日本バプテスト神学校 2014年度 講義要項

Japan Baptist Theological Seminary
Seminary Year 2014 Syllabus
日本バプテスト神学校
2014年度
245-0061
講義要項
神奈川県横浜市戸塚区汲沢 1-24-9
TEL/FAX
E-mail
日本バプテスト神学校
045-866-3150
jbts@jbu.or.jp
2014年 4 月 1 日発行
日本バプテスト神学校の教育理念
1. 「良い知らせを伝える」ために召された伝道者として、聖書を正しく学び、福音の真理
を確かに身につける。
2. 伝道者としての信仰の成熟を、神に祈り、求め、品性の成長に努める。
神と人に仕える者としてみことばに聴き、他者を愛し、敬い、謙虚に仕えることができる信
仰者を養成する。他者の存在を受け入れ、他者に仕えることを喜ぶ人間性の習得に努める。
3. よき牧会者となるために、よき羊飼いに倣い、心を開き、他者と多くのものを分かち合
う心を養うことに努める。
2014年度 教育活動の目標「協働者として学び合う」
2014年度
教役者名簿
(あいうえお順・敬称略)
教役者名
小野
髙橋
慈美
働き
校長・教授
担当講座
説教演習 フィールドワーク I
彰 学務主事・講師 キリスト教史 教義学特講
真由美
講師
実践神学 II
帆苅
猛
教授
新約聖書釈義、新約ギリシャ語
森島
惠
講師
新約聖書総説 説教学
村椿
真理
講師
バプテスト史 神学概論
山田
和人
講師
牧会カウンセリング
原
渡邊さゆり
教務主任
フィールドワーク II、旧約聖書総説、
旧約聖書釈義、旧約聖書神学、新約聖書神学
実践神学 I 牧会学
2
カリキュラム表・2014年度 開講科目一覧
(担当者名のある科目が、今年度開講している科目です)
I.
基礎課程
信徒伝道者養成コース(聴講可能)
科目名
単位
必修
選択
担当者名
旧約聖書総説
4
○
渡邊
新約聖書総説
4
○
森島
キリスト教史
4
○
髙橋
神学概論
4
○
村椿
実践神学 I
2
○
渡邊
説教学
4
○
森島
神学校礼拝
II.
渡邊
神学専門課程
教師養成コース
第一学年
科目名
単位
必修
選択
担当教員名
旧約聖書総説
4
○
渡邊
新約聖書総説
4
○
森島
キリスト教史
4
○
髙橋
神学概論
4
○
村椿
実践神学 I
2
○
渡邊
実践神学 II
2
○
原
選択科目
8
フィールドワーク I・II
4
○
単位
必修
旧約聖書釈義
4
新約聖書釈義
先修科目
○
小野・渡邊
第二学年
科目名
選択
担当教員名
先修科目
○
渡邊
旧約聖書総説
4
○
帆苅
新約聖書総説
教義学
4
○
バプテスト史
4
○
村椿
説教学
4
○
森島
キリスト教と現代
4
○
選択科目
4
フィールドワーク I・II
4
神学概論
実践神学 I
○
○
キリスト教史
小野・渡邊
3
第三学年
科目名
単位
必修
旧約聖書神学
4
新約聖書神学
担当教員名
先修科目
○
渡邊
旧約聖書釈義
4
○
渡邊
新約聖書釈義
牧会学
4
○
渡邊
説教演習
4
○
小野
牧会カウンセリング(半期) 2
○
山田
選択科目
2
論文
4
○
フィールドワーク I・II
4
○
選択
説教学
○
小野・渡邊
選択科目
科目名
単位
担当教員名
先修科目
教会史特講
4
キリスト教史
教義学特講
4
原典講読(旧約)
4
ヘブライ語
原典講読(新約)
4
新約ギリシャ語
日本キリスト教史(前期)
2
教会音楽
2
特別講座 I
2
特別講座 II
2
新約ギリシャ語
4
ヘブライ語
4
原書講読 I
4
原書講読 II
4
キリスト教教育学
2
基礎文献講読
4
礼拝学
2
髙橋
教義学
帆苅
バプテストコース 必修科目
(ただし、教師養成コースの必修科目で未修のものがあれば、履修を求める。学生のこれまでの神学教育機関
での履修の有無により相談して決定する科目がある)
科目名
単位
担当教員
先修科目
キリスト教史
バプテスト史
4
村椿
実践神学 I
2
渡邊
実践神学II
2
原
牧会学
4
渡邊
説教演習
4
小野
論文
4
フィールドワーク I・II
4
説教学
小野・渡邊
4
日本バプテスト神学校 2014年度 時間割
曜 日
火
水
木
9:00~
聖書の学びと祈り
聖書の学びと祈り
聖書の学びと祈り
I 限目
フィールドワーク I
旧約聖書神学
新約聖書神学
9:30~
(小野慈美)
(渡邊さゆり)
(渡邊さゆり)
10:50
(教師養成コース)
(3)
(3)
フィールドワーク I
旧約聖書神学
新約聖書神学
(小野慈美)
(渡邊さゆり)
(渡邊さゆり)
(3)
(教師養成コース)
(3)
Ⅱ限
11:00~
教義学特講
(髙橋彰)
(選択)
フィールドワーク II
12:20
神学校礼拝
教義学特講
(髙橋彰)
(選択)
(渡邊さゆり)
Ⅲ限
13:00~
14:20
新約聖書釈義
説教演習
新約総説
(帆苅猛)
(小野慈美)
(森島惠)
(2)
(3・B)
(1・S・聴講)
新約聖書釈義
説教演習
新約総説
牧会カウンセリング
(森島惠)
(山田和人)
(1・S・聴講)
(3)
説教学
牧会学
(森島惠)
(渡邊さゆり)
(1・S・聴講)
(3・B)
説教学
牧会学
(渡邊さゆり)
(森島惠)
(渡邊さゆり)
(選択)
(1・S・聴講)
(1・S・聴講)
(3・B)
Ⅴ限
バプテスト史
キリスト教史
旧約聖書釈義
16:20~
(村椿真理)
(髙橋彰)
(渡邊さゆり)
(1・S・聴講)
(※・2)
バプテスト史
キリスト教史
旧約聖書釈義
(村椿真理)
(髙橋彰)
(渡邊さゆり)
(帆苅猛)
(小野慈美)
(2)
Ⅳ限
(3・B)
新約ギリシャ語 実践神学 II
14:40~
(帆苅猛)
(原真由美)
16:00
(選択)
(3・B)
新約ギリシャ語 実践神学 I
(帆苅猛)
17:40
(2・B)
(2・B) (1・S・聴講)
(※・2)
愛餐
VI 限
19:00~
20:20
夕礼拝・愛餐
神学概論
旧約聖書総説
(村椿真理)
(渡邊さゆり)
(1・S・聴講)
(1・S・聴講)
神学概論
旧約聖書総説
(村椿真理)
(渡邊さゆり)
(1・S・聴講)
(1・S・聴講)
5
科目 フィールドワーク I(通年)4単位
火曜 1限
1・2・3年
担当:小野慈美
概要
<通年実習>
教師コース、バプテストコースの学生は、日本バプテスト同盟関東部会の教会・伝道所の協力を得て一年を
通じ教会実習を行う。
<集中実習>
在学期間中に、日本バプテスト同盟に加盟する教会・伝道所の協力のもと、その教会の教師の指導のもとで
2 週間以上 3 回の主日を含む期間で集中的な実習をする。
本講義では、上記実習教会の教師と連携をとり、学生の実習を維持、指導し、伝道者となる上での課題を分
かち合い、討議を行う。
<研修旅行>教師コース、バプテストコースの学生は、東北、関西、内海部会の教会・伝道所へ研修のため
訪問し、各地区の教会・伝道所の働きを学び、信徒との交わりを持ち、教師からの指導を受ける。
さらに教会が担うべき社会的な課題について調査、発表を行い伝道者として働くための備えをする。
授業計画
① 通年教会実習の実習記録を作成する。
実習で学んだことについてコメントし、自らの実習について振り返る。
② 集中実習の実習記録を作成する。
集中実習のための準備と振り返りを行い、伝道者となるための必要を知る。
③ 研修旅行の計画、実施、そして総括をする。
④ 教会が担うべき社会的な課題について学ぶ。
成績評価
出席
提出する通年実習のレポート、実習先の教会・伝道所からの報告
提出する集中実習のレポート、実習先の教会・伝道所からの報告
研修旅行の報告
以上を総合的に評価する
テキスト
特に指定しない
参考書
必要に応じて紹介する
備考
6
科目 フィールドワーク II(通年)4単位
火曜 2限
1・2・3年
担当:渡邊さゆり
概要
神学校で行われる礼拝において奉仕することを通して、実践神学的な見地から現行の礼拝、これからの宣教
活動について反省的また挑戦的な視座に立つことを目的とします。教会の信仰教育活動のリーダーとして、祈
祷会、記念式をはじめ、愛餐会、各会における活動の運営の方法など多角的に身につけられるよう努力します。
そのため、相互批判的に礼拝奉仕を点検します。また共に学ぶ学生が協力してこれからの牧会を担いゆくため、
相互理解を深める場としたいと思います。礼拝、日々の聖書の学びと祈りの時間を通して、霊的な養いをうけ、
神学活動の継続、向上を目指し、日本バプテスト神学校での学び、これからの牧者としての働きの目に見えな
い部分が養われるような活動となりますように。教員、職員、学生が一つになって祈り、神への誠実、人間の
平等、世界に派遣さる自分と向き合う時をもちましょう。
授業計画
すべての学生が、
『JB』
(聖言の泉)によって聖書日課を行います。精読、黙想を行い、意見の分かち合
いを行います(講義日程中火曜から木曜の朝 9 時からの 30 分)
。神学校の礼拝(火曜11:00~、木曜夕
礼拝)に奉仕し、準備します。礼拝堂の清掃、施設を整えるため、常時清掃と整理に心がけましょう。司会、
説教、奏楽の奉仕、また週報の作成や管理、記録をします。礼拝日誌をつける訓練の場でもあります。火~木
に行われる聖書の学びと祈りのため、祈祷会、聖書研究会の運営の方法、またその意味について実践的に学び
意見の交換を行います。祈りの課題に応じて祈りのカードなどを期日通りに準備、発送します。神学校におけ
る祈りのリーダーシップを学生も担いましょう。愛餐の時の司会も順に担当します。これら礼拝、牧会に関す
ることがらを実際に行う中で問題意識をもち、フィールドワーク II のレポート作成を行います。
(前期)第一回目は、講義とし、礼拝堂で今後の予定について話し合ってから礼拝を行う。
五月からの礼拝奉仕(説教、司会、奏楽)などを依頼するなど神学校礼拝を学生によって自主運営を試みま
す。教師コースの学生全員で話し合い、キリスト教暦に従って年間の礼拝計画を立て、実施します。聖書の学
びと祈りの時間を順番で担当します。夕礼拝に参列、奉仕します。
(後期)
前期に引き続き神学校で行われる礼拝の責任を担い、参列します。カトリック、オーソドックスチャーチ、
またその他バプテスト以外のプロテスタントキリスト教会の礼拝について調べ、礼拝についての見識を深める
講義を予定しています。また他宗教における信仰活動についても広く知識を深めるため、近隣の宗教施設見学
を予定しています。宗教多元的な立場から霊性について問う時間とします。
成績評価
礼拝出席(火曜 神学校礼拝、木曜 夕礼拝)
聖書の学びと祈りの時間の出席(自由参加ではないので留意すること)
提出するレポート
以上を総合的に評価する
テキスト
学生は、自分用の『讃美歌21』
『新生讃美歌』『交読詩編』を用意すること
参考書
講義の中で紹介します
備考
7
科目 神学概論 (通年)4単位
火曜 6限
1年・信徒コース
担当:村椿 真理
概要
この講義では、はじめに「神学とは何か」という基本的「神学序説」を学び、神学諸科について基本的
知識を身につける。ギリシア弁証論者の神学から中世スコラ神学。宗教改革の神学からプロテスタント正
統主義神学、敬虔主義神学、啓蒙主義時代の神学、19 世紀の神学から 20 世紀の弁証法神学、そして今日
に至る神学の潮流を概観する。その後、教義学各論へと進み、神学の基礎知識を学びつつ、神学する実存
の形成を目指す。また各論終了後は、バプテストの PRINCIPLE を組織神学的に考察する。
授業計画
前期:神学序説 ガイダンス:科目の目的、到達目標、成績評価基準を正しく理解する。
1、神学とは何か 現代に至る神学の潮流を概観する。
2、教会の学としての教義学
3、聖書の権威と教会
4、啓示論
5、神学諸科概説
後期:教義学各論
1、神論
2、創造論
3、和解論
4、救済論
5、バプテスト神学の特質
成績評価
レポート、及び学期末試験(筆記、持ち込み不可)により評価する。出席はつけるが、出席は評価としない。
テキスト
『キリスト教組織神学事典』東京神学大学神学会編(教文館、2005 年以降の版を用いる)
Amazon など古書からさがしてみること。
参考書
参考書は、その都度紹介する。
備考
授業では毎回プリントを配布し、それによって講義を進める。毎回レポート課題が出される。
8
科目 旧約聖書総説 (通年)4単位
木曜 6限
1年・信徒コース
担当:渡邊さゆり
概要
ヒブル語聖書のすばらしさを味わいましょう。全受講者が、この授業を通じてヒブル語聖書の通読に挑戦し
ましょう。古代ユダヤ史を概観し、
「五書」
、歴史書、預言書、諸書の研究史を簡潔に説明します。ヒブル語聖
書全書物についての総合的な解説を行うのがこの講義です。旧約学の初歩的な講義で今後の釈義、神学へとつ
ながるための入門講座です。古代ユダヤ的思想文化に触れ、ヒブル語聖書を読む楽しさを充分に味わえるよう
に今年度も工夫していきます。また「正典論」的視点に関する考察に触れ、教会で生き生きとしたヒブル語聖
書の学びが行われ、福音宣教がなされることを目的としています。ご一緒にヒブル語聖書を読みましょう。
授業計画
前期:
「聖書」とは何かを真摯に問い、19世紀後半以降のヘブライ語聖書研究史をたどります。史的批判
的研究の実績と評価、現代的な聖書解釈についても言及し、「聖書学」の前提的理解を深めます。構造主義的
聖書解釈、文芸論的解釈や、新しい視座による読みを紹介していく予定です。序説的講義にあわせ通読を講義
者と共に行います。
「五書問題」の議論を解説し、資料仮説の基本的な知識を身につけ、歴史書までを読み進
めていきます。テクストの時代背景に注意して読むことを心がけ、釈義につながる基本的な聖書学的な態度を
知ることができるように計画しています。
1)旧約(ヒブル語聖書)とは イスラエル史概観
2)ヒブル語聖書研究史序説
3)モーセ五書研究史
4)創世記における創世物語
5)創世記における族長物語の特徴
6)出エジプト記~解放と律法~
7)レビ記 民数記 ヤハウエ礼拝について
8)ヨシュア記 聖書学と考古学の問題に関連して
9)士師時代
10)王国時代~王政とヤハウエ宗教(サムエル記上下)
11)南北分裂王国の歴史と他宗教との対決(列王記上下)
12)申命記改革について(申命記的な文書についての検討)
13)歴代誌について
14)エズラ記・ネヘミヤ記から
後期:前期に学んだ事柄を点検し、捕囚期預言者の働きについての概説をします。詩編の類型批判を取り上げ、
例を挙げながら、詩編の研究史の説明と具体的な詩編をいくつか選び注解をします。知恵文学、黙示文学の背
景を学び、古代ユダヤ文化に触れて聖書をより広くまた深めていけるようにしたいと思います。「聖書」とは
何か、との問いに戻り、これらの文書が「いつ」
「なぜ」聖書と「なった」のかについての話をしていく予定
です。死海写本他、いくつかの周縁化された資料についても解説をします。
1)
「預言者」
「預言書」序説
2)イザヤ書の構成と第一イザヤについて
3)第二イザヤ 僕の歌について
4)エレミヤ書 捕囚民の生活と信仰
5)エレミヤの手紙を読む
6)エゼキエル書 新しいイスラエルへの幻
7)ホセア書他、自分で預言書を読んでみる
9
8)詩編研究史
9)詩編からの精読~信仰と生活の言葉~
10)コヘレト、箴言について
11)ヨブ記 知恵について
12)ヨブ記 II
13)ルツ記 エステル記から 聖書の中の彼女たち
14)
「中間時代」
、周辺写本や資料について
成績評価
講義中に課すレポート。
各学期、講義中に行う筆記試験、レポート などを総合して評価します。
テキスト
池田裕、大島力、樋口進、山我哲雄 監修
『新版 総説 旧約聖書』日本キリスト教団出版局
2007
『口語訳 聖書』日本聖書協会 1954、1955『新共同訳 聖書』日本聖書協会 1987,1988
Biblia Hebraica Stuttgartensia 1967/1977 については、後期までに各自用意するように(ペーパーバック
版でも可)
。
参考書
上村静 『旧約聖書と新約聖書 「聖書」とは何か』新教出版社 2011
クレメンツ R.E. 岡村崇光 訳 『近代旧約聖書研究史』教文館
木幡藤子 青野太潮 編 『現代聖書講座 第二巻 聖書学の方法と諸問題』日本基督教団出版局 1996
シュミット W.H.
ティール W.
ハンハルト R. 大串肇『コンパクト旧約聖書入門』教文館 2009
月本昭男 編 『創世神話の研究』リトン 1996
日本キリスト教団出版局編
『聖書学方法論』日本基督教団出版局 1979
樋口進 『よくわかる旧約聖書の歴史』日本基督教団出版局 2001
山口里子 『新しい聖書の学び』新教出版社 2009
Ben C. Ollenburger, Elmer A. Martens, Gerhard F. Hasel ‘The Flowering of Old Testament Theology’
Eisenbrauns 1992
その他、講義の中で紹介する
備考
受講者に本講義のためのヒブル語聖書通読を要求します。各講義で課されたレポートの提出が、より深い学
びへの基礎を築くので、心して準備し、積極的に取り組んでください。ノートの準備をしてください。予習、
復習が必要な科目です。
10
科目 新約聖書総説(通年)4単位
水曜 3限
1年・信徒コース
担当: 森島 惠
概要
新約聖書の正典成立史を概観し、各書の著者、内容、構成、神学的特色について学ぶ。
授業計画
新約概説、正典成立史から始め、下記テキストに従って、共観福音書、ヨハネ福音書、使徒言行録、パウ
ロ書簡、ヘブライ人への手紙、公同書簡、ヨハネ黙示録の各書を一年間で学ぶ。そのため毎週各章のレポ
ート提出を求める。
成績評価
出席及びレポート
テキスト
大貫隆 山内真「新版 総説 新約聖書」 日本基督教団出版局
「新共同訳聖書」日本聖書協会
参考書
「旧約新約 聖書大事典」教文館
備考
11
科目名 キリスト教史(通年)4単位
火曜 4限目
1 年・信徒コース
担当:髙橋 彰
概要
2000 年に及ぶキリスト教の影響はさまざまな時代の思想、文化、社会、政治、芸術など広い範囲に及んで
いる。その歴史を概観し、基本的な知識を身につける。各時代に書かれたキリスト教信仰の著作にもあたり、
それぞれの時代の信仰的関心や内外への弁証的課題をより深めて学ぶ。また、歴史に対する多角的な視点を養
い、キリスト教の歴史を批判的に検証する力を身につける。自らも主体的に歴史を担う者の一人として自覚し、
現代的な課題に向き合い、創造的な信仰生活を送れるようになることを目的とする。
授業計画
前期
1.オリエンテーション キリスト教史を学ぶために
2.エルサレムからローマへ
(テキスト上巻
3.迫害と弁明
(テキスト上巻
4.異端者と教会の教師たち
(テキスト上巻
5.大迫害から国教へ
(テキスト上巻
6.帝国の教会と反動としての分派
(テキスト上巻
7.教父たちと古代教会の神学論争
(テキスト上巻
8.古代から中世へ 新しい秩序
(テキスト上巻
9.中世の教会とイスラムとの戦争
(テキスト上巻
10.宗教改革の萌芽
(テキスト上巻
11.植民地主義キリスト教の始まり
(テキスト上巻
12.マルティン・ルターと宗教改革
(テキスト下巻
13.ツヴィングリ、再洗礼派、カルヴァン (テキスト下巻
14.前期まとめ
後期
15.宗教改革第二世代
(テキスト下巻
16.カトリックの宗教改革
(テキスト下巻
17.三十年戦争とピューリタン革命
(テキスト下巻
18.正統主義の時代
(テキスト下巻
19.信仰と理性
(テキスト下巻
20.19世紀のアメリカ
(テキスト下巻
21.ヨーロッパ、ラテンアメリカ
(テキスト下巻
22.プロテスタント神学
(テキスト下巻
23.カトリック神学と大宣教の時代
(テキスト下巻
24.二つの戦争とキリスト教会
(テキスト下巻
25.合衆国のプロテスタント教会
(テキスト下巻
26.世界の教会の一致運動と多様な宣教
(テキスト下巻
27.21世紀のキリスト教と現代的課題
28.まとめ
23~44ページ)
45~72ページ)
73~98ページ)
99~124ページ)
127~186ページ)
187~235ページ)
247~296ページ)
297~366ページ)
367~401ページ)
405~439ページ)
15~52ページ)
53~74ページ)
75~114ページ)
115~130ページ)
137~166ページ)
167~186ページ)
187~227ページ)
235~256ページ)
257~272ページ)
273~282ページ)
283~308ページ)
313~346ページ)
351~364ページ)
365~373ページ)
成績評価
出席を重視する。前期末、後期末に試験を行う。また夏休み、冬休みに、授業で取り上げた神学者や著作の中
から 1 冊を選び、その内容と歴史的な意義を調べてまとめるレポートを書くこと。
テキスト
フスト・ゴンザレス著 石田学・岩橋常久訳『キリスト教史』新教出版社 2005年
参考書
授業で適宜紹介する。
備考
12
科目 実践神学 I(後期)2単位
火曜 4限
1年・信徒コース
担当:渡邊さゆり
概要
「何の権威でこのようなことをしているのか。だれが、そうする権威を与えたのか」
(マルコによる福音書
11章27節)
。この確信に満ちた疑問にわたしたちはなんと答えることができるであろうか。本講義をこの
聖書の箇所から始める予定です。
「宣教」は、どのように行われ、どこに向かうのか、がこの講義のテーマで
す。受講者が実践神学的諸分野の基本的な知識、用語や歴史、そして課題を知り、討議できることが目標です。
この講義は実践神学の初歩的な講義です。学生と教員が等しく学ぶものをとしての姿勢をもち、対等に話し合
いながら進める予定です。
授業計画
1)序説 実践神学とは何か
2)
「神の民」ミニストリーの今日的課題
3)エキュメニカル運動史 WCC 成立 『リマ文書』の成立と意義
4)宣教論のパラダイム転換について
5)ディアコニア論
6)現代的展開の課題 自然と人間
7)老いの神学 ターミナルケアに赴く宣教者
8)
「しょうがい者」と教会
9)フェミニスト神学の成立と向かうべき地平について
10)差別と人権
11)教会と労働者
12)平和の神学 ヤスクニと非神話化
13)民衆の神学の地平
14)解放の神学
概ね上記のようなテーマを扱う予定です。講義者、受講者が協力して発題を行い、討議を重んじて進めてい
きたいと思います。
成績評価
各講義で割り当てられる発表、 学期末のレポート、講義への参与(質問と応答)
、普段の文献交読の発表
の様子なども加味して総合的に評価します。
テキスト
神田健次 『総説 実践神学』日本キリスト教団出版局 1989年
参考書
レスリー ニュービギン 鈴木脩平訳 『宣教学入門』日本キリスト教団出版局 2010年
小田島嘉久『キリスト教倫理入門』日本キリスト教書販売 2001年
マーク・W・トムセン 宮本新 訳『もうひとつの十字架の神学 二一世紀の宣教論』リトン2010年
越川弘英 編著 『宣教ってなんだ?-現代の課題と展望』キリスト新聞社
2013年
H・E・テート 河島幸夫 訳 『キリスト教倫理』ヨルダン社 1984年
関田寛雄 『
「断片」の神学 実践神学の諸問題』日本キリスト教団出版局2005年
その他、講義の中で紹介する。
備考
13
科目 実践神学 II(前期)2単位
火曜 4限
1年・バプテストコース
担当: 原 真由美
概要
日本のキリスト教の歩みを、新しい知見を取り入れつつ、キリシタン時代から現代まで概観し、キリスト教
が日本にどのように移入受容され社会的に展開されていったのかを学ぶ。
近代においては、バプテスト同盟と関係の深いアメリカ・バプテストの日本宣教からはじまる歴史を、バプ
テスト同盟編纂の『バプテスト史年表』と対比し、バプテストの宣教の歴史的、社会的宣教課題について学ぶ。
授業計画
キリシタン時代
布教の開始とその発展 禁教と迫害 キリシタンの復活 信仰・思想・文化
明治期
プロテスタント伝道の開始
聖書の和訳
三バンドの成立
受容当初の福音理
解教会の形成
「内村鑑三不敬事件」と「教育と宗教の衝突」社会問題とキリスト教
大正期
三教会同・エキュメニカル運動、純福音派。
昭和前期
神の国運動・SCM 弁証神学の移入
教
現代
日本基督教団の成立・戦時下のキリスト
朝鮮・台湾伝道
復興期のキリスト教界、アメリカの宣教政策と日本宣教
アジア・バプテスト、世界バプテスト、日本キリスト教協議会の今日の宣教課題についても取り上げる。
成績評価
課題、レポート
テキスト
『日本キリスト教史』海老沢有道、大内三郎
日本基督教団出版局
参考書
『日本プロテスタント・キリスト教史』土肥昭夫 新教出版局
『史料による日本キリスト教史』 鵜沼裕子
聖学院大学出版会
『近代日本とキリスト教』 明治篇
基督教学徒兄弟団発行
『近代日本とキリスト教』
基督教学徒兄弟団発行
大正、昭和篇、
『日本バプテスト同盟に至る 日本バプテスト史年表 1860~2005 年』 日本バプテスト同盟
備考
一部、ゼミ形式も取り入れる。
14
科目 旧約聖書釈義(通年)4単位
水曜 5限
2年
担当:渡邊さゆり
概要
ヒブル語聖書原典の精読、脚注の指示を読み、釈義することができるようになるのが本講義の目的です。
丁寧な釈義のための基本的な知識を身につけます。
「原典」の問題を紹介しながら、礼拝「説教」、聖書研究の
ための作業を共同で行います。自分で釈義し、ヒブル語聖書を読み解き、聖書から福音を読み取っていきまし
ょう。受講生のすべてがヒブル語に通じていないことを前提とし、簡単なヒブル語の紹介、辞書の使い方につ
いて解説します。また多くの注解書にあたり、発見や問題点をあげることから始めます。自分で原典にあたっ
て読み解く努力を動機づける講義です。また地図、周辺写本についても言及し、釈義のための資料収集と整理、
そして読解の力を身につけていきます。教員と受講者が力を合わせてヒブル語聖書を深く読み解いていきまし
ょう。必要に応じて、受講者が本年度の旧約総説を並行して再聴講することを勧めます。
聖書精読、丁寧な釈義、そして霊的な黙想は信仰者の豊かな霊的生活に欠かすことができません。単位取得
云々以前に、真剣に、そして謙虚に聖書を読むための努力を重ねることができる動機付けとしてこの講義に取
り組みたいと思っていますので、共に聖書を読む喜びと重大さの前に謙虚に聖書を読むことを続けていきまし
ょう。
授業計画
(前期)トーラー中のいくつかのテクストをとりあげ、教員の釈義をよく理解することから始めましょう。ま
た意見交換のなかで持論を訂正、また新しい発見にむけて柔らかい心をもって釈義する訓練をご一緒に行いた
いと思います。教員、学生が相互やりとりを繰り返し、深い聖書理解を得、日々共に努力をします。総説で取
り上げた研究史を踏まえ、批判的な読みから文芸論的読みまでいくつかの注解に実際にあたっていきます。と
くに読解力、また発表のための準備や資料の収集といった初歩的な作業の向上を目指しています。
1.はじめに 釈義へのガイダンスと旧約総説のおさらい
2.
「原典」の構成と読み方について ヒブル語の基礎知識
3.訳本の読み比べと注解書について~テクストの選定~
4.創世記11章1-9節の釈義 注解書を読む
5.創世記11章1-9節 原典講読 脚注と辞書の使い方
6.発表 これまでの作業を踏まえて テクストから焦点を出す
7.創世記21章9-21節の釈義へ 和書、注解書などで挑戦
8.創世記21章9-21節の釈義 原典から読む
9.出エジプト記 2 章1-10節 地図、他の素材から仮説を立てる
10.出エジプト記 2 章1-10節の釈義 原典から読む
11.出エジプト記2章1-10節の説教へ
12.出エジプト記20章1-17節の釈義の前提~十戒について~
13.出エジプト記20章1-17節 受講者による注解書の紹介
14.出エジプト記20章1-17節 受講者による釈義の発表とコメント
(後期)歴史書、詩編、預言書、黙示文学からテクストを選び、釈義を行う。またキリスト教暦に従ったテク
ストを選定し釈義する。そのため、後半は受講者一人一人が直接選定、資料収集、精読、釈義、黙想、といっ
た作業を行い、発表形式となる。受講者の状況にもよるが、概ね次のような予定で行う。
1.サムエル記上20章を読み解く トーラーにある物語群のコンテキストから
2.サムエル記上20章に関する注解書、訳本の読み比べとテクストの選出
3.原典講読
15
4.詩編22編の研究史
5.詩編22編の本文批評から
6.エレミヤ書の概説と釈義のためのテクストの選出 資料収集
7.各自のテクストについての注解レポートとコメント
8.イザヤ書49章1-9前半の釈義解説 自由課題の説明
9.各自のテクストについての注解レポートとコメント
10.釈義から黙想へ イスラエル史というコンテキストから預言書を読む
11.
「黙示」的表現、記号、象徴について
ダニエル書7章から
12.各自のテクストについての釈義発表とコメント
13.キリスト教暦の説明、イスラエルの暦、生活習慣などの解説
14.まとめとして~創世記1章26-31節の釈義を通して
成績評価
講義中の発表、釈義ノートの提出を評価に入れます。
学期ごとのレポート提出によって総合的に評価します。
テキスト
『新版 総説 旧約聖書』日本キリスト教団出版局
2007
『口語訳 聖書』日本聖書協会 1954、1955『新共同訳 聖書』日本聖書協会 1987,1988
Biblia Hebraica Stuttgartensia 1967/1977
Brown Driver Briggs ‘Hebrew and English Lexicon of the Old Testament’ Oxford
各自旧約の注解書を一シリーズはそろえるようにしてください。
参考書
講義の中で、テーマごとに紹介します。
備考
毎回の講義のために講義者、受講者にかなりの復習、予習を要することとなります。しかし楽しみながらや
りましょう。
16
科目 新約聖書釈義(通年)4単位
火曜 3限
2年
担当:帆苅
猛
概要
釈義の基本的な方法を学んで、その後、実際に福音書の釈義、パウロ書簡等の釈義を試みる。そしてさらに、
釈義をどのように説教につなげていくかについて実践的に学習する。基本的な学びを終えてからは、毎回、担
当の箇所の釈義レポートを課題として出すので、熱心に取り組んでほしい。
授業計画
前期:
下記のテキストを通して、まず、釈義の方法について基本的な学びをする。その後、今年度前期はマタイに
よる福音書の釈義を試みる。まず、マタイ福音書について概説的な学びの復習をして福音書全体の構成につい
て学習する。そのあとで、基本的には1章から順次、釈義を試みる。マタイの釈義に合わせて、他の共観福音
書との違いにも目を向けて釈義を進めていきたい。
秋学期の初めころまで、10回程度、マタイ福音書に集中したい。終わりのころでは、福音書の釈義をどの
ように説教につなげていくかについても学びたい。
後期:
上記にも触れたように、後期は、初めは、前期に引き続いて、マタイ福音書の釈義について継続して学ぶ。
最後には、マタイ福音書全体について総括的に学んでマタイ福音書の釈義を終える。
その後は「ローマ人への手紙」を集中的に学んで釈義を試みる。「ローマ人への手紙」については、パウロ
解釈についての概説的な学びもあわせて行いたい。
「ローマ人への手紙」の釈義では、パウロの用語に特に注
意を払いながら、丁寧な釈義を試みたい。
最後には、
「ローマ人への手紙」の釈義をどのように説教に結び付けていくか、という点についても学んで
みたい。
成績評価
授業の取り組み、および、期末テストで評価する。授業の中で釈義のレポートを求めるので、そのレポート
も評価の対象とする。
テキスト
原口尚彰 『新約釈義入門』 教文館
参考書
G.D.フィー著 永田竹司 訳『新約聖書の釈義―本文の読み方から説教まで』 教文館
新約聖書釈義辞典
備考
17
科目 説教学 (通年)4単位
水曜 4限
1年・信徒コース
担当:森島
惠
概要
C.H.スポルジョンは、バプテスト教会でバプテスマを受けた。イギリスのウォータービーチ村のバプテスト
教会で説教者となり、3 年後ロンドンのバプテスト教会に招かれる。
やがて毎回 6 千人を越えた会衆に説教続け、大説教家と言われる。
ドイツ人神学者、H.ティーリケの編集によるスポルジョン「説教学入門」を学ぶ。
「神学の専門家でなくとも、信徒の方たちが読んでくださってもよい。また、教会学校で説教する者やその他
の仕方で教会で語る信徒にとっても有益である」と訳者あとがきに記されていることを受けて、一年間共に学
んでいく。
授業計画
前期
スポルジョンの講義
後期
スポルジョンの説教、
H.ティーリケのスポルジョンとの出会い
成績評価
レポート提出(毎回)、出席
テキスト
新版「説教学入門」C.H スポルジョン
いのちのことば社
参考書
備考
18
科目バプテスト史(History of the Baptists) 火曜 5 限
2年・バプテストコース
担当:村椿真理
(通年)4単位
概要
17世紀英国分離会衆派教会の中から誕生したバプテスト教会の今日に至る迄の歴史と信仰思想、その伝統
について学ぶ。英国、ヨーロッパ、米国、日本と概観する。それを通し、バプテスト教会の教会理念、その独
自な主義主張を学び、バプテスト信仰の本質、及びバプテスト教会形成の今日的課題を把握していく。
授業計画
前期:
1、
ガイダンス (科目の目的と到達目標、成績評価基準を正しく理解する)
総論:バプテストの起源と発展 歴史を学ぶ意義
2、
Dessenter、ピュリタンの一員としてのバプテスト
近代化とは何か アングリカニズムとピュリタン
3、 海外亡命バプテストと革命前夜の帰国 バプテストの二つの潮流 市民革命への移行
ジェネラルバプテストとパティキュラーバプテスト
4、 Believer's churchの発見と信仰者バプテスマの実践
5、 教会契約の意義と実践
6、 バプテストの新生論
immersionの実現と実際(バプテスト礼典論)
信仰者契約共同体の形成と献児式
宗教改革者カルヴァンの再生論とバプテストの新生論
7、 18世紀啓蒙期のバプテストと信仰覚醒運動
メソジスト運動とバプテスト
8、 ニューコネクションの登場とハイパーカルヴァン主義的バプテスト
9、 アンドリュー・フラーの神学
ギリズム
フラーとフラーイズム
10、BMSの設立とW・ケアリーの東インド宣教
その経緯と状況(教材映像)
11、アンティミッションパーティーとの闘い
紅茶トレーダー、T・トワイニングとのフラーの寛容論争
12、英国バプテスト同盟の形成史
19世紀、主流派の合同論 ジョン・クリフォードの思想
13、非主流派、ストリクトバプテストの系譜
両者の共通点と相違点
ウィリアム・ガズビーからスポルジョンまで
14、ドイツのバプテスト派とヨーロッパ各国のバプテスト教会
ヨハン・ゲルハルト・オンケンと、
バプテストゲマインデ
15、まとめ ヨーロッパのバプテストと世界のバプテスト
The European Baptist Federation.
後期:
1、 ニューイングランドのバプテスト カトリック大陸からプロテスタント大陸へ
独立前の状況とマサチューセッツ湾植民地
2、ロジャー・ウィリアムズと政教分離思想 R.ウィリアムズの思想の原点とロードアイランド植民地建設
3、アメリカ合衆国憲法修正第一条獲得への道 ヘルウィスからマートン、ウィリアムズへ
良心の自由論の継承 建国の父たちの信仰 全州における「公定教会制度」の撤廃
4、地方連合の形成と信仰復興運動によるバプテストの躍進 多彩なバプテスト諸派の誕生
レギュラーバプテスト他
5、バプテストと奴隷問題、国内外伝道協力問題
18世紀奴隷撤廃運動とバプテスト 南北バプテストの対立
6、南部アメリカ連合国の独立とその奴隷制度維持論 南北戦争の背景と推移
7、南北戦争後の南北協力とその現実 解放奴隷によるNational Baptist Convention,USAの創設
19
8、バプテストの黒人差別撤廃運動 バプテスト高等教育機関 ロードアイランドカレッジ
9、リヴァイバリズムの概観 第一次信仰復興運動から、第三次信仰復興運動まで 思想と特色、その影響
10、社会的福音運動 W・ラウシェンブッシュその人と思想
エドガー・ヤング・マリンズからキング牧師の公民権運動へ
11、日本における社会的福音運動の展開
12、アメリカの根本主義とその展開
その歴史と挫折、国家権力と日本のバプテスト
リベラリズムとの対立 ファンダメンタリズムとは何か
13、日本へのバプテスト伝道 英米からの布教とその発展 東西組合と合同運動
日本バプテスト教団から日本基督教団第四部への合同
14、大合同論の論理 修正バプテスト主義の理想とその問題点
日本バプテスト同盟設立と教団新生会の分裂
何故、友井は日本基督教団に残留したか
15、まとめ 日本バプテスト同盟の課題と使命
成績評価
前期レポート、後期は持ち込み不可の筆記試験を行い、総合評価する。
テキスト
『見えてくるーバプテストの歴史』出村彰監修 2011 年刊行 関東学院大学出版会。
参考書
講義の中でその都度必要に応じて指示,紹介する。プレゼンツールを用いて提示する他、具体的に参考書の実
物を提示する
備考
授業は毎回パワーポイントを使用し、プリントが用意される。毎回、予習すべき教科書の頁が指定され、事前
に当該個所を読んで授業に参加することが求められる。指定教科書は、必ず授業の初回迄に各自購入し、第1
章「宗教改革」を読んでおくこと。
20
科目 旧約聖書神学 (通年)4単位
水曜 1 限
3年
担当: 渡邊さゆり
概要
この講義ではヒブル語聖書から神学的課題について調べ、理解を深めることを目的とします。基本的なヒブル
語聖書に関する知識、研究史、釈義作業を前提とし、20世紀後半以降に議論されてきた神学的な課題をテー
マごとに探究します。本講義において学生がよりより深いヒブル語聖書についての知識を身につけ、聖書の読
みと黙想がより深まるものとしましょう。
授業計画
前期 「旧約神学」の変遷を扱い、
「歴史伝承の神学」的視点に立つラートの著作にあたります。同時にそ
こに提示されている古典的な神学のテーマを各人が調査し発題します。前期後半からは、W.ツィンマリの著
作からヒブル宗教とこの世とのつながりについての考察をまとめます。
① オリエンテーション 旧約神学の対象と展開の前提
② 原初史~「創造」についての神学的叙述からヤハウエ信仰者について
③ 族長物語にある神学的テーマについて
④ 出エジプト記から読むヤハウエという名と解放について
⑤ 十戒についての神学的考察
⑥ 申命記史家による歴史解釈
⑦ イスラエルによるヤハウエへの応答という問題
⑧ 「旧約聖書の世界観」序説~この世性~について
⑨ 神(第一章)
⑩ 被造物としての世界(第二章)
⑪ 産めよ増えよ、地に満ちよ・・・・・そして地を従えよ(第三章、四章)
⑫ 隣人と共なる民の生活(第八章)
⑬ 生と死(第九章)
⑭ 律法か福音か(第十一章)
後期:ヒブル語聖書から読むより現代的な神学的課題について扱います。後期前半は W.シュトロフによ
り社会的聖書解釈についての概説を行います。預言と知恵文学における具体的な社会生活の背景についての考
察を紹介します。その後、後期後半にかけては「正典論」を扱います。この部分は基礎的緒論的なものですが
再度、
「正典」としてのヒブル語聖書についての解説を行います。本講義の最後には各受講者が神学的なテー
マからレポートを作成していきます。テーマを選び、資料収集と整理、論考、と、神学的作業をゼミナール形
式で行っていく予定です。
① 唯物主義的聖書解釈
② 聖書の唯物主義的な読み方
③ 実例として 社会史的な面からその登場を評価する試み(アモス)
④ エレミヤの預言と政治的実践
⑤ 「知恵の危機」
※以上は、テキストの目次からの表題であるが、講義をこの順で進めたい。
⑥ 受講者による預言書の取り組みのために 預言書緒論
⑦
発題とコメント一
⑧
発題とコメント二
⑨
トーラーの形態について
⑩ 諸律法の編集
21
⑪ 預言者と国家
⑫ 諸書と正典
⑬ 発題とコメント一
⑭ 発題とコメント二
成績評価
各学期のレポート、夏期休暇中のレポート、講義中の発題とコメントを総合的に評価します。
テキスト
G.フォンラート 荒井章三訳 『旧約聖書神学 I イスラエルの歴史伝承の神学』日本基督教団出版局
1980年
W.ツィンマリ
W.ショットロフ
山我哲雄訳 『旧約聖書の世界観』教文館 1990年
W.シュテーゲマン編 柏井宣夫訳 『いと小さき者の神 社会史的聖書解釈 旧約篇』
新教出版社 1981年
J.A.サンダース 佐藤陽二訳 『正典としての旧約聖書』教文館 1984年
参考書
講義の中で関連図書を紹介する予定です。
備考
22
科目 新約聖書神学 (通年)4単位
木曜 1 限
3年
担当: 渡邊さゆり
概要
新約聖書中の諸文書を原典から丁寧に読み、周縁化された資料、文書編纂の時代背景の調査などの緻密な作
業によれば、これらの文書がいかなる手順を得て現状へと展開したのかを明らかにすることに近づくことが可
能です。そこには、わたしたちにはまだ知らされていない事実が待ち受けています。丹念に調べ、考え、手を
伸ばすことで、聖書の世界はより大きく開かれるでしょう。新約聖書神学は、聖書編纂の歴史上にある思想の
相互関連性、独自性を挙げながらより深い新約聖書への理解を試みる講義です。
正典論的聖書学における「神学」という概念について討議し、扱う領域についての議論から始めたいと考え
ています。伝道者として遣わされた後も、聖書神学に携わる一人としてこの作業を自分で進めていくことがで
きる動機付けとなる講義を目指しています。
「新約聖書神学」の歴史を概観し、史的イエスについて丁寧に扱
いましょう。その後、パウロの「神学」についての講義に挑戦します。後半はフェミニスト神学についての解
説と議論の時間を取り、講義者の専門的な分野から学生との対等な討議の中で、神学活動への参与を求める講
義としたいと思います。現代的な聖書神学に取り組む講義であり、研究史に留まらない活発な講義となるよう
計画しています。
授業計画
前期
①
序説 新約聖書神学の歴史について
②
史的イエス
③
史的イエス 二(ローゼ)
④
史的イエス 三(クロッサン)
⑤ 史的イエス四 第三の探求までと諸資料ヨセフスについて(J.H.チャールズワース 1-3)
⑥ 史的イエス五 イエスのユダヤ教から公生涯初期(J.H.チャールズワース 4-6)
⑦ 史的イエス六 イエス十字架につけられた民衆(C.S.ソン)
⑧ 神の支配について
⑨ 信従 弟子について
⑩ 終末論的倫理の問題
⑪ 死
⑫ 復活の意義
⑬ 告白
⑭ 原始教会の「宣教」
後期
⑮ 初期ヘレニズム・ユダヤ人キリスト教教会における「福音」
(一)
⑯ ヘレニズム的ユダヤ人教会(二)
(M.ヘンゲル)
⑰ 「異邦人」のための使徒パウロの召命
⑱ 希望について
⑲ 賛歌とキリスト論(M.ヘンゲル)
※以上特に記述がない場合は、ハーン
⑳ 新しい聖書の学び ※当講義を特別公開講座とし、著者である山口里子さんに講義いただく予定です。
㉑
批判的フェミニスト視点によるキリスト教の解放の神学
㉒
女/性たちに対する暴力と愛の宣言
㉓
女/性たちのエクレシア:現実とヴィジョン
㉔
新約聖書の時代にイエスに信従した女性たち(L.ショットロフ)
23
㉕
キリスト教運動への女性の貢献(E.S.フィオレンツァ 「聖書に見る女性差別と解放」)
㉖
女性弟子たちの物語(絹川「女性たちとイエス」)
㉗
知恵のパンか、不変の真理の石か
㉘
イエス:知恵成る神ソフィアの平等な弟子集団の中で~史的イエスの再構築諸モデル~
※以上特に指定がない場合は E.S.フィオレンツァ「知恵なる神の開かれた家」による
成績評価
講義中の発表と学期ごとのレポートで評価します。
テキスト
受講者は少なくとも次の書籍については準備すること
大貫隆 大友陽子 訳 『 新約聖書神学 I 』
フェルディナント・ハーン
日本キリスト教団出版局 2006年
エリザベス・シュスラー・フィオレンツァ
山口里子 上沢信子 吉谷かおる 大森明彦訳
『知恵なる神の開かれた家』新教出版社 2005年
山口里子 『新しい聖書の学び』新教出版社 2009年
参考書
H・ボアズ 高橋敬基 訳
『新約聖書神学とは何か 批評学の興隆と新約聖書の神学の問題』
教文館1985年
H・ブラウン、H・コンツェルマン 佐藤研 訳『イエスの時代』 教文館1975年
M・ヘンゲル 土岐健治 訳 『イエスとパウロの間』 教文館 2005年
R・ボウカム 山口希生 横田法路 訳 『イエス入門』新教出版社 2013年
J・H・チャールズワース 中野実 訳 『これだけは知っておきたい史的イエス』教文館2012年
J・D・クロッサン 飯郷友康 訳 『イエスとは誰か 史的イエスに関する疑問に答える』
新教出版社 2013年
E・ローゼ 小河 陽 訳 『新約聖書神学概説』
日本基督教団出版局 1982年
C・S・ソン 梶原 寿 監訳『イエス 十字架につけられた民衆』 新教出版社 1995年
絹川久子 『女性たちとイエス』 日本基督教団出版局 1997年
その他 講義中に紹介する予定
備考
24
科目
牧会学
(通年)4単位
木曜 4限
3年・バプテストコース
担当: 渡邊さゆり
概要
「弟子たちの間で、自分たちのうちだれがいちばん偉いかという議論がおきた」(ルカによる福音書9章46
節)この言葉から本講を始めたいと思っています。
「牧者」とは何なのかを問いながら、召し、献身について
聖書から、証言から、よく聴き、自省的な問いをもってこの講義に取り組む予定です。
。講義の前半で熟読す
る D.ボンヘッファー『共に生きる生活』によって牧者に必要な基本的な考え方への理解を深めたいと
思います。教会、礼拝、黙想、社会、といった牧会的な働きを体系的に学び、実践的なことがらについても言
及していきます。表面上の実践的方策ではなく、牧会についての深層部に至るような講義となるよう教員、受
講者共に誠実に取り組んでいきましょう。
授業計画
1)
「共に生きる生活」一
2)
「共に生きる生活」二
3)
「共に生きる生活」三
4)
「共に生きる生活」四
※以上 ボンヘッファー
5)牧会史概説 原始教会~十八世紀
6)十九世紀以降 ロジャーズ派以降の教会における牧会の特徴
7)牧会の新たな方向
8)牧会の実践とライフサイクル 一 幼少期から思春期
9)牧会の実践とライフサイクル 二 壮年期、高齢期と牧会
※以上、 ガーキン
10)リーダー
11)礼拝者
12)説教者
13)牧会者
14)カウンセラー
15)伝道者
16)証し人
17)地域住民
18)教育者
19)管理責任者
20)神学的に見た牧師像
21)聖書から見た牧師像
22)初代教会・中世 歴史的にみた牧師像
23)宗教改革期を中心に考える牧師像
24)牧師の人生について 一
25)牧師の人生について 二
26)牧師の人生について 三
※以上は越川 船本
27)ケーススタディ 教会における DV
28) まとめとして 発題とコメント
成績評価
講義中の発表、レポート、学期ごとレポートを総合的に評価する
テキスト
D・ボンヘッファー 森野善右衛門 訳 『共に生きる生活 改訳新版』新教出版社 2004年
25
C・V・ガーキン 越川弘英 訳 『牧会学入門』日本キリスト教団出版局 2012年
越川弘英 船本敏之 『牧師とは何か』日本キリスト教団出版局 2013年
参考書
S・ヒルトナー 西垣二一 訳 『牧会の神学』 聖文舎 1975年
E・H・ピーターソン 越川弘英 訳 『牧会者の神学 祈り・聖書理解・霊的導き』
日本基督教団出版局 1997年
W・H・ウィリモン 平野克己 笠原信一 訳『教会を必要としない人への福音』
日本キリスト教団出版局 2008年
W・H・ウィリモン 越川弘英 訳 『牧会としての礼拝 祭司職への召命』 新教出版社 2002年
その他多数講義中に紹介する予定
備考
26
科目
説教演習
(通年)4単位
火曜 3限
3年・バプテストコース
担当: 小野 慈美
概要
「テキストの選択から説教に至るまでの実際のプロセスをたどりながら説教の作成を試みる。
説教は、本来、語られ、聞かれるべきものであるので、実際的な訓練をできるだけ取り入れる。
また、結婚式、葬儀など、さまざまな場面での説教の作成をし、礼拝・牧会との関連で説教を考える。
授業計画
前期:
説教の作成の諸段階
釈義の実際
説教原稿の作成
説教の演習
後期:
説教分析
さまざまな場面での説教
礼拝と説教
牧会と説教
成績評価
釈義レポート、説教原稿、説教演習を総合して評価する
テキスト
特に指定しない
参考書
授業の中で、随時紹介する
備考
27
科目 牧会カウンセリング(後期)2単位
火曜 3限
3年
担当: 山田 和人
概要
牧会カウンセリングの基本は、主として対象者に適切な援助を提供することにある。適切な援助を提供する
ためには、対象者との間に協力関係を構築する必要がある。協力関係を構築するには、両者の間に信頼、尊重
を基礎とした協力関係構築のプロセスを積み重ねていく努力が要求される。このプロセスについて学習するに
は、本来ならば SPE(Supervised Pastoral Education)という臨床での実習とスーパーヴィジョンに基づくト
レーニングの経験が不可欠であるが、日本の神学教育の中ではそのための教育システムが十分に整備されてい
ない実情がある。
そのような現状を踏まえた上で、この講座の中では、いわゆるカウンセリング諸説の概論を講義するのでは
なく、学習者個人の気づき(self-awareness)を用いた学びを展開していきたい。上記で指摘した「協力関係構
築のプロセス」を進めていくものは、「会話」である。会話とは、
「率直な意見の交換」(ハーレーン・アンダー
ソン)を意味する。ただ、私たちの日常の会話において、そのようなスタイルの会話は自明なこととは言えず、
また、自分の語ったことをいちいち振り返るということは、よほど意識的でない限り稀なことである。クラス
では、発表やグループワークの機会を利用して、私たちの会話とそこで語られたことを意識的に振り返るとい
う作業を行い、会話のプロセスで何が起こっているのかということを各自が理解できるようになることを目標
として設定したい。また、牧会者の役割について各自が自分のイメージやスタイルについて考える機会となる
よう、限られた時間を有効に使っていきたい。
授業計画
1)牧会(Pastoral Care)ということの理解をめぐって
~牧会者の役割を中心に考察する~
2)自己理解を深める
~関係性の中で生きること~(各自のライフ・ヒストリ-の発表を含む)
3)会話について
~さまざまなスタイルの会話~
4)カウンセリングの基礎
~率直な意見の交換とは?~
5)ロール・プレイ
~実際の会話とそのプロセス理解~
6)病床訪問について
成績評価
クラス出席:50%、発表:25%、レポート:25% (計100%)に基づいて評価を行う。
テキスト
特に指定しない。
参考書
クラスの中で指示する。
備考
28
科目名 教義学特講(通年)4単位
木曜 2限目
選択
担当:髙橋 彰
概要
カール・バルト著作の「教義学要綱」の精読を通して、キリスト教教理の基本的な項目を理解し、整理して
語ることが出来るようになること。また教義学が扱う領域とその課題を知り、探求の方法論を身に着け、自ら
問題意識を持ち、取り組んでゆくことが出来るようになることを目標とする。
学生の発表によるゼミ形式で授業を行う。担当者はテキストの内容要約だけでなく関連する書物にあたって
課題を掘り下げて調べ、必ずレジュメを作成して発表すること。担当以外の箇所でも受講者は必ず事前にテキ
ストを精読して疑問や質問を見つけておき、発表者に対してコメントを必ずすること。発表者は授業での議論
を踏まえ、また出された質問を次週までに調べてレポートを完成させ、提出すること。
授業計画
前期
1.オリエンテーション カール・バルトの生涯とその神学思想
2.
「教義学要綱」の構成 使徒信条とその教理的課題
3.学生発表① 信仰とは信頼を意味する
4.学生発表② 信仰とは認識を意味する
5.学生発表③ 信仰とは告白を意味する
6.学生発表④ 高きにいます神
7.学生発表⑤ 父なる神
8.学生発表⑥ 全能の神
9.学生発表⑦ 造り主なる神
10.学生発表⑧ 天地
11.学生発表⑨ イエス・キリスト
12.学生発表➉ 救い主にして神の僕
13.学生発表⑪ 神の独り子
14.前期まとめ
後期
15.カール・バルトの神学の現代的意義
16.学生発表⑫ われらの主
17.学生発表⑬ 降誕説の秘儀と奇跡
18.学生発表⑭ 苦しみを受け
19.学生発表⑮ ポンテオ・ピラトのもとに
20.学生発表⑯ 十字架につけられ、死にて葬られ、陰府にくだり
21.学生発表⑰ 三日目に死人のうちよりよみがえり
22.学生発表⑱ 天にのぼり、全能の父なる神の右に坐したまえり
23.学生発表⑲ 審き主イエス・キリストの将来
24.学生発表⑳ われは聖霊を信ず
25.学生発表㉑ 教団―その単一性と聖性と公同性と
26.学生発表㉒ 罪の赦し
27.学生発表㉓ 身体のよみがえりと永遠の生命
28.まとめ
成績評価
担当箇所の授業での発表、また発表の翌週までにまとめ、レポートとして提出したもので評価する。
授業に積極的に参加し、発言し議論に加わることをもって、出席を評価する。
テキスト
カール・バルト著 井上良雄訳『教義学要綱』新教セミナーブック 新教出版社 1993 年
参考書
エバーハルト・ブッシュ著
佐藤司郎訳『バルト神学入門』 新教出版社 2009 年
備考
29
科目 新約ギリシャ語(通年)4単位
火曜 4限
選択
担当: 帆苅
猛
概要
一年間でギリシア語文法の基本的な部分をしっかり習得したい。そのためには、授業でしっかり学ぶことはも
ちろんであるが、自宅等での自習が欠かせない。とくに最初が大切で、慣れるまで、毎日一時間程度の学びを
つづけることが大切である。語学の学習には声に出して発声しながら練習することも有効な方法である。
授業の中で、基本的に毎回課題を出すので、それをきちんとこなしてほしい。
授業計画
前期:
まずアルファベットと発音についての学びから始めて、冠詞、動詞変化(現在直説法能動態)
、名詞変化、
形容詞変化についての学びを進める。最初のうちは、とくにゆっくり、丁寧に進めたいと考えている。初めの
時にしっかりと予習・復習をすることが肝心である。
引き続いて、動詞の現在直説法中動態・受動態、形容詞・副詞の比較、代名詞、数詞、前置詞まで学んで前
期を終えたい。
夏休み中に、学んだことを忘れてしまう恐れがあるので、夏休みの課題を出したいと考えている。
後期:
まず、前期に学んだことをざっと振り返りながら、最初に動詞全体の変化について学びたい。その後、未完
了、アオリスト、完了のそれぞれの時制の動詞の変化と意味合いを学びたい。さらに引き続いて、分詞、不定
法に触れ、命令法、希求法、接続法の新約聖書の用例について学びたい。最後に、条件文、否定詞の用例等に
ついて学びたい。もし時間が許せば、補説の部分にも触れて、本文で学べなかったところを補いたい。
成績評価
期末テストおよび普段の授業・課題への取り組み状況によって評価する。
テキスト
土岐健治『新約聖書ギリシア語初歩』教文館
参考書
その都度授業の中で紹介する。
備考
30
<<沿革>>
日本バプテスト神学校は、日本バプテスト同盟の伝道者養成のために建てられている学校である。
1972年、日本バプテスト同盟は、それまで伝道者養成の働きを委託してきた関東学院大学神学部の廃止
により、伝道者養成の働きを全く独自な形で推進することを決定し、
「宣教研修所」を設立した。
「宣教研修所」
は、他の神学校・神学部で学んでいる学生と連絡を取りながら、バプテストとしての学びを集中的に行った。
1982年より、関東学院大学の旧神学館を教室として借り、本格的に伝道者養成の働きを開始した。近隣の
牧師、関東学院大学、また関東学院女子短期大学の教師が協力し、伝道者養成の業が継続された。そして、宣
教研修所設立24年目の1996年度に、宣教研修所の伝道者養成部門を「日本バプテスト神学校」と名称変
更し新しい歩みを開始。以降は、養成部門を「日本バプテスト神学校」とし、研究・研修部門は「宣教研修所」
として働きをなした。
宣教研修所設立後25年目の1997年「日本バプテスト神学校」の校舎・宿舎の建設が完成し、日本バプ
テスト同盟の伝道者養成に新しい息吹を与えた。
宣教研修所及び日本バプテスト神学校の教師コースの卒業生は101名になり、各方面で活躍している。ま
た、信徒コース修了者は、31名でそれぞれの教会、伝道所で活躍している。
<<学生心得>>
当神学校学生は、すべての事柄の第一に祈りを置きましょう。個人的な事情や様々な困難の中にあっても、
学びをおろそかにせず、神学研究に参与することを特別に与えられた神の恵と受け止め、真摯に学びましょう。
伝道者として召された自覚を確認し、全国の教会・伝道所の祈りと貴い献げもの、奉仕によって運営される当
校で学ぶことを常に感謝し、神学研究を通して教会に奉仕するものと造りかえられていきましょう。学業中に
起こる様々な問題や葛藤を、神学校教師、教会教師、そして共に学ぶ仲間と共に分かち合い、祈り乗り越え、
神の計画に基づく献身の道を進んでいきましょう。
<<学期と評価>>
前期は4月 1日より7月31日
後期は9月16日より1月31日
授業への出席が全体の各学期の3分の2に満たない者は、単位取得を認められない。遅刻しないこと。遅刻、
怠学は、神への誠実を欠く行為である。自己管理につとめ、事故防止、回避を心がけ、授業出席を大切にする
こと。やむを得ない事情が生じた場合は連絡をすること。休講、時間割変更などについての教務主任からの連
絡を受け取った場合には連絡受領を知らせること。
各科目の合格点 40 点 以上
成績評価は、各講義の要項に開示してある通り。
授業を欠席する場合は、事前に担当教員と教務主任に事前に連絡をする。緊急の場合は、教務主任に即連絡
をする。
教会実習(通年、集中)を欠席しないこと。やむを得ない事情が生じた場合は実習先の教会教師と教務主任
に必ず事前に連絡をすること(メールではなく、電話連絡原則)
。
<<図書利用について>>
本校図書を利用できるのは、在学生、教員、職員、および、本校が認めた者である。
図書は、参考図書(辞典類)
、注解書、禁帯出図書以外を借りることができ、貸出を希望する場合には事
務所にある図書貸し出しノートに必要事項を記入の上、貸し出しを受ける。返却の場合も同様に手続きをする。
31
図書は共用財産である。勝手に持ち出し、返却を遅延させてはならない。図書の貸し出しは、一人一回 5 冊
以内 2 週間とする。図書の貸し出しは、講義日程期間 午前 9 時から午後6時まで。休暇中の開架について
は別に定める。図書室の利用については午前9時から午後11時までとする。
<<施設利用について>>
校舎の整理整頓、清掃に努める。
節電はもちろんのこと、水光熱費の削減に協力し、防火意識を高くもつこと。
自家用車での登校は原則禁止。身体的な事情や、やむを得ず車で登校する場合はあらかじめ教務主任に連絡
し、許可をとること。継続的に自家用車で登校する学生は近隣の駐車場に契約すること。なお、自家用車での
登校によって通学中に事故に遭遇しても登校での保険対象にはならない。原則自家用車登校は禁止であること
を留意すること。寮生の駐輪については寮生活の項を参照すること。
避難、通報訓練に参加し、建物の維持管理に積極的に参与すること。
コピー機の使用は、白黒1枚10円。事務室で利用料を支払うこと。ミスプリントも換算する。
戸塚伝道所との協力を理解し、水曜日の夜、日曜日に行われる集会に支障のないよう、事前の清掃に全員で
努める。
校舎にて委員会、会議などを開催する際は、あらかじめ教務主任と舎監に申し出、施設利用の許可を得る。
日本バプテスト同盟による共有施設である自覚をもって感謝して利用する。
<<課程と在学期間>>
当校には下記の課程とコースがある。
I 基礎課程
1.信徒伝道者コース(原則1年もしくは科目履修による複数年)
(1) バプテスマを受領し、教会生活をしている者
(2) 所属教会の推薦を受けている者
2.教師養成コース(2年)
(1)バプテスマ受領後一年以上教会生活をしている者
(2)伝道者としての召命を明確に自覚し、将来、同盟加盟教会その他で、伝道者として働くことを希望
する者
(3)所属教会の推薦を受けている者
(4)高等学校卒業以上の学力を有する者
II 神学専門課程
1.教師養成コース(原則3年)
(1) 基礎課程を修了している者
(2) 高専、短大、大学卒業以上の学力を有している者(要問合せ)
、基礎課程教師養成コース入学資格
の(1)から(3)を有する者
2.バプテストコース(原則 1 年)
(1) 他の神学校、または大学神学部を卒業した者で、基礎課程教師養成コース入学資格の(1)から
(3)を有する者
(他の神学校については確認を要す)
授業料
入学金
2万円(日本バプテスト同盟加盟の教会以外の信徒は 3 万円)
維持管理費 年間 3万円(日本バプテスト同盟加盟の教会以外の信徒は 6 万円)
授業料
年間12万円(日本バプテスト同盟加盟の教会以外の信徒は 18 万円)
32
入学金、維持管理費、授業料を 4 月末日までに納入すること。納入された諸費は、いかなる事情において
も返還しない。
(科目履修・聴講)
前年度3月31日までに、所属教会の推薦を得て所定の願書を提出した者は、開講される講義のうち、信徒
コースの科目(フィールドワークを除く)を履修、聴講することができる。科目は以下の通りである。
神学概論
キリスト教史
旧約総説
新約総説
説教学
実践神学 I(半期)
また、上記のすべての科目の単位を取得した者は、新約釈義、旧約釈義、バプテスト史、基礎文献講読、キリ
スト教と現代を科目履修することができる。
科目履修・聴講は、一科目 年間
2万円(日本バプテスト同盟加盟の教会以外の信徒は 3 万円)
初年度に入学金 2万円(日本バプテスト同盟加盟の教会以外の信徒は 3 万円)
管理維持費
3万円(日本バプテスト同盟加盟の教会以外の信徒は 6 万円) を
納入すること。
初めて科目履修・聴講する場合は、入学式、オリエンテーションに出席すること。
科目履修生は、講義で指定されたレポート、試験を受け合格した場合は単位が認定され、後に入学を希望し
た場合にこれらの単位は換算される。
聴講生は、単位取得のために学ぶ学生たちの研究活動に支障をきたさぬよう授業へ参加をするものとする。
なお、途中で、レポートの提出や試験を受けることはできない。
科目履修・聴講生の場合も、他の学生と同じく施設利用の注意を守り、神学校管理運営に協力し学びを進め
ていただきたい。
<<奨学金>>
教師コースの学生には、
「日本バプテスト同盟伝道者養成奨学金制度」が適用される。
給付奨学金
伝道者養成奨学金制度規程に従い、神学専門課程の学生が毎年度申請し、年額28万円の給付を受ける。
ただし、卒業後日本バプテスト同盟加盟の教会、伝道所、協力団体に伝道者として就任しない者、また就
任後三年以内に伝道者としての職を辞任した者は、給付を受けた奨学金の全額を返還しなければならない。
特別奨学金
日本バプテスト同盟の教師コースの学生には、日本バプテスト同盟の医療費を援助する特別奨学金の制
度がある。神学生及びその家族が不慮の疾病・事故等により、就学に支障をきたすと認められる場合、伝
道者養成部委員会の判断において特別奨学金を給付することができる。特別奨学金の額及び期間は、伝道
者養成部委員会の議決により決定する。
貸付奨学金
貸付金は月額5万円で、年間60万円、貸付期間は3年以内。希望者は連帯保証人と連名で申請をし、
貸付金の決定を受ける。返済は、卒業後6ヶ月を経て後、毎月2万円を完済するまで返済する。無利息。
33
<<学生寮>>
入寮について
当校で学びを希望する者は、学生寮に入寮することができる。
入学試験時に入寮を希望し、認められた者は入寮することができる。寮生活の注意事項を守り、寮生活を送
ること。なお、2014年度も引き続き教務主任が、学生寮の舎監を兼務する。
荷物は各自の部屋に収納できる物のみとする。共有スペースなどに私物を大量におかない。寮の部屋には、
ベッド、本棚、クローゼット、机、がある。布団は各自持参のこと。また、食堂には調理器具と冷蔵庫、電子
レンジ、トースター、電気ポットがある。共有スペースには風呂、トイレ、洗面所、洗濯機がある。
寮費納入
月額2万円。滞納しないように前月末までに神学校へ払込票を用いて納入すること。あるいは、年間24万
円をまとめて支払うようにする。
月額 1 万円。寮生として生活はしないが、講義日程期間中に荷物を特定の部屋に置き、定期的に宿泊予定
のある学生は舎監に申し出て講義日程期間(前期4~7月 後期10月~1 月)八ヶ月分 年額 8 万円を納入
することとする。なお休暇中は荷物を撤去しなければならない。また部屋の利用期間中も鍵を持つことはでき
ない。
不特定の寮室の利用は、舎監に前もって申し出、宿泊の許可を得て一日一泊一千円を宿泊前に納入する。
生活時間 以下の部屋の使用を原則として次の時間までとする。
図書室 23:00まで
礼拝堂 21:00まで
食 堂 24:00まで
鍵について 鍵の管理は各自で行うこと。万一紛失したときは、遅延することなく即、舎監に連絡するように。
また、鍵の取り換え等にかかる費用は自己負担となる。
部屋替え 使用する部屋は年度ごとに替える。部屋替えは、年度末に行い、在寮期間中に同じ部屋を使わない。
基礎課程からの入学者はその限りではない。部屋替え時に、それまで使用した部屋を徹底的に清掃するように。
退
寮 退寮する場合は、一ヶ月前には舎監に申し出ること。寮費の精算を行い、各自荷物の搬出をして
清掃し、不用品などを残さないようにする。鍵の返却をもって退寮とする。
電
話 電話連絡手段(固定電話契約、携帯など)は各自が用意すること。神学校事務所では個人への電
話の取次ぎをしない。連絡先番号を、神学校事務所にしないように。また、各自の連絡先は、舎監に伝え、変
更がある際はすみやかに届け出るように。
車
両 オートバイ、原付、自転車などを各自で用意し、利用することができる。各自いずれか一台とす
るように。なお、自動車は認めない。
動物の飼育 寮室、共有スペース内でのペットの飼育はできない。
暖
房 各部屋設置のエアコンを使用するように。石油ストーブ、電気ストーブ等は、使用してはいけない。
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節
電 最大限の節電マナーを心がける。エアコンの消し忘れに注意し消灯確認をして部屋を出るように。
戸締り
清
出入りに際しては、各自戸締りをすること。窓、ドアの施錠を必ずするように。
掃 各自の部屋の清掃はもちろん、風呂、トイレ、食堂の清掃をすすんでおこなうように。また一斉清
掃に必ず参加するように。
ゴミ出し 食堂のゴミは、寮会で定めた当番が責任をもって朝8時までに所定の収集場所まで出す。それ以外
のゴミは各自で処理する。可燃ごみ 月、金 不可燃こみ 木 資源ごみ 土
大型のごみについては戸塚区
の決まりに従って廃棄処分すること。
冷蔵庫 2階食堂の冷蔵庫は共有。中の整理、清潔に心がけ、長期放置のないように。
寮生以外の宿泊 空いている寮室、ゲストルームに学生以外の者が宿泊を希望する場合は、事前に舎監に申し
込み、許可が必要である。また、寮生が自室に寮生以外を宿泊させることはできない。家族、友人などの来訪
があり、宿泊を希望する場合は、事前に予約をし、許可を得るように。この場合も一泊一千円を前納する。
避難訓練
法定で定められている避難訓練を神学校が実施する際、必ず参加し、災害時避難の方法を確認し、
日ごろから防災意識を高くもつ。
荷物の受け取り 前もって到着がわかっている小包、宅急便等の荷物は出来るだけ各自が受け取るように。ま
たいたしかたない場合には、舎監に事前に連絡をするように。
郵便物
住所は下記にある通り。
「日本バプテスト神学校
内 ○○○○ 宛」とし、舎監が郵便物を学生
のレターケースに配る。
その他 近隣との関係によく配慮し、挨拶を交わし、寮の外回りの清掃も心がけるように。宗教関連施設であ
り、周囲からの関心が高いことを熟知しておくよう。
戸塚伝道所が、水曜日夜、日曜日に礼拝堂のあるフロアーを使用する。食堂、集会室などの整理整頓に気を
付けて、ゴミ出しをきちんとするように。
寮の住所
〒245-0061 神奈川県横浜市戸塚区汲沢1-24-9
日本バプテスト神学校 内
電話 045-866-3150(この電話を個人用の連絡先にしてはいけません。各部屋に固定電話を引
くことも可能です(自己負担)
)
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