「線を集めて」平成28年6月29日(水)

学 年
教科等
単元名
第5学年
図画工作科
線を集めて
本実践の
主張
日
時
平成 28 年6月 29 日(水)5校時
本時の導入において材料は異なるが組み方が同じ作品2つの参考作品を提示し,
「どちらが美しいか」と問いま
す。美しいと思う根拠について話し合う中で,材料によって,どのような造形的な特徴が美しさを生み出してい
るかについて気付かせ,表現に生かすことができるようにします。
表現を高め合うための場づくりとして,次の2点を行います。まず,グループで「どんな材料にすればいい?」
という語り出しで話し合う場を設定することで,造形的な特徴やイメージに基づいた話合いが活性化するように
します。次に,材料を1箇所に集めずに,各テーブルに分散させることで,仲間の表現に自然と触れる機会を増
やし,仲間同士のかかわり合いが生まれやすくします。
組み方は同じでも材料は違う作品を比較して鑑賞する
どっちが美しい?
比
較
す
る
鑑
賞
左の方が,線が真っすぐで形がきれいに見えます。
色が白いのも美しいです。
右の方が,ぐにゃぐにゃしたり,古い感じがしたり
して,芸術的で美しいです。
材料によって,形や色,質感が変わるんだね。今日
は,アイデアやイメージをふくらませるために,形だ
けでなく材料についてもいろいろと試してみよう。
語り出しを指定した話合いの場を設定する
表
現
を
高
め
合
わ
せ
る
場
どんな材料にしたらいい?
わりばしじゃなくてストローにしてみたら?
どうして?
だって,ストローにしたら,ツヤもあって色も変えら
れるからおもしろいよ。今の形をそのまま使えるよ。
材料を各テーブルに分散する
モール見っけ! あ,○〇さんは,この材料とあの材
料を組み合わせたんだ。
〇〇さん,竹ひごを曲げてできた形がいいね!
竹ひごが置いてあったところで,〇〇さんがやってい
たのを見てアイデアがひらめいたんだよ。
「どちらが美しいか」という視点で比較する鑑賞を行ったことで,材料がもつ
形や色,質感などの造形的な特徴の効果に気付かせることができた。教師が語り
出しを指定して話し合わせることで,造形的な特徴やイメージを基にした話合い
をさせることができた。しかし,つくる活動中に仲間に積極的にかかわろうとい
う意識はまだ低いので継続して指導を続けていく必要がある。
御意見・御質問はこちら(研究部アドレス)
miyafuken@cc.miyazaki-u.ac.jp
授業実践計画
○
指導計画(6時間)
⑴
⑵
本題材の学習について話し合う。
1時間【関・意・態】
材料の組み合わせ方やつなぎ方を工夫しながら立体に表す。
4時間
・ 材料の組み合わせ方やつなぎ方を試しながら,表し方を考える。・ ・ ・・ ・ 2【発想・構想】
(本時2/2)
・ いろいろな角度から見ながら美しい立体になるようにつくる。・ ・・ ・ ・ ・2【技能】
⑶ 飾る向きを工夫して鑑賞会を開く。
1時間【鑑賞】
○
本時の目標
材料の組み合わせ方やつなぎ方を試しながら,細い材料の特徴を生かした美しい立体にするための表し方を
思い付いつくことができる。
○
指導過程
◎・・・最も主張したい手立て
学習活動及び学習内容
教師のかかわり
1
本時の学習内容について話し合う。
比較鑑賞
・ 材料が異なる作品の比較
○ 本時の課題
◎
○
形は同じであるが,材料が異なる2つの作品を提
示し「どちらが美しいと思うか」と問うことで,材
料による美しさの感じ方の違いに気付くことができ
るようにする。
アイデアやイメージをふくらませるために,
材料:わりばし
材料についてもためそう。
2
本時の学習の進め方について確認する。
○ 材料・時間の確認
○ 仲間とのかかわり方
○
材料:枝
感じたことや造形的な特徴に関して話し合う姿を
示すことで,本時における望ましいかかわり方を共
有できるようにする。
3
これまでにつくった立体について話し合う。
◎ グループで話し合う場を,立体をつくる活動の前
○ できた形と材料
に設定することで,以下のことができるようにする。
「どんな材料にすればいい?」
「ストローしたら」
・ これまでにつくった立体の美しさを造形的な特
「どうして?」
「だって,~」
徴から捉えることができるようにする。
○ つくりたいイメージ
・ アイデアをひらめきやすくしたり,イメージを
「この枝の曲がり具合を生かしたい」
共有し,つくる活動中に仲間に声をかけやすくし
「線を集めて羽のような作品にしたい」
たりする。
4
立体をつくる。
○ 材料の組み合わせ方
・ 枝
・ わりばし
・ ストロー
・ 糸 等
・ 広がり
・ 重なり
・ 並び
・ 奥行き 等
○ つなぎ方
・ タイ
・ 輪ゴム
・ 針金
・ テープ 等
材料:枝
5
9
組み合わせ方:広がり
◎
つなぎ方:タイ
本時の学習についてふりかえる。
○ 美しいと感じる立体にするためのアイデアやイ
メージ
材料を1箇所に固めず,各テーブルの上に分散さ
せておくことで,子どもが材料を取りに行く際に自
然とかかわり合いが生まれるようにする。
○ 仲間の表現のよさを認めたり,自分の表現につい
て仲間に意見を求めたりする望ましいかかわり方を
している子どもの姿を称賛し,かかわり合うことの
よさを共有できるようにする。
○ うまくできずに活動が滞っている子どもを支援す
るために,以下のような手立てをとる。
・ その子どもの課題が解決できそうな仲間とかか
わり合わせる。
・ 材料の組み合わせ方やつなぎ方を例示したヒン
トコーナーの中から,気に入った部品を持ってこ
させ,続きを作らせるようにする。
○ 美しいと感じる立体にするために,思い付いたア
イデアやイメージをふりかえらせることで,発想や
構想が広がったことを実感できるようにする。
本時でめざす子どもの姿
「わりばしよりも枝の方がごつごつした力強さがあっていいな」という話をしていたら,
「曲がった枝同士を組み合わせたら丸になるよね。
」と言われたよ。試してみたら,気に入っ
たので,これを中心にして立体をつくっていこうと思うよ。
【発想・構想の能力】