「米国携帯電話の市場動向分析」 レポートの目次

IT Forecast Report
「米国携帯電話の市場動向分析」
∼M&A、3G の展開によって新たな段階に来た米国携帯電話市場、キャリア、端末、コンテンツ市場の動向∼
移動体通信・IT専門の調査会社である株式会エムシーエイ(http://www.mca.co.jp/)では、3
月 24 日に調査レポート「米国携帯電話の市場動向分析」∼M&A、3G の展開によって新たな段階に来
た米国携帯電話市場、キャリア、端末、コンテンツ市場の動向∼(価格:39,900 円/税込み)を発刊し
た。
米国の携帯電話は、普及台数では中国に次ぐ巨大な市場を形成しているにもかかわらず、デジ
タル化の遅れ、データ通信の利用率の低さ、多数の通信方式の混在など市場的には携帯後進国で
あった。しかし、様々な問題を抱えながらも、その成長率は 2 桁台を維持していた。
2004 年には Cingular の AT&T Wireless 買収があり、さらに今後は Sprint と Nextel 合併が続
こうとしている。これによって米市場は 3 大携帯キャリアの争いに突入することになった。これらの合従
連衡の背景には、各社がすでに始めた3G サービスに向けた戦略がある。2005 年は、3G に向けた本
格的なインフラ投資が始まる中で、その投資額をいかに抑制するかが、大きな課題となっており、そ
の答えが合併であった。
従来までは保守的だ思われていた米国の携帯電話ユーザーの嗜好も大きく変化している。高機
能端末が受け入れられ、モバイル・データ通信のトラヒックが急増している。そして、着メロ、モバイ
ル・ゲームなどが人気を博している。それらの変化は、携帯電話メーカーのシェア争いに大きな影響
を与えている。トップメーカーのノキアのシェアが凋落し、代わって LG 電子などの韓国勢が大きく躍
進している。
また、モバイル・コンテンツ市場も 2004 年には 10 億ドルと前年の 3 倍以上に成長し、一挙にアプ
リケーション/着メロ系コンテンツ市場が開花した。その成長市場を狙って、日本のコンテンツ・プロ
バイダによる直接の進出や M&A が活発化している。
本レポートでは、新たな段階に入った米国市場を、市場環境、サービス、端末、および各キャリア
の動向など様々な角度から分析するとともに、最近の3G やモバイル・コンテンツの動向に力点を置
いた調査を行った。
■レポートの目次
1. 米国市場のポジショニングと特徴....................................................................................................1
1-1 普及率が低い米国携帯電話市場........................................................................................................................1
1-2 徹底的に細分化されたサービス・エリア ...........................................................................................................1
1-3 遅れたデジタル化投資..............................................................................................................................................3
2. 米国携帯電話市場の発展経緯 ...............................................................................................................................7
2-1 通話料金の低下による利用者増加....................................................................................................................7
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2-2 大型合併による業界再編.....................................................................................................................................10
3. 携帯データ通信サービスの動向................................................................................................... 14
3-1 急増するモバイル・データ通信利用.................................................................................................................14
4. 主要キャリアのネットワークと 3G の展開状況......................................................................... 20
4-1 半数近いシェアを占める CDMA 方式 .............................................................................................................20
4-2 CDMA、GSM の両陣営で始まった3G サービス..........................................................................................22
4-3 3G インフラ提供ベンダと設備投資の動向 ...................................................................................................23
4-4 Verizon Wireless.........................................................................................................................................................25
4-5 Cingular Wireless........................................................................................................................................................26
4-6 Sprint...............................................................................................................................................................................27
4-7 Nextel..............................................................................................................................................................................29
5. 主要キャリア各社の経営状況とナンバーポータビリティの影響........................................ 31
5-1 明確になった勝ち組と負け組..............................................................................................................................31
5-2 MVNO の動向 .............................................................................................................................................................34
6. 携帯電話端末市場の動向 .............................................................................................................. 36
6-1 高機能化が進む端末市場 ...................................................................................................................................36
6-2 ノキアの凋落、台頭する韓国勢のメーカー...................................................................................................38
7. コンテンツ市場の動向....................................................................................................................... 41
7-1 急激に立ち上がるモバイル・コンテンツ市場 ...............................................................................................41
7-2 米国のモバイル・コンテンツ市場の特徴........................................................................................................ 43
7-3 日本からの参入が相次ぐモバイル・コンテンツ市場.................................................................................44
7-4 有力 CP をターゲットにした活発な M&A ........................................................................................................45
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■調査結果抄録
米国の携帯電話のCDMA 陣営、TDMA/GSM陣営、およびiDEN陣営に大別され、現状CDMA方式
が半数近いシェアを占めているが、GSMも急速に勢力を伸ばしてきている。
これ以外の方式は、淘汰される運命にある。TDMAやAMPSは、すでに減少傾向にあり、また、iDEN
方式もSprintとNextelの合併により、最終的にはCDMA方式に統合化される方向だ。
全国事業者 5 社はいずれも 2004 年も対前年比 2 桁台の伸び率を記録し、高成長を維持している。
主要キャリアの採用方式と加入者数(単位:千加入)
事業者名
方式
Verizon Wireless
CDMA
Cingular Wireless
TDMA/GSM
AT&T Wireless
TDMA/GSM
Sprint
CDMA
Nextel
Communications
T-Mobile USA
iDEN
GSM
2001 年
29,400
−
21,596
−
18,047
−
13,600
−
8,667
−
6,993
−
加入者数
2002 年
2003 年
32,491
37,522
10.5%
15.5%
21,925
24,027
1.5%
9.6%
20,859
21,980
15.6%
5.4%
14,800
15,900
8.8%
7.4%
10,612
12,882
22.4%
21.4%
9,916
13,128
41.8%
32.4%
2004 年
43,816
16.8%
49,100
104.4%
−
−
20,301
27.7%
15,047
16.8
17,314
31.9%
現状の3Gサービスの展開状況は、大都市でようやくサービスが始まった段階で、広く3Gサービス
が利用できるようになるのは 2006 年以降になると予想される。
Verizon Wireless が 2002 年 1 月に先陣を切って 3G サービスの cdma2000 1XRTT をスタートし、
翌年の 9 月には 1xEV-DO を始めた。現在の商用 EV-DO サービスは、32 都市に限定されるが、ノート
PC 用の EV-DO データカードによる企業向けのサービスは、2004 年第 3 四半期には 7 万ユーザーに
達した。2005 年 2 月になってから携帯電話による一般顧客向けサービスとして、高品質のビデオ、3
次元ゲームや音楽を、EV−DO網を経由して直接3G携帯電話機に伝送する「Vキャスト」サービス
を開始した。
Sprint はすでに 1xEV-DO 技術の導入を開始しており、2005 年の中ごろには人口1億 2,900 万人
の地域を対象にサービスを始め、2006 年にはスプリントの全サービス提供地域で利用できるようにす
る計画だ。
AT&T Wireless を吸収した Cingular Wireless は、AT&T Wireless の W-CDMA ネットワークを引き
継ぎ、現状のサービス・エリアは全米6都市にとどまっている。だが、2006 年末までに全米主要都市
のほとんどをカバーする計画である。さらに 2005 年以降に HSDPA などより高速な 3G サービスの提供
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を表明している。
携帯電話事業者の設備投資は、2003 年まで減少傾向にあったが、2004 年はデータ通信サービス
や3G の本格展開の影響を受け、各社とも設備投資を大幅に増やした。
だが、大手 6 社の設備投資の総額は、Cingular Wireless による AT&T Wireless 買収などの業
界再編によって 2%程度の伸びに止まった。
2005 年は3G 向けインフラ投資の増加によって、設備投資の再拡大期になると期待されていた。し
かし、相次ぐ全国事業者の合併の影響で大幅な投資節減効果が発生し、逆にネットワーク機器ベン
ダには厳しい市場環境になることも予想される。
主要キャリア各社の売上高推移(2002-2004)
Verizon Wireless
2002 年
19,473
Cingular Wireless
14,903
AT&T Wireless
15,631
Sprint
12,074
Nextel
Communications
6,721
T-Mobile USA
5,698
単位:百万ドル
2003 年
22,489
(15.5%)
15,483
(3.9%)
16,695
(6.8%)
12,690
(5.1%)
10,820
(61.0%)
8,358
(46.7%)
2004 年
27,662
(23.0%)
19,436
(25.5%)
−
14,647
(15.4%)
13,368
(23.5%)
11,679
(39.7%)
ナンバーポータビリティの導入によって、熾烈な加入者争奪を繰り広げられた 2004 年第 1 四半期、
第 2 四半期の加入者の純増数を見てみると、それまでの勢力拡大の勢いの違いをさらに増幅させた
格好となった。
新規加入者が伸びているキャリア、いわば「勝ち組」に属する Verizon、T-Mobile USA、Sprint、
どちらとも言えないキャリア Cingular Wireless、Nextel、および新規加入者が低迷しているキャリア、
いわば「負け組」に属する AT&T Wireless といった色分けが明確になった。
Verizon Wireless は 2004 年の第 2 四半期で四半期としては 150 万人と過去最高の加入者増を
記録し、第 3、第 4 四半期では、さらに 160 万台に伸ばし、シェアを広げた。
Verizon Wireless の強みは、ニューヨークやロサンゼルスなどの大都市圏をサービス・エリアとし
ていることに加えて、ネットワークのカバレッジ、安定性、提供しているサービスの多様性などにあるる。
特に同社は音声の品質確保には力を入れており、他社より高い料金を設定しても、品質により勝負
する基本方針を明確にしている。
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2004 年各キャリアの四半期毎の加入者純増数
(千加入)
2,000
1,500
Verizon Wireless
Cingular Wireless
AT&T Wireless
Sprint
Nextel
T-Mobile USA
1,000
500
0
1Q
2Q
3Q
4Q
-500
米国では Virgin Mobile、Boost Mobile を始め、40 社ほどがすでに携帯電話でサービスを展開
している。最近では大手コンビニチェーンの米 7-Eleven が独自のプリペイド携帯電話サービス
「Speak Out」を始めるなど、小売チェーンにも MVNO が広まってきている。
2004 年は米国でもカメラ搭載や GPS 機能といった高機能な端末が人気を博したため、それらを得
意としている韓国のベンダが急激に勢力を伸ばした。一方、ノキアやモトローラなどは苦戦を強いら
れ、特にノキアのシェアの低落が著しい。
米国のモバイル・コンテンツ市場は昨年から急激な立ち上がりを見せている。2003 年で 3 億ドルが、
2004 年には 3 倍強の 10 億ドルに達した模様。
このコンテンツ市場を牽引しているのが、着メロとゲーム。日本市場と同様に若年ユーザー層が、
ゲーム・ソフトや楽曲データの配信サービスを急速に受け入れ始めた。
米国のモバイル・コンテンツ市場は日本と比べて、モバイル・コンテンツ市場の立ち上がりが遅れ
たため、その市場創生期からいきなりアプリケーション/着メロ系コンテンツが開花した。
また、黎明期の日本市場と同様にベンチャーのコンテンツ・プロバイダがコンテンツ市場をリードし
ている。米国 3 大コンテンツ・プロバイダとして、Zingy、Faith West、Infospace Mobile といった名
前が挙がる。いずれも着メロ主体のコンテンツを提供しているが、そのうち Zingy と Faith West の 2
社が日系の企業である。
米国のモバイル・コンテンツ市場は、今後も高い成長が予想されるため、その市場を狙って、日本
のコンテンツ・プロバイダも直接の進出、または現地プロバイダとの提携や買収といった動きを活発
化している。
最近、米国で M&A を最も積極的に展開しているのがフォーサイドである。フォーサイドは、急成長
が見込まれる米国市場で、トップコンテンツ・プロバイダの地位を早急に確立するため、有望プロバイ
ダを次々と買収している。2004 年 5 月に米国コンテンツ・プロバイダ大手 Zingy 社を手始めに、2004
年 8 月に Vindigo 社を取得した。さらに、「マイモバイル」や「ミュージックキューブ」といった大手コン
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テンツ・プロバイダとの買収交渉を行っている。
■調査資料の詳細
発行日:2005 年 3 月
判型:PDF47 頁
発行・販売:株式会社エムシーエイ
〒106-6138 埼玉県さいたま市南区南浦和 2-3-2 日栄ビル
TEL:048-813-7395
FAX:048-813-7399
URL.http://www.mca.co.jp
E-mail.info@mca.co.jp
頒価:39,900 円(税込み)
調査期間:2005 年 1 月∼3 月
■資料の問い合わせ先
株式会社エムシーエイ(http://www.mca.co.jp/)
斎藤(saito@mca.co.jp)
Tel:048-813-7395 Fax:048-813-7399
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