特集京都経済を牽引する元気な企業オスカー認定企業、京都市ベンチャー企業目利き委員会Aランク認定企業の経営者に聞く ASTEMでは、京都市中小企業支援センターとの統合に伴い、優れた事業発展計画により積極的に経営革新に取り組む中小企業を支援する「オスカー認定制度」を再び実施する運びとなりました。2 0 1 1（平成 2 3）年 3 月に開催されたオスカー認定審査委員会では新たに5 社を認定し、計画の実現に向けた継続的なサポートを行っています。また、同時期に開催された「第 4 0 回京都市ベンチャー企業目利き委員会」では 5 件の事業プランをAランクに認定しました。専任コーディネータによる事業展開のサポートや、資金面での援助等を行い、次世代の京都経済をリードするベンチャー企業を支援しています。今回の特集では各認定企業の経営者にインタビューし、事業内容や今後の抱負を語っていただきました。京都経済の担い手となる元気な企業をASTEMは、これからも応援していきます。（※企業の掲載順は、五十音順。）オスカー認定制度元気な中小企業をもっと元気に！募集対象京都市内に事業所等があり、創業または会社設立から 1 0 年以上経過している中小企業。京都には優れた技術や製品、サービスを持つ中小企業が数多くあり事業の流れオスカー認定企業への支援内容募集フォローアップ支援ますが、中でも特に意欲的に経営革新を図る企業を「オスカー認定」し、計画の実現を支援してきました。2 0 0 2（平成 1 4）年度から2 0 0 8 （平成 2 0）年度まで実施してきたこの制度を2 0 1 0（平成 2 2）年度から再開しました。2 0 1 1（平成 2 3）年 3月に開催されたオスカー認定審査委員会には、システム開発から伝統産業まで幅広い業種から応募があり、京都の企業力の高さを改めて証明する結果となりました。一次審査（書類審査）今回は新たに認定された 5 社を紹介するとともに、オスカー認定制度についてのご理解を深めていただきたいと思います。企業訪問（訪問調査）専門家の派遣による支援調査・研究開発支援企業PR オスカー認定審査委員会審査委員 [敬称略、五十音順]（2011（平成23）年6月現在）木村良晴 2 京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科教授繊維科学センター長／知恵産業融合センター長小谷眞由美株式会社ユーシン精機代表取締役社長佐藤研司龍谷大学副学長・経営学部教授髙木壽一財団法人京都高度技術研究所理事長西口泰夫同志社大学技術・企業・国際競争力研究センターシニアフェロー京セラ株式会社元代表取締役社長長谷川亘京都情報大学院大学教授学校法人京都コンピュータ学園理事長社団法人京都府情報産業協会会長一般社団法人全国地域情報産業団体連合会理事山脇康彦社団法人中小企業診断協会京都支部支部長吉田忠嗣吉忠株式会社代表取締役社長最終審査（プレゼンテーション審査）オスカー認定京都市が実施する支援策（拠点立地支援）京都市中小企業融資制度の活用京都オスカークラブへの入会申請先・お問い合わせ先経営支援部京都市中小企業支援センター TEL：0 7 5 - 3 6 6 - 5 2 2 9 FAX：0 7 5 - 3 1 5 - 6 6 3 4 E-MAIL：center@astem.or.jp 特集 ASTEM NEWS 1 共進電機株式会社テーマ顧客ニーズをイメージ化する新しいモノ創りシステム“KOPEL”で新エネルギー分野の事業革新と販売拡大確かな経験と技術をもとにいに合致するまで繰り返すことで、その術力に他企業や大学との連携を促進さ生まれた「KOPEL」後の工程がスムーズに進行し、より顧客せ、新エネルギー関連機器の開発を進め 1948（昭和23）年にモーター修理・満足度の高い製品をお届けすることがています。また、その市場も国内だけで販売からスタートした弊社は、60年以できます。なく、中国などの海外市場への展開も考上の歴史を持ち、産業用電子・電気装この「KOPEL」から生まれた製品は、えています。置の開発・設計・製造に携わってきましお客様から高い評価をいただき、中にた。「お客様に喜んでいただくこと」をは累計4,000台を超える量産につな京都オスカークラブで第一に、一品受注システムで製品を提がった例もあります。他業種の企業との交流もしていただける製品・サービスを提供す新エネルギー分野へけたことは、大きな自信となりました。まるには、どうすればいいのか。」それを積極的な挑戦た、知名度も上がり、多くの企業からお常に考え、試行錯誤しながら出した1つ今後の展開は、電流測定装置や計声をかけていただいています。の答えが、今回オスカー認定を受けた測装置などで用いることが多かったさらに、オスカー認定企業で構成され「KOPEL」を、得意分野である電源制る「京都オスカークラブ」に加入できたお客様とのものづくりには、イメージ御技術と兼ね合わせ、太陽電池や2次ことで他業種の方々との交流も広がり、の共有が欠かせません。それを怠ると、電池、燃料電池などの新エネルギー分様々な出会いを通して新たなものづくりやり直しなどで作業時間が余計にかかっ野へチャレンジすることです。現在でものきっかけを得ることができました。そてしまう、イメージと違うにも拘らず納「KOPEL」からは太陽電池検査評価装れらを大切にし、今後も顧客満足度の今回、「KOPEL」がオスカー認定を受供してきました。「お客様に、より満足「KOPEL」です。期の関係からお客様に妥協をさせてしま置が生み出されており、2011（平成23）高い、高付加価値なものづくりを目指しうなど、弊社の信用を失うことにつなが年に東京ビッグサイトで開催された「第たいと考えています。ります。 4回国際太陽電池展（PVEXPO2011）」そういったイメージの共有をより確かに出展したところ、100名以上の方々になものにし、お客様にも弊社にも、理想ご来場いただきました。さらに、技術スのものづくりができる新たなものづくりタッフの増強と大学からの技術指導を受システムとして、「KOPEL」を考え出しけることで、弊社の新エネルギー関連技ました。「KOPEL」の大きな特徴は、打ち合わ代表取締役小島久嗣氏せの段階でお客様が納得いただけるまで、何度でも製品イメージ図を作成するということです。弊社の培ってきたノウハウで、お客様の思いを明確にキャッチ DATA 代表取締役小島久嗣し、イメージ化します。異なる点があれ〒600-8865 京都市下京区七条御所ノ内西町18番地ば持ち帰り、素早く修正し、再度イメー TEL 075-311-8555 FAX 075-312-4180 ジ図を提案します。それがお客様の思 URL http://www.kyoshin-electric.co.jp/ 3 ASTEM NEWS 特集 2 株式会社京都紋付テーマ「京黒紋付染」の技術を用いた洋装素材への深黒染め並びに、黒染めジーンズの開発・製造・販売、同時に海外を視野に入れた企画と商品開発日本が誇る伝統技術でた。そこで、「京黒紋付染」の技術を洋どに黒染加工を施した多様な商品開発新しい表現を装にも展開することを考えたのです。を行うことで、弊社のブランドを活性化していきたいです。将来的には、衣服 1915（大正4）年に京都の地で創業して以来、弊社は伝統工芸品である「京ブランドを立ち上げ製品開発だけでなく、メガネのフレームや家具な黒紋付染」の黒染め加工に取り組んで黒染めデニムを発表ど、あらゆる生活シーンに、伝統の「黒」きました。平安時代から続く歴史ある加工ブランドとして「御黒染司」、製品を提案し、「黒」のことなら何でもお任せ技術を継承しているという自負と、それブランドとして「BL・WHY」を立ち上げ、くださいと、言えるようなブラックスタイをさらに高めていきたいという思いで、デニムに黒染加工を施した製品を開発しルの生活提案企業を目指しています。日本一の「黒」の表現を目指していまました。高島屋、伊勢丹などで展示販売す。また、和装呉服の縫製加工も手掛を行い、好評をいただきました。特に海多くの「出会い」に期待を寄せるけており、黒染め加工と合わせた二本外からの評価が高く、「芸者」「歌舞伎」今回、オスカー認定を受けたことで、「相撲」などの日本の伝統文化に欠かせ弊社のブランドを多くの方々に知ってい日本の伝統技術は世界から見ても、ない黒紋付の技術を使用したという背景ただくことができました。また、我々も非常に高いレベルにあります。しかし、もあり、伝統文化を好む多くのお客様に認定を受けたことで、大きな自信となり「着物の技術は着物にだけ」ではなく、声をかけていただきました。2011（平成ました。「その技術力を表現する手段は1つだ 23）年の夏には上海の伊勢丹で展示会弊社のブランドが立ち上がり、育っけなのだろうか。もっと何か新しい表現を、2012（平成24）年にはフランスでのてきた背景には、コラボレーションしての場があるのではないか。弊社の黒染展示会も予定しています。また、GORE- いただいた企業をはじめとした、多くの加工技術も、紋付以外に活かす場があ TEXや COMME CA DU MODEなど、「出会い」があります。オスカー認定をるのではないか。」と常に考えていまし様々な企業とコラボレーションした商品通じて、より多くの「出会い」に恵まれる開発も積極的に行っています。ことを期待しています。柱で経営しています。我々がターゲットとする購買層は広くありません。ファッションに高いこだわりを持つ、コアなお客様に買っていただくことを想定しています。そのようなお客様が、日本に数％しかいなくとも数としては膨大です。我々の製品を知っていただき、そして好んで買っていただくこ代表取締役荒川徹氏とに重点を置き、販売戦略を立てています。現在はインターネットやメーカー直販も行っています。今後は、上質な製品 4 DATA 代表取締役荒川徹を揃えた、セレクトショップへの製品提〒604-8823 京都市中京区壬生松原町51番地1 供なども考えています。また、製品もデ TEL 075-315-2961 FAX 075-326-1277 ニムだけでなく、帽子やトートバッグな URL http://www.kmontsuki.co.jp/ 特集 ASTEM NEWS 3 株式会社ケービデバイステーマ防犯カメラを5＆7 年のフルメンテナンスリースで提供した後のサポートでフルメンテナンスレンタルの提案セキュリティー業界でのそこで、商品とメンテナンスサービス面からも大きなメリットがあります。また経験を活かして起業を合わせて提供できる仕組みを考えまお客様とも長い間のお付き合いになる私は大学を卒業してからずっとセキュした。それが5 年と7 年の「あんしん保ので、信頼関係も築くことができます。リティー関係の仕事に携わってきまし証パック」です。中小企業だからこそで各営業所で地域に根差した展開を続けた。防犯システムのメーカーとして起きる低コストを実現するためにリース会ていきたいと思っています。業しようと決意したのは、今から15年ほ社と提携し、機器のリース、取り付け工ど前で、それはちょうど防犯カメラの第事、サービスを一貫して提供できる体制循環型事業で自社の成長を図る二黎明期にあたり、今後防犯機器の低を整えました。また、リース商品にフルあんしん保証パックは動脈事業で、グ価格化と品質・精度の向上とニーズがメンテナンスを取り入れることでお客様リーンエコプランαは静脈事業という高まっていくことを実感したからです。に安心して使っていただけるようにしま 1つの循環型事業だと考えています。今 2000（平成12）年に京都で本社を立ちした。回オスカー認定を受けたことで引き合上げ、現在では全国に10営業所の拠点それを踏まえて今回発表し、オスカーいのお話をいただく機会も増えました。ネットワークが広がりました。認定を受けたのが、「グリーンエコプラ今は事業拡大に向けた人材の確保を急ンα」です。お客様とのお話の中でリーいでいます。技術指導員を養成し、セーリユースの観点から生まれたス契約が満了になった後も機器が使えルスエンジニアとしてサービスの層を厚新事業るのであれば、再度リースを組めないくしていき、4 年後には新たにサービス防犯カメラというのは高価でありながかと相談があったことがきっかけでし会社を設立する予定です。世の中のセら、エレベーターのように法定点検があた。試行錯誤し、私の頭に浮かんだのキュリティーの維持と、使えるものを最りません。しかも内蔵されている DVR はビール瓶のリサイクルです。空瓶を回後まで使うという環境への貢献を柱にの録画機能、HDDは1年しか保証され収・洗浄し、再利用するというスクラップ事業を進めていきたいと思います。ないという実態があります。設置したけ＆ビルドではないリユースの観点から私れど、2年3年経って肝心なときに録画どもの機器を提供できないかと思い、契できていないということでは意味があり約満了後のレンタルを企画しました。減ません。だからこそ機器を様々な観点か価償却済みの商品にフルメンテナンスら改善・改革をする必要性を感じていまをつけることで、商品を最後まで使うこした。とができます。コストの面からもエコの代表取締役高杉政一氏 DATA 代表取締役高杉政一〒600-8076 京都市下京区高辻通柳馬場西入泉正寺町465番地2 たかくらビル TEL 075-354-3372 FAX 075-354-3382 URL http://www.kbdevice.com/ 5 ASTEM NEWS 特集 4 日本被服工業株式会社テーマ安全性・機能性に富んだ柔道畳の普及拡大ユニフォームの納入形態のシステム化安全性の高い柔道畳でこととなり、期間中は1ミリのずれも起オスカー認定を受けた業界のトップシェアを誇るこさなかったことで、多くの柔道関係自信と誇りを持って 1968（昭和43）年に設立した弊社者に知られるようになりました。以後、今回、弊社の「THE豪快」から広がっは、ユニフォームの販売と畳の製造業を数々の国際大会や国体、インターハイた畳製造業と「ジャストインタイムシス二本柱として事業に取り組んでいます。などで採用され、その実績から柔道を授テム」の事業がオスカー認定されたこ設立してしばらくの間は、ユニフォー業として採用した全国の学校から、次々とで、非常に多くのメリットが生まれまム販売のみでした。畳の製造業を始めにお声をかけていただきました。おかげした。畳製造業では、東日本大震災のたきっかけは、代表の私が長年柔道をしで弊社の畳製造業は、今や国内でトップ災害地に向けた防災畳を開発し、オスてきた関係で、ある学校の校長から柔シェアの実績を誇っています。カー認定のおかげで、国土交通省や京道の授業で、生徒のケガ防止に役立つ畳が作れないかと相談を受けたことにあります。従来の畳では、体育館などの都府に提案の機会をいただきました。ま顧客の負担を軽減する「ジャストインタイムシステム」た、「ジャストインタイムシステム」も、さらに多くの企業に紹介できる場面も増滑りやすい床の上に置いた場合、激しユニフォーム販売についても、その管えました。い動きによって並べてもすぐにずれてし理を一括受託する「ジャストインタイム今後も、オスカー認定を受けたというまい、隙間でつまずくなどの危険性があシステム」という新しいサービスシステ自信と誇りを持って、一層の事業拡大にりました。そこで、どんな場所に置いてムを考えました。励んでいきたいと考えています。も滑らない畳を作れば安全性が高まる近年、衣服の製造はコストの安い海だろうと考え、柔道の専門家や畳の職外が主流で、生地から作るとなると、半人を中心とした開発のプロジェクトチー年近くの時間がかかってしまいます。そムを立ち上げました。2 年をかけてノンのため、ユニフォームを使用する企業スリップの柔道畳を開発し、そこからさは、新入社員やサイズの変更に対応すらに2 年半をかけて、発泡スチレン・ポるため、余分な在庫を確保する必要がリエチレン板などの硬さの異なる素材ありました。「ジャストインタイムシステを重ねた畳の多層構造を開発しました。ム」は、そういった負担を軽減するサーその結果、ノンスリップと融合させた安ビスシステムです。お客様の在庫管理全性・耐久性の高い「化学柔道畳」の特を引き受け、年間需要を予測しながら生許を1992（平成 4）年に取得しました。産や備蓄をすることで、どんなご注文に 1993（平成5）年に、滋賀県に化成品事も10日ほどで納入することができます。代表取締役西堀孝三郎氏業所を設立し、畳の製造業をスタートしこのシステムは京都の大手企業に採ました。用され、ご好評をいただきました。現在やがて、化学柔道畳「THE豪快」はでは、ユニフォームだけでなく、靴や 1996（平成8）年度の広島国体、山梨手袋などの消耗品の管理も任されてい〒600-8025 京都市下京区河原町通り松原上ル清水町283番地県高校総体でメイン会場に使用されるます。 TEL 075-361-9496 FAX 075-361-7130 DATA 代表取締役西堀孝三郎 URL http://www10.ocn.ne.jp/~nippi/ 6 特集 ASTEM NEWS 5 株式会社ベルテックステーマ業界分野三本柱の構築高品質を金型から他の分野でも活かすことができれば、を養成するなど、新規技術の導入を積成形までの一貫した生産体制バランス良く売上を伸ばすことができま極的に進めています。弊社は1989（平成元）年にスタートす。現在1：3：6である医療・理化学機器仕事の仕組みそのものを見直していし、今年で23年目を迎えます。プラス分野、産業用機器分野、コネクタ分野くことで社員のモチベーションも上がチック部品を扱い、自社で金型から成形の売上割合が3：3：4になるように事業計り、技術力の向上につながると考えていまで一貫して生産できる体制を整えて画を立てました。そこで、海外展開の推ます。います。中でも携帯電話に使うコネクタ進、金型の超短納期製作の実現、生産のような超精密小型部品を得意とし、そ技術力の強化を掲げ、今回オスカー認の技術を活かした医療、自動車、電子と定制度に応募しました。コネクタを作る精密加工技術を持っていった様々な分野でのものづくりでお客金型の短納期製作の実現は受注促進いることはコネクタ以外の分野への提様の信頼を得て参りました。1996（平のための手段です。他社よりも早い納案が比較的容易であり、改めて様々な成 8）年に広島工場を建設してコネクタ期をお客様に提示することで競合メー分野へ進出することができると実感して分野を強化し、2002（平成14）年にはカーに競り勝つ、端的に言えば 1ヶ月かいます。オスカー認定をいただいたこと綾部市に京都工場を建設して、医療理かっていたものを2 週間で仕上げる体で、企業の紹介をいただく機会も増えま化学分野に本格参入しました。また、経制を作るということです。例えば、従来した。また、タイへの進出を考えておら済のグローバル化に伴い顧客の海外進はルール上、金型図面を作成するまでれる企業との話が進むなど、三本柱構出が加速する中、弊社も海外拠点の必加工に着手しませんでしたが、形状の簡築の追い風を感じています。新たに生要性を感じ、2008（平成20）年にタイに単なものであれば製品図面に直接分割まれた人脈を活かしながら社員一同力金型工場を建設しました。ラインを記入することにより納期は短縮を合わせて、さらに事業を発展させていしかし、リーマンショック以降、金型のできます。他には寸法公差の入れ方をきたいと思います。生産数は激減し、それをきっかけにタイ見直す、既存型の部品を活用するなど、工場を金型の供給基地だけでなく、営色々な方法がありますが、その実現のた業の拠点と位置づけ、タイに拠点を置くめには作業者の教育、作業の標準化、日系企業との接点拡大を図る方針を立技術力の強化が不可欠です。そのためてました。のプロジェクトチームを2010（平成22）長期的な発展を目指す年から発足させ、営業部、金型製造部、三本柱の構築により、成形製造部、品質保証部が一丸となっ安定感のある売上構造にて取り組んでいます。代表取締役木曽尾正氏現在、弊社の売上の 6 割はコネクタ分生産技術力は成形品単体の納入から野です。一番得意とする分野ですが、少しでも完成品に近づけるために必要 1 つの分野だけに偏ってしまうと、売上な能力で、それを強化することにより付構造としては安定感がありません。しか加価値率を改善し、同時に競合他社と〒601-8142 京都市南区上鳥羽中河原2番地し、海外で金型を安価に製造し、さらにの差別化を図る狙いがあります。その TEL 075-661-3050 FAX 075-661-5300 要求精度の高いコネクタの加工技術をために外部から専門家を招いて技術者 URL http://www.v-tex.co.jp/ DATA 代表取締役木曽尾正 7 ASTEM NEWS 京都特集経済を牽引する元京都市ベンチャー企業目利き委員会京都市ベンチャー企業目利き委員会は、京気な企業募集対象新規性を有する事業を事業化する全国の個人、企業。業種業態にはこだわらず、ソフトウェア開発やサービス業等も含む。事業の流れ都経済を牽引する力強いベンチャー企業を発掘、育成することを目的として 1 9 9 7（平成 9）年に設立され、事業プランの事業性、技術・アイデアなどを評価しています。Aランクに認定された事業プランには、専任コーディネータによるきめ細やかな事業展開サポート、研究開発全国から事業プランを公募事業プランは随時受付していますが、最終審査は年 2 回行います。補助金制度など多角的な支援を実施し、事業プランの実現を支えています。これまでに7 7 事業プランの事業性、保有技術・アイデアについて調査を行います。一次審査部会（一次審査）調査専門委員による調査申請書による一次審査を行います（最低基準に達していないと判断したプランを除きます）。件のプランが認定され、2 011（平成 2 3）年 3 目利き委員会（最終審査）月の委員会では5 件の事業が新たに認定されました。全国から素晴らしい事業を京都に集結させ、経済活性化の原動力とすべく、今後も認定書の交付活動を続けて参ります。申請者によるプレゼンテーションのうえ、事業プランに対する評価を行います。 [敬称略、五十音順] 京都市ベンチャー企業目利き委員会（2011（平成23）年6月現在）委員長堀場雅夫株式会社堀場製作所最高顧問 Aランク認定企業への支援内容副委員長佐和隆光滋賀大学学長 1．京都市ベンチャー企業研究開発補助事業委員上村多恵子京南倉庫株式会社代表取締役社長 2．新市場・事業展開可能性調査事業加藤郁之進タカラバイオ株式会社前代表取締役社長 3．資金調達のためのプレゼンテーション会齋藤茂株式会社トーセ代表取締役社長 4．京都市ベンチャー購買新商品認定制度髙木壽一財団法人京都高度技術研究所理事長 5．賃料補助辻理サムコ株式会社代表取締役社長永守重信日本電産株式会社代表取締役社長吉田和男京都大学大学院経済学研究科教授渡部隆夫ワタベウェディング株式会社会長 6．専門家相談特例措置 7．京都市ベンチャー企業育成支援補助金 8．京都市きらめき企業支援融資申請先・お問い合わせ先新事業創出支援部 TEL：0 7 5 - 3 1 5 - 3 6 4 5 FAX：0 7 5 - 3 1 5 - 6 6 3 4 E-MAIL：info-mekiki@astem.or.jp 8 ASTEM NEWS 目利き Aランク認定 1 アイ’ エムセップ株式会社テーマ溶融塩電気化学プロセスによる新材料・新素材の開発と事業化溶融塩を用いた 5 年かけて事業の要となるお話もかなりいただいているのですが、同志社大学発のベンチャー三本柱を確立まだまだ若い会社です。すべてに対応私どもは、色々な種類の塩を加熱に起業当初はとにかくやってみたい技術する資金力もマンパワーも足りていませより液体化させた、「溶融塩」を用いたシーズが多かったのですが、何しろマンん。そこでまずマンパワーを充実させよ研究開発を行っています。同志社大学パワーも資金力もありません。「何でもうと2011（平成23）年に入ってから4 人発のベンチャーとして2006（平成18）できるのは何もできないことと同じですの社員を迎えました。2012（平成24）年に立ち上げました。今回の京都市ベよ」と言われて事業を一本に絞るようにア年に向けて新入社員も募集しています。ンチャー企業目利き委員会で Aランクドバイスも受けましたが、なかなか絞れまアイ’ エムセップという社名は溶融認定をいただいた事業は、溶融塩を電せんでした。5 年かけて徐々にブラッシュ塩電気化学プロセス（Molten Salt 解浴として電気分解を行う電気化学プアップしていき、現在は「炭素膜の電解 Electrochemical Process）の頭文字ロセスにより、新素材や新材料の創生形成」、「ナノ粒子製造」、「常圧でのアンをもとにしているのですが、頭につくを行うことを目的としています。水溶液モニアの電解合成」を三本柱に、それに「 I 」には Innovation の意味と、社員を用いた電気分解では、比較的小さな付随した研究開発を行っています。一人ひとりに自分（ I ）で会社を支えると電圧で水が分解されてしまうため、取例えばナノ粒子の場合、溶融塩技術いう自負を持ってほしいという意味が込り扱える元素が限られていますが、溶と放電電解という特殊な手法を組み合められています。現在の社員数は10人融塩は水を全く含みません。そのため、わせることで、従来よりも非常に細かいです。全員で一丸となって社会に役立 100以上の元素を取り扱うことができ、粒子を、環境負荷が少ないプロセスによつ研究を続けていきたいと思います。資源・エネルギー・環境分野への応用がり形成することができます。連続的に取期待されています。この技術は歴史的り出すことが難しいのが懸案事項でしたに非常に古いもので、日本でも盛んにが、回転電解法という遠心力を利用した行われてきました。中でもアルミニウム仕組みを発明したことで、その課題をクの電解精練の技術力は大変高く、25年リアしました。今後、コンデンサー市場くらい前まで日本は世界で 1 割のシェアでの躍進が期待されています。また、炭を持っていました。しかし、電気を大量素めっき、アンモニアの電解合成は低炭に消費するため、電気料金が安い海外素化社会に適合した技術で、今後ますまとは勝負ができなくなり、現在は全くとす需要が拡大していくでしょう。言ってよいほど国内生産されていません。高い技術を持っているにも拘らず、マンパワーの充実でその技術を継承する術がなくなってしさらなる躍進を狙うまったのです。私はそれを何とか他の技弊社は知を財にすることでその成果術に応用できないかと思い研究を続け、を世の中に問いたいと考えています。A 大学の後押しがあったおかげもあり、起ランク認定をいただいたことは、自分た業するに至りました。ちの事業に対する自信になり、社員にとっても励みになりました。引き合いの代表取締役伊藤靖彦氏 DATA 代表取締役伊藤靖彦［本社］〒600-8813 京都市下京区中堂寺南町134番地 TEL 075‐950‐7901 ［研究開発部］〒610-0332 京都府京田辺市興戸地蔵谷1番地 D-egg310 TEL/FAX 0774-63-2051 URL http://www.imsep.co.jp/ 9 ASTEM NEWS 目利き Aランク認定特集 2 株式会社アスプテーマ微細均一高濃度化ナノバブル発生装置の開発による次世代エコ常温洗浄技術の確立次世代エコに応える想定される活用面においては、ホモ社特許ではありますが、アプリケーショホモジニアスバブル発生技術ジニアスバブル技術により発生したバンは可能な限りオープンにし、多くの協 1962（昭和37）年に静岡県三島市でブル−微粒子間相互作用による「酸化力企業とともにホモジニアスバブル応創業し、一貫してバブル発生事業にこ還元反応、静電気引力、殺菌洗浄効用事業を発展させていきたいと考えてだわり続けてきました。そして、新たな果」等が、日常生活に広く活かされるこいます。現在も、東日本大震災による原展開として、約半世紀の間に培われたとを大いに期待するところです。発事故で広範に拡散した放射性核種に技術ノウハウにより開発しました「ホモ具体的にはウイルスや細菌類、放射対し、ホモジニアスバブルと磁気的吸ジニアスバブル発生装置」をもとに、現性核種から身を守る感染防止効果。付着剤の併用による放射性核種の大幅圧代の環境問題に応えるべき用途開発を着農薬等の脱離分解洗浄や塩素などの縮技術を考案し、各方面へ積極的に提行い世界に貢献すべく、取組を行ってい薬剤を使用しない上・下水の殺菌洗浄に案活動も行っています。ます。元々は、周囲に温泉が多かったこよる健康生活への維持効果。環境保全バブルは太古の昔から深海底で生命とから、温浴バブル発生装置を「かんぽ面では廃液や汚泥の分解。さらには、水体と共存をしてきました。ホモジニアスの宿」などで幅広くご利用いただいてき素バブル活用によるミトコンドリア活性バブルの技術が活用できる分野を皆様ましたが、次世代のさらなる事業の発展化や細胞の老化防止などの還元効果やのご協力で、さらに深く掘り下げ、早期には環境事業への進出が欠かせないも生理活性効果は、再生・保存・成長促進かつ広範囲に、社会に役立つ技術にしのとして、超微細気泡（ナノバブル・マイにも活かされることと考えています。ていきたいと考えています。クロバブル）発生装置の開発に着手しまその他、バブルの流動帯電除電性をした。その結果、バブル粒径0.5∼3μm 利用した新たな洗浄技術への展開や、の発生に成功し、続いて、バブル粒径石油類の移送・貯蔵時の安全対策技術へ 100nm濃度260万個/mlの開発にも成の展開、医療・治療分野、均等分散効果功しました。その後の大手ウエーハメー活用によるナノ粒子生産分野、効率的酸カーの評価実験により、IPA置換マラン素供給技術分野など、その開発効果はゴニ洗浄乾燥法に替わるものとして「ホ無限大の広がりを持つといえるでしょう。代表取締役高橋賢氏モジニアスナノバブル発生装置の第一次試作」に成功しました。ホモジニアスバブル発生技術で現在、経済産業省の平成22年度戦略世界に貢献的基盤技術高度化支援事業｢ホモジニおかげさまで、今回の京都市ベンアスバブルジェネレータの研究開発にチャー企業目利き委員会での Aランクよる次世代エコ常温洗浄技術の確立｣認定により企業としての信頼度は増しま (管理法人：(財)京都高度技術研究所)にした。今後は、このことを活用し多くのおいて研究開発を進めています。企業との交流を増やせることを期待しています。弊社のような零細企業は、技術 10 様々に活かされるは持っていても、協力企業がなければホモジニアスバブル発生技術研究開発も進めることができません。弊 DATA 代表取締役高橋賢［本社＆研究所］〒615-8245 京都市西京区御陵大原1番地36 京大桂ベンチャープラザ北館209号担当：中尾携帯 080-3861-1682 E-MAIL nakao@asupu.com ［工場］〒411-0943 静岡県駿東郡長泉町下土狩1033番地 TEL 055-989-7704 FAX 055-988-6221 URL http://www.asupu.com/ 担当：高橋 E-MAIL nanobubble@asupu.com 特集目利き Aランク認定 ASTEM NEWS 3 株式会社京都コンステラ・テクノロジーズテーマ新規インシリコスクリーニング手法を用いた創薬支援システムの研究開発・製造・販売バイオと ITの連携を図る用する方法です。創業から3 年をかけて今までにない技術を持って、京都大学発のベンチャー企業このベースとなる技術は認知されてき京都から世界へ羽ばたく弊社は、京都大学薬学研究科・奥野たように感じています。そこで、今後は今回、目利き委員会に応募したこと恭史教授の研究成果である「新規化合基盤の技術をもとに新たなシステムので、会社としての方向性を改めて練り直物スクリーニング手法：相互作用マシ開発やそのシステムをさらに進化させるすことができ、非常に良い機会をいただンラーニング法（CGBVS；chemical ことを目標として、京都市ベンチャー企きました。 genomics-based virtual screening）」業目利き委員会に応募させていただき社名のコンステラには星座という意味をもとに、京都大学「医学領域」産学連ました。製薬企業から受託してスクリーがあり、宇宙のような広がりの中で新た携推進機構などの支援を受けて2008 ニングを行い、結果を企業にお返しするな星にたどり着くという思いが込められ（平成20）年3月31日に設立しました。だけでなく、その技術をシステム化してています。また、「京都」という地名を社バイオと ITを連携させた、製薬企業の製品として販売していこうという動きで名に入れたのは、この技術を持って京都研究開発への技術提供を行っています。す。もともと汎用性、発展性のある技術から世界へ羽ばたいていきたいという思製薬企業が医薬品を開発するときは、ですので、京都大学と一緒に共同研究いからです。今後は世界への進出も視どのような化合物と標的タンパクとの組をしながら開発していきたいと考えてい野に入れ、様々な分野で京都発の技術み合わせが効果あるものかを探すことかます。を広めていきたいと考えています。ら始まります。実験で確かめる方法もあ現在開発を進めているのは、市販さりますが、時間もコストもかかり、効率れている薬の副作用が集まったデータ的ではありません。そこで、その作業をベースの活用システムです。もともとアコンピュータで行うというのが事業の大メリカの FDA（アメリカ食品医薬品局）きな柱です。コンピュータを使って新規が、世界中から集めたデータベースをの化合物を見つけ出すことで、企業の公開していますが、蓄積されたデータの研究開発部門と共同で新しい製薬開発活用が上手くできていません。そこで、を進めています。我々が整理し、日本語検索をできるように開発を進めています。間もなくリリー研究の蓄積をうまく利用し、スになりますが、医師や薬剤師の方に新薬の開発に貢献提供し、より質の高い医療となる支援が弊社のスクリーニング技術は非常にできると考えています。代表取締役社長村上竜太氏ユニークで、特徴的なものです。候補また、弊社の得意とする計算科学の化合物と標的タンパクの膨大な相互関技術を用いて、膨大なデータから統計係データを機械学習させ、どのようなパ学的に医薬品と副作用との関連性を示ターンならば作用し得るのかという、新す指標（シグナル値）を計算し、データ〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町558番地三洋室町ビル304号たな組み合わせを探すことができます。ベースから示される副作用の可能性も TEL 075-241-9672 FAX 075-241-9673 つまりこれまでの研究の蓄積をうまく活確認することができます。 URL http://www.k-ct.jp/ DATA 代表取締役社長村上竜太 11 ASTEM NEWS 目利き Aランク認定特集 4 株式会社光伸舎テーマデジタルエリアカウンターによる計数システムの開発販売培ってきた技術を発揮した重さから個数を計る場合は計数する製わず、高い評価をいただいています。タ新しい計数システム品個々の重さのバラツキがあったりするイや中国、韓国などからのお問い合わせ 1978（昭和53）年の創業当初は、配など、誤差が発生していました。しかしも多く、今後はそういった国外への展開線部品の製造・販売を主としていた弊社この「デジタルエリアカウンター」では、も含め、さらなる市場の開拓に力を入れですが、1988（昭和63）年に、画像計ラインに乗せた製品を落下させ、それをていこうと考えています。また、システ数機の開発をきっかけに事業分野を拡光センサーではなく2,000ビット以上のム部分につきましても、計数だけでなく大させ、現在は制御機器やホコリ・チリ CCDイメージセンサーカメラで 1 秒間製品の「選別」もできるよう、開発を進を取り除くクリーンルーム用集塵装置、に10,000回スキャンさせて個数を判別めています。空気清浄機、ホコリセンサーなどの環境します。その結果、秤や光センサーより改善機器の開発・製造・販売も手がけ、も正確に個数を計ることができ、従来の認定に満足することなく作業環境の向上に一役を担っています。方法では不可能だった計数作業の自動積極的な事業展開を今回、京都市ベンチャー企業目利き化が可能になりました。 Aランク認定されたことで、「デジタルエリアカウンター」だけでなく、弊社委員会で Aランク認定された事業である「デジタルエリアカウンターによる計数「デジタルエリアカウンター」が持つの知名度も向上しました。また、認定さシステムの開発販売」は、20年以上に最大の特徴「面積判定」れたという実績で、お客様からの信用が渡って培ってきた弊社の光センサー技「デジタルエリアカウンター」の最大上がったと実感しています。しかし、現術が如何なく発揮されたものです。の特徴として、計数時に2 つのものが状に満足して立ち止まることなく、今後仕分け時の個数チェックや組立工程 1 つに重なって落下した場合でも、個別も培ってきた技術や新たに会得したノウでの部品の個数管理など、多くの工場に判別して計上することが可能な点がハウを活かした、新しい事業展開を邁進や職場で、数の管理をすることが多く挙げられます。従来のセンサー式計数機していきたいと考えています。求められています。しかし、従来のセンでは重なりを判別することができないたサー式計数機では、計数できる部品が、め、それらが1 つとして計上されていま大きさや重さなどで限定されたり、秤でしたが、製品の面積判定で個数を判別するため、標準の大きさ以上のものが落下した場合は、それを判定・補正することで製品の重なりとして判別することができます。さらに、この面積判定によりライ専務取締役白川光英氏ンに乗ったゴミや部品の欠片なども、計数せずにキャンセルすることができ、より精度の高い計数が可能となります。「デジタルエリアカウンター」は現在、 12 DATA 代表取締役粉川末子多くの企業からお問い合わせをいただ〒601-8103 京都市南区上鳥羽仏現寺町61番地3 いており、自動車部品や、冷凍食品、植 TEL 075-661-3161 FAX 075-661-3169 物の種、錠剤など、製品のジャンルを問 URL http://www.koshinsha.jp/ 特集目利き Aランク認定 ASTEM NEWS 5 株式会社センサーズ・アンド・ワークステーマ焦電型赤外線センシング技術の開発販売フィルム状赤外線センサー素子をフィルム状赤外線センサー素子のり、私どもの開発した技術を、多くの方発信するために大きな特徴に知ってもらうことができました。また、 2008（平成20）年度に独立行政法人最大の特徴は、弊社の持つ有機焦電企業への橋渡しなども支援していただ科学技術振興機構（JST）からテーマ採性薄膜素子作製の蓄積した技術と豊富き、弊社のような設立して間もない会社択を受けた研究課題の、「高品質な有なノウハウを活用したアレイモジュールにとっては非常にありがたい支援をいた機強誘電性薄膜作製における標準化技にあります。フィルムに置かれたセンだいています。術の開発（開発代表者：石田謙司神戸サーの一つひとつが独立した「目」の役今後も、京都からベンチャーの風が強大学大学院工学研究科准教授）」から生割を果たします。そのため、従来の赤外く吹き続けるための重要な制度として、まれた環境にやさしいフィルム状赤外線センサーよりもモーションセンシング目利き委員会には期待しています。ま線センサー素子を柱とした事業を発展に優れており、移動方向や速度など人た、私どもも、認定いただいたという自させるために2011（平成23）年 4月にの動きをより正確に検知することができ信を持ち、フィルム状赤外線センサー素創業しました。ます。さらに、センサーフィルムの特徴子が多くの方の目に止まるよう、邁進し従来の赤外線センサーは、鉛を含有に合ったレンズを組み合わせることによていきたいと考えています。するセラミック系材料を用いたものが主り視野角制御、数 m 先の人体位置検出流です。鉛は、生物が過剰摂取すると中など用途が広がります。毒症状を引き起こすなどの悪影響を及以上の点から、公共施設、店舗などのぼすため、環境面から優れた素材とは言来店・退店情報、どのブース、コーナーえません。また検知の点からも、従来のにお客様がよく来られるかなどのユー赤外線センサーは単独使用では方向検ザーデータを正確に把握することによる知に適しておらず、また、用途に応じたマネジメントへの展開、また空調、照明特殊なレンズが必要で、市場展開を阻などの省エネ最適空間の創出への展開害する問題の1 つとなっていました。も期待できます。代表取締役フィルム状赤外線センサーでは、そう堀江聡氏いった問題を解決し、素材には鉛を含ま誇りある技術から生まれた種をず、環境にもやさしく、EU（欧州連合）多くの場所に芽吹かせるの特定有害物質の規制である「RoHS フィルム状赤外線センサー素子とい指令」にも適合しているため、積極的なう種はできているので、現在はそれを芽海外展開が可能です。また、1 枚のフィ吹かせるための検知システムの開発、ルムに複数のセンサーを集積化させたモジュールといった商品開発を進めてアレイ構造をとっているため、フレキシいます。並行して、プロモーション活動ブルに形状を変えることができます。こにも力を入れています。れにより、1モジュールでの多角方向検今回、京都市ベンチャー企業目利き TEL/FAX 078-803-6679 知が可能となります。委員会で Aランク認定されたことによ URL http://sensorsandworks.com/ DATA 代表取締役堀江聡［本社］〒600-8813 京都市下京区中堂寺南町134番地㈶京都高度技術研究所8A15 ［事業所：神戸ラボ］〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1番1号神戸大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー内 13 ASTEM NEWS 事業活動報告 ① 多様な目的に適した形態素解析システム用電子化辞書の開発 ASTEMでは、現代日本語書き言葉均衡コーパスプロジェクトの一部である、形態素解析システム用電子化辞書の開発を2 0 0 6（平成 1 8）年から、5ヶ年計画で国立国語研究所、千葉大学等と共同して実施してきました。今回はその研究成果である電子化辞書「UniDic（ユニディック）」について紹介します。 http://download.unidic.org 様々な用途に対応する形態素解析システム用電子化辞書ズになります。2 つ目の特徴は語彙素・今夏には最新バージョンの UniDic ver. 2を発表予定電子化辞書「UniDic」の直接の目語形・書字形・発音形という階層構造を現在公開しているUniDic ver. 1 . 3 ため、言語の機械解析が非常にスムー的は日本語コーパスに形態論情報を付持っていることです。この階層構造には基本的に形態素解析システム用の辞与するツールという位置づけでした。しより、表記の揺れや様々な変化による書だけを公開しており、辞書の階層構かし、我々は、もっと多様な目的に即し単語の判定が容易になります。例えば造やデータベースそのものは公開してた電子化辞書を目指し研究開発を続け「かめい」と、「かな」という言葉は漢いませんでした。UniDic ver. 2ではそてきました。ベースは書き言葉ですが、字で書くと、どちらも「仮名」ですが、ういったデータベースを公開することに音韻的な情報等も解析結果に入ってい語としては別に解析したい、というときより、さらに幅広く使っていただきたいるため、コンピュータの音声合成にも利に文字（書字系）としては同じですが、と考えています。また辞書の生成ツー用することができます。また開発初期か意味（語彙素）としては別のものだといルも実装し、必要な情報だけを使ってら情報を公開し、すでに国立国語研究う情報を持たせることで、正しい結果専用辞書を作りたいというような要望に所から商用ライセンスを発行している企を導き出すことができます。3 つ目は発も応えられるようになりました。学術的業も1 0 社を超えました。主な企業とし音に関する情報も組み込めることです。ユーザーだけでなく、webやクラウドコては、アップル社があり、iOSに組み込元々の書き言葉のコーパスを作るというンピューティングなど様々な分野で活用まれて仮名漢字変換のベースとなる辞目的に対しては発音やアクセントというされることを期待しています。書として使われています。その他には、情報は必要ありません。しかし、様々な web系企業ではweb上のテキストを自利用方法を想定して、発音やアクセント動解析するために利用されています。に関する情報も提供できる仕組みを組語彙素・語形・書字形・発音形の階層構造を始めとした 3 つの特徴み込みました。そのため各辞書項目に付加されている情報は非常に多岐に渡るため、ユーザーはこの中から必要な UniDicには3 つの特徴がありま情報だけをピックアップして使うことがす。1 つ目は国立国語研究所で規定しできます。た「短単位」にもとづいた単位設計がこれだけの情報を持ち、なおかつ大されているため、一般的な辞書に多く規模（3 0 万語以上を収録）で一般に公見られる言葉の単位の揺れがほとんど開されている電子化辞書はまずありまないということです。ある単語が区切せん。られたりまとめられたりする揺れがない 14 UniDic webサイト REPORT 研究開発本部研究部主席研究員山田篤 ASTEM NEWS 事業活動報告 ② ユーザーとのコミュニケーションを円滑に REPORT iPadアプリケーションソフト「オーダーメイド枕計測システム」を開発研究開発本部情報事業部主任澤田砂織 ASTEMでは企業と連携したiPadアプリケーションソフト開発を積極的に進で作成しました。めており、様々なノウハウと高い技術力で、ユーザーの声に応えたアプリケー「オーダーメイド枕計測システム」ションソフトを発表しています。今回はその中から「オーダーメイド枕計測シスは現在、株式会社ロマンス小杉のテム」を紹介します。チェーン店、5店舗で使われており、販売実績も上昇しているというご報株式会社ロマンス小杉との協同開発で実現したオリジナルアプリケーションソフトとって不便なものでした。このたびASTEMでは、寝具メーカーそういった、「オーダーメイド枕」を作蓄積したノウハウをより多くの企業に提供である株式会社ロマンス小杉と共同で成するために必要な、お客様と販売員と今回の「オーダーメイド枕計測シス iPadアプリケーションソフト「オーダーのコミュニケーションをより円滑にするたテム」という企業専用のアプリケーメイド枕計測システム」を開発しました。め、今回のシステムが開発されました。ションソフト開発はASTEMとして近年、心身疾患が社会問題化してお iPadという携帯端末を使うことで、初めての試みで、この開発にあたっり、その多くに発症のシグナルとして「眠データ入力・結果表示の不便性を解消すて、多くのノウハウを蓄積することがれない」という症状が現れています。そると同時に、計測までのコンサルティンできました。現在も多くの企業から、ういったシグナルへの対策として、眠りのグ（図 1）、顧客の計測データ及び好み iPadを販促ツールや自社製品のプロ質の改善を施し、快眠を提供する「オーの材質を入力することで顧客に合わせたモーションツールとして活用するたダーメイド枕」が注目を集めています。枕の提案（図 2）などの新しいサービスめのアプリケーションソフト開発の寝具メーカーである株式会社ロマンスも、iPadひとつでできるようにシステム相談が来ています。小杉でも「オーダーメイド枕」の販売をを組み上げました。入力された情報は、今後の展開としては、デバイスの管行っており、お客様一人ひとりに合った PDFデータに変換し出力することで、診理、アプリケーションソフトの更新商品を提供しています。しかし、枕作成断書としてお客様にお渡しすることも可などを始めとした、各ノウハウの蓄積にあたって、お客様の肩幅、首のへこみ能（図 3）です。また表示画面も親しみにより、中小企業からの様々なアプリなどを測定した後、そのデータ入力、結やすく、わかりやすい、というコンセプトケーションソフト開発の相談にも、臨果提示などは店の奥に備えているPCで行われるため、お客様、そして販売員に告を受けています。機応変に応えていきたいと考えています。企業向けのシステムノウハウは、なかなか表に出 23.7 中 10 + 2.5 cm g 0.1 cm 0.2 cm 0.3 cm 1.5 cm 2.0 cm てくることはありません。その点、多くのノウハウを培っているASTEMならば、より多くの企業に、より多くの情報を提供できます。今後も、企業と共同のアプリケーションソフト開発を積極的に進めていきたいと考えています。図1 図2 図3 15 財団法人京都高度技術研究所賛助会員紹介株式会社太洋堂大阪ガス株式会社 A オムロン株式会社 K TOWA株式会社株式会社富永製作所株式会社片岡製作所関西電力株式会社 N 日本電気化学株式会社関西ブロードバンド株式会社株式会社日本電算機標準株式会社京信システムサービス公益財団法人京都産業 21 一般社団法人発明協会京都支部 H 福田金属箔粉工業株式会社京都樹脂精工株式会社株式会社堀場エステック株式会社京都ソフトウェアリサーチ株式会社堀場製作所京都リサーチパーク株式会社株式会社ゴビ村田機械株式会社 M 株式会社村田製作所サムコ株式会社 S メテック北村株式会社株式会社島津製作所株式会社写真化学星和電機株式会社株式会社総合システムサービス T 大日本スクリーン製造株式会社日本新薬株式会社 R W ローム株式会社和研薬株式会社株式会社ワコールホールディングス 2 0 1 1（平成 2 3）年 6月3 0日現在財団法人京都高度技術研究所編集後記 Address 〒600 - 8813 京都市下京区中堂寺南町1 3 4 番地今回の特集「オスカー認定企業と目利きAランク認定企業紹介」、いかがでしたか？京都には、独自の技術やサービスを持った元気な中小企業、ベンチャー企業がたくさんあります。それぞれの特長を活かし、ますます発展していただき、京都経済をもっと盛り上げてくださることを期待するとともに、ASTEM も全力でサポートをさせていただきます。第64号 2011（平成23）年 7月発行発行財団法人京都高度技術研究所総務部 ©ASTEM 制作／アド・アソシエイツ株式会社 TEL 075 - 315 - 3625 ㈹ URL http://www.astem.or.jp/ FAX 075 - 315 - 3614 E-MAIL info@astem.or.jp