IRC Section 125 (Cafeteria) Plan 内国歳入規則§125(カフェテリア)プラン ★SECTION 125 の概要 一般的企業は、従業員に対して医療・歯科治療保険や団体生命保険等諸般のベネフィットを提供します。そして、 医療保険料が高騰するにつれ、保険料の一部を従業員の負担とする傾向が加速化しています。また、従業員が負担 する保険料は、通常税引後のいわゆるネット給から支払われています。 企業が内国歳入庁 IRS の規定 Section 125 に定められた従業員福利厚生制度(いわゆるカフェテリア・プラン)を 採用すると、 各従業員は負担すべき費用を、 税引後から税引前の支出へと合法的に転換することが可能になります。 さらに、 この制度により当該保険料だけではなく、 扶養家族や医療保険でカバーできなかった医療費等についても、 税引前の所得から支払うことが認められます。 ★従業員にとっての利点 1 税引後から税引前の支出へと転換するため、当然従業員の所得税は低減する。すなわち、以下の参考例 のように「可処分所得」は増加します。 従業員自身 グロス給与月額 自主的控除額(月額) 自主的控除額の明細 既婚 $4,000.00 $300.00 $50.00 $225.00 $25.00 医療保険料自己負担分 Employee Contribution 扶養家族費用(託児所費用) Day Care Expenses 医療雑費 Unreimbursed Medical Expenses SEC 125 不採用 グロス給与月額 税引前自主控除月額 課税所得 連邦社会保障税SS・FICA (7.5%) 連邦・州所得税 (22.5%) 税引後支出額 純可処分所得月額 純月収増加 純年収増加 SEC 125 採用 4,000.00 4,000.00 -300.00 -900.00 -300.00 2,500.00 4,000.00 -300.00 3,700.00 -277.50 -832.50 2,590.00 90.00 1,080.00 上記の例によれば、所得税・社会保障税の納税額が減少するために将来の連邦社会保障ベネフィットが減額される 理論的可能性は残りますが、一般にはこの制度を活かして可処分所得を増やし、社会保障ベネフィットの減少分を 相殺することは充分可能であると考えられています。 尚、NJ・AL・PA等特定の州では、税引前自主控除分も 州所得税の課税対象所得をして扱われることがありますのでご注意ください。 2 この制度での利点の一つは、従業員が個人の希望や嗜好に沿ったベネフィットを選択できることです。 ただし、一度選択したベネフィットや自主控除額は、 極めて特別な事情が無い限り、制度の年 度内には放棄・変更できません。 ★企業にとっての利点 1 企業は、従業員に対して新たなベネフィットを追加供与することになり、環境厳しい労働市場において、 優秀な人材を獲得・確保するための一助となります。 2 従業員が自主控除を行ないつつ課税所得額を引き下げるため、結果として企業のFICA負担も減少し ます。上記の例では減少額は約12%に及びます。この企業側の実質的節税機能は、401Kなど他の 福利厚生制度には無い本制度の特徴となっています。 3 医療保険のコスト上昇に対して、企業側の負担を軽減する緩衝機能となります。すなわち、一旦この制 度が導入されると、保険料の上昇分を従業員の保険料負担の増加という形で調整することが容易になり、 また従業員側の心理的抵抗感を制御することが可能です。 4 本プランの運営費は、医療保険プランと比べて極めて廉価であり、より多くの 従業員が税引前支出 を行ないつつ企業側のFICAを引き下げることで、充分に採算に見合うものとなります。 5 FICAの減額分は、このプランの運営費用に充当されるだけでなく、401K等年金制度や高級管理 職のための特別ベネフィットの財源にも利用でき、結果として貴社の人事戦略に沿ったベネフィット・ プラン全体の構築に寄与します。 ★PREMIUM ONLY PLAN と FULL PLAN Section 125 は、 一般に Premium Only Plan (POP) と Full Plan あるいは Flexible Spending Plan と呼ばれる二つの方 式に大別されます。 Premium Only Plan (POP)は、文字通り従業員の医療保険料の自己負担部分だけを処理するプランですが、Full Plan や Flexible Spending Plan では前述の扶養家族費用や保険適用を受けられなかった医療費への税引前支出が可能にな ります。特に、託児所の費用や医療費用の部分は、現行の税制下ではその全額を確定申告において所得控除するこ とは不可能に近く、このプランでの処理がより有利であるとされています。 ここで、この制度内で選択・処理可能な各種のベネフィットを、内国歳入庁の規定より抜粋します。 団体医療保険 団体歯科治療保険 団体眼鏡保険 団体処方薬保険 団体長期所得補償保険 団体定期生命保険 扶養家族関係費 保険適用対象外医療費 (注1) (注2) (注3) (注3) Group Medical Insurance Group Dental Insurance Group Vision Care Insurance Group Prescription Drug Insurance Group Long-Term Diability Insurance/LTD Group Term Life/AD&D Insurance Dependent Care (Day Care & Babysitter) Unreimbursed Medical Expenses (注1)各医療保険会社は、医療保険契約につき企業側が必ず保険料の一定割合を必ず負担することを条件としているため、たとえ IRS が認めて いても、保険料全額を従業員に負担させることは実務上不可能であると判断される。 (注2)保険料を全額従業員負担としてこの制度で処理した場合、税務の一般的原則により所得補償保険の給付金は従業員の課税対象所得とみな される。また、企業が全額を負担して経費処理した場合にも、給付金は同様に課税対象所得となる。従って、実務上大多数の企業は、従業員が非 課税で給付を受けられるよう長期所得補償保険の保険料の損金・経費処理を行なっていない。 (注3)内国歳入庁規定第89条により、企業が経費処理できる保険金額は最高$50,000 に制限される。また、各保険会社は従業員による団体生命 保険の保険料負担ほとんど認めないので、この制度で処理すべき従業員負担の生命保険料は、いわゆる「選択制任意団体生命保険 Voluntary Life」 もベネフィットとして設定されている場合で、かつ基本的な団体生命保険の保険金額と$50,000 との差額分に限定される。 (注4)医療・歯科治療保険の自己負担割合 Co-Insurance や暦年・一時免責額 Deductible / Co-Payment および保険適用の無い医療・歯科治療費が これにあたる。 ★SECTION 125 の制度運営 ここでは、制度運営に関わるいくつかの重要ポイントを観ておきます。 1 内国歳入庁規定 SECTION 89(K)と運営の基本 最も基本的な問題は、この制度が内国歳入庁の定める規則と基準によって運営されなければならないということで す。この基準とは、優遇税制の対価としての「公正性」と「平等性」であり、従業員に対する差別的取り扱いを厳 禁していることです。これは401K等いわゆる優遇税制適格年金制度と全く同質の基準と言えます。 そのため、制度に関する重要な規定については、すべて内国歳入庁に提出することになっている Summary Plan Description と呼ばれる文書において明文化することが義務付けられており、具体的には以下の項目を含みます。 選択可能なベネフィットの詳細な説明 制度参加についての従業員の資格要件 ベネフィット選択の詳細な手順 ファンドへの拠出方法と限度額 払戻方法の詳細な手順 制度の会計年度の始期ならびに終期 さらに、制度下にあるファンドの出納年次報告書の作成と従業員への配付、Form 5500 等企業の確定申告書類の作 成が付随的に行なわれます。 2 企業・雇用者の制度発足資格要件 株式会社、非株式会社のいずれでも制度を発足させることができます。ただし、非株式会社の所有者個人(オウナ ー)自身は、この制度に参加することはできません。 3 参加従業員の資格要件と制限 基本的に全ての従業員が対象となります。現行連邦法の基準により、週30時間以上勤務するパートタイム従業員 には、フルタイムの正規従業員と同等のベネフィットを供与する旨定められていますので、実務上はこれらの従業 員が加入有資格者であると考えて良いでしょう。 また、労働組合との協約 Collective Bargaining Agreement の対象となるユニオン従業員の場合には、年金制度等と同 様にこの制度への加入から除外されることもあるので、注意が必要です。 4 制度発足の時期に関する制限 特段の規制はありません。ただし、会計処理の便宜上通常ある月の初日付で発足し、1年間のプラン・イヤーを設 定します。現実的には従業員個人の確定申告の便宜を考慮し暦年に準じるか、控除額が変化する医療保険の更改時 合わせることが多いと思われます。 5 従業員の自主控除方法 通常毎回の給与からの自動徴収によりますが、例えば隔週支払の場合でも、その都度徴収する必要は無く、月一回 といった方式でも問題ありません。外部のペイロール・サービス会社をご利用の場合では、控除額について正確に 通知することが肝要です。保険料の部分については、制度発足前を同様に企業が全保険料を送金する一方、扶養家 族費用や医療費用の控除分は、従業員が随時回収できるように、企業から遅滞無くプラン運営代行会社に送金され なければなりません。 6 ファンドに対する課税 ファンドとして一旦拠出された部分については、連邦所得税は課税されません。ただし、前述した特定の州では州 所得税の対象となることがあります。 7 制度の会計年度で残存するファンドの処置 未使用・未償還の残存ファンドは、基本的に没収となり従業員には返還されないので、この点注意が必要です。一 般的にこの概念を「USE IT, OR LOSE IT.」と言います。 医療保険等の各種団体保険が、従業員福利厚生制度の「保険的処理」の部分である一方、401Kのような年金プ ランは「非保険的処理」の部分と言えるでしょう。それらに対し以上概略をご説明申し上げましたこの Section 125 (Cafeteria) Plan は、将に両者をつなぎ貴社の従業員福利厚生制度を完成するシステムと考えられます。 弊社では、貴社の制度発足をご支援申し上げるため、弊社自体のプラン導入経験を踏まえ最深度のコンサルティシ ョンをご提供申し上げるとともに、従業員にとり魅力的で、本制度に適したガン保険・集中治療室保険等の各種付 帯保険プログラムをご検討いただけます。 Employee Contribution & AFLAC Section 125 Plan 従業員の医療保険料自己負担と§125プラン 基本政策例とポイント 1 2 3 家族分の医療保険料は100%従業員自己負担とする。 従業員分医療保険に関しては20%従業員自己負担とする。 この際、従業員の手取り給与の減少を抑さえるため、自己負担分を課税前のグロス給与から合法的に払 い出せれば、大変良い。 4 5 その為、§125プランを導入することが不可欠である。 この結果、課税所得が低下するので、企業負担部分の FICA(連邦社会保障税)も低下する。 米国歳入庁§125プラン(カフェテリア・プラン) 1 2 3: §125に規定された、特定の費用のグロスからの控除を特認する制度。 従業員負担の保険料だけを対象とする簡易な POP と、他の福利厚生機能を有する FULL PLAN に大別さ れる。 ここでは、基本的に POP をベースに検討を進める。 §125プランの導入方法の概要と選択肢 1 2 3 401k等年金制度導入時か以後に、同じサービス会社に委託、または 独自に Software を購入し、社内 Administration を実施、または AFLAC 社の保険プラン手配と同時に、同社に委託 1の選択肢は401k等の実施が前提となるので、常時可能の選択肢ではなく、3の場合は初期投資として$3,000 程度で可能と思われるが、IRS への届出等自力で実施するのは時間がかかる。その点で3の方式がもっとも簡便か つ経済的であると思われる。 AFLAC 社のサービス構造概要 1 2 3 4: §125プラン運営(IRS 関係手続きを含む)を無料で提供する。 但し、全従業員に対して、全体・個別の説明会を実施の上、ガン保険・集中治療室費用保険など特殊保 険プランに最低3名加入することが条件。 これらの保険に関わる保険料は、従業員が自己負担することが多く、従ってその保険料をこの§125 プランにて処理することになる。 保険自体は米国の一般的企業保険プランの中にないが、補償が低めに設定されている点を補足するもの で、保険が重複することはない。 本制度の早期導入をご検討の上、弊社担当者までご下命いただきますようお願い申し上げます。 注意: 本稿記載の情報は、保険ならびに弊社業務に関わる問題の概要を一般的にご紹介・ご案内するだけの目的によって作成されており、本稿 に含まれる法律に関係する記述は、いかなる意味でも法律上の専門的説明を意図するものではありません。法律上のご相談ならびに解釈は、貴社 顧問弁護士にご照会いただくようお願いいたします。 本稿の内容については、作成・訂正時点で可能な限り最新かつ正確な情報を盛り込むよう努力いたしましたが、お読みになる現時点での情報の正 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