24 Stroke 日本語版 Vol. 6, No. 2 Abstract 大麻の使用,虚血性脳卒中,および多巣性頭蓋内血管収縮 — 48 例の連続する若年患者を対象とした前向き研究 Cannabis Use, Ischemic Stroke, and Multifocal Intracranial Vasoconstriction ― A Prospective Study in 48 Consecutive Young Patients Valérie Wolff, MD1; Valérie Lauer, MD1; Olivier Rouyer, MD, PhD2; François Sellal, MD3; Nicolas Meyer, MD, PhD4; Jean Sébastien Raul, MD, PhD5; Cécile Sabourdy, MD1; Fazel Boujan, MD6; Christine Jahn, MD6; Rémy Beaujeux, MD6; Christian Marescaux, MD1 1 Unité Neuro-Vasculaire, Hôpitaux Universitaires de Strasbourg (HUS), France; HUS, France; 2 EA 3072, Faculté de Médecine de Strasbourg, France, HUS, France; 3 Service de Neurologie, Hôpital de Colmar, Colmar, France; 4 Département de Biostatistique et d’Informatique Médical, HUS, France; 5 Laboratoire de Toxicologie, Institut de Médecine Légale, HUS, France; 6 Service de Radiologie A, HUS, France 背景および目的:本研究の目的は,若年成人集団における大 麻の使用と虚血性脳卒中との関連を評価することであった。 方法:急性虚血性脳卒中のために入院した 48 例の連続す る若年患者が本研究に参加した。血液検査,心血管検査, カンナビノイドの尿検査を含む一次スクリーニングを行っ た。病因が見出されなかった場合は,三次元回転血管造影 と脳脊髄液分析を行った。対照は 3 ~ 6 カ月以内の神経血 管造影によるものとした。 結果:このシリーズでは,21%( 10 例 )に大麻の使用に関 連した多病巣性頭蓋内狭窄が認められた。 結論:大麻の使用に関連した多巣性血管症は若年者におけ る虚血性脳卒中の重要な原因である可能性がある。 Stroke 2011; 42: 1778-1780 A B C D 図 stroke6-2.indb 24 大麻の使用と多巣性頭蓋内動脈狭窄(multifocal intracranial stenosis:MIS )の間の時間的関 連を示す典型例。動脈瘤の家族歴があるため, 患者が 19 歳の時に脳の磁気共鳴血管造影を行 い,結果は正常であった( A )。20 歳の時に, 患者は週 1 回の頻度で大麻吸引を始めた。21 歳の時に,異常な頭痛を伴う左小脳症候群のた め入院した。脳の MRI に左小脳梗塞が認めら れた。脳の磁気共鳴血管造影により,脳底動脈 両側,後大脳動脈および上小脳動脈に MIS が 明らかになった( B )。これは三次元回転血管造 影で確認された( C )。大麻の使用を完全に止め た後,臨床転帰は良好であった。対照の脳磁気 共鳴血管造影で( D ),3 カ月後に MIS が解消 したことが認められた。 11.9.27 10:53:57 AM
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