フランチャイズ特集 激変!! フランチャイズ 本部のM&A FC加盟店は 熾烈極めるライバル競争 事業多角化 事業承継問題 Index 第三章 脱サラから有力加盟店に成長した男たち 敗者 復活 赤字飲食店オーナーが学習塾で 年商21億円 ●妻を社長に仕立てサラリーマン起業し年商13億円達成 「夢はベンツとロレックス」お好み焼きFCで21店の大成功 ほか 第四章 ノウハウ知れば本部は不要! ? 脱退するオーナーの本音 「もう本部には頼りません」 独自店舗を模索する元加盟者たち ほか 第五章 成功者が語る「本部選びの新基準」 !? !! M&Aの荒波に飲まれる本部 生き残りかけた凌ぎ合い激化! ●漫画喫茶でV字回復した富山の有力書店 ●売上高500億円の家電量販店がFC事業に一挙転換 ●借金25億円を返済!リサイクルビジネスの高利益ぶり ほか 第一章 ﹃新鮮組﹄ ﹃がローソン﹄傘下に! 「モリフードサービス」 都心に強い 四国を代表するメガフランチャイジー ●﹁ほっかほっか亭﹂争奪戦 ﹁ハークスレイ﹂ vs﹁プレナス﹂ ●﹁風風ラーメン﹂本部が﹁かつや﹂に加盟した理由 ●本部も動かす モノ言う加盟店の存在感 ほか 第ニ章 地方有力企業から脱下請けまで 法人加盟店のサクセスストーリー これからどうなる データで見る 日本のフランチャイズチェーンの伸び 売上高(兆) 店舗数及びチェーン数 20 300000 売上高 200000 15 10 100000 注目本部「オンデーズ」 田中新社長独占インタビュー ●「直営店実績を重視」 「利益率と将来性」ほか ●業界裏話が続出!「こんなFC本部はゴメンだ!!」 ●毒か薬か!加盟開発会社の上手い使い方 ほか 版! 掲載62社 完全保存 P41 最適パートナーが探せるFC本部一覧 9 Business Chance 2008. 6 !? 右肩上がりで成長を遂げ続けるFCビジネス。近年は本部間 競争が激化し、M&Aも頻繁に行われるようになってきた。 同時に、鼎の軽重を問う加盟店主たちも増加。他FCに加盟 し多角化を図る者や、独自業態を開発する者も多い。市場の 主役である勝ち組FCオーナーたちの見据える「未来」とは。 500 5 0 1984 0 86 88 90 92 94 96 98 2000 02 04 (年) 店舗数 チェーン数 日本のフランチャイズビジネスの起 源は1960年代に遡ると言われてい る。不二家やケンタッキーフライド チキン、ダスキンなどが当時の本部 運営企業だ。それから40年余りが経 ち、左のグラフのようにFCビジネ スは右肩上がりの成長を続けてい る。市場が拡大し、FC事業に新規 参入する企業も後を絶たない。同時 に加盟店数も増え続けている。業種 によっては過当競争も生まれ始めて おり、拡大・成長の煽りを受ける加 盟店も出てきているのである。 Business Chance 2008. 6 8 第一章 M&Aの荒波に飲まれる本部生き残りかけた凌ぎ合い激化! 「ほっかほっか亭」 「ほっかほっか亭 ほっかほっか亭」争奪戦 ハークスレイ VS プレナス 周知のように、弁当店チェーン「ほっかほっか亭」の主導権争い をハークスレイとプレナスの両者が繰り広げている。この争いに 巻き込まれたのは言うまでも無く加盟店オーナーたちだ。今回の 騒動で、如何なる影響があったのか。両サイドの加盟店に取材し た。加盟本部選択権を得たオーナーたちの本音が聞こえてきた。 るというものだったが、同社には 10年来、経理をやってきくれた社 員がいた。 そのため、 本部から の要請を簡単に受け入れられなか ったのだという。その旨を伝えた ところ、返ってきたのはこんな内 容だった。 「 拒めば 契 約更 新はできない」 鈴木 社長は渋々、承諾するこ とになった。本部は全体のメリッ トを考えた上での 決 定だったは ずだが、オーナー一人ひとりに対 する配慮に欠けていたと言えるか もしれない。 「 プレナスはPOSレジシステム や、広告キャンペーン企画力でハ ークスレイに勝っている。しかし、 これまでの対応には納 得してい ません。 どちらを選ぶのが 正し いのか、 本当の答えがわかるの は数年後ではないでしょうか」 コンビニ統合・再編 Business Chance 2008. 6 遂に始まった 11 体制を採ることは難しい。 「 私は50歳まで公 務員をやり、 FC加盟しました。後を継ぐ人も いないし、 店長などを育てて引 き継ぎたい 考えなので問 題あり ませんが、今後、加盟 店の多店 舗 化ができるとすれば総 本部側 だと思います。 プレナスは直 営 店を増やしたいように思えます。 企業戦略、販促の強さでは直営 店を1000店舗にまで伸ばしたプ レナスに分がある。 もし総 本部 側に付けばプレナスが 近くに店 を出す怖さもありました」 苦渋 といえる決断をしたと もいえる。新ブランドスタートの 五月まで不 安な気持ちは消えな いという。 同 を 得 た﹂ と い う︒ あ る 加 盟 店 の オ ー ナ ー は 語 る︒ ﹁昨 年 末︑ ロ ー ソ ン に 変 わ る と は 聞 き ま し た が︑ 実 質 的 な 詳細はまだ聞いておりませ ん︒ 契 約 は 継 続︒ 追 加 の 費 用 負 担 等 も な い と の こ と︒ ブ ラ ンド名から考えて集客力はア ッ プ す る し︑ 嬉 し い 事 で す が︑ ま だ 実 感 が な い と い う の が 本 音 の と こ ろ で す﹂ 一 方︑ 直 営 店 は 先 行 し て 改 修 を 進 め て い る︒ 三 月 一 日 に ローソンとしてリニューアル し︑ 一 か 月 あ ま り 経 過 し た 直 営 店 の 店 長 は こ う 語 る︒ ﹁今まであった手作り弁当 が 無 く な っ た ぐ ら い︒ オ ペ レ ーションが大きく変わった感 じ は あ り ま せ ん︒ 発 注 シ ス テ ムに関しては進んでいて廃棄 も 少 な く な り ま し た︒ 一 か 月 経 っ た ば か り で 客 数 は 〝増 え て い る 感 じ が あ る〟 と し か 言 え ま せ ん︒ た だ︑ 求 人 に 関 し て は 格 段 に 良 く な っ て い る︒ ブランド力を実感していま す﹂ 他のローカルチェーンも大 手三社の視野に入っているこ と は 間 違 い な い︒ プレナスの加盟店として「ほっ かほか亭桶川店」、 「北本店」を 02年から運 営してきたキヨオカ (埼玉県行田市)の清岡美 代子 氏は新ブランド立ち上げの話を1 月に入ってから突然聞かされた。 「当初は総 本部側として運営し ようかとも考えていましたが、説 明 会で総 本部のメニューや体 制 を知るなか、首都圏で運営する には難しい業態だと感じました。 例えば、 これまでは冷凍したも のを解 凍するだけでしたが、 総 本部は天ぷらを調 理するにもパ ン 粉で衣を付けるところから仕 込みをしなくてはならない」 高い土地代・人件費を回収する 必 要のある首都圏の店舗でこの 生き残 〇 八 年 一 月 二 四 日︑ フ ラ ン チャイズ業界の大変動を予感 さ せ る 発 表 が 行 わ れ た︒ コ ン ビ ニ エ ン ス ス ト ア︵ 以 下 C V S︶ 大 手 の ロ ー ソ ン が 都内中心に四五店舗を持つ新 鮮組本部とのメガFC契約締 結 を 発 表︒ 新 鮮 組 は 全 店 舗 を 五月末迄を目処に全店ローソ ン へ と 改 修 す る︒ 新 鮮 組 は ロ ーソンの地域フランチャイザ ー と な る が︑ 加 盟 店 と の 契 約 はそのまま継続の形がとられ︑ オーナーには追加の加盟金等 の費用負担は発生しない︒ CVS大手がATMや電子 端末による決済など次々とサ ー ビ ス を 増 や す 中︑ 資 金 力 に 及ばずスケールメリットを享 受できない中小チェーンは苦 し い 戦 い を 強 い ら れ て き た︒ 実質的に新鮮組はその孤軍奮 闘 を 諦 め︑ ロ ー ソ ン の 軍 門 に 下 っ た と い え る︒ こ の 出 来 事 は他の中小チェーンに衝撃を 与 え た こ と は 間 違 い な い︒ 現場では何が起きているの か︒ 新 鮮 組 広 報 は ﹁発 表 前 か ら 準 備 を 進 め︑ オ ー ナ ー 一 人 ひ と り か ら 了 解 を 得 て き た︒ 特 別 混 乱 は な く︑ 全 員 か ら 賛 プレナスを選んだ加盟店の苦渋の決断 M&A !? 都心に強い新鮮組がローソンの傘下入り 直 営 ・ F C店 も 全 て 看 板 変 更 へ プレナスの加盟店としてこれま で3店舗のほっかほっか亭を運営し てきた鈴屋(埼玉県鳩ヶ谷市)の 鈴木周次社長は今回の騒動でハ ークスレイ側に乗り換えた人物だ。 事前にハークスレイ大阪本社を 訪ねたところ、渡邉 社長が直接 出てきて応対してくれたという。 「弁当を並べて、一緒に味 見を しながらじっくり話をすることが できました」 味 だけでなく、 対応も良かっ たと鈴木氏は言う。結果、迷い 無くハークスレイ側に加盟するこ とを決めたのだった。 「以前から、プレナス側の対応 は満足できるものではありません でした。 例えば、 本部による経 理代行を強いられたことがありま した」 1店舗当り3万円払って委 託す 部 本 る れ ま の荒波に飲 ! 化 激 い 合 りかけた凌ぎ F Cビ ジ ネ ス の 成 熟 化 が ピ ー ク を 迎 え よ う と し て い る︒ 成 長 の た め に︑ 生 き 残 り の た め に︑ 本 部 間 で は 資 本 論 理 に 基 づ い た 大 競 争 が 始 ま っ た︒ 躊躇無く鞍替えするオーナーたち 第一章 Business Chance 2008. 6 10 第一章 M&Aの荒波に飲まれる本部生き残りかけた凌ぎ合い激化! 中堅本部に求められる 新事業開発への﹃対応力﹄ 成 功 し て い る F C 本 部 で あ る が ゆ え に 抱 え ざ る を 得 な い︑﹁ 新 た な 問 題﹂ が あ る︒ 新 事 業 の 開 発 だ︒ 既 存 店 経 営 者 た ち か ら 求 め ら れ る の が︑ ラ イ バ ル 店 に 差 を つ け る 商 品 開 発 や︑ リ ス ク ヘ ッ ジ 策︒ 本 部 経 営 者 は 異 口 同 音 に ﹁そ れ が 最 重 要 課 題﹂ と 言 う が︑ 実 践 で き て い る F C本 部 は ま だ ま だ 少 な い の が 現 状 だ︒ リズム食品 昨 年 末︑ 風 風 ラ ー メ ンF C 本 部 の リ ズ ム 食 品 ︵福 岡 県 北 九 州 市︶ が︑ と ん か つ 店 ﹁か つ や ﹂︵ 運 営 会 社 ア ー ク ラ ン ドサービス/東京都千代田 区︶ に 加 盟 し た︒ 北 部 九 州 地 区のエリアフランチャイザー に な る の を 前 提 に︑ 直 営 展 開 を 進 め て い く 予 定︒F C 本 部 が他社ブランドに加盟した事 例として業界内から注目を集 め て い る︒ 一 部 で は ﹁業 態 開 発力が無いと認めたようなも の ﹂ と 揶 揄 す る 声 も あ る が︑ 今 回 の 背 景 に つ い て︑ 岡 本 慶 大 社 長 は 次 の よ う に 語 る︒ ﹁ そ れ を 聞 き︑ 本 部 と し て ﹃ リ ス ク ﹄ だ と 感 じ ま し た︒ 独 自 業 態 の お 店 は︑ オ ー ナ ー にとって思い入れがありま す︒ 上 手 く 軌 道 に 乗 れ ば 杞 憂 で す が︑ 仮 に 赤 字 を 出 し 続 け た 場 合︑ オ ー ナ ー は 黒 字 の ラ ーメン店で補えば良いと判断 す る で し ょ う︒ こ れ が 成 功 し て い るF C 店 ま で 食 い 潰 す 可 能 性 が あ る の で す﹂ 思案に暮れる岡本社長を別 の加盟店オーナーが尋ねてき た︒ 他 社 のF C に も 加 盟 す る と い う の で あ っ た︒ 某 飲 食 店 チ ェ ー ン だ っ た︒ ﹁内容をオーナーから聞か さ れ︑ 直 感 的 に ﹃そ れ は 止 し た 方 が 良 い﹄ と 意 見 し た の で す︒ そ の こ と 自 体︑ マ イ ナ ス 要素の方が強かったと反省し て い ま す﹂ そ の 後︑ 岡 本 社 長 の 知 人 を ランドサービスの取締役である伊藤永氏だ。同FC立ち 上げ期から現在まで携わってきた人物である。 「撤 退時に分析した敗因は2点あります。立地・マーケ ティングに関する知 識の不足と、味や 価 格など地 域 生 活文化の違いです。また、当時5店あったFC店は全て 飲 食事業未 経 験のオーナーでした。それで今回は、既 存の飲食事業会社でチェーン展開している企業と契約す ることになりました」 また前回からFCモデルを再 構築。31坪で月商1000 万円という収益モデルを見直して、現在は月商700万円・ 100万円の利益を確保できるように組みなおしている。 「当社としては、東名阪の大都市圏に関しては直営とF C出店を強化し、それ以外のエリアに関しては今回のケ ースのようにパートナーと契約する方針で考えています」 九州再上陸は事業パートナーと共に 「かつや」本部/アークランドサービス 多業態化と物件探しの 意外な相関関係 介 し︑ 同 社 と 相 性 が 良 い と 判 断 し た 別 の 飲 食F C を そ の オ ー ナ ー に 紹 介︒ 加 盟 す る こ と に 決 ま っ た と い う︒ 別角度から見る 岡 本 社 長 は︑ 今 回 のF C 加 盟を出店戦略上でも大きなプ ラ ス に な る と 踏 ん で い る︒ 二〇坪程度が出店モデルの同 社 だ が︑ 当 該 物 件 が な か な か 見つからずに困っているの だ︒ ﹁郊外エリアで見つかる物 件はコンビニエンスストア跡 など五〇坪程度の物件が多い の で す︒ 単 純 に︑ 半 分 を ラ ー メ ン 店 に し て 残 り 半 分 を ﹃か つ や﹄ に す る こ と も 十 分 に 有 り 得 ま す︒ こ の 方 式 が 成 功 す る な ら ば︑ 物 件 の 獲 り 逃 し が 減 り ま す﹂ エリアフランチャイザーと し て 成 功 を 収 め れ ば︑ 他 の 中 堅本部経営者にもモデルケー スとして与える影響は小さく な い︒F C ビ ジ ネ ス が 成 熟 化 に 向 か う 中︑ 岡 本 社 長 の 先 見 性に注目しておきたいところ だ︒ 「かつや」を運営するアークランドサービスは、99年秋 から2004年 頃までベンチャーリンク(東 京都台東 区) と資 本・業 務 提 携し加 盟 店 開 発を行ってきた。 当 時、 九州 地 域に出 店をしたが一度は撤 退した 経 緯がある。 再上 陸となる今 回は、 北部はリズム食品と、 南部は康 正産業(鹿児島県鹿児島市)と手を取っての展開になる。 「両社と結んだのは、当該エリアにおける独占的なFC 契約です。本部として、その地域には加盟店を出店しま せん。また、両 社が地 域 本部として『かつや』の加盟 募集を行うこともありません。ただ、相互に加盟希望者 を紹介していただくことは今後も十分に有り得ると思い ます。具体的には『風風ラーメン』の加盟店の『かつや』 への加盟や、その逆も同様です」 こう語るのは、ベンチャーリンク出身で現在はアーク ﹁ 風 風 ラ ー メ ン ﹂ F C本 部 が ﹁か つ や﹂ 加 盟 店 に な っ た 理 由 ﹁当社の加盟店オーナーの 七 割 が︑ 複 数 店 運 営︒ リ ス ク ヘッジとして別業態の事業を 模索される方が昨年頃から増 え て き て い た の で す︒ 本 来 は︑ 我 々 が 業 態 開 発 を し︑ 加 昨 年 頃 か ら︑ 加 盟 店 経 営 者 の 中 に︑ 独 自 の 居 酒 屋 や ハ ン バーガー店を始めたオーナー が 出 始 め て い た︒ リスクヘッジを考える 加 盟 店 の ﹁落 と し 穴﹂ 盟店に新たな提案をしていく べ き な の か も し れ ま せ ん︒ で す が 私 の 知 る 限 り︑ 第 二︑ 第 三の柱を育てられている本部 は 皆 無 に 近 い︒ ダ ス キ ン が ミ スタードーナツを運営してい る く ら い で し ょ う︒ 我 々 も 大 資 本 で は あ り ま せ ん し︑ 本 業 のラーメン店を成功させるこ とに注力すべきだと判断しま し た︒ 当 社 と 相 性 の 良 い と 感 じ た﹃か つ や﹄の ブ ラ ン ド を︑ 加盟店にも提案していく予定 で す︒そ の た め に も︑ま ず 我 々 が 直 営 で 展 開 し ま す﹂ 岡本慶大社長 12 Business Chance 2008. 6 Business Chance 2008. 6 13 リズム食品 第一章 M&Aの荒波に飲まれる本部生き残りかけた凌ぎ合い激化! 本部 も動 かす影響力 モノ言う加盟店 が増加中! 長年の不満が積もり ライバルチェーンに鞍替え て事業を拡大してきた が︑ 本 部 へ の 不 信 感 か ら 現在の本部拓人に加盟し た︒ 当 時 す で に 二 七 校 展 開 し て お り︑ ト ッ プ オ ー ナーが本部を移るという 類稀に見る出来事となっ た︒ ﹁拓 人 に は︑ E T S と 呼 ばれる生徒やる気アップ システムやネットを使っ た講師育成プログラムな ど︑ 競 合 と 戦 え る よ う な いいシステムがありまし た︒ し か し︑ 当 時 直 営 店 で 伸 ば し て い た た め︑ FC展開のノウハウはま だ な か っ た︒ そ こ で 弊 社 が 加 盟 す る こ と で︑ お 互 いにいい効果を生むと考 え た の で す﹂ スクールIEに加盟後 は︑ 更 に 一 九 校 を 開 校 し 事 業 を 拡 大︒ ト ッ プ オ ー ナ ー と し て︑ 同 ブ ラ ン ド の 浸 透 に 貢 献 し て い る︒ マンツーマンアカデミー 一瞬にして失うことにもなり か ね な い︒ 現 在︑ 関 東 ・ 東 北 を 中 心 に ﹁個別指導塾スクールIE﹂ を四六校運営するマンツーマ ン ア カ デ ミ ー ︵千 葉 県 旭 市 / 年 商 一 一 億 円︶ は︑ 以 前 に 本 部替えを経験したメガフラン チ ャ イ ジ ー だ︒ ﹁以前別の本部に加盟して い た 際︑ 競 合 他 社 が 商 圏 内 に 攻 め て き た 為︑ 私 は オ ー ナ ー を代表して本部に何度も出向 き︑ シ ス テ ム の 見 直 し 等 対 策 を 求 め 直 談 判 し ま し た︒ し か し︑ 本 部 は 何 も し て く れ な か っ た︒ ま た 出 店 場 所 も 都 心 な どのいい場所は本部の直営店 が 抑 え て い て︑ 加 盟 店 は 人 口 の少ない田舎に出す他ないな ど︑ 長 年 の 不 満 が 積 も り つ い に本部を移ることにしたので す﹂︵伊 藤 和 則 社 長︶ 同氏は二〇年前に脱サラか らフランチャイズ事業を開 始︒ 某 学 習 塾 の オ ー ナ ー と し E N E O Sフ ロ ン テ ィ ア 加盟企業が本部に指導 新サービスを提案する加盟店 本部には常に加盟店の信頼 を獲得する努力が求められ る︒ そ う で な け れ ば︑ あ る 日 突 然 加 盟 店 に 鞍 替 え を さ れ︑ 場合によっては多数の店舗を !? エネオスフロンティア ホームエネルギー事業本部 新商品部 現 在M B E が サ ー ビ ス の ひ と つ として売り出している機密文書処 理 サ ー ビ ス は︑ 実 はE N E O S フ ロンティアが考案したビジネス だ︒ 情 報 漏 え い の 約 五 割 が 紙 情 報 と い う こ と か ら ヒ ン ト を 得 て︑ 同 社 新 商 品 で 考 案 し た︒ オ フ ィ ス 内 に 回 収B O X を 設 置 し︑ 定 期 的 に 回 収︒ そ の 後 に 破 砕︑ 溶 解 を 行 う と い う も の︒ 現 在︑ 回 収B O X は 四 五 〇 〇 台 が 稼 動 し て い る︒ 加盟店から上がってきた事業モ デ ル に 本 部 が 従 う 事 実 は︑ 一 見 す れ ば 正 常 で は 無 い︒ だ が︑ そ こ に はM B E の 世 界 展 開 で 培 わ れ た 考 え 方 が あ る︒ オフィスサービスの需要は地域 に よ っ て 異 な る た め︑ 地 域 に よ っ て サ ー ビ ス ︵商 品︶ 構 成 も 異 な る の だ︒ 東 京 の 膨 大 な オ フ ィ ス 群 の ニーズとして機密文書処理が認め ら れ た 格 好 だ︒ !? 話題の会社 ジー・コミュニケーション 3年半で23事業M&Aで巨大化 多業態展開加速する本部の戦略 会 社 更 生 法 を 申 請 し たN O V A の引き受け先として脚光を浴 びたジー・コミュニケーション ︵ 名 古 屋 市 北 区 ︶︒ 同 社 の 稲 吉 正 樹会長はわずか三年半で二三の 企 業 ・ 事 業 部 の M & A を 行 い︑ 再 生 さ せ て き た︒ 学 習 塾 か ら 始 ま り︑ 今 で は 旅 館︑ 焼 肉 店︑ 居 酒 屋︑ 喫 茶 店 な ど 五 〇 も の 独 自 ブ ラ ン ド を 持 ち︑ F C 展 開 す る 業 態 も 多 岐 に わ た る︒ 同 社 がM &A を加速する理由は何なのだ ろ う か︒ ﹁実 はM & A 案 件 を 自 分 か ら 探 し た こ と は 一 度 も あ り ま せ ん︒ すべて金融機関などから持ちか け ら れ︑ 月 一 〇 〇 件 以 上 の 案 件 が 舞 い 込 ん で き ま す︒ 選 考 の 基 準 は 特 別 あ り ま せ ん︒ た だ 改 善 点 が 明 確 じ ゃ な い とM & A し よ う と 思 い ま せ ん ね﹂ 同社が買収した企業の多くは F C 展 開 し て い る︒ 稲 吉 会 長 い わく大抵店舗自体の売上は悪く ないのに本部のやり方が悪いが ジー・コミュニケーション (名古屋市北区) 稲吉正樹会長 ために経営が行き詰っているケ ー ス が 多 い と い う︒ ﹁例 え ば 今 年 五 月 にM & A し た 焼肉屋さかいは食材の原価が 四 〇% ほ ど あ り︑ そ の 内 一 五% が 本 部 へ の ロ イ ヤ リ テ ィ︵ R A ︶ で し た︒ 高 いR A の 対 価 と して本部は店舗対応に追われて い ま し た︒ そ こ で R A を 改 善 し︑ 五 〜 八% 落 と し ま し た︒ 利 益が改善すると本部も店舗対応 の 業 務 が 減 り︑ 新 規 出 店 な ど 前 向きな業務に力を費やせるよう な り ま し た﹂ 本部の新業態買収は加盟店に と っ て も チ ャ ン ス と な る︒ 多 角 化したい加盟店は信頼関係のあ る本部から新しい業態を受ける こ と が で き る の だ︒ 同 社 で は ス ケ ー ル メ リ ッ ト を 生 か し︑ オ ー ル内製化による初期投資費低減 や 海 外 か ら の 資 材 輸 入︑ 取 引 業 者との直取引によってランニン グコストの低減に成功してい る︒ こ れ も 加 盟 店 の メ リ ッ ト に な る︒ ﹁具 体 的 にM & A の 計 画 が あ る わけではありませんが現在は食 の安全において外部の業者では 信頼が保ちづらい時代ですか ら︑ 食 品 メ ー カ ー に は 興 味 が あ り ま す︒ 自 社 で 生 産 か ら 提 供 ま で一貫して提供できる体制を作 ることで顧客との信頼関係を構 築 で き る と 考 え て い ま す﹂ 14 Business BusinessChance Chance 2 2008.6 008. 6 Business Chance 2008. 6 15 伊藤和則社長 石 油 会 社E N E O S の 関 連 会 社 であるENEOSフロンティア ︵ 東 京 都 品 川 区 ︶ は︑ 軽 印 刷 ・ 出 力 サ ー ビ ス のM B E ジ ャ パ ン の フ ラ ン チ ャ イ ズ に 加 盟︒ 東 京 都 新 宿 区 の エ リ アF C 権 を 保 有 し︑ 同 区 内 で 五 店 舗 を 展 開 し て い る︒ ﹁我 々 はE N E O S に 新 事 業 を も た ら す た め の 事 業 開 発 部 隊︒ ビ ジ ネ ス ア イ デ ア を 実 践 し︑ 事 業 に な るか否かを見極めるのが仕事で す︒ 今 回 は︑ 初 め てF C 事 業 に 挑 戦 し ま し た︒M B E は︑ フ ラ ン チ ャイズとして世界で展開している 企 業 で す が︑ 国 内 知 名 度 は ま だ 低 い︒ そ れ が 良 い 意 味 で チ ャ ン ス と 感 じ た の で す︒ 語 弊 が あ る か も し れ ま せ ん が︑ 自 由 度 が 高 い︒ つ ま り︑ 新 事 業 に 挑 戦 す る 我 々 に と っ て最も適しているのではないだろ う か と 考 え た の で す ﹂︵ ホ ー ム エ ネルギー事業本部 新商品部 小 林 剛 氏︶ 小林剛氏 マンツーマンアカデミー 広告企画 セント・リングス ﹁実 験 店 を や っ て 下 さ い !﹂ 本部担当者がすがりつく有力加盟店 ﹁加 盟 金 は 要 り ま せ ん︒ も し 売 上 が 上 が ら な け れ ば︑ 店 ご と本部が買い取りますので出 店 し て 頂 き た い﹂ こんな好条件を聞いたこと が あ る だ ろ う か︒F C 展 開 し よ う と し て い る 企 業 か ら︑〝ゼ ロ 号 店〟 出 店 依 頼 を 受 け る ま で に︑ 成 功 実 績 を 重 ね て い る メガフランチャイジーがある︒ 飲 食 店 を中心に一三ブラン ド 三 八 店 舗 を 展 開 中 の セ ン ト・ リ ン グ ス ︵静 岡 県 沼 津 市 / 年 商 二 三 億 五 〇 〇 〇 万 円︶ だ︒ 昨年一一月オープンのろくま る五元豚八重洲店 でいいように手配してくれま し た︒ そ の 代 わ り ﹃五 店 舗 目 ま で は 店 長 を や れ︒ 自 ら ピ ザ を 作 っ て バ イ ク で 運 べ﹄ と 言 わ れ ま し た﹂ 当時地元の神奈川では競合 のピザカリフォルニアが店舗 数 を 拡 大 し て い た︒ そ こ で︑ タ ウ ン ペ ー ジ を 見 て︑ 競 合 の いない静岡県御殿場市を出店 場 所 に 選 ん だ︒ 一 九 九 三 年 八 月︑ 一 号 店 オ ー プ ン︒ す る と 初月で月商一三〇〇万円を売 り 上 げ た︒ ﹁東京のTV の電波が一部 入 る 静 岡 で は︑ 関 東 を 中 心 に 展 開 し て い た 本 部 の 流 すC M が 流 れ て お り︑ そ の 影 響 で オ ープンと同時にものすごい数 の 注 文 が 入 っ た の で す﹂ そうして競合不在の静岡県 内に一年に二店舗のペースで 出 店 し て い き︑ 富 士 宮 店 な ど は初月で日本一位の売上を誇 る ま で に︒ そ の 後 競 合 も 参 入 し︑ 出 店 す る 好 立 地 が な く な る と︑ 牛 角 他 ブ ラ ン ド を 増 や すことで多業態化を進めてい っ た︒ そんな同氏も一度はオ リジナルのイタリアンレスト ランをオープンした事がある︒ ﹁ こ と ご と く 失 敗 し ま し た︒ 時には本部マニュアルに背き 独自ノウハウ築き株式上場 や は りF C と 独 自 店 舗 は 全 く 別 物 で す︒ 私 は 人 の 〝ふ ん ど し〟 で 相 撲 を と る こ と は 得 意 で も 自 分 の 〝ふ ん ど し〟 で は 弱いと言う事に気づきまし た︒ 始 め た 当 初 は︑ 出 す と こ ろがなくなったら次の業態を 探 す と い う や り 方 で し た︒ し か し 今 で は︑ ま ず い い 〝ふ ん ど し〟 を 人 よ り 早 く 取 り に 行 くという考え方に変わってい ま す︒ リ ス ク は 高 い で す が︑ 経験上本部の事業内容と立地 をマッチングさせる事が可能 だ か ら で す﹂ ゼロ号店開発もそうした戦 略 の 一 環 な の だ ろ う︒ 現 在 で は静岡県以外の関東圏にも積 極的に出店︒今期年商は二六億 円を見込む︒ お問い合わせ ﹁これまで実際に手がけた ゼ ロ 号 店 は 二 件 で す︒ 一 つ は うまくいったので現在正式に 加 盟 し て い ま す﹂ そ う 語 る 青 木 謙 侍 社 長 は︑ 文字通り裸一貫から事業をス タ ー ト さ せ た 人 物︒ 三 代 目 と して家業である呉服店へ入社 し た も の の︑ 新 規 事 業 を 次 々 と 手 が け 失 敗︒ 社 長 で あ る 母 親 と の 意 見 の 衝 突 か ら︑ 三 五 歳 で 退 社︒ す べ て を 捨 て て 家 を 飛 び 出 し た︒ ﹁根 拠 の な い 自 信 を 元 に︑ 三 代目として社内外で存在を誇 示したいと鼻息を荒くしてい た の で す ね︒ 貯 金 も ゼ ロ︑ 会 社名義で借りていたマンショ ン も 車 も 手 放 し︑ 何 も な く な り ま し た﹂︵青 木 謙 侍 社 長︶ 事業家として成功し母親を 見 返 し た い︑ そ の 一 心 で 大 学 の先輩で面識のあったフォー シーズ淺野社長のもとを訪ね た︒ 親 友 が 川 崎 で 宅 配 ピ ザF C チ ェ ー ン ﹁ピ ザ ー ラ﹂ を 立 ち 上 げ︑ 順 調 に 売 り 上 げ て い る と 聞 い た か ら だ︒ ﹁事情を話し加盟させてほ し い と 言 う と︑ 加 盟 金 は 分 割 払 い︑ 内 装 費 も 本 部 か ら の 紹 介で売上が立った後の後払い 業態変更として 16 Business Chance 2008. 6 Business Chance 2008. 6 17 franchise@solarehotels.com 〒105-0001 東京都港区虎ノ門3-22-1 秀和芝公園三丁目ビル6階 TEL 03-6402-7418 FAX 03-5401-3099 担当 下嶋 下嶋 一義本部長 人件費・設備費テコ入れで効率化 粗利六〇%の省エネホテル経営 社員二名とその他従業員を含め て も 六 人 程 で 運 営 で き る︒ 粗 利 は 六 〇% と 高 く︑ ホ テ ル 事 業 の 投資回収期間としては通常の半 分︑ 約 五 年 間 と な っ て い る︒ こ れだけの高収益性事業に作り上 げ た の は︑ 資 本 の 背 景 に よ る 影 響もあるだろう︒ 同 社 は ゴ ル フ 場などの運営を手がけるファン ド︑P G G I H が 大 株 主 だ︒収 益率にはこだわり抜いている ﹁ 昨 年︑ F C 募 集 を 行 っ て い た 際︑ 地 主 や ホ テ ル 所 有・ 運 営 会 社 を 対 象 と し て い ま し た が︑ 異 業種から参入したいという声が あ り︑ 実 際 加 盟 と な っ た 例 も あ りました﹂ ︵下嶋一義本部長︶ 加盟希望者は大半が法人の新 規 事 業 参 入 や 遊 休 地 活 用 だ が︑ 本部からの運営サポートがある こ と も あ り︑ 個 人 の 投 資 目 的 で の 加 盟 も 見 ら れ る︒ 現 在 直 営 店 で は︑ 平 年 度 ベ ー ス で 稼 働 率 七 五 %︑ 投 資 回 収 は 五 〜 八 年 ほ どとなっている︒ 現 在︑ 国 内 旅 行 者 の 半 数 以 上 は車を使った旅行をしていると い う デ ー タ が あ り︵ 日 経 ト レ ン ディ調べ︶ ︑燃料高騰や自動車販 売の不遜などの逆風を考慮して も潜在ユーザー数はまだまだあ ると言える︒ 同社は二〇一〇年までに一〇 〇 ホ テ ル︑ 一 万 八 〇 〇 〇 室 を 目 指しているという︒ 加 盟 金 500万円 保 証 金 300万円 技術支援料 建物延床面積(容積対象面積)1㎡あたりに 4,000円を乗じた金額 研 修 費 1日1人あたり2,500円(交通費・宿泊費別途) (ランニングフィー・教育訓練費・開業後トレ ーニング別途) 青木謙侍社長 ﹁チサン﹂ブランドなどのホテ ルチェーンを運営するソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ ︵東京都港区︶は〇七年四月から フ ラ ン チ ャ イ ズ︵ 以 下F C ︶ 展 開 を 開 始 し て い る︒ 同 社 は︑ 現 在 国 内 に 五 七 店 舗︵ 直 営 ・ 業 務 委 託 五 五 店 舗︑F C 二 店 舗 ︶ を 運 営︒ コ ン セ プ ト 別 に 六 つ の ブ ランドを展開している︒ 現 在F C で 特 に 力 を 入 れ て い るのが高速道路や幹線道路沿い に建つロードサイド型ホテル ﹁チ サ ン イ ン ﹂ だ︒ 宿 泊 特 化 型 ホ テルとして客室を中心に考えら れ た 構 造 と な っ て お り︑ 朝 食 会 場 の み 併 設 し て い る︒F C 初 期 費 用 は 客 室 五 〇 室 の 場 合︑ 加 盟 金 五 〇 〇 万 円︑ 保 証 金 三 〇 〇 万 円 程 度 と な る︵ 技 術 支 援 料・ 研 修費別途︶ ︒ 宿泊料は一人五五〇〇円〜 ︵朝 食はプラス五〇〇円︶と低価格︒ 足を伸ばして入ることができる ユ ニ ッ ト バ ス 等︑ 旅 行 客 を 考 慮 し た 作 り と な っ て い る︒ 部 屋 数 は 一 〇 〇 室 程 度︒ レ ス ト ラ ン 等 を省いた宿泊特化型となるため︑ 初期費用(客室50室の場合) セント・リングス と で 成 功してい た。 だが同氏は埼玉県に かんなん丸 住 んでいたことから 佐藤栄治社長 長時間店の面倒を見 られる埼玉県への出店を望んだ。見つ かった物 件はビルの2階。 本部の成 功 法則からはずれた形で82年に出店を果 たした。 トイレから出た客にオシボリを渡す。 顧客の送り迎えは必ず1階まで駆け下り て行う。今でこそ珍しくはないサービス だが、当時そこまでやる居酒屋はなかっ た。成功確率が低いといわれていたから こそ独自のノウハウを作ろうと奔走した 結果だった。85年に大宮駅近くに二号 店出店。株 式公開を視 野に入れ始めた 95年から年 間5店 舗に出 店ペースを加 速。右肩上がりで成長していったのだ。 ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ株式会社 ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ FC事業本部 本部の成功事例にない店舗を繁盛店 に導くことで屈指のフランチャイジー企 業にまで育てた起業家がいる。 かんなん丸(埼玉 県さいたま市) の 佐藤栄治社長がその人だ。同社は大庄 が手がけるFCブランドへ主に加盟。現 在「大 衆 割 烹 庄や」 など埼玉 県 内76 ヵ所に出店している。98年ジャスダック へ 株 式 公 開。06年 実 績 で64億1000 万円を売り上げている。 佐 藤社長は建築・土木資材メーカー の営業マンを経て、飲 食 業 界へと飛び 込 んだ。 朱 鷺( 現・大 庄 ) へ入社した のは39歳の時だった。 通常修 行期 間は5年だが、飲 食 店 経 営の経験があった佐藤社長は1年7 ヵ月 で出店することとなった。これまで「庄 や」は山の手線沿 線に路面店を出すこ 新規事業として 注目FC! 第二章 地方有力企業から脱下請けまで法人加盟店のサクセスストーリー ウィン 赤字の古本屋をマンガ喫茶に転換 V字回復遂げた富山の有力書店 第二章 生半可な気持ちで新規事業 を 手 が け る と 痛 い 目 を 見 る︒ 富山の大手書店が始めた赤字 F C 事 業 を 引 継 ぎ︑ 業 態 転 換 に よ り 黒 字 化 さ せ た の が︑ ウ モリフードサービス なく販売も手がけた い とF C 加 盟 に 興 味 を 持 っ た の で す︒ た またま三菱商事から 弊社に常務として出 向 し て い た 方 が︑ 畜 産関係に顔が利いた 関 係 で︑ 加 盟 す る こ と が で き ま し た︒ も しかしたら雛を扱う 弊社を加盟店として 抱 え る 事 は︑ 緊 急 時 の 避 難 先 になるという考えも当時の先 方にはあったのかもしれませ ん﹂ そ う 語 る 森 英 治 郎 社 長 は︑ 獣 医 学 部 卒 業 後︑ ア メ リ カ で の研修を終えるとすぐさま同 社 を 任 さ れ る こ と に な っ た︒ 孵卵事業拡大に燃えていた同 氏 に と っ て は︑ 予 想 外 の 展 開 だ っ た と い う︒ 一 九 八 八 年︑ 二 店 舗 同 時 オ ー プ ン︒ 当 時 K F C は 四 国 に 数 件 あ る の み で︑ 店は初月で二五〇〇万円を売 り 上 げ た︒ 順 調 に 店 舗 数 を 拡 大 し て い っ た が︑ 当 然 売 上 が 上 が ら な い 店 舗 も 出 て く る︒ 新 店 出 店 を 進 め る 一 方 で︑ 不 採算店を閉めるという調整を 重 ね︑ 一 時 は 二 五 店 舗 ま で 店 代表に就任した同氏はすぐ に 古 本 屋 事 業 を 撤 退︒ 什 器 や 残った資産を活かして マンガ喫茶立ち上げを模索 て お く 必 要 が あるとの考えか らだった︒二〇〇一年当時︑家 業である同書店雑貨部門で店 長を務めていた吉岡氏は︑ある 日社長である父親に呼ばれた︒ ﹁ ﹃明日から古本屋FC事業を お ま え に 任 せ る﹄ と 言 わ れ ま し た︒ 決 算 表 を 見 て み る と 年 間一〇〇〇万円の赤字を垂れ 流 し て い ま し た︒ 本 部 が 立 ち 上がったばかりでまだシステ ム が 構 築 さ れ て い な い 状 態︒ 完 全 に 本 部 選 択 ミ ス で し た︒ また本体の別事業を手がけて いる部長が兼任であたってい た 為︑ 全 く う ま く 回 っ て い な かったのです﹂ ︵吉岡幸治社長︶ モリフードサービス 森英治郎社長 年商17億円の印刷会社が学習塾FCで成功 書 籍 を そ の ま ま 活 か し︑ 当 時 流行り始めていた漫画喫茶を 独 自 で 始 め よ う と し た︒ し か し︑ ノ ウ ハ ウ は な い︒ そ こ で 全国約七〇店舗を展開してい た 業 界 ト ップ の ﹁ 自 遊 空 間 ﹂ の 本 部 を 訪 ね る こ と に︒ ﹁勉 強 の た め 見 て お き た か っ た の で す︒F C で 一 度 痛 い 目 を 見 て い る た め︑ 加 盟 す る 気 はありませんでした︒しかし︑ 内 情 を 知 れ ば 知 る ほ ど︑ こ れ が隣に出来たら到底太刀打ち で き な い と 思 い ま し た︒ ノ ウ ハウを築くのには時間も必要 で す︒ 死 に そ う な 会 社 が 悠 長 な こ と は 言 っ て い ら れ な い︒ また社員を雇うお金もない中︑ 自遊空間のシステムを使えば︑ 自分とアルバイトで回してい け る と 思 っ た の で す﹂ 父親に保証人になってもら い三三〇〇万円の初期投資 舗 数 を 増 や し た︒ ま た 段 階 的に直営店の営業譲渡を受 け︑ つ い に は 四 国 エ リ ア 全 店を手がけるまでになっ た︒ そ の 後 ピ ザ ハ ッ ト︑ カ プ リ チ ョ ー ザ︑ 牛 角 他︑ 多 業 種 化 に 乗 り 出 す が︑ そ う し た際に必ず言われる言葉が あ る︒ ﹁四 国 は 森 さ ん に 任 せ るよ﹂KFC 事業拡大で四 国を制した同社の実績とノ ウ ハ ウ は︑ F C 本 部 に は 魅 力 的 に 映 っ て い る︒ 事例 2 皆無に等しい状況であった。 「順調に生徒募集が出来たのは、 FC本部の運営指導を忠実にこなし てきた結果であると感じています」 同社は印刷受注のために、ネッ トを活用した新たな取り組みも行 うなど積極的な事業展開をしてい る。それでもFC事業を選 択した のは、スピードを重視した結果だ。 「手っ取り早く事業が出来るとい う点 が 利 点 でしょう。 尚 且つ、 塾 事業は店舗開発費も抑えられ るし、 商品 在 庫も持ちませんか ら、万が一失敗しても撤 退がで きる点が魅力でした」 現在は二校目を検 討中だと西 村氏は語る。 で︑ 自 由 空 間 を 〇 一 年 一 二 月 に オ ー プ ン︒ 富 山 県 初 出 店 と い う こ と も あ り︑ 認 知 さ れ る と 人 が 集 ま り 出 し︑ 四 ヶ 月 で 黒 字 化 を 達 成︒ 〇 三 年 に は 二 店 舗 目 を オ ー プ ン し た︒ そ の 後はブックマーケットを本部 の子会社から営業譲渡を受 け︑ 富 山 県 と 石 川 県 に て 一 二 店 舗 展 開 す る な ど︑ F C ビ ジ ネスで商売のノウハウを掴ん だ 同 氏 は︑ 事 業 を 拡 大 中 だ︒ ま た 同 社 で は︑ 昨 年 一 二 月 にオリジナルのドーナツショ ッ プ を オ ー プ ン︒ 飲 食 コ ン サ ルタントのアドバイスのも と︑ 開 発 に 一 〇 ヶ 月 を 要 し た と い う ド ー ナ ツ 店 は︑ 一 時 間 半で商品が完売してしまう程 の 盛 況 ぶ り だ︒ 独 自 ブ ラ ン ド 構 築 が 同 氏 の 次 な る 目 標 だ︒ 卒業アルバムなど学 校関連の 印刷物を受注する関西美術印刷 (奈良県奈良市・年商16億9000 万円)は同業界大手企業のひと つだ。その同 社が4年前から開 始したのが、学習塾の運営。拓 人の「 スクールIE」 に加 盟し、 現在1校を運営している。 「開校1カ月で生徒は10名集まり ました。3か月で30名、1年で60 名。これらのハードルを確実にク リアすることが出来、生徒数が増 えました。折込チラシの配布など、 基本的なことをしっかりやってきた つもりです」 (西田雅彦取締役) 塾 事 業は、もちろん初めての 試 みであり、 ノウハウも経 験も KFCフランチャイズ加盟で 四国を代表するメガFCに成長 事例1 フランチャイズ本部が四国 を制するのに決して無視でき な い 企 業 が あ る︒ 人 口 が 少 な く商いが難しいとされるこの 土 地 に あ っ て︑ K F C ︑ 牛 角 など六ブランド七二店舗を展 開 す る メ ガ フ ラ ン チ ャ イ ジ ー︑ モ リ フ ー ド サ ー ビ ス︵ 香 川 県 観 音 寺 市 / 年 商 三 八 億 円︶ だ︒ 同 社 の 親 会 社 は︑ 森 孵 卵 場 といいブロイラーの雛生産で 業 界 一 位 を 誇 る︒ 出 荷 の 関 係 で 運 送 会 社 も 手 が け て お り︑ ケンタッキーフライドチキン ︵KFC︶が四国に進出した際︑ 配送業者として起用されたの が 同 社 だ っ た︒ ﹁一業者として新店オープン レ セ プ シ ョ ン に 参 加 し た 際︑ 社 長 で あ る 父 が︑ 生 産 だ け で まで け 請 下 ら脱 か 業 企 地方有力 ー リ ー ト ス ス セ ク の サ 店 法人加盟 ィ ン ︵富 山 県 高 岡 市 / 年 商 一 〇 億 円 ︶ の 吉 岡 幸 治 社 長 だ︒ 現 在︑ ブ ッ ク マ ー ケ ッ ト や 自 遊空間を始めとする三業態 一 九 店 舗 を 運 営 し て い る︒ 富山県を中心 に三〇店舗以上 を展開する文苑 堂 ︵富 山 県 高 岡 市/年商八七億 円︶ で は︑ 一 九 九九年よりリサ イクル事業に進 出 し て い た︒ 当 時ブックオフな どが伸びてきた 時 期 で︑ 同 社 も いち早く進出し 吉岡幸治社長 ウィン 18 Business Chance 2008. 6 Business Chance 2008. 6 19 事例3 1号店であるKFC観音寺店 第二章 地方有力企業から脱下請けまで法人加盟店のサクセスストーリー 上 は 悪 く︑ 本 部 の 収 支 計 画 通 り に は 行 か な か っ た︒ ﹁五 〇 〇 〇 万 円 の 投 資 も 高 す ぎ ま し た︒ 三 年 間 厳 し い 状 態 が 続 き ま し た が︑ 本 部 の S V を 頼 ら ず︑ 自 ら 店 に 入 り︑ 社 員 教 育 を 徹 底 し︑ 今 で は ロ イ ヤリティー五%を引いても 一 五% の 収 益 が 残 る 店 に な り ま し た﹂ 収益化の目処が立った時点 か ら︑ 次 の 加 盟 先 を 探 し た︒ 〇 五 年 に 餃 子 計 画 ︵大 阪 市 淀 川 区︶ が 展 開 す る ﹁浪 花 ひ と く ち 餃 子 餃 々﹂ に 加 盟︒ 中 野 に 出 店 し た︒ ﹁ド ト ー ル な ど も 候 補 に は あ り ま し た が︑ 初 期 投 資 が 二 八 〇〇万円程度と安いのが魅力 大心創業 下請けからの脱却目指し 飲食FC・独自4店運営 建設業の下請け事業等を行 う 大 心 創 業 ︵長 野 県 松 本 市 / 年 商 五 億 円︶ は 脱 下 請 け を 期 すために〇三年より飲食FC に 加 盟︒ 現 在 で は 独 自 ブ ラ ン ド 一 店 含 め︑ 四 店 舗 を 都 内 に 運営するなど出店数を延ばし て い る︒ ﹁設 立 は 九 九 年︒ 長 野 県 内 で 事 業 を 行 っ て い ま し た が︑ 元 請けの経営に依存する体制か ら抜けるためにも飲食事業立 ち 上 げ を 考 え ま し た︒ ノ ウ ハ ウがないためまずはFC加盟 店で始めようといろいろな本 部 を 回 り︑ タ ス コ シ ス テ ム の 升 屋 に 加 盟 し︑ 市 谷 に 出 店 し ま し た﹂ 地の利に頼らないで本当の 力を付けるためにもあえてと 東 京 に 出 店︒ し か し︑ 店 の 売 ン マ ル ク カ フ ェ﹂ を 各 二 店 舗 ず つ 運 営 し て き た が︑ 昨 年 新 た に 便 利 屋F C の ベ ン リ ー に 加 盟︒ 狙 い は︑ 今 後 の 事 業 拡 大 を 見 越 し て ﹁営 業 す る﹂ 文 化を社に植え付けることだと い う︒ ﹁店舗物件の高騰からベー カリーの出店がままならずに 困 っ て い ま し た︒ そ こ で 無 店 舗の事業をやってみようとい う の が 正 直 な 動 機 で す︒ た だ︑ 待 ち の 姿 勢 で の み や っ て きた当社に営業する文化を持 ち込めたことに一定の満足を し て い ま す︒ 便 利 屋 事 業 は よ うやく採算に乗せられる目処 リトルハピネス ベ ー カ リ ー 系 F C二 社 に 加 盟 新たに開始したのは便利屋 畑違いのビジネスに手を出 し て 失 敗 す る 例 は 多 い が︑ 加 盟店経営者の考え方ではマイ ナスもプラスに変えることが 出 来 る︒ リ ト ル ハ ピ ネ ス ︵神 奈 川 県 川 崎 市・ 年 商 四 億 円 ︶ の箕輪喜彦社長がそれを体現 し て い る︒ 同社は独自業態のフランス パ ン 店 ﹁ボ ヌ ー ル﹂ の 他︑F C で﹁リ ト ル マ ー メ イ ド﹂ ﹁サ で し た︒ 本 部 に メ ー カ ー 機 能 が あ り︑ 実 際 メ ニ ュ ー が 美 味 し い 上 に︑ 料 理 の 種 類 や 調 理 方法がシンプルにできていた 点 が 良 か っ た﹂ 不満点はすぐに本部側が改 善に動くなど加盟後もその良 さ を 実 感 し た︒ そ ん な 本 部 か ら〇六年に赤羽にある不採算 店の引継ぎ話が持ち込まれ る︒ 最 初 の 店 を 建 て 直 し て い た こ と か ら 自 信 は あ っ た︒ 店 を 五 〇 〇 万 円 で 買 取 り︑ 引 き 取った翌月には売上を倍に伸 ば し た︒ ﹁スタッフ教育の如何で売上 は伸ばすことができるのでは な い で し ょ う か︒ 立 地 が い い ところにオープンして一気に 客が来るとスタッフは対応が で き な い︒ 弊 社 は あ え て 立 地 が悪い場所でスタッフ教育を し な が ら︑ 徐 々 に 客 を 増 や す 方 法 を 採 っ て い く 考 え で す︒ 直近では銀座の赤字だったバ ー を 買 取 り︑ 日 本 料 理 店 に 換 え 黒 字 化 に 成 功 し て い ま す︒ 今 後 は F C 加 盟︑ 独 自 ブ ラ ン ド 問 わ ず︑ 不 採 算 の 店 を 買 取 り︑ 収 益 化 す る モ デ ル で 飲 食 事業を伸ばしていく考えで す﹂ 独立開業 が 立 っ て き た と こ ろ で す ね﹂ 同社は先代の頃からパンの 販 売 を メ イ ン に し て き た︒ 同 氏 が 代 表 に 就 任 し︑ リ ト ル マ ーメイドやサンマルクカフェ のF C に 加 盟︒ 数 字 管 理 の 手 法 も 勉 強 し て き た と 語 る︒ ﹁三店舗の頃から数値管理 用のシステムを全店で導入し て日時決算を行ってきまし た︒ 右 手 に 電 卓︑ 左 手 に パ ン で す ︵ 笑 ︶︒ そ こ で 得 た ノ ウ ハウを独自業態の店にも応用 し て い ま す︒ 具 体 的 に は 材 料 費・人件費・賃料の比率構成 をどのように設定したら利益 が 取 れ る か な ど で す﹂ 独自業態であるフランスパン 専 門 店 ﹁ボ ヌ ー ル﹂ の 店 舗 展 開 で は︑ 便 利 屋 事 業 で 得 た 営 業 力 を 活 か し︑ 店 舗 物 件 開 発 や取引会社との交渉に臨んで い く 構 え だ︒ 成功事例 事例 20 Business Chance 2008. 6 Business Chance 2008. 6 21 イドにオープン。 初 月 で1250万 円を 売り上 げ た。また同時に カーブスのアメ アヴァンツァーレグループ リカ視察に訪れ 飯田敏夫会長 た同氏は、エリ アフランチャイザーとして千葉・茨 城を管 轄するなど、 サービス事 業 に進 出することで、 それまで10億 円程度だった売上を1.5倍近くまで 伸ばしている。 赤字で倒産寸前の地元ホテルを買 収したのです」 (飯田敏夫会長) コスト高になっていた料理の見直 しを中心に、同氏は様々な改革を 手がけホテルを黒 字 化。 そうした 実績を背景に飲 食 業も手がけよう と検 討中、人の紹介でベンチャー リンクの説明会に出席。 「FCの言葉の意味さえ知りません でした。単純に自分がやりたいとイ メージしている店が『まいどおおき に食 堂 』そのものだったので、す ぐさま加盟を決めました」 05年10月に茨城県内のロードサ 脱サラから運 送事業を立ち上げ た男が、 業 界 低 迷 の 煽りを受け、 サービス事業に乗り出す事で売上 を拡大している。アヴァンツァーレ グループ(茨城県桜川市/グループ 全 体 売上14億5000万円)飯田敏 夫会長は、JR職員を辞め1986年 に運 送業を立ち上げた。現在では トラック70台を所有。建設事業も 手がけるまでに事業を拡大した。 「ところが運 送事業は業 界的に低 迷し、売上が伸び 悩みました。そ こで兼ねてから興 味 のあったサー ビス事業に乗り出すべく、4年前に 社 員に対して語りかける言 葉 に自信が持てないのだとも言 える。 ある加 盟 店オーナーは 言う。 「社員に夢を与え、実現してい くためにも、 私自身がもっと 勉 強しなくてはいけないと思 う。今は積極的に経営者セミ ナーなどに出かけています」 加盟者にとって、 成 功への 鍵は、商店主から経営者に脱 皮できるか否かなのであろう。 「当社では△△総研から講師 を呼んでいる」 成功している加盟企業では、 本部 研 修に飽き足らず、外部 講師を招聘してスタッフ教育を 行っている会 社が多い。 特に 経営者自身が現場に出ない会 社で、こうした傾向が顕著に見 られる。聞けば、従 業員のモ チベーションを向上させるため、 というのがその主な動機だ。 もっともらしくも 聞こえる が、 裏を返せば、 彼ら自身が 運送・建設業で伸び悩み 辿り着いたエリアフランチャイザーへの道 5 成功加盟店に共通する 「外部講師で社員教育」という病 大心創業 上嶋大吾社長 リトルハピネス 箕輪喜彦社長 !? 事例4 事例6 第二章 地方有力企業から脱下請けまで法人加盟店のサクセスストーリー ったサンドウィッチ 店やリフレクソロジ ー 店 を や っ た り︑ パ ソ コ ン 教 室 にF C 加 盟したこともありま し た が︑ ど れ も う ま くいきませんでし た︒ メ ガ ジ ー の 先 輩 たちが多業態で苦労 しているのを見てい るので今も探しては い ま す が︑ 次 の 業 態 を始めることに対し て は 慎 重 で す︒ 明 光 義塾のビジネスモデ ルは一年で回収でき る︒ こ れ を 上 回 る 業 態はまだ見つかって い ま せ ん﹂ リサイクル店の利益率に目を付け 業態転換で借入金25億円返済 指導の塾をやってみようと思 っ た の で す﹂ 当 時︑ F C 募 集 を し て い た の は 関 塾︑ 一 ツ 橋 ゼ ミ ナ ー ル な ど 数 社 し か な か っ た︒ 各 社 を 見 て 回 り︑ 設 立 か ら 三 期 目 で ︑〝 勢 い 〟 を 感 じ た 明 光 義 塾 に 加 盟 を 決 め た︒ 生 徒 は ス リ ッ パ を 揃 え て 迎 え 入 れ︑ 帰 り は 外 ま で 見 送 る と い う 〝飲 食 流〟 の サ ー ビ ス が 好 評 を 呼 び︑ 東 証 一 部 に 上 場 す る ま で に成長を続けた明光に歩みを 合 わ せ︑ 教 室 数 を 増 や し て い っ た︒ ﹁上場するほどの規模になる とは思っていませんでした し︑ 安 定 し て 経 営 す る た め に︑ 新 規 ビ ジ ネ ス を 常 に 探 し て き ま し た︒ ビ ル の 軒 下 を 使 い︑ 営 業 デ ー タ を 見 せ て も ら い︑ 事 業 転 換 の シ ミ ュ レ ー シ ョンを詳細に練っていたの だ︒ そ の 上 で 金 融 機 関 へ の 理 解︑ ハ ー ド オ フ や デ ン コ ー ド ーへの出資・協力要請を水面 下 で 行 っ て い た の だ︒ ﹁ハードオフへの加盟を選択 したのは物販のノウハウを活 用できリユース事業という将 来性のある事業だったからで す︒ 事 業 転 換 に は ス ピ ー ド も 求 め ら れ ま す か らF C と い う 形 式 は 適 し て い た の で す﹂ 転 換 後 一 期 目 ︵〇 六 年 三 月 期︶ は 赤 字 を 出 し て し ま っ た も の の︑ 買 い 取 り の 重 要 性 に 気付き強化を行ったことで二 期 目 ︵〇 七 年 三 月 期︶ に は 黒 字 転 換︒ 三 期 目 ︵〇 八 年 三 月 期︶ は 経 常 利 益 の 倍 増 を 見 込 ん で い る︒ ワットマン 業を立ち上げるという 一見背水の陣での狂乱 とも思える手を打った の だ︒ し か し︑ 売 上 は 二二億八〇〇〇万円 ︵〇七年三月期︶と激 減したものの黒字転換 を 果 た し︑ 今 期 は 最 盛 期 ︵〇 一 年 三 月 期︶ の 当期利益一億八一〇〇 万円に迫る一億四〇〇 〇万円を見込んでいるとあら ばこの転換はあまりにも鮮や か な 一 手 だ っ た と い え る︒ ﹁あ の ま ま 決 断 が 遅 れ て い た ら最悪のシナリオが用意され て い た で し ょ う︒ 営 業 譲 渡 も で き ず︑ 資 金 体 力 が な く な り 業 態 転 換 も ま ま な ら な い︒ そ うなったら潰れるしか道はあ り ま せ ん︒ 発 表 は 〇 四 年 五 月 で し た が︑ 一 年 以 上 前 か ら こ の業態転換に向けて動いてい ま し た﹂︵清 水 社 長︶ 同社は事業転換を行う二年 前の〇二年にハードオフに加 盟しパイロット店を出店して い る︒ 他 に も 同 業 の ヌ マ ニ ウ コーポレーションなどが先に ハードオフに加盟し業態転換 を成功させていたことから清 水社長は直接ヒアリングを行 円のロイヤルティーを払 うことは惜しくはない﹂ と 語 る︒ 箕 輪 会 長 がF C 加 盟 し た の は 一 九 八 八 年︒ 二 四 歳 で 脱 サ ラ し︑ 飲 食 店 を 始 め た が︑ う ま く 行 か な い 状 態 が 続 い て い た︒ そ んななかで店の立ち退き を 求 め ら れ︑ 突 然︑ 一 〇 〇〇万円程度の資金を手 に す る︒ ﹁借 金 を 返 す か︑ も う 一 勝 負 す る か 迷 い ま し た が︑ 今 度 は FC で飲食をやってみようと 考 え ま し た︒ し か し︑ こ の 程 度の資金では屋台ぐらいしか できる業態はありませんでし た︒ そ れ な ら と︑ 当 時 流 行 り 始 め で 開 業 費 用 も 安 い︑ 個 別 2倍強だったのだ。 「50キロ遠方から買 い取り客が 来 店して きたというのを聞 い ヌマニウコーポレーション てこれはうまく行くと 沼生進社長 確信しましたね」 やる気になった沼 生社長は本部と共に新たな業態開発も 行った。家電 全 般を扱う「オフハウス」 がそれだ。北関東地 域では同社がエリ ア本部として20の加盟企業抱えている。 1号店開店から年に5 〜 7店舗のペー スで既存店を切り替えていき、99年に は家電量 販 店をゼロにした。現在の借 入 金 は 約55億 円。 約6年 間 で25億 円 返済した計算になる。 た。取引先の家電メーカー幹部からハード オフコーポレーションの山本善政社長を 紹介されたのだ。沼生社長は単身、山本 社長のもとを訪ねた。そこで聞いた話は 同氏にとってコロンブスの卵だったそうだ。 「同じパソコンやオーディオでも中古だ と売上の10%は経常利益にできるという のです。家電量販店は超有料店でも5 〜 6%なので驚きました。不良在庫もあるし 仕入れの苦労もない。これは弊社に適し たモデルだと思いました」 それでも半信半 疑だった沼生社長だ が、 もはや 後 は な い。95年9月、150 坪の既存店舗の一階をハードオフ、二 階をブックオフに切り替えた。リニュー アルコストは1億円ほどかかり、売上は 既存店の半分になったが、経常利益は 瀕 死の地 元名門 企業がFC加 盟によ って復活を遂げた。ヌマニウコーポレー ション(栃 木 県下野市/年商43億750 0万 円 ) はリサイクル 店「 ハードオフ」 などに加盟し、北関東32 ヵ所に出店し ている。同社はかつて地元栃木を地盤 に展開する家電量販チェーンだった。 「最盛期にはNYKK(ヌマニウ、ヤマダ 電機、ケーズ電機、コジマ)といわれほ ど勢いがありました。しかし、バブル期に 投機で失敗。私が3代目の社長に就任し た95年1月には80億円の借り入れを抱え て、 経営難に陥っていました」 (沼生進社長) 競合チェーンは300 〜 500坪の大型 店を次々と出店していたが、既に出店資 金は残されていなかった。打つ手がない。 途方にくれていた沼生社長に転機が訪れ 売上五〇〇億円の家電量販店を捨て FC活用し鮮やかに復活果たす ワ ッ ト マ ン ︵横 浜 市 旭 区 / ジ ャ ス ダ ッ ク 上 場︶ の 清 水 一 郷社長は最盛期に売上五〇 〇 億 円 を 稼 ぎ 出 し︑ 一 時 は 五〇店に迫る店舗数を誇った 家電量販店を一気に業態転換 さ せ る 決 断 を し た︒ ﹁ヤ マ ダ 電 機 な ど 大 手 チ ェ ー ン が 台 頭 す る 中︑ う ち の 規 模 だ と 資 金 力 競 争︑ 安 売 り 競 争 で勝ち残るのは難しいと判断 し ま し た﹂ 清水社長は〇四年五月に業 態 転 換 を 発 表 し︑ わ ず か 三 ヵ 月 で 不 採 算 店 舗 の 閉 鎖︑ デ ン コ ー ド ー へ の 営 業 譲 渡︑ リ ユ ース事業への業態転換を矢継 ぎ 早 に 行 っ た︒ ジ ャ ス ダ ッ ク 市場への上場を維持したま ま︑ 四 六 三 億 円 売 り 上 げ て い た 店 舗 を 捨 て︑ 新 た な 基 幹 事 脱サラ失敗の飲食店オーナー 明光義塾加盟で年商21億円 22 Business Chance 2008. 6 Business Chance 2008. 6 23 ワットマン 清水一郷社長 明 光 義 塾 のF C 店 を 全 国 に 六 〇 教 室 展 開︒ 年 商 二 一 億 円 を 誇 るM A X I S ホ ー ル デ ィ ン グ ス ︵ 東 京 都 新 宿 区 ︶︑ 箕 輪 友 行 会 長 は ﹁脱 サ ラ に 失 敗 していた自分がここまで会社 を大きくできたのは明光のお か げ︒ 経 験 を 積 み 塾 運 営 の ノ ウ ハ ウ は 学 ん だ が︑ 年 間 二 億 MAXISホールディングス 箕輪友行会長 事例7 敗者 復活 第二章 地方有力企業から脱下請けまで法人加盟店のサクセスストーリー し進めているのがファースト 商 事 ︵東 京 都 中 野 区︶ の 平 井 克 彦 社 長 だ︒ ﹁コ ン ビ ニ は 本 部 の シ ス テ ム で何でもやってくれるような イ メ ー ジ が あ り ま す が︑ 意 外 と加盟店の裁量が多くアルバ イトや社員が経営感覚を磨く 場として丁度いいの で す︒ こ れ が 飲 食 業 だと接客や人材教 育︑ コ ス ト 管 理 か ら メニュー開発とやる べきことが多岐にわ たりすぎて行き詰っ た時に何がダメなの か原因が掴みにく い︒ コ ン ビ ニ は 店 舗 の裁量があるので成 果の検証がしやすい の で す﹂ 平 井 社 長 は 以 前︑ に 加 盟 し︑ こ ちらも高い収 益を出してい る︒ 今 後 は 事 業承継に悩む 他の加盟店の 買収なども検 討︒ 出 資 し て 独立させる か︑ 分 社 化 さ せ る か︑ 手 法 は未定だが社 員の独立を支 援する取り組 みを行ってい く︒ ﹁I T T O 個 別 指 導 学 院 +7 つ の 習 慣 J ﹂ の F C に 加 盟︒ 収益事業としてだけでなくこ の ﹁7 つ の 習 慣 ﹂ を 基 に し た 社員研修を定期的に行ってい る︒ ﹁こ の 研 修 を 行 っ て か ら 特 に 店長がスタッフに対して指導 しやすくなっているようです︒ 共通認識を持つことで指示の 理解を得やすくなっています﹂ 以前は三ヵ月に一人くらい は 退 職 者 が 出 て い た が︑ 社 員 研修を始めてから一年間退職 者 が 出 て い な い と い う︒ 塾 の 経営も三ヵ月で八〇人の生徒 を 集 め︑ 順 調 だ︒ 事 業 を 拡 大 させながら相乗効果を持たせ ることで成長路線に入ること が で き て い る よ う だ︒ ファミリーマートの店舗を 人材育成の場としてうまく活 用することで事業多角化を推 独自ブランドの 飲食店を五店舗立 ち 上 げ た 後 にF C 加盟した学習塾を 社員教育にも生か しているというの が 円 座 フ ー ズ サ ー ビ ス ︵横 浜 市 西 区︶ の 堀 場 博 史 社 長 だ︒ ﹁店 舗 数 が 増 え て く る と 全 部 に目が行き届かなくなります︒ 思 い は 伝 え ら れ る が︑ 現 場 の 動きをすべて指示できるわけ で は あ り ま せ ん︒ 自 分 で 正 し い判断ができるスタッフを育 て な い と い け な い の で す﹂ 教育者が多い家系だという こ と も あ り︑ 教 育 事 業 を 前 か らやりたいと考えていた堀場 社 長 は︑ 新 規 事 業 と し て ベ ン チャーリンクが 展 開 し て い る 地域密着を図るため幼児教育事業を始めたFP にイタリアンや和食など独自 ブランドを展開してきた同 社︒ 学 生 時 代︑ コ ー ヒ ー 店 で アルバイトをしていたことが きっかけで入社した中馬氏が 社 長 に 就 任 し て か ら は︑ 積 極 的 に 事 業 を 拡 大 し て き た︒ ラ イセンス契約という手段を採 用 し た き っ か け つ い て︑ 中 馬 社 長 は こ う 語 る︒ ﹁一〇年以上続けて きたイタリアンレス トランの業績が悪化 し︑ 業 態 の リ ニ ュ ー アルの必要に迫られ ま し た︒ 通 常 独 自 開 発 す る と︑ お 店 が 熟 加盟で得たノウハウを 徹底的に活用する人々 F Cよ り も 自 由 度 高 い ﹁ラ イ セ ン ス 契 約﹂ を 使 い こ な す バンカ そ う 語 る の は︑ 西 新 宿 を 中 心に五業態一一店舗を展開中 の バ ン カ ︵東 京 都 新 宿 区 / 年 商 七 億 五 〇 〇 〇 万 円︶ 中 馬 敏 雄 社 長 だ︒ ほ と ん ど が 自 社 開 発 店 舗 だ が︑ 現 在 一 ブ ラ ン ド をベンチャーリンクが手がけ る ﹁ 陳 麻 家 ﹂ のライセンス店 と し て 運 営︒ 二 〇 〇 六 年 頃 か ら一年半で五店舗を出店した︒ 西新宿にて一軒のコーヒー ショップからスタートし︑徐々 ファースト商事 ﹁コ ン ビ ニ で 経 営 者 教 育﹂ 社員独立の道場に最適 ﹁立 地 環 境 や 食 の ト レ ン ド は ど ん ど ん 変 化 し ま す︒ 業 態 開 発のスピードが求められる時 代 に あ っ て︑ 他 社 の ブ ラ ン ド を利用することで効率的な店 舗 展 開 が 可 能 に な り ま し た﹂ !? 成 し回り出すまでに一〜三年 か か り ま す︒ ス ピ ー ド を 重 視 し立地環境に合ったパッケー ジを採用することにしました﹂ 新 宿 と い う 立 地 か ら︑ サ ラ リーマンのランチ需要と軽く 飲 酒 の で き る〝 ち ょ い 飲 み 需 要〟 を 獲 得 で き る 点 ︑ 商 品 数 が 少 なく回転が速い等の理由 か ら︑ ﹁ 陳 麻 家 ﹂ を 選 ん だ︒ 〇五年二月に一号店をオープ ン︒ 初 月 で 九 〇 〇 万 円 を 売 り 上 げ た︒ 月々のロイヤリティが発生 せ ず︑ フ ラ ン チ ャ イ ズ に 比 べ て自由度の高いライセンス契 約 で あ る 点 も︑ 既 に 飲 食 店 経 営のノウハウがある同社にと っ て 利 用 価 値 が 高 か っ た︒ ライセンス加盟のメリット は︑ 独 自 店 舗 と の 相 乗 効 果 が 高 い 点 に も あ る と 言 う︒ ﹁マニュアルに沿った味の再 現 化 の 重 要 性 や︑ ア ン ケ ー ト を デ ー タ 化・ 分 析 す る な ど の ノウハウはなるほどと思いま し た︒ ま た マ ニ ュ ア ル が あ り オペレーションが単純なため︑ 若手店長育成の場としても活 用しています﹂ 24 Business Chance 2008. 6 Business Chance 2008. 6 25 バンカ 中馬敏雄社長 ファースト商事 平井克彦社長 円座フーズサービス 堀場博史社長 を ス タ ッ フ に は 与 え た い︒ そ のため積極的に管理職に登用 し︑ や る 気 の あ る も の に は い ずれ社長の椅子を用意してや り た い と 考 え︑ 事 業 の 多 角 化 を 推 し 進 め て い ま す﹂ サ ブ ウ ェ イ︑ 牛 角 と 他 のF C に加盟するも苦戦を強いら れ 店 舗 売 却 を し た︒ そ こ で の 経験を生かしさらにライセン ス で 飲 食 店 を 経 営 し︑ ノ ウ ハ ウを蓄積すると今年一月に独 自 ブ ラ ン ド の 居 酒 屋 ﹁傳﹂ を オ ー プ ン︒ 多 く の 取 材 が 舞 い 込 み 順 調 な 出 だ し を 切 っ た︒ 他にも一〇円饅頭の﹁和ふ庵﹂ 円座フーズサービス 同社運営のファミリーマート でアルバイトとして働いてい た︒ そ の 縁 か ら 一 旦 就 職 す る も ﹁う ち で 働 か な い か﹂ と 前 社長に声を掛けられ同社に入 社︒ 前 社 長 は コ ン ビ ニ 経 営 の 他 に 本 業 が あ っ た た め︑ 平 井 氏に五店舗ある店舗の統括を 任 せ て い た︒ 大 き な 責 任 を 与 えられたことで平井社長はや る気を出し経営者を目指すよ う に な っ た と い う︒ そ の 気 概 を 知 り︑ 前 社 長 も 本 業 に 徹 す る と 経 営 の バ ト ン を 渡 し た︒ ﹁自 分 の よ う に ア ル バ イ ト か らでも社長になれるチャンス 事例 3 ファイナンシャルプランナー会社FPソリューシ ョン(東京都中央区) の辻畑憲男社長は昨年4月、 拓人が運営する幼児教育教室 「チャイルドアイズ」 に加盟した。同6月から千葉県の浦安にて教室を 開校。1歳半から10歳くらいの幼児・児童が対象 で、脳発達のためのカリキュラムを提供している。 月謝は1人当たり月額1万500円〜となっている。 辻 畑 社 長 は外資 系 生 命 保 険 会 社を 経て、 FPソリューション 辻畑憲男社長 2002年に独 立。 セミナーなどで集 客し、FP 業務に当たってきた。FPにとって、最も重要な のは集客。住宅メーカーと組んでセミナー講師を務め、来場者の住 宅ローン設 計の相談に乗ったり、雑誌媒体で記事を書いたりして、 知名度・認知度を高める努力を日々行っているのだ。 「チャイルドアイズのFCに加盟したのは、本業にシナジーがあると 思ったからです。地域に密着していくことが重要だと考えていたので、 素早く実現するには教育事業は最適だろうと判断しました。特に幼 児 教 育は生徒の年 齢 が低いですから、 保 護 者の年 齢 層は20代〜 40代。FPのニーズがあるはずで、教育資金や住宅購入など各 種金融相談の入り口になればと加盟を決めました」 現在、浦安校には約40名の生徒が通っている。肝心のシナジー 効果は、まだこれからというところだ。15坪のスペースには、教室 とFP事務所が併設されている。 「賃料だけでも支払えれば十分」と辻畑社長は考えているという。 事例1 事例2 学習塾を社員教育に生かし 人材の定着率アップを実現 5年で30店舗も!脱サラから有力加盟店に成長した男の勘所 の で す︒ ま た︑ 毎 日 水 道 光 熱 費がどれだけかかったかを出 し て い ま す︒ こ れ も コ ス ト 管 理 の 一 環 で す ね﹂ 竹中社長は九五年に日本鋼 管 を 退 職 し︑ ド ト ー ル にF C 加 盟︒ ド ト ー ル に 決 め た の も 自分で既存店舗の前に立ち通 行人が入店する確立を調査し た︒ 店 に よ っ て バ ラ つ き は あ っ た が 平 均 す る と 七% と い う 高 い 数 字 が 出 た︒ そ の 数 字 を か と 思 っ た の で す が︑ 蓋 を 開 けてみると四回開催して来た の は ゼ ロ︒ 飛 び 込 み で 相 談 に 来た方が入塾してくれました が開校してから二週間は生徒 一 人 で 運 営 し て い ま し た﹂ 開校した時期も一〇月と中 途 半 端 で 悪 か っ た︒ し か し︑ このまま指をくわえて見てい る 訳 に は い か な い︒ 当 時 は 個 人情報管理が厳しくなかった ことから役所に行き住民名簿 を閲覧し対象となる子供を持 つ家庭を手書きでリストアッ プ し て い っ た︒ 一 人 だ け 採 用 していた講師にも手伝っても らい二週間で三五〇〇人の見 込 み 客 リ ス ト を 作 成 し た︒ そ こ にD M を 送 る の だ がD M の 中 味 も 工 夫 に 工 夫 を 重 ね た︒ 当時は子供の数学離れが叫ば れ 始 め た 時 分︒ 高 松 社 長 も 数 学に力を入れたいと考えてい た こ と か ら D M に は︑﹁ う ち の 塾 は 数 学 に 強 い 塾 で す﹂ と 書 き 出 し︑ そ の 下 に 新 聞 に 載 っていた子供の数学力低下の 記 事 を つ け た︒ 見 せ 方 も 塾 の マスコットキャラクターに吹 き出しをつけて会話口調でコ ピ ー を 入 れ た︒ す る と 冬 期 講 習 に 三 〇 名 の 生 徒 が 訪 れ た︒ 高松社長が前職で身を置い ていた旅行業界は生き馬の目 を抜く顧客獲得競争が繰り広 げ ら れ て い る 業 界 だ︒ 当 然 広 告宣伝には心血が注がれてお り︑ 高 松 社 長 も そ の 当 時 の 感 覚を独立後でも生かすことが で き た の だ︒ そ の 後 さ ら に 生 徒 は 増 え︑ 常 に 五 〇 名 前 後 の 生徒を抱える有力校となっ た︒ 高 松 社 長 は さ ら に 二 校 開 校 し︑ 同 じ 本 部 で あ る ジ ー ・ コミュニケーショングループ が 展 開 す る 飲 食 業 態 ﹁小 樽 食 証券会社勤務時代に本部と出会い 妻を社長に据えサラリーマン開業 前職スキルが独立後に生きた 未経験業態でのFC加盟で成功 レオ・バルゴ の 高 松 健 社 長 は︑ 開 業 時 獲 得 生徒一人という苦境を前職で 培ったマーケティング力で乗 り 切 っ た︒ ﹁は じ め は 右 も 左 も わ か ら ず 本部マニュアル通りにチラシ を作りポスティングしまし た︒ 何 千 枚 も 配 布 し ま し た か ら数十人は入塾説明会に来る ティウイングス 製鉄業界で養ったコスト管理生かし 本部モデルより低い原価率を維持 い ど お お き に 食 堂﹂ も 出 店 し て い る が︑ こ の 店 舗 も 本 部 の モデルより低い原価率を出し て い る︒ 徹 底 し た 数 値 管 理 に よって確実に利益の出せる店 作りを行っているのだ︒ FC 加盟で成功するには本 部のマニュアル以外の部分で 経 費 削 減 行 い︑ 利 益 を 出 せ る 体 制 を 作 ら な い と い け な い︒ テ ィ ウ イ ン グ ス ︵東 京 都 新 宿区/年商二億六〇〇〇万 円︶ の 竹 中 一 雄 社 長 は︑ 前 職 の製鉄業界で叩き込まれたコ スト管理の感覚を独立後も生 か し て い る︒ 同 社 が 三 店 舗 運 営 す る ド ト ー ル は 平 均 三 五% ぐらいの原価率なのに対して 四% も 低 い 三 一% に 抑 え る こ と に 成 功 し て い る︒ ﹁定期的に棚卸しを行い在 庫に対する社員の意識を高め て い ま す︒ そ う す る こ と で ロ ス率なども自然と減ってくる ティウイングス 竹中一雄社長 塾開校時わずか生徒一人のピンチ脱出 学 習 塾 F C ﹁I T T O 個 別 指 導 学 院﹂ で 独 立 を 果 た し た レ オ・バ ル ゴ ︵茨 城 県 取 手 市︶ やってもらい ました」 ブックオフ は1店 舗 目 の ビッグアルファ オープン時に 大森一世社長 初期商品を買 い揃えなければならず、このコス トが大きな負担となる。しかし、 2店 舗目以 降は他 店で 仕入れた 商品を融 通でき初 期コストをグ ンと抑えることができる。 大 森 社長は千葉県に次々出店し、15 年程で19店舗展開をした。今で はその 他にもハードオフ2店舗、 ホビーオフ1店 舗、 簡易フィット ネス1店舗、カルチャーセンター 1教室の多角経営をしている。 く、多店舗ができるこの商 売は 成長性があると感じたのです」 数 多くの新興企業の内側を見 てきた大 森 氏は、 ミイラ取りが ミイラになる形で加 盟を決 意し た。 しかし、 何が 起こるかわか らないのもビジネスの世界。 当 初は会 社勤めを続けながら奥さ んを社 長に据えて、 1号店目の 出店を行った。2足のわらじで2 号店目もオープン。そしてこの事 業 一本でいけると判 断してから 会 社を退 職し、独 立したのだっ た。 「万が一の事態の時に家族を路 頭に迷わすわけにはいきません。 石 橋を叩くつもりで 妻に社 長を 堂﹂ も 出 店 し︑ こ ち ら も 人 気 店 と な っ て い る︒ ﹁ 飲 食 で も 同 じ で す︒ 本 部 か らもらった良いところを生か しながら自分なりに工夫をし てお客様に喜んでもらえるよ うにしていま す︒ 接 客 か ら 盛り付けにい たるすべての 点で工夫の余 地があるので す︒ な る べ く 店舗に顔を出 してスタッフ と共に常に前 進できるよう にしていま す﹂ ビッグアルファ(千葉県白井市 /年 商13億5000万円) の大 森 一 世 社 長は、 大 手 証 券 会 社 勤 務 時 代にその後FC加盟するこ ととなるブックオフコーポレーシ ョンと出会った。当時 新株の引 き受けを担当する部 署にいた大 森氏は、まだ売上が数億円程度 だったブックオフの 事 業モデル を知り、 「この商売は伸びる」と 確信した。 「これまで古本屋は目利き10年 といわれる経 験、知 識がないと できな い 業 種 でした。 しかし、 ブックオフはアルバイトでも本の 査 定ができる。本という普 遍的 な商 材ながら仕組みは全く新し 事例1 旅行代理店で学んだ広告手法で 元に出店予定地の通行量を調 べ︑﹁これなら充分採算が合う﹂ と 決 め た の だ︒ そ の 後 の 出 店 も こ の デ ー タ を 下 に 進 め た︒ ド ト ー ル 以 外 のF C 店 と し て はフジオフードシステムの﹁ま ら か ラ サ 脱 ! も 舗 店 0 3 で 年 5 所 勘 の 男 た し 長 成 に 店 盟 加 有力 レオ・バルゴ 高松健社長 26 Business Chance 2008. 6 Business Chance 2008. 6 27 事例2 ﹁そ の オ ー ナ ー の 店 が と に か く 繁 盛 し た の で す︒ そ の 後 も 数 店 のF C 立 ち 上 げ を 経 験 し ま し た が︑ 成 功 す る オ ー ナ ー を見て社員として嬉しく思っ た 反 面︑ 自 分 で も や っ て み た いと思うようになりました﹂ その旨を稲場社長に率直に 話 し た と こ ろ︑ あ る 条 件 を 出 された︒ ﹁ど ん な に 努 力 す る と 言 っ て も︑ 資 金 が な け れ ば ダ メ だ︒ 本気でやりたいならこれから 二 〜 三 年 は 無 休・ 無 給 で 働 く くらいでなければいけない﹂ 普通の人間はそれで諦めるは ず と︑ 稲 場 社 長 も 考 え た の だ ろ う︒ し か し 丸 山 社 長 は︑ そ の 言 葉 通 り︑ 朝 か ら 晩 ま で わ き目もふらず必死に働いたと いう︒ ﹁も し︑ 給 料 を も ら っ て い て も使う時間も遣い道も無かっ た で す ね︒ そ れ だ け 一 心 不 乱 に や り ま し た︒ 今 か ら 同 じ こ とをやれと言われても出来な 丸道 お好み焼き店﹁道とん堀﹂を 二一店展開するメガFCに成長 FC 本部で立ち上げ期の社 員 と し て 活 躍 後︑ 自 ら 加 盟 店 となり独立を果たしたのが丸 道 ︵東 京 都 新 宿 区︶ の 丸 山 忠 社 長 だ︒ お 好 み 焼 き チ ェ ー ン の ﹁道 と ん 堀﹂ を 二 一 店 運 営 す る ほ か︑ F C で 居 酒 屋 二 店︑ リ ラ ク ゼ ー シ ョ ン サ ロ ン 二 店 を 展 開 し て い る︒ ﹁二三歳で独立する時に考 え て い た の は︑﹃ ベ ン ツ の S L ︑ ロ レ ッ ク ス が 欲 し い﹄ の 一 点︒ 結 果︑ 二 五 歳 で そ れ ら を 手 に 入 れ ま し た﹂ 一 七 歳 で︑ 立 ち 上 げ 期 だ っ た 道 と ん 堀 に 入 社︒ 同 氏 に と って稲場裕幸社長は地元の先 輩 に 当 た る︒ 一 八 歳 で 店 長 を 経 験︒ 二 〇 歳 の 時 にF C 一 号 店 の 立 ち 上 げ に 携 わ っ た︒ 焼肉店勤務時代に知ったラーメン FC 今や八店経営し年商六億円 パートナー 一 言 も 言 い ま せ ん で し た が︑ 最初から三年で一〇店舗出店 しようと自己資金九〇〇万 円︑ 県 の 制 度 融 資 一 〇 〇 〇 万 円 で 独 立 し ま し た﹂ 月五〇〇万円の売上を達成 したら二号店を出そうと開店 前 は 考 え て い た が︑ 蓋 を 開 け てみれば初月から八〇〇万円 を 売 上 げ た︒ 前 職 時 代︑ 焼 肉 の二号店がうまくいかなかっ た最大の理由は離れた場所に 出 店 し︑ な か な か 目 が 届 か な い こ と に あ っ た︒ そ の た め︑ なるべく近場での出店地を見 つ け る た め︑ ス ニ ー カ ー を 買 い 〝履 き 潰 す〟 ほ ど 歩 き 回 っ て 探 し た と い う︒ 近くに同じ店を 開けば客を奪い合 う結果になってし まうのではないか と も 考 え ら れ る︒ ﹁実 際︑ 売 上 は 月 一〇〇万円程度下 が り ま す︒ し か し︑ 無 茶 苦 茶 に 忙 しい店があること の方がオペレーシ ョンを考えると問 題 に な る︒ ど の 店 も同じぐらいの安 定した売上である ほ う が︑ ス タ ッ フ い と 思 い ま す ︵笑︶﹂ こ の 努 力 が 認 め ら れ︑ 二 三 歳で独立を果たしたのであっ た︒ 会 社 側 に 給 与 を 全 て ス ト ッ ク し て あ り︑ そ の 資 金 六 〇 〇万 円 と 母 か ら の 借 り 入 れ 一 二 〇 〇 万 円︑ 稲 場 社 長 か ら 一〇〇〇万円を借り入れて元 手 と し︑ F C 加 盟 し た︒ 九 六 年 に︑ チ ェ ー ン 一 四 号 店 と な る 国 立 店 を オ ー プ ン︒ 二 五 坪 で売り上げ予測は月商二二 〇 万 円 だ っ た が︑ 蓋 を 開 け れ ば平均四五〇万円を記録し た︒ 店 長 経 験 も あ る た め︑ 直 営 店 同 様 の ス タ ッ フ 教 育・ 現 場管理が行き届いた結果でも あ る︒ ﹁勢 い に 乗 っ て︑ 三 店 ま で 拡 大 し︑ 天 狗 に な っ て し ま い ま し た︒ 三 人 の 店 長 を 使 っ て︑ 自分は週休四日で給与は手取 り 三 〇 〇 万 円︒ 二 年 間︑ 無 休 で仕事してきた反動かもしれ ま せ ん が︑ 遊 び ま く っ て し ま い ま し た﹂ そのツケはすぐに払わされ る こ と に な っ た︒ 各 店 の 売 り 上 げ が 下 が り 始 め︑ さ ら に は 店 長 が 不 満 を 募 ら せ て︑ 三 人 中二人が同時期に辞めること に な っ た の だ︒ 久 し ぶ り に 現 数が足りないなどの 問 題 が 起 こ ら な い︒ 焼肉店の頃は常に商 品開発と社員教育に 頭を悩ませてきまし た︒ 自 社 で や る と い かに高くつくかわか っているのでわずか 3% のロイヤリティ ーで本部がやってく れることをありがた く 思 い ま す︒ 加 盟 す る当初から自分の目 の届くのは一〇店 舗︒ そ れ 以 上 は 無 理 だと考えていまし た﹂ 同社からはこれま で店長から三人の独 立 者 が 生 ま れ︑ 同 様 に風風ラーメンを展 開するなどしている︒ 場 に 目 を 凝 ら す と︑ 行 き 届 か な い 点 も 多 く 見 受 け ら れ た︒ ﹁これではいけないと初心 に 立 ち 返 り︑ 現 場 に 出 て 陣 頭 指揮を執るようになりまし た︒ 何 と か 売 り 上 げ を 回 復 さ せ る の が 大 変 で し た﹂ そ の 後︑ 本 部 のF C 開 発 の 仕 事 も 手 伝 っ た︒ そ こ で 道 と ジー・ウィズ 堀田 芳和社長 ん堀は大和ハウス工業と業務 提 携 し︑ 地 主 に 物 件 を 建 て さ せて借り上げる仕組みを整え た︒ 丸 山 社 長 は︑ そ の 新 方 式 を真っ先に実践して成果を挙 げ て い っ た の で あ る︒ 今 年 は 更 に︑ 三 光 マ ー ケ テ ィ ン グ フ ーズにも加盟して出店をする 予 定 だ︒ 28 Business Chance 2008. 6 Business Chance 2008. 6 29 の原という場所です。私は土 地勘も無か ったですが、なかなか物件が見つからなか ったこともあって、すぐに決めました。現 在126名の生徒がいますが、開 校半 年後 に、住宅開発に伴って大型商業施設が相 次いで出来ました。 これで更に人口が増 えたようです。結果、生徒 数の増 加にも つながったと思います。元々、物件が希少 なエリアで競合校が少ないのもプラスでし た」 2年後には千葉県柏市に二校目を開校。 こちらは競合ひしめくエリアで奮闘してお り50名の生徒を持っている。同氏は現在 も、次の候補地探しに余念が無い。 拓人が運営する学習塾「スクールIE」に 加盟して現在2教室のオーナーとして活躍 しているのがジーウィズ(千葉県いすみ市) の堀田芳和社長だ。高校で英語教師だっ た同氏は、50歳を迎えて一念発起。自ら のキャリアの 延 長 線 上に塾 事 業を捉え、 FC加盟を決断した。 「組織に長くいると先が見えてくるもので す。でも人生は一度きり。そう思えば、思 うほど、独立を考えるようになりました」 自己資金でスタート。加盟費用からラン ニングコストまで約1300万円を用意した。 教室の場所は本部が見つけてくれたという。 「急速に宅地開発が進んでいた、印西牧 丸道 丸山 忠社長 パートナー 鈴木敏平社長 私立高校の英語教師が 塾オーナーに転身 分を評 価し、 そう でなくてもまじめ で出勤時間をきち アライヴマネージメント んと守り、 急な出 田中裕之社長 勤 依 頼に応じてく れる人はその 部分 を評 価すようにした。また、スタッフ間 のコミュニケーションを活発化させるた めに勤 務中に私 語を取り締まることを せずに自由に話させるようにした。スタ ッフ重 視の 体 制は規 律が 守れなくなる のではないかと思ってしまうが、 「そんな ことはない」と田中社長は言う。 「バイトの子たちもバカではないですか ら店が好きになれば一 生 懸 命 働いてく れます。おかげで学 校卒 業などの止む を得ない理由以外で辞めていく子はほ とんどいませんよ」 人材 採 用コストが上がる中、 田中氏 の取り組みは奏功している。 叱っていました。自分の分身を作ろうと していたのですね。なかなかスタッフも 定着しませんでした」 ある時、田中 社長は自分がサラリー マン時 代に上司に怒 鳴られモチベーシ ョンを落としていたことを思い出した。 能 動 的に働けない職 場ではスタッフの 持っている資 質も発 揮できないと気付 いたのだ。 「自分が 顧 客の立場に立ってみると一 字一句接客用語を間違わず言われるよ りもちょっと拙くても愛嬌がある接客を されたほうがまたその店に行ってみたい と思います。その愛嬌は上から厳しく言 っても出せるものではない。 職 場 の雰 囲気作りが大事だと感じたのです」 そこから田中社長はスタッフを厳しく 叱ることをやめた。楽しく働ける職場作 りを心がけたのだ。例えばスタッフの評 価に関しても接 客が 得意な人はその部 「らあめん花月」を4店舗 展開してい るアライヴマネージメント(東京都東村 山市)の田中裕之社長は、サラリーマ ン時代の経験が独立後も生きたという。 「印刷 会 社に勤めていましたが、 同期 の人数と管 理職のポストを比べ出世で きる限界を感じました。ならば早めに自 分で食べていく道を築こうと独立を意識 したのです」 いくつかのFC本部を当たっていくうち に現在加盟している「らあめん花月」を 展開するグロービートジャパンと出会っ た。既存店のデータをすべて開示する透 明 性の高さと担当者の人柄に惚れ、加 盟を決 意。01年に1号 店を出 店。02年 には法人組織をつくり経営者となった。 「気合は入っていたのですが、それが空 回りしていたかもしれません。目が行き 届かなかったり、気の利かないスタッフ がいるとバックヤードに呼びつけ厳しく 事例1 事例2 三〇分以内の移動圏に八店 舗 を 集 中 出 店︒ 事 務 員 ゼ ロ 人 で年商六億円を売り上げるの が ﹁風 風 ラ ー メ ン﹂ に 加 盟 す る パ ー ト ナ ー︵ 埼 玉 県 朝 霞 市︶ の 鈴 木 敏 平 社 長 だ︒ 自 ら 日 時 決 算 シ ス テ ム を 開 発︒ 携 帯電話に配信されるデータを 見 な が ら︑ 店 舗 を 自 ら 回 る︒ 事務所は店舗のバックヤー ド︑ 一 室 の み︒ 効 率 的 な 運 営 で 出 店 数 を 伸 ば し て い る︒ ﹁風風ラーメン﹂に加盟し た の は 一 九 九 九 年︒ そ れ ま で 兄の経営する焼肉店に勤務し て い た︒ ﹁焼肉の二号店を出したが う ま く い か ず︑ 赤 字 で 悩 ん で い る と き に﹃ 風 風 ラ ー メ ン ﹄ を展開するリズム食品の岡 本 堅吾オーナーと勉強会で 知 合 い ま し た︒〝 店 を つ く り 地 域 ・ 従 業 員 を 明 る く す る︒ 一〇〇〇店出店し日本を明る く す る〟 と 言 っ て い た︒ す ご い発想だなと興味を持ちまし た︒ 加 盟 す る 際 も 儲 か る と は 人材 管理 会社員時代の体験活かし 厳しく怒鳴らず職場の雰囲気作りを優先 人生転換の決断! FCで起業果たした男たち 5年で30店舗も!脱サラから有力加盟店に成長した男の勘所 ノウハウ知れば本部は無用か?脱退するオーナーの本音 て い っ た と い う 感 じ で す﹂ ノウハウが蓄積してなかっ た と い え ど も 堀 場 社 長 はF C 本部の存在が経営に役立って い る と い う︒ ﹁ベンチャーリンクでは月 に 一 回 加 盟 店 が 参 加 す るB M 会 議 を 開 い て い ま す︒ こ の 会 議で全国の加盟店のアイデア や成功事例が聞けるだけでも 本部の価値があると思ってい ま す﹂ 本 部 はF C チ ェ ー ン の メ リ 脱FC派vs 加盟継続派 FC加盟の賞味期限は何年? マ ネ ジ メ ン ト で 落 と せ る がF C だとそれ以外の部分のコス ト 削 減 が 困 難 だ っ た の で す﹂ 赤字垂れ流しに堪えきれず 水 口 社 長 は 違 約 金 を 払 い︑ 加 盟を解いて自社ブランド店に 切 り 替 え た︒ そ こ か ら 水 口 社 長は固定費を最低限に抑えら れ る 業 態 を 研 究︒ 初 期 投 資 を 一年で回収できるモデルを作 っ た︒ 一 方︑ 水 口 社 長 の 下 で 修 行 を し て 独 立 し︑ 自 社 ブ ラ ン ド 店を展開していた円座フーズ サ ー ビ ス ︵横 浜 市 西 区︶ の 堀 場 博 史 社 長 は︑ 新 規 事 業 展 開 の 際 に F C 加 盟 し た︒ 現 在︑ ベンチャーリンクが展開する 学 習 塾 ﹁I T T O 個 別 指 導 学 院 +7 つ の 習 慣J ﹂ を 二 店 舗 展 開 し て い る︒ ﹁加盟当時はまだベンチャ ーリンクがこのブランドを神 奈 川 県 で 展 開 し た ば か り︒ 立 ち上げのノウハウはまだ蓄積 さ れ て お ら ず︑ 一 緒 に 構 築 し F C 加 盟 で 事 業 を 興 し︑ 成 長 し た 後 に 脱 F C を 図 る 加 盟 店 は 多 い︒ F Cシ ス テ ム は 開 業 時 に の み 必 要 な も の な の か ︒ そ の 利 用 価 値 に つ い て 脱 F C派 ︑ 加 盟 継 続 派 双 方 の 立 場 か ら 意 見 を 聞 い た ︒ ﹁ノウハウを学んでしまえ ばF C は 利 益 を 圧 迫 す る 存 在 に な っ て し ま う の で す﹂ FC 加盟で独立を果たし現 在は独自ブランドの居酒屋を 一〇店舗展開している外食文 化 研 究 所︵ 横 浜 市 神 奈 川 区 ︶ の 水 口 憲 治 社 長 は︑ 脱F C を 図 っ た 経 営 者 だ︒ 脱 サ ラ 開 業 時はダイキチシステムの展開 す る や き と り 店 ﹁大 吉﹂ に 加 盟 し 独 立︒ 繁 盛 店 を 作 り 上 げ︑﹁ 自 社 ブ ラ ン ド で や り た い﹂ と い う 思 い の 元 そ の 繁 盛 店 を 本 部 に 譲 り︑ 新 た に 出 店 を 行 っ た︒ ﹁外食経験未経験でしたか ら ﹃大 吉﹄ で 勉 強 さ せ て い た だいたことはとても役に立ち ま し た︒ 運 営 に お い て も 本 部 はいい意味で放任主義だった ので自由にやらせていただき ま し た︒ し か し︑ 二 度 目 の 加 盟はそういう訳にはいきませ ん で し た﹂ 自社ブランド店を数店立ち 上 げ た 後︑ 店 舗 展 開 を 加 速 し よ う と 再 びF C に 加 盟︒ フ ジ オ フ ー ド シ ス テ ム の ﹁居 酒 屋 か あ さ ん﹂ に 加 盟 し︑ 赤 坂 に 店 舗 を 出 し た︒ こ の 店 舗 が赤字店となってしまっ た︒ ﹁本部頼りにしていた のも悪かったのだと思い ま す が︑ ど う や っ て も モ デルケースの原価率を切 ることができませんでし た︒ 都 心 の 店 舗 だ っ た の で 賃 料 は 高 く︑ 土 日 の 集 客 は 弱 か っ た︒ 人 件 費 は かされてし ま う の だ︒ ビジネス モデルや立 ち上げ時の ノウハウ提 供だけでは なく継続し たサポート 体制がある かどうかが 重要なよう だ︒ っ た の で す︒ 身 内 の レ シ ピ を 基 に︑ 実 際 に カ レ ー 店 を 始 め ま し た﹂ 本部としての活動をスタート し た 同 氏 だ が︑ F C で は な く︑ 開業支援という形を取っていく と い う︒ 座談会で集めた加盟店の多く は 皆︑ 自 分 た ち が い ず れ は 本 部 を や り た い と 語 っ て い た︒ そ の 理 由 は﹁ 加 盟 店 と し て 味 わ っ た 不 満 を 解 消 し た 新 し い 形 のF C 展開をしたい﹂という思いと﹁リ スクがなく儲かる本部をやりた い﹂ と い う 欲 が 入 り 混 じ っ て い るようにも見えた︒ いずれにせよ本部は加盟店に 課している費用の対価を払えて い る の か︑ 加 盟 店 は 対 価 を 得 て いるかどうかを常に問い続けな がら経営を行っていく必要性が あ り そ う だ︒ ットを最大限に生かす情報の 共 有︑ コ ン サ ル テ ィ ン グ 機 能 を 果 た さ な け れ ば な ら な い︒ 店舗の売上が下がれば改善策 を 提 案 し︑ 新 規 オ ー プ ン を 検 討していれば二店舗目立ち上 げの注意点を指南すべきであ る︒ そ の 責 務 を 果 た し た 上 で 成功するかしないかは加盟店 の 自 助 努 力 に よ る も の だ︒ 継 続した経営の指南ができない ようでは運営のノウハウを身 につけた加盟店から愛想を着 ﹁FC 加盟で得た経験を生か し︑ 今 後 は 供 給 す る 側 と し て︑ 進めていきたいと考えていま す﹂ 会 社 の 一 事 業 と し て︑F C に 加盟する経営者が集まった座談 会 で︑ ラ ー メ ン 店F C に 加 盟 す る あ る 運 営 者 は こ う 語 っ た︒ こ の 加 盟 者 は︑ 二 店 舗 目 の 更 新 を せ ず に︑ 独 自 業 態 を 始 め た 経 験 を 持 つ︒ 什 器 設 備 を そ の ま ま 利 用 し︑ 契 約 更 新 時 に 発 生 す る費用︵約一〇〇万円︶を用いて︑ 店 舗 改 装 を 行 っ た の だ︒ 契 約 更 新 を 契 機 に︑ 加 盟 店 か ら 脱 却 を 図 っ た 同 氏 は︑ 長 年 F C 加 盟 側 にいるなかで次第に疑問を持つ ようになっていったようだ︒ ﹁本部へ対価を払い続ける意味 に つ い て︑ 考 え 始 め て い ま し た︒ 私 に も で き る の で は な い か という気持ちも大きくなってい 外食文化研究所 水口憲治社長 外食文化研究所が運営する﹁うる虎﹂ 30 Business Chance 2008. 6 Business Chance 2008. 6 31 ●加盟金など開業費用が余分にかかる ●仕入れが制限され原価率を抑えるのが難しい ●ロイヤリティが発生し利益を圧迫する ●他の加盟店とのバッティングなど出店に制限がある ●業態転換などの際に制限が設けられる ●本部が不祥事を起こすとその影響を受ける など デメリット ●経験がなくてもノウハウもらって運営可能 ●他の加盟店の成功、失敗事例が学べる ●本部の仕入れルートを活用できる ●SVが経営の支援をしてくれる ●全国ブランドの看板で営業できる ●集客を支援してくれる など メリット 異論 反論 ? か 用 無 は 部 本 ば れ 知 ウ ノウハ 音 本 の ー ナ ー オ る す 退 脱 継続して支払う費用の対価を 疑問視して脱加盟図る メモ帳 記者の 話 こぼれ ポイントツーグループマネジメント ﹁成長の可能性が高い加盟 先 が 今 は 見 当 た ら な い︑ そ れ ゆえ自社ブランド店中心に展 開 し て い く﹂ こう語るのがポイントツー グ ル ー プ マ ネ ジ メ ン ト ︵東 京 都︶ の 松 本 勝 社 長 だ︒ 同 社 は︑ 本 業 の 広 告 代 理 事 業 と 共 に︑﹁ ピ ザ ー ラ ﹂︑﹁ 牛 角﹂ な ど 一 五 店 あ ま り を 出 店︒ 平 行 し て 自 社 ブランド店を〇一年よ 本部の経営幹部が変わり 現場のシステムも激変 目が肥えてきたFC加盟店主たちにとって︑FC本部は﹁成功へ のプロセスを享受してくれる会社﹂から﹁事業パートナー﹂に変 わりつつある︒本部担当者たちの﹃セールストーク﹄からは決し て分かりえない︑既存の加盟店主たちの本音を取材した︒ り九ブラン ド︑ 二 〇 店 を展開して き た︒ ﹁ピザー ラから飲食 事業をスタ ートしまし た︒ 同 業 店 が増え出店 エリアが限 られてきた ことから ﹁牛角﹂の 展開を始め ま し た が︑ 同 じ よ う に 同 ブ ラ ン ド 店 が 増 え︑ 出 店 地 が な く な る な ど︑ 成 長 性 に は 限 界 が あ り ま し た﹂ そ の た め︑F C に よ る ノ ウ ハ ウ の 蓄 積 と 共 に︑ 出 店 エ リ アに限界が少ない自社ブラン ド 店 中 心 の 出 店 に 切 り 替 え︑ 店 舗 数 を 拡 大 し て き た︒ ﹁急拡大が見込めるFC本 部があれば加盟することもあ り え る︒ し か し︑ 今 の 段 階 で は 見 当 た ら な い︒ か つ て は 出 ﹁ロイヤリティーを払うに値しない﹂ とFC本部を斬り捨て 自 社 独 自 業 態 へ 傾 注 す る オ ー ナ ー た ち が い る︒ 元 々 は 加 盟 店 と し て 成 功 し て き た 彼 ら は︑ 何 故 F C か ら 離 れ て い く の か︒ !! るかと言うほどシステムが激 変 し︑ 原 材 料 費 の 高 騰 も あ っ て売上は一時の六割位になっ て し ま い ま し た ﹂︵ 小 松 原 一 雄 社 長︶ 某百貨店ビルにて大手ファ ーストフード店を出店するタ ー ン レ イ フ ー ズ ︵東 京 都 渋 谷 区 / 年 商 五 〇 〇 〇 万 円︶ 小 松 原 一 雄 社 長 は︑ 同 ビ ル の 共 同 経 営 者 の 一 人︒ ビ ル が 建 つ 前 ターンレイフーズ ﹁ 私 が 加 盟 し て い る F C は︑ 初 期 投 資 は 高 く て も︑ そ の 分 の 見 返 り が あ っ た︒ で も 今 は あ ま り 儲 か り ま せ ん︒ 本 部 の 経営陣が変わるとこうも変わ ターンレイフーズ 小松原一雄社長 ポイントツーグループマネジメント 松本勝社長 ? は と 」 準 基 FC本部選びの「 店地や業態が重要だ と考えていました が︑ 今 は そ れ よ り も 同じ業態の店が横に できても負けないサ ービスが重要と考え て い ま す︒ サ ー ビ ス で勝ることができれ ばF C ︑ 自 社 ブ ラ ン ド店に関係なくその 店を成功させること ができるのではない で し ょ う か﹂ 同地で焼き鳥店を営んでいた が︑ 地 権 者 と し て 出 資 し オ ー ナ ー と な っ た︒ ワ ン フ ロ ア を 利用し喫茶店でもしようと考 え て い た と こ ろ︑ 焼 き 鳥 店 の 顧客の伝で本部の店舗開発の 人 を 紹 介 さ れ た︒ ﹁当 時 の 時 間 に よ っ て 作 る 量 を 予 測 し︑ 新 鮮 な も の の み を 出すというシステムには感動 し ま し た︒ ま た 加 盟 店 に 本 部 のすべてのデータを見せてく れ る な ど︑ ガ ラ ス 張 り 経 営 で あ る 点︑ 徹 底 し た 研 修 な ど が 気に入り会社を立ち上げ加盟 す る こ と に し た の で す﹂ 一九八五年店舗をオープン︒ 当時同チェーンは全国にも 五 〇 〇 店 程 し か な く︑ 初 月 か ら 店 は 大 盛 況︒ 順 調 に 売 上 を 伸 ば し た︒ し か し︑ 最 近 で は 業績が伸び悩んでいると言う︒ ﹁二〇〇二年に創業者が退任さ れ て か ら は︑ 随 分 様 子 が 変 わ り ま し た︒ 価 格 を 大 幅 に 下 げ たり︑二四時間営業にしたり︒ ロ イ ヤ リ テ ィ も 一% 上 が っ た 上︑ P O S や ら 機 械 や ら も 頻 繁 に 新 し く な り︑ 売 上 は 落 ち る の に コ ス ト が か か り ま す︒ またこれまで一〇年の契約が 切れたら最初に営業権として 支払った金額が戻ってくる仕 組 み で し た︒ オ ー ナ は そ れ を 退職金代わりにしていたので す が︑ 契 約 が 変 わ り 今 後 は 戻 ら な い こ と に な り ま し た︒ 青 山でもう一店出店していたの ですが︑もう辞めました﹂ 地 方 で 家 賃 が 安 く︑ 広 い 店 舗であればディスカウント効 果なども効いてくるだろう︒し か し︑ 家 賃 の 高 い 都 心 の 店 舗 に と っ て は 苦 し い だ け だ︒ 同 チ ェ ー ン を 辞 め て︑ コ ン ビ ニ を始めた仲間もいると言う︒ 32 Business Chance 2008. 6 Business Chance 2008. 6 33 もう本部には頼りません 独自店舗を模索する加盟者たち 語る! が ー ナ ー オ 成功 成長性高いFC本部不在のなか 出店エリアの限界ない独自ブランド展開 第五章 第五章 成功加盟店が語る!事業パートナーとして選ばれるFC本部の条件 アイハンズ そ こ か ら 人 件 費︑ 賃 料 を 除 い た六〇万円前後の利益を上げ て い る︒ 倉 庫 を 借 り た 後 は︑ 近隣の企業などを回りビラを 配 り︑ シ ー ル 貼 り な ど の 手 間 仕 事 を 集 め た︒ ﹁ 仕 事 は 少 な い こ と よ り も︑ ロットが多く受けられないこ と の 方 が 多 い︒ 内 職 市 場 で あ れ ば︑ 通 常 の F C と 反 対 に︑ 店舗が増えるごとに請け負え る 仕 事 も 多 く な り ま す︒ 飲 食 店は開店時には良くても徐々 に 客 足 が 遠 の く も の で す が︑ 内職市場の場合はこの点も逆 で︑ 最 初 は 営 業 し て 客 を 増 や さ な け れ ば な り ま せ ん が︑ 時 間 と と も に 固 定 客 が つ き︑ 売 上 が 伸 び て い く の で す﹂ 本 部 の 社 長 と 話 し て い て︑ こ の 人 と組んだら駄目だと直感的に思っ た こ と が あ る︒ 直 接 ア ド バ イ ス を 求めても適当に社員に対応を投げ る こ と が し ば し ば︒ 業 績 は 良 か っ た が 売 却 し た︒ す る と 数 年 後 や は り 落 ち 目 に︒ ︵飲 食 店 加 盟 店 オ ー ナ ー︶ 盟 金 が 安 く な る ﹂ な ど︑ ロ ク な シ ﹁ 期 間 中︑ も う 一 店 出 店 す れ ば 加 ステムもないくせに営業力だけあ ニューにある大手の FCに加盟す 三〇〇万円と破格値の居酒屋FC 本 部 は︑ F C と は 名 ば か り の ラ イ セ ン ス 販 売 企 業︒ 開 業 前 の ト レ ー ニングはあるが開店後は一切SV が 訪 れ る こ と は な い︒ 食 材 の 仕 入 れは自分で行うという自由主義だ が な ぜ か 酒 の 仕 入 れ は 本 部 経 由︒ そ の 卸 値 が な ん と 定 価︒ そ れ で は 稼げないと本部に隠して格安酒販 店で購入したお酒を出していまし た︒︵元 居 酒 屋 F Cオ ー ナ ー︶ 今では買収されてしまった焼肉店 の F C は︑ 原 価 設 定 が い い 加 減 だ は ボ リ ュ ー ム が 売 り︒ し か も と て な っ て い た︒ そ こ は 地 方 銀 行 の子会社が運営するミニスー パーがもともと店を構えてお り︑ 立 地 も 良 く か な り の 繁 盛 店 だ っ た︒ 冨 永 社 長 は そ の 地 方銀行に勤めていた知人から そ の 情 報 を 仕 入 れ て お り︑﹁あ の 場 所 な ら 成 功 す る﹂ と 加 盟 を 決 意︒ 九 五 年 に 一 店 舗 目 を 出 店︒ 案 の 定 そ の 店 舗 は す ぐ に 軌 道 に 乗 っ た と い う︒ そ こ から二年に一店舗ほどのペー ス で 出 店 を 続 け︑ 現 在 ポ プ ラ は 七 店 舗 運 営 し て い る︒ ﹁ポプラは大手コンビニチ ェーンに比べロイヤリティー が 三% と 低 い︒ 利 益 率 が 低 い とオーナーも店舗に出ないと い け な く な り︑ 多 店 舗 化 は 難 し い︒ 利 益 が 確 保 で き た こ と で新規事業へもシフトできた の で す﹂︵冨 永 社 長︶ 事業家としての火がついた 冨永社長は学習塾のエリアフ ラ ン チ ャ イ ザ ー な ど も 行 い︑ すぐに二〇店舗の加盟を獲得 し た こ と も あ る︒ 本 部 の 進 出 であえなく加盟店は渡した が︑ 自 分 で も 独 自 ブ ラ ン ド の 学 習 塾 を 二 校 経 営︒ 飲 食 店 や 電気工事事業などに多角化も 行い精力的に事業展開を行っ て い る︒ オフィス A 利益率が高かったからこそ 可能になった新規事業展開 コンビニエンスチェーン﹁ポ プラ﹂へのFC加盟 か ら 事 業 を 始 め︑ 今 で は 学 習 塾︑ 飲 食 店︑ 電 気 工 事 事 業 な ど 多 業 種 展開を行い年商二〇億円稼ぎ 出す企業を作り上げたのがオ フィスA︵福 岡 県 福 岡 市 ︶ の 冨 永 英 秋 社 長 だ︒ ﹁実家が土地をいくつか持 っていましたから家主業でも し よ う か と 考 え て ま し た︒ 丁 度一〇〇所帯位のマンション を 建 設 す る こ と も あ り︑ そ の 一 階 に 入 れ る テナントを探し ていたのです︒そ こ で い く つ かのチェーン本部に当たって いる中にポプラがあったので す﹂ テナント出店を持ちかけに 行 っ た は ず が︑本 部 か ら は﹁自 分でやってみる気はないです か﹂ と 逆 に 提 案 さ れ た の だ と い う︒ マ ン シ ョ ン の 一 階 は 結 局 駐 車 場 と し た が︑ 冨 永 社 長 は本部から提案されていた居 抜きで出店予定の店舗が気に オフィスA 冨永英秋社長 ﹁内職﹂ビジネス独特の 事業継続性・発展性が決め手 ﹁昔 か ら あ る 内 職 を フ ラ ン チ ャイズビジネスとして展開す る︑ 一 〇 〇 〇 万 円 の 資 金 で や る に は お も し ろ い な﹂ ア イ ハ ン ズ ︵愛 知 県 春 日 井 市︶ の 中 北 雄 三 社 長 は 内 職 市 場 ︵愛 知 県 名 古 屋 市︶ が 〇 五 年 にF C 展 開 を 始 め る と 同 時 に︑ 一 号 店 と し て 加 盟 し た︒ 現 在 は︑ 三 店 舗 を 運 営 し て い る︒ 加 盟 以 前 は 通 信 機 器 の 営 業 会 社 を 運 営︒ 以 前 か ら 内 職 市場には取引業者として出入 り し て い た︒ ﹁F C 展 開 を 開 始 す る 話 を 聞 い て︑ そ れ ま で 事 業 が 伸 び て いるのを間近で見ていたので ぜひやってみたいと思いまし た﹂ 社長の職を辞して新たに会 社 を 設 立︒ 開 業 費 は 倉 庫 の 契 約 費 や︑ 加 盟 金︑ 運 転 資 金 な どを合わせて八〇〇万円程度 を 必 要 と し た︒ 現 在︑ 三 店 舗 合 わ せ て 月 商 一 〇 〇 〇 万 円︑ わ る︒ 元 々 加 盟 し た 会 社 が 買 収 さ れ︑ 海 外 企 業 が オ ー ナ ー に な 歳︶ っ た︒ そ の 後︑ 日 本 企 業 に 売 却 し た︒︵飲 食 店 経 営 社 歳︶ る 本 部 は︑ い っ た ん 加 盟 し た ら す フ ラ ン チ ャ イ ズ 加 盟 店 オ ー ナ ー︶ べ て こ ち ら 任 せ で 嫌 に な る︒︵ 某 健康ブームに乗れるかと加盟金の 安い簡易フィットネス FCに加盟 す る も 顧 客 が 定 着 し な い︒ 設 備 を 置くだけの施設ではお客さんは 黙 々 と 運 動 す る だ け で︑ 居 心 地 が 悪 い よ う だ︒ 結 局 常 に 閑 古 鳥 が 鳴 く 状 態︒ 本 部 も 設 備 の 入 れ 替 え を 進 め る だ け で 解 決 策 は な い︒ 設 備 れ ば よ か っ た︒︵ 某 簡 易 フ ィ ッ ト だけでなくエクササイズなどもメ 同じチェーンなのに店ごとにバ が高すぎて自分たちで隠れて仕 社員が社長の悪口を言うような 本部に入社するという感覚に近 い︒ 社 長 と 社 員 の 関 係 が つ い 気 に な る︒︵ リ サ イ ク ル シ ョ ッ プ も安く出れば出るほど赤字になる 加 盟 店 オ ー ナ ー︶ 以前加盟していた初期費用 ネ ス ク ラ ブ オ ー ナ ー︶ 加 盟 店 の 顔 を 知 ら な い︒ 某 軽 印 入 れ て い る 証 拠︒︵ コ ン ビ ニ オ ラバラの商品を取り揃えている 刷 F C 本 部 は︑ 加 盟 店 主 の 名 前 歳︶ ー ナ ー︶ 発事業会社勤務 と︑﹁ そ れ な ら 退 会 し ま す か ? 本部は大体うまくいっていな ロイヤリティが高い︒︵アイスク 問題が発生すると居留守を使っ という恐ろしい看板メニューだっ っ た︒ 一 番 人 気 の 若 者 向 け カ ル ビ た り︑ 発 言 内 容 が コ ロ コ ロ 変 わ 歳︶ 本部だからこそ商材の供給ルー し た︒︵今 も 焼 肉 店 オ ー ナ ー︶ た︒ そ り ゃ︑ 破 綻 す る わ と 思 い ま 盟 店 ・ 現 本 部 社 長︶ っ た り︒ 真 摯 な 対 応 が 出 来 な い ) ト を 持 っ て い る は ず な の に︑ ア し ま い ま す︒ 五( 四 才 社 長 本 部 は 信 用 で き ま せ ん! ︵ 元 加 リーム販売店運営 な る と い う こ と は︑ 自 分 が そ の 返 金 は で き ま せ ん が﹂ と 開 き 直 49 利 益 も 高 く な い の に︑ と に か く ら れ た ︵飲 食 店 経 営 者 い︒ フ ラ ン チ ャ イ ズ の 加 盟 店 に 一 五 店 舗 経 営︶ に こ ら れ て も ・ ・ ・︵ 飲 食 店 を か ら な い 社 会 人 一 年 生 が﹁指 導﹂ S V が 子 供︒ 経 営 の イ ロ ハ も 分 す ら 覚 え て い な い︒︵ 元 加 盟 開 場 合 も 注 意︒ 本 部 か ら の 仕 入 れ す︒︵コ ン ビ ニ オ ー ナ ー︶ 上を捨てに入った末期症状で い る 証 拠︒ 利 益 を 出 す た め に 売 ら︑ 仕 入 れ 費 に チ ャ ー ジ さ れ て 棚がガラガラの加盟店があった 意︒︵飲 食 店 を 三 店 舗 経 営︶ んなり行き過ぎる本部は要注 い︒ 工 事 会 社 と の 交 渉 も な く す だ け ど︑ 内 外 装 費 が 明 ら か に 高 本建設業が本業だから分かるの れ て る︒︵飲 食 店 経 営 局︑ 五 年 経 っ た 今 も 引 き 伸 ば さ ティングしては急用が入り結 に 合 わ せ ろ ﹂ と い っ た が︑ セ ッ 収 支 計 画 と 全 く 違 う の で﹁社 長 36 歳︶ と 待 た さ れ た 挙 句︑ 文 句 を 言 う た が︑﹁ 物 件 が 見 つ か ら な い ﹂ 付金で五〇〇万円払和させられ な か な か 開 店 で き な い 本 部︒ 手 32 レもコレも品切れでは厭きれて 44 !! 店。経営は笠継麗子社長に任せた。 郊 外 のロードサイドへの出 店だっ たが見込み通り、集 客 に 成 功。 順 調なすべり出しを追い風に佐 賀県 近 県で 現 在 七 店 舗 展 開している。 気になる前年比の既存店売上高も 105%と伸ばしているようだ。 「目標は20店舗出店です。今後さ らに店舗を拡大していきたいです」 (笠継社長) 実績を見ていたからこそ創研(佐 賀県鹿島市)は、新規事業として ワイエスフードの展開するラーメン 店「山小屋」のFCに加盟する決断 ができた。初めての出会いは大家 とテナントという関係だった。 同社の岡田会長は運営していた パチンコ店移 転に伴い生まれた遊 休 地 の 活 用 法 に 頭を 悩ませてい た。灯台下暗し。その時頭に浮か んだのがテナントとして貸していた ラーメン店「山小屋」だったのだ。 「客入りもいいようだし、ラーメン は誰でも好きなメニューで幅広い顧 客獲得が望める」と岡田会 長は加 盟を決断。 04年 に 加 盟して一 店 舗 目を 出 本部が次々と買収され名前が変 何よりも直営店の実績を重視 家主の眼で本部を選択 50 アイハンズ 中北雄三社長 ンだ! こんなFC はゴメ 34 Business Chance 2008.6 Business Chance 2008.6 35 オーナーた ちが本音で 語る 第五章 成功加盟店が語る!事業パートナーとして選ばれるFC本部の条件 り︑ そ の 業 務 の 一 端 を 請 け 負 ったりするのが事業の中心 だ︒ そ の 歴 史 を 遡 れ ば︑ イ ト マ ン に た ど り 着 く︒﹁つ ぼ 八﹂ の全国展開を支援した商社で あ る︒ つぼ八は石井誠二氏が北海 道で創業した居酒屋チェー ン︒ 全 国 展 開 を 行 っ た 会 社 は︑ イ ト マ ン と 石 井 氏 の 会 社 と の 合 弁 で 設 立 さ れ た ﹁つ ぼ 八 東 京 本 社﹂ だ っ た︒ 資 本 力 毒か?薬か? 加盟店開発会社のうまい使い方 焼 肉 店 ﹁牛 角﹂ を 広 め た こ とでその名を知られるベンチ ャ ー リ ン ク ︵東 京 都 台 東 区︶︒ 同社に代表される加盟開発会 社 は︑F C 本 部 の 加 盟 店 募 集 業務や本部運営を代行した と全国ネットワークを背景に した営業力で全国にその看板 を 掲 げ る こ と に 成 功︒ 全 国 制 覇の過程で繰り返し行われて き た の が 増 資︒ 大 手 商 社 と 個 人企業とではあまりに開きが 大 き い︒ 最 後 に 石 井 氏 は 退 任 に追い込まれることになって し ま っ た︒ 本 人 は 後 に ﹁経 営 者として自分の懐が甘かっ た﹂ と 反 省 の 弁 を 口 に し た が ﹁全国出店が出来たのは彼ら の 力 が あ っ て こ そ﹂ と そ の 貢 献度の大きさ も自ら認めて い た︒ この一件か らも分かるよ う にF C 本 部 にとっては全 国組織作りの 良きパートナ ーでありなが ら も︑ あ る 一 面では敵対す る可能性も十 分にあるのだ と 言 え る︒ 加盟店にと ってはどうだ ろ う か︒ 今回取材し た多くの加盟 店経営者たち は ﹁セ ー ル ス が 上 手 ﹂﹁ 騙 されて加盟し た﹂ と 批 判 的 な意見が中心 ﹁ベンチャーリンクの説明会に参 めに当時売上を伸ばしていたベン で は う ま く い か な い こ と に な る﹂ 加するまでフランチャイズをやる チャーリンクの説明会を見に行っ 完全に加盟開発会社を頼ってい つ も り は な か っ た﹂ た の がF C 事 業 を 始 め る き っ か け る わ け で は な い︒ こ う 語 る 理 建 工 業 ︵東 京 都 江 東 で す︒ 小 林 忠 嗣 会 長 の 〝人 の 動 か ﹁ノ ウ ハ ウ を 勉 強 す る た め にF C は 優 れ て い る︒ 飲 食 事 業 開 始 当 初 区 ︶ の 水 上 拓 哉 社 長 は 今 やFC加 し 方 で 店 が 変 る〟 と い う 話 に 共 感 から三〇店まで加盟店を増やした 盟 店 三 二 店 舗 を 展 開︒ 会 社 年 商 を 覚 え ま し た﹂ 後 は︑ 独 自 ブ ラ ン ド で 事 業 展 開 し 一 〇 〇 億 円 の う ち︑ F C 事 業 で 〇 三 年︑ ベ ン チ ャ ー リ ン ク が 加 二 〇 億 円 を 売 り 上 げ て い る︒ 盟 開 発 を 行 う ﹁ と り 鉄 ﹂ に 加 盟︒ よ う と 考 え て い ま し た︒ 〇 七 年 よ 本業のビルの防水工事事業では こ れ を 皮 切 り に 同 年 中 に 二 店 舗︑ り 自 社 業 態 の 居 酒 屋 を 一 店 出 店 し て い ま す︒ 来 期 は 二 店 の 出 店 を 計 国 内 ト ッ プ ク ラ ス の 売 上 を 誇 る︒ そ の 後 二 年 間 で ﹁か っ ぽ う ぎ﹂ な 画 し て い ま す﹂ 〇 二 年︑ 創 業 者 の 父 親 の 後 を 引 き ど五店舗のFC飲食店を次々出 継ぎ社長に就任した水上拓哉氏は 店︒ 〇 六 年 に は カ ー ブ ス を 一 一 店 〇 三 年︑ 建 設業界全体への危機感 舗 を 出 店 し た︒ ﹁開店以来赤字が続いていた ﹃と もあり︑F C 事 業 を 開 始 し た ︒ ﹁新規事業として防犯シャッター り あ え ず 吾 平﹄ を ベ ン チ ャ ー リ ン を 開 発 し ま し た︒ メ ー カ ー 側 に な ク 側 のS V が 入 り︑ 収 益 化 す る の るのは初めてで営業方法を学ぶた を ま ざ ま ざ と 目 に し た 時︑ そ の す ご さ を 実 感 し ま し た︒ 彼 ら が 入 っ た後にはアルバイトスタッフまで 店の利益を考えるように変わって い ま し た︒ ベ ン チ ャ ー リ ン ク のF C は 〝人〟 あ り き︒ 同 社 に は 優 秀 な 人 が 多 い か ら う ま く い く が︑ オ ーナーが関与しないような加盟店 コンビニ﹁ロス分チャージ﹂問題 契約書明記でも逃れられない本部の責任 理建工業 水上拓哉社長 中小小売商業振興法で定めている主なFC本部の事前開示項目 本部事業者の財務状況を把握しておくことは 必須。 直近の三事業年度における加盟 者の店舗数の推移 契約解除された店舗数、契約更新されなかっ た店舗数も公開することが定められている。 直近の五事業年度において、フラン チャイズ契約に関する訴訟の件数 本部が加盟側を訴えた件数と、逆に加盟側が 訴えた件数、両方をチェック。 テリトリー権が認められているのかについて。 認められていない場合、近隣の出店計画につい て確認が必要。 本部事業者が加盟者の店舗の周辺の地域 に同一又は類似の店舗を営業又は他人に 営業させる旨の規定の有無及びその内容。 加盟者に対する商品の 販売条件に関する事項 販売を斡旋する商品の種類、有料の講習会開催 の有無、その参加費用などに注意。加盟者に対 する指導方法及びその実施回数も開示項目。 契約の期間並びに契約の更新 及び解除に関する事項 解約違約金として高額な費用を請求されるケ ースもあり、注意が必要。看板の撤去・回収 費用などにも費用請求されることがある。 ロスのリスク を加盟店にの み負わせるこ の仕組みがあ ると考えてい る﹂ 一般人には分かりづらく、 仕掛け が一番され やすい所。細かい部分で本部が有利になっている ことが多く、無理をせず、専門家の力を借りたい。 加盟社から定期的に徴収する 金銭に関する事項 ポイント 本部事業者の直近三事業年度の 貸借対照表及び損益計算書 明 記 す る よ う に な っ た が︑ 仕 組みそのものに問題があると 考 え て い る︒ 本 部 が 確 実 に 収 益 を 上 げ る 一 方 で︑ 初 期 投 資 の借金も返せない加盟店は少 な く な い︒ 問 題 の 根 源 に 商 品 コンビニ・フランチャイズ問 題 弁 護 士 会 会 員 石 井 逸 郎 弁 護 士 ﹁単 に 契 約 書 に 明 記︑ 説 明 す れば本部に責任がないとはい え な い﹂ こ う 話 す の は コ ン ビ ニ・ フ ラ ン チ ャ イ ズ 問 題 弁 護 士会会員の石井逸郎弁護士だ︒ ﹁例 え ば︑ コ ン ビ ニ の ﹃ロ ス 分 チ ャ ー ジ 問 題﹄ が あ る︒ コ ンビニは総利益に応じて負担 金 を 徴 収 す る が︑ 売 れ 残 り 商 品からもチャージを徴収する 計 算 方 法 を 採 っ て い る︒ 店 の 棚に商品が多く並ぶほど売上 が伸びるので本部は仕入れを 促 す︒ 一 方 で︑ 加 盟 店 の 負 担 が 増 加 す る︒ 約 一 〇 年 前 ま で 本部はこの計算方法に十分な 説 明 を し な い ば か り か︑ 契 約 書 に も 明 記 し て い な か っ た﹂ 多 く の 加 盟 店 が ﹁ロ ス 分 チ ャ ー ジ﹂ は ﹁不 当 利 得﹂ に 該 当するとして本部に返還を求 める訴訟を提起するようにな っ た︒ 〇五年二月に東京高裁 は そ の 主 張 を 認 め た も の の︑ 最高裁では認めずに終わった︒ ﹁本 部 側 は 契 約 書 に 計 算 式 を 石井逸郎弁護士 だ︒ 中 で も 加 盟 に 際 し て ﹁着 手金は支払ったのに出店でき ず に い る﹂ と い う 未 出 店 問 題 について言及するオーナーが 多 か っ た︒ 元 加 盟 開 発 会 社 勤 務 で 現 在 は 某F C 本 部 の 幹 部 を 努 め る 人 物 は こ う 語 る︒ ﹁未 出 店 問 題 と い う の は︑F C 本部だけが一方的に悪いと 言 え な い は ず で す︒ 私 の 知 る 限 り︑ 契 約 書 で は 出 店 候 補 地 探しは加盟オーナーと本部の 双方で行うことになっている F C は 多 い の で す︒ お 互 い に 努 力 し て い る こ と が 前 提︒ し か し︑ 本 部 の 非 を ク チ に す る オーナーの大半は物件探しを 本部の仕事だと決め付けてい る 場 合 が 多 い の で す﹂ 同氏はこうしたやり取りが 日 常 茶 飯 事 だ っ た と 語 る︒ 加 盟 店 に と っ て は︑ そ れ で も加盟開発会社と付き合う意 義 は 決 し て 小 さ く な い︒ 高 く 評 価 し て い る の は︑ あ る 準 メ ガF C オ ー ナ ー︒ ﹁FC 選びに失敗したこと が あ り ま す︒ 本 部 の 言 う 事 を 鵜呑みにしてしまったためで す︒ 今 は︑ 加 盟 開 発 会 社 の 担 当 者 に ど のF C が 当 社 に 向 い て い る か︑ 将 来 性 は ど う か︑ など色々相談させてもらって い ま す﹂ その言葉を借りれば加盟開 発 会 社 は﹁ 第 三 者 評 価 機 関 ﹂ で も あ る の だ︒ 加 盟 者 に は 彼 らを上手に活用するだけの知 識 武 装 が 必 要 な の で あ る︒ 36 Business Chance 2008.6 Business Chance 2008.6 37 開店以来の赤字店を見事収益化 実感したベンチャーリンクの〝凄さ〟
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