No. 49 - 追手門学院大学

くものいと No. 49
March 2016
目 次
奈良県の御杖小学校で確認したクモ
関根 幹夫
1
セアカゴケグモの変わった観察事例
上村 友久
2
和歌山県有田川町で確認したクモ
関根 幹夫
7
奈良県内のトタテグモ類の新産地:補遺
関根 幹夫
8
滋賀・京都のクモ類(2010)
吉田 真
10
クモの網にとまるカマキリ
上村 友久
17
網を分離させたジョロウグモ
上村 友久
19
大阪都心の靭公園「いのちの森」で見つかったムツトゲイセキグモ
京都市で採集されたカトウツケオグモ
桂 孝次郎
21
清水 裕行
25
関西クモ研究会 採集会の記録(2015 年度)
26
関西クモ研究会 2015 年度例会の記録
29
関西クモ研究会 2014 年度会計報告
31
くものいと,No. 49 (March 2016)
奈良県の御杖小学校で確認したクモ
関 根 幹 夫
A list of spiders at Mitsue Elementary School in Nara Prefecture
Mikio Sekine
奈良県の御杖小学校で「クモ観察会」を行った際に確認したクモを報告します.学校
のアスレチック遊具のある雑木林に囲まれた場所で,3~6 年生の児童 31 名が参加し
ました.
観察日:2014 年 10 月 16 日,天気:晴れ,気温:17℃
観察場所:奈良県宇陀郡御杖村菅野 47 御杖村立御杖小学校
同定者:関根幹夫
採集あるいは確認されたクモは以下のとおり.♀♂を記していないものはメス.y は
幼体.
科の配列は,小野(2009)に準じる.学名は省略した.
ヒラタグモ科:ヒラタグモ
タナグモ科:コクサグモ
コモリグモ科:キクヅキコモリグモ,ハリゲコモリグモ
ササグモ科:ササグモ
サラグモ科:シロブチサラグモ,クスミサラグモ,ムネグロサラグモ
ヒメグモ科:オナガグモ,オオヒメグモ
ジョロウグモ科:ジョロウグモ♀♂
アシナガグモ科:コシロカネグモ,ヤサガタアシナガグモ,キンヨウグモ
コガネグモ科:コガタコガネグモ,ナガコガネグモ,コガネグモ類 y ,ゴミグモ,
ギンメッキゴミグモ,ヤマゴミグモ,カラスゴミグモ
フクログモ科:フクログモ類
ハエトリグモ科:マミジロハエトリ,ネコハエトリ,ヤハズハエトリ♂
文献
小野展嗣(編)2009. 日本産クモ類. 東海大学出版会, 神奈川.
1
くものいと,No. 49 (March 2016)
セアカゴケグモの変わった観察事例
上 村 友 久
ヒラタクワガタを襲っていたセアカゴケグモ
筆者は奈良県奈良市に位置する近畿大学農学部に在学しており,今年(2015 年)9 月
7 日に近鉄富雄駅から徒歩で通学途中,11 時 30 分頃に三碓 6 丁目の道路に面した倉庫
にて,小型のセアカゴケグモが体長 3 cm 程の雄のヒラタクワガタを襲っているところ
を目撃した.
もがくクワガタにクモが襲い掛かっていたため,咄嗟にクモを追い払い,クワガタ
を助けたが,珍しい事例ではないかと考え,再度クワガタを現場に置いて撮影した(図
1)
.その後クワガタは近くの枯れ木に放した.
図 1. 襲われていたヒラタクワガタとその現場.
建物 2 階の窓枠に造網していたセアカゴケグモ
上と同じ頃,近大奈良キャンパス(農学部)において,研究棟 2 階の窓枠という高所
に造網していたセアカゴケグモも発見した.
網にはアブラゼミと大型のガの死骸が付着しており,巣の主も既に死んでいたが,
下の方には空の卵嚢も 1 つ見られた(図 2)
.巣の状態から判断して,死後相当日数が
経過しているものと思われる.
セアカゴケグモは地上近くに造網することが多いが,和歌山県橋本市のコンビニで
は軒先に造網していたという例もある(赤松,2014).そちらでは地上から 3m 程の位
置に作られ,ガラスの窓枠付近は避けられていたというのに対し(赤松,2015)
,今回
の例ではそれより高所の窓枠にも造網していたことから,貴重ではないかと思われる.
2
くものいと,No. 49 (March 2016)
図 2. 研究棟 2 階の窓枠に作られたセアカゴケグモの巣.
草木に造網していたセアカゴケグモ
大阪府茨木市に位置する自宅周辺では,昨年(2014 年)からセアカゴケグモが目撃
されており,今年 8 月からは自宅においても定着が確認された.これまでに 5 匹を駆
除している.
このうちの 2 匹は草木に造網しており,
これも貴重な事例と思われるため報告する.
その 1
今年 9 月 11 日,自宅ガレージに植栽されているヒイラギナンテンとタケの根元にセ
アカゴケグモの巣を発見し,駆除にあたった(図 3).
巣はコンクリート製の床にまで伸びて張られており,クモは植え込みの奥に潜んで
いたため枝葉を剪定しながら掻き分け,ヒイラギナンテンとタケの幹に止まっていた
ところをピンセットで捕獲・駆除した.なお,巣には餌食となったジグモ数匹の残骸が
付着していたこの付近には,かねてよりジグモが多く生息しており,別のセアカゴケ
グモの巣にもかなり付着していたことから,主要な獲物となっていると思われる.
その 2
今年 10 月 1 日の夜,庭に群生するアヤメとそこに設置された植木鉢にセアカゴケグ
モの巣があることに気付いた.翌朝確認したところ,二つの植木鉢の間に巣があり,ア
ヤメにも張り巡らされていた.クモは左側の植木鉢の反対側に潜んでおり,卵嚢も 2 つ
持っていた(図 4–8)
.撮影後,こちらも駆除した.
3
くものいと,No. 49 (March 2016)
図 3. セアカゴケグモが造網していた植え込みの根元(剪定済み)
.
図 4. 植木鉢の間に巣が張り巡らされている.
図 5–6. 巣の拡大.
4
くものいと,No. 49 (March 2016)
図 7. 植木鉢の反対側.
図 8. 捕獲したクモと 2 つの卵嚢.
清水ら(2012)によると,セアカゴケグモは植物には造網しないとされており,それ
まで自宅で発見した個体も側溝や放置された植木鉢の中などに造網していた.しかし
ながら,吹田市で植え込みに造網していたという例もあり(荒川,2011),今回の例も
それに準ずる貴重な事例ではないかと思われる.
また,今年 9 月 20 日には,茨木市三咲町 3 丁目にある茨木川堤防のコンクリート製
階段にて,セアカゴケグモが多数造網しているのを発見し,うち 2 匹の巣が草にも付
着していることに気付いた(図 9–11)
.1 匹目はまだ未成熟であり,2 匹目はさらに小
図 9. 1 匹目の巣.
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くものいと,No. 49 (March 2016)
図 10. 1 匹目(掻き出して,出てきたところを撮影)
.
図 11. 2 匹目の巣.
さな個体だった.これらは植物に造網したというより,単にその場に草があったため
付着したに過ぎないように思われるが,念の為報告する.
謝辞
以上の報告にあたっては,追手門学院大学の加村隆英教授よりアドバイスいただい
たのでここに感謝申し上げます.
引用文献
赤松史憲 2014. セアカゴケグモ報告 –和歌山県橋本市-. くものいと, 47: 50–51.
赤松史憲 2015. セアカゴケグモ報告 その 2 –和歌山県橋本市-. くものいと, 48: 15–17.
荒川真 2011. 植物に造網していたセアカゴケグモ. くものいと, 45: 11–13.
清水裕行・金沢至・西川喜朗 2012. 毒グモ騒動の真実 セアカゴケグモの侵入と拡散. 全国農村教育
協会, 197 pp.
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くものいと,No. 49 (March 2016)
和歌山県有田川町で確認したクモ
関 根 幹 夫
A list of spiders in Aridagawa-cho, Wakayama Prefecture
Mikio Sekine
和歌山県有田郡有田川町の八幡小学校と西ヶ峯小学校で「クモ観察会」を行った際
に確認したクモを報告します.八幡小学校では 3~4 年生の児童 16 名,西ヶ峯小学校
では全校児童 10 名が参加しました.八幡小学校における観察は,潅木と草丈の高い草
本が生育する学校横の里道で行い,西ヶ峯小学校では,ミカン山の中にある児童の祖
母が耕す学校近くの畑地で行いました.なお,2015 年 4 月 2 日に有田川町延坂の次の
滝で,カネコトタテグモ(1♀成体)を採集しましたので,併せて報告します.
観察日と場所:
・2015 年 10 月 20 日,天気:晴れ,気温:23℃
和歌山県有田郡有田川町清水 274-1 有田川町立八幡小学校
・2015 年 10 月 21 日,天気:晴れ,気温:24℃
和歌山県有田郡有田川町西ヶ峯 1489 有田川町立西ヶ峯小学校
同定者:関根幹夫
採集あるいは確認されたクモは以下のとおり.♀♂を記していないものはメス.y は
幼体.場所は,清水,西ヶ峯,延坂と記す.科の配列は,小野(2009)に準じる.学名
は省略した.
カネコトタテグモ科
カネコトタテグモ(延坂)
ガケジグモ科
クロガケジグモ(清水,西ヶ峯)
ウズグモ科
ヤマウズグモ(清水)
ヒラタグモ科
ヒラタグモ(清水,西ヶ峯)
タナグモ科
クサグモ(清水,西ヶ峯)
,コクサグモ(清水,西ヶ峯)
コモリグモ科
ハリゲコモリグモ(清水),キクヅキコモリグモ(西ヶ峯)
,ウヅキコモリグモ y(西ヶ峯)
ヒメグモ科
,カグヤヒメグモ(清水,西ヶ峯)
,ツリガネヒメグモ(清
オオヒメグモ(清水,西ヶ峯)
水)
,シロカネイソウロウグモ(清水,西ヶ峯)
,オナガグモ(清水)
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くものいと,No. 49 (March 2016)
ジョロウグモ科
ジョロウグモ♀♂(清水,西ヶ峯)
アシナガグモ科
チュウガタシロカネグモ(西ヶ峯),アシナガグモ♂(西ヶ峯),ヤサガタアシナガグモ
(清水)
コガネグモ科
コガタコガネグモ(清水)
,コガネグモ類 y(清水)
,ゴミグモ(清水,西ヶ峯)
,ギンメ
ッキゴミグモ(清水,西ヶ峯)
,ヨツデゴミグモ(清水)
シボグモ科
シボグモ(西ヶ峯)
ワシグモ科
メキリグモ(清水)
ハエトリグモ科
シラヒゲハエトリ(清水)
文献
小野展嗣(編)2009. 日本産クモ類. 東海大学出版会, 神奈川.
奈良県内のトタテグモ類の新産地:補遺
関 根 幹 夫
A supplementary note on new records of the Mygalomorph spiders from Nara Prefecture
Mikio Sekine
Several new localities of an endangered spider Conothele fragaria (Dönitz, 1887) and one new
locality of Calommata signata Karsch, 1879 were discovered from Nara Prefecture.
2013 年から 2015 年に行ったトタテグモ類の生息分布調査に基づき,奈良県内のトタ
テグモ類の生息地を先に報告したが(関根 2015)
,ワスレナグモとキノボリトタテグ
モの新たな生息地が確認されたのでここに報告する.
ワスレナグモの奈良県内における既知産地は,奈良市,大和高田市,葛城市と広陵町
であったが,今回,環境科学大阪(株)の北山健司氏を通じての澤畠拓夫博士(近畿大
学農学部)からの情報提供により,奈良市中町の近畿大学奈良キャンパス内における
本種の生息が確認された.また,キノボリトタテグモについては,既知産地である奈良
市,葛城市,橿原市,宇陀市,斑鳩町,三郷町,王寺町と吉野町に,御所市,五條市,
桜井市と生駒市および奈良市の 2 地点が加わった.なお,これら産地情報には標高も
記した.ワスレナグモとキノボリトタテグモは,和歌山県下の全域に生息し,しかしワ
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くものいと,No. 49 (March 2016)
スレナグモは少ないと報告されている(東條 2001).和歌山県に隣接する奈良県でも,
これら 2 種のクモ類は広い範囲に生息すると思われることから,さらなる調査が必要
であろう.
ワスレナグモ
【新産地】(1)奈良市中町・近畿大学奈良キャンパス内の北西部にある調整池まわり
の草地,177m,5♀,10-IX-2014;1♀,6-XI-2014;1♀,13-XI-2014;1♀,11-V-2015.
いずれもモグラの餌生物研究での土壌サンプルからハンドソーティングで土壌動物を
採取する際に採取.以上,情報提供は,澤畠拓夫准教授(近畿大学農学部環境管理学科)
による.
キノボリトタテグモ
・不動禅寺境内(石垣に営巣)
,327 m,1 空巣,
【新産地】
(1)御所市櫛羅(くじら)
4-IV-2015;
(2)五條市大沢町・大澤寺付近(湿った岩に営巣)
,376 m,1♀+卵のう,
11-VII-2015(図 1)
;
(3)桜井市初瀬・與喜天満神社裏参道(石垣に営巣)
,193 m,1 空
巣,21-XI-2015;
(4)奈良市誓多林町・八柱神社境内(石垣に営巣)
,417 m,1 空巣,
29-XI-2015;
(5)奈良市月ヶ瀬桃香野・竜王の滝(岩に営巣)
,139 m,1 空巣,5-XII2015;
(6)生駒市有里町・竹林寺参道(アベマキの樹幹に営巣)
,149 m,1 空巣,6-XII2015,以上いずれも関根確認.
図 1. キノボリトタテグモ住居内の白い卵のう(五條市大沢町,11-VII-2015)
.
Fig. 1. A white egg-suc within the trap-door nest of Conothele fragaria.
引用文献
関根幹夫 2015. 奈良県内のトタテグモ類の新産地. くものいと, 48: 1–5.
東條 清 2001. 和歌山のクモ. 著者自刊, 242 pp.
9
くものいと,No. 49 (March 2016)
滋賀・京都のクモ類(2010)
吉 田 真
はじめに
筆者は,2010 年に比叡山の標高 400m 以上で採集したクモ類について報告した
(吉田,2014)
.今回は,2010 年に滋賀県と京都府で採集したクモ類のうち,比
叡山以外の地域で採集したクモ類について報告する.
同定にご協力いただいた,谷川明男・吉田哉・加村隆英・西川喜朗さんに厚く
御礼申し上げる.
滋賀・京都クモ類リスト(2010)
♀:メス成体,♂:オス成体,y:幼体.数字は個体数である.
コジャバラハエトリ
ヒメカラスハエトリ
マミジロハエトリ
滋賀県
甲賀市信楽町田代(2010.7.17)
N34˚ 54ʹ 30ʺ, E136˚ 1ʹ 10ʺ
タマゴグモ科
アカハネグモ
タナグモ科
コクサグモ
ヒメグモ科
オダカグモ
カグヤヒメグモ
バラギヒメグモ
フタオイソウロウグモ
ボカシミジングモ
ヤリグモ
ジョロウグモ科
ジョロウグモ
コガネグモ科
ギンメッキゴミグモ
ヌサオニグモ
エビグモ科
シャコグモ
カニグモ科
トラフカニグモ
ハエトリグモ科
アオオビハエトリ
♀1
♀1
♀1,y2
大津市上田上大鳥居町(2010.7.17)
N34˚ 56ʹ 25ʺ, E136˚ 1ʹ 55ʺ
♀3
タマゴグモ科
アカハネグモ
♀1
タナグモ科
コクサグモ
y1
サラグモ科
ムネグロサラグモ
♀1
ヒメグモ科
オナガグモ
♀1
コンピラヒメグモ
♀1
チリイソウロウグモ
y1
ヒゲナガヤリグモ
♂1
ボカシミジングモ
y3
ムラクモヒシガタグモ
♂1
アシナガグモ科
ウロコアシナガグモ
y1
オオシロカネグモ
♂1,♀2
キンヨウグモ
y2
ヤサガタアシナガグモ
y4
コガネグモ科
アカイロトリノフンダマシ
♀1
y1
y1
y1
y1
♀1
y3
♀1
y1
♀1
♂1
y1
y1
♀1
10
くものいと,No. 49 (March 2016)
コンピラヒメグモ
♀2
♀1
バラギヒメグモ
フタオイソウロウグモ
♀1
ボカシミジングモ
♂2
アシナガグモ科
アシナガグモ
♂y1
オオシロカネグモ
♀1
キンヨウグモ
y1
y6
シナノアシナガグモ
ヤマジドヨウグモ
y1
コガネグモ科
イシサワオニグモ
y1
カギヅメカラスゴミグモ
♂1
カラフトオニグモ
y1
♂y1
ワキグロサツマノミダマシ
イヅツグモ科
イヅツグモ
y1
カニグモ科
ガザミグモ
y1
♀1
チクニエビスグモ
ヤミイロカニグモ
♀1
ワカバグモ
♀3,y3
フクログモ科
ウコンフクログモ
♂1
ハエトリグモ科
アメイロハエトリ
y1
ウススジハエトリ
♀2
デーニッツハエトリ
y3
ネオンハエトリ
y1
ヤサアリグモ
♀2
ヌサオニグモ
♀1
コマチグモ科
ヤサコマチグモ
♀1,y3
エビグモ科
シャコグモ
y1
カニグモ科
コハナグモ
♀1
セマルトラフカニグモ
♀1,y2
イヅツグモ科
イヅツグモ
♀1
ハエトリグモ科
アリグモ
♀2
キアシハエトリ
♂2,♀2
ジャバラハエトリ
y1
チャイロアサヒハエトリ ♂1,♀2
デーニッツハエトリ
y4
マミジロハエトリ
♀1
ヤサアリグモ
y1
大津市葛川梅の木町(2010.7.26)
N35˚ 15ʹ 50ʺ, E135˚ 52ʹ 35ʺ
ヒメグモ科
クロササヒメグモ
アシナガグモ科
ヤサガタアシナガグモ
ヤマジドヨウグモ
♀1
y1
♂y1
大津市葛川坂下町(2010.7.26)
N35˚ 12ʹ 40ʺ, E135˚ 51ʹ 15ʺ
タマゴグモ科
アカハネグモ
ハグモ科
Gen. sp.
ナミハグモ科
カチドキナミハグモ
ハタケグモ科
ヤマハタケグモ
サラグモ科
サイトウヌカグモ
ムネグロサラグモ
ヒメグモ科
Anelosimus sp.
オナガグモ
カニミジングモ
キヒメグモ
♀1
高島市朽木栃生(2010.7.26)
N35˚ 17ʹ 30ʺ, E135˚ 53ʹ 10ʺ
♀1
タマゴグモ科
アカハネグモ
ユウレイグモ科
ユウレイグモ
ウズグモ科
マネキグモ
キシダグモ科
アズマキシダグモ
イオウイロハシリグモ
サラグモ科
セムシアカムネグモ
マダラナンキングモ
y1
y3
♀1
♂y1,y1
♀1
y1
y4
y3
11
♀1
♀1
y1
♀1
♀1
♀1
♂1,♀13
くものいと,No. 49 (March 2016)
ムネグロサラグモ
ヒメグモ科
オナガグモ
カニミジングモ
コンピラヒメグモ
ツクネグモ
ニホンヒメグモ
ヒゲナガヤリグモ
フタオイソウロウグモ
ボカシミジングモ
ムラクモヒシガタグモ
ジョロウグモ科
ジョロウグモ
アシナガグモ科
アシナガグモ
オオシロカネグモ
キララシロカネグモ
シナノアシナガグモ
ヤサガタアシナガグモ
コガネグモ科
ギンメッキゴミグモ
シマゴミグモ
トゲグモ
ヤマトカナエグモ
カニグモ科
コハナグモ
チクニエビスグモ
トラフカニグモ
ワカバグモ
ネコグモ科
オトヒメグモ
ハエトリグモ科
アリグモ
デーニッツハエトリ
ヒメカラスハエトリ
マミジロハエトリ
メガネアサヒハエトリ
y1
ウズグモ科
オウギグモ
♂1
マネキグモ
y1
タナグモ科
コクサグモ
♀1
キシダグモ科
アズマキシダグモ
y1
コモリグモ科
ハラクロコモリグモ
y1
ササグモ科
ササグモ
y4
センショウグモ科
ハラビロセンショウグモ
y2
サラグモ科
ユノハマサラグモ
y1
ヒメグモ科
オナガグモ
y4
カニミジングモ
y1
シモフリヒメグモ
y1
シロカネイソウロウグモ
y24
チリイソウロウグモ
y7
ツクネグモ
y1
バラギヒメグモ
y8
ヒシガタグモ
y1
フタオイソウロウグモ
y5
ジョロウグモ科
ジョロウグモ
♂4,♀1
アシナガグモ科
チビシロカネグモ
y1
シボグモ科
シボグモ
y1
カニグモ科
アズチグモ
y3
セマルトラフカニグモ
y1
イヅツグモ科
イヅツグモ
y1
ウエムラグモ科
イタチグモ
y4
ネコグモ科
ネコグモ
y8
ハエトリグモ科
ジャバラハエトリ
♂1
y3
チャイロアサヒハエトリ
y2
♂y1,y1
♀1
♂y1,y2
y1
♀1
y2
y1
y1
y2
♂1
♀3
♀3
y9
y13
y1
♀1
♂1,♀6
♀3
♂1,♀2
♀1
y3
y7
♀1
♀1
y3
♀1
♂1
♀1
草津市野路東立命館大学びわこ草津
キャンパス(2010.10.23)
N34˚ 58ʹ 30ʺ, E135˚ 57ʹ 50ʺ
タマゴグモ科
アカハネグモ
ユウレイグモ科
ユウレイグモ
♀1
y2
12
くものいと,No. 49 (March 2016)
♀2
ムナボシヒメグモ
ヨリメグモ科
ヨロイヒメグモ
♂1,♀1
ジョロウグモ科
ジョロウグモ
y4
アシナガグモ科
アシナガグモ
y2
オオシロカネグモ
♀3
コガネグモ科
ギンメッキゴミグモ
♂1,♀1
ゴマジロオニグモ
y1
♀1
ヤマトカナエグモ
ワキグロサツマノミダマシ
y2
コマチグモ科
ヤサコマチグモ
♂1
シボグモ科
シボグモ
y5
カニグモ科
アマギエビスグモ
♀1
コハナグモ
♀2,y2
ニッポンオチバカニグモ
y1
ウエムラグモ科
イタチグモ
y5
ネコグモ科
コムラウラシマグモ
y3
ハエトリグモ科
デーニッツハエトリ
♀1,y3
京都府
京都市左京区
修学院辻ノ田町(2010.7.19)
N35˚ 3ʹ 7ʺ, E135˚ 48ʹ 8ʺ
タナグモ科
コクサグモ
y7
キシダグモ科
イオウイロハシリグモ
y1
センショウグモ科
センショウグモ
♀1
ヒメグモ科
カニミジングモ
♂1,♀1
ジョロウグモ科
ジョロウグモ
y1
アシナガグモ科
アシナガグモ
y5
キララシロカネグモ
♀1
ヤサガタアシナガグモ
♀1
コガネグモ科
カラオニグモ
♂y1
ギンメッキゴミグモ
y1
y1
ナガコガネグモ
ビジョオニグモ
y1
ワキグロサツマノミダマシ
y2
エビグモ科
シャコグモ
y1
カニグモ科
アズチグモ
y1
ハナグモ
y4
ヤミイロカニグモ
♀1
修学院寺谷(2010.7.19)
N35˚ 3ʹ 25ʺ, E135˚ 48ʹ 20ʺ
ウズグモ科
オウギグモ
カタハリウズグモ
タナグモ科
コクサグモ
キシダグモ科
イオウイロハシリグモ
コモリグモ科
チビコモリグモ
センショウグモ科
ハラビロセンショウグモ
サラグモ科
アシナガサラグモ
ヒメグモ科
カグヤヒメグモ
修学院音羽谷(2010.7.19)
N35˚ 3ʹ 7ʺ, E135˚ 48ʹ 16ʺ
コモリグモ科
チビコモリグモ
タナグモ科
コクサグモ
センショウグモ科
センショウグモ
サラグモ科
スソグロサラグモ
ヒメグモ科
オナガグモ
チリイソウロウグモ
♂1,♀8
y11
♂y1
y5
y1
♀1
13
y1
♀2,y1
y3
♀1
♀1
♀1
♂y1
♀2,y2
くものいと,No. 49 (March 2016)
ヒメグモ科
カグヤヒメグモ
♀2,y1
カニミジングモ
♂5,♀4
キベリミジングモ
y2
コンピラヒメグモ
♂2,♀2
ニホンヒメグモ
y2
ハラナガヒシガタグモ
y3
ヒゲナガヤリグモ
♂1,♀1
ボカシミジングモ
♂4
ホシミドリヒメグモ
♂1
ムラクモヒシガタグモ
♀1
ジョロウグモ科
ジョロウグモ
y3
アシナガグモ科
オオシロカネグモ
♀1
キンヨウグモ
y5
シナノアシナガグモ
y1
コガネグモ科
イシサワオニグモ
♂1
カラフトオニグモ
y7
ギンメッキゴミグモ
♂y2
シロオビトリノフンダマシ
♂1
トガリオニグモ
y1
ヨツデゴミグモ
♀1,y1
カニグモ科
アマギエビスグモ
♀1
イヅツグモ科
イヅツグモ
y1
ハエトリグモ科
コジャバラハエトリ
♂1
ジャバラハエトリ
♀1
♀1
ネコハエトリ
メガネアサヒハエトリ
♀1
カニミジングモ
♂1,♀1
トビジロイソウロウグモ
y1
ニホンヒメグモ
y1
ボカシミジングモ
♂3,♀3
ヨリメグモ科
ヨロイヒメグモ
♂1
ジョロウグモ科
ジョロウグモ
y3
アシナガグモ科
キララシロカネグモ
♂1,♀2
キンヨウグモ
y4
コシロカネグモ
♀2
コガネグモ科
アカイロトリノフンダマシ
♀1
マメオニグモ
♂y1
ワシグモ科
ヒトオビトンビグモ
y1
カニグモ科
セマルトラフカニグモ
♂2,♀2
チクニエビスグモ
♀1
フクログモ科
ヤギヌマフクログモ
♂1
ウエムラグモ科
イタチグモ
♂1, y3
ネコグモ科
ヤバネウラシマグモ
♀1
ハエトリグモ科
ウデブトハエトリ
♀1
カラスハエトリ
♂2,♀1
キレワハエトリ
♀1
デーニッツハエトリ
y2
一乗寺水掛町(2010.7.23)
N35˚ 2ʹ 25ʺ, E135˚ 48ʹ 20ʺ
タマゴグモ科
ダニグモ
ウズグモ科
カタハリウズグモ
マネキグモ
センショウグモ科
センショウグモ
ハラビロセンショウグモ
サラグモ科
アシナガサラグモ
クスミサラグモ
修学院音羽谷(2010.7.23)
N35˚ 3ʹ 7ʺ, E135˚ 48ʹ 16ʺ
y1
タナグモ科
クサグモ
コクサグモ
センショウグモ科
センショウグモ
ハラビロセンショウグモ
サラグモ科
ムネグロサラグモ
ユノハマサラグモ
♀3
y1
♂1
y1
y1
♂y1
14
♂y1
y5
♂1
y1
♀1,y1
y4
くものいと,No. 49 (March 2016)
一乗寺水掛町(2010.11.28)
N35˚ 2ʹ 25ʺ, E135˚ 48ʹ 20ʺ
ヒメグモ科
カニミジングモ
♀1
カレハヒメグモ
y2
♂2,♀1
チリイソウロウグモ
ニホンヒメグモ
y3
y1
ハラナガヒシガタグモ
ヒシガタグモ
y2
ボカシミジングモ
♀4
♀2
ムナボシヒメグモ
ムラクモヒシガタグモ
♀1
ヤマトミジングモ
♀1
ヨリメグモ科
ヨロイヒメグモ
♀5
ジョロウグモ科
ジョロウグモ
y6
アシナガグモ科
アシナガグモ
y1
ウロコアシナガグモ
y2
♂1
オオシロカネグモ
キンヨウグモ
y1
♂1,♀1
コシロカネグモ
コガネグモ科
カラフトオニグモ
y1
y4
ギンメッキゴミグモ
ワキグロサツマノミダマシ
y2
エビグモ科
アサヒエビグモ
y2
カニグモ科
クマダハナグモ
y1
♀1,y1
コハナグモ
イヅツグモ科
イヅツグモ
y1
ウエムラグモ科
イタチグモ
y2
ネコグモ科
ネコグモ
y1
ヤバネウラシマグモ
♂1
ハエトリグモ科
ウデブトハエトリ
♂1
コジャバラハエトリ
♂1
デーニッツハエトリ
y5
マシラグモ科
Falcileptoneta sp.
ウズグモ科
オウギグモ
マネキグモ
ナミハグモ科
カチドキナミハグモ
ヤチグモ科
ヨゴヤマヤチグモ
タナグモ科
コクサグモ
コモリグモ科
ウヅキコモリグモ
センショウグモ科
センショウグモ
サラグモ科
アカムネグモ sp.
ザラアカムネグモ
スソグロサラグモ
ズブトヌカグモ
ムネグロサラグモ
ユノハマサラグモ
ヒメグモ科
カグヤヒメグモ
カニミジングモ
ツリガネヒメグモ
ハラナガヒシガタグモ
ヒシガタグモ
ムナボシヒメグモ
アシナガグモ科
キンヨウグモ
シナノアシナガグモ
オオシロカネグモ
タニマノドヨウグモ
ヤサガタアシナガグモ
コガネグモ科
アオオニグモ
サガオニグモ
ヤマゴミグモ
シボグモ科
シボグモ
エビグモ科
アサヒエビグモ
15
♂1
♀1
y4
y1
♀1
♀1
y1
♂y2,y2
♀1
♀1
♀1
♂2
y1
y20
y2
♀1,y1
y3
♂y2,y6
y6
y1
♂1
y1
y103
y4
y4
y1
y1
y1
y2
y2
くものいと,No. 49 (March 2016)
ワシグモ科
クロケムリグモ
カニグモ科
アマギエビスグモ
セマルトラフカニグモ
ワカバグモ
フクログモ科
クロサワフクログモ
ヤハズフクログモ
イヅツグモ科
イヅツグモ
ネコグモ科
ネコグモ
ハエトリグモ科
デーニッツハエトリ
♀1
y3
y4
y5
y1
♂1,y11
y25
y1
♀2
府県新記録種など
滋賀県の新記録種は,セムシアカムネグモ,マダラナンキングモ(サラグモ科),ク
ロササヒメグモ(ヒメグモ科)
,カギヅメカラスゴミグモ(コガネグモ科)
,ウコンフク
ログモ(フクログモ科)
,キアシハエトリ(ハエトリグモ科)の 6 種であった(新海ほ
か 2014).これに加えて,ハグモ科の Gen. sp.,ヒメグモ科の Anelosimus sp. が採集さ
れており,おそらくは未記載種と思われる.
京都府の新記録種は,ズブトヌカグモ(サラグモ科),ヒゲナガヤリグモ,ヤマトミ
ジングモ(ヒメグモ科)
,ゴマジロオニグモ(コガネグモ科),ヤサコマチグモ(コマチ
グモ科)
,ヤギヌマフクログモ,クロサワフクログモ(フクログモ科)
,コジャバラハエ
トリ,ジャバラハエトリ(ハエトリグモ科)の 9 種であった(新海ほか 2014).これに
加えて,サラグモ科の Ummeliata sp. とマシラグモ科の Falcileptoneta sp. が採集されて
おり,おそらくは未記載種と思われる.
引用文献
吉田真 2014.比叡山のクモ類Ⅰ.蜘蛛(KUMO)
,47: 1370–1379.
新海明・谷川明男・安藤昭久・池田博明・桑田隆生 2014.CD 日本のクモ Ver. 2014.著者自刊,CD.
16
くものいと,No. 49 (March 2016)
クモの網にとまるカマキリ
上 村 友 久
2014 年 8 月 22 日の 17 時 10 分頃,大阪府茨木市の自宅のイヌツゲに造網している
コクサグモの網をオオカマキリが渡っているのを目撃した(図 1).カマキリは恐らく
終齢幼虫の雌と思われ,2 本のイヌツゲの間に張られた網の裏側をごく普通に巣を渡っ
ていた.自宅ではかねてよりイヌツゲやツツジに多数のコクサグモが棲みついており,
オオカマキリも時折目撃されるが,このような事例は初めてであった.
図 1. コクサグモの網を渡るオオカマキリ.
2014 年 10 月 7 日の 14 時頃には,近大奈良キャンパス近くの「近大坂」と呼ばれる
坂道の道路にて,ジョロウグモの網にオオカマキリの雄がとまっているのを目撃した
(図 2)
.網は地上から 10 m 程の電線に張られたもので,そこにカマキリが身動きせず
にとまっていた.カマキリは狩りや産卵のために高所に登ることも多く,また雄は雌
を探して頻繁に飛び回ることから,この個体は飛翔中に網に接触し,そのまま絡まる
ことなく着地したものと思われる.奈良キャンパスやその近辺にもジョロウグモは多
数生息し,オオカマキリもかなり目撃される.
尾田・難波(1999)には,双方とも若齢個体ではあるが,オオカマキリがジョロウグ
モを狙って松葉に張られた網を渡ろうとしている写真が掲載されている.反対に,オ
オカマキリの雌成虫であってもジョロウグモの網にかかれば餌食になってしまうこと
もある.ただ,今回の事例では,双方とも互いの存在を意識している様子はなかった.
17
くものいと,No. 49 (March 2016)
図 2–5. ジョロウグモとその網にとまるオオカマキリ.
謝辞
本報告においては,追手門学院大学の加村先生よりアドバイスいただいたほか,カ
マキリの生態については京都大学生態学研究センターの渡部宏研究員からもご助言い
ただきましたので,ここに感謝申し上げます.
文献
尾田英智・難波由城雄 1999.自然の観察事典 21 網をはるクモ観察事典.偕成社.
18
くものいと,No. 49 (March 2016)
網を分離させたジョロウグモ
上 村 友 久
大阪府茨木市の自宅の庭にはかねてよりジョロウグモが生息しており,今年も 8 匹
の成熟個体が確認された.このうちの一匹が,本体の網から分離した円網を作ってい
たため報告する.
10 月の終わり頃,このクモが網の中心を離れて端で動き回っているのを目撃してお
り,その後姿を消していたのだが,11 月初めに戻ってきていた.同様に,腹の膨れた
個体が暫く姿を消したのち,痩せて戻ってくることは過去にも確認されており(産卵
のためと思われる)
,今回の個体も若干痩せていたように見えた.ところが,このクモ
は本体の網には戻らず,そのすぐ横(正面から見て左側)に小さな円網を構え直してい
た(図 1)
.よく見たところ,その円網の上部は本体の網と繋がっているようであった.
また,11 月 5 日にはこの網で獲物を捕らえている場面も目撃した(図 3)が,同月 9 日
には前日から続く雨のためか死亡しているのが確認された.
図 1. 分離して作られた円網.クモの大きさと比較して,かなり小さいことが分かる.
19
くものいと,No. 49 (March 2016)
図 2. 本体の円網.
図 3. 分離した円網で獲物を捕らえるクモ.
20
くものいと,No. 49 (March 2016)
うつぼ
大阪都心の 靱 公園「いのちの森」で見つかった
ムツトゲイセキグモ
桂 孝 次 郎
筆者は 1990 年から靱公園自然研究会で大阪市西区の靱公園にて生物の徹底調査をし
ている(桂・奥野 他,1993;靱公園自然研究会,2012)
.現在までに靱公園で昆虫は約
700 種,クモは約 40 種が確認されている.靱公園は戦後の飛行場の跡地に,1955 年に
出来た小さな公園(9.7 ha)である.公園の周りはビル群に囲まれた典型的な都市型公
園で,中央を南北に通る「なにわ筋」が横切って,
「東園」と「西園」に分けられてい
る.西園は 1996 年に地下駐車場と変貌し,東園は 2005 年にリニューアルされ,歩道
の舗装化と見通しよくするために中間層から低木層の樹木の伐採や刈り込みが進んで,
最近は急激に乾燥化してきている.そんな中,東園は大阪市内では珍しくアブラゼミ
が多く,准絶滅危惧種のワスレナグモをはじめ,いろいろな生き物が生息することか
ら,公園のほぼ中央部の植生の豊かな部分に,生物多様性を目的としたサンクチュア
リ「いのちの森」が,2009 年(北地区 739 m2)と 2010 年(南地区 751 m2)にわたって
大阪市によってつくられた.靱公園自然研究会は,この「いのちの森」を中心に,生き
もの調査をしながら,近隣の幼稚園・小学校および大阪科学技術館などの自然教育等
の普及活動をしている.
「いのちの森」の貴重な生きものについて,2015 年 12 月号の
大阪市立自然史博物館友の会の Nature Study に「靱公園(いのちの森)に集まる大阪都
心の珍しい昆虫たち」として報告したばかりで.今回見つかったムツトゲイセキグモ
は,その報告後の 2016 年 2 月 10 日に見つかったものである.
ムツトゲイセキグモの見つかったくわしい場所は,金網のフェンスで囲まれた南地
区の掲示板がある林縁部で,よく日が当たるところである.フェンスと平行に植えら
れているカラタチ群落の中から自然に生えてきたクスノキ(約 2 mの幼木)の先端部
の裏返った葉上(地上約 1.8 m 付近)にとまっていた(図 1)
.最初は鳥の糞か?虫こ
ぶか?枯葉のゴミでもくっついているのかと思って葉をたぐり寄せてよく見ると,足
が見え体長約 5 mm のクモだとわかったので写真撮影をした(図 2, 3).帰宅後,実体
顕微鏡で見ると胸部・腹部に突起が多数あり,胸部背面には大 1 本,小 1 本の鋭い尖
ったトゲが前方に突き出た♀の幼体だった(図 4)
.この点でトリノフンダマシとはか
なり違う種だと思い図鑑で調べたがよくわからず,西川喜朗先生に画像を送ってムツ
トゲイセキグモ(コガネグモ科)と判明した.本種は粘球のついた糸を振りまわして虫
をとるナゲナワグモの仲間で,クモハンドブック(馬場・谷川 2015)によると,
「レア
21
くものいと,No. 49 (March 2016)
度 5」のめったに見ることが出来ない種とされ,また西川先生によると大阪府で 3 番目
の記録とのことであった.そして今回見つかった大阪市内の中心部の都市公園にいた
ことに大変驚かされた.
図 1. 靱公園「いのちの森」のムツトゲイセキグモが
見つかった場所.
図 3. 見つかったムツトゲイセキグモ(背面)
.
22
図 2. 体長約 5 mm,上向きに突き出た
クスノキの裏返った葉上にとまって,
鳥の糞か?虫こぶか?の擬態に見えた
ムツトゲイセキグモ.
図 4. このムツトゲイセキグモは,斜め横か
ら見ると,胸の背面に天敵対策か?大 1 本
と小 1 本の鋭い突き出たトゲをもった変わ
ったクモである.
くものいと,No. 49 (March 2016)
ムツトゲイセキグモの大阪府での記録
● 1 番目の記録(池田勇介 2005,同 2007)
場所:大阪府八尾市恩地中町,大畑山アクトランド,クヌギ林,
発見の状態:卵のう 6 個(1 つは出のうした後で,残り 5 個は,中でクモが死んでい
た)
.
採集日:2004 年 1 月 23 日,採集:池田勇介,同定:谷川明男.
(注)池田 2007 は,池田 2005 を再録したものである.
● 2 番目の記録(新海 明・谷川明男 2009)
場所:大阪府茨木市生保
発見の状態:幼体 1 個体.
採集日:2008 年 5 月 13 日.採集同定:金野 晋・畑守有紀.
なぜ町中の都市公園にいたのか?
1. 場所が「いのちの森」というフェンスで保護されたサンクチュアリで伐採などから
守られた環境であること.
2. クモの分散は糸で風に飛ばされて遠くへ移動するものが多いが,本種が移動分散能
力の高い種であるならば,もっと普通に多くの場所で見つかって良いはずである.
今回地上 1.8 m で偶然見つかったが,本来はもっと高い場所で樹上生活をしていて,
そのため人間には見つかりにくいクモなのかもしれない.
3. 見つかったクスノキの周りにはカラタチ群落があり,そのカラタチの鋭いトゲのた
めか,天敵の鳥などの捕食から守られた可能性も考えられる.
なぜこんな冬にいたのか?
冬の記録について調べていると,道盛正樹先輩から下記の情報があることを教えて
いただいた.
大阪市立自然史博物館の昆虫学芸員の松本吏樹郎氏の記録:2009 年 1 月 19 日,♀幼
体,生駒市.同博物館のウェブサイトにこのデータとともに写真が掲載されている.
以上の 3 例の記録から,本種は卵越冬でなく,おそらく幼体で越冬すると考えられ
る.
おわりに
ムツトゲイセキグモの大阪府の最初の記録は,小学生の池田勇介君の卵のうの発見
である(池田 2005)
.池田勇介君は 18 才という若さで亡くなった人物で,5 歳のとき
に大阪市立自然史博物館友の会の「セミのぬけがら調べ」の行事をはじめ,靱公園には
何度となく来てくれた観察眼が飛び抜けてすばらしい少年であった.今回の靱公園で
のムツトゲイセキグモの発見で,池田勇介君を思い出されて,一緒に語り合えない寂
23
くものいと,No. 49 (March 2016)
しさを感じてならない.そして,この貴重な「いのちの森」を作っていただいた大阪市
と,この報告にあたり,常日頃からご指導いただき池田勇介君のご両親に情報確認を
していただいた追手門学院大学名誉教授の西川喜朗先生と,追加情報を教えていただ
いた道盛正樹氏,池田勇介君のご両親である池田幸二・和穂ご夫妻および投稿を勧め
ていただいた加村隆英氏に心から感謝いたします.
参考文献
池田勇介 2005.らんのうの採集の記録.くものいと,37: 18.
池田勇介 2007.大阪府のクモ.くものいと,40: 41–51.
靱公園自然研究会 2012.いのちの森・生物多様性公園をめざして,-大阪都心・靱公
園の自然と歴史-.大阪自然史センター,305 pp.
桂 孝次郎・奥野晴三・靱公園自然研究会 2015.靱公園「いのちの森」に集まる大阪都
心の珍しい昆虫たち.Nature Study, 61(12): 6–9.
桂 孝次郎・奥野晴三・山本博子 1993.靱公園の自然,-都市の自然への招待-.大阪
街なか昆虫ウオッチング(自費出版): 1–197.
新海 明・谷川明男 2009.採集情報.遊絲,24: 7–8.
田中穂積 2009.大阪府のクモ類.くものいと,42: 1–21.
馬場友希・谷川明男 2015.クモハンドブック.文一総合出版.
松本吏樹郎 写真集/大阪市立自然史博物館,コガネグモ科 ムツトゲイセキグモ
Ordgarius sexspinosus (Thorell 1894).<http://www.mus-nh.city.osaka.jp/matsumoto/page23/
page25/page35/page183/page183.html>(アクセス日:2016 年 2 月 16 日)
24
くものいと,No. 49 (March 2016)
京都市で採集されたカトウツケオグモ
清 水 裕 行
京都市で採集されたカトウツケオグモの標本を入手したので報告する.貴重な標本
を御寄贈くださった片山元気氏に御礼申し上げる.
1.採集データ
[種名]カトウツケオグモ Phrunarachne kaoti Tikuni 1955,1♀成体.
[採集年月日]2015年11月10日.
[採集地]京都府京都市山科区高塚山付近の林内.栞糸にぶら下がった個体を採集と
のこと.
[採集者]片山元気(かたやま・もとき).
[付記]標本は現在,清水が保管している.
2.備考
片山さんは環境アセスメントの会社にお勤めで,私とは同社のクモ標本の同定をお
手伝いした際に知り合い,情報交換している間柄である.片山さんの御専門はアリで
あるが,アリグモとのからみでクモにも感心を持っておられ,昨年の京都府天王山に
おける本会の春季採集会にも参加された.
カトウツケオグモ等の希少種は昆虫研究者の間でも結構知られていて,私はこれま
でにもそのようなルートから標本を入手したことがある.以前,カトウツケオグモの
雌雄を陸貝と甲虫(ゾウムシ)を研究している方からいただいたことがある.この人は
本種のメスが普通種に見えて,採集を躊躇したそうである.恐らく,オジロアシナガゾ
ウムシを連想したのではないだろうか.このクズの葉上でしばしば見かける大型のゾ
ウムシは,カトウツケオグモ同様に白と黒のツートンカラーで,白い部分は,やはり粉
を吹いたような形状である.こちらはごく普通に見られる種なので,
「クモの方も普通
種かも」と見過ごされる可能性があった.自分が昆虫や陸貝を提供する立場になれば,
「これは普通種なのでは」とか「わざわざ採らないでも」と余計な分別が働くものであ
る.しかし,素人判断は禁物である.
「専門家に託せば,仮に一般種であっても分布デ
ータとして有効に利用してくれるだろう」と思い直して,採集するように努めている.
25
くものいと,No. 49 (March 2016)
関西クモ研究会 採集会の記録(2015 年度)
場所:京都府乙訓郡大山崎町大山崎,天王山の南東部,標高 約 30~150 m alt.
◆ 2015 年 5 月 24 日(日)
,天候:うす曇り
参加者:赤松史憲,伊規須貞子,伊藤 博,上田祐補,片山元気,加村隆英,岸本正也,
黒田あき,清水裕行,新垣あずみ,新垣雅美,関根幹夫,竹内正幸,田中穂積,西川
喜朗,福田孝男,松本吏樹郎,松本舞子,山田廣士(19 名)
◆ 2015 年 9 月 27 日(日)
,天候:うす曇り
参加者:赤松史憲,荒川 真,伊藤 博,上田祐補,加村隆英,黒田あき,清水裕行,関
根幹夫,高見咲恵,西本 裕,船曳和代,村上協三,山田廣士(13 名)
上記 2 回の採集会で確認されたクモを報告する.場所は京都府南西部の大阪府との
境界付近で,JR 東海道線「山崎」駅を出発して,天王山(山頂 270 m alt.)方面の中間
地点あたりの,名神高速道路の天王山トンネルの上部付近を歩いた.道中には大念寺,
宝寺(宝積寺)
,山崎聖天(観音寺)などの寺社があり,社寺林のほかアラカシ林や竹
やぶなどが見られた.歩いた距離は 2~3 km である.
図 1–2.採集会に参加した皆さん.1(左)
,2015 年 5 月 24 日;2(右)
,2015 年 9 月 27 日.
確認されたクモは以下のとおり.y は幼体を示す.括弧内は採集同定者,採集日であ
る.*印は,現地でおこなった,まとめの時の目撃された種のうち,採集をしていない
種であることを意味する.科の配列は小野(2009)に準じた.
26
くものいと,No. 49 (March 2016)
ムネグロサラグモ 1♀,1♂(加村 5/24),
・ジグモ科
1♀(加村 9/27)
ジグモ 1y(赤松 5/24)
オオイオリヒメサラグモ 1♀(加村
・トタテグモ科
5/24)
キシノウエトタテグモ(*5/24),(*
ユノハマサラグモ 1y(加村 9/27)
9/27)
・ヒメグモ科
・ユウレイグモ科
ユウレイグモ 1♀(赤松 5/24)
,1♀(加
シロカネイソウロウグモ(*9/27)
,
チリイソウロウグモ 1y(加村 5/24)
村 5/24)
1 卵のう(山田 9/27)
・エンマグモ科
ミヤグモ(*5/24)
オナガグモ 1♀(赤松 9/27)
ミヤグモ? 1y(赤松 9/27)
,1♀(加
カレハヒメグモ 1y(赤松 5/24)
村 5/24)
,(*9/27)
・タマゴグモ科
ヒシガタグモ 1y(西川 5/24)
クスミダニグモ 1♀(西川 5/24)
ムラクモヒシガタグモ 1y(加村 5/24)
・チリグモ科
カグヤヒメグモ 1♀,1♂(加村 5/24),
チリグモ 1♀(赤松 5/24)
,1♀(加村
1♀(赤松 9/27)
5/24),
(*9/27)
,1
ヒザブトヒメグモ 1♀(加村 5/24)
・ガケジグモ科
♀(赤松 9/27)
クロガケジグモ 1♂(加村 5/24),
(*
9/27)
ニホンヒメグモ(*5/24)
オオヒメグモ 1♀,1♀y(西川 5/24),
・ヤマトガケジグモ科
ヤマトガケジグモ(*5/24)
(*9/27)
ヤリグモ 1y(赤松 9/27)
・ハグモ科
スネグロオチバヒメグモ 1♀(西川
(*9/27)
ネコハグモ(空の網)
5/24)
・ウズグモ科
オウギグモ 1♂(加村 9/27)
・ジョロウグモ科
マネキグモ 1y(赤松 5/24)
,1y(赤
ジョロウグモ 1y(西川 5/24)
松 9/27)
カタハリウズグモ(*5/24)
ヤマウズグモ 1♀(赤松 5/24)
,1♂(加
・アシナガグモ科
村 5/24)
,1♀(西川 5/24)
チ ュ ウ ガ タ シ ロ カ ネ グ モ 1y( 赤 松
(*9/27)
5/24),1♀(西川 5/24),
・ヒラタグモ科
ヒラタグモ 1y(赤松 5/24)
,
(*9/27)
オオシロカネグモ 1♀(加村 9/27)
ウロコアシナガグモ(*5/24)
・タナグモ科
・コガネグモ科
コクサグモ(*9/27)
ハツリグモ 1♀(赤松 5/24),1♀(加
・ササグモ科
村 5/24)
,1♀(西川 5/24)
,1y(赤松
ササグモ(*5/24)
,1 幼(加村 9/27)
9/27),1y(加村 9/27)
・サラグモ科
コデーニッツサラグモ 1♀(加村 5/24)
ビジョオニグモ 1♀(加村 9/27)
コアカサナダグモ 1♂(加村 5/24)
ナガコガネグモ(*9/27)
27
くものいと,No. 49 (March 2016)
ビジョオニグモ 1♀(加村 9/27)
コガネグモ 1y(赤松 5/24)
アオオニグモ 1y(赤松 5/24)
,1y(赤
松 9/27)
ギンメッキゴミグモ(*5/24)
,1y(加
村 9/27)
ギンナガゴミグモ?(*5/24)
ゴミグモ 1♀(赤松 5/24),1y(赤松 9/27)
シマゴミグモ 1♀(加村 5/24)
ヨツデゴミグモ 1♀(赤松 5/24),1♀
(加村 5/24),1♂(赤松 9/27)
,1y(加
図 3.2015 年 5 月 24 日に採集されたアワセ
グモ(雄未成熟個体)
.撮影:関根幹夫.
村 9/27)
マルゴミグモ(*5/24)
・ネコグモ科
カラフトオニグモ?(*9/27)
コムラウラシマグモ(*9/27)
ワキグロサツマノミダマシ(*9/27)
ヤバネウラシマグモ 2y(加村 5/24)
・シボグモ科
ネコグモ 1♀(加村 5/24)
シボグモ 1y(西川 5/24)
・ウエムラグモ科
・アワセグモ科
イタチグモ 1♀(加村 5/24),1y(西川
アワセグモ ♂y(関根 5/24)
(図 3)
5/24),(*9/27)
・エビグモ科
・ハエトリグモ科
キハダエビグモ(*5/24)
ネコハエトリ(*5/24)
・カニグモ科
キハダカニグモ(*9/27)
マミジロハエトリ?(*9/27)
コカニグモ 1y(加村 5/24)
,1♂(*5/24)
シラヒゲハエトリ(*5/24),1♀(赤松
9/27)
コハナグモ 1y(赤松 5/24),1y(加村
アリグモ 1♂(*5/24),1y(赤松 9/27)
9/27)
デーニッツハエトリ 1♂(岸本・加村
カトウツケオグモ 1♂(清水 9/27)
5/24)
,
(*9/27)
アズチグモ 1♂(赤松 9/27)
アオオビハエトリ(*5/24)
セマルトラフカニグモ(*9/27)
コアカサナダグモは,新海ら(2014)によると従来,京都府内では採集記録がなか
ったものである.また,比較的稀な種として,カトウツケオグモ(♂)が得られた.
文献
小野展嗣 (編) 2009. 日本産クモ類. 東海大学出版会.
新海明・谷川明男・安藤昭久・池田博明・桑田隆生 2014. CD 日本のクモ Ver. 2014. 著者自刊.
(文責・西川喜朗)
28
くものいと,No. 49 (March 2016)
関西クモ研究会 2015 年度例会の記録
2015 年 12 月 20 日(日)に 大阪市立自然史博物館で 2015 年度の例会が開催された.
役員会
例会に先立って,役員会が開かれた.出席者:田中穂積(会長),吉田 真(会計),
加村隆英(編集)
,西川喜朗・船曳和代(顧問),関根幹夫(会計監査)
,奥山清市(陪
席)
.
以下の事項が審議,報告された.
(1)
「くものいと」の編集状況
2015 年 3 月に第 48 号を発行した.第 49 号を 2016 年 3 月に発行する予定.
(2)2016 年度の行事予定
,8 月 6 日(土)
,10 月 2 日(日),いずれも場
・観察採集会:2016 年 5 月 22 日(日)
所は,伊丹市昆陽池公園.伊丹市昆虫館との共催とし,一般市民の参加を募る.8 月
6 日は夜間の観察会とする.
・例会:2016 年 12 月 18 日(日)に大阪市立自然史博物館で開催.
例会
出席者:赤松史憲,荒川 真,伊規須貞子,伊藤 博,上田祐補,奥山清市,加村隆英,
岸本正也,黒田あき,座古禎三,関根幹夫,田中穂積,谷川明男,西川喜朗,西本 裕,
福田孝男,船曳和代,松本吏樹郎,村上協三,山田廣士,吉田 真(計 21 名).
図 1.例会に参加した皆さん.
29
くものいと,No. 49 (March 2016)
図 2.講演発表を聴く参加者の皆さん.
講演発表
(1)谷川明男:沖縄のクモ 2015
(2)西川喜朗:セアカゴケグモの巣のゴミのかざりについて
(3)黒田あき:① イソウロウグモの一種について,② ヒトエグモについて
(4)関根幹夫:千葉県富津市のハエトリグモ相撲「富津のフンチ」
(5)福田孝男・伊規須貞子:ネコハエトリの決闘
(6)奥山清市:
「クモ展(伊丹市昆虫館,2011 年)」について
(7)吉田 真:クモ研究者と「非定型肺炎」
(8)船曳和代:桜並木の残されたジョロウグモの卵のう分布
なお,講演の合間に,役員会で審議,報告した内容を出席者に紹介し,了承を得た.
また,出席者全員が近況を報告した.
ヒトリコゲチャハエトリ(♀)
,京都市左京区岩倉,
2012 年 5 月 20 日,関西クモ研究会 採集会.
撮影:加村隆英
30
くものいと,No. 49 (March 2016)
関西クモ研究会 2014 年度会計報告
収入:2013 年度からの繰越金
319,235
会費 2014 年度前受け分繰り入れ
50,000
会費 2014 年度分入金
21,000
会費過年度分入金
15,000
受取利子
110
=============================================================
合計
405,345
支出:くものいと No. 48
表紙用紙
1,026
くものいと No. 48
発送用封筒
977
くものいと No. 48
印刷費
1,000
くものいと No. 48
郵送費
12,040
くものいと No. 48
スティック糊
1,242
領収書送付(会計幹事宛)
82
12,750
採集会・例会等の案内 郵送費
採集会・例会等の案内 ラベル郵送費
1,230
郵送用ラベル用紙
1,890
373,108
2015 年度への繰り越し
=============================================================
合計
405,345
会費前受け状況
2014 年度末における会費前受け分の合計は,89,000 円である.
その内訳は次のとおり.2015 年度分 48,000 円;2016 年度分 20,000 円;2017 年度分
11,000 円;2018 年度分 6,000 円;2019 年度分 4,000 円.
上記のとおり,報告します.
会計幹事 吉田 真
****************************************************************************
会計 監査報告
関係諸票書類に基づき監査を行った結果,
関西クモ研究会 2014 年度 会計 について,
適正に処理されていることを確認いたしました.
2015 年 5 月 23 日
31
会計 監査 関根 幹夫
関西クモ研究会会員の皆様へ
「くものいと」電子版の公開にかかるお知らせとお願い
本誌「くものいと」は従来,印刷物(冊子)を会員に配布するだけでしたが,今後は,
創刊号に遡って,電子ファイルを一般に公開することを計画しています.そのために,
本誌に掲載された著作物の著作権は関西クモ研究会に帰属するものといたしますので,
ご了承ください.
(ただし,著作権が本会に帰属しても,著者自身の利用を妨げるもの
ではありません.)
この措置に異議のある方は,至急(遅くとも 2016 年 4 月 30 日までに)
,編集幹事の
加村にお申し出ください.
関西クモ研究会 編集幹事
加村 隆英
567-8502 大阪府茨木市西安威 2-1-15
追手門学院大学 生物学研究室
Tel 072-641-9550(研究室直通)
Fax
072-643-9432(大学教務課)
E-mail kamura@haruka.otemon.ac.jp
くものいと 第 49 号
2016 年 3 月 23 日 発行
関西クモ研究会
事務局:567-8502 大阪府茨木市西安威 2-1-15
追手門学院大学 生物学研究室
会
長:田中 穂積
庶務幹事:山野 忠清
会計幹事:吉田 真
編集幹事:加村 隆英
顧
問:西川 喜朗・船曳 和代
会計監査:関根 幹夫