中国は BEPS における自らの姿勢と導入 計画を発表

News Flash
China Tax and Business Advisory
中国は BEPS における自らの姿勢と導入
計画を発表
October 2015
Issue 41
概要
2015 年 10 月 5 日、経済協力開発機構(OECD)は税源浸食と利益移転(BEPS)行動計画(BEPS パ
ッケージ)の 15 の行動項目すべてについて最終報告を発表し 1、その後まもなく 10 月 8 日にペル
ー・リマにおいて、G20 財務大臣の全会一致により承認されました。
これを受けて即時に、中国国家税務総局は 2015 年 10 月 10 日、北京で BEPS 行動計画について
の公表会を開催し、BEPS パッケージについての見解と、必要に応じて BEPS の提言を実践に導入
していく今後の行動計画を提示しました。同時に、国家税務総局はその公式ウェブサイトに BEPS 報
告全文の中国語訳 2 を掲載しました。
国家税務総局は BEPS パッケージを受けて、多国籍企業からの公平な税収を確保すべく課税権を
強化するとともに、租税回避行為に対抗することを目的に、移転価格税制や租税条約、国内税法規
や税務当局の行動にいたるまで、一定の時間をかけて大きな変革が行われることが予想されます。
中国でビジネスを行う外国企業、海外でビジネスを行う中国企業のいずれの多国籍企業におかれて
も、透明性や実態と課税の整合性についての新たな要求課題に対し、準備を進めておく必要があり
ます。また BEPS パッケージや、BEPS がもたらす中国税法規の変化という観点から、BEPS 提言と
国家税務総局の行動計画が自らのビジネスと税務戦略に与える影響を、できる限り早急に評価して
おかれるようご提案します。
詳細
国家税務総局の BEPS 公表
会には、マスコミ関係者や中
国 国外の 多国籍 企業、 国 内
多国籍企業(大手国有企業や
民営企業を含む)、税務コン
サ ル ティン グ フ ァ ーム 、 法 律
事務所など 300 を超える参
加者が出席しました。当会議
には OECD の BEPS プロジ
ェクト 代表ラフ ァエル ・ルッ ソ
氏や国家税務総局国際税務
司の廖体忠司長及び王暁悦
副司長を始めとする国家税務
総局の BEPS 作業部会の中
心メンバーも出席しました。
国家税務総局の作業部会に
より BEPS パッケージの全体
戦略とその導入に向けた詳細
な行動計画が紹介されました。
主な内容は以下のとおりです。
BEPS プロジェクトについての
国家税務総局の全体的な所
見
OECD に提起して、その多く
が BEPS 最終報告に反映さ
れているとのことです。
王暁悦副司長は BEPS プロ
ジェクト における中国の参加
の重要性とその中国に与える
影響を強調し、以下の点を指
摘しています。
国家税務総局は様々な場面

で BEPS プロジェクトに対し全
面的に協力する意向を表明し、
2013 年に BEPS プロジェクト

が始動した際には、副局長の
張志勇氏をリーダーとして作
業部会を発足させました。公
表会での紹介によれば、この
数年間に約 50 名の国家税
務総局の職員が BEPS プロ
ジェクトに参加し、中国として
1,000 を超える意見や提案を
中国は新たな国際税制規
則の制定に積極的に参
加した。
BEPS プロジェクトは中国
の税法整備や税務管理
制 度 の 最 適 化 とと も に 、
税制改革の推進に有益で
ある。
www.pwccn.com
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

BEPS プロジ ェクト は二国間及
び多国間における中国と他国の
提携拡大の格好の機会となる。
BEPS プロジェクトによって、中
国の税源が保護され、多国籍企
業からの税収を公正に確保でき
るようになる。また、中国の税法
規が最適化されることで、多国
籍企業や納税者が税法規をより
遵守しやすくなることが期待され
る。こうした取り組みにより、中
国でクロスボーダーの商業活動
に携わる多国籍企業に対し、安
定的で透明度の高い税務環境
を提供するという狙いである。
BEPS 提言の中国導入における 3
つの原則
王暁悦副司長は BEPS 提言に対す
る中国での導入に関して、3 つの原
則を提示しています。
原則 1. BEPS 提言の実施と中国特
有の環境への対応の連係
BEPS 提言のいくつかは、中国の国
内税法規に導入されることになりま
すが、そのすべてが直接取り入れら
れるわけではなく、中国は自身の環
境に合わせて BEPS の提言を適宜
採用し、中国固有の課題に対応す
る税務規則を制定していくとしてい
ます。
原則2. 税収の確保と経済発展の促
進の連係
中国は、特に低税率・無税率国への
利益移転を防ぐ規則 の制定など、
BEPS の抜け道を塞ぐた めに税法
規を最適化する一方で、実態を十分
に伴うクロスボーダーの商業活動に
ついてはその利益を保護するととも
に、多国籍企業に対して確実性をも
たらすことで、クロスボーダービジネ
スにおける税務上の障壁を取り除く
としています。
原則3. 税務管理の強化と税務コン
プライアンスの促進の連係
今後、中国は情報交換の強化や税
務管理制度の改善、国際機関との
提携などにより、国際税務管理を量
と質の面から最適化しようとしてい
ます。しかし最終的には、税務管理
の主要目的は納税者のコンプライア
2
ンス向上にあります。新たな国際税
務体制の下で、各国への公平な税
収配分が行われるようになるだけで
なく、クロスボーダーの商業活動に
おいて、多国籍企業の利益が保護
されることを 、中国は期待していま
す。
BEPS 行動計画各項に対する国家
税務総局 BEPS 作業部会の所見
公表会において、国家税務総局の
BEPS 作業部会メンバーは、主として
BEPS パッケージの新たに公開され
た報告内容の紹介に焦点を当ててい
ましたが、BEPS とその導入計画につ
いても、中国としての見解を提示しま
した。
行動計画3 ― 被支配外国企業
(CFC)税制
2014 年、中国の対外投資額が対中
投資額を上回ったことから、国家税
務総局にとって CFC 税制の策定と強
化について慎重に検討することが重
要となっています。しかしながら、国
家税務総局は、国外投資を行う中国
多国籍企業が国際的な投資やビジ
ネスの競争に参加していく上で、中
国の CFC 税制はその障害とはなら
ないことを表明しています。
行動計画4 ― 利子控除の制限
BEPS 行動計画 4 では、関連者間借
入、非関連者間借入を問わず、利子
控除の制限が提言されていますが、
中国過少資本税制では企業所得税
法に従い、関連者間借入にのみに適
用されています。それゆえ、この分野
で全面的に BEPS の提言を導入する
ことは難しいでしょう。しかし、国家税
務総局が今後、企業所得税法を改定
する場合には、併せて BEPS の提言
が取り入れられる可能性があります。
現在、中国は行動計画 4 の報告を
参照し、以下の点について過少資本
税制を整備することを計画していま
す。



利子費用の範囲の明確化
より合理的な負債資本比率を設
定し、産業の特徴を個別に考慮
控除できない利子費用の繰り越
しまたは繰り戻し処理の検討
また、国家税務総局は国外投資を行
う中国の多国籍企業に対し、その国
外融資取引に影響を与える可能性
があることから、他国の行動計画 4
の取り組みにも注目するよう、注意を
促しています。
行動計画5 ― 有害な税制上の慣行
BEPS パッケージは、中国の CFC 税
制の最適化に大変参考となるものと
なっています。特に、国家税務総局
は、行動計画 3 の報告を参照するこ
とで「被支配」についてより詳しい定
義を与え、帰属所得の判定方法を明
確化しています。これらの提起された
変更内容は、先般公表された、『特別
納税調整実施弁法』(国税発
[2009]2 号、2 号通達)の改定版で
ある意見募集稿(以下、「意見募集
稿」)3 にも既に反映されています。
行動計画 5 の報告は 2014 年に発
表されました。公表会の参加者が中
国企業所得税のハイテク優遇税制に
注目していることを受けて、国家税務
総局の作業部会メンバーは次のよう
に説明しています。「中国が行ってい
るハイテク企業の評価方法は、BEPS
行動計画が推奨する『ネクサスアプ
ローチ』と全く同じであるとは言えな
いが、国内で適用されている要求事
項のほとんどは、むしろネクサスアプ
ローチよりも厳格なものとなっている。
また、国家税務総局の作業部会メン
それゆえ、中国のハイテク優遇税制
バーは、中国の多国籍企業より報告
が有害な税制上の慣行であるとは中
されている国外投資情報の精度が高
国及びその他の BEPS 参加国も認
いものでないことを明らかにしました。 識しておらず、報告でも中国にハイテ
国家税務総局は国外投資を行う中
ク優遇税制を停止するよう勧告して
国企業へのサービス提供及び管理
はいない。」
強化のため、2015 年初めに境外税
行動計画7 ― 恒久的施設(PE)
務処を設立しました。境外税務処に
国家税務総局は、租税条約に対する
より、中国国外投資に対する情報収
中国国内の解釈規定である国税発
集能力が増強されると期待されてい
[2010]75 号通達(75 号通達)により、
ます。
PwC
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行動計画 7 で言及された多くの問題
は既に解決されていると認識してい
ます。たとえば 75 号通達は、標準的
な租税条約の第 5 条第 4 項に含ま
れるすべての活動が、準備的・補助
的な性格のものであることを求めて
います。また、契約が外国企業の名
義で締結されていなくても、従属代理
人規定が適用される場合があるとし
ています。

は BEPS の提言には示されていな
い、バリューチェーン分析などの要
求事項も追加されています。これに
ついて、国家税務総局は企業グル
ープの価値創造について把握する
ことは税務当局にとって重要であり、
それはまた、BEPS プロジェクトの一
般原則とも実際に一致しているとの
認識を示しています。作業部会メン
バーは、国家税務総局は税務当局
がより多くの情報を収集することと、
また、国家税務総局の作業部会メン
納税者のコンプライアンス負担との
バーにより、今後の租税条約の交渉
王暁悦副司長は、意見募集稿に価
バランスを考慮したと述べています。
において、行動計画 7 の報告におけ
値貢献分配法が新たに導入された
意見募集稿へのコメント募集期間中
る提言内容の採用について検討する
根拠についても説明しています。王
は、納税者は税務総局に対して自ら
意向が示唆されました。PE に関する
副司長は、国際的に認められた移
の意見と関心を自由に表明すること
国家税務総局の作業計画では、PE
転価格原則として独立企業原則に
ができ、それらに対して国家税務総
の管理規則の最適化や管理実務の
従うべきであると認めるものの、長
局による慎重な検討が行われます。
強化に焦点が当てられています。そ
年にわたる移転価格の実務の中で、
(募集期間は 2015 年 10 月 16 日で
の実現のために、国家税務総局は地
中国では様々な原因により独立企
終了しました)
方レベルの国家税務局と地方税務
業原則を完全には適用できないケ
局との間に、情報共有システムを構
ースも多数あり、そうした葛藤から、
行動計画14 ― 税務紛争の解決
築し、また出入国管理局との情報の
国家税務総局はその他の方法を模
中国国家税務総局は、行動計画 14
共有にも力を入れていくとのことです。 索するようになったとしています。ま
に提起された、相互協議(MAP)にお
た、価値貢献分配法の使用にあたり、
行動計画8-10 ― 移転価格の結果
ける強制仲裁制度を採用していませ
独立企業が類似する状況下でどの
と価値創造の整合性
ん。しかしながら、国家税務総局は行
ように価値貢献を果たすかを分析す
動計画 14 のその他の提言について
移転価格は中国における BEPS パ
るなど、独立企業原則を参考にする
は支持しており、中国における相互
ッケージの導入において、重要なポ
こともできると指摘しています。
協議手続きの効率性向上に努力す
イントの一つです。国家税務総局の
行動計画12 ― タックスプランニング
るとしています。
移転価格に対する立場は、意見募
の報告義務
集稿の中に十分に反映されていま
国家税務総局の今後の行動計画
す。王暁悦副司長はさらに以下の点
国家税務総局の作業部会メンバー
公表会の結びにおいて、廖体忠司長
を強調しています。
は、税収徴収管理法の改定において、
は BEPS パッケージの発表は BEPS
国家税務総局は納税者もしくは立案
 無形資産に対する中国 現地企
プロジェクトの注目すべき成果である
者に対し、アグレッシブなタックスプラ
業による開発や価値向上、維持、
とし、また中国の今後のプランについ
ンニングに関する税務当局への報告
保護、利用といった貢献につい
て、BEPS プロジェクトに関連して以
義務制度を採用する予定であること
て、特にその無形資産の法的所
下の点を改めて提示しました。
を表明しています。しかしながら、当
有者が中国国外に所在する場
 国内税法規の改定(税収徴収管
該制度の策定にあたり、納税者やそ
合において、国外関連者に合理
理法や個人所得税法の改定な
の関係者の税務コンプライアンス上
的な補償が行われるような分析
ど)。
の負担と、透明性の向上によって税
が必要である。
 必要に応じての BEPS パッケー
務当局にもたらされる潜在的な便益
 無形資産と同様、地域固有の優
ジの導入(2 号通達の改定など)。
とのバランスを図る必要があることも、
位性(LSA)も価値を創出してお
 税務局における国際税務部門
国家税務総局は認めています。
り、LSA は比較可能性分析や価
の調整(国家税務総局内では既
値貢献分析、また利益分割にお
行動計画13 ― 移転価格文書化
に 完 了 。国 外税 務管 理のた め
ける検討でも広く認められてい
国家税務総局は意見募集稿におい
の境外税務処や新たな移転価
る。
て、新たな移転価格文書 化に対す
格部門など)。
 リスクは識別が難しいが、移転
る要求を導入しています。国家税務
 今年度末までに多国籍企業に
しやすい。よって、移転価格分
総局の作業部会メンバーはその点
対する税務リスクの監視とその
析において、リスクは機能を考
について、要求のほとんどは BEPS
対応システムをグループレベル
慮することなく単独で評価される
パッケージの提言と同じであると説
で全国的に構築し、多国籍企業
べきではない。
明しています。しかしながら、実際に
の本部を管轄する地方レベルの
3
ある役務が低付加 価値 のもの
であると判断された場合、受益
性テスト が簡略化され、濫用さ
れるおそれがある。低付加価値
役務に関するセーフハーバール
ールは BEPS パッケージにおい
て任意事項とされ、導入はそれ
ぞれの国に委ねられている。な
お、意見募集稿では、低付加価
値役務について、セーフハーバ
ールールが適用されていない。
PwC
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
税務当局が企業グループ全体
の税務リスクの監視を担当する
ようにする。
情報技術の利用による国際税
務管理の促進。
重要点
中国は発展途上国の中でも BEPS
プロジェクトに高い注意を払っている
国の一つです。国家税務総局は
OECD の最終報告の発表からわず
か 5 日のうちに、驚くべき速さで
BEPS の最終提言に対する回答とそ
の導入プランを提示しました。
中国では BEPS パッケージを受けて、
多国籍企業からの公平な税収を確
保すべく課税権を強化するとともに、
租税回避行為に対抗することを目的
に、移転価格管理や租税条約、多く
の中国国内法規、税務当局の対応
にいたるまで、一定の時間をかけて
大きな変革が行われることが予想さ
れます。意見募集稿や 10 月 10 日
の公表会においてはまだ不明確な部
分もありますが、そこからより多くの
指針を得ることは可能です。
4
中長期的には、多国籍企業(中国で
ビジネスを行う外国企業もしくは海外
でビジネスを行う中国企業を問わず)
は中国において、差し迫り次のような
最も重要な影響を受けると考えられ
ます。





における要求事項を含めて、自らの
事業と税務の戦略を再確認しておか
れるべきでしょう。また他国が中国と
同じ対応を採るとは限らないことから、
他国における税務上の争議や紛争
に備え、準備を進めておくことも必要
です。
移転価格文書化制度の要求が
より厳しくなる。
移転価格コンプライアンスを評価
注記
するにあたり、運営や活動といっ
1. BEPS パッケージに関する OECD の
た内容に重点が置かれるように
公式ウェイブサイトについては、以下
なる。
をご参照ください。
租税条約の適用が制限されたり、
http://www.oecd.org/tax/beps状況によっては不確かとなる。
2015-final-reports.htm
強制開示制度の導入など、透明
2. 国家税務総局の公式ウェブサイトに
性への要求が増す。
おける BEPS 報告全文の中国語訳
実 態と課 税の 整合性 が重 視さ
は、以下をご参照ください。
れる。
http://www.chinatax.gov.cn/n81
以上をまとめると、ポスト BEPS 時代
となる今後は、多国籍企業の税務の
ほぼすべての面において、BEPS パ
ッケージと、各国での導入による影響
をあらゆる形で受けることとなるでし
ょう。多国籍企業におかれては、事
業モデルのみならず、融資モデルや
投資持分構成、税務コンプライアンス
0219/n810724/c1836574/content.
html
3.
意見募集稿に関する私どもの分析
については、China Tax News
Flash Issue 38, 2015 及び China
Tax News Flash Issue 39, 2015 を
ご参照ください。
PwC
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China
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News Flash
China Tax and Business Advisory
China announced her stance on
BEPS and her localisation plans
October 2015
Issue 41
In brief
On 5 October 2015, the Organisation for Economic Co-operation and Development (OECD) released the
final reports on all of the 15 action points of the Base Erosion and Profit Shifting (BEPS) Action Plan (the
BEPS Package)1. Soon after that, all the G20 finance ministers endorsed the BEPS Package in Lima, Peru
on 8 October.
With an amazingly response time, China’s State Administration of Taxation (SAT) held a propaganda
conference in Beijing on 10 October 2015 to present its stance on the BEPS Package and future action
plans to localise the recommendations on an as-needed basis. At the same time, the SAT also published
the Chinese translation of all of the BEPS reports on its official website 2.
We anticipate that the BEPS Package will bring along significant changes, over a reasonable time span,
in China’s transfer pricing (TP) standards, tax treaties, many parts of her domestic tax laws and
regulations, and even Chinese tax authorities’ behaviours, with an aim to counter tax avoidance as well
as reinforcing her taxing rights to get a fairer share of MNC’s taxation.
Multinational companies (MNCs), be they foreign-based doing business in China or Chinese-based
doing business overseas, need to get ready for the challenge of new requirements on transparency and
substance-tax alignment. They are suggested to assess the impact of the BEPS recommendations and
SAT’s action plans on their business and tax strategies as soon as possible in light of the BEPS Package
and the BEPS-driven changes of China’s tax laws and regulations.
In detail
More than 300 participants
joined the SAT’s propaganda
conference on BEPS,
including representatives
from mass media, foreign
MNCs, Chinese MNCs (both
large state-owned enterprises
and private enterprises), tax
consulting firms, and law
firms. OECD's Head of the
BEPS Project, Mr. Raffaele
Russo, and core members of
the SAT's BEPS task force,
headed by Mr. Liao Tizhong,
Director General of
International Tax Division
(ITD) and Ms. Wang Xiaoyue,
Deputy Director General of
ITD, presented at the
conference.
The SAT’s BEPS task force
addressed the audience with
the overall strategy and
detailed action plans for the
localisation of the BEPS
Package. Key messages are
summarised as below.
SAT's general observations
on BEPS
The SAT has expressed full
supports to the BEPS Project
in various occasions and
formed a BEPS task force
headed by its Deputy
Commissioner Mr. Zhang
Zhiyong when the BEPS
Project was launched back in
2013. As disclosed at the
propaganda conference, over
the last couple of years,
around 50 SAT officials
participated in the BEPS
Project and China submitted
over 1,000 comments or
suggestions to the OECD,
many of which are now
reflected in the final BEPS
reports.
Ms. Wang Xiaoyue
highlighted the importance of
China’s participation in the
BEPS Project and the
influences it will bring to
China, namely:



China fully participated in
the formulation of the
new international tax
rules;
the BEPS Project is
helpful for China in
upgrading her tax
regimes, as well as
improving her tax
legislations and tax
administration system;
the BEPS Project is a good
opportunity for China to
expand her cooperation
with other jurisdictions,
both bilaterally and
multilaterally.
www.pwccn.com
News Flash — China Tax and Business Advisory

the BEPS Project will help to
protect China’s tax base and
allow her to get a fairer share of
the MNCs taxation. With the
improvement of China’s tax laws
and regulations, it is expected
that it is easier for MNCs /
taxpayers to better comply with
them. All these efforts are aimed
to provide a stable and
transparent tax environment in
China for MNCs engaging in
cross-border businesses.
Three principles for localising
BEPS recommendations in
China
Ms. Wang Xiaoyue put forth three
principles with respect to the
localisation of BEPS
recommendations in China:
Principle 1. Combination of
implementing BEPS
recommendations and addressing
China's specific circumstances
While some BEPS recommendations
will be introduced into the China’s
domestic tax laws and regulations,
not all of them will be copied
directly. Instead, China will adapt
BEPS recommendations based on its
own circumstances on an as-needed
basis, and may also develop some
tax rules to address China-specific
issues.
Principle 2. Combination of
protecting tax interest and boosting
economic development
On one hand, China will improve tax
laws and regulations to plug BEPS
loopholes, especially by developing
rules to prevent profits from being
shifted to low or no tax
jurisdictions. But on the other hand,
China will also protect the interest
of cross-border business activities
that are full of substance, give
enough certainty to MNCs and
remove tax barriers in their crossborder businesses.
Principle 3. Combination of
reinforcing tax administration and
promoting tax compliance
China will enhance its international
tax administration capacity and
capability through strengthening
exchange of information, improving
its tax administration system, as
well as further collaborating with
international counterparts. But all
in all, the main purpose of a
strengthened tax administration is
to encourage taxpayers’ compliance.
China expects that the new
8
international tax regime will not
only allocate tax revenue among
different countries in a fairer way,
but also protect the interest of
MNCs on cross-border businesses.
Observations of the SAT’s BEPS
task force on specific BEPS
Action Plans
At the propaganda conference,
although the SAT’s BEPS task force
members were focusing primarily on
introducing the contents of the newly
published reports in the BEPS
Package, they also provided China's
stance on BEPS and the localisation
plans.
Action 3 – Controlled Foreign
Corporation (CFC) rules
As the amount of capital exported
from China has exceeded the amount
of capital imported into China in 2014,
it is very important for the SAT to
carefully consider the design and
enforcement of the CFC rules.
However, the SAT will ensure that
China’s CFC rules will not be an
obstacle for Chinese MNCs with
outbound investments to participate
competitively in international
investments and businesses.
The BEPS Package has provided a
good reference for China to improve
its CFC rules. In particular, the SAT
will elaborate the definition of ‘control’
and clarify how to determine the
attributable income by making
reference to Action 3 report. These
proposed changes have already been
reflected in the recently released
Discussion Draft of the revised
Implementation Measures of Special
Tax Adjustment (Guoshuifa [2009]
No. 2, Circular 2) (Discussion Draft)3.
In addition, the SAT task force
member also disclosed that the
current overseas investment
information reported by the Chinese
MNCs is not of good quality. The SAT
has established the Offshore Taxation
Division (OTD) in early 2015 to
provide more services and administer
the Chinese companies with outbound
investments. It is expected that the
OTD would enhance its information
collection capability on Chinese
outbound investments going forward.
Action 4 – Limitation of interest
deduction
While BEPS Action 4 recommends a
limitation on interest deduction of
both related party loans and nonrelated party loans, the thin
capitalisation rule in China only
applies to related party loans
according to the Corporate Income
Tax (CIT) Law. So, it may be difficult
to localise all BEPS recommendations
fully at this stage. However, the SAT
may do it when there is an opportunity
to revise the CIT Law in the future.
Currently, China plans to refer to
Action 4 report to improve its thin
capitalisation rule in the following
aspects:



clarifying the scope of interest
expenses,
setting out a more reasonable
debt/ equity ratio and consider
the specific features of certain
industries, and
exploring the possibility to carry
forward, or even carry back the
non-deductible interest expenses.
At the same time, the SAT also
reminded Chinese MNCs with
outbound investments to watch out for
the implementation of Action 4 in
other countries since it may have an
impact on their cross-border financing
arrangements.
Action 5 – Harmful tax practices
Action 5 report was released in 2014.
As the audience of the propaganda
conference were interested in China’s
CIT incentives provided to New/ High
Technology Enterprises (NHTE), the
SAT task force member explained that
although China’s assessment on NHTE
was not exactly the same as the
recommended ‘nexus approach’, the
domestic application requirements are
even more stringent than the nexus
approach under most circumstances.
Therefore, China and other BEPS
participating countries do not consider
that China’s NHTE incentive is a
harmful tax practice and the report
will not lead China to suspend the
NHTE incentive.
Action 7 – Permanent establishment
(PE)
The SAT believes that China’s
domestic treaty interpretation rules in
Circular Guoshuifa [2010] No. 75
(Circular 75) has already addressed a
lot of issues mentioned in Action 7
report. For example, Circular 75
requires the preparatory and auxiliary
test to apply to all activities included
in Article 5(4) of the standard double
tax treaties. It also provides that
dependant agent provision may also
apply to the situation where contracts
are not concluded in the name of the
foreign enterprise.
PwC
News Flash — China Tax and Business Advisory
Besides, the SAT task force member
indicated that the SAT will consider
inclusion of the recommendations in
Action 7 report during negotiation of
double tax treaties in the future. The
SAT’s work plan in relation to PE will
focus on improving PE administrative
rules and strengthening the
administrative practice. To achieve
this, the SAT will also establish a PE
information sharing system between
local-level state tax bureaus and local
tax bureaus and enhance information
sharing with exit and entrance
(immigration) administrations.
Action 8-10 – Aligning TP outcomes
with value creation
TP is one of the key focuses in
China’s localisation of the BEPS
Package. The SAT’s positions on TP
have already been fully reflected in
the Discussion Draft. Ms. Wang
Xiaoyue highlighted the following
views:




It is necessary to analyse the
contributions (i.e. development,
enhancement, maintenance,
protection and exploitation)
made by local Chinese
enterprises to intangibles so as
to ensure that these
contributions are reasonably
compensated by foreign related
parties, especially where the
legal owner of the intangibles
resides outside China.
Similar to intangibles, location
specific advantages (LSA) also
create values, and LSA has been
well recognised in comparability
analysis, contribution analysis
and profit split consideration.
Risk is rather difficult to
identify but is easy to transfer.
Consequently, in TP analysis,
risk should not be assessed
alone without considering the
functions.
Once a service is identified as
low value-adding, the benefit
test may be oversimplified and
has the risk of being abused.
The recommendation on safe
harbour rules regarding low
value-adding services are
optional in the BEPS Package
and it is up to each country to
decide whether to introduce
such rule. It should be noted
that Discussion Draft does not
provide safe harbour rules on
low value-adding services.
Ms. Wang Xiaoyue also explained
the rationale for the value
contribution attribution method
newly added in the Discussion Draft.
She agreed that the arm’s length
principle (ALP) shall be respected as
an internationally recognised TP
principle. However, based on
China’s experiences in TP practice
over years, ALP could not be
perfectly applied in many cases due
to various reasons. This dilemma
inspired the SAT to explore other
practical methods. Meanwhile, the
use of value contribution attribution
method could also refer to the ALP,
e.g. by analysing how unrelated
companies make value contribution
under similar circumstances.
Action 12 – Mandatory disclosure of
aggressive tax planning schemes
The SAT task force member
disclosed that in the revision of the
Tax Collection and Administration
Law (TCAL), the SAT plans to bring
in the mandatory disclosure regime
under which taxpayers or scheme
promoters are obliged to disclose
their aggressive tax planning
information to the tax authorities.
However, the SAT is also aware that in
designing the regime, it has to balance
compliance burden of taxpayers and
relevant parties and the benefits of the
transparency potentially brought to
the tax authorities.
Action 14 – Dispute resolution
The SAT does not accept the
mandatory binding arbitration
under Mutual Agreement Procedure
(MAP) proposed in Action 14 report.
Nevertheless, the SAT still supports
other recommendations in Action 14
and will try its best to improve the
efficiency of the MAP process in
China.
SAT's action plans in near future
In the concluding remarks, Mr. Liao
Tizhong described the release of the
BEPS Package as a remarkable success
of the BEPS Project. He reiterated
China's action plans in relation to the
BEPS Project in the near future,
including:




Action 13 – TP documentation
The SAT has introduced the new TP
documentation requirements in the
Discussion Draft. The SAT task force
member further explained that most
of the requirements are the same as
those recommended in the BEPS
Package. However, there are indeed
additional requirements which are
not found in the BEPS
recommendations, for example, the
addition of the value chain analysis
in China’s TP documentation
requirements. The SAT believes it is
important for tax authorities to
understand the value creation of a
corporate group, which is in fact in
line with the general principle of the
BEPS Project. The SAT task member
clarified that the SAT has
considered the balance between the
collection of more information by
tax authorities and compliance
burden of taxpayers. As the
Discussion Draft is still open for
public consultation, taxpayers can
express their views and concerns to
the SAT freely and the SAT will
consider them seriously.

revision of the domestic tax laws
and regulations (e.g. TCAL,
Individual Income Tax Law);
localisation of the BEPS Package
on an as-needed basis (e.g.
revision of Circular 2);
adjustment of the tax
authorities' international tax
administration divisions
(completed at the SAT level with
a new OTD responsible for
offshore tax administration and
an additional TP division);
establishment of the national
tax risk monitoring and
response system on MNC’s on a
group basis by the end of this
year, which means that the
local-level tax authorities in
charge of a MNC’s headquarter
will be responsible for
monitoring the tax risks of the
whole group; and
use of information technology to
facilitate international tax
administration
The takeaway
China is among a few in developing
countries paying such high level
attention to the BEPS Project. And
the SAT is presenting its response to
the BEPS final recommendations
and its localisation plans in amazing
speed, just within 5 days of the
release of the final reports by OECD.
We can anticipate that the BEPS
Package will drive significant
changes, over a reasonable time
span, in China’s TP standards, tax
treaties, many parts of her domestic
tax laws and regulations, and even
Chinese tax authorities’ behaviours
with an aim to counter tax
avoidance as well as reinforcing her
taxing rights to get a fairer share of
PwC
News Flash — China Tax and Business Advisory
MNCs taxation. More directions can
be found in the Discussion Draft and
the 10 October propaganda
conference, though not completely
clear.

In the short to medium run, we
believe that the most significant and
imminent impacts for MNCs, be
they foreign-based doing business in
China or Chinese-based doing
business overseas, are likely to
occur in the following areas in
China:
Overall, in the post-BEPS
environment, almost all MNCs’ tax
profiles would be affected in one way
or another by the BEPS Package and
the localisation by each country. These
MNCs should revisit their business
and tax strategies, including but not
limited to their business
arrangements, financing models,
investment holding structure and
tax compliance requirements. They
may even need to ensure they are
equipped to deal with the expected
uptick in levels of tax controversy and
dispute in their cross-border
businesses where the other tax



heavy system requirements for
TP documentation;
an increased focus on conduct /
activity as an important test in
assessing TP compliance;
tax treaty access being
constrained and in some
situations uncertain;

a wider transparency agenda,
including introduction of
mandatory disclosure regimes;
and
substance-tax alignment.
jurisdictions are not taking the same
stance as China in some aspects.
Endnote
1.
Please refer to OECD’s official website
for the BEPS Package:
http://www.oecd.org/tax/beps-2015final-reports.htm
2.
Please refer to SAT’s official website
for the Chinese translation of all the
BEPS reports:
http://www.chinatax.gov.cn/n81021
9/n810724/c1836574/content.html
3.
For our analysis on the Discussion
Draft, please refer to China Tax News
Flash [2015] Issue 38 and 39.
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