食後血糖値の管理に関する ガイドライン 食後血糖値の管理に関する ガイドライン ウェブサイト この文書はwww.idf.orgで閲覧可能。. 問 い 合わせ 先 および 国 際 糖 尿 病 連 合 (International Diabetes Federation:IDF)か らの関連文献 問い合わせ先:Professor Stephen Colagiuri, Boden Institute of Obesity, Nutrition and Exercise, University of Sydney, Camperdown 2006, NSW, Australia scolagiuri@med.usyd.edu.au ガイドラインに関する指針(Guide for Guidelines)を含 むその他のIDF刊行物はwww.idf.orgで閲覧もしくは, IDF事務局に請求。 International Diabetes Federation, Avenue Emile De Mot 19, B-1000 Brussels, Belgium communications@idf.org 謝辞および後援団体の利害関係の二重性 本活動は以下の企業から使途非制約教育助成金を受け た。 • Amylin Pharmaceuticals • Eli Lilly and Company • Life Scan, Inc. • Merck & Co. Inc • Novo Nordisk A/S • Roche Diagnostics GmbH • Roche Pharmaceuticals これらの企業はガイドライン作成に参加していない。 しか し,上記企業およびIDFの連絡リストに記載されたその他 の営利団体には,ガイドラインの草稿版に意見を寄せる よう依頼した(「方法」参照)。 著作権 転載禁止。いかなる形態またはいかなる手段によっ ても,IDFから書面による事前許可を得ることなく本 刊行物のいずれの部分も複製または転送してはな らない。IDF刊行物の複製または翻訳の依頼は,IDF Communications, Avenue Emile De Mot 19, B-1000 Brussels(郵便),+32-2-538-5114(ファックス), または communications@idf.org(電子メール) まで。 © International Diabetes Federation 2007 ISBN 2-930229-59-4. 食後血糖値の管理に関する ガイドライン 方法 本ガイドライン作成に使用された方法は,IDFのガイドラ インに関する指針(www.idf.org)に記載された原則に 概ね則っているので, ここでは詳述しない。 要約すると, • 本ガイドライン作成過程には,糖尿病患者,多様な専門 分野の医療従事者,非政府組織職員などさまざまな立場 の人々が関与した。プロジェクトは運営委員会(「運営委 員会」参照)が監督し,ガイドライン作成グループ(「ガイド ライン作成グループ委員」参照)全体から意見が寄せられ た。 • ガイドライン作成グループには, ガイドライン作成,医 療開発,および医療提供の経験をもっている者,ならび に糖尿病患者が含まれている。 • 地域代表には,経済発展状況の異なるすべてのIDF加盟地 域およびIDF加盟国を含む(「ガイドライン作成グループ委 員」参照)。 • 本ガイドライン作成に使用されたエビデンスには,主要 メタアナリシスの報告,エビデンスに基づく総説,臨床試 験,コホート研究,疫学研究,動物および基礎科学的研 究,ポジションステートメント,ならびにガイドライン(英 語のみ)を含んでいる。糖尿病の知識をもつ科学ライタ ーがPubMedや他の検索エンジンを用いてコンピュータ ーによる文献検索を行い,関連する報告を入手した。糖 尿病に関して,医学図書館受入雑誌の詳細な調査,なら びに関連総説記事の参考文献,主要な教科書,および国 内会議や国際会議の議事録の検討を,適切な表題と本 文中の語句(例えば食後,高血糖,食事時間,自己測定, 酸化ストレス,炎症)を検索基準に用いて実施した。食後 血糖値および負荷後血糖値の両方に関係するエビデンス を検討し,必要に応じて引用した。全般的な検索で同定 されなかった最近のガイドライン,ポジションステートメ ント,および最近の記事も検討し,疑問点に該当しそうな 追加情報を入手した。各報告の参考文献情報を網羅する 電子データベースを作成した。報告の大半について、その 抄録がデータベースに入れられた。運営委員会の委員に は,疑問点に関連する報告や刊行物をさらに見つけるよ う求めたところ、計1,659件の報告が見つかった。 • エビデンスステートメントは,選択した報告の検討を基 に編集した。 これらのステートメントおよびそれを支持す るエビデンスは,検討および意見を求めるために運営委 員に送られた。 • ガイドライン作成委員会は,エビデンスステートメント およびそれを支持するデータについて考察し,推奨を作 成する目的で召集された。推奨は,可能な限りエビデン スの評価に基づく科学的実証レベルに従って作成した。 しかし,裏付けとなる研究が不十分な場合には運営委員 会が合意による推奨を考案した。 • ガイドライン草稿は, さらに広く外部の審査を受ける 目的で,IDF加盟協会,IDFが選出した国際代表や地域代 表,関心を示す専門家,産業界,およびIDF連絡リスト上 のその他の記載先など計322件に送付された。7カ所の IDF加盟地域のうち5カ所(アフリカ,東南アジア,西太平 洋,北米, ヨーロッパ)の外部審査員20名から38件の意 見が寄せられた。これらの意見は運営委員会が検討し て,最終文書の作成時に考慮に入れた。 • 最終ガイドラインは書面およびIDFのウェブサイトで入 手可能である。使用されたエビデンスの情報源(または エビデンスへのリンク) も利用可能となる。 • IDF は本ガイドラインの検討および更新を行う必要性 について3年以内に検討する。 • 主要な報告は,支持するものか否かを問わず検討し, 本ガイドラインで扱う疑問点との関連に基づいて要約し た。エビデンスは表1に示す基準に沿って評価した。推奨 を支持するために引用したエビデンスは,ガイドライン 作成委員会に関与しない2名の独立した外部審査員が 検討した。その後,外部審査員の意見を運営委員会で検 討した。 食後血糖値の管理に関する ガイドライン ガイドライン作成委員会委員 運営委員会 • Antonio Ceriello, 委員長, コベントリー,イギリス • Stephen Colagiuri, シドニー,オーストラリア • John Gerich, ロチェスター, アメリカ • Jaakko Tuomilehto, ヘルシンキ, フィンランド 作成グループ • Monira Al Arouj, クウェート • Clive Cockram, 香港,中国 • Jaime Davidson, ダラス, アメリカ • Colin Dexter, オックスフォード,イギリス • Juan Jose Gagliardino, ブエノスアイレス,アルゼンチン • Stewart Harris, ロンドン, カナダ • Markolf Hanefeld, ドレスデン, ドイツ • Lawrence Leiter, トロント, カナダ • Jean-Claude Mbanya, ヤウンデ, カメルーン • Louis Monnier, モンペリエ, フランス • David Owens, カーディフ,イギリス • A Ramachandran, チェンナイ,インド • Linda Siminerio, ピッツバーグ, アメリカ • Naoko Tajima, 東京, 日本 *医学ライター Christopher Parkin, インディアナポリス, アメリカ 利害関係の二重性 論題ならびに営利事業,政府,非政府団体との関係に関 して,ガイドライン作成委員会の委員は利害関係の二重 性が適切であることを言明している。ガイドライン作成委 員には,本活動に関連する報酬は支払われなかった。 IDF 事務局 Anne Pierson 食後血糖値の管理に関する ガイドライン 表1 エビデンスのグレーディング基準* Level エビデンスのタイプ 1++ • 質の高いメタアナリシス,無作為化比較対照試験 (RCTs), の系統的検 討, またはバイアスのリスクがきわめて低い RCT 1+ • 適切に実施されたメタアナリシス,RCTの系統的検討, またはバイア スのリスクが低いRCT 1- • メタアナリシス,RCTの系統的検討, またはバイアスのリスクが高い RCT • ケース管理研究またはコホート研究の質の高い系統的検討 2++ • 質の高いケース管理研究またはコホート研究で,交絡バイアスのリス クがきわめて低く因果関係がある可能性が高いもの 2+ • 適切に実施されたケース管理研究またはコホート研究で,交絡バイ アスまたは偶発事象のリスクが低く因果関係がある可能性が中程度 のもの • 適切に実施され,バイアスのリスクが低い基礎的研究 2- • ケース管理研究またはコホート研究で,交絡バイアスまたは偶発事象 のリスクが高く,因果関係がない可能性が高いもの 3 • 非分析的研究(例えば症例報告,症例集積) 4 • 専門家の意見 * スコットランド大学間ガイドラインネットワーク 「Management of Diabetes: A national clinical guideline」 (2001年11月) より。 .01 序言 食後血糖値の管理に関する ガイドライン 全世界で推定2億4,600万人が糖尿病に罹患している [1]。糖尿病は先進国の大半で主な死因に関連しており, 多くの開発途上国や新興工業国でも流行病と言えるほど まで拡大しているという多くのエビデンスがある [1]。 管理不良の糖尿病は,神経障害,腎不全,失明,大血管疾 患,下肢切断といった合併症の発症と関連している [2~ 6] 。大血管合併症は糖尿病患者の主な死因である [7] 。 ま た,管理不良の糖尿病とうつ病との強い関連が報告され ており [8,9], これにより効果的な糖尿病管理に深刻な支 障をきたすおそれがある。 大規模な比較対照臨床試験では,糖尿病の強化治療に よって糖尿病細小血管合併症の発症や進展が有意に抑 制できることが立証されている [2~4,10]。 さらに,1型糖 尿病または耐糖能障害(Impaired Glucose Tolerance : IGT)を有する患者における強化血糖値管理は心血管疾 患のリスクを低下させる[11,12]。細小血管合併症およ び大血管合併症のいずれを減少させる上でも血糖値に 閾値はなく,糖化ヘモグロビン(HbA1c)値が低いほどリ スクも低下する [13]。 血糖値と心血管リスクとの連続的な関係は,糖尿病域を はるかに下回っても存在する [14~18]。 また,Stettlerら による最近のメタアナリシス[13]では,1型または2型の 糖尿病患者において血糖値管理の改善が大血管イベン トの発生頻度を有意に減少させることが立証された。 最近まで,HbA1c値の低下がもっとも一般的な治療の焦 点であり,空腹時血糖値に強く重点が置かれてきた[19] 。 空腹時高血糖の管理は必要であるが,最適な血糖値管理 を得るためには通常不十分である。食後血糖値の急激な 上昇を抑えることはHbA1cの目標値を達成することと同 様に[20],あるいはそれ以上に重要である可能性を示 唆するエビデンスが増えてきている [3,21~25]。 目的 本ガイドラインの目的は,食後血糖値と糖尿病合併症発 症との関係について述べた報告のデータを提示すること である。 これらのデータに基づいて,1型および2型糖尿病 患者における食後血糖値の適切な管理のための推奨を 作成した。妊娠中の食後血糖値管理については本ガイド ラインでは扱っていない。 推奨は,その地域で利用可能な治療法や資源を考慮し ながら,1型および2型糖尿病患者の効果的な食後血糖 値の管理戦略を整備し,臨床医や団体を支援することを 目的としている。糖尿病管理のこの分野に関しては文献 から貴重な情報やエビデンスが得られるが,食後血糖値 と大血管合併症との因果関係,ならびにインスリン治療 を行っていない2型糖尿病患者における自己血糖測定( Self Monitoring of Blood Glucose :SMBG)の有用性が 不確かであることを考慮すると, こうした問題を明確に理 解するためにさらなる研究が必要である。依然として,論 理と臨床判断が糖尿病治療およびガイドライン推奨の実 施に不可欠な要素である。 推奨 推奨作成の基盤として,ガイドライン作成グループは糖 尿病管理における食後高血糖の役割と重要性に関連す る4つの問いに取り組んだ。推奨を支持するエビデンス をエビデンスステートメントとして示す(ステートメント の最後にエビデンスレベルを示す)。 食後血糖値の管理に関する ガイドライン 問1 食後高血糖は有害か? 主要なエビデンスステートメント 推奨 • 食後および負荷後高血糖は大血管疾患の独立した 危険因子である。[レベル1+] 食後高血糖は有害で,対策を講じる必要が ある。 その他のエビデンスステートメント • 食後高血糖は網膜症発症リスクの上昇と関連する。 [レベル2+] • 食後高血糖は頸動脈内膜中膜肥厚(Intima Media Thickness:IMT)の進行と関連する。[レベル2+] •食 後高血糖は酸化ストレス,炎症,および内皮機能 不全の原因となる。[レベル2+] • 食後高血糖は心筋血液量および心筋血流の減少と 関連する。[レベル2+] • 食後高血糖は癌発症リスクの上昇と関連する。 [レベル2+] • 食後高血糖は高齢2型糖尿病患者の認知機能障害と 関連する。[レベル2+] 問2 食後高血糖の治療は有益か? エビデンスステートメント • 食後血糖値を標的とする薬剤による治療は血管イベン トを減少させる。 [レベル1-] • 食後および空腹時血糖値の両方を標的とすること は,最適な血糖管理を達成する上で重要な戦略で ある。[レベル2+] 推奨 食後高血糖を呈する者に対して,食後血糖値 を低下させる治療戦略を実施する。 食後血糖値の管理に関する ガイドライン 問3 食後血糖値の管理にはどのような治療法が有効か。 エビデンスステートメント 推奨 • 糖負荷の低い食事は食後血糖値の管理に有益であ る。 [レベル1+] 食後血糖値を標的とするためには,種々の非 薬物療法および薬物療法を考慮すべきであ る。 • いくつかの薬剤は選択的に食後血糖値を低下させ る。 [レベル1++] 問4 食後血糖値管理の目標は何か, それをどのように評価すべきか。 エビデンスステートメント 推奨 • 正常耐糖能者では,食後血糖値が7.8mmol/L( 140mg/dL)を超えて上昇することはほとんどなく, 一般的に摂食後2~3時間で基礎値に戻る。 [レベル2++] • 低血糖とならない限り,食後2時間血糖値は 7.8mmol/L(140mg/dL) を超えてはならな い。 • IDFおよびその他の団体は,正常耐糖能を75 gのブ ドウ糖負荷後2時間値7.8mmol/L(140mg/dL)未満 と定義している。 [レベル4] • 血糖値測定(SMBG) を考慮すべきである。 というのも本法が現時点でもっとも実際的 な食後血糖のモニタリング法だからである。 • 大半の主要糖尿病団体および医師会が発行するガ イドラインと同様であるため,血糖測定には2時間 の時間枠が推奨される。 [レベル4] • 目標とする食後血糖値の達成に向けて治療 を進めるために,治療効果のモニタリングを 必要に応じた頻度で実施すべきである。 • SMBGは現在のところ血糖値を評価する最善の方法 である。 [レベル1++] • 一般的に,インスリン治療中の患者では少なくとも 1日3回SMBGを実施することが推奨される。インスリ ン治療を行っていない患者では,SMBGの実施頻度 は各患者の治療法および管理の程度に応じて個別 に考慮すべきである 。 [レベル4] .02 背景 食後血糖値の管理に関する ガイドライン 正常耐糖能者の食後血糖値 正常耐糖能者では,血糖値は通常,食事に反応して 7.8mmol/L(140mg/dL) よりも上昇することはなく,一 般的に2~3時間以内に食前値に戻る [26,27]。世界保 健機関は正常耐糖能を,経口糖負荷試験で75 g糖負荷 後2時間値が7.8mmol/L (140mg/dL) 未満と定義してい る [28] 。本ガイドラインでは「食後高血糖」 を摂食2時間 後の血糖値が7.8mmol/L(140mg/dL) を上回る場合と 定義する。 食後高血糖は2型糖尿病に先んじて生じる 糖尿病患者では大血管疾患のリスクが上昇する 大血管疾患は頻繁にみられる糖尿病合併症であり [41] ,2型糖尿病患者の主な死因である [7] 。最近のメ タアナリシス[42] で,2型糖尿病患者は糖尿病非罹患 者と比較して心筋梗塞(Myocardial Infarction:MI)お よび脳卒中の相対リスクが40%近く上昇したと報告さ れた。Coutinhoらによるメタ回帰分析[43] では,血糖 値と心血管リスクとの連続的な関係は糖尿病域を下 回っても存在することが示された。IGTを呈する者のリ スク上昇は2型糖尿病患者のおよそ3分の1であった [17,18,42,44,45] 。初期の研究は,頸動脈IMTと膝窩動 脈IMTのいずれもが脳動脈, 末梢動脈, および冠動脈の 血管系を侵す臨床的に明らかな心血管疾患と直接関係 し,MIおよび脳卒中のリスク上昇と関連することを明ら かにした[46,47] 。 2型糖尿病の発症は,進行性のインスリン作用の低下 と,β細胞機能ひいてはインスリン分泌の間断なき低 下を特徴とする [29,30] 。 これらの代謝異常は臨床的に 明らかな糖尿病よりも前に, まず食後血糖値の上昇と して現れるが, これは第1相インスリン分泌が失われ, 複数の機序が血管損傷に関係する 末梢組織でのインスリン感受性が低下し, インスリン欠 乏の結果, 食後の肝糖放出抑制が減少して生じる [29~ 高血糖と酸化ストレスには因果関係があるという仮説 31]。最近明らかになったエビデンスでは,食後血糖値 は,多数の研究によって支持されている [48~53]。酸 は以下に挙げる物質の欠乏によって上昇することが示 化ストレスは,2型糖尿病に随伴する大血管合併症と細 されている。原因となる物質とは,通常β細胞がインス 小血管合併症の両方の根本的原因であるとされている リンと共に分泌する血糖調節ペプチドであるアミリン[ [54~56] 。 現在のところ, 高血糖,遊離脂肪酸,およびイ 32,33] ,ならびに消化管から分泌されるインクレチンホ ンスリン抵抗性が酸化ストレス, プロテインキナーゼ‐ ルモンであるグルカゴン様ペプチド‐1(Glucagon-like C(Protein Kinase C:PKC)の活性化,最終糖化産物受 peptide-1:GLP-1) およびグルコース依存性胃抑制ペプ 容体(Receptor for Advanced Glycation Endproducts: チド (glucose-dependent insulinotropic polypeptide: RAGE)の活性化を促進し,血管収縮,炎症,血栓症につ GIP) である [34,35] 。 日中の食後血糖値が徐々に管理さ ながるという考え方が提唱されている [57] 。 れなくなると, 夜間空腹時における血糖値管理が段階的 この機序では,急性高血糖および血糖変動が重要な役 に悪化し,糖尿病が増悪するというエビデンスがある 割を担うと考えられる。ある研究[58] では,培養ヒト臍 [36] 。 帯静脈内皮細胞をグルコース濃度が比較的安定した 環境およびグルコース濃度が変化する環境に置いてア 糖尿病では食後高血糖がごく一般的にみられる ポトーシスを検討した。 この研究では, グルコース濃度 食後高血糖は,1型および2型糖尿病患者ではきわめ の変動は,一定の高濃度グルコースよりも有害となり得 て頻繁にみられる現象であり [37~40] ,HbA1cで評価 ることを示した。 した場合には,全体的な代謝管理が十分と考えられる 場合でさえ生じることがある [38,40]。2型糖尿病患者 443例の横断研究では, 対象者の71%で食後2時間血糖 値の平均が14mmol/L (252mg/dL) を上回った [37] 。 イ ンスリン治療を行っていない2型糖尿病患者3,284例を 対象に,血糖日内変動を1週間にわたって収集し調査し た研究[40]では,対象者の84%で8.9mmol(160mg/ dL) を上回る食後血糖値が少なくとも1回は記録された ことが明らかとなった。 11 食後血糖値の管理に関する ガイドライン 培養ヒト臍帯静脈内皮細胞のPKCβ活性においても, 安定したグルコースと,高値と低値とを交互に繰り返 すグルコースとの間で同様の関係が認められている。 PKCβ活性は,濃度が安定したグルコース (低濃度また は高濃度)に曝露した細胞と比べて濃度が交互に変化 するグルコースに曝露した細胞で有意に高かった [59] 。 この効果はニトロチロシン (ニトロソ化ストレスのマー カー)の形成や,E‐セレクチン,細胞間接着分子‐1 (Inter Cellular Adhesion Molecule-1:ICAM-1) ,血管 細胞接着分子‐1 (Vascular Cell Adhesion Molecule-1: VCAM-1) , インターロイキン‐6(IL-6)など種々の接着 分子の産生にも当てはまる [60] 。 問 1: 食後高血糖は有害か。 疫学研究は,食後血糖や負荷後血糖と心血管疾患リス クおよび心血管疾患の予後との強い関連を示している [17,20,22,61] 。 さらに,膨大なエビデンスが食後高血糖と 酸化ストレス [62] ,頸動脈IMT[25] ,および内皮機能不全 [53,63] との因果関係を明確に立証しており, これらは いずれも既知の心血管疾患マーカーである。食後高血 糖は網膜症[21] ,高齢者の認知機能障害, [64]特定の癌 [65~69]の発症とも関連している。 食後高血糖および負荷後高血糖は大血管疾患の独立した 危険因子である [レベル1+] The Diabetes Epidemiology Collaborative Analysis of Diagnostic Criteria in Europe (DECODE)試験[17]およ びThe Diabetes Epidemiology Collaborative Analysis of Diagnostic Criteria in Asia (DECODA) 試験[18] で は, ヨーロッパ系とアジア系の男女多数を対象とした前 向きコホート研究で得たベースラインおよび糖負荷後 2時間血糖値を分析して, 空腹時血糖値よりも負荷後2時 間値の方が心血管疾患や全死亡率のより優れた予測因 子であることを明らかにした。 Levitanら [22]は前向き研究38件のメタアナリシスを実 施して,非糖尿病域の高血糖が致死的および非致死的 心血管疾患のリスク上昇と関連することを確認したが, イベントと空腹時血糖値との関係あるいは負荷後2時間 値との関係は同様であった。分析では,空腹時血糖値を 報告した12件の研究と負荷後血糖値を報告した6件の 研究を用いて用量反応曲線を推定した。 心血管イベント 12 は線形様式で増加し, 食後2時間値には閾値がなかった が,空腹時血糖値では5.5mmol/L(99mg/dL)に閾値効 果の存在する可能性が示された。 同様に,男性1,236例を平均13.4年間追跡して空腹時血 糖値や食後2時間値と全死亡率との関係を明らかにし たBaltimore Longitudinal Study of Aging[20] では, 空腹時血糖値が6.1mmol/L(110mg/dL) を上回ると全 死亡率は有意に上昇したが,それよりも低い空腹時血 糖値ではリスクは上昇しなかった。 しかし,食後2時間 値が7.8mmol/L(140mg/dL)を超えるとリスクは有意 に上昇した。 糖尿病患者全般にまで対象を広げて観察を行ったとこ ろ,2型糖尿病,特に女性の2型糖尿病では,空腹時血 糖値よりも食後血糖値の方が確固とした心血管イベン ト予測因子であった。 食 後 高 血 糖 は 網 膜 症 発 症リスクの 上 昇と関 連 する [レベル2+] 負荷後高血糖および食後高血糖が糖尿病大血管疾患 の発症と進展に関与していることは良く知られているが [17,22],食後高血糖と細小血管合併症との関係につ いてのデータは限られている。 最近日本で実施された前 向きの観察研究[21] では,食後高血糖はHbA1c値より も優れた糖尿病網膜症予測因子であることが立証され た。研究者らは,インスリン注射による治療を行ってい ない2型糖尿病患者232例の横断研究を実施した。重 回帰分析から,食後高血糖は糖尿病網膜症および糖尿 病神経障害の発症と独立して相関していることが明らか にされた。 さらに,独立した危険因子ではないものの, 食後高血糖は糖尿病腎症の発症とも関連していた。 食後高血糖はcarotid intima-media thickness (IMT)の 進行と関連する [レベル2+] 食後血糖値の急激な上昇と頸動脈IMTとに明らかな相 関のあることが非糖尿病例403例で示されている [25] 。 多変量解析では,年齢,性別(男性),食後血糖値,総コ レステロール値,およびHDLコレステロール値が頸動脈 IMT増加の独立した危険因子であることが認められた。 食後血糖値の管理に関する ガイドライン 食後高血糖は酸化ストレス,炎症,および内皮機能不全を 引き起こす[レベル2+] 血糖の急性変動の研究[70] では,非糖尿病例と比較し て,2型糖尿病患者では慢性的に持続する高血糖よりも 食後の血糖変動の方がより特異的な酸化ストレス誘発 作用を示すことが明らかにされた。別の研究[71] では, 2型糖尿病患者および食後高血糖を呈する者において は日中に食事誘発性の酸化ストレスに曝される期間の あることが示された。 接着分子は動脈硬化の発症に重要な役割を果たすが [72] , 接着分子の濃度上昇が糖尿病患者で報告されて いる [48] 。Cerielloら [48,62]が3種の異なる食事(高脂 肪食, ブドウ糖75 gのみ,高脂肪食+ブドウ糖75 g)の 影響を2型糖尿病患者30例および非糖尿病例20例で検 討したところ,食後の高トリグリセリド血症および高血 糖は, ICAM-1, VCAM-1, E‐セレクチンの血中濃度に対 して独立した蓄積効果を示すことが明らかにされた。 正常耐糖能,IGT, または2型糖尿病患者で経口糖負荷 に反応して生じる急性高血糖は,内皮依存性の血管拡 張を速やかに抑制し内皮からの一酸化窒素放出を障 害する [63]。別の研究では,健常者の急性高血糖が内 皮依存性の血管拡張を障害し [53],血栓症の促進,可 溶性接着分子の循環血中濃度上昇, およびQT間隔延長 [52]をもたらす可能性もあることが明らかにされてい る。 食後高血糖は心筋血液量および心筋血流の減少と関連す る [レベル2+] 食後高血糖は癌発症リスク上昇と関連する [レベル2++] 食後高血糖は膵癌の発症に関与している可能性があ る[65~67]。成人男女35,658例を対象とした前向き 大規模コホート研究[65] では,膵癌の死亡率と負荷後 血糖値との間に強い相関が認められた。 負荷後血糖値 が6.7mmol/L(121mg/dL)未満に保たれた者と比較し て, 負荷後血糖値が11.1mmol/L(200mg/dL) を上回っ た者の膵癌発症の相対リスクは2.15であった。 この関連 は女性よりも男性で強かった。 食後血糖値上昇に関連す る膵癌発症のリスク上昇は他の研究でも認められている [66,67] 。 スウェーデン北部で女性33,293例,男性31,304例, うち 癌発症例2,478例を対象に実施された研究によれば, 10年間の癌発症の相対リスクは,空腹時血糖値が最高 四分位に入る女性では最低四分位に入る女性と比較し て1.26, 負荷後血糖値が最高四分位に入る女性では最 低四分位に入る女性と比較して1.31でそれぞれ有意に 上昇した[74] 。男性では有意な関連は認められなかっ た。 食後高血糖は高齢2型糖尿病患者の認知機能障害と関連 する [レベル2+] 食後高血糖は2型糖尿病を有する高齢者の認知機能に も悪影響を及ぼすおそれがある。 ある研究 [64] では, 著 しく高い食後血糖値(11.1mmol/L[>200mg/dL ] )は全 般的機能, 遂行機能, および注意機能の障害と関連する と報告している。 ある研究では,標準化されたミックス食が心筋灌流 に及ぼす影響を,非糖尿病例20例および大血管合併 症や細小血管合併症のない2型糖尿病患者20例で 評価した[73]。空腹時の心筋血流速度(Myocardial Flow Velocity:MFV) ,心筋血液量(Myocardial Blood Volume:MBV),および心筋血流(Myocardial Blood Flow:MBF)に対照群と糖尿病患者群の間で差は認め られなかった。 しかし,食後の状態では,MBVとMBFが 糖尿病患者で有意に減少した。 13 食後血糖値の管理に関する ガイドライン 問 2: 食後高血糖の治療は有益か? C反応性蛋白質の減少も, グリブリド*群よりもレパグリ ニド*群で有意に大きいことが認められた。 IGTを呈する者における介入研究でも, プラセボ群と比 較してアカルボース投与群では頸動脈IMTの進行が有 意に抑制されることが明らかにされた[11] 。 大規模無作為化臨床試験の所見から,HbA1c値で評価さ 食後血糖値の管理が心血管リスクの代理マーカーを れる厳格な血糖値管理は糖尿病の慢性合併症の発症や 低下させる有益性を有するという間接的なエビデンス 進展を有意に抑制し得ることが示されている [2~4,15]。 もある。食後血糖値管理を目的とした超速効型インス さらに,合併症を減少させる上では血糖値に閾値はない リンアナログの投与はニトロチロシン[77],内皮機能 と考えられる [15]。HbA1cは過去60-90日間の空腹時血 [78] , メチルグリオキサル (MG) , および3‐デオキシグ 糖値と食後血糖値の平均値の尺度であるため,最適な ルコソン (3-DG) [79] といった心血管リスクマーカーに 血糖値管理を達成するためには空腹時と食後の両方の 好影響を与える。同様の改善がアカルボース療法でも 血糖値を標的とする治療法が必要である。 報告されている [80] 。 さらに,2型糖尿病ではMBFが食 後に減少するが,超速効型インスリンアスパルトを用 いて食後高血糖のみを管理すると,MBFが増加する可 食後血糖値を標的とする薬剤による治療は血管イベント 能性もある [81] 。同様の関係が1型糖尿病患者の食後 を減少させる [レベル1-] 高血糖とMG値および3-DG値との間でも示されている [79]。1型糖尿病患者ではインスリンリスプロ投与が 今までのところ,食後血糖値の管理が大血管疾患に及 MG値および3-DG値の急激な上昇を有意に抑制し, こ ぼす影響について特異的に検討した研究で完了してい れらの減少はレギュラーインスリン治療と比較して食 るものはない。 しかし,食後血糖値を標的とした治療法 後血糖値の急激な上昇の程度が軽度であることと強く を支持するいくつかのエビデンスがある。 相関している。 アカルボースは上部小腸で二糖類および多糖類(デン プン)がグルコースへと分解されるのを遅らせることで (基準値を)逸脱した食後血糖値を特異的に低下させ るαグルコシダーゼ阻害薬であるが, Hanefeldらによる メタアナリシス [23] では, 選択されたすべての心血管イ ベントカテゴリーでアカルボースの投与による有意なリ スク低下傾向がみられた。1年以上継続した7件の研究 すべてで, アカルボース投与群の食後2時間値は対照 群と比較して低下することが立証された。 アカルボース 投与はMIや他の心血管イベントのリスク低下と有意な 関連を示した。 これらの所見は,IGTを呈する者にアカ ルボースを投与すると, それに伴って心血管疾患および 高血圧症のリスクが有意に低下することを示したSTOPNIDDM trial[75]の所見と一致する。 食後血糖値の管理が頸動脈IMTに及ぼす有意な効果 は,薬物療法未施行の2型糖尿病患者でも報告されて いる [76]。食後血糖値を標的とする (薬剤である)超速 効型インスリン分泌促進薬のレパグリニド*を投与する と, グリブリド*投与時と同等のHbA1c値に到達し,12カ 月後には頸動脈IMTの退縮(0.02mmを上回る減少と定 義) が, レパグリニド*服用者の52%およびグリブリド*服 用者の18%で観察された。 インターロイキン‐6および 14 日数回のインスリン注射により,2型糖尿病患者の空 腹時および食後血糖値を管理したKumamoto study [3] では, 網膜症および微量アルブミン尿は空腹時血糖 値管理と食後2時間血糖値管理の両方と曲線で示され る関係にあることが報告された。研究では,空腹時血 糖値が6.1mmol/L(110mg/dL)未満,食後2時間値が 10mmol/L(180mg/dL)未満の場合は網膜症および腎 症の発症や進展は明らかにされなかった。Kumamoto studyから,食後血糖値の低下と空腹時血糖値の低下 はいずれも網膜症および腎症の抑制と強く関連するこ とが示唆される。 食後血糖値の管理に関する ガイドライン 食後血糖値と空腹時血糖値の両方を標的とすることは, 最適な血糖値管理を得る上で重要な戦略である [レベル 2+] 最近の研究で, HbA1c値が低下するにつれて血糖全体 に対する食後血糖値の相対的寄与率が上昇することが 報告されている。Monnierら [82]はHbA1c値が7.3%未 満の者ではHbA1cに対する食後血糖値の寄与率は約 70%であるが,HbA1c値が9.3%を上回ると食後血糖値 の寄与率は約40%になることを示した。 また, HbA1c値 が8%未満にとどまれば, 夜間空腹時血糖値はほぼ基正 常レベルのままである [36] 。 しかし, HbA1c値が6.5%を 超えて上昇する頃から食後血糖値はより早期に悪化し, 空腹時血糖値が比較的正常な者でも食後には血糖値 が異常に上昇する可能性を示している。 同じ研究では, 食後血糖値が急激に上昇する悪化の程度は朝食後, 昼 食後,夕食後で異なり,朝食後の血糖値が最初に悪影 響を受けることも報告された。 これらの所見は,空腹時血糖値が目標に達しただけで はHbA1c値は依然として7%を上回るという事実を示し た介入試験によって支持されている [24,83] 。Woerleら [24]はHbA1c値が7.5%以上の2型糖尿病患者におい て空腹時血糖値管理および食後血糖値管理の相対的 寄与度を評価した。空腹時血糖値5.6mmol/L(100mg/ dL)未満を達成した者のうち, わずか64%でHbA1c値が 7%未満に達したのに対して, 目標食後血糖値7.8mmol/ L( 140mg/dL)未満を達成した者の94%でHbA1cが 7%未満に達した。 空腹時血糖値の低下と比較して, 食後 血糖値の低下がHbA1c値低下の要因となった比率はほ ぼ2倍であった。食後血糖値は、HbA1c値が6.2%未満の ときはHbA1c値の80%,HbA1c値が9.0%を上回るとき はHbA1c値の約40%に寄与する。 これらの研究は,空腹時高血糖の管理は必要であるが, 通常はHbA1c目標値7%未満に達するには不十分であ り, 推奨されるHbA1c目標値に到達するためには食後高 血糖の管理が不可欠であるという見解を支持している。 食後血糖値を標的とすることは低血糖のリスク上昇に はつながらない。 しかし,空腹時血糖値のみを標的とし てHbA1c値を7%未満まで下げようとすると,低血糖の リスクが上昇するおそれがある。持続型インスリンおよ び中間型インスリンを用いて空腹時血糖値を管理した ”treat-to-target“ study[84] では, グラルギン1日1回投 与群で夜間低血糖を生じずに7%未満のHbA1cに到達 したのはわずか25%であった。一方,Bastyrら [85]は, 食後血糖値を標的にした際に伴う低血糖発生率は,空 腹時血糖値を標的にした場合と同程度に低いことを示 した。 また,Woerleらの研究では食後血糖値も標的に 含み,平均HbA1c値は8.7%から6.5%に低下したが,重 症低血糖はみられなかった[24] 。 問 3: 食後血糖の管理にはいずれの治 療法が有効か? 糖負荷の低い食事は食後血糖値の管理に有益である [レ ベル1+] 栄養学的介入,運動,および体重管理が,依然として効 果的な糖尿病管理の基礎である。定期的な運動および 理想体重維持の重要性と有益性に反論する者はほとん どいないが,最適な食事の組み立てに関してはかなり の論争がある。 ある種の炭水化物は食後血糖値を上昇 させるおそれがある。血糖指数(Glycaemic Index:GI) は,各食品中の炭水化物重量で血糖上昇効果(食後増 加分の曲線下面積として表す) を比較して炭水化物食品 を分類する方法である。 ジャガイモ,白パン,黒パン,米 飯, 朝食シリアルなど現代のデンプン質食品の大半は比 較的高いGIを示す[86] 。低GI食品(例:マメ類,パスタ, 大半の果物)は, より緩徐に消化・吸収されるデンプン や糖質を含むか, もともと血糖値に影響を及ぼしにくい (例:果糖,乳糖) 。食事中の炭水化物含有量とその平均 GIとの積である食事の糖負荷 (Glycaemic Load:GL) は, 食後血糖値およびインスリン必要量の「包括的」推定値 として利用されている。初期の論争にもかかわらず,単 一食品のGIおよびGLは混合食摂取後の血糖反応やイ ンスリン反応を予測する上で信頼できることが立証さ れている [87,88]。GIの導入は炭水化物カウンティング (carbohydrate counting)以上に糖尿病管理に役立つ 可能性がある [89] 。 無作為化比較対照試験のメタアナリシスによれば,低 GI食はHbA1cの軽度改善と関連する[90]。非糖尿病 例を対象とした観察研究からは,高GI食は2型糖尿病[ 91,92] ,妊娠糖尿病[93] ,および心血管疾患[94]発症 リスクの上昇に独立して関連することが示唆される。糖 負荷はMIの独立した危険因子であることが立証されて いる [94] 。 15 食後血糖値の管理に関する ガイドライン データが一貫していないものの,賢明かつ慎重な方法 でGIを用いて立てた栄養計画が食後血糖値の急激な 上昇に好影響を与え,心血管危険因子を減少させるこ とは多くの検討により示唆されている [95] 。 いくつかの薬剤は選択的に食後血糖を低下させる [レベ ル1++] 多くの薬剤は食後血糖値を含む全体的な血糖値管理を 改善するが,いくつかの薬物療法は特に食後血糖値を 標的としている。 この項では市場で入手可能な治療薬 (アルファベット順に記載)の作用機序について述べる。 この要約には特定の併用療法は含まれない。 従来からある治療法として, αグルコシダーゼ阻害薬, グ リニド類 (速効型インスリン分泌促進薬) , インスリン (超 速効型インスリンアナログ,2相性[混合型] インスリン, 吸入インスリン,ヒトレギュラーインスリン)などが挙げ られる。 さらに,糖尿病患者の食後血糖値を管理する新種の治 療法(アミリンアナログ類, グルカゴン様ペプチド‐1 [GLP-1]誘導体, ジペプチジルペプチダーゼ‐4[DPP4]阻 害 薬)が 食 後 血 糖 値 の 急 激 な 上 昇を抑 制して HbA1cを低下させる上できわめて有益であることが立 証されている [96~99] 。 これらの治療法は, インスリン 分泌, グルカゴン分泌,満腹感,および胃排出に影響す る膵臓ホルモンや消化管ホルモンの欠乏に焦点を当 てている。 αグルコシダーゼ阻害薬 ααグルコシダーゼ阻害薬(Alpha glucosidase inhibitors:AGI)は消化管からの炭水化物の吸収を遅らせ, それによって食後血糖値の急激な上昇を制限する。具 体的には,AGIは近位小腸上皮に局在して二糖類およ びより複雑な炭水化物を分解する酵素であるαグルコ シダーゼを阻害する。 この酵素の競合的阻害を介して, AGIは腸管からの炭水化物の吸収を遅らせ, 食後血糖値 の急激な上昇を緩和する [100,101] 。 アカルボース 、ボ グリボースおよびミグリトールが市販されているAGIで ある。 アミリンアナログ類* ヒトアミリンは,通常はβ細胞からインスリンと共に分 泌され, 37個のアミノ酸から成る血糖調節ペプチドであ る [99,102] 。市場で入手可能なプラムリンチドは, 胃排 出の遅延化, 血中グルカゴン低下, および満腹感亢進に よって食後血糖値の急激な上昇を弱めることで, アミリ ンが糖代謝に及ぼす自然の作用を回復させるヒトアミ リン合成アナログである [103~108] 。 16 ジペプチジルペプチダーゼ‐4(DPP-4)阻害薬* DPP-4阻害薬はGLP-1を分解する酵素DPP-4を阻害し, それによって活性型GLP-1の分解を遅らせることで作用 する [96]。 これに続いて, グルコース依存性インスリン 分泌の刺激, グルカゴン放出の抑制, 胃排出の遅延,満 腹感の亢進が生じる [34] 。現時点では, リン酸シタグリ プチンが市販されている唯一のDPP-4阻害薬である。 グリニド類 グリニド類はスルホニル尿素薬に類似した作用機序を 有するが,代謝半減期ははるかに短い。 グリニド類は膵 β細胞からのインスリン放出を急速に, しかし短時間だ け刺激し,放出の持続時間は1~2時間である [109] 。食 事時に内服すると, これらの薬剤は食後血糖値の急激 な上昇を緩和するが,食後数時間でインスリン分泌量 は減少するので食事が終わって時間がたってから低血 糖が生じるリスクは低下する [110,111] 。 ナテグリニドと レパグリニド*の2剤が市場で入手可能である。 グルカゴン様ペプチド‐1(GLP-1)誘導体* GLP-1は消化管から分泌されるインクレチンホルモン で,インスリン分泌刺激作用,β細胞新生亢進作用, β細胞アポトーシス抑制作用, グルカゴン分泌抑制作 用,胃排出遅延作用,および満腹感誘発作用を介して 血糖値を低下させる [112~115] 。2型糖尿病患者では GLP-1の分泌は低下している [34]。現在市販されてい る唯一のGLP-1受容体アゴニストであるエクセナチドは GLP-1の配列と53%の相同性を示し,多くの同様な作用 を発揮することが明らかにされている [116] 。 食後血糖値の管理に関する ガイドライン インスリン • 超速効型インスリンアナログ 超速効型インスリンアナログは正常な生理的インスリン 反応を模倣する目的で開発された [117] 。 超速効型イン スリンでは速やかに作用を発現して活性のピークに達 し,持続時間は短い[117] 。 • 超速効型2相性インスリンアナログ 2相性(混合型)インスリンでは正常な生理的インスリン 反応を模倣し食後血糖値を低下させるために超速効型 インスリンアナログと中間型インスリンを組み合わせて いる [118~121] 。現在,いくつかの超速効型2相性インス リンアナログ製剤が世界中で市販されている。 • 吸入インスリン* IDFおよびその他の団体は,正常耐糖能を75 gブドウ糖負 荷後2時間値で7.8mmol/L(140mg/dL)未満と定義して いる [レベル4] IDFおよびその他の団体は,正常耐糖能を75 gブドウ糖 負荷後2時間値で7.8mmol/L (140mg/dL) 未満と定義し ているので[1,123,124] ,食後2時間値目標7.8mmol/L (140mg/dL)未満はこの定義と一致している。 さらに, 食後血糖値は通常摂食後2~3時間で基礎値に戻るの で,7.8mmol/L(140mg/dL)未満という血糖値目標は 妥当で控えめな目標であると考えられる。表2に推奨さ れる血糖値管理目標を示す。 主要な糖尿病団体および医学団体の大半が発行するガイ ドラインと一致することから,血糖値測定には2時間の時間 枠が推奨される [レベル4] 吸入インスリンはヒトインスリン吸入パウダーから成り, 食後1~4時間の検査時間枠で (血糖値と) HbA1c値との 吸入器を用いて投与する。 吸入インスリン製剤は超速効 型インスリンアナログに類似の作用を発現し, 血糖降下 相関がみられるが [125] , 主要な糖尿病団体および医学 活性の持続時間は皮下投与したヒトレギュラーインスリ 団体の大半が発行する血糖ガイドラインと一致すること ンに匹敵する [122] 。 *は本邦未発 から,血糖値の測定には2時間の時間枠が推奨される 売 [124,126,127] 。 さらに, インスリン治療中の患者,特に インスリン療法に不慣れな者や十分な教育を受けてい ない者では,食後2時間という時間枠で測定することが より安全であると思われる。 これらの患者は食後1時間 血糖値の上昇に対して不適切な対応をとる傾向があり, 初回にボーラス投与したインスリンが完全に効いてくる のを待たずに, インスリンのボーラス投与を追加するこ とがある。 この行動はしばしば「insulin stacking(インス 正常耐糖能者では,食後血糖値は7.8mmol/L(140mg/dL) リンの積み重ね)」 と呼ばれ,重症低血糖につながるお を超えて上昇することはほとんどなく,一般的に摂食後2~ それがある。 3時間で基礎値に戻る [レベル2++] 問 4: 食後血糖値管理の目標は何か, それをどのように評価すべきか? 前述のように,正常耐糖能の健常者では,食後血糖値 は7.8mmol/L(140mg/dL) よりも上昇することはほと んどなく,一般的に摂食後2~3時間で基礎値に戻る[ 26,27] 。 SMBGは現在のところ血糖値を評価する最善の方法であ る [レベル1++] SMBGは, 糖尿病患者が 「リアルタイムの」 血糖値に関す る情報を入手,使用できるようにする。 これによって,正 常に近い血糖値に達してそれを維持するためのタイム リーな介入が容易になり,糖尿病患者にフィードバック される。 したがって,ほとんどの糖尿病団体やその他の 医学団体は糖尿病患者のSMBGの使用を奨励している [126~128] 。 17 食後血糖値の管理に関する ガイドライン 文献の多くは,主としてインスリン治療中の患者での SMBGの有用性に焦点を当てているが[2,129],イン スリンを必要としない2型糖尿病患者のHbA1c値は, SMBGを含まないプログラムよりも, 系統だったSMBGを 含む治療管理プログラムでより大きく低下する結果と なることが多数の研究で明らかにされている[130~ 134] 。 それでもなお,SMBGの臨床的有益性,特にインスリン 治療を行っていない2型糖尿病での有益性に関する論 争は続いている。SMBGの使用と尿糖検査を比較したと きに血糖値管理 (HbA1c) にはほとんど, または全く差が ないことを示している研究もあれば[135,136] ,血糖値 管理改善という点でSMBGに明確な利点があることを示 している報告もある [133] 。 J a n s e nらによる最 近 のメタアナリシス[1 3 3]で は, SMBGの効果を調査した13件の無作為化比較対照試 験を考察しており,SMBGを使用しない介入と比較して, SMBGによる介入においてHbA1c値で0.40%の低下がみ られたことが示された。さらに,定期的な医学的フィード バックを患者に与えたときにはHbA1c値は2倍以上低下 したが,尿糖の自己測定では血糖や尿糖の自己測定を 行わない介入と同等の結果しか得られなかった。 しかし, 最近発表されたDiGEM studyではSMBGがHbA1c値を 有意に低下させることは認められず,SMBGを用いない 通常治療群と比較して強化SMBG群でHbA1c値はわず か0.17%低いだけであった[137]。 SMBGは糖尿病管理のひとつの構成要素にすぎない。 その有益性を引き出すためには,SMBGを実施するよ う患者を訓練し,検査結果を解釈して,血糖を管理する ための治療法を適切に調整する必要がある。 また, 必要 に応じてタイムリーな治療法調節を行うために, 臨床医 はSMBGデータの解釈や適切な薬剤の処方,入念な患 者モニタリングに精通していなければならない。 一般的に, インスリン治療中の患者は少なくとも1日3回 SMBGを実施することが推奨される。 インスリン治療を行 っていない患者におけるSMBGの頻度は,各患者の治療 法および管理の程度に応じて個別に考慮すべきである [レベル4] インスリンが完全に欠乏しているため,大半の1型糖尿 病患者は血糖を管理するために1日数回のインスリン 注射を要する。 さらに,多くの2型糖尿病患者もインスリ ン療法を利用して疾患を管理している。 インスリン誘発 性低血糖の可能性を考慮して, ほとんどの医療団体はイ ンスリン投与中の患者に少なくとも1日3回SMBGを実施 するよう推奨している [128,138] 。 18 前述のように, インスリン治療を行っていない糖尿病で のSMBGの臨床的有用性については論議が続いている。 しかし,SMBGの実施時間や頻度に関するエビデンスは ないものの, 大半の医療団体ではインスリン治療を行っ ていない糖尿病ではSMBGの頻度は各患者の治療法お よび血糖値管理の程度に応じて個別に考慮すべきであ ると推奨している [128,138] 。 新しい技術 持続血糖モニタリング 持 続 血 糖 モ ニタリング( c o n t i n u o u s glucose monitoring:CGM)は糖尿病管理のための新しい技術 である [139~142]。CGMにはセンサー,データ保存装 置,およびモニターが使用されている。センサーは1~ 10分毎にグルコースを測定してこの記録をデータ保存 装置に転送する。結果は,医師がレトロスペクティブに ダウンロードすることも, 「リアルタイム」でモニターに 表示することもできる。CGMは血糖値やパターン,傾向 に関する情報を提供し, それによって薬剤,食事, ストレ ス,運動, その他血糖値を左右する因子の影響が反映さ れる。CGM装置は間質のグルコースを測定するので,検 査値はある時点の血糖値よりも数分遅れる。 1,5‐アンヒドログルシトール 血漿1,5‐アンヒドログルシトール(1,5-AG)は食物中 の天然ポリオールで,食後高血糖のマーカーとして提 案されている。1,5-AGは感度が高く血清グルコースの 変化に迅速に反応するので,数日以内に生じた一過性 のグルコース上昇を正確に反映する [143,144]。自動 化された1,5-AG検査が日本では10年間使用されてき ており [145] ,同様の検査法が最近アメリカでも承認さ れた[146]。 この血糖値管理尺度を用いた評価研究は 実施されていない。 .03 結論 食後血糖値の管理に関する ガイドライン 世界中で2億4,600万人が糖尿病であると推定されてい 糖値の治療やモニタリングを行う方法や技術が利用 るが[1] , このような流行は地球規模の重大事で,憂慮 できることを条件として,食後2時間値目標7.8mmol/L が深まっている。管理不良の糖尿病は先進国の大半で (140mg/dL)未満が妥当かつ達成可能である。 主な死因に関連しており,糖尿病性神経障害,腎不全, 最適な血糖値の管理を得るためには空腹時血糖値と食 失明, 大血管疾患といった合併症の発症と関連している 後血糖値の両方を標的とする治療法が必要である。 しか [5,6]。大血管合併症は糖尿病患者の主要な死因であ し,最適な血糖値管理は適切な食後血糖値の管理なくし る [7] 。 ては達成できない[36,82,83]。 したがって,HbA1c値にか 正常耐糖能,IGT,および糖尿病の保有者では,食後血 かわらず,空腹時高血糖値と食後高血糖値を標的とした 糖値や負荷後血糖値と心血管リスクおよび心血管疾患 治療が同時に開始されるべきである。費用は依然として との間に強い関連があるだけでなく [17,18,20,22,61] , 適切な治療を決定する際の重要因子であるが,血糖を管 食後高血糖と酸化ストレス, 炎症, 頸動脈IMT, 内皮機能 理することは結局のところ糖尿病合併症を治療するよりも 不全との間にも関連があり, これらはすべて既知の心血 はるかに安価である。 管疾患マーカーである [25,52,53,63,71,73] 。 さらに,食 後高血糖が網膜症[21], 2型糖尿病を呈する高齢者 の認知機能障害[64],および特定の癌[65~69]の発 症とも関連する可能性があることは膨大なエビデンス により示されている。合併症を減少させる上で血糖値 に閾値はないと考えられるため[14,15] ,3種の血糖値 管理尺度,すなわちHbA1c値,空腹時血糖値,および食 後血糖値のすべての点においてできる限り正常に近い 血糖状態に安全に到達することを糖尿病治療の目標と すべきである。 これらのパラメーターの中では,食後血 表2 糖尿病の臨床管理における血糖値目標* HbA1c <6.5% 食前(空腹時) 5.5 mmol/l(<100 mg/dl) 食後2時間 7.8 mmol/l (<140 mg/dl) *糖尿病管理のもっとも重要な目標は,すべての血糖パラメーターをできる限り正常近くまで安全に下げることである。上記の目標は 臨床的な血糖管理の開始およびモニタリングの枠組みとなるが, どこを標的とするかは個々の事情に合わせるべきである。 これらの目 標は小児および妊婦には適切ではない。. 20 .04 参考文献 食後血糖値の管理に関する ガイドライン (1) Diabetes Atlas, 3rd edition. 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