2004年度長期フェローシップ募集案内(日本語訳)9月4日募集締切

ヒューマン・フロンティア・
サイエンス・プログラム
(HFSP)
長期フェローシップ募集要項
Bureaux Europe
20, place des Halles
67080 STRASBOURG Cedex – FRANCE
Tel: +33 3 88 21 51 27 Fax: +33 3 88 32 88 97
E-mail: fellow@hfsp.org ウェブサイト: http://www.hfsp.org
応募書類提出先: http://extranet.hfsp.org:4080/
2004年助成分
HFSP長期フェローシップ募集要項
下記の募集要項は、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム推進機構(HFSPO)
から2004年4月に助成される長期フェローシップに応募を考えている方のためのものです。
応募締切日は2003年9月4日です。
I. ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムの目的
ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP)は、生命の複雑なメカニズ
ムの解明に焦点をあてた基礎研究をサポート(支援)するものです。対象分野は、分子レ
ベルの生物学的機能から高度な脳の機能にまで及びます。国境を越えた科学的交流を含む、
基礎研究への独創的、革新的、学際的なアプローチに重点が置かれています。HFSPが特に
奨励するのは、化学、物理学、数学、コンピュータサイエンス、工学など他の学問分野も
交えた生物学の諸問題を探る研究です。なぜなら重要で斬新なアイデアやテクニック、発
見は学問領域の境界で生まれることが多いからです。
HFSPは、国際性、特に大陸間性という特徴に加え、創造的な研究の着手と遂行に重要な役
割を果たすことが期待される、これからキャリアを築いていく研究者のサポート(支援)
にも力を入れています。
研究グラントおよび長期フェローシップの助成は年に1回、短期フェローシップの助成は年
間を通じて選考が行われます。また過去に長期フェローを受けた人が、自国で独立した研
究プログラムを始める場合は、新しく設立されたキャリア・ディベロップメント・アウォ
ード(Career Development Award)を通じて2〜3年間資金援助を受けることができます。
II. 長期フェローシッププログラムの目的
HFSP長期フェローシッププログラムの目的は、博士課程修了後の研究者が、外国の優れた
2
研究所で新しい分野の研修を積むことで、才能豊かな若い科学者の世界的なネットワーク
の育成(振興)を推進することです。
生命科学における科学的アプローチが複雑になるにつれて、科学者が複数の研究分野で幅
広い訓練を受ける必要が出てきました。博士課程修了者を対象とするフェローシップの申
請者は、今後新しい研究分野に進出することが期待されています。とりわけ物理学、化学、
数学、コンピュータサイエンス、工学の訓練を受けた研究者が、HFSP長期フェローシップ
を利用して生命科学分野での訓練を受けることを奨励します。また、生命科学の訓練を受
けた科学者が、長期フェローシップを利用して他の分野の経験を積むことも可能です。他
の分野から移ってきた科学者についても、ケースバイケースで資格ガイドライン(から)
の例外を認めるかどうかを考慮します。
長期フェローシッププログラムのフェローは、最終年(3年目)は自国で活動することもで
きます。自国に戻ることを選択したフェローは、他の機関から資金援助を受けながら、最
終年の実施を最高2年間先送りすることができます。したがって最終年は、自国での研究訓
練活動を追加する形で活用することが可能です。ただし、3年目(最終年)も受け入れ先の
研究所に留まることを選択した場合には、先送りできません。
III. 応募資格
1. 研究分野
HFSPは、複雑な生体機能の解明に焦点をあてた基礎研究への支援を目的としています。対
象となる分野は、分子・細胞レベルの生物学的機能から高度な脳の機能にまで及びます。
この幅広い分野には、遺伝子や個々の分子、細胞間ネットワーク、組織や臓器の細胞結合
から、脳の複雑な機能を支える各種ネットワークまで含まれており、あらゆるレベルの研
究がサポート(支援)されます。さらに、方法論の研究や、生物活動の類似体やモデルの
研究を含め、基本的な特徴を科学的に追求する研究もすべて対象になります。ただし、大
規模でシステマティックなゲノム・マッピングやプロテオミクス分析のみで構成されるプ
3
ロジェクトは、HFSPの助成対象外です。
HFSPの支援対象になるような科学研究においては、学際的なアプローチが不可欠であり、
したがってフェローは幅広い研究訓練を受ける必要があります。そのため博士課程を修了
したフェローシップ申請者は、新たな研究分野に移行することが期待されています。望ま
しいのは、物理学や化学、数学、コンピュータサイエンス、工学の専門教育を受けた科学
者が、HFSP長期フェローシップを活用して、生命科学分野で研鑽を積むことです。
2. 申請者 (不適格な申請を避けるために注意して読んでください)
長期フェローシップの申請者は、下記の条件を満たしていなければなりません。
(1) 申請者は、博士課程での研究や、博士課程修了後の研究活動とは異なる、新しい方向
性を追求することが求められます。自分の研究方向が適切かどうかについては、申請
前に事務局に問い合わせることをお勧めします。
(2) 加盟国(下記参照)出身の申請者の場合、長期フェローシップの研究先として選ぶ国
に制限なく、どの国の研究機関でも申請することができます。非加盟国出身の申請者
は、加盟国であれば、どの国の研究機関でも申請することができます。
a) 現在の加盟国はオーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、
ドイツ、ギリシャ、イタリア、日本、ルクセンブルク、オランダ、ポルトガル、アイルラ
ンド、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国です
b) 「加盟国出身」とは、これらの国のいずれかの国籍を有するということです。
(3) 申請者はフェローシップ開始時点で博士号(Ph.D.)を有するか、それに相当する研究
活動経験を有していなければなりません。また博士号取得前に申請書を提出すること
も可能です。対象となるのは、2000年9月1日以降に博士号を取得しているか、2004年
12月までに博士号を取得予定の研究者です。
この規則の例外として考えられるのは次のような場合です。
*申請者がフェローシップを利用して、別の分野での訓練を受けようとしている場合(例:物理学や化学、
数学、コンピュータサイエンス、工学の専門教育を受けた研究者が、生命科学分野での訓練を希望する場
4
合)
*研究キャリアが中断した例外的な事情を申請者が主張する場合。ただし認められるのは、育児や兵役、
病気など、個人的で非科学的な事情に限り、申請時には詳細な説明をつける必要があります(追加コメン
トのセクションに記入すること)。
個人的な例外措置を希望する場合は、申請に先立って事務局に問い合わせてください。
(4) 申請者は申請時に、第一筆者または第一共同筆者となっている論文を最低でも1点は、
ピアレビューが行われる国際ジャーナルに発表したことがあるか、現在印刷中(2003年9
月4日発行予定)であることが必要です。ただし、その分野の慣行として(例えば著者名を
アルファベット順で並べるなど)第一筆者になることが不可能な場合は例外が認められま
すが、申請時に詳細な説明をつける必要があります(追加コメントのセクションに記入す
ること)。著者名に関する質問がありましたら、事務局までお問い合わせください。
(5) 申請者は受入機関で申請研究を行うのに充分な語学力を有していなければなりません。
(6) フェローシップ期間の最初の2年間は、申請者の自国ではない国に申請しなくてはなり
ません。援助期間の3年目は、自国で過ごすことが可能です。フェローは3年目(最終
年)を自国復帰の準備に当てることが奨励されます。
下記の事項は失格の理由になります。
(1) すでに出版物を共著したことがある、または過去の研究指導者や共同研究者と再度仕
事をすることが目的の申請。
(2) HFSPフェローシップに申請できるのは、フェローシップ開始時点で、受入国あるいは
受入機関での研究期間が12ヵ月未満の研究者です。つまり、2004年4月1日からフェロ
ーシップを開始する場合、2003年4月1日以前に受入機関あるいは受入国で研究を始め
ていた研究者には申請資格がありません。申請を認められた研究者がフェローシップ
開始時期を遅らせる場合も、実際の開始日時点で受入国または機関に12ヶ月以上滞在
していると資格を失います。
5
(3)受入国で連続12ヵ月あるいはそれ以上にわたり、博士課程修了前後の訓練を受けた研
究者は申請できません。
(4) 同一国内で研究室を移動するための申請はできません。
(5) HFSPフェローシップは、申請者がたとえその国の国籍を有していなくても、博士号を
取得した、あるいは博士号に関連して実質的な研究訓練を受けた国や研究機関では受
けることができません。
(6) 博士課程修了前後の研究を海外で行った、または別の国で博士号を取得していたとしても、
申請者が国籍を有する国を受入国として申請することはできません。
(7) HFSP長期フェローシップとHFSP研究グラントを同時に受けることはできません。
IV. 長期フェローシップの受給期間
(1) 長期フェローシップは、3年間にわたって援助を提供します。更新はできません。
また一度受給した者が、再度長期フェローシップを申請することはできません。
(2) 長期フェローシップの3年目は、自国で1年間の博士課程修了後の研修にあてることが
可能です。または3年目を最高2年間先送りすることもできます。最終年を受入機関で
過ごすこともできますが、その場合は2年目が終了次第、最終年に入らなければなりま
せん。
(3) フェローは2004年4月1日から2005年1月1日までの間に、フェローシップを開始します。
(4) フェローは各年度終了時、研究に関する詳細な科学的報告書に、研究指導者の署名を
入れて提出しなければなりません。報告書はHFSPOの具体的指示に従って作成します。
援助は、報告書が承認された場合にのみ継続されます。自国での(研究)活動復帰の
ためにフェローシップの3年目を先送りするフェローは、最終年の援助開始を申請する
際には、他の機関から援助を受けていた期間の研究活動に関する簡潔な報告書を提出
する必要があります。
6
(5) 3年目も受入機関に留まるフェローは、最終年終了時に、フェローシップ期間全体の最
終財務報告書を提出しなければなりません。3年目を自国復帰の準備に当てるフェロー
は、2年目終了時と3年目(もしくは最終年)終了時に財務報告書を提出します。
(6) フェローシップを認められた研究者が、HFSPOの長期フェローシップを併用したり、
他の組織が実施するフェローシップや地位を得ることはできません。
(7) 研究指導者の変更、研究課題の変更、他の機関への移動には、あらかじめHFSPの承認
が必要です。その場合、事務局に直接要請し、例外的な場合のみ承認されます。何ら
かの理由でフェローシップを終了したい場合は、速やかにHFSPOに連絡してください。
(8) 各受給年において、同一の受入指導者について認められるのは一人分のフェローシッ
プのみです。
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V. 条件および対象となる費用
長期フェローシップでは、生活手当および研究費、旅費、さらにフェローから申請された
諸手当を支給します。
手当一覧
2004年度
国
通貨
生活手当
(年間)
家族手当
(年間)
語学研修手当
(1年目のみ)
研究費および
旅費(年間)
アルゼンチン
USD
22,500
2,250
1,000
6,000
オーストラリ
ア
AUD
57,930
5,793
1,600
9,600
オーストリア
EUR
37,300
3,730
1,000
6,000
ベルギー
EUR
37,300
3,730
1,000
6,000
カナダ
CAD
43,800
4,380
1,500
9,000
中国
USD
22,000
2,200
1,000
6,000
デンマーク
DKK
331,060
33,106
6,700
40,200
フィンランド
EUR
44,570
4,457
1,000
6,000
フランス
EUR
35,750
3,575
1,000
6,000
ドイツ
EUR
35,970
3,597
1,000
6,000
イタリア
EUR
30,260
3,026
1,000
6,000
日本
JPY
5,740,000
574,000
117,000
702,000
ルクセンブル
ク
EUR
37,300
3,730
1,000
6,000
ニュージーラ
ンド
NZD
70,560
7,056
1,800
10,800
ノルウェー
NOK
358,770
35,877
7,000
42,000
スペイン
EUR
30,260
3,026
1,000
6,000
スウェーデン
SEK
408,440
40,844
8,000
48,000
スイス
CHF
69,650
6,965
1,300
7,800
オランダ
EUR
37,300
3,730
1,000
6,000
英国
GBP
23,290
2,329
600
3,600
米国
USD
36,000
3,600
1,000
6,000
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(1) 生活手当および家族(援助)手当
滞在国により異なります。家族手当は、フェローに子どもがいる場合、または結婚してい
て配偶者に収入がない場合に支給されます。受給決定通知後に、結婚証明書、子どもの出
生証明書、配偶者の所得証明書を提出してください。家族手当は、一家族につき一度のみ
の支給となります。
(2) 研究費および旅費
フェローの研究に明らかに必要で、受入機関から支給されない材料や器具などの費用とし
て支給されます。科学ジャーナルや書籍の購読、科学団体および専門団体の会費、出版費
用(例:編集費用や掲載料)は研究費として認められます。科学会議または学術会議に出
席するための資金や、別の機関の共同研究者に関連する旅費も手当に含まれます。さらに
この手当は、健康保険料の支払いにも利用することができます。
福利厚生費やその他の機関にまつわる諸経費は、研究費および旅費から支払うことはでき
ません。
(3) 語学研修手当
語学研修手当は初年度に限って請求できます。この手当は、受入機関がある国の言語を学
ぶための費用です。
(4) 引越し手当
この手当は固定額で、自国と受入国を往復するフェローと扶養家族の旅費および家財の輸
送費にあてるためのものです。フェローは、HFSPフェローシップ開始前3ヵ月以内に受入
国に移った場合に限り、この手当を受け取ることができます。また3年目に帰国することを
選んだフェローは、自国へ戻るための引越し手当を受けることができます。受入機関に残
ったフェローについては、フェローシップ終了から半年以内に帰国し、フェローから要請
があった場合に支給されます。
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2004年度
旅費(片道分、単位:USドル)
出発地:
米国
カナダ西部
米国
カナダ西部
米国
カナダ東部
ヨーロッパ
イスラエル
目的地:
米国
カナダ西部
米国
カナダ東部
ヨーロッパ
イスラエル
アジア
オセアニア
1,000
1,000
3,000
3,000
2,000
2,000
1,000
1,000
2,000
2,000
2,200
2,500
3,000
2,000
600
1,000
4,000
3,800
3,000
2,000
1,000
−
3,800
2,500
2,200
−
アジア
2,000
2,200
4,000
3,800
ケースバイケー
スで計算
オセアニア
2,000
2,500
3,800
2,500
2,200
この表は、片道分の旅費の主な金額を示すものです(単位:USドル)。これ以外の地域が出発地または目的地の場合は、
ケースバイケースで計算します。金額には輸送費も含まれます。
家族分は次のような計算になります:
配偶者: 同額の基本手当てを加える
子どもが2歳から12歳: 基本手当ての50%
子ども(2歳未満) : 基本手当ての10%
VI. 申請手順
申請受付は年1回です。
2004年受給分の申請書受付締切日は、2003年9月4日です。
長期フェローシップの申請はオンラインでのみ受け付けます。
オンラインで申請書を提出後、申請書の受領と申請番号を知らせる電子メールが自動的に
送信されます。以後の連絡には、この番号を使用します。
オンライン申請とあわせて、申請者が第一筆者または第一共同筆者になっている出版物の
PDFファイルもそれぞれ提出してください。出版物のPDFファイル名は、申請者の姓に続け
てアンダースコア、申請番号の下4桁、アンダースコア、出版物の通し番号(古い物から)
とします。(例:Hannak_0907_2.pdf)印刷されていない、あるいは印刷中の原稿は送付し
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ないでください。また出版物のペーパーコピーも郵送することもおやめください。
出版物の最新情報
9月4日以降に出版された、あるいは出版が決まった論文は、ウェブサイト経由でHFSPOに
知らせることができます。ただし、すでに提出している情報と重複がないよう注意してく
ださい。出版物リストの追加情報提出の締め切りは、2003年12月31日です。第一筆者また
は第一共同筆者である新しい出版物に関しては、PDFファイルで送付してください。ファ
イル名は上記と同様です。
住所変更通知
申請書提出後に住所が変更になった場合には、HFSPO事務局に連絡してください。
VII. 申請の審査
(1) 審査手順
申請は最初にHFSPO事務局で選別され、その後、HFSPOフェローシップ審査委員会
が審査します。
(2) 審査基準
主要な審査基準は次のようになります。申請者の業績と将来(の可能)性。申請者が
提案する研究分野の方向変換において、フェローシップ経験がどのような訓練の可能
性を持つか。受入先とその環境の質。提案の科学的独創性と優秀さ。また、申請者が
提供する動機、目標、達成に関する情報も、評価の際に重視されます。
適格と認められるためには、申請者は第一筆者または第一共同筆者として最低1点の
出版物を、ピアレビューを行う国際ジャーナルに発表しているか、あるいは印刷中で
なくてはなりません。第一筆者であることは、その候補者が主要な責任を負った研究
であることを示すものです。この規定の例外は、著者名の順番が発表された研究に対
する責任レベルではなく、他の要素によって決定されている場合(例:アルファベッ
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ト順など)にのみケースバイケースで考慮されます。
(3) 審査結果通知
申請者は、2004年3月末までに申請結果通知書を受け取ります。審査過程は公開しま
せん。申請者の順位や不合格の理由などに関する情報は発表しません。
VIII. 出版と知的所有権
(1)
HFSPの支援を受けた研究の結果は、国際的に認められている科学ジャーナルに速や
かに発表されなければなりません。科学的な正確さや発表とは無関係な、商業的お
よびその他の理由によって、45日以上遅れることがあってはなりません。また、フ
ェローシップのもとで行われた研究に由来するすべての発表論文には、学会発表の
抄録を含め、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムの支援に対する
謝辞も載せなければいけません。論文のPDFファイルをHFSPO事務局に送付してく
ださい。
(2)
HFSP助成の研究から発生する知的所有権や工業所有権の帰属は、当事者(研究者、
その所属研究組織または所属研究機関)により個別に決定されます。本機構は如何な
る知的所有権や工業所有権も主張することはありません。ただし実際の研究助成金の
支払い前に、当事者は知的所有権、工業所有権に関する適切な取り決めを行い、本機
構に通達しなければなりません。取り決めには以下の事項が含まれます:開示や発表
方法等の情報の伝達に関する規定、HFSPの援助により行われた研究活動から派生す
る研究結果の所有権や利用についての規定。
HFSPOは、当プログラムで行われた研究の知的所有権に関して発生する紛争には一切関与
しません。
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IX. 生命倫理的考慮
HFSPの助成金で行われる研究においては、最も厳しい倫理基準が遵守されなくてはなりま
せん。申請される研究内容が生命倫理上の重要な問題を含む場合、当機構は、研究が行わ
れる国の規定や慣例、また関連する国際的な慣例を重視して考慮します。
X. その他の情報と受給(の)条件
(1)
本機構に提出された書類は、申請者に返却しません。
(2)
フェローシップ受給者は、受入機関で研究に専念しなければなりません。HFSPOの
同意なしに他のいかなる有給活動も行うことはできません。HFSPOによる長期フェ
ローシップは、他の機関による支援と併用することはできません。
(3)
HFSPフェローシップで行われる研究に関連して発生した損害、傷害に関して、当機
構は一切責任を負いません。
(4)
不正な支出報告あるいは虚偽の会計報告が提出された場合、あるいは研究報告や財務
報告が提出されなかったり、提出されても承認されなかったりした場合には、本機構
は助成金の全額または一部の返済を要求することがあります。
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XI. 申請書記入の手引き
申請書に記入する前に、以下の指示をよく読んでください。
記入漏れがある申請書は受付けません。研究指導者および査読者が記入すべき項目も、提
出時に漏れなく記入しておく必要があります。
申請者
住所氏名
氏名、生年月日、国籍を書いてください。登録できる国籍は一つだけです。二重国籍を有
する者は、申請書末尾にある「HFSP追加コメント」にその旨を記してください。
郵便番号、電話番号、ファックス番号(国番号を除く)、内線番号も書いてください。
履歴
過去の履歴を年代順に詳しく書いてください。
博士号 – その他の学位
博士号を取得した、あるいは取得が見込まれる正確な年月日と博士号を取得した、または
する際の指導研究者の氏名を書いてください。
博士号以外の学位についても、同様にすべて書き出してください。
研究経験 / その他の活動
研究活動および過去に在籍した役職を年代順に記します。研究指導者やシニアアソシエー
ト(先輩研究者)の氏名と、各研究施設での正確な在籍年月日も書いてください。科学研
究に従事していなかった期間(兵役または文官勤務、医師としての診療活動、育児、別の
活動分野への従事など)も明記してください。高校卒業から申請時までのすべての活動を、
空白期間がないようにすべて書き出すこと。
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過去および現在のフェローシップ
申請者が他のフェローシップを受けたことがある場合、その期間と研究テーマ、受入機関
と研究指導者、資金提供組織の名称を記入します。
出版物リスト
ピアレビューが行われるジャーナルに掲載された論文数(抄録、レビュー記事、ブックチ
ャプターは不可)と、第一筆者となった論文数を記入します。
下記の例に従って出版物を引用します。それぞれに関して、申請者の貢献度をパーセンテ
ージで示してください。ジャーナルのインパクトファクター(IF)も書いてください。
Albiges-Rizo, C., Barge, A., Ruigrok, R.W.H., Timminis, P.A. & Chroboczek, J. (1991) Human adenovirus serotype 3
fibre protein. Comparison of native and recombinant proteins. J. Biol. Chem. 266: 3961-3967 (50%) (IF 7.561).
博士論文および全出版物を一覧にします(抄録、準備中の原稿、提出原稿、ブックチャプ
ターへの寄稿は含めない)。
出版物の一覧は次の分類に従ってください。 (1) 博士論文 (2) 研究論文 (3) レビュー記事。
それぞれの分類に属する出版物は、古いものから順に並べます。
第一筆者または第一共同筆者となっている出版物の前には#をつけてください。
抄録、準備中の原稿、提出した原稿、ブックチャプターへの寄稿は一覧に入れないでくだ
さい。
主要業績の概略
これまでで最も重要な研究業績を簡単に記します。この概略は、専門外の人が研究プラン
そのものを参照しなくても理解できるよう、明確にまとめてください(スペースと句読点
を含めて1,700字まで)。
その他の業績と研究目標
過去に携わった研究と、そのなかで最も重要と思われる成果を(理由も含めて)簡単に記
15
します。申請者が単独筆者でない出版物に関しては、申請者の果たした役割を明記してく
ださい。また申請者個人の動機や科学的な研究目標、このフェローシップがその目標達成
にいかに貢献するかを記すこと。ここに書かれた情報は、申請審査で重要な役割を果たし
ます(スペースと句読点を含めて5,000字まで)。
受入機関
この欄は、まだ受入機関に到着していない場合にのみ記入します。その場合、受入機関が
ある国と都市、機関または大学名、部署または研究室の名称を明記してください。
すでに受入機関にいる申請者は、受入機関の所在地が自動的に表示されます。
研究プロジェクト
a) 研究タイトル
研究タイトルは、必要な要素を盛り込んだ明解な表現で、100字(スペースと句読点を含め
て)以内に収めてください。
b) キーワード
研究のテーマと対象、題材、手法、使用機器がわかるキーワードを最大6個挙げてください。
c) 研究プランの抄録(スペースと句読点を含めて1,700字まで)
1) 申請者が提案するプロジェクトの概略、2) このフェローシップを受けることで、過去の
研究経験に比べてどんな変化が期待できるか、3) このフェローシップが自分の専門性を高
めるうえでいかに役立つか、を明確に書いてください。専門外の人が研究プランそのもの
を参照しなくても理解できるように、わかりやすく書くこと。
d) 研究プラン
研究プランは、レファレンスを含めて15,000字(スペースと句読点を含む)以内にまとめ
てください。
申請者が提案する研究について、以下の点を簡潔に説明してください。
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1) 提案研究のテーマと具体的目標。
2) 提案研究の意義と、研究が斬新なものであるという理由。
3) 研究のデザインと手法。
4) 提案研究への知的関与(申請者自身の発案か、受入研究機関に新しい技術や試薬を持ち
込むか、など)
レファレンスでは、研究の学際的性質に触れておくことを推奨します。
研究プラン作成に後援者の支援があった場合でも、提案研究は申請者自身の言葉で説明し
てください。審査委員会が求めるのは、申請者が実施しようとする研究の明確な説明と、
その独創性や受入機関での実行可能性、申請者の実力養成への貢献を評価するための詳細
です。受入機関の研究指導者は、電子申請フォーム上で研究プランを承認する必要があり
ます。研究指導者の承認がない申請は提出できません。
受入機関の研究指導者
受入機関の研究指導者とは、その機関でフェローを受け入れ、フェローの研究の実施およ
び進行に責任を持つ「シニアサイエンティスト」を意味します。
受入機関の研究指導者の住所氏名
フルネーム、生年月日、国籍、所在地(省略不可)を記してください。
受入機関の研究指導者略歴
受入機関の研究指導者は、提案されている研究に関連する研究経験と出版物を一覧にする
必要があります。
(受入機関の研究指導者による)推薦状
受入機関の研究指導者は、申請者の適格性および提案研究の内容を評価する推薦状を提出
しなければなりません。推薦状は申請者も閲覧します。
研究指導者は、提案研究を展開するうえで申請者が果たす役割、研究プロジェクトや受入
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研究機関に申請者が行う知的貢献を説明する必要があります。
さらに研究指導者は、フェローシップによる研究経験が実力を養成する面で持つ可能性と、
それが研修の学際的性質を含めて、科学者としての申請者の成長にいかに貢献するかにつ
いても述べる必要があります。
研究指導者は、研究プランを通覧して承認を出したことを証明し、研究所で現在活動して
いる人数(ポスドク、学部生、専門技術者)を明記するとともに、申請者と直接面談した
かどうかも記す必要があります。
研究指導者は、その年度のHFSP長期フェローシップ申請において、一人の申請者しか指
名できません。
(その他の)推薦状
推薦者2名による推薦状2通が必要です。推薦者になれるのは、申請者の研究者としてのキ
ャリアをよく知るプロフェッショナルの科学者です。また、2通のうち最低1通は、前の研
究指導者が作成する必要があります。申請者は推薦状(の中身)を見ることはできません。
推薦者は審査者(員)に対して、申請者の業績、履歴、研究経験、そして申請者がキャリ
アを伸ばすうえで受入機関が持つ能力と潜在(可能)性を判断できる情報を提供します。
申請者が、独創的研究に着手・遂行するうえで重要な役割を果たせるかどうかが判断され
ます。申請者が単独筆者でない出版物に関しては、申請者の役割と貢献を簡潔に記してく
ださい。さらに推薦者は、知っている若手科学者のなかで、申請者が上位5パーセント、10
パーセント、25パーセント、あるいはそれ以下のどこに位置するかを示すことが求められ
ます。
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HFSPへの追加コメント
適格性の例外、二重国籍などHFSPに伝えるべき情報や説明はここに記します。
XII. 申請方法
申請が不適格にならないよう、このガイドラインを注意深く読んでください。長期フェロ
ーシップの申請はHFSPウェブサイト経由で行うことになりますが、主な手順は以下の通り
です。
申請者はHFSPウェブサイト(アドレスはhttp://extranet.hfsp.org:4080/)で登録を行います。
登録サイトの開設(サイトへの登録開始)は2003年6月ごろを予定しています。登録時にパ
スワードが与えられます。オンライン申請フォームにアクセスしたり、オンライン提出に
関する指示を読むには、このパスワードが必要になります。
申請はウェブサイト経由のみで行われます。申請書をファックスや電子メール、郵便で送
らないでください。
申請者は、研究指導者と推薦者の氏名と電子メールアドレスを提出しなければなりません。
それに従って研究指導者と推薦者には、申請書フォームにそれぞれが記入するためのパス
ワードが自動的に電子メールで通知されます。
記入漏れのある申請は受け付けません。申請提出前に、受入機関の研究指導者と推薦者が、
申請書の担当部分を漏れなく記入しておく必要があります。最終提出後の申請内容の変更
は認められません。
XIII. テクニカルヘルプ
エクストラネットのサイトの下に表示されているメニューバーから、テクニカルヘルプが
利用できます。
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エクストラネットのサイトにアクセスできない場合、理由が2つ考えられます。一つは所属
機関のファイアウォールが、特定ポート番号(エクストラネットアドレスでは4080)を含
むウェブアドレスへのアクセスを認めない場合です。その場合は所属機関のシステムアド
ミニストレーターに連絡して、暫定的なアクセスを可能にしてもらいます。
インターネット接続に失敗したとき、エラーページのアドレスがブラウザのキャッシュに
残っていることがあります。この場合はキャッシュを空にして再試行してください。アド
レス末尾に「/」をつける、あるいはついている「/」をはずすと、うまくいく場合があ
ります。それでもうまくいかないときは、ほかのブラウザをインストールして試してくだ
さい。
これまでに判明しているブラウザ関連の問題
Internet Explorer 5.x、Netscape 6.0、Mozilla 0.9.6では、サイトにアクセスできることが確認
されています。Netscape 4.xではワードラッピングができないため、長いテキストを入力す
るセクションではテキストが1行で表示されてしまいます。区切り部分では手作業で改行記
号を入力するため、編集が困難になります。そのため、現在Netscape 4.xをお使いの方には、
別のブラウザを使うことを強くお勧めします。
問い合わせ先: fellow@hfsp.org
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