地域パートナーHOT 情報 〔鳥取県〕 「宇宙日本食を鳥取から」 船田 義治(産学官連携・産業クラスター担当 課長補佐) funada-yoshiji@meti.go.jp TEL 082-224-5760 昨年末、和食(日本人の伝統的食文化)がユネスコの無形文化遺産に登録されることが 決定したというニュースが話題になりましたが、宇宙食の中にも「宇宙日本食」の認証が あることをご存知でしょうか。 宇宙日本食は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が国際宇宙ステーションに滞在する宇宙 飛行士に供給する目的で、食品メーカー等が提案する食品を JAXA が評価し、宇宙食とし ての基準を満たしている場合に宇宙日本食として認証するものです。 今まで認証された食品にはラーメン、カレー、サンマの蒲焼など 28 品目(12 社)あり、 日本の宇宙飛行士だけでなく、各国の宇宙飛行士にも供給した実績があります。 【認証された宇宙日本食の例:左から白飯、カレーラーメン、黒飴(JAXA のホームページより】 宇宙日本食として認証されるためには、応募に基づき以下の項目について、宇宙食分科 会で確認後、同分科会が総合評価し食品を選定、選定された食品は宇宙日本食認証基準に 従い認証手続を実施することになります。 ●食品候補リストに該当すること ●宇宙食としての適性があること(調理方法(加水、加温、そのまま喫食の何れかであ ること) 、水分やカスが飛び散らないこと) ●保存期間が 1.5 年以上あること ●ナトリウム量が 1,000mg 以下であること ●宇宙食分科会委員に試食を行い評価 食品候補リストは、ご飯、パン、麺類、肉料理、魚(魚介)料理、野菜料理、汁物、デ ザート、飲み物、調味料に大きく分類されており、宇宙食とは思えないくらいレパートリ ーに富んでいます。 旬レポ中国地域 2014 年 2 月号 1 中国地域では、鳥取県・島根県・広島県・山口県の4県が相互に連携し、今後さらに多 様化・市場拡大が期待される機能性食品分野の産業集積形成を目指し、当該分野の事業化 支援(新商品・新技術の研究開発支援等)を実施しています。 宇宙日本食には、国際宇宙ステーションで長期滞在を予定している宇宙飛行士に、世界 各国で健康に良いと認識されている日本食の味を楽しんでもらい、長期滞在の際の精神的 なストレス緩和や、仕事の効率の維持・向上につながることが期待されており、機能性食 品に当てはまります。 <平成 25 年度成長産業・企業立地促進等事業費補助金(経済産業省)> 【実施体制図】 公益財団法人しまね産業振興財団 公益財団法人しまね産業振興財団 財団法人しまね産業振興財団 機能性食品産業プロジェクト 機能性食品産業化プロジェクト 機能性食品産業化プロジェクト(H24年度終了) により構築された産学官連携体制 企業ネットワークの 広域化 ◎総合調整窓口 ◎総合調整窓 ○シーズニーズマッチング事業 ○シーズニーズマッチング事業 ◎総合調整窓口(幹事県) ○セミナー事業 シーズニーズマッチング事業(主担当) ○専門家派遣事業 ○シーズニーズ発表会 地域イノベーション創出研究開発事業 ○セミナー事業 専門展示会共同出展事業 都市エリア産学官連携促進事業 専門展示会出展事業(副担当) ○専門家派遣事業 企画検討会議 ・事業の企画立案 ・事業の進捗管理 及び評価 ○専門家派遣事業 専門家派遣事業(主担当) 機能性食品クラスター 専門展示会出展事業(主担当) 公益財団法人鳥取県産業振興機構 財団法人鳥取県産業振興機構 連携・補完 商談展示会事業(主担当) セミナー事業(主担当) フードテクノひろしま 平成 25 年度事業においては、宇宙日本食の新分野進出に必要な商品力・技術力を有し た複数の企業と JAXA 等関係者を結びつける場を設け、中国地域から初めての宇宙日本食 を誕生させることを目標の一つとして事業を計画しています。具体的には、シーズニーズ マッチング、宇宙日本食説明会、展示・試食品評会、専門家派遣などを実施しています。 こうした中、鳥取県では(株)鶴太屋(倉吉市)が、地元の食材を宇宙へ供給することを 目指し、その前提条件としての宇宙日本食の認定に向けて取り組んでいます。 同社は山陰の黒毛和牛専門ステーキ焼肉店「又八」を前身として、平成 22 年に株式会 社鶴太屋を設立。現在、 「鶴太屋又八」と「工房鶴太屋」を運営しています。 ( 鶴太屋ホームページ:http://turudaya.com/com/index.html) 旬レポ中国地域 2014 年 2 月号 2 特に、工房鶴太屋においては、パウチ袋ごと熱湯の中に入れ、10 分間程煮て食するよう な真空パウチを製造・販売しています。 【鶴太屋ホームページより】 宇宙食には、高度な衛生性、調理設備が限られた状態でもおいしく食べられること、宇 宙の微小重力環境で飛び散ったりしない食品や容器の工夫、長期保存に耐えることなど、 地上の一般的な食品よりも厳しい条件が求められます。 同社は、宇宙日本食の認証取得を目指すことが、結果的に会社の食品衛生面の向上につ ながることをも期待しています。 鳥取の和牛、鳥取の梨、鳥取の魚介類が、宇宙日本食となって宇宙空間に飛び出す日を 楽しみに待っています。 経済産業省 中国経済産業局 広報誌 旬レポ中国地域 2014 年 2 月号 Copyright 2014 Chugoku Bureau of Economy , Trade and Industry. 3
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