自転車製造工 H585-04 ど んな職業か 自転車の部品をさまざまな工具や機械を用いて組み立て、それらの部品をフレームに組み付けることで自転車を完成 させる作業を行う。 まず「生地(きじ)工程」では、鉄のパイプを定められた長さに切ったり曲げたりして、フレームの材料を作る。次 の「パイプ接合工程」ではダイカスト鋳造機の「型」にパイプをセットして、溶けたアルミ合金を流し込んで継ぎ手を 一体鋳造し、パイプとパイプを接合してフレームを組み立てる。そして「仕上げ工程」ではフレームをきれいに磨き上 げ、「塗装工程」でフレームを塗装する。 自転車の走行を支える車輪についてはリムと車軸(ハブ)を多数のスポークで連結して組立てる。さらに回転ブレが ないよう入念に調整する。最後の「組立工程」では、車輪、ブレーキ、変速機、チェーン、泥よけ、ライト、かごなど の部品を組み付け、反射板や鍵を取り付ける。 その他、タイヤに空気を注入し、変速機、チェーンなどの駆動部分に注油を行って、実際に自転車を動かせるように 調整を行ったり、ハンドルや車輪の動き、ブレーキの効き具合などを確認し、不具合があれば手直し作業を行う。自転 車をコンパクトに梱包して効率良く運搬するために、70%組み立てた七分組みの状態で出荷する。 就 くには 入職にあたって、特に免許や資格は必要とされない。高校を卒業 してすぐ入職する場合のほか、他の職業から転職したり、自転車の 小売業や競技をしていた人が入職する場合もある。 自転車メーカーに入社後、現場で経験を積んで、技能を習得する 。 フレームを組み立てる「生地工程」「パイプ接合工程」ではプレ ス機械作業主任者やガス溶接技能者の資格、「塗装工程」では有機 溶剤作業主任者、危険物取扱者、乾燥設備作業主任者などの資格が 必要な場合もあり、その場合は、現場で仕事をしながら取得する。 また、自転車メーカーの製造工は「自転車技士」(自転車組立整 備士)の資格を積極的に取得している。 自転車の組立では部品の取扱いに注意深さが求められ、何よりま ず自転車が好きなこと、手先が器用な人が向いている。 労 働条件の特徴 自転車製造工の職場である自転車メーカーの工場は、埼玉、神奈川、大阪、名古屋、滋賀、佐賀など国内各地に点在 している。 勤務時間は朝から夕方までの通常の勤務形態であるが、冬から春にかけての繁忙期は残業や休日出勤もある。就業者 は女性も多い。 最近は中国やベトナム製の廉価な自転車が輸入され国内に流通している中で、国産の自転車は新素材の採用や変速装 置、駆動部分の技術革新を行うなど高付加価値化を行っており、丈夫で安全な自転車を製作する自転車製造工の労働需 要は、引き続き横ばいであると推測される。 参 考情報 関連資格 自転車技士
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