Vol.06 (2008年07月14日発行)

2008 夏号
第6号
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「向日葵」
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謙虚な心をもち調和を大切にします。
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何事においても常に前向きな姿勢で取り組みます。
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団結と助け合いの精神を持ち、思い遣る
心を忘れません。
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自らに限界を定めず、常に挑戦する気持ちを忘れ
ません。
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発展のために継続する気持ちを忘れません。
医療人として任務を自覚し、自己啓発に努めます。
医療の真の目的は、人間の幸福の追求にあります。
そのためには体の健康を回復するとともに、人間らしい心のふれあいの中にこそ、医療は
その目的を達成できるのです。私たちは医療を通して社会に奉仕してまいります。
部
部署
署紹
紹介
介
第6回目は、はちや整形外科病院検査部です。
今シーズン絶好調!首位独走阪神タイガースの熱狂的ファン井澤部長より
検査部の紹介をしていただきましょう。
はちや整形外科病院検査部部長
井澤 浩之 (いざわ ひろゆき)
われわれ検査部は、7 名の臨床検査技師と 5 名の診療放射線技師で業務を行っています。最新の技術を取得し、来院
いただいた患者様の病態および容態をできる限り早く正確に医師に提供するよう努めております。使用している機器に関し
ても県内にまだ数台しか導入されていない超高磁場(3テスラ)MRI をはじめ 2 台の(1テスラ)MRI、CT、DXA 等多岐にわた
っています。今回、それぞれの機械および検査の特性と検査の場所を紹介させていただきます。
・ 単純レントゲン写真:骨の状態を把握するのに適していて、整形外科で最も一般的な検査です。当院ではなるべく被ば
く線量を尐なくするよう心がけています。(東館 1 階)
・ CT(Xray-Computed Tomography): X 線を利用しており、骨病変の立体的変化を捉えることができ、脊椎・骨盤の疾
患や複雑な骨折片の確認に有用です。単純レントゲン写真同様なるべく被ばく線量が尐なく、金属アーチファクトの尐
ない機種を使用しています(東館 1 階)
・ 骨塩測定:骨粗鬆症の診断に有用です。検診などでは超音波を利用した機種を使用している施設もありますが、当院
では正確に診断が下せる X 線を利用した DXA 法の機種を使用しています。(東館 1 階)
・ MRI(Magnetic Resonance Imaging):磁気を利用した検査で骨だけでなく靭帯や筋肉などの軟部組織の状態確認に有
用です。放射線被ばくの心配はありませんが、心臓のペースメーカーを使用している方はこの検査はできません。また、
磁場の強さにより検査ができない方がいますので詳しくは技師にお尋ねください。(1テスラ東館 1 階、3 テスラ北西館
1 階)
・ エコー:手術を予定しているもしくは術後の患者様の心臓、首の血管(頚動脈)、大腿の血管(下肢静脈)の状態把握の
ために行います。(北西館 1 階)
・ 術前検査:手術の予定されている患者様の心臓(心電図)、肺(スパイロメーター)の状態把握のために行います。また、
高齢、循環器疾患等を持っている患者様にはローラーの上を歩いている状態での心電図も行っています。(北西館 1
階)
・ 脈波:脊柱障害(主に脊柱管狭窄症)の患者様の 1/4 に血管性の病気の関与が報告されています。その隠れた閉塞
性動脈硬化症の診断に有用です。(北西館 1 階)
・ NCS(Nerve Conductive Study):末梢神経を電気刺激し、筋肉の収縮する時間および活動電位を測定します。手根管
症候群、肘部管症候群の診断に有用です。(東館 2 階)
以上が当院で行っている主な検査です。患者さまをお待たせすることなく検査がおこなえる様に、機器の管理・整備にも
努め、機器トラブル等でご迷惑をお掛けすることがないよう心がけています。
最後に、私たちは『基本理念』にありますよう「よりよい医療を提供することが私たちの使命」とし患者様と接しさせていた
だいております。お気付きのことがありましたらどうぞお気軽にお声を掛けてください。
X-ray
MRI
CT
整
整形
形外
外科
科疾
疾患
患あ
あれ
れこ
これ
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③
膝関節
膝の病気が若い人によく起こるのはなぜ?
若年齢における膝の疾患ではスポーツ中のケガが多く見られます。以下の表はスポーツ中の部位ごとの疾患の発生頻
度の統計ですが、圧倒的に膝を含む下半身に集中しており、膝関節・大腿が一番多いのです。
膝関節・大腿
約25%
腰
約25%
足関節・下腿
約10%
その他
約40%
スポーツ中にケガをする原因は、過度に使用したためにおこる関節炎。転倒、ジャンプの着地などでバランスをくずした
倒れ方でひねったりしたためにおこる半月板損傷や靭帯損傷。直接外部からの力が作用しておこる捻挫・打撲などがありま
す。下に記す表はスポーツによって膝に発生する疾患の大まかな頻度です。
関節炎・関節痛
約32%
捻挫・打撲
約18%
半月板損傷
約16%
その他
約34%
スポーツ別で見ると頻度の多い順にバスケットボール・ハンドボール・陸上(中長距離)・サッカー等で運動量や、相手と
の接触の多いスポーツがあげられます。
また、学生や社会人などで運動部に所属しているスポーツ選手で18才から20才の若年層が過半数をしめています。
膝の仕組みと働き
正面図
断面図
膝関節は、体幹(体の中で頭部・手・足を除いたもの)と接地された足部とのちょうど中間にある関節であり、人体関節中
最大の関節である。直立歩行を営む人間の膝関節には他の関節に比べつぎのような特徴があります。
・荷重(かじゅう)関節である
・伸展位(膝が伸びている状態)から屈曲(約140度)まできわめて大きな可動域(動く範囲)をもつ
各部位の働き
半月板
荷重に対する安定性を持っている。
関節面の適合性を確保している。
膝の曲がりに対して滑りを良くしている。
靭帯
膝の中の大きな靭帯は主に内・外側側副靭帯と前・後十時靭帯の4本これらの支持により通常の動きが保たれていて、
左右の横方向の安定に役立っている。
内・外側側副靭帯は膝を伸ばした時にもっとも緊張する。
前・後十字靭帯は2本が前後にクロスすることにより膝の前後方向に安定に役立っている。
前・後十字靭帯は膝が回旋してしまうことに対する抑制を行っている。
膝の病気
膝に関する主な病気は以下のようなものがあります。
膝関節骨折
膝関節血症
膝蓋骨脱臼・亜脱臼
オスグッド・シュラッター病
膝関節の拘縮
変形性膝関節症
膝関節捻挫
膝の骨壊死と離断性骨軟骨炎
内側・外側膝関節側副靭帯損傷
膝蓋骨の変形
前十字靭帯損傷
膝蓋軟骨軟化症
後十字靭帯損傷
膝窩嚢包(ベーカー嚢腫)
半月板損傷
人工膝関節置換術
弾発膝
以上の病気の中で若年層に比較的多く見られるものは、膝蓋骨脱臼・亜脱臼、膝関節側副靭帯損傷、前十字靭帯損傷、
後十字靭帯損傷、半月板損傷、オスグッド・シュラッター病、膝蓋軟骨軟化症があります。
膝蓋骨脱臼・亜脱臼
一般的な統計によると14~15歳に比較的起こりやすいです。スポーツをすることにより起こることが最も多いです。容易
に自然に整復されることが多いため病院等にかからず、そのまま放置しておく場合があるようですが、反復し頻繁に脱臼
を生じることがあります。
病気になったら
⇒ 大腿四頭筋(太ももの筋肉)の強化を計る
膝関節側副靭帯損傷
内側側副靭帯損傷と外側側副靭帯損傷の2種類がある。内側側副靭帯損傷の方が損傷頻度が高く見られる。
前十字靭帯損傷や後十字靭帯損傷を合併することがある。スポーツを行うことにより起こることがある。
前十字靭帯損傷
スポーツ外傷に多い頻度で見られる。関節血症が見られる場合が多い。関節鏡検査により正確な診断が得られます。女
性で激しいスポーツを行わない場合はサポーター等で経過を観察する場合もある。
膝の MRI 断面画像
【異常】
膝の MRI 断面画像
【正常】
靭帯が損傷を起こして
いるため本来靭帯の
あるべきところにはっ
きりとした靭帯がみら
れない
丸の中の黒く線のよう
になっているところが
正常靭帯である
後十字靭帯損傷
前十字靭帯損傷より頻度的には尐ない。
前十字靭帯損傷を合併することがある。
半月板損傷
膝の疾患の中でも多い疾患である。
膝屈曲位で捻りが加わった時に損傷しやすく、しゃがんだ姿勢で働く人やスポーツ選手に多く見られる。
【異常】
【正常】
赤丸で囲んだところに白い線が見られる 半月板左右対称に黒く三角形を描いている
膝を正面より見た MRI 画像
オスグッド・シュラッター病
中学生・高校生の男子など成長期の子供に多く見られる。
膝の曲げ伸ばしを繰り返すと、腫れたりする。
スポーツの準備運動としてウサギ跳びを頻繁に行った場合などに生じやすい。
病気になったら
⇒ 膝の屈伸運動など過激な運動は控える
⇒ サポーター等を使用し膝の動きを制限させる
⇒ 消炎鎮痛効果のある外用薬を塗布
⇒ 正座をしない
⇒ 手術を行うことは極めてまれ
膝蓋軟骨軟化症
15才から20才代が中心で、女性に多く見られます。
関節鏡検査による診断が有用です。
病気になったら
⇒ できるだけ安静にする
⇒ 温める
⇒ 消炎鎮痛剤の内服・外用塗布
手術療法
小侵襲手術(Minimal Invasive Surgery)で早期退院、早期社会復帰
最新の技術を駆使し、内視鏡などを用いて手術を行います。小さな傷口ですますことができ、患者さまの身体への負担
が尐なく、術後の早期退院・早期社会復帰が可能です。
当院では、膝の手術に関して
膝関節鏡視下半月板切除術
膝関節鏡視下前(後)十字靭帯再腱術
単顆置換型人工膝関節置換術(UKA)
低侵襲全人工膝関節置換術(MISTKA)
などの小侵襲手術を行っております。
季刊誌:for you ほーゆー 2008 夏号(第6号)
発行所:医療法人蜂友会はちや整形外科病院医事課
■詳しい内容については医師にご相談ください■
住所:名古屋市千種区末盛通二丁目 4 番地 〒464-0821
ホームページアドレス: http://www.hachiya.or.jp
発行日:平成 20 年 7 月 14 日