は無料、それ以前の参加の場合は 2,000 円の
割引券としてご利用できるようになっております。
【懇親会】
 本年度は、日本実験動物技術者協会と合同で開催するため、静岡実験動物研究会としての
懇親会は実施いたしません。
 例年、懇親会の中で研究発表会の優秀発表賞の表彰式を実施してきましたが、本年度は大
会期間中の表彰式は実施しない予定です。後日、会報またはニューズレターで審査結果を
発表させて頂きます。
2
 日本実験動物技術者協会の懇親会は、10 月 9 日(金)に予定されています。
日時
:10 月 9 日(金)18:30~20:30
場所
:グランシップ 6F 交流ホール
参加費
:当日申込 8,000 円(一般)、5,000 円(学生)
3
静岡実験動物研究会
1. 静岡実験動物研究会協賛
シンポジウム II 代替法
10 月 10 日(土)10:15~12:00
座長:奥村
平成 27 年度大会プログラム
A 会場(11 階メインホール風)
浩(協和発酵キリン株式会社)
シンポジスト:
「ゼブラフィッシュ研究の最前線」
川上 浩一
(国立遺伝学研究所初期発生研究部門)
「代替実験動物としてのカイコの有用性」
関水 和久
(東京大学大学院薬学系研究科/株式会社ゲノム創薬研究所)
2. 第 45 回静岡実験動物研究会総会
10 月 10 日(土)13:30~13:55
B 会場(10 階 1001-2)
3. 静岡実験動物研究会主催特別講演
10 月 10 日(土)14:10~15:15
座長:奥村
B 会場(10 階 1001-2)
浩(協和発酵キリン株式会社)
「環境エンリッチメント、その導入と実践に実験動物技術者が果たす役割」
黒澤
努先生(鹿児島大学客員教授)
4. 第 45 回静岡実験動物研究会
10 月 10 日(土)15:25~17:15
研究発表会
B 会場(10 階 1001-2)
4
静岡実験動物研究会
開始時刻
平成 27 年度大会プログラム
No
演者
総会
13:30
事業報告・会計報告・事業計画・予算他
特別講演
14:10
環境エンリッチメント、その導入と実践に実験動物技術者が果たす役割
休憩
15:15
15:25
1
15:35
2
黒澤
努
座長
所属
奥村 浩
協和発酵キリン
株式会社
鹿児島大学
旭化成ファーマ株式会社 医薬
研究センター 薬理第二研究部
ナフトピジルによる蓄尿症状改善機序の解明
道下
真衣
ラットにおける卵巣摘出による臨床検査値への影響
田邉
容子
研究センター
旭化成ファーマ株式会社
安全性・動態研
15:45
3
Wistar Hannover ラットにおける発達神経毒性試験の基礎データ
名波
加奈
究部
公益財団法人 食品農医薬品安
全性評価センター
15:55
4
投与液調製法の自動化検討-乳鉢法との比較-
川島
理沙
興和株式会社
富士研究所
16:05
5
自転/公転ミキサーを用いた投与液調製法
吉村
陽子
興和株式会社
富士研究所
16:15
6
マウス精巣性テラトーマ形成の新規原因遺伝子の探索
宮嵜
岳大
光化学的特性および皮膚内動態に基づく経皮適用化合物の光安全性評価
世戸
孝樹
研究発表(1)
16:25
研究発表(2)
医薬
16:35
7
8
血液・血液化学検査試料と血液凝固検査試料を同一マウスから採取する方
法について
16:45
16:55
9
10
長田 ちさと
マイクロミニピッグの精巣の組織学的特徴
寒川
彰久
眼圧上昇白色ウサギにおける角膜の変化
堀内
直美
5
渡辺 大
株式会社ボゾリ
サーチ
センター
静岡大学創造科学技術大学院
バイオサイエンス専攻
静岡県立大学 薬学部 薬物動態
学分野
㈱ボゾリサーチセンター 御殿
場研究所
静岡県畜産技術研究所
中小家
畜研究センター
株式会社ボゾリサーチセンター
函南研究所
鈴木 登志郎
日本エスエル
シー株式会社
17:05
ポスター発表
10月9日
10:00~
10月10日
13:30
11
骨粗鬆症治療薬が 2 型糖尿病モデルラットの骨代謝に及ぼす効果
北見
彰啓
動物実験施設内の耐震固定の問題点と対策:穴を開けない固定方法の提案
加藤
恒雄
6
旭化成ファーマ株式会社
研究センター
医薬
薬理第一研究部
有限会社キョウエー
座長は設けません
会場:1F大ホール
海
【シンポジウム II
代替法】
「ゼブラフィッシュ研究の最前線」
川上
浩一
国立遺伝学研究所・初期発生研究部門
ゼブラフィッシュ(学名 Danio rerio)は、黄色と黒色のしま模様を体表にもつ体長 4~5cm
の美しい小型熱帯魚である。1822 年、インドのガンジス川の支流でスコットランドの医師
Hamilton に見出され、ヨーロッパに持ち帰られ、ペットとして飼育がひろまった 1。1981 年オ
レゴン大の Streisinger らが、未受精卵のヒートショック処理あるいは加圧処理により、1 倍体
から 2 倍体のゼブラフィッシュ個体の作製に成功したことを報告して以来 2、研究に用いられ
るようになった。1990 年代にはいり、Nüsslein-Volhard(ショウジョウバエの形態形成研究で
1995 年にノーベル賞を受賞)ら、および Driever ら、の研究室で化学変異原を用いた大規模な
変異スクリーニングが行なわれ、1996 年にその成功が報告されると 3,4、遺伝学的解析が可能な
モデル脊椎動物として一気にブレークすることになった。
ゼブラフィッシュは以下のような特長をもつ。
1.食欲旺盛でとても飼いやすい。2l くらいの大きさのタンクで 10〜20 匹の成体の飼育が
可能である。
2.多産である。1 組のオスメスを交配させると 1 日当たり数百から最大千個くらいの受精
卵を得ることができる。
3.体外受精し、受精卵の直径は約 1mm と大きい。卵殻は柔らかく、機械的に、あるいは
酵素反応により容易に取り除くことができる。胚は透明で、発生過程の観察、操作が容易であ
る。
4.胚発生は同調しており、短期間に進行する。受精後 1 日で脊椎動物の基本的な体ができ
あがる。3 日目に孵化し、5 日目に食餌を開始する。
これらの特長から、ゼブラフィッシュは脊椎動物の生命現象を遺伝学的に研究するための
モデル動物として世界中で利用されるようになった。遺伝学的研究にとって重要なのは、トラ
ンスジェニック動物作製技術、および遺伝子機能を改変するための技術である。
トランスジェニックゼブラフィッシュの作製に関しては、1988 年、Stuart らが受精卵の細
胞質にプラスミド DNA を微量注入することにより、その子孫にトランスジェニックフィッ
シュが得られることを示した 5。しかしながら、この方法ではトランスジェニックフィッシュ
が得られる頻度は非常に低かった。我々は、メダカ由来のトランスポゾン Tol2 が、活性がある
トランスポゾンであることを証明し、さらにトランスポゾン転移システムを用いて非常に効率
よくトランスジェニックフィッシュを作製する方法の開発に成功した 6。これは今ではゼブラ
フィッシュ研究にとって、なくてはならない方法となっている。胚の透明性という特長を最大
限に生かして、トランスジェニックフィッシュを作製し、特定の器官・細胞・組織を GFP 等の
蛍光蛋白質の発現により可視化する、あるいは特定の細胞の機能を可視化する、操作する、と
いった研究がさかんに行なわれている。
7
遺伝子機能を改変するための技術に関しては、これまで化学変異原を用いた点変異生成 3,4、
レトロウィルスを用いた挿入変異生成 7、トランスポゾンを用いた挿入変異生成 8 などが行なわ
れて来た。また簡便に遺伝子機能をノックダウンする方法として、モルフォリーノ(アンチセ
ンスオリゴ)を用いる方法 9 がさかんに行なわれて来た。最近では、CRISPR/Cas9 法により、
変異体の作製が格段に容易になった 10。これらのことからゼブラフィッシュのモデル動物とし
ての重要性はますます増大すると考えている。
また、ゼブラフィッシュを用いて、ヒト疾患モデルを開発する研究、創薬を目指した低分
子化合物をスクリーニングする研究 11 等、新しい分野や可能性も開拓されつつある。
本講演では、我々自身の研究を中心に、これらゼブラフィッシュを用いた最新の研究の動
向を紹介したい。
(1) F. Hamilton, An account of the fishes in the river Ganges and its branches (Archibald
constable and company, Edinburgh, 1822)
(2) Streisinger et al. Nature 291, 293 (1981).
(3) Haffter et al. Development 123, 1 (1996).
(4) Driever et al., Development 123, 37 (1996).
(5) Stuart et al. Development 103, 403 (1988)
(6) Kawakami et al. Dev Cell 7, 133-144 (2004)
(7) Gaiano et al. Nature 383, 829-832 (1996).
(8) Nagayoshi et al. Development 135, 159-169 (2008).
(9) Nasevicius et al. Nat Genetics 26, 216-220 (2000).
(10) Hwang et al. Nat Biotechnol 31, 227-229 (2013).
(11) Peterson et al. PNAS USA 97, 12965-12969 (2000).
8
【シンポジウム II
代替法】
「代替実験動物としてのカイコの有用性」
関水
和久
東京大学大学院薬学系研究科教授・株式会社ゲノム創薬研究所顧問
カイコはこれまで、絹の生産、並びに、リコンビナントタンパク質の製造に利用されてきまし
た。私は、カイコをマウスやラットなどの哺乳類の代替動物として、医薬品の治療評価の判定や、
食品の有効性を調べるために利用するという新しい提案をしたいと思います。これまで私たちの
研究グループは、カイコの細菌感染モデルが抗生物質の治療効果の評価系として有用であること、
並びに、ガンや糖尿病、肝臓病などの疾患モデルができることを示してきました。さらに私たち
は、カイコが免疫活性を促進する食材を探索する上に有効であることを示しています。本セミナー
では、カイコの代替動物としての利用について、具体的な方法を示したいと思います。
医薬品の治療効果評価において、動物実験は必要不可欠です。なぜなら、試験管内での結果だ
けからは、個体における治療効果の有無を判定できないからです。経口摂食や血液内注射などに
より動物体内に入った化合物の存在状態は、体内動態と呼ばれる機構により刻々と変化します。
医薬品の体内動態を支配する要因としては、吸収、分布、代謝、排泄があります。それぞれを意
味する英単語の頭文字をとって、それらは「アドメ」ADME と呼ばれます。化合物が医薬品とし
て治療効果を示すためには、
「アドメ」が適正でなければなりません。それに加えて、医薬品には
毒性がないことが必要不可欠です。これらの要因を合わせて、ADMEt と呼ばれます。化合物の
ADMEt を予測するためには、動物実験が必要不可欠です。しかしながら、哺乳動物を医薬品の治
療効果の評価に使うことに対しては、コスト並びに動物愛護の観点からの問題があります。これ
らは、新しい医薬品を開発する際のボトルネックになっていると思われます。私は、これらの問
題を回避するための方策として、カイコの利用を提案したいと思います。
カイコには、実験動物として他の動物にはない優れた点がいくつかあります。その中で最も重
要なのは、カイコの飼育にかかるコストが安いことです。長い養蚕業の歴史の中で、カイコは家
畜化され、その飼育方法が確立されてきました。現在では、人工餌を用いることができ、1年中
いつでもカイコの飼育が可能です。ショウジョウバエや線虫が医薬品の治療効果を評価するため
の実験動物として提案されていますが、カイコにはこれらの小さな動物に比べて、サイズが大き
く、そのため、通常のツベルクリン注射器を用いて、血液内に薬物を注射することが可能です。
これらの利点を生かせば、カイコを使って、治療効果を指標とした探索が可能となります。
一方、カイコは食品中の免疫活性物質の探索に威力を発揮します。私たちは、カイコの体内に、
自然免疫を促進する物質を注射すると、カイコの自然免疫系が活性化され、サイトカインの誘導
が起こり、その結果として、カイコの筋肉が収縮することを発見しました。これを利用すると、
従来マクロファージを使って行われてきた、自然免疫促進物質の活性を、簡単に測定することが
可能です。実際私たちは、この方法を使って、自然免疫活性の高いヨーグルト乳酸菌の発見に成
功しました。この方法は、ヨーグルト乳酸菌以外のいろいろな食材に適用することが可能です。
私たちは、カイコで探索し、その結果をマウスやラットで確認し、さらにヒトでの効果を確か
める、という医薬品や食材の効能効果の評価方法を提案したいと思います。特に前者について私
は、
「カイコ創薬」という言葉を提案したいと思います。本セミナーでは、実験動物としてのカイ
コの飼育方法、注射の方法、さらには実際の臨床試験方法について説明させていただきたいと思
います。
カイコの実験動物としての利用に関して、東京大学大学院薬学系研究科微生物薬品化学教室
http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~bisei/、並びに、株式会社ゲノム創薬研究所 http://www.genome-pharm.jp
のホームページにさらに詳細な説明がありますので、ご参照ください。
9
【特別講演】
「環境エンリッチメント、その導入と実践に実験動物技術者が果たす役割」
黒澤
努
鹿児島大学客員教授
※諸事情により講師を、池田卓也先生から黒澤努先生(鹿児島大学客員教授)に変更し開催
させていただきたく存じます。皆様のご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
平成 27 年度大会
大会幹事
児玉俊幸
近年、実験動物に対する Enrichment(エンリッチメント)という用語とその重要性がようや
く多くの実験動物関係者に理解され、飼育現場への導入が進んできたように思われる。しかし
ながら、今まで我が国の法律やガイドラインだけでなく実験動物関係の教科書等においても、
用語として明確な記載が無かった。そのため、多くの飼育現場においてはエンリッチメントが
必要であるという概念が育まれることは少なく、その意味の理解も進まず用語として広く普及
しなかっただけでなく、長らく実験動物飼育現場への導入が進まなかった。
そのような中で、朱宮らは 10 年以上前に欧米の動物福祉動向に着目し、実験動物福祉を実
践し実験動物の安寧(well-being)を担保するには、実験動物の飼育現場にエンリッチメントを
導入することが極めて重要であると指摘した。そして日本語にはエンリッチメントに相当する
適切な用語がなかったことから、「実験動物の環境富化」と表現し普及を計ろうとしたがなか
なか一般化しなかった。しかしながら、サルやイヌなどを扱う実験動物関係者の一部ではその
重要性と必要性が認識され、欧米の事例等も参考にしながら飼育現場レベルで導入が進められ
てきた。
一方、欧米では古くからエンリッチメントの概念が理解され、その必要性が飼育現場でも認
識され普及してきた。しかしながら、実験動物福祉に対する関心が高かった米国に於いても、
エンリッチメントと言う用語が Guide for the Care and Use of Laboratory Animals(ガイド)に登
場したのは第 7 版(1996 年)である。そして、その中で用語として複数個所で使用されてはい
たが、その意味や詳細な内容については具体的に触れず、その意味するところは動物に与える
道具を中心とした補助機材や工夫の域をでなかった。一方、最新の第 8 版ガイドでは陸生動物
飼育の項目でエンリッチメントの考え方や実際の具体的な運用について多くのスペースを割
いている。さらに驚く事には、近年試験研究に急速にその使用が拡大している水生動物におい
ても、エンリッチメントに関する有用性が科学的に確立されていないにも関わらず、飼育管理
におけるエンリッチメントの必要性に言及している。また 2007 年に EU で刊行された
EUROGUIDE 欧州協定 ETS123 の改訂付属文書 A 縮刷版では、非常に多くのスペースを動物飼
育用住居とからめてエンリッチメントに関して動物種ごとに詳細かつ具体的に記載している。
このようなことから、欧米では実験動物の飼育に際してはまずはエンリッチメントありきとい
う前提があり、十分な科学的合理性が有る場合以外はエンリッチメントを採用しなければなら
ない。一方、我が国ではエンリッチメントそのものへの理解不足や、必要性や試験研究への影
10
響に対する疑念が先行し、未だに導入に対して及び腰な実験動物関係者は多く、日本のエン
リッチメントに対する姿勢には欧米と大きな差異がある。
しかし、先のような欧米の動きなどもあってか近年我が国の実験動物関係者の間にもようや
くエンリッチメントに対する関心が急速に高まり理解も深まり、多くの動物施設で導入が進み
つつある。しかしながら、未だにエンリッチメントと言う用語から単に実験動物に与える玩具
を中心とした道具や補助機材のみを連想する関係者も多く、その利用に関しても必ずしも正し
い理解がされていないように思われる。そこでまずは、飼育現場の担当者がエンリッチメント
に対する正しい理解をすることが重要であり、その導入に先立って動物種や系統、雌雄、週令
等に応じた動物の性質や行動を理解する必要がある。そして、エンリッチメントの導入後も実
験動物の専門家として動物の行動学に基づいた日常的な詳細な行動観察を実施し、その結果を
踏まえてきめ細かい対応をする必要がある。また動物の導入前から実験動物ブリーダーや実験
に携わる研究者など多くの関係者とも協議して、各施設における実験動物福祉を実現するため
のひとつの手段としてエンリッチメントの導入と実践を円滑に進める必要がある。
そこで今回は、改めて「エンリッチメント」から「環境エンリッチメント」と言われるよう
になってきた歴史的変遷、そして環境エンリッチメントは単に実験動物に与える道具だけでな
く飼育環境、飼育方法、エサ、馴化、取扱いなど非常に多岐にわたる要素からなること、そし
て近年「動物行動学に根差した動物本来の性質を理解・尊重し、その性質が発揮される飼育環
境を造成する」という考え方への推移などを紹介したい。そしてこのことが、実験動物の飼育
等に携わる関係者の環境エンリッチメントに対する正しい理解と実践につながることを期待
する。
11
【研究発表会】
演題 1
ナフトピジルによる蓄尿症状改善機序の解明
○道下
真衣、酒井
拓己、笠原
旭化成ファーマ株式会社
憲一、冨田
健一、矢野
医薬研究センター
和雄、松崎
修
薬理第二研究部
【背景・目的】
前立腺肥大症は、加齢に伴って肥大した前立腺によって尿道が部分的に狭窄され、排尿困難
などの排尿症状が現れる疾患である。前立腺の肥大による器質的な狭窄だけでなく、α1 アド
レナリン受容体を介した前立腺収縮によって尿道の狭窄が増強される。そのため、排尿症状の
改善にはα1 アドレナリン受容体遮断薬が用いられている。α1 アドレナリン受容体遮断薬の
ナフトピジルは、排尿症状だけでなく、前立腺肥大症患者の約半数で併発する頻尿などの蓄尿
症状も改善する。しかし、ナフトピジルの蓄尿症状改善機序の詳細は明らかになっていない。
前立腺肥大症患者では蓄尿期に膀胱の異常収縮が観察されるため、我々は、生理活性物質が誘
発する膀胱収縮が異常になり、ナフトピジルがその異常収縮を抑制する可能性を考えた。そこ
で、前立腺肥大症を模した下部尿路閉塞(bladder outlet obstruction; BOO)モデルラットを用いて、
生理活性物質誘発性の膀胱収縮に対するナフトピジルの抑制作用を検討した。
【方法】
雌性 SD ラット(8 週齢)を用いて BOO モデルラットを作製した。ペントバルビタール麻酔
下で膀胱付近の尿道を露出し、直径 1.1 mm のステンレスパイプと共に尿道を 4-0 シルクブレー
ドにて結紮後、パイプを引き抜き、尿道を部分狭窄した。手術 1 週間後に膀胱を摘出し、膀胱
条片を作製した。37˚C の Krebs-Henseleit 液を入れた 10 mL オルガンバスに膀胱条片を懸垂し、
9.8 mN の静止張力を負荷して安定化させた。40 mM KCl による収縮操作を 3 回行った後、セロ
トニン、カルバコール、およびフェニレフリンを累積的に添加し、発生張力を記録した。また、
これらの膀胱収縮に対するナフトピジルの抑制作用を検討した。
【結果・考察】
BOO 処置によって膀胱重量は約 3 倍に増加し、膀胱の上皮層、上皮下層、平滑筋層、およ
び漿膜下層が肥厚した。セロトニン、カルバコール、およびフェニレフリンは、sham ラット
の膀胱を収縮させた。BOO ラット膀胱におけるカルバコールおよびフェニレフリン誘発性の
膀胱収縮は sham ラット膀胱と同程度であったが、セロトニン誘発性の膀胱収縮は BOO ラット
膀胱で約 2.8 倍に増強された。ナフトピジルは、セロトニン誘発性の膀胱収縮を濃度依存的に
抑制した。以上の結果より、BOO ラット膀胱ではセロトニンが誘発する膀胱収縮が亢進して
おり、ナフトピジルはこれを抑制することが明らかとなった。前立腺肥大症患者の膀胱におい
ても、セロトニンが誘発する異常な膀胱収縮をナフトピジルが抑制することで、蓄尿症状を改
善する可能性が示唆された。
12
【研究発表会】
演題 2
ラットにおける卵巣摘出による臨床検査値への影響
○田邉
容子、望月
旭化成ファーマ株式会社
文敏、佐藤
則博、鶴井
医薬研究センター
一幸
安全性・動態研究部
【背景と目的】
実験動物を用いた卵巣摘出(OVX)モデルは、ヒトにおける更年期や閉経後骨粗しょう症の
モデル動物として広く使用されている。卵巣摘出によりエストロゲンの欠乏状態が起こり、生
殖器萎縮や骨の粗しょう化を含む多くの器官・組織に影響が生じることが知られている。しか
しながら、OVX モデル動物での網羅的な臨床検査の報告は少ない。今回、本モデル動物を用
いた薬効試験の中で同時に毒性評価を行う目的で、臨床検査値の背景データを取得したので報
告する。
【方法】
動物はラットを用い、Slc:Wistar が 8 試験、Crl:CD(SD)が 2 試験の計 10 試験から血漿サン
プルを採取した。採血は、OVX 後 2 カ月、6 カ月および 9 カ月後に行った。投与は、0.5%メ
チルセルロースの経口投与または注射用蒸留水を皮下投与した。測定項目は、AST・ALT・ALP・
γ-GP・コリンエステラーゼ・総ビリルビン・直接ビリルビン・総タンパク・アルブミン・CK・
アミラーゼ・グルコース・総コレステロール・トリグリセライド・リン脂質・尿素窒素・クレ
アチニン・カルシウム・無機リン・ナトリウム・カリウム・クロール・鉄・不飽和鉄結合能に
ついて、自動分析装置を用いて測定した。OVX 動物から得られた検査値は、偽手術群を対照
として統計学的解析を行い比較した。
【結果】
OVX 群では、ALP の上昇、総タンパクおよびアルブミンの低下、コリンエステラーゼの低
下が術後の経過期間に関わらず共通して認められた。また、総コレステロールおよびグルコー
スの上昇傾向、アミラーゼの変動(上昇または低下)が認められた。系統間での明らかな違い
は認められなかった。
【まとめ】
薬効モデル動物の背景データを取得しておくことで、探索研究における適切な薬効評価を行
うとともに、毒性的な考察も可能になることが期待された。
13
【研究発表会】
演題 3
Wistar Hannover ラットにおける発達神経毒性試験の基礎データ
○名波
加奈、岩田
真由美、田中
翔、伊藤
圭一、各務
進、竹原
広、田中
亮太
公益財団法人 食品農医薬品安全性評価センター
【背景】
胎児および新生児に対する神経系への影響を評価するため、米国等では発達神経毒性試験で
の評価が求められている。国際的にも評価項目として注目されており、近年、日本においても
その関心は高まっている。そこで今回、Wistar Hannover ラットを用いて、OECD ガイドライン
426(Developmental Neurotoxicity Study)に準拠した発達神経毒性試験を行い、その基礎データ
を収集した。
【方法】12~13 週齢の雌雄動物(RccHanTM: WIST、日本医科学動物資材研究所)を交配さ
せ、腟垢中に精子が確認された雌動物 30 匹を試験に供した。母動物には、妊娠 6 日(交尾確
認日=妊娠 0 日)から哺育 20 日までの間、生理食塩液を毎日 1 回強制経口投与した。試験期
間中、母動物の一般状態観察、機能観察総合評価法試験(FOB)、体重測定および摂餌量測定
を行い、離乳日(哺育 21 日)に剖検した。出生児については、生後 4 日に各腹雌雄各 4 匹に
調整し、哺育期間から離乳後の育成期間にかけて、一般状態観察、FOB、体重測定、発育分化
検査(耳介開展、下顎切歯萌出、腹部毛生、眼瞼開裂など)、機能検査(角膜反射、疼痛反射、
正向反射、視覚性置き直し反射、瞳孔反射、聴覚反応、握力)、自発運動量測定および条件回
避学習検査を実施した。病理学的検査として、生後 22 日および生後 60-70 日に剖検、脳重量測
定および脳の形態計測を行った。脳、脊髄、末梢神経および眼球(視神経,網膜を含む)につ
いて、病理組織標本を作製し、病理組織学的検査を実施した。
【結果および考察】
母動物では、一般状態および FOB に異常は認められず、体重および摂餌量は順調に推移し
た。剖検で観察された所見は、いずれも自然発生性の変化であった。出生児では、一般状態お
よび FOB に異常は認められず、体重は順調に増加した。発育分化検査、機能検査、自発運動
量測定および条件回避学習検査ならびに病理学的検査における脳重量測定および脳の形態計
測では、雌雄ともに検査日齢に合致した成績の向上ならびに成長がみられた。剖検で観察され
た所見は、いずれも自然発生性の変化であった。また、病理組織学的検査においても、異常は
認められなかった。
これらのことから、今回得られた成績は、RccHanTM: WIST 系ラットを用いた発達神経毒性
試験を実施する際の基礎データとして有用であると考えられた。
14
【研究発表会】
演題 4
投与液調製法の自動化検討-乳鉢法との比較-
○川島 理沙,吉村 陽子,渡邉恵美,四條
綾,山口 則和,天野 幸紀,
奥村 睦男
興和株式会社
富士研究所
【目的】
これまで、毒性試験用の薬物投与液の調製は乳鉢を用いて行ってきた。しかしながら、近年
難溶解性化合物が増えたこともあり、その調製は作業時間が長時間となることから、毎回同じ
ものを調製するための作業にはかなりの熟練を要することが課題であった。そこで、本検討で
は、まず現状を把握する目的で、乳鉢を用いた調製を複数回繰り返し、調製液の粒度分布を比
較することにより調製液間でどの程度の相違が認められるか確認、問題点を抽出し、その解決
方法を検討した。また、調製間差を小さくする目的で自転/公転ミキサーを用いた自動化の可能
性についても検討した。
【方法】
乳鉢を用いた方法:モデル薬物としてインドメタシン(IND)を選択し、秤量後メノウ乳鉢
に入れ 0.5%メチルセルロース(0.5%MC)溶液を少量ずつ添加し、乳棒で攪拌しながら均一に
混合し、20mg/mL の懸濁液とした。その後粒度分布計(レーザ回析/散乱式粒子径分布測定装
置)を用い粒子径を測定した。
自転/公転ミキサー(自転・公転真空ミキサー)を用いた方法:IND 秤量後、専用容器に入
れジルコニアボール(1mm)と 0.5%MC を加え混合し 20mg/mL の懸濁液とした。その後粒度
分布計(レーザ回析/散乱式粒子径分布測定装置)を用い粒子径を測定した。
【結果】
乳鉢法を用いて複数人で合計24回同様な調製を行ったが、その調製液の粒度分布は2峰性
であり、大きく3種類あることが明らかとなった。その内大部分は同一であり、残りの2種類
の比率は低かったが、大きな粒子が残存する傾向が認められた。この原因について検討したと
ころ、湿式粉砕の初期課程が原因であることが明らかとなった。改善策としては、添加する媒
体量を少なくすることで改善する可能性が示唆された。
自転/公転ミキサーを用いて、調製した調製液の粒度分布は1峰性であり、複数回実施しても
ほぼ同じ粒度分布が示された。
【結論】
乳鉢を用いた調製法では、粒度分布は2峰性であり、湿式粉砕初期の媒体添加量が調製液の
粒子径に大きな影響を及ぼす可能性が示唆された。また、自転/公転ミキサーを用いて調製した
調製液は、1峰性であり調製間差も小さかったことから今後条件を詳細に検討することにより、
毒性試験においても適用できる可能性が示唆された。
15
【研究発表会】
演題 5
自転/公転ミキサーを用いた投与液調製法
○吉村 陽子,川島 理沙,渡邉恵美,四條
綾,山口 則和,天野 幸紀,
奥村 睦男
興和株式会社
富士研究所
【目的】
先の報告で自転/公転ミキサーが薬物投与液の調製法として有用である可能性が示唆された
ことから、本検討では、薬物量に対する最適なジルコニアボール量を調製液の状態、液温及び
粒度分布から検討するとともに、実使用を想定した調製液量及び濃度上限についても検討した。
【方法】
調製法:モデル薬物としてインドメタシン(IND)を選択し、秤量後、自転/公転ミキサー
(ARV-310、㈱シンキー)専用容器に入れジルコニアボール(1mm)と 0.5%MC を加え、自転
1000rpm、公転 2000rpm で混合し懸濁液とした。その後粒度分布計(レーザ回析/散乱式粒子
径分布測定装置)を用い粒子径を測定した。この方法を用い以下の検討を行った。
① 薬物量と最適ジルコニアボール比率
② 調製量及び最高濃度
【結果】
① 薬物量 200mg、1g、10g 及び 20g に対し、液温及び粒度分布から考えられた最適なジル
コニアボールの比率は 1:100、1:50、1:3 及び 1:3 であったが、薬物量に依存して液温の上昇が
認められた。
② 最大調製可能量は、薬物量 200mg で 200mL、それ以上では 160mL であり、濃度上限は
125mg/mL まで調製可能であった。
【結論】
自転/公転ミキサーを用いて投与液調製を行う場合、薬物量に応じて最適な比率のジルコニア
ボールを組み合わせることにより、1峰性の粒度分布を示し、粒子径(体積基準 50%)10μm
未満の懸濁液の調製が可能であった。しかしながら、薬物量に依存して液温の上昇が認められ
ることから、今後液温上昇を抑える検討を行っていく予定である。
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【研究発表会】
演題 6
マウス精巣性テラトーマ形成の新規原因遺伝子の探索
○宮嵜
岳大 1、中島
美記子 2, 大平
幸夫 2, 髙林
秀次 3, 野口
基子 2, 徳元
俊伸
1, 2
1
静岡大学創造科学技術大学院
3
バイオサイエンス専攻,
浜松医科大学
医学部付属
2
静岡大学
理学部
生物科学科,
動物実験施設
129/Sv-Ter/+ 系統のマウスは自発的に精巣性テラトーマを形成することが知られている。テ
ラトーマとは始原生殖細胞起源の腫瘍の事で、
この系統では 3 胚葉性の様々な組織を形成する。
2005 年にテラトーマの原因遺伝子として考えられていた Ter 遺伝子が 18 番染色体の Dnd1 (dead
end homolog 1)と同定された(Youngren
et al. 2005)。しかし、Ter 変異を交配導入した他の系統
のマウスではテラトーマは形成されず、生殖細胞欠損が起こり不稔になるだけであった
(Noguchi et al. 1996)。このことから、テラトーマ形成には他の遺伝子が関与している事が分かっ
た。実際に Ter 変異を持たず自発的に精巣性テラトーマを形成しない 129 亜系統でも 12.5 日胚
の胎仔精巣を成体精巣に移植することによってテラトーマ(実験的精巣性テラトーマ)が形成さ
れることが報告されている(Stevens, 1964)。
当研究室ではこの実験的精巣性テラトーマ(experimental testicular teratoma; ETT)に注目し研
究を進めている。先行研究により ETT 形成の原因遺伝子が存在している領域を設定するため、
テラトーマ形成系統と非形成系統の交配と胎仔精巣の移植実験が繰り返し行われた。そしてテ
ラトーマ形成の有無と連鎖解析により 18 番染色体の 66.3~67.4 Mbp をテラトーマ形成の新規原
因遺伝子が存在する領域 experimental testicular teratoma 1 (ett1) とし、その原因遺伝子 ett1 が設
定された。また同時進行的に移植によってテラトーマ形成を誘発するコンジェニック系統
LT-ett1 の作出が行われた。ゲノムデータベースからこの領域にはタンパク質をコードしている
遺伝子が 8 遺伝子存在することが分かっている (Miyazaki et al. Mamm Genome, 2014)。
これら 8 遺伝子のエクソン領域に対して DNA シークエンスを行い、
Melanocortin 4 receptor
(Mc4r)にアミノ酸置換が起こるミスセンス変異(G25S)が起きている事を明らかにした。また、
コンジェニック系統の移植実験の結果から胎仔精巣側に ETT の原因があることが示唆された
ため、胎仔精巣中での原因候補遺伝子の発現を RT-PCR により調べた。さらに変異が見つかっ
た MC4R について胎仔精巣中での発現パターンを免疫蛍光染色により明らかにした。
今後はさらに詳細な解析を行うため ett1 領域のゲノムシークエンスやエクソーム解析を行
う予定である。
最終的には CRSPR/Cas9 システムを用い、ssDNA による相同組換えにより同じ変異を野生
型系統に導入したトランスジェニックマウスを作出し、テラトーマ形成の有無により原因遺伝
子の同定を目指す。
17
【研究発表会】
演題 7
光化学的特性および皮膚内動態に基づく経皮適用化合物の光安全性評価
○世戸孝樹,大竹啓斗,鈴木友季子,加藤尚視,佐藤秀行,尾上誠良
静岡県立大学 薬学部 薬物動態学分野
【目的】
薬剤性光線過敏症は特定の薬剤投与後,露光により惹起される皮膚の炎症反応である.医薬
品の光安全性評価ガイドライン (ICH S10 guideline; 2014 年施行) において化合物の光化学的
特性および露光組織への移行性は光毒性発現の重要因子と記載されている.先に我々はこれら
の 2 つの因子の統合的解析により化合物の光毒性リスクを予測する評価系を構築した.さら
に使用動物数の削減を期待し,組織移行性評価に cassette-dosing 法を導入し,光毒性に関する
臨床報告と良好に対応する予測結果を得ている.これまでの検討では同じ母骨格を有する化合
物群への適用に留まっている.本研究では母骨格の異なる化合物群に対する in vitro/in vivo 融
合型光安全性評価系の適用可能性を検証した.
【方法】
母骨格の異なる化合物 5 種について,UV 吸収測定および micellar reactive oxygen species
(mROS) assay を用いて光反応性を評価した.次に 5 化合物を含む propylene glycol 溶液を
ラット腹部に塗布 (0.1 mg/rat) した後に皮膚を採取し,UPLC-ESI/MS を用いて各化合物の皮
膚内濃度を測定した.以上のデータを基に各化合物の光毒性リスクを予測し,予測結果につい
て in vivo 皮膚光毒性試験結果と比較し評価系の予測精度を検証した.
【結果・考察】
すべての被験物質のモル吸光係数は ICH S10 guideline におけるクライテリア (1,000 M-1・
cm-1) 以上であり強い UV 吸収特性を有していた.また,6-methylcoumarin (MC),
2-acetonaphalene (AN),methyl N-methylanthranilate (MM) は露光時に強い ROS 産生を認め,強
い光反応性を示唆した.一方で,強い UV 吸収特性を有するにもかかわらず,4’
-methylbenzylidene camphor (MB) および sulisobenzone (SB) からの ROS 産生は認められな
かったため光反応性は低いと考える.被験物質混合液塗布後の皮膚内動態について,MC,AN
および MB は高い皮膚曝露を示した.さらに AN および MB の平均滞留時間はそれぞれ
39.3 h および >11.9 h であり,皮膚塗布後に高い皮膚曝露が長く持続する可能性がある.一
方で,MM および SB は低い皮膚内濃度推移を示し,皮膚曝露は低いことを示唆した.得ら
れた光化学的特性および皮膚内動態に基づく各化合物の in vivo 光毒性リスク評価において,
MC および AN の光毒性リスクは高く,MM では中程度,MB および SB は 光毒性リスク
が低いと予測した.色差を用いた in vivo 皮膚光毒性試験において,MC,AN および MM を
皮膚に塗布したラットで UV 照射により皮膚の炎症反応を認め,皮膚光毒性を有することを
示唆した.以上より,構築した評価系による光毒性リスクの予測結果は in vivo 光毒性試験の
結果と良好な対応を示した.したがって,光化学的特性ならびに皮膚内動態に基づく光安全性
評価は母骨格の異なる化合物群に対しても適用可能であり,光安全性の高い製品開発に貢献す
ると期待する.さらに cassette dosing 法の導入による皮膚内動態評価は動物数削減により動物
実験の 3Rs に基づく動物福祉に寄与できる.
18
【研究発表会】
演題 8
血液・血液化学検査試料と血液凝固検査試料を同一マウスから採取する方法について
O長田ちさと、内村恵美、澤畑延寿、岡崎恵美、西原義人、原好子、山下美幸、小川竜也、
大石巧
株式会社ボゾリサーチセンター 御殿場研究所
【背景】
マウスは血液量が少ないため、マウスを用いた安全性試験では血液凝固検査が省略されるこ
とが多い。しかし、被験物質によっては評価上血液凝固検査が必要となる場合があり、血液・
血液化学検査用動物とは別の動物を用いて検査を実施しているため、使用動物数が増え、動物
福祉上望ましくない。今回、我々は同一マウスの後大静脈から血液・血液化学検査用試料を、
腹大動脈から血液凝固検査用試料を採取する方法を検討したので紹介する。
【供試動物】
実験 1
B6C3F1 マウス(㈱日本チャールス・リバー社)の雌雄各 10 例(19 週齢)
実験 2
Crlj:CD1(ICR)マウス(㈱日本チャールス・リバー社)の雌雄各 10 例(10 週齢)
【採取方法】
実験 1
イソフルラン麻酔を施した B6C3F1 マウスからヘパリンナトリウム処理した注
射筒を用いて後大静脈より血液・血液化学用サンプルを 0.5mL 採取した。引き続き 3.8%クエ
ン酸ナトリウム溶液を 0.06 mL 加えた注射筒に、腹大動脈より血液凝固用サンプルを 0.54mL
採取した。
血液学検査項目(静脈血、測定機器:ADVIA120、シーメンス)
RBC、HGB、HCT、MCV、MCH、MCHC、Reticulocyte、PLT、WBC、Differential WBC
血液化学検査項目(静脈血、測定機器:TBA-120FR、東芝)
AST、ALT、ALP、LDH、CPK、T-CHO、TG、PL、T-BIL、GLU、BUN、CRNN、Na、K、
Cl、Ca、P、TP、ALB
血液凝固検査項目(動脈血、測定機器:ACL Elite Pro、IL)
PT、APTT、FIB
実験 2
イソフルラン麻酔を施した ICR マウスから 3.8%クエン酸ナトリウム溶液を 0.06
mL 加えた注射筒に、腹大動脈又は後大静脈より血液凝固用サンプルを 0.54mL 採取し、上記血
液凝固検査項目について測定した。
【結果】
実験 1
いずれの試料も凝血や溶血等の性状はみられなかった。また、得られた検査値
を当所の背景データと比較した結果、血液・血液化学検査のいずれの値も背景データ内の値で
あり、毒性評価に十分使用可能と考えられた。
実験 2
PT、APTT 及び FIB の値は動脈血及び静脈血で大差なかった。
【結論】我々が検討した同一動物より静脈及び動脈血を連続して採取する方法は、血液・血
液化学検査及び血液凝固検査を同一動物で実施することができ、また、血液凝固検査値は静脈
血と動脈血とで大差なかった。したがって、我々の検討した方法は使用動物数を削減できるこ
とから、動物福祉の点から有用であると考えられた。なお、本試験では使用動物数が少なかっ
たことから、今後背景資料の蓄積が必要と考えられた。
19
【研究発表会】
演題 9
マイクロミニピッグの精巣の組織学的特徴
○寒川
彰久、大竹
正剛、塩谷
聡子、柴田
昌利
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター
【背景と目的】
マイクロミニピッグ(以下 MMP)は 6 ヵ月齢時の体重が約 10kg とミニブタの中でも非常に
小型であり、試験研究等での利用が近年増加している。小型で扱いやすいことから生殖関連の
試験に有利であるが、MMP の生殖器に関する組織学的特徴の報告は少ない。そこで本研究で
は MMP の精巣に着目し、その組織学的特徴を把握することを目的とした。
【方法】
6~9 ヵ月齢の MMP9頭(体重 11.1±1.7 kg)の精巣について、重量測定後、FSA(ホルマリ
ン・ショ糖・酢酸)固定を行い、常法に従いパラフィン包埋切片を作製した。染色はヘマトキ
シリン・エオジン染色を行った。組織学的検索では、精細管の直径や精細管と間質の面積比等
の形態測定、Tubular morphology system による精上皮のステージ比率の測定、組織学的所見の
有無を調査した。
【結果】
精巣重量は 21.8±4.3 g、精巣総重量の体重比は 0.39±0.05 %であった。精細管の直径は 226.6
±11.7 μm、面積比は、精細管, 67.9±8.1 %; ライディッヒ細胞, 29.2±7.6 %; その他間質, 2.9
±1.4 %であり、精上皮のステージ比率は stage1, 18.3±3.1 %; stage2, 7.1±2.4 %; stage3, 5.0±2.0;
stage4, 11.8±2.7 %; stage5, 18.5±3.4 %; stage6, 14.0±4.0 %; stage7, 11.1±3.0 %; stage8, 14.2±
3.1 %の頻度で観察された。組織学的所見として、精細管での多核巨細胞が4個体で認められ、
観察頻度は精巣あたり 0.6±0.2 %であった。また、精細管の萎縮が数個体で観察された。
【考察】
今回の結果と家畜を含む他のブタ品種における報告例を比較すると、精巣総重量の体重比や
精細管の直径では他のブタ品種との大きな違いはみられなかった。しかし、面積比での間質の
ライディッヒ細胞比率が高いこと、精上皮のステージ比率で他のブタ品種との類似性がみられ
ず固有の比率を示したことは、MMP 特有の組織学的特徴であると推察された。多核巨細胞や
精細管の萎縮に関しては、ミニブタでは比較的高頻度で確認されていることから、MMP 特有
の所見である可能性は低いと考えられた。
20
【研究発表会】
演題 10
眼圧上昇白色ウサギにおける角膜の変化
○堀内直美、平井
亮、関
美沙、鈴木ひかり、田中孝弘、津田裕一、久世
博、石川 勉
株式会社ボゾリサーチセンター函南研究所
【目的】
眼圧上昇モデルとして知られている水の大量経口投与(水負荷)法により白色ウサギの眼圧
を上昇させ、その際の角膜厚及び角膜内皮細胞(細胞密度と細胞面積)を検査し、眼圧上昇に
伴う角膜の変化について検討した。
【方法】
白色ウサギは 11 箇月齢の NZW(Kbl: NZW 北山ラベス㈱)雌 10 例(5 例/群)を用いた。眼
圧は空気圧式眼圧計 Model 30 Classic(Reichert, Inc., USA)、角膜厚は角膜厚測定装置 SP-100
(トーメーコーポレーション)、角膜内皮細胞はスペキュラーマイクロスコープ EM-3000(トー
メーコーポレーション)を用いて検査した。眼圧及び角膜厚の測定時には、角膜表面麻酔(0.4%
ベノキシール、参天製薬㈱)を点眼した。
水の投与量を 20 及び 60 mL/kg とし、カテーテルを用いて強制経口投与した。眼圧及び角膜
厚は、投与前、投与後 0.5、1、2、3 及び 24 時間に測定した。また、角膜内皮細胞は、投与前
及び投与後 24 時間に検査し、細胞密度及び細胞面積を測定した。
【結果】
眼圧の変化として、水 20 mL/kg 投与により投与後 1 時間、水 60 mL/kg 投与では投与後 0.5、
1 及び 2 時間に投与前に比して有意な上昇が認められた。一方、角膜厚の変化としては、水 20
mL/kg 投与により投与後 0.5~24 時間に投与前に比して有意な低下(両眼又は片眼)が認めら
れたが、水 60 mL/kg 投与では個体間差が大きい測定結果であった。角膜内皮細胞の検査では、
水 20 及び 60 mL/kg 投与とも特記すべき変化は認められなかった。
【まとめ】
水 20 及び 60 mL/kg の大量経口投与により、投与量(水負荷量)に応じた眼圧の一過性の上
昇が認められた。角膜厚については、水 20 mL/kg 投与により投与後 0.5~24 時間に低下傾向が
認められた。今回の検討により、眼圧の一過性の上昇に伴って、角膜厚は継続的な低下傾向を
示すことが示唆された。
21
【研究発表会】
演題 11
骨粗鬆症治療薬が 2 型糖尿病モデルラットの骨代謝におよぼす効果
○北見彰啓 1、高尾亮子 1、島津由香里 1、下村綾 1、磯谷幸宏 1、田中浩美 1、鵜沢豊暢 1、
中村美砂 2、野村幸子 3、河野洋平 3、前野覚大 3、宇都宮洋才 3
1
旭化成ファーマ株式会社、2 大阪河﨑リハビリテーション大学、3 和歌山県立医科大学
【目的】
近年急増している生活習慣病の一つである糖尿病が、骨粗鬆症の危険因子であることが疫学
調査から報告されている。そこで本研究では、2 型糖尿病モデルラットにおいて、骨形成促進
剤である PTH 製剤および骨吸収抑剤である CT 製剤が骨に及ぼす効果を明らかにすることを目
的とする。
【材料と方法】
SDT fatty ラット(SDT.Cg-Leprfa/JttJcl)雄 7 週齢 12 匹を用い、3 群に分け、各群に溶媒のみ
(0.1%ラットアルブミン含有生理食塩液、以下 control 群)、PTH 製剤(テリパラチド、60 µg/kg
BW、以下 PTH 群)、CT 製剤(エルカトニン、15 U/kg BW、以下 CT 群)を週 3 回、8 週間の
皮下投与を行った。8 週投与後の剖検時に大腿骨等を採取し、骨密度、骨強度等の解析に供し
た。
【結果】
体重変化、骨体積および骨長は、3 群間において差が見られなかった。Control 群との比較に
おいて、PTH 群は海綿骨での骨密度増加、骨構造の改善が見られ、皮質骨では骨量・皮質骨幅
増加の程度は少ないものの、骨強度は改善傾向が見られた。CT 群では、海綿骨への明らかな
効果は見られなかったが、皮質骨では骨量・皮質骨幅増加の傾向および骨強度は改善傾向が見
られた。
【結論】
2 型糖尿病モデルラットにおいて PTH 製剤の骨密度や骨強度への改善効果が示唆された。
22
【ポスター発表】
ポスター1
動物実験施設内の耐震固定の問題点と対策:穴を開けない固定方法の提案
○加藤
1
恒雄 1、小林
英治 2 、高野 聡美 3 、六車 香織 3 、小木曽 昇 3
有限会社キョウエー、2 株式会社セノ、3 国立長寿医療研究センター研究所実験動物管理室
【目的】
特殊環境維持を前提とする動物実験施設、特に SPF 環境下における飼育器材等の耐震対策に
は、床や壁に安易に穴を開けて防護機能を低下させる固定方法は望ましくない。施設の施工時
では一般的に、床表面にリノリウム長尺シート床材(以下床という)が使用されている。しか
し、床は経年劣化により建屋基盤と剥離することも想定されるため、施工後の耐震には床に穴
を開けて、建屋基盤に固定するアンカー施工を実施している現状がある。このような特殊環境
を維持するために、床内が浮き上がり状態にあっても、床に穴を開けない耐震固定法が適用可
能かを明らかにし、かつ業務従事者の安全を最大限に図る固定方法を検討したので報告する。
【方法】
リノリウム床材を用いた疑似床板を作製し、適用限界を確認するに当たり、転倒しやすさの
指標である塔状比 B/H(以下 B/H という)と床内剥離度の関係を観察した。一般的に B/H は数
値が小さいほど転倒しやすい。
内部が剥離された疑似床板 5 種類(床内剥離度 0、44、67、83、100%)、試験体として疑似
ボンベ 2 種類(B/H0.19、0.22)、疑似ラック 2 種類(B/H0.3、0.6)を作製し、床に穴を開けない金
具で固定し 1 時間後に実験を行った。加震強度は最大加速度 2,000gal、周期 0.25 秒、加震時間
50 秒に設定し、試験体の転倒および床内剥離部の浮き上がりを確認した。
【結果・考察】
B/H0.19 の疑似ボンベは床内剥離度 0%でも転倒した。B/H0.22 の疑似ボンベは床内剥離度
44%で転倒した。B/H0.3 の疑似ラックと B/H0.6 の疑似ラックは、ともに床内剥離度 67%で転
倒しなかったが、B/H0.6 の疑似ラックは床内剥離度 83%で転倒した(B/H0.3 の疑似ラックは
加震台に損傷を与える恐れが有ったので実験を中断した)。以上の結果から、疑似ラックと
B/H が同等のラック(幅 1.8×奥 0.7×高 1.2m または幅 1.8×奥 0.7×高 2.4m、重量 51.6kg)を
幅 3.6×奥 2.7m の試験室中央に設置した場合、転倒しないことが推察された。
また床内剥離度 100%では、B/H0.3 の疑似ラックおよび B/H0.6 の疑似ラックは床面自体が移
動したが、ともに床面から剥離・転倒しなかった。床内剥離度に対して B/H が高いほど固定時
の耐震性能が高いことが分かった。一方、床面内接着した部分の剥離拡大は、本実験条件では
発生しなかった。
今回、床内剥離が発生する恐れのあるリノリウム長尺シート床材でも、床に穴を開けない
B/H を考慮した耐震固定方法が十分施工可能であることが示唆された。
【参考】
市販のボンベ(単体)の B/H は、7 立方メートル(47L 型)で 0.14、1.5 立方メートル(10L 型)
で 0.14 になる。市販の架台に設置したボンベの B/H は、7 立方メートル(47L 型)で 0.33、1.5 立
方メートル(10L 型)で 0.3 になる。
23
<静岡実験動物研究会入会案内>
「静岡実験動物研究会会則」をご熟読の上、入会申込書ご記入いただきまして事務局宛に E-mail、
Fax またはご郵送にてお送りください。折り返し払込込取扱票をお送りいたしますので、年会費
の払い込みをお願いいたします。
● 入会申込先
〒412-8513 静岡県御殿場市駒門 1-135
㈱中外医科学研究所内
静岡実験動物研究会 事務局 伊藤宛
Tel:0550-87-8327 fax:0550-87-5219
E-mail:itotats@chugai-pharm.co.jp
●年会費
 正会員 1,500 円
静岡実験動物研究会会長殿
静岡実験動物研究会入会申込書
静岡実験動物研究会に入会したく、申し込みます。
フリガナ
氏 名
所属機関
部署名
住 所
〒
電話番号
ファックス番号
eメールアドレス
@
受取可
ニューズレターのメール配信
事務局記載
申請受理日
払込用紙発
送
24
受取不可
名簿登録
会費払込確
認
<静岡実験動物研究会会則>
第1条
第2条
第3条
第4条
第5条
第6条
第7条
第8条
第9条
第 10 条
第 11 条
第 12 条
本会は静岡実験動物研究会と称する。
本会は実験動物に直接関係のある業務に携わるものが、互いに実験動物・動物実験に
ついての知識向上を図り、併せてこの領域の進展に寄与することを目的とする。
本会は前条の目的を達成するために、次の事業を行う。
1.講演会、研修会
2.研究発表会
3.会報の発行
4.その他必要と認める事業
本会の事務局は、静岡県内におく。
1.事務局は庶務・研修会・会報の3つに分けておくことができる
2.事務局の担当者の任期は 4 カ年とする。
本会の会員は、次のとおりとする。
1.正会員は、実験動物に直接関係のある業務に従事し、本会の目的に賛同し、入
会申込書を提出した個人。
2.賛助会員は、本会の目的に賛同して、会長の承認を経て、入会申込書を提出し
た団体。
3.特別会員、名誉会員をおくことができる。
年会費は会員 1,500 円とし、賛助会員の年間費は 50,000 円とする。いずれも会計年度
当初に納入する。
退会しようとするものは、その旨を本会に通知する。ただし、当該当年度の会費を納
入するべきものとする。
本会に次の役員をおく
1.会長 1 名、会を代表し、会務を統括する。任期は 2 カ年とし、幹事が正会員、中
より候補者を選出し、総会の承認を得るものとする。
2.副会長 2 名、会長の会務を補佐し、会長に事故あるときは、その職務を代行す
る。任期は2カ年とし、幹事が正会員中より候補者を選出し、総会の承認を得る
ものとする。
3.幹事若干名、会務を分担処理する。任期は 2 カ年とし、正会員の互選により選出
する。
4.監事 2 名、会計を監査する。任期は 2 カ年とし、幹事が正会員中より候補者を選
出し、総会の承認を得るものとする。
5.顧問若干名、会長の諮問に応じ、本会の目的達成に必要な助言を与える。任期
は 2 カ年とし、会長がこれを委託する。
6.名誉会長をおくことができる。
総会は毎年一回開催し、本会の運営につき協議する。
会計年度は総会から次年度の総会までとする。
会則の変更は総会の承認を得るものとする。
本会則は昭和 46 年 10 月 30 日より施行、昭和 56 年 11 月 27 日一部改正、昭和 62
年 12 月 4 日一部改正、平成 2 年 12 月 7 日一部改正、平成 10 年 12 月 4 日一部改正、
平成 21 年 10 月 16 日一部改正する。
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本大会開催に関するお問い合わせ、ご意見などは下記
までお願い致します。
平成 27 度大会幹事
旭化成ファーマ株式会社
医薬研究センター 安全性・動態研究部
児玉 俊幸
TEL:0558-76-8639、FAX : 0558-76-5509
E-mail:kodama.ts@om.asahi-kasei.co.jp
静岡実験動物研究会
当研究会に関するお問い合わせ、催事のご案内、入退会に関するお問い合わせ先
事務局:伊藤 辰哉
〒412-8513 静岡県御殿場市駒門 1-135
㈱中外医科学研究所 御殿場ブランチ
Tel:0550-87-8327 fax:0550-87-5219
E-mail:itotats@chugai-pharm.co.jp
ホームページ URL: http://www1a.biglobe.ne.jp/shizudou/
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