Medical Postgraduates Vol. 39 No. 1 2001 H I V/A I D S 情 報 ファイル #029 77 レクチャーノート 女性のHIVケアにおける新たな展開( 2 ) Meg D. Newman* 要 旨:HIV/AIDS研究は,これまで男性を中心とした母集団を対象とした研究が大きな割合 を占めていた。過去に,男性同性愛者,あるいは男性静注薬物乱用者間の感染が主であったとい う経緯があったにせよ,今日では女性の感染患者が劇的な増加を示しており,女性特有の性差に よる症状を確定して,効果的な治療方針を確立する必要がある。本論文は,レクチャーノートの 形式で,HIVに関する女性特有の問題を指摘し,診断,治療に役立てる目的で,最近の研究成果 を概説した。 Key words : HIV infections, women, sex factors Ⅲ.レズビアン,両性愛女性,及び女性と性的交 渉を持つ女性 5 .リスク行動のAIDSサーベイランス階層分 類は,女性と性的交渉を持つ感染女性と,薬物注 射あるいは異性間接触(IDU及び異性間伝播)を A.HIVの伝播 持った感染女性を,最も高いリスクカテゴリーに 分類することになる。現在,女性と性的交渉を持 1 .レズビアンは,HIV罹患のリスクがないと いうのは巷間に流布している作り話である。 つか,他のリスクファクターを持たないHIV感染 女性は,「同定されたリスクなし」(効果的にHIV 2 .レズビアンと両性愛の女性は,多種多様な を伝播するとして知られた行動の報告がない)と ライフスタイルと行動とを持つ極めて異質のグル して分類される。この構造は,女性との性的交渉 ープである。性的同一性は,あまり性的行動のよ があってHIVに感染した女性の真のリスクを覆い い指標とはならない。 隠すことが可能である。 3 .HIV伝播は,行動のみに依存し,いかなる 特定の性的同一性にも依存しない。 6 .HIVは,HIV感染女性の子宮頸部及び膣分 泌物の中に発現する。女性と性的交渉を持つ女性 4 .女性の間のHIV伝播は,1984年に早くも報 による多面的な行動にかかわる,女性の性的体液 告されていた。その他にも多数の小規模研究が実 と伝播のリスクに関するデータは未だ不十分であ 施されてきたが,特に注射薬物使用(IDU)のよ る。 うな他のHIVリスクファクターを持たない女性と 7 .女性と性的交渉を持つ女性は,AIDS教育 性的交渉を持つ女性が少数であることに悩まされ の観点からは通常見落とされているが,他の女性 ている。 と比較して最も安全性の低い性的行動を持つ可能 Meg D. Newman*, MD.: New Developments in HIV Care for Women. From *the AIDS Education, the UCSF Positive Health Program, San Francisco General Hospital Medical Center, 995 Potrero Ave c/o Ward 84, San Francisco, CA 94110, USA. E-mail: mnewman@php.ucsf.edu. ** 当レクチャーノートの内容は,前号と当号の計 2 回にわたり掲載致しました。 78 Medical Postgraduates Vol. 39 No. 1 2001 性がある。 B.1993年サンフランシスコ及びバークレーにお ける女性研究 C.結 論 1 .他の同様な研究である「サンフランシスコ 女性の健康調査(San Francisco Women’ s Health Survey)」は,1992年から1993年の間に,レズビ 1 .1993年サンフランシスコ及びバークレーに アンと両性愛女性483名を調査した。結果は,最 おける女性研究は,サンフランシスコ及びバーク 初の研究と同じで,自己同定レズビアンと両性愛 レーにおいて25カ所の公共区域で無作為に標本抽 女性の間で,安全でない性的行動が高率であるこ 出された,17歳以上の498名のレズビアン及び両 とが見いだされた。 性愛女性を調査した。 2 .研究は,レズビアン及び両性愛女性の1.2% 2 .明らかに,これらの研究は,女性と性的交 渉を持つ女性についての罹患率データの全てを引 がHIVに感染し,5.4%がB型肝炎マーカー,0.4% き出すには完全な研究ではない。これらの研究は, が梅毒の既往のマーカーを示した。この母集団の レズビアン及び両性愛女性の群と,女性と性的交 HIV感染罹患率は,サンフランシスコの全成人ま 渉を持つ女性の群の一部のみを選び出した。それ たは思春期女性について推定された数字(0.35%) にもかかわらず,これらと同様な研究が,シアト よりも 3 倍以上高かった。 ル市,ミシガン州,ニューヨーク市,及びブルッ 3 .レズビアンと両性愛女性は,高レベルの IDUと,男性及び女性パートナーとの安全でない クリン地区で完了した。結果は顕著に類似してい た。 性的行動を報告した。女性の相当な部分が,1978 3 .報告された女性−女性間伝播の数は,現時 年以来のIDUの前歴を報告した(10.4%)。この 点では低い。しかし,報告された症例は少数であ グループの中で3.8%が,過去 3 年間におけるIDU るにもかかわらず,女性が相互に感染を伝播する を報告した。 リスクにあることは疑いもない。 4 .過去 3 年間に,女性との性的交渉の前歴を 4 .IDUの間では,女性と性的交渉を持つ女性 報告した女性の内:91.1%が無防備のオーラルセ は,男性とのみ性的交渉を持つ女性よりもHIVが ックスの経験を報告し,28.8%が無防備の性具の 高率である。女性と性的交渉を持つ女性,及び 共有を報告し,25.0%が過去 3 年間に,無防備の IDUである女性は,注射針を共有し,薬物あるい 膣フィストファックを報告した。 は金と性を交換し,ホームレスで,血清変換する 5 .過去 3 年間における,男性との性的交渉を 傾向が強い。 報告した女性405名の内:56.3%が無防備のオー 5 .女性と性的交渉を持つ女性は,快楽,商業 ラルセックスの経験を報告し,39.0%が無防備の 的セックス労働,及びレイプのため,男性との性 膣性交の経験を報告し,10.9%が無防備のアナル 的行動に従事することがある。 セックスの経験を報告した。 6 .プロバイダーが,レズビアンは男性,特に 6 .これらの女性では,ゲイもしくは両性愛男 ゲイ及びIDUの男性との性的交渉にかかわってい 性との行動が高率であることを報告した:14.6% ないと仮定するならば,これら及び他のサーベイ が無防備のオーラルセックスを報告し,9.6%が が,ほとんど全てのプロバイダーが推測する以上 無防備の膣性交を報告,3.2%が無防備のアナル により一般的であるということを見いだしたリス セックスを報告した。 ク行動を見過している可能性がある。 7 .これらの女性では,男性IDUとの行動が高 率であることを報告した:6.4%が無防備のオー D.予防戦略 ラルセックスを報告し,5.2%が無防備の膣性交 を報告し,1.7%が無防備のアナルセックスを報 告した。 1 .薬物使用,及び男性との性的交渉のような 高いリスク行動に焦点を合わせる。 2 .男性とも性的交渉を持つ女性の,女性パー Medical Postgraduates Vol. 39 No. 1 2001 トナーに焦点を合わせる。 79 B.ウイルスの伝播 3 .杞憂を抱くことなく,女性−女性間伝播に 関する情報量を高めること。より高いリスクの行 動は,膣外傷に帰着する行動を含んでいる。 4 .今が,介入の好機である。 1 .感染の大部分が,妊娠,出産,授乳中の垂 直伝播に起因する。 2 .ウイルスは,妊娠の全期間にわたり,受胎 産物中,及び羊水中で培養されている。 Ⅳ.HIVと妊娠 3 .伝播率の上昇は,高いウイルス量,p24抗 原血,CD 8+細胞数の増加,低CD 4+細胞数, A.妊娠とHIVに及ぼす影響 胎盤膜炎症, 4 時間以上にわたる胎盤膜破裂,母 体発熱,及び貧血に関係がある。 1 .妊娠自体は,全ての女性に対して,CD 4+ 4 .合衆国及び海外における最近の多数の研究 リンパ球の予期された低下をもたらす免疫抑制効 は,高い母体ウイルスコピー数と伝播のリスクの 果を持つ。 増大の間の密接な関連性を報告しているが,精密 2 .予備的研究は,HIV感染女性において, CD 4+細胞数が妊娠前の水準まで戻るのに,よ り長時間掛かることを示している。先進国におけ るほとんど全ての研究は,妊婦が無症候性HIV疾 な上限及び下限ウイルス閾値は未だ確立されてい ない。更に詳細な情報は,C節を参照のこと。 5 .伝播の正確な機序は不明である。 6 .ACTG 076研究以前に,合衆国の女性は, 患を促進しないことを示唆している。無症候性 新生児にウイルスを伝播させる25%あるいはそれ HIV血清感染女性における流産やその他の妊娠合 以上の機会があった。種々の研究において,その 併症が,HIV血清陰性の女性におけるよりも多い 率は12%から35%の範囲にある。開発途上国では, ということはない。 その率が25%から60%にあり,授乳率の上昇と関 3 .開発途上国の研究は,妊娠が,妊産婦の 連があるようである。 AIDSのより急速な悪化,及び妊産婦死亡率の上 昇と関係していることが見いだされた。これらの C.ジドブジンと妊娠 研究は,彼らがしばしば疾患末期にあるという事 実と,貧困と栄養不良,不適切な医療介護,及び 介入性感染の続発症により複雑化される。 4 .ある女性がAIDSである場合,彼女は日和 見感染による合併症を併発する傾向が強い。 1 .ジドブジンは,胎児へのHIVの伝播を抑制 するようである。 2 .ACTG 076研究は,1991年 4 月に開始され た。公表されたオリジナルデータは,合衆国内50 5 .胎児死亡の問題に関しては,未だデータが カ所とフランス国内 9 カ所の364名の母親を含ん 限られている。妊娠3カ月以後の胎児が子宮内で でいた。全ての女性は,T細胞数が200/μL以上 早期に感染する場合,胎児死亡のリスクは増加す で,抗レトロウイルス陰性であった。 る可能性がある。テキサス州ハリス郡における小 3 .ジドブジン100mg× 1 日 5 回, または200mg 規模な前向き研究は,期待値が 3 %以下の胎児死 × 1 日 3 回の用量で,妊娠第14週から第34週の間 亡率が11%(124乳児中14名)であることを見い 投与された。分娩中,女性は 1 時間にわたりジド だした。 ブジン 2 mg/kgを静注投与され,続いて出産ま 6 .HIV感染女性の妊産婦死亡率の最も重要な で 1 mg/kgを点滴により継続投与された。出産 原因はPCPである。その上,細菌性肺炎が更に頻 後24時間以内に,乳児は, 6 週間にわたり 6 時間 繁に発症する。予防には,トリメトプリム/スル 毎にジドブジン 2 mg/kgをシロップの形態で投 ファメトキサゾール(TMP/SMX)が用いられ 与された。 る。 4 .オリジナルデータは,HIVに感染した母親 から生まれた364名の乳児について得られ,その 内180名の母親と乳児はジドブジンを投与され, 80 Medical Postgraduates Vol. 39 No. 1 2001 184名はプラセボを投与された。これらの被験者 D.ジドブジンの毒性? の中で,364名中53名が感染し,ジドブジン投与 乳児の8.3%が感染し,非ジドブジン投与乳児の 1 .ジドブジンは,DNAポリメラーゼを妨害 25.5%が感染した。患者は18カ月間フォローアッ することが出来,癌(肝臓及び膣)の発症率の増 プされ,副作用には可逆性貧血が含まれた。群間 加が,妊娠中に高用量のジドブジンを投与された の平均ヘモグロビン濃度の最大差は, 1 g/dLで マウスの子孫にみられた。 あった。各群の中で 3 名の女性が,知覚毒性によ 2 .現在まで,妊娠中にジドブジンを使用した り研究を中断された。乳児の内,ジドブジン群 母親の小児には,ヒトの癌の症例は同定されてい 180名中 7 名,プラセボ群184名中 8 名が,先天異 ない。ACTG 219では, 2 歳∼ 6 歳までのジドブ 常であった。各群で,7名の乳児が死亡した。米 ジンに曝露した小児を追跡しているが,癌の症例 国国立アレルギー感染症研究所(NIAID)は, は発現していない。 死因を,重篤な先天異常もしくはHIVの急速な悪 化によるものとしている。 5 .これらの患者の評価は,ACTG 219で引き E.妊娠中,他のどのような種類の抗レトロウイ ルス療法が適用可能か? 継がれており,ほとんど全ての小児が,癌性また は重篤な続発症もなく,極めて順調であると思わ れる。 6 .ACTG 076は,現在419名の乳児について 1 .これは,明らかにデータが不足している領 域であるが,推奨は可能である。 2 .最近のデータは,ジドブジン,ラミブジン, 完了しており,ジドブジン群の感染の7.8%,プ 及びネビラピンが,胎盤関門を通過して乳児と母 ラセボ群の24.9%で,データは元の報告のそれと 体で有効な血清濃度に到達することを示唆してい 同様であった。 る。 7 .母体血漿HIV-1 RNAの中間解析と,周産 3 .ネビラピンは,垂直伝播を予防する際に極 期伝播の予防におけるジドブジンの成功が,最近 めて有益な多くの特性を持っている。ネビラピン 報告された。210名のジドブジン曝露,209名のプ の 1 回投与(200mg)で,血漿HIV-1 RNA濃度 ラセボ曝露の母子のペアの中で,母体HIV RNA を1.3logまで減少させることが可能である。ネビ は,参加時に群間で均衡がとれていたが,全体と ラピンの活性型は直ちに入手可能で,付加的な細 しては登録時と出産時に非伝播者よりも伝播者の 胞活性化と代謝を必要としない。ネビラピンは急 方が高かった。ジドブジン群では,HIV RNAが, 速に吸収されて,直ちに胎盤に達する。ネビラピ 参加時から出産時まで全体として減少したが,最 ンは長い半減期(分娩中の女性で61∼66時間,乳 低HIV RNA濃度では,伝播は両群で等しく生起 児で45∼54時間)を持っている。1週間にわたっ し,治療効果は全てのHIV RNAで持続した。 て50%阻害濃度(IC50)の10倍以上の濃度を維 8 .HIV RNA濃度低下におけるジドブジンの 持するには,乳児に 1 回投与される必要がある。 役割は,ジドブジンの,分娩期間中の親に対する ネビラピンの 1 回分の投与量のコストは 4 ドルで 使用,あるいは乳児の治療における使用が重要な ある。 役割を演じているのではないかという憶測が生ま 4 .HIVNET 012では,ウガンダの女性626名 れ,治療効果の一部としてのみ説明可能である。 を観察したが,初期には98.8%の乳児が授乳を受 9 .合衆国のある地域では,この治療処方を用 けており,16週から18週にかけても依然として いることにより,垂直伝播率が 5 %程度と低い。 95.6%が授乳にて育てられていた。ネビラピン この研究に先立ち,進行したHIV疾患女性あるい (200mg)が,分娩開始時に母親に投与され, 2 はCD 4+が200/μL以下の妊婦が,ジドブジン mg/kgが生後72時間以内に乳児に投与された。 を服用することを奨励された。この研究の結果, これは,分娩開始時にジドブジン600mg,出産ま 現在では全ての妊婦に対して抗レトロウイルス療 で毎時300mgが母親に経口投与され,乳児には 1 法が推奨されている。 週間にわたって 4 mg/kgが 1 日 2 回経口投与さ Medical Postgraduates Vol. 39 No. 1 2001 れた場合と比較された。 81 めに,CD 4+細胞数,ウイルス量,及び臨床指 5 .ネビラピン及びジドブジン群の伝播の推定 標を評価する。単独療法は,たとえジドブジンで リスクは,出生時(ネビラピン8.2%,ジドブジ あっても,ウイルス耐性の理解の下では最適とは ン10.4%), 6 ∼ 8 週(ネビラピン11.9%,ジドブ いえない治療法である。 ジン21.3%),及び14∼16週(ネビラピン13.1%, 2 .ジドブジンの有効性と安全性に関するデー ジドブジン25.1%)に評価された。各治療処方は, タが得られて,ジドブジンが全ての新規処方ある 耐性があり,副作用は両群で同じであった( Guay いは既存の処方に加えられるべきではないかと感 ら,1999)。 じる向きがある。もしも,事前にジドブジン使用 6 .この時点では,ジダノシン,リトナビル, ネルフィナビル,及びサキナビルは,FDAカテ があり,また表現型が耐性を示唆しているのであ れば,代替薬剤を使用すること。 ゴリーBに分類された。カテゴリーBは,ヒトに 3 .妊娠14週前後に治療法を開始するリスクと リスクの徴候がなく,動物試験で陰性と報告され 便益を議論すること。HAARTは,早期に開始し ているか,動物試験が陽性でヒトの試験が陰性の たいという母体の希望がない限り,通常12∼14週 場合に適用されている。 後に開始される。 7 .ネビラピン及びジドブジンを含む,他の全 ての抗レトロウイルス薬は,FDAカテゴリーC 4 .毎月のウイルス量測定が,ウイルスの突破 の監視に必要とされる。 (動物試験が毒性を示し,ヒトの試験は不十分だ が,使用の利益がリスクを上回る)に分類されて G.周産期HIV予防のための帝王切開の役割 いる。 8 .妊娠第14週から分娩後12週まで,リトナビ 1 .賛否両論 ル/ラミブジン/ジドブジンを検討した最近の研 2 .幾つかの観測研究(全てではない)は,垂 究は,新生児における低血糖症の 2 症例と同程度 直伝播に対する予防的帝王切開の防護効果を示し の軽度の毒性を示した(Scottら,1999)。 た。 9 .妊娠36∼38週(しばしば分娩,出産)で感 3 .研究の多くには問題が存在する。共通のテ 染を同定して,分娩後 8 日まで継続する,短期の ーマは,母親と胎児に対する帝王切開のリスクと ジドブジン治療単位(クール)が探求されている。 死亡率への注意の欠如である(これはHIV感染女 この治療処方は,伝播を31%減少するようである 性において重要である)。これらの研究において, が,未だ17.8%で高い伝播率である。 併用レトロウイルス療法の適用が不足しているた 10.妊婦の32週(妊娠後期)に開始されて分娩 中継続され,乳児に 6 週間投与されたジドブジ め,2000年における治療選択肢を考慮する場合, 有用性を低下させている。 ン/ラミブジンの研究は,ジドブジン単独療法に 4 .フランス周産期コホート研究(French Pe- 対して2.6%( 5 /194)対6.5%(53/810)の伝 rinatal Cohort Study)によると,ジドブジンが 播率を示した。 用いられなければ,便益は失われる。帝王切開 11.重篤な先天異常(無脳症を含む頭蓋内欠損) (分娩開始前,及び破水開始前に実施された場合) が,妊娠したサルにおけるエファビレンツを用い は選択的であるが,今までのところ選択的帝王切 た動物試験で発現した。これが,ヒトでも起こる 開群がかなり選択されている( Mandelbrot ら, のか,このコホート特有のものかは不明である。 1998)。 著者は,この点が更に明らかになるまでは使用を 差し控えることを推奨する。 5 .国際周産期グループ研究(International Perinatal Group Study)は,参加者に関するウ イルス濃度のデータがなく,最適な(併用)抗レ F.妊婦に対する新しい推奨 トロウイルス療法が欠如しているという幾つかの 問題の観察研究のメタアナリシスであった。 1 .最適の抗レトロウイルス療法を決定するた 6 .欧州出産共同研究方式(European Mode of 82 Medical Postgraduates Vol. 39 No. 1 2001 V.婦人科学的問題 Delivery Collaboration)は,母親が選択的帝王 切開を受け,伝播率が有意に低かった(1.8%対 10.5%)370名の乳児の無作為化臨床試験であっ A.通常の婦人科学的ケア た。更なる評価は,意図した出産様式を解析した 場合,有意差が低かったことを示している(ジド 1 .利用可能な場合には,HIV診断における基 ブジン使用正常分娩4.3%,ジドブジン使用帝王 線コルポスコピー(膣拡大鏡診)を実施すべきで 切開0.8%)。実際の出産様式を評価した場合,較 ある。 差は更に小さくなった。これは唯一の無作為化臨 2 .注意深い,外陰部,膣,及び肛門検査と共 床試験であり,帝王切開がジドブジン単独療法を に, 6 カ月毎の骨盤及びパパニコロー試験。この 受けた女性における周産期HIV伝播を実質的に低 推奨には,議論の余地を残す。 下させたであろうという事実は示されていない。 3 .パパニコロー試験のいずれでも,重要度未 これは,今やケアの標準となっている併用療法で 確認の異型扁平上皮細胞(ASCUS),AGCUS, 治療を受けた女性における帝王切開の役割に関し 低度及び高度間質病変(SIL)がみられる女性の て何らの情報も与えなかった。 膣鏡検査,もしくは淋菌やクラミジアに対する治 7 .併用療法で治療を受けた全部で178名の女 性の一連の症例は,HIV伝播の症例が 1 例もなか ったことを示している。(垂直伝播のリスクは, 2 項確率分布の95%信頼限界を考慮した場合, 2%以下と予測される。) 8 .Sempriniらは,帝王切開を受けたHIV感染 療後に寛解しない持続的炎症 4 .陰部疣贅を治療すること。 5 .梅毒判定のための血清急速血漿レアギン試 験(RPR)を実施すること。 6 .細菌性膣炎,トリコモナス,カンジダを防 止するための湿式マウント法を実施すること。 女性における重要な合併症(オッズ比,6.0)と, 比較的重要でない合併症(オッズ比,3.1)の増 B.カウンセリング 加を報告した。「第 6 回レトロウイルスと日和見 感染に関する会議」で報告された 2 研究は,帝王 1 .性行為感染症(STD),子宮頸癌,ヒト乳 切開が,HIV感染女性における術中合併症を 2 倍 頭腫ウイルス(HPV),避妊,妊娠,及びより安 増加させることを示唆している(Readら,1999 ; 全な性交に関する情報を考慮するべきである。 Wattsら,1999)。 C.子宮頸部上皮内腫瘍とヒト乳頭腫ウイルス H.母親と乳児の健康 1 .ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)は,1970年 1 .母親は,しばしば彼らの子供の健康を母親 代以降,ヒト及び子宮頸癌の病因学的要因として 自身のそれに優先する。従って,とりわけ母親に 研究されていた。子宮頸部コンジローム,全ての 対する効果的な治療を行うには,成人と小児の医 段階の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN),及び侵襲性 療ならびに社会事業の間の連携が必要となる。 子宮頸癌の約95%は,HPV DNAを含んでいる。 2 .抗レトロウイルス療法を治療中に妊娠が判 2 .16型及び18型が,しばしば子宮頸癌に見い 明した場合は,すべて抗レトロウイルス療法妊娠 だされる。 6 型及び11型は,しばしば良性コンジ 登録所(Antiretroviral Pregnancy Registry)に ローム,またはlow-grade扁平上皮内病変(LGSIL) 電話(+1−919−483−9437または1−800−722− と関連している。 9292)またはファックス(+1−919−315−8981) で報告しなければならない。 3 .免疫抑制は,HPV感染に対して特に感受 性を高めるようである。治療中の自己移植レシピ エントは,正常個体群よりも 9 倍の肛門性器HPV 感染発病率と,16倍のCIN発現率を持つと報告さ れている。 Medical Postgraduates Vol. 39 No. 1 2001 D.異常子宮頸部細胞診断学と免疫抑制 83 実施されていたとすれば,看過されていたであろ うHIV血清陽性女性の15%のみが,外陰部,膣, 1 .2,054名のHIV感染女性と568名の血清陰性 対照について,「女性部局間HIV研究(WIHS : あるいは肛門周囲病変を発症したということを Kornが見いだしたことである。 Women’ s Interagency HIV Study) 」により収集 5 .これらの懸念は,以下の疑問を煽った:全 されたデータは,異常パパニコロー試験での罹患 てのHIV血清陽性女性はパパニコロー試験の代わ 率が,HIV感染女性において40%であるのに対し りに膣鏡検査を受けるべきか。より高いCD 4+ て,血清陰性女性では17%であることを示してい 細胞数と正常基線値膣鏡検査結果の女性は,引き る。異常パパニコロー試験は,ASCUSを含んで 続いて通常のパパニコロー試験を受けるべきか。 いる。 より高いリスクのHPV病変(16型,18型,31型, 2 .更に厳しい基準に着目すると,真性SILが HIV感染女性の30%,対照の 7 %に見いだされた。 3 .SILに関するリスクファクターは,200/μL 以下のCD 4+リンパ球 33型,35型),または基線異常病変の女性は,続 けて膣鏡検査を受けるべきか。WIHSは,これら の疑問に答えて,適切な治療指針を開発するため のデータを提供するように設計されている。 4 .728名のHIV感染女性を組み込んだ19件の 研究を検討して, Korn は異形成がAIDS患者の F.子宮頸部上皮内新生物の治療 64%,HIV陽性女性の36%に発症していることを 見いだした。 1 .生検(パパニコロー試験ではない)の際に 報告されているCIN-Iは,侵襲性子宮頸癌に進行 E.パパニコロー試験の感度 することはないようである。しかしながら,CIN のより高段階に進行しないことを確認する必要が 1 .パパニコロー試験は,免疫適格女性を調査 した研究において,約75%∼90%の感度があるよ うである。免疫適格個体群では,異形成は子宮頸 癌に進行する前はしばしば極めて遅く進行する。 ある。 2 .CIN-Ⅱ及びCIN-Ⅲは,侵襲性子宮頸癌を回 避するため,決定的な治療を必要とする。 3 .子宮頸部内膜領域が容易に明視化可能で, パパニコロー試験は,妥当なスクリーニングテス 子宮頸部内膜内に併発がなければ,ループ電気メ トである。 ス切除術(LEEP),凍結療法,及びレーザー蒸 2 .初期の研究は,偽陰性の容認出来ないレベ ルにあるHIV血清陽性女性の場合にパパニコロー 試験が取り分け感度が低かったことを示唆した。 発法のような術式が有効である。 4 .これらの基準に合致しない女性に対しては, これらの子宮頸部円錐切除術が指示される。 Korn による更に最近の研究は,パパニコロー試 5 .HIV血清陰性の女性の場合は,治療後の 験がHIV血清陽性及びHIV血清陰性者において等 CIN-ⅡあるいはCIN-Ⅲ再発のリスクは小さい( 5 しく敏感であることを示唆している。 %∼10%)。HIV血清陽性の女性の場合は,再発 3 .HIV感染女性における異形成のナチュラ のリスクは非常に高い。 ル・ヒストリーは,明確には定義されておらず, 侵襲性子宮頸癌へのより急速な進行が生ずるかも G.膣カンジダ症 知れないという懸念がある。この懸念は,異形成 を発症した女性の15∼25%を潜在的に見落す可能 1 .カンジダの膣内定着は,HIV感染女性,新 性がある試験の相対不感度(relative insensiti- しいIDU,あるいはインスリンや経口血糖降下薬 vity)を強調している。(HIV血清陽性女性にお 常用者において増加する。 ける異形成の罹患率に関するWIHSとKornの統計 を思い出すこと)。 4 .注目すべきは,完全なパパニコロー試験が 2 .膣疾患は,HIV感染女性,HIV非感染女性 に一様に発症する。驚くべきことは,それはCD 4+細胞数や性的接触に関係しない。 84 Medical Postgraduates Vol. 39 No. 1 2001 3 .口腔内定着は,HIV感染女性,愛煙家,及 られ得る。 1 日 1 回または毎週 1 回100mgのフル びIDUで増加する。口腔内カンジダ症は,CD 4 コナゾールを含む経口投与の選択も考慮される。 +細胞数値が低いHIV感染女性において増加す アゾールを含む耐性分離株の潜在リスクを検討す る。 ること。 4 .膣疾患は,早期から晩期に至るHIV疾患の 14.患者は,これらの感染症がよく再発するの 全領域にわたって発症する可能性がある。多くの なら,必要な薬剤を自分で使用出来るように,準 HIV感染女性は,晩期疾患にあっても,膣カンジ 備すべきである。 ダ症を経験しない。 5 .一部のHIV感染女性は,治療がより困難な 15.現時点では,理想的な治療処方は不明であ る。治療処方は個別化されることが必要である。 再発性疾患を発症する。これらの感染症はしばし 特定の患者には,最も効果が低い用量が適用され ば,C tropicalis,C glabrata,C krusei,及びC るべきである。 lambicaなどの非白種(nonalbicans species)か ら成り立っている。これらはイミダゾールに感受 H.難治性潰瘍性病変 性が少ない。 6 .T glabrataは,小さな真菌である。それは, 菌糸や仮性菌糸を形成せず,乾酪性分泌物と掻痒 を発現せずに,性交疼痛症の原因となる。 1 .梅毒,軟性下疳,単純ヘルペスウィルス, 及び潰瘍性カンジダ症を除外すること。 2 .RPRと暗視野検査(患者がRPR非反応の場 7 .湿式マウント法と臨床外観は信頼出来ない 合でも),細菌培養及び感受性試験,ウイルス及 ので,培養菌を考慮すること。ホウ酸600mg× 1 び真菌培養を実施すること。同定された感染症に 日 2 回の14日間の処置もまた,T candida glabrata 対して,適切な薬剤を用いて治療すること。 に対して有用である。 3 .巨大特発性アフタ性性器潰瘍は数少ないが, 8 .治療選択:より高用量で,より長期の治療 苦痛で,無力になり,治療が困難である。アフタ が必要とされるが,しばしば局所療法が効果的な 性潰瘍には,全身へのステロイド治療が可能であ ことがある。テルコナゾール(terconazole)が, る。サリドマイドは,口腔内及び食道潰瘍に対し 非白種疾患の再発に対して,より有効な場合があ て有効であり,性器潰瘍に対しては有効なようで る。 あるが,未だデータが集積されていない。 9 .外陰部または関連感染症に対しては,常に クリームの使用を考慮すること。 I .急性単純ヘルペス 10.膣分泌物は,摂取後72時間,あるいはそれ 以上の間,フルコナゾールの高い濃度を維持する。 1 .Augenbraunは,最近,HIV血清陽性の女 当初 1 ∼ 4 日間,用量200mgが極めて効果的であ 性の単純ヘルペスウイルス-2(HSV-2)放出が る。難治性症例に対しては,時により高用量で, HIV血清陰性の女性よりも 4 倍近く大きいことを より長期間の投与が必要とされる(200mg, 4 ∼ 示した。 7 日間)。局所療法が併用可能である。 11.フルコナゾールは,C krusei,C glabrata, 2.Schackerは,再発性HSV及びHIVに感染し た12名のHIV感染男性において,HIVがHSV病変 あるいはC lambicaのような非白種に対しては活 中に一貫して存在し,多くの病変は各標本毎に 性が低下することで知られているので,再発性疾 HIV RNAを5,000 copies/mLあるいはそれ以上 患の場合は効果が低いことがある。 含んでいたことを示した。これが女性患者でも同 12.低用量のアムホテリシンB 0.3mg/kg/日 の静注投与が,フルコナゾール耐性分離株に対し て使用可能である。 13.感染症が再発するようであれば,毎週 1 ∼ 2 回または毎月数日の局所治療による維持が試み 様に起きると仮定することには理由がある。 3 .HSVのエピソードを不規則に提示すること があるHIV感染女性においては,しばしば再発し, 通常より長期持続する。 4.多く発生する提示部位は,大陰唇,小陰唇, Medical Postgraduates Vol. 39 No. 1 2001 仙骨,及び臀部である。 5 .アシクロビルの用量は,免疫応答性ホスト に対して増量される。培養株により確認すること。 85 したナイロビのある診療所の外来女性は,非使用 者よりも多くのウイルスを子宮頸部から放出した とみられる。 疼痛,発熱,尿閉,全身性または中枢神経系症状 3 .別の研究は,経口避妊薬が実際にHIV伝播 を伴う重篤な疾患に対しては,出来るだけ速やか を減少させたことを示しているが,他は未だ有意 に,アシクロビルを静注投与すること。 な効果を示していない。経口避妊薬がHIVの伝播 6 .HSV中に,培養株により確認された難治性 病変がある患者に対しては,耐性を疑うべきであ る。ホスカルネットが適用可能である。 7 .軽度ないし中程度の疾患に対しては,アシ 性を高めるか否かについては,未だ疑問が残され ている。 4 .ノノキシノール 9 は,精子細胞膜を崩壊さ せるよう設計された生物学的界面活性剤である。 クロビル400mgの経口投与を 1 日 3 回∼ 1 日 5 回, それは,ペッサリーゼリー,膣坐薬,及び避妊ス 7 ∼10日間または臨床的に消散するまで投与する ポンジに用いられている。ある研究者は,ノノキ 治療法を開始すること。 シノール 9 が 1 日数回用いられた場合,膣刺激の 8 .再発性疾患の患者に対しては,アシクロビ ル400mgの 1 日 2 回または 1 日 3 回の治療法を維 持すること。破過が発生した場合は,維持療法を 増加を来たし,HIV伝播のリスクが増大すると示 唆している。 5 .当懸念は,ナイロビの売春婦の研究に由来 増量すべきである。重篤な腎疾患の場合は用量を している。ノノキシノールスポンジ(クリーム, 減量すること。 ゲル,あるいはフォームではなく)が用いられて いた。これらの女性は,毎日繰り返し頻繁に曝露 J .外陰部炎症性疾患 されていた。 6 .この研究の成果を一般化するには,更にデ 1 .HIV血清陽性の女性の場合,外陰部炎症性 疾患の提示は実質的悪化ではない。 ータが必要である。頻繁にそれを使用する可能性 がある女性に警告を発し,病変を判断する際に, 2 .重篤な感染症は,正常な白血球数でも発症 それが潜在的な刺激の原因であることを考えるべ することがある。AIDS患者に対する白血球基線 きである。現在では,他の殺菌剤が開発されてい 値は通常2.0∼3.5×109であるから,6.0×109の白 る。更なるデータを待つこと。 血球数は基線値の 2 倍を示している。 7 .女性用コンドームは,外性器を部分的に覆 3 .卵管卵巣膿瘍形成が,非感染対照の12%に うポリウレタン製の鞘型ケースで,STDに対し 対して,HIV感染女性の25%程度で発症すること てより高い防護効果を提供している。ポリウレタ が報告されている。従って,より進行したAIDS ン膜は,ラテックスよりも40%強く,HIV,CMV, 患者においては,取り分けより多くの外科的介入 及びB型肝炎に対する障壁である。避妊法として, が必要とされる。 コンドームは他の障壁法に匹敵するものである。 4 .ほとんど全ての臨床医は,HIVが進行した 場合に,特に入院に対する低い閾値を維持してい L.月経不順 る。伝統的な抗生物質治療処方が奏功するようで ある。 1 .HIV感染女性は,無月経,月経過多,月経 間出血,及び更に重篤な月経前症候群(PMS) K.避 妊 を含む,月経不順をより高い率で経験することが 示唆されている。 1 .STD防護あるいは他のHIV変異株による再 感染に対して,遮断法が必要とされる。 2 .一部の小規模研究(十分に比較対照されて いない)は,無月経あるいは出血過多の患者の 3 2 .免疫抑制と子宮頸部転位に対するホルモン 分の 1 で,出血異常を示唆している。IDUに関す 避妊薬の影響は明らかでない。経口避妊薬を使用 るニューヨークの研究は,39名のHIV血清陽性及 86 Medical Postgraduates Vol. 39 No. 1 2001 び39名のHIV血清陰性の女性を比較して,HIV血 清陽性の女性において月経不順がより多いことを 同定した(41%対24%)。無月経と中間期出血が 特に注目された。 3 .WIHSから報告された最近の研究は,2000 名のHIV感染女性を観察して,500名の血清陰性 の女性と比較した。この研究における無月経は, 90日間以上月経期がないものとして定義され, HIV感染女性の 7 %,血清陰性の女性の 5 %に認 回以上のエピソード) 2 .性器単純ヘルペスまたはカンジダ症の重篤 または癒合病変 3 .何らかの性器潰瘍性疾患の存在(軟性下疳, 梅毒,または性病性リンパ肉芽腫) 4 .通常の治療法に対して難治性,または複数 部位の尖圭コンジローム 5 .何らかの外陰部炎症性疾患,あるいは何ら かのSTD められた。当研究における無月経に対するリスク 6 .難治性もしくは再発性膣カンジダ症( 2 ク ファクターは,HIV感染,ヘロイン乱用,低アル ールの治療,または 6 カ月以内に 2 件,または年 ブミン濃度,及び出産であった。 間に 4 件,または 1 年を超えて,倍の頻度のエピ 4 .無月経のリスクは,より低いCD 4+リンパ 球数,3.0g/dL以下の血清アルブミン濃度,ある ソード)* 7 .パパニコロー試験異常 いはヘロイン,アンフェタミン乱用のHIV感染女 性において増加した。 5 .多くのHIV感染女性(61%)が,過去 6 カ *これらは,一般的な疾患である。これらの異常 がある女性の大部分は,HIV感染ではない。 月の不規則周期を報告したが,対照と比較した場 Ⅶ.情報源 合に統計的に有意ではなかった。 6 .これらの女性の大部分は,低または正常卵 胞刺激ホルモン濃度,及び低エストラジオール濃 度による視床下部機能不全に基づいた無月経であ A.WORLD(生命を脅かす疾患に対して対応す るために組織された女性団体組織) った。 1 .WORLDは,HIV及びAIDSと共に生きる Ⅵ.HIVカウンセリングと検査のための回付 女性と彼らの支援者の多様な共同体である。彼ら は,AIDSに関する認識の向上と同様に,支援, A.下記の婦人科学的な状態については,免疫抑 制の可能性を考慮に入れなければならない。 情報,教育,及びインスピレーションを提供して いる。 電話:+ 1 510−658−6930, 1 .再発性性器単純ヘルペス( 6 カ月以内に 2 推奨文献 Becker-Pergola, G., Guay, L., Mmiro, F. et al.: Selection of the K103N nevirapine(NVP)resistance mutation in Ugandan women receiving NVP prophylaxis to prevent HIV-1 vertical transmission(HIVNET-006). [Abstract 658.] 7th Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections. January 30-February 2, 2000 ; San Francisco, Calif. Blair, J., Hanson, D., Jones, J. et al.: Do gender differences in viral load predict differences in HIV disease progression? [Abstract 195.] 7th Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections. January ファックス:+ 1 510−601−9746。 30-February 2, 2000 ; San Francisco, Calif. Blanche, S., Tardieu, M., Rustin, P. et al.: Persistent mitochondrial dysfunction and perinatal exposure to antiretroviral nucleoside analogues. Lancet. 1999 ; 354(9184); 1084-1089. Brundage, R.C., Fletcher, C.V., Fenton, T. et al.: Efavirenz (EFV)and nelfinavir(NFV)pharmacokinetics(PK) in HIV-infected children under 2 years of age. [Abstract 719.] 7th Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections. January 30-February 2, 2000 ; San Francisco, Calif. 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[本論文のオリジナル原稿(英文)のコピーを希望される方は,本誌編集部までご請求ください] 88 Medical Postgraduates Vol. 39 No. 1 2001 感染症法に基づくエイズ患者・感染者情報 (厚生省エイズ動向委員会資料より抜粋) ●2000年 7 月 1 日∼ 8 月31日までの集計データ 1 .AIDS患者の届出状況:2,441件 [2000年 8 月27日現在] 2 .HIV感染者の届出状況:5,138件 [2000年 8 月27日現在] 3 .累積死亡者数:1,196名 [2000年 8 月31日現在] これらの統計データの詳細は,厚生省のホームページ http://www.mhw.go.jp/ もしくは,エイズ予 防情報センターが提供する「エイズ予防情報ネット」のホームページ http://api-net.jfap.or.jp/ にても ご覧になれます。
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