募集要項【和文版】 PDFデータを開く

2018 年度募集要項
2018 年 4 月より 2019 年 3 月迄の期間内の研究奨励金受給申請用
申請書類受付締め切り日:2017 年 8 月 31 日
公益財団法人 松前国際友好財団
創立者のことば
日本への理解と
世界の平和をめざして
私は現代の世界の様相を国家エゴイズムの相剋の中にあると見る。かつてローマ・クラブは、
世界人類の将来を憂い、三つの危機を提唱した。それは、エネルギー不足、食糧不足、そして人
口増加の危機を乗り越えない限り人類の恒久平和の道はないというものであった。 まさに至言
というべきであるが、現代のような国家エゴイズムの相剋の中にあっては、平和への道は遠い。
しかしながら我々は、このような歴史の流れをただ茫然と見過ごしてはならない。
我が国が諸外国との間に平和のうちに存立し得るため、さらには今日の若き人材が 21 世紀にお
いて平和的な活動を容易ならしめるべく、日本の対外活動の強固たる基盤を今にして準備せんと
しているのである。
そこに初めて、国家の存続と未来への道が開かれると確信しているのである。
我が日本国民は、第 2 次世界大戦の悲劇を体験し、二度と再び武力によって国威を発揚するが
ごとき行為を厳しく戒め、平和のうちに国家再建の道を求め、工業立国をめざす政策を進めてき
た。以来、30 数年を経た今日、諸外国との間で、特に貿易、経済の面でいろいろな摩擦が生じて
いることも事実である。
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我々日本人はいま、この現実に襟を正し、いかにして共通理解の上に平和と繁栄の道を拓くべきか
について懸命の努力を続けている。
そこで私は、世界の国々の永遠の平和と友好、親善の道を求め、平和国家としての道を歩む縁とな
ることを願い、本財団の創立を決意したのである。それは本財団の目的に明記するごとく、人種・性
別・宗教・思想・国家体制の差別なく、外国国籍を有し、優れた資質を備えた新進気鋭の研究者、活
動家を日本に招待し、日本に対する理解を深めてもらうことによって友好親善の道を拓き、両国間は
もちろん世界各国相互の恒久平和に貢献したいとの願いをこめているのである。願わくば、このよう
な趣旨に共鳴され、日本における研究活動を希望する有為な若き人材の応募を心から歓迎したい。
なお、本財団の発足にあたって、ドイツ連邦共和国の主宰するアレキサンダー・フォン・フンボル
ト財団の崇高な理念と実践に深く感銘し、本財団の設立に大いなる影響をもたらしてくれたことを銘
記し、感謝とともに、本財団の目的と使命の達成にむかって懸命の努力を続けたい。
1979 年 6 月
創立者
松前 重義 (1901~1991)
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本財団は民間団体で、その基金は、創立者松前重義博士の呼び掛けに応じた、多くの日本人の善意
による寄付である。その中には団体からのものもあるが、大部分は個人で、創立者の遠大な理想に共
鳴し、貴重な収入の中から寄付を続けている人たちである。
支給を受ける者は、このような人びとの善意を厳粛に受け止め、研究奨励金の有意義な使用をとくに
心がけて欲しい。
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応募者の資格
外国国籍を有しかつ次の事項に該当する者は、必要書類を添えて応募することができる。
1.博士課程を修了した者、またはそれに準ずると本財団がみなした者。
2.応募時の年齢が 49 歳以下であること。
3.英語または日本語の会話能力が、研究活動に支障を来たさない者。
4.来日経験のない者。
5.応募者は、応募者自身の国において確固たる地位・職業を持ち、招聘後は本国に戻る者。
6.心身ともに健康な者。
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研究分野
自然科学・工学・医学の研究分野は優先度が高い。
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招聘期間および招聘予定数
2018 年 4 月より 2019 年 3 月迄の期間内で、応募者は研究奨励金支給希望期間を 3 ヶ月から 6 ヶ月の
間で決める事ができる。招聘者数は約 20 名を予定している。
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日本における研究機関
受け入れ研究機関については、あらゆる大学の研究室、国所轄の研究機関や、さらには各企業の研
究所など、受諾可能な研究機関を自由に選択することができる。
応募者は、応募に先だって希望する研究機関より受け入れについて承諾を得ておくこと。
受け入れ研究機関に関して、本財団は斡旋しない。
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応募方法および受付期間
応募者は必ず本財団事務局より最新の英文要項を入手し、これに基づいて応募すること。 または、
本財団ホームページより要項を入手し、応募申請書(PDF ファイル又は MSWord ファイル)を印刷して
使用することが出来る。
応募者の資格および本募集要項に記載されているその他の条件を満たさない者からの要望等には一
切応じない。応募書類は応募者自身の母国より提出すること。いかなる事情があろうと、すでに日本
にいる者からの応募は受け付けない。ファックスや、電子メールでの応募は受け付けない。
応募書類等受付は、2017 年 8 月 31 日到着分まで。
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応募書類
応募者は以下に掲げる書類(#1~#8)を英語(タイプ)で各 1 部(A4 サイズとする)そろえ、
一括して郵送にて本財団事務局へ提出すること。英語以外の書類はいっさい受理しない。書類不備の
場合には、審査の対象とならない。本財団ではこれら応募に要する経費は負担しない。必要に応じて
財団事務局より追加の書類提出を依頼することがある。受領した書類は本財団に帰属し、返却はしな
い。
尚、書類到着に関する個々の問合せには応じない。
#1.応募申請書(本財団指定の書式又はそのコピーを使用すること。自作の用紙は受け付けない)
申請書は 2 ページからなり、3 ヶ月以内に撮影した写真を添付すること。 応募者は、申請書内
の全ての項目について漏れなく適宜確実に記入し(空白は不可)、かつ所定の欄に応募者自身
の署名と日付を記入しなくてはならない。
#2.研究計画
応募者自身で研究目的・方法・研究計画の進行予定を詳細に記述する事。研究計画は日本の受
け入れ指導教官と十分協議し、当該機関の研究施設に適合した内容であること。
#3.発表論文・全著作リスト
出版年度、出版地、共著者(もしあれば記入)、判型、ページ数を正確に提示すること。尚#4.
として添付する論文にはリスト上に赤で印をつけること。
#4.本人にとって最も重要と思われる発表論文の別刷り(1 冊)
英語以外の言語の出版物は英語の要約を添付すること。
#5.履歴書
#6.応募者の雇用者による、研究上の能力および業績を証明し、かつ研究奨励金支給希望期
間について、研究出張許可が得られることを確認できる書類。 #7.大学当局の発行による全課程(学士、修士、博士等)にわたる英文の修了証 の写し。(英
語以外の言語の修了証は、英語の訳を添付すること。)
#8.受け入れ指導教官による署名入りの招待状 受け入れ滞在期間、研究計画、研究施設・試材の利用について諒解済みである事、滞在中の宿
泊施設を手配する事について確認できるもの。書式は自由。但し、電子メールは不可。
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選考および採否通知
1.応募書類は、審査委員会により、その研究分野の学術的価値と完成度をもとに審査される。
2.採否の結果は、応募受付後 2017 年 12 月末日までに応募者本人宛に直接通知する。
3.招聘が決定された研究者に対しては、本財団から招聘状(グラント・レター)を送付する。
4.選考の経過に関する発表はしないし、また問合せにも応じない。
5.選考決定の理由は公表せず、また個人的な問合せにも応じない。
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研究奨励金の内容
合格した者には以下の研究奨励金が支給される。その家族や同伴者等への支援はない。
研究奨励金は合格した応募申請者本人のみへ支給されるもので、日本での生活に必要な諸経費と研究
活動を目的としたものである。いかなる理由においても、研究奨励金の一部であろうと当事者以外ま
たは他の目的に充ててはならない。
研究滞在費… 研究機関への指導料および研究に係わる経費・宿泊費・食費・交通費等の諸経費
として月額 220,000 円を支給する。
旅行者保険… 傷害死亡、後遺症、傷害治療、疾病死亡、疾病治療
旅 費… 招聘者の母国居住地~東京間の最短経路のエコノミークラス・往復航空券を支給
する。 なお、支給された航空券は、現金化することは出来ない。また本財団が
支給する航空券以外の航空運賃について、現金の支給は行なわない。
来日一時金… 来日時の国内旅費補助、滞在開始時の宿泊施設確保に要する経費の補助、等とし
て 120,000 円。
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招聘に関する注意事項
1. 来日・帰国日は、招聘状に指示された期日に限定され、滞在期間の延長または短縮は一切認められ
ない。
2. 本財団が招聘するのは、招聘状に記された者のみであり、その家族・同伴者について日本入国手続
き・航空券他一切について関知しない。
3. 招聘される研究者は、本財団の招聘による日本滞在中は1日であろうと日本を離れてはならない。
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研究奨励金の取り消し
1. 以下の違反事項のいずれかが確認された場合には、本財団は違反者に対し、研究奨励金支給の停
止・取り消し、研究奨励金受給者としての資格の剥奪を行うとともに、すべての関係方面(入国管
理事務所、受入研究機関等)へその実状を報告する。
違反者は本財団より受領したすべての研究奨励金を返却すること。
(1) 本募集要項の募集条件に反する事実。
(2) 応募書類、招聘状およびこれに関連する書類における虚偽、または一方的な変更。
(3) 本財団の支給する研究奨励金の一部または全体と、他機関からの研究奨励金とが重複する事
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実が、過去、現在、または近い将来にあることを本財団に通知しなかった場合。
2.訪日後、研究奨励金受給者として必要とされる能力の水準・執務態度が日本での研究活動に重大な
支障をきたし、受入れ指導教官から拒否された場合は、ただちに本財団の研究奨励金受給者の資格
を剥奪する。
取り消しの例:
例① 過去に、他団体の研究奨励金により日本に滞在したことがあるにもかかわらず、
これを本財団に通知せず、その事実が日本入国後、判明した場合は、ただちに本
財団の研究奨励金受給者たるの資格を剥奪する。
例② 他団体からの研究奨励金を受けながら、この事実を本財団に通知せず、その事実
が、日本入国後、判明した場合は、上述例①と同様の処置をとる。
例③ 他団体からの研究奨励金を受け、その事実を本人が本財団に通知した場合でも、
本財団は、その研究奨励金の内容を検討し、本財団の研究奨励金を取り消すこと
もある。
例④ 受入れ研究機関を変更した場合は、本財団の研究奨励金受給者たるの資格を剥奪
する。
例⑤ 日本滞在期間を変更した場合は、本財団の研究奨励金受給者たるの資格を剥奪す
る。
招聘研究者に対するサービス
国内研修旅行
日本に対する理解を深めることを目的に、本財団で招聘した研究者を対象に、国内研修
旅行を実施する。
研究紀要
招聘者の研究滞在の終了にあたって、本財団が受け取った研究成果等は、毎年発行する
「研究紀要」に掲載される。
帰国後の招聘者との連絡
本財団と招聘者間の終生の友情を保つため、本財団では「ニュース・レター」及び「奨
学者名簿」を作成し送付する。
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創立者
松前 重義 博士
略歴: 1901 年熊本に生まれる。1922 年熊本高工電気科を経て東北帝国大学(現・東北大学)工学部電気工学科入学。1925 年
東北帝国大学卒業後、逓信省へ入省。1935 年電気学会より「長距離無装荷ケーブル通信方式」の発明により、「第 10 回浅野博
士奨学祝金」を授与される。1937 年東北帝国大学より工学博士の学位を受ける。1943 年航空科学専門学校(現・東海大学)を
設立。1944 年陸軍二等兵として臨時召集、南方戦線へ。1945 年逓信院総裁(~1946 年)。1952 年衆議院議員(~1969 年、六
期)。1979 年財団法人松前国際友好財団を設立(初代理事長)。
学校法人東海大学理事長・総長、首都大学野球連盟会長、日本対外文化協会会長、社団法人スウェーデン社会研究所会長、株式
会社エフエム東京代表取締役会長、財団法人日本武道館会長、国際柔道連盟会長、学校法人国際武道大学理事長・学長、全日本
学生柔道連盟会長、などを歴任。1991 年逝去。
主な受章: 勲一等瑞宝章・勲一等旭日大綬章/ブルガリア・勲一等マダルスキー・コニグ最高勲章、国際デミトロフ章、ブル
ガリア建国 1300 年勲章/デンマーク・ダネブロー勲章コマンダー章/ポーランド・最高功労章/ソ連邦・民族友好勲章/ハン
ガリー・文化功労章、国旗勲章/スウェーデン・北極星勲章一等コマンダー章/タイ・勲一等王冠勲章/ドイツ民主共和国・民
族友好ゴールドスター章/オーストリア・大栄誉金章、ウィーン市功労栄誉勲章一級コマンダークロス金章
公益財団法人
松前国際友好財団
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